JP6195198B2 - シリカエアロゲルの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、シリカエアロゲルの製造方法に関する。詳細には本発明は、簡単な工程及び低コストで製造することが可能なシリカエアロゲルの製造方法に関する。
シリカエアロゲルは、高い光透過性及び断熱性、並びに気体なみの低屈折率及び低誘電性を併せ持つため、透明断熱材をはじめとして様々な用途への活用が期待されている。
このようなシリカエアロゲルの製造方法としては、例えば特許文献1に記載の方法が知られている。特許文献1では、非イオン性界面活性剤を酸性水溶液に溶かし、それに加水分解性の官能基を有する金属化合物を添加して生成物を固化した後、乾燥する方法が開示されている。そして、特許文献1の方法により得られた無機系多孔質体は、孔径200nm以上で三次元網目状に連続した貫通孔と、当該貫通孔の内壁面に形成された孔径5〜100nmの細孔とを有することが示されている。
ここで、シリカエアロゲルの製造に用いられるアルコゲルは、シリコン化合物が重縮合することにより形成される微細孔を有している。しかし、微細孔にかかる毛細管力は、一般に細孔径が小さく、溶媒の表面張力が大きいほど増大するため、アルコゲルは破壊されやすくなる。これを回避するための方法としては、二酸化炭素を利用した超臨界条件でアルコゲルの乾燥を行う方法が考えられている。しかし、超臨界条件での乾燥は高圧プロセスであるため、特殊な装置など多額の設備投資が必要であり、さらに多くの手間と時間も必要となる。
そのため、より簡便に乾燥させる方法として、アルコゲルに対して、毛細管力を上回る骨格強度又は毛細管力に伴って自由に変形できる骨格柔軟性を付与する方法が検討されている。特許文献2では、メチルトリメトキシシランのようなシリコン化合物を、界面活性剤を含む酸性水溶液に添加してゾルを生成した後、ゾルをゲル化させる工程と、ゲルを乾燥させる工程とを有する方法が開示されている。さらに、特許文献2では、ゲルの乾燥に用いられる溶媒の臨界点未満の温度及び圧力下で、ゲルを乾燥させることが示されている。
しかしながら、特許文献2の方法では、シリコン化合物を用いて得られる湿潤ゲルの架橋密度が不十分な場合があり、ゲル骨格の強度及び剛性が不足し、湿潤ゲルが収縮する可能性があった。そのため、湿潤ゲルの溶媒を、フッ素系溶媒等の表面張力が低い液体媒体に置換して乾燥しているが、フッ素系溶媒は非常にコストがかかるという問題があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、簡単な工程及び低コストで製造することが可能なシリカエアロゲルの製造方法を提供することにある。
本発明の第1の態様に係るシリカエアロゲルの製造方法は、ケイ酸を含む酸性水溶液に、モノアルキルトリアルコキシシランを添加してゾルを生成するゾル化工程と、ゾルをゲル化させ、湿潤ゲルを生成するゲル化工程とを有する。さらに本実施形態の製造方法は、湿潤ゲルを、当該湿潤ゲルに含まれる溶媒の臨界温度未満及び臨界圧未満で乾燥させることにより、湿潤ゲルから溶媒を除去する乾燥工程を有する。そして、モノアルキルトリアルコキシシランは、酸性水溶液のケイ素量1モル部に対して、モノアルキルトリアルコキシシラン中のケイ素量が1モル部以上となるように、酸性水溶液に添加する。
本発明の第2の態様に係るシリカエアロゲルの製造方法は、第1の態様に係る製造方法において、ケイ酸を含む酸性水溶液はさらに界面活性剤を含有する。
本発明の第3の態様に係るシリカエアロゲルの製造方法は、第1又は第2の態様に係る製造方法において、ゲル化工程は、ゾルに塩基を添加することにより湿潤ゲルを生成する工程である。または、ゲル化工程は、ゾルに、加水分解によって当該ゾルを塩基性にする化合物を添加することにより、湿潤ゲルを生成する工程である。
本発明の第4の態様に係るシリカエアロゲルの製造方法は、第1乃至第3の態様のいずれかに係る製造方法において、ケイ酸を含む酸性水溶液は、酸性陽イオン交換樹脂又は無機酸を用いて水ガラスのpHを3.0以下にすることにより得られる。
本発明の第5の態様に係るシリカエアロゲルの製造方法は、第1乃至第4の態様のいずれかに係る製造方法において、溶媒は無極性溶媒である。
本発明の第6の態様に係るシリカエアロゲルの製造方法は、第5の態様に係る製造方法において、溶媒はn−ヘプタンである。
