JP6124662B2 - 球状金属酸化物粉末及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、球状金属酸化物粉末及びその製造方法に関する。詳しくは、球状のシリカ粉末であって、比表面積、細孔容量、吸油量が大きく、メジアン径が1〜50μmであり、各種充填剤、添加剤として有用な金属酸化物粉末に関する。
金属酸化物粉末の中でも、比表面積、細孔容積が大きなものは断熱性、吸油性に優れているという特徴を有する。特に、ゲル化体に含まれる液体の乾燥を、乾燥によって生じる収縮(乾燥収縮)を抑制しながら行ったものはエアロゲルと呼ばれ、各種断熱材や化粧品の材料として有用に用いられる。
エアロゲルは、高い空隙率を有する材料であり、優れた吸油性を有する。ここで言うエアロゲルとは、多孔質な構造を有し分散媒体として気体を伴う固体材料を意味し、特に空隙率60%以上の固体材料を意味する。なお、空隙率とは、見掛けの体積中に含まれている気体の量を体積百分率で表した値である。エアロゲルは、空隙率が高いことに起因して、優れた吸油性を有する。
例えばシリカエアロゲルの製法としては、アルコキシシランを原料として用い、該アルコキシシランの加水分解生成物を重縮合させて得られるゲル状化合物を、分散媒の超臨界条件下で乾燥する方法が知られている(特許文献1)。あるいは、ケイ酸アルカリ金属塩を原料として用い、該ケイ酸アルカリ金属塩を陽イオン交換樹脂に接触させるか、又は該ケイ酸アルカリ金属塩に鉱酸を添加することによってゾルを作成し、該ゾルをゲル化させた後に、該ゲルを分散媒の超臨界条件下で乾燥する方法も知られている(特許文献2及び3)。
このような方法によって製造できるエアロゲルは微細なシリカ骨格を有するため、高い空隙率を有するにも関わらず、優れた機械的強度を示す。
上記公知の製造方法においては、ゲル中の分散媒を超臨界条件下で乾燥除去することにより、乾燥収縮を抑制しつつ分散媒を気体に置換し、高い空隙率を有するエアロゲルの製造を可能にしている。しかし、上記の超臨界条件により乾燥したエアロゲルは、超臨界条件を実現するためにかかるコストが多大であるため、実際の用途はそのような高いコストに見合う特殊なものに限定される。そのため、コスト低減を目的とした常圧乾燥法が提案されている(特許文献4)。
エアロゲルの用途は様々であるが、各種化粧品材料として用いる用途がある。例えば皮膚にファンデーションを塗布した場合、その外観持続性を向上させるための添加剤として、エアロゲルが用いられる。この用途においては、吸油量、粒子の形状、および粒径が重要である。
化粧仕上がり時の外観を持続させるためには、皮脂によって発生するテカリを防止する必要がある。テカリの原因は以下のように考えられている。
粒子が有する空隙の体積を越えた皮脂は粉体層より溢れ出て、平滑な液層を形成する。粉体が皮脂で濡れる前に乱反射していた光は、皮脂量が増加するごとに正反射する率が高まるようになり、テカリとして認識されるようになる。このことから、高吸油量の粒子を添加することによりテカリを抑えることができる。
また、肌に塗布した粒子が離脱するとムラが発生する。粒子径が大きくなればなるほど、粒子の自重による重力は、肌への付着力よりも勝るようになり、肌から落下し易くなる。一方で肌の皮孔やシワなど肌の凹部分に入り込んだ粉体は、落下しにくいので、肌表面に部分的に残ることで、かえって肌の粗を目立たせる原因となる。このような理由により、粒径が5〜50μm程度で、密度の低い粉体が、化粧品用のファンデーションに添加する用途には適している。
また、粒子の形状及び粒径は触感と関係しており、肌へのローリング性を向上させ、滑らかな触感を得るためには、球状であることが求められる。球状エアロゲルの製造方法としては、混合ノズルを用いて酸とケイ酸アルカリ金属塩を混合後、噴霧し、液滴のままゲル化させる方法が提案されている(特許文献5)。この方法により製造されるエアロゲルは、ノズルで作成された液滴の大きさにより粒径が定められるため、粒子径が数100μm〜数ミリメートル程度である。粒径が大きくなると滑らかな触感を得ることが難しくなるため、粒子径は数10μm以下が適当であり、凝集粒子が無いことが好ましい。
粒子径が数10μm以下の球状エアロゲルを得る方法としては、金属酸化物ゾルをW相とするエマルションを形成させた後に、ゾルをゲル化させ、表面張力の低い有機溶媒に置換した後に疎水化剤で処理を行い、乾燥することが提案されている(特許文献6)。しかしながら、この方法で得られる球状エアロゲルは、置換時に凝集が発生し易く、化粧品用途に用いる場合には、未だ改善の余地があった。
米国特許第4402927号公報 特開平10−236817号公報 特開平06−040714号公報 特開平07−257918号公報 特表2002−500557号公報 特許第4960534号公報
従って、本発明の目的は吸油性に優れ、凝集粒子が少ない球状金属酸化物粉末を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、水系分散媒中で球状シリカのゲルを製造した後、有機溶媒による置換を行うことなく、シリル化処理を行い、このゲルを有機溶媒に抽出する方法により、凝集粒子の少ない球状シリカ粉末を製造することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、平均円形度が0.8以上の粒子からなるシリカ粉末であって、BET法による比表面積が400m/g以上1000m/g以下であり、BJH法による細孔容積が2ml/g以上8ml/g以下であり、レーザー回折式測定による粒度分布におけるメジアン径が1〜50μmの範囲内にあり、粒子径が前記メジアン径の10倍以上である粒子が0.5vol%未満であることを特徴とする金属酸化物粉末である。
本発明は下記(1)〜(8)の工程を含んでなることを特徴とする球状金属酸化物粉末の製造方法も提供する。
本発明の球状金属酸化物粉末の製造方法は、好ましくは(1)水性のシリカゾルを調整する工程、(2)該水性のシリカゾルをW相とする、O/W/O型エマルションもしくはW/O型エマルションを形成する工程、(3)前記シリカゾルのW相をゲル化させることにより、前記エマルションをゲル化体がO相に分散した分散液へと変換する工程、(4)前記ゲル化体がO相に分散した分散液を、該ゲル化体が存在するW相と、O相との2層に分離させる工程、(5)W相を回収して前記ゲル化体がW相に分散した分散液を得る工程、(6)該分散液にシリル化剤を添加する工程、(7)疎水性有機溶媒でゲル化体を抽出する工程、 (8)ゲル化体を回収する工程を上記順に含んでなる。
本発明はまた、上記金属酸化物粉末を有してなる化粧品も提供する。
本発明の金属酸化物粉末は、球状の独立粒子を主成分とするため充填性に優れる一方で、吸油量が多いため嵩密度が低減されている。よって真空断熱材の心材や、各種充填用途、添加用途、あるいは化粧品用途に、極めて有用に用いることが可能である。
