JPWO2010047177A1 - 金属酸化物薄膜の製造方法 - Google Patents

金属酸化物薄膜の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2010047177A1
JPWO2010047177A1 JP2010534749A JP2010534749A JPWO2010047177A1 JP WO2010047177 A1 JPWO2010047177 A1 JP WO2010047177A1 JP 2010534749 A JP2010534749 A JP 2010534749A JP 2010534749 A JP2010534749 A JP 2010534749A JP WO2010047177 A1 JPWO2010047177 A1 JP WO2010047177A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal oxide
metal
thin film
solution
raw material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010534749A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5697085B2 (ja
Inventor
哲男 土屋
哲男 土屋
智彦 中島
智彦 中島
俊弥 熊谷
俊弥 熊谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2010534749A priority Critical patent/JP5697085B2/ja
Publication of JPWO2010047177A1 publication Critical patent/JPWO2010047177A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5697085B2 publication Critical patent/JP5697085B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
    • C01G23/00Compounds of titanium
    • C01G23/003Titanates
    • C01G23/006Alkaline earth titanates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
    • C01G23/00Compounds of titanium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B13/00Oxygen; Ozone; Oxides or hydroxides in general
    • C01B13/14Methods for preparing oxides or hydroxides in general
    • C01B13/32Methods for preparing oxides or hydroxides in general by oxidation or hydrolysis of elements or compounds in the liquid or solid state or in non-aqueous solution, e.g. sol-gel process
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
    • C01G1/00Methods of preparing compounds of metals not covered by subclasses C01B, C01C, C01D, or C01F, in general
    • C01G1/02Oxides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
    • C01G31/00Compounds of vanadium
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/10Apparatus or processes specially adapted to the manufacture of electroluminescent light sources

Landscapes

  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Geology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Chemically Coating (AREA)

Abstract

【課題】金属有機化合物を用いた薄膜製造工程より得られる金属酸化物膜の製造法において、金属酸化物ナノ粒子溶液及び金属酸化物ナノ粒子を含む金属有機化合物溶液を用いて加熱、紫外線照射やプラズマを照射することにより、有機材料基板やガラス基板に、Y2O3:EuやCaTiO3:Prなどの蛍光体薄膜を効率的に直接製造する方法を提供することを課題とする。【解決手段】化学溶液法を用いて金属酸化物薄膜を製造する方法において、支持体に予め金属酸化物ナノ粒子溶液を塗布した後、焼成又はレーザ照射により金属酸化物薄膜を形成し、さらにこの金属酸化物薄膜上に、金属を含有する先駆体溶液を塗布し、これを(1)加熱処理工程、(2)プラズマ照射工程、(3)紫外線照射工程の少なくとも一つ又は複数の工程を同時に用いることにより、金属及び金属酸化物以外の物質を除去し、金属含有金属酸化物薄膜を形成することを特徴とする金属酸化物薄膜の製造方法。

