JP5512989B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、洗浄剤組成物に関し、詳しくは香料成分が洗濯中に流失することなく、かつ残香性に優れた洗浄剤組成物に関する。
衣類洗浄用組成物には、原料成分等に起因する臭気のマスキングや使用者に快適性を与えること等を目的として香料を添加することが行われている。その場合に、香料を単独で添加すると、容易に揮散したり、水相に移行して排水時に流失してしまうため、香料を各種担体に保持させて残香性を高めようとする試みがなされている。
例えば、表面に開口する多数の孔を有する親水性多孔質体の孔の中に、機能性材料と疎水性物質とを混練した状態で埋め込んだ徐放性機能剤(特許文献1)、シリカ等の粒状無機材に被覆剤を塗布してなる保持材料に、香料を吸着させた揮発性成分徐放剤(特許文献2)、香料と疎水性ポリマーからなる衣類洗浄用香料組成物(特許文献3)等が提案されている。しかしながら、上記の従来技術では、香気を変調させたり、香料の担持濃度を高めることが困難であったり、残香性が不十分である等、満足できる効果が得られていない。
一方、メソ細孔構造を有する中空シリカ粒子が知られている。例えば、特許文献4には、外殻部がメソ細孔構造を有し、かつ該外殻部が有機基を有するケイ素化合物により構成された中空シリカ粒子が開示され、特許文献5には、外殻部がメソ細孔構造を有し、BET比表面積が100m2/g以上のシリカ粒子であって、該シリカ粒子の内部に疎水性有機化合物を包含してなる複合シリカ粒子が開示されている。
しかしながら、特許文献4及び5においては、洗浄剤組成物への適用については十分な検討がなされていない。
特開平10−17846号公報 特開2000−41641号公報 特開2001−335800号公報 特開2008−110905号公報 特開2008−150229号公報
本発明は、香料成分が洗濯中に流失することなく、かつ残香性に優れた洗浄剤組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、均一なメソ細孔構造を有する中空メソポーラスシリカ粒子の内部に香料を保持させた複合メソポーラスシリカ粒子と界面活性剤を組み合わせることにより、上記の課題が解決しうることを見出した。
すなわち、本発明は、(a)外殻部がメソ細孔構造を有する中空シリカ粒子からなり、該メソ細孔の平均細孔径が1〜10nmであり、該中空シリカ粒子の内部に香料を保持してなる複合メソポーラスシリカ粒子と(b)界面活性剤とを含有する洗浄剤組成物を提供する。
本発明によれば、香料成分が洗濯中に流失することなく、かつ残香性に優れた洗浄剤組成物を提供することができる。
本発明の洗浄剤組成物は、(a)外殻部がメソ細孔構造を有する中空シリカ粒子からなり、該メソ細孔の平均細孔径が1〜10nmであり、該中空シリカ粒子の内部に香料を保持してなる複合メソポーラスシリカ粒子(以下、単に「複合シリカ粒子」ともいう)と(b)界面活性剤とを含有することを特徴とする。
<(a)複合メソポーラスシリカ粒子>
[中空シリカ粒子]
本発明で用いられる複合メソポーラスシリカ粒子を構成する中空シリカ粒子は、その外殻部がメソ細孔構造を有する。該メソ細孔構造の平均細孔径は、所望の残香期間、香料の揮散速度等の観点から適宜調整しうるが、好ましくは1〜8nm、より好ましくは1〜5nmである。メソ細孔構造を有する外殻部と粒子内部の中空部分の構造は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することができ、その細孔径、細孔規則性、外殻部から内部への細孔の繋がり具合を確認することができる。
本発明の中空シリカ粒子のメソ細孔構造は、メソ細孔径が揃っていることが特徴の1つである。該メソ細孔径は、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、特に好ましくは80%以上が平均細孔径の±30%以内に入る。
メソ細孔径は製造時に用いる界面活性剤等のミセルの大きさに影響されることから、陽イオン界面活性剤を用いる場合は、該界面活性剤のアルキル基の炭素数の違いや、アルキル鎖の数によって、種々の細孔径を有する中空シリカ粒子を調製することができる。
中空シリカ粒子の平均粒子径は、用途、残香期間等の観点から調整しうるが、好ましくは0.05〜10μm、より好ましくは0.05〜5μm、更に好ましくは0.02〜2μmである。中空シリカ粒子は、好ましくは粒子全体の80%以上、より好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上が平均粒子径±30%以内の粒子径を有しており、非常に揃った粒子径の粒子群から構成されていることが望ましい。
中空シリカ粒子のメソ細孔構造の平均細孔径、平均粒子径が揃っていれば、香料を、長期間、安定した速度で揮散させることができるため、所望の揮散制御を容易に行うことができる。
なお、中空シリカ粒子の平均粒子径は、製造時に使用しうる界面活性剤の選択、混合時の撹拌力、調製溶液の濃度や温度等によって調整することができる。また後述するプロトコア−シェル粒子のコアにポリマーを用いる製造方法では、ポリマーの大きさや分布の程度によっても得られる中空シリカの平均粒子径や、粒径のばらつきの程度を調製することができる。中空シリカ粒子の製造工程において、陽イオン界面活性剤等の界面活性剤を使用する場合は、界面活性剤が中空シリカ粒子内部、メソ細孔内、又はシリカ粒子表面に残留する可能性がある。界面活性剤が残留しても問題ない場合は除去する必要はないが、残留する界面活性剤の除去を望む場合は、水や酸性水溶液で洗浄処理して置換することにより除去することができる。
また、中空シリカ粒子のBET比表面積は、徐放性能等の観点から、好ましくは100〜1500m2/g、より好ましくは200〜1500m2/g、更に好ましくは300〜1500m2/gである。
中空シリカ粒子の外殻部の構造は、用いるシリカ源により異なる。シリカ源として有機基を有するものを用いた場合、有機基を有するシリカ構造の外殻部が得られ、またシリカ源以外に、他の元素、例えばAl、Ti、V、Cr、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、B、Mn、Fe等の金属を含有するアルコキシ塩やハロゲン化塩等の金属原料を製造時又は製造後に添加することで、該金属をシリカ粒子の外殻部に存在させることができる。外殻部の構造としては、安定性の観点から、テトラメトキシシランやテトラエトキシシランをシリカ源として製造され、シリカ壁が実質上酸化シリカから構成されていることが好ましい。
中空シリカ粒子は、粉末X線回折(XRD)のパターンにおいて、d=2〜12nmの範囲に相当する回折角度に1本以上のピークを有するメソ領域に周期性のある物質である。なお、規則性が高くなるとピークは明瞭化され、高次ピークが見られる場合がある。
外殻部(メソポーラスシリカ部)の平均厚みは、中空シリカ粒子が担体としての強度を維持できる範囲で薄い方が好ましく、中空部の平均直径(平均容積)は、香料を多く保持する観点から大きい方が好ましい。これらの観点から、外殻部の平均厚みは、通常0.5〜500nm、好ましくは2〜400nm、より好ましくは3〜300nmである。
