JP5652730B1 - Ni基超耐熱合金及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

Ni基超耐熱合金の製造方法は、質量%で、C:0.001〜0.05%、Al:1.0〜4.0%、Ti:4.5〜7.0%、Cr:12〜18%、Co:14〜27%、Mo:1.5〜4.5%、W:0.5〜2.5%、B:0.001〜0.05%、Zr:0.001〜0.1%、残部はNi及び不純物からなる組成を有する被熱間加工材を準備する程と、この被熱間加工材を1130〜1200℃の温度範囲で少なくとも2時間にわたり保持して加熱する工程と、この加熱工程によって加熱された被熱間加工材を0.03℃/秒以下の冷却速度で熱間加工温度以下まで冷却する工程と、前記冷却工程の後、被熱間加工材に熱間加工を行う工程とを含む。この製造方法によって得られるNi基超耐熱合金は、平均粒径が500nm以上の一次γ’相を有する。

Description

本発明は、Ni基超耐熱合金及びその製造方法に関する。
航空機エンジンや発電用ガスタービンの耐熱部材には、AlやTiなどの合金元素を多く含む、γ’(ガンマプライム)相析出強化型のNi基合金が利用されている。
特にタービンの部品のうち、高強度と信頼性が要求されるタービンディスクには、Ni基鍛造合金が利用されてきた。ここで鍛造合金とは、鋳造凝固組織を有するままで使用される鋳造合金に対比して用いられる用語であり、溶解・凝固させて得られたインゴットを、熱間加工することで所定の部品形状にするプロセスで製造される材料である。熱間加工によって、粗大で不均質な鋳造凝固組織が、微細かつ均質な鍛造組織に変化することで、引張強度や疲労特性などの機械的特性が改善する。しかし、組織中の強化相であるγ’相が多すぎると、プレス鍛造に代表される熱間加工が困難になり、製造中の欠陥の原因となる。そのため、鍛造合金の組成においてAlやTiなどの強化に寄与する成分の量は、熱間加工をしない鋳造合金に比べて、限定されるのが一般的である。現時点で最も高い強度を有するタービンディスク材料としては、Udimet720Li(Udimetはスペシャルメタルズ社の登録商標)が挙げられるが、AlおよびTiの量はそれぞれ質量%で、2.5%および5.0%である。
強度を向上させることを目的として、初期のインゴットを溶解法ではなく、粉末冶金法によりNi基合金を製造する方法も実用化されている。この方法によれば、溶解・鍛造法による合金に比べて、合金組成は上記の強化元素を多く含むことが可能である。ただし、不純物の混入を防ぐために、製造プロセスの高度な管理が不可欠であり、コストも高くなるため、この製造法は一部の用途に限定されている。
このように、タービンディスクに利用される鍛造合金には、強度と熱間加工性を両立するという大きな課題があり、よって、これを解決するための合金成分や製造方法の開発が行われている。
例えば、国際公開第2006/059805号パンフレットには、従来の溶解・鍛造プロセスによって製造可能な、高強度合金が開示されている。この合金は、Udimet720Liに比べて、Tiを多く含む組成でありながら、Coを多く添加することによって、組織安定性を高め、熱間加工も可能である。
一方、製造プロセスによって熱間加工性を改善する試みもある。プロシーディングス オブ ザ イレブンス インターナショナルシンポジウム オン スーパーアロイズ(ティーエムエス,2008)311−316ページには、Udimet720Liの鍛造品について、1110℃に昇温した後の材料の冷却で冷却速度が遅くなるほど、熱間加工性が向上するという実験結果が開示されている。
国際公開第2006/059805号パンフレット
プロシーディングス オブ ザ イレブンス インターナショナルシンポジウム オン スーパーアロイズ(ティーエムエス,2008)311−316ページ
上述の特許文献に開示された合金は、鍛造合金として非常に優れた特性を有しているが、加工が可能な温度範囲が狭く、一回あたりの加工量を小さくせざるを得ないため、何度も加工と再加熱を繰り返す製造プロセスが必要になると推測される。もし、熱間加工性を改善できれば、製造に要する時間やエネルギーを低減することが可能となる。また、最終製品により近い形状の合金材料が得られるため、材料の歩留まりも向上する。
また、上述の非特許文献に開示された、熱処理条件によって熱間加工性が改善されるという知見は、重要ではあるが、ここではすでに熱間加工されて組織が均質化した材料に関して評価したものである。よって、依然として、加工がより難しい初期の加工段階、すなわち不均質な鋳造凝固組織を有するインゴットを熱間加工する段階で熱間加工性が改善されるための方法が望まれている。
本発明は、航空機エンジンや発電用ガスタービン等に使用するのに十分な高強度を有するとともに、良好な熱間加工性をも有するNi基超耐熱合金及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、種々の組成の合金について製造方法の検討を行ったところ、適切な加熱工程を選定し、強化相であるγ’相の粒径を制御することで、熱間加工性を大きく改善できることを見出した。