本発明のシリカエアロゲルの製造方法は、超臨界条件での乾燥が不要となるため、製造工程を簡略化し、設備も簡素化することが可能となる。また、乾燥溶媒としてフッ素系溶媒を使用する必要もないため、生産コストを抑えることができる。さらに、原料の一部を安価な水ガラス由来のケイ酸酸性水溶液に置き換えたため、生産コストを低減することが可能となる。
以下、本発明の実施形態に係るシリカエアロゲルの製造方法について詳細に説明する。
本発明の実施形態に係るシリカエアロゲルの製造方法は、ケイ酸を含む酸性水溶液に、モノアルキルトリアルコキシシランを添加してゾルを生成するゾル化工程と、当該ゾルをゲル化させ、湿潤ゲルを生成するゲル化工程とを有する。さらに本実施形態の製造方法は、当該湿潤ゲルを、湿潤ゲルに含まれる溶媒の臨界温度未満及び臨界圧未満で乾燥させることにより、湿潤ゲルから溶媒を除去する乾燥工程を有する。なお、以下、「ケイ酸を含む酸性水溶液」を「ケイ酸酸性水溶液」ともいう。
[ゾル化工程]
本実施形態の製造方法では、まず、ゾルの原料であるケイ酸酸性水溶液に、モノアルキルトリアルコキシシランを添加し、これらを混合することによりゾルを調製する。モノアルキルトリアルコキシシランは、ケイ素−炭素結合を含む安定な末端基であるアルキル基を有しており、アルキル基の化学的性質を持ったシリコン化合物である。さらにアルコキシ基の加水分解反応により、1分子中にシラノール基を3個生成するため、後述するゲル化工程にて湿潤ゲルの架橋密度を高めることができる。
本実施形態の製造方法では、まず、ゾルの原料であるケイ酸酸性水溶液に、モノアルキルトリアルコキシシランを添加し、これらを混合することによりゾルを調製する。モノアルキルトリアルコキシシランは、ケイ素−炭素結合を含む安定な末端基であるアルキル基を有しており、アルキル基の化学的性質を持ったシリコン化合物である。さらにアルコキシ基の加水分解反応により、1分子中にシラノール基を3個生成するため、後述するゲル化工程にて湿潤ゲルの架橋密度を高めることができる。
ケイ酸酸性水溶液は、組成がnSiO2・mH2Oで表されるケイ酸を含有する。つまり、ケイ酸酸性水溶液は、例えばオルトケイ酸(H4SiO4)、メタケイ酸((H2Si2O3)n)及び二ケイ酸(H2Si2O5)等のケイ酸を含有している。ケイ酸酸性水溶液にモノアルキルトリアルコキシシランを添加することにより、当該ケイ酸酸性水溶液がモノアルキルトリアルコキシシランのアルコキシ基を加水分解するための酸触媒として作用する。そのため、モノアルキルトリアルコキシシランは、ケイ酸酸性水溶液中でモノアルキルトリヒドロキシシランとアルコールに加水分解される。
生成したモノアルキルトリヒドロキシシランは、後述するゲル化工程にて、ケイ酸と脱水縮合し、湿潤ゲルの核と成るケイ酸の表面をアルキル基で有機修飾する。その結果、後述するように、超臨界条件で乾燥しなくても、空気の平均自由工程より小さな細孔を有し、嵩密度の低いシリカエアロゲルを得ることができる。
モノアルキルトリアルコキシシランとしては、ケイ酸の表面をアルキル基で有機修飾することが可能なものであれば特に限定されない。モノアルキルトリアルコキシシランとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン及びビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。また、モノアルキルトリアルコキシシランとしては、モノn−プロピルトリメトキシシラン、モノn−プロピルトリエトキシシラン、モノヘキシルトリメトキシシラン、モノヘキシルトリエトキシシラン等も挙げられる。これらのモノアルキルトリアルコキシシランは、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、ゾルを製造する際の水との相溶性が高く、さらに加水分解反応の速度が速いという観点から、モノアルキルトリアルコキシシランとしてはメチルトリメトキシシランが好ましい。
ここで、モノアルキルトリアルコキシシランは、ケイ酸酸性水溶液のケイ素量1モル部に対して、モノアルキルトリアルコキシシラン中のケイ素量が1モル部以上となるように、ケイ酸酸性水溶液に添加する。つまり、モノアルキルトリアルコキシシラン中のケイ素1モルに対し、ケイ酸中のケイ素が1モル以上となるように、これらの混合量を調整する。上述のように、モノアルキルトリアルコキシシランが加水分解して生成したモノアルキルトリヒドロキシシランは、ケイ酸の表面をアルキル基で有機修飾する。この際、ケイ酸の表面がアルキル基で十分に修飾されない場合には、乾燥工程にて湿潤ゲルが収縮してしまい、得られるシリカエアロゲルの嵩密度が増加する可能性がある。
