JP2007217782A - 希土類元素のフッ化物皮膜を有する耐食性皮膜およびその製造方法 - Google Patents

希土類元素のフッ化物皮膜を有する耐食性皮膜およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも薄い膜厚で高い耐プラズマ腐食性を有する緻密な耐食性皮膜、およびこの耐食性皮膜を従来よりも低温で形成することができる製造方法を提供すること。
【解決手段】上記耐食性皮膜は、基材上に形成された希土類元素の酸化物皮膜をフッ化処理して得られた希土類元素のフッ化物皮膜を有する。好ましくは、前記希土類元素の酸化物皮膜が、体積平均粒径が10nm〜300nmである希土類元素の酸化物微粒子の凝集体からなる。
【選択図】図4

Description

本発明は耐プラズマ腐食性に優れる皮膜およびその製造方法に関する。より詳しくは、希土類元素のフッ化物皮膜を有する耐食性皮膜およびその製造方法、ならびに基材を前記耐食性皮膜で被覆した耐食性部材に関する。
半導体や液晶デバイスの製造装置として用いられるプラズマエッチング装置やプラズマCVD装置などのプラズマ処理装置本体あるいは処理装置内の部材に使われている基材として、AlおよびAl合金などの金属材料、その表面を被覆するAlの陽極酸化膜、あるいはAl23やAlNなどのセラミックス焼結体などが使用されている。しかし、これらの基材は、プラズマ処理用ガスとして広く用いられているCF(フロロカーボン)系ガスなどの腐食性ガスと反応してAlF3を形成し、このAlF3のパーティクルが飛散して半導体や液晶デバイスの製品不良を招くことが知られている。
そこで、腐食性ガスあるいはそのプラズマに曝される部位を希土類元素のフッ化物で形成することによって部材の耐プラズマ腐食性を高める技術が知られている。たとえば、YF3などの粉末を原料として溶射法や蒸着法によって基材上にフッ化物皮膜を形成する方
法(特許文献1参照)、あるいはYF3などの粉末を原料として加圧成形法によってフッ
化物焼結体を形成する方法(特許文献2参照)などが知られている。
しかしながら、溶射法により形成されたフッ化物皮膜は、溶射法の原理上、皮膜中に欠陥が多く存在し、皮膜の厚み方向に連続欠陥が生じやすく、十分な耐プラズマ腐食性を得るためには厚膜を300μm程度にする必要があった。また、フッ化物焼結体は、高温・高圧下で製造されるためコスト高であること、また原料である粉体の粒径が数十ミクロンと大きいため加圧成形時に十分に焼結されず、表面のフッ化物粒子が飛散してパーティクルの発生源になるという問題点があった。
特開2000−219574号公報 特開2003−146755号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、その目的は、従来よりも薄い膜厚で高い耐プラズマ腐食性を有する緻密な耐食性皮膜、およびこの耐食性皮膜を従来よりも低温で形成することができる製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意研究した結果、基板上に形成された希土類元素の酸化物皮膜(以下、「希土類酸化物皮膜」という)をフッ化処理すると、融点および沸点が高く化学的に安定な希土類元素のフッ化物皮膜(以下、「希土類フッ化物皮膜」という)が形成され、また希土類酸化物がフッ化処理により体積膨張して緻密な希土類フッ化物皮膜が形成され、この希土類フッ化物皮膜がより高い耐プラズマ腐食性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の[1]〜[21]により構成される。
[1]基材上に形成された希土類元素の酸化物皮膜をフッ化処理して得られた希土類元素のフッ化物皮膜を有することを特徴とする耐食性皮膜。
[2]前記フッ化処理がフッ素系ガスと反応させる処理であることを特徴とする上記[1]に記載の耐食性皮膜。
[3]前記フッ素系ガスが、フッ素ガス、三フッ化塩素ガスおよびフッ化窒素ガスからなる群より選択される少なくとも一種のガスであることを特徴とする上記[2]に記載の耐食性皮膜。
[4]前記希土類元素の酸化物皮膜が、溶射法によって形成された皮膜であることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の耐食性皮膜。
[5]前記希土類元素の酸化物皮膜が、体積平均粒径が10nm〜300nmである希土類元素の酸化物微粒子の凝集体からなることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の耐食性皮膜。
[6]前記希土類元素の酸化物皮膜が、分散時の体積平均粒径が10nm〜300nmである希土類元素酸化物の微粒子を含有するスラリーを塗布して形成された皮膜であることを特徴とする上記[1]〜[3]および[5]のいずれかに記載の耐食性皮膜。
