JP2012025633A - 金属酸化物微粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学材料、導電材料、磁性体、絶縁材料、強誘電体、蛍光体、触媒、磁石、電池などに利用できる金属酸化物微粒子を効率よく、かつ簡便に製造できる金属酸化物微粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】金属化合物溶液を酸化性物質の存在下に噴霧し、気相中で燃焼させる工程A、及び冷却工程Bを含む金属酸化物微粒子の製造方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属酸化物微粒子の製造方法に関する。
従来から金属酸化物の微粒子は、光学材料、導電材料、磁性体、絶縁材料、強誘電体、蛍光体、触媒、磁石、電池などに利用されており、特にナノ粒子と称される超微粒子は、通常の微粉末とは異なった特性を有し、透明性、触媒特性、磁気特性、発光強度、研磨性などが飛躍的に高められるため、光学材料、触媒材料、発光体材料などの様々な分野での応用が期待されている。
金属酸化物微粒子の製法としては、固相法(機械的粉砕法)、気相法、液相法が一般に知られている。しかし、機械的粉砕法で粒子径1μm以下の微粒子を効率良く製造することは困難であり、また、粉砕時に不純物が混入する可能性も高い。
また、気相法の一般的な方法として金属ハロゲン化物と酸化性ガスを用いる化学気相析出法(CVD法)が知られているが、微粒子にハロゲン化物が混入するため微粒子の性能が悪化する(特許文献1)。更に液相法として共沈法などが挙げられるが、生成したナノ粒子が加熱工程で成長してしまうという問題がある。
このように従来から知られている金属酸化物微粒子の製法では、通常、安定的に金属酸化物のナノ粒子を製造することは困難であることから、効率的で簡便な製法の提供が望まれていた。
特許第1033945号
本発明は、前記課題を解決し、光学材料、導電材料、磁性体、絶縁材料、強誘電体、蛍光体、触媒、磁石、電池などに利用できる金属酸化物微粒子を効率よく、かつ簡便に製造できる金属酸化物微粒子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、金属化合物溶液を酸化性物質の存在下に噴霧し、気相中で燃焼させる工程A、及び冷却工程Bを含む金属酸化物微粒子の製造方法に関する。
上記工程Aは、プラズマ発生装置、燃焼バーナ、高周波加熱装置、赤外線加熱装置、電気ヒータ及び熱媒加熱装置から選択される少なくとも1つの加熱手段と、冷却用液体噴霧装置、冷却用ガス吹付け装置及び冷媒冷却装置から選択される少なくとも1つの冷却手段とを有する装置で行われることが好ましい。また、上記酸化性物質は、不活性ガスと酸素との混合ガス、酸素、水及び亜酸化窒素からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
上記金属化合物溶液は、有機金属化合物溶液であることが好ましい。ここで、上記有機金属化合物溶液における有機金属化合物は、少なくとも金属、炭素及び水素原子を含むものであることが好ましい。
また、上記有機金属化合物溶液における有機金属化合物は、金属アルコキシドが好ましい。ここで、上記金属アルコキシドは、金属のメトキシド、エトキシド、n−プロポキシド、i−プロポキシド、n−ブトキシド、sec−ブトキシド、tert−ブトキシド又はt−アミロキシドが好ましい。
上記工程Aの燃焼温度は、400℃以上が好ましい。
また、上記製造方法は、BET換算粒径100nm以下の金属酸化物微粒子を製造する方法であることが好ましい。
上記製造方法は、光学材料用金属酸化物微粒子を製造する方法であることが好ましい。ここで、上記光学材料用金属酸化物微粒子は、SiO、TiO、ZrO、Nb、Ta、SnO、ZnO、CaO、Sc、Bi、ReO、OsO、CeO、Pr11、Sm、Dy、Er、Tm又はLuであることが好ましい。
上記製造方法は、導電材料用金属酸化物微粒子を製造する方法であることが好ましい。ここで、上記導電材料用金属酸化物微粒子は、ZnO、RuO、Rh、In、SnO、IrO、Al、Nb、CaO、Sc、Bi、ReO、OsO、CeO、Pr11、Sm、Dy、Er、Tm又はLuであることが好ましい。
上記製造方法は、磁性体用金属酸化物微粒子を製造する方法であることが好ましい。ここで、上記磁性体用金属酸化物微粒子は、Cr、MnO、Fe、Fe、Co、NiO、CuO、Y、HfO又はHoであることが好ましい。
上記製造方法は、絶縁材料用金属酸化物微粒子を製造する方法であることが好ましい。ここで、上記絶縁材料用金属酸化物微粒子は、MgO又はAlであることが好ましい。
また上記製造方法は、強誘電体用金属酸化物微粒子を製造する方法であることが好ましい。ここで、上記強誘電体用金属酸化物微粒子は、Ndであることが好ましい。
上記製造方法は、蛍光体用金属酸化物微粒子を製造する方法であることが好ましい。ここで、上記蛍光体用金属酸化物微粒子は、La、Eu、Gd、Tb又はYbであることが好ましい。
上記製造方法は、触媒用金属酸化物微粒子を製造する方法であることが好ましい。ここで、上記触媒用金属酸化物微粒子は、WO又はSbであることが好ましい。