Description

本発明は、有機基板やガラス基板上に、低エネルギーで効率的に金属を含有する金属酸化物薄膜を製造する方法に関する。
金属酸化物は、大気中で安定であり、結晶構造、金属組成及び酸素不定比性の制御により磁性、半導性、誘電性、超電導や光学的性質を示すことから、その薄膜化による高効率デバイスや革新的なデバイスの創製が期待されている。
例えば、半導体と同様に原子価の異なる元素置換や酸素欠損を制御すると導電性の制御が可能でるが、ITOなどの酸化物は可視領域に置いて透明性を示すことから液晶や太陽電池などの応用として現代の情報化社会を支えてきている。
これらの導電体に対し、高い絶縁性と誘電性を示すチタン酸鉛などのペロブスカイト酸化物は、従来、キャバシタやセンサなどに用いられてきたが、薄膜化によりLSIの更なる集積化のための不揮発メモリ開発へ展開している。
また、同様にペロブスカイト類縁構造を持つ材料であっても高温超電導酸化物については、その薄膜化により、次世代のデバイスや源流器、フィルタ応用などの実用化研究が推進されている。このように金属酸化物は、多くの機能を有することから、これまでに種々の薄膜作製法の開発が行われてきた。
種々ある薄膜作製法の中で、化学溶液法は真空装置を用いない点や溶液の組成を厳密に制御できるため、金属酸化物薄膜の低コスト製造プロセスとして期待されている。
化学溶液法は、金属アルコキシドの加水分解反応により得られたゲル膜を焼成する方法と金属有機酸塩や金属アセチルアセトナートなどを先駆体膜として用い、これを熱平衡反応により有機化合物の熱分解と結晶成長を行うMOD(metal organic decomposition)または塗布熱分解法に大別される。
MODや塗布熱分解法は、大気中で安定な有機金属化合物を用いるため、原料溶液の長期安定性に優れる特徴がある反面、金属アルコキシドを用いたゾルゲル法と比べて原料の有機成分の熱分解工程が必要であるため、高温の基板加熱処理を伴う問題がある。
このため現行のシリコンデバイスへの作製ができない問題があった(非特許文献1及び非特許文献2参照)。
このような問題を解決するため、従来、塗布熱分解法として知られているような高温下で熱処理することなく、基板上に金属酸化物を製造する方法であり、金属有機化合物(金属有機酸塩、金属アセチルアセトナート、炭素数6以上の有機基を有する金属アルコキシド)を溶媒に溶解させて溶液状とし、これを基板に塗布した後に、乾燥させ、波長400nm以下のレーザ光を照射することにより基板上に金属酸化物を形成する金属酸化物の製造方法が知られている(特許文献1参照)。
ここでは、金属有機化合物を溶媒に溶解させて溶液状とし、これを基板に塗布した後に、乾燥させ、波長400nm以下のレーザ光、例えば、ArF、KrF、XeCl、XeF、Fから選ばれるエキシマレーザを用いて照射することにより基板上に金属酸化物を形成することを特徴とする金属酸化物の製造方法が記載され、波長400nm以下のレーザ光の照射を、複数段階で行い、最初の段階の照射は金属有機化合物を完全に分解させるに至らない程度の弱い照射で行い、次に酸化物にまで変化させることができる強い照射を行うことも記載されている。
また、金属有機化合物が異なる金属からなる2種以上の化合物であり、得られる金属酸化物が異なる金属からなる複合金属酸化物であって、金属有機酸塩の金属が、鉄、インジウム、錫、ジルコニウム、コバルト、鉄、ニッケル、鉛から成る群から選ばれるものであることも知られている。また、赤外センサーボロメータ薄膜用のLa1−xSrMnO薄膜の低温作製法も知られている(特許文献2参照)。
また、金属有機化合物原料を均一に混合した膜を支持体に塗布後、紫外線を照射する方法により低温でペロブスカイト関連蛍光体酸化物薄膜、SrTIOPr,Al(特許文献3)や200nm以下の紫外線を照射することで結晶化と発光中心イオンのEuをYに固溶したY:Eu蛍光体薄膜などの製造方法が開示されている。(特許文献4)
さらに、基材上に(111)結晶面を有する金属膜上にBa及びTiを含む金属酸化物(BaTiO等)の配向膜の生成が知られている(特許文献5)。
しかしながら、金属有機化合物を用いた薄膜製造工程より得られる金属酸化物膜の製造法では、シリコンやガラス基板上へ高輝度の酸化物蛍光体を作製する方法としては効果的であったが、結晶成長に高強度のレーザ光を照射する必要があるため、有機基板上に直接作製することは困難であることが明らかになった。
水田 進,熊谷俊弥著「有機酸塩塗布熱分解法による超伝導薄膜の合成」、工業材料,35 (454), 78-79 (1987). 水田 進、熊谷俊弥、真部高明著「 塗布熱分解法による超伝導膜の合成」、日本化学会誌, 1997, 11-23 (1997) 特開2001−031417 特開2002−284529 特開2008−044803 特開2008−075073 特開2008―028381
以上から、本発明は、金属有機化合物を用いた薄膜製造工程より得られる金属酸化物膜の製造法において、金属酸化物ナノ粒子溶液及び金属酸化物ナノ粒子を含む金属有機化合物溶液を用いて加熱、紫外線照射やプラズマを照射することにより、有機材料(例えばPET)基板上に、Y:EuやCaTiO:Prなどの蛍光体薄膜を直接製造する方法を提供するものである。
また、ガラス基板上に作製する場合は、金属有機化合物を先駆体として用いた膜にレーザを照射しても蛍光体が生成しないような、従来の低レーザエネルギーを照射して高輝度の蛍光体薄膜を作製できる方法を提供することを課題とする。
上記の課題を達成するために、具体的には次の発明を提供する。
1)化学溶液法を用いて金属酸化物薄膜を製造する方法において、支持体に予め金属酸化物ナノ粒子溶液を塗布した後、焼成又はレーザ照射により金属酸化物薄膜を形成し、さらにこの金属酸化物薄膜上に、金属を含有する先駆体溶液を塗布し、これを(1)加熱処理工程、(2)プラズマ照射工程、(3)紫外線照射工程の少なくとも一つ又は複数の工程を同時に用いることにより、金属及び金属酸化物以外の物質を除去し、金属含有金属酸化物薄膜を形成することを特徴とする金属酸化物薄膜の製造方法。
2)支持体が分解や溶融しない加熱工程または紫外線照射工程により、一の金属組成及び結晶構造をもつ金属酸化物ナノ粒子及びこのナノ粒子と同等の結晶構造を持ち、かつ異種金属組成の金属酸化物ナノ粒子からなる薄膜を支持体上に形成し、さらにこれらの金属酸化物ナノ粒子の薄膜上に、金属を含有する先駆体溶液を塗布し、これを(1)加熱処理工程、(2)プラズマ照射工程、(3)紫外線照射工程の少なくとも一つ又は複数の工程を同時に用いることにより、金属及び金属酸化物以外の物質を除去し、金属含有金属酸化物薄膜を形成することを特徴とする金属酸化物薄膜の製造方法。
3)前記先駆体溶液が、金属酸化物ナノ粒子溶液又は金属有機化合物溶液であることを特徴とする請求項1又は2記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
また、本発明は、次の発明を提供する。
4)化学溶液法を用いて金属酸化物薄膜を製造する方法において、金属酸化物ナノ粒子溶液と金属有機化合物を含有する先駆体溶液を支持体に塗布後、(1)加熱処理工程、(2)プラズマ照射工程、(3)紫外線照射工程の少なくとも一つまたは複数の工程を同時に用いることにより有機物を除去し、金属を含有する金属酸化物薄膜を製造することを特徴とする金属酸化物薄膜の製造方法。
5)前記先駆体溶液における金属酸化物ナノ粒子溶液の金属組成比と金属有機化合物の金属組成比が同一であることを特徴とする上記4)に記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
6)前記先駆体溶液の金属酸化物ナノ粒子を構成する金属と異なる金属を含む金属有機化合物から構成されることを特徴とする上記4)又は5)に記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
また、本発明は、次の発明を提供する。
7)上記1)〜6)のいずれか一項に記載の薄膜の製造方法において、溶媒が含まれる先駆体膜を乾燥せずに紫外線を照射することを特徴とする金属酸化物薄膜の製造方法。
8)上記1)〜7)のいずれか一項に記載の薄膜の製造方法において、紫外線ランプによる紫外線照射後に紫外線レーザを照射することを特徴とする金属酸化物薄膜の製造方法。
9)金属酸化物ナノ粒子は、金属有機酸塩及びβジケトナート又は金属アルコキシドのいずれか一つから選ばれる原料溶液を加熱及び又は紫外線照射により製造することを特徴とする上記1)〜8)のいずれか一項に記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
10)金属有機化合物溶液は、金属有機酸塩及びβジケトナート又は金属アルコキシドのいずれか一つから選ばれることを特徴とする上記1)〜9)のいずれか一項に記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
また、本発明は、次の発明を提供する。
11)ペロブスカイト構造、イルメナイト構造、タングステンブロンズ構造、スピネル、パイロクロア構造、ルチル構造、アナターゼ構造、蛍石構造を持つ金属酸化物ナノ粒子を含む先駆体溶液を用いて金属酸化物ナノ粒子を形成することを特徴とする上記1)〜10)のいずれか一項に記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
12)酸化物ナノ粒子は絶縁体複合金属酸化物であって、絶縁体金属酸化物の構成金属の価数と異なった金属を含む金属有機化合物溶液を混合した先駆体溶液を用いることを特徴とする上記1)〜11)のいずれか一項に記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
13)蛍光体材料の母物質の金属酸化物ナノ粒子に、Ce, Pr, Nd, Sm, Eu, GD, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Ybが少なくとも一つ含まれる金属有機化合物を混合した先駆体溶液を用いることを特徴とする上記1)〜12)のいずれか一項に記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
14)酸化物ナノ粒子は、AVO(A=Cs, Rb)であることを特徴とする上記1〜11のいずれか一項に記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
支持体が分解しない温度範囲において加熱後又は加熱しながらプラズマや紫外光を照射することで、目的とする金属酸化物薄膜の結晶成長や緻密化及び異種金属のドーピングを行うことが可能となる。これにより、金属酸化物薄膜材料の低温でプロセス時間の大幅な短縮が可能になるとともに、素子に必要なパターニングを製膜と同時に行うことができる。
本発明のプロセスで用いる先駆体の有機原料については、金属有機酸塩、βジケトナート、加水分解反応を起こさない金属アルコキシドなどを用いることができる。具体的には、金属酢酸塩、金属2エチルヘキサン酸塩、金属アセチルアセトナート、金属ナフテン酸塩などがあげられるが、紫外線に対して吸収が有り、かつ大気中で加水分解反応が進まないことや溶媒に溶解する金属有機化合物であれば、特に制限なく用いることができる。
また、金属酸化物ナノ粒子は、目的の金属組成を持つか、或いは導電性を発現するための異なった価数を持った異種金属や蛍光を示すための発光中心イオンを添加していない母物質の金属組成で、粒径が1−100nm程度、好ましくは,1〜30nm程度のサイズであれば特に制限はなくCVD、水熱合成、ソルボサーマル合成、熱分解法、金属有機化合物に紫外線レーザを照射して作製する方法などを用いることができる。
これらの金属酸化物ナノ粒子と金属有機化合物は有機溶媒を用いて均一に分散させることができる。溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、アセチルアセトナート、エチレングリコールなどが好ましい。このように均一に分散された溶液は、スピンコート、スプレー、インクジェット、など基材上にコーティングする方法に制約はなく目的に応じて選択することができる。
本法により作製可能な金属酸化物については特に制限はなく、ペロブスカイト構造、イルメナイト構造、タングステンブロンズ構造、スピネル、パイロクロア構造、ルチル構造、アナターゼ構造、蛍石構造を持つ金属酸化物膜を作製出来る。具体的な例を挙げると、強誘電体材料としては、PbTiO、Pb(Ti,Zr)O、SrBiTa、BiFeO, BiTi12、誘電体材料としては、BaTiO、LiNbO、 KTaO、SrTiOなどの作製が可能である。
また、導電性材料としては、複合酸化物であるA1−xMnO(A=Pr, Nd, La, Sm, B=Ca, Sr, Ba), La1−xSrCoO,SrRuO,LaNiO, La−doped SrTiO、Nb−doped SrTiO, 超伝導材料などの作製が可能である。
また、蛍光体材料では、酸化物が蛍光体物質を形成する金属として、ABO, ABO、A(但し,A,B,Oサイトには欠損があってもよい)の金属組成で表され、AがCa, Sr, Ba、 BがTi,Zrより選ばれる元素を少なくとも一つずつ用いた酸化物に、Ce, Pr, Nd, Sm, Eu, GD, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Luが、少なくとも一つ添加され、またこれに加えてAl, Ga, Inのうち一つ以上を添加してもよい。
また、あらかじめ、In,SnO,ZnOおよび金属などの導電物質を微量含んだ薄膜にも効果的である。
支持体としては、有機基板、ガラス基板、チタン酸ストロンチウム(SrTIO)、ランタンアルミネート(LaAlO酸化マグネシウム(MgO)、酸化ランタンストロンチウムタンタルアルミニウム((LaSr1−x)(AlTa1−x)O)、ネオジムガレート(NdGaO)、イットリウムアルミネート(YAlO)単結晶、酸化アルミニウム(Al) 、イットリア安定化ジルコニア((Zr,Y)O, YSZ)基板から選ばれる1種等を用いることが出来る。
本発明では、支持体上に、まず目的の金属酸化物ナノ粒子溶液またはそれと同様の結晶構造を持つ異種金属酸化物を用いて薄膜を形成した後、金属有機化合物を含む金属酸化物ナノ粒子溶液を用いることが照射する紫外線のエネルギーの低減に有効である。
本薄膜の作製には、有機基材上では、室温でプラズマ照射又は紫外線照射により作製し、その他のガラスなどの支持体では、上記目的を達成するために、25〜600℃までに範囲であれば、支持体が劣化しない程度の基板加熱と同時に紫外線ランプやレーザおよびプラズマ照射により薄膜を作製することで作製ができる。
加熱法は支持体や電極が分解や劣化しない目的であれば、特に制限はないが、電気炉や赤外線加熱炉、マイクロ波加熱など様々な加熱方法を用いることができる。紫外線光源としては、400nm以下のランプおよびパルスレーザのいずれか用いることができる。
工程2における、紫外線の波長、光強度、繰り返し速度(パルスあるいは連続)基板温度、雰囲気は、対象とする薄膜の種類に応じて適宜選定される。紫外線の波長は特に制限されないが、400nm以下が好ましく、また、パルスレーザ光またはランプ光であってもよい。
光照射に用いる光源としては、紫外線レーザ、或いは紫外線ランプのいずれであってもよいが、加熱効果が少ない紫外レーザXeF(351nm)、XeCl(308nm)、KrF(248nm)、ArF(193nm)、F2(157nm)等のエキシマレーザや、YAGレーザ(四次高調波:266nm)、Arイオンレーザ(第二高調波:257nm)を用いることが好ましい。
波長が短くなるに従って光学材料の透過率が減少するため、レンズを用いた屈折光学系を適用するにはKrF(248nm)レーザが光源として適当である。プラズマ照射は、加熱効果がないものであれば、大気圧、窒素、酸素中のいずれのガス中でも照射可能である。
本発明は、従来不可能であった有機を含む基板上に低温かつ低エネルギーの紫外線照射により薄膜を作製出来るため、製造効率が良く、大量生産に適した金属酸化物薄膜の製造が可能であるという優れた効果を有する。
金属酸化物ナノ粒子を支持体上に塗布し、プラズマや紫外光を照射する製造方法で、金属有機化合物を塗布する前に支持体に、例えば蛍光体を形成する母物質と同じか又は結晶構造が同様であるナノ粒子薄膜を形成し、その後、目的とする金属酸化物ナノ粒子溶液または金属酸化物ナノ粒子溶液を含んでも良い金属有機化合物溶液を塗布後、プラズマや紫外線を照射する金属酸化物薄膜の製造方法である。本発明で用いる紫外光としては、例えばレーザ光を挙げることができる。
目的に応じて、所定の工程途中や各工程の前後を選ぶことが出来る。また、金属の有機化合物溶液を基板にスピンコートし、溶媒除去のため恒温槽中130℃で乾燥後、または、紫外線ランプを照射した後、レーザチャンバ内の試料ホルダーに試料を装着し、雰囲気を制御して室温から500℃でレーザ照射することもできる。
支持体に金属酸化物ナノ粒子を塗布した後、焼成又はレーザ照射により薄膜を形成する。この後、金属有機化合物を塗布し乾燥させた膜および本焼成初期膜のそれぞれに対してレーザ照射を施す。
例えば、SnO:Eu(ユウロピウム)膜を作製した場合について述べると、次の効果が確認された。ガラス基板にSnOナノ粒子にEu有機酸塩を混合した溶液を支持体上に塗布、乾燥後、紫外線ランプを照射し、室温〜400℃以下の温度でArFレーザを照射することにより、オレンジ色のフォトルミネッセンスが観測されることが判明した。
この現象は、紫外線照射により母物質であるSnOの結晶成長と発光中心であるユウロピウムイオンの固溶が促進されたことによるものと考えられる。
また、従来のSnO:Eu薄膜形成法では、1000℃以上の熱処理において結晶化反応と発光中心原子の固溶反応が進むことが知られているが、本発明の蛍光体薄膜の製造方法は、室温から400℃の低温で結晶反応と発光中心原子の固溶反応が進むことを確認した。
また、CaTiO:Pr(プラセオジウム)ナノ粒子膜を、PET(ポリテレフタル酸エチレン)支持体に塗布、乾燥後、紫外線ランプを照射し、25℃でレーザ光を照射することにより、赤色のフォトルミネッセンスが観測された。
従来のCaTiO:Pr薄膜形成法では、900℃以上の熱処理において結晶化反応と発光中心原子の固溶反応が進むことが知られているが、本発明の蛍光体薄膜の製造方法は、PET基板上に薄膜が作製可能であることを確認した。
以下、本発明の特徴を実施例に基づいて、さらに詳しく説明する。なお、以下の説明は、本願発明の理解を容易にするためのものであり、これに制限されるものではない。すなわち、本願発明の技術思想に基づく変形、実施態様、他の例は、本願発明に含まれるものである。
本発明の実施例で使用した基板は、代表的な基板材料である無アルカリガラス基板、ITO付きガラス基板及びPET基板を用いた。他の基板材料が使用できることは言うまでもない。金属有機化合物原料溶液としては、下記の原料溶液を用いた。下記に示す以外の先駆体溶液については、それぞれの実施例及び比較例において説明することとする。
(原料溶液1−1)
2エチルヘキサン酸カルシウム溶液に、2エチル-1ヘキサノラートチタン(Ti)溶液及び2―エチルヘキサン酸プラセオジム(Pr)溶液を所定の組成比に混合した原料溶液。
(原料溶液1−2):(原料溶液1の代替原料溶液)
上記原料溶液1−1のプラセオジム(Pr)に替えて、希土類金属であるCe,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybの各金属の2―エチルヘキサン酸を作製し、2エチルヘキサン酸カルシウム溶液及び2エチル-1ヘキサノラートチタン溶液と混合した原料溶液。
(原料溶液1−3):(原料溶液1の代替原料溶液)
2エチルヘキサン酸カルシウム溶液の代替として、2エチルヘキサン酸バリウム溶液を使用し、他は原料溶液1−1及び原料溶液1−2と同等の原料溶液とした。
(原料溶液1−4):(原料溶液1の代替原料溶液)
2エチルヘキサン酸カルシウム溶液の代替として、2エチルヘキサン酸ストロンチウム溶液を使用し、他は原料溶液1−1及び原料溶液1−2と同等の原料溶液とした。
(原料溶液1−5):(原料溶液1の代替原料溶液)
前記原料溶液1−1の2エチル-1ヘキサノラートチタン(Ti)溶液の代替として、2エチルヘキサン酸ジルコニウム(Zr)溶液を使用し、他は原料溶液1−1及び原料溶液1−2と同等の原料溶液とした。
(原料溶液2−1)
CaTiO:Prナノ粒子粉末は、原料溶液1を用い、以下の方法で作製した。原料溶液をるつぼに入れ、200℃で加熱し溶媒を除去した。その後、300℃、6時間仮焼成し、次いで500℃、12時間焼成した。生成した粉末はエタノール:エチレングリコールの混合溶媒に分散させた。すなわち、これはCaTiO:Prナノ粒子粉末を、一旦作製し、この粉末をさらに溶媒に分散させて先駆体溶液とした。
(原料溶液2−2):(原料溶液2の代替原料溶液)
上記原料溶液2−1のプラセオジム(Pr)に替えて、希土類金属であるCe, Nd, Sm, Eu, Gd,Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Ybの各金属とCaTiOとの混合粒子粉末を作製し、この混合粒子粉末をさらに溶媒に分散させた先駆体溶液とした。
