JPWO2015151808A1 - Fe−Ni基超耐熱合金の製造方法 - Google Patents

Fe−Ni基超耐熱合金の製造方法 Download PDF

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Abstract

異常結晶粒成長を抑制し、ASTM結晶粒度番号で9番以上の微細結晶粒組織が得られるFe−Ni基超耐熱合金の製造方法を提供する。Fe−Ni基超耐熱合金の製造方法において、所定の組成を有する素材を熱間加工する熱間加工工程を少なくとも含み、前記熱間加工工程は、930〜1010℃の前記素材を、当該素材の全域で、[相当歪]≧0.139×[相当歪速度(/sec)]−0.30の関係を満足するように熱間加工する工程を少なくとも含む、Fe−Ni基超耐熱合金の製造方法。

Description

本発明は、Fe−Ni基超耐熱合金の製造方法に関する。
航空機や発電用ガスタービン部品として使用されるFe−Ni基超耐熱合金である718合金は、優れた機械的特性を具備しているため、従来から最も広く使用されている超耐熱合金である。特に、ジェットエンジンやガスタービンの大型回転部品には高い疲労強度が求められる。そのため、このような部品に使用される718合金は、結晶粒を均一に微細化することで、疲労強度を高くする必要がある。結晶粒を均一に微細化する方法として、通常、718合金のインゴットからビレットを作製した後、デルタ相のピンニング効果を利用して、930〜1010℃の温度範囲で熱間加工を行うことで、微細な再結晶組織を形成し、次いで固溶化熱処理と時効処理、または直接時効処理を行う方法が挙げられる。
しかし、例えば、型打ち鍛造やリング圧延などにおいて低歪条件下で熱間加工を施す場合、熱間加工中や熱間加工後の冷却中、または熱間加工後の固溶化処理中において、デルタ相のピンニングを乗り越えて急速に結晶粒が粗大化する異常結晶粒成長(abnormal-grain-growth:以下AGGと記す場合がある)を引き起こしてしまうことがある。図2に示すようなAGGが発現すると、均一微細組織が崩れるため、疲労特性が損なわれる問題が生じる。このようなAGGを回避する方法として、例えば、特許文献1では、AGGを防止する影響因子を特定し、部品の全領域で0.125以上の歪を加えている。
特開2001−123257号公報
疲労強度を重視する部品に718合金を用いる場合、合金の組織をASTM結晶粒度番号で9番以上の、均一且つ非常に微細な結晶粒組織とする必要がある。特許文献1に記載の発明は、熱間鍛造工程で、718合金の部品の全域に対し、0.125以上の歪を付与することで、その後の固溶化処理でAGGを防止できる点で優れる。しかし、熱間加工には型打ち鍛造やリング圧延などが挙げられ、これらの加工方法において、718合金には種々の歪速度で歪が付与される。例えば、低歪速度の条件において0.125程度の歪を718合金に付与した場合には、未だAGGが発現される領域で熱間加工することとなる場合があり、微細結晶粒組織を得られないという問題があった。この問題は、特に型打ち鍛造やリング圧延に供される大型の鍛造品やリング圧延品を、718合金を用いて製造する際に問題となる。
本発明の目的は、AGGを抑制し、ASTM結晶粒度番号で9番以上の微細結晶粒組織が得られるFe−Ni基超耐熱合金の製造方法を提供することである。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものである。
即ち本発明は、0.08質量%以下のCと、0.35質量%以下のSiと、0.35質量%以下のMnと、0.015質量%以下のPと、0.015質量%以下のSと、50.0〜55.0質量%のNiと、17.0〜21.0質量%のCrと、2.8〜3.3質量%のMoと、1.0質量%以下のCoと、0.30質量%以下のCuと、0.20〜0.80質量%のAlと、0.65〜1.15質量%のTiと、4.75〜5.50質量%のNb+Taと、0.006質量%以下のBと、残部がFeおよび不可避的な不純物からなる組成を有するFe−Ni基超耐熱合金の製造方法において、前記組成を有する素材を熱間加工する熱間加工工程を少なくとも含み、前記熱間加工工程は、930〜1010℃の前記素材を、当該素材の全域で、[相当歪]≧0.139×[相当歪速度(/sec)]−0.30の関係を満足するように熱間加工する工程を少なくとも含む、Fe−Ni基超耐熱合金の製造方法である。
