JP2017114744A - 親水性シリカエアロゲルとその製造方法および断熱材 - Google Patents

親水性シリカエアロゲルとその製造方法および断熱材 Download PDF

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大道 光明寺
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Abstract

【課題】疎水性エアロゲル、あるいは疎水性エアロゲルは、500℃以上の高温環境に晒されると、表面の有機官能基が一気に熱分解する。この熱分解によりトリメチルシラノールなどの可燃性ガスが大量に発生し使用できないこと。【解決手段】疎水性シリカエアロゲルを熱処理することで親水性シリカエアロゲルを製造する親水性シリカエアロゲルの製造方法を用いる。疎水性シリカエアロゲルへの紫外線照射によって親水性シリカエアロゲルを製造する親水性シリカエアロゲルの製造方法を用いる。細孔容積3.0〜6.0cc/g、平均細孔径10〜68nm、比表面積400〜800m2/gからなり、水の接触角0〜30°である親水性シリカエアロゲルを用いる。上記親水性シリカエアロゲルと、樹脂あるいはガラスの繊維を含む織布と、を複合化した断熱材を用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、親水性シリカエアロゲルとその製造方法に関する。特に、高温で使用できる親水性シリカエアロゲルとその製造方法に関する。
最近、省エネルギー化が進んでいる。現在、多く使用されている断熱材として、発泡ウレタン(PU)や発泡スチロール(EPS)、真空断熱材(VIP)がある。しかし、低熱伝導率のガスで発泡させたPUやEPSは、経時的にガスが抜けていくことで断熱性能が劣化する上に、100℃未満での使用に限定され耐熱性に乏しいという課題があった。また、VIPは数mW/mKの優れた断熱性能を有しているものの、芯材を真空封入する際に熱融着で接着させた部分から経時的に空気分子が微量混入し、真空度低下を招く経年劣化の問題や耐熱性が100℃程度であるといった問題を抱えていた。
一方、シリカエアロゲルという断熱材がある。上記断熱材と異なり、断熱性能が経時的にはほとんど変化せず、尚且つ、一定の耐熱性を有している。
シリカエアロゲルは、水ガラス(珪酸ナトリウム水溶液)やテトラメトキシシラン(TEOS)といったアルコキシシランを原料とし、ゾルゲル反応によって製造される。水やアルコール等の液体媒質と、必要に応じて触媒とを混合して原料を加水分解させ、液体媒質中において原料を重縮合させてヒドロゲル(水を含むゲル、という意味)を形成させる。次いで、この湿潤ゲルの疎水化反応(もしくはその前に溶媒置換を行う)を経て、最後に疎水化ゲル内部の液体媒質を蒸発乾燥させる。乾燥手法としては、前述の超臨界乾燥法、非超臨界乾燥法(常圧乾燥法、凍結乾燥法)がある。
原料から湿潤ゲルを合成する工程は、養生(エージング)と呼ばれる。養生は、水ガラスあるいはアルコキシシラン化合物を加水分解させて生成した珪酸の重縮合反応を進行させ、シリカ粒子のネットワークを骨太化して強化する工程である。原料によっては稀に養生を行わなくともよいものもある。
養生の次の工程は、ヒドロゲルを疎水化する工程である。疎水化処理を行わないと、ヒドロゲル中の液体が蒸発乾燥する際、強い毛管力によってゲル骨格が収縮し、シリカ粒子同士が物理的に接触することで表面に存在していたシラノール間の脱水縮合反応が進み、目視で確認できるほどの大幅な収縮と高密度化を誘起してしまい、多孔質の構造体を得ることができない。一方、ヒドロゲルのシリカ粒子表面に存在するシラノールを有機官能基でキャッピング(疎水化)すると、ゲル中の液体媒質を蒸発乾燥させる際、ゲル骨格は一旦収縮するものの、有機官能基同士が反発し合うことにより、収縮が大きく緩和され、収縮・高密度化が抑制される。この現象は、スプリングバックと呼ばれる。したがって、低密度のシリカエアロゲルを得るためには、このスプリングバックの誘起が必要であり、疎水化反応は必須の工程である。