(原料溶液2−3)
原料溶液2−1のCaTiO:Prナノ粒子粉末の作製の際に、最終焼成温度を900℃として、12時間焼成した。生成した粉末はエタノール:エチレングリコールの混合溶媒に分散させた。
(原料溶液2−4):(CaTi:Prナノ粒子溶液)
原料溶液2−1の作製の際に、金属組成比がCa:Ti=3:2となるようにした以外は同様の操作を行った。
(原料溶液2−5):(CaTi:Prナノ粒子溶液)
原料溶液2−3の作製の際に、金属組成比がCa:Ti=3:2となるようにした以外は同様の操作を行った。
(原料溶液2−6)
RbVO粒子は、高純度化学のSYM−RbO溶液とVO溶液を所定比に混合して、400℃で1時間焼成後、700℃で30分焼成した。生成した粉末は、エチレングリコールの混合溶媒に分散させた。
(原料溶液2−7)
RbVO粒子は、RvCOとVを所定比に混合して、焼成温度:700℃で30分焼成した。生成物を粉砕した粉末は、エチレングリコールの混合溶媒に分散させた。
(原料溶液3)
原料溶液1−1又は原料溶液1−2と原料溶液2−1又は原料溶液2−2を所定比で混合した。
(原料溶液4)
BaTiOナノ粒子溶液は、ナイコール社の溶液を用いた。
(原料溶液5)
酸化スズナノ粒子溶液(三菱マテリアル社製)に2%のEu−EMOD溶液(高純度化学社製)を混合した。
(紫外光照射)
紫外光照射は、172nm,222nmエキシマランプおよびArF, KrF, XeClエキシマレーザを用いた。
(実施例1−1)
BaTiOナノ粒子溶液(原料溶液4)をITO付きガラス基板にスピンコートとした。200℃で乾燥後、500℃で焼成し、BaTiO/ITO/ガラス基板を作製した。
本基板に、原料溶液1(2エチルヘキサン酸カルシウム溶液に、2エチル-1ヘキサノラートチタン溶液及び2―エチルヘキサン酸プラセオジム溶液)をコート後、20mJ/cmのKrFレーザを50Hzで2分照射した。
照射部について、島津UV5300を用いて320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ、615nm(赤色)の発光が観測された。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、プラセオジムを含有するCaTiO薄膜の存在が確認できた。
(実施例1−2)
また、原料溶液1の代替溶液として、プラセオジム(Pr)に替えて、Ce, Nd, Sm, Eu, GD, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Ybの各元素の2―エチルヘキサン酸を作製し、2エチルヘキサン酸カルシウム溶液に2エチル-1ヘキサノラートチタン溶液と混合した場合においても、同様の操作により、これらの希土類金属を含有するCaTiO薄膜の存在が確認できた。
(実施例1−3)
BaTiOナノ粒子溶液(原料溶液4)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、172nmの紫外ランプで処理し、BaTiO/PET基板を作製した。
本基板に、原料溶液1(2エチルヘキサン酸カルシウム溶液に、2エチル-1ヘキサノラートチタン溶液及び2―エチルヘキサン酸プラセオジム溶液)をコート後、40mJ/cmのKrFレーザを5Hzで5分照射した。照射部について、島津UV5300を用いて320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ、615nm(赤色)の発光が観測された。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、プラセオジムを含有するCaTiO薄膜の存在が確認できた。
(比較例1−1)
実施例1で使用した支持体層(BaTiOナノ粒子)が存在しないITO付きガラス基板(ITO(100nm)/ガラス基板)に、原料溶液1をコート後、20mJ/cmのKrFレーザを50Hzで2分照射した。照射部について、島津UV5300にて、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ615nm(赤色)の発光は観測されなかった。
このように、酸化物のナノ粒子から作製した支持層が存在しない場合には、低エネルギーのレーザ照射では、原料溶液1を用いた場合でも所定の特性を得ることができないことが分かった。上記実施例1と比較例から、酸化物のナノ粒子から作製した支持層の存在は重要であることが確認できる。
(比較例1−2)
実施例1で使用した支持体層(BaTiOナノ粒子)が存在しないITO付きガラス基板(ITO(100nm)/ガラス基板)に、原料溶液1−1をコート後、20mJ/cmのKrFレーザを50Hzで2分照射した。照射部について、島津UV5300にて、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ615nm(赤色)の発光は観測されなかった。
この場合も、比較例1−1と同様に、酸化物のナノ粒子から作製した支持層が存在しない場合には、低エネルギーのレーザ照射では、原料溶液1を用いた場合でも所定の特性を得ることができなかった。
(実施例2−1)
実施例1方法で使用した原料溶液1の代わりに原料溶液2−1を用いた。他の条件は実施例1と同様とした。これによって、実施例1と同様に615nm(赤色)のフォトルミネッセンスが観測された。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、プラセオジムを含有するCaTiO蛍光体薄膜の存在が確認できた。
(実施例2−2)
実施例2−1方法で使用した原料溶液2−1の代わりに原料溶液2−2を用いた。他の条件は実施例1−1と同様とした。これによって、実施例1−1と同様に615nm(赤色)のフォトルミネッセンスが観測された。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、プラセオジムを含有するCaTiO蛍光体薄膜の存在が確認できた。
(実施例2−3)
実施例2−1方法で使用した原料溶液2−1の代わりに原料溶液2−3を用いた。他の条件は実施例1−1と同様とした。これによって、実施例1−1と同様に615nm(赤色)のフォトルミネッセンスが観測された。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、プラセオジムを含有するCaTiO蛍光体薄膜の存在が確認できた。
(実施例2−4)
実施例2−1方法で使用した原料溶液2−1の代わりに原料溶液2−4を用いた。他の条件は実施例1−1と同様とした。これによって、615nm(赤色)のフォトルミネッセンスが観測された。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、プラセオジムを含有するCaTiO蛍光体薄膜の存在が確認できた。
(実施例2−5)
実施例2−1方法で使用した原料溶液2−1の代わりに原料溶液2−5を用いた。他の条件は実施例1−1と同様とした。照射部について、島津UV5300にて、350nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ白色のフォトルミネッセンスが観測された。また、膜の透過率は、可視領域(550nm)で80%を示した。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、RbVO透明蛍光体膜の存在が確認できた。
(実施例2−6)
実施例2−1方法で使用した原料溶液2−1の代わりに原料溶液2−6を用いた。他の条件は実施例1−1と同様とした。照射部について、島津UV5300にて、350nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ白色のフォトルミネッセンスが観測された。また、膜の透過率は、可視領域(550nm)で80%を示した。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、RbVO透明蛍光体膜の存在が確認できた。
(実施例2−7)
実施例2−1方法で使用した原料溶液2−1の代わりに原料溶液2−7を用いた。他の条件は実施例1−1と同様とした。照射部について、島津UV5300にて、350nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ白色のフォトルミネッセンスが観測された。また、膜の透過率は、可視領域(550nm)で80%を示した。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、RbVO透明蛍光体膜の存在が確認できた。
(実施例2−8)
BaTiOナノ粒子溶液(原料溶液4)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、172nmの紫外ランプで処理し、BaTiO/PET基板を作製した。
本基板に、原料溶液2−1をコート後、40mJ/cmのKrFレーザを5Hzで5分照射した。照射部について、島津UV5300を用いて320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ、615nm(赤色)の発光が観測された。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、プラセオジムを含有するCaTiO薄膜の存在が確認できた。
(実施例2−9)
BaTiOナノ粒子溶液(原料溶液4)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、172nmの紫外ランプで処理し、BaTiO/PET基板を作製した。
本基板に、原料溶液2−1をコート後、172nmの紫外ランプを2分照射した。照射部について、島津UV5300を用いて320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ、615nm(赤色)の発光が観測された。これにより、紫外線ランプ照射で、プラセオジムを含有するCaTiO薄膜の存在が確認できた。
(実施例3−1)
実施例1方法で、原料溶液1−1の代わりに原料溶液3を用いた。615nm(赤色)のフォトルミネッセンスの強度が増大した。原料溶液1−1と原料溶液2−1を混合した溶液、すなわち先駆体溶液中に、金属有機化合物溶液とさらに金属酸化物ナノ粒子溶液を含む場合には、プラセオジムを含有するCaTiO蛍光体薄膜の形成に、さらに有効であることが確認できた。
(実施例3−2)
上記実施例3−1に替え、原料溶液1−1又は原料溶液1−2と原料溶液2−1又は原料溶液2−2を任意に組み合わせた場合も、上記と同様の結果が得られた。
すなわち、プラセオジム(Pr)に替えて、Ce, Nd,Sm,Eu, Gd,Tb,Dy, Ho, Er, Tm,Ybの各金属元素を含有する場合も、CaTiO蛍光体薄膜の形成に、さらに有効であることが確認できた。
(実施例4)
実施例2−1では、実施例1−1と同様に、基板としてBaTiO/ITO/ガラス基板使用したが,本実施例4ではITO付きガラス基板を使用し、CaTiO:Prナノ粒子溶液(原料溶液2−1)をITO付きガラス基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、20mJ/cmのKrFレーザを50Hzで2分照射した。
照射部について、島津UV5300を用いて、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところの615nm(赤色)に発光が観測された。
このように、金属酸化物ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままガラス基板に使用しても、CaTiO蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
(実施例5)
CaTiO:Prナノ粒子溶液(原料溶液2−1)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、222nmの紫外線ランプを照射した。照射部は、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ615nm(赤色)に発光が観測された。
このように、金属酸化物ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままPET基板に使用しても、紫外線ランプを照射することにより、CaTiO蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
(実施例5―1)
CaTiO:Prナノ粒子溶液(原料溶液2−1)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、222nmの紫外線ランプを照射した。
次いで、172nmの紫外線ランプを照射した。照射部は、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ615nm(赤色)に発光が観測された。
このように、金属酸化物ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままPET基板に使用しても、紫外線ランプを照射することにより、CaTiO蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
(実施例5―2)
CaTiO:Prナノ粒子溶液(原料溶液2−2)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、222nmの紫外線ランプを照射した。照射部は、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ615nm(赤色)に発光が観測された。また、膜の透過率は、可視領域(550nm)で80%を示した。このように、金属酸化物ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままPET基板に使用しても、紫外線ランプを照射することにより、CaTiO:Pr蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
(実施例5−3)
CaTiO:Prナノ粒子溶液(原料溶液2−3)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、222nmの紫外線ランプを照射した。照射部は、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ615nm(赤色)に発光が観測された。また、膜の透過率は、可視領域(550nm)で80%を示した。このように、金属酸化物ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままPET基板に使用しても、紫外線ランプを照射することにより、CaTiO:Pr蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
(実施例5−4)
CaTi:Prナノ粒子溶液(原料溶液2−4)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、222nmの紫外線ランプを照射した。照射部は、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ615nm(赤色)に発光が観測された。また、膜の透過率は、可視領域(550nm)で80%を示した。このように、金属酸化物ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままPET基板に使用しても、紫外線ランプを照射することにより、CaTiO:Pr蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
(実施例5−5)
RbVO粒子溶液(原料溶液2−5)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、222nmの紫外線ランプを照射した。照射部は、350nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ白色発光が観測された。また、膜の透過率は、可視領域(550nm)で80%を示した。このように、金属酸化物ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままPET基板に使用しても、紫外線ランプを照射することにより、RbVO透明蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
(実施例5−6)
RbVO粒子溶液(原料溶液2−6)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、222nmの紫外線ランプを照射した。照射部は、350nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ白色発光が観測された。また、膜の透過率は、可視領域(550nm)で80%を示した。このように、金属酸化物ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままPET基板に使用しても、紫外線ランプを照射することにより、RbVO透明蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
(実施例6)
CaTiO:Prナノ粒子溶液(原料溶液2−1)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、プラズマを照射した。照射部は320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ、615nm(赤色)に発光が観測された。このように、金属ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままPET基板に使用しても、プラズマを照射することにより、CaTiO蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
(実施例7)
2エチルヘキサン酸バリウム溶液を含有する(原料溶液1−3)をPET基板にスピンコートとし、222nmの紫外線ランプを照射して、BaTiOナノ粒子を形成した後、この基板にCaTiO:Prナノ粒子溶液(原料溶液2−1)をスピンコートとした。100℃で乾燥後、20mJ/cmのKrFレーザを50Hzで2分照射した。320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ615nm(赤色)に発光が観測された。
この場合、原料溶液1−4である2エチルヘキサン酸ストロンチウム溶液を使用してSrTiOナノ粒子を作製した場合も同様な結果が得られた。
(比較例2)
PET基板に、有機金属化合物原料溶液1をコート後、20mJ/cmのKrFレーザを50Hzで2分照射したところ、PET基板が光反応により分解された。また、照射部は320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ発光は観測されなかった。このことから、少なくとも基板上に酸化物ナノ粒子の存在が必要であることが確認できた。
(実施例8)
ガラス基板に原料溶液3−1をコートした。この原料溶液3−1は、原料溶液1−1と原料溶液2−1を所定比で混合したものである。
すなわち原料溶液1−1:2エチルヘキサン酸カルシウム溶液に、2エチル-1ヘキサノラートチタン(Ti)溶液及び2―エチルヘキサン酸プラセオジム(Pr)溶液を混合した原料溶液と、原料溶液2−1であるCaTiO:Prナノ粒子粉末の溶液からなる先駆体溶液である。
コートした膜を172nmのエキシマランプを照射した後、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ615nm(赤色)に発光が観測された。原料溶液1−2又は原料溶液2−2を先駆体溶液とした場合も同様の結果となった。
(比較例3)
ガラス基板に原料溶液3−1をコートした。コート後の膜を320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ発光は観測されなかった。実施例9と対比した場合、172nmのエキシマランプを照射していないので、蛍光体を形成することができないことが分かる。
(比較例4)
ガラス基板に原料溶液1−1をコートした膜に、172nmのエキシマランプを照射したところ、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ発光は観測されなかった。
このように、酸化物のナノ粒子が存在しない場合には、172nmのエキシマランプでは、原料溶液1−1を用いた場合でも、所定の特性を得ることができないことが分かった。上記実施例と比較例から、酸化物のナノ粒子を含む溶液から作製することが重要であることが確認できる。
(実施例9)