ケイ酸酸性水溶液に対するモノアルキルトリアルコキシシランの添加量の上限は、特に限定されない。ただ、本実施形態では、乾燥工程における収縮を効果的に抑制することが好ましい。そのため、モノアルキルトリアルコキシシランは、ケイ酸酸性水溶液のケイ素量1モル部に対して、モノアルキルトリアルコキシシラン中のケイ素量が10モル部以下となるように、ケイ酸酸性水溶液に添加することが好ましい。さらに、モノアルキルトリアルコキシシランは、ケイ酸酸性水溶液のケイ素量1モル部に対して、モノアルキルトリアルコキシシラン中のケイ素量が2〜5モル部となるように、ケイ酸酸性水溶液に添加することがより好ましい。
ケイ酸酸性水溶液は、例えば、酸性陽イオン交換樹脂又は無機酸を用いて水ガラスを酸性にすることで得ることができる。水ガラスは、ケイ酸ナトリウム(Na2O・nSiO2、n=2〜4)の濃厚水溶液であり、ケイ酸ナトリウムを水に溶解して加熱することで得られる。そして、水ガラスを酸性陽イオン交換樹脂に接触させることにより、Na+イオンがH+イオンに置換し、ケイ酸酸性水溶液を得ることができる。また、水ガラスに無機酸を加えることでも、弱酸遊離によりケイ酸酸性水溶液を得ることができる。
酸性陽イオン交換樹脂としては特に限定されないが、例えばイオン交換基としてスルホン酸基を有するスルホン酸型酸性陽イオン交換樹脂が用いることができる。具体的なスルホン酸型酸性陽イオン交換樹脂としては、ポリスチレン系スルホン酸型酸性陽イオン交換樹脂、フェノール系スルホン酸型酸性陽イオン交換樹脂、フッ素系スルホン酸型酸性陽イオン交換樹脂等を例示することができる。また、無機酸も特に限定されないが、例えば塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、ホウ酸、フッ化水素酸等を例示することができる。
ケイ酸酸性水溶液のpHは3.0以下であることが好ましい。つまり、当該ケイ酸酸性水溶液は、酸性陽イオン交換樹脂又は無機酸を用いて水ガラスのpHを3.0以下にすることにより得られることが好ましい。酸性水溶液のpHが3.0以下であることにより、モノアルキルトリアルコキシシランのアルコキシ基を加水分解するための酸触媒として効果的に作用することができる。
上記ケイ酸酸性水溶液におけるケイ酸の濃度は、モノアルキルトリアルコキシシランと混合するための流動性が確保できるならば特に限定されないが、例えば3〜15質量%とすることができる。
本実施形態において、ケイ酸酸性水溶液はさらに界面活性剤を含有してもよい。上述のようにモノアルキルトリアルコキシシランを加水分解した後、ゲル化工程において、重縮合によってアルキル基を維持したままシロキサンの三次元網目構造を形成する。この際、界面活性剤が存在することにより、反応系中の溶媒と成長していくシロキサン重合体との間の化学的親和性の差異を小さくし、重合反応によって誘起される相分離の傾向を抑制することができる。そして、相分離の傾向を抑制することにより、ゾル−ゲル転移によって固化したエアロゲル中の細孔はより微細となり、メソスコピックレベルの相分離を維持することが可能となる。
界面活性剤は、非イオン性界面活性剤及びイオン性界面活性剤の少なくともいずれか一方を使用することができる。また、イオン性界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両イオン性界面活性剤の少なくともいずれか一つを使用することができる。ただ、本実施形態では、カチオン性界面活性剤又はアニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン等の親水部とアルキル基からなる疎水部とを含むものが使用できる。また、非イオン性界面活性剤としては、親水部としてポリオキシプロピレンを含むものも使用できる。ポリオキシエチレン等の親水部とアルキル基からなる疎水部とを含む界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル及びポリオキシエチレンアルキルエーテルが挙げられる。親水部としてポリオキシプロピレンを含む界面活性剤としては、例えば、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロック共重合体等が挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、例えば、臭化セチルトリメチルアンモニウム及び塩化セチルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