外郭部の平均厚みもまた、後述するプロトコア−シェル粒子のコア物質(ポリマー粒子(a−1)又は疎水性有機化合物(a−2)、以下同じ)の大きさ及び濃度と、シリカ源の濃度との関係により適宜調製することができる。例えば、コア物質の大きさと濃度を一定にして、シリカ源の配合濃度を変化させた場合、そのシリカ源の量の違いが外殻部の平均厚みに影響する。
また、〔外殻部の平均厚み/中空シリカ粒子の平均粒子径〕の比は、通常0.01〜0.9、好ましくは0.05〜0.8、より好ましくは0.1〜0.7である。この比率もまた、コア物質の大きさ、コア物質の濃度、シリカ源の濃度、及び温度等の環境条件により適宜調整される。
なお、中空シリカ粒子の平均粒子径、平均外殻厚み、BET比表面積、平均細孔径、及び粉末X線回折(XRD)パターンの測定は、実施例記載の方法により行うことができる。
[香料]
本発明に用いられる香料に特に制限はないが、液体香料や揮散速度の早い香料は、本発明の香料の徐放性、経時残香性を効果的に発現させる観点から好ましい。
本発明の複合シリカ粒子においては、香料の揮散は、まず粒子の外表面付近に保持されている香料の揮散が始まり、その後、中空部及びメソ細孔に保持された香料が、長時間、安定した速度で揮散するため、揮散制御が容易である。
これらの香料の中で、酸やアルカリ、ゼオライト等の触媒活性を持つ無機粉体に不安定なエステル類やアセタール類であっても、本発明の複合シリカ粒子の内部に保持させれば、安定に保持され、徐放性、経時残香性に優れた香料粒子とすることができる。
香料の具体例としては、炭化水素類、アルコール類、フェノール類、エステル類、カーボネート類、アルデヒド類、ケトン類、アセタール類、エーテル類、ニトリル類、カルボン酸類、ラクトン類、及び他の天然精油や天然抽出物から選ばれる1種以上が挙げられる。
炭化水素類としては、リモネン、α−ピネン、β−ピネン、テルピネン、セドレン、ロンギフォレン、バレンセン等が挙げられる。
アルコール類としては、リナロール、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、テルピネオール、ジヒドロミルセノール、エチルリナロール、ファルネソール、ネロリドール、シス−3−ヘキセノール、セドロール、メントール、ボルネオール、フェニルエチルアルコール、ベンジルアルコール、ジメチルベンジルカルビノール等が挙げられ、フェノール類としては、グアヤコール、オイゲノール、イソオイゲノール等が挙げられる。
エステル類としては、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、サリチル酸エステル、ブラシル酸エステル、チグリン酸エステル、ジャスモン酸エステル、グリシド酸エステル、アントラニル酸エステル等が挙げられる。
ギ酸エステルとしては、リナリルホルメート、シトロネリルホルメート、ゲラニルホルメート等が挙げられ、酢酸エステルとしては、n−ヘキシルアセテート、シス−3−ヘキセニルアセテート、リナリルアセテート、シトロネリルアセテート、ゲラニルアセテート、ネリルアセテート、テルピニルアセテート、ノピルアセテート、ボルニルアセテート、イソボルニルアセテート、o−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、トリシクロデセニルアセテート、ベンジルアセテート、スチラリルアセテート、シンナミルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルフェニルアセテート、3−ペンチルテトラヒドロピラン−4−イルアセテート等が挙げられ、プロピオン酸エステルとしては、シトロネリルプロピオネート、トリシクロデセニルプロピオネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、エチル2−シクロヘキシルプロピオネート、ベンジルプロピオネート等が挙げられる。
また、サリチル酸エステルとしては、メチルサリシレート、n−ヘキシルサリシレート、シス−3−ヘキセニルサリシレート、シクロヘキシルサリシレート、ベンジルサリシレート等が挙げられ、ブラシル酸エステルとしては、エチレンブラシレート等が挙げられ、チグリン酸エステルとしては、ゲラニルチグレート、1−ヘキシルチグレート、シス−3−ヘキセニルチグレート等が挙げられ、ジャスモン酸エステルとしては、メチルジャスモネート、メチルジヒドロジャスモネート等が挙げられ、グリシド酸エステルとしては、メチル2,4−ジヒドロキシ−エチルメチルフェニルグリシデート、4−メチルフェニルエチルグリシデート等が挙げられ、アントラニル酸エステルとしては、メチルアントラニレート、エチルアントラニレート、ジメチルアントラニレート等が挙げられる。
その他、市販品として、花王株式会社製、フルテート(エチルトリシクロ[5,2,1,02,6]デカン−2−カルボキシレート:商品名:FRUITATE)等が挙げられる。
カーボネート類としては、市販品として、花王株式会社製、ジャスマシクラット(商品名:JASMACYCLAT)、花王株式会社製、フロラマット(商品名:FLORAMAT)、インターナショナルフレーバー・アンド・フレグランス(IFF)社製、バイオリッフ(商品名:VIOLIFF)等が挙げられる。
アルデヒド類としては、n−オクタナール、n−デカナ−ル、n−ドデカナ−ル、2−メチルウンデカナール、10−ウンデセナール、シトロネラール、シトラール、ヒドロキシシトロネラール、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フェニルプロピルアルデヒド、シンナミックアルデヒド、ジメチルテトラヒドロベンズアルデヒド、4(3)−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボアルデヒド(IFF社、商品名:リラール)、2−シクロヘキシルプロパナール、p−t−ブチル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド、p−イソプロピル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド、p−エチル−α,α−ジメチルヒドロシンナミックアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘリオトロピン、α−メチル−3,4−メチレンジオキシヒドロシンナミックアルデヒド等が挙げられる。
ケトン類としては、メチルヘプテノン、4−メチレン−3,5,6,6−テトラメチル−2−ヘプタノン、アミルシクロペンタノン、3−メチル−2−(シス−2−ペンテン−1−イル)−2−シクロペンテン−1−オン、メチルシクロペンテノロン、ローズケトン、カルボン、メントン、樟脳、アセチルセドレン、イソロンギフォラノン、ヌートカトン、ベンジルアセトン、アニシルアセトン、メチルβ−ナフチルケトン、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン、マルトール、ムスコン、シベトン等が挙げられ、アセタール類としては、ホルムアルデヒドシクロドデシルエチルアセタール、アセトアルデヒドエチルフェニルプロピルアセタール、シトラールジエチルアセタール等が挙げられる。