ガラス基板に、SnOナノ粒子にEuを含む金属有機化合物溶液を混合し、基板に塗布した。300℃にて、80mJ/cmのArFレーザを10Hzで2分照射した。照射部は320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ590nmに発光が観測された。
(実施例10)
Pt付きSiO基板に、BaTiOナノ粒子を形成するための先駆体溶液として、金属組成が1:1のBa2エチルヘキサン酸塩溶液とTi―2エチルーヘキサノラートを含む金属有機化合物溶液を混合し、基板に塗布した。室温で80mJ/cmのArFレーザを10Hzで2分照射したところBaTiO膜が生成した。
以上のように、本発明は金属酸化物ナノ粒子と有機金属化合物を含む先駆体溶液を用いること、さらには基材として、目的とする金属酸化物である蛍光体材料と同様の結晶構造を有する作製することで、低いレーザ照射エネルギーで金属酸化物薄膜を低温で作製することが可能となり、またPET基板などの有機基板に紫外線レーザやランプ及びプラズマ照射により金属酸化物薄膜の作製が可能となるので、薄膜化による高効率デバイスの作製に有用である。
【0011】
[0034]
実施例及び比較例において説明することとする。
(原料溶液1−1)
2エチルヘキサン酸カルシウム溶液に、2エチル−1ヘキサノラートチタン(Ti)溶液及び2−エチルヘキサン酸プラセオジム(Pr)溶液を所定の組成比に混合した原料溶液。
[0035]
(原料溶液1−2):(原料溶液1の代替原料溶液)
上記原料溶液1−1のプラセオジム(Pr)に替えて、希土類金属であるCe,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybの各金属の2−エチルヘキサン酸を作製し、2エチルヘキサン酸カルシウム溶液及び2エチル−1ヘキサノラートチタン溶液と混合した原料溶液。
[0036]
(原料溶液1−3):(原料溶液1の代替原料溶液)
2エチルヘキサン酸カルシウム溶液の代替として、2エチルヘキサン酸バリウム溶液を使用し、他は原料溶液1−1及び原料溶液1−2と同等の原料溶液とした。
[0037]
(原料溶液1−4):(原料溶液1の代替原料溶液)
2エチルヘキサン酸カルシウム溶液の代替として、2エチルヘキサン酸ストロンチウム溶液を使用し、他は原料溶液1−1及び原料溶液1−2と同等の原料溶液とした。
[0038]
(原料溶液1−5):(原料溶液1の代替原料溶液)
前記原料溶液1−1の2エチル−1ヘキサノラートチタン(Ti)溶液の代替として、2エチルヘキサン酸ジルコニウム(Zr)溶液を使用し、他は原料溶液1−1及び原料溶液1−2と同等の原料溶液とした。
[0039]
(原料溶液2−1)
CaTiO:Prナノ粒子粉末は、原料溶液1−1を用い、以下の方法で作製した。原料溶液をるつぼに入れ、200℃で加熱し溶媒を除去した。その後、300℃、6時間仮焼成し、次いで500℃、12時間焼成した。生成した粉末はエタノール:エチレングリコールの混合溶媒に分散させた。すなわち、これはCaTiO:Prナノ粒子粉末を、一旦作製し、この粉末をさら
【0012】
に溶媒に分散させて先駆体溶液とした。
[0040]
(原料溶液2−2):(原料溶液2の代替原料溶液)
上記原料溶液2−1のプラセオジム(Pr)に替えて、希土類金属であるCe,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybの各金属とCaTiOとの混合粒子粉末を作製し、この混合粒子粉末をさらに溶媒に分散させた先駆体溶液とした。
[0041]
(原料溶液2−3)
原料溶液2−1のCaTiO:Prナノ粒子粉末の作製の際に、最終焼成温度を900℃として、12時間焼成した。生成した粉末はエタノール:エチレングリコールの混合溶媒に分散させた。
[0042]
(原料溶液2−4):(CaTi:Prナノ粒子溶液)
原料溶液2−1の作製の際に、金属組成比がCa:Ti=3:2となるようにした以外は同様の操作を行った。
[0043]
(原料溶液2−5):(CaTi:Prナノ粒子溶液)
原料溶液2−3の作製の際に、金属組成比がCa:Ti=3:2となるようにした以外は同様の操作を行った。
[0044]
(原料溶液2−6)
RbVO粒子は、高純度化学のSYM−RbO溶液とVO溶液を所定比に混合して、400℃で1時間焼成後、700℃で30分焼成した。生成した粉末は、エチレングリコールの混合溶媒に分散させた。
[0045]
(原料溶液2−7)
RbVO粒子は、RbCOとVを所定比に混合して、焼成温度:700℃で30分焼成した。生成物を粉砕した粉末は、エチレングリコールの混合溶媒に分散させた。
[0046]
(原料溶液3)
原料溶液1−1又は原料溶液1−2と原料溶液2−1又は原料溶液2−2を所定比で混合した。
[0047]
(原料溶液4)
【0015】
実施例1方法で使用した原料溶液1の代わりに原料溶液2−1を用いた。他の条件は実施例1と同様とした。これによって、実施例1と同様に615nm(赤色)のフォトルミネッセンスが観測された。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、プラセオジムを含有するCaTiO蛍光体薄膜の存在が確認できた。
[0057]
(実施例2−2)
実施例2−1方法で使用した原料溶液2−1の代わりに原料溶液2−2を用いた。他の条件は実施例1−1と同様とした。これによって、実施例1−1と同様に615nm(赤色)のフォトルミネッセンスが観測された。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、希土類金属であるCe,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybのいずれかを含有するCaTiO蛍光体薄膜の存在が確認できた。
[0058]
(実施例2−3)
実施例2−1方法で使用した原料溶液2−1の代わりに原料溶液2−3を用いた。他の条件は実施例1−1と同様とした。これによって、実施例1−1と同様に615nm(赤色)のフォトルミネッセンスが観測された。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、プラセオジムを含有するCaTiO蛍光体薄膜の存在が確認できた。
[0059]
(実施例2−4)
実施例2−1方法で使用した原料溶液2−1の代わりに原料溶液2−4を用いた。他の条件は実施例1−1と同様とした。これによって、615nm(赤色)のフォトルミネッセンスが観測された。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、プラセオジムを含有するCaTiO蛍光体薄膜の存在が確認できた。
[0060]
(実施例2−5)
実施例2−1方法で使用した原料溶液2−1の代わりに原料溶液2−5を用いた。他の条件は実施例1−1と同様とした。照射部について、島津UV5300にて、350nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ白色のフォトルミネッセンスが観測された。また、膜の透過率は、可視領
【0016】
域(550nm)で80%を示した。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、CaTiO透明蛍光体膜の存在が確認できた。
[0061]
(実施例2−6)
実施例2−1方法で使用した原料溶液2−1の代わりに原料溶液2−6を用いた。他の条件は実施例1−1と同様とした。照射部について、島津UV5300にて、350nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ白色のフォトルミネッセンスが観測された。また、膜の透過率は、可視領域(550nm)で80%を示した。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、RbVO透明蛍光体膜の存在が確認できた。
[0062]
(実施例2−7)
実施例2−1方法で使用した原料溶液2−1の代わりに原料溶液2−7を用いた。他の条件は実施例1−1と同様とした。照射部について、島津UV5300にて、350nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ白色のフォトルミネッセンスが観測された。また、膜の透過率は、可視領域(550nm)で80%を示した。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、RbVO透明蛍光体膜の存在が確認できた。
[0063]
(実施例2−8)
BaTiOナノ粒子溶液(原料溶液4)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、172nmの紫外ランプで処理し、BaTiO/PET基板を作製した。
本基板に、原料溶液2−1をコート後、40mJ/cmのKrFレーザを5Hzで5分照射した。照射部について、島津UV5300を用いて320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ、615nm(赤色)の発光が観測された。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、プラセオジムを含有するCaTiO薄膜の存在が確認できた。
[0064]
(実施例2−9)
BaTiOナノ粒子溶液(原料溶液4)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、172nmの紫外ランプで処理し、BaTiO/PE
【0018】
このように、金属酸化物ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままガラス基板に使用しても、CaTiO蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
[0068]
(実施例5)
CaTiO:Prナノ粒子溶液(原料溶液2−1)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、222nmの紫外線ランプを照射した。照射部は、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ615nm(赤色)に発光が観測された。
このように、金属酸化物ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままPET基板に使用しても、紫外線ランプを照射することにより、CaTiO蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
[0069]
(実施例5―1)
CaTiO:Prナノ粒子溶液(原料溶液2−1)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、222nmの紫外線ランプを照射した。
次いで、172nmの紫外線ランプを照射した。照射部は、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ615nm(赤色)に発光が観測された。
このように、金属酸化物ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままPET基板に使用しても、紫外線ランプを照射することにより、CaTiO蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
[0070]
(実施例5―2)
CaTiO:Ce,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybのいずれかのナノ粒子溶液(原料溶液2−2)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、222nmの紫外線ランプを照射した。照射部は、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ615nm(赤色)に発光が観測された。また、膜の透過率は、可視領域(550nm)で80%を示した。このように、金属酸化物ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままPET基板に使用しても、紫外線ランプを照射することにより、CaTiO:(前記希土類元素)蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
【0019】
[0071]
(実施例5−3)
CaTiO:Prナノ粒子溶液(原料溶液2−3)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、222nmの紫外線ランプを照射した。照射部は、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ615nm(赤色)に発光が観測された。また、膜の透過率は、可視領域(550nm)で80%を示した。このように、金属酸化物ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままPET基板に使用しても、紫外線ランプを照射することにより、CaTiO:Pr蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
[0072]
(実施例5−4)
CaTi:Prナノ粒子溶液(原料溶液2−4)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、222nmの紫外線ランプを照射した。照射部は、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ615nm(赤色)に発光が観測された。また、膜の透過率は、可視領域(550nm)で80%を示した。このように、金属酸化物ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままPET基板に使用しても、紫外線ランプを照射することにより、CaTiO:Pr蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
[0073]
(実施例5−5)
CaTi:Prナノ粒子溶液(原料溶液2−5)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、222nmの紫外線ランプを照射した。照射部は、350nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ白色発光が観測された。また、膜の透過率は、可視領域(550nm)で80%を示した。このように、金属酸化物ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままPFT基板に使用しても、紫外線ランプを照射することにより、CaTi:Pr蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
[0074]
(実施例5−6)
【0021】
に酸化物ナノ粒子の存在が必要であることが確認できた。
[0078]
(実施例8)
ガラス基板に原料溶液3−1をコートした。この原料溶液3−1は、原料溶液1−1と原料溶液2−1を所定比で混合したものである。
すなわち原料溶液1−1:2エチルヘキサン酸カルシウム溶液に、2エチル−1ヘキサノラートチタン(Ti)溶液及び2−エチルヘキサン酸プラセオジム(Pr)溶液を混合した原料溶液と、原料溶液2−1であるCaTiO:Prナノ粒子粉末の溶液からなる先駆体溶液である。
コートした膜を172nmのエキシマランプを照射した後、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ615nm(赤色)に発光が観測された。原料溶液1−2又は原料溶液2−2を先駆体溶液とした場合も同様の結果となった。
[0079]
(比較例3)
ガラス基板に原料溶液3−1をコートした。コート後の膜を320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ発光は観測されなかった。実施例8と対比した場合、172nmのエキシマランプを照射していないので、蛍光体を形成することができないことが分かる。
[0080]
(比較例4)
ガラス基板に原料溶液1−1をコートした膜に、172nmのエキシマランプを照射したところ、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ発光は観測されなかった。
このように、酸化物のナノ粒子が存在しない場合には、172nmのエキシマランプでは、原料溶液1−1を用いた場合でも、所定の特性を得ることができないことが分かった。上記実施例と比較例から、酸化物のナノ粒子を含む溶液から作製することが重要であることが確認できる。
[0081]
(実施例9)
ガラス基板に、SnOナノ粒子にEuを含む金属有機化合物溶液を混合し、基板に塗布した。300℃にて、80mJ/cmのArFレーザを10H
【0022】
zで2分照射した。照射部は320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ590nmに発光が観測された。
[0082]
(参考例10)
Pt付きSiO基板に、BaTiOナノ粒子を形成するための先駆体溶液として、金属組成が1:1のBa2エチルヘキサン酸塩溶液とTi―2エチルーヘキサノラートを含む金属有機化合物溶液を混合し、基板に塗布した。室温で80mJ/cmのArFレーザを10Hzで2分照射したところBaTiO膜が生成した。
産業上の利用可能性
[0083]
以上のように、本発明は金属酸化物ナノ粒子と有機金属化合物を含む先駆体溶液を用いること、さらには基材として、目的とする金属酸化物である蛍光体材料と同様の結晶構造を有する作製することで、低いレーザ照射エネルギーで金属酸化物薄膜を低温で作製することが可能となり、またPET基板などの有機基板に紫外線レーザやランプ及びプラズマ照射により金属酸化物薄膜の作製が可能となるので、薄膜化による高効率デバイスの作製に有用である。
【書類名】 明細書
【発明の名称】金属酸化物薄膜の製造方法
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機基板やガラス基板上に、低エネルギーで効率的に金属を含有する金属酸化物薄膜を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属酸化物は、大気中で安定であり、結晶構造、金属組成及び酸素不定比性の制御により磁性、半導性、誘電性、超電導や光学的性質を示すことから、その薄膜化による高効率デバイスや革新的なデバイスの創製が期待されている。
例えば、半導体と同様に原子価の異なる元素置換や酸素欠損を制御すると導電性の制御が可能でるが、ITOなどの酸化物は可視領域に置いて透明性を示すことから液晶や太陽電池などの応用として現代の情報化社会を支えてきている。
【0003】
これらの導電体に対し、高い絶縁性と誘電性を示すチタン酸鉛などのペロブスカイト酸化物は、従来、キャバシタやセンサなどに用いられてきたが、薄膜化によりLSIの更なる集積化のための不揮発メモリ開発へ展開している。
また、同様にペロブスカイト類縁構造を持つ材料であっても高温超電導酸化物については、その薄膜化により、次世代のデバイスや源流器、フィルタ応用などの実用化研究が推進されている。このように金属酸化物は、多くの機能を有することから、これまでに種々の薄膜作製法の開発が行われてきた。
【0004】
種々ある薄膜作製法の中で、化学溶液法は真空装置を用いない点や溶液の組成を厳密に制御できるため、金属酸化物薄膜の低コスト製造プロセスとして期待されている。
化学溶液法は、金属アルコキシドの加水分解反応により得られたゲル膜を焼成する方法と金属有機酸塩や金属アセチルアセトナートなどを先駆体膜として用い、これを熱平衡反応により有機化合物の熱分解と結晶成長を行うMOD(metal organic decomposition)または塗布熱分解法に大別される。
【0005】
MODや塗布熱分解法は、大気中で安定な有機金属化合物を用いるため、原料溶液の長期安定性に優れる特徴がある反面、金属アルコキシドを用いたゾルゲル法と比べて原料の有機成分の熱分解工程が必要であるため、高温の基板加熱処理を伴う問題がある。
このため現行のシリコンデバイスへの作製ができない問題があった(非特許文献1及び非特許文献2参照)。
【0006】
このような問題を解決するため、従来、塗布熱分解法として知られているような高温下で熱処理することなく、基板上に金属酸化物を製造する方法であり、金属有機化合物(金属有機酸塩、金属アセチルアセトナート、炭素数6以上の有機基を有する金属アルコキシド)を溶媒に溶解させて溶液状とし、これを基板に塗布した後に、乾燥させ、波長400nm以下のレーザ光を照射することにより基板上に金属酸化物を形成する金属酸化物の製造方法が知られている(特許文献1参照)。
【0007】
ここでは、金属有機化合物を溶媒に溶解させて溶液状とし、これを基板に塗布した後に、乾燥させ、波長400nm以下のレーザ光、例えば、ArF、KrF、XeCl、XeF、Fから選ばれるエキシマレーザを用いて照射することにより基板上に金属酸化物を形成することを特徴とする金属酸化物の製造方法が記載され、波長400nm以下のレーザ光の照射を、複数段階で行い、最初の段階の照射は金属有機化合物を完全に分解させるに至らない程度の弱い照射で行い、次に酸化物にまで変化させることができる強い照射を行うことも記載されている。
