JP6508512B2 - ステアリング装置 - Google Patents

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Description

この発明は、ステアリング装置に関する。
下記特許文献1に記載のステアリングコラムでは、ステアリングホイールに取り付けられたステアリングシャフトが、調節ユニットによって支持されている。調節ユニットは、ステアリングコラムを自動車のシャーシに固定する支持ユニットによって支持されている。操作レバーによって開閉される締付け機構の開放状態では、ステアリングシャフトの軸方向にステアリングコラムを位置調節することができる。
支持ユニットの側板には、締付けボルトが保持されている。締付けボルト上には、ロック部材が配置されている。調節ユニットの側壁には、相手ロック部材が保持されている。締付け機構の閉鎖時には、ロック部材は相手ロック部材に押し付けられる。これにより、ロック部材と相手ロック部材とがかみ合う。
相手ロック部材の脚部は、破断板に連結されている。破断板は、互いに平行な一対の弱体化線を有しており、これらの弱体化線の間に破断接合板が区画されている。相手ロック部材は、車両衝突時には、調節ユニットと相対的に摺動する。その際、相手ロック部材が引っ張られることにより、破断接合板は、車両衝突時のエネルギーを散逸しながら弱体化線に沿って破断する。
特表2011−516323号公報
特許文献1のステアリングコラムでは、車両衝突時には、ロック部材が相手ロック部材と噛み合った状態において、ステアリングホイール、ステアリングシャフト、支持ユニット、締付けボルトおよびロック部材を順に介して、相手ロック部材に連結された破断板に衝撃が伝達される。そのため、弱体化線に沿って破断板が破断し始めることによって、調節ユニットが車体から離脱する。弱体化線は、破断板において間隔を隔てて2箇所に設けられているため、車両衝突時の衝撃の加わり方によっては、破断板が2箇所の弱体化線のそれぞれから同時に破断しないことがある。つまり、各弱体化線からの破断板の破断に時間差が生じることがある。そのため、車両衝突によって調節ユニットが車体から離脱するときの荷重、すなわち離脱荷重がばらつく虞がある。
この発明は、かかる背景のもとでなされたものであり、車両衝突時の離脱荷重の安定化を図ることができるステアリング装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、一端(3A)に操舵部材(11)が連結され、軸方向(X)に伸縮可能なステアリングシャフト(3)と、前記操舵部材側(X1)で前記ステアリングシャフトを保持するアッパージャケット(22)と、前記操舵部材とは反対側(X2)で前記ステアリングシャフトを保持するロアージャケット(23)とを有し、前記ロアージャケットに対する前記アッパージャケットの前記軸方向への移動によって前記ステアリングシャフトとともに前記軸方向に伸縮可能なコラムジャケット(4)と、車体(2)に固定され、前記ロアージャケットを支持するブラケット(6)と、前記ステアリングシャフトおよびコラムジャケットの伸縮調整のために操作される操作部材(41)と、前記アッパージャケットに固定され、前記軸方向に沿って並ぶ複数の被係合歯(78)を有する被係合部材(50)と、前記被係合歯と噛み合い可能な係合歯(67)を有し、伸縮調整された前記ステアリングシャフトおよびコラムジャケットを固定するために前記被係合歯と前記係合歯と噛み合う噛合位置と、伸縮調整のために前記被係合歯と前記係合歯との噛み合い解除される解除位置とに前記操作部材の操作に応じて移動する係合部材(54)であって、全体形状がU字状となるように前記操舵部材側から前記反対側に向かう切り込みを有し、前記切り込みにおける底部よりも前記操舵部材側の部分が平坦部として形成されている係合部材と、前記底部に嵌め込まれる筒状の離脱部材(53)と、両端が前記ロアージャケットに固定された状態で前記離脱部材の中空部分(53A)に挿通され、前記離脱部材を介して前記係合部材を移動可能に支持する支持軸(52)とを含み前記係合部材は、前記離脱部材が前記底部から前記平坦部を通って前記切り込みの外へ抜け出ることで、車両衝突時に前記アッパージャケットとともに前記反対側へ前記離脱部材に対して移動可能であり、前記係合部材において前記底部と前記平坦部との境界(70)に設けられ、車両衝突時に前記アッパージャケットとともに前記係合部材が前記離脱部材に対して前記反対側へ相対移動する際に前記離脱部材の外周面(53B)を削る削り部材(72)をさらに含むことを特徴とする、ステアリング装置(1)である。
請求項2記載の発明は、前記底部と前記平坦部との境界における空間(70A)は、前記軸方向から見て、前記離脱部材よりも小さく、前記支持軸よりも大きいことを特徴とする、請求項1記載のステアリング装置である。
請求項3記載の発明は、一端(3A)に操舵部材(11)が連結され、軸方向(X)に伸縮可能なステアリングシャフト(3)と、前記操舵部材側(X1)で前記ステアリングシャフトを保持するアッパージャケット(22)と、前記操舵部材とは反対側(X2)で前記ステアリングシャフトを保持するロアージャケット(23)とを有し、前記ロアージャケットに対する前記アッパージャケットの前記軸方向への移動によって前記ステアリングシャフトとともに前記軸方向に伸縮可能なコラムジャケット(4)と、車体(2)に固定され、前記ロアージャケットを支持するブラケット(6)と、前記ステアリングシャフトおよびコラムジャケットの伸縮調整のために操作される操作部材(41)と、前記アッパージャケットに固定され、前記軸方向に沿って並ぶ複数の被係合歯(78)を有する被係合部材(50)と、前記被係合歯と噛み合い可能な係合歯(67)を有し、伸縮調整された前記ステアリングシャフトおよびコラムジャケットを固定するために前記被係合歯と前記係合歯と噛み合う噛合位置と、伸縮調整のために前記被係合歯と前記係合歯との噛み合い解除される解除位置とに前記操作部材の操作に応じて移動する係合部材(54)であって、全体形状がU字状となるように前記操舵部材側から前記反対側に向かう切り込みを有し、前記切り込みにおける底部よりも前記操舵部材側の部分が平坦部として形成されている係合部材と、前記底部に嵌め込まれる筒状に形成された離脱部材(53)と、両端が前記ロアージャケットに固定された状態で前記離脱部材の中空部分(53A)に挿通され、前記係合部材が前記噛合位置および前記解除位置に移動できるように前記離脱部材を介して前記係合部材を支持する支持軸(52)とを含み前記離脱部材は、前記操舵部材側に脆弱部または破断部を有し、前記係合部材および前記離脱部材は、前記支持軸が前記底部から前記平坦部を通って前記切り込みの外へ抜け出ることで、前記支持軸に対して前記アッパージャケットとともに前記反対側へ移動可能であり、前記係合部材および前記離脱部材が前記アッパージャケットとともに前記反対側へ移動するに際し、前記脆弱部または前記破断部は、前記支持軸から負荷を受けて破断しまたは拡開することを特徴とする、ステアリング装置(1)である。
請求項4記載の発明は、前記脆弱部は、前記離脱部材における前記操舵部材側の端部に形成された溝(82,95)を含むことを特徴とする、請求項3記載のステアリング装置である。
請求項5記載の発明は、前記破断部は、前記離脱部材における周上1箇所を切断してなることを特徴とする、請求項3記載のステアリング装置である。
お、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