[7]前記スラリーが、β−ジケトン類の金属錯体を気相酸化して製造された希土類元素の酸化物微粒子を分散媒に分散させて得られたスラリーであることを特徴とする上記[6]に記載の耐食性皮膜。
[8]前記希土類元素のフッ化物皮膜が、二種類以上の異なる希土類元素のフッ化物の混合皮膜、または二種類以上の異なる希土類元素が互いに固溶した複合フッ化物の皮膜であることを特徴とする上記[1]〜[7]のいずれかに記載の耐食性皮膜。
[9]前記希土類元素がY(イットリウム)、Ce(セリウム)およびLa(ランタン)からなる群より選択される少なくとも一種の元素であることを特徴とする上記[1]〜[8]のいずれかに記載の耐食性皮膜。
[10]基材上に形成された希土類元素の酸化物皮膜をフッ化処理することを特徴とする耐食性皮膜の製造方法。
[11]前記希土類元素の酸化物皮膜をフッ素系ガスと反応させることを特徴とする上記[10]に記載の耐食性皮膜の製造方法。
[12]前記フッ素系ガスが、フッ素ガス、三フッ化塩素ガスおよびフッ化窒素ガスからなる群より選択される少なくとも一種のガスであることを特徴とする上記[11]に記載の耐食性皮膜の製造方法。
[13]前記希土類元素の酸化物皮膜を溶射法によって形成することを特徴とする上記[10]〜[12]のいずれかに記載の耐食性皮膜の製造方法。
[14]前記希土類元素の酸化物皮膜が、体積平均粒径が10nm〜300nmである希土類元素の酸化物微粒子の凝集体からなることを特徴とする上記[10]〜[12]のいずれかに記載の耐食性皮膜の製造方法。
[15]前記希土類元素の酸化物皮膜を、分散時の体積平均粒径が10nm〜300nmである希土類元素の酸化物のスラリーを塗布して形成することを特徴とする上記[10]〜[12]および[14]のいずれかに記載の耐食性皮膜の製造方法。
[16]前記スラリーを、β−ジケトン類の金属錯体を気相酸化して製造された希土類元素の酸化物微粒子を分散媒に分散させて得ることを特徴とする上記[15]に記載の耐食性皮膜の製造方法。
[17]前記希土類元素のフッ化物皮膜が、二種類以上の異なる希土類元素のフッ化物の混合皮膜、または二種類以上の異なる希土類元素が互いに固溶した複合フッ化物の皮膜であることを特徴とする上記[10]〜[16]のいずれかに記載の耐食性皮膜の製造方法。
[18]前記希土類元素がY(イットリウム)、Ce(セリウム)およびLa(ランタン)からなる群より選択される少なくとも一種の元素であることを特徴とする上記[10]〜[17]のいずれかに記載の耐食性皮膜の製造方法。
[19]基材を上記[1]〜[9]のいずれかに記載の耐食性皮膜で被覆した耐食性部材。
[20]
上記[19]に記載の耐食性部材を備えたプラズマ処理装置。
[21]希土類元素の酸化物を含む層と希土類元素のフッ化物を含む層とを有する耐食性
被膜。
本発明によれば、プラズマ処理装置の内壁あるいは処理装置内の部材表面に、一部または全部が希土類フッ化物皮膜からなり、緻密かつ強固な耐食性皮膜を低温でかつ容易に形成することができる。また、本発明の耐食性皮膜は、その膜厚が膜厚が薄いにもかかわらず、耐プラズマ腐食性が、YF3などを原料として溶射法や加圧成形法により製造された
希土類フッ化物膜や焼結体に比べて大幅に向上している。これにより、皮膜形成コストを大幅に削減できるとともに、長時間に渡ってプラズマ処理を続けても装置内はパーティクルによる汚染が少ないため、高品質な製品を効率よく生産することができる。
以下、本発明に係る希土類フッ化物皮膜を有する耐食性皮膜およびその用途、ならびに前記耐食性皮膜の製造方法について詳細に説明する。
本発明に係る耐食性皮膜は、希土類酸化物皮膜をフッ化処理して得られた希土類フッ化物皮膜を有する。
<耐食性皮膜>
希土類元素とは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuの17元素をいい、本発明では、これらの希土類元素を一種単独で使用しても、二種以上を組み合わせて使用してもよい。上記希土類元素のうち、得られる希土類フッ化物皮膜の耐食性、耐プラズマエッチング性の観点から、Y(イットリウム)、Ce(セリウム)およびLa(ランタン)が好ましい。
上記希土類元素の酸化物(以下、「希土類酸化物」という)としては、Y23、Sc2
3、La23、CeO2、Nd23、Sm23、Eu23、Gd23、Tb23、Dy2
3、Yb23などが挙げられる。本発明では、これらの希土類酸化物を一種単独で使用
しても、二種以上を組み合わせて使用してもよい。また、上記希土類元素を二種以上含有する複合酸化物を希土類酸化物として使用することもできる。上記希土類酸化物のうち、得られる希土類フッ化物皮膜の耐食性、耐プラズマエッチング性の観点から、Y23、CeO2、La23が好ましい。
