JP2007197296A - 金属酸化物微粒子の分散液およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】粒子径が十分に小さい金属酸化物微粒子が均一かつ安定的に分散された金属酸化物微粒子分散液およびその製造方法を提供することにある。
【解決手段】平均一次粒径が1〜200nmの範囲にある、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、イットリウム、等から選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物あるいは複合酸化物微粒子を有機分散媒中に分散させて得られ、その分散液の金属酸化物微粒子のメジアン粒径(体積基準)が1〜100nm、最大粒径が10〜1000nmの範囲にある金属酸化物微粒子分散液。
【選択図】図2
【解決手段】平均一次粒径が1〜200nmの範囲にある、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、イットリウム、等から選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物あるいは複合酸化物微粒子を有機分散媒中に分散させて得られ、その分散液の金属酸化物微粒子のメジアン粒径(体積基準)が1〜100nm、最大粒径が10〜1000nmの範囲にある金属酸化物微粒子分散液。
【選択図】図2
Description
本発明は金属酸化物微粒子の分散液およびその製造方法に関する。詳しくは粒子径が十分に小さく、均一かつ安定的に分散された金属酸化物微粒子の分散液およびその製造方法に関する。
金属酸化物の微粒子は、その表面積の大きさや可視光透過率の高さなどにより、腐食性ガス雰囲気での耐プラズマエロージョン膜、紫外線吸収膜、水銀遮蔽膜、赤外線反射膜、透明導電膜、ディスプレイやLEDの光の取り出し効率向上のための高屈折率膜、蛍光膜、磁性膜、光触媒、ガスセンサー、および各種デバイスの保護膜など様々な応用が考えられる。これらの用途には、薄膜化した際の膜厚や膜質の均一性および取り扱いの面などから、一次粒子が均一に分散し、かつその分散状態が安定的に維持された分散液であることが望ましい。
しかし、一般に微粒子は粒径が細かいほど凝集しやすいため、金属酸化物の微粒子を均一に分散させ、かつその分散状態を安定的に維持させることは従来の技術では困難であった。
例えば、特開2003−252608(特許文献1)には、平均一次粒径が約20nmのITO微粒子をシクロヘキサノールなどの分散媒と混合してアセチルアセトンなどの分散剤を添加し、超音波分散によって分散液を得る方法が開示されているが、分散液の平均粒径が記載されておらず、一晩の静置で沈降が生じるほどその分散状態は不安定である。また、乾燥剤としてのCaO分散液については国際公開公報 WO2005/100246(特許文献2)に記載がある。
特開2003−252608号公報
国際公開公報 WO2005/100246
本発明は、粒子径が十分に小さい金属酸化物微粒子が均一かつ安定的に分散された金属酸化物微粒子分散液およびその製造方法を提供することを課題としている。
本発明者らは先に有機金属β−ジケトン錯体の気相酸化による金属酸化物微粒子の合成法を開発している。本手法を用い平均一次粒径が200nm以下の金属酸化物微粒子を合成することが可能である。この微粒子は凝集体で存在するため、凝集を解砕するために湿式粉砕機を用い、最適な分散媒と分散剤を選択することで、金属酸化物微粒子が均一かつ安定的に分散した分散液を製造することを可能とした。
すなわち、本発明は基本的に以下の〔1〕〜〔13〕の発明からなる。
〔1〕平均一次粒径が1〜200nmの範囲にある、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、テルル、セシウム、バリウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、タリウム、鉛、ビスマス、ポロニウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウ
ロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムから選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物あるいは複合酸化物(以後、単に「金属酸化物」という。)微粒子を有機分散媒中に分散させて得られ、その分散液の金属酸化物微粒子のメジアン粒径(体積基準)が1〜100nm、最大粒径が10〜1000nmの範囲にあることを特徴とする金属酸化物微粒子分散液。
〔2〕上記有機分散媒が多価アルコール誘導体であることを特徴とする〔1〕の金属酸化物微粒子分散液。
〔3〕多価アルコール誘導体が多価アルコールのモノエーテル、ジエーテル、モノエステル、ジエステルの少なくとも一種であることを特徴とする〔2〕の金属酸化物微粒子分散液。
〔4〕上記金属酸化物分散液が、分散剤としてβ−ジケトン類を含有することを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれの金属酸化物微粒子分散液。
〔5〕上記金属酸化物微粒子分散液中の金属酸化物微粒子濃度が0.5〜50質量%であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれの金属酸化物微粒子分散液。
〔6〕上記金属酸化物微粒子が、金属錯体を気化し、気相中で酸化して得られたものであることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれの金属酸化物微粒子分散液。
〔7〕上記金属酸化物微粒子が、二種類以上の金属酸化物を任意の割合で混合したものであることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれの金属酸化物微粒子分散液。
〔8〕上記金属酸化物微粒子が、二種類以上の金属元素が互いに固溶して形成された複合酸化物であることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれの金属酸化物微粒子分散液。
〔9〕平均一次粒径が1〜200nmの範囲にある金属酸化物微粒子を、湿式粉砕機を用いて有機分散媒中に分散させることを特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれの金属酸化物微粒子分散液の製造方法。
〔10〕湿式粉砕機がビーズミルである〔9〕の金属酸化物微粒子分散液の製造方法。
〔11〕金属錯体を気化し、気相中で酸化して平均一次粒径が1〜200nmである金属酸化物微粒子を得、湿式粉砕機を用いて有機分散媒中に分散させることを特徴とする〔9〕の金属酸化物微粒子分散液の製造方法。
〔12〕〔1〕〜〔8〕のいずれの金属酸化物微粒子分散液を用いて形成された金属酸化物皮膜。
〔13〕メジアン粒径(体積基準)が1〜100nm、最大粒径が10〜1000nmの範囲にある金属酸化物微粒子の凝集体からなる金属酸化物皮膜。
〔1〕平均一次粒径が1〜200nmの範囲にある、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、テルル、セシウム、バリウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、タリウム、鉛、ビスマス、ポロニウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウ
ロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムから選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物あるいは複合酸化物(以後、単に「金属酸化物」という。)微粒子を有機分散媒中に分散させて得られ、その分散液の金属酸化物微粒子のメジアン粒径(体積基準)が1〜100nm、最大粒径が10〜1000nmの範囲にあることを特徴とする金属酸化物微粒子分散液。
〔2〕上記有機分散媒が多価アルコール誘導体であることを特徴とする〔1〕の金属酸化物微粒子分散液。
〔3〕多価アルコール誘導体が多価アルコールのモノエーテル、ジエーテル、モノエステル、ジエステルの少なくとも一種であることを特徴とする〔2〕の金属酸化物微粒子分散液。
〔4〕上記金属酸化物分散液が、分散剤としてβ−ジケトン類を含有することを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれの金属酸化物微粒子分散液。
〔5〕上記金属酸化物微粒子分散液中の金属酸化物微粒子濃度が0.5〜50質量%であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれの金属酸化物微粒子分散液。
〔6〕上記金属酸化物微粒子が、金属錯体を気化し、気相中で酸化して得られたものであることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれの金属酸化物微粒子分散液。
〔7〕上記金属酸化物微粒子が、二種類以上の金属酸化物を任意の割合で混合したものであることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれの金属酸化物微粒子分散液。
〔8〕上記金属酸化物微粒子が、二種類以上の金属元素が互いに固溶して形成された複合酸化物であることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれの金属酸化物微粒子分散液。
〔9〕平均一次粒径が1〜200nmの範囲にある金属酸化物微粒子を、湿式粉砕機を用いて有機分散媒中に分散させることを特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれの金属酸化物微粒子分散液の製造方法。
〔10〕湿式粉砕機がビーズミルである〔9〕の金属酸化物微粒子分散液の製造方法。
〔11〕金属錯体を気化し、気相中で酸化して平均一次粒径が1〜200nmである金属酸化物微粒子を得、湿式粉砕機を用いて有機分散媒中に分散させることを特徴とする〔9〕の金属酸化物微粒子分散液の製造方法。
〔12〕〔1〕〜〔8〕のいずれの金属酸化物微粒子分散液を用いて形成された金属酸化物皮膜。
〔13〕メジアン粒径(体積基準)が1〜100nm、最大粒径が10〜1000nmの範囲にある金属酸化物微粒子の凝集体からなる金属酸化物皮膜。
本発明に係る金属酸化物分散液は、分散液中の金属酸化物微粒子の一次粒径が十分に小さいため表面積が非常に大きいこと、また、分散液のメジアン粒径(体積基準)が金属酸化物微粒子の平均一次粒径とほぼ同じ分散状態であること。さらに、分散状態が安定的に長時間維持されていることによって、各種の金属酸化物薄膜への適用が可能となる。
例えば、半導体のエッチングチャンバーでは、チャンバー内壁や内部の部材などが腐食性ガスのプラズマによるダメージに曝されることによるコンタミネーションが問題となっているが、本発明に係る金属酸化物分散液を用いれば、耐プラズマエロージョン性の高い酸化イットリウムの緻密な膜が容易に得られ、その緻密さから所定の性能を得るのに必要な膜厚が薄いことなどの利点がある。あるいは、液晶ディスプレイのバックライトに用いられる冷陰極管には紫外線の漏れを吸収するために酸化チタンや酸化亜鉛の膜が用いられているが、本発明に係る金属酸化物分散液を用いれば、その可視光透過率の高さから取り出される光のロスが少ないため効率を向上できる。
これ以外にも、膜の緻密さと可視光透過率の高さを利して、水銀遮蔽膜、赤外線反射膜、透明導電膜、ディスプレイやLEDの光の取り出し効率向上のための高屈折率膜、蛍光膜、磁性膜、光触媒、ガスセンサー、および各種デバイスの保護膜など様々な応用が考え
られる。
られる。
本発明に係る金属酸化物分散液を用いれば、スプレーコート法やディップコート法、およびスピンコート法などの方法によって、膜厚や膜質の均一性に優れる緻密でかつ可視光透過率の高い金属酸化物薄膜を容易に得ることが可能となり、真空蒸着法やスパッタリング法、およびCVD法などと比較して、特に複雑な形状や大面積への成膜が必要な用途に関しては優位性が高い。
本発明に係る金属酸化物分散液の製造方法は、上記のような優れた性質を有する金属酸化物分散液を効率よく製造することができる。
以下、本発明に係る金属酸化物微粒子分散液およびその製造方法について詳細に説明する。
[金属酸化物微粒子分散液]
本発明に係る金属酸化物微粒子分散液は、ナノメートルサイズの金属酸化物微粒子が有機分散媒に安定に分散してなるものである。当該金属酸化物微粒子分散液には金属酸化物微粒子、有機分散媒以外に金属酸化物微粒子の分散剤やその他の添加剤を含んでいてもよい。
[金属酸化物微粒子分散液]
本発明に係る金属酸化物微粒子分散液は、ナノメートルサイズの金属酸化物微粒子が有機分散媒に安定に分散してなるものである。当該金属酸化物微粒子分散液には金属酸化物微粒子、有機分散媒以外に金属酸化物微粒子の分散剤やその他の添加剤を含んでいてもよい。
金属酸化物としては、典型金属元素、遷移金属元素、半金属元素のうち、少なくとも1
種以上の元素の酸化物または複合酸化物を用いることができる。
典型金属元素としてはアルミニウム、亜鉛、スズ、鉛等が挙げられる。
種以上の元素の酸化物または複合酸化物を用いることができる。
典型金属元素としてはアルミニウム、亜鉛、スズ、鉛等が挙げられる。
遷移金属元素としてはチタン、鉄、イットリウム、ジルコニウム、ハフニウム、ランタン、セリウム、ガドリニウム、ホルミウム等が挙げられる。
半金属元素としては砒素、アンチモン、ビスマス等が挙げられる。
半金属元素としては砒素、アンチモン、ビスマス等が挙げられる。
本発明で使用される金属酸化物微粒子は、1種の金属酸化物からなるものであってもよ
く、また、2種以上の金属酸化物微粒子を任意の割合で混合した金属酸化物の混合物であ
ってもよい。さらに、2種以上の金属元素が互いに固溶して形成された複合酸化物であっ
てもよい。
く、また、2種以上の金属酸化物微粒子を任意の割合で混合した金属酸化物の混合物であ
ってもよい。さらに、2種以上の金属元素が互いに固溶して形成された複合酸化物であっ
てもよい。
複合酸化物とは、2種以上の酸化物が複合して生ずる酸化物のうち、構造上酸素酸イオンの存在が認められないものであり、例えばITO(インジウム・スズ複合酸化物)、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)などである。
本発明において酸化物を形成する元素としてはマグネシウム、アルミニウム、ケイ素、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、テルル、セシウム、バリウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、タリウム、鉛、ビスマス、ポロニウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムが挙げられる。
