JP6916650B2 - シリカエアロゲル粉体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
a)コールターカウンター法により測定された粒度分布において1〜10μmの粒径範囲に渡って粒子を含み、この粒子範囲の全粒子数に対する含有割合が50個数%以上であり、
b)BET法による比表面積が400〜1000m2/gであり、
c)微小圧縮試験による、粒径5μmの粒子の10%変形時の圧縮強度が10MPa以上である、
ことを特徴とするシリカエアロゲル粉体である。
(1)pH2.5〜3.5の水性シリカゾルを調製する工程、
(2)該水性シリカゾルを疎水性溶媒中に分散させてW/O型エマルションを形成させる工程、
(3)酸性域下にある前記シリカゾルを加熱によりゲル化させて、前記W/O型エマルションをゲル化体の分散液へと変換する工程、
(4)該分散液を、O相とW相の2層に分離させる工程
(5)W相に塩基性物質を加えて、該W相に分散するゲル化体を熟成する工程
(6)W相に分散するゲル化体をシリル化処理する工程
(7)疎水性有機溶媒でゲル化体を抽出する工程
(8)ゲル化体を回収し、疎水性の球状シリカエアロゲルからなる粉体を得る工程
また、本発明は、上記疎水性の球状シリカエアロゲル粉体よりなる化粧品用添加剤も提供する。
該平均円形度が1に近くなるほど、粒子は真球に近い形状となる。
a)コールターカウンター法により測定された粒度分布において1〜10μmの粒径範囲に渡って粒子を含み、この粒子範囲の全粒子数に対する含有割合が50個数%以上であり、
b)BET法による比表面積が400〜1000m2/gであり、
c)微小圧縮試験による、粒径5μmの粒子の10%変形時の圧縮強度が10MPa以上である
ここで、a)コールターカウンター法により測定された粒度分布は、1〜10μmの粒径範囲に渡って粒子を主成分として含む必要がある。具体的には、上記粒径範囲のものを、50個数%以上、好適には60個数%以上含むことが求められる。該1〜10μmの粒径範囲の粒子は、球状シリカエアロゲルを化粧品に配合した際に、滑らかな触感を得るために適切な粒径になる。また、粒径が上記10μmを超えて大きくなると、肌に塗布した粒子の自重による重力が、肌への付着力よりも勝るようになり、肌から落下し易くなる。そして斯様に肌に塗布した粒子が離脱すると、外観した際のムラの発生原因になる。他方で、粒径が上記1μmよりも小さくなると、肌の皮孔やシワなど肌の凹部分に入り込み、化粧崩れの際も凹部分に入り込んだ粒子は落下しにくいので、これが肌の粗を目立たせる原因となる。これらから前記1〜10μmの粒径範囲の粒子を過半数含むことが求められる。
d)コールターカウンター法により測定された粒度分布における体積基準累積50%径(D50)値が1〜30μmであるのが、上記a)1〜10μmの粒径範囲に関する要件と同じ理由により好ましい。特に、該体積基準累積50%径(D50)値は1〜10μmであるのがより好ましい。
e)TEM観察による、粒径が100nm以下である粒子(以下において、「ナノ粒子」ということがある)の割合が60個数%以下である。これらナノ粒子は、前述の通り破砕片で、異形のものがほとんどである。前記球状シリカエアロゲルにおいて、粒径が100nmを越える粒子で異形のものはほとんど観察されないため、こうした異形なナノ粒子は、化粧品に配合された際には、特に肌表面に部分的に残り易いため、その含有量が少ないことは有益である。このため、前記ナノ粒子の含有割合は30個数%以下であることがより好ましく、20個数%であることが最も好ましい。
ナノ粒子の割合(%)=B/(A+B)×100
この他、本発明において、前記球状シリカエアロゲルの、BJH法による細孔容積は2〜8ml/gであることが好ましい。細孔容量が大きい程、優れた吸油性能が得られるため好ましい。下限値は、より好ましくは2.5ml/g以上、特に好ましくは4ml/g以上である。また上限は6ml/g以下であることがより好ましい。細孔容積が2ml/g以下である場合には、優れた吸油性能を得ることはできない。また、8ml/gを超えて大きなものを得ることは、通常、困難である。
本発明の疎水性の球状シリカエアロゲルからなる粉体の製造方法は、前述した本発明で規定した性質を有する疎水性の球状シリカエアロゲルからなる粉体が製造できればよく、特に限定されない。
(1)pH2.5〜3.5の水性シリカゾルを調製する工程(水性シリカゾル調整工程S1);
(2)該水性シリカゾルを疎水性溶媒中に分散させてW/O型エマルションを形成させる工程(エマルション形成工程S2);