本発明の耐食性皮膜は、上記希土類酸化物の皮膜をフッ化処理して希土類フッ化物皮膜を形成することによって製造できる。上記希土類酸化物をフッ化処理すると、YF3、S
cF3、LaF3、CeF3、NdF3、SmF3、EuF3、GdF3、TbF3、DyF3
YbF3などの希土類元素のフッ化物(以下、「希土類フッ化物」という)が生成する。
本発明の耐食性皮膜は、これらの希土類フッ化物が一種単独で含まれていても、二種以上が混合された状態で含まれていてもよい。また、上記希土類元素を二種以上含有する複合フッ化物を希土類フッ化物として使用することもできる。上記希土類フッ化物のうち、希土類フッ化物皮膜の耐食性、耐プラズマエッチング性の観点から、YF3、CeF3、LaF3が好ましい。
上記耐食性皮膜は、その全部が希土類フッ化物皮膜である必要はなく、その表面の一部、好ましくは耐食性皮膜の表面から平均厚さが200nm以上の部分、より好ましくは平均厚さが1μm以上の部分が希土類フッ化物皮膜であればよい。すなわち、上記希土類酸化物皮膜の全部がフッ化処理されている必要はなく、その表面の一部、好ましくは希土類酸化物皮膜の表面から平均厚さが200nm以上の部分、より好ましくは平均厚さが1μm以上の部分がフッ化処理されていればよい。また、耐食性皮膜の一部が希土類フッ化物皮膜である場合、希土類フッ化物が耐食性皮膜の面方向に均一に存在していれば、膜厚方向には必ずしも均一に分布している必要はなく、希土類フッ化物層の厚さが不均一でも、
膜厚方向に希土類フッ化物領域と希土類酸化物層にフッ素が拡散した層とが混在していてもよい。ここで、希土類フッ化物皮膜の厚さとは実質的に希土類フッ化物が大部分を占める領域の厚さであって、XPS(X線光電子分光法)による皮膜の深さ方向の組成分布測定において、希土類元素とフッ素以外の元素が、好ましくは20原子%以下、より好ましくは10原子%以下の組成となる領域の厚さをいう。
また、上記耐食性皮膜は、一種類の希土類元素のフッ化物を含む皮膜、二種以上の異なる希土類元素のフッ化物を含む混合フッ化物皮膜および二種以上の異なる希土類元素が互いに固溶した複合フッ化物を含む複合フッ化物皮膜のいずれの皮膜でもよいが、上記混合フッ化物皮膜および複合フッ化物皮膜が好ましい。
(フッ化処理)
上記希土類フッ化物皮膜は、希土類酸化物皮膜を、たとえば、フッ素系ガスと反応させることにより製造できる。上記フッ素系ガスとしては、フッ素ガス(F2)、三フッ化塩
素ガスおよびフッ化窒素ガスなどが挙げられる。これらのフッ素系ガスは、濃度100%の純ガスとして使用してもよいし、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスで希釈して希釈ガスとして使用してもよい。
上記フッ化処理をより具体的に説明すると、たとえば、表面に希土類酸化物皮膜を有する基材を常圧気相流通式の反応炉に装入した後、反応炉にフッ素系ガスまたはその希釈ガスを導入し、反応炉を所定の温度(フッ化処理温度)に加熱して所定の時間保持する。これにより、希土類酸化物皮膜がフッ化処理され、基材表面に希土類フッ化物皮膜が形成される。フッ化処理温度は、用いる基材および希土類酸化物の種類によって適宜選択されるが、常圧では通常100℃〜700℃の条件下、好ましくは150℃〜500℃である。また、保持温度(反応時間)は通常1時間〜48時間、好ましくは3時間〜24時間である。
このように、希土類酸化物皮膜をフッ化処理すると、希土類フッ化物は希土類酸化物に比べて体積が膨張するため、希土類フッ化物皮膜は緻密な構造となり、耐プラズマ腐食性を大幅に向上させることができる。たとえば、Y23皮膜をフッ化処理してYF3を形成
させた場合、YF3粒子はY23粒子に比べて約20%体積が膨張する。この結果、たと
えば、YF3粉末を原料として溶射法により製造したYF3膜に比べて、Y23皮膜をフッ化処理したYF3膜は緻密であり、膜厚を薄くしても優れた耐プラズマ腐食性を示す。
このように、フッ化処理による体積膨張は、緻密な皮膜を形成するために有効な現象であるが、皮膜と基材との密着性を低下させることがある。この場合には、希土類酸化物皮膜のすべてをフッ化処理せずに、処理温度や処理時間などのフッ化処理条件を適宜選択して、希土類酸化物皮膜の一部をフッ化させずに希土類酸化物皮膜として残存させることが好ましい。特に、基材と密着する部分を希土類酸化物皮膜として残し、その上をフッ化して希土類フッ化物皮膜を形成した、2層構造が好ましい。
なお、フッ化処理後の耐食性皮膜の表面組成あるいは深さ方向の組成分布は、XPS(X線光電子分光法)により測定して解析することができる。また、耐食性皮膜の結晶構造はXRD(X線回折法)により測定して解析することができる。