【0008】
また、金属有機化合物が異なる金属からなる2種以上の化合物であり、得られる金属酸化物が異なる金属からなる複合金属酸化物であって、金属有機酸塩の金属が、鉄、インジウム、錫、ジルコニウム、コバルト、鉄、ニッケル、鉛から成る群から選ばれるものであることも知られている。また、赤外センサーボロメータ薄膜用のLa1−xSrMnO薄膜の低温作製法も知られている(特許文献2参照)。
【0009】
また、金属有機化合物原料を均一に混合した膜を支持体に塗布後、紫外線を照射する方法により低温でペロブスカイト関連蛍光体酸化物薄膜、SrTIOPr,Al(特許文献3)や200nm以下の紫外線を照射することで結晶化と発光中心イオンのEuをYに固溶したY:Eu蛍光体薄膜などの製造方法が開示されている。(特許文献4)
さらに、基材上に(111)結晶面を有する金属膜上にBa及びTiを含む金属酸化物(BaTiO等)の配向膜の生成が知られている(特許文献5)。
【0010】
しかしながら、金属有機化合物を用いた薄膜製造工程より得られる金属酸化物膜の製造法では、シリコンやガラス基板上へ高輝度の酸化物蛍光体を作製する方法としては効果的であったが、結晶成長に高強度のレーザ光を照射する必要があるため、有機基板上に直接作製することは困難であることが明らかになった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】 特開2001−031417
【特許文献2】 特開2002−284529
【特許文献3】 特開2008−044803
【特許文献4】 特開2008−075073
【特許文献5】 特開2008―028381
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】 水田 進,熊谷俊弥著「有機酸塩塗布熱分解法による超伝導薄膜の合成」、工業材料,35 (454), 78-79 (1987).
【非特許文献2】 水田 進、熊谷俊弥、真部高明著「 塗布熱分解法による超伝導膜の合成」、日本化学会誌, 1997, 11-23 (1997)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
以上から、本発明は、金属有機化合物を用いた薄膜製造工程より得られる金属酸化物膜の製造法において、金属酸化物ナノ粒子溶液及び金属酸化物ナノ粒子を含む金属有機化合物溶液を用いて加熱、紫外線照射やプラズマを照射することにより、有機材料(例えばPET)基板上に、Y:EuやCaTiO:Prなどの蛍光体薄膜を直接製造する方法を提供するものである。
また、ガラス基板上に作製する場合は、金属有機化合物を先駆体として用いた膜にレーザを照射しても蛍光体が生成しないような、従来の低レーザエネルギーを照射して高輝度の蛍光体薄膜を作製できる方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を達成するために、具体的には次の発明を提供する。
1)化学溶液法を用いて金属酸化物薄膜を製造する方法において、支持体に予め金属酸化物ナノ粒子溶液を塗布した後、焼成又はレーザ照射により金属酸化物薄膜を形成し、さらにこの金属酸化物薄膜上に、金属を含有する先駆体溶液を塗布し、これを(1)加熱処理工程、(2)プラズマ照射工程、(3)紫外線照射工程の少なくとも一つ又は複数の工程を同時に用いることにより、金属及び金属酸化物以外の物質を除去し、金属含有金属酸化物薄膜を形成することを特徴とする金属酸化物薄膜の製造方法。
2)支持体が分解や溶融しない加熱工程または紫外線照射工程により、一の金属組成及び結晶構造をもつ金属酸化物ナノ粒子及びこのナノ粒子と同等の結晶構造を持ち、かつ異種金属組成の金属酸化物ナノ粒子からなる薄膜を支持体上に形成し、さらにこれらの金属酸化物ナノ粒子の薄膜上に、金属を含有する先駆体溶液を塗布し、これを(1)加熱処理工程、(2)プラズマ照射工程、(3)紫外線照射工程の少なくとも一つ又は複数の工程を同時に用いることにより、金属及び金属酸化物以外の物質を除去し、金属含有金属酸化物薄膜を形成することを特徴とする金属酸化物薄膜の製造方法。
3)前記先駆体溶液が、金属酸化物ナノ粒子溶液又は金属有機化合物溶液であることを特徴とする請求項1又は2記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
【0015】
また、本発明は、次の発明を提供する。
4)化学溶液法を用いて金属酸化物薄膜を製造する方法において、金属酸化物ナノ粒子溶液と金属有機化合物を含有する先駆体溶液を支持体に塗布後、(1)加熱処理工程、(2)プラズマ照射工程、(3)紫外線照射工程の少なくとも一つまたは複数の工程を同時に用いることにより有機物を除去し、金属を含有する金属酸化物薄膜を製造することを特徴とする金属酸化物薄膜の製造方法。
5)前記先駆体溶液における金属酸化物ナノ粒子溶液の金属組成比と金属有機化合物の金属組成比が同一であることを特徴とする上記4)に記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
6)前記先駆体溶液の金属酸化物ナノ粒子を構成する金属と異なる金属を含む金属有機化合物から構成されることを特徴とする上記4)又は5)に記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
【0016】
また、本発明は、次の発明を提供する。
7)上記1)〜6)のいずれか一項に記載の薄膜の製造方法において、溶媒が含まれる先駆体膜を乾燥せずに紫外線を照射することを特徴とする金属酸化物薄膜の製造方法。
8)上記1)〜7)のいずれか一項に記載の薄膜の製造方法において、紫外線ランプによる紫外線照射後に紫外線レーザを照射することを特徴とする金属酸化物薄膜の製造方法。
9)金属酸化物ナノ粒子は、金属有機酸塩及びβジケトナート又は金属アルコキシドのいずれか一つから選ばれる原料溶液を加熱及び又は紫外線照射により製造することを特徴とする上記1)〜8)のいずれか一項に記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
10)金属有機化合物溶液は、金属有機酸塩及びβジケトナート又は金属アルコキシドのいずれか一つから選ばれることを特徴とする上記1)〜9)のいずれか一項に記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
【0017】
また、本発明は、次の発明を提供する。
11)ペロブスカイト構造、イルメナイト構造、タングステンブロンズ構造、スピネル、パイロクロア構造、ルチル構造、アナターゼ構造、蛍石構造を持つ金属酸化物ナノ粒子を含む先駆体溶液を用いて金属酸化物ナノ粒子を形成することを特徴とする上記1)〜10)のいずれか一項に記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
12)酸化物ナノ粒子は絶縁体複合金属酸化物であって、絶縁体金属酸化物の構成金属の価数と異なった金属を含む金属有機化合物溶液を混合した先駆体溶液を用いることを特徴とする上記1)〜11)のいずれか一項に記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
13)蛍光体材料の母物質の金属酸化物ナノ粒子に、Ce, Pr, Nd, Sm, Eu, GD, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Ybが少なくとも一つ含まれる金属有機化合物を混合した先駆体溶液を用いることを特徴とする上記1)〜12)のいずれか一項に記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
14)酸化物ナノ粒子は、AVO(A=Cs, Rb)であることを特徴とする上記1〜11のいずれか一項に記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
【0018】
支持体が分解しない温度範囲において加熱後又は加熱しながらプラズマや紫外光を照射することで、目的とする金属酸化物薄膜の結晶成長や緻密化及び異種金属のドーピングを行うことが可能となる。これにより、金属酸化物薄膜材料の低温でプロセス時間の大幅な短縮が可能になるとともに、素子に必要なパターニングを製膜と同時に行うことができる。
【0019】
本発明のプロセスで用いる先駆体の有機原料については、金属有機酸塩、βジケトナート、加水分解反応を起こさない金属アルコキシドなどを用いることができる。具体的には、金属酢酸塩、金属2エチルヘキサン酸塩、金属アセチルアセトナート、金属ナフテン酸塩などがあげられるが、紫外線に対して吸収が有り、かつ大気中で加水分解反応が進まないことや溶媒に溶解する金属有機化合物であれば、特に制限なく用いることができる。
【0020】
また、金属酸化物ナノ粒子は、目的の金属組成を持つか、或いは導電性を発現するための異なった価数を持った異種金属や蛍光を示すための発光中心イオンを添加していない母物質の金属組成で、粒径が1−100nm程度、好ましくは,1〜30nm程度のサイズであれば特に制限はなくCVD、水熱合成、ソルボサーマル合成、熱分解法、金属有機化合物に紫外線レーザを照射して作製する方法などを用いることができる。
【0021】
これらの金属酸化物ナノ粒子と金属有機化合物は有機溶媒を用いて均一に分散させることができる。溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、アセチルアセトナート、エチレングリコールなどが好ましい。このように均一に分散された溶液は、スピンコート、スプレー、インクジェット、など基材上にコーティングする方法に制約はなく目的に応じて選択することができる。
【0022】
本法により作製可能な金属酸化物については特に制限はなく、ペロブスカイト構造、イルメナイト構造、タングステンブロンズ構造、スピネル、パイロクロア構造、ルチル構造、アナターゼ構造、蛍石構造を持つ金属酸化物膜を作製出来る。具体的な例を挙げると、強誘電体材料としては、PbTiO、Pb(Ti,Zr)O、SrBiTa、BiFeO, BiTi12、誘電体材料としては、BaTiO、LiNbO、 KTaO、SrTiOなどの作製が可能である。
【0023】
また、導電性材料としては、複合酸化物であるA1−xMnO(A=Pr, Nd, La, Sm, B=Ca, Sr, Ba), La1−xSrCoO,SrRuO,LaNiO, La−doped SrTiO、Nb−doped SrTiO, 超伝導材料などの作製が可能である。
また、蛍光体材料では、酸化物が蛍光体物質を形成する金属として、ABO, ABO、A(但し,A,B,Oサイトには欠損があってもよい)の金属組成で表され、AがCa, Sr, Ba、 BがTi,Zrより選ばれる元素を少なくとも一つずつ用いた酸化物に、Ce, Pr, Nd, Sm, Eu, GD, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Luが、少なくとも一つ添加され、またこれに加えてAl, Ga, Inのうち一つ以上を添加してもよい。
また、あらかじめ、In,SnO,ZnOおよび金属などの導電物質を微量含んだ薄膜にも効果的である。
【0024】
支持体としては、有機基板、ガラス基板、チタン酸ストロンチウム(SrTIO)、ランタンアルミネート(LaAlO酸化マグネシウム(MgO)、酸化ランタンストロンチウムタンタルアルミニウム((LaSr1−x)(AlTa1−x)O)、ネオジムガレート(NdGaO)、イットリウムアルミネート(YAlO)単結晶、酸化アルミニウム(Al) 、イットリア安定化ジルコニア((Zr,Y)O, YSZ)基板から選ばれる1種等を用いることが出来る。
【0025】
本発明では、支持体上に、まず目的の金属酸化物ナノ粒子溶液またはそれと同様の結晶構造を持つ異種金属酸化物を用いて薄膜を形成した後、金属有機化合物を含む金属酸化物ナノ粒子溶液を用いることが照射する紫外線のエネルギーの低減に有効である。
本薄膜の作製には、有機基材上では、室温でプラズマ照射又は紫外線照射により作製し、その他のガラスなどの支持体では、上記目的を達成するために、25〜600℃までに範囲であれば、支持体が劣化しない程度の基板加熱と同時に紫外線ランプやレーザおよびプラズマ照射により薄膜を作製することで作製ができる。
【0026】
加熱法は支持体や電極が分解や劣化しない目的であれば、特に制限はないが、電気炉や赤外線加熱炉、マイクロ波加熱など様々な加熱方法を用いることができる。紫外線光源としては、400nm以下のランプおよびパルスレーザのいずれか用いることができる。
工程2における、紫外線の波長、光強度、繰り返し速度(パルスあるいは連続)基板温度、雰囲気は、対象とする薄膜の種類に応じて適宜選定される。紫外線の波長は特に制限されないが、400nm以下が好ましく、また、パルスレーザ光またはランプ光であってもよい。
【0027】
光照射に用いる光源としては、紫外線レーザ、或いは紫外線ランプのいずれであってもよいが、加熱効果が少ない紫外レーザXeF(351nm)、XeCl(308nm)、KrF(248nm)、ArF(193nm)、F2(157nm)等のエキシマレーザや、YAGレーザ(四次高調波:266nm)、Arイオンレーザ(第二高調波:257nm)を用いることが好ましい。
波長が短くなるに従って光学材料の透過率が減少するため、レンズを用いた屈折光学系を適用するにはKrF(248nm)レーザが光源として適当である。プラズマ照射は、加熱効果がないものであれば、大気圧、窒素、酸素中のいずれのガス中でも照射可能である。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、従来不可能であった有機を含む基板上に低温かつ低エネルギーの紫外線照射により薄膜を作製出来るため、製造効率が良く、大量生産に適した金属酸化物薄膜の製造が可能であるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
金属酸化物ナノ粒子を支持体上に塗布し、プラズマや紫外光を照射する製造方法で、金属有機化合物を塗布する前に支持体に、例えば蛍光体を形成する母物質と同じか又は結晶構造が同様であるナノ粒子薄膜を形成し、その後、目的とする金属酸化物ナノ粒子溶液または金属酸化物ナノ粒子溶液を含んでも良い金属有機化合物溶液を塗布後、プラズマや紫外線を照射する金属酸化物薄膜の製造方法である。本発明で用いる紫外光としては、例えばレーザ光を挙げることができる。
【0030】
目的に応じて、所定の工程途中や各工程の前後を選ぶことが出来る。また、金属の有機化合物溶液を基板にスピンコートし、溶媒除去のため恒温槽中130℃で乾燥後、または、紫外線ランプを照射した後、レーザチャンバ内の試料ホルダーに試料を装着し、雰囲気を制御して室温から500℃でレーザ照射することもできる。
支持体に金属酸化物ナノ粒子を塗布した後、焼成又はレーザ照射により薄膜を形成する。この後、金属有機化合物を塗布し乾燥させた膜および本焼成初期膜のそれぞれに対してレーザ照射を施す。
【0031】
例えば、SnO:Eu(ユウロピウム)膜を作製した場合について述べると、次の効果が確認された。ガラス基板にSnOナノ粒子にEu有機酸塩を混合した溶液を支持体上に塗布、乾燥後、紫外線ランプを照射し、室温〜400℃以下の温度でArFレーザを照射することにより、オレンジ色のフォトルミネッセンスが観測されることが判明した。
この現象は、紫外線照射により母物質であるSnOの結晶成長と発光中心であるユウロピウムイオンの固溶が促進されたことによるものと考えられる。
また、従来のSnO:Eu薄膜形成法では、1000℃以上の熱処理において結晶化反応と発光中心原子の固溶反応が進むことが知られているが、本発明の蛍光体薄膜の製造方法は、室温から400℃の低温で結晶反応と発光中心原子の固溶反応が進むことを確認した。
【0032】
また、CaTiO:Pr(プラセオジウム)ナノ粒子膜を、PET(ポリテレフタル酸エチレン)支持体に塗布、乾燥後、紫外線ランプを照射し、25℃でレーザ光を照射することにより、赤色のフォトルミネッセンスが観測された。
従来のCaTiO:Pr薄膜形成法では、900℃以上の熱処理において結晶化反応と発光中心原子の固溶反応が進むことが知られているが、本発明の蛍光体薄膜の製造方法は、PET基板上に薄膜が作製可能であることを確認した。
【実施例】
【0033】
以下、本発明の特徴を実施例に基づいて、さらに詳しく説明する。なお、以下の説明は、本願発明の理解を容易にするためのものであり、これに制限されるものではない。すなわち、本願発明の技術思想に基づく変形、実施態様、他の例は、本願発明に含まれるものである。
【0034】
本発明の実施例で使用した基板は、代表的な基板材料である無アルカリガラス基板、ITO付きガラス基板及びPET基板を用いた。他の基板材料が使用できることは言うまでもない。金属有機化合物原料溶液としては、下記の原料溶液を用いた。下記に示す以外の先駆体溶液については、それぞれの実施例及び比較例において説明することとする。
(原料溶液1−1)
2エチルヘキサン酸カルシウム溶液に、2エチル-1ヘキサノラートチタン(Ti)溶液及び2―エチルヘキサン酸プラセオジム(Pr)溶液を所定の組成比に混合した原料溶液。
【0035】
(原料溶液1−2):(原料溶液1の代替原料溶液)
上記原料溶液1−1のプラセオジム(Pr)に替えて、希土類金属であるCe,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybの各金属の2―エチルヘキサン酸を作製し、2エチルヘキサン酸カルシウム溶液及び2エチル-1ヘキサノラートチタン溶液と混合した原料溶液。
【0036】
(原料溶液1−3):(原料溶液1の代替原料溶液)
2エチルヘキサン酸カルシウム溶液の代替として、2エチルヘキサン酸バリウム溶液を使用し、他は原料溶液1−1及び原料溶液1−2と同等の原料溶液とした。
【0037】
(原料溶液1−4):(原料溶液1の代替原料溶液)
2エチルヘキサン酸カルシウム溶液の代替として、2エチルヘキサン酸ストロンチウム溶液を使用し、他は原料溶液1−1及び原料溶液1−2と同等の原料溶液とした。
【0038】
(原料溶液1−5):(原料溶液1の代替原料溶液)
前記原料溶液1−1の2エチル-1ヘキサノラートチタン(Ti)溶液の代替として、2エチルヘキサン酸ジルコニウム(Zr)溶液を使用し、他は原料溶液1−1及び原料溶液1−2と同等の原料溶液とした。
【0039】
(原料溶液2−1)
CaTiO:Prナノ粒子粉末は、原料溶液1−1を用い、以下の方法で作製した。原料溶液をるつぼに入れ、200℃で加熱し溶媒を除去した。その後、300℃、6時間仮焼成し、次いで500℃、12時間焼成した。生成した粉末はエタノール:エチレングリコールの混合溶媒に分散させた。すなわち、これはCaTiO:Prナノ粒子粉末を、一旦作製し、この粉末をさらに溶媒に分散させて先駆体溶液とした。
【0040】
(原料溶液2−2):(原料溶液2の代替原料溶液)
上記原料溶液2−1のプラセオジム(Pr)に替えて、希土類金属であるCe, Nd, Sm, Eu, Gd,Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Ybの各金属とCaTiOとの混合粒子粉末を作製し、この混合粒子粉末をさらに溶媒に分散させた先駆体溶液とした。
【0041】
(原料溶液2−3)
原料溶液2−1のCaTiO:Prナノ粒子粉末の作製の際に、最終焼成温度を900℃として、12時間焼成した。生成した粉末はエタノール:エチレングリコールの混合溶媒に分散させた。
【0042】
(原料溶液2−4):(CaTi:Prナノ粒子溶液)
原料溶液2−1の作製の際に、金属組成比がCa:Ti=3:2となるようにした以外は同様の操作を行った。
【0043】
(原料溶液2−5):(CaTi:Prナノ粒子溶液)
原料溶液2−3の作製の際に、金属組成比がCa:Ti=3:2となるようにした以外は同様の操作を行った。
【0044】
(原料溶液2−6)
RbVO粒子は、高純度化学のSYM−RbO溶液とVO溶液を所定比に混合して、400℃で1時間焼成後、700℃で30分焼成した。生成した粉末は、エチレングリコールの混合溶媒に分散させた。
【0045】
(原料溶液2−7)
RbVO粒子は、RbCOとVを所定比に混合して、焼成温度:700℃で30分焼成した。生成物を粉砕した粉末は、エチレングリコールの混合溶媒に分散させた。
【0046】
(原料溶液3)
原料溶液1−1又は原料溶液1−2と原料溶液2−1又は原料溶液2−2を所定比で混合した。
【0046】
(原料溶液4)
BaTiOナノ粒子溶液は、ナイコール社の溶液を用いた。
【0047】
(原料溶液5)
酸化スズナノ粒子溶液(三菱マテリアル社製)に2%のEu−EMOD溶液(高純度化学社製)を混合した。
【0048】
(紫外光照射)
紫外光照射は、172nm,222nmエキシマランプおよびArF, KrF, XeClエキシマレーザを用いた。
【0049】
(実施例1−1)
BaTiOナノ粒子溶液(原料溶液4)をITO付きガラス基板にスピンコートとした。200℃で乾燥後、500℃で焼成し、BaTiO/ITO/ガラス基板を作製した。
