JP2007115642A - 蛍光ランプ - Google Patents

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正和 小林
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Abstract

【課題】水銀が消費されることを抑制し、製造時の水銀封入量を大幅に削減することができ、またランプの光束低下を抑制し長寿命化が図れる蛍光ランプおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】発光管の内面に、体積平均粒径が10nm〜300nmであり、水銀とアマルガムを形成しない金属の酸化物の粒子の連結体を含む保護膜を有することを特徴とする蛍光ランプ。発光管の内面に、紫外線吸収膜又は反射膜のうち少なくとも一種、体積平均粒径が10nm〜300nmであり、水銀とアマルガムを形成しない金属の酸化物の粒子の連結体からなる保護膜、および蛍光体層が、この順で形成されてなる蛍光ランプ。
【選択図】なし

Description

本発明は蛍光ランプおよびその製造方法に関するものである。
従来の蛍光ランプでは、ガラス管の内面に形成された蛍光体膜の上、あるいはガラス管と蛍光体膜の間に、金属酸化物よりなる保護層を形成し製造している。この保護層は、一般的に酸化アルミニウム等の微粒子を酢酸ブチル等の有機溶剤に混合させた溶液を所定の膜厚となるように塗布した後、熱処理することによって形成している(特許文献1)。
しかし、このような方法では、保護層が緻密な膜とならないため、保護層本来の目的を発揮できずに、光束低下を招くことがあった。この原因として、ガラス管内に封入された水銀が保護層を透過してガラス管のナトリウムと反応してアマルガム等の発光に寄与しない水銀化合物を形成していると考えられている。
この対策として、従来の蛍光ランプでは発光に必要な水銀量を遙かに上回る量の水銀をガラス管内に製造時に封入することにより、水銀が消費されてなくなることによる光束低下を防いでいるが、有害物質である水銀を多量に封入することは環境保護の面で問題であり、水銀使用量を削減することが非常に大きな課題となっている。
上記の課題を解決するため、金属酸化物の微粒子膜を蛍光体層上に形成する方法が提案されているが(特許文献2)、十分な連続膜とは言えず、光速低下を十分に防ぐことが出来ていない。すなわち、金属酸化物の粒径が十分に小さくないために起きる塗布膜の空隙や、塗布液中で粒子が凝集していることに起因する塗布ムラにより十分な連続膜が得られなかった。
既存品の不連続な膜の例として非特許文献1が挙げられる。保護膜の凝集を抑え長寿命化の検討もなされているが、寿命向上や保護膜中の空隙の改善としては未だ十分とは言えない。
特開昭62−229752号公報 特開2000−294193号公報 松下電器産業株式会社プレスリリース2005年8月17日(長寿命の直管蛍光灯20形「パルックプレミア」3光色など発売)
本発明は、水銀が消費されることを抑制し、製造時の水銀封入量を大幅に削減することができ、またランプの光束低下を抑制し長寿命化が図れる蛍光ランプおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は上記従来技術に伴う問題点を解消すべく鋭意検討した結果、特定の酸化物からなる連結体層を形成すれば、上記問題点がいずれも解消された蛍光ランプが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の構成は以下の通りである。
[1]発光管の内面に、
体積平均粒径が10nm〜300nmであり、水銀とアマルガムを形成しない金属の酸
化物の粒子の連結体を含む保護膜を
有することを特徴とする蛍光ランプ。
[2]発光管の内面に、
紫外線吸収膜又は反射膜のうち少なくとも一種、
体積平均粒径が10nm〜300nmであり、水銀とアマルガムを形成しない金属の酸化物の粒子の連結体からなる保護膜、および
蛍光体層が、この順で形成されてなる[1]に記載の蛍光ランプ。
[3]発光管の内面に、
紫外線吸収膜又は反射膜のうち少なくとも一種、
蛍光体層、
体積平均粒径が10nm〜300nmであり、水銀とアマルガムを形成しない金属の酸化物の粒子の連結体からなる保護膜が、
この順で形成されてなる[1]に記載の蛍光ランプ。
[4]発光管の内面に、
体積平均粒径が10nm〜300nmであり、水銀とアマルガムを形成しない金属の酸化物の粒子を含む、紫外線吸収膜および/又は反射膜を有することを特徴とする蛍光ランプ。
[5]水銀とアマルガムを形成しない金属の酸化物がイットリア、セリア、シリカの少なく
とも1種を主成分とする[1]〜[4]のいずれかに記載の蛍光ランプ。
[6]紫外線吸収膜又は反射膜がアルミナ、酸化亜鉛、酸化チタンの少なくとも1種を含ん
でなる[2]〜[5]のいずれか記載の蛍光ランプ。