(希土類酸化物皮膜)
上記希土類酸化物皮膜としては、上記希土類酸化物を一種含む皮膜、上記希土類酸化物を二種以上含む混合酸化物皮膜、および上記希土類元素が二種以上固溶した複合酸化物を含む複合酸化物皮膜が挙げられる。
上記希土類酸化物皮膜の製造方法は、特に限定されないが、基材の耐熱温度が比較的高い場合にはPVD法やCVD法、基材の耐熱温度が低い場合には溶射法やゾルゲル法などが挙げられる。また、上記希土類酸化物の微粒子を含有するスラリー(以下、「希土類酸化物スラリー」という)を、たとえば、基材上に塗布し、乾燥、焼成処理することによって、上記希土類酸化物皮膜を形成してもよい(以下、この方法を「焼成法」という)。上記製造方法のうち、低温、短時間で製造できる点で溶射法が好ましく、緻密な皮膜が形成できる点で焼成法が好ましい。
上記希土類酸化物スラリーを塗布する方法は、エアスプレー法、ディップ法およびスピンコート法など公知の方法から、基材の寸法、形状などに応じて適宜選択することができる。また、乾燥温度および乾燥時間は、使用する分散媒の種類によって適宜設定することができるが、たとえば、乾燥温度は常温〜50℃が好ましく、乾燥時間は、5分〜1時間が好ましい。急激に乾燥すると皮膜にクラック等が発生することがあり好ましくない。
乾燥後の焼成温度は好ましくは100〜300℃、より好ましくは200〜300℃である。焼成温度を300℃よりも高くしても希土類酸化物微粒子間の凝集は進むため、希土類酸化物皮膜に対しては特に問題はないが、AlおよびAl合金など耐熱性の低い基材を用いる場合には基材が熱劣化するため適用できないことがある。また、焼成温度が低すぎると、焼成が十分に進まず、皮膜中に多くの欠陥が生成することがあり、また、スラリーに含まれる分散剤やバインダーなどが皮膜中に不純物として残存することがあり好ましくない。焼成時間は10分〜5時間が好ましく、より好ましくは30分〜1時間である。焼成時間が長過ぎる場合は焼成温度が高すぎる場合と、焼成時間が短すぎる場合は焼成温度が低すぎる場合と同様の影響があり好ましくない。
焼成には角型や円筒型の電気焼成炉やマイクロウエーブ焼成炉などを使用できる。また、皮膜に求められる清浄性によって、スラリーの塗布や乾燥、焼成をクリーンルームまたはクリーンブースなど清浄な環境下で実施してもよい。
上記希土類酸化物皮膜の膜厚は、0.05μm〜500μmが好ましく、0.5μm〜50μmがより好ましい。このような膜厚の希土類酸化物皮膜は、通常、上記塗布、乾燥、焼成処理を数回繰り返すことにより得られる。一回あたりの皮膜形成厚さは、10nm〜5μmが好ましく、より好ましくは100nm〜3μmである。一回あたりの皮膜形成厚さが厚すぎると皮膜にクラックを生じることがある。また、薄すぎると繰り返し回数が多くなり生産性が低下する。一回あたりの皮膜形成厚さは、スラリー濃度、スラリー粘度、塗布量などにより調整することができる。
(希土類酸化物微粒子凝集体)
本発明では希土類酸化物皮膜として、上記焼成法や他の方法で製造した、体積平均粒径が10〜300nm、好ましくは10〜200nm、より好ましくは10〜100nmである希土類酸化物微粒子の凝集体を使用することが望ましい。なお、凝集体中の希土類酸化物微粒子の体積平均粒径は、電子顕微鏡写真から各粒子(100個以上)の直径を測定して粒度分布を求め、体積平均値を算出することによって決定できる。また、粒度分布が双峰性分布となる場合も同様に計算することができる。上記凝集体を使用することにより、より緻密な希土類フッ化物皮膜を得ることができる。
前記凝集体の凝集状態は、微粒子が脱離しなければ特に限定されず、希土類酸化物微粒子がファデルワールス力などにより物理的に極めて強固に固着している状態であっても、化学的に結合(焼結)している状態であってもよい。このような凝集体からなる皮膜は、少なくとも厚さ方向に連続欠陥(気孔)がなく、非常に緻密であるため、フッ化処理による体積膨張によってさらに緻密な希土類フッ化物皮膜が形成され、200nm〜50μm
の膜厚でも十分な耐プラズマ腐食性を有する耐食性皮膜を形成することができる。
(希土類酸化物スラリー)
上記希土類酸化物スラリーは、希土類酸化物微粒子を分散媒に分散させた分散液である。希土類酸化物微粒子の分散時の体積平均粒径は、10nm〜300nmが好ましく、10〜200nmがより好ましく、10〜100nmが特に好ましい。なお、分散時の体積平均粒径は、希土類酸化物スラリーまたはこのスラリーを分散媒で希釈した分散液についてレーザードップラー法により測定した値である。分散時の体積平均粒径が大きすぎると、低温で焼成した場合に希土類酸化物微粒子が十分に凝結せず、個々の微粒子を結合させるためには焼成温度を上げる必要があり、耐熱温度の低い基材(AlおよびAl合金など)に対して希土類酸化物皮膜を形成できないことがある。また、体積平均粒径が大きい希土類酸化物微粒子を低温で焼成すると微粒子の凝集が進まず、希土類酸化物皮膜に大きな欠陥が発生し、フッ化処理後の希土類フッ化物皮膜が十分な耐プラズマ腐食性を示さないこともある。