さらに当該金属酸化物粉末を配合した化粧品は、滑らかな触感と共に、優れた外観持続性を得ることができる。
本発明の金属酸化物粉末の製造工程を示すフローチャート。 実施例1で得られた金属酸化物粉末の粒度分布。 比較例1で得られた金属酸化物粉末の粒度分布。
以下に示す形態は本発明の例示であり、本発明がこれらの形態に限定されるものではない。また、特に断らない限り、数値範囲について「A〜B」という表記は「A以上B以下」を意味するものとする。かかる表記において数値Bのみに単位を付した場合には、当該単位が数値Aにも適用されるものとする。
<1.金属酸化物粉末>
まず本発明の金属酸化物粉末について説明する。
本発明において金属酸化物は、軽量なため嵩密度をより小さくできる点、及び、安価で入手しやすい点から、シリカが用いられる。
本発明の金属酸化物粉末を構成する粒子は、その平均円形度が0.8以上である。好ましくは0.85以上である。なお「平均円形度」とは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、二次電子検出、低加速電圧(1kV〜3kV)、倍率1000倍で観察したSEM像を得、個々の粒子について下記式(1)によって定義される値C(円形度)を求め(画像解析)、この円形度Cを2000個以上の粒子について相加平均値として出した値である(画像解析法)。なおこの際、一個の凝集粒子を形成している粒子群は1粒子として計数する。
Figure 0006124662
[式(1)において、Sは当該粒子が画像中に占める面積(投影面積)を表す。Lは画像中における当該粒子の外周部の長さ(周囲長)を表す。]
平均円形度が0.8より大きくなって1に近くなるほど、当該金属酸化物粉末を構成する個々の粒子は真球に近い形状となり、凝集粒子も少なくなる。よって平均円形度が高ければ化粧品添加剤として利用したときにローリング性が良くなり、優れた触感が得られる。
本発明の金属酸化物粉末は、BET法による比表面積(BET比表面積)が400〜1000m/gであり、好ましくは、400〜850m/gである。比表面積が大きいほど、金属酸化物粉末の独立粒子の多孔質構造(網目構造)を構成する一次粒子の粒子径が小さいことを示す。よってBET比表面積が大きいほど、化粧品の添加剤に用いた際に増粘効果が高まる。これによって皮膚または頭髪等に化粧品を塗布した際、液垂れを防止することが可能である。しかしながら1000m/gを超えて大きいものを得ることは困難である。
なお当該BET法による比表面積は、測定対象のサンプルを、1kPa以下の真空下において、200℃の温度で3時間以上乾燥させ、その後、液体窒素温度における窒素の吸着側のみの吸着等温線を取得し、BET法により解析して求めた値である。
本発明の金属酸化物粉末は、BJH法による細孔容積が2〜8mL/gである。下限値は、好ましくは2.5mL/g以上、より好ましくは3mL/g以上である。また上限は6mL/g以下であることが好ましい。細孔容積が2mL/g以下である場合には、優れた吸油性能を得ることはできない。また8mL/gを超えて大きなものを得ることは困難である。
本発明において、BJH法による金属酸化物粉末の細孔容積は、上記のBET比表面積測定の際と同様に吸着等温線を取得し、BJH法(Barrett, E. P.; Joyner, L. G.; Halenda, P. P., J. Am. Chem. Soc. 73, 373 (1951)により解析して得られたものである(以下において、「BJH細孔容積」ということがある。)。本方法により測定される細孔は、半径1〜100nmの細孔であり、この範囲の細孔の容積の積算値が本発明における細孔容積となる。
本発明の金属酸化物粉末は、上記BJH法による細孔半径のピークが、通常10〜40nmの範囲にある。なお、細孔半径のピークとは、上記と同様に取得した吸着側の吸着等温性をBJH法によって解析して得られる、細孔半径の対数による累積細孔容積(体積分布曲線)が最大のピーク値をとる細孔半径の値を意味する。
本発明の金属酸化物粉末は、レーザー回折式測定による粒度分布におけるメジアン径(D50)が1〜50μmの範囲にある。そのため、化粧品の添加剤として利用した時の外観保持性が良く、滑らかな触感を得ることができる。当該メジアン径が、1〜20μmの範囲にあることがより好ましく、5〜20μmが特に好ましい。
なお、上記のレーザー回折式測定による粒度分布におけるメジアン径と、後述の画像解析による粒度分布におけるメジアン径とでは、値が異なり、通常はレーザー回折によるものは、画像解析による値よりも大きな値となる。
本発明の金属酸化物粉末における最大の特徴は、レーザー回折式測定による粒度分布における粒子径が、上記メジアン径の10倍以上である粒子が、0.5vol%未満である点にある。これは、本発明の金属酸化物粉末を構成する粒子のなかで凝集粒子が著しく少ないことを示す。当該割合は好ましくは0.2vol%以下であり、0vol%であっても良い。より好ましくは、メジアン径の8倍以上である粒子が2.0vol%以下、さらには1.0vol%以下、特に0.5vol%以下である。
本発明の金属酸化物粉末はこのようにメジアン径の10倍以上である粒子が極めて少なく、また前述の平均円形度が高いという特徴、即ち、粉末を構成する粒子が球状の独立粒子を主成分とする(凝集粒子が少ない)という特徴をもつ粉末である。
このような特徴を持つ本発明の金属酸化物粉末の代表的な製造方法について詳しくは後述する。
本発明の金属酸化物粉末は、前述のとおり表面積、細孔容積共に大きいため吸油量が通常は200mL/100g以上である。より好ましい吸油量は300mL/100g以上であり、さらには350mL/100g以上、特に好ましくは400mL/100g以上である。上限は特に限定されるものではないが、粒子強度(加圧した際の嵩密度の低下割合)を考慮すると700mL/100g以下であることが好ましく、600mL/100g以下であることがより好ましい。なお本発明において、当該吸油量の測定は、JIS K5101−13−1「精製あまに油法」記載の方法により行うものとする。
本発明においては、当該吸油量をより高いものとするために、金属酸化物粒子の内部に、粗大な空隙(すなわち中空部)を有する構造とすることも好ましい。当該中空部は、直径が0.5〜15μm程度、多くの場合1〜10μm程度であることが好ましい。このような中空部は、後述するO/W/O型エマルションを用いる製造方法により形成可能である。
本発明の金属酸化物粉末において、内部に上記の中空部が存在する場合には、下記式(2)によって得られる、BJH細孔容積に対する吸油量の比rの値:
Figure 0006124662
[式(2)において、Aは吸油量[mL/100g]を表す。BはBJH細孔容積[mL/g]を表す。]
が、0.70以上となる場合が多い。