請求項1記載の発明によれば、ステアリング装置では、コラムジャケットが、操舵部材側のアッパージャケットおよび操舵部材とは反対側のロアージャケットを有している。アッパージャケットがロアージャケットに対して移動することによって、コラムジャケットがステアリングシャフトとともに伸縮する。
アッパージャケットには、軸方向に沿って並ぶ複数の被係合歯を有する被係合部材が固定されている。ロアージャケットには、支持軸が固定されている。支持軸は、筒状の離脱部材の中空部分に挿通されている。被係合歯と噛み合い可能な係合歯を有する係合部材は、全体形状がU字状となるように操舵部材側から操舵部材側とは反対側に向かう切り込みを有する。切り込みにおける底部よりも操舵部材側の部分が平坦部として形成されている。離脱部材は、切り込みの底部に嵌め込まれている。支持軸は、離脱部材を介して、係合部材を移動可能に支持している。操作部材の操作に応じて係合部材を移動させることによって被係合歯と係合歯とを噛み合わせると、伸縮調整されたステアリングシャフトおよびコラムジャケットが固定される。
被係合歯と係合歯とが噛み合った状態では、車両衝突時の衝撃は、ステアリングシャフトを保持するアッパージャケットと被係合部材とを介して、係合部材に伝達される。そのため、係合部材は、アッパージャケットとともに、ロアージャケット側の支持軸によって支持された離脱部材に対して、操舵部材とは反対側に相対移動しようとする。そのため、車両衝突時には、係合部材が操舵部材とは反対側へ移動することによって、支持軸および離脱部材が底部から平坦部へ移る。これにより、アッパージャケットは、車体から離脱する。
係合部材において底部と平坦部との境界には、削り部材が設けられている。アッパージャケットが車体から離脱する際、離脱部材では、その外周面において軸方向から見て削り部材と重なる箇所が削り部材によって削られる。これにより、車両衝突においてアッパージャケットが車体から離脱するときの荷重、すなわち離脱荷重が発生する。この構成であれば、離脱部材の外周面において1箇所のみを削り部材によって削るようにすることができる。この場合、離脱部材において複数箇所が削られる場合に比べて、離脱荷重がばらつきにくい。よって、離脱荷重の安定化を図ることができる。
請求項2記載の発明によれば、底部と平坦部との境界における空間は、軸方向から見て、離脱部材よりも小さく、支持軸よりも大きい。そのため、アッパージャケットが車体から離脱する際、削り部材は、離脱部材のみを確実に削ることができるし、支持軸および離脱部材は、確実に底部から平坦部へ移ることができる。
請求項3記載の発明によれば、ステアリング装置では、コラムジャケットが、操舵部材側のアッパージャケットおよび操舵部材とは反対側のロアージャケットを有している。アッパージャケットがロアージャケットに対して相対移動することによって、コラムジャケットがステアリングシャフトとともに伸縮する。
アッパージャケットには、軸方向に沿って並ぶ複数の被係合歯を有する被係合部材が固定されている。ロアージャケットには、支持軸が固定されている。支持軸は、筒状に形成された離脱部材の中空部分に挿通されている。被係合歯と噛み合い可能な係合歯を有する係合部材は、全体形状がU字状となるように操舵部材側から操舵部材側とは反対側に向かう切り込みを有する。切り込みにおける底部よりも操舵部材側の部分が平坦部として形成されている。離脱部材は、切り込みの底部に嵌め込まれている。支持軸は、離脱部材を介して、係合部材を移動可能に支持している。操作部材の操作に応じて係合部材を移動させることによって被係合歯と係合歯とを噛み合わせると、伸縮調整されたステアリングシャフトおよびコラムジャケットが固定される。
被係合歯と係合歯とが噛み合った状態では、車両衝突時の衝撃は、ステアリングシャフトを保持するアッパージャケットと被係合部材とを介して、係合部材に伝達される。係合部材は、アッパージャケットとともに離脱部材を伴って、ロアージャケット側の支持軸に対して操舵部材の反対側へ相対移動しようとする。
離脱部材において操舵部材側には、脆弱部または破断部が設けられている。したがって、車両衝突時には、係合部材が操舵部材とは反対側へ移動することによって、脆弱部または破断部は、支持軸から負荷を受けて破断しまたは拡開する。そのため、支持軸が、離脱部材から外れ、切り込みにおいて、底部から、平坦部へ相対移動することによって、アッパージャケットは、車体から離脱する。これにより、離脱荷重が発生する。この構成であれば、操舵部材側の1箇所に設けられた脆弱部で離脱部材を破断させることや、操舵部材側に設けられた1箇所の破断部のみが大きくなるようにすることができる。そのため、離脱部材において複数の箇所が破断したり、離脱部材において複数の箇所に設けられた破断部が大きくなる場合に比べて、離脱荷重がばらつきにくい。よって、離脱荷重の安定化を図ることができる。
請求項4記載の発明によれば、脆弱部は、離脱部材における操舵部材側の端部に形成された溝を含んでいる。そのため、車両衝突時には、離脱部材を操舵部材側で破断させることによって安定した離脱荷重を発生させることができる。また、溝の深さを調整することによって、離脱荷重を自由に調整することができる。
請求項5記載の発明によれば、破断部は、離脱部材における周上1箇所を切断してなる。そのため、切り込みの大きさを調整することによって、離脱荷重を自由に調整することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るステアリング装置の概略側面図である。 図2は、図1のII−II線に沿うステアリング装置の断面図である。 図3は、ロック機構の分解斜視図である。 図4は、図1のIV−IV線に沿うステアリング装置の断面図である。 図5は、図4のV−V線に沿うステアリング装置の階段断面図である。 図6は、図5において係合部材の第1穴および第2穴の周辺を拡大した図である。 図7は、図5において係合歯と被係合歯との噛み合いが解除された状態を示した図である。 図8は、図5において二次衝突によって離脱部材が離脱した状態を示した図である。 図9は、図5に本発明の第1変形例を適用し、要部を拡大した図である。 図10は、図9において二次衝突によって離脱部材が離脱した状態を示した図である。 図11は、図6に本発明の第2変形例を適用した図である。 図12は、図6に本発明の第3変形例を適用した図である。 図13は、図6に本発明の第4変形例を適用した図である。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るステアリング装置1の概略側面図である。
図1において、紙面左側が、ステアリング装置1が取り付けられる車体2の前側であり、紙面右側が車体2の後側であり、紙面上側が車体2の上側であり、紙面下側が車体2の下側である。
図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングシャフト3と、コラムジャケット4と、ロアーブラケット5と、アッパーブラケット(ブラケット)6と、位置調整機構7と、ロック機構8とを主に含んでいる。
ステアリングシャフト3では、後端である一端3Aに操舵部材11が連結されている。ステアリングシャフト3において前端である他端3Bが、自在継手12、インターミディエイトシャフト13および自在継手14を順に介して、転舵機構15のピニオン軸16に連結されている。
転舵機構15は、ラックアンドピニオン機構などで構成されている。転舵機構15は、ステアリングシャフト3の回転が伝達されたことに応じて、図示しないタイヤなどの転舵輪を転舵させる。
