JP5592644B2 - 複合シリカ粒子 - Google Patents
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本発明の複合シリカ粒子の外殻部のメソ細孔構造の平均細孔径は、機能性有機化合物の安定保持性及び粒子分散安定性の向上の点から、1〜10nmであって、好ましくは1〜8nm、より好ましくは1〜5nmである。メソ細孔の平均細孔径は、窒素吸着測定を行い、窒素吸着等温線からBJH法により求めることができ、具体的には実施例に記載の方法で測定できる。また、本発明の複合シリカ粒子は、機能性有機化合物の安定保持性及び粒子分散安定性の向上の点からメソ細孔径が揃っていることが好ましく、メソ細孔の好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、さらに好ましくは80%以上が平均細孔径±30%以内に入る。なお、メソ細孔構造を有する外殻部の構造は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することができ、その細孔径、細孔規則性、外殻部から内部への細孔の繋がり具合を確認することができる。
本発明の複合シリカ粒子のBET比表面積は、機能性有機化合物の安定保持性及び粒子分散安定性の向上の点から、好ましくは100m2/g以上、より好ましくは300m2/g以上、さらに好ましくは400m2/g以上、さらにより好ましくは500m2/g以上、又、複合シリカ粒子の強度の点から、好ましくは1500m2/g以下、より好ましくは1300m2/g以下である。BET比表面積は、具体的には、実施例に記載の方法で測定できる。
本発明の複合シリカ粒子の平均粒子径は、機能性有機化合物の安定保持性及び粒子分散安定性の向上の点から、好ましくは0.05〜10μm、より好ましくは0.05〜5μm、さらに好ましくは0.05〜3μmである。
本発明の複合シリカ粒子の外殻部の平均厚みは、機能性有機化合物の安定保持性及び粒子分散安定性の向上の点から、好ましくは30〜700nm、より好ましくは40〜500nm、さらに好ましくは50〜400nmである。そして、外殻部の平均厚みと平均粒子径の比(外殻部厚み/平均粒子径)は、機能性有機化合物の安定保持性及び粒子分散安定性の向上の点から、好ましくは0.01〜0.6、より好ましくは0.05〜0.5、さらに好ましくは0.1〜0.4である。外殻部の平均厚みは、前述のようにTEMの観察により測定できる。
本発明の複合シリカ粒子の中空部の平均径は、機能性有機化合物の安定保持性及び粒子分散安定性の向上の点から、好ましくは10〜3000nm、より好ましくは50〜1000nm、さらに好ましくは100〜500nmである。そして中空部平均径と外殻部厚みとの比(中空部平均径/外殻部厚み)は、機能性有機化合物の安定保持性及び粒子分散安定性の向上の点から、好ましくは0.1〜100、より好ましくは1〜10である。中空部の平均径は、前述のようにTEMの観察により測定できる。
本発明の複合シリカ粒子の外殻部のメソ細孔は、機能性有機化合物の安定保持性及び粒子分散安定性の向上の点から、ヘキサゴナル配列を有することが好ましい。ヘキサゴナル配列の有無は、後述の実施例に記載のように、粉末X線回折により判断できる。
本発明の複合シリカ粒子の中空部には、後述する製造方法で中空部形成剤として使用された疎水性組成物が保持される。該疎水性組成物は、機能性有機化合物を含む。また、該疎水性組成物は機能性有機化合物以外の疎水性有機物を含みうる。該疎水性組成物は、機能性有機化合物そのもの、機能性有機化合物の混合物、又は、1種類若しくは複数種類の機能性有機化合物を溶解及び/又は分散して含む疎水性有機物若しくは疎水性有機物の混合物の形態をとりうる。
本発明の複合シリカ粒子に内包される機能性有機化合物、すなわち、中空部に含まれる機能性有機化合物としては、香料、農薬用基材、防虫基材、防カビ基材、医薬用基材、皮膚手入れ用基材、柔軟剤等が挙げられる。機能性有機化合物を中空部形成剤として使用できること、すなわち、中空部に保持される疎水性組成物が機能性有機化合物であることは、複合シリカ粒子の製造容易性、コスト等の観点から好ましい。したがって、機能性有機化合物は、疎水性の機能性有機化合物であることが好ましい。あるいは、複合シリカ粒子の製造容易性、コスト等の観点から、中空部に保持される疎水性組成物は、疎水性有機物に1種類又は複数種類の機能性有機化合物が溶解した溶液であることが好ましい。