エーテル類としては、セドリルメチルエーテル、アネトール、β−ナフチルメチルエーテル、β−ナフチルエチルエーテル、リモネンオキサイド、ローズオキサイド、ネロールオキサイド、1,8−シネオール、ローズフラン、デカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチルナフト[2.1−b]フラン等が挙げられ、ニトリル類としては、ゲラニルニトリル、シトロネリルニトリル、ドデカンニトリル等が挙げられる。
カルボン酸類としては、安息香酸、フェニル酢酸、桂皮酸、ヒドロ桂皮酸、酪酸、2−ヘキセン酸等が挙げられ、ラクトン類としては、γ−デカラクトン、δ−デカラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ノナラクトン、γ−ウンデカラクトン、δ−ヘキサラクトン、γ−ジャスモラクトン等が挙げられる。
天然精油や天然抽出物としては、オレンジ、レモン、ライム、ベルガモット、バニラ、マンダリン、ペパーミント、スペアミント、ラベンダー、カモミル、ローズマリー、ユーカリ、セージ、バジル、ローズ、ロックローズ、ゼラニウム、ジャスミン、イランイラン、アニス、クローブ、ジンジャー、ナツメグ、カルダモン、セダー、ヒノキ、ベチバー、パチュリ、レモングラス、ラブダナム等が挙げられる。
上記香料は、単独で又は2種以上を任意の割合で組み合わせて用いることができるが、中でも、炭化水素類、アルコール類、エステル類、カーボネート類、アルデヒド類等が好ましい。複数の香料を併用し、それぞれを異なる中空シリカ粒子に保持させれば、広範なかつ効果的な調香を行うことができる。
[複合シリカ粒子の製造方法]
本発明の複合シリカ粒子の製造方法に特に制限はないが、下記工程(I)及び(II)を含む方法によれば、効率的に製造することができる。
工程(I):中空メソポーラスシリカ粒子を調製する工程
工程(II):工程(I)で得られた中空シリカ粒子に香料を含浸させ、複合シリカ粒子を得る工程
以下、工程(I)、(II)の詳細、及び各工程に用いる各成分等について説明する。
工程(I)
工程(I)は、中空シリカ粒子を調製する工程である。中空シリカ粒子を製造しうる方法であれば特に制限はないが、下記工程A〜Cを含む方法がより好ましい。
工程A:ポリマー粒子(a−1)を0.1〜50グラム/L、又は疎水性有機化合物(a−2)を0.1〜100ミリモル/Lと、下記一般式(1)及び(2)で表される第四級アンモニウム塩から選ばれる1種以上(b)を0.1〜100ミリモル/L、及び加水分解によりシラノール化合物を生成するシリカ源(c)を0.1〜100ミリモル/L含有する水溶液を調製する工程。
[R1(CH33N]+- (1)
[R12(CH32N]+- (2)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数4〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基を示し、Xは1価陰イオンを示す。)
工程B:工程Aで得られた水溶液を10〜100℃の温度で撹拌して、シリカから構成される外殻を有し、かつ核にポリマー粒子(a−1)又は疎水性有機化合物(a−2)を有するプロトコア−シェル粒子の水分散液を調製する工程
工程C:工程Bで得られたプロトコア−シェル粒子を分散媒から分離し、焼成する工程
以下工程A、B及びCについて説明する。
[工程A]
[ポリマー粒子(a−1)]
工程Aで用いられるポリマー粒子(a−1)としては、カチオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー及び両性ポリマーから選ばれる1種以上のポリマーの粒子が好ましく、実質的に水不溶性のポリマーが好ましい。
[カチオン性ポリマー]
カチオン性ポリマーとしては、連続相を水系とする媒体中に、陽イオン界面活性剤の存在下で、ポリマーエマルジョンとなって分散可能であるポリマーが好ましく、陽イオン界面活性剤の存在下でカチオン性モノマー、特にはカチオン性基を有するエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物を、公知の方法で乳化重合して得られるものが好ましい。
カチオン性モノマーとしては、アミノ基を有する単量体の酸中和物、又は該単量体を4級化剤で4級化した第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
カチオン性モノマーの具体例としては、ジアルキルアミノ基又はトリアルキルアンモニウム基を有する(メタ)アクリレートがより好ましく、ジアルキルアミノ基又はトリアルキルアンモニウム基を有する(メタ)アクリレートが最も好ましい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート又はそれらの両方を意味する。
カチオン性ポリマーは、前記カチオン性モノマー由来の構成単位を含有するが、カチオン性モノマー構成単位以外に、疎水性モノマー、特にはアルキル(メタ)アクリレート、芳香環含有モノマー等の疎水性モノマーに由来する構成単位を含有することがより好ましい。その好適例としては、炭素数1〜30、好ましくは炭素数3〜22、より好ましくは炭素数3〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、スチレンもしくは2−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアリールエステル、炭素数6〜22の芳香族基含有ビニルモノマー、又は酢酸ビニル等が挙げられる。これらの中ではアルキル(メタ)アクリレート、スチレンが最も好ましい。
なお、疎水性モノマーとは、水に対する溶解性が低く、水と分相を形成する重合性の有機化合物を意味する。疎水性モノマーは、LogP値が0以上、好ましくは0.5以上、また25以下の化合物が挙げられる。ここで、LogPとは、化学物質の1−オクタノール/水の分配係数の対数値を意味し、SRC's LOGKOW / KOWWIN Programにより、フラグメントアプローチで計算された数値をいう。具体的には、化学物質の化学構造を、その構成要素に分解し、各フラグメントの有する疎水性フラグメント定数を積算して求められる(Meylan, W.M. and P.H. Howard. 1995. Atom/fragment contribution method for estimating octanol-water partition coefficients. J. Pharm. Sci. 84: 83-92参照)。
カチオン性ポリマーを構成するカチオン性モノマー構成単位は少量でよく、カチオン性ポリマーを構成する殆どが疎水性モノマー由来の構成単位によって構成されていてもよい。カチオン性ポリマーに占めるカチオン性モノマー構成単位と疎水性モノマー由来の構成単位の合計量は、70〜100重量%、より好ましくは80〜100重量%、特に好ましくは95〜100重量%である。特に〔(カチオン性モノマー由来の構成単位)/(疎水性モノマー由来の構成単位)〕の重量比は、粒子形成性の観点から、好ましくは0.001〜0.5、より好ましくは0.002〜0.3、特に好ましくは0.003〜0.1である。