ステアリングシャフト3は、車体2の前後方向に延びている。以下では、ステアリングシャフト3が延びる方向を軸方向Xとする。軸方向Xは、他端3Bが一端3Aよりも低くなるように水平方向に対して傾斜している。軸方向Xにおいて操舵部材11側である後側には、符号「X1」を付し、軸方向Xにおいて操舵部材11とは反対側である前側には、符号「X2」を付す。
軸方向Xに対して直交する方向のうち、図1において紙面と垂直な方向を左右方向Yといい、図1において略上下に延びる方向を上下方向Zという。左右方向Yにおいて、図1の紙面の奥側は、右側Y1であり、紙面の手前側は、左側Y2である。上下方向Zにおいて、上側には、符号「Z1」を付し、下側には、符号「Z2」を付す。
なお、図1以外の各図において図1の軸方向X、後側X1、前側X2、左右方向Y、右側Y1、左側Y2、上下方向Z、上側Z1および下側Z2に対応する方向には、図1と同じ符号を付している。
ステアリングシャフト3は、少なくとも一部が円筒状のアッパーシャフト20と円柱状のロアーシャフト21とを有している。アッパーシャフト20は、ロアーシャフト21よりも後側X1で同軸状に配置されている。
アッパーシャフト20における後端20Aが、ステアリングシャフト3の一端3Aであり、アッパーシャフト20の後端20Aに操舵部材11が連結されている。
ロアーシャフト21における前端21Aが、ステアリングシャフト3の他端3Bである。ロアーシャフト21の後端は、アッパーシャフト20の前端に対して前側X2から挿入されている。
ロアーシャフト21は、スプライン嵌合やセレーション嵌合によってアッパーシャフト20に嵌合されることでアッパーシャフト20の前端に連結されている。そのため、アッパーシャフト20とロアーシャフト21とは、一体回転可能であるとともに、軸方向Xに沿って相対移動可能である。ロアーシャフト21に対するアッパーシャフト20の軸方向Xへの移動によって、ステアリングシャフト3は、軸方向Xに伸縮可能である。
コラムジャケット4は、全体として、軸方向Xへ延びる中空体である。コラムジャケット4は、軸方向Xに延びるアッパージャケット22およびロアージャケット23を有している。
アッパージャケット22は、ロアージャケット23よりも後側X1に位置している。アッパージャケット22は、ロアージャケット23に対して内嵌されている。詳しくは、アッパージャケット22の前端22Aがロアージャケット23の後端23Aに対して後側X1から挿入されている。この状態で、アッパージャケット22は、ロアージャケット23に対する軸方向Xへの移動が可能である。この移動によって、コラムジャケット4の全体は、軸方向Xに沿って伸縮可能である。
コラムジャケット4は、軸受24および軸受25によってステアリングシャフト3に連結されていることから、コラムジャケット4は、ステアリングシャフト3を回転自在に支持している。詳しくは、アッパージャケット22の後端は、軸受24によってアッパーシャフト20に連結されている。これにより、アッパージャケット22は、アッパーシャフト20を回転自在に支持し、アッパーシャフト20を後側X1で保持している。また、ロアージャケット23の前端は、軸受25によってロアーシャフト21に連結されている。これにより、ロアージャケット23は、ロアーシャフト21を回転自在に支持し、ロアーシャフト21を前側X2で保持している。そのため、軸受24によって互いに連結されたアッパーシャフト20およびアッパージャケット22は、軸受25によって互いに連結されたロアーシャフト21およびロアージャケット23に対して、軸方向Xに移動可能である。これにより、コラムジャケット4は、ステアリングシャフト3とともに伸縮可能である。
ここでのステアリングシャフト3およびコラムジャケット4の伸縮を「テレスコ」と呼び、この伸縮調整、つまり、テレスコによる操舵部材11の軸方向Xでの位置調整をテレスコ調整と呼ぶ。
ロアーブラケット5は、ロアージャケット23の前側X2の部分を支持し、ステアリング装置1を車体2に連結している。ロアーブラケット5は、ロアージャケット23に固定された一対の可動ブラケット5Aと、車体2に固定された固定ブラケット5Bと、左右方向Yに延びる中心軸5Cとを含んでいる。
可動ブラケット5Aは、固定ブラケット5Bによって、中心軸5Cを介して回動可能に支持されている。そのため、コラムジャケット4全体は、ステアリングシャフト3を伴って、中心軸5Cを中心に上下に回動することができる。ここでの回動を「チルト」と呼び、中心軸5Cを中心とした略上下方向をチルト方向と呼ぶ。また、チルトによる操舵部材11の向き調整をチルト調整と呼ぶ。
アッパーブラケット6は、ロアージャケット23の後側X1の部分を支持し、ステアリング装置1を車体2に連結している。
図2は、図1のII−II線に沿うステアリング装置1の断面図である。
図2を参照して、アッパーブラケット6は、下向きに開放する溝形であり、軸方向Xから見て上下が逆になった略U字状をなすように、コラムジャケット4を挟んで左右対称に形成されている。詳述すると、アッパーブラケット6は、左右方向Yに薄くコラムジャケット4を挟んで対向する一対の側板30と、一対の側板30のそれぞれの上端部に連結された上下方向Zに薄い連結板31とを一体的に備えている。
一対の側板30において、左右方向Yから見て同じ位置には、チルト溝32が形成されている。チルト溝32は、上下方向Z、厳密には、中心軸5C(図1参照)を中心とした周方向であるチルト方向に延びている。連結板31は、たとえば一対の側板30よりも左右方向Yにおいて両外側へ延びた部分31Aを有しており、当該部分31Aに挿通される図示しないボルトなどによって、アッパーブラケット6全体が車体2に固定されている。
ロアージャケット23において後端23Aにおける下側Z2の部分には、軸方向Xに延びて後端23Aを切り欠くスリット33が形成されている。スリット33は、後端23Aからロアージャケット23の外部へ向けて後側X1および下側Z2の両方へ露出されている。そのため、ロアージャケット23の後端23Aは、上下が逆になった略U字状の断面を有している。
また、ロアージャケット23の後端23Aには、左右方向Yからスリット33を区画しつつ下側Z2へ延びる一対の支持部34が一体的に設けられている。支持部34は、軸方向Xおよび上下方向Zに広がる略直方体である。
一対の支持部34のそれぞれには、左右方向Yから見て同じ位置に、左右方向Yに支持部34を貫通する軸挿通孔35が形成されている。一対の支持部34の軸挿通孔35は、左右方向Yから見て、アッパーブラケット6の一対の側板30のチルト溝32の一部と重なっている。
ロアージャケット23の上側Z1の周壁には、軸方向Xに延びる長孔36が形成されている。長孔36には、アッパージャケット22に固定されたピン37が軸方向Xへ移動可能に挿通されている。
位置調整機構7は、操舵部材11(図1参照)のチルト調整およびテレスコ調整を可能にしたり、チルト調整やテレスコ調整を終えた操舵部材11の位置をロックしたりするための機構である。
位置調整機構7は、回転軸40と、操作部材41と、リング状のカム42およびカムフォロワ43と、ナット44と、リング状の介在部材45、針状ころ軸受46およびスラストワッシャ47とを含む。
回転軸40は、左右方向Yに延びる棒状である。回転軸40は、左右方向Yから見て軸挿通孔35とチルト溝32とが重なる部分に挿通される。回転軸40は、アッパーブラケット6の一対の側板30によって支持されている。回転軸40は、ステアリングシャフト3よりも下側Z2に位置している。
回転軸40の一端である左端部は、左側Y2の側板30よりも左側Y2に位置している。回転軸40の他端である右端部は、アッパーブラケット6の右側Y1の側板30よりも右側Y1に位置している。
回転軸40の左端部には、回転軸40の他の部分よりも大径な頭部40Aが設けられており、回転軸40の外周面の右端部には、ねじ溝40Bが設けられている。