上記分散媒としては、ケトン類や多価アルコール誘導体が望ましい。希土類酸化物ナノ粒子は相互作用が非常に強く、凝集しやすい性質を持つが、前記分散媒を使用することで希土類酸化物ナノ粒子をほとんど凝集させることなく分散させることができる。希土類酸化物ナノ粒子の分散性は分散媒の種類によって全く異なり、双極子モーメント、粘度などの観点から、多価アルコール誘導体が好ましい。
多価アルコール誘導体としては、多価アルコールの、モノエーテル、ジエーテル、モノエステル、ジエステルが好ましい。より具体的には、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセタート、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノメトキシメチルエーテルなどの2価アルコールの誘導体;グリセリンモノアセタート、グリセリンジアセタート、グリセリントリアセタート、グリセリンジアルキルエーテル(例えば、1,2−ジメチルグリセリン、1,3−ジメチルグリセリン、1,3−ジエチルグリセリン)などの3価以上の多価アルコールの誘導体などが挙げられる。なかでも1−メトキシ−2−プロパノールが特に好ましい。
ケトン類としてはアセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。
上記希土類酸化物スラリーの濃度は、0.1質量%〜40質量%が好ましく、より好ましくは0.5質量%〜10質量%である。濃度が高過ぎると皮膜にクラックを生じることがある。また濃度が低すぎると生産性が低下する。
また、上記希土類酸化物スラリーは、分散時の効率向上や分散安定性の向上のため、半導体や液晶デバイス製造装置用途では使用されない、アルカリ金属などを含まない分散剤やバインダーを含んでいてもよい。
希土類酸化物微粒子の分散方法は、超音波法、ボールミル法、ビーズミル法など従来公知の方法を適宜選択することができる。ビーズミル法に用いるビーズはジルコニアビーズが好ましく、ビーズ粒径は5μm〜1mmが好ましい。
(希土類酸化物微粒子)
上記希土類酸化物微粒子は、特開2004−168641号公報等に記載の気相法や特開平8−127773号公報に記載の蓚酸法などにより製造することができる。このうち、β−ジケトン類の金属錯体を気相酸化する方法(特開2005−023065号公報および特開2005−097092号公報参照)が好ましい。具体的には、β−ジケトン類の希土類金属錯体の溶液を気化させ、気体状のβ−ジケトン類希土類金属錯体を含む蒸気と酸素含有ガスまたは酸素とを混合し、この混合気体を管状電気炉等の加熱装置に定量的に供給して、β−ジケトン類の希土類金属錯体を加熱分解・酸化反応させて希土類酸化物微粒子を得る方法が挙げられる。
上記β−ジケトン類としては2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオン(DPM・H)、2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオン(DMHD・H)又は2,4−ペンタンジオン(acac・H)などが挙げられる。
(基材)
本発明に用いられる基材としては、半導体や液晶デバイス製造装置などに使用されるAlおよびAl合金、ステンレス鋼を含む各種鉄鋼材料、タングステンおよびタングステン合金、チタンおよびチタン合金、モリブデンおよびモリブデン合金、ガラスなどの酸化物系セラミックス、炭素ならびに非酸化物系セラミックスなどが好ましい。また、これらの基材には、皮膜形成前に必要に応じてブラスト処理を施したり、あるいは耐ハロゲンガス腐食性の高い金属材料からなる皮膜を形成してもよい。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。
[製造例1]
図1に示す微粒子製造装置を用いてY23微粒子を作製した。まず、200℃に加熱した気化器(6)に、原料溶液(2)としてイットリウムトリジピバロイルメタン(Y(DPM)3)300gおよびメタノール700gの混合溶液を4mL/minの流速で導入
して気化した。空気(1)を40L/minの量で予熱器(5)へ導入し、200℃に加熱した。気体状のイットリウムトリジピバロイルメタンおよびメタノールと空気とを管状電気炉(7)入口の同軸ノズルへ供給した。管状電気炉内でイットリウムトリジピバロイルメタンおよびメタノールを燃焼温度950℃で酸化してY23微粒子を生成させ、捕集器(8)に導入した。捕集器で捕集されたY23微粒子の収率は95%以上であった。また、電界放出型走査型電子顕微鏡(日立社製S−900)によりY23微粒子を観察した結果、一次粒径は約20nmであった。
