JP5687832B2 - 複合シリカ粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、複合シリカ粒子、及び複合シリカ粒子の製造方法に関する。
医薬、農薬、化粧品、洗浄剤、柔軟剤等の用途において、多孔性無機粒子を薬剤や香料などの機能性化合物の徐放担体として利用することが知られている。
近年、多孔性無機粒子として、数nmの均一な細孔径を持つメソポーラスシリカ粒子が注目されている(非特許文献1)。特に、粒子の外殻部にメソ細孔(メソポーラス)構造を持ち、外殻部の内部(以下、「中空部」ともいう。)に空洞を持つメソポーラスシリカ粒子(以下、「中空メソポーラスシリカ粒子」ともいう。)は、該中空部に機能性化合物を多量に担持でき、また、粒子の構造を制御することによりその中空部の機能性化合物の粒子外への放出速度を制御できる。それゆえ、中空メソポーラスシリカ粒子は、高性能な徐放担体として期待されている。例えば、特許文献1には、中空メソポーラスシリカ粒子を徐放担体に用いることにより、香料徐放性の優れた複合メソポーラスシリカ粒子が得られることが開示されている。さらに、特許文献2には、中空メソポーラスシリカ粒子を有機シランで表面処理しメソ細孔の細孔径を縮小させることにより、水への香料流出を抑制できることが開示されている。
特開2009−155400号公報 特開2009−203116号公報
C.T.Kresge, et.al., Nature, 359, 710 (1992)
特許文献1及び2に開示される従来技術は、有機シラン処理により細孔径を縮小し且つ比表面積を減少させた中空メソポーラスシリカ粒子を機能性化合物の液体中に浸す含浸方法により、中空メソポーラスシリカ粒子の中空部に機能性化合物を担持させている。一方、中空メソポーラスシリカ粒子内の機能性化合物の粒子外への放出を抑制して効果的な徐放効果を発揮させるためには、機能性化合物の分子サイズに近い大きさまで中空メソポーラスシリカの細孔径をさらに縮小し、比表面積を減少させることが考えられる。しかし、上記従来技術では、機能性化合物の分子サイズに近い大きさまで細孔径を縮小し、比表面積を減少させてしまうと、メソ細孔内に機能性化合物が浸入しにくく、中空メソポーラスシリカ粒子内に機能性化合物を担持することが困難という問題があった。
本発明は、機能性化合物を粒子内に多量に保持でき、且つ粒子外への機能性化合物の放出が抑制された複合シリカ粒子及びその製造法を提供する。
本発明は、シリカ粒子の内部に機能性化合物を含有する複合シリカ粒子を製造する方法であって、機能性化合物又は前記機能性化合物を含む組成物とメソポーラスシリカ粒子とを混合して混合組成物とし、前記混合により前記メソポーラスシリカ粒子の空隙部分に前記機能性化合物が担持された機能性化合物含有メソポーラスシリカ粒子を得ること、及び、前記混合組成物にさらに有機シラン化合物を混合し、前記混合組成物中の前記機能性化合物含有メソポーラスシリカ粒子の表面と前記有機シラン化合物とを反応させて複合シリカ粒子とすることを含む複合シリカ粒子製造方法に関する。
本発明は、その他の態様において、本発明の複合シリカ粒子製造方法によって製造されうる複合シリカ粒子に関し、さらにその他の態様において、シリカ粒子の内部に機能性化合物を含有する複合シリカ粒子であって、シリカ粒子の平均細孔径をa、機能性化合物の長軸長をbとした場合、a≦bを満たす複合シリカ粒子に関する。
本発明によれば、機能性化合物の保持量が向上し、且つ機能性化合物の放出抑制が向上した複合シリカ粒子を提供することができるという効果を奏しうる。
有機シランで表面処理された中空メソポーラスシリカの中空部に機能性化合物が担持された複合シリカ粒子を製造する場合、上述のとおり、従来では有機シラン処理した中空メソポーラスシリカ粒子に機能性化合物を含浸させる方法が採られていた。本発明は、中空メソポーラスシリカ粒子内に機能性化合物を含浸させた後又は含浸させると同時に有機シランを混合して表面処理する方法によれば、中空メソポーラスシリカ粒子内への機能性化合物の担持とともに、細孔径の縮小及び比表面積の低減とを両立できるという知見に基づく。本発明はさらに、そのようにして製造され得る複合シリカ粒子は、機能性化合物の粒子内保持量が向上し、且つ機能性化合物の粒子外への放出が抑制され得るという知見に基づく。
すなわち、本発明はその一態様において、シリカ粒子(A)の内部に機能性化合物(B)を含有する複合シリカ粒子(C)を製造する方法(以下、「本発明の複合シリカ粒子製造方法」ともいう。)であって、機能性化合物(B)又は機能性化合物(B)を含む組成物とメソポーラスシリカ粒子(D)とを混合して混合組成物とし、前記混合によりメソポーラスシリカ粒子(D)の空隙部分に機能性化合物(B)が担持された機能性化合物含有メソポーラスシリカ粒子(E)を得ること、及び、前記混合組成物にさらに有機シラン化合物(F)を混合し、前記混合組成物中の機能性化合物含有メソポーラスシリカ粒子(E)の表面と有機シラン化合物(F)とを反応させて複合シリカ粒子(C)とすることを含む複合シリカ粒子製造方法に関する。本発明の複合シリカ粒子製造方法によれば、機能性化合物の保持量の向上と機能性化合物の放出抑制の向上とが達成された複合シリカ粒子を製造できるという効果を奏しうる。
本発明の複合シリカ粒子が機能性化合物の保持量の向上と機能性化合物の放出抑制の向上という2つの効果を奏しうるメカニズムは、詳細には明らかではないが、有機シランを用いた表面処理の前にメソポーラスシリカ粒子内部に機能性化合物を導入することにより、機能性化合物を効率的に導入するために必要な平均細孔径よりも小さい平均細孔径となるまで有機シラン表面処理をすることができ、その結果、機能性有機化合物を粒子内に多量に保持でき、かつ機能性化合物の放出抑制に優れると推測される。但し、本発明はこのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本明細書において、「機能性化合物の保持量」は、複合シリカ粒子の内部に保持される機能性化合物の量を示すものであって、一実施形態として、後述する実施例に記載のとおり、熱重量分析により複合シリカ粒子の内部の機能性化合物の量を測定することができる。機能性化合物の徐放性の向上の点からは、保持量が多いことが好ましい。
本明細書において、「機能性化合物の放出抑制」は、複合シリカ粒子の中空部に保持される機能性化合物の粒子外への放出されにくさを示すものであって、一実施形態として、後述する実施例に記載のとおり、所定の温度条件における中空部の機能性化合物の気相中への揮散速度を使用できる。また、所定の条件で水性媒体に複合シリカ粒子を分散させた後の中空部の機能性化合物の残存率を使用できる。機能性化合物の徐放性の向上の点からは、放出抑制が優れることが好ましい。