[7] アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタンの少なくとも1種が、体積平均粒子径が10〜3
00nmである金属酸化物微粒子である[6]に記載の蛍光ランプ。
[8]紫外線吸収膜又は反射膜を形成する金属酸化物微粒子がシリカでコーティングされた
ものである[7]に記載の蛍光ランプ。
[9]分散時の体積平均粒径が10nm〜300nmである、水銀とアマルガムを形成しな
い金属の酸化物の微粒子スラリーを、発光管の内面に、塗布、乾燥、熱処理して保護膜、紫外線吸収膜および/又は反射膜を形成することを特徴とする[1]または[4]に記載の蛍光ランプの製造方法。
[10]前記分散媒として、多価アルコール誘導体を使用することを特徴とする[9]に記載の
蛍光ランプの製造方法。
[11]前記多価アルコール誘導体が1−アルコキシ−2−アルキルアルコールである[10]に記載の蛍光ランプの製造方法。
[12]前記多価アルコール誘導体が1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−エタノールのうち少なくとも一種であることを特徴とする[10]に記載の蛍光ランプの製造方法。
[13]前記微粒子スラリーがバインダーとしてβ−ジケトン類金属錯体を含むことを特徴とする[9]に記載の蛍光ランプの製造方法。
[14]微粒子スラリーが、β−ジケトン類金属錯体の気相酸化法で製造された水銀とアマルガムを形成しない金属の酸化物微粒子を分散媒に分散させたものであることを特徴とする[9]に記載の蛍光ランプの製造方法。
[15][9]〜[14]のいずれかに記載の方法で製造された蛍光ランプ。
[16][1]〜[8]および[15]のいずれかに記載の蛍光ランプを備えた照明器具。
[17][1]〜[8]および[15]のいずれかにに記載の蛍光ランプを備えた表示装置。
以上のように、本発明によれば、金属酸化物粒子が均一で緻密かつ強固に連結した保護膜を容易に形成することができるので、蛍光ランプの長寿命化ができる。さらに、紫外線吸収膜又は反射膜を保護膜とともに形成する場合、保護膜と紫外線吸収膜・反射膜との密着性が高いので、膜厚を薄くすることも可能である。さらに、これらの皮膜が形成された
蛍光ランプでは、膜厚が薄いにも拘わらず水銀の消費防止効果について大幅に向上している。
したがって、保護膜形成のコストが大幅に下がる一方、長時間に渡って蛍光ランプを使用しても光束低下が起こりにくく、高品質な製品を効率よく生産することが可能になる。さらに水銀量を増やすこともないので、安全性にも優れている。
また本発明では、保護膜用金属酸化物スラリーに分散剤およびバインダーを添加することによって、蛍光ランプに塗布し熱処理することによってより緻密な膜を形成することができ、水銀の消費防止に対して従来品と比べより大きな効果を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における蛍光管とは、蛍光体を具備した一般的な放電ランプのことであり、例えば熱陰極蛍光ランプ、冷陰極蛍光ランプ、外部電極放電ランプ等である。形状は直管型・環型、電球型などいずれでもよい。
保護膜
本発明では発光管の内面に、蛍光管の長寿命化を目的とする保護膜として、
体積平均粒径が10nm〜300nmであり、水銀とアマルガムを形成しない金属の酸化物の粒子の連結体を含む保護膜が形成されている。
連結体は、好ましくは体積平均粒径10〜100nmである。ここでいう連結体とは微粒子がファデルワールス力などにより物理的に極めて強固に固着している状態あるいは化学的に結合(焼結)している状態などをいう。このような状態にある皮膜は非常に緻密であり、また均一に連結しているため、基材まで到達する連続欠陥が無いため薄い膜厚で十分な保護性能を有する。
通常、保護膜は、金属酸化物から構成されるが、必要に応じて、金属酸化物質量に対して、40質量%以下の量で、分散剤、バインダーなどが含まれていても良い。
水銀とアマルガムを形成しない金属の酸化物としてはイットリア、セリア、シリカの少なくとも1種を主成分として用いることが出来る。これらは複合酸化物であってもよい。
保護膜の膜厚は0.05〜1μmが好ましく、0.05〜0.3μmがより好ましい。膜厚が薄いと水銀が浸透し、期待した蛍光ランプの長寿命化が得られないことがある。また膜厚が厚いと可視光あるいは紫外線を十分に透過することが出来ない。
保護膜を形成する位置としては、水銀とガラス管の接触を防ぐという目的から、蛍光体層の上あるいは下どちらでも良いが、紫外線吸収膜又は反射膜よりも下層側(発光管の内側:基材面(ガラス面)側)に形成する必要がある。
紫外線吸収膜又は反射膜
発光管から外部に紫外線が放出されることを防ぐため、発光管の内面に紫外線吸収膜又は反射膜を形成することが一般的に行われている。この膜には、一般的な紫外線反射物質あるいは紫外線吸収物質を用いることが出来る。好ましくはアルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン等のうち少なくとも1種の金属酸化物微粒子が主成分として用いられる。