上記製造方法は、磁石用金属酸化物微粒子を製造する方法であることが好ましい。ここで、上記磁石用金属酸化物微粒子は、SrO又はBaOであることが好ましい。
上記製造方法は、電池用金属酸化物微粒子を製造する方法であることが好ましい。ここで、上記電池用金属酸化物微粒子は、LiOであることが好ましい。
本発明の製造方法によれば、種々の用途に適用できる金属酸化物微粒子を効率よく、かつ簡便に製造することが可能となる。
本発明の金属酸化物微粒子の製造方法は、金属化合物溶液を酸化性物質の存在下に噴霧し、気相中で燃焼させる工程A、及び冷却工程Bを含む。工程A及びBを順次経ることにより、金属酸化物のナノ粒子を好適に製造できる。
(工程A)
工程Aの金属化合物溶液において、金属化合物としては有機金属化合物、無機金属化合物が挙げられる。上記金属化合物における金属としては、Li,Mg,Al,Si,Ca,Ti,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Sr,Y,Zr,In,Sn,Ba,La,Bi,Ce,Pr,Sm,Na,K,Sc,V,Cr,Nb,Mo,Tc,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Au,Pb,Nd,Pm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luなどの各元素が挙げられる。
上記有機金属化合物としては、少なくとも金属、炭素及び水素原子を含む化合物を使用でき、例えば、金属アルコキシド(金属のメトキシド、エトキシド、n−プロポキシド、i−プロポキシド、n−ブトキシド、sec−ブトキシド、tert−ブトキシド、t−アミロキシドなど)が挙げられる。具体的には、テトラエトキシチタン、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−t−ブトキシジルコニウム、テトラ−t−ブトキシハフニウム、ペンタエトキシタンタル、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリ−i−プロポキシアルミニウム、トリエトキシホウ素、ジt−ブトキシ錫などが挙げられる。なお、金属アルコキシドを使用する場合、金属アルコキシドが容易に加水分解する場合があるので、金属アルコキシドを有機溶媒の溶液として安定化させて使用することが好ましい。
上記有機金属化合物としては、2−エチルヘキサン酸アルミニウム、2−エチルヘキサン酸バリウム、2−エチルヘキサン酸カルシウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸マンガン、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム、2‐エチルヘキサン酸亜鉛、2‐エチルヘキサン酸イットリウム、2−エチルヘキサン酸セリウム、2−エチルヘキサン酸ユーロピウム、2−エチルヘキサン酸ガドリニウム、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、エチルアセトアセテートアルミニウムジノルマルブチレート、アルミニウムモノ−n−ブトキシジエチルアセト酢酸エステル、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリジメチルシロキサンなども挙げられる。また、トリメチルアルミニウム、トリメチルインジウム、トリメチルガリウムなどのアルキル金属化合物(アルキル部が炭素数1〜10のアルキル基など)も挙げられる。
上記有機金属化合物としてはβ−ジケトン金属錯体も使用でき、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオン(DPM・H)、2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオン(DMHD・H)又は2,4−ペンタンジオン(acac・H)の金属錯体を好適に使用できる。具体的には、Ba(DPM)、Sr(DPM)、Mg(DPM)、Y(DPM)、La(DPM)、Pr(DPM)、Eu(DPM)、Gd(DPM)、Tb(DPM)、Dy(DPM)、Tm(DPM)、Ti(DPM)(iPrO)、Zr(DPM)、Hf(DPM)、Fe(DPM)、Ru(DPM)、Cu(DPM)、Al(DPM)、In(DPM)、Sn(DPM)、Pb(DPM)、Bi(DPM)、Mn(DPM)、Zn(DPM)、Ba(DMHD)、Sr(DMHD)、Mg(DMHD)、Y(DMHD)、La(DMHD)、Pr(DMHD)、Eu(DMHD)、Gd(DMHD)、Tb(DMHD)、Dy(DMHD)、Tm(DMHD)、Ti(DMHD)(iPrO)、Zr(DMHD)、Hf(DMHD)、Fe(DMHD)、Ru(DMHD)、Cu(DMHD)、Al(DMHD)、In(DMHD)、Sn(DMHD)、Pb(DMHD)、Bi(DMHD)、Mn(DMHD)、Zn(DMHD)、Sr(acac)、Ba(acac)、Mg(acac)、Y(acac)、La(acac)、Pr(acac)、Eu(acac)、Gd(acac)、Tb(acac)、Dy(acac)、Tm(acac)、Ti(acac)、Zr(acac)、Hf(acac)、Fe(acac)、Ru(acac)、Cu(acac)、Al(acac)、In(acac)、Sn(acac)、Pb(acac)、Bi(acac)、Mn(acac)、Zn(acac)、及びこれらのn水塩(nは1以上の数)も挙げられる。
