JPWO2015156055A1 - ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

ステアリング装置は、筒状のインナーコラム3と、筒状のアウターコラム7と、コラムブラケット1と、チルトボルト21と、チルトボルト21の外周に取り付けられるロック部材27と、第1固定機構20と、第2固定機構2と、を備える。第1固定機構20は、操作レバー6の回転に応じて、押圧ブラケット42でアウターコラム7を締め付ける。第2固定機構2は、操作レバー6の回転に応じて、インナーコラム3に対してチルト方向にロック部材27を付勢する。第1固定機構20および第2固定機構2が固定された状態において、インナーコラム3が車体前方に移動したとき、ロック部材27がチルトボルト21から離脱する。

Description

本発明は、ステアリング装置に関する。
ステアリングホイールの回転に伴って車輪に舵角を付与するステアリング装置の支持構造として、カプセルを用いた技術が広く知られている。例えば、特許文献1には、車体にカプセルを介して取り付けられたステアリングコラムに過大荷重が加わり、ステアリングコラムが車体前方に押されると、カプセルの一部が切断されることでステアリングコラムが車体前方に移動して、運転者(操作者)をステアリングホイールの突き上げ(2次衝突)から保護するようになっている技術が記載されている。
特開2007−69800号公報
特許文献1に記載の技術のようにステアリングコラムがカプセルを介して車体に取り付けられている場合、カプセルが切断されるとステアリングコラムが落下する。このため、体重の軽い操作者を2次衝突からより保護するために、ステアリングコラムが車体前方に移動する離脱荷重の設定値を下げた場合、誤動作によるステアリングコラムの落下が起こりやすくなる。誤動作によってステアリングコラムが落下すると、以後ステアリング操作を行うことが困難になる。このため、離脱荷重の設定値を下げることが困難であった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、ステアリングホイールが車体前方に移動する離脱荷重の設定値を下げても、誤動作によってステアリングコラムが落下する事態を抑制することができるステアリング装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係るステアリング装置は、ステアリングホイールに連結される入力軸を回転可能に支持する、筒状のインナーコラムと、前記インナーコラムの少なくとも一部が内側に挿入される筒状部材であって、前記インナーコラムの挿入側の一端を切り欠いたスリットを有するアウターコラムと、車体側部材に固定され、前記アウターコラムを挟む押圧ブラケットで前記アウターコラムを締め付けるコラムブラケットと、前記押圧ブラケットを貫通し、操作レバーに連動するチルトボルトと、前記チルトボルトの外周に取り付けられるロック部材と、前記操作レバーの回転に応じて、前記アウターコラムを締め付ける第1固定機構と、前記操作レバーの回転に応じて、前記インナーコラムに対してチルト方向に前記ロック部材を付勢する第2固定機構と、を備え、前記第1固定機構が前記アウターコラムを締め付け、かつ前記第2固定機構が前記インナーコラムに対してチルト方向に前記ロック部材を付勢する状態において、前記インナーコラムが車体前方に移動したとき、前記ロック部材が前記チルトボルトから離脱することを特徴とする。
この構造により、車体には車体側部材を介して、アウターコラムが支持されており、2次衝突時において、ステアリングホイールからステアリングコラムへ力が伝達されると、インナーコラムがアウターコラムの内部に挿入されてアウターコラムに収容される。この場合、アウターコラムが車体に固定されたままとなる。このため、仮に誤動作によりインナーコラムがアウターコラムの内部に挿入されても、ステアリングコラムの落下が生じない。コラムブラケットにより挟む圧力を下げて、インナーコラムとアウターコラムとの間に生じる摩擦力を下げても、第2固定機構がロック部材をインナーコラムに対してチルト方向に付勢するので、2次衝突以外の他の要因の荷重でも離脱荷重を超えてしまう可能性が低減する。このため、体重の軽い操作者に対する2次衝突の衝撃を緩和するために、ステアリングホイールが車体前方に移動する離脱荷重の設定値を下げることができる。
本発明の望ましい態様として、前記ロック部材は、前記チルトボルトが貫通可能な筒状の部材であって、前記チルトボルトの軸方向で一端から他端に亘る切り欠きであって前記チルトボルトの車体後方側に設けられる開口部と、前記開口部よりも前記インナーコラム側に設けられて前記インナーコラムに接触可能な当接部と、を備えることが好ましい。これにより、通常使用においては、筒状であるため、ロック部材がチルトボルトから抜け落ちる可能性は抑制される。また、開口部を備えることで、2次衝突の発生時に当接部を介して伝えられる摩擦力によってロック部材が前方に移動できるため、ロック部材が第2回転カム部から離脱することができる。よって、ステアリング装置は、通常使用においてロック部材が抜け落ちる可能性を抑制でき、かつ2次衝突の発生時においてロック部材の離脱を可能にすることができる。
本発明の望ましい態様として、前記第2固定機構が解除された状態における前記チルトボルトの回転軸から前記インナーコラムの外周面までの最小距離である第1距離は、前記回転軸から前記当接部の表面までの距離である第2距離よりも小さく、かつ前記回転軸から前記ロック部材の前記当接部以外の表面までの最大距離である第3距離よりも大きいことが好ましい。これにより、操作レバーの回転に応じて当接部がインナーコラムに接することができるとともに、操作レバーが逆方向に回転したときにはロック部材がインナーコラムに接触しなくなる。このため、ステアリング装置は、操作レバーの回転により、解除状態と固定状態とを容易に選択することができる。
本発明の望ましい態様として、前記ロック部材は、金属製の前記当接部と、前記当接部よりも前記チルトボルト側に設けられて前記チルトボルトに接する保持部とを備え、前記保持部は、前記当接部よりも弾性率の小さい材料であることが好ましい。これにより、当接部が金属製であるため、インナーコラムとロック部材との間に生ずる摩擦力が安定しやすい。一方、保持部が金属よりも弾性率の小さい樹脂製であるため、ロック部材の変形量の調節がしやすい。よって、ステアリング装置は、ロック部材の離脱荷重のバラつきを抑制し、かつ離脱荷重の設定を容易にすることができる。
本発明の望ましい態様として、前記ロック部材は、前記当接部の表面に歯部を備えることが好ましい。これにより、インナーコラムと当接部との間に生ずる摩擦力が安定しやすい。よって、ステアリング装置は、ロック部材の離脱荷重のバラつきを抑制することができる。
本発明の望ましい態様として、前記ロック部材の離脱構造は、前記チルトボルトが貫通可能な筒状の部材であって、前記チルトボルトの軸方向で一端から他端に亘る切り欠きであって前記チルトボルトの車体後方側に設けられる開口部と、前記開口部よりも前記インナーコラム側に設けられて前記インナーコラムに固定されたギヤロックレールに接触可能な当接部と、を備えることが好ましい。これにより、通常使用においては、筒状であるため、ロック部材がチルトボルトから抜け落ちる可能性は抑制される。さらに当接部においてインナーコラムに固定された前記ギヤロックレールと前記ロック部材とがギヤで噛み合う。また、開口部を備えることで、2次衝突の発生時にインナーコラムに固定された前記ギヤロックレールから当接部を介して伝えられる摩擦力によってロック部材が確実に前方へ移動できるため、ロック部材が第2回転カム部から離脱することができる。よって、ステアリング装置は、通常使用においてロック部材が抜け落ちる可能性を抑制でき、かつ2次衝突の発生時においてロック部材の離脱を確実に行うことができる。
本発明の望ましい態様として、前記第2固定機構は、前記インナーコラムに固定されたギヤロックレールを備え、前記ロック部材は、前記チルトボルトが貫通可能な筒状の部材であって、前記チルトボルトの軸方向で一端から他端に亘る切り欠きであって前記チルトボルトの車体後方側に設けられる開口部と、前記開口部よりも前記インナーコラム側に設けられて前記ギヤロックレールに接触可能な当接部と、を備えることが好ましい。これにより、通常使用においては、筒状であるため、ロック部材がチルトボルトから抜け落ちる可能性は抑制される。さらに当接部においてインナーコラムに固定された前記ギヤロックレールと前記ロック部材とがギヤで噛み合う。また、開口部を備えることで、2次衝突の発生時にインナーコラムに固定された前記ギヤロックレールから当接部を介して伝えられる摩擦力によってロック部材が確実に前方へ移動できるため、ロック部材が第2回転カム部から離脱することができる。よって、ステアリング装置は、通常使用においてロック部材が抜け落ちる可能性を抑制でき、かつ2次衝突の発生時においてロック部材の離脱を確実に行うことができる。
本発明の望ましい態様として、前記第2固定機構が解除された状態における前記チルトボルトの回転軸から前記インナーコラムの外周面までの最小距離である第1距離は、前記回転軸から前記当接部の表面までの距離である第2距離よりも小さく、かつ前記回転軸から前記ロック部材の前記当接部以外の表面までの最大距離である第3距離よりも大きいことが好ましい。これにより、操作レバーの回転に応じて当接部がインナーコラムに固定されたギヤロックレールに接することができるとともに、操作レバーが逆方向に回転したときにはロック部材がインナーコラムに固定されたギヤロックレールに接触しなくなる。このため、ステアリング装置は、操作レバーの回転により、解除状態と固定状態とを容易に選択することができる。
本発明の望ましい態様として、前記ロック部材は、金属製の前記当接部と、前記当接部よりも前記チルトボルト側に設けられて前記チルトボルトに接する保持部とを備え、前記保持部は、前記当接部よりも弾性率の小さい材料であることが好ましい。これにより、当接部が金属製であるため、インナーコラムに固定されたギヤロックレールとロック部材との間に生ずる力がロスなく伝達される。一方、保持部が金属よりも弾性率の小さい樹脂製であるため、ロック部材の変形量の調節がしやすい。よって、ステアリング装置は、ロック部材の離脱荷重のバラつきを抑制し、かつ離脱荷重の設定を容易にすることができる。