紫外線吸収膜および反射膜は、前記した保護膜中の金属酸化物微粒子と同様に、体積平均粒径が10〜300nm、より好ましくは10〜100nmである金属酸化物微粒子の連結体である。
紫外線吸収膜および反射膜の主成分である金属酸化物微粒子は、表面がシリカでコーティングされていることが望ましい。シリカでコーティングされていると塗布液中での分散性が向上する。コーティング厚は、金属酸化物微粒子の表面から0.5〜100nm厚、好ましくは0.5〜25nm厚の範囲にあることが望ましい。
シリカのコーティング処理は、紫外線吸収膜および反射膜用の金属酸化物微粒子の塗布液中への分散工程の前あるいは後のいずれでもよい。コーティング処理は一般的な方法で可能である。例えば、分散工程の前にコーティングする場合は特開2004−210586号公報に記載の方法、分散工程の後にコーティングする場合は特開2004−124069号公報に記載の方法を用いることができる。
また、本発明では、紫外線吸収膜又は反射膜の中に、前記した水銀とアマルガムを形成しない金属の酸化物微粒子を混合して、蛍光管の長寿命化を目的とした保護膜としての機能も併せ持たせることが可能である。この場合、更に別に保護膜を形成する必要はなく、製造工程において膜の形成過程を減らす効果がある。
前記した水銀とアマルガムを形成しない金属の酸化物微粒子を混合して紫外線吸収膜又は反射膜を形成する場合、該皮膜は、前記した水銀とアマルガムを形成しない金属の酸化物微粒子単独で皮膜を構成することも可能であるが、前記したアルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン等のうち少なくとも1種の金属酸化物微粒子との混合物から構成することが望ましい。
この場合、水銀とアマルガムを形成しない金属の酸化物微粒子(a)と、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン等のうち少なくとも1種の金属酸化物微粒子(b)とを混合使用する場合、(a):(b)の質量比が10:1〜1:5、好ましくは5:1〜1:1の範囲にあること
が望ましい。この範囲にあれば、紫外線吸収性、反射性能に優れた保護膜を形成することができる。このように2種以上の金属酸化物微粒子を混合使用した場合、2種以上の金属酸化物微粒子からの連結体が構成される。
このように保護膜としての機能を兼用させる場合、紫外線吸収膜・反射膜を水銀吸着から防止するため、紫外線吸収膜・反射膜の主成分の金属酸化物は表面を、前述のごときシリカでコーティングされていることが望ましい。
これら紫外線吸収膜および反射膜の膜厚は0.1〜1μmが好ましい。膜厚が薄いと発光管の外部に放出される紫外線を十分に遮蔽することはできず、また膜厚が厚いと発光管の外部に可視光を十分に放出することができない。
本発明の保護膜、紫外線吸収膜、反射膜(以下、まとめて「皮膜」と記すことがある。)は、基材まで到達する連続欠陥が無いため200nm〜50μmの膜厚で十分な保護性能を有する。なお、皮膜には必要に応じて、分散剤、バインダーなどが含まれていても良い。
当該皮膜が体積平均粒径:10nm〜300nmである粒子の連結体からなることは、電子顕微鏡で撮影された写真から各粒子の直径を測定(100個以上)し、粒度分布を求めて体積平均粒径を算出することによって確認することができる。粒径が大きいと薄い皮膜とした際にピンホールが出来やすく、皮膜の効果が十分に発揮できなくなる。
皮膜の形成
これらの紫外線吸収膜、反射膜および保護膜は、連続かつ緻密な膜でなければ十分な効果が出ないため、以下に示す方法で製造されたものが望ましい。
また、保護膜を形成する水銀とアマルガムを形成しない金属の酸化物微粒子と、紫外線吸収膜又は反射膜を形成する金属酸化物微粒子はともに金属酸化物微粒子であり、本発明では同様の方法で製造することができるとともに、それぞれの皮膜は同様の方法で形成できる。このため、これらの金属酸化物を併せて単に「金属酸化物微粒子」と呼ぶ。
皮膜の形成方法としては、各皮膜を構成する金属酸化物スラリーを基材(又は一つ下の層)へ塗布、乾燥した後、熱処理を実施して金属酸化物粒子間を焼結させることにより得ることができる。金属酸化物微粒子は凝集しやすく、良好な分散スラリーを得ることは一般に困難である。また、粒子を塗布する以上、形成された塗布膜の粒子間の空隙が問題となるが、分散媒、分散剤、スラリー濃度、添加するバインダーの種類や量、熱処理条件などを最適化することによってクラックやピンホールの無い緻密かつ強固な皮膜を形成することを可能となる。
以下皮膜の形成方法について工程毎に詳細に説明する。
金属酸化物スラリーの調製
皮膜は、分散時の粒径が10〜300nm(体積平均粒径)である金属酸化物スラリーを用いて形成されてなる。分散時の粒径とは分散スラリーの状態(あるいは分散媒で希釈)で測定された体積平均であり、レーザードップラー法により測定することができる。