これまで例えば、疎水化剤として一般式R−Si−X4−nで表される構造のものや、一般式RSi−NH−SiRで示されるシラザン類が挙げられており、疎水化処理に好適に用いられる疎水化剤として、具体的にトリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、モノメチルトリクロロシラン、ヘキサメチルジシラザンを使用する方法が知られている(特許文献1)。同様に、疎水化剤として一般式RSi−O−SiRで表されるジシロキサン、または一般式RSi−N(H)−SiRで表されるジシラザンを用いることを特徴とするシリカエアロゲルの製造方法が知られており、ヘキサメチルジシロキサンを用いた疎水化が報告されている(特許文献2)。
特開2012−172378号公報 特表2001−524439号公報
ところが、疎水性シリカエアロゲル、有機官能基(クロロメチルシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザンなど)によってSiO粒子112表面が疎水化されている。このため、500℃以上の高温環境に晒されると、表面の有機官能基が一気に熱分解する。疎水性シリカエアロゲル、あるいは疎水性シリカエアロゲルは、比表面積が非常に大きいことから、熱分解によりトリメチルシラノールなどの可燃性ガスが大量に発生する。このため、親水性シリカエアロゲルを高温で使用できない。
そこで、本願の課題は、500℃以上で使用できる親水性シリカエアロゲルとその製造方法、および、断熱材を提供することにある。
上記課題を解決するために、疎水性シリカエアロゲルを熱処理することで、疎水基を脱離させ、親水性シリカエアロゲルを製造する親水性シリカエアロゲルの製造方法を用いる。
また、水の接触角0〜30°である親水性シリカエアロゲルを用いる。
さらに、上記親水性シリカエアロゲルと、樹脂あるいはガラスの繊維を含む織布と、を複合化した断熱材を用いる。
これにより得られる親水性エアロゲルは、有機官能基を持たないため、500℃以上の高温領域においても大量の可燃性ガスを発生させることがなく、不燃材料となることを見出した。これにより、高温環境においても長期的に使用することができる。
また、本発明により得られた親水性エアロゲルは、優れた断熱材、吸音材、撥水材、吸着材でもある。
実施の形態における親水性エアロゲルを示す図 実施の形態において、加熱により疎水性シリカエアロゲルから親水性シリカエアロゲルを合成することを示す図 実施の形態において、熱処理前(疎水性シリカエアロゲル)と熱処理後(親水性シリカエアロゲル)の窒素等温吸着線図 実施の形態において、熱処理前(疎水性シリカエアロゲル)と熱処理後(親水性シリカエアロゲル)のBETプロット図 実施の形態において、熱処理前(疎水性シリカエアロゲル)と熱処理後(親水性シリカエアロゲル)のBJHプロット図
次に一実施の形態を挙げて本発明を説明する。
<親水性シリカエアロゲル111>
図1は、本実施の形態において得られる、多孔質構造を有する親水性シリカエアロゲル111を模式的に示したものである。SiO粒子112のネットワークにより構築されている。SiO粒子112は、シラノール基113を有する。
本実施の形態の親水性シリカエアロゲル111は、平均細孔径が10〜60nm、細孔容積3.0〜6.0cc/g、400〜800m/gの比表面積を有する。
平均細孔は、10〜60nmが好ましく、20〜50nmがより好ましい。
平均細孔径が10nm未満の場合、固体成分が過多となるため、固体の伝熱成分の影響により熱伝導率が大きくなってしまう。
平均細孔径が60nmより大きい場合は、空気の約78%を占める窒素分子の平均自由行程68nmに近接するため、熱伝導率が大きくなってしまう。尚、窒素分子の直径dは、約370pmであり、常温(25℃)、常圧(1.0×10Pa)での平均自由行程を計算すると、68nmとなる。平均細孔径が20〜50nmの範囲であれば、固体の伝熱成分の影響を受けにくく、窒素分子の平均自由行程よりも十分小さいため、所望の熱伝導率を有する親水性シリカエアロゲル111を得ることができる。
細孔容積は、3.0〜6.0cc/gが好ましい。