すなわち本発明は、その一態様として、Ni基超耐熱合金の製造方法であって、この方法は、質量%で、C:0.001〜0.05%、Al:1.0〜4.0%、Ti:4.5〜7.0%、Cr:12〜18%、Co:14〜27%、Mo:1.5〜4.5%、W:0.5〜2.5%、B:0.001〜0.05%、Zr:0.001〜0.1%、残部はNi及び不純物からなる組成を有する被熱間加工材を準備する工程と、この被熱間加工材を、1130〜1200℃の温度範囲で少なくとも2時間にわたって保持して加熱する工程と、この加熱工程で加熱した被熱間加工材を0.03℃/秒以下の冷却速度で熱間加工温度以下にまで冷却する工程と、この冷却工程後、被熱間加工材に熱間加工を行う工程とを含む。
この方法は、前記冷却工程の後で、或いは前記冷却工程の途中で、前記被熱間加工材を、前記加熱工程での温度よりも低い温度であって、且つ950〜1160℃の温度範囲で、2時間以上保持して加熱する第二の加熱工程を更に含んでもよい。
前記の被熱間加工材は、質量%で、C:0.005〜0.04%、Al:1.5〜3.0%、Ti:5.5〜6.7%、Cr:13〜16%、Co:20〜27%、Mo:2.0〜3.5%、W:0.7〜2.0%、B:0.005〜0.04%、Zr:0.005〜0.06%、残部はNi及び不純物からなる組成を有してもよい。
前記の被熱間加工材は、質量%で、C:0.005〜0.02%、Al:2.0〜2.5%、Ti:6.0〜6.5%、Cr:13〜14%、Co:24〜26%、Mo:2.5〜3.2%、W:1.0〜1.5%、B:0.005〜0.02%、Zr:0.010〜0.04%、残部はNi及び不純物からなる組成を有してもよい。
本発明は、別の態様として、Ni基超耐熱合金であって、この合金は、質量%で、C:0.001〜0.05%、Al:1.0〜4.0%、Ti:4.5〜7.0%、Cr:12〜18%、Co:14〜27%、Mo:1.5〜4.5%、W:0.5〜2.5%、B:0.001〜0.05%、Zr:0.001〜0.1%、残部はNi及び不純物からなり組成を有するとともに、平均粒径が500nm以上である一次γ’相を有するものである。
前記一次γ’相の平均粒径は1μm以上がより好ましい。
前記のNi基超耐熱合金は、質量%で、C:0.005〜0.04%、Al:1.5〜3.0%、Ti:5.5〜6.7%、Cr:13〜16%、Co:20〜27%、Mo:2.0〜3.5%、W:0.7〜2.0%、B:0.005〜0.04%、Zr:0.005〜0.06%、残部はNi及び不純物からなる組成を有してもよい。
前記のNi基超耐熱合金は、質量%で、C:0.005〜0.02%、Al:2.0〜2.5%、Ti:6.0〜6.5%、Cr:13〜14%、Co:24〜26%、Mo:2.5〜3.2%、W:1.0〜1.5%、B:0.005〜0.02%、Zr:0.010〜0.04%、残部はNi及び不純物からなる組成を有してもよい。
また、本発明に係るNi基超耐熱合金の製造方法は、更に別の態様として、質量%で、C:0.001〜0.05%、Al:1.0〜4.0%、Ti:4.5〜7.0%、Cr:12〜18%、Co:14〜27%、Mo:1.5〜4.5%、W:0.5〜2.5%、B:0.001〜0.05%、Zr:0.001〜0.1%、残部はNi及び不純物からなる組成を有するインゴットを、800〜1125℃の熱間加工温度に加熱した後、1.1〜2.5の熱間加工比で第一の熱間加工を行って、熱間加工材とする工程と、前記熱間加工材を、前記第一の熱間加工温度よりも高い温度で、且つγ’相固溶温度より低い温度範囲に、再加熱して再加熱材とする工程と、前記再加熱材を、0.03℃/秒以下の冷却速度で700〜1125℃の温度範囲にまで冷却する工程と、前記冷却工程の後、第二の熱間加工を行う工程とを含む。
前記インゴットの組成は、質量%で、C:0.005〜0.04%、Al:1.5〜3.0%、Ti:5.5〜6.7%、Cr:13〜16%、Co:20〜27%、Mo:2.0〜3.5%、W:0.7〜2.0%、B:0.005〜0.04%、Zr:0.005〜0.06%、残部はNi及び不純物からなるものとしてもよい。
前記インゴットの組成は、質量%で、C:0.005〜0.02%、Al:2.0〜2.5%、Ti:6.0〜6.5%、Cr:13〜14%、Co:24〜26%、Mo:2.5〜3.2%、W:1.0〜1.5%、B:0.005〜0.02%、Zr:0.010〜0.04%、残部はNi及び不純物からなるものとしてもよい。
前記再加熱工程の温度は、1135℃〜1160℃としてもよい。