また、本発明のFe−Ni基超耐熱合金の製造方法では、950〜1000℃の範囲で0.5〜10時間の固溶化処理を行う固溶化処理工程を含むことができる。
また、本発明のFe−Ni基超耐熱合金の製造方法では、前記熱間加工工程の後であって、前記固溶化処理工程の前に、600〜930℃の範囲で5〜60時間熱処理する熱処理工程を含むことができる。
また、本発明のFe−Ni基超耐熱合金の製造方法では、前記固溶化処理工程後、700〜750℃の範囲で2〜20時間の第一時効処理を行う第一時効処理工程を含むことができる。
また、本発明のFe−Ni基超耐熱合金の製造方法では、前記第一時効処理工程後、600〜650℃の範囲で2〜20時間の第二時効処理を行う第二時効処理工程を含むことができる。
本発明によれば、Fe−Ni基超耐熱合金のAGGを回避し、ASTM結晶粒度番号で9番以上の均一微細な結晶粒組織を得ることが可能である。そして、このFe−Ni基超耐熱合金を用いてなるジェットエンジンやガスタービン部材等の、疲労特性の信頼性を向上させることができる。
相当歪と相当歪速度との関係が及ぼす金属組織の関係を示す図である。 異常結晶粒成長の金属組織写真である。 小型圧縮試験片の側面模式図である。
以下、本発明のFe−Ni基超耐熱合金の製造方法について、詳細に説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。
本発明は、所定の合金組成を有するFe−Ni基超耐熱合金の素材を熱間加工する熱間加工工程を少なくとも含む。熱間鍛造等の熱間加工工程において、型打ち鍛造やリング圧延などの種々の歪速度に対する熱間加工条件を最適化することにより、異常結晶粒成長を防止することにある。熱間加工工程の具体例について、以下に説明する。
なお、本発明で規定するFe−Ni基超耐熱合金の合金組成は、JIS−G4901に示されるNCF718合金(Fe−Ni基超耐熱合金)として知られるものであるため、組成に関する詳細な説明は割愛する。ここで、「4.75〜5.50質量%のNb+Ta」は、Fe−Ni基超耐熱合金がその組成として、NbとTaを合計で4.75〜5.50質量%含むという意味である。
<熱間加工工程>
微細結晶粒組織のFe−Ni基超耐熱合金を得るためには、930〜1010℃の温度範囲にあるFe−Ni基超耐熱合金の素材を熱間加工する。この温度範囲の素材を用いることにより、熱間鍛造等の熱間加工中に再結晶を促進させることができるからである。熱間加工前の前記素材の温度が930℃未満の場合、熱間加工中の再結晶がほとんど発現しない。一方、熱間加工前の前記素材の温度が1010℃を超える場合、熱間加工中の再結晶は促進されるが、生成する再結晶粒のサイズが大きくなるため、微細粒を得るのが困難となる。熱間加工前の前記素材の温度を930〜1010℃、好ましくは950〜1000℃とすることにより、微細な結晶の再結晶化を促進させることができる。930〜1010℃のFe−Ni基超耐熱合金の素材は、例えば、熱間加工前に前記素材を加熱することにより、得ることができる。
本発明では、熱間加工の条件は、930〜1010℃の温度範囲にあるFe−Ni基超耐熱合金の前記素材の全域で、[相当歪]≧0.139×[相当歪速度(/sec)]−0.30の関係を満足することである。この関係式の適用は、型打ち鍛造やホットダイ鍛造、恒温鍛造を含む熱間鍛造の他、リングミル等の熱間加工で想定される相当歪で5以下、相当歪速度0.0001〜10/秒とする。相当歪の好ましい上限は4であり、より好ましくは3.5である。相当歪速度の好ましい下限は0.001/秒であり、より好ましくは0.005/秒である。相当歪速度の好ましい上限は5/秒であり、より好ましくは1/秒である。相当歪、および相当歪速度は、垂直とせん断の6軸要素を単軸に換算したときの歪と歪速度を表している。