本発明の金属酸化物粉末の内部に上記の中空部が存在する場合には、BJH法によって測定される程度の大きさの細孔(いわゆるメソ孔)に加えて上記中空部(粗大な空隙)が吸油する。よって、BJH細孔容積に対する吸油量の割合が高い傾向となる。換言すれば、吸油量/BJH細孔容積の比を指標にして、粒子の内部に上記粗大な空隙部(中空部)を有するか否かを判断できる。本発明の金属酸化物粉末において、吸油量/細孔容積の比(上記式(2)のr)は、0.70以上であることが好ましく、0.75以上であることがより好ましく、0.80以上であることが更に好ましく、0.85以上であることが特に好ましい。粒子強度を確保する観点から1.70以下であることが好ましく、1.50以下であることがより好ましい。
本発明の金属酸化物粉末の有する上記中空部の形状は一般的には略球状である。また当該中空部は一つの粒子の中に複数存在する場合もある。
本発明の金属酸化物粉末の粒子の内部にある中空部の存在は、前記の吸油量/細孔容積の比により概略把握できる。ただし、SEMや透過電子顕微鏡(TEM)で粒子を観測することにより、さらに直接的に確認することが可能である。また、走査透過電子顕微鏡(STEM)による暗視野像(DF−STEM像)観察によっても確認が可能である。SEMにより確認する場合には、加速電圧を変化させた二次電子検出像を比較することにより確認することができる。例えば加速電圧を3.0kVとした場合には、粒子の表面が強調された画像を得ることができ、加速電圧を30.0kVとした場合には、粒子の内部の画像が強調される画像を得ることができる。すなわち、加速電圧が3.0kVのときには観測できなかった中空が、加速電圧が30.0kVとした場合には、観測できるため、両者の画像を比較することで中空を確認できる。また、STEMによる観察においては、中空が存在する部分と存在しない部分との間には、暗視野像においてコントラストの違いが生じるため、その画像中のコントラスト差により確認することができる。
本発明の金属酸化物粉末の更なる特徴点は、上記のような物性を持ったシリカ粉末が、球状の独立粒子を主成分として構成されている点にある。従来から知られている、所謂、ゲル法シリカや湿式シリカ粉末のなかにも最大400mL/100g程度の吸油量を示すものがある。しかしながら、このような既存のシリカは、一次粒子が強く凝集して不定形の二次粒子を形成しているものであって、本発明の金属酸化物粉末のように球状の独立粒子を主成分として構成されているのではない。換言すれば、従来公知の高吸油量シリカ粉末は、レーザー回折式測定による粒度分布ではメジアン径よりも遙かに大きな粒子が多数観測され、また平均円形度が小さなものとなっている。
このように、本発明の金属酸化物粉末は粒子形状においても特徴を有するので、従来公知の湿式シリカ等の高吸油量の粉体に比べて、その粉体としての流動性に遙かに優れる。
本発明の金属酸化物粉末は、疎水化されていることが好ましい。本発明の金属酸化物粉末が疎水化されている場合、経時劣化の原因となる水分の吸着が少ないため、極めて有用である。また、超臨界乾燥および溶媒置換を伴わずに製造できるという観点からも、疎水化されていることは好ましい。本発明の金属酸化物粉末が疎水化されている態様の具体例としては、シリル化剤により処理されていることにより、表面に有機シリル基が導入された態様を挙げることができる。
本発明の金属酸化物粉末が疎水性であるか否かは、当該粉末を純水と一緒に容器に入れ攪拌等を行うことにより極めて容易に確認できる。疎水化されていれば、その粉末は水に分散することなく、かつ、静置すれば水を下層、粉末を上層とする2層に分かれた状態を取り戻す。
また、本発明の金属酸化物粉末が疎水化されていることを示す指標の一つとして、炭素含有量を挙げることができる。金属酸化物粉末に含まれる炭素含有量は、1000〜1500℃程度の温度において、空気中、若しくは酸素中で酸化処理した際に発生する二酸化炭素の量を定量することにより、測定することができる。
本発明の金属酸化物粉末が疎水化されている場合、これに含まれる炭素含有量としては、好ましくは5〜12質量%、更に好ましくは6〜10質量%である。炭素含有量を6質量%以上となるように疎水化することにより、本発明の金属酸化物粉末をファンデーション用の添加剤として用いる場合には、汗による化粧崩れを防止することができるため好ましい。なお、一般的な疎水化処理により、本発明の金属酸化物粉末の上記物性を有したまま12質量%を超えて大きなものを得ることは難しい。
<2.球状金属酸化物粉末の製造方法>
上述の物性を有する本発明の金属酸化物粉末の製法は、特に限定されないが、本発明者らの検討によれば、以下に述べる方法により好ましく製造することができる。
本発明の金属酸化物粉末は、水性のシリカゾルをW相(水相)とするO/W/O型エマルションもしくはW/O型エマルションを形成させ、その後該エマルション中で該シリカゾルをゲル化させ、シリル化処理した後に、疎水性有機溶媒中にゲルを抽出することにより製造することができる。
図1は、球状金属酸化物粉末の製造方法S10(以下、「製造方法S10」又は単に「S10」と略記することがある。)を説明するフローチャートである。製造方法S10は、本発明の金属酸化物粉末の製造方法の好ましい一実施形態を例示するものである。図1に示すように、製造方法S10は、下記工程(1)〜(8)を順に有する:
(1)水性のシリカゾル(金属酸化物ゾル)を調整する工程
(2)該水性のシリカゾルをW相とする、O/W/O型エマルション、もしくはW/O型エマルション型を形成する工程。
(3)前記シリカゾルのW相をゲル化させることにより、前記エマルションをゲル化体がO相に分散した分散液へと変換する工程
(4)前記ゲル化体がO相に分散した分散液を、該ゲル化体が存在するW相と、O相との2層に分離させる工程
(5)W相を回収して前記ゲル化体がW相に分散した分散液を得る工程。
(6)該分散液にシリル化剤を添加する工程。
(7)疎水性有機溶媒でゲル体を抽出する工程。
(8)ゲル化体を回収する工程。
(水性のシリカゾル調整工程S1)
水性のシリカゾル(金属酸化物ゾル)調整工程(1)(以下、「S1」と略記することがある。)は、水性のシリカゾルの公知の調整方法を適宜選択して実施すればよい(以下、水性のシリカゾルを単に「シリカゾル」という)。該シリカゾル作成の原料としては、ケイ素アルコキシド;ケイ酸アルカリ金属塩;等を使用することができる。
本発明において好ましく使用可能なケイ素アルコキシドを具体的に例示すると、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等が挙げられる。
本発明において好ましく使用可能なケイ酸アルカリ金属塩の一例としては、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム等が挙げられ、化学式は、下記の式(3)で示される。