本発明によれば、従来の方法では熱間加工が困難、あるいは熱間加工に多大な時間、エネルギーを要するような高強度合金に関して、製造時の素材温度を適切に管理することで熱間加工性を改善することができ、よって、航空機エンジンや発電用ガスタービン等に使用するのに十分な高強度を有するとともに、良好な熱間加工性をも有するNi基超耐熱合金及びその製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、従来の製造方法よりも、加工に要するエネルギーや時間を低減することが可能であり、材料の歩留まりも向上させることができる。更に、本発明の合金は、従来利用されてきた合金に比べて、高強度であるため、上記のような熱機関に用いられた場合、その運転温度を上昇させることが可能となり、熱機関の高効率化に寄与することが期待される。
更に、熱間加工の目的としては、形状を付与することに加えて、不均質な鋳造組織に対して加熱、加工を繰り返すことによって、均質な再結晶組織を得ることにある。しかしながら、上記組成を有するNi基超耐熱合金は、非常に高強度であるために、少ない歪量でも、加工割れや疵が発生し易いため、再結晶するのに必要な歪量を与えるのが難しく、加工を継続することが出来ない。本発明によれば、このような高強度材において、素材温度を適切に管理するとともに、製造時の変形量も管理することによって、良好な熱間加工性を実現することができる。
図1は、本発明のNi基超耐熱合金の一実施例と比較例の金属組織を示す電子顕微鏡写真である。 図2は、本発明のNi基超耐熱合金の一実施例の金属組織を示す電子顕微鏡写真である。 図3は、本発明のNi基超耐熱合金の一実施例の金属組織を示す電子顕微鏡写真である。 図4は、本発明のNi基超耐熱合金の一実施例の金属組織を示す電子顕微鏡写真である。 図5は、本発明のNi基超耐熱合金の一実施例の金属組織を示す電子顕微鏡写真である。 図6は、Ni基超耐熱合金の比較例の金属組織を示す電子顕微鏡写真である。 図7は、本発明のNi基超耐熱合金の一実施例の金属組織を示す電子顕微鏡写真である。
以下に、本発明に係るNi基超耐熱合金及びその製造方法の一実施の形態について説明する。
先ず、Ni基超耐熱合金の被熱間加工材もしくはインゴットの組成における各合金成分の含有率の範囲及びその理由について説明する。なお、含有率の単位は質量%である。
C:0.001〜0.05%
Cは結晶粒界の強度を高める効果を有する。この効果は含有率が0.001%以上で現れるが、Cを過剰に含有した場合は、粗大な炭化物が形成され、強度および熱間加工性を低下させる。よって、Cの含有率の上限は0.05%とする。Cの含有率の範囲は、好ましくは0.005〜0.04%であり、より好ましくは0.005〜0.02%である。
Cr:12〜18%
Crは耐酸化性や耐食性を向上させる元素である。その効果を得るには、含有率を12%以上にする必要がある。Crを過剰に含有すると、σ相などの脆化相を形成し、強度や熱間加工性を低下させるので、Crの含有率の上限は18%とする。Crの含有率の範囲は、好ましくは13〜16%であり、より好ましくは13〜14%である。
Co:14〜27%
Coは組織の安定性を改善し、合金が強化元素であるTiを多く含有する場合でも、その熱間加工性を維持することを可能とする。この効果を得るには、Coの含有率を14%以上にする必要がある。Coが多くなるほど熱間加工性は向上する。しかし、Coが過剰になると、σ相やη相といった有害相が形成され、強度および熱間加工性が低下するため、Coの含有率の上限は27%とする。強度と熱間加工性の両方の観点から、Coの含有率の範囲は、好ましくは20〜27%であり、より好ましくは24〜26%である。
Al:1.0〜4.0%
Alは、強化相であるγ’(NiAl)相を形成し、高温強度を向上させる必須元素である。その効果を得るためには、Alの含有率は最低でも1.0%にする必要があるが、過度の添加は熱間加工性を低下させ、加工中の割れなどの材料欠陥の原因となる。よって、Alの含有率は、1.0〜4.0%の範囲に限定する。Alの含有率の範囲は、好ましく1.5〜3.0%であり、より好ましくは2.0〜2.5%である。
Ti:4.5〜7.0%
Tiも、Alと同様に、γ’相を形成し、γ’相を固溶強化して高温強度を高める必須元素である。その効果を得るためには、Tiの含有率は最低でも4.5%にする必要があるが、過度の添加は、γ’相が高温で不安定となり高温での粗大化を招くとともに、有害なη(イータ)相を形成し、熱間加工性を損なう。よって、Tiの含有率の上限は7.0%とする。Tiの含有率の範囲は、好ましくは5.5〜6.7%であり、より好ましくは6.0〜6.5%である。
Mo:1.5〜4.5%
Moはマトリックスの固溶強化に寄与し、高温強度を向上させる効果がある。この効果を得るためには、Moの含有率を1.5%以上にする必要があるが、Moが過剰となると、金属間化合物相が形成され、高温強度を損なう。よって、Moの含有率の上限は4.5%とする。Moの含有率の範囲は、好ましくは2.0〜3.5%であり、より好ましくは2.5〜3.2%である。
W:0.5〜2.5%
Wは、Moと同様に、マトリックスの固溶強化に寄与する元素であり、Wの含有率は0.5%以上にする必要がある。Wが過剰となると、有害な金属間化合物相が形成され、高温強度を損なう。よって、Wの含有率の上限は2.5%とする。Wの含有率の範囲は、好ましくは0.7〜2.0%であり、より好ましくは1.0〜1.5%である。