スラリー中の金属酸化物微粒子の分散時の粒径はさらに好ましくは10〜200nm、最も好ましくは10〜100nmである。このようなナノオーダーの粒径の金属酸化物粒子を金属酸化物ナノ粒子とよぶ。分散時の粒径が300nmを越える場合には低温での熱処理では粒子の凝集が不十分となるので、熱処理工程の温度を上げる必要が生じるため、耐熱温度の低い基材(ガラス管など)の使用が困難となる。熱処理温度を低くするとナノ粒子間の凝集が進まなくなり、結果として皮膜欠陥が大きくなるため、所望する特性を満たすためにより厚い皮膜が必要となる。
また、分散時の粒径を必要以上に小さくすることは分散させること自体に多大なエネルギーを消費してしまう。金属酸化物粒子の製造方法は気相法(特開2004−168641号公報)や中和晶析法(特開平8−127773号公報)など適宜選択可能である。
金属酸化物粒子を分散媒に分散する方法としては超音波法、ボールミル法、ビーズミル法など適宜選択可能である。ビーズミル法を用いる際はビーズの材質としてはイットリア安定化ジルコニアなどが使用可能で、ビーズの粒径は5μm〜1mmのものが使用できる。
金属酸化物スラリーの分散媒
金属酸化物スラリーの分散媒としては、多価アルコール誘導体が望ましい。金属酸化物ナノ粒子は相互作用が非常に強く、凝集しやすい性質を持つが、前記分散媒を使用することで金属酸化物ナノ粒子をほぼ凝集無しに分散することが可能となる。分散媒の種類によって分散性は全く異なり、双極子モーメント、粘度などの観点から、多価アルコール誘導体が好適である。
多価アルコール誘導体としては、多価アルコールの、モノエーテル、ジエーテル、モノエステル、ジエステルが好ましい。多価アルコール誘導体としては、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセタート、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレング
リコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノメトキシメチルエーテルなどの2価アルコールの誘導体;グリセリンモノアセタート、グリセリンジアセタート、グリセリントリアセタート、グリセリンジアルキルエーテル(例えば、1,2−ジメチルグリセリン、1,3−ジメチル
グリセリン、1,3−ジエチルグリセリン)などの3価以上の多価アルコール誘導体などが挙げられる。なかでも1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−エタノールが特に好ましい。
スラリーの分散剤
金属酸化物スラリーには分散剤を含んでいてもよい。本発明では、分散剤としてはβ−ジケトン類が有用である。
β−ジケトン類としては2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオン(DPM・H)、2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオン(DMHD・H)又は2,4−ペンタ
ンジオン(acac・H)などが挙げられる。β−ジケトン類以外にもβ−ケトエステル類;例えばメチル−3−オキソペンタノエイト、エチル−3−オキソペンタノエイト、メチル4−メチル−3−オキソペンタノエイト、エチル4−メチル−3−オキソペンタノエイト、メチル4,4−ジメチル−3−オキソペンタノエイト、エチル4,4−ジメチル−3−オキソペンタノエイトなども使用できる。
かかる分散剤を用いることによって、分散到達粒径の小粒経化や分散時間の短縮および分散後の再凝集の防止が可能になる。また、β−ジケトン類は揮発性であるため塗布後の熱処理工程で気化して皮膜中に残らない。β−ジケトン類の添加量としては金属酸化物微粒子100質量部に対して1質量部〜10質量部、好ましくは5質量部〜10質量部である。
また、β−ジケトン類に併用してノニオン系の界面活性剤を分散剤として添加することもできる。ノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのエーテル型や、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油および硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのエステルエーテル型などが挙げられる。ノニオン系の界面活性剤の添加量としては金属酸化物微粒子100質量部に対して1質量部〜10質量部、好ましくは5質量部〜10質量部である。
分散剤が多すぎると熱処理後に膜中に不純物として残存して、分散剤が飛散した跡のピンホールが皮膜にできてしまうことがあり、好ましくない。また分散剤が少なすぎると十分な分散効果が得られない。
バインダー