どの元素の酸化物を用いるかは、分散液やそれから得られる金属酸化物皮膜の用途、目的に応じて適宜選択することができる。
[金属酸化物微粒子]
有機分散媒に分散させる前の金属酸化物微粒子の平均一次粒径は1〜200nm、好ましくは5〜100nm、より好ましくは10〜50nmである。粒径が大きい場合、金属酸化物分散液を薄膜化した際の可視光透過率が低下し、膜質も不均一になる等の問題が発生することがあるため好ましくない。なお、「1〜200nm」の表記は1nm以上、200nm以下を意味する。他も同様である。
[金属酸化物微粒子]
有機分散媒に分散させる前の金属酸化物微粒子の平均一次粒径は1〜200nm、好ましくは5〜100nm、より好ましくは10〜50nmである。粒径が大きい場合、金属酸化物分散液を薄膜化した際の可視光透過率が低下し、膜質も不均一になる等の問題が発生することがあるため好ましくない。なお、「1〜200nm」の表記は1nm以上、200nm以下を意味する。他も同様である。
金属酸化物微粒子の平均一次粒径は、BET表面積の測定によって算出することができる。例えば、QUANTA CHROME社製のChem BET−3000を用い、ヘ
リウム/窒素混合ガスを用いて測定したBET表面積の結果から、金属酸化物微粒子を均一な真球と仮定して粒径を算出する。
リウム/窒素混合ガスを用いて測定したBET表面積の結果から、金属酸化物微粒子を均一な真球と仮定して粒径を算出する。
金属酸化物微粒子分散液中の金属酸化物微粒子は体積基準のメジアン粒径(体積累積分率(粒子の密度が一定なら質量積分率でも同じ値となる)が50%となる粒子径:D50)が1〜100nm、好ましくは5〜80nm、より好ましくは10〜50nmであり、最大粒径(D100)が10〜1000nm、好ましくは20〜250nm、より好ましくは
50〜150nmである。粒径が大きい場合、薄膜化した際の可視光透過率が低下し、膜質も不均一になる等の問題が発生するため好ましくない。分散液は、ある程度の粒径分布があってもよい。
50〜150nmである。粒径が大きい場合、薄膜化した際の可視光透過率が低下し、膜質も不均一になる等の問題が発生するため好ましくない。分散液は、ある程度の粒径分布があってもよい。
また、金属酸化物微粒子分散液のメジアン粒径および最大粒径は、金属酸化物分散液を必要に応じて分散媒と同じ有機分散媒により希釈してレーザードップラー法により測定する。メジアン粒径および最大粒径の測定は、例えば日機装株式会社製のNanotrac
UPA−EX150や同社のMicrotrac UPA−150により行うことができる。
UPA−EX150や同社のMicrotrac UPA−150により行うことができる。
[金属酸化物微粒子の製造方法]
本発明で使用される平均一次粒径が1〜200nmである金属酸化物微粒子は前記した組成であり、かかる一次粒径を有するものであれば特に制限されない。しかしながら、通常、ミクロンサイズ以上の金属酸化物微粒子をさらに機械的に粉砕し、平均一次粒径を200nm以下にすること自体困難である。そこで、本願発明の金属酸化物微粒子としては有機金属錯体の気相法などによって得られる、平均一次粒径が1〜200nm、好ましくは1〜100nmである金属酸化物微粒子を用いることが好ましい。
本発明で使用される平均一次粒径が1〜200nmである金属酸化物微粒子は前記した組成であり、かかる一次粒径を有するものであれば特に制限されない。しかしながら、通常、ミクロンサイズ以上の金属酸化物微粒子をさらに機械的に粉砕し、平均一次粒径を200nm以下にすること自体困難である。そこで、本願発明の金属酸化物微粒子としては有機金属錯体の気相法などによって得られる、平均一次粒径が1〜200nm、好ましくは1〜100nmである金属酸化物微粒子を用いることが好ましい。
平均一次粒径が1〜200nmである金属酸化物微粒子の製造方法は、気相法(特開2004−168641号公報)や中和晶析法(特開平8−127773号公報)など適宜選択可能である。例えば本発明者らの開発した特開2004−168641号公報の方法では、まずβ−ジケトン錯体、金属アルコキシドなどの金属原料を気化させ、次にこの気体状の金属錯体を酸化性物質の存在下で燃焼させることにより金属酸化物微粒子を得ることができる。
また、金属酸化物微粒子は、β−ジケトン錯体の溶液(アルコールなどを溶媒とする)を気化させ、気体状のβ−ジケトン錯体を含む蒸気と、気体状の酸化性物質(空気など)とを混合し、得られた混合物を加熱して該気体状のβ−ジケトン錯体を燃焼させて得ることもできる。
本発明では、金属酸化物微粒子としては、金属錯体を気化し、気相中で酸化して得られたものが好ましい。
また、上記の方法以外にも、液相法やゾルゲル法などで作製した金属酸化物微粒子のうち、平均一次粒径が1〜200nmのものも使用できる。
また、上記の方法以外にも、液相法やゾルゲル法などで作製した金属酸化物微粒子のうち、平均一次粒径が1〜200nmのものも使用できる。
[金属酸化物分散液の製造方法]
本発明に係る金属酸化物分散液は、上記の方法により製造した金属酸化物微粒子を下記有機分散媒に、金属酸化物微粒子と有機分散媒との合計量を100質量%としたときに、0.5〜50質量%となるような量で分散させることにより調製することができる。
本発明に係る金属酸化物分散液は、上記の方法により製造した金属酸化物微粒子を下記有機分散媒に、金属酸化物微粒子と有機分散媒との合計量を100質量%としたときに、0.5〜50質量%となるような量で分散させることにより調製することができる。
なお、気相法で得られた金属酸化物微粒子は一次粒子が凝集していることが多い。この凝集体の解砕には湿式粉砕機を用いることが好ましい。湿式粉砕機としては、ビーズミル、遊星ミルなど様々な方法があるが、ナノサイズの微粒子の解砕を行うためはビーズミルが特に好ましい。使用するビーズのサイズは、微小であるほど解砕の分散速度の向上と到達粒径の低下が可能なので、直径が5〜200μm、特に10〜100μmのビーズを使用するのが特に好ましい。また、ビーズの素材は、耐摩耗性、金属酸化物への不純物の混入を最小限とする等の観点からイットリウム安定化ジルコニア製であることが好ましい。
この湿式解砕操作時の液体として有機分散媒を使用すると、凝集体の解砕と同時に金属酸化物微粒子の分散液を製造することができる。
ビーズミルを用いて解砕と同時に分散液を製造する方法として具体的には、上述した方法により製造した金属酸化物微粒子と上記有機分散媒と上記ビーズとを容器に充填し、これらを攪拌する。このときのビーズの充填率は、好ましくは85〜95%であり、金属酸化物微粒子は、金属酸化物微粒子と有機分散媒との合計量を100質量%としたときに、0.5〜50質量%となるような量で、好ましくは0.7〜20質量%で、より好ましくは1〜15質量%となるような量で使用する。また、解砕処理時間は所望する粒径により適宜決定されるが、通常10分〜10時間程度である。また必要に応じて、濃縮または希釈してもよい。
ビーズミルを用いて解砕と同時に分散液を製造する方法として具体的には、上述した方法により製造した金属酸化物微粒子と上記有機分散媒と上記ビーズとを容器に充填し、これらを攪拌する。このときのビーズの充填率は、好ましくは85〜95%であり、金属酸化物微粒子は、金属酸化物微粒子と有機分散媒との合計量を100質量%としたときに、0.5〜50質量%となるような量で、好ましくは0.7〜20質量%で、より好ましくは1〜15質量%となるような量で使用する。また、解砕処理時間は所望する粒径により適宜決定されるが、通常10分〜10時間程度である。また必要に応じて、濃縮または希釈してもよい。