[ノニオン性ポリマー]
ノニオン性ポリマーは、水溶液中で荷電を有しないポリマーを意味する。ノニオン性ポリマーは、荷電を有しないモノマーすなわちノニオン性モノマーを由来とするポリマーであり、公知の乳化重合法、無乳化剤重合法等によりノニオン性モノマーを重合して得ることができる。
ノニオン性モノマーとしては、カチオン性ポリマーの説明で挙げた疎水性モノマー(段落〔0017〕)を挙げることができる。その好適例としては、炭素数1〜30、好ましくは炭素数3〜22、より好ましくは炭素数3〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、及びスチレンから選ばれる一種以上が挙げられる。
ノニオン性ポリマーの具体例としては、ポリスチレン、エチルアクリレート・エチルメタクリレート共重合体、エチルアクリレート・メチルメタクリレート共重合体、オクチルアクリレート・スチレン共重合体、ブチルアクリレート・酢酸ビニル共重合体、メチルメタクリレート・ブチルアクリレート・オクチルアクリレート共重合体、酢酸ビニル・スチレン共重合体、ビニルピロリドン・スチレン共重合体、ブチルアクリレート、ポリスチレンアクリル酸樹脂等が挙げられる。
カチオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー及び両性ポリマーの中では、カチオン性ポリマー及びノニオン性ポリマーが好ましく、中空シリカ粒子の形成し易さの観点から、カチオン性ポリマーがより好ましい。
ポリマーは中空シリカ粒子の製造上、実質的に水に溶解しないものが用いられ、そのために疎水性モノマーの重合比率を高める方法、架橋する方法等を採用できる。
かかるポリマーの好適例として、アルキル(メタ)アクリレート及びスチレンから選ばれる疎水性モノマーとカチオン性基を有する(メタ)アクリレートとのコポリマー、並びにアルキル(メタ)アクリレート及びスチレンから選ばれる一種以上の疎水性モノマーからなるノニオン性ポリマーを挙げることができる。
上記のポリマーは、単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
ポリマー粒子の形状、形態は特に制限はなく、複合シリカ粒子の使用目的に応じて、粒子の大きさを変えたり、真球状、卵状等に形成することができる。ポリマー粒子の大きさや粒径分布を変えることで、中空シリカ粒子の粒径や中空部分の大きさを適宜調製することができる。
[疎水性有機化合物(a−2)]
本発明において、疎水性有機化合物(a−2)とは、水に対する溶解性が低く、水と分相を形成する化合物を意味する。好ましくは、前記の第四級アンモニウム塩の存在下で分散可能な化合物である。このような疎水性有機化合物としては、LogP値が1以上、好ましくは2〜25の化合物が挙げられる。
(c)疎水性有機化合物としては、例えば、炭化水素化合物、エステル化合物、炭素数6〜22の脂肪酸、炭素数6〜22のアルコール及びシリコーンオイル等の油剤や、香料、農薬、医薬等の各種基材等を挙げることができる。
疎水性有機化合物を用いる場合、中空シリカ粒子の粒径や中空部分の大きさは、疎水性有機化合物の液滴の大きさに影響されるので、疎水性有機化合物の融点、反応温度、攪拌速度、使用する界面活性剤等により適宜調整することができる。
[第四級アンモニウム塩(b)]
第四級アンモニウム塩(b)は、メソ細孔の形成とポリマー粒子(a−1)又は疎水性有機化合物(a−2)の分散のために用いられる。
前記一般式(1)及び(2)におけるR1及びR2は、炭素数4〜22、好ましくは炭素数6〜18、更に好ましくは炭素数8〜16の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。炭素数4〜22のアルキル基としては、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ドデシル基、各種テトラデシル基、各種ヘキサデシル基、各種オクタデシル基、各種エイコシル基等が挙げられる。
一般式(1)及び(2)におけるXは、高い結晶性を得るという観点から、好ましくはハロゲンイオン、水酸化物イオン、硝酸化物イオン、硫酸化物イオン等の1価陰イオンから選ばれる1種以上である。Xとしては、より好ましくはハロゲンイオンであり、更に好ましくは塩素イオン又は臭素イオンであり、特に好ましくは臭素イオンである。
一般式(1)で表されるアルキルトリメチルアンモニウム塩としては、ブチルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、デシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ブチルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキシルトリメチルアンモニウムブロミド、オクチルトリメチルアンモニウムブロミド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
一般式(2)で表されるジアルキルジメチルアンモニウム塩としては、ジブチルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキシルジメチルアンモニウムブロミド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロミド、ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
これらの第四級アンモニウム塩(b)の中では、規則的なメソ細孔を形成させる観点から、特に一般式(1)で表されるアルキルトリメチルアンモニウム塩が好ましく、アルキルトリメチルアンモニウムブロミド又はアルキルトリメチルアンモニウムクロリドがより好ましく、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド又はドデシルトリメチルアンモニウムクロリドが特に好ましい。
[シリカ源(c)]
シリカ源(c)は、アルコキシシラン等の加水分解によりシラノール化合物を生成するものであり、下記一般式(3)〜(7)で示される化合物を挙げることができる。
SiY4 (3)
3SiY3 (4)
3 2SiY2 (5)
3 3SiY (6)
3Si−R4−SiY3 (7)
(式中、R3はそれぞれ独立して、ケイ素原子に直接炭素原子が結合している有機基を示し、R4は炭素原子を1〜4個有する炭化水素基又はフェニレン基を示し、Yは加水分解によりヒドロキシ基になる1価の加水分解性基を示す。)