金属酸化物スラリーには、蛍光ランプ用途として忌避されるアルカリ金属等を含まないβ−ジケトン類金属錯体がバインダーとして含まれていてもよい。
かかるバインダーを用いることによって金属酸化物粒子の熱処理工程の温度を下げ、また皮膜中のナノ粒子間の凝集力を高め、さらに皮膜の密着性を高めることが可能になる。
錯体を構成する金属としては、イットリウムが好ましい。
β−ジケトン類金属錯体としては2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオン(DPM・H)、2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオン(DMHD・H)又は2,4
−ペンタンジオン(acac・H)のイットリウム錯体などが使用でき、具体的には例えばY(DPM)3、Y(DMHD)3、Y(acac)3などが使用できる。β−ジケトン化合物
の金属錯体以外にもβ−ケトエステル類の金属錯体、例えばメチル−3−オキソペンタノエイト、エチル−3−オキソペンタノエイト、メチル4−メチル−3−オキソペンタノエイト、エチル4−メチル−3−オキソペンタノエイト、メチル4,4−ジメチル−3−オキソペンタノエイト、エチル4,4−ジメチル−3−オキソペンタノエイトの金属錯体の使用も可能である。
β−ジケトン類金属錯体の添加量は金属酸化物100質量部に対して1質量部〜10質量部が好ましく、より好ましくは5質量部〜10質量部である。バインダーが多すぎると皮膜中に不純物として残存して、バインダーが飛散した跡のピンホールが皮膜にできてしまうことがあり、好ましくない。またバインダーが少なすぎると皮膜の十分な緻密さが得られない。
金属酸化物微粒子の調製方法
各皮膜を形成する際に使用されるスラリーに分散させる金属酸化物微粒子の製造方法としては、β−ジケトン類金属錯体(錯体を構成する金属は、各皮膜を構成する酸化物にあわせる)の気相酸化法が挙げられる。この方法の一例としては、β−ジケトン類金属錯体の溶液を気化させた気体状のβ−ジケトン類金属錯体を含む蒸気と酸素含有ガス又は酸素とを混合し、管状電気炉等の加熱装置に定量的に供給して、β−ジケトン類金属錯体を加熱分解・酸化反応させて金属酸化物微粒子を得る方法がある。また、中和晶析法あるいはゾルゲル法など公知の方法によっても可能である。
β−ジケトン類金属錯体の気相酸化法によって得られた金属酸化物微粒子は、通常数%のカーボン残渣を不純物として含有する。カーボン残渣が多いと膜中に不純物として残存して、カーボンが飛散した跡のピンホールが皮膜にできてしまうことがあり、好ましくない。これを除去するため、空気雰囲気下100℃〜1000℃の条件で1〜12時間ほど熱処理を行い、処理後のカーボン残渣を0.5質量%未満とすることが好ましい。
以上の方法によって合成された金属酸化物微粒子は凝集して存在するため、安定なスラリーを得るためには適切な方法を用いて解砕、微分散させ、かつその分散状態を安定的に維持させる必要がある。金属酸化物微粒子を微分散させる方法には、ビーズミルやジェットミルおよびボールミルなど多くの方法があるが、微粒子の分散を行うためはビーズミルが好ましい。使用するビーズのサイズは、微小であるほど分散速度の向上と到達粒径の低下が可能なので、直径が5μm〜200μm、特に10μm〜100μmのビーズを使用するのが好ましい。また、ビーズの素材は、スラリーへの不純物の混入を最小限とする観点から、耐摩耗性に優れたイットリア安定化ジルコニア製であることが好ましい。
ビーズミルを用いて金属酸化物スラリーを作製する方法として具体的には、金属酸化物微粒子と有機分散媒と分散剤とバインダーおよびビーズとを容器に充填し、これらを攪拌する。このときのビーズの容器に対する充填率は、好ましくは85%〜95%であり、金属酸化物微粒子は、金属酸化物微粒子と有機分散媒と分散剤およびバインダーとの合計量を100質量%としたときに、好ましくは1質量%〜50質量%となるような量で使用する。また、攪拌時間は所望する分散到達粒径により適宜決定されるが、通常10分間〜12時間程度である。こうして前記した分散粒径を有する金属酸化物微粒子のスラリーが調製される。
また、ビーズミルを用いてスラリーを作製する際に、前処理として超音波照射や自公転式ミキサーなどによって予め適度な分散をしておいても良い。
金属酸化物スラリーの塗布
基材等へ塗布する際のスラリーの金属酸化物濃度は0.1質量%〜40質量%、より好ましくは0.5質量%〜10質量%である。濃度が高過ぎると皮膜にクラックを生じることがある。また濃度が低すぎると生産性が低下する。
スラリーの塗布方法としてはエアスプレー法やフローコート法など公知の方法から施工対象となる基材の寸法、形状などに応じて適宜選択可能である。
金属酸化物の熱処理