本発明の複合シリカ粒子製造方法は、シリカ粒子(A)の内部に機能性化合物(B)を含有する複合シリカ粒子(C)を製造する方法であって、下記工程I及びIIを含む。
工程I) 機能性化合物(B)又は機能性化合物(B)を含む組成物とメソポーラスシリカ粒子(D)とを混合して混合組成物とする。
工程II) 前記混合組成物にさらに有機シラン化合物(F)を混合する。
[工程I]
工程Iにおける混合により、メソポーラスシリカ粒子(D)の空隙部分に機能性化合物(B)が担持された機能性化合物含有メソポーラスシリカ粒子(E)が得られる。すなわち、工程Iは、メソポーラスシリカ粒子(D)に機能性化合物(B)を担持させる工程である。工程Iの一実施形態として、液相の機能性化合物(B)又は機能性化合物(B)を含む液体組成物にメソポーラスシリカ粒子(D)を混合して撹拌することにより、メソポーラスシリカ粒子(D)に機能性化合物(B)を含浸させる工程が挙げられる。なお、本明細書において、機能性化合物(B)は1種類の機能性化合物からなるものであってもよく、2種類以上の機能性化合物を含む機能性組成物(B’)であってもよく、機能性化合物(B)を機能性組成物(B’)と置換して解釈できる。
前記混合及び撹拌の条件は、機能性化合物の保持量及び放出抑制の向上の点から、温度は0〜100℃が好ましく、5〜70℃がより好ましく、10〜50℃がさらに好ましく、撹拌時間は0.01〜48時間が好ましく、0.1〜24時間がより好ましい。
[工程II]
工程IIにおける有機シラン化合物(F)の混合により、前記混合組成物中の機能性化合物含有メソポーラスシリカ粒子(E)の表面が有機シラン化合物(F)との反応で表面処理され複合シリカ粒子(C)が得られる。すなわち、工程IIは、機能性化合物含有メソポーラスシリカ粒子(E)を有機シラン表面処理することにより、平均細孔径の縮小及び比表面積の低減を行う工程である。工程IIの一実施形態としては、工程Iにおいて液相の機能性化合物(B)又は機能性化合物(B)を含む液体組成物にメソポーラスシリカ粒子(D)を混合して撹拌した後に、さらに有機シラン化合物を添加して撹拌することで、中空メソポーラスシリカ粒子(D)に機能性化合物(B)を含浸させた後又は含浸させながら有機シラン化合物で表面処理を行う工程が挙げられる。
有機シラン化合物(F)の混合量は、得られるシリカ粒子(A)の平均細孔径を減少させて機能性化合物の保持量及び放出抑制を向上させる点から、メソポーラスシリカ粒子(D)に対して5mol%以上が好ましく、10mol%以上がより好ましく、20mol%以上がさらに好ましい。また、有機シラン化合物(F)による表面処理効率の維持及び生産性の点から、有機シラン化合物(F)の混合量は、メソポーラスシリカ粒子(D)に対して50mol%以下が好ましく、40mol%以下がより好ましく、30mol%以下がさらに好ましい。したがって、有機シラン化合物(F)の混合量は、機能性化合物の保持量及び放出抑制の向上並びに表面処理効率の維持及び生産性の点から、メソポーラスシリカ粒子(D)に対して5〜50mol%が好ましく、10〜40mol%がより好ましく、20〜30mol%がさらに好ましい。有機シラン化合物による表面処理において、機能性化合物の保持量及び放出抑制の向上の点から、処理温度は、20〜150℃が好ましく、60〜130℃がより好ましく、処理時間は、1〜120時間が好ましく、2〜60時間がより好ましい。
工程IIにおいては、機能性化合物含有メソポーラスシリカ粒子(E)の表面と有機シラン化合物(F)との反応を、機能性化合物含有メソポーラスシリカ粒子(E)の平均細孔径を、機能性化合物(B)の長軸長と同じ又はそれ以下とするように行うこと、すなわち、得られる複合シリカ粒子(C)のシリカ粒子(A)の平均細孔径が機能性化合物(B)の長軸長と同じ又はそれ以下とするように行うことが好ましい。なお、シリカ粒子(A)の細孔径には狭いながらも分布があること、機能性化合物(B)はメソ細孔内でランダムに分子運動していると推測されること、等から、シリカ粒子(A)の平均細孔径が機能性化合物(B)の長軸長と同じ又はそれ以下としても、シリカ粒子(A)のナノ細孔内を機能性化合物(B)が移動することができると考えられる。
得られるシリカ粒子(A)の平均細孔径をa、機能性化合物(B)の長軸長をbとした場合、a≦bを満たせば、シリカ粒子(A)の細孔の一部が、機能性化合物(B)の分子サイズに近い細孔径であると考えられることから、機能性化合物(B)の放出抑制がいっそう向上される。また、機能性化合物(B)の機能を発現させる点から、反応後の機能性化合物含有メソポーラスシリカ粒子(E)の平均細孔径、すなわち、得られる複合シリカ粒子(C)のシリカ粒子(A)の平均細孔径の下限としては、機能性化合物(B)がシリカ粒子(A)から放出され得る大きさであることが好ましい。
なお、メソポーラスシリカ粒子(D)の平均細孔径をdとした場合、工程Iにおける機能性化合物(B)の担持プロセス効率の点から、b≦dであることが好ましい。したがって、本発明の複合シリカ粒子製造方法の好ましい一実施形態は、得られるシリカ粒子(A)の平均細孔径をa、機能性化合物(B)の長軸長をb、メソポーラスシリカ粒子(D)の平均細孔径をdとした場合、a≦b≦dを満たす。
得られるシリカ粒子(A)の平均細孔径は、有機シラン化合物(F)の混合量によって適宜調節可能である。例えば、有機シラン化合物(F)の混合量が多いほど得られるシリカ粒子(A)の平均細孔径は小さくなる傾向にある。
工程IIで得られた複合シリカ粒子(C)は、必要に応じて、洗浄及び/又はろ過による分離回収をしてもよい。また、未反応化合物や副生化合物を除去するために、未反応化合物や副生化合物の沸点以上の温度で熱処理したり、未反応化合物や副生化合物が可溶な溶媒で洗浄することもできる。
[メソポーラスシリカ粒子(D)]
本発明の複合シリカ粒子製造方法で使用するメソポーラスシリカ粒子(D)としては、ヘキサゴナル配列のメソポーラス(メソ細孔)構造を有する粒子が挙げられ、具体的には、粉末X線回折測定において、結晶格子面間隔(d)が1〜10nmの範囲に相当する回折角(2θ)に1本以上のピークを示し、結晶格子面間隔(d)が1nm未満の範囲に相当する回折角(2θ)にピークを示さない粒子が挙げられる。粉末X線回折(XRD)測定において、結晶格子面間隔(d)が1〜10nmの範囲に相当する回折角(2θ)に1本以上のピークを示すことは、このシリカ粒子がメソ領域に周期性のある物質であることを意味し、結晶格子面間隔(d)が1nm未満の範囲に相当する回折角(2θ)にピークを示さないことは、ゼオライトなどの結晶性化合物と異なるものであることを意味する。
メソポーラスシリカ粒子(D)としては、機能性化合物(B)を担持させる点から、平均細孔径が1〜10nm、BET比表面積が300〜1500m2/gであることが好ましく、機能性化合物(B)の担持量を増やす点から、メソポーラス構造を有する外殻部を備える中空メソポーラスシリカ粒子であることが好ましい。メソポーラスシリカ粒子(D)の平均細孔径は、機能性化合物(B)の担持のさせやすさの点から、機能性化合物(B)の長軸長と同じ又はそれ以上の大きさであることが好ましい。