[製造例2]
製造例1で得られたY23微粒子15gと1−メトキシ−2−プロパノール352gとを混合し、この混合液に、分散剤としてアセチルアセトン1.5gおよび難水溶性トリオール系分散剤(旭電化社製アデカカーポールGL−100)1.5gを、バインダーとしてイットリウムトリアセチルアセトン5gを添加して1時間超音波処理を施し、均一なY23スラリーを得た。このスラリーを、直径50μmの酸化ジルコニウム製ビーズ400gを入れたビーズミル(コトブキ技研社製UAM−015)で6時間処理し、4質量%のY23スラリーを得た。このスラリーの分散粒度分布を粒度分布計(日機装社製Nano
trac UPA−EX150)で測定した結果、体積平均粒径18nm、最大粒径102nmであった。
製造例2で得られた4質量%のY23スラリーをY23濃度が1質量%となるように、1−メトキシ−2−プロパノールで希釈し、Al製基材(寸法:幅50mm×長さ50mm×厚さ5mm)に、図2に示すようなエアスプレー装置を用いて噴霧し、空気雰囲気下、25℃で5分間乾燥して1−メトキシ−2−プロパノールを揮発させた。このAl基材を空気雰囲気下、300℃で1時間焼成処理してAl基材表面にY23皮膜を形成した。一回の皮膜形成厚さを200nmとし、この工程を5回繰り返すことによってY23皮膜の厚さが1μmの試験片(1−1)を得た。また、一回の皮膜形成厚さを1μmとし、この工程を10回繰り返すことによってY23皮膜の厚さが10μmの試験片(1−2)を得た。さらに、一回の皮膜形成厚さを2μmとし、この工程を25回繰り返すことによってY23皮膜の厚さが50μmの試験片(1−3)を得た。膜厚は電界放出型走査型電子顕微鏡によって測定した。
また、Al製基材の代わりにAl23製基材(寸法:幅50mm×長さ50mm×厚さ5mm)を用いた以外は上記と同様にして、Y23皮膜の厚さがそれぞれ1μm、10μmおよび50μmの試験片(1−4)、(1−5)および(1−6)を作製した。
さらに、上記と同様にして、Y23皮膜の厚さが200nmの構造確認用試験片(基材:Al23)を作製し、電子顕微鏡観察を行った。このY23皮膜の電子顕微鏡写真を図3に示す。一次粒径が約20nmのY23微粒子の凝集体からなる緻密な皮膜が形成されたことを確認した。
次に、上記試験片(1−1)〜(1−6)および構造確認用試験片を常圧気相流通式の反応炉に導入し、反応炉にF2ガスとN2ガスとの混合ガス(F2:N2=80:20(体積比))を充填した。反応炉を300℃に加熱して12時間保持し、Y23皮膜をフッ化処理した。フッ化処理後の構造確認用試験片の電子顕微鏡写真を図4に示す。図3と比較すると粒子間の隙間が不明瞭になっていることがわかる。このことから、フッ化処理によりY23微粒子の体積が膨張し、微粒子間の隙間が少なくなり気孔率が減少し、より緻密な膜が形成されたことがわかる。
また、皮膜の厚さが約1μmである試験片(1−1)の深さ方向の組成分布をXPS(X線光電子分光法:島津製作所製 ESCA−1000)によって測定した。結果を図5に示す。図中の横軸は皮膜表面からの距離(深さ)である。XPS装置で、Arスパッタリングを行ったところ、Alの検出が急激に増加するArスパッタリング時間が120minであったことから、スパッタリングレートを約8nm/minと計算し、膜厚に換算した。皮膜表面からの深さが0.8μmを超えると、Fの検出が減少し、Y23に由来するOの検出が増加したことから、皮膜表面から膜厚の80%以上までの部分がフッ化されていることがわかる。
次に、この皮膜(厚さが約1μm)の結晶構造をXRD(X線回折法)によって測定した。結果を図6に示す。膜厚が1μmであるため、基材のAlのピークも観測されるが、皮膜の結晶構造はYF3の斜方晶系であることが確認され、XPSの結果を支持している
[製造例3]
原料溶液(2)としてセリウムトリジピバロイルメタン300gおよびアセトン700gの混合溶液を使用し、この混合溶液および空気の加熱温度を230℃に変更した以外は
、製造例1と同様の方法でCeO2微粒子を作製した。このCeO2微粒子を電子顕微鏡観察した結果、一次粒径は約20nmであった。
[製造例4]
製造例3で得られたCeO2微粒子15gと1−メトキシ−2−プロパノール357g
を混合し、この混合液に、分散剤としてアセチルアセトン1.5gおよび難水溶性トリオール系分散剤(旭電化社製アデカカーポールGL−100)1.5gを添加して1時間超音波処理を施し、均一なCeO2スラリーを得た。このスラリーを製造例2と同様の方法
でビーズミルにより処理し、4質量%のCeO2スラリーを得た。このスラリーの分散粒