両イオン性界面活性剤としては、例えば、アミノ酸系、ベタイン系及びアミンオキシド系等が挙げられる。アミノ酸系の界面活性剤としては、例えば、アシルグルタミン酸等が挙げられる。ベタイン系の界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン及びステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。アミンオキシド系の界面活性剤としては、例えばラウリルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
上述の界面活性剤は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。また、界面活性剤の添加量は、界面活性剤の種類、並びにモノアルキルトリアルコキシシランの種類及び量により適宜調整することが好ましい。界面活性剤の添加量は、モノアルキルトリアルコキシシラン10gに対し0.1〜10.0gとすることが好ましく、0.5〜6.0gとすることがより好ましい。
ゾル化工程におけるゾルの調製方法は特に限定されない。調製方法としては、例えば密閉容器及び密閉式の攪拌機が付いた反応装置に、所定量のケイ酸酸性水溶液を投入し、モノアルキルトリアルコキシシラン及び必要に応じて界面活性剤を順次添加した後、十分に攪拌する。なお、界面活性剤の添加順序は特に限定されず、例えばケイ酸酸性水溶液に界面活性剤を添加した後に、モノアルキルトリアルコキシシランを添加してもよい。また、ケイ酸酸性水溶液にモノアルキルトリアルコキシシランを添加した後に、界面活性剤を添加してもよい。さらに、ケイ酸酸性水溶液に界面活性剤とモノアルキルトリアルコキシシランを同時に添加してもよい。
[ゲル化工程]
本実施形態の製造方法では、上述のゾル化工程で得られたゾルをゲル化させ、湿潤ゲルを生成する。上記ゾルをゲル化させる方法は特に限定されないが、例えばゾルに塩基を添加することによりゲル化させ、湿潤ゲルを生成することができる。
本実施形態の製造方法では、上述のゾル化工程で得られたゾルをゲル化させ、湿潤ゲルを生成する。上記ゾルをゲル化させる方法は特に限定されないが、例えばゾルに塩基を添加することによりゲル化させ、湿潤ゲルを生成することができる。
ゾルをゲル化させるための塩基としては、揮発性が高く、さらに得られる湿潤ゲルに残留し難いという観点から、例えばアンモニア水を使用することができる。この際、アンモニア水の濃度は希薄であることが好ましく、例えば0.01〜1mol/Lとすることが好ましい。このような希薄なアンモニア水をゾルに添加することにより、ゾルのpHを徐々に上昇させ、ゲル化反応を略均一に生じさせることが可能となる。
上記ゾルをゲル化させる方法としては上述の他に、例えばゾルに、加水分解によって当該ゾルを塩基性にする化合物を添加することによりゲル化させ、湿潤ゲルを生成することができる。
加水分解によって当該ゾルを塩基性にする化合物としては特に限定されないが、例えば尿素を挙げることができる。また、当該化合物としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の酸アミドや、環状窒素化合物であるヘキサメチレンテトラミンも挙げられる。さらに、分解反応によって、フッ化水素酸のようにゲル化を促進する性質を有する化合物を生じるものも、同様に用いることができる。なお、ゾルを塩基性にする化合物は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
ゾルを塩基性にする化合物の添加量は、化合物の種類により調整することが好ましい。当該化合物として尿素を使用する場合には、モノアルキルトリアルコキシシラン10gに対して0.1〜20.0gとすることが好ましく、0.2〜15.0gとすることがより好ましい。この範囲内であることにより、加水分解時に十分な量のアンモニアを発生させることができ、ゲル化を効率的に行うことが可能となる。
また、ゾルを塩基性にする化合物の加水分解反応を促進するために、当該化合物を混合したゾルを加熱してもよい。なお、加熱温度は、化合物の種類により調整する必要がある。当該化合物として尿素を使用する場合には、50〜200℃の範囲でゾルを加熱することが好ましい。また、加熱後のゾルのpH値は、9.0〜11.0となることが好ましい。