Figure 0006124662
[式(3)中、m及びnはそれぞれ独立に正の整数を表し、Mはアルカリ金属原子を示す。
上記のシリカゾル作成の原料のなかでも、安価な点でケイ酸アルカリ金属塩を好適に用いることができ、更には入手が容易であるケイ酸ナトリウムが好適である。以下、シリカゾル作成の原料としてケイ酸ナトリウムを用いシリカを製造する形態を代表例として説明するが、他のシリカ源を用いた場合でも、公知の方法で水性ゾルの作成及びゲル化を行うことにより、同様にして本発明の金属酸化物粉末を得ることができる。
ケイ酸ナトリウム等のケイ酸アルカリ金属塩を用いる場合には、塩酸、硫酸等の鉱酸で中和する方法や、あるいは対イオンが水素イオン(H)とされている陽イオン交換樹脂(以下、「酸型陽イオン交換樹脂」ということがある。)を用いる方法によって、ケイ酸アルカリ金属塩中のアルカリ金属原子を水素原子で置換することで、シリカゾルを調製することができる。
上記の酸により中和することによってシリカゾルを調製する方法としては、酸の水溶液に対して、該水溶液を撹拌しながらケイ酸アルカリ金属塩の水溶液を添加する方法や、酸の水溶液とケイ酸アルカリ金属塩の水溶液とを配管内で衝突混合させる方法が挙げられる(例えば特公平4−54619号公報参照)。用いる酸の量は、ケイ酸アルカリ金属塩のアルカリ金属分に対する水素イオンのモル比として、1.05〜1.2とすることが望ましい。酸の量をこの範囲にした場合には調製したシリカゾルのpHは、1〜3程度となる。
上記の酸型陽イオン交換樹脂を用いてシリカゾルを調製する方法は、公知の方法により行うことができる。例えば、酸型陽イオン交換樹脂を充填した充填層に適切な濃度のケイ酸アルカリ金属塩の水溶液を通過させる手法、あるいは、ケイ酸アルカリ金属塩の水溶液に、酸型陽イオン交換樹脂を添加及び混合し、アルカリ金属イオンを陽イオン交換樹脂に化学吸着させて溶液中から除去した後に濾別するなどして酸型陽イオン交換樹脂を分離する手法等が挙げられる。その際に、用いる酸型陽イオン交換樹脂の量は、溶液に含まれるアルカリ金属を交換可能な量以上とする必要がある。
上記の酸型陽イオン交換樹脂としては、公知のものを特に制限なく使用することができる。例えば、スチレン系、アクリル系、メタクリル系等のイオン交換樹脂であって、イオン交換性基としてスルフォン酸基やカルボキシル基を有するものを用いることができる。このうち、スルフォン酸基を有する、いわゆる強酸型の陽イオン交換樹脂を好適に用いることができる。
なお、上記の酸型陽イオン交換樹脂は、アルカリ金属の交換に使用した後に、公知の方法、例えば硫酸や塩酸を接触させることで再生処理を行うことができる。再生に用いる酸の量は、通常は、イオン交換樹脂の交換容量に対して2〜10倍の量が用いられる。
上記の方法により作成したシリカゾルの濃度としては、ゲル化が比較的短時間で完了し、またシリカ粒子の骨格構造の形成を十分なものとして乾燥時の収縮を抑制でき、大きな細孔容量を得られやすい点で、シリカ分の濃度(SiO換算濃度)として50g/L以上とすることが好ましい。その一方で、シリカ粒子の密度を相対的に小さくして、良好な細孔容積を得、また吸油量を多くできやすい点で、160g/L以下とすることが好ましく、100g/L以下とすることがより好ましい。
(エマルション形成工程S2)
エマルション形成工程(2)(以下、単に「S2」ということがある。)は、S1によって得た水性シリカゾルをW相(水相)、水と混和しない液体をO相(有機相)とする、W/O型エマルション、若しくはO/W/O型エマルション(以下、両者を合わせて単にエマルションと呼ぶ場合もある。)を形成する工程である。該エマルションの形成方法としては、公知の方法を適宜選択して実施することができる。
上記の水と混和しない液体は、炭化水素類やハロゲン化炭化水素等を使用することが可能であり、例えばヘキサン、ヘプタン、トルエン、オクタン、ノナン、デカン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロプロパン等の疎水性有機溶媒が挙げられる。このうち適度な粘度を有する、ヘプタンを好適に用いることができる。
上記のW/O型エマルションを形成する場合には、界面活性剤を添加することが好ましい。使用する界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤を使用することが可能である。界面活性剤の親水性、疎水性の程度を示す値であるHLB値は、4〜6程度のものを好適に用いることができる。なお本発明において「HLB値」とは、グリフィン法によるHLB値を意味する。具体的にはソルビタンモノオレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノセスキオレート等が挙げられる。上記W相及びO相からなるW/O型エマルションを形成しやすい点でノニオン系界面活性剤が好ましい。界面活性剤の使用量はW/O型エマルションを形成させる際の一般的な量と変わるところがなく、具体的には、0.05〜5重量%程度であればよい。
上記のW/O型エマルションを形成する際に、ゾル中に水と混和しない液体を分散させる方法としては、公知のW/O型エマルションの形成方法を採用すればよい。具体的には、ミキサー、ホモジナイザー等を使用する方法がある。好適には、ホモジナイザーを用いることができる。分散しているW相の粒径が概ね、金属酸化物粒子の粒径になる。従って、所望のメジアン径になるように、分散強度、分散時間、界面活性剤の添加量を調整すればよい。すなわち、該ゾルの粒径をレーザー回折式測定による粒度分布におけるメジアン径が1〜50μmの範囲にすることが好ましく、1〜30μmの範囲にすることがより好ましい。前述のとおり、当該W相の粒径を顕微鏡で観察した場合には1〜50μm、特に1〜20μmが好ましい。
また、前記のO/W/O型エマルションの形成方法としては、O/W型エマルションを形成させた後に、該O/W型エマルションのW相と混和しない溶媒(第2のO相)を用いてO/W/O型のエマルションを形成する方法が好適である。
上記のO/W型エマルションを形成する際には、界面活性剤を添加することが好ましい。使用する界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤を使用することが可能である。界面活性剤の親水性及び疎水性の程度を示す値であるHLB値は、10〜15程度のものを好適に用いることができる。具体的にはポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート等が挙げられる。上記W相及びO相からなるO/W型エマルションを形成しやすい点でノニオン系界面活性剤が好ましい。界面活性剤の使用量はO/W型エマルションを形成させる際の一般的な量と変わるところがなく、具体的には、0.05〜5重量%程度であればよい。