本発明の外殻部表面の有機基は、後述する製造方法において有機シランによる処理の結果、外殻部に結合される基であって、性能発現、製造容易性、コストの観点から、アルキル基、アミノ基、アンモニウム基、エポキシ基、フェニル基、メルカプト基、ビニル基、及びメタクリル基からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、アルキル基、アミノ基、エポキシ基、及びフェニル基からなる群から選ばれる1種以上を含有するものがより好ましく、さらに、機能性有機化合物の安定保持性及び粒子分散安定性の向上の点から、カチオン性有機基が好ましく、窒素原子(N)を含むものがより好ましく、アミノ基を含有するものが更に好ましい。機能性有機化合物の安定保持性及び粒子分散安定性の向上の点から、複合シリカ粒子中の有機基の量は、シリカ(SiO2)に対して0.1〜30mol%が好ましく、1〜10mol%がより好ましい。複合シリカ粒子中の有機基の量は、実施例に記載の方法等で測定できる。
メソ細孔内の界面活性剤は、後述する製造方法においてメソ細孔形成剤として使用される界面活性剤であって、例えば、後述する第四アンモニウム塩などのカチオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のノニオン性界面活性剤、ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドのブロックコポリマー等のポリマー界面活性剤等が挙げられ、機能性有機化合物の安定保持性及び粒子分散安定性の向上の点から、後述する第四アンモニウム塩が好ましい。機能性有機化合物の安定保持性及び粒子分散安定性の向上の点から、複合シリカ粒子中の界面活性剤の量は、シリカ(SiO2)に対して0.5〜10mol%が好ましく、1〜5mol%がより好ましい。複合シリカ粒子中の界面活性剤の量は、実施例に記載の方法等で測定できる。
本発明の複合シリカ粒子は、中空部形成剤(機能性有機化合物を含む疎水性組成物)の油滴生成後に、メソ細孔形成剤(界面活性剤)と加水分解によってシラノール化合物を生成するシリカ源とにより、該油滴の周囲にメソ細孔構造を有する外殻部を形成させること、並びに、形成された前記外殻部を有機シランを用いて処理することを含む製造方法により製造され得る。したがって、本発明は、その態様として、本発明の複合シリカ粒子を製造する方法(以下、「本発明の複合シリカ粒子製造方法」ともいう。)であって、1種類又は複数種類の機能性有機化合物を含む油滴の生成後に、該油滴、加水分解によってシラノール化合物を生成するシリカ源、及び、界面活性剤の存在下で、メソ細孔構造を有する外殻部を形成させること、並びに、形成された前記外殻部を有機シランを用いて処理することを含む複合シリカ粒子製造方法に関する。
中空部形成剤の油滴を調製する方法としては、水に中空部形成剤及びメソ細孔形成剤を添加し撹拌して乳化させる方法や、或いは、中空部形成剤の疎水性溶液及びメソ細孔径剤に水を添加していき転相乳化により中空部形成剤の油滴を得ても良い。転相乳化による乳化であれば、よりいっそう機能性有機化合物の使用効率を向上できるため好ましい。中空部形成剤の油滴の形成と同時又はその後にシリカ源を添加して撹拌することにより、該油滴の周囲にメソ細孔構造を有する外殻部を形成できる。本発明の複合シリカ粒子製造方法において、メソ細孔構造の外殻部が形成された後、メソ細孔内の全ての界面活性剤を排除する工程を含まないことが好ましい。すなわち、該油滴の周囲にメソ細孔構造の外殻部を備えるシリカ粒子を形成後、全ての界面活性剤を排除することなく、外殻部の有機シラン処理を行うことが好ましい。
本発明の複合シリカ粒子製造方法で使用される界面活性剤は、メソ細孔形成を可能とするものであれば特に制限されず、機能性有機化合物の安定保持性及び粒子分散安定性の向上の点から、カチオン性界面活性剤が好ましく、下記一般式(1)及び(2)からなる群から選択される少なくとも1種類の第四級アンモニウム塩がより好ましい。なお、本発明の製造方法に使用される界面活性剤は、本発明の複合シリカ粒子のメソ細孔内に残存する界面活性剤である。