操作部材41は、たとえば把持可能なレバーである。操作部材41は、回転軸40の頭部40A付近に取り付けられている。操作部材41の長手方向一端側の基端部41Aは、頭部40Aの右側Y1に隣接して回転軸40に固定されている。回転軸40は、操作部材41の操作に応じて回転する。
回転軸40の左端部は、カム42およびカムフォロワ43に挿通されている。操作部材41の基端部41Aと左側Y2の側板30との間には、カム42およびカムフォロワ43が、左側Y2からこの順に並んでいる。カム42は、回転軸40に対して一体回転可能であるのに対して、カムフォロワ43は、回転軸40に対して相対回転可能かつ左右方向Yに移動可能である。
回転軸40のねじ溝40Bには、ナット44が取り付けられている。ナット44と右側の側板30との間には、介在部材45、針状ころ軸受46およびスラストワッシャ47が、左側Y2からこの順に並んでいる。回転軸40は、介在部材45、針状ころ軸受46およびスラストワッシャ47のそれぞれに対して挿通されている。
回転軸40は、アッパーブラケット6の各チルト溝32内で、前述したチルト方向に移動可能である。運転者がチルト調整のために操舵部材11を上下方向Zに移動させると、コラムジャケット4全体が、アッパーブラケット6に対し相対的にチルトする。操舵部材11のチルト調整は、回転軸40がチルト溝32内で移動可能な範囲で行われる。
運転者などの使用者がテレスコ調整やチルト調整をした後に、操作部材41を回動させると、カム42が回転し、カム42およびカムフォロワ43に形成されたカム突起48が互いに乗り上げる。これにより、カムフォロワ43は、回転軸40の軸方向に沿って右側Y1に移動し、左側Y2の側板30に押し付けられる。カムフォロワ43による押し付けによって、一対の側板30は、カムフォロワ43と介在部材45との間で左右方向Yの両側から締め付けられる。
これにより、一対の側板30が左右方向Yの両側からロアージャケット23の支持部34を挟持することで各側板30と支持部34との間に摩擦力が生じる。当該摩擦力によって、コラムジャケット4の位置がロックされ、操舵部材11は、チルト調整後の位置でロックされ、チルト方向に移動できなくなる。
また、ロアージャケット23の一対の支持部34が側板30によって挟持されることによって、一対の支持部34の間隔が狭まる。これにより、ロアージャケット23の内周部が狭くなって、ロアージャケット23は、ロアージャケット23内のアッパージャケット22に圧接する。その結果、アッパージャケット22とロアージャケット23との間に摩擦力が生じる。アッパージャケット22とロアージャケット23との間の摩擦によって、アッパージャケット22の位置がロックされ、操舵部材11がテレスコ調整後の位置でロックされ、軸方向Xに移動できなくなる。
このように、チルト方向および軸方向Xにおいて操舵部材11の位置が固定されているときのステアリング装置1の状態を「ロック状態」と呼ぶ。
ロック状態のステアリング装置1において、操作部材41を先程とは逆方向へ回動させると、カム42がカムフォロワ43に対して回転し、カムフォロワ43は、回転軸40の軸方向に沿って左側Y2に移動する。すると、カム突起48同士が乗り上げなくなるので、カムフォロワ43と介在部材45との間における一対の側板30に対する締め付けが解除される。これにより、各側板30と支持部34との間の摩擦力や、ロアージャケット23とアッパージャケット22との間の摩擦力が無くなるので、操舵部材11が軸方向Xおよびチルト方向に移動できるようになる。このように、操作部材41を操作することによって、操舵部材11のテレスコ調整やチルト調整が再び可能となる。言い換えると、操作部材41は、テレスコ調整やチルト調整のために操作される。
このように、チルト方向および軸方向Xにおいて操舵部材11の位置の固定が解除されているときのステアリング装置1の状態を「解除状態」と呼ぶ。
次に、ロック機構8について説明する。図3は、ロック機構8の分解斜視図である。図3では、説明の便宜上、アッパージャケット22を二点鎖線で表している。図4は、図1のIV−IV線に沿うステアリング装置1の断面図である。図5は、図4のV−V線に沿うステアリング装置1の階段断面図である。図5では、説明の便宜上、ステアリングシャフト3の図示を省略しており(後述する図7、図8および図12においても同様)、後述する付勢部材55および係合歯67については、断面部分にハッチングを付さずに図示している。
図3を参照して、ロック機構8は、歯同士の噛み合いによってロアージャケット23に対するアッパージャケット22の軸方向Xにおける位置を強固にロックしたり、アッパージャケット22のロックを解除したりするための機構である。ロック機構8は、被係合部材50と、カム51と、支持軸52と、離脱部材53と、係合部材54と、付勢部材55とを含んでいる。
被係合部材50は、軸方向Xに長手で上下方向Zに薄い板状であって、アッパージャケット22の外周面22Bに沿って湾曲している。被係合部材50の後端部50Aには、下側Z2へ向けて折り曲げられたストッパ50Cが形成されている。
被係合部材50は、アッパージャケット22の外周面22Bの下側部分において、ロアージャケット23のスリット33に露出される部分に配置されている(図2および図4参照)。被係合部材50は、アッパージャケット22に溶接などで固定されている。そのため、被係合部材50は、アッパージャケット22と共にロアージャケット23に対して軸方向Xに相対移動可能である(図5参照)。
被係合部材50には、アッパージャケット22の外周面22Bの周方向に沿って延びる複数の穴57が軸方向Xに並んで形成されている。各穴57は、上下方向Zに被係合部材50を貫通している。被係合部材50において複数の穴57のそれぞれに対して後側X1から隣接する位置には、仕切部58が1つずつ設けられている。また、被係合部材50の前端部50Bは、最も前側X2の穴57の前側X2の仕切部58を構成している。最も後側X1の仕切部58および最も前側X2の仕切部58を除く各仕切部58は、軸方向Xに隣り合う2つの穴57の境界部分をなしている。
カム51は、左右方向Yに延びる円筒状の円筒部51Aと、円筒部51Aの周上1箇所から円筒部51Aの径方向外側へ突出したカム部51Bとを一体的に含む。カム部51Bは、左右方向Yから見て、円筒部51Aの径方向外側へ細くなる略三角形状である。カム部51Bは、下側Z2かつ前側X2へ向けられている(図5参照)。
図2を参照して、カム51は、ロアージャケット23のスリット33内に配置されていて、円筒部51Aには、回転軸40において一対の支持部34の間でスリット33内に露出された部分が挿通されている。円筒部51Aと回転軸40とは、スプライン嵌合などによって嵌合している。そのため、カム51は、操作部材41の操作に応じて回転軸40と一体回転可能である。
支持軸52は、たとえば鉄などの金属製であり、左右方向Yに延びる1本の略円柱状である(図3参照)。支持軸52に関連して、図4を参照して、ロアージャケット23の各支持部34において軸挿通孔35(図2参照)よりも前側X2の位置には、支持部34を左右方向Yに貫通する貫通孔59が1つずつ形成されている。各支持部34において、貫通孔59は、左右方向Yにおける外側において拡径された拡径部60を有している。支持軸52は、貫通孔59に挿通されている。支持軸52は、貫通孔59内で支持軸52の軸中心まわりの周方向C(図3参照)に回転しないように貫通孔59に圧入されていてもよい。