B:0.001〜0.05%
Bは粒界強度を向上させ、クリープ強度や延性を改善する元素である。この効果を得るにはBの含有率を最低でも0.001%とする必要がある。一方で、Bは、融点を低下させる効果が大きい。また、粗大なホウ化物が形成されると、加工性が阻害される。よって、Bの含有率は、0.05%を超えないように制御する必要がある。Bの含有率の範囲は、好ましくは0.005〜0.04であり、より好ましくは0.005〜0.02%である。
Zr:0.001〜0.1%
Zrは、Bと同様に、粒界強度を向上させる効果を有しており、この効果を得るには、Zrの含有率を最低でも0.001%にする必要がある。一方で、Zrが過剰となると、融点の低下を招き、高温強度や熱間加工性が阻害される。よって、Zrの含有率の上限は0.1%とする。Zrの含有率の範囲は、好ましくは0.005〜0.06%であり、より好ましくは0.010〜0.04%である。
Ni基超耐熱合金または被熱間加工材もしくはインゴットの組成において、上記で説明した元素以外は、Ni及び不可避的不純物である。
次に、本発明に係るNi基超耐熱合金の製造方法の一実施の形態における各工程及びその条件について説明する。
1.第一の製造方法の実施の形態
準備工程
上記の組成を有する被熱間加工材は、従来のNi基超耐熱合金の製造法と同様に、真空溶解によって製造することができる。この製法によって、AlやTiといった活性元素の酸化を抑制し、介在物を低減することが可能となる。より高品位なインゴットを得るために、エレクトロスラグ再溶解や真空アーク再溶解といった2次及び3次の溶解を行ってもよい。
溶解の後に、ハンマ鍛造や、プレス鍛造、圧延、押出などの予備的加工を施した中間素材を、被熱間加工材としてもよい。
第一の加熱工程
第一の加熱工程は、上記の被熱間加工材を高温で保持することによって、鋳造時に発生する凝固偏析を軽減し、熱間加工性を向上させることができる。また、この第一の加熱工程は、γ’相などの析出物を固溶させることで、材料を軟化させる効果もある。また、被熱間加工材が中間素材の場合には、予備的加工によって付与された加工歪を、第一の加熱工程が除去することで、その後の加工を容易にする効果も有している。
これらの効果は、材料中で原子の拡散が活発に起こる温度である1130℃以上で材料を保持することで、顕著になる。第一の加熱工程での保持温度が高くなりすぎると、部分溶融が発生する可能性が高くなり、その後の熱間加工で割れが生じる原因となるため、保持温度の上限は1200℃とする。保持温度の下限は、好ましくは1135℃であり、より好ましくは1150℃である。また、保持温度の上限は、好ましくは1190℃であり、より好ましくは1180℃である。
また、上記の効果を得るのに必要な保持時間は、最低でも2時間である。保持時間の下限は、4時間が好ましく、被熱間加工材の体積に応じては10時間がより好ましく、20時間が更に好ましい。保持時間の上限は、特に限定されないが、48時間を超えると効果が飽和し、また、結晶粒の粗大化といった、本発明の特性を阻害する要因も生じ得るため、48時間としても良い。
冷却工程
前述の第一の加熱工程では、マトリックスにγ’相が固溶するが、加熱後の冷却工程において冷却速度が大きい場合には、微細なγ’相が析出し、熱間加工性が著しく低下する。これを防ぐためには、0.03℃/秒以下の冷却速度で、所定の熱間加工温度以下にまで材料を冷却することが必要である。これによって、冷却中にγ’相の成長が起こり、微細なγ’相の析出を抑制でき、良好な熱間加工性を得ることが可能である。
冷却速度が小さいほど、γ’相の成長が起こり、粒径が大きくなるため、熱間加工性の向上に有利である。冷却速度は、0.02℃/秒以下がより好ましく、0.01℃/秒以下が更に好ましい。なお、冷却速度の下限は、特に限定されないが、結晶粒の粗大化が起こることを避けるため、0.001℃/秒としても良い。
所定の熱間加工温度まで0.03℃/秒以下の冷却速度で材料を冷却し、そのまま熱間加工を行うのが、製造プロセスの効率の観点からは望ましいが、本発明はこれに限定されず、材料を室温まで冷却して、その後に所定の熱間加工温度にまで再度昇温して、熱間加工を行ってもよい。この際、所定の熱間加工温度から室温までの冷却速度は、0.03℃/秒以下と規定した冷却速度でも、それよりも大きい冷却速度でもよい。
熱間加工工程
上記の各工程を経たNi基超耐熱合金は、強化相であるγ’相が粗大に析出した組織を呈しており、材料自体の熱間加工性が向上しているため、加工法にかかわらず、良好な熱間加工性が得られる。熱間加工法としては、ハンマ鍛造やプレス鍛造などの鍛造、圧延、および押出などが挙げられる。航空機エンジンやガスタービンのディスク材を得るための加工法として、ホットダイ鍛造や、恒温鍛造を適用することも可能である。なお、熱間加工工程の温度範囲は、好ましくは1000〜1100℃である。
第二の加熱工程