本発明の望ましい態様として、前記ロック部材は、前記当接部の表面に歯部を備えることが好ましい。これにより、インナーコラムに固定されたギヤロックレールと当接部との間は、歯の噛み合い結合となり力の伝達ロスがない。よって、ステアリング装置は、ロック部材の離脱荷重のバラつきを抑制することができる。
本発明の望ましい態様として、前記アウターコラムは、車体前方側に位置し、ピボットブラケットを備え、離脱した前記インナーコラムを挿入可能である。これにより、アウターコラムの軸方向とインナーコラムの軸方向とが平行になりやすくなる。このため、インナーコラムが軸方向に移動する際に、アウターコラムがインナーコラムを案内しやすくなる。よって、インナーコラムが軸方向に対して真っ直ぐ移動しやすくなるため、インナーコラムの移動が妨げられる可能性またはインナーコラムとアウターコラムとの間に生じる摩擦力が所定値よりも大きくなる可能性が抑制される。
本発明の望ましい態様として、前記第1固定機構が前記アウターコラムを締め付け、かつ前記第2固定機構が前記インナーコラムに対してチルト方向に前記ロック部材を付勢する状態において、前記インナーコラムが車体前方に移動したとき、前記ロック部材が前記チルトボルトの一部と共に前記チルトボルトから離脱することが好ましい。これにより、ロック部材の離脱荷重は、せん断部のせん断強度に依存する。せん断部のせん断強度の設定は、ロック部材の剛性の設定と比較して容易である。このため、ロック部材の離脱荷重の設定が容易になる。
本発明の望ましい態様として、前記チルトボルトは、前記アウターコラムの両側にあるそれぞれの前記押圧ブラケットを貫通する2つのボルト本体と、2つの前記ボルト本体の間に配置されかつ前記ボルト本体の外周よりも小さな外周を有するせん断部と、を備え、 前記ロック部材は、前記せん断部に取り付けられることが好ましい。これにより、ロック部材に作用する前方向きの力に応じてせん断部がせん断破壊する。このため、ロック部材の離脱荷重は、せん断部のせん断強度に依存する。せん断部のせん断強度の設定は、ロック部材の剛性の設定と比較して容易である。さらに、せん断部に加わるせん断力がロック部材の両側で均等になりやすい。したがって、ロック部材の離脱荷重の設定が容易になる。
本発明の望ましい態様として、前記チルトボルトは、前記アウターコラムの両側にあるそれぞれの前記押圧ブラケットを貫通する2つのボルト本体と、2つの前記ボルト本体の間に配置されかつ前記ボルト本体の外周よりも小さな外周を有する2つのせん断部と、を備え、前記ロック部材は、前記2つのせん断部の間に配置されることが好ましい。これにより、ロック部材に作用する前方向きの力に応じてせん断部がせん断破壊する。このため、ロック部材の離脱荷重は、せん断部のせん断強度に依存する。せん断部のせん断強度の設定は、ロック部材の剛性の設定と比較して容易である。さらに、せん断部に加わるせん断力がロック部材の両側で均等になりやすい。したがって、ロック部材の離脱荷重の設定が容易になる。
本発明の望ましい態様として、前記せん断部の縁は面取りされていることが好ましい。これにより、せん断部に引張力が作用しても、縁を起点としたクラックが生じにくくなっている。このため、せん断部のせん断強度が安定するので、ロック部材の離脱荷重が安定する。
本発明によれば、ステアリングホイールが車体前方に移動する離脱荷重の設定値を下げても、誤動作によってステアリングコラムが落下する事態を抑制することができるステアリング装置を提供することができる。
図1は、本実施形態に係るステアリング装置の取り付け状態を説明するための説明図である。 図2は、本実施形態に係るステアリング装置のステアリングコラムを模式的に示す側面図である。 図3は、図2のA−A断面を示す断面図である。 図4は、図2の入力軸及び出力軸の回転軸を含む断面を模式的に示す断面図である。 図5は、本実施形態に係る第2固定機構が固定している状態を説明するための説明図である。 図6は、本実施形態に係る第2固定機構が固定を解除している状態を説明するための説明図である。 図7は、本実施形態に係る第2固定機構をチルト方向下側から見た平面図である。 図8は、2次衝突が生じた場合における、本実施形態に係る第2固定機構の状態を説明するための説明図である。 図9は、比較例におけるステアリングコラムの変位量とステアリングコラムを移動させるために必要な荷重との関係を示す図である。 図10は、本実施形態におけるステアリングコラムの変位量とステアリングコラムを移動させるために必要な荷重との関係を示す図である。 図11は、変形例1に係る第2固定機構が固定している状態を説明するための説明図である。 図12は、変形例2に係る第2固定機構が固定している状態を説明するための説明図である。 図13は、変形例3に係る第2固定機構が固定している状態を説明するための説明図である。 図14は、変形例3に係る第2固定機構が固定を解除している状態を説明するための説明図である。 図15は、変形例3に係る第2固定機構をチルト方向下側から見た平面図である。 図16は、2次衝突が生じた場合における、変形例3に係る第2固定機構の状態を説明するための説明図である。 図17は、変形例4に係るステアリング装置において、図2のA−A断面に相当する断面を示す断面図である。 図18は、変形例4に係る第2固定機構が固定している状態を説明するための説明図である。 図19は、変形例4に係るチルトボルトを示す拡大図である。 図20は、2次衝突が生じた場合における、変形例4に係る第2固定機構の状態を説明するための説明図である。 図21は、変形例4に係るロック部材の他の形態を示す説明図である。 図22は、変形例5に係るステアリング装置において、図2のA−A断面に相当する断面を示す断面図である。 図23は、変形例5に係るチルトボルトを示す拡大図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(実施形態)
図1は、本実施形態に係るステアリング装置の構成図である。図1を用いて、本実施形態に係るステアリング装置の概要を説明する。また、以下の説明において、ステアリング装置100を車体に取り付けた場合の車体の前方は、単に前方と記載され、ステアリング装置100を車体に取り付けた場合の車体の後方は、単に後方と記載される。図1において、前方は、図中の左側であり、後方は、図中の右側である。
ステアリング装置100は、車体VBに設置され、操作者から与えられる力が伝達する順に、ステアリングホイール4と、ステアリングシャフト15と、ユニバーサルジョイント9と、ロアシャフト10と、ユニバーサルジョイント11と、ラックアンドピニオンRPと、を備える。
ステアリングシャフト15は、入力軸5と、出力軸8とを含む。入力軸5は、一方の端部がステアリングホイール4に連結され、他方の端部が出力軸8に連結される。出力軸8は、ステアリングコラム内で一方の端部が入力軸5に連結され、他方の端部がユニバーサルジョイント9に連結される。本実施形態では、入力軸5及び出力軸8は、SPCC(Steel Plate Cold Commercial)等の一般的な鋼材等から形成される。
ロアシャフト10は、一方の端部がユニバーサルジョイント9に連結され、他方の端部がユニバーサルジョイント11に連結される。ラックアンドピニオンRPは、一方の端部がユニバーサルジョイント11に連結される。
また、ステアリング装置100は、入力軸5を回転可能に支持する筒状のインナーコラム3と、インナーコラム3の少なくとも一部が内側に挿入される筒状のアウターコラム7と、を含むステアリングコラム14を備える。インナーコラム3は、アウターコラム7よりも後方側に配置されている。以下の説明において、インナーコラム3の軸方向およびアウターコラム7の軸方向は、適宜単に軸方向とする。
ステアリング装置100は、車体側部材13に固定されてアウターコラム7を支持するコラムブラケット1を備える。コラムブラケット1は、車体側部材13にボルトなどで離脱不能に固定されている。
また、アウターコラム7は、前方側端部に設けられるピボットブラケット12を有する。ピボットブラケット12は、回転軸PVを中心として回転可能に車体VBに支持されている。回転軸PVは、例えば水平方向に平行である。これにより、アウターコラム7は、鉛直方向に揺動可能に支持されている。操作者は、操作レバー6を回転させた後、ステアリングホイール4を介してステアリングコラム14を鉛直方向に揺動させて、チルト方向の位置を調整することができる。また、操作者は、操作レバー6を回転させた後、ステアリングホイール4を介してインナーコラム3を移動させることで、テレスコ位置を調整することができる。
ロアシャフト10は、車室とエンジンルームとを隔てる隔壁状のバルクヘッドBHの近傍に配置される。ラックアンドピニオンRPのピニオンは、ラック軸(不図示)に噛み合う。これにより、出力軸8を介して出力された操舵トルク(補助操舵トルクを含む)は、ユニバーサルジョイント9、を介してロアシャフト10に伝達され、さらにユニバーサルジョイント11を介してピニオンに伝達される。ピニオンに伝達された操舵力は、ステアリングギヤ(不図示)とラック(不図示)を介してタイロッド(不図示)に伝達され、操舵輪(不図示)を転舵させる。
以上の構造により、車体VBには、車体側部材13を介して、アウターコラム7が支持されており、2次衝突時において、ステアリングホイール4からステアリングコラム14へ力が伝達されると、インナーコラム3が、アウターコラム7が車体VBに固定されたままでアウターコラム7の内部に挿入されてアウターコラム7に収容され、操作者がステアリングホイール4より受ける衝撃を緩和することができる。操作者の体重が軽い場合、ステアリングコラム14のうちインナーコラム3が車体前方に移動する離脱荷重の設定値を下げた方がよく、コラムブラケット1により挟みつける圧力を下げて、インナーコラム3とアウターコラム7との間に生じる摩擦力を下げる。しかしながら、インナーコラム3とアウターコラム7との間に生じる摩擦力が低すぎると、2次衝突以外の他の要因の荷重でも離脱荷重を超えてしまう可能性がある。このため、本実施形態のステアリング装置100は、コラムブラケット1により挟みつける第1固定機構20の圧力に加え、第2固定機構2を備えている。