メソポーラスシリカ粒子(D)として使用できる中空メソポーラスシリカ粒子は、公知の方法で製造でき、また、特開2008−110905、特開2008−150229、及び特開2008−174435に開示される製造方法を参照して製造できる。メソポーラスシリカ粒子(D)が中空メソポーラスシリカ粒子である場合、機能性化合物の保持量及び放出抑制の向上の点から、平均細孔径は1〜10nmが好ましく、BET比表面積は300〜1500m2/gが好ましく、平均粒子径は0.05〜10μmが好ましく、外殻部の平均厚みは30〜700nmが好ましい。
[平均細孔径]
本明細書においてシリカ粒子の平均細孔径は、窒素吸着測定を行い、窒素吸着等温線からBJH法により求められる細孔径分布においてピーク値を示す細孔径として求められるものをいい、具体的には実施例に記載の方法で測定できる。なお、1nm未満の平均細孔径は、窒素吸着による測定方法による場合、ピーク値が1nm以上に存在せず、細孔径分布において測定下限細孔径1nmにテーリングが見られること、その上で10m2/g以上の比表面積が得られていることから判断される。なおアルゴンガス吸着による場合は、より小さい細孔径まで測定することができる。本明細書におけるメソポーラスシリカ粒子(D)及びシリカ粒子(A)の細孔径は、機能性化合物の保持量及び放出抑制の向上の点から、揃っていることが好ましく、細孔の好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、さらに好ましくは80%以上が平均細孔径±30%以内に入ることがより好ましい。なお、メソポーラスシリカ粒子(D)及びシリカ粒子(A)が中空メソポーラスシリカ粒子である場合、メソポーラス構造を有する外殻部の構造は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することができ、その細孔径、細孔規則性、外殻部から内部への細孔の繋がり具合を確認することができる。
[BET比表面積]
本明細書においてシリカ粒子のBET比表面積は、窒素吸着等温線の窒素分圧0.05〜0.2の範囲において、多点BET法により算出する値をいい、具体的には、実施例に記載の方法で測定できる。
[平均粒子径]
本明細書においてシリカ粒子の平均粒子径、その分布の程度、外殻部の平均厚み、及び中空部の平均径は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により測定される値をいう。具体的には、透過型電子顕微鏡観察下で、20〜30個の粒子が含まれる視野中の全粒子の直径及び外殻厚みを写真上で実測する。この操作を、視野を5回変えて行う。得られたデータから平均粒子径及びその分布の程度、並びに平均外殻厚みを求める。透過型電子顕微鏡の倍率の目安は1万〜10万倍であるが、シリカ粒子の大きさによって適宜調節される。しかしながら、画面中の粒子のうち、メソ細孔を有する複合シリカ粒子の割合が、30%以下の場合は、観察のための視野を広げて、すなわち倍率を下げて、少なくとも10個の粒子からデータを得るものとする。なお、メソポーラスシリカ粒子(D)及びシリカ粒子(A)の粒子径は、機能性化合物の保持量及び放出抑制の向上の点から、揃っていることが好ましく、好ましくは粒子全体の80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上が平均粒子径±30%以内の粒子径を有することがより好ましい。
[機能性化合物(B)]
本発明の複合シリカ粒子製造方法で使用する機能性化合物(B)としては、香料、消臭剤、顔料、染料、化粧品用基材、農薬用基材、医薬用基材、食品、樹脂添加剤、触媒などの機能性化合物が挙げられ、有機化合物でも無機化合物でも良く、また固体、液体、気体でも良い。機能性化合物(B)は、複合シリカ粒子における保持量及び放出抑制の向上の点から、疎水性化合物が好ましく、疎水性パラメータLogP値0.5〜25がより好ましく、1〜10がさらに好ましく、2〜7がさらにより好ましい。ここで、LogPとは、1−オクタノール/水分配係数であり、logKow法により計算で求められた値である。具体的には、化合物の化学構造を、その構成要素に分解し、各フラグメントの有する疎水性フラグメント定数を積算して求められる(Meylan, W.M. and P.H. Howard. 1995. Atom/fragment contribution method for estimating octanol−water partition coefficients. J. Pharm. Sci. 84: 83−92参照)。
工程Iにおける機能性化合物(B)を含む組成物としては、疎水性化合物、好ましくは前述の疎水性パラメータを満たす疎水性媒体に機能性化合物(B)を溶解、希釈、又は分散させたものが挙げられる。
機能性化合物としての香料としては、天然香料や合成香料を挙げることができる。天然香料としては、スペアミントオイル、ペパーミントオイル、シトロネラオイル、ユーカリオイル、カスカリラオイル、バーチオイル、シナモンオイル、クローブオイル、ニンニクオイル、ハッカオイル、マジョラムオイル、ナツメグオイル、パルマローザオイル、シソオイル、ローズオイル、セイボリオイル、ローズマリーオイル、ラベンダーオイル等が挙げられる。合成香料としては、酢酸アミル、α−アミルシンナミックアルデヒド、サリチル酸イソアミル、アニスアルデヒド、酢酸ベンジル、ベンジルアルコール、ボルネオール、l−カルボン、メントール、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、クマリン、オイゲノール、サリチル酸メチル、バニリン、テルピネオール、リモネン等が挙げられる。
[長軸長]
本明細書において機能性化合物(B)の長軸長とは、機能性化合物(B)が金属などの無機固体の場合、透過型電子顕微鏡(TEM)や原子間力顕微鏡(AFM)観察等で測定される長軸長をいう。一方、機能性化合物(B)が有機化合物や有機金属化合物の場合、分子軌道計算により算出したファンデアワールス径の最長軸長を長軸長(b)と定義する。
[有機シラン化合物(F)]
本発明の複合シリカ粒子製造方法において表面処理のために使用する有機シラン化合物(F)としては、機能性化合物の保持量及び放出抑制の向上の点から、アルコキシシラン、ジシラザン、クロルシラン等の有機基を有する加水分解性有機シランが好ましく、アルコキシシラン、ジシラザンがより好ましい。また、加水分解可能な官能基がアルコキシ基の場合、好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4、さらに好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基、特にメトキシ基、エトキシ基が好ましい。有機シランは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