より好ましくは、一般式(3)〜(7)において、R3がそれぞれ独立して、水素原子の一部がフッ素原子に置換していてもよい炭素数1〜22の炭化水素基であり、具体的には炭素数1〜22、好ましくは炭素数4〜18、より好ましくは炭素数6〜18、特に好ましくは炭素数8〜16のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基であり、R4が炭素数1〜4のアルカンジイル基(メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロパン−1,2−ジイル基、テトラメチレン基等)又はフェニレン基であり、Yが炭素数1〜22、より好ましくは炭素数1〜8、特に好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基、又はフッ素を除くハロゲン基である。
シリカ源(c)の好適例としては、次の化合物が挙げられる。
・一般式(3)において、Yが炭素数1〜3のアルコキシ基であるか、又はフッ素を除くハロゲン基であるシラン化合物。
・一般式(4)又は(5)において、Yが炭素数1〜3のアルコキシ基であるか、又はフッ素を除くハロゲン基であり、R3がフェニル基、ベンジル基、又は水素原子の一部がフッ素原子に置換されている炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5の炭化水素基であるトリアルコキシシラン又はジアルコキシシラン。
一般式(6)において、Yが炭素数1〜3のアルコキシ基であるか、又はフッ素を除くハロゲン基であり、R3がフェニル基、ベンジル基、又は水素原子の一部がフッ素原子に置換されている炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5の炭化水素基であるモノアルコキシシラン。
・一般式(7)において、Yがメトキシ基であって、R4がメチレン基、エチレン基又はフェニレン基である化合物。
これらの中では、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、1,1,1−トリフルオロプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
工程Aにおける水溶液中のポリマー粒子(a−1)又は疎水性有機化合物(a−2)(以下、両者を総称して「(a)成分」ともいう)、第四級アンモニウム塩(b)、及びシリカ源(c)の含有量は次のとおりである。
(a−1)成分の含有量は、好ましくは0.1〜50グラム/L、より好ましくは0.3〜40グラム/L、特に好ましくは0.5〜30グラム/Lである。
(a−2)成分の含有量は、0.1〜100ミリモル/L、より好ましくは1〜100ミリモル/L、特に好ましくは5〜80ミリモル/Lである。
(b)成分の含有量は、好ましくは0.1〜100ミリモル/L、より好ましくは1〜100ミリモル/L、特に好ましくは5〜80ミリモル/Lであり、(c)成分の含有量は、好ましくは0.1〜100ミリモル/L、より好ましくは1〜100ミリモル/L、特に好ましくは5〜80ミリモル/Lである。
(a)〜(c)成分を含有させる順序は特に制限はない。例えば、(i)水溶液を撹拌しながら(a)成分の懸濁液、(b)成分、(c)成分の順に投入する、(ii)水溶液を撹拌しながら(a)成分の懸濁液、(b)成分、(c)成分を同時に投入する、(iii)(a)成分の懸濁液、(b)成分、(c)成分の投入後に撹拌する、等の方法を採用することができるが、これらの中では(i)の方法が好ましい。
(a)〜(c)成分を含有する水溶液には、プロトコア−シェル粒子の形成を阻害しない限り、その他の成分として、メタノール等の有機化合物や、無機化合物等の他の成分を添加してもよく、前記のように、シリカや有機基以外の他の元素を担持したい場合は、それらの金属を含有するアルコキシ塩やハロゲン化塩等の金属原料を製造時又は製造後に添加することもできる。
[工程B]
工程Bはプロトコア−シェル粒子の水分散液を調製する工程である。工程Aで得られる水溶液を10〜100℃、好ましくは10〜80℃の温度で所定時間撹拌した後、静置することで、ポリマー粒子(a−1)又は疎水性有機化合物(a−2)の表面に、第四級アンモニウム塩(b)とシリカ源(c)によりメソ細孔が形成され、内部にポリマー粒子(a−1)又は疎水性有機化合物(a−2)を包含したプロトコア−シェル粒子を析出させることができる。撹拌処理時間は温度によって異なるが、通常10〜80℃で0.1〜24時間でプロトコア−シェル粒子が形成される。なお、この時点で得られるプロトコア−シェル粒子のメソ細孔には製造の際に用いた界面活性剤が詰った状態にある。
得られたプロトコア−シェル粒子は、水中に懸濁した状態で得られる。用途によってはこれをそのまま使用することもできるが、好ましくはプロトコア−シェル粒子を分離して使用する。分離方法としは、ろ過法、遠心分離法等を採用することができる。
工程Bで得られたプロトコア−シェル粒子に陽イオン界面活性剤等を含む場合は、酸性溶液と1回又は複数回接触させることにより陽イオン界面活性剤等を除去することができる。用いる酸性溶液としては、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸;酢酸、クエン酸等の有機酸;陽イオン交換樹脂等を水やエタノール等に加えた液が挙げられるが、塩酸が特に好ましい。pHは通常1.5〜5.0に調整される。
上記の方法により細孔から界面活性剤が除去された粒子は、メソ細孔構造を表面に有し、BET比表面積の高い、ポリマー粒子(a−1)又は疎水性有機化合物(a−2)を包含するプロトコア−シェル粒子である。
[工程C]
工程Cでは、工程Bで得られたプロトコア−シェル粒子を分散媒から分離し、必要に応じて、酸性水溶液と接触、水洗、乾燥、また、高温で処理した後、電気炉等で好ましくは350〜800℃、より好ましくは450〜700℃で、1〜10時間焼成し、内部のポリマー(a−1)又は疎水性有機化合物(a−2)を除去する。得られる中空メソポーラスシリカ粒子は、その外殻部の基本構成は変わらないが、内部のポリマー(a−1)又は疎水性有機化合物(a−2)は焼成により除去されている。
本発明においては、ポリマー(a−1)又は疎水性有機化合物(a−2)を包含するプロトコア−シェル粒子を焼成するため、特に内包されるポリマー粒子(a−1)の形状、形態を所望の状態に予め制御しておくことにより、所望の形状、形態を有する中空シリカ粒子を容易に製造することができる。例えば、内部に真球状のポリマーを有するプロトコア−シェル粒子を焼成することにより、内部中空及び外形が真球状の中空シリカ粒子を製造することができる。
工程(II)
工程(II)では、上記の工程(I)で得られた中空シリカ粒子に、香料(液体香料)を含浸させ、複合シリカ粒子を得る。
香料の含浸処理は、香料が中空シリカ粒子に含浸できる方法であれば特に制限はなく、公知の真空含浸法等を採用することができる。例えば、容器内で香料を溶解した溶液と中空シリカ粒子とを混合し、該容器内を該香料溶液の蒸気圧より高く、用いる中空シリカ粒子のメソ細孔中における窒素の蒸気圧より小さい条件で含浸することが好ましい。この場合のメソ細孔中における窒素の蒸気圧は窒素の吸着等温線から求められる。
この条件で中空シリカ粒子の細孔内を脱気して香料溶液を強制含浸せしめ、1分間〜10時間、好ましくは1分間〜1時間撹拌した後に容器内の圧力を一旦大気圧に戻し、さらに1分間〜10時間、好ましくは1時間〜10時間静置することで、香料溶液を中空シリカ粒子のメソ細孔内を通して中空内部に導入する方法が挙げられる。なお含浸の程度は、中空シリカ粒子の中空部分全てに香料溶液が包含されるまで行うことが好ましい。