本基板に、原料溶液1(2エチルヘキサン酸カルシウム溶液に、2エチル-1ヘキサノラートチタン溶液及び2―エチルヘキサン酸プラセオジム溶液)をコート後、20mJ/cmのKrFレーザを50Hzで2分照射した。
【0050】
照射部について、島津UV5300を用いて320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ、615nm(赤色)の発光が観測された。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、プラセオジムを含有するCaTiO薄膜の存在が確認できた。
【0051】
(実施例1−2)
また、原料溶液1の代替溶液として、プラセオジム(Pr)に替えて、Ce, Nd, Sm, Eu, GD, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Ybの各元素の2―エチルヘキサン酸を作製し、2エチルヘキサン酸カルシウム溶液に2エチル-1ヘキサノラートチタン溶液と混合した場合においても、同様の操作により、これらの希土類金属を含有するCaTiO薄膜の存在が確認できた。
【0052】
(実施例1−3)
BaTiOナノ粒子溶液(原料溶液4)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、172nmの紫外ランプで処理し、BaTiO/PET基板を作製した。
本基板に、原料溶液1(2エチルヘキサン酸カルシウム溶液に、2エチル-1ヘキサノラートチタン溶液及び2―エチルヘキサン酸プラセオジム溶液)をコート後、40mJ/cmのKrFレーザを5Hzで5分照射した。照射部について、島津UV5300を用いて320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ、615nm(赤色)の発光が観測された。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、プラセオジムを含有するCaTiO薄膜の存在が確認できた。
【0053】
(比較例1−1)
実施例1で使用した支持体層(BaTiOナノ粒子)が存在しないITO付きガラス基板(ITO(100nm)/ガラス基板)に、原料溶液1をコート後、20mJ/cmのKrFレーザを50Hzで2分照射した。照射部について、島津UV5300にて、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ615nm(赤色)の発光は観測されなかった。
このように、酸化物のナノ粒子から作製した支持層が存在しない場合には、低エネルギーのレーザ照射では、原料溶液1を用いた場合でも所定の特性を得ることができないことが分かった。上記実施例1と比較例から、酸化物のナノ粒子から作製した支持層の存在は重要であることが確認できる。
【0054】
(比較例1−2)
実施例1で使用した支持体層(BaTiOナノ粒子)が存在しないITO付きガラス基板(ITO(100nm)/ガラス基板)に、原料溶液1−1をコート後、20mJ/cmのKrFレーザを50Hzで2分照射した。照射部について、島津UV5300にて、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ615nm(赤色)の発光は観測されなかった。
この場合も、比較例1−1と同様に、酸化物のナノ粒子から作製した支持層が存在しない場合には、低エネルギーのレーザ照射では、原料溶液1を用いた場合でも所定の特性を得ることができなかった。
【0055】
(実施例2−1)
実施例1方法で使用した原料溶液1の代わりに原料溶液2−1を用いた。他の条件は実施例1と同様とした。これによって、実施例1と同様に615nm(赤色)のフォトルミネッセンスが観測された。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、プラセオジムを含有するCaTiO蛍光体薄膜の存在が確認できた。
【0056】
(実施例2−2)
実施例2−1方法で使用した原料溶液2−1の代わりに原料溶液2−2を用いた。他の条件は実施例1−1と同様とした。これによって、実施例1−1と同様に615nm(赤色)のフォトルミネッセンスが観測された。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、プラセオジムを含有するCaTiO蛍光体薄膜の存在が確認できた。
【0057】
(実施例2−3)
実施例2−1方法で使用した原料溶液2−1の代わりに原料溶液2−3を用いた。他の条件は実施例1−1と同様とした。これによって、実施例1−1と同様に615nm(赤色)のフォトルミネッセンスが観測された。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、希土類金属であるCe,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybのいずれかを含有するCaTiO蛍光体薄膜の存在が確認できた。
【0058】
(実施例2−4)
実施例2−1方法で使用した原料溶液2−1の代わりに原料溶液2−4を用いた。他の条件は実施例1−1と同様とした。これによって、615nm(赤色)のフォトルミネッセンスが観測された。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、プラセオジムを含有するCaTiO蛍光体薄膜の存在が確認できた。
【0059】
(実施例2−5)
実施例2−1方法で使用した原料溶液2−1の代わりに原料溶液2−5を用いた。他の条件は実施例1−1と同様とした。照射部について、島津UV5300にて、350nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ白色のフォトルミネッセンスが観測された。また、膜の透過率は、可視領域(550nm)で80%を示した。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、RbVO透明蛍光体膜の存在が確認できた。
【0060】
(実施例2−6)
実施例2−1方法で使用した原料溶液2−1の代わりに原料溶液2−6を用いた。他の条件は実施例1−1と同様とした。照射部について、島津UV5300にて、350nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ白色のフォトルミネッセンスが観測された。また、膜の透過率は、可視領域(550nm)で80%を示した。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、CaTiO透明蛍光体膜の存在が確認できた。
【0061】
(実施例2−7)
実施例2−1方法で使用した原料溶液2−1の代わりに原料溶液2−7を用いた。他の条件は実施例1−1と同様とした。照射部について、島津UV5300にて、350nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ白色のフォトルミネッセンスが観測された。また、膜の透過率は、可視領域(550nm)で80%を示した。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、RbVO透明蛍光体膜の存在が確認できた。
【0062】
(実施例2−8)
BaTiOナノ粒子溶液(原料溶液4)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、172nmの紫外ランプで処理し、BaTiO/PET基板を作製した。
本基板に、原料溶液2−1をコート後、40mJ/cmのKrFレーザを5Hzで5分照射した。照射部について、島津UV5300を用いて320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ、615nm(赤色)の発光が観測された。これにより、低エネルギーのレーザ照射で、プラセオジムを含有するCaTiO薄膜の存在が確認できた。
【0063】
(実施例2−9)
BaTiOナノ粒子溶液(原料溶液4)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、172nmの紫外ランプで処理し、BaTiO/PET基板を作製した。
本基板に、原料溶液2−1をコート後、172nmの紫外ランプを2分照射した。照射部について、島津UV5300を用いて320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ、615nm(赤色)の発光が観測された。これにより、紫外線ランプ照射で、プラセオジムを含有するCaTiO薄膜の存在が確認できた。
【0064】
(実施例3−1)
実施例1方法で、原料溶液1−1の代わりに原料溶液3を用いた。615nm(赤色)のフォトルミネッセンスの強度が増大した。原料溶液1−1と原料溶液2−1を混合した溶液、すなわち先駆体溶液中に、金属有機化合物溶液とさらに金属酸化物ナノ粒子溶液を含む場合には、プラセオジムを含有するCaTiO蛍光体薄膜の形成に、さらに有効であることが確認できた。
【0065】
(実施例3−2)
上記実施例3−1に替え、原料溶液1−1又は原料溶液1−2と原料溶液2−1又は原料溶液2−2を任意に組み合わせた場合も、上記と同様の結果が得られた。
すなわち、プラセオジム(Pr)に替えて、Ce, Nd,Sm,Eu, Gd,Tb,Dy, Ho, Er, Tm,Ybの各金属元素を含有する場合も、CaTiO蛍光体薄膜の形成に、さらに有効であることが確認できた。
【0066】
(実施例4)
実施例2−1では、実施例1−1と同様に、基板としてBaTiO/ITO/ガラス基板使用したが,本実施例4ではITO付きガラス基板を使用し、CaTiO:Prナノ粒子溶液(原料溶液2−1)をITO付きガラス基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、20mJ/cmのKrFレーザを50Hzで2分照射した。
照射部について、島津UV5300を用いて、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところの615nm(赤色)に発光が観測された。
このように、金属酸化物ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままガラス基板に使用しても、CaTiO蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
【0067】
(実施例5)
CaTiO:Prナノ粒子溶液(原料溶液2−1)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、222nmの紫外線ランプを照射した。照射部は、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ615nm(赤色)に発光が観測された。
このように、金属酸化物ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままPET基板に使用しても、紫外線ランプを照射することにより、CaTiO蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
【0068】
(実施例5―1)
CaTiO:Prナノ粒子溶液(原料溶液2−1)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、222nmの紫外線ランプを照射した。
次いで、172nmの紫外線ランプを照射した。照射部は、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ615nm(赤色)に発光が観測された。
このように、金属酸化物ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままPET基板に使用しても、紫外線ランプを照射することにより、CaTiO蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
【0069】
(実施例5―2)
CaTiO:Prナノ粒子溶液(原料溶液2−2)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、222nmの紫外線ランプを照射した。照射部は、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ615nm(赤色)に発光が観測された。また、膜の透過率は、可視領域(550nm)で80%を示した。このように、金属酸化物ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままPET基板に使用しても、紫外線ランプを照射することにより、CaTiO:Pr蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
【0070】
(実施例5−3)
CaTiO:Ce,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybのいずれかのナノ粒子溶液(原料溶液2−3)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、222nmの紫外線ランプを照射した。照射部は、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ615nm(赤色)に発光が観測された。また、膜の透過率は、可視領域(550nm)で80%を示した。このように、金属酸化物ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままPET基板に使用しても、紫外線ランプを照射することにより、CaTiO:(前記希土類元素)蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
【0071】
(実施例5−4)
CaTi:Prナノ粒子溶液(原料溶液2−4)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、222nmの紫外線ランプを照射した。照射部は、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ615nm(赤色)に発光が観測された。また、膜の透過率は、可視領域(550nm)で80%を示した。このように、金属酸化物ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままPET基板に使用しても、紫外線ランプを照射することにより、CaTiO:Pr蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
【0072】
(実施例5−5)
RbVO粒子溶液(原料溶液2−5)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、222nmの紫外線ランプを照射した。照射部は、350nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ白色発光が観測された。また、膜の透過率は、可視領域(550nm)で80%を示した。このように、金属酸化物ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままPET基板に使用しても、紫外線ランプを照射することにより、RbVO透明蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
【0073】
(実施例5−6)
CaTi:Prナノ粒子溶液(原料溶液2−6)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、222nmの紫外線ランプを照射した。照射部は、350nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ白色発光が観測された。また、膜の透過率は、可視領域(550nm)で80%を示した。このように、金属酸化物ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままPET基板に使用しても、紫外線ランプを照射することにより、CaTi:Pr透明蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
【0074】
(実施例6)
CaTiO:Prナノ粒子溶液(原料溶液2−1)をPET基板にスピンコートとした。100℃で乾燥後、プラズマを照射した。照射部は320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ、615nm(赤色)に発光が観測された。このように、金属ナノ粒子を含有する先駆体溶液を、そのままPET基板に使用しても、プラズマを照射することにより、CaTiO蛍光体薄膜の形成に有効であることが確認できた。
【0075】
(実施例7)
2エチルヘキサン酸バリウム溶液を含有する(原料溶液1−3)をPET基板にスピンコートとし、222nmの紫外線ランプを照射して、BaTiOナノ粒子を形成した後、この基板にCaTiO:Prナノ粒子溶液(原料溶液2−1)をスピンコートとした。100℃で乾燥後、20mJ/cmのKrFレーザを50Hzで2分照射した。320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ615nm(赤色)に発光が観測された。
この場合、原料溶液1−4である2エチルヘキサン酸ストロンチウム溶液を使用してSrTiOナノ粒子を作製した場合も同様な結果が得られた。
【0076】
(比較例2)
PET基板に、有機金属化合物原料溶液1をコート後、20mJ/cmのKrFレーザを50Hzで2分照射したところ、PET基板が光反応により分解された。また、照射部は320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ発光は観測されなかった。このことから、少なくとも基板上に酸化物ナノ粒子の存在が必要であることが確認できた。
【0077】
(実施例8)
ガラス基板に原料溶液3−1をコートした。この原料溶液3−1は、原料溶液1−1と原料溶液2−1を所定比で混合したものである。
すなわち原料溶液1−1:2エチルヘキサン酸カルシウム溶液に、2エチル-1ヘキサノラートチタン(Ti)溶液及び2―エチルヘキサン酸プラセオジム(Pr)溶液を混合した原料溶液と、原料溶液2−1であるCaTiO:Prナノ粒子粉末の溶液からなる先駆体溶液である。
コートした膜を172nmのエキシマランプを照射した後、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ615nm(赤色)に発光が観測された。原料溶液1−2又は原料溶液2−2を先駆体溶液とした場合も同様の結果となった。
【0078】
(比較例3)
ガラス基板に原料溶液3−1をコートした。コート後の膜を320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ発光は観測されなかった。実施例8と対比した場合、172nmのエキシマランプを照射していないので、蛍光体を形成することができないことが分かる。
【0079】
(比較例4)
ガラス基板に原料溶液1−1をコートした膜に、172nmのエキシマランプを照射したところ、320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ発光は観測されなかった。
このように、酸化物のナノ粒子が存在しない場合には、172nmのエキシマランプでは、原料溶液1−1を用いた場合でも、所定の特性を得ることができないことが分かった。上記実施例と比較例から、酸化物のナノ粒子を含む溶液から作製することが重要であることが確認できる。
【0080】
(実施例9)
ガラス基板に、SnOナノ粒子にEuを含む金属有機化合物溶液を混合し、基板に塗布した。300℃にて、80mJ/cmのArFレーザを10Hzで2分照射した。照射部は320nmの励起光でフォトルミネッセンスを測定したところ590nmに発光が観測された。
【0081】
(参考例10)
Pt付きSiO基板に、BaTiOナノ粒子を形成するための先駆体溶液として、金属組成が1:1のBa2エチルヘキサン酸塩溶液とTi―2エチルーヘキサノラートを含む金属有機化合物溶液を混合し、基板に塗布した。室温で80mJ/cmのArFレーザを10Hzで2分照射したところBaTiO膜が生成した。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上のように、本発明は金属酸化物ナノ粒子と有機金属化合物を含む先駆体溶液を用いること、さらには基材として、目的とする金属酸化物である蛍光体材料と同様の結晶構造を有する作製することで、低いレーザ照射エネルギーで金属酸化物薄膜を低温で作製することが可能となり、またPET基板などの有機基板に紫外線レーザやランプ及びプラズマ照射により金属酸化物薄膜の作製が可能となるので、薄膜化による高効率デバイスの作製に有用である。