(3)酸性域下にある前記シリカゾルを加熱によりゲル化させて、前記W/O型エマルションをゲル化体の分散液へと変換する工程(ゲル化工程S3);
(4)該分散液を、O相とW相の2層に分離させる工程(W相分離工程S4);
(5)W相に塩基性物質を加えて、該W相に分散するゲル化体を熟成する工程(ゲル化体熟成工程S5);
(6)W相に分散するゲル化体をシリル化処理する工程(シリル化処理工程S6);
(7)疎水性有機溶媒でゲル化体を抽出する工程(ゲル化体抽出工程S7);
(8)ゲル化体を回収し、疎水性の球状シリカエアロゲルからなる粉体を得る工程(ゲル化体回収工程S8);
である。以下、各工程について順に説明する。
水性シリカゾル調整工程(1)(以下、「S1」と略記することがある。)について説明する。
m(M2O)・n(SiO2) (3)
[式(3)中、m及びnはそれぞれ独立に正の整数を表し、Mはアルカリ金属原子を示す。]
上記のシリカゾル調製の原料のなかでも、入手が容易であるケイ酸ナトリウムが特に好適である。
(エマルション形成工程S2)
エマルション形成工程S2(以下、単に「S2」ということがある。)は、S1によって得た水性シリカゾルを疎水性溶媒中に分散させてW/Oエマルションを形成する工程である。すなわち、上記水性シリカゾルを分散質、疎水性溶媒を分散媒としてエマルションを形成させる。このようなW/Oエマルションを形成することにより、分散質であるシリカゾルは表面張力等により球状になるので、該球状形状で疎水性溶媒中に分散しているシリカゾルをゲル化させることにより、球状のゲル化体を得ることができる。このように、W/Oエマルションを形成するエマルション形成工程S2を経ることにより、0.8以上の高い円形度を有するエアロゲルを製造することが可能になる。
(ゲル化工程S3)
ゲル化工程S3(以下、単に「S3」ということがある。)は、上記S2におけるW/Oエマルションの形成に引き続き、水性シリカゾルの液滴が疎水性溶媒中に分散している状態において水性シリカゾルをゲル化させる工程である。上記水性シリカゾルの液滴は前記酸性域下にあり、これに分散質としてシリカの1次粒子が分散ししている。該工程でのゲル化により、該1次粒子が3次元網目構造を形成し、2次粒子を形成する。
(W相分離工程S4)
W相分離工程S4(以下、単に「S4」ということがある。)は、前記ゲル化体の分散液をO相とW相に分離する工程であり、該分離操作は一般的には解乳とも呼ばれている操作である。解乳後、前記工程S3により得られたゲル化体は、W相側に分散して存在する。
(ゲル化体熟成工程S5)
ゲル化体熟成工程S5(以下、単に「S5」ということがある。)は、S4工程を経てO相と層分離されたW相(ゲル化体が分散)に塩基性物質を加えてW相のpHを弱酸性ないし塩基性に調整し、ゲルの熟成を行うことで実施する。本製造方法において、係る手法でのゲルの熟成は重要であり、前記ゲル化工程S3での加温により、該W相に分散するゲル化体は均一に形成されているが、加温だけでは3次元網目構造は十分に発達させることはできていないため、ここで分離されたW相に対して塩基性物質を加え、分散するゲル化体全体に均一に上記pH調整の効果を及ぼす。これにより各ゲル化体において、ゲル化反応(脱水縮合反応)がさらに進行し、十分に熟成されたエアロゲルが得られる。
(W相回収工程S5−2)
上記S5行程により、前記2層に分離する内のW相では分散するゲル化体が熟成する。而して、後述するように、次工程のシリル化処理工程S6では、該W相に分散するゲル化体をシリル化処理することになるが、その処理効率を向上させるため、先だって該W相について、層分離するO相から回収することが望ましい。このW相回収工程(以下単に「S5−2」と略記することがある)において、W相の具体的回収方法は特に限定されないが、前記S5より得られたO相とW相の分離溶媒から、例えばデカンテーション等でO相を除去し、W相を回収することができる。
(シリル化処理工程S6)
本発明の疎水性の球状シリカエアロゲルからなる粉体の製造方法においては、上記W相回収工程の後にシリル化剤を用いてゲル化体をシリル化処理することが必要である(シリル化処理工程S6。以下単に「S6」と略記することがある。)。シリル化処理に得られる球状シリカエアロゲルは疎水性を呈するものになり、後に施される、ゲル化体回収工程S8で、該ゲル化体を乾燥する際に収縮が抑制されて、エアロゲルとしての多孔質な構造を保持した粉体を得ることを可能にさせる。
M−OH (4)
[式(4)中、Mは金属原子を表す。式(4)においてはMの残りの原子価は省略されている。]