また、ビーズミルを用いて解砕と同時に分散液を製造する際に、プレ分散として、超音波照射や自公転式ミキサーなどで分散液を予め分散しておいても良い。
なお、分散に用いる金属酸化物微粒子は二種類以上の金属酸化物を任意の割合で混合したものや、二種類以上の金属元素が互いに固溶して形成された複合金属酸化物でも構わない。さらに、金属酸化物微粒子の表面がコーティングや官能基置換などの処理をされていても使用できる。
なお、分散に用いる金属酸化物微粒子は二種類以上の金属酸化物を任意の割合で混合したものや、二種類以上の金属元素が互いに固溶して形成された複合金属酸化物でも構わない。さらに、金属酸化物微粒子の表面がコーティングや官能基置換などの処理をされていても使用できる。
[金属酸化物微粒子分散液の有機分散媒]
金属酸化物微粒子分散液の有機分散媒としては、金属酸化物微粒子を溶解しない有機物であれば特に制限はない。メタノールやトルエン、ヘキサンといったいわゆる有機溶媒を使用することができるが、微粒子の分散安定性の面からはであることが望ましい。金属酸化物微粒子は相互作用が非常に強く、凝集しやすい性質を持つが、多価アルコール誘導体を分散媒として使用することで金属酸化物微粒子をほぼ凝集無しに分散することが可能となる。分散媒の種類によって分散性は全く異なり、双極子モーメント、粘度などの観点から、多価アルコール誘導体が好適である。
金属酸化物微粒子分散液の有機分散媒としては、金属酸化物微粒子を溶解しない有機物であれば特に制限はない。メタノールやトルエン、ヘキサンといったいわゆる有機溶媒を使用することができるが、微粒子の分散安定性の面からはであることが望ましい。金属酸化物微粒子は相互作用が非常に強く、凝集しやすい性質を持つが、多価アルコール誘導体を分散媒として使用することで金属酸化物微粒子をほぼ凝集無しに分散することが可能となる。分散媒の種類によって分散性は全く異なり、双極子モーメント、粘度などの観点から、多価アルコール誘導体が好適である。
多価アルコール誘導体としては、多価アルコールの、モノエーテル、ジエーテル、モノエステル、ジエステルが好ましい。多価アルコール誘導体としては、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセタート、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリ
コールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノメトキシメチルエーテルなどの2価アルコールの誘導体;グリセリンモノアセタート、グリセリンジアセタート、グリセリントリアセタート、グリセリンジアルキルエーテル(例えば、1,2−ジメチルグリセリン、1,3−ジメチル
グリセリン、1,3−ジエチルグリセリン)などの3価以上の多価アルコール誘導体などが挙げられる。なかでも1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−エタノールが特に好ましい。
コールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノメトキシメチルエーテルなどの2価アルコールの誘導体;グリセリンモノアセタート、グリセリンジアセタート、グリセリントリアセタート、グリセリンジアルキルエーテル(例えば、1,2−ジメチルグリセリン、1,3−ジメチル
グリセリン、1,3−ジエチルグリセリン)などの3価以上の多価アルコール誘導体などが挙げられる。なかでも1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−エタノールが特に好ましい。
[金属酸化物微粒子分散液の分散剤]
金属酸化物微粒子分散液には分散剤としてβ−ジケトン類を含んでいてもよい。
β−ジケトン類としては2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオン(DPM・H)、2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオン(DMHD・H)または2,4−ペン
タンジオン(acac・H)などが挙げられる。β−ジケトン類以外にもβ−ケトエステル類;例えばメチル−3−オキソペンタノエイト、エチル−3−オキソペンタノエイト、メチル4−メチル−3−オキソペンタノエイト、エチル4−メチル−3−オキソペンタノエイト、メチル4,4−ジメチル−3−オキソペンタノエイト、エチル4,4−ジメチル−3−オキソペンタノエイトなども使用できる。
金属酸化物微粒子分散液には分散剤としてβ−ジケトン類を含んでいてもよい。
β−ジケトン類としては2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオン(DPM・H)、2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオン(DMHD・H)または2,4−ペン
タンジオン(acac・H)などが挙げられる。β−ジケトン類以外にもβ−ケトエステル類;例えばメチル−3−オキソペンタノエイト、エチル−3−オキソペンタノエイト、メチル4−メチル−3−オキソペンタノエイト、エチル4−メチル−3−オキソペンタノエイト、メチル4,4−ジメチル−3−オキソペンタノエイト、エチル4,4−ジメチル−3−オキソペンタノエイトなども使用できる。
かかる分散剤を用いることによって、分散到達粒径の小粒経化や分散時間の短縮および分散後の再凝集の防止が可能になる。また、β−ジケトン類は揮発性であるため薄膜化の際の熱処理工程で気化して膜中に残らない。β−ジケトン類の添加量としては金属酸化物微粒子100質量部に対して1質量部〜10質量部、好ましくは5質量部〜10質量部である。
また、金属酸化物微粒子分散液には分散剤としてノニオン系の界面活性剤を含んでいてもよい。
ノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのエーテル型や、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油および硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのエステルエーテル型などが挙げられる。具体的には、例えば、難水溶性トリオール系分散剤(旭電化社製:アデカカーポールGL−100)が挙げられる。ノニオン系の界面活性剤の添加量としては金属酸化物微粒子100質量部に対して1質量部〜10質量部、好ましくは5質量部〜10質量部である。
ノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのエーテル型や、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油および硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのエステルエーテル型などが挙げられる。具体的には、例えば、難水溶性トリオール系分散剤(旭電化社製:アデカカーポールGL−100)が挙げられる。ノニオン系の界面活性剤の添加量としては金属酸化物微粒子100質量部に対して1質量部〜10質量部、好ましくは5質量部〜10質量部である。
これら分散剤が添加されていることの確認方法としては、ガスクロマトグラフ−質量分析法(GC−MS)、高速液体クロマトグラフ−質量分析法(HPLC−MS)などの一般的分析方法により、分散剤の種類・添加量を同定することができる。