本実施形態のゲル化工程では、上述のように、塩基を添加するか、又は加水分解によってゾルを塩基性にする化合物を添加することにより、ゾルを塩基性にする。この際、ゾルを密閉条件下に置き、ゾル中の物質の揮発や分解を抑制することが好ましい。これにより、ケイ酸の表面で、モノアルキルトリヒドロキシシランが脱水縮合し、当該表面にアルキル基が有機修飾され易くなる。さらに、有機修飾されたケイ酸及び残存するモノアルキルトリヒドロキシシランが縮合し、ゾルを溶媒リッチ相と骨格相とに分離したゲルに転化させ易くなる。
ここで、上述のようにゾル−ゲル転移を起こして流動性を失ったゲルは、生成した網目構造の中に微細な未反応の部位を持つ。そのため、未反応部位を減少されるために、必要に応じて適当な温度と時間をかけて、ゲルを熟成させることが好ましい。ゲルの熟成は、熱振動や溶媒共存の条件下で、未反応部位において徐々に網目をきめ細かく繋いでいく反応である。なお、熟成は、ゾル−ゲル反応を起こしたときと同じ温度範囲内で静置することにより行うことが好ましい。また、熟成過程においては、ゲルを密閉条件下に置き、ゲル中の物質の揮発や分解を抑制することが好ましい。
上述の熟成処理は、例えば加熱温度が50〜200℃で、加熱時間が2時間以上とすることが好ましい。つまり、熟成に要する時間は、湿潤ゲルの細孔の大きさや体積によって変化するため、実質的に細孔構造が変化しなくなる最短処理時間以上とすることが好ましい。
[乾燥工程]
本実施形態の製造方法では、上述のゲル化工程で得られた湿潤ゲルから溶媒を除去する。このように湿潤ゲルを乾燥させることにより、所望のシリカエアロゲルを得ることができる。
本実施形態の製造方法では、上述のゲル化工程で得られた湿潤ゲルから溶媒を除去する。このように湿潤ゲルを乾燥させることにより、所望のシリカエアロゲルを得ることができる。
ここで、従来より、アルコゲルの細孔にかかる毛細管力は、細孔径が小さいほど、また溶媒の表面張力が大きいほど増大し、ゲルが破壊され易くなることが知られている。そのため、特許文献2では、フッ素系溶媒等の表面張力が低い溶媒に置換して乾燥している。しかし、本実施形態に係る湿潤ゲルは、上述のように、モノアルキルトリアルコキシシランとケイ酸ゾルより合成し、さらに内部にアルキル基を有している。そのため、当該湿潤ゲルは、毛細管力を上回る骨格強度及び/又は毛細管力に伴って自由に変形できる骨格柔軟性を備えることから、フッ素系溶媒等の表面張力が低い溶媒を用いずに乾燥することができる。
本実施形態では、まず、ゲル化工程で得られた湿潤ゲル中に残存する水分、界面活性剤、ゾルを塩基性にする化合物、並びに未反応のモノアルキルトリアルコキシシラン及びケイ酸ゾル等を除去するために、湿潤ゲルの溶媒置換を行う。置換する溶媒としては極性溶媒を用いることができ、例えばアルコール類や水を用いることができる。
次に、溶媒置換した湿潤ゲルに対して、さらに別の溶媒を用いて溶媒置換を行うことが好ましい。つまり、当該湿潤ゲル中の極性溶媒を、当該極性溶媒よりも低極性の溶媒と置換することが好ましい。このような低極性溶媒に置換することにより、乾燥時における湿潤ゲルの収縮をさらに抑制することができる。
溶媒置換は、例えば、ゲル化工程で得られた湿潤ゲルを、置換する溶媒に浸漬することにより行うことができる。この際、必要に応じて溶媒を加熱してもよく、また還流させてもよい。
極性溶媒としては、例えば、溶媒の極性を表すパラメーターとして知られているET N値が0.70以上の溶媒を使用することができる。このような溶媒としては、例えばメタノールや水を挙げることができる。なお、極性溶媒は一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、低極性溶媒としては、例えば、ET N値が0.55以下の溶媒を使用することができる。このような溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、イソプロピルアルコール(IPA)、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、及びメチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)などの炭化水素系溶媒や有機ケイ素系溶媒を挙げることができる。なお、低極性溶媒としては、ET N値が0.03以下の無極性溶媒を用いることがより好ましく、n−ヘプタンが特に好ましい。なお、低極性溶媒も一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