上記のO/W型エマルションを形成する際に、ゾル中に水と混和しない液体を分散させる方法としては、公知のO/W型エマルションの形成方法を採用すればよい。具体的には、ミキサー、ホモジナイザー等を使用する方法がある。好適には、ホモジナイザーを用いることができる。分散しているO相の粒径が概ね、前述した金属酸化物粒子中に存在する空隙部の粒径になる。従って、所望の粒径になるように、分散強度、分散時間及び界面活性剤の添加量を調整すればよい。すなわち、該ゾルの粒径をレーザー回折式測定による粒度分布におけるメジアン径が1〜50μmの範囲にすることが好ましく、1〜20μmの範囲にすることがより好ましい。前述のとおり、当該O相の粒径を顕微鏡で観察した場合には0.5〜15μm、特に1〜10μmが好ましい。
本方法により本発明の金属酸化物ゲルを製造するには、上記O/Wエマルションの形成に引き続き、該O/W型エマルションのW相と混和しない溶媒(第2のO相)を用いてO/W/O型のエマルションを形成する。この場合にも、該溶媒に加えてさらに界面活性剤を添加することが好ましい。
このとき用いる溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、オクタン、ノナン、デカン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロプロパン等の疎水性有機溶媒が挙げられる。
使用する界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤を使用することが可能である。界面活性剤の親水性、疎水性の程度を示す値であるHLB値は、4〜6程度のものを好適に用いることができる。具体的にはソルビタンモノオレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノセスキオレート等が挙げられる。上記W相及び二つのO相からなるO/W/O型エマルションを形成しやすい点でノニオン系界面活性剤が好ましい。界面活性剤の使用量はW/O型エマルションを形成させる際の一般的な量と変わるところがなく、具体的には、0.05〜5重量%程度であればよい。
上記のO/W/O型エマルションを形成する際に、水と混和しない液体中にゾルを分散させる方法としては、前述のO/W型エマルションの形成方法を採用すればよい。分散している金属酸化物ゾル(W相)の粒径が概ね、製造される本発明の金属酸化物粉末を構成する粒子の粒径となる。従って、所望のメジアン粒径になるように、分散強度、分散時間及び界面活性剤の添加量を調整すればよい。すなわち、該ゾルの粒径をレーザー回折式測定による粒度分布におけるメジアン径が1〜50μmの範囲にすることが好ましく、1〜30μmの範囲にすることがより好ましい。前述のとおり、当該W相の粒径を顕微鏡で観察した場合には1〜50μm、特に1〜30μmが好ましい。
(ゲル化工程S3)
ゲル化工程(3)においては、前述の操作によってエマルションを形成させた後、シリカゾルのゲル化を行う(ゲル化工程S3。以下単に「S3」と略記することがある。)。当該ゲル化は、エマルションの状態が崩れない限り公知のゲル化の方法を特に制限なく採用できる。
第1の好ましい方法としては、シリカゾル形成時にゲル化までの時間がある程度長くなるようにpH調整を行っておく方法を例示できる。すなわち、前述の金属酸化物ゾルの形成時にエマルション形成中はゲル化せず、その後30分程度一定温度で保持することでゲル化が起こる程度のpHに調整しておく方法である。具体的には、各操作を室温において行う場合、シリカ濃度が上記範囲内であれば、pHを3〜5の範囲内にしておくことが好ましく、3〜4.5の範囲内としておくことがより好ましい。
また、第2の好ましい方法としては、エマルションに対して塩基性物質を加えることによって、W相のpHを上昇させて弱酸性ないし塩基性にする方法を例示できる。この場合、シリカゾルを調製する際に該ゾルが比較的安定である低いpH(0.5〜2.5程度)に調製しておくことが好ましい。W相のpHを上昇させる具体的な方法としては、W相が目的のpHになる塩基の量を予め決定しておき、その量の塩基をエマルションに加えることにより行うことが好ましい。目的のpHとなる塩基の量の決定は、エマルションに用いる金属酸化物ゾルを一定量分取し、該分取したシリカゾルのpHをpHメーターにより測定しながら、ゲル化に用いる塩基を該分取したシリカゾルに加え、目的のpHが達成される塩基の量を測定することにより、行うことができる。
エマルションに塩基性物質の添加するに際しては、ミキサー等による攪拌を行うことにより、pHが局所的に偏って上昇すること(局所的なpH上昇)をできるだけ防止することが好ましい。なお、塩基性物質としては、例えばアンモニア、苛性ソーダ、アルカリ金属ケイ酸塩等が挙げられる。
上記のゲル化にかかる時間は、温度やシリカゾルの濃度にもよるが、pH5、温度50℃、シリカゾル中のシリカ濃度(SiO換算)が80g/Lの場合には、数分後にはゲル化が起こる。
本発明の金属酸化物粉末を構成する粒子を高強度にするという観点から、ゲル化後に0.5〜24時間程度、熟成(エージング(aging))を行うことによってゲル化反応(脱水縮合反応)をさらに進行させることも好ましい。当該熟成は室温〜80℃程度で保持することによって行うことができる。
(W相分離工程S4)
W相分離工程(4)においては、前記分散溶媒をO相とW相の2層に分離するものであり、一般的には解乳とも呼ばれている操作である。(W相分離工程S4。以下単に「S4」と略記することがある。)。上記S1乃至S3を経ることにより得たにゲル化体は、分離して得られたW相側に存在している。
当該W相分離方法としては、公知の方法を採用することが可能であるが、具体的には、水溶性有機溶媒の添加、塩の添加、遠心力の付与、酸の添加、濾過、容積比の変化(水又は疎水性溶媒の添加)等から選ばれる一つ、あるいは複数を組み合わせて実施することができる。好適には、一定量の水溶性有機溶媒をエマルション中に加えてO相とW相の2層に分離することができる。この工程を経ると、一般に、上層がO相(有機層)、下層がW相(水層)となる。
上記の水溶性有機溶媒としては、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。このうち、イソプロピルアルコールは、後述のシリル化処理の際にも、処理の効率を高める上で効果があるため、好適に用いることができる。
上記の水溶性有機溶媒の添加量としては、エマルション形成時に用いた界面活性剤の種類および量によって調整することが好ましい。例えば、O/W/O型エマルションの場合に、O/W型エマルションの界面活性剤としてポリオキシエチレン(20)ラウリルエーテル、O/W/O型エマルション形成時の界面活性としてソルビタンモノオレートを用いた場合には、第1、第2のO相の合計量に対して質量で1/4〜1倍程度の水溶性有機溶媒を加え、必要に応じて攪拌後、静置することにより、好適に解乳を行うことができる。また、S4工程を行う場合の温度は特に限定されないが、通常は、20〜40℃程度で行うことができる。