AGGは、熱間加工前の結晶粒度がASTM結晶粒度番号でおおよそ8番以上のとき発現し、初期結晶粒が微細であるほど、その感受性は高くなる。本発明者の検討によると、図1に示すように、歪速度が遅いほどAGGを起こす範囲(B)は大きくなる傾向が認められる。この傾向は、歪速度が低い条件下では、例えば、型打ち鍛造中に発生した動的再結晶に再度歪が蓄積されるため、粒界の蓄積エネルギーを駆動力として固溶化処理時に結晶粒界が移動することに起因する。一方、下記式の関係を満足する低い歪領域(C)では、通常はAGGを防止することができる。
Figure 2015151808
しかしながら、この領域(C)は、熱間加工中のデッドゾーンに相当する領域であるため、再結晶による微細化は望めない。他方、領域(A)は、再結晶による結晶粒微細化が可能な領域であり、且つAGGも防止可能な領域である。しかし、熱間加工時に領域(A)と領域(C)とが混在すると、AGGが発現する領域(B)も存在することになる。なお、領域(B)の関係式は以下の通りである。
Figure 2015151808
そこで本発明では、領域(A)で熱間加工を行うべく、下記の関係式を満足するように、熱間加工用素材の全域に好適な歪を加えて、AGGをより確実に防止する。
Figure 2015151808
なお、領域(A)〜(C)を示す関係式は、組織観察を行って、その結果からAGGが起こる相当歪と相当歪速度の関係を重回帰により算出したものである。
本発明のFe−Ni基超耐熱合金の製造方法は、上記熱間加工工程後、固溶化処理を行うことができる。また、固溶化処理の前に、予備加熱として前記合金を加熱する熱処理工程を行うことができる。そして、固溶化処理後、第一時効処理を行うことができる。さらに、第一時効処理後、第二時効処理を行うことができる。これらの処理の具体例について、以下に記載する。
<熱処理工程>
上述した熱間加工工程後、空冷等により冷却されたFe−Ni基超耐熱合金について、固溶化処理をする前の予備加熱として、600〜930℃の範囲で5〜60時間熱処理する工程である。この熱処理工程により、後に行う950〜1000℃の固溶化処理でAGGが発現するリスクをより低減することができる。
AGGを防止するためには、熱間鍛造終了時に粒界に蓄積された歪エネルギーを残存させないことが有効である。しかしながら、歪速度が遅いほど結晶粒界に歪エネルギーが蓄積しやすいため、蓄積した歪エネルギーを完全に除去することは困難である。そのため、固溶化処理前に予備加熱処理として熱処理工程を行って、蓄積した歪エネルギーを出来るだけ除去することが好ましい。
この予備加熱処理での蓄積した歪エネルギーの除去は、析出物を積極的に析出させることで行う。つまり、600〜800℃の温度範囲で強度向上に寄与するガンマダブルプライム、およびガンマプライムを析出させ、800〜930℃でデルタ相を析出させる。この予備加熱処理は、特定の温度で一定時間保持して、ガンマダブルプライム、およびガンマプライムを析出させる一段目の予備加熱処理を行った後、次いで、特定の温度まで昇温し、一定時間保持してデルタ相を析出させる二段目の予備加熱処理を行うという二段階の熱処理とすることができる。また、特定の温度で一定時間保持することなく、例えば、600℃から徐々に930℃まで昇温する熱処理とすることができる。但し、予備加熱処理温度が600℃未満であると、ガンマダブルプライム、ガンマプライムの析出が望めない。一方で、予備加熱処理温度が930℃を超えると、蓄積した歪エネルギーを除去する前に、結晶粒が成長するおそれがある。また、予備加熱処理の時間が5時間未満であると、前述の蓄積した歪エネルギーの除去、および析出物の析出の効果が不十分となる場合がある。一方、予備熱処理の時間が60時間を超えても、より一層の効果向上は望めない。そのため、固溶化処理前の予備加熱処理の条件としては、600〜930℃の範囲で5〜60時間とすることが好ましい。予備加熱処理温度の好ましい下限は650℃であり、より好ましくは700℃である。予備加熱処理温度の好ましい上限は920℃であり、より好ましくは910℃である。また、予備加熱処理時間の好ましい下限は7時間であり、より好ましくは10時間である。予備加熱処理時間の好ましい上限は50時間であり、より好ましくは40時間である。
<固溶化処理工程>