次に、上述のように極性溶媒又は低極性溶媒で溶媒置換した湿潤ゲルを乾燥させ、湿潤ゲルから溶媒を除去する。この際、湿潤ゲルを、当該湿潤ゲルに含まれる溶媒の臨界温度未満及び臨界圧未満で乾燥させる。つまり、湿潤ゲルの液体分散媒(溶媒)が極性溶媒の場合には、当該極性溶媒の臨界温度未満及び臨界圧未満で乾燥させる。また、湿潤ゲルの液体分散媒が低極性溶媒の場合には、当該低極性溶媒の臨界温度未満及び臨界圧未満で乾燥させる。上述のように、本実施形態に係る湿潤ゲルは、毛細管力を上回る骨格強度及び/又は毛細管力に伴って自由に変形できる骨格柔軟性を備える。そのため、溶媒の臨界温度未満及び臨界圧未満で乾燥させた場合でも、湿潤ゲルの収縮及び破壊を抑制することができる。なお、湿潤ゲルの乾燥条件は、湿潤ゲルに含まれる溶媒の種類によって異なるが、例えば大気圧下で120〜200℃の範囲内とすることが好ましい。
このように湿潤ゲルから溶媒を除去することにより、本実施形態に係るシリカエアロゲルを得ることができる。得られたシリカエアロゲルは、三次元に網目状に連続した貫通孔と、ゲル壁表面をアルキル基で覆ったケイ酸からなり、三次元網目状に連続した骨格とから形成されている。
ここで、上述のように、本実施形態のシリカエアロゲルにおける骨格は、nSiO2・mH2Oで表されるケイ酸とRSi(OH)3(R:アルキル基)で表されるモノアルキルトリヒドロキシシランとの縮合により得られている。そのため、シリカエアロゲルの骨格は、ケイ酸に起因し、Q単位を呼ばれる4官能型のシリケート(SiO2)とモノアルキルトリヒドロキシシランに起因し、T単位と呼ばれるオルガノシルセスキオキサン(RSiO1.5)とを有している。そして、シリケートが中性酸素3原子と水酸基1つに結合したQ3や中性酸素4原子と結合したQ4構造を形成し、さらにオルガノシルセスキオキサンが中性酸素2原子と水酸基1つに結合したT2や中性酸素3原子と結合したT3を形成している。さらに、上述のように、当該シリカエアロゲルは、骨格中にアルキル基を備えている。そのため、適度な強度と柔軟性を備えた骨格とすることが可能となる。
また、上述のように得られたシリカエアロゲルは、メソスコピック領域(1nm〜100nmの領域)での三次元網目構造を有する。三次元網目状に連続した貫通孔の孔径は、5nm〜100nmとすることができ、20nm〜35nmとすることがより好ましい。また、骨格の断面積の直径は、2nm〜25nmとすることができ、3nm〜7nmとすることがより好ましい。
このように、本実施形態に係るシリカエアロゲルの製造方法は、ケイ酸を含む酸性水溶液に、モノアルキルトリアルコキシシランを添加してゾルを生成するゾル化工程と、当該ゾルをゲル化させ、湿潤ゲルを生成するゲル化工程とを有する。さらに本実施形態の製造方法は、当該湿潤ゲルを、湿潤ゲルに含まれる溶媒の臨界温度未満及び臨界圧未満で乾燥させることにより、湿潤ゲルから溶媒を除去する乾燥工程を有する。そして、モノアルキルトリアルコキシシランは、ケイ酸を含む酸性水溶液のケイ素量1モル部に対して、モノアルキルトリアルコキシシラン中のケイ素量が1モル部以上となるように、上記酸性水溶液に添加する。
このような本実施形態の製造方法では、従来の製造方法で必要とされた超臨界条件での乾燥が不要となるため、製造工程を簡略化し、設備も簡素化することが可能となる。また、特許文献2のように、乾燥溶媒としてフッ素系溶媒を使用する必要もないため、生産コストを抑え、さらに環境への影響も低減することができる。
また、シリカエアロゲルの原料をモノアルキルトリアルコキシシランのみとした場合、モノアルキルトリアルコキシシランは高価であるため、生産コストが上昇してしまう。しかし、本実施形態では、原料のモノアルキルトリアルコキシシランの一部を安価な水ガラス由来のケイ酸酸性水溶液に置き換えたため、生産コストを低減することが可能となる。
さらに本実施形態の製造方法では、ケイ酸酸性水溶液とモノアルキルトリアルコキシシランとを使用し、分子レベルでケイ酸ゾルとアルキル基を有するシリコン化合物とを結合させている。つまり、湿潤ゲルのゲル壁表面を、モノアルキルトリアルコキシシランに由来するアルキル基で被覆している。そのため、この湿潤ゲルを乾燥させる際、体積が収縮することを抑制でき、嵩密度が小さく、平均細孔径が小さいシリカエアロゲルを製造することができる。また、骨格分子中にアルキル基を有することから、高い剛性と柔軟性とを両立したシリカエアロゲルとすることができる。また、当該シリカエアロゲルは、空気の平均自由工程より小さな細孔を有し、さらに嵩密度が低い。そのため、断熱性能に優れ、建築分野、家電製品、産業用設備の断熱材等に好ましく用いることができる。また、断熱材の他に、触媒担持体等にも好ましく用いることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