[金属酸化物皮膜]
本発明にかかる金属酸化物皮膜は、前記金属酸化物微粒子分散液を用いて形成される。
具体的には、各種基板に、前記金属酸化物微粒子分散液を塗布・乾燥すればよい。塗布方法としては特に制限されるものではないが、通常スプレーコート法やディップコート法、およびスピンコート法などの方法が採用される。本発明に係る金属酸化物分散液を用いれば、膜厚や膜質の均一性に優れる緻密でかつ可視光透過率の高い金属酸化物薄膜を容易に得ることが可能となり、真空蒸着法やスパッタリング法、およびCVD法などと比較し
て、特に複雑な形状や大面積への成膜が必要な用途に適用が可能となる。
本発明にかかる金属酸化物皮膜は、前記金属酸化物微粒子分散液を用いて形成される。
具体的には、各種基板に、前記金属酸化物微粒子分散液を塗布・乾燥すればよい。塗布方法としては特に制限されるものではないが、通常スプレーコート法やディップコート法、およびスピンコート法などの方法が採用される。本発明に係る金属酸化物分散液を用いれば、膜厚や膜質の均一性に優れる緻密でかつ可視光透過率の高い金属酸化物薄膜を容易に得ることが可能となり、真空蒸着法やスパッタリング法、およびCVD法などと比較し
て、特に複雑な形状や大面積への成膜が必要な用途に適用が可能となる。
なお基板、皮膜の厚さは用途に応じて適宜選択される。
乾燥温度としては溶媒が蒸散する程度であれば特に制限されない。溶媒を完全に乾燥させるためには、最終的に溶媒の沸点以上とすることが好ましい。また、必要に応じてさらに高温で金属酸化物皮膜を焼成してもよい。
乾燥温度としては溶媒が蒸散する程度であれば特に制限されない。溶媒を完全に乾燥させるためには、最終的に溶媒の沸点以上とすることが好ましい。また、必要に応じてさらに高温で金属酸化物皮膜を焼成してもよい。
金属酸化物皮膜中の金属酸化物微粒子は、凝集体を構成しており、その粒子のメジアン粒径(体積基準)が1〜100nm、最大粒径が10〜1000nmの範囲にある。このような範囲にあれば、緻密で欠陥が少なく、透明性の高い皮膜となる。
[実施例]
以下、本発明の実施例を挙げて更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限されるものではない。
[実施例]
以下、本発明の実施例を挙げて更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限されるものではない。
<製造例1>
図1に示す構成の装置を用いてY2O3微粒子を作製した。
まず、200℃に加熱した気化器(6)に、原料溶液(2)としてイットリウムトリジピバロイルメタン300gおよびメタノール700gの混合溶液を、定量ポンプ(4)により4mL/minの流速で導入し気化した。酸化性物質(1)として空気をマスフローコントローラー(3)により40L/minの量で予熱器(5)へ流し200℃に加熱した。気体状のイットリウムトリジピバロイルメタンおよびメタノールと空気とを管状電気炉(7)入口の同軸ノズルへ供給した。管状電気炉内での燃焼温度は950℃とし、イットリウムトリジピバロイルメタンおよびメタノールを酸化してY2O3を生成させた。捕集器(8)に捕集されたY2O3微粒子の収率は95%以上であった。
図1に示す構成の装置を用いてY2O3微粒子を作製した。
まず、200℃に加熱した気化器(6)に、原料溶液(2)としてイットリウムトリジピバロイルメタン300gおよびメタノール700gの混合溶液を、定量ポンプ(4)により4mL/minの流速で導入し気化した。酸化性物質(1)として空気をマスフローコントローラー(3)により40L/minの量で予熱器(5)へ流し200℃に加熱した。気体状のイットリウムトリジピバロイルメタンおよびメタノールと空気とを管状電気炉(7)入口の同軸ノズルへ供給した。管状電気炉内での燃焼温度は950℃とし、イットリウムトリジピバロイルメタンおよびメタノールを酸化してY2O3を生成させた。捕集器(8)に捕集されたY2O3微粒子の収率は95%以上であった。
このY2O3微粒子は数%のカーボン残渣を不純物として含有する。これを除去するため、空気雰囲気下500℃で8時間熱処理した。熱天秤装置(セイコーインスツルメンツ社製 TG/DTA6200)を用いた熱重量測定によりカーボン残渣は0.5質量%未満であった。また、BET表面積計(QUANTA CHROME社製 Chem BET
−3000)の測定値から算出したY2O3微粒子の平均一次粒径は20nmであった。この粒径は、SEM(走査型電子顕微鏡)観察の結果からも支持される値である。
−3000)の測定値から算出したY2O3微粒子の平均一次粒径は20nmであった。この粒径は、SEM(走査型電子顕微鏡)観察の結果からも支持される値である。
<製造例2>
80℃に加温した1mol/L硝酸イットリウム溶液400mLに、攪拌しながら0.4mol/L蓚酸アンモニウム溶液1.65Lを1時間掛けて滴下した。滴下終了後さらに80℃で1時間攪拌した。攪拌終了後室温まで冷却したのち、沈殿をろ過した。沈殿は更に2Lの水でろ過洗浄した。沈殿を80℃で減圧乾燥し蓚酸イットリウムを得た。乾燥した沈殿を磁製ルツボに入れ空気雰囲気下700℃で3時間熱処理することによってY2
O3とした。得られたY2O3ナノ粒子の収率は99%以上であった。また、BET表面積
計の測定値から算出したY2O3微粒子の平均一次粒径は20nmであった。この粒径は、SEM観察の結果からも支持される値である。
80℃に加温した1mol/L硝酸イットリウム溶液400mLに、攪拌しながら0.4mol/L蓚酸アンモニウム溶液1.65Lを1時間掛けて滴下した。滴下終了後さらに80℃で1時間攪拌した。攪拌終了後室温まで冷却したのち、沈殿をろ過した。沈殿は更に2Lの水でろ過洗浄した。沈殿を80℃で減圧乾燥し蓚酸イットリウムを得た。乾燥した沈殿を磁製ルツボに入れ空気雰囲気下700℃で3時間熱処理することによってY2
O3とした。得られたY2O3ナノ粒子の収率は99%以上であった。また、BET表面積
計の測定値から算出したY2O3微粒子の平均一次粒径は20nmであった。この粒径は、SEM観察の結果からも支持される値である。
(実施例1)
製造例1で得られたY2O3微粒子15gと1−メトキシ−2−プロパノール352gを混合し、分散剤1として2,4−ペンタンジオン1.5gを、分散剤2として難水溶性ト
リオール系分散剤(旭電化社製 アデカカーポールGL−100)1.5gを添加して超音波処理に1時間付し、均一な懸濁液を得た。この懸濁液を、直径50μmの酸化ジルコニウム製ビーズ400gを入れたビーズミル(コトブキ技研社製 UAM−015)で6時間処理し、4質量%のY2O3分散液を得た。この分散液の分散粒度分布を粒度分布計(日機装社製 Nanotrac UPA−EX150)で測定した結果、メジアン粒径1
8nm、最大粒径102nmであった。なお最大粒径は、粒度分布計の粒径度数分布の出力結果において、粒径が最大であるクラスの値とした。クラスの値であるため、同一サンプルでも測定の度に1クラス程度異なる値となることもある。
製造例1で得られたY2O3微粒子15gと1−メトキシ−2−プロパノール352gを混合し、分散剤1として2,4−ペンタンジオン1.5gを、分散剤2として難水溶性ト
リオール系分散剤(旭電化社製 アデカカーポールGL−100)1.5gを添加して超音波処理に1時間付し、均一な懸濁液を得た。この懸濁液を、直径50μmの酸化ジルコニウム製ビーズ400gを入れたビーズミル(コトブキ技研社製 UAM−015)で6時間処理し、4質量%のY2O3分散液を得た。この分散液の分散粒度分布を粒度分布計(日機装社製 Nanotrac UPA−EX150)で測定した結果、メジアン粒径1