支持軸52の左右方向Yにおける両端部は、拡径部60まで到達している。支持軸52は、左端部に取り付けられたプッシュナット61によってロアージャケット23に対して左右方向Yに位置決めされている。このように、軸方向X、左右方向Yおよび上下方向Zにおけるロアージャケット23に対する支持軸52の相対位置が固定されている。
図3を参照して、離脱部材53は、たとえば樹脂製であり、左右方向Yに延びる円筒状である。離脱部材53は、左右方向Yに延びる中空部分53Aを有する。図4を参照して、離脱部材53は、ロアージャケット23のスリット33内に配置されている。中空部分53Aには、支持軸52において一対の支持部34の間でスリット33内に露出された部分が挿通されている。
図3を参照して、係合部材54は、左側Y2から見て、全体として略C字状である。係合部材54は、本体部65、当接部66および係合歯67を一体的に有する。
係合部材54の本体部65は、左側Y2から見て、略正方形状である。本体部65の上下方向Zにおける中央部よりも上側Z1には、左右方向Yに本体部65を貫通する第1穴68および第2穴69が軸方向Xに並んで形成されている。
左側Y2から見て、第1穴68は、略円形状であり、第2穴69は、軸方向Xに長い略矩形状である。第2穴69は、軸方向Xおよび左右方向Yに平坦な一対の平坦面69Aによって上下方向Zから挟まれている。第2穴69は、第1穴68の後側X1から本体部65の後端部まで延びている。第2穴69は、本体部65から後側X1へ向けて開放された切り欠きである。第2穴69は、前側X2で第1穴68に連通している。
図6は、図5において第1穴68および第2穴69の周辺を拡大した図である。図6では、説明の便宜上、付勢部材55の図示を省略している(後述する図8〜13についても同様)。
図6を参照して、第2穴69の上下方向Zにおける幅L1は、第1穴68の直径D1よりも小さい。第1穴68と第2穴69との境界70における空間70Aの上下方向Zにおける幅L2は、第2穴69の上下方向Zにおける幅L1と等しい。
境界70の周辺における第1穴68および第2穴69の周縁部は、上下一対の削り部材72を構成している。図6において二点鎖線で示すように、上側Z1の削り部材72は、左側Y2から見て、下側Z2に突出した略三角形状である。二点鎖線で示すように、下側Z2の削り部材72は、左側Y2から見て、上側Z1に突出した略三角形状である。各削り部材72は、略三角形状の頂点において左右方向Yに延びる稜線72Aを有している。
図3を参照して、係合部材54の当接部66は、上下方向Zに薄い板状である。当接部66の前端部は、本体部65の後端部に連結されている。当接部66の下面66Aは、本体部65の下面よりも上側Z1に位置している。当接部66の上面66Bは、第2穴69の下側Z2の平坦面69Aと面一である。
係合部材54の係合歯67は、軸方向Xに薄い板状である。係合歯67は、本体部65の後側X1かつ上側Z1の端部から上側Z1へ延びている。
図5を参照して、係合部材54は、ロアージャケット23のスリット33内において、カム51よりも前側X2に配置されている。係合部材54は、被係合部材50の下側Z2、厳密には、真下に位置している。
係合部材54の第1穴68には、離脱部材53が挿通されている。離脱部材53の直径は、第1穴68の直径D1(図6参照)とほぼ等しい。そのため、離脱部材53は、第1穴68に対して相対回転しないように第1穴68に嵌り込んでいる。この状態で、左右方向Yにおける離脱部材53の両端は、係合部材54よりも外側へはみ出している(図4参照)。
前述したように、支持軸52においてスリット33内に位置する部分が離脱部材53の中空部分53Aに挿通されている。そのため、離脱部材53は、支持軸52を介してロアージャケット23に支持されている。係合部材54は、離脱部材53を介して、支持軸52によって支持されている。支持軸52が貫通孔59内(図4参照)で周方向Cに回転できる場合は、支持軸52は離脱部材53に圧入され、離脱部材53は、支持軸52に対して相対回転しない。また、支持軸52が貫通孔59内で周方向Cに回転できない場合は、支持軸52は、遊びを持って離脱部材53に挿入され、離脱部材53は、支持軸52に対して相対回転可能である。いずれの場合であっても、離脱部材53は、係合部材54の第1穴68に圧入されている。そのため、係合部材54は、離脱部材53とともに周方向Cに移動可能である。
また、支持軸52の外周面と第1穴68の内周面との間は、離脱部材53によって埋められているので、支持軸52と係合部材54との間には、がたが発生しない。
図6を参照して、空間70Aの上下方向Zにおける幅L2は、支持軸52の直径(第1穴の直径D1に相当)よりも大きく、離脱部材53の直径D2よりも小さい。そのため、空間70Aは、軸方向Xから見て、離脱部材53よりも小さく、支持軸52よりも大きい。
図3を参照して、付勢部材55は、針金などを曲げることによって形成されたばねである。付勢部材55は、コイル状部75と、コイル状部75から後側X1へ延びる変形部76および保持部77とを一体的に含んでいる。コイル状部75は、離脱部材53において係合部材54から左側Y2にはみ出している部分の外周面53Bに外から巻き付けられる(図4参照)。変形部76は、保持部77よりも下側Z2に配置されている。変形部76の後端部76Aは、右側Y1に折れ曲がっている。
図5を参照して、付勢部材55では、保持部77が、カム51の円筒部51Aにおいてカム部51Bよりも左側Y2の部分の外周面に対して上側Z1から係止され、変形部76の後端部76Aが、係合部材54の当接部66の下面66Aに対して下側Z2から係止されている。付勢部材55では、変形部76が保持部77へ向けて上側Z1に移動しようとする力が常に発生しており、この力が、係合部材54全体を周方向Cに沿って上側Z1へ向けて付勢する付勢力となる。前述したように、係合部材54は、被係合部材50の下側Z2、厳密には、真下に位置している。そのため、付勢部材55によって上側Z1へ向けて付勢された係合部材54の係合歯67は、被係合部材50に付勢されている。
図5では、ステアリング装置1はロック状態にあり、この状態では、カム51のカム部51Bは、前側X2を向いていて、カム部51Bの外周面が係合部材54の当接部66の上面66Bに上側Z1から面接触している。
ロック状態において、係合部材54の係合歯67は、被係合部材50におけるいずれかの穴57に下側Z2から嵌まって係合している。この状態で、係合歯67は、軸方向Xの両側から被係合部材50の一対の仕切部58によって挟まれている。係合歯67が穴57に嵌ることによって、当該穴57と当該穴57に軸方向Xの両側から隣接する一対の仕切部58とが、係合歯67と噛み合う被係合歯78を構成する。係合歯67は、各穴57に嵌ることができるので、被係合歯78は、軸方向Xに沿って複数並んでいる。
係合歯67と被係合歯78とが噛み合うことにより、被係合部材50は、軸方向Xにおける移動が係合部材54によって規制されている。前述したように、被係合部材50は、アッパージャケット22に固定されており、係合部材54は、支持軸52を介してロアージャケット23に固定されている。そのため、ロック状態において係合歯67が被係合歯78と噛み合っていれば、ロアージャケット23に対するアッパージャケット22の軸方向Xにおける移動が規制される。
これにより、ロアージャケット23とアッパージャケット22との間の摩擦に加えて、ロアージャケット23側の係合歯67とアッパージャケット22側の被係合歯78との噛み合いによって、軸方向Xにおけるアッパージャケット22の位置を強固にロックできる。そのため、ステアリングシャフト3およびコラムジャケット4の軸方向Xにおける位置を固定して、軸方向Xにおける操舵部材11の位置がロックされるので、テレスコ調整が規制された状態になる。