本発明の複合シリカ粒子製造方法において、下記一般式(1)及び(2)からなる群から選択される少なくとも1種類の第四級アンモニウム塩は、メソ細孔の形成と疎水性有機物の乳化のための界面活性剤として使用できる。
[R1(CH3)3N]+X- (1)
[R1R2(CH3)2N]+X- (2)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数4〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基を示し、X-は1価陰イオンを示す。)
本発明の複合シリカ粒子製造方法で使用する「加水分解によってシラノール化合物を生成するシリカ源」とは、シリカ源はアルコキシシラン等の加水分解によりシラノール化合物を生成する物質であり、具体的には、下記一般式(3)〜(7)で示される化合物、又はこれらの組合せを挙げることができる。
SiY4 (3)
R3SiY3 (4)
R3 2SiY2 (5)
R3 3SiY (6)
Y3Si−R4−SiY3 (7)
(式中、R3はそれぞれ独立して、ケイ素原子に直接炭素原子が結合している有機基を示し、R4は炭素原子を1〜4個有する炭化水素基又はフェニレン基を示し、Yは加水分解によりヒドロキシ基になる1価の加水分解性基を示す。)
・一般式(3)において、Yが炭素数1〜3のアルコキシ基であるか、又はフッ素を除くハロゲン基であるシラン化合物。
・一般式(4)〜(6)において、R3がフェニル基、ベンジル基、又は水素原子の一部がフッ素原子に置換されている炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5の炭化水素基であるトリアルコキシシラン又はジアルコキシシラン。
・一般式(7)において、Yがメトキシ基であって、R4がメチレン基、エチレン基又はフェニレン基である化合物。
本発明の複合シリカ粒子製造方法において、形成された外殻部の処理に使用する有機シランは、機能性有機化合物の安定保持性及び粒子分散安定性の向上の点から、アルコキシシラン、ジシラザン、クロルシラン等の有機基を有する加水分解性有機シランが好ましく、アルコキシシランがより好ましい。また、加水分解可能な官能基がアルコキシ基の場合、好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4、さらに好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基、特にメトキシ基、エトキシ基が好ましい。有機シランは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
R5 3SiNHSiR6 3 (8)
(式中、R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリル基、アリール基、又はアルコキシ基を示し、複数のR5及びR6は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)これらの中では、炭素数1〜3のアルキル基を有するヘキサアルキルジシラザンが好ましく、特にヘキサメチルジシラザン〔(CH3)3SiNHSi(CH3)3〕が好ましい。
本発明の複合シリカ粒子の製造方法の一実施形態について説明する。本実施形態の複合シリカ粒子の製造方法は、下記工程(I)から(III)を含む。
工程(I):疎水性有機物を含む溶液(A液)、第四級アンモニウム塩を含む溶液(B液)、及び、加水分解によりシラノール化合物を生成するシリカ源(C液)を調製する工程、
工程(II):工程(I)で調製したA液〜C液をこの順に水に添加し、撹拌混合して乳化する工程;
工程(III):工程(II)で得られた水溶液に有機シラン(d液)を添加する工程。
粉末X線回折装置(理学電機工業株式会社製、商品名:RINT2500VPC)を用いて、X線源:Cu-kα、管電圧:40mA、管電流:40kV、サンプリング幅:0.02°、発散スリット:1/2°、発散スリット縦:1.2mm、散乱スリット:1/2°、及び受光スリット:0.15mmの条件で粉末X線回折測定を行った。走査範囲を回折角(2θ)1〜20°、走査速度を4.0°/分とした連続スキャン法を用いた。なお、測定は、粉砕した試料をアルミニウム板に詰めて行った。