図2は、本実施形態に係るステアリング装置のステアリングコラムを模式的に示す側面図である。図3は、図2のA−A断面を示す断面図である。図4は、図2の入力軸及び出力軸の回転軸を含む断面を模式的に示す断面図である。図5は、本実施形態に係る第2固定機構が固定している状態を説明するための説明図である。図6は、本実施形態に係る第2固定機構が固定を解除している状態を説明するための説明図である。図7は、本実施形態に係る第2固定機構をチルト方向下側から見た平面図である。また、図7は、図4におけるB−B方向の矢視図である。図1から図7を用いて、ステアリング装置100の第2固定機構2について説明する。
なお、図3において、入力軸5及び出力軸8の図示は省略されている。例えば、図4に示すように、インナーコラム3は、入力軸5を回転自在に支持する軸受(ベアリング)3Rを備えている。アウターコラム7は、出力軸8を回転自在に支持する軸受(ベアリング)7Rを備えている。インナーコラム3は、外周表面の少なくとも一部がアウターコラム7の内側表面と対向するように挿入され、対向部分にはセレーション又はスプラインなどの動力伝達機構SEが形成されており、入力軸5の回転が出力軸8の回転に伝達できる。
コラムブラケット1は、図2のA−A断面である図3で示すように、図1に示す車体側部材13に固定される取付板部41と、アウターコラム7を挟むように取付板部41に固定された押圧ブラケット42とを備えている。押圧ブラケット42は、アウターコラム7の両側に配置され、アウターコラム7をディスタンスブラケット43を介して締め付けることができる。また、押圧ブラケット42には、チルト方向(車体VBの上下方向)に長い長穴であるチルト調整孔が設けられ、操作レバー6の回転と連動するチルトボルト21が貫通可能になっている。ディスタンスブラケット43は、アウターコラム7を位置決めする半円状の凹部を有する位置決め部44を備え、アウターコラム7と接する固定位置45で溶接加工などにより固定されている。アウターコラム7とディスタンスブラケット43とは、アルミニウムダイキャストまたはマグネシウムダイキャストで一体に成形されていてもよい。
第1固定機構20は、カム機構であって、操作レバー6に取り付けられて一体的に回転する第1回転カム部23と、コラムブラケット1のチルト調整孔にスライド可能に取り付けられ、操作レバー6の回転と連動しないように相対回転不能となっている第1固定カム部24とを有する。第1回転カム部23と第1固定カム部24とは周方向に凹凸を形成しており、これを相対回転させた場合において、第1回転カム部23の回転位置に応じて、第1回転カム部23と第1固定カム部24との距離が変化するようになっている。
チルトボルト21は、チルトボルト頭部21Aと、ボルト本体21Bと、第2回転カム部21Gと、ねじ部21Dとを備えている。チルトボルト21は、操作レバー6、第1回転カム部23、第1固定カム部24、押圧ブラケット42、ディスタンスブラケット43、押圧ブラケット42、スラストベアリング26を貫通し、かしめナット22にねじ部21Dが締結されている。チルトボルト頭部21Aに固定されたスピンストッパー25は、第1固定カム部24と、操作レバー6を挟み込み、操作レバー6の回転と、チルトボルト21及び第1回転カム部23の回転とを連動させている。スラストベアリング26は、第1回転カム部23の回転位置に応じて、第1回転カム部23と第1固定カム部24との距離が変化するので、チルトボルト21の軸方向に移動可能に支持する。
また、第1回転カム部23の回転位置に応じて、第1回転カム部23と第1固定カム部24との距離が変化するので、第1回転カム部23と第1固定カム部24との距離が小さくなる場合、押圧ブラケット42間を挟みつける圧力が小さくなる。このため、操作レバー6の回転に応じて、押圧ブラケット42間に作用する締め付け力が緩められて、押圧ブラケット42間とアウターコラム7との間の摩擦力がなくなるまたは小さくなる。これにより、操作者は、操作レバー6を回転させることで、ステアリングホイール4を介してステアリングコラム14をチルト調整孔の長手方向に沿って鉛直方向に揺動させることができる。そして、操作者は、アウターコラム7のチルト位置の調整が可能となる。また、操作レバー6の回転に応じて、押圧ブラケット42間に作用する締め付け力が緩められると、図7に示すアウターコラム7のスリット7Sの幅が大きくなる。これにより、アウターコラム7がインナーコラム3を締め付ける力がなくなるため、インナーコラム3が摺動する際の摩擦力がなくなる。その結果、操作者は、テレスコ位置を調整することができる。
また、第1回転カム部23と第1固定カム部24との距離が大きくなる場合、押圧ブラケット42間を挟みつける圧力が大きくなる。このため、操作レバー6を回転させることで、ステアリングコラム14のチルト位置を固定させることができる。また、操作レバー6を回転させることで、コラムブラケット1により挟みつける圧力を高め、インナーコラム3とアウターコラム7との間に生じる摩擦力を上げ、テレスコ位置を固定することができる。
このように、操作レバー6が回転に応じて、押圧ブラケット42間に作用する締め付け力が緩められ、押圧ブラケット42間とアウターコラム7との間の摩擦力がなくなるまたは小さくなる。これにより、アウターコラム7のチルト位置の調整が可能となる。また、操作レバー6が回転させられて、押圧ブラケット42間に作用する締め付け力が緩められると、図7に示すアウターコラム7のスリット7Sの幅が大きくなる。これにより、アウターコラム7がインナーコラム3を締め付ける力がなくなるため、インナーコラム3が摺動する際の摩擦力がなくなる。これにより、操作者は、操作レバー6を回転させた後、ステアリングホイール4を介してインナーコラム3を押し引きすることで、テレスコ位置を調整することができる。
第2固定機構2は、カム機構であって、操作レバー6と連動して一体的に回転するチルトボルト21の第2回転カム部21Gと、ロック部材27と、を備えている。
図5に示すように、第2回転カム部21Gは、チルトボルト21の回転軸Zに直交する断面形状が長円形状の部材である。第2回転カム部21Gは、前方円弧部21Gaと、後方円弧部21Gbと、平坦部21Gc、21Gdと、を含む。前方円弧部21Gaは、回転軸Zよりも前方に位置する円弧状の外周面である。後方円弧部21Gbは、回転軸Zよりも後方に位置する円弧状の外周面である。平坦部21Gcは、回転軸Zよりインナーコラム3側で前方円弧部21Gaから後方円弧部21Gbに向かって設けられる平坦な外周面である。平坦部21Gdは、回転軸Zよりインナーコラム3側とは反対側で前方円弧部21Gaから後方円弧部21Gbに向かって設けられる平坦部21Gcに平行な外周面である。なお、第2回転カム部21Gの回転軸Zに直交する断面形状は、必ずしも長円形状でなくてもよく、円形状であってもよいし、多角形状であってもよい。
ロック部材27は、例えば、第2回転カム部21Gが貫通可能な筒状の部材である。ロック部材27は、例えば、基部270と、第1アーム部271と、第2アーム部272と、開口部273を備える。基部270は、第2回転カム部21Gの前方側に配置され、前方円弧部21Gaに沿った形状である。第1アーム部271は、基部270のインナーコラム3側の端部から平坦部21Gcに沿って設けられている。第2アーム部272は、基部270のインナーコラム3側とは反対側の端部から平坦部21Gdに沿って設けられている。基部270、第1アーム部271および第2アーム部272は、例えば鋼材等の金属製であって一体に形成されている。開口部273は、チルトボルト21の軸方向で一端から他端に亘る切り欠きであって、第2回転カム部21Gの後方側に配置されている。第1アーム部271および第2アーム部272は、平坦部21Gc、21Gdよりも後方側に突出しており、開口部273を挟んで互いに対向している。第1アーム部271は、平坦部21Gcよりも後方側の位置で第2アーム部272側に向かって突出する突出部271Pを備える。第2アーム部272は、平坦部21Gdよりも後方側の位置で第1アーム部271側に向かって突出する突出部272Pを備える。突出部271P、272Pは、後方円弧部21Gbの縁に接している。なお、ロック部材27は、アルミニウム合金等の金属、焼結体、樹脂またはエンジニアリングプラスチック等によって形成されていてもよい。
また、第1アーム部271は、操作レバー6の回転に応じてインナーコラム3に接触可能な当接部274を備える。当接部274は、開口部273よりもインナーコラム3側に設けられている。当接部274の表面には歯部27Gが設けられている。図6に示すように第2固定機構2が解除された状態における回転軸Zからインナーコラム3の外周面までの最小距離である第1距離D1は、回転軸Zから当接部274の表面(歯部27Gの先端)までの距離である第2距離D2よりも小さい。また、第1距離D1は、回転軸Zからロック部材27の当接部274以外の表面までの最大距離である第3距離D3よりも大きい。本実施形態において、ロック部材27の当接部274以外の部分の回転軸Zに直交する平面で切った断面形状は、回転軸Zを中心とした円形を描いている。すなわち、第3距離D3は一定となっている。なお、当接部274は、歯部27Gを備えていなくてもよい。また、当接部274は、歯部27Gに代えてローレット加工等を施されていてもよい。
操作レバー6の回転に連動して第2回転カム部21Gが回転すると、チルト方向における当接部274の位置が変化する。当接部274がインナーコラム3に近づく方向(図5、6上で反時計回りの方向)に第2回転カム部21Gが回転すると、歯部27Gがインナーコラム3に接する。これにより、ロック部材27は、インナーコラム3に対してチルト方向に付勢される。このため、インナーコラム3の外周面がアウターコラム7の内周面のうちチルト方向の上側に押し付けられるので、インナーコラム3とアウターコラム7との間に生じる摩擦力が大きくなる。この場合、上述した第1回転カム部23と第1固定カム部24との距離が小さくなる状態となっている。このため、インナーコラム3とアウターコラム7との間には、第1固定機構20による摩擦力に加えて、第2固定機構2による摩擦力が生じている。これにより、第1固定機構20および第2固定機構2は、2次衝突以外の他の要因の荷重によってテレスコ位置が変化しないようにインナーコラム3を固定している。