Claims (14)

  1. 化学溶液法を用いて金属酸化物薄膜を製造する方法において、支持体に予め金属酸化物ナノ粒子溶液を塗布した後、焼成又はレーザ照射により金属酸化物薄膜を形成し、さらにこの金属酸化物薄膜上に、金属を含有する先駆体溶液を塗布し、これを(1)加熱処理工程、(2)プラズマ照射工程、(3)紫外線照射工程の少なくとも一つ又は複数の工程を同時に用いることにより、金属及び金属酸化物以外の物質を除去し、金属含有金属酸化物薄膜を形成することを特徴とする金属酸化物薄膜の製造方法。
  2. 支持体が分解や溶融しない加熱工程または紫外線照射工程により、一の金属組成及び結晶構造をもつ金属酸化物ナノ粒子及びこのナノ粒子と同等の結晶構造を持ち、かつ異種金属組成の金属酸化物ナノ粒子からなる薄膜を支持体上に形成し、さらにこれらの金属酸化物ナノ粒子の薄膜上に、金属を含有する先駆体溶液を塗布し、これを(1)加熱処理工程、(2)プラズマ照射工程、(3)紫外線照射工程の少なくとも一つ又は複数の工程を同時に用いることにより、金属及び金属酸化物以外の物質を除去し、金属含有金属酸化物薄膜を形成することを特徴とする金属酸化物薄膜の製造方法。
  3. 前記先駆体溶液が、金属酸化物ナノ粒子溶液又は金属有機化合物溶液であることを特徴とする請求項1又は2記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
  4. 化学溶液法を用いて金属酸化物薄膜を製造する方法において、金属酸化物ナノ粒子溶液と金属有機化合物を含有する先駆体溶液を支持体に塗布後、(1)加熱処理工程、(2)プラズマ照射工程、(3)紫外線照射工程の少なくとも一つまたは複数の工程を同時に用いることにより有機物を除去し、金属を含有する金属酸化物薄膜を製造することを特徴とする金属酸化物薄膜の製造方法。
  5. 前記先駆体溶液における金属酸化物ナノ粒子溶液の金属組成比と金属有機化合物の金属組成比が同一であることを特徴とする請求項4に記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
  6. 前記先駆体溶液の金属酸化物ナノ粒子を構成する金属と異なる金属を含む金属有機化合物から構成されることを特徴とする請求項4又は5に記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の薄膜の製造方法において、溶媒が含まれる先駆体膜を乾燥せずに紫外線を照射することを特徴とする金属酸化物薄膜の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の薄膜の製造方法において、紫外線ランプによる紫外線照射後に紫外線レーザを照射することを特徴とする金属酸化物薄膜の製造方法。
  9. 金属酸化物ナノ粒子は、金属有機酸塩及びβジケトナート又は金属アルコキシドのいずれか一つから選ばれる原料溶液を加熱及び又は紫外線照射により製造することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
  10. 金属有機化合物溶液は、金属有機酸塩及びβジケトナート又は金属アルコキシドのいずれか一つから選ばれることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
  11. ペロブスカイト構造、イルメナイト構造、タングステンブロンズ構造、スピネル、パイロクロア構造、ルチル構造、アナターゼ構造、蛍石構造を持つ金属酸化物ナノ粒子を含む先駆体溶液を用いて金属酸化物ナノ粒子を形成することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
  12. 酸化物ナノ粒子は絶縁体複合金属酸化物であって、絶縁体金属酸化物の構成金属の価数と異なった金属を含む金属有機化合物溶液を混合した先駆体溶液を用いることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
  13. 蛍光体材料の母物質の金属酸化物ナノ粒子に、Ce, Pr, Nd, Sm, Eu, GD, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Ybが少なくとも一つ含まれる金属有機化合物を混合した先駆体溶液を用いることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
  14. 酸化物ナノ粒子は、AVO(A=Cs, Rb)であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の金属酸化物薄膜の製造方法。
JP2010534749A 2008-10-21 2009-08-28 金属酸化物薄膜の製造方法 Active JP5697085B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010534749A JP5697085B2 (ja) 2008-10-21 2009-08-28 金属酸化物薄膜の製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008270667 2008-10-21
JP2008270667 2008-10-21
PCT/JP2009/065050 WO2010047177A1 (ja) 2008-10-21 2009-08-28 金属酸化物薄膜の製造方法
JP2010534749A JP5697085B2 (ja) 2008-10-21 2009-08-28 金属酸化物薄膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2010047177A1 true JPWO2010047177A1 (ja) 2012-03-22
JP5697085B2 JP5697085B2 (ja) 2015-04-08