アルコキシシランの具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ベンジルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−[2−(2−アミノエチルアミノエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、3−[2−(2−アミノエチルアミノエチルアミノ)プロピル]トリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシシラン、ジメトキシメチル−3−(3−フェノキシプロピルチオプロピル)シラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、オクダデシルトリメトキシシラン、トリメチル−3−トリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロリド、ジメチルオクタデシル−3−トリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロリド等が挙げられる。これらの中では、機能性化合物の保持量及び放出抑制の向上の点から、アミノプロピルトリメトキシシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−[2−(2−アミノエチルアミノエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン等の炭素数1〜3のアルコキシ基を有するトリアルコキシシランが好ましい。
ジシラザンとしては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
1 3SiNHSiR2 3 (1)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリル基、アリール基、又はアルコキシ基を示し、複数のR1及びR2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
これらの中では、機能性化合物の保持量及び放出抑制の向上の点から、炭素数1〜3のアルキル基を有するヘキサアルキルジシラザンが好ましく、特にヘキサメチルジシラザン〔(CH33SiNHSi(CH33〕が好ましい。
クロルシランとしては、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン等が挙げられる。これらの中では、機能性化合物の保持量及び放出抑制の向上の点から、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のモノ又はジクロロシランが好ましい。
[複合シリカ粒子]
本発明は、その他の態様において、シリカ粒子(A)の内部に機能性化合物(B)を含有する複合シリカ粒子(以下、「本発明の複合シリカ粒子」ともいう。)であって、本発明の複合シリカ粒子製造方法によって製造された及び/又は製造され得る複合シリカ粒子に関する。なお、機能性化合物(B)については、前述のとおりである。本発明の複合シリカ粒子であれば、機能性化合物(B)の保持量及び放出抑制が向上するという効果を奏しうる。
[シリカ粒子(A)]
本発明の複合シリカ粒子におけるシリカ粒子(A)としては、ヘキサゴナル配列のメソポーラス(メソ細孔)構造を有する粒子が挙げられ、具体的には、粉末X線回折測定において、結晶格子面間隔(d)が1〜10nmの範囲に相当する回折角(2θ)に1本以上のピークを示し、結晶格子面間隔(d)が1nm未満の範囲に相当する回折角(2θ)にピークを示さない粒子が挙げられる。なお、シリカ粒子(A)のナノ細孔を有し、そのナノ細孔周期の規則性が高くなるとピークは明瞭化され、高次ピークが見られる場合がある。
また、シリカ粒子(A)は、機能性化合物(B)の担持量を増やす点から、メソポーラス構造又はマイクロポーラス構造を有する外殻部を備える中空シリカ粒子であることが好ましい。
シリカ粒子(A)の平均細孔径は、機能性化合物の保持量及び放出抑制の向上の点から、シリカ粒子(A)の平均細孔径をa、機能性化合物(B)の長軸長をbとした場合、a≦bを満たすことが好ましく、例えば、下限としては、0.3nm以上が好ましく、0.5nm以上がより好ましく、上限としては、10nm以下が好ましく、8nm以下がより好ましく、5nm以下がさらに好ましい。シリカ粒子(A)のBET比表面積は、例えば、10〜1500m2/gを取り得る。
本発明の複合シリカ粒子の一実施形態として、シリカ粒子(A)が中空マイクロポーラスシリカ粒子であって、平均細孔径が1nm未満であり、BET比表面積が1〜300m2/gの複合シリカ粒子が挙げられる。本明細書において、マイクロポーラスシリカとは、平均細孔径が1nm未満、比表面積が10〜300m2/gのシリカ粒子を意味する。BET比表面積が5〜100m2/gがより好ましく、10〜30m2/gがさらに好ましい。この形態において、機能性化合物(B)の長軸長が約1nmである場合、機能性化合物(B)の機能性化合物の保持量及び放出抑制がよりいっそう向上する。
シリカ粒子(A)の平均粒子径は、機能性有機化合物の保持量及び放出抑制の向上の点から、好ましくは0.05〜10μm、より好ましくは0.05〜5μm、さらに好ましくは0.05〜3μmである。また、シリカ粒子(A)の外殻部の平均厚みは、機能性有機化合物の保持量及び放出抑制の向上の点から、好ましくは30〜700nm、より好ましくは50〜500nm、さらに好ましくは70〜400nmである。そして、外殻部の平均厚みと平均粒子径の比(外殻部厚み/平均粒子径)は、機能性有機化合物の保持量及び粒子分散安定性の向上の点から、好ましくは0.01〜0.6、より好ましくは、0.05〜0.5、さらに好ましくは0.1〜0.4である。外殻部の平均厚みは、前述のようにTEMの観察により測定できる。
実施例及び比較例で得られた複合シリカ粒子及び中空シリカ粒子の各種測定及び評価は、以下の方法により行った。なお、機能性化合物として使用した香料であるリモネンは、長軸長が1.0nm、LogP=4.3である。
(1)中空シリカ粒子の粉末X線回折(XRD)パターンの測定
粉末X線回折装置(理学電機工業株式会社製、商品名:RINT2500VPC)を用いて、X線源:Cu-kα、管電圧:40mA、管電流:40kV、サンプリング幅:0.02°、発散スリット:1/2°、発散スリット縦:1.2mm、散乱スリット:1/2°、及び受光スリット:0.15mmの条件で粉末X線回折測定を行った。走査範囲を回折角(2θ)1〜20°、走査速度を4.0°/分とした連続スキャン法を用いた。なお、測定は、粉砕した試料をアルミニウム板に詰めて行った。