一方、上記無機金属化合物としては、硝酸アルミニウム、硝酸バリウム、硝酸ユーロピウム、硝酸ガドリニウム、硝酸マグネシウム、硝酸イットリウムなどの硝酸塩などが挙げられる。なお、上記金属化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記金属化合物溶液の溶媒(希釈溶剤)としては、ミネラルスピリット、ミネラルシンナー、ペトロリウムスピリット、ホワイトスピリット、ミネラルターペン、灯油(ケロシン)、n−ヘキサン、ヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、シクロヘキサン、イソヘプタン、エタノール、メタノール、1−プロパノール、酢酸、1−ペンタノール、吉草酸、トルエン、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール、ベンゼン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキサイド、ジメチルホルムアミド、メチルシクロヘキサン、ジオキサン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルイソブチリルケトン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、アセチルアセトン、ジイソブチリルメタン、ジピバロイルメタン、オクチル酸、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、溶液の濃度は特に限定されない。
工程Aで用いられる酸化性物質としては、金属化合物を燃焼(酸化)する性質を持つものであれば特に限定されず、酸素、酸素と他の気体(例えば、窒素、アルゴンなど不活性ガスと酸素を任意の割合で混合した混合ガス)、空気、水、亜酸化窒素などが挙げられる。これらの酸化性物質は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
工程Aにおいて、噴霧方法(スプレー方法)としては、二流体ノズル、超音波ノズル、ピエゾ式ノズル、サーマルヘッド式ノズル、静電噴霧ノズルなど、従来公知のものが利用できる。噴霧の条件は特に制限はなく、目的に応じてその噴霧量、噴霧する霧粒子の大きさ、噴霧時間などを適宜選択でき、ノズル種(口径d・孔数・パターン)、入力圧力(リキッド・エアー)なども適宜選択できる。
工程Aにおける気相中の燃焼反応(酸化反応)では、金属化合物溶液を高温雰囲気の反応空間に噴出し気化させるとともに、該反応空間に噴出した酸化性物質により、該金属化合物が燃焼する(酸化される)。反応条件は、金属化合物の酸化(燃焼)が進行する範囲であれば特に制限はない。また、金属化合物溶液と酸化性物質は燃焼前に混合してもよいし、金属化合物溶液を該化合物の分解温度以上に加熱した後に酸化性物質中に放出して、酸化性物質と混合しながら燃焼してもよい。
金属化合物と酸化性物質の混合は、完全混合状態になるような条件で混合するのが望ましい。混合が不十分であると、得られる金属酸化物微粒子の組成が不均一になるおそれがある。また、混合が不十分で金属化合物が完全に燃焼(酸化)しない場合は、未反応物の残存や反応時間の長時間化による微粒子の融着などにより、品質や粒径が安定せず、粒子径も大きくなるおそれがある。
高温雰囲気の反応空間を作り出す熱源(加熱手段)として、プラズマ発生装置を好適に使用でき、例えば、放電用のガス(アルゴンガス、及びこれとヘリウムガス、水素ガス、窒素ガスの混合ガスなど)が供給される装置を使用できる。供給するガスの組成の変更により、プラズマの温度をコントロールできる。また、他に燃焼バーナ、高周波加熱装置、赤外線加熱装置、電気ヒータ、熱媒加熱装置なども加熱手段として使用でき、燃焼反応を進行させることができる。
(工程B)
続いて、工程Aにより生成した微粒子に対し、冷却工程が行われる。冷却工程は公知の間接冷却手段、直接冷却手段などの冷却手段により実施できる。上記間接冷却手段としては、冷媒(水など)用のジャケットを配置して反応容器外部から冷却する冷媒冷却装置、上記直接冷却手段としては、冷却用のガス(酸素ガスなど)を反応容器の内部に吹き込む冷却用ガス吹付け装置、液体(水など)を反応容器の内部に噴霧する冷却用液体噴霧装置が挙げられる。
上記製造方法により得られる金属酸化物微粒子のBET換算粒径は、好ましくは100nm以下、より好ましくは5〜90nm、更に好ましくは5〜50nmである。BET換算粒径100nm以下の金属酸化物微粒子は、各種用途に適用した場合に、透明性、発光強度、触媒活性、研磨性などが特に優れている。なお、本発明では、金属酸化物微粒子のBET換算粒径は、日本ベル社製比表面積測定装置BELSORP miniIIによって測定される。
上記金属酸化物微粒子の製造方法として、具体的には瞬間気相生成法(Flash Creation Method(FCM))を用いた方法が挙げられる。FCMは、プラズマなどの高エネルギー化で気化した原料(金属化合物溶液)と冷却ガスを含む反応ガスとを高温雰囲気の反応空間に流入させ、熱処理により、燃焼反応(酸化反応)を進行させ、粒子を生成させるとともに、生成粒子を瞬間的に冷却して微粒子(ナノ粒子)を製造する方法である。