まず、SiO2含有率が6質量%であり、Na2O:SiO2の比が1:3のナトリウム水ガラス溶液を準備した。そして、1Lの当該ナトリウム水ガラス溶液を、強酸性陽イオン交換樹脂が0.5L充填されているカラムの中に通過させることにより、酸性のケイ酸ゾルを得た。この際、流出してくる溶液のpHは1.5であった。ここで、強酸性陽イオン交換樹脂としては、オルガノ株式会社製のアンバーライト(登録商標)を使用した。
まず、SiO2含有率が6質量%であり、Na2O:SiO2の比が1:3のナトリウム水ガラス溶液を準備した。そして、1Lの当該ナトリウム水ガラス溶液を、強酸性陽イオン交換樹脂が0.5L充填されているカラムの中に通過させることにより、酸性のケイ酸ゾルを得た。この際、流出してくる溶液のpHは1.5であった。ここで、強酸性陽イオン交換樹脂としては、オルガノ株式会社製のアンバーライト(登録商標)を使用した。
次に、得られた酸性のケイ酸ゾル10gに、界面活性剤として、ナカライテスク株式会社製の塩化セチルトリメチルアンモニウム(別名:塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム)0.50gを溶解させた。さらに、界面活性剤を混合した当該ケイ酸ゾルに、ナカライテスク株式会社製の尿素3.00gを溶解させ、混合溶液を調製した。
その後、当該混合溶液に、シリコン化合物としてメチルトリメトキシシラン(以下、「MTMS」と略記)5.0mLを添加して30分間攪拌し、MTMSの加水分解反応を行わせてゾルを生成させた。なお、メチルトリメトキシシランは、信越化学工業株式会社製の試薬名KBM−13(比重:0.95)を使用した。そして、生成させたゾルを、密閉容器内において60℃で静置し、ゲル化させた。続けて96時間静置することによりゲルを熟成させて、ゲル状化合物を得た。
さらに、得られたゲル状化合物に対して、次のように溶媒置換を行った。まず、当該ゲル状化合物を60℃の水に12時間浸漬した。次いで、ゲル状化合物を60℃のメタノールに2時間浸漬した。その後、新しいメタノールに交換して60℃で6時間浸漬させる工程を2回行った。
そして、メタノールに溶媒置換したゲル状化合物を60℃のヘプタンに2時間浸漬した。その後、新しいヘプタンに交換して60℃で6時間浸漬させる工程を2回行った。ヘプタンに溶媒置換したゲル状化合物を大気圧下、120℃で12時間乾燥させることにより、本例のシリカエアロゲル粒子を得た。
このシリカエアロゲル粒子を評価した結果、嵩密度が0.15g/cm3であり、熱伝導率が0.012W/(m・K)であり、平均粒径が1000μmであった。
[実施例2]
まず、実施例1と同様に、酸性のケイ酸ゾルを調製した。次に、得られた酸性のケイ酸ゾル10gに、実施例1の塩化セチルトリメチルアンモニウム0.50gを溶解させ、混合溶液を調製した。
まず、実施例1と同様に、酸性のケイ酸ゾルを調製した。次に、得られた酸性のケイ酸ゾル10gに、実施例1の塩化セチルトリメチルアンモニウム0.50gを溶解させ、混合溶液を調製した。
さらに当該混合溶液に、実施例1のメチルトリメトキシシラン5.0mLを添加して30分間攪拌し、MTMSの加水分解反応を行わせてゾルを生成させた。そして、生成させたゾルに0.1mol/Lのアンモニア水2.5gを添加し、ゲル化させた。その後、密閉容器内において60℃で96時間静置することによりゲルを熟成させて、ゲル状化合物を得た。
次に、得られたゲル状化合物に対して、実施例1と同様に溶媒置換を行った。そして、ヘプタンに溶媒置換したゲル状化合物を大気圧下、120℃で12時間乾燥させることにより、本例のシリカエアロゲル粒子を得た。
このシリカエアロゲル粒子を評価した結果、嵩密度が0.15g/cm3であり、熱伝導率が0.012W/(m・K)であり、平均粒径が1000μmであった。
[実施例3]
まず、実施例1と同様に、ゲル状化合物を調製した。さらに、得られたゲル状化合物に対して、次のように溶媒置換を行った。まず、当該ゲル状化合物を60℃の水に12時間浸漬した。次いで、ゲル状化合物を60℃のメタノールに2時間浸漬した。その後、新しいメタノールに交換して60℃で6時間浸漬させる工程を2回行った。