(2)中空シリカ粒子の粒子形状の観察
電解放射型高分解能走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所社製、商品名:FE−SEM S−4000)を用いて粒子形状の観察を行った。
(3)中空シリカ粒子の平均一次粒子径、平均中空部径、及び平均外殻部厚みの測定
透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子株式会社製、商品名:JEM−2100)を用いて加速電圧160kVで粒子の観察を行った。20〜30個の粒子が含まれる5視野中の全粒子の直径、中空部径、及び外殻部厚みを写真上で実測し、平均一次粒子径、平均中空部径、及び平均外殻部厚みを求めた。なお、観察は、高分解能用カーボン支持膜付きCuメッシュ(応研商事株式会社製、200−Aメッシュ)に付着させ、余分な試料をブローで除去したものを用いて行った。
(4)中空シリカ粒子のBET比表面積、及び平均細孔径の測定
比表面積・細孔分布測定装置(株式会社島津製作所製、商品名:ASAP2020)を用いて、液体窒素を用いた多点法でBET比表面積を測定し、パラメータCが正になる範囲で値を導出した。細孔径分布の導出にはBJH法を採用し、そのピークトップを平均細孔径とした。試料には250℃で5時間の前処理を施した。
(5)中空シリカ粒子の平均凝集粒子径の測定
レーザー散乱粒度分布計(株式会社堀場製作所社製、商品名:LA−920)を用いて、相対屈折率1.06、超音波強度7、超音波照射時間1分、循環速度4、分散媒をエタノールとした条件で25℃にて測定し、体積基準換算のメジアン径を平均凝集粒子径とした。
(6)中空シリカ粒子の有機基の定量分析
香料を除去した中空シリカ粒子において、理学電機工業株式会社製、差動型示差熱天秤(TG−DTA)Thermo plus TG8120を用いて、エアーフロー(300mL/min)下、25℃から700℃まで10℃/分の速度で昇温した。700℃で残存した質量をシリカ(SiO2)、150〜700℃までの減量を有機基(3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピル基)由来とした。シリカに対する有機基のモル比率(mol%)を求めた。
(7)複合シリカ粒子の中空部香料の定量と気相中への放出評価
複合シリカ粒子の中空部香料の気相中への放出評価として、複合シリカ粒子の中空部香料の空気中への揮散速度を評価した。理学電機工業株式会社製、差動型示差熱天秤(TG−DTA)Thermo plus TG8120を用いて、エアーフロー(300mL/min)下、25℃から50℃又は80℃まで10℃/分の速度で昇温後、50℃又は80℃で5時間保持、さらに700℃まで10℃/分の速度で昇温した。700℃で残存した質量をシリカ(SiO2)由来とした。
50℃又は80℃における複合シリカ粒子の質量減量を時間(分)で微分し、単位シリカ質量(g)当たり、単位時間(分)における香料の質量減量(mg)として揮発速度(mg香料/分/シリカg)を求めた。測定時間20〜300分の範囲内に、揮発速度が1〜3mg香料/分/シリカgで時間に依存せずほぼ一定となる領域が見られるので、この領域に相当する香料量を複合シリカ粒子の中空部の香料担持量(シリカ質量に対する質量%)とした。この中空部の香料担持量(シリカ質量に対する質量%)と揮散に要した時間(分)から中空部香料の揮散速度(シリカ質量に対する質量%/分)を算出した。
(8)複合シリカ粒子の中空部香料の液相中への放出評価
複合シリカ粒子の中空部香料の液相中への放出評価として、複合シリカ粒子内の中空部香料の界面活性剤水溶液への流出量(残存率)により評価した。すなわち、界面活性剤水溶液中へ分散前後の複合シリカ粒子内の中空部香料担持量の違いから、香料残存率を求めた。まず内径13cmの2Lビーカー中、水2000gに複合シリカ粒子0.025gを含有する界面活性剤ベース液(後述)0.67gを添加し、25℃で7分磁気撹拌することで分散処理した。なおスターラーピースは、長さ3.5cmの十字型のものを用い、攪拌速度は攪拌時の水高さの下から1/3の位置に渦巻きの頂点が来るように設定された。攪拌終了後すぐにメンブレンフィルター(ADVANTEC社製、材質:セルロールアセテート、孔径:0.2μm)で約10分間ろ過した。ろ過後すぐに上記(7)の条件で熱質量分析測定を行い、分散後の複合シリカ粒子の中空部に担持された香料を定量した。分散前に対する分散後の香料担持量の比率を残存率とした。
(界面活性剤ベース液の調製)
300mlビーカーに、イオン交換水144gを入れ、ウォーターバスで60℃に昇温した。1つの羽根の長さが2cm、幅0.8cmの撹拌羽根で撹拌しながら(200r/min)、非イオン性界面活性剤(炭素数12の直鎖第1級アルコールにエチレンオキサイドを平均20モル付加させたもの)6gを添加し、次に加熱溶解させた陽イオン性界面活性剤(N−(3−アルカノイルアミノプロピル)−N−(2−アルカノイルヒドロキシエチル)−N−メチルアミン塩酸塩のエタノール溶液(エタノール含有量10%。但し、アルカノイル基は、硬化牛脂由来脂肪酸残基とする。)34gを添加した。次に塩化カルシウム(最終濃度0.05質量%)を入れ5分間撹拌後、10%塩酸水溶液と10%水酸化ナトリウム水溶液でpH2.4に調整した。次に60℃のイオン交換水16gを添加した。その後、5℃の水を入れたウォーターバスにビーカーを移し、撹拌しながら(80r/min)、室温(25℃)まで冷却した。
[製造例1](中空メソポーラスシリカ粒子の製造)
(1)2L−セパラフルフラスコに、イオン交換水600部、メタクリル酸メチル99.5部、塩化メタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム0.5部を入れ、内温70℃まで昇温させた。次いで、これに、水溶性重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(和光純薬株式会社製、商品名:V−50)0.5部をイオン交換水5部に溶かした溶液を添加し、3時間加熱撹拌を行った。その後、さらに75℃で3時間加熱撹拌を行って冷却した後、得られた混合液から凝集物を200メッシュろ過(目開き約75μm)し、カチオン性ポリマー粒子の懸濁液(固形分(有効分)含有量14質量%、平均一次粒子径360nm)を得た。