熱間加工工程で得られた微細再結晶組織を維持させるためには、固溶化処理時の加熱温度も重要となる。固溶化処理の加熱温度が950℃未満では、固溶化処理中にデルタ相が過度に析出するため、その後の時効処理で析出させるガンマダブルプライムの量が減少し、全体的な強度低下を招く。一方、固溶化処理温度が1000℃を超えるとデルタ相のピンニング効果の低下に伴い、結晶粒が成長し引張や疲労強度が低下する。そのため、固溶化処理温度は950〜1000℃とする。好ましくは950〜990℃である。
また、固溶化処理の保持時間は0.5〜10時間とする。0.5時間未満では、熱間加工終了後の冷却中に析出した化合物の固溶効果が低い。一方、10時間を超える処理は経済的に効率が悪い上、微細結晶粒の成長を招くおそれがある。好ましくは1〜3時間である。
<時効処理工程>
固溶化熱処理したFe−Ni基超耐熱合金を700〜750℃で2〜20時間保持した後、600〜650℃まで冷却する第一時効処理と、次いで600〜650℃で2〜20時間保持する第二時効処理を行うことができる。
時効処理の目的は、析出強化相のガンマプライム相やガンマダブルプライム相を微細に析出させて高温高強度を得ることである。低温側の第二時効処理のみでは、析出強化相を析出させきるのに時間がかかりすぎる場合があるため、第一時効処理として、高温側で時効処理を行いガンマプライム相やガンマダブルプライム相の析出を促進させることができる。
第一時効処理の処理温度が700℃未満の場合では、析出の促進効果が不足するため、析出強化の効果が低減してしまう。一方、第一時効処理の処理温度が750℃を超えると、析出がより促進されるものの、析出粒子のサイズが増大し析出強化の効果が低下するばかりでなく、ガンマダブルプライム相が析出強化能のないデルタ相に変態する場合がある。したがって、第一時効処理の処理温度は700〜750℃の温度範囲とする。好ましくは、710〜730℃である。
また、第一時効処理の処理温度の保持時間が2時間未満であると、ガンマプライム相やガンマダブルプライム相の析出が不十分となる。一方、第一時効処理の前記保持時間が20時間を超えると、ガンマプライム相やガンマダブルプライム相の析出の効果が飽和する場合があるため、経済的ではない。したがって、第一時効処理の前記保持時間は、2〜20時間の範囲とする。好ましくは4〜15時間である。
前述の第一時効処理後に第二時効処理を行う。第二時効処理の処理温度が600℃未満では、ガンマプライム相やガンマダブルプライム相の析出に時間がかかりすぎる場合があるため、効率的ではない。また、第二時効処理の処理温度が650℃を超えると、第一時効処理の温度との温度差が小さいため、析出の駆動力が不足し析出量が低減する場合がある。したがって、第二時効処理の処理温度は、600〜650℃の温度範囲とする。好ましくは610〜630℃である。第二時効処理の処理温度の保持時間については、前述の第一時効処理と同様の理由で、2〜20時間とする。好ましくは4〜15時間である。
以下、実施例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
表1に示すFe−Ni基超耐熱合金(718合金)に相当する化学組成のビレットを用いて950〜1000℃の温度範囲内で据え込み鍛造を行った後、950〜1000℃の温度範囲内でリング圧延を行った。次いで、前記熱合金に残留する歪を除去するべく、当該熱合金を980℃で1時間保持した後、室温まで空冷し、図3に示す小型圧縮試験片を作製して熱間加工試験を行った。この小型圧縮試験片を供試材として、熱間加工試験を行いAGGの発生に及ぼす因子を調査した。供試材の結晶粒度は、ASTM−E112で規定される測定で平均結晶粒度番号10番であった。
Figure 2015151808
AGGを引き起こす因子について、歪と歪速度の影響を調査した。
加熱温度を980℃、圧下率を10〜50%、圧縮前の試験片の高さに対する圧縮速度より算出される公称歪速度を0.005〜0.5/秒、圧縮後の冷却速度を540℃/分とする条件で、圧縮試験を行った。
その後、試験片に対して980℃で1時間の固溶化処理を行い、縦断面を光学顕微鏡で組織観察した。組織観察した部位での相当歪および相当歪速度は、市販の鍛造解析ソフトウェアDEFORMを使用して熱間加工試験を再現して割り出した。固溶化処理後の結晶粒度番号が9未満のときAGGの発現と判定した。表2に、圧縮試験条件、結晶粒度番号(ASTM)、およびAGGの判定結果を示す。