当接部274がインナーコラム3から遠ざかる方向(図5、6上で時計回りの方向)に第2回転カム部21Gが回転すると、図6に示すように、ロック部材27がインナーコラム3の外周面から離れ、ロック部材27が付与していたインナーコラム3への押圧力が解除される。この場合、上述した第1回転カム部23と第1固定カム部24との距離が大きくなる状態となっている。これにより、操作者は、チルト位置及びテレスコ位置を調整可能になる。
図7に示すように、ロック部材27は、アウターコラム7のスリット7Sから露出するインナーコラム3の外周面に対向するように第2回転カム部21Gに取り付けられている。チルトボルト21の軸方向でのロック部材27の幅Δwは、スリット7Sの幅ΔSよりも小さい。これにより、ロック部材27は、押圧ブラケット42間に作用する締め付けの抵抗とならない。
図8は、2次衝突が生じた場合における、本実施形態に係る第2固定機構の状態を説明するための説明図である。第1固定機構20がアウターコラム7を締め付け、かつ第2固定機構2がインナーコラム3に対してチルト方向にロック部材27を付勢する状態において、歯部27Gとインナーコラム3との間には摩擦力が生じている。これにより、2次衝突が生じてインナーコラム3が前方側に移動すると、ロック部材27に前方向きの力が作用する。ロック部材27が前方側に移動すると、後方円弧部21Gbの縁に接する突出部271P、272Pが、第2回転カム部21Gから突出部271P、272P間の距離を拡げる方向の反力を受ける。これにより、ロック部材27は、第2回転カム部21Gの周方向における開口部273の幅を拡げるように変形する。その後、突出部271Pが平坦部21Gcに乗り上がり、突出部272Pが平坦部21Gdに乗り上がる。このため、図8に示すようにロック部材27は、前方側に移動可能な状態となり、インナーコラム3から加えられる前方向きの力によって第2回転カム部21Gから離脱することができる。
本実施形態においては、突出部271Pが平坦部21Gcに乗り上がり、突出部272Pが平坦部21Gdに乗り上がるときにロック部材27に作用している力が、ロック部材27の離脱荷重である。このため、離脱荷重は、ロック部材27全体の弾性率および突出部271P、272Pの大きさに依存する。
また、第1固定機構20がアウターコラム7を締め付け、かつ第2固定機構2がインナーコラム3に対してチルト方向にロック部材27を付勢する状態において、ロック部材27は、インナーコラム3からチルト方向で下向きの反力を受けている。このため、ロック部材27が第2回転カム部21Gから離脱するとき、ロック部材27には前方向きの力が加えられると共にチルト方向下向きの力が加えられる。これにより、ロック部材27が第2回転カム部21Gから離脱するときの変形の仕方は、ロック部材27に前方向きの力のみが作用する場合に比較して異なる可能性がある。このため、ロック部材27の離脱荷重を設定する際は、インナーコラム3から受けるチルト方向下向きの力を考慮して設定することが好ましい。
図9は、比較例におけるステアリングコラムの変位量とステアリングコラムを移動させるために必要な荷重との関係を示す図である。図10は、本実施形態におけるステアリングコラムの変位量とステアリングコラムを移動させるために必要な荷重との関係を示す図である。図9、10において、横軸はインナーコラム3の前方への変位量であり、縦軸はインナーコラムを前方へ移動させるために必要な荷重である。
比較例は、特許文献1に記載の技術のように、アウターコラムがカプセルを介して車体に取り付けられている場合の例である。比較例においては、アウターコラムがインナーコラムよりも後方側に配置されており、アウターコラムに過大荷重が加わると、アウターコラムと一体に設けられたテレスコ調整孔の端部にロッドが接触し、ブラケットを介して荷重がカプセルに伝わるようになっている。図9に示す力F5は、カプセルの許容せん断力を示している。
比較例において、アウターコラムは、ブラケットの締め付けによってインナーコラムとの間に生じる摩擦力によって軸方向に支持されている。図9で示す力F4は、アウターコラムを支持している当該摩擦力を示している。力F4は、力F5よりも小さい。通常使用において加わるような荷重によってアウターコラムが移動しないようにするために、力F4は、所定値以上に保たれる必要がある。
比較例において、アウターコラムに力F5以上の荷重が加わると、カプセルが切断され、アウターコラムが車体から離脱する。その後、アウターコラムが、インナーコラムとの摩擦力で衝撃を吸収しながら軸方向に移動する。しかし、上述したように、力F4が所定値以上に保たれているので、アウターコラムの移動を滑らかにして操作者を2次衝突からより保護しやすくすることが難しい。
一方、本実施形態において、インナーコラム3は、第1固定機構20によるコラムブラケット1の締め付けによってアウターコラム7との間に生じる第1摩擦力と、第2固定機構2による第2摩擦力とによって、アウターコラム7に固定され軸方向に支持されている。図10に示す力F1は、第1摩擦力を示しており、力F3は、第1摩擦力と第2摩擦力との和を示している。また、図10に示す力F2は、ロック部材27の離脱荷重を示している。力F2は、力F3より小さくかつ力F1よりも大きい。
本実施形態において、インナーコラム3に力F2以上の荷重が加わると、ロック部材27が第2回転カム部21Gから離脱する。これにより、第2固定機構2の連結が解除されるので、上述した第2摩擦力がインナーコラム3に対して作用しなくなる。このため、ロック部材27が第2回転カム部21Gから離脱した後、インナーコラム3は、上述した第1摩擦力で衝撃を吸収しながら軸方向に移動する。本実施形態に係るステアリング装置100は、第1摩擦力を小さく設定すると、インナーコラム3の移動を滑らかにして操作者に与える2次衝突の衝撃を緩和する。
本実施形態においては、仮に第1摩擦力の設定値を小さくしたとしても、インナーコラム3を軸方向に支持するための力のうち、第1摩擦力を小さくした分を第2摩擦力が補完することができる。このため、本実施形態に係るステアリング装置100は、第1摩擦力の設定値と第2摩擦力の設定値との加算値を調節することで、通常使用において加わるような荷重によってインナーコラム3が移動することを抑制でき、かつ操作者に与える2次衝突の衝撃を緩和することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るステアリング装置100は、筒状のインナーコラム3と、筒状のアウターコラム7と、コラムブラケット1と、チルトボルト21と、ロック部材27と、第1固定機構20と、第2固定機構2と、を備える。インナーコラム3はステアリングホイール4に連結される入力軸5を回転可能に支持する。アウターコラム7は、インナーコラム3の少なくとも一部が内側に挿入される筒状部材であって、インナーコラム3の挿入側の一端を切り欠いたスリット7Sを有する。コラムブラケット1は、車体側部材13に固定され、アウターコラム7を挟む押圧ブラケット42でアウターコラム7を締め付ける。チルトボルト21は、押圧ブラケット42を貫通し、操作レバー6に連動する。ロック部材27は、チルトボルト21の外周に取り付けられる。第1固定機構20は、操作レバー6の回転に応じて、押圧ブラケット42でアウターコラム7を締め付け、インナーコラム3とアウターコラム7との間に生じる第1摩擦力を高める。第2固定機構2は、操作レバー6の回転に応じて、インナーコラム3に対してチルト方向にロック部材27を付勢する。第1固定機構20がアウターコラム7を締め付け、かつ第2固定機構2がインナーコラム3に対してチルト方向にロック部材27を付勢する状態において、インナーコラム3が前方に移動したとき、ロック部材27がチルトボルト21から離脱する。
この構造により、車体VBには、車体側部材13を介して、アウターコラム7が支持されており、2次衝突時において、ステアリングホイール4からステアリングコラム14へ力が伝達されると、インナーコラム3がアウターコラム7の内部に挿入されてアウターコラム7に収容される。この場合、アウターコラム7が車体VBに固定されたままとなる。仮に誤動作によりインナーコラム3がアウターコラム7の内部に挿入されても、ステアリングコラム14の落下が生じない。コラムブラケット1により挟む圧力を下げて、インナーコラム3とアウターコラム7との間に生じる摩擦力を下げても、第2固定機構2がロック部材27をインナーコラム3に対してチルト方向に付勢するので、2次衝突以外の他の要因の荷重でも離脱荷重を超えてしまう可能性が低減する。このため、体重の軽い操作者に対する2次衝突の衝撃を緩和するために、ステアリングホイール4(インナーコラム3)が車体前方に移動する離脱荷重の設定値を下げることができる。
操作者の体重が軽い場合、ステアリングコラム14のうちインナーコラム3が車体前方に移動する離脱荷重の設定値を下げた方がよく、コラムブラケット1により挟む圧力を下げて、インナーコラム3とアウターコラム7との間に生じる摩擦力を下げる。ロック部材27は、チルトボルト21に離脱可能に取り付けられている。このため、2次衝突が生じた場合には、ロック部材27がチルトボルト21から離脱し、第2固定機構2の連結が解除される。これにより、上述した第2摩擦力がインナーコラム3に対して作用しなくなる。このため、ロック部材27がチルトボルト21から離脱した後、インナーコラム3は、上述した第1摩擦力で衝撃を吸収しながら軸方向に移動する。その結果、ステアリング装置100は、体重の軽い操作者の衝撃(2次衝突)を緩和することができる。