(2)10Lフラスコに、水6kg、メタノール2kg、1M水酸化ナトリウム水溶液45g、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド35g、及び上記で得られたカチオン性ポリマー粒子の懸濁液33gを入れて撹拌し、その水溶液に、テトラメトキシシラン34gをゆっくりと加え、5時間撹拌した後、12時間熟成させた。次いで、得られた白色沈殿物を、メンブランフィルター(ADVANTEC社製、材質:セルロールアセテート、孔径:0.2μm)でろ過した後、10Lの水で洗浄し、100℃の温度条件で5時間乾燥した。得られた乾燥粉末を、焼成炉(株式会社モトヤマ製、商品名:スーパーバーン)を用いて、エアーフロー(3L/min)しながら1℃/分の速度で600℃まで昇温し、600℃で2時間焼成することにより有機成分を除去した。得られた粉末を、ロータースピードミル(FRITSCH社製、商品名:pulverisettel4)を用いて、乾式解砕(20000rpm)、乾式分級(孔径0.2mmスクリーンをパス)することにより、中空メソポーラスシリカ粒子を得た。
この中空メソポーラスシリカ粒子について、粉末X線回折(XRD)のパターンにおける、d=3.0nmの非常に強いXRDピーク、d=1.7nm及びd=1.5nmの弱いXRDピークにより、この中空メソポーラスシリカ粒子のメソ細孔がヘキサゴナル配列を有することを確認した。d=1.0nm未満に相当する回折角の領域にXRDピークは見られなかった。また、SEM観察により、この中空メソポーラスシリカ粒子の粒子形状が球状であることを確認した。さらに、TEM観察より、この中空メソポーラスシリカ粒子が中空構造を有し、平均一次粒子径が680nm、平均中空部径が360nm、平均外殻部厚みが160nmであり、外殻部がヘキサゴナル配列を示す均一なメソ細孔を有し、そのメソ細孔が粒子中心から外殻部の外側に向かって放射状に貫通していることを確認した。全ての一次粒子が平均一次粒子径±30%以内の一次粒子径を有していた。また、この中空メソポーラスシリカ粒子は、BET比表面積が1330m2/g、平均細孔径が1.6nm、平均凝集粒子径が0.7μmであった。
[実施例1]
製造例1で得られた中空メソポーラスシリカ粒子1gをリモネン(商品名:リモネンフロムオレンジ、長谷川香料株式会社製)25g中で1時間25℃攪拌することにより、中空メソポーラスシリカ粒子内にリモネンを担持した。この分散液に3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン(信越化学株式会社製)1g(27mol% vs.SiO2)を添加、25℃で1日攪拌後、メンブランフィルター(ADVANTEC社製、材質:ポリテトラフルオロエチレン、孔径:0.2μm)でろ過することにより、複合シリカ粒子を得た。
複合シリカ粒子のTG−DTA分析より、シリカ質量に対する中空部香料担持量は12質量%、中空部香料揮散速度は80℃で0.04質量%/分/シリカ質量、界面活性剤水溶液分散後の中空部香料残存率は80%であった。
複合シリカ粒子のシリカ粒子部分のキャラクタリゼーションを行うため、エタノール洗浄、乾燥により香料除去を行った。上記複合シリカ粒子2gをエタノール50gに25℃で1時間攪拌後、メンブランフィルター(ADVANTEC社製、材質:ポリテトラフルオロエチレン、孔径:0.2μm)でろ過、さらにエタノール50gで洗浄後、60℃で1日減圧乾燥を行うことにより、中空シリカ粒子を得た。
この中空シリカ粒子について、粉末X線回折(XRD)のパターンにおける結晶格子面間隔(d)が、d=3.0nmの非常に強いXRDピーク、d=1.7nm及びd=1.5nmの弱いXRDピークにより、この中空シリカ粒子の細孔がヘキサゴナル配列を有することを確認した。d=1.0nm未満に相当する回折角の領域にXRDピークは見られなかった。また、SEM観察により、この中空シリカ粒子の粒子形状が球状であることを確認した。さらに、TEM観察より、この中空シリカ粒子が中空構造を有し、平均一次粒子径が680nm、平均中空部径が360nm、平均外殻部厚みが160nmであり、外殻部がヘキサゴナル配列を示す均一な細孔を有し、その細孔が粒子中心から外殻部の外側に向かって放射状に貫通していることを確認した。全ての一次粒子が平均一次粒子径±30%以内の一次粒子径を有していた。また、この中空シリカ粒子は、BET比表面積が13m2/gであり、ピーク値が1nm以上に存在せず、細孔径分布において測定下限細孔径1nmにテーリングが見られたことから、平均細孔径は1nm未満である。TG−DTA分析より、有機基量は18mol%であった。結果を下記表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシランの添加量を0.6g(16mol% vs.SiO2)に代えた以外は同様にして、複合シリカ粒子及び中空シリカ粒子を製造した。
複合シリカ粒子のTG−DTA分析より、シリカ質量に対する中空部香料担持量は10質量%、中空部香料揮散速度は80℃で0.29質量%/分/シリカ質量、界面活性剤水溶液分散後の中空部香料残存率は80%であった。
中空シリカ粒子について、粉末X線回折(XRD)のパターンにおける結晶格子面間隔(d)が、d=3.0nmの非常に強いXRDピーク、d=1.7nm及びd=1.5nmの弱いXRDピークにより、この中空シリカ粒子の細孔がヘキサゴナル配列を有することを確認した。d=1.0nm未満に相当する回折角の領域にXRDピークは見られなかった。また、SEM観察により、この中空シリカ粒子の粒子形状が球状であることを確認した。さらに、TEM観察より、この中空シリカ粒子が中空構造を有し、平均一次粒子径が680nm、平均中空部径が360nm、平均外殻部厚みが160nmであり、外殻部がヘキサゴナル配列を示す均一な細孔を有し、その細孔が粒子中心から外殻部の外側に向かって放射状に貫通していることを確認した。全ての一次粒子が平均一次粒子径±30%以内の一次粒子径を有していた。また、この中空シリカ粒子は、BET比表面積が40m2/gであり、ピーク値が1nm以上に存在せず、細孔径分布において測定下限細孔径1nmにテーリングが見られたことから、平均細孔径は1nm未満である。TG−DTA分析より、有機基量は16mol%であった。結果を下記表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシランの添加量を0.5g(14mol% vs.SiO2)に代えた以外は同様にして、複合シリカ粒子及び中空シリカ粒子を製造した。
複合シリカ粒子のTG−DTA分析より、シリカ質量に対する中空部香料担持量は16質量%、中空部香料揮散速度は80℃で1.0質量%/分/シリカ質量、50℃で0.10質量%/分/シリカ質量、界面活性剤水溶液分散後の中空部香料残存率は80%であった。