瞬間気相生成法による金属酸化物微粒子の製造は、例えば、ホソカワミクロン社製のFCM装置(FCM−MINIなど)を用いて実施できる。具体的には、FCM装置を用いて、金属化合物の溶液と酸化性物質との混合物を、管状電気炉等の燃焼装置に定量的に供給(スプレー法など)し、該混合物が燃焼装置内で加熱され、気体状となり、該気体状の混合物が燃焼すること、などにより金属酸化物微粒子が生成する。生成した金属酸化物微粒子は、捕集器などで捕集される。FCM装置としては、特開2005−218937号公報、特開2008−208195号公報に記載されているものなどが挙げられる。
本発明により得られる金属酸化物微粒子は各種用途に使用でき、SiO、TiO、ZrO、Nb、Ta、SnO、ZnO、CaO、Sc、Bi、ReO、OsO、CeO、Pr11、Sm、Dy、Er、Tm、Luなどは光学材料として好適である。また、ZnO、RuO、Rh、In、SnO、IrO、Al、Nb、CaO、Sc、Bi、ReO、OsO、CeO、Pr11、Sm、Dy、Er、Tm、Luなどは導電材料として、Cr、MnO、Fe、Fe、Co、NiO、CuO、Y、HfO、Hoなどは磁性体として、MgO、Alなどは絶縁材料として、Ndなどは強誘電体として、La、Eu、Gd、Tb、Ybなどは蛍光体として好適である。更に、WO、Sbなどは触媒として、SrO、BaOなどは磁石として、LiOなどは電池として好適である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、以下の実施例では、ホソカワミクロン社製のFCM−MINIを用いて金属酸化物微粒子を作製した。また、BET換算粒径は、日本ベル社製比表面積測定装置BELSORP mini IIを用いて測定したBET比表面積から算出した値である。
(実施例1)
78質量%2−エチルヘキサン酸ジルコニウムミネラルスピリット溶液20gを、更にミネラルスピリット40gで希釈し、金属濃度を6.0質量%とした溶液を3.0g/分の速度で送液し、9.0L/分の酸素で約2,000℃のバーナ炎中に噴霧した。約1,300秒間燃焼反応(酸化反応)させ、瞬間的に冷却し、収率約90質量%の酸化ジルコニウムを得た。BET換算粒径(一次粒径)は約12nmであった。
(実施例2)
タンタル−n−ブトキシド15gを65gのミネラルスピリットで希釈し、金属濃度を6.2質量%とした溶液を2.6g/分の速度で送液し、9.0L/分の酸素で約2,000℃のバーナ炎中に噴霧した。約1,440秒間燃焼反応(酸化反応)させ、瞬間的に冷却し、収率約85質量%の五酸化タンタルを得た。BET換算粒径(一次粒径)は約10nmであった。
(実施例3)
ニオブエトキシド8.5gを31.5gのミネラルスピリットで希釈し、金属濃度を6.2質量%とした溶液を2.6g/分の速度で送液し、9.0L/分の酸素で約2,000℃のバーナ炎中に噴霧した。約700秒間燃焼反応(酸化反応)させ、瞬間的に冷却し、収率約80質量%の五酸化ニオブを得た。BET換算粒径(一次粒径)は約14nmであった。
(実施例4)
チタンテトラ−2−エチルヘキソキシド60gを15gの2−エチルヘキサン酸で希釈し、金属濃度を6.2質量%とした溶液を2.5g/分の速度で送液し、9.5L/分の酸素で約2,000℃のバーナ炎中に噴霧した。約1,000秒間燃焼反応(酸化反応)させ、瞬間的に冷却し、収率約95質量%の酸化チタンを得た。BET換算粒径(一次粒径)は約18nmであった。
(実施例5)
2−エチルヘキシル酸第一錫8gを50gのミネラルスピリットで希釈し、金属濃度を3.8質量%とした溶液を2.8g/分の速度で送液し、9.0L/分の酸素で約2,000℃のバーナ炎中に噴霧した。約1,000秒間燃焼反応(酸化反応)させ、瞬間的に冷却し、収率約88質量%の酸化錫を得た。BET換算粒径(一次粒径)は約9nmであった。
各実施例で作製した金属酸化物微粒子(酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、酸化チタン、酸化錫)は、光学材料、導電材料、強誘電体などの用途への応用が期待できるものであった。

Claims (27)

  1. 金属化合物溶液を酸化性物質の存在下に噴霧し、気相中で燃焼させる工程A、及び冷却工程Bを含む金属酸化物微粒子の製造方法。
  2. 前記工程Aは、プラズマ発生装置、燃焼バーナ、高周波加熱装置、赤外線加熱装置、電気ヒータ及び熱媒加熱装置から選択される少なくとも1つの加熱手段と、冷却用液体噴霧装置、冷却用ガス吹付け装置及び冷媒冷却装置から選択される少なくとも1つの冷却手段とを有する装置で行われる請求項1記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  3. 前記酸化性物質が不活性ガスと酸素との混合ガス、酸素、水及び亜酸化窒素からなる群より選択される少なくとも1つである請求項1又は2記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  4. 前記金属化合物溶液が有機金属化合物溶液である請求項1〜3のいずれかに記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  5. 