細孔容積が3.0cc/g未満の場合は、固体成分が過多となるため、固体の伝熱成分の影響により熱伝導率が大きくなってしまう。
細孔容積が6.0cc/gより大きい場合は、固体成分が過少となるため、逆に気体(窒素分子)の影響が大きくなり、熱伝導率が大きくなってしまう。
比表面積は400〜800m/gが好ましい。
比表面積が400m/g未満の場合、固体成分が過多となるため、固体の伝熱成分の影響により熱伝導率が大きくなってしまう。
比表面積が800m/gより大きい場合、固体成分が過少となるため、逆に気体(窒素分子)の影響が大きくなり、熱伝導率が大きくなってしまう。
親水性シリカエアロゲル111の表面に水を滴下したときの水の接触角は0〜30°が好ましい。
水の接触角が30°より大きい場合、疎水基である有機官能基がSiO粒子112表面にまだ一定量残っており、熱分解により発生するガスの発生量が問題となる。
ここでは、接触角0°付近を超親水性、接触角30°以下を親水性、接触角90°以上を撥水性、接触角150°以上を超撥水性とする。
親水性シリカエアロゲル111の平均細孔、細孔容積が上記範囲であれば、断熱性に優れるので断熱材、および吸音材として好適である。また、比表面積が上記範囲内であれば、吸水材、吸着剤として好適である。
<親水性シリカエアロゲル111の製造方法>
実施の形態の親水性シリカエアロゲル111の製造方法について説明する。図2に、実施の形態における親水性シリカエアロゲル111の製造方法を示す。記載条件は一例であり、これに限定されるものではない。
疎水性シリカエアロゲル116は、SiO粒子112にトリアルキルシロキサン結合114など疎水性の基を有する。これを熱処理する。結果、トリアルキルシラノール115が脱離し、シラノール基113ができ、親水性シリカエアロゲル111となる。
原料としては、疎水性シリカエアロゲル116を用いるが、公知の疎水性シリカエアロゲル116であれば特に制限なく用いることができる。親水性シリカエアロゲル111は、この疎水性シリカエアロゲル116を常温付近から高温領域まで加熱することで、有機官能基を分解させて得る。
加熱時の雰囲気としては、加熱分解時に可燃性ガス(トリメチルシラノールなど)が発生するため、自己発火を防ぐために大気雰囲気よりも不活性ガス雰囲気下のほうが好ましい。
昇温速度としては、0.01〜50℃/分が好ましい。
0.01℃/分未満の昇温速度で加熱すると、500℃まで加熱するのに、10時間以上かかり生産性を損なう。
50℃/分より早い昇温速度で加熱した場合、可燃性ガスが一度に大量に発生してしまう可能性があり危険である。
目標到達温度および処理温度は、500〜700℃が好ましい。
500℃未満では有機官能基の種類や処理時間にもよるが、有機官能基が分解せずに、疎水性シリカエアロゲル116の状態になっている場合がある。
700℃より高温で処理すると、シラノール同士の反応が起こり始めて、収縮・高密度化してしまうことから、多孔質構造を維持することができなくなる。
処理時間は、処理量や処理温度にもよるが、6分〜10時間が好ましい。
6分未満では、処理量が多いと有機官能基が分解せずに、疎水性シリカエアロゲル116の状態になっている場合がある。
10時間より処理時間が長いと生産性を損なってしまう。
処理後は、室温付近まで徐々に冷やしてもよいし、急冷してもよく特に制限はない。
また、紫外線オゾン洗浄によって有機官能基を分解させて親水性シリカエアロゲル111を得ることもできる。波長184.9nmの紫外線を大気中酸素に照射してオゾンを生成させることができ、このオゾンはさらに波長253.7nmの紫外線を吸収して、酸素と活性酸素を発生し、疎水基を分解する。このとき、紫外線としては100〜200nmの遠紫外線、および200〜400nmの近紫外線を用いることが好ましい。
このようにして得られる実施の形態の親水性シリカエアロゲル111は、高温領域において長時間使用しても可燃性ガスを発生することがないため、車載や産業機器などに適した優れた断熱材、吸音材となる。
<実施例>