中空シリカ粒子について、粉末X線回折(XRD)のパターンにおける結晶格子面間隔(d)が、d=3.0nmの非常に強いXRDピーク、d=1.7nm及びd=1.5nmの弱いXRDピークにより、この中空シリカ粒子の細孔がヘキサゴナル配列を有することを確認した。d=1.0nm未満に相当する回折角の領域にXRDピークは見られなかった。また、SEM観察により、この中空シリカ粒子の粒子形状が球状であることを確認した。さらに、TEM観察より、この中空シリカ粒子が中空構造を有し、平均一次粒子径が680nm、平均中空部径が360nm、平均外殻部厚みが160nmであり、外殻部がヘキサゴナル配列を示す均一な細孔を有し、その細孔が粒子中心から外殻部の外側に向かって放射状に貫通していることを確認した。全ての一次粒子が平均一次粒子径±30%以内の一次粒子径を有していた。また、この中空シリカ粒子は、BET比表面積が220m2/gであり、ピーク値が1nm以上に存在せず、細孔径分布において測定下限細孔径1nmにテーリングが見られたことから、平均細孔径は1nm未満である。TG−DTA分析より、有機基量は15mol%であった。結果を下記表1に示す。
[比較例1]
25℃、攪拌下、トルエン50gに3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン(信越化学株式会社製)0.6g(8mol% vs.SiO2)を溶解後、製造例1で得られた中空メソポーラスシリカ粒子2gを分散させ、120℃で24時間処理した。処理液をメンブランフィルター(ADVANTEC社製、材質:ポリテトラフルオロエチレン、孔径:0.2μm)でろ過、エタノールで洗浄後、100℃で24時間乾燥させることにより、有機シラン処理した中空メソポーラスシリカ粒子を得た。
この有機シラン処理した中空メソポーラスシリカ粒子について、粉末X線回折(XRD)測定を行った結果、結晶格子面間隔(d)が、d=3.0nmに相当する回折角の非常に強いピーク、d=1.7nm及びd=1.5nmに相当する回折角の弱いピークにより、この中空メソポーラスシリカ粒子のメソ細孔がヘキサゴナル配列を有することを確認した。d=1.0nm未満に相当する回折角の領域にXRDピークは見られなかった。また、SEM観察により、この中空メソポーラスシリカ粒子の粒子形状が球状であることを確認した。さらに、TEM観察より、この中空メソポーラスシリカ粒子が中空構造を有し、平均一次粒子径が680nm、平均中空部径が360nm、平均外殻部厚みが160nmであり、外殻部がヘキサゴナル配列を示す均一なメソ細孔を有し、そのメソ細孔が粒子中心から外殻部の外側に向かって放射状に貫通していることを確認した。全ての一次粒子が平均一次粒子径±30%以内の一次粒子径を有していた。また、この有機シラン処理した中空メソポーラスシリカ粒子は、BET比表面積が610m2/g、平均細孔径が1.1nmであった。TG−DTA分析より、有機基量は8mol%であった。
この有機シラン処理した中空メソポーラスシリカ粒子0.5gを20mlのサンプル瓶へ入れ、その上にリモネン(商品名:リモネンフロムオレンジ、長谷川香料株式会社製)6.0gを注いだ。その容器をガラス製デシケータ中に移し、ロータリーポンプを用い3分間減圧した後、窒素ガスを充填し内圧を常圧に戻した。この操作を3度繰り返した後、サンプルを一晩静置した。翌日、メンブレンフィルター(ADVANTEC社製、材質:ポリテトラフルオロエチレン、孔径:0.2μm)によりろ別し、複合シリカ粒子を得た。
複合シリカ粒子のTG−DTA分析より、シリカ質量に対する中空部香料担持量は13質量%、中空部香料揮散速度は50℃で0.17質量%/分/シリカ質量、界面活性剤水溶液分散後の中空部香料残存率は60%であった。結果を下記表1に示す。
[比較例2]
比較例1において、3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシランの添加量を2g(27mol% vs.SiO2)に代えた以外は同様にして、中空シリカ粒子および複合シリカ粒子を製造した。
有機シラン処理した中空シリカ粒子について、粉末X線回折(XRD)測定を行った結果、結晶格子面間隔(d)が、d=3.0nmに相当する回折角の非常に強いピーク、d=1.7nm及びd=1.5nmに相当する回折角の弱いピークにより、この中空シリカ粒子のメソ細孔がヘキサゴナル配列を有することを確認した。d=1.0nm未満に相当する回折角の領域にXRDピークは見られなかった。また、SEM観察により、この中空シリカ粒子の粒子形状が球状であることを確認した。さらに、TEM観察より、この中空シリカ粒子が中空構造を有し、平均一次粒子径が680nm、平均中空部径が360nm、平均外殻部厚みが160nmであり、外殻部がヘキサゴナル配列を示す均一なメソ細孔を有し、そのメソ細孔が粒子中心から外殻部の外側に向かって放射状に貫通していることを確認した。全ての一次粒子が平均一次粒子径±30%以内の一次粒子径を有していた。また、この有機シラン処理した中空シリカ粒子は、BET比表面積が16m2/gであり、ピーク値が1nm以上に存在せず、細孔径分布において測定下限細孔径1nmにテーリングが見られたことから、平均細孔径は1nm未満である。TG−DTA分析より、有機基量は14mol%であった。
複合シリカ粒子のTG−DTA分析より、シリカ質量に対する中空部香料担持量は0質量%であった。結果を下記表1に示す。
[製造例2](中空メソポーラスシリカ粒子の製造)
(1)2L−セパラフルフラスコに、イオン交換水600部、メタクリル酸メチル99.5部、塩化メタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム0.5部を入れ、内温70℃まで昇温させた。次いで、これに、水溶性開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミノジプロパン)二塩酸塩(和光純薬株式会社製、商品名:V−50)0.5部をイオン交換水5部に溶かした溶液を添加し、3時間加熱撹拌(300rpm)を行った。その後、さらに75℃で3時間加熱撹拌(300rpm)を行って冷却した後、得られた混合液から凝集物を200メッシュ(目開き約75μm)でろ過し、カチオン性ポリマー粒子の懸濁液(固形分(有効分)含有量14質量%、平均一次粒子径280nm)を得た。
(2)次に、10Lフラスコに、水6kg、メタノール2kg、1M水酸化ナトリウム水溶液45g、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド35g、及び上記で得られたカチオン性ポリマー粒子の懸濁液33gを入れて撹拌し、その水溶液に、テトラメトキシシラン34gをゆっくりと加え、5時間撹拌した後、12時間熟成させた。次いで、得られた白色沈殿物を、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過した後、10Lの水で洗浄し、100℃の温度条件で5時間乾燥した。得られた乾燥粉末を、焼成炉(株式会社モトヤマ製、商品名:SK−2535E)を用いて、エアーフロー(3L/min)しながら1℃/分の速度で600℃まで昇温し、600℃で2時間焼成することにより有機成分を除去し、中空メソポーラスシリカ粒子を得た。