ロック部材27は、チルトボルト21が貫通可能な筒状の部材であって、回転軸Z方向で一端から他端に亘る切り欠きであってチルトボルト21の後方側に設けられる開口部273と、開口部273よりもインナーコラム3側に設けられてインナーコラム3に接触可能な当接部274と、を備える。これにより、通常使用においては、筒状であるため、ロック部材27が第2回転カム部21Gから抜け落ちる可能性は抑制される。また、開口部273を備えることで、2次衝突の発生時に当接部274を介して伝えられる摩擦力によってロック部材27が前方に移動できるため、ロック部材27が第2回転カム部21Gから離脱することができる。よって、ステアリング装置100は、通常使用においてロック部材27が抜け落ちる可能性を抑制でき、かつ2次衝突の発生時においてロック部材27の離脱を可能にすることができる。
また、ロック部材27が開口部273を備えるため、2次衝突の発生時には、開口部273を第2回転カム部21Gが通過するようにしてロック部材27が離脱する。このため、一部が切断されて離脱するカプセルを用いた場合と異なり、ロック部材27は損傷せずに離脱することができる。このため、ロック部材27は、離脱したあとに同じ用途に再利用することが可能である。
第2固定機構2が解除された状態におけるチルトボルト21の回転軸Zからインナーコラム3の外周面までの最小距離である第1距離D1は、回転軸Zから当接部274の表面までの距離である第2距離D2よりも小さく、かつ回転軸Zからロック部材27の当接部274以外の表面までの最大距離である第3距離D3よりも大きい。これにより、操作レバー6の回転に応じて当接部274がインナーコラム3に接することができるとともに、操作レバー6が逆方向に回転したときにはロック部材27がインナーコラム3に接触しなくなる。このため、ステアリング装置100は、操作レバー6の回転により、解除状態と固定状態とを容易に選択することができる。
ロック部材27は、当接部274の表面に歯部27Gを備える。これにより、インナーコラム3と当接部274との間に生ずる摩擦力が安定しやすい。よって、ステアリング装置100は、ロック部材27の離脱荷重のバラつきを抑制することができる。
アウターコラム7は、前方側に位置し、ピボットブラケット12を備え、離脱したインナーコラム3を挿入可能である。これにより、アウターコラム7の軸方向とインナーコラム3の軸方向とが平行になりやすくなる。このため、インナーコラム3が軸方向に移動する際に、アウターコラム7がインナーコラム3を案内しやすくなる。よって、インナーコラム3が軸方向に対して真っ直ぐ移動しやすくなるため、インナーコラム3の移動が妨げられる可能性またはインナーコラム3とアウターコラム7との間に生じる摩擦力が所定値よりも大きくなる可能性が抑制される。
(変形例1)
図11は、変形例1に係る第2固定機構が固定している状態を説明するための説明図である。変形例1に係る第2固定機構2Aは、カム機構であって、操作レバー6と連動して一体的に回転するチルトボルト21の第2回転カム部21Gと、ロック部材27Aと、を備えている。なお、上述した実施形態と同じ構成には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
ロック部材27Aは、第2回転カム部21Gが貫通可能な筒状の部材である。ロック部材27Aは、例えば、基部270と、第1アーム部271Aと、第2アーム部272Aと、開口部273Aを備える。第1アーム部271Aは、基部270のインナーコラム3側の端部から平坦部21Gcに沿って設けられている。第2アーム部272Aは、基部270のインナーコラム3側とは反対側の端部から平坦部21Gdに沿って設けられている。開口部273Aは、チルトボルト21の軸方向で一端から他端に亘る切り欠きであって、第2回転カム部21Gの後方側に配置されている。
第1アーム部271Aは、当接部274Aと、内周部275と、を備える。当接部274Aは、例えば鋼材等の金属製であって、インナーコラム3に接する。内周部275は、例えば鋼材等の金属よりも弾性率が小さい樹脂製であって、当接部274Aよりも第2回転カム部21G側に位置し、平坦部21Gcに接している。当接部274Aは、内周部275に固定されている。また、基部270、内周部275および第2アーム部272Aは、樹脂製であって一体に形成されており、第2回転カム部21Gに接する保持部を構成している。第2アーム部272Aは、後方側の端部から後方円弧部21Gbに沿って設けられる突出部272Eを備える。これにより、第2回転カム部21Gの周方向における開口部273Aの幅は、上述した実施形態に係る開口部273の幅と比較して小さくなっている。
変形例1において、2次衝突が生じてインナーコラム3が前方側に移動すると、ロック部材27Aに前方向きの力が作用する。ロック部材27Aが前方側に移動すると、突出部272Eは、後方円弧部21Gbから受ける反力によって、チルト方向下向きに変形する。その後ロック部材27Aは、第2回転カム部21Gの周方向における開口部273Aの幅が第2回転カム部21Gの短手方向の長さに等しくなるまで変形する。これにより、ロック部材27Aは、前方側に移動可能な状態となり、インナーコラム3から加えられる前方向きの力によって第2回転カム部21Gから離脱することができる。
変形例1において、第2回転カム部21Gの周方向における開口部273Aの幅が第2回転カム部21Gの短手方向の長さに等しくなるまでロック部材27Aが変形したときにロック部材27Aに作用している力が、ロック部材27Aの離脱荷重である。離脱荷重は、基部270、内周部275および第2アーム部272Aの弾性率に依存する。
なお、当接部274Aは、アルミニウム合金等の金属、焼結体、樹脂またはエンジニアリングプラスチック等によって形成されていてもよい。また、基部270、内周部275および第2アーム部272Aは、樹脂以外の材料で形成されていてもよいが、当接部274Aに用いられる材料よりも弾性率の小さい材料で形成されていることが好ましい。
上述したように変形例1において、第1アーム部271Aは、金属製の当接部274Aと、当接部274Aよりも第2回転カム部21G側に設けられて第2回転カム部21Gに接する保持部とを備える。基部270、内周部275および第2アーム部272Aで構成される保持部は、当接部274Aよりも弾性率の小さい材料である。これにより、当接部274Aが金属製であるため、インナーコラム3とロック部材27Aとの間に生ずる摩擦力が安定しやすい。一方、基部270、内周部275および第2アーム部272Aで構成される保持部が金属よりも弾性率の小さい樹脂製であるため、ロック部材27Aの変形量の調節がしやすい。よって、変形例1に係るステアリング装置100は、ロック部材27Aの離脱荷重のバラつきを抑制し、かつ離脱荷重の設定を容易にすることができる。
(変形例2)
図12は、変形例2に係る第2固定機構が固定している状態を説明するための説明図である。変形例2に係る第2固定機構2Bは、カム機構であって、操作レバー6と連動して一体的に回転するチルトボルト21の第2回転カム部21GBと、ロック部材27Bと、を備えている。なお、上述した実施形態と同じ構成には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図12に示すように、第2回転カム部21GBは、回転軸Zに直交する断面形状が円形状の部材である。第2回転カム部21GBの直径は、図7で示したボルト本体21Bの直径と同じ大きさである。変形例2において第2回転カム部21GBは、ボルト本体21Bの一部であって、ボルト本体21Bの軸方向の中央部を意味する。なお、ボルト本体21Bの直径とは異なる大きさであってもよい。
ロック部材27Bは、第2回転カム部21GBが貫通可能な筒状の部材である。ロック部材27Bは、例えば、基部270と、第1アーム部271Bと、第2アーム部272Bと、開口部273とを備える。第1アーム部271Bは、基部270のインナーコラム3側の端部から第2回転カム部21GBの表面に沿って設けられている。第2アーム部272Bは、基部270のインナーコラム3側とは反対側の端部から第2回転カム部21GBの表面に沿って設けられている。開口部273は、チルトボルト21の軸方向で一端から他端に亘る切り欠きであって、第2回転カム部21GBの後方側に配置されている。第1アーム部271Bおよび第2アーム部272Bは、回転軸Zよりも後方側に突出しており、開口部273を挟んで互いに対向している。第1アーム部271Bが突出部271Pを備え、第2アーム部272Bが突出部272Pを備えている。
変形例2において、2次衝突が生じてインナーコラム3が前方側に移動すると、ロック部材27Bに前方向きの力が作用する。ロック部材27Bが前方側に移動すると、ロック部材27Bは、第2回転カム部21GBの周方向における開口部273の幅を拡げるように変形する。その後、ロック部材27Bは、突出部271Pから突出部272Pまでの距離が第2回転カム部21GBの直径と等しくなるまで変形する。これにより、ロック部材27Bは、前方側に移動可能な状態となり、インナーコラム3から加えられる前方向きの力によって第2回転カム部21GBから離脱することができる。
変形例2において、突出部271Pから突出部272Pまでの距離が第2回転カム部21GBの直径と等しくなるまでロック部材27Bが変形したときにロック部材27Bに作用している力が、ロック部材27Bの離脱荷重である。離脱荷重は、ロック部材27B全体の弾性率および突出部271P、272Pの大きさに依存する。なお、変形例2において、突出部271P、272Pはなくてもよい。この場合、離脱荷重は、ロック部材27B全体の弾性率に依存する。
変形例2においては、第2回転カム部21GBの回転軸Zに直交する断面形状が円形状であって、ボルト本体21Bと同じ断面形状である。このため、第2回転カム部21GBを成形するための工程が不要となるので、上述した実施形態と比較して、チルトボルト21の製造がより容易になる。
(変形例3)
図13は、変形例3に係る第2固定機構が固定している状態を説明するための説明図である。図14は、変形例3に係る第2固定機構が固定を解除している状態を説明するための説明図である。図15は、変形例3に係る第2固定機構をチルト方向下側から見た平面図である。なお、上述した実施形態と同じ構成には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