図7は、図5において係合歯67と被係合歯78との噛み合いが解除された状態を示した図である。
図7を参照して、操作部材41(図2参照)を操作しステアリング装置1を解除状態にすると、カム51が左側Y2から見て反時計回りに回転軸40と一体的に回転する。これにより、カム51では、今まで前側X2を向いていたカム部51Bが下側Z2を向く。カム51の回動に伴い、カム部51Bが係合部材54の当接部66を下側Z2へ押し下げる。そのため、係合部材54全体は、付勢部材55の付勢力に抗して、左側Y2から見て周方向Cの時計回りに回転する。これにより、係合歯67は、被係合部材50の被係合歯78から下側Z2へ離間する。
このように、操作部材41(図3参照)の操作に応じて係合部材54が移動し、複数の係合歯67と複数の被係合歯78との噛み合いが解除される。
前述したように、解除状態では、アッパージャケット22とロアージャケット23との間の摩擦力も無くなっている。そのため、解除状態では、アッパージャケット22の軸方向Xにおける位置のロックが完全に解除されているので、操舵部材11のテレスコ調整が可能である。
このように、テレスコ調整のために被係合歯78と係合歯67との噛み合いを解除するために、操作部材41の操作に応じてロック状態から係合部材54を移動させることができる。
テレスコ調整の際、操舵部材11(図1参照)を前側X2へ向けて移動させると、アッパージャケット22は、ロアージャケット23に対して前側X2へ移動するので、最終的には、係合部材54の係合歯67と、被係合部材50のストッパ50Cとが当接する。テレスコ調整の際、逆に、操舵部材11を後側X1へ向けて移動させると、アッパージャケット22は、ロアージャケット23に対して後側X1へ移動するので、最終的には、アッパージャケット22の上部のピン37と、ロアージャケット23においてピン37が挿通された長孔36の後側X1の周縁部とが当接する。これにより、テレスコ調整の際のコラムジャケット4の伸縮量が規制される。
また、テレスコ調整後のアッパージャケット22およびアッパーシャフト20の位置を固定するために、解除状態から再び操作部材41(図2参照)の操作に応じて係合部材54を移動させることによって、被係合歯78と係合歯67とを噛み合わせることができる。
詳しくは、図5も参照して、操作部材41(図2参照)を操作しステアリング装置1を解除状態からロック状態にすると、カム51が左側Y2から見て時計回りに回転軸40と一体的に回転する。これにより、カム51では、今まで下側Z2を向いていたカム部51Bが前側X2かつ下側Z2を向く。カム51の回動に伴い、付勢部材55の付勢力によって上側Z1へ付勢されている係合部材54全体は、左側Y2から見て周方向Cの反時計回りに回転する。これにより、係合歯67と被係合部材50の被係合歯78とが噛み合う。
このとき、テレスコ調整後のアッパージャケット22の位置によっては、係合歯67が被係合歯78と噛み合わず、仕切部58に乗り上げる、いわゆるハーフロックが発生することがある。しかし、ハーフロックが発生した場合であっても、位置調整機構7(図2参照)によって操舵部材11(図1参照)の位置がロックされる。
次に、車両衝突時のロック機構8の動作について説明する。以下では、説明の便宜上、車両衝突によって離脱部材53が離脱した状態を示した図8も参照する。
図1を参照して、車両衝突の際、運転者が操舵部材11に衝突するいわゆる二次衝突が発生する。通常ではステアリング装置1がロック状態であるので、二次衝突による衝撃は、アッパーシャフト20を介して操舵部材11からアッパージャケット22へ伝達される。これにより、アッパージャケット22が前側X2へ移動しようとする。
図5を参照して、ロック状態において被係合部材50の被係合歯78と係合部材54の係合歯67とが噛み合っている場合、二次衝突時の衝撃は、アッパーシャフト20を保持するアッパージャケット22と被係合部材50とを介して、係合歯67から係合部材54に伝達される。これにより、係合部材54は、アッパージャケット22とともに前側X2へ移動しようとする。一方、前述したように、支持軸52は、ロアージャケット23に固定されている。また、離脱部材53は、支持軸52を介してロアージャケット23に支持されている。そのため、支持軸52および離脱部材53の軸方向Xにおける位置は、二次衝突時において固定されている。したがって、係合部材54は、アッパージャケット22とともに離脱部材53に対して前側X2へ相対移動しようとする。
図8を参照して、係合部材54が離脱部材53に対して前側X2へ相対移動することによって、支持軸52および離脱部材53が第1穴68から第2穴69へ移る。これにより、アッパージャケット22は、車体2から離脱する。
前述したように、境界70における第1穴68および第2穴69の周縁部には、一対の削り部材72が設けられている。したがって、アッパージャケット22の離脱に伴って離脱部材53が第1穴68から第2穴69へ移る際、離脱部材53の外周面53Bの上下の両端部は、一対の削り部材72によって削り取られる。これにより、離脱荷重が発生する。離脱部材53において一対の削り部材72によって削られた部分53Cは、第1穴68の上下方向Zの両端部に残留する。部分53Cは、離脱部材53の外周面53Bにおいて、軸方向Xから見て削り部材72と重なる位置にあり、かつ削り部材72の稜線72Aよりも上下方向Zにおいて両外側に位置する部分である。
本実施形態の構成であれば、離脱部材53の外周面53Bにおいて左右方向Yにおける1箇所のみを削り部材72によって削るようにすることができる。この場合、離脱部材53において左右方向Yにおいて複数箇所が削られる場合に比べて、離脱荷重がばらつきにくい。よって、離脱荷重の安定化を図ることができる。
また、前述したように、第1穴68と第2穴69との境界70における空間70Aは、軸方向Xから見て、離脱部材53よりも小さく、支持軸52よりも大きい。そのため、アッパージャケット22が車体2から離脱する際、削り部材72は、離脱部材53のみを確実に削ることができるし、離脱部材53は、確実に第1穴68から第2穴69へ移ることができる。
また、前述したように、第2穴69は、後側X1に開放された切り欠きであるため、二次衝突時に支持軸52が第2穴69から後側X1に外れることができる。これにより、アッパージャケット22を前側X2へさらに移動させて、この移動により、二次衝突時にステアリング装置1が吸収する衝撃の量をさらに増やせる。
また、第1穴68と第2穴69との境界70における空間70Aの幅L2や離脱部材53の直径を調整することで、離脱荷重の調整を容易に行うことができる。
また、ロック状態においてハーフロックが発生している場合を想定する。この場合、二次衝突時にアッパージャケット22が前側X2へ移動することによって、係合部材54の係合歯67が、左右方向Yから見て、被係合部材50のいずれかの穴57と重なると、付勢部材55の付勢力によって係合部材54が移動し、係合歯67と被係合歯78とが正しく噛み合う。そのため、二次衝突時の衝撃は、係合部材54に伝達されるので、ロック機構8では、被係合部材50の被係合歯78と係合部材54の係合歯67とが噛み合っている状態で二次衝突が発生した場合と同様の動作が行われる。
次に、本発明の第1変形例について説明する。
図9は、図5に本発明の第1変形例を適用し、要部を拡大した図である。図9において、上記に説明した部材と同様の部材には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する(後述する図10〜図13において同じ)。