8nm、最大粒径102nmであった。なお最大粒径は、粒度分布計の粒径度数分布の出力結果において、粒径が最大であるクラスの値とした。クラスの値であるため、同一サンプルでも測定の度に1クラス程度異なる値となることもある。
外観は微黄色澄明な液体となった。この分散液をガラス瓶に入れ室温で7日間静置後に外観と粒度分布を評価したところ、製造直後とほとんど変わらず安定であった。
(実施例2)
製造例2で得られたY2O3微粒子15gを使用した以外は実施例1と同様にして4質%のY2O3分散液を得た。この分散液の分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、メジアン粒径20nm、最大粒径102nmと実施例1で得られた分散液と同等の結果となった。7日間静置後の安定性も良好であった。
(実施例2)
製造例2で得られたY2O3微粒子15gを使用した以外は実施例1と同様にして4質%のY2O3分散液を得た。この分散液の分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、メジアン粒径20nm、最大粒径102nmと実施例1で得られた分散液と同等の結果となった。7日間静置後の安定性も良好であった。
(実施例3)
製造例1と同様にして、分散剤1として2,4−ペンタンジオン1.5gの代わりにア
セト酢酸メチル1.5gを添加する以外は同様の操作を実施し、4質量%のY2O3分散液を得た。この分散液の分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、メジアン粒径22nm、最大粒径102nmであった。外観は微黄色澄明な液体となった。7日間静置後の安定性も良好であった。
製造例1と同様にして、分散剤1として2,4−ペンタンジオン1.5gの代わりにア
セト酢酸メチル1.5gを添加する以外は同様の操作を実施し、4質量%のY2O3分散液を得た。この分散液の分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、メジアン粒径22nm、最大粒径102nmであった。外観は微黄色澄明な液体となった。7日間静置後の安定性も良好であった。
(実施例4)
実施例1と同様にして、1−メトキシ−2−プロパノール352gの代わりにアセトニトリル352gを添加する以外は同様の操作を実施し、4質量%のY2O3分散液を得た。この分散液の分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、メジアン粒径22nm、最大粒径102nmであった。外観は微黄色澄明な液体となった。7日間静置後の安定性も良好であった。
実施例1と同様にして、1−メトキシ−2−プロパノール352gの代わりにアセトニトリル352gを添加する以外は同様の操作を実施し、4質量%のY2O3分散液を得た。この分散液の分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、メジアン粒径22nm、最大粒径102nmであった。外観は微黄色澄明な液体となった。7日間静置後の安定性も良好であった。
(実施例5)
製造例1と同様にしてY2O3微粒子15gと1−メトキシ−2−プロパノール352gを混合し、分散剤1,2両方とも添加しない以外は同様の操作を実施し、約4質量%のY2O3分散液を得た。この分散液の分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、メジアン粒径20nm、最大粒径102nmであった。外観は微黄色澄明な液体となった。7日間静置後の外観は、わずかに濁り・沈殿成分が生成し、粒度分布もメジアン粒径103nm、最大粒径550nmとなった。
製造例1と同様にしてY2O3微粒子15gと1−メトキシ−2−プロパノール352gを混合し、分散剤1,2両方とも添加しない以外は同様の操作を実施し、約4質量%のY2O3分散液を得た。この分散液の分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、メジアン粒径20nm、最大粒径102nmであった。外観は微黄色澄明な液体となった。7日間静置後の外観は、わずかに濁り・沈殿成分が生成し、粒度分布もメジアン粒径103nm、最大粒径550nmとなった。
(比較例1)
製造例1で得られたY2O3微粒子15gを、シクロヘキサノール120gと混合し、分散剤として2,4−ペンタンジオン30gを添加して超音波処理に2時間付し、粒度分布
を測定した結果、メジアン粒径342nm、最大粒径3890nmであった。外観は白色の濁った液体となった。この分散液をガラス瓶に入れ室温で7日間静置後に外観を評価したところ、Y2O3の殆どが沈殿していた。
製造例1で得られたY2O3微粒子15gを、シクロヘキサノール120gと混合し、分散剤として2,4−ペンタンジオン30gを添加して超音波処理に2時間付し、粒度分布
を測定した結果、メジアン粒径342nm、最大粒径3890nmであった。外観は白色の濁った液体となった。この分散液をガラス瓶に入れ室温で7日間静置後に外観を評価したところ、Y2O3の殆どが沈殿していた。
(比較例2)
市販のY2O3微粒子(関東化学株式会社製、平均一次粒径15μm)15gを使用した以外は実施例1と同様にして4質量%のY2O3分散液を得た。この分散液の分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、メジアン粒径890nm、最大粒径3270nmと分散が進まない結果となった。
市販のY2O3微粒子(関東化学株式会社製、平均一次粒径15μm)15gを使用した以外は実施例1と同様にして4質量%のY2O3分散液を得た。この分散液の分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、メジアン粒径890nm、最大粒径3270nmと分散が進まない結果となった。
(比較例3)
分散剤1,2両方とも添加しない以外は実施例4と同様の操作を実施し、約4質量%のY2O3分散液を得た。この分散液の分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、メジアン
粒径1380nm、最大粒径3890nmと分散が進まない結果となった。外観は微黄色で濁った液体であり、7日間静置後に沈殿が生成していた。
分散剤1,2両方とも添加しない以外は実施例4と同様の操作を実施し、約4質量%のY2O3分散液を得た。この分散液の分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、メジアン
粒径1380nm、最大粒径3890nmと分散が進まない結果となった。外観は微黄色で濁った液体であり、7日間静置後に沈殿が生成していた。
<製造例3>
製造例1と同様にして、イットリウムトリジピバロイルメタン300gの代わりにセリウムトリ(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオン)300gを用い、メタノール700gの代わりにアセトン6000gを用いる以外は同様の操作を行い、CeO2を生成さ
せた。捕集器(8)に捕集されたCeO2微粒子の収率は95%以上であった。また、B
ET表面積計の測定値から算出したCeO2微粒子の平均一次粒径は20nmであった。