本発明に係る製造方法では、任意に、前述の冷却工程の後で、或いは冷却工程の途中で、第一の加熱工程の保持温度よりも低く、且つ950〜1160℃の範囲の温度で、少なくとも2時間にわたり被熱間加工材を保持する第二の加熱工程を行ってもよい。
第二の加熱工程は、冷却工程で成長するγ’相を、より一層成長させることを意図したものである。第二の加熱工程を熱間加工前に行うことによって、より良好な熱間加工性を得ることが可能である。この効果を得るには、上記の温度で、少なくとも4時間にわたり材料を保持することが好ましい。第二の加熱工程での保持温度が950℃未満の場合、拡散速度が遅いために十分なγ’相の成長が起こらず、熱間加工性の更なる改善は見込めない。一方、保持温度が1160℃を超えると、冷却工程で粗大に析出させたγ’相が再固溶してしまうため、熱間加工性の更なる改善が期待できない。保持温度の下限は、好ましくは980℃であり、より好ましくは1100℃である。保持温度の上限は、好ましくは1155℃であり、より好ましくは1150℃である。また、保持時間が2時間未満であると、γ’相の更なる成長が不十分となる。第二の加熱工程はγ’相の更なる成長を目的としているので、保持時間の上限は特に限定されない。但し、第二の加熱工程によって成長するγ’相の大きさや生産性を考慮すると、現実的には、保持時間は5〜60時間程度として良い。
この第二の加熱工程は、第一の加熱工程で行った温度よりも低い温度で行う。例えば、第二の加熱工程の温度は、第一の加熱工程の温度よりも10℃以上の差をつけるのが好ましく、30℃以上の差がより好ましい。第二の加熱工程での保持温度が、所定の熱間加工温度よりも高い場合は、所定の熱間加工温度まで0.03℃/秒以下の冷却速度で冷却する。また、第二の加熱工程は、冷却工程で所定の熱間加工温度まで冷却した被熱間加工材に対してだけではなく、所定の熱間加工温度以下や室温にまで冷却した被熱間加工材に対しても行うこともできる。さらに、第二の加熱工程は、冷却工程で所定の熱間加工温度よりも高い温度に冷却された被熱間加工材に対して行うこともでき、この場合、第二の加熱工程を施した被熱間加工材は、所定の熱間加工温度まで0.03℃/秒以下の冷却速度で冷却して、冷却工程を引き続き行う。
前述の準備工程、第一の加熱工程、冷却工程を実施して得られるNi基超耐熱合金では、冷却中に析出するγ’相(1次γ’相)が成長することで、良好な熱間加工性が得られる。この優れた熱間加工性を有するNi基超耐熱合金は、冷却工程の後に、特徴的な金属組織を有する。具体的には、500nm以上の1次γ’相が析出した組織を呈する。より好ましくは、1μm以上の1次γ’相が析出した組織である。この特徴的な金属組織については、後述する実施例にて詳細に説明する。
2.第二の製造方法の実施の形態
準備工程
本実施の形態で用いる上記の組成を有するインゴットは、他のNi基超耐熱合金と同様に、真空溶解によって得ることができる。これによって、AlやTiといった活性元素の酸化を抑制し、介在物を低減することが可能となる。より高品位なインゴットを得るために、エレクトロスラグ再溶解や真空アーク再溶解といった2次及び3次の溶解を行ってもよい。
溶解によって得られたインゴットは、熱間加工性を阻害する凝固偏析を低減する目的で、均質化熱処理を施してもよい。均質化熱処理としては、例えば、インゴットを1130〜1200℃の範囲の温度で2時間以上にわたって保持し、その後、徐冷して粗大なγ’相を形成させる。
また、前記の均質化熱処理後の徐冷でγ’相の成長が不十分な場合、γ’相を更に粗大化させ、熱間加工性を改善する目的で、前記均質化熱処理後のインゴットを950〜1160℃の温度範囲で2時間以上にわたって保持して加熱した後、この加熱されたインゴットを0.03℃/秒以下の冷却速度で第二の加熱処理をしてもよい。
第一の熱間加工工程
上述したインゴットを熱間加工して、熱間加工材を得るという第一の熱間加工工程を行う。本工程の熱間加工の温度は、800〜1125℃の範囲である。温度範囲を800〜1125℃とするのは、強化相であるγ’相を部分的に母相中に固溶させ、材料の変形抵抗を低下させる目的のためである。800℃より低い温度では、材料の変形抵抗が高く、十分な熱間加工性を得ることが出来ない。反対に1125℃よりも高い温度では、部分溶融が発生する可能性が高くなる。本工程の熱間加工の温度の下限は、好ましく900℃であり、より好ましくは950℃である。また、本工程の熱間加工の温度の上限は、好ましくは1110℃であり、より好ましくは1100℃である。
また、例えば、ワスパロイ(登録商標)や718合金のような一般的なNi基超耐熱合金のインゴットでは、熱間加工工程での加工中、あるいは加工後の加工温度域での保持中に、再結晶化等によって歪が解消され、継続的に加工を行うことができるが、本実施の形態で規定する組成を有するインゴットでは、上記の熱間加工の温度域での再結晶は起こりにくく、加工性の回復が見込めない。そのため、次の再加熱工程で再結晶を生じさせる目的で、本工程において、1.1〜2.5の範囲内の熱間加工比で、インゴットに変形を加える。ここで、「熱間加工比」とは、鍛造等の熱間加工する前において材料が伸びる方向に対して垂直方向の材料の断面積を、熱間加工した後において材料が伸びた方向に対して垂直方向の材料の断面積で除したものである。