まず、実施例1と同様に、ゲル状化合物を調製した。さらに、得られたゲル状化合物に対して、次のように溶媒置換を行った。まず、当該ゲル状化合物を60℃の水に12時間浸漬した。次いで、ゲル状化合物を60℃のメタノールに2時間浸漬した。その後、新しいメタノールに交換して60℃で6時間浸漬させる工程を2回行った。
そして、メタノールに溶媒置換したゲル状化合物を、60℃のイソプロピルアルコールに2時間浸漬した。その後、新しいイソプロピルアルコールに交換して60℃で6時間浸漬させる工程を2回行った。イソプロピルアルコールに溶媒置換したゲル状化合物を大気圧下、120℃で12時間乾燥させることにより、本例のシリカエアロゲル粒子を得た。
このシリカエアロゲル粒子を評価した結果、嵩密度が0.20g/cm3であり、熱伝導率が0.020W/(m・K)であり、平均粒径が1000μmであった。
[比較例1]
混合溶液に対するメチルトリメトキシシランの添加量を1.2mLとした以外は実施例1と同様にして、本例のシリカエアロゲル粒子を得た。このシリカエアロゲル粒子を評価した結果、嵩密度が0.29g/cm3であり、熱伝導率が0.030W/(m・K)であり、平均粒径が1000μmであった。
混合溶液に対するメチルトリメトキシシランの添加量を1.2mLとした以外は実施例1と同様にして、本例のシリカエアロゲル粒子を得た。このシリカエアロゲル粒子を評価した結果、嵩密度が0.29g/cm3であり、熱伝導率が0.030W/(m・K)であり、平均粒径が1000μmであった。
上述のように、実施例1乃至3では、MTMSを、酸性のケイ酸ゾル中のケイ素量1モル部に対して、MTMS中のケイ素量が3.5モル部となるように添加した。そのため、嵩密度が0.20g/cm3以下であり、熱伝導率も0.020W/(m・K)以下である、軽量かつ断熱性に優れたシリカエアロゲルが得られた。これに対し、比較例1では、MTMSを、酸性のケイ酸ゾル中のケイ素量1モル部に対して、MTMS中のケイ素量が0.8モル部となるように添加した。そのため、ケイ酸の表面をアルキル基で十分に有機修飾できず、結果として湿潤ゲルが収縮し、嵩密度の高いシリカエアロゲルとなった。
また、実施例1及び2では、湿潤ゲルの乾燥溶媒としてヘプタンを使用している。そのため、イソプロピルアルコールを使用した実施例3と比較し、さらに嵩密度を低減させることが可能となった。
以上、本発明を実施例及び比較例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
Claims (6)
- ケイ酸を含む酸性水溶液に、モノアルキルトリアルコキシシランを添加してゾルを生成するゾル化工程と、
前記ゾルをゲル化させ、湿潤ゲルを生成するゲル化工程と、
前記湿潤ゲルを、前記湿潤ゲルに含まれる溶媒の臨界温度未満及び臨界圧未満で乾燥させることにより、前記湿潤ゲルから前記溶媒を除去する乾燥工程と、
を有し、
前記モノアルキルトリアルコキシシランは、前記酸性水溶液中のケイ素量1モル部に対して、モノアルキルトリアルコキシシラン中のケイ素量が1モル部以上となるように、前記酸性水溶液に添加することを特徴とするシリカエアロゲルの製造方法。 - 前記酸性水溶液は、さらに界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1に記載のシリカエアロゲルの製造方法。
- 前記ゲル化工程は、前記ゾルに塩基を添加することにより前記湿潤ゲルを生成する工程、又は、前記ゾルに、加水分解によって前記ゾルを塩基性にする化合物を添加することにより、前記湿潤ゲルを生成する工程であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリカエアロゲルの製造方法。
- 前記酸性水溶液は、酸性陽イオン交換樹脂又は無機酸を用いて水ガラスのpHを3.0以下にすることにより得られることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシリカエアロゲルの製造方法。
- 前記溶媒は無極性溶媒であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシリカエアロゲルの製造方法。
- 前記溶媒はn−ヘプタンであることを特徴とする請求項5に記載のシリカエアロゲルの製造方法。
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