Figure 2015151808
表2に示す結果から、図1の相当歪と相当歪速度との関係が及ぼす金属組織の関係を導き出した。図1において、領域(A)と領域(C)はAGGが発現しない領域であり、領域(B)がAGGを発現した領域である。なお、領域(A)は再結晶による結晶粒微細化が可能で、且つAGGも防止可能な領域である。領域(C)は熱間加工中のデッドゾーンに相当する領域で、再結晶による微細化は望めない領域である。
図1に示すように、相当歪速度が小さいほど領域(B)の幅が広くなったことから、AGGが起こる相当歪の範囲は大きくなることがわかった。図1の結果から、AGGを回避できる、相当歪と相当歪速度の下記の関係式を得た。下記関係式を満たすのが図1の領域(A)であり、この領域(A)で熱間加工を行うと、AGGの発現が防止できることを確認した。
Figure 2015151808
(実施例2)
表1に示す組成のFe−Ni基超耐熱合金(718合金)からなる800kgの熱間加工用素材を用いて、熱間鍛造を行った。熱間鍛造は、980〜1000℃の温度範囲内の熱間加工用素材を、熱間加工用素材の全域で、相当歪が下記式の関係を満足するように行った。
熱間鍛造後、固溶化処理中の結晶粒成長をできる限り抑制することを目的として、表3に示す(a)〜(f)の6条件の予備加熱および固溶化処理を行い、その後、718℃で8時間の第一時効処理および621℃で8時間の第二時効処理を行った。
Figure 2015151808
Figure 2015151808
表4に、固溶化処理を行わず熱間鍛造のままとした材と、固溶化処理材の、結晶粒度を測定した結果を示す。予備加熱を行うことなく、通常の固溶化処理を行った場合でも、結晶粒度9以上が得られた(条件(a))。通常の固溶化処理条件(a)と比較して、予備加熱を含む熱処理条件(b)〜(f)は、より結晶粒の成長を抑制していることがわかった。また、予備加熱を含む熱処理条件の中では、720℃と900℃の2段加熱による条件(b)、(c)、(d)が最も効果的であった。
Figure 2015151808
以上説明する通り、本発明の製造方法を適用すると、Fe−Ni基超耐熱合金のAGGを抑制し、ASTM結晶粒度番号で9番以上の微細結晶粒組織が得られることがわかる。このことから、ジェットエンジンやガスタービン部材等の疲労特性の信頼性を向上させることができる。

Claims (5)

  1. 0.08質量%以下のCと、0.35質量%以下のSiと、0.35質量%以下のMnと、0.015質量%以下のPと、0.015質量%以下のSと、50.0〜55.0質量%のNiと、17.0〜21.0質量%のCrと、2.8〜3.3質量%のMoと、1.0質量%以下のCoと、0.30質量%以下のCuと、0.20〜0.80質量%のAlと、0.65〜1.15質量%のTiと、4.75〜5.50質量%のNb+Taと、0.006質量%以下のBと、残部がFeおよび不可避的な不純物からなる組成を有するFe−Ni基超耐熱合金の製造方法において、
    前記組成を有する素材を熱間加工する熱間加工工程を少なくとも含み、
    前記熱間加工工程は、930〜1010℃の前記素材を、当該素材の全域で、[相当歪]≧0.139×[相当歪速度(/sec)]−0.30の関係を満足するように熱間加工する工程を少なくとも含む、Fe−Ni基超耐熱合金の製造方法。
  2. 前記熱間加工工程後、950〜1000℃の範囲で0.5〜10時間の固溶化処理を行う固溶化処理工程を含む、請求項1に記載のFe−Ni基超耐熱合金の製造方法。
  3. 前記熱間加工工程の後であって、前記固溶化処理工程の前に、600〜930℃の範囲で5〜60時間熱処理する熱処理工程を含む請求項2に記載のFe−Ni基超耐熱合金の製造方法。
  4. 前記固溶化処理工程後、700〜750℃の範囲で2〜20時間の第一時効処理を行う第一時効処理工程を含む請求項2または請求項3に記載のFe−Ni基超耐熱合金の製造方法。
  5. 前記第一時効処理工程後、600〜650℃の範囲で2〜20時間の第二時効処理を行う第二時効処理工程を含む請求項2〜請求項4のいずれかに記載のFe−Ni基超耐熱合金の製造方法。
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