変形例3に係る第2固定機構2Cは、カム機構であって、操作レバー6と連動して一体的に回転するチルトボルト21の第2回転カム部21Gと、ロック部材27と、インナーコラム3に固定されたギヤロックレール30とを備えている。ギヤロックレール30はアウターコラム7のスリット7Sの幅ΔSよりも小幅でスリット7Sに沿うようにインナーコラム3の軸方向にほぼ幅Δwの幅をもった縦長のレール形状をしており、インナーコラム3の外面に固定されている。すなわち、チルトボルト21の軸方向におけるギヤロックレール30の幅は、スリット7Sの幅ΔSよりも小さく、かつロック部材27の幅Δwに略等しい。ギヤロックレール30は、チルト方向下側から見て、スリット7Sの長手方向に沿った長辺を有する矩形の部材である。ギヤロックレール30の表面にはロック部材27の歯部27Gと噛み合う歯部31が設けられている。インナーコラム3の軸方向におけるギヤロックレール30の長さは第2回転カム部21Gの回転ストローク内でロック部材27と十分に当接出来る直線長さである。
図13に示すように、変形例3に係る第2回転カム部21Gにおいて、平坦部21Gcは、回転軸Zよりギヤロックレール30側で前方円弧部21Gaから後方円弧部21Gbに向かって設けられる平坦な外周面である。平坦部21Gdは、回転軸Zよりギヤロックレール30側とは反対側で前方円弧部21Gaから後方円弧部21Gbに向かって設けられる平坦部21Gcに平行な外周面である。
変形例3に係るロック部材27において、第1アーム部271は、基部270のギヤロックレール30側の端部から平坦部21Gcに沿って設けられている。第2アーム部272は、基部270のギヤロックレール30側とは反対側の端部から平坦部21Gdに沿って設けられている。なお、ロック部材27およびギヤロックレール30は金等の金属、焼結体、樹脂またはエンジニアリングプラスチック等によって形成されていてもよい。
また、第1アーム部271は、操作レバー6の回転に応じてギヤロックレール30に接触可能な当接部274を備える。当接部274は、開口部273よりもギヤロックレール30側に設けられている。当接部274の表面には歯部27Gが設けられている。図14に示すように第2固定機構2Cが解除された状態における回転軸Zからギヤロックレール30の外面までの最小距離である第1距離D1は、回転軸Zから当接部274の表面(歯部27Gの先端)までの距離である第2距離D2よりも小さい。また、第1距離D1は、回転軸Zからロック部材27の当接部274以外の表面までの最大距離である第3距離D3よりも大きい。本実施形態において、ロック部材27の当接部274以外の部分の回転軸Zに直交する平面で切った断面形状は、回転軸Zを中心とした円形を描いている。すなわち、第3距離D3は一定となっている。
操作レバー6の回転に連動して第2回転カム部21Gが回転すると、チルト方向における当接部274の位置が変化する。当接部274がインナーコラム3に近づく方向(図13および図14上で反時計回りの方向)に第2回転カム部21Gが回転すると、歯部27Gがインナーコラム3に固定されたギヤロックレール30の歯部31と噛み合う。これにより、ロック部材27は、インナーコラム3に対してチルト方向に付勢される。このため、インナーコラム3の外周面がアウターコラム7の内周面のうちチルト方向の上側に押し付けられるので、インナーコラム3とアウターコラム7との間に生じる摩擦力が大きくなる。
当接部274がインナーコラム3に固定されたギヤロックレール30から遠ざかる方向(図13および図14上で時計回りの方向)に第2回転カム部21Gが回転すると、図14に示すように、ロック部材27がインナーコラム3の外周面から離れ、ロック部材27が付与していたインナーコラム3への押圧力が解除される。
図15に示すように、ロック部材27は、アウターコラム7のスリット7Sから露出するインナーコラム3に固定されたギヤロックレール30の外面に対向するように第2回転カム部21Gに取り付けられている。チルトボルト21の軸方向でのロック部材27の幅Δwおよびギヤロックレール30の幅は、スリット7Sの幅ΔSよりも小さい。これにより、ロック部材27は、押圧ブラケット42間に作用する締め付けの抵抗とならない。
図16は、2次衝突が生じた場合における、変形例3に係る第2固定機構の状態を説明するための説明図である。第1固定機構20がアウターコラム7を締め付け、かつ第2固定機構2Cがインナーコラム3に対してチルト方向にロック部材27を付勢する状態において、歯部27Gとインナーコラム3に固定のギヤロックレール30との間には、ギヤの噛み合い摩擦力が生じている。これにより、2次衝突が生じてインナーコラム3が前方側に移動すると、ロック部材27に前方向きの力が作用する。図16に示すようにロック部材27は、前方側に移動可能な状態となり、インナーコラム3から加えられる前方向きの力によって第2回転カム部21Gから離脱することができる。
以上説明したように、変形例3に係る第2固定機構2Cは、インナーコラム3に固定されたギヤロックレール30を備える。ロック部材27は、チルトボルト21が貫通可能な筒状の部材であって、回転軸Z方向で一端から他端に亘る切り欠きであってチルトボルト21の後方側に設けられる開口部273と、開口部273よりもインナーコラム3側に設けられてインナーコラム3に固定されたギヤロックレール30に接触可能な当接部274と、を備える。これにより、通常使用においては、筒状であるため、ロック部材27が第2回転カム部21Gから抜け落ちる可能性は抑制される。また、開口部273を備えることで、2次衝突の発生時に当接部274を介して伝えられる摩擦力によってロック部材27が前方に移動できるため、ロック部材27が第2回転カム部21Gから離脱することができる。よって、ステアリング装置100は、通常使用においてロック部材27が抜け落ちる可能性を抑制でき、かつ2次衝突の発生時においてロック部材27の離脱を可能にすることができる。
第2固定機構2Cが解除された状態におけるチルトボルト21の回転軸Zからインナーコラム3に固定のギヤロックレール30の外周面までの最小距離である第1距離D1は、回転軸Zから当接部274の表面までの距離である第2距離D2よりも小さく、かつ回転軸Zからロック部材27の当接部274以外の表面までの最大距離である第3距離D3よりも大きい。これにより、操作レバー6の回転に応じて当接部274がインナーコラム3に固定されたギヤロックレール30に接することができるとともに、操作レバー6が逆方向に回転したときにはロック部材27がインナーコラム3に固定されたギヤロックレール30に接触しなくなる。このため、ステアリング装置100は、操作レバー6の回転により、解除状態と固定状態とを容易に選択することができる。
ロック部材27は、当接部274の表面に歯部27Gを備える。ギヤロックレール30は、ロック部材27に対向する表面に歯部27Gと噛み合う歯部31を備える。これにより、インナーコラム3に固定されたギヤロックレール30と当接部274との間は、歯の噛み合い結合となり力の伝達ロスがない。よって、ステアリング装置100は、ロック部材27の離脱荷重のバラつきを抑制することができる。
(変形例4)
図17は、変形例4に係るステアリング装置において、図2のA−A断面に相当する断面を示す断面図である。図18は、変形例4に係る第2固定機構が固定している状態を説明するための説明図である。図19は、変形例4に係るチルトボルトを示す拡大図である。図20は、2次衝突が生じた場合における、変形例4に係る第2固定機構の状態を説明するための説明図である。図21は、変形例4に係るロック部材の他の形態を示す説明図である。なお、上述した実施形態と同じ構成には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図17に示すように、変形例4に係るチルトボルト21は、2つのボルト本体21Bと、せん断部28Gと、を備える。2つのボルト本体21Bは、それぞれアウターコラム7両側で押圧ブラケット42を貫通している。せん断部28Gは、2つのボルト本体21Bの間に配置されている。せん断部28Gは、例えばボルト本体21Bと一体に形成されており、2つのボルト本体21Bを連結している。せん断部28Gの外周は、ボルト本体21Bの外周よりも小さい。外周とは、外側の周囲である。すなわち、回転軸Zに直交する平面でせん断部28Gを切った断面は、回転軸Zに直交する平面でボルト本体21Bを切った断面よりも小さい。
図18に示すように、せん断部28Gは、チルトボルト21の回転軸Zに直交する断面形状が長円形状の部材である。せん断部28Gは、前方円弧部28Gaと、後方円弧部28Gbと、平坦部28Gc、28Gdと、を含む。前方円弧部28Gaは、回転軸Zよりも前方に位置する円弧状の外周面である。後方円弧部28Gbは、回転軸Zよりも後方に位置する円弧状の外周面である。平坦部28Gcは、回転軸Zよりインナーコラム3側で前方円弧部28Gaから後方円弧部28Gbに向かって設けられる平坦な外周面である。平坦部28Gdは、回転軸Zよりインナーコラム3側とは反対側で前方円弧部28Gaから後方円弧部28Gbに向かって設けられる平坦部28Gcに平行な外周面である。なお、せん断部28Gの回転軸Zに直交する断面形状は、必ずしも長円形状でなくてもよく、円形状であってもよいし、多角形状であってもよい。
図19に示すように、せん断部28Gの縁は面取りされている。より具体的には、せん断部28Gは、チルトボルト21の軸方向の両端に、ボルト本体21Bに向かって外周が大きくなる傾斜部281を備える。傾斜部281の両端には、せん断部28Gの外周とボルト本体21Bの外周との差によって、段差としての縁282および縁283が生じている。縁282および縁283は、図19に示すように面取りされている。すなわち、縁282および縁283は、尖った角ではなく丸く形成されている。
変形例4に係る第2固定機構2Dは、カム機構であって、操作レバー6と連動して一体的に回転するチルトボルト21のせん断部28Gと、ロック部材27と、を備えている。