度分布を粒度分布計で測定した結果、体積平均粒径21nm、最大粒径122nmであった。
23スラリーの代わりに、製造例4で得られた4質量%のCeO2スラリーを使用し
、基材としてAl製基材(寸法:幅50mm×長さ50mm×厚さ5mm)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でCeO2皮膜の厚さがそれぞれ1μm、10μmおよび5
0μmの試験片(2−1)、(2−2)および(2−3)を作製した。
その後、上記試験片(2−1)〜(2−3)のCeO2皮膜を、実施例1と同様の方法
でフッ化処理した。
基材表面に大気プラズマ溶射法によりY23溶射膜を形成した。まず、平均粒径が約10μmのY23粉末をプラズマジェットに導入、加熱して溶融液滴を形成し、これを高速でAl製基材(寸法:幅50mm×長さ50mm×厚さ5mm)に吹き付けてY23溶射膜を形成し、Y23溶射膜の厚さがそれぞれ50μm、100μmおよび300μmの試験片(3−1)、(3−2)および(3−3)を作製した。なお、プラズマ溶射条件は、供給電流850A、プラズマ供給ガス流量85L/min、Y23粉末送り量5g/minおよび溶射距離100mmに設定した。
その後、上記試験片(3−1)〜(3−3)のY23溶射膜を、実施例1と同様の方法でフッ化処理した。
[比較例1]
基材表面に大気プラズマ溶射法によりYF3溶射膜を形成した。まず、平均粒径が約1
0μmのYF3粉末をプラズマジェットに導入、加熱して溶融液滴を形成し、これを高速
でAl製基材(寸法:幅50mm×長さ50mm×厚さ5mm)に吹き付けてYF3溶射
膜を形成し、YF3溶射膜の厚さがそれぞれ50μm、100μmおよび300μmの試
験片(a−1)、(a−2)および(a−3)を作製した。なお、プラズマ溶射条件は、供給電流850A、プラズマ供給ガス流量85L/min、YF3粉末送り量5g/min
および溶射距離100mmに設定した。
[耐プラズマ腐食性評価]
実施例1〜3および比較例1で作製した試験片について、希土類フッ化物皮膜表面が10mm×10mmの大きさで露出するように他の部分をマスクした後、プラズマエッチング装置のチャンバー内に設置し、下記条件にてプラズマエッチング処理を行い、プラズマエロージョンによる重量減少を測定してエッチングレート(nm/hr)を求めた。結果を表1に示す。
(1)ガス流量:NF3/Ar=100:900(単位:cm3/分)
(2)圧力:4Pa
(3)高周波電力:800W
(4)高周波バイアス:60W
(5)処理時間:1hr
また、実施例1〜3および比較例1で作製した試験片を、プラズマエッチング装置のチャンバー内に設置し、下記条件にてプラズマエッチング処理を行い、同じチャンバー内に静置した直径8インチのシリコンウエハーの表面に付着したパーティクル数を測定し、一般的なチャンバー内の管理限界値30個を超えるまでに要した時間を比較した。パーティクル数は、レーザー光の散乱を利用してパーティクル数をカウントする表面検査装置を使用し、粒径0.2μm以上のパーティクルについて測定した。結果を表1に示す。
(1)ガス流量:NF3/Ar/O2=100/200/80(単位:cm3/分)
(2)圧力:3.5Pa
(3)高周波電力:800W
実施例3の溶射法により形成したY23皮膜をフッ化処理して得られたYF3皮膜は、
比較例1のYF3粉末を用いたYF3溶射膜に比べて、エッチングレートが小さく、パーティクル数が30個を超えるまでに要した時間が長くなった。このことから、希土類酸化物のフッ化処理により耐プラズマ腐食性が向上することがわかる。
また、実施例1のY23スラリーを用いてエアスプレー法で作製したY23皮膜をフッ化処理して得られたYF3皮膜は、比較例1のYF3溶射膜に比べて、膜厚が薄いにも拘わらず、耐プラズマ腐食性が向上していることがわかる。さらに、実施例3のYF3皮膜に
比べて、より耐プラズマ腐食性に優れていることがわかる。
また、実施例2のCeF3皮膜も実施例1のYF3皮膜と同様に高い耐プラズマ腐食性が得られた。
表面に本発明の耐食性皮膜が形成された基材は、耐食性部材として使用することができ、たとえば、半導体や液晶デバイスの製造装置として用いられるプラズマエッチング装置やプラズマCVD装置などのプラズマ処理装置に適用が可能である。
図1は、微粒子製造装置の模式図である。 図2は、エアスプレー装置の模式図である。 図3は、実施例1のY23皮膜(基材:Al22)の電子顕微鏡写真である。 図4は、実施例1のYF3皮膜(基材:Al22)の電子顕微鏡写真である。 図5は、XPSにより測定された、実施例1のYF3皮膜(基材:Al)の深さ方向の組成分布を示すグラフである。 図6は、実施例1のYF3皮膜(基材:Al)のXRD測定結果を示すグラフである。