以下、本実施の形態を実施例に基づいて説明する。但し、本実施の形態は、下記実施例に限定されるものではない。すべての反応は、大気下のもとで行われた。疎水性シリカエアロゲル116、及び、親水性シリカエアロゲル111について、ガス吸着装置を用いて分析し、細孔容積、平均細孔分布、比表面積を比較した。また、接触角計を用いて、シリカエアロゲル表面における水の接触角を測定し比較した。
水ガラス(東曹産業株式会社、SiO;14wt%)10.00gに、酸触媒として塩酸(関東化学株式会社、鹿特級、12N)を0.14g添加して、均一になるように攪拌し、ゾル溶液のpHを7.2に調整した。ゾル溶液は、室温約15分でゲル化し、加熱炉の中で3時間80℃において養生させた。こうして得られたヒドロゲルを、塩酸(関東化学株式会社、鹿特級、12N)100gに室温で30分浸漬させ、鎖状シロキサンであるオクタメチルトリシロキサン(MW236.534、bp153℃、d0.84g/ml(25℃)、信越シリコーン株式会社、KF−96L−1cs)(ヒドロゲルの細孔容積8.6mlに対して750重量%(64.6ml、54.2g、230mmol)、2−プロパノールをオクタメチルトリシロキサンに対してモル比で1当量(230mmol)となるように仕込み、同様に加熱炉において2時間55℃において疎水化させた。
反応後は、反応液が2相分離(上層;オクタメチルトリシロキサン、下層;HCl水溶液)していた。次いでゲルを採取して、空気中で150℃、2時間加熱乾燥を実施し、無色透明の疎水性シリカエアロゲル116を1.30g得た。得られた疎水性シリカエアロゲル116の窒素ガス吸着測定を行った結果、比表面積367m/g、細孔容積3.46ml/g、平均細孔分布37nmであった。水に対する接触角は134°であり、確かに疎水性であった。
上記疎水性シリカエアロゲル116の一部を窒素雰囲気下、25℃から500℃まで昇温速度10℃/分で加熱した後、500℃で3時間保持した(実施例1)。その後、徐冷して親水性シリカエアロゲル111を得た。得られた親水性シリカエアロゲル111の窒素ガス吸着測定を行った結果、比表面積426m/g(1.16倍)、細孔容積3.82ml/g(1.10倍)、平均細孔分布44nm(1.19倍)であり、水に対する接触角は0°と確かに親水性であった。
この親水性シリカエアロゲル111の示差走査熱量分析計で測定した結果、通常450℃付近にみられる有機官能基の熱分解に伴う発熱ピークは観測されなかった。このことから、トリメチルシラノールなどの可燃性ガスは発生していないことが確認された。
実施例2〜4、比較例1,2は、実施例1と、500℃での保持時間のみ異なる。保持時間は表1に示した。なお、500℃は、疎水基であるトリアルキルシロキサン結合114を分解、除去するための温度である。
尚、500℃、0.5時間処理(実施例4)では水に対する接触角は30°、500℃、0.67時間処理(実施例3)は16°、0.83時間(実施例2)では5°であった。これらの親水性シリカエアロゲル111を同様に熱分析した結果、450℃付近に僅かに発熱ピークが観測されたものの、可燃性ガスの発生量は極微量であった。
一方、500℃、0.05時間(比較例2)の熱処理では水の接触角は55°、500℃、0.1時間(比較例1)では水接触角は46°であり、これらを熱分析すると、450℃付近に明確に発熱ピークが観測され、有機官能基が十分に分解されていないことが判明した。
上記の結果を表1にまとめた。少なくとも500℃以上0.5時間以上保持することが必要である。接触角は30度以下がよい。上記で説明したように700℃以上の熱処理で多孔質が破壊されるので、700℃未満にする必要がある。
0.5時間以上保持することが必要な理由は、非常に小さな細孔の中のトリアルキルシロキサン結合114を分解、除去するために必要なためである。そのため、500℃以上となっても、0.5時間の保持が必要である。保持せずに温度を上げるとトリアルキルシロキサン結合114を分解、除去できず、高温使用でガスが発生する。
Figure 2017114744
<比表面積や平均細孔の評価>