(W相回収工程S5)
W相回収工程(5)においては、前記W相の回収を行う(W相回収工程S5。以下単にS5と略記することがある。)。引き続き行われるゲル化体のシリル化処理の処理効率を向上させるため、上記S4で得られたO相とW相の2層分離液から、例えばデカンテーション等でO相を除去し、W相を回収することができる。
なおここで、完全にO相を除去する必要はないが、当該W相に含まれるゲル化体をシリル化処理する工程において、効率的にシリル化処理を行うためには回収液に含まれるO相の割合はなるべく少ない方が良く、回収液中に含まれる量としては、30wt%以下が好ましく、さらに好ましくは20wt%以下である。
(シリル化処理工程S6)
本発明の金属酸化物粉末の製造方法においては、上記W相分離工程、W相回収工程の後にシリル化剤を用いてゲル化体をシリル化処理することが好ましい(シリル化処理工程S6。以下単に「S6」と略記することがある。)。本発明において使用可能なシリル化剤としては金属酸化物(ここではシリカである。)表面に存在するヒドロキシ基:
Figure 0006124662
[式(4)中、Mは金属原子を表す。式(4)においてはMの残りの原子価は省略されている。]
と反応し、これを
Figure 0006124662
[式(5)中、nは1〜3の整数であり、Rは炭化水素基であり、nが2以上である場合には、複数のRは同一でも相互に異なっていてもよい。]
へと変換することが可能なシリル化剤を一例として挙げることができる。このようなシリル化剤を用いてシリル化処理を行うことにより、金属酸化物(ここではシリカである。)表面のヒドロキシ基が疎水性のシリル基でエンドキャッピングされて不活性化されるので、表面ヒドロキシ基相互間での脱水縮合反応を抑制できる。よって、臨界点未満の条件で乾燥を行っても乾燥収縮を抑制できるので、2mL/g以上のBJH細孔容積を有する金属酸化粉末を得ることが可能になる。
上記のシリル化剤としては、以下の一般式(6)〜(8)で示される化合物が知られている。
Figure 0006124662
[式(6)中、nは1〜3の整数を表し;Rは炭化水素基等の疎水基を表し;Xはヒドロキシ基を有する化合物との反応においてSi原子との結合が開裂して分子から脱離可能な基(脱離基)を表す。nが2以上のとき複数のRは同一でも異なっていてもよい。また、nが2以下のとき複数のXは同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0006124662
[式(7)中、Rはアルキレン基を表し;R及びRは各々独立に炭化水素基を表し;R及びRは各々独立に水素原子又は炭化水素基を表す。]
Figure 0006124662
[式(8)中、R及びRは各々独立に炭化水素基を表し、mは3〜6の整数を表す。複数のRは同一でも異なっていてもよい。また、複数のRは同一でも異なっていてもよい。]
上記式(6)において、Rは炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜10の炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜4の炭化水素基であり、特に好ましくはメチル基である。
Xで示される脱離基としては、塩素、臭素等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;−NH−SiRで示される基(式中、Rは式(6)におけるRと同義である)等を例示できる。
上記式(6)で示されるシリル化剤を具体的に例示すると、クロロトリメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、トリクロロメチルシラン、モノメチルトリメトキシシラン、モノメチルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。反応性が良好である点で、クロロトリメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、トリクロロメチルシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン及び/又はヘキサメチルジシラザンが特に好ましい。
脱離基Xの数(4−n)に応じて、金属酸化物骨格上のヒドロキシ基と結合する数は変化する。例えば、例えば、nが2であれば:
Figure 0006124662
という結合が生じることになる。また、nが3であれば:
Figure 0006124662
という結合が生じることになる。このようにヒドロキシ基がシリル化されることにより、シリル化処理がなされる。
上記式(7)において、Rはアルキレン基であり、好ましくは炭素数2〜8のアルキレン基であり、特に好ましくは炭素数2〜3のアルキレン基である。
上記式(7)において、R及びRは各々独立に炭化水素基であり、好ましい基としては、式(6)におけるRと同様の基を挙げることができる。Rは水素原子又は炭化水素基を示し、炭化水素基である場合には、好ましい基としては、式(6)におけるRと同様の基を挙げることができる。この式(7)で示される化合物(環状シラザン)でゲル化体を処理した場合には、ヒドロキシ基との反応によりSi−N結合が開裂するので、ゲル化体中の金属酸化物(ここではシリカである。)骨格表面上には
Figure 0006124662
という結合が生じることになる。このように上記式(7)の環状シラザン類によっても、ヒドロキシ基がシリル化され、シリル化処理がなされる。
上記式(7)で示される環状シラザン類を具体的に例示すると、ヘキサメチルシクロトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン等が挙げられる。
上記式(8)において、R及びRは各々独立に炭化水素基であり、好ましい基としては、式(6)におけるRと同様の基を挙げることができる。mは3〜6の整数を示す。この式(8)で示される化合物(環状シロキサン)でゲル化体を処理した場合、ゲル化体中のシリカ骨格表面上には、
Figure 0006124662
という結合が生じることになる。このように上記式(8)の環状シロキサン類によっても、ヒドロキシ基がシリル化され、シリル化処理がなされる。
上記式(8)で示される環状シロキサン類を具体的に例示すると、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。
上記のシリル化処理の際に使用する処理剤の量としては、処理剤の種類にもよるが、例えば、ジメチルジクロロシランを処理剤として用いる場合には、シリカ100重量部に対して30〜150重量部が好適である。