製造例1と同様にして、イットリウムトリジピバロイルメタン300gの代わりにセリウムトリ(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオン)300gを用い、メタノール700gの代わりにアセトン6000gを用いる以外は同様の操作を行い、CeO2を生成さ
せた。捕集器(8)に捕集されたCeO2微粒子の収率は95%以上であった。また、B
ET表面積計の測定値から算出したCeO2微粒子の平均一次粒径は20nmであった。
(実施例6)
製造例3で得られたCeO2微粒子15gを使用した以外は実施例1と同様にして4質
量%のCeO2分散液を得た。この分散液の分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、
メジアン粒径26nm、最大粒径125nmであった。外観は微黄色澄明な液体となった。この分散液をガラス瓶に入れ室温で7日間静置後に外観と粒度分布を評価したところ、製造直後と変わらず安定であった。
製造例3で得られたCeO2微粒子15gを使用した以外は実施例1と同様にして4質
量%のCeO2分散液を得た。この分散液の分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、
メジアン粒径26nm、最大粒径125nmであった。外観は微黄色澄明な液体となった。この分散液をガラス瓶に入れ室温で7日間静置後に外観と粒度分布を評価したところ、製造直後と変わらず安定であった。
(実施例7)
市販の酸化アルミニウム微粒子(平均一次粒径20nm)15gを使用した以外は実施例1と同様にして4質量%のAl2O3分散液を得た。この分散液の分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、メジアン粒径20nm、最大粒径102nmであった。外観は無色澄明な液体となった。この分散液をガラス瓶に入れ室温で7日間静置後に外観と粒度分布を評価したところ、製造直後と変わらず安定であった。
市販の酸化アルミニウム微粒子(平均一次粒径20nm)15gを使用した以外は実施例1と同様にして4質量%のAl2O3分散液を得た。この分散液の分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、メジアン粒径20nm、最大粒径102nmであった。外観は無色澄明な液体となった。この分散液をガラス瓶に入れ室温で7日間静置後に外観と粒度分布を評価したところ、製造直後と変わらず安定であった。
(実施例8)
市販の酸化チタン微粒子(平均一次粒径15nm)15gを使用した以外は実施例1と同様にして4質量%のTiO2分散液を得た。この分散液の分散粒度分布を粒度分布計で
測定した結果、メジアン粒径22nm、最大粒径145nmであった。外観は微白濁な液体となった。この分散液をガラス瓶に入れ室温で7日間静置後に外観と粒度分布を評価したところ、製造直後とあまり変わらず安定であった。
市販の酸化チタン微粒子(平均一次粒径15nm)15gを使用した以外は実施例1と同様にして4質量%のTiO2分散液を得た。この分散液の分散粒度分布を粒度分布計で
測定した結果、メジアン粒径22nm、最大粒径145nmであった。外観は微白濁な液体となった。この分散液をガラス瓶に入れ室温で7日間静置後に外観と粒度分布を評価したところ、製造直後とあまり変わらず安定であった。
(実施例9)
製造例1のY2O3微粒子11.25gと実施例7のTiO2微粒子3.75gを混合し
て使用した以外は実施例1と同様にして1質量%TiO2/3質量%Y2O3混合分散液を
得た。この分散液の分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、メジアン粒径45nm、最大粒径172nmであった。外観は微黄色の殆ど澄明な液体となった。この分散液をガラス瓶に入れ室温で7日間静置後に外観と粒度分布を評価したところ、製造直後と変わらず安定であった。
製造例1のY2O3微粒子11.25gと実施例7のTiO2微粒子3.75gを混合し
て使用した以外は実施例1と同様にして1質量%TiO2/3質量%Y2O3混合分散液を
得た。この分散液の分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、メジアン粒径45nm、最大粒径172nmであった。外観は微黄色の殆ど澄明な液体となった。この分散液をガラス瓶に入れ室温で7日間静置後に外観と粒度分布を評価したところ、製造直後と変わらず安定であった。
以上の結果を表1にまとめる。
(実施例10)
実施例1で得られた4質量%のY2O3分散液を用いて、ディップコート法によって石英基板(寸法:幅50mm×長さ50mm×厚さ5mm)上にY2O3膜を形成した。ディップコーティング装置を用いて基板に塗布し(引き上げ速度:3cm/min)、空気雰囲気下室温で5分間乾燥して1−メトキシ−2−プロパノールを揮発させた。この基板を空気雰囲気下500℃で1時間焼成処理して基板表面にY2O3膜を形成した。この工程を繰り返すことによって膜厚を200nmとした(実施例10−1)。以上のようにして作製したY2O3膜の可視光透過率を測定したところ、青色領域の454nm、緑色領域の546nmおよび赤色領域の700nmのいずれの波長域においても90%以上の透過率が得られた。
実施例1で得られた4質量%のY2O3分散液を用いて、ディップコート法によって石英基板(寸法:幅50mm×長さ50mm×厚さ5mm)上にY2O3膜を形成した。ディップコーティング装置を用いて基板に塗布し(引き上げ速度:3cm/min)、空気雰囲気下室温で5分間乾燥して1−メトキシ−2−プロパノールを揮発させた。この基板を空気雰囲気下500℃で1時間焼成処理して基板表面にY2O3膜を形成した。この工程を繰り返すことによって膜厚を200nmとした(実施例10−1)。以上のようにして作製したY2O3膜の可視光透過率を測定したところ、青色領域の454nm、緑色領域の546nmおよび赤色領域の700nmのいずれの波長域においても90%以上の透過率が得られた。
また、同様の方法で膜厚を1μm(実施例10−2)としたY2O3膜を形成し、得られたY2O3膜の可視光透過率を測定したところ、青色領域の454nm、緑色領域の546nmおよび赤色領域の700nmのいずれの波長域においても90%以上の透過率が得られた。また、走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所製 S−900)を用いてこのY2
O3膜の観察を行った。断面SEM写真を図2に示す。Y2O3微粒子が均一かつ安定的に
分散された分散液を用いて形成されたため、連続気孔などの欠陥ない緻密な膜となっていることがわかる。
O3膜の観察を行った。断面SEM写真を図2に示す。Y2O3微粒子が均一かつ安定的に
分散された分散液を用いて形成されたため、連続気孔などの欠陥ない緻密な膜となっていることがわかる。
(比較例4)
比較例1で得られた約9質量%のY2O3分散液を用いた以外は実施例9と同様にして膜厚200nmのY2O3膜を石英基板上に形成した。得られたY2O3膜は外観上白濁しており、可視光透過率を測定したところ、青色領域の454nm、緑色領域の546nmおよび赤色領域の700nmのいずれの波長域においても透過率が50%以下であった。また、SEMを用いてこのY2O3膜の観察を行った。上面を観察したSEM写真を図3に示す。Y2O3微粒子が凝集している分散液を用いて形成されたため、連続気孔などの欠陥がある膜となっていることがわかる。