前記有機金属化合物溶液における有機金属化合物が少なくとも金属、炭素及び水素原子を含むものである請求項4記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  6. 前記有機金属化合物溶液における有機金属化合物が金属アルコキシドである請求項4記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  7. 前記金属アルコキシドが金属のメトキシド、エトキシド、n−プロポキシド、i−プロポキシド、n−ブトキシド、sec−ブトキシド、tert−ブトキシド又はt−アミロキシドである請求項6記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  8. 前記工程Aの燃焼温度が400℃以上である請求項1〜7のいずれかに記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  9. BET換算粒径100nm以下の金属酸化物微粒子を製造する請求項1〜8のいずれかに記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  10. 光学材料用金属酸化物微粒子を製造する請求項1〜9のいずれかに記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  11. 前記光学材料用金属酸化物微粒子がSiO、TiO、ZrO、Nb、Ta、SnO、ZnO、CaO、Sc、Bi、ReO、OsO、CeO、Pr11、Sm、Dy、Er、Tm又はLuである請求項10記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  12. 導電材料用金属酸化物微粒子を製造する請求項1〜9のいずれか記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  13. 前記導電材料用金属酸化物微粒子がZnO、RuO、Rh、In、SnO、IrO、Al、Nb、CaO、Sc、Bi、ReO、OsO、CeO、Pr11、Sm、Dy、Er、Tm又はLuである請求項12記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  14. 磁性体用金属酸化物微粒子を製造する請求項1〜9のいずれか記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  15. 前記磁性体用金属酸化物微粒子がCr、MnO、Fe、Fe、Co、NiO、CuO、Y、HfO又はHoである請求項14記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  16. 絶縁材料用金属酸化物微粒子を製造する請求項1〜9のいずれかに記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  17. 前記絶縁材料用金属酸化物微粒子がMgO又はAlである請求項16記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  18. 強誘電体用金属酸化物微粒子を製造する請求項1〜9のいずれかに記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  19. 前記強誘電体用金属酸化物微粒子がNdである請求項18記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  20. 蛍光体用金属酸化物微粒子を製造する請求項1〜9のいずれかに記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  21. 前記蛍光体用金属酸化物微粒子がLa、Eu、Gd、Tb又はYbである請求項20記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  22. 触媒用金属酸化物微粒子を製造する請求項1〜9のいずれかに記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  23. 前記触媒用金属酸化物微粒子がWO又はSbである請求項22記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  24. 磁石用金属酸化物微粒子を製造する請求項1〜9のいずれかに記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  25. 前記磁石用金属酸化物微粒子がSrO又はBaOである請求項24記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  26. 電池用金属酸化物微粒子を製造する請求項1〜9のいずれかに記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
  27. 前記電池用金属酸化物微粒子がLiOである請求項26記載の金属酸化物微粒子の製造方法。
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