この中空メソポーラスシリカ粒子について、粉末X線回折(XRD)測定を行った結果、結晶格子面間隔(d)が、d=2.9nmに相当する回折角の非常に強いピーク、d=1.7nm及びd=1.5nmに相当する回折角の弱いピークにより、この中空メソポーラスシリカ粒子のメソ細孔がヘキサゴナル配列を有することを確認した。d=1.0nm未満に相当する回折角の領域にXRDピークは見られなかった。また、SEM観察により、この中空メソポーラスシリカ粒子の粒子形状が球状であることを確認した。さらに、TEM観察より、この中空メソポーラスシリカ粒子が中空構造を有し、平均一次粒子径が560nm、平均中空部径が280nm、平均外殻部厚みが140nmであり、外殻部がヘキサゴナル配列を示す均一なメソ細孔を有し、そのメソ細孔が粒子中心から外殻部の外側に向かって放射状に貫通していることを確認した。全ての一次粒子が平均一次粒子径±30%以内の一次粒子径を有していた。また、この中空メソポーラスシリカ粒子は、BET比表面積が1230m2/g、平均細孔径が1.5nmであった。
[比較例3]
製造例2で得られた中空メソポーラスシリカ粒子1gとヘキサメチルジシラザン(和光純薬工業株式会社製)0.3g(22mol% vs.SiO2)を1Lテトラーバッグに入れ、密封し、電気乾燥機中で80℃で2日間放置することにより、有機シラン処理した中空シリカ粒子粉末を得た。
この有機シラン処理した中空シリカ粒子粉末について、粉末X線回折(XRD)測定を行った結果、結晶格子面間隔(d)が、d=2.9nmに相当する回折角の非常に強いピーク、d=1.7nm及びd=1.5nmに相当する回折角の弱いピークにより、この中空シリカ粒子の細孔がヘキサゴナル配列を有することを確認した。d=1.0nm未満の領域にXRDピークは見られなかった。また、SEM観察により、この中空シリカ粒子の粒子形状が球状であることを確認した。さらに、TEM観察より、この中空シリカ粒子が中空構造を有し、平均一次粒子径が560nm、平均中空部径が280nm、平均外殻部厚みが140nmであり、外殻部がヘキサゴナル配列を示す均一な細孔を有し、その細孔が粒子中心から外殻部の外側に向かって放射状に貫通していることを確認した。また平均一次粒子径などの測定に用いられた視野内の全ての一次粒子が平均一次粒子径±30%以内の一次粒子径を有していた。また、この中空シリカ粒子粉末は、BET比表面積が600m2/gであり、ピーク値が1nm以上に存在せず、細孔径分布において測定下限細孔径1nmにテーリングが見られたことから、平均細孔径は1nm未満である。TG−DTA分析より、有機基量は16mol%であった。
この有機シラン処理した中空シリカ粒子0.5gを20mlのサンプル瓶へ入れ、その上にリモネン(商品名:リモネンフロムオレンジ、長谷川香料株式会社製)6.0gを注いだ。その容器をガラス製デシケータ中に移し、ロータリーポンプを用い3分間減圧した後、窒素ガスを充填し内圧を常圧に戻した。この操作を3度繰り返した後、サンプルを一晩静置した。翌日、メンブレンフィルター(ADVANTEC社製、材質:ポリテトラフルオロエチレン、孔径:0.2μm)によりろ別し、複合シリカ粒子を得た。
複合シリカ粒子のTG−DTA分析より、シリカ質量に対する中空部香料担持量は15質量%、中空部香料揮散速度は50℃で0.13質量%/分/シリカ質量、界面活性剤水溶液分散後の中空部香料残存率は60%であった。結果を下記表1に示す。
Figure 0005687832
上記表1から、実施例1〜3は、比較例1〜3に比べて、香料担持量が多く気相中および液相中への放出を抑制できること、すなわち、香料を粒子内に多量に保持でき且つ中空部香料の放出を抑制できることがわかる。
以上説明したとおり、本発明は、例えば、医薬、農薬、化粧品、洗浄剤、柔軟剤等の用途に使用する機能性化合物(薬剤や香料)の徐放担体を扱う分野において有用である。

Claims (9)

  1. シリカ粒子(A)の内部に機能性化合物(B)を含有する複合シリカ粒子(C)の製造方法であって、
    機能性化合物(B)又は機能性化合物(B)を含む組成物とメソポーラスシリカ粒子(D)とを混合して混合組成物とし、前記混合によりメソポーラスシリカ粒子(D)の空隙部分に機能性化合物(B)が担持された機能性化合物含有メソポーラスシリカ粒子(E)を得ること、及び、
    前記混合組成物にさらに有機シラン化合物(F)を混合し、前記混合組成物中の機能性化合物含有メソポーラスシリカ粒子(E)の表面と有機シラン化合物(F)とを反応させて複合シリカ粒子(C)とすることを含む、複合シリカ粒子の製造方法。
  2. 機能性化合物含有メソポーラスシリカ粒子(E)の表面と有機シラン化合物(F)との反応が、機能性化合物含有メソポーラスシリカ粒子(E)の平均細孔径を、機能性化合物(B)の長軸長と同じ又はそれ以下とすることを含む、請求項1記載の複合シリカ粒子製造方法。
  3. メソポーラスシリカ粒子(D)が、平均細孔径が1〜10nmでありBET比表面積が300〜1500m2/gのメソポーラス構造を有する外殻部を備える中空メソポーラスシリカ粒子である、請求項1又は2に記載の複合シリカ粒子製造方法。
  4. 機能性化合物(B)が、疎水性パラメータLogP値0.5〜25の疎水性化合物である、請求項1から3のいずれかに記載の複合シリカ粒子製造方法。
  5. 有機シラン化合物(F)の混合量が、メソポーラスシリカ粒子(D)に対して5〜50mol%である、請求項1から4のいずれかに記載の複合シリカ粒子製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の複合シリカ粒子製造方法で製造されうる、シリカ粒子(A)の内部に機能性化合物(B)を含有する複合シリカ粒子。
  7. シリカ粒子(A)の内部に機能性化合物(B)を含有する複合シリカ粒子であって、
    シリカ粒子(A)が、メソポーラス構造又はマイクロポーラス構造を有する外殻部を備える中空シリカ粒子であり、
    シリカ粒子(A)の平均細孔径をa、機能性化合物(B)の長軸長をbとした場合、a≦bを満た
    前記機能性化合物(B)は、前記シリカ粒子(A)から徐放されうるものである、複合シリカ粒子。
  8. シリカ粒子(A)が、粉末X線回折測定でされる結晶格子面間隔(d)が1〜10nmの範囲に相当する回折角(2θ)に1本以上のピークを示し、結晶格子面間隔(d)が1nm未満の範囲に相当する回折角(2θ)にピークを示さない、請求項6又は7に記載の複合シリカ粒子。
  9. シリカ粒子(A)が、平均細孔径が1nm未満、BET比表面積1〜300m2/gのマイクロポーラスシリカである、請求項6からのいずれかに記載の複合シリカ粒子。
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