また、香料の可溶化、溶解性、保存安定性の観点から、公知の界面活性剤を5質量%程度以下で含有させることができる。
<(b)界面活性剤>
本発明の洗浄剤組成物は、前記の(a)複合メソポーラスシリカ粒子の他に、洗浄剤成分として(b)界面活性剤を含有する。
用いられる界面活性剤に特に限定はなく、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上が挙げられる。例えば、非イオン界面活性剤のみを複数組み合わせて用いてもよく、陰イオン界面活性剤のみを複数組み合わせて用いてもよく、また非イオン界面活性剤と陰イオン界面活性剤の中から各種のものを複数選択して、組み合わせて用いてもよい。好ましくは界面活性剤中で、非イオン界面活性剤を50〜100質量%を含むものが好ましく、65〜100質量%含むものがより好ましい。
非イオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキシド等が挙げられる。
これらの中では、洗浄性の観点から、エチレンオキシド等のアルキレンオキシドの平均付加モル数が4〜8であるポリオキシアルキレンアルキルエーテルであって、好ましくは炭素数10〜16、より好ましくは炭素数10〜14、更に好ましくは炭素数12〜14のアルキル基を有する、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
これらの中では、付加モル数1〜12のポリオキシアルキレンアルキルエーテルの全含有量中に、付加モル数4〜8のポリオキシアルキレンアルキルエーテルの含有量が30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
平均付加モル数は、例えば水酸基価の測定により求めることができる。また、付加モル数の分析は、ガスクロマトグラフィーやLC−マススペクトルを用いた方法を用いることができる。
陰イオン界面活性剤としては、例えば、好ましくは炭素数10〜18、より好ましくは炭素数12〜14のアルキル鎖を有する、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、α−スルフォ脂肪酸メチルエステル塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、アルキル又はアルケニルリン酸エステル又はその塩、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アミノ酸型界面活性剤等のアルカリ金属塩が挙げられる。
これらの中では、炭素数12〜14のアルキル鎖を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、アルキル硫酸エステル塩がより好ましい。
また、陽イオン界面活性剤としては、アルキルトリメチルアミン塩等の第4アンモニウム塩等が挙げられ、両性界面活性剤としては、カルボキシ型又はスルホベタイン型等の両性界面活性剤等が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物は、微粒子の被洗浄物への再付着を促進させる性能を有するので、陽イオン界面活性剤を用いることは好ましくはないが、本発明の目的を阻害しない範囲内で使用することができる。用いられる陽イオン界面活性剤は、特に限定されない。洗浄剤組成物中の陽イオン界面活性剤の含有量は、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下であり、含有しないことが最も好ましい。
<(C)アルカリ剤>
アルカリ剤としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属塩、ケイ酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。これらの中でも、炭酸アルカリ金属塩は、貯蔵中に空気中の二酸化炭素と水との反応によりセスキ炭酸塩を形成し、ケーキングの原因となるため、本発明の効果を十分発揮する観点から、炭酸アルカリ金属塩、特に炭酸ナトリウムを含有する粒子が好適である。
<(d)その他の成分>
その他の成分として、本発明の洗浄剤組成物には、洗剤の分野で公知のビルダー、アルカリ剤、水溶性ポリマー、再汚染防止剤、柔軟化剤、蛍光増白剤、泡コントロール剤、酵素、酵素安定化剤、香料等を含有させることができる。
無機ビルダーとしては、結晶性アルミノ珪酸塩、非晶質アルミノ珪酸塩、結晶性珪酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム等が挙げられ、環境への影響や洗浄性能の点で結晶性アルミノ珪酸塩がより好ましい。ビルダーの比率は、洗浄性能の点で、組成物中10〜50質量%が好ましく、15〜40質量%がより好ましい。
アルカリ剤としては、炭酸塩、珪酸塩、アミン類(アルキルアミン、アルカノールアミン等)等が挙げられ、炭酸塩、珪酸塩がより好ましい。
水溶性ポリマーとしては、カルボン酸系ポリマー、カルボキシメチルセルロース、可溶性澱粉、糖類等が挙げられる。中でも金属イオン封鎖能、固体汚れ・粒子汚れの分散能及び再汚染防止能の点で、重量平均分子量が1000〜10万のカルボン酸系ポリマーが好ましい。特に、アクリル酸−マレイン酸コポリマーの塩とポリアクリル酸塩が好ましい。ここで、塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。
<各成分の配合割合>
本発明の洗浄剤組成物において、(a)複合メソポーラスシリカ粒子の含有量は、洗浄性能、残香性等の観点から、洗浄剤組成物中、通常0.1〜10質量%が好ましく、0.2〜8質量%がより好ましく、0.3〜6質量%が更に好ましく、0.4〜5質量%が特に好ましい。
より具体的には、粉末洗剤の場合には、(a)複合メソポーラスシリカ粒子の含有量は、洗浄剤組成物中、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下である。
液体洗剤の場合には、(a)複合メソポーラスシリカ粒子の含有量は、洗浄剤組成物中、好ましくは8質量%以下、より好ましくは6質量%以下、更に好ましくは4質量%以下である。
また、(a)複合メソポーラスシリカ粒子中の香料の含有量は、特に限定されないが、高い残香性を賦与する観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、特に好ましくは50〜300質量%である。
洗浄剤組成物中の(b)界面活性剤の合計含有量、特に非イオン界面活性剤と陰イオン界面活性剤との合計含有量は、洗浄性能や汚れの再付着防止性の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。
より具体的には、粉末洗浄剤の場合には、非イオン界面活性剤は常温で液体であるために、洗剤粒子から染み出すことによる製品品質への影響の点から、非イオン界面活性剤及び陰イオン界面活性剤の合計含有量は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