熱処理前(疎水性シリカエアロゲル116)と熱処理後(親水性シリカエアロゲル111、500℃、0.5時間)の窒素ガス等温吸着線を図3に示す。窒素ガスの吸着・脱着量Vaは、サンプル1gあたりの値として、標準温度圧力(STP:0℃=273.15K,1atm=1013hPa)での量(m単位)に換算し、窒素ガスの相対圧P/P0に対してプロットしてある。
ここで、変数Pは吸着平衡時の測定圧力、P0は測定時の液体窒素の沸点における飽和蒸気圧である。熱処理後のほうが熱処理前よりも窒素ガスの吸着・脱着量Vaが大きく、吸着面積が大きいことを示している。
窒素ガス吸着等温線の解析から比表面積(単位質量あたりの表面積)を求める代表的な方法としてBrunauer−Emmett−Tellerの方法(BET法)が知られている。BET法に基づき作成したBETプロットを図4に示す。熱処理後のほうが、比表面積426m/gと熱処理前の1.16倍大きくなっていた。
図5は、BJH(Barrett,Joyner,Hallender)法により解析したサンプルの細孔分布であり、横軸は対数表示で細孔直径を示しており、縦軸は微分細孔容積分布を示している。熱処理後のほうが平均細孔分布44nmと1.19倍に大きくなっている。
この熱処理によると、疎水性シリカエアロゲル116の比表面積、または、平均細孔径を1.1倍以上にできる。さらに、好ましくは、比表面積、又は及び、平均細孔径を1.10〜1.20倍にできる。
結果、得られた親水性シリカエアロゲル111は、疎水性シリカエアロゲル116よりも比表面積や平均細孔が大きいため、触媒分子や有害物質などをより吸着しやすく優れた吸着物質としても利用できる。
以上より、実施の形態の親水性シリカエアロゲル111は、高温領域において長時間使用しても可燃性ガスを発生することがないため、車載や産業機器などに適した優れた断熱材、吸音材となる。
なお、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基、メチルトリメチル基などの場合、上記同様である。しかし、疎水基としてジフェニルメチルシリル基などといった疎水性が強く、耐熱性の高い官能基を有している疎水性シリカエアロゲル116では、温度を500℃以上に上げても、疎水基は飛ばず、親水化できない。熱処理温度を1000℃とすると、有機官能基は分解するものの、シリカが結晶化(クリストバライト)し、空隙が潰れるためシリカエアロゲル構造を維持することは困難である。
本実施の形態の熱安定性に優れた親水性シリカエアロゲルとその製造方法は、優れた断熱材、吸音材、撥水材、吸着材であり、電子機器、産業機器、車載、冷熱システム、建材など、熱や音に関わる全ての製品に応用される。
111 親水性シリカエアロゲル
112 SiO粒子
113 シラノール基
114 トリアルキルシロキサン結合
115 トリアルキルシラノール
116 疎水性シリカエアロゲル

Claims (8)

  1. 疎水性シリカエアロゲルを熱処理することで、疎水基を脱離させ、親水性シリカエアロゲルを製造する親水性シリカエアロゲルの製造方法。
  2. 前記熱処理は、500℃以上で0.5時間以上保持する請求項1記載の親水性シリカエアロゲルの製造方法。
  3. 前記熱処理は、500℃以上700℃未満で0.5時間以上保持する請求項1記載の親水性シリカエアロゲルの製造方法。
  4. 前記熱処理により、前記疎水性シリカエアロゲルの比表面積、または、平均細孔径を1.1倍以上にする請求項1〜3のいずれか1項に記載の親水性シリカエアロゲルの製造方法。
  5. 水の接触角0〜30°である親水性シリカエアロゲル。
  6. 水の接触角0〜5°である親水性シリカエアロゲル。
  7. 細孔容積3.0〜6.0cc/g、平均細孔径10〜68nm、比表面積400〜800m/gである請求項5または6記載の親水性シリカエアロゲル。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載の親水性シリカエアロゲルと、
    樹脂あるいはガラスの繊維を含む織布と、
    を複合化した断熱材。
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