上記のシリル化処理の条件は、S5工程で分離したW相に対して、シリル化処理剤を加え、一定時間反応させることにより行うことができる。例えば、シリル化処理剤としてジメチルジクロロシランを用い、処理温度を50℃とした場合には、4〜12時間程度以上保持することで行うことでき、オクタメチルシクロテトラシロキサンを用い、処理温度を70℃とした場合には6〜12時間程度以上保持することで行うことができる。
また、シリル化処理剤としてオクタメチルシロクテトラシロキサン等の環状シロキサン類を用いる場合には、塩酸を添加することで溶液のpHを0.3〜1.0とすることが、反応の効率を高める上で好ましい。
当該シリル化処理工程においては、W相中への処理剤の溶解度を高めて、反応の効率を高める目的で、水溶性有機溶媒を加えることが好ましい。この水溶性有機溶媒としては、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。このうち、イソプロピルアルコールを好適に用いることができる。
上記水溶性有機溶媒は、W相中の濃度が、20〜80wt%程度になるように加えることが好ましい。S4工程において、W相を分離する際に水溶性有機溶媒を加えた場合には、本S6工程においてもそのまま使用することが可能である。
(ゲル化体抽出工程S7)
ゲル化体抽出工程(7)においては、上記S6におけるシリル化処理の後にゲル化体を疎水性有機溶媒中に抽出する(ゲル化体抽出工程S7。以下単に「S7」と略記することがある。)。ゲル化体抽出に用いる疎水性有機溶媒の選定基準としては、後の乾燥工程の際、乾燥収縮を起こさないために表面張力が小さいことが挙げられる。具体的にはヘキサン、ヘプタン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエン等を用いることができ、好適にはヘキサン、ヘプタン、トルエンを用いることが出来る。
上記の疎水性有機溶媒への抽出を行った後に、ゲル化体に含まれる塩分や、疎水性有機溶媒中に含まれる硫酸塩等を除去するために、当該有機溶媒を水或いはアルコールの水溶液で洗浄を行うことが好ましい。この洗浄操作は、公知の方法で行うことができる。洗浄効率を上げる上では、数十wt%程度のイソプロピルアルコールの水溶液を用いることが好ましい。また、疎水性有機溶媒の沸点を超えない範囲で、高温にすることが洗浄効率を高める上では好ましい。通常は、50〜70℃の範囲で行うことができる。
(ゲル化体回収工程S8)
ゲル化体回収工程(8)においては、上記S7におけるゲル化体抽出工程において得られた疎水性有機溶媒に分散しているゲルを濾別等により溶媒と分離し、疎水性有機溶媒を除去(すなわち乾燥)する(ゲル化体回収工程S8。以下単に「S8」と略記することがある。)。乾燥する際の温度は、溶媒の沸点以上で、表面処理剤の分解温度以下であることが好ましく、圧力は常圧ないし減圧下で行うことが好ましい。
本発明の製造方法S10においては、上記S1からS8を経ることにより、本発明の金属酸化物粉末を得ることができる。即ち、特許第4960534号公報に開示されている方法とは異なり、ゲル化体の表面が親水性の(M−OHを多量に有する)状態で疎水性有機溶媒へと分散媒を置換することが無いため、粒子の凝集を起こすことが少なく、よって前述したような特徴、即ち、メジアン径の10倍以上である粒子が少なく、また平均円形度が高いという特徴を発現する。
本発明の金属酸化物粉末を上述の方法により製造した場合には、疎水性を示すが、表面の疎水基を熱分解することにより、親水性に変えることも可能である。例えば、非酸化性雰囲気(窒素雰囲気など)下において、400〜700℃の温度で、好ましくは500〜600℃の温度で1〜8時間程度保持することで、その表面の疎水基を熱分解することが可能である。
(物性、及び用途)
本発明の金属酸化物粉末は、吸油量が多いため皮膚及び頭皮表面の脂分を効率良く吸収し、また疎水性である場合には汗をはじく効果もあることからメイクアップ化粧料やデオドラント用品、整髪料などの化粧品としても好適に用いることができる。また、中空内部に保湿効果の高い化合物を内包することも可能であるため、上記のような化粧品用途に用いた場合にはより高い保湿効果も期待できると考えられる。また、他の薬物を中空の内部に内包させることで、DDSなど幅広い用途に用いることができると考えられる。
以下、本発明を具体的に説明するため、実施例を示す。ただし本発明はこれらの実施例のみに制限されるものではない。また、実施例及び比較例において、アセトン洗浄液中のヘキサン濃度の測定、及び、ヘキサン洗浄液中のアルコール濃度の測定は、ガスクロマトグラフィーにより行った。アルコール洗浄液中の水分量の測定は、カールフィッシャー法により行った。また、洗浄水の電気伝導度の測定は、電気伝導度計により行った。
<評価方法>
実施例1〜6及び比較例1で製造した金属酸化物粉末に対して、以下の項目について試験を行った。
(平均円形度、および画像解析によるメジアン径の測定)
2000個以上の金属酸化物粉末粒子についてSEM(日立ハイテクノロジーズ製S−5500、加速電圧3.0kV、二次電子検出)を用いて倍率1000倍で観察したSEM像を画像解析し、上述の定義に従って平均円形度、およびメジアン径を算出した。
(中空部の径の測定)
2000個以上の金属酸化物粉末粒子についてSEM(日立ハイテクノロジーズ製S−5500、加速電圧30.0kV、二次電子検出)を用いて倍率1000倍で観察したSEM像を画像解析し、粒子中に確認された中空部の像の投影面積と等しい面積を有する円の直径「円相当径」を算出し、その範囲を記録した。
(レーザー回折による粒度分布、メジアン径の測定)
40mlのイソプロピルアルコールに対して当該金属酸化物粉末を0.05g添加し、シャープマニュファクチュアリング株式会社製のUT−105Sを用いて、出力100wで3分間分散させた。その分散液の粒度分布を日揮装置株式会社社製 Microtrac MT3000を用いて測定を行った。溶媒の屈折率は1.38とし、粒子の屈折率は1.46とした。得られた粒度分布から、体積分布に対するメジアン径を評価した。
(その他の物性値の測定)
BET比表面積、及びBJH細孔容積の測定は、上述の定義に従って日本ベル株式会社製BELSORP−maxにより行った。吸油量の測定は、JIS K5101−13−1に規定されている「精製あまに油法」により行った。
炭素含有量(表1中の「C値」)の測定はelementar社 variO MICRO CUBEを用いて、温度1150℃において酸素とヘリウムをフローしながらで酸化処理し、発生した二酸化炭素の量を定量することにより測定し、金属酸化物粉末全量を基準(100質量%)とする質量%で算出した。
<実施例1>
(S1:金属酸化物ゾル調整工程)