図9を参照して、第1変形例の離脱部材53は、筒状に形成されている。第1変形例の離脱部材53には、本実施形態の離脱部材53とは異なり、脆弱部80が後側X1に設けられている。また、第1変形例の係合部材54には、削り部材72が設けられておらず、二次衝突時に離脱部材53を第1穴68内に保持するための保持部材81が一体に設けられている。
脆弱部80は、離脱部材53において、他の部分よりも強度が弱い部分である。脆弱部80は、溝82および薄肉部83を含む。溝82は、離脱部材53の外周面53Bを前側X2へ窪ませている。溝82は、左側Y2から見て、前側X2へ向けて細くなる略三角形状である。溝82は、左右方向Yにおける離脱部材53の全域に亘って延びている。薄肉部83は、離脱部材53において、溝82によって厚みが薄くされた部分である。
保持部材81は、第1穴68と第2穴69との境界70の周縁部から上下方向Zに突出した一対の突起である。詳しくは、上側Z1の保持部材81は、下側Z2に突出しており、下側Z2の保持部材81は、上側Z1に突出している。これにより、第1穴68と第2穴69との境界70における空間70Aを上下方向Zに狭めている。そのため、空間70Aの上下方向Zにおける幅L2は、第1穴68の直径D1よりも小さい。
以下では、説明の便宜上、図9において二次衝突によって離脱部材53が離脱した状態を示した図10も参照する。
前述したように、ロック状態では、被係合部材50の被係合歯78は、係合部材54の係合歯67と噛み合っている。そのため、二次衝突時の衝撃は、アッパーシャフト20を保持するアッパージャケット22と被係合部材50とを介して、係合歯67から係合部材54に伝達される。また、前述したように、離脱部材53は、保持部材81によって第1穴68に保持されている。そのため、係合部材54は、アッパージャケット22とともに離脱部材53を伴って前側X2へ移動しようとする。一方、前述したように、支持軸52は、ロアージャケット23に固定されている。そのため、支持軸52の軸方向Xにおける位置は、二次衝突時において固定されている。
しかし、前述したように、離脱部材53の後側X1には、脆弱部80が設けられている。そのため、二次衝突時には、係合部材54が離脱部材53を伴って支持軸52に対して前側X2へ相対移動することによって、脆弱部80の薄肉部83に応力が集中し、最終的には、脆弱部80が離脱部材53を後側X1の薄肉部83において破断させる(図10参照)。したがって、支持軸52が破断部84を抜けて第1穴68から第2穴69へ相対移動することによって、アッパージャケット22は、車体2から離脱する。これにより、離脱荷重が発生する。
第1変形例の構成であれば、支持軸52が破断部84を抜けて第1穴68から第2穴69へ相対移動する際、後側X1の1箇所に設けられた脆弱部80で離脱部材53を破断させることができる。そのため、左右方向Yにおいて間隔を隔てた複数の箇所が破断する場合に比べて、離脱荷重がばらつきにくい。よって、離脱荷重の安定化を図ることができる。
また、脆弱部80は、溝82を含んでいるため、二次衝突時には、離脱部材53を後側X1で破断させることによって安定した離脱荷重を発生させることができる。また、溝82の深さを調整することによって、離脱荷重を自由に調整することができる。
次に、本発明の第2変形例について説明する。
図11は、図6に本発明の第2変形例を適用した図である。
図11を参照して、第2変形例の離脱部材53は、一枚の板状を丸めることによって筒状に形成したものである。第2変形例の離脱部材53には、第1変形例の離脱部材53の脆弱部80の代わりに、後側X1に脆弱部85が設けられている。
脆弱部85は、破断部86と一対の端部87とを含む。
破断部86は、離脱部材53において周上1箇所が切断された切り欠きによって形成されている。破断部86は、離脱部材53の周方向における一対の端部87によって上下方向Zから挟まれている。離脱部材53は、破断部86を後側X1に向けた状態で第1穴68に嵌め込まれている。
一対の端部87の先端は、丸められている。左側Y2から見て、前側X2へ向けて突出する突起88を有する。一対の端部87は、上下方向Zから互いに当接している。
各突起88は、支持軸52に後側X1から当接する。これにより、支持軸52に対する離脱部材53のがたつきが抑制される。
二次衝突時には、第1変形例と同様に、係合部材54は、アッパージャケット22とともに離脱部材53を伴って前側X2へ相対移動しようとする。また、支持軸52の軸方向Xにおける位置は、二次衝突時において固定されている。
そのため、係合部材54が前側X2へ移動することによって、図11に破線で示すように、脆弱部85の破断部86が支持軸52によって押し広げられて大きくなる。これにより、支持軸52が第1穴68から第2穴69へ相対移動することによってアッパージャケット22が車体2から離脱し、離脱荷重が発生する。
第2変形例の構成であれば、支持軸52が第2穴69へ相対移動する際、後側X1に設けられた1箇所の破断部86のみが大きくなるようにすることができる。そのため、左右方向Yにおいて間隔を隔てた複数の箇所に設けられた破断部が大きくなる場合に比べて、離脱荷重がばらつきにくい。よって、離脱荷重の安定化を図ることができる。
また、破断部86は、切り欠きであるため、当該切り欠きの大きさを調整することによって、離脱荷重を自由に調整することができる。
次に、本発明の第3変形例について説明する。
図12は、図6に本発明の第3変形例を適用した図である。
図12を参照して、第3変形例の離脱部材53は、一枚の板状を丸めることによって筒状に形成したものである。詳しくは、左側Y2から見て略C字状である第3変形例の離脱部材53には、第2変形例の脆弱部85の代わりに、後側X1に脆弱部90が設けられている。
脆弱部90は、破断部91と一対の端部92とを含む。
破断部91は、離脱部材53において周上1箇所が切断された切り欠きによって形成されている。破断部91は、離脱部材53の周方向における一対の端部92によって上下方向Zから挟まれている。離脱部材53は、破断部91を後側X1に向けた状態で第1穴68に嵌め込まれている。一対の端部92同士は、当接しておらず、上下方向Zに間隔を隔てている。
二次衝突時には、図12に破線で示すように、離脱部材53が前側X2へ移動することによって、破断部91が支持軸52によって押し広げられて大きくなる。
次に、本発明の第4変形例について説明する。
図13は、図6に本発明の第4変形例を適用した図である。
図13を参照して、第4変形例の離脱部材53の脆弱部80は、第1変形例の溝82および薄肉部83と、溝95とによって形成されている。
溝95は、離脱部材53の内周面を後側X1へ窪ませている。溝95は、左側Y2から見て、後側X1へ向けて細くなる略三角形状である。溝95は、左右方向Yにおける離脱部材53の全域に亘って延びている。溝95は、離脱部材53の周方向において溝82と同じ位置に設けられている。
このように、脆弱部80は、軸方向Xの両側から形成された溝82および溝95を含む。そのため、離脱部材53の径方向における薄肉部83の厚みは一層薄くなっている。これにより、脆弱部80は、二次衝突時の衝撃によって、一層安定して破断する。したがって、一層安定した離脱荷重を発生させることができる。
また、離脱部材53には、第1変形例および第4変形例の離脱部材53とは異なり、溝82が形成されていなくてもよい。この場合、脆弱部80は、溝95と薄肉部83とを含んでいる。