Family

ID=42119225

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010534749A Active JP5697085B2 (ja) 2008-10-21 2009-08-28 金属酸化物薄膜の製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP5697085B2 (ja)
KR (1) KR101261119B1 (ja)
WO (1) WO2010047177A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102002190B1 (ko) * 2011-09-22 2019-07-19 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 금속계 입자 집합체의 제조 방법
JP6529023B2 (ja) * 2015-01-09 2019-06-12 国立研究開発法人産業技術総合研究所 サーミスタの製造方法
JP5907517B2 (ja) * 2015-04-30 2016-04-26 国立研究開発法人産業技術総合研究所 光触媒高機能化技術
KR101977366B1 (ko) * 2017-05-16 2019-05-10 한국세라믹기술원 산화물 저항 박막 제조방법 및 볼로미터 제조방법
WO2020111385A1 (ko) * 2018-11-30 2020-06-04 한양대학교에리카산학협력단 희토류 금속 도금 용액, 희토류 복합 구조체, 및 희토류 금속의 도금 방법
JP7185823B2 (ja) * 2018-12-04 2022-12-08 リンテック株式会社 発光膜およびその製造方法、並びに紫外線照射型発光シート

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4323156B2 (ja) * 2002-06-19 2009-09-02 株式会社日本触媒 微粒子含有金属酸化物膜およびその形成方法
JP2005213105A (ja) 2004-01-30 2005-08-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd 多結晶金属酸化物薄膜とその製造方法及び不揮発性メモリ
JP2005272157A (ja) 2004-03-23 2005-10-06 Japan Science & Technology Agency レーザー光照射による酸化物半導体薄膜の作製法
JP4686234B2 (ja) * 2005-03-31 2011-05-25 大日本印刷株式会社 金属酸化物膜の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR20110057257A (ko) 2011-05-31
JP5697085B2 (ja) 2015-04-08
WO2010047177A1 (ja) 2010-04-29
KR101261119B1 (ko) 2013-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5740645B2 (ja) 配向ペロブスカイト酸化物薄膜
Bhuiyan et al. Solution-derived textured oxide thin films—a review
JP5697085B2 (ja) 金属酸化物薄膜の製造方法
US7771531B2 (en) Manufacturing method and usage of crystallized metal oxide thin film
Zhang et al. Strong photoluminescence and piezoelectricity properties in Pr-doped Ba (Zr0. 2Ti0. 8) O3–(Ba0. 7Ca0. 3) TiO3 ceramics: Influence of concentration and microstructure
Tripathi et al. A review reports on rare earth activated AZrO3 (A= Ba, Ca, Sr) phosphors for display and sensing applications
Gomes et al. Wet chemical synthesis of rare earth-doped barium titanate nanoparticles
JP3548801B2 (ja) 特定の金属種に特定の配位子を配位させた金属錯体を含む溶液組成物、希土類超電導膜製造用溶液組成物、特定金属錯体の非結晶固形物、特定の金属種に特定の配位子を配位させた金属錯体を含む溶液の製造方法、希土類超電導膜製造用溶液の製造方法、及び超電導薄膜の形成方法。
Pérez-Juache et al. Luminescent properties of Pr3+-doped SrZrO3 phosphors
JP4963062B2 (ja) Aサイト層状秩序化型ペロブスカイトMn酸化物薄膜の製造方法
Infantiya et al. Calcium copper titanate a perovskite oxide structure: effect of fabrication techniques and doping on electrical properties—a review
Mehra et al. Detailed chemical mechanism of the phase transition in nano-SrTiO3 perovskite with visible luminescence
Mariscal-Becerra et al. Up and down conversion photoluminescence and structural properties from hafnium doped with different lanthanides and lithium
Venugopal et al. Effect of annealing temperature in the emission properties of nanocrystalline CaZr0. 9SmxDy0. 1− xO3 systems prepared via self-propagating combustion synthesis
KR100918225B1 (ko) 형광체 박막의 제조 방법
JP2008075073A (ja) 蛍光体薄膜の製造方法
Xie et al. Strong red emission and electrical properties of highly c-axis oriented Eu3+-doped bismuth vanadate ferroelectric thin films
Elorika et al. Local heterogeneities and order-disorder: An approach to tailor BaTi1-xZrxO3 ceramics properties
de Figueiredo et al. Luminescence property of perovskite structure
JP2003160313A (ja) 金属酸化物薄膜形成用組成物、金属酸化物の製造方法および金属酸化物薄膜
Garcia Hernandez et al. The influence of polyvinylpyrrolidone on thick and optical properties of BaTiO 3: Er 3+ thin films prepared by sol–gel method
Tubchareon et al. Effect of Na content on the physical properties of Ba0. 5Sr0. 5TiO3 powders
JP4952956B2 (ja) 結晶化金属酸化物薄膜を備えた蛍光体
JP2001185358A (ja) カプセル化されたel用蛍光体粒子、elディスプレイパネル及びカプセル化されたel用蛍光体粒子の製造方法
JP3548802B2 (ja) 特定の金属種に特定の配位子を配位させた金属錯体を含む溶液組成物、希土類超電導膜製造用溶液組成物、特定金属錯体の非結晶固形物、特定の金属種に特定の配位子を配位させた金属錯体を含む溶液の製造方法、希土類超電導膜製造用溶液の製造方法、及び超電導薄膜の製造方法。

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130723

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140701

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141111

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150204

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5697085

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250