比較例1で得られた約9質量%のY2O3分散液を用いた以外は実施例9と同様にして膜厚200nmのY2O3膜を石英基板上に形成した。得られたY2O3膜は外観上白濁しており、可視光透過率を測定したところ、青色領域の454nm、緑色領域の546nmおよび赤色領域の700nmのいずれの波長域においても透過率が50%以下であった。また、SEMを用いてこのY2O3膜の観察を行った。上面を観察したSEM写真を図3に示す。Y2O3微粒子が凝集している分散液を用いて形成されたため、連続気孔などの欠陥がある膜となっていることがわかる。
(比較例5)
比較例2で得られた4質量%のY2O3分散液を用いた以外は実施例10と同様にして膜厚200nmのY2O3膜を石英基板上に形成した。得られたY2O3膜は外観上白濁しており、可視光透過率を測定したところ、青色領域の454nm、緑色領域の546nmおよび赤色領域の700nmのいずれの波長域においても透過率が80%以下であった。
比較例2で得られた4質量%のY2O3分散液を用いた以外は実施例10と同様にして膜厚200nmのY2O3膜を石英基板上に形成した。得られたY2O3膜は外観上白濁しており、可視光透過率を測定したところ、青色領域の454nm、緑色領域の546nmおよび赤色領域の700nmのいずれの波長域においても透過率が80%以下であった。
(実施例11)
実施例6で得られた4質量%のCeO2分散液を用いた以外は実施例10と同様にして
膜厚200nmのCeO2膜を石英基板上に形成した。得られたCeO2膜の可視光透過率を測定したところ、青色領域の454nm、緑色領域の546nmおよび赤色領域の700nmのいずれの波長域においても90%以上の透過率が得られた。
実施例6で得られた4質量%のCeO2分散液を用いた以外は実施例10と同様にして
膜厚200nmのCeO2膜を石英基板上に形成した。得られたCeO2膜の可視光透過率を測定したところ、青色領域の454nm、緑色領域の546nmおよび赤色領域の700nmのいずれの波長域においても90%以上の透過率が得られた。
(実施例12)
実施例7で得られた4質量%のAl2O3分散液を用いた以外は実施例10と同様にして膜厚200nmのAl2O3膜を石英基板上に形成した。得られたAl2O3膜の可視光透過率を測定したところ、青色領域の454nm、緑色領域の546nmおよび赤色領域の700nmのいずれの波長域においても90%以上の透過率が得られた。
実施例7で得られた4質量%のAl2O3分散液を用いた以外は実施例10と同様にして膜厚200nmのAl2O3膜を石英基板上に形成した。得られたAl2O3膜の可視光透過率を測定したところ、青色領域の454nm、緑色領域の546nmおよび赤色領域の700nmのいずれの波長域においても90%以上の透過率が得られた。
(実施例13)
実施例8で得られた4質量%のTiO2分散液を用いた以外は実施例10と同様にして
膜厚200nmのTiO2膜を石英基板上に形成した。得られたTiO2膜の可視光透過率を測定したところ、青色領域の454nm、緑色領域の546nmおよび赤色領域の700nmのいずれの波長域においても90%以上の透過率が得られた。
以上の結果を表2にまとめる。
実施例8で得られた4質量%のTiO2分散液を用いた以外は実施例10と同様にして
膜厚200nmのTiO2膜を石英基板上に形成した。得られたTiO2膜の可視光透過率を測定したところ、青色領域の454nm、緑色領域の546nmおよび赤色領域の700nmのいずれの波長域においても90%以上の透過率が得られた。
以上の結果を表2にまとめる。
1・・・酸化性物質
2・・・原料溶液
3・・・マスフローコントローラー
4・・・定量ポンプ
5・・・予熱器
6・・・気化器
7・・・管状電気炉
8・・・捕集器
2・・・原料溶液
3・・・マスフローコントローラー
4・・・定量ポンプ
5・・・予熱器
6・・・気化器
7・・・管状電気炉
8・・・捕集器
Claims (13)
- 平均一次粒径が1〜200nmの範囲にある、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、テルル、セシウム、バリウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、タリウム、鉛、ビスマス、ポロニウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムから選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物あるいは複合酸化物(以後、単に「金属酸化物」という。)微粒子を有機分散媒中に分散させて得られ、その分散液の金属酸化物微粒子のメジアン粒径(体積基準)が1〜100nm、最大粒径が10〜1000nmの範囲にあることを特徴とする金属酸化物微粒子分散液。
- 上記有機分散媒が多価アルコール誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の金属酸化物微粒子分散液。
- 多価アルコール誘導体が多価アルコールのモノエーテル、ジエーテル、モノエステル、ジエステルの少なくとも一種であることを特徴とする請求項2に記載の金属酸化物微粒子分散液。
- 上記金属酸化物分散液が、分散剤としてβ−ジケトン類を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属酸化物微粒子分散液。
- 上記金属酸化物微粒子分散液中の金属酸化物微粒子濃度が0.5〜50質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属酸化物微粒子分散液。
- 上記金属酸化物微粒子が、金属錯体を気化し、気相中で酸化して得られたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の金属酸化物微粒子分散液。
- 上記金属酸化物微粒子が、二種類以上の金属酸化物を任意の割合で混合したものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の金属酸化物微粒子分散液。
- 上記金属酸化物微粒子が、二種類以上の金属元素が互いに固溶して形成された複合酸化物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の金属酸化物微粒子分散液。
- 平均一次粒径が1〜200nmの範囲にある金属酸化物微粒子を、湿式粉砕機を用いて有機分散媒中に分散させることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の金属酸化物微粒子分散液の製造方法。
- 湿式粉砕機がビーズミルである請求項9に記載の金属酸化物微粒子分散液の製造方法。
- 金属錯体を気化し、気相中で酸化して平均一次粒径が1〜200nmである金属酸化物微粒子を得、湿式粉砕機を用いて有機分散媒中に分散させることを特徴とする請求項9に記載の金属酸化物微粒子分散液の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の金属酸化物微粒子分散液を用いて形成された金属酸化物皮膜。
- メジアン粒径(体積基準)が1〜100nm、最大粒径が10〜1000nmの範囲にあることを特徴とする金属酸化物微粒子の凝集体からなる金属酸化物皮膜。
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-
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