スラリー塗布後の熱処理温度は好ましくは100〜600℃、より好ましくは300〜550℃である。ガラス製発光管の耐熱性の問題から600℃以上の熱処理温度では適用が難しい。また熱処理温度が低すぎると連結が進まず膜中の欠陥が多くなって皮膜強度が低下する、あるいは分散剤やバインダーが膜中に不純物として残存してしまう、などの不具合が生じることがある。熱処理時間は10分〜5時間が好ましく、より好ましくは30分〜1時間である。熱処理時間の長短は熱処理温度の高低と同じ関係である。
保護膜を形成する場合、β−ジケトン類金属錯体の気相酸化法で製造された水銀とアマルガムを形成しない金属の酸化物微粒子を分散媒に分散させた微粒子スラリーを塗布し、熱処理すればよい。また、紫外線吸収膜又は反射膜を形成する場合は、必要に応じてβ−ジケトン類金属錯体の気相酸化法で製造された金属酸化物微粒子を分散媒に分散させた微粒子スラリーを塗布し、熱処理すればよい。
また、紫外線吸収膜又は反射膜に保護膜の機能を付与する態様では、水銀とアマルガムを形成しない金属の酸化物微粒子を分散媒に分散させた微粒子スラリーと、必要に応じてβ−ジケトン類金属錯体の気相酸化法などで製造された金属酸化物微粒子を分散媒に分散させた微粒子スラリーとを混合し、塗布し、熱処理すればよい。
また、これらの皮膜を積層する場合、順次、スラリーを塗布したのち、熱処理すればよい。
本発明に係る蛍光ランプは、以上のような方法で製造された蛍光ランプ、かかるランプは各種照明器具、表示装置として好適である。
以下、本発明の実施例を挙げて更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限されるものではない。
<製造例1>
図1に示す構成の装置を用いてY23ナノ粒子を作製した。
図1は、β−ジケトン類金属錯体の溶液を気化させた気体状のβ−ジケトン類金属錯体を含む蒸気と酸素含有ガス又は酸素とを混合し、管状電気炉等の加熱装置に定量的に供給して、β−ジケトン類金属錯体を加熱分解・酸化反応させて金属酸化物微粒子を得るための装置の模式図である。
まず、200℃に加熱した気化器(6)にイットリウムトリジピバロイルメタン300gおよびメタノール700gの混合溶液を4mL/minの流速で導入し気化した。空気(1)を40L/minの量で予熱器(5)へ流し200℃に加熱した。気体状のイットリウムトリジピバロイルメタンおよびメタノールと空気とを管状電気炉(7)入口の同軸ノズルへ供給した。管状電気炉内での燃焼温度は950℃とし、イットリウムトリジピバロイルメタンおよびメタノールを酸化してY23を生成させた。捕集器(8)に捕集されたY23ナノ粒子の収率は95%以上であった。
このY23ナノ粒子は数%のカーボン残渣を不純物として含有する。これを除去するため、空気雰囲気下500℃で8時間熱処理した。熱天秤装置(セイコーインスツルメンツ社製 TG/DTA6200)を用いた熱重量測定によりカーボン残渣は0.5質量%未満であった。また、電界放出型走査型電子顕微鏡(日立社製 S−900)の観察によるY23粒子の一次粒径は約20nmであった。
<製造例2>
80℃に加温した1mol/L硝酸イットリウム溶液400mLに、攪拌しながら0.4mol/L蓚酸アンモニウム溶液1.65Lを1時間掛けて滴下した。滴下終了後さらに80℃で1時間攪拌した。攪拌終了後室温まで冷却したのち、沈殿をろ過した。沈殿は更に2Lの水でろ過洗浄した。沈殿を80℃で減圧乾燥し蓚酸イットリウムを得た。乾燥した沈殿を磁製ルツボに入れ空気雰囲気下700℃で3時間熱処理することによってY2
3とした。得られたY23ナノ粒子の収率は99%以上であった。また、電子顕微鏡の
観察によるY23粒子の一次粒径は約20nmであった。
(実施例1)
製造例1で得られたY23ナノ粒子15gと1−メトキシ−2−プロパノール352gを混合し、分散剤1としてアセチルアセトン1.5gを、分散剤2として難水溶性トリオール系分散剤(旭電化社製 アデカカーポールGL−100)1.5gを、またバインダーとしてイットリウムトリアセチルアセトン5gを添加して超音波処理に1時間付し、均一なスラリーを得た。このスラリーを、直径50μmの酸化ジルコニウム製ビーズ400gを入れたビーズミル(コトブキ技研社製 UAM−015)で6時間処理し、4質量%のY23スラリーを得た。このスラリーの分散粒度分布を粒度分布計(日機装社製 Nanotrac UPA−EX150)で測定した結果、体積平均粒径18nm、最大粒径102nmであった。
(実施例2)
製造例2で得られたY23ナノ粒子15gを使用した以外は実施例1と同様にして4質量%のY23スラリーを得た。このスラリーの分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、体積平均粒径20nm、最大粒径102nmと実施例1で得られたスラリーと同等の結果となった。表1に結果をまとめた。
(比較例1)
市販のY23試薬(関東化学株式会社製、平均粒径15μm)15gと水360gを混合して超音波処理に1時間付し、均一なスラリーを得た。このスラリーを、実施例1と同様にビーズミル処理して4質量%のY23スラリーを得た。このスラリーの分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、体積平均粒径890nm、最大粒径3270nmと実施例1および2に対して分散が進まない結果となった。表1に結果をまとめた。