と反応し、これを
(M−O−)(4−n)SiRn (5)
[式(5)中、nは1〜3の整数であり、Rは炭化水素基であり、nが2以上である場合には、複数のRは同一でも相互に異なっていてもよい。]へと変換することが可能なシリル化剤を一例として挙げることができる。このようなシリル化剤を用いてシリル化処理を行うことにより、エアロゲル粉体表面のヒドロキシ基が疎水性のシリル基でエンドキャッピングされて不活性化されるので、表面ヒドロキシ基相互間での脱水縮合反応を抑制できる。よって、臨界点未満の条件で乾燥を行っても乾燥収縮を抑制できるので、2mL/g以上のBJH細孔容積を有する金属酸化粉末を得ることが可能になる。
RnSiX(4−n) (6)
[式(6)中、nは1〜3の整数を表し;Rは炭化水素基等の疎水基を表し;Xはヒドロキシ基を有する化合物との反応においてSi原子との結合が開裂して分子から脱離可能な基(脱離基)を表す。nが2以上のとき複数のRは同一でも異なっていてもよい。また、nが2以下のとき複数のXは同一でも異なっていてもよい。]
上記式(6)において、Rは炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜10の炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜4の炭化水素基であり、特に好ましくはメチル基である。
(M−O−)2SiR2 (9)
という結合が生じることになる。また、nが3であれば:
M−O−SiR3 (10)
という結合が生じることになる。このようにヒドロキシ基がシリル化されることにより、シリル化処理がなされる。
(M−O−)2SiR2R3 (11)
という結合が生じることになる。このように上記式(7)の環状シラザン類によっても、ヒドロキシ基がシリル化され、シリル化処理がなされる。
(M−O−)2SiR6R7 (12)
という結合が生じることになる。このように上記式(8)の環状シロキサン類によっても、ヒドロキシ基がシリル化され、シリル化処理がなされる。
ゲル化体抽出工程(7)においては、上記S6におけるシリル化処理の後にゲル化体を疎水性有機溶媒中に抽出する(ゲル化体抽出工程S7。以下単に「S7」と略記することがある。)。ゲル化体抽出に用いる疎水性有機溶媒の選定基準としては、後の乾燥工程の際、乾燥収縮を起こさないために表面張力が小さいことが挙げられる。具体的にはヘキサン、ヘプタン、ノナン、デカン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエン等を用いることができ、好適にはヘキサン、ヘプタン、デカン、トルエンを用いることが出来る。
(ゲル化体回収工程S8)
ゲル化体回収工程(8)においては、上記S7におけるゲル化体抽出工程において得られた疎水性有機溶媒に分散しているゲルを濾別し、疎水性有機溶媒を除去(すなわち乾燥)する(ゲル化体回収工程S8。以下単に「S8」と略記することがある。)。乾燥する際の温度は、溶媒の沸点以上で、表面処理剤の分解温度以下であることが好ましく、圧力は常圧ないし減圧下で行うことが好ましい。
(物性、及び用途)
本発明の粉体はこれを構成する疎水性の球状シリカエアロゲルにおいて、化粧品用添加剤として適度な粒度分布及び比表面積にあり、しかも圧縮強度が高く粒子が壊れにいため、同用途、具体的にはファンデーションの添加剤として利用した際に、外観保持性に優れ、滑らかな触感が得られる。加えて、シリカエアロゲルとして、吸油量が高く、皮膚及び頭皮表面の脂分を効率良く吸収し、また、疎水性を呈し汗をはじく効果もあることから、上記ファンデーション以外の、ペースト、クリームタイプのメイクアップ・スキンケア化粧料、さらにはデオドラント用品、整髪料などの化粧品としても好適に用いることができる。
実施例1〜7及び比較例1で製造した疎水性の球状シリカエアロゲルからなる粉体に対して、以下の項目について試験を行った。
株式会社島津製作所製微小圧縮試験機(MZCT−W510−J)を用い、該試験器に付属の「試料の大きさ測定機能(顕微鏡)」で粒径が5μmの粒子を無作為に10個選択し、負荷速度4.5mN/秒、負荷保時時間5秒の測定条件で10%変形時の圧縮強度を個々の粒子について測定し、平均した。
(コールターカウンター法による粒度分布の測定、体積基準累積50%径、及び1〜10μmの粒径範囲の粒子の含有割合)