3号ケイ酸ソーダの溶液を希釈し、SiO:150g/L、NaO:51g/Lの濃度に調整した。また、103g/Lに濃度調整した硫酸を準備した。ケイ酸ソーダの溶液を1.08L/分、硫酸を0.99L/分の条件で、配管内で衝突混合することにより、シリカゾルを作成した。取得したシリカゾルのpHは、1.67であった。
(S2:エマルション形成工程)
上記調整したシリカゾルをpH3になるように、SiO:80g/L、NaO:27g/Lケイ酸ソーダを加えて調整した。このシリカゾル100mLを分取し、50mLのヘプタンを加え、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルを0.8g添加し、ホモジナイザー(IKA製、T25BS1)を用いて、11000回転/分の条件で5分間攪拌することで、O/Wエマルションを形成させた。その後、エマルションに230mLのヘプタンを加え、ソルビタンモノオレートを2.4g添加して、ホモジナイザー(IKA製、T25BS1)を用いて、11000回転/分の条件で5分間攪拌することにより、O/W/Oエマルションを得た。
(S3:ゲル化工程)
得られたO/W/OエマルションにSiO:80g/L、NaO:27g/Lケイ酸ソーダを加えてpH6になるように調整した。
(S4:W相分離工程)
イソプロピルアルコール125mLを加えて攪拌羽で攪拌した。その後、静置することによりO相を上層、W相を下層とする2層に分離した。
(S5:W相回収工程)
デカンテーションにより、上層のO相を除去することで、下層のW相を回収した。
(S6:シリル化処理工程)
得られたW相を60℃のウォーターバスで3時間熟成させた。その後35%塩酸を10g、オクタメチルシクロテトラシロキサンを4g添加し、攪拌しながら70℃のウォーターバスで24時間保持することにより、シリル化処理を行った。
(S7:ゲル化体抽出工程)
処理後、攪拌羽で攪拌しながらトルエン100mLを加え、ゲル化体を抽出し、イオン交換水100mLで3回洗浄を行った。
(S8:ゲル化体回収工程)
得られたシリル化後のゲル化体を吸引濾過機により濾別した。ゲル化体の乾燥を常圧下、窒素を流通させながら行うことにより、本発明の金属酸化物粉末を得た。乾燥の温度及び時間は150℃で12時間とした。このようにして得られた金属酸化物粉末の物性を表1、2に示す。
<実施例2>
S6シリル化工程における処理時間を48時間とする以外は、実施例1の操作と同様に行った。得られた金属酸化物粉末の物性を表1、2に示す。
<実施例3>
S6シリル化処理時に、オクタメチルテトラシロキサンを8g添加する以外は、実施例2の操作と同様に行った。得られた金属酸化物粉末の物性を表1、2に示す。
<実施例4>
シリル化処理工程における熟成時間を1時間とし、処理温度および処理時間を60℃で48時間とする以外は実施例3と同様の操作を行った。得られた金属酸化物粉末の物性を表1に示す。
<実施例5>
実施例1で得た金属酸化物粉末を550℃の電気炉で2時間焼成した。このようにして得られた金属酸化物粉末の物性を表1、2に示す。
<実施例6>
実施例1と同様にしてシリカゾルを得た。その後このシリカゾルを100mL分取し、ソルビタンモノオレートを2.4g添加し、ヘプタン230mLを加えてホモジナイザー(IKA製、T25BS1)を用いて、11000回転/分の条件で5分間攪拌することで、W/Oエマルションを形成させた。その後の操作は実施例1と同様に行った。得られた金属酸化物粉末の物性を表1、2に示す。
<比較例1>
3号ケイ酸ソーダの溶液を希釈し、SiO:150g/L、NaO:51g/Lの濃度に調整した。また、103g/Lに濃度調整した硫酸を準備した。ケイ酸ソーダの溶液を1.08L/分、硫酸を0.99L/分の条件で、配管内で衝突混合することにより、シリカゾルを作成した。取得したシリカゾルのpHは、1.67であった。このシリカゾルをpH3になるようにSiO:80g/L、NaO:27g/Lケイ酸ソーダを加えて調整した。シリカゾル100mLに50mLのヘキサンを加え、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレートを0.25g添加し、ホモジナイザー(IKA製、T25BS1)を用いて、11000回転の条件で5分攪拌し、O/Wエマルションを形成した。エマルションに230mLのヘキサンを加え、ソルビタンモノオレートを0.25g添加して、ホモジナイザーで5分間攪拌し、得られたO/W/Oエマルションを40℃のウォーターバスで3時間熟成させた。これをpH3になるようにSiO:80g/L、NaO:27g/Lケイ酸ソーダを加え調整した。その後、加圧濾過機を用いて脱塩および溶媒置換を行った。このときアセトン置換後のヘキサンは0.05%、脱塩後の電気伝導度が31μS/cm、アルコール溶液置換の水分は0.05%、ヘキサン置換後のアルコール溶液(エタノール1.3%、イソプロピルアルコール0.1%)まで置換を行い、トリメチルクロロシランを用いてシリル化処理を行いゲルの乾燥を常圧下、窒素を流通させながら行った。このようにして得られた金属酸化物粉末の物性を表1、2に示す。
Figure 0006124662
Figure 0006124662

Claims (5)

  1. 平均円形度が0.8以上の粒子からなるシリカ粉末であって、BET法による比表面積が400m/g以上1000m/g以下であり、BJH法による細孔容積が2ml/g以上8ml/g以下であり、レーザー回折式測定による粒度分布におけるメジアン径が1〜50μmの範囲内にあり、粒子径が前記メジアン径の10倍以上である粒子が0.5vol%未満であることを特徴とする金属酸化物粉末。
  2. 吸油量の前記BJH法による細孔容積に対する比が0.7以上である請求項1に記載の金属酸化物粉末。
  3. 疎水化されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属酸化物粉末。
  4. 請求項1乃至3項のいずれか一項に記載の金属酸化物粉末を含有してなる化粧品。
  5. (1)水性のシリカゾルを調整する工程
    (2)該水性のシリカゾルをW相とする、O/W/O型エマルションもしくはW/O型エマルションを形成する工程
    (3)前記シリカゾルのW相をゲル化させることにより、前記エマルションをゲル化体がO相に分散した分散液へと変換する工程
    (4)前記ゲル化体がO相に分散した分散液を、該ゲル化体が存在するW相と、O相との2層に分離させる工程
    (5)W相を回収して前記ゲル化体がW相に分散した分散液を得る工程
    (6)該分散液にシリル化剤を添加する工程
    (7)疎水性有機溶媒でゲル化体を抽出する工程
    (8)ゲル化体を回収する工程
    を上記順に含んでなることを特徴とする金属酸化物粉末の製造方法。
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