Figure 2007115642
Dmin:最小粒径 Dav:体積平均粒径 Dmax:最大粒径
<製造例3>
製造例1と同様にして、イットリウムトリジピバロイルメタン300gの代わりに亜鉛トリジピバロイルメタン300gを用いて同様の操作を行い、ZnOを生成させた。捕集器(8)に捕集されたZnOナノ粒子の収率は95%以上であった。
このZnOナノ粒子は数%のカーボン残渣を不純物として含有する。これを除去するため、空気雰囲気下500℃で8時間熱処理した。熱天秤装置(セイコーインスツルメンツ社製 TG/DTA6200)を用いた熱重量測定によりカーボン残渣は0.5質量%未満であった。また、電界放出型走査型電子顕微鏡(日立社製 S−900)の観察によるZnO粒子の一次粒径は約15nmであった。
(実施例3)
実施例1と同様にして、Y23ナノ粒子15gの代わりに製造例3で得られたZnOナノ粒子15gを用い、バインダーとしてイットリウムトリアセチルアセトン5gの代わりに亜鉛トリアセチルアセトン5gを添加する以外は同様の操作を実施し、4質量%のZnOスラリーを得た。このスラリーの分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、体積平均粒径16nm、最大粒径102nmであった。
(比較例2)
比較例1と同様にして、Y23試薬15gの代わりに市販品ZnO試薬(関東化学株式会社製、平均粒径18μm)15gを使用する以外は同様の操作を実施し、4質量%のZnOスラリーを得た。このスラリーの分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、体積平均粒径920nm、最大粒径3970nmと実施例3に対して分散が進まない結果となった。表2に結果をまとめた。
Figure 2007115642
Dmin:最小粒径 Dav:体積平均粒径 Dmax:最大粒径
(実施例4)
実施例1と同様にして、Y23ナノ粒子15gの代わりにTiO2ナノ粒子(昭和タイ
タニウム株式会社製スーパータイアニアF−7、平均粒径10nm)15gを用い、バインダーは添加しないこと以外は同様の操作を実施し、4質量%のTiO2スラリーを得た
。このスラリーの分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、体積平均粒径22nm、最大粒径102nmであった。
(実施例5)
実施例1と同様にして、Y23ナノ粒子15gの代わりに表面をシリカコーティングされたTiO2ナノ粒子(昭和タイタニウム株式会社製スーパータイアニアF−6S10、
平均粒径15nm)15gを用い、バインダーは添加しないこと以外は同様の操作を実施し、4質量%のTiO2スラリーを得た。このスラリーの分散粒度分布を粒度分布計で測
定した結果、体積平均粒径26nm、最大粒径123nmであった。
(実施例6)
実施例5で得られたTiO2ナノ粒子スラリー25gと、実施例1で得られたY23
ノ粒子スラリー75gを3分攪拌することにより混合スラリーを作製した。このスラリー
の分散粒度分布を粒度分布計で測定した結果、凝集は観察されなかった。
(実施例7)
定格出力30W直管型蛍光ランプを製造した。ソーダガラスから形成された発光管について、片方の開口部を実施例3で得られたZnO分散液の液面に接触させ、もう片方の開口部を減圧装置に接続し減圧することによってZnO分散液を吸引しフローコート法により塗布した。塗布後発光管を40℃にて乾燥させた後、雰囲気温度が500℃の電気炉で10分間熱処理し紫外線吸収膜を形成した。
同様のフローコート法にて次に蛍光体層を一般的な手法で形成した後、実施例1で得られたY23分散液を用いてフローコート法により塗布し、塗布後発光管を40℃にて乾燥させた後、雰囲気温度が500℃の電気炉で10分間熱処理し長寿命化を目的とした保護膜を形成した。
続いて排気工程に移る。発光管の排気を行い、排気が終了する直前に、発光のために必要な水銀を投入する。水銀封入後に発光媒体としてアルゴンガスを封入し、最後にチップオフを行い、本実施例の発光ランプが完成した。
(比較例3)
比較例2で得られたZnO分散液、比較例1で得られたY23分散液を使用する以外は、実施例7と同様の操作を実施し30W直管型蛍光ランプを製造した。
(実施例8)
定格出力30W直管型蛍光ランプを製造した。ソーダガラスから形成された発光管について、片方の開口部を実施例6で得られたTiO2/Y23混合分散液の液面に接触させ
、もう片方の開口部を減圧装置に接続し減圧することによってTiO2/Y23混合分散
液を吸引しフローコート法により塗布した。塗布後発光管を40℃にて乾燥させた後、雰囲気温度が500℃の電気炉で10分間熱処理し紫外線吸収膜を形成した。