シリカエアロゲル粉末をエタノールに添加し、30分超音波分散を行った。得られたシリカエアロゲル粒子のエタノール分散液をベックマン・コールター株式会社製精密粒度分布測定装置Multisizer3を用い、50μmのアパチャーチューブを使用して、体積基準の粒度分布を測定した。得られた粒度分布曲線において1〜10μmの粒径範囲に渡って粒子を含んでいることを確認するとともに、該粒度分布曲線から、体積基準累積50%径及び1〜10μmの粒径範囲の粒子の含有割合(個数%)を算出した。
シリカエアロゲル粉末が付着したメッシュをTEM試料台に固定し、日本電子株式会社製のTEM(透過電子顕微鏡)を用いて、加速電圧200KV、観察倍率5000倍で観察し、無作為に選択した球状シリカエアロゲル粒子が150個以上となるよう、50〜60視野程度撮影した。TEMで観察する試料は、予め、ピンセットに取ったTEM観察用メッシュ1枚をシリカエアロゲル粉末の入った容器内部にくぐらせメッシュにエアロゲル粉末を付着させた後、メッシュに付着した余分な粒子をブロアーで吹き飛ばすことにより調整した。
(比表面積、細孔容積及び吸油量)
BET比表面積、及びBJH細孔容積の測定は、上述の定義に従って日本ベル株式会社製BELSORP−maxにより行った。吸油量の測定は、JIS K6217−4「オイル吸収量の求め方」により行った。
疎水性シリカエアロゲルは水には浮遊するが、メタノールには完全に懸濁する。このことを利用し、以下の方法によって測定したM値を、シリカエアロゲル表面疎水基による疎水化処理の指標とした。
M値 = メタノール滴下量 / (メタノール滴下量+50ml)
(平均円形度)
シリカエアロゲル粉末について日立ハイテクノロジーズ製SEM(S−5500)を用いて、加速電圧3.0kV、二次電子検出、倍率1000倍で観察した。得られたSEM画像を画像解析することにより、下記式によりシリカエアロゲル粒子の円形度を算出した。なお、平均円形度は、2000個以上のシリカエアロゲル粒子について円形度を算出し平均した。
[上記式において、Sは当該粒子が画像中に占める面積(投影面積)を表す。Lは画像中における当該粒子の外周部の長さ(周囲長)を表す。]
(炭素含有量)
エレメンター・ジャパン株式会社製の元素分析装置(vario MICRO cube)を用い、炭素含有量を測定した。
(S1:水性シリカゾル調整工程)
硫酸100gを撹拌羽で撹拌しながら、珪酸ナトリウム100gを徐々に添加し、水性シリカゾルを調整した。このとき、pHは3.0であった。
S1で調整した水性シリカゾル108gを分取し、160gのヘプタンを加え、ソルビタンモノオレエートを1.6g添加した。この溶液をホモジナイザー(IKA製、T25BS1)を用いて、9000回転/分の条件で2.5分撹拌することで、W/Oエマルションを形成させた。
得られたエマルションを撹拌羽で撹拌しながら、70℃、6時間かけてゲル化した。
イソプロピルアルコール40gとイオン交換水60gを加えて、攪拌羽で攪拌しながらO相とW相を分離した。
続けて、0.5mol/L水酸化ナトリウム水溶液を1.60g添加した。このとき、W相のpHは5.0であった。70℃、3時間かけて、ゲル化体の熟成を行った。
デカンテーションにより、O相を除去することで、W相を回収した。
得られたW相に35%塩酸を10g、ヘキサメチルジシロキサンを12g添加し、撹拌しながら70℃のウォーターバスで12時間保持することにより、シリル化処理を行った。
シリル化処理後、攪拌羽で攪拌しながら48%水酸化ナトリウム水溶液を7.14g添加し、中和処理を行った。続いて、ヘプタン100gを加え、ゲル化体を抽出し、イオン交換水100gで2回洗浄を行った。
得られたシリル化後のゲル化体を吸引濾過機により濾別した。ゲル化体の乾燥を真空圧力下、150℃で16時間以上加熱することで、本発明の疎水性の球状シリカエアロゲルからなる粉体を得た。
S3のゲル化を70℃、24時間とし、S5のゲル化体熟成を70℃、3時間とする以外は、実施例1の操作と同様に行った。得られたシリカエアロゲル粉体のコールターカウンター法による粒度分布曲線において1〜10μmの粒径範囲に渡って粒子を含んでいることを確認した。その他物性を表1に示す。
S2のホモジナイザーの条件を11000回転/分、3分とし、S3のゲル化を70℃、5時間、S5のゲル化体熟成を70℃、2.5時間とする以外は、実施例1の操作と同様に行った。得られたシリカエアロゲル粉体のコールターカウンター法による粒度分布曲線において1〜10μmの粒径範囲に渡って粒子を含んでいることを確認した。その他物性を表1に示す。