一方、液体洗浄剤の場合には、アルカリビルダー成分等の配合が規制されることから、界面活性剤の合計量は多い方が好ましいが、流動性等の観点から、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。
洗浄剤組成物中の(非イオン界面活性剤/陰イオン界面活性剤)の質量比は、35/65〜100/0であり、好ましくは40/60〜95/5、好ましくは45/55〜90/10、より好ましくは50/50〜85/15、更に好ましくは55/45〜70/30である。
(c)アルカリ剤の比率は、洗浄性能の点で、洗浄剤組成物中、5〜50質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。
水溶性ポリマーの比率は、洗浄性能の点で、洗浄剤組成物中、0.5〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
実施例及び比較例で得られたシリカ粒子の各種測定は、以下の方法で行った。
(1)平均粒子径及び平均外殻厚み及び中空部径の測定
日本電子株式会社製の透過型電子顕微鏡(TEM)JEM−2100を用いて加速電圧160kVで測定を行い、それぞれ20〜30個の粒子が含まれる5視野中の全粒子の直径および外殻厚みを写真上で実測する。この操作を、視野を5回変えて行う。得られたデータから平均粒子径及びその分布の程度、並びに外殻部の平均厚みを求めた。透過型電子顕微鏡の倍率の目安は1万〜10万倍であるが、シリカ粒子の大きさによって適宜調節される。観察に用いた試料は、高分解能用カーボン支持膜付きCuメッシュ(200−Aメッシュ、応研商事株式会社製)に付着させ、余分な試料をブローで除去して作成した。
(2)BET比表面積、平均細孔径の測定
株式会社島津製作所製、比表面積・細孔分布測定装置、商品名「ASAP2020」を使用し、液体窒素を用いて多点法でBET比表面積を測定し、パラメータCが正になる範囲で値を導出した。窒素吸着等温線からBJH法を採用し、ピークトップを平均細孔径とした。前処理は250℃で5時間行った。
(3)粉末X線回折(XRD)パターンの測定
理学電機工業株式会社製、粉末X線回折装置、商品名「RINT2500VPC」を用いて、X線源:Cu-kα、管電圧:40mA、管電流:40kV、サンプリング幅:0.02°、発散スリット:1/2°、発散スリット縦:1.2mm、散乱スリット:1/2°、受光スリット:0.15mmの条件で粉末X線回折測定を行った。走査範囲は回折角(2θ)1〜20°、走査速度は4.0°/分で連続スキャン法を用いた。なお、試料は、粉砕した後、アルミニウム板に詰めて測定した。
(4)香料保持量の測定
理学電機工業株式会社製、差動型示差熱天秤Thermo plus TG8120を用いて、空気雰囲気下、室温から700℃まで10℃/分の速度で昇温した時に、減少した重量を香料の重量、残存した重量をシリカの重量とした。香料の重量をシリカの重量で割った値を粒子に保持された香料の重量(g(香料)/g(シリカ))とした。
製造例1
(1)カチオン性ポリマー粒子の製造
2L−セパラフルフラスコにイオン交換水600部、メタクリル酸メチル99.5部と塩化メタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム0.5部をいれ、内温70℃まで昇温させた。次いで水溶性開始剤として2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(和光純薬株式会社製、商品名:V−50)0.5部をイオン交換水5部に溶かした溶液を添加し、3時間加熱撹拌を行った。その後さらに75℃で3時間過熱撹拌を行った。冷却後、得られた混合液から凝集物を200メッシュ濾過(目開き;約75μm)し、得られた濾過液をエバポレーターにより加熱濃縮し、冷却後、濃縮液を1.2μmのメンブランフィルター〔Sartorius社製、商品名:Minisart〕で濾過し、イオン交換水で調整することで、カチオン性ポリマー粒子の懸濁液〔固形分(有効分)含有量40%、平均粒径312nm〕を得た。
(2)ポリマー粒子内包メソポーラスシリカ粒子の製造
100mlフラスコに水60g、メタノール20g、1M水酸化ナトリウム水溶液0.46g、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド0.35g、上記(1)で得られたカチオン性ポリマー粒子の懸濁液0.11gを入れ撹拌した。その水溶液にテトラメトキシシラン0.34gをゆっくりと加え、5時間撹拌後、12時間熟成させた。得られた白色沈殿物をろ別し、水洗、乾燥した。乾燥粉末を水100mlに分散し、1M塩酸を用いてpH2に調整し、一晩撹拌した。得られた白色沈殿物をろ別し、水洗後、乾燥して、ポリマー粒子を内包し、外殻部がメソ細孔構造を有する複合シリカ粒子を得た。
(3)中空シリカ粒子の製造
上記(2)で得られたポリマー粒子内包メソポーラスシリカ粒子を、1℃/分の速度で600℃まで昇温した後、2時間600℃で焼成し、ポリマー粒子を除去して、外殻部がメソ細孔構造を有する中空シリカ粒子を得た。得られた中空シリカ粒子の平均粒子径は0.56μm、メソ細孔の平均細孔径は1.5nm、外殻部の厚みは140nmであった。
なお、この中空シリカ粒子は、粉末X線回折(XRD)のパターンにおいて、d=2〜12nmの範囲に相当する回折角度に1本以上のピークを有していた。
(4)複合シリカ粒子(香料内包シリカ粒子)の製造
上記(3)で得られた中空シリカ粒子0.1gを20mlのサンプル瓶へ入れ、その上に香料として(R)−(+)−リモネン(和光純薬工業株式会社製)2.0gを注いだ。その容器をガラス製デシケータ中に移し、ロータリーポンプを用い3分間減圧した。その後、窒素ガスを充填し内圧を常圧に戻した。この操作を3度繰り返した後、サンプルを一晩静置した。翌日、メンブレンフィルター(ADVANTEC社製、PTFE、孔径0.45μm)によりろ別し、香料を内包した複合シリカ粒子を得た。香料の担持量は2.7g/g(シリカ)であった。物性の測定結果を表1に示す。
製造例2
製造例1において、製造例1(3)で得られた中空シリカ粒子の代わりに、以下の方法で得られた中空シリカ粒子を用いた以外は、製造例1(4)と同様の操作を行って香料担持粒子を作製し、評価した。香料の担持量は1.0g/g(シリカ)であった。
(3)中空シリカ粒子の合成
100mlフラスコに水60g、メタノール20g、1規定水酸化ナトリウム水溶液0.46g、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド0.35gを入れ攪拌した。その水溶液にテトラメトキシシラン0.17gとビストリエトキシシリルエタン0.15gを混合してからゆっくりと加え、5時間攪拌後、12時間熟成させた。得られた白色沈殿物をろ別し、水洗、乾燥の後、1℃/分の速度で450℃まで焼成した。なお、この中空シリカ粒子は、粉末X線回折(XRD)のパターンにおいて、d=2〜12nmの範囲に相当する回折角度に1本以上のピークを有していた。物性の測定結果を表1に示す。