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、削り部材72は、境界70の周辺における第1穴68および第2穴69の周縁部から突出する突起であってもよい。要は、第1穴68と第2穴69との境界70の幅L2は、アッパージャケット22が車体2から離脱する際、削り部材72が離脱部材53の外周面53Bを削ることができるような寸法に設定されていればよい。また、本実施形態では、第2穴69の幅L1は、幅L2と等しくなくてもよく、二次衝突時に支持軸52が第2穴69を相対移動できるような寸法に設定されていればよい。
また、離脱部材53は、樹脂製に限らず、金属製であってもよい。いずれにせよ、離脱部材53は、二次衝突時において、削り部材72(図6参照)によって外周面53Bが削られる程度の強度、二次衝突時に脆弱部80,85,90が破断する程度の強度、または支持軸52が破断部86,91を押し広げられる程度の強度を有していればよい。
また、支持軸52は、金属製に限らず、樹脂製であってもよい。いずれにせよ、支持軸52は、二次衝突時の衝撃によって破断しない程度の強度を有していればよい。
また、第1変形例〜第4変形例の係合部材54は、保持部材81を含んでいなくてもよく、接着剤などによって、離脱部材53の外周面53Bが第1穴68の内周面に連結されていてもよい。
また、係合部材54の第2穴69は、後側X1が開放されていない軸方向Xに延びる長穴であってもよい。二次衝突時にアッパージャケット22が車体2から離脱すると、支持軸52および離脱部材53は、第2穴69の範囲で軸方向Xに移動する。
ステアリング装置1は、操作部材41の基端部41Aがアッパージャケット22よりも下側Z2に配置された、いわゆるレバー下置きタイプのステアリング装置であるが、操作部材41の基端部41Aがアッパージャケット22よりも上側Z1に配置された、いわゆるレバー上置きタイプのステアリング装置にもロック機構8を適用することができる。
また、ステアリング装置1は、操舵部材11の操舵が補助されないマニュアルタイプのステアリング装置に限らず、電動モータによって操舵部材11の操舵が補助されるコラムアシストタイプの電動パワーステアリング装置(C−EPS)でもよい。
また、ロック機構8は、歯同士の噛み合いを用いないタイプのステアリング装置にも適用可能である。
1…ステアリング装置、2…車体、3…ステアリングシャフト、3A…一端、4…コラムジャケット、6…アッパーブラケット、11…操舵部材、22…アッパージャケット、23…ロアージャケット、41…操作部材、50…被係合部材、52…支持軸、53…離脱部材、53A…中空部分、53B…外周面、54…係合部材、67…係合歯、68…第1穴、69…第2穴、70…境界、70A…空間、72…削り部材、78…被係合歯、80…脆弱部、82…溝、85…脆弱部、86…破断部、90…脆弱部、91…破断部、95…溝、X…軸方向、X1…後側、X2…前側、Y…左右方向

Claims (5)

  1. 一端に操舵部材が連結され、軸方向に伸縮可能なステアリングシャフトと、
    前記操舵部材側で前記ステアリングシャフトを保持するアッパージャケットと、前記操舵部材とは反対側で前記ステアリングシャフトを保持するロアージャケットとを有し、前記ロアージャケットに対する前記アッパージャケットの前記軸方向への移動によって前記ステアリングシャフトとともに前記軸方向に伸縮可能なコラムジャケットと、
    車体に固定され、前記ロアージャケットを支持するブラケットと、
    前記ステアリングシャフトおよびコラムジャケットの伸縮調整のために操作される操作部材と、
    前記アッパージャケットに固定され、前記軸方向に沿って並ぶ複数の被係合歯を有する被係合部材と、
    前記被係合歯と噛み合い可能な係合歯を有し、伸縮調整された前記ステアリングシャフトおよびコラムジャケットを固定するために前記被係合歯と前記係合歯と噛み合う噛合位置と、伸縮調整のために前記被係合歯と前記係合歯との噛み合い解除される解除位置とに前記操作部材の操作に応じて移動する係合部材であって、全体形状がU字状となるように前記操舵部材側から前記反対側に向かう切り込みを有し、前記切り込みにおける底部よりも前記操舵部材側の部分が平坦部として形成されている係合部材と、
    前記底部に嵌め込まれる筒状の離脱部材と、
    両端が前記ロアージャケットに固定された状態で前記離脱部材の中空部分に挿通され、前記係合部材が前記噛合位置および前記解除位置に移動できるように前記離脱部材を介して前記係合部材を支持する支持軸とを含み
    前記係合部材は、前記離脱部材が前記底部から前記平坦部を通って前記切り込みの外へ抜け出ることで、車両衝突時に前記アッパージャケットとともに前記反対側へ前記離脱部材に対して移動可能であり、
    前記係合部材において前記底部と前記平坦部との境界に設けられ、車両衝突時に前記アッパージャケットとともに前記係合部材が前記離脱部材に対して前記反対側へ相対移動する際に前記離脱部材の外周面を削る削り部材をさらにことを特徴とする、ステアリング装置。
  2. 前記底部と前記平坦部との境界における空間は、前記軸方向から見て、前記離脱部材よりも小さく、前記支持軸よりも大きいことを特徴とする、請求項1記載のステアリング装置。
  3. 一端に操舵部材が連結され、軸方向に伸縮可能なステアリングシャフトと、
    前記操舵部材側で前記ステアリングシャフトを保持するアッパージャケットと、前記操舵部材とは反対側で前記ステアリングシャフトを保持するロアージャケットとを有し、前記ロアージャケットに対する前記アッパージャケットの前記軸方向への移動によって前記ステアリングシャフトとともに前記軸方向に伸縮可能なコラムジャケットと、
    車体に固定され、前記ロアージャケットを支持するブラケットと、
    前記ステアリングシャフトおよびコラムジャケットの伸縮調整のために操作される操作部材と、
    前記アッパージャケットに固定され、前記軸方向に沿って並ぶ複数の被係合歯を有する被係合部材と、
    前記被係合歯と噛み合い可能な係合歯を有し、伸縮調整された前記ステアリングシャフトおよびコラムジャケットを固定するために前記被係合歯と前記係合歯と噛み合う噛合位置と、伸縮調整のために前記被係合歯と前記係合歯との噛み合い解除される解除位置とに前記操作部材の操作に応じて移動する係合部材であって、全体形状がU字状となるように前記操舵部材側から前記反対側に向かう切り込みを有し、前記切り込みにおける底部よりも前記操舵部材側の部分が平坦部として形成されている係合部材と、
    前記底部に嵌め込まれる筒状に形成された離脱部材と、
    両端が前記ロアージャケットに固定された状態で前記離脱部材の中空部分に挿通され、前記係合部材が前記噛合位置および前記解除位置に移動できるように前記離脱部材を介して前記係合部材を支持する支持軸とを含み
    前記離脱部材は、前記操舵部材側に脆弱部または破断部を有し、
    前記係合部材および前記離脱部材は、前記支持軸が前記底部から前記平坦部を通って前記切り込みの外へ抜け出ることで、前記支持軸に対して前記アッパージャケットとともに前記反対側へ移動可能であり、
    前記係合部材および前記離脱部材が前記アッパージャケットとともに前記反対側へ移動するに際し、前記脆弱部または前記破断部は、前記支持軸から負荷を受けて破断しまたは拡開することを特徴とする、ステアリング装置。
  4. 前記脆弱部は、前記離脱部材における前記操舵部材側の端部に形成された溝を含むことを特徴とする、請求項3記載のステアリング装置。
  5. 前記破断部は、前記離脱部材における周上1箇所を切断してなることを特徴とする、請求項3記載のステアリング装置。
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