第1固定機構20がアウターコラム7を締め付け、かつ第2固定機構2Dがインナーコラム3に対してチルト方向にロック部材27を付勢する状態において、歯部27Gとインナーコラム3との間には、摩擦力が生じている。これにより、2次衝突が生じてインナーコラム3が前方側に移動すると、ロック部材27に前方向きの力が作用する。
上述したように、せん断部28Gの外周がボルト本体21Bの外周よりも小さいので、せん断部28Gのせん断強度はボルト21Bと比較して小さい。すなわち、せん断部28Gは、せん断破壊されやすくなっている。このため、変形例4においては、ロック部材27に前方向きの力が作用したときに、せん断部28Gがせん断破壊する可能性が上述した実施形態に比較して高くなっている。ロック部材27に前方向きの力が作用したときに、せん断部28Gがせん断破壊するかロック部材27がせん断部28Gから外れるかは、ロック部材27の剛性(変形のしやすさ)およびせん断部28Gのせん断強度に依存する。
例えば変形例4においては、せん断部28Gをせん断破壊するために必要な力が、突出部271Pおよび突出部272Pをそれぞれ平坦部28Gcおよび平坦部28Gdに乗り上げさせるために必要な力よりも小さくなるように、せん断部28Gのせん断強度が設定されている。これにより、ロック部材27に作用する前方向きの力に応じてせん断部28Gがせん断破壊する。せん断部28Gがせん断破壊すると、ロック部材27は、図20に示すようにせん断部28Gと共にチルトボルト21(ボルト本体21B)から離脱することができる。この場合、せん断部28Gがせん断破壊するときにロック部材27に作用している力が、ロック部材27の離脱荷重である。このため、離脱荷重は、せん断部28Gのせん断強度に依存する。
せん断部28Gがせん断破壊する場合、開口部273は、ロック部材27の離脱には大きな影響を与えないが、ロック部材27をチルトボルト21に取り付ける時に有用である。すなわち、ロック部材27は開口部273を介してチルトボルト21に取り付けられるので、ロック部材27の取付作業が容易となる。
仮に、せん断部28Gをせん断破壊するために必要な力が、突出部271Pおよび突出部272Pをそれぞれ平坦部28Gcおよび平坦部28Gdに乗り上げさせるために必要な力よりも大きくなるように、せん断部28Gのせん断強度が設定されている場合、せん断部28Gはせん断破壊しない。すなわち、ロック部材27に作用する前方向きの力に応じてロック部材27がせん断部28Gから外れる。このため、ロック部材27は、前方側に移動可能な状態となり、インナーコラム3から加えられる前方向きの力によってチルトボルト21(せん断部28G)から離脱することができる。この場合、上述した実施形態と同様に、突出部271Pが平坦部21Gcに乗り上がり突出部272Pが平坦部21Gdに乗り上がるときにロック部材27に作用している力が、ロック部材27の離脱荷重である。このため、離脱荷重は、ロック部材27全体の弾性率および突出部271P、272Pの大きさに依存する。
また、第1固定機構20がアウターコラム7を締め付ける際には、せん断部28Gに引張力が作用する。このため、せん断部28Gの形状は、せん断強度だけでなく引張強度も考慮して設定されることが好ましい。変形例4においては、せん断部28Gはせん断破壊されやすくなっているものの、縁282および縁283が面取りされている。これにより、せん断部28Gに引張力が作用しても、縁282および縁283を起点としたクラックが生じにくくなっている。このため、せん断部28Gのせん断強度が安定する。
なお、変形例4に係るロック部材27は、必ずしも図18に示すように開口部273を備えていなくてもよい。例えば図21に示すように、ロック部材27は、開口部273を備えない環状部材であってもよい。このようにした場合であっても、ロック部材27は、せん断部28Gと共にチルトボルト21(ボルト本体21B)から離脱することができる。
なお、せん断部28Gは、必ずしもボルト本体21Bと一体に形成されていなくてもよい。例えば、せん断部28Gは、ボルト本体21Bとは異なり樹脂等で形成されていてもよい。また、縁282および縁283は、必ずしも面取りされていなくてもよい。例えば、縁282および縁283の少なくとも一方が面取りされていてもよいし、縁282および縁283が共に面取りされていなくてもよい。
以上説明したように、変形例4に係るステアリング装置100において、第1固定機構20がアウターコラム7を締め付け、かつ第2固定機構2Dがインナーコラム3に対してチルト方向にロック部材27を付勢する状態において、インナーコラム3が車体前方に移動したとき、ロック部材27がチルトボルト21の一部(せん断部28G)と共にチルトボルト21(ボルト本体21B)から離脱する。これにより、ロック部材27の離脱荷重は、せん断部28Gのせん断強度に依存する。せん断部28Gのせん断強度の設定は、ロック部材27の剛性の設定と比較して容易である。このため、ロック部材27の離脱荷重の設定が容易になる。
また、チルトボルト21は、アウターコラム7の両側にあるそれぞれの押圧ブラケット42を貫通する2つのボルト本体21Bと、2つのボルト本体21Bの間に配置されかつボルト本体21Bの外周よりも小さな外周を有するせん断部28Gと、を備える。ロック部材27は、せん断部28Gに取り付けられる。これにより、ロック部材27に作用する前方向きの力に応じてせん断部28Gがせん断破壊する。このため、ロック部材27の離脱荷重は、せん断部28Gのせん断強度に依存する。せん断部28Gのせん断強度の設定は、ロック部材27の剛性の設定と比較して容易である。さらに、せん断部28Gに加わるせん断力がロック部材27の両側で均等になりやすい。したがって、ロック部材27の離脱荷重の設定が容易になる。
また、せん断部28Gの縁282および縁283が面取りされている。これにより、せん断部28Gに引張力が作用しても、縁282および縁283を起点としたクラックが生じにくくなっている。このため、せん断部28Gのせん断強度が安定するので、ロック部材27の離脱荷重が安定する。
(変形例5)
図22は、変形例5に係るステアリング装置において、図2のA−A断面に相当する断面を示す断面図である。図23は、変形例5に係るチルトボルトを示す拡大図である。なお、上述した実施形態と同じ構成には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図22に示すように、変形例5に係るチルトボルト21は、2つのボルト本体21Bと、第2回転カム部21Gと、せん断部29と、を備える。2つのボルト本体21Bは、それぞれアウターコラム7の両側で押圧ブラケット42を貫通している。2つのボルト本体21Bの間に第2回転カム部21Gが配置されている。せん断部29は、例えば2つであって、それぞれ第2回転カム部21Gの両端に設けられている。2つのせん断部29は、ボルト本体21Bと第2回転カム部21Gとの間に配置されている。せん断部29は、例えばボルト本体21Bおよび第2回転カム部21Gと一体に形成されており、ボルト本体21Bと第2回転カム部21Gとを連結している。せん断部29の外周は、ボルト本体21Bの外周および第2回転カム部21Gの外周よりも小さい。すなわち、回転軸Zに直交する平面でせん断部29を切った断面は、回転軸Zに直交する平面でボルト本体21Bを切った断面よりも小さい。言い換えると、せん断部29は、第2回転カム部21Gの両端に設けられた溝である。
図23に示すように、せん断部29の縁は面取りされている。より具体的には、せん断部29は、チルトボルト21の軸方向の一端にボルト本体21Bに向かって外周が大きくなる傾斜部291を備え、チルトボルト21の軸方向の他端に第2回転カム部21Gに向かって外周が大きくなる傾斜部292を備える。傾斜部291の両端には、せん断部29の外周とボルト本体21Bの外周との差によって、段差としての縁293および縁294が生じている。傾斜部292の両端には、せん断部29の外周と第2回転カム部21Gの外周との差によって、段差としての縁295および縁296が生じている。縁293、縁294、縁295および縁296は、図23に示すように面取りされている。すなわち、縁293、縁294、縁295および縁296は、尖った角ではなく丸く形成されている。
変形例5に係る第2固定機構2Eは、カム機構であって、操作レバー6と連動して一体的に回転するチルトボルト21の第2回転カム部21Gと、ロック部材27と、を備えている。
第1固定機構20がアウターコラム7を締め付け、かつ第2固定機構2Eがインナーコラム3に対してチルト方向にロック部材27を付勢する状態において、歯部27Gとインナーコラム3との間には、摩擦力が生じている。これにより、2次衝突が生じてインナーコラム3が前方側に移動すると、ロック部材27に前方向きの力が作用する。
上述したように、せん断部29の外周がボルト本体21Bの外周よりも小さいので、せん断部29のせん断強度はボルト本体21Bと比較して小さい。すなわち、せん断部29は、せん断破壊されやすくなっている。このため、変形例5においては、ロック部材27に前方向きの力が作用したときに、せん断部29がせん断破壊する可能性が上述した実施形態に比較して高くなっている。ロック部材27に前方向きの力が作用したときに、せん断部29がせん断破壊するかロック部材27が第2回転カム部21Gから外れるかは、ロック部材27の剛性(変形のしやすさ)およびせん断部29のせん断強度に依存する。
例えば変形例5においては、せん断部29をせん断破壊するために必要な力が、突出部271Pおよび突出部272Pをそれぞれ平坦部21Gcおよび平坦部21Gd(図5参照)に乗り上げさせるために必要な力よりも小さくなるように、せん断部29のせん断強度が設定されている。これにより、ロック部材27に作用する前方向きの力に応じてせん断部29がせん断破壊する。せん断部29がせん断破壊すると、ロック部材27は、第2回転カム部21Gと共にチルトボルト21(ボルト本体21B)から離脱することができる。この場合、せん断部29がせん断破壊するときにロック部材27に作用している力が、ロック部材27の離脱荷重である。このため、離脱荷重は、せん断部29のせん断強度に依存する。