熱間加工比が1.1未満では、次の再加熱工程で十分な再結晶が起こらないため、加工性が改善されない。熱間加工比が2.5を超えると、割れが発生する可能性が高くなる。熱間加工比の下限は、好ましくは1.2であり、より好ましくは1.3である。また、熱間加工比の上限は、好ましくは2.2であり、より好ましくは2.0である。なお、本工程の熱間加工としては、プレス鍛造、ハンマ鍛造、圧延、押出などの加工方法を適用してもよい。
再加熱工程
第一の熱間加工工程で加工歪を付与した熱間加工材を、第一の熱間加工工程の温度よりも高く、且つγ’相固溶温度よりも低い温度範囲に再加熱して、再加熱材を得る。この再加熱工程では、再結晶が起こり、歪が除去されると共に、粗大な鋳造組織から微細な熱間加工組織へと変化し、これらによって熱間加工性が向上する。再加熱工程の温度範囲を第一の熱間加工工程の温度よりも高くする理由は、前述のとおり、第一の熱間加工の温度範囲では再結晶が十分に起こらず、加工性が改善できないからである。また、再加熱工程の温度範囲をγ’相固溶温度よりも低くする理由は、γ’相固溶温度を超えると、再結晶は起こるものの、結晶粒が粗大化するために、やはり加工性の改善効果が十分得られないからである。また、最終製品で微細な組織を実現するうえでも不利である。上記組成を有する合金のγ’相固溶温度は1160℃程度であることを考慮すると、本工程の再加熱の温度範囲は、好ましくは1135〜1160℃である。熱間加工材を再加熱の温度に保持する時間は、少なくとも約10分でよく、これで熱間加工性の改善の効果が認められる。保持時間が長くなるほど再結晶が進み、加工性の改善が見込めるものの、保持時間の上限は、結晶粒の粗大化が起こらないように、24時間が好ましい。
冷却工程
再加熱工程で得られた再加熱材を、後述する第二の熱間加工工程の温度にまで冷却する。この際、冷却中に微細なγ’析出物が形成されると、熱間加工性が著しく低下するため、これを避けるために、冷却速度は0.03℃/秒以下とする。これによって、冷却中にγ’相が成長し、微細析出を抑制することができ、良好な熱間加工性が得られる。冷却速度は小さいほど、γ’相の成長が起こり、粒径が大きくなるため、熱間加工性の改善に有利である。冷却速度は、0.02℃/秒以下がより好ましく、0.01℃/秒以下が更に好ましい。なお、冷却速度の下限は、特に限定されないが、結晶粒の粗大化が起こることを避けるため、0.001℃/秒としてもよい。
第二の熱間加工工程の所定の温度まで0.03℃/秒以下の冷却速度で材料を冷却し、そのまま第二の熱間加工を行うのが、製造プロセスの効率の観点からは望ましいが、本発明はこれに限定されず、材料を室温まで冷却して、その後に所定の温度にまで再度昇温して、第二の熱間加工を行ってもよい。この際、第二の熱間加工工程の所定の温度から室温までの冷却速度は、0.03℃/秒以下と規定した冷却速度でも、それよりも大きい冷却速度でもよい。
第二の熱間加工工程
上記の各工程を経たNi基超耐熱合金は、インゴットの鋳造組織と比較して、粗大なγ’相が分散した熱間加工組織へと変化しているため、熱間加工性が向上している。そのため、プレス鍛造、ハンマ鍛造、圧延、押出などの各種の加工方法によって、第一の熱間加工工程よりも大きな変形を材料に付与することが可能となる。第二の熱間加工工程における加工温度は、700〜1125℃の範囲でよい。第二の熱間加工工程では、熱間加工性の改善によって、第一の熱間加工工程よりも低い温度での加工が可能になる。第二の熱間加工工程の加工温度の上限は、第一の熱間加工工程と同じである。これは、加工による変形量が大きくなると、加工発熱による温度上昇も大きくなるため、部分溶融の懸念が残るためである。航空機エンジンやガスタービンのディスク材を得るための加工法として、ホットダイ鍛造、恒温鍛造を適用することも可能である。
(実施例1)
真空溶解により表1に示す化学成分のNi基超耐熱合金インゴット10kgを作製し、これを被熱間加工材Aとした。Ni基超耐熱合金インゴットのおよその寸法は80mm×90mm×150mmLである。
前記のNi基超耐熱合金インゴットから試験片を採取し、表2に示す8通りの加熱工程および冷却加工を施した後、高温引張試験を行った。試験片は、径がφ8mm、長さが24mmLの平行部を有しており、標点距離を20mmLとして、試験を行った。
Figure 0005652730
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熱間加工性は高温引張試験の破断絞りで評価した。その結果を表2に示す。本発明における合金の熱間加工温度は、およそ1000〜1100℃の範囲であるが、より加工が難しい1000℃を試験温度とし、歪速度は1.0/秒とした。この条件で、破断絞りが60%を超える値であれば、熱間加工性が良好であると判断して良い。