符号の説明
1 酸化性物質
2 原料溶液
3 マスフローコントローラー
4 定量ポンプ
5 予熱器
6 気化器
7 管状電気炉
8 捕集器
11 圧縮空気
12 圧力調整弁
13 スプレーボトル(スラリー)
14 スプレーノズル
15 基材

Claims (21)

  1. 基材上に形成された希土類元素の酸化物皮膜をフッ化処理して得られた希土類元素のフッ化物皮膜を有することを特徴とする耐食性皮膜。
  2. 前記フッ化処理がフッ素系ガスと反応させる処理であることを特徴とする請求項1に記載の耐食性皮膜。
  3. 前記フッ素系ガスが、フッ素ガス、三フッ化塩素ガスおよびフッ化窒素ガスからなる群より選択される少なくとも一種のガスであることを特徴とする請求項2に記載の耐食性皮膜。
  4. 前記希土類元素の酸化物皮膜が、溶射法によって形成された皮膜であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐食性皮膜。
  5. 前記希土類元素の酸化物皮膜が、体積平均粒径が10nm〜300nmである希土類元素の酸化物微粒子の凝集体からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐食性皮膜。
  6. 前記希土類元素の酸化物皮膜が、分散時の体積平均粒径が10nm〜300nmである希土類元素酸化物の微粒子を含有するスラリーを塗布して形成された皮膜であることを特徴とする請求項1〜3および5のいずれかに記載の耐食性皮膜。
  7. 前記スラリーが、β−ジケトン類の金属錯体を気相酸化して製造された希土類元素の酸化物微粒子を分散媒に分散させて得られたスラリーであることを特徴とする請求項6に記載の耐食性皮膜。
  8. 前記希土類元素のフッ化物皮膜が、二種類以上の異なる希土類元素のフッ化物の混合皮膜、または二種類以上の異なる希土類元素が互いに固溶した複合フッ化物の皮膜であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の耐食性皮膜。
  9. 前記希土類元素がY(イットリウム)、Ce(セリウム)およびLa(ランタン)からなる群より選択される少なくとも一種の元素であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の耐食性皮膜。
  10. 基材上に形成された希土類元素の酸化物皮膜をフッ化処理することを特徴とする耐食性皮膜の製造方法。
  11. 前記希土類元素の酸化物皮膜をフッ素系ガスと反応させることを特徴とする請求項10に記載の耐食性皮膜の製造方法。
  12. 前記フッ素系ガスが、フッ素ガス、三フッ化塩素ガスおよびフッ化窒素ガスからなる群より選択される少なくとも一種のガスであることを特徴とする請求項11に記載の耐食性皮膜の製造方法。
  13. 前記希土類元素の酸化物皮膜を溶射法によって形成することを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の耐食性皮膜の製造方法。
  14. 前記希土類元素の酸化物皮膜が、体積平均粒径が10nm〜300nmである希土類元素の酸化物微粒子の凝集体からなることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載
    の耐食性皮膜の製造方法。
  15. 前記希土類元素の酸化物皮膜を、分散時の体積平均粒径が10nm〜300nmである希土類元素の酸化物のスラリーを塗布して形成することを特徴とする請求項10〜12および14のいずれかに記載の耐食性皮膜の製造方法。
  16. 前記スラリーを、β−ジケトン類の金属錯体を気相酸化して製造された希土類元素の酸化物微粒子を分散媒に分散させて得ることを特徴とする請求項15に記載の耐食性皮膜の製造方法。
  17. 前記希土類元素のフッ化物皮膜が、二種類以上の異なる希土類元素のフッ化物の混合皮膜、または二種類以上の異なる希土類元素が互いに固溶した複合フッ化物の皮膜であることを特徴とする請求項10〜16のいずれかに記載の耐食性皮膜の製造方法。
  18. 前記希土類元素がY(イットリウム)、Ce(セリウム)およびLa(ランタン)からなる群より選択される少なくとも一種の元素であることを特徴とする請求項10〜17のいずれかに記載の耐食性皮膜の製造方法。
  19. 基材を請求項1〜9のいずれかに記載の耐食性皮膜で被覆した耐食性部材。
  20. 請求項19に記載の耐食性部材を備えたプラズマ処理装置。
  21. 希土類元素の酸化物を含む層と希土類元素のフッ化物を含む層とを有する耐食性被膜。
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