電解放射型高分解能走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所社製、商品名:FE−SEM S−4000)を用いて粒子形状の観察を行った。
透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子株式会社製、商品名:JEM−2100)を用いて加速電圧160kVで粒子の観察を行った。20〜30個の粒子が含まれる5視野中の全粒子の直径、中空部径、及び外殻部厚みを写真上で実測し、平均一次粒子径、平均中空部径、及び平均外殻部厚みを求めた。なお、観察は、高分解能用カーボン支持膜付きCuメッシュ(応研商事株式会社製、200−Aメッシュ)に付着させ、余分な試料をブローで除去したものを用いて行った。
比表面積・細孔分布測定装置(株式会社島津製作所製、商品名:ASAP2020)を用いて、液体窒素を用いた多点法でBET比表面積を測定し、パラメータCが正になる範囲で値を導出した。BET比表面積の導出にはBJH法を採用し、そのピークトップを平均細孔径とした。試料には250℃で5時間の前処理を施した。
レーザー散乱粒度分布計(株式会社堀場製作所社製、商品名:LA−920)を用いて、相対屈折率1.06、超音波強度7、超音波照射時間1分、循環速度4、分散媒をエタノールとした条件で25℃にて測定し、体積基準換算のメジアン径を平均凝集粒子径とした。
理学電機工業株式会社製、差動型示差熱天秤(TG−DTA)Thermo plus TG8120を用いて、エアーフロー(300mL/min)下、25℃から40℃まで10℃/分の速度で昇温後、40℃で5時間保持、更に700℃まで10℃/分の速度で昇温した。700℃で残存した質量をシリカ(SiO2)、150〜300℃までの減量を有機基(3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピル基)由来、300〜400℃までの減量を界面活性剤(ドデシルトリメチルアンモニウム)由来とした。この結果に基き、シリカに対する有機基または界面活性剤のモル比率(mol%)を求めた。また、40℃における複合シリカ粒子の質量減量を時間(分)で微分し、単位シリカ質量(g)当たり、単位時間(分)における香料の質量減量(mg)として揮発速度(mg香料/分/シリカg)を求めた。測定時間10〜300分の範囲内に、揮発速度が1〜3mg香料/分/シリカgで時間に依存せずほぼ一定となる領域が見られるので、この領域に相当する香料量を複合シリカ粒子の中空部の香料担持量(シリカ質量に対する質量%)とした。
pH調整水(pH=2又は7)10gに複合シリカ粒子0.05gを入れ、25℃で10分磁気撹拌した。攪拌終了後すぐにメンブレンフィルター(ADVANTEC社製、材質:セルロールアセテート、孔径:0.2μm)でろ過した。ろ過後すぐに上記(6)の条件で熱質量分析測定を行い、水分散処理後の複合シリカ粒子の中空部に担持された香料を定量した。水分散処理前に対する水分散処理後の中空部香料担持量の比率を残存率とした。
複合シリカ粒子分散液(SiO2=0.16質量%)を25℃で1日静置後、シリカ分散状態を目視で判断した。なお、比較例1、2については、含浸法により香料を担持した中空メソポーラスシリカをSiO2=0.16質量%となるように水に分散させ、25℃で1日静置後、シリカ分散状態を目視で判断した。
〔評価基準〕
○:上澄み透明層無し
×:上澄み透明層有り
(1)1Lポリプロピレン製容器に、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド3.5g、メタノール200g、リモネン(商品名:リモネンフロムオレンジ、長谷川香料株式会社製)1.5gを入れ25℃で攪拌溶解した。このメタノール溶液に、25℃攪拌下、1M水酸化ナトリウム水溶液4.5gと水600gの混合溶液を10秒で添加、更に10秒後、テトラメトキシシラン3.4gを一気に添加した。25℃で更に400分攪拌後、3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン(信越化学株式会社製)0.53gを添加、25℃で更に18時間攪拌することにより、複合シリカ粒子分散液を得た。得られた複合シリカ粒子分散液は分散安定性に優れ、25℃で1日静置しても上澄み透明層は見られなかった。