表2に示すように、実施例である試験No.1及び2は、加熱を第一の加熱工程のみとしたが、冷却速度が十分に小さいため、60%以上の破断絞りが得られた。試験No.3〜5は、冷却工程で800℃まで冷却したものに、第二の加熱工程を実施したものであるが、これも良好な熱間加工性が得られた。特に、試験No.2と5を比較した場合、第二の加熱工程を実施することによって、破断絞りが大きく向上しており、第二の加熱工程を行うことが有効であることを示している。
また、試験No.11及び12は、冷却速度が大きい場合の比較例であるが、破断絞りが極端に小さく、熱間加工は困難であると判断される。一方、試験No.13は、第一の加熱工程の温度が本発明の範囲よりも低い比較例である。試験No.13は、冷却速度は小さいため、試験No.11及び12に比べて破断絞りは大きいものの、十分な熱間加工性とは言えない。加熱温度が低いために、凝固偏析の軽減が不十分であったものと推測される。
実施例と比較例でみられた熱間加工性の差異は、材料の金属組織の観点からも明らかである。図1は、試験No.2と12の高温引張試験前の金属組織を示す走査型電子顕微鏡写真である。実施例の試験No.2では、冷却速度が小さいことによって、冷却中に形成される1次γ’相が成長した組織を呈している。このような組織は、転位の移動を阻害する微細な析出物が少なく、熱間加工性が良好である。一方、比較例の試験No.12では、微細な1次γ’相が均一に分散析出した組織を呈している。このような組織は、合金の強度を高めるためには効果的であるが、熱間加工には好ましくない。
図1の組織写真を画像解析して、1次γ’相の平均粒径を求めたところ、試験No.2は平均粒径が740nmで、試験No.12は平均粒径が110nmであった。ある視野におけるγ’相平均粒径は、(1)の関係式によって算出した。
π(d/2)=S/n…(1)
ここで、π:円周率、d:平均粒径、S:γ’相の総面積、n:γ’相の個数である。
試験No.1〜5はいずれも500nm以上の平均粒径の1次γ’相が析出しており、これらは60%以上の破断絞りが得られており、良好な熱間加工性を示した。
(実施例2)
熱間加工の中間素材を模擬した被熱間加工材として、実施例1と同様に真空溶解で10kgのNi基超耐熱合金インゴットを製造した後、熱間プレス鍛造により、20%程度圧下した被熱間加工材B、Cを準備した。化学成分は表3に示すとおりである(ただし残部はNi及び不純物)。これらの素材について、プレス鍛造まま、表2の試験No.5、No.12と同様の加熱工程を施した試験片について、実施例1と同じ条件で1000℃における高温引張試験で熱間加工性を評価した。その結果を表4に示す。
Figure 0005652730
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表4に示すように、実施例の試験No.21及び22は、何れも高い破断絞りの値を示しており、熱間加工性は良好と判断される。比較例の試験No.31は、何ら加熱工程を施さずに試験したものであるが、破断絞りは60%未満であり、予備的加工で歪が蓄積されたことによって、熱間加工性が低下していたことが分かる。本発明の製造方法を適用することによって、熱間加工性を大幅に改善することが出来ている。
また、比較例の試験No.32及び33は、第一の加熱工程が1150℃と十分に高く、予備的加工で蓄積された歪は除去されているはずであるが、その後の冷却速度が大きく、微細なγ’相が析出するために、十分な熱間加工性を得ることが出来なかった。
(実施例3)
本発明の効果を、より大型のNi基超耐熱合金インゴットにおいて確認するため、工業的な溶解法である真空アーク再溶解法を用いて、表5に示す化学成分のNi基超耐熱合金インゴットを作製し、被熱間加工材Dとした。この大型Ni基超耐熱合金インゴットは約φ440mm×1000mmLの円柱状で、重量は約1tonである。
被熱間加工材DのNi基超耐熱合金インゴットについて表6に示す3通りの加熱工程および冷却工程を経た後、高温引張試験を実施した。
Figure 0005652730
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本発明の合金の熱間加工温度は、およそ1000〜1100℃の範囲が適切であるので、代表として1050℃、歪速度0.1/秒の条件にて引張試験の破断絞りで熱間加工性を評価した。その結果を表6に示す。表6に示す通り、試験No.41は、第一の加熱工程として温度1180℃にて30時間の熱処理を施した後に、冷却速度0.03℃/秒の冷却処理を施したもので、試験温度1050℃での破断絞りの結果は、比較的良好な熱間延性を示した。これにより、真空アーク再溶解法で製造された大型のNiインゴットであっても、冷却速度を小さくすることで良好な効果が得られていることが分かる。