S2のホモジナイザーの条件を11000回転/分、3分とし、S3のゲル化を70℃、24時間、S5のゲル化体熟成を70℃、2.5時間とする以外は、実施例1の操作と同様に行った。得られたシリカエアロゲル粉体のコールターカウンター法による粒度分布曲線において1〜10μmの粒径範囲に渡って粒子を含んでいることを確認した。その他物性を表1に示す。
S3のゲル化を70℃、24時間とし、S5のゲル化体熟成を70℃、2.5時間とした以外は、実施例1の操作と同様に行った。得られたシリカエアロゲル粉体のコールターカウンター法による粒度分布曲線において1〜10μmの粒径範囲に渡って粒子を含んでいることを確認した。その他物性を表1に示す。
S3のゲル化を70℃、5時間とし、S5のゲル化体熟成を70℃、3時間とした以外は、実施例1の操作と同様に行った。得られたシリカエアロゲル粉体のコールターカウンター法による粒度分布曲線において1〜10μmの粒径範囲に渡って粒子を含んでいることを確認した。その他物性を表1に示す。
S2のホモジナイザーの条件を5000回転/分、3分とし、S3のゲル化を70℃、5時間、S5のゲル化体熟成を70℃、2.5時間とする以外は、実施例1の操作と同様に行った。得られたシリカエアロゲル粉体のコールターカウンター法による粒度分布曲線において1〜10μmの粒径範囲に渡って粒子を含んでいることを確認した。その他物性を表1に示す。
S2でW/Oエマルションを形成した後、0.5mol/L水酸化ナトリウム水溶液を1.60g添加してW相のpHを5.0に調整した。その後、イソプロピルアルコール40gとイオン交換水60gを加えて、O相とW相を分離し、70℃で3時間かけてゲル化体熟成工程(S5)を行った。ゲル化体熟成後、デカンテーションにより、O相を除去し、W相回収工程(S5−2)を行った以外は、実施例1の操作と同様に行った。得られたシリカエアロゲル粉体のコールターカウンター法による粒度分布曲線において1〜10μmの粒径範囲に渡って粒子を含んでいることを確認した。その他物性を表1に示す。
S5で0.5mol/L水酸化ナトリウム水溶液を添加せずに、W相のpHを3.0のまま熟成した以外は、実施例1の操作と同様に行った。得られたシリカエアロゲル粉体のコールターカウンター法による粒度分布曲線において1〜10μmの粒径範囲に渡って粒子を含んでいることを確認した。その他物性を表1に示す。
Claims (7)
- 疎水性の球状シリカエアロゲルからなり、
a)コールターカウンター法により測定された粒度分布において1〜10μmの粒径範囲に渡って粒子を含み、この粒子範囲の全粒子数に対する含有割合が50個数%以上であり、
b)BET法による比表面積が400〜1000m2/gであり、
c)微小圧縮試験による、粒径5μmの粒子の10%変形時の圧縮強度が10MPa以上である、
ことを特徴とするシリカエアロゲル粉体。 - d)コールターカウンター法により測定された粒度分布における体積基準累積50%径(D50)値が1〜30μmである、請求項1記載のシリカエアロゲル粉体。
- e)TEM観察による、粒径が100nm以下である粒子の割合が60個数%以下である、請求項1または請求項2記載のシリカエアロゲル粉体。
- f)BJH法による細孔容積及び細孔半径のピークが各々2〜8ml/g、10〜50nmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリカエアロゲル粉体。
- g)吸油量が400ml/100g以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリカエアロゲル粉体。
- (1)pH2.5〜3.5の水性シリカゾルを調製する工程、
(2)該水性シリカゾルを疎水性溶媒中に分散させてW/O型エマルションを形成させる工程、
(3)酸性域下にある前記シリカゾルを加熱によりゲル化させて、前記W/O型エマルションをゲル化体の分散液へと変換する工程、
(4)該分散液を、O相とW相の2層に分離させる工程
(5)W相に塩基性物質を加えて、該W相に分散するゲル化体を熟成する工程
(6)W相に分散するゲル化体をシリル化処理する工程
(7)疎水性有機溶媒でゲル化体を抽出する工程
(8)ゲル化体を回収し、疎水性の球状シリカエアロゲルからなる粉体を得る工程
を上記順に含んでなる、
ことを特徴とするシリカエアロゲル粉体の製造方法。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリカエアロゲル粉体よりなる化粧品用添加剤。
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