同様のフローコート法にて次に蛍光体層を一般的な手法で形成した。
続いて排気工程に移る。発光管の排気を行い、排気が終了する直前に、発光のために必要な水銀を投入する。水銀封入後に発光媒体としてアルゴンガスを封入し、最後にチップオフを行い、本実施例の発光ランプが完成した。
実施例7、8、比較例3で得られた30W直管型蛍光ランプの点灯時間と光束維持率との関係(光束維持特性)を試験した。結果を図2に示す。
実施例7の蛍光ランプでは、点灯時間10000時間において光束維持率が91%となっているのに対して、比較例3の従来の蛍光ランプでは光束維持率が80%に低下した。本実施例の蛍光ランプでは皮膜の緻密さ・連続性により水銀や紫外線による発光管の黒化が抑制されたのに対し、従来の皮膜では、塗布液の金属酸化物粒子の凝集等が原因となり皮膜の緻密さ・連続性が不十分であるため、水銀や紫外線が発光管に接触する量が多くなり、発光管中のアルカリ金属と水銀が反応し、発光管の黒化が促進されて光束維持率が低下している。実施例8の蛍光ランプでも、TiO2/Y23混合膜において、発光管の黒
化を抑制するのに十分な性能を有し、光束維持特性が改善されている。
図1は、本発明で金属酸化物微粒子を得るための装置の模式図である。 図2は、実施例7、8および比較例3の光束維持特性図を示す。

Claims (17)

  1. 発光管の内面に、
    体積平均粒径が10nm〜300nmであり、水銀とアマルガムを形成しない金属の酸化物の粒子の連結体を含む保護膜を
    有することを特徴とする蛍光ランプ。
  2. 発光管の内面に、
    紫外線吸収膜又は反射膜のうち少なくとも一種、
    体積平均粒径が10nm〜300nmであり、水銀とアマルガムを形成しない金属の酸化物の粒子の連結体からなる保護膜、および
    蛍光体層が、この順で形成されてなる請求項1に記載の蛍光ランプ。
  3. 発光管の内面に、
    紫外線吸収膜又は反射膜のうち少なくとも一種、
    蛍光体層、
    体積平均粒径が10nm〜300nmであり、水銀とアマルガムを形成しない金属の酸化物の粒子の連結体からなる保護膜が、
    この順で形成されてなる請求項1に記載の蛍光ランプ。
  4. 発光管の内面に、
    体積平均粒径が10nm〜300nmであり、水銀とアマルガムを形成しない金属の酸化物の粒子を含む、紫外線吸収膜および/又は反射膜を有することを特徴とする蛍光ランプ。
  5. 水銀とアマルガムを形成しない金属の酸化物がイットリア、セリア、シリカの少なくとも1種を主成分とするものである請求項1〜4のいずれかに記載の蛍光ランプ。
  6. 紫外線吸収膜又は反射膜が、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタンの少なくとも1種を含むんでなる請求項2〜5のいずれかに記載の蛍光ランプ。
  7. アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタンの少なくとも1種が、体積平均粒子径が10〜300nmである金属酸化物微粒子である請求項6に記載の蛍光ランプ。
  8. 紫外線吸収膜又は反射膜を形成する金属酸化物微粒子がシリカでコーティングされたものである請求項7に記載の蛍光ランプ。
  9. 分散時の体積平均粒径が10nm〜300nmである、水銀とアマルガムを形成しない金属の酸化物の微粒子スラリーを、発光管の内面に、塗布、乾燥、熱処理して保護膜、紫外線吸収膜および/又は反射膜を形成することを特徴とする請求項1または4に記載の蛍光ランプの製造方法。
  10. 前記分散媒として、多価アルコール誘導体を使用することを特徴とする請求項9に記載の蛍光ランプの製造方法。
  11. 前記多価アルコール誘導体が1−アルコキシ−2−アルキルアルコールである請求項10に記載の蛍光ランプの製造方法。
  12. 前記多価アルコール誘導体が1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−エタノールのうち少なくとも一種であることを特徴とする請求項10に記載の蛍光ランプの
    製造方法。
  13. 前記微粒子スラリーがバインダーとしてβ−ジケトン類金属錯体を含むことを特徴とする請求項9に記載の蛍光ランプの製造方法。
  14. 微粒子スラリーが、β−ジケトン類金属錯体の気相酸化法で製造された水銀とアマルガムを形成しない金属の酸化物微粒子を分散媒に分散させたものであることを特徴とする請求項9に記載の蛍光ランプの製造方法。
  15. 請求項9〜14のいずれかに記載の方法で製造された蛍光ランプ。
  16. 請求項1〜8および15のいずれかに記載の蛍光ランプを備えた照明器具。
  17. 請求項1〜8および15のいずれかに記載の蛍光ランプを備えた表示装置。
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