また、第1固定機構20がアウターコラム7を締め付ける際には、せん断部29に引張力が作用する。このため、せん断部29の形状は、せん断強度だけでなく引張強度も考慮して設定されることが好ましい。変形例5においては、せん断部29はせん断破壊されやすくなっているものの、縁293、縁294、縁295および縁296が面取りされている。これにより、せん断部29に引張力が作用しても、縁293、縁294、縁295および縁296を起点としたクラックが生じにくくなっている。このため、せん断部29のせん断強度が安定する。
なお、変形例5に係るロック部材27は、必ずしも開口部273(図5参照)を備えていなくてもよい。例えば変形例4で説明したように、ロック部材27は、開口部273を備えない環状部材であってもよい。このようにした場合であっても、せん断部29がせん断破壊することにより、ロック部材27は、第2回転カム部21Gと共にチルトボルト21(ボルト本体21B)から離脱することができる。
なお、せん断部29は、必ずしもボルト本体21Bおよび第2回転カム部21Gと一体に形成されていなくてもよい。例えば、せん断部29は、ボルト本体21Bおよび第2回転カム部21Gとは異なり樹脂等で形成されていてもよい。また、縁293、縁294、縁295および縁296は、必ずしも面取りされていなくてもよい。例えば、縁293、縁294、縁295および縁296の少なくとも一つが面取りされていてもよいし、縁293、縁294、縁295および縁296の全てが面取りされていなくてもよい。
以上説明したように、変形例5に係るステアリング装置100において、チルトボルト21は、アウターコラム7の両側にあるそれぞれの押圧ブラケット42を貫通する2つのボルト本体21Bと、2つのボルト本体21Bの間に配置されかつボルト本体21Bの外周よりも小さな外周を有する2つのせん断部29と、を備える。ロック部材27は、2つのせん断部29の間に配置される。これにより、ロック部材27に作用する前方向きの力に応じてせん断部29がせん断破壊する。このため、ロック部材27の離脱荷重は、せん断部29のせん断強度に依存する。せん断部29のせん断強度の設定は、ロック部材27の剛性の設定と比較して容易である。さらに、せん断部29に加わるせん断力がロック部材27の両側で均等になりやすい。したがって、ロック部材27の離脱荷重の設定が容易になる。
また、せん断部29の縁293、縁294、縁295および縁296は面取りされている。これにより、せん断部29に引張力が作用しても、縁293、縁294、縁295および縁296を起点としたクラックが生じにくくなっている。このため、せん断部29のせん断強度が安定するので、ロック部材27の離脱荷重が安定する。
以上説明した、実施形態に係るステアリング装置は、電動モータを備えるステアリング装置にも適用することができる。
1 コラムブラケット
2、2A、2B、2C、2D、2E 第2固定機構
3 インナーコラム
4 ステアリングホイール
5 入力軸
6 操作レバー
7 アウターコラム
7S スリット
8 出力軸
9 ユニバーサルジョイント
10 ロアシャフト
11 ユニバーサルジョイント
12 ピボットブラケット
13 車体側部材
14 ステアリングコラム
15 ステアリングシャフト
20 第1固定機構
21 チルトボルト
21A チルトボルト頭部
21B ボルト本体
21D ねじ部
21G、21GB 第2回転カム部
21Ga 前方円弧部
21Gb 後方円弧部
21Gc、21Gd 平坦部
22 かしめナット
23 第1回転カム部
24 第1固定カム部
25 スピンストッパー
26 スラストベアリング
27、27A、27B ロック部材
270 基部
271、271A、271B 第1アーム部
271P 突出部
272、272A、272B 第2アーム部
272E 突出部
272P 突出部
273、273A 開口部
274、274A 当接部
275 内周部
27G 歯部
28G せん断部
28Ga 前方円弧部
28Gb 後方円弧部
28Gc、28Gd 平坦部
281 傾斜部
282、283 縁
29 せん断部
291、292 傾斜部
293、294、295、296 縁
30 ギヤロックレール
31 歯部
42 押圧ブラケット
43 ディスタンスブラケット
44 位置決め部
45 固定位置
100 ステアリング装置
RP ラックアンドピニオン
PV 回転軸
SE 動力伝達機構
VB 車体
Z 回転軸

Claims (15)

  1. ステアリングホイールに連結される入力軸を回転可能に支持する、筒状のインナーコラムと、
    前記インナーコラムの少なくとも一部が内側に挿入される筒状部材であって、前記インナーコラムの挿入側の一端を切り欠いたスリットを有するアウターコラムと、
    車体側部材に固定され、前記アウターコラムを挟む押圧ブラケットで前記アウターコラムを締め付けるコラムブラケットと、
    前記押圧ブラケットを貫通し、操作レバーに連動するチルトボルトと、
    前記チルトボルトの外周に取り付けられるロック部材と、
    前記操作レバーの回転に応じて、前記アウターコラムを締め付ける第1固定機構と、
    前記操作レバーの回転に応じて、前記インナーコラムに対してチルト方向に前記ロック部材を付勢する第2固定機構と、を備え、
    前記第1固定機構が前記アウターコラムを締め付け、かつ前記第2固定機構が前記インナーコラムに対してチルト方向に前記ロック部材を付勢する状態において、前記インナーコラムが車体前方に移動したとき、前記ロック部材が前記チルトボルトから離脱するステアリング装置。
  2. 前記ロック部材は、前記チルトボルトが貫通可能な筒状の部材であって、前記チルトボルトの軸方向で一端から他端に亘る切り欠きであって前記チルトボルトの車体後方側に設けられる開口部と、前記開口部よりも前記インナーコラム側に設けられて前記インナーコラムに接触可能な当接部と、を備える請求項1に記載のステアリング装置。
  3. 前記第2固定機構が解除された状態における前記チルトボルトの回転軸から前記インナーコラムの外周面までの最小距離である第1距離は、前記回転軸から前記当接部の表面までの距離である第2距離よりも小さく、かつ前記回転軸から前記ロック部材の前記当接部以外の表面までの最大距離である第3距離よりも大きい請求項2に記載のステアリング装置。
  4. 前記ロック部材は、金属製の前記当接部と、前記当接部よりも前記チルトボルト側に設けられて前記チルトボルトに接する保持部とを備え、
    前記保持部は、前記当接部よりも弾性率の小さい材料である請求項2または3に記載のステアリング装置。
  5. 前記ロック部材は、前記当接部の表面に歯部を備える、請求項2から4のいずれか1項に記載のステアリング装置。
  6. 前記ロック部材は、前記チルトボルトが貫通可能な筒状の部材であって、前記チルトボルトの軸方向で一端から他端に亘る切り欠きであって前記チルトボルトの車体後方側に設けられる開口部と、前記開口部よりも前記インナーコラム側に設けられて前記インナーコラムに接触可能な当接部と、前記インナーコラムに固定されたギヤロックレールを備える請求項1に記載のステアリング装置。
  7. 前記第2固定機構は、前記インナーコラムに固定されたギヤロックレールを備え、
    前記ロック部材は、前記チルトボルトが貫通可能な筒状の部材であって、前記チルトボルトの軸方向で一端から他端に亘る切り欠きであって前記チルトボルトの車体後方側に設けられる開口部と、前記開口部よりも前記インナーコラム側に設けられて前記ギヤロックレールに接触可能な当接部と、を備える請求項1に記載のステアリング装置。
  8. 前記第2固定機構が解除された状態における前記チルトボルトの回転軸から前記インナーコラムに固定された前記ギヤロックレールの外周面までの最小距離である第1距離は、前記回転軸から前記当接部の表面までの距離である第2距離よりも小さく、かつ前記回転軸から前記ロック部材の前記当接部以外の表面までの最大距離である第3距離よりも大きい請求項6または7に記載のステアリング装置。
  9. 前記ロック部材は、金属製の前記当接部と、前記当接部よりも前記チルトボルト側に設けられて前記チルトボルトに接する保持部とを備え、
    前記保持部は、前記当接部よりも弾性率の小さい材料である請求項6〜8のいずれか1項に記載のステアリング装置。
  10. 前記ロック部材および前記ギヤロックレールは、その表面に互いに噛み合い、前記当接部の表面に歯部を備える、請求項6から9のいずれか1項に記載のステアリング装置。
  11. 前記アウターコラムは、車体前方側に位置し、ピボットブラケットを備え、離脱した前記インナーコラムを挿入可能である、請求項1から10のいずれか1項に記載のステアリング装置。
  12. 前記第1固定機構が前記アウターコラムを締め付け、かつ前記第2固定機構が前記インナーコラムに対してチルト方向に前記ロック部材を付勢する状態において、前記インナーコラムが車体前方に移動したとき、前記ロック部材が前記チルトボルトの一部と共に前記チルトボルトから離脱する請求項1に記載のステアリング装置。
  13. 前記チルトボルトは、前記アウターコラムの両側にあるそれぞれの前記押圧ブラケットを貫通する2つのボルト本体と、2つの前記ボルト本体の間に配置されかつ前記ボルト本体の外周よりも小さな外周を有するせん断部と、を備え、
    前記ロック部材は、前記せん断部に取り付けられる請求項1に記載のステアリング装置。
  14. 前記チルトボルトは、前記アウターコラムの両側にあるそれぞれの前記押圧ブラケットを貫通する2つのボルト本体と、2つの前記ボルト本体の間に配置されかつ前記ボルト本体の外周よりも小さな外周を有する2つのせん断部と、を備え、
    前記ロック部材は、前記2つのせん断部の間に配置される請求項1に記載のステアリング装置。
  15. 前記せん断部の縁は面取りされている請求項13または14に記載のステアリング装置。
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