比較製造例1
製造例1において、製造例1(3)で得られた中空シリカ粒子の代わりに、フュームドシリカ(アルドリッチ製フュームドシリカ、平均粒子径0.007μm)を用いた以外は、製造例1(4)と同様の操作を行って香料担持粒子を作製した。香料の担持量は7.1g/g(シリカ)であった。物性の測定結果を表1に示す。
比較製造例2
製造例1において、製造例1(3)で得られた中空シリカ粒子の代わりに、球状シリカ粒子(触媒化成製COSMO55、平均粒子径0.50μm)を用いた以外は、製造例1(4)と同様の操作を行って香料担持粒子を作製した。香料の担持量は0.54g/g(シリカ)であった。物性の測定結果を表1に示す。
比較製造例3
製造例1において、製造例1(4)で得られた複合シリカ粒子を用いずに、香料としてリモネンをそのまま用いた以外は、製造例1と同様の操作を行った。物性の測定結果を表1に示す。
Figure 0005512989
実施例1〜6及び比較例1〜5
製造例1及び比較製造例2で得られた複合シリカ粒子を用いて、表1に示す処方で各成分を配合して洗浄剤組成物を得た。得られた洗浄剤組成物について、以下の方法で洗浄力及び残香性の評価を行った。結果を表2に示す。
なお、表2中の各成分の詳細は以下のとおりである。
・(a)複合メソポーラスシリカ粒子:製造例 で得られたもの
・(b)非イオン性界面活性剤:ポリオキシエチレンアルキルエーテル
炭素数10〜14の1級アルコールにエチレンオキシドを平均6モル付加させたもの(花王株式会社製、商品名:エマルゲン108)
・(b)陰イオン性界面活性剤:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
アルキル基の炭素数12〜14(花王株式会社製、商品名:ネオペレックスG−15)
・炭酸ナトリウム:炭酸ナトリウムにはセントラル硝子株式会社製のデンス灰
・ゼオライト:ゼオビルダー社製のA型ゼオライト(ゼオビルダー)
・硫酸ナトリウム:四国化成株式会社製の無水中性芒硝
・モノエタノールアミン:三井化学株式会社製
<洗浄条件及び評価方法>
JIS K 3362(1998)に記載の衣料用合成洗剤の洗浄力評価方法に準じ、襟あか布を調製し、表2の洗剤組成物と洗浄力判定用指標洗剤の洗浄力を比較した。なお、表2の洗剤組成物の使用濃度を1. 0g/Lとした。
(評価基準)
○:指標洗剤より勝る。
△:指標洗剤と同等である。
×:指標洗剤より劣る。
<残香性の評価方法>
(評価用タオルの調製)
市販の綿タオル(綿100%)を全自動洗濯機(National製「NA−F70AP」)を用い、またその際の前処理剤には市販の衣料用洗剤(花王株式会社製、液体アタック)を標準使用量にて用い、水温20℃、水量40L、浴比20の条件下で標準コースで5回処理を繰り返し、処理剤を除去し評価用タオルを得た。
(残香性評価)
上記で得られた評価用タオルを用い、20℃の水7Lに香料粒子を含有した粉末洗剤組成物5.83g、綿タオル0.3kg(半裁したもので4枚)を投入し、7分間洗った。脱水後、水5Lで3分ためすすぎ、脱水、3分ためすすぎ(2回目)、脱水して風乾した。タオル0.5枚に対し28mgの香料が付加されるように、香料を内包した複合シリカ粒子の量を調節した。脱水直後、乾燥6時間後、乾燥1日後、また乾燥後にスプレーで水を吹きかけた後の残香性を、5人以上の官能評価により3段階(3:匂う、2:かすかに匂う、1:匂わない)で評価した。
Figure 0005512989
表2の結果から、実施例1〜3の液体洗浄剤組成物、及び実施例4〜6の粉末洗浄剤組成物は、比較例の液体又は粉末洗浄剤組成物に比べて、香料成分が洗濯中に流失することなく、かつ残香性に優れていることが分かる。
製造例3及び4
製造例1において、香料をリモネンの代わりに、シトロネロール(製造例3)又はδ−ダマスコン(製造例4)を用いた結果、製造例1又は2に示した粒子と同様の粒子が得られた。物性の測定結果を表3に示す。
Figure 0005512989
実施例7及び8
製造例3又は4で得られたシトロネロール又はδ−ダマスコンを含有した粒子を用いて、実施例4と同じ組成にあわせて、洗浄力及び残香性の評価を行った結果、実施例4と同様の結果が得られた。

Claims (6)

  1. (a)外殻部がメソ細孔構造を有する中空シリカ粒子からなり、該メソ細孔の平均細孔径が1〜10nmであり、該中空シリカ粒子の内部に香料を保持してなる複合メソポーラスシリカ粒子と(b)非イオン界面活性剤及び陰イオン界面活性剤を含む界面活性剤とを含有し、洗浄剤組成物中の(非イオン界面活性剤/陰イオン界面活性剤)の質量比は、35/65〜95/5である洗浄剤組成物。
  2. 複合メソポーラスシリカ粒子が、下記工程(I)及び(II)を含む方法により得られる、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
    工程(I):下記工程A〜Cを含む中空シリカ粒子を調製する工程。
    工程A:ポリマー粒子(a−1)を0.1〜50グラム/Lと、下記一般式(1)及び(2)で表される第四級アンモニウム塩から選ばれる1種以上(b)を0.1〜100ミリモル/L、及び加水分解によりシラノール化合物を生成するシリカ源(c)を0.1〜100ミリモル/L含有する水溶液を調製する工程。
    [R 1 (CH 3 3 N] + - (1)
    [R 1 2 (CH 3 2 N] + - (2)
    (式中、R 1 及びR 2 は、それぞれ独立に炭素数4〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基を示し、Xは1価陰イオンを示す。)
    工程B:工程Aで得られた水溶液を10〜100℃の温度で撹拌して、シリカから構成される外殻を有し、かつ核にポリマー粒子(a−1)を有するプロトコア−シェル粒子の水分散液を調製する工程
    工程C:工程Bで得られたプロトコア−シェル粒子を分散媒から分離し、焼成する工程
    工程(II):上記工程(I)で得られた中空シリカ粒子に香料を含浸させ、複合シリカ粒子を得る工程
  3. 複合メソポーラスシリカ粒子の平均粒子径が0.05〜10μmである、請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
  4. 複合メソポーラスシリカ粒子の平均粒子径が0.05μm〜10μmであって、粒子全体の80%以上が平均粒子径±30%以内の粒子径を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
  5. 中空シリカ粒子の内部に保持される香料が液体香料である、請求項1〜のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
  6. 洗浄剤が洗濯用粉末洗剤である、請求項1〜のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
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