実施例1(1)において、3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシランを添加しなかった以外は、同様に複合シリカ粒子分散液、固形物及び中空メソポーラスシリカを製造した。
25℃、攪拌下、トルエン50gに3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン(信越化学株式会社製)0.1gを溶解後、比較例1で得られた中空メソポーラスシリカ粒子1gを分散させ、120℃で24時間処理した。処理液をメンブランフィルター(ADVANTEC社製、材質:ポリテトラフルオロエチレン、孔径:0.2μm)でろ過、エタノールで洗浄後、100℃で24時間乾燥させることにより、有機シラン処理した中空メソポーラスシリカ粒子を得た。この有機シラン処理した中空メソポーラスシリカ粒子について、粉末X線回折(XRD)のパターンにおける、d=3.5nmの非常に強いXRDピーク、d=2.0nmの弱いXRDピークにより、この中空メソポーラスシリカ粒子のメソ細孔がヘキサゴナル配列を有することを確認した。また、SEM観察により、この中空メソポーラスシリカ粒子の粒子形状が球状であることを確認した。さらに、TEM観察より、この中空メソポーラスシリカ粒子が中空構造を有し、平均一次粒子径が530nm、平均中空部径が410nm、平均外殻部厚みが60nmであり、外殻部がヘキサゴナル配列を示す均一なメソ細孔を有し、そのメソ細孔が粒子中心から外殻部の外側に向かって放射状に貫通していることを確認した。全ての一次粒子が平均一次粒子径±30%以内の一次粒子径を有していた。また、この中空メソポーラスシリカ粒子は、BET比表面積が970m2/g、平均細孔径が2.0nmであった。TG−DTAにより中空メソポーラスシリカ粒子のシリカに対する有機基量は2mol%であった。
(1)2L−セパラフルフラスコに、イオン交換水600部、メタクリル酸メチル99.5部、塩化メタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム0.5部を入れ、内温70℃まで昇温させた。次いで、これに、水溶性重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(和光純薬株式会社製、商品名:V−50)0.5部をイオン交換水5部に溶かした溶液を添加し、3時間加熱撹拌を行った。その後、さらに75℃で3時間加熱撹拌を行って冷却した後、得られた混合液から凝集物を200メッシュろ過(目開き約75μm)し、カチオン性ポリマー粒子の懸濁液(固形分(有効分)含有量14質量%、平均一次粒子径360nm)を得た。
Claims (6)
- 平均細孔径が1〜10nmであるメソ細孔構造を有する外殻部を備えるシリカ粒子と、前記外殻部の内部に含まれる1種類又は複数種類の機能性有機化合物とを含む複合シリカ粒子であって、
前記シリカ粒子は、外殻部の表面に有機基を有し、かつ、メソ細孔内に界面活性剤を含み、
前記機能性有機化合物は、香料、農薬用基材、防虫基材、防カビ基材、医薬用基材、皮膚手入れ用基材、及び柔軟剤からなる群から選ばれる少なくとも1つである、複合シリカ粒子。 - 界面活性剤が、カチオン性界面活性剤である、請求項1記載の複合シリカ粒子。
- 機能性有機化合物が香料である、請求項1又は2に記載の複合シリカ粒子。
- 請求項1から3のいずれかに記載の複合シリカ粒子の製造方法であって、
1種類又は複数種類の機能性有機化合物を含む油滴の生成後に、該油滴、加水分解によってシラノール化合物を生成するシリカ源、及び、界面活性剤の存在下で、メソ細孔構造を有する外殻部を形成させること、並びに、形成された前記外殻部を有機シランを用いて処理することを含む、複合シリカ粒子製造方法。 - 1種類又は複数種類の機能性有機化合物の疎水性溶液に水性溶媒を添加することにより1種類又は複数種類の機能性有機化合物を含む油滴を生成することを含む、請求項4記載の複合シリカ粒子製造方法。
- 有機シランが、アミノ基を有するアルコキシシランである、請求項4又は5に記載の複合シリカ粒子製造方法。
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