試験No.42は、試験No.41と同様の加熱工程及び冷却工程を施した後に、第二加熱工程となる温度1150℃にて20時間の熱処理を施し、その後、0.03℃/秒の冷却速度で冷却したものであり、その破断絞りの結果は、試験No.41よりも向上した良好な熱間加工性を示した。試験No.43は、試験No.41と同様の加熱工程及び冷却工程を施した後に、第二加熱工程となる温度1150℃にて60時間の熱処理を施し、その後、0.03℃/秒の冷却速度で冷却したものであり、その破断絞りは、95%以上となり、極めて良好な熱間加工性を示した。
試験No.42及び試験No.43の結果の示す通り、第二加熱工程を追加することで熱間加工性が更に向上した。その理由は、第二加熱工程としてγ’相の固溶温度以下で且つ原子拡散の活発な温度を選択し、その温度にて長時間の加熱処理を経ることによって、加熱工程後の冷却過程で得られた粗大なγ’相を更に大きなγ’相へと成長させることが出来るためである。
図2及び図3は、それぞれ試験No.41及びNo.42の高温引張試験前の金属組織の走査型電子顕微鏡による反射電子像である。試験No.41では500nm以上の粗大なγ’相が得られており、試験No.42では1μm以上の更に大きな1次γ’相へと成長していることがわかる。
(実施例4)
さらに本発明の効果を確認するため、実施例3の表5の化学成分を有する大型のNi基超耐熱合金インゴットに、表6の試験No.43と同様の加熱工程及び冷却工程を施した後、工業的な熱間加工方法であるプレス機による熱間鍛造にて成形を行った。
インゴットのサイズは、実施例3と同様の約φ440mm×1000mmLの円柱状で、重量は約1tonである。なお、本発明の合金のγ’相固溶温度は約1160℃である。
第一および第二加熱工程および冷却工程を経た後の材料の金属組織の光学顕微鏡写真を図4に示す。第一加熱工程後、0.03℃/秒の冷却速度での徐冷中にγ’相が粗大に成長することに加えて、第二加熱工程で固溶温度未満である1150℃での加熱によりγ’相が更に粗大化するという、実施例3と同様の効果が、大型インゴットにおいてもγ’相のサイズが1μm以上になっているということで確認できる。
この被熱間加工材のインゴットを、熱間加工温度である1100℃に加熱し、熱間加工比1.33で、据え込み鍛造を行った。その結果、据え込み鍛造を行った被熱間加工材は、表面及び内部に割れは一切なく、良好な熱間加工性が得られていることが示された。
(実施例5)
真空溶解により表7に示す化学成分のNi基超耐熱合金インゴット10kgを作製した。Ni基超耐熱合金インゴットのおよその寸法は80mm×90mm×150mmLである。このインゴットには、均質化熱処理として、1200℃で20時間の熱処理を行った。そして、このインゴットから、φ8.0×24mmの寸法の平行部を有する試験片を加工し、この試験片に、表8に示す通りの第一の熱間加工工程、再加熱工程、冷却工程および第二の熱間加工工程を施した。
なお、第一の熱間加工工程では、1100℃において、熱間加工比1.1に相当する引張変形を0.1/秒の歪速度で試験片に付与した。再加熱工程は、試験片を1100℃から1150℃または1135℃に昇温し、20分間保持した。保持後、冷却工程として0.03℃/秒の冷却速度で1100℃まで試験片を冷却し、第二の熱間加工工程を施した。第二の熱間加工工程では、高温引張試験として、1100℃で0.1/秒の歪速度で、破断するまで引張変形を行った。熱間加工性の指標として、この高温引張試験後の破断絞りを計測した。その結果を表8に示す。
なお、比較例として、再加熱工程が1100℃であり冷却工程は行わなかった点を除き、実施例と同様の条件で試験片に各工程を施し、高温引張試験を実施した。その結果を表8に合わせて示す。
Figure 0005652730
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参考として、インゴットNo.Aから上記と同様に加工した試験片を、いずれの工程も施さずに、1100℃で0.1/秒の歪速度の条件で高温引張試験した場合、その平均的な破断絞りは30%であった。これに対し、表2に示すように、実施例である試験No.51及びNo.52は、所定の工程を施すことによって、破断絞りが向上していることが分かる。試験No.52よりも再加熱温度が高い試験No.51の方が、熱間加工性改善の効果がより大きく表れている。一方、比較例の試験No.53は、再加熱工程の温度が第一の熱間加工工程の加工温度と同じ1100℃であり、その破断絞りは、いずれの工程も施さない場合とほぼ同じであった。これは、本合金が1100℃では再結晶が起こりにくく、熱間加工温度で加熱を行っても熱間加工性の回復が起こりにくいことを示唆している。実施例では、一旦熱間加工温度よりも高い温度に再加熱して、再結晶を進行させることで、熱間加工性が改善したと考えられる。
(実施例6)
表9に示す化学成分のNi基超耐熱合金インゴット10kgを、実施例5と同様に真空溶解で作製した。これらインゴットNo.B及びNo.Cには、均質化熱処理として、1200℃で20時間の熱処理を行った後、プレス鍛造によって1100℃で熱間鍛造を行った。
Figure 0005652730
Ni基超耐熱合金インゴットNo.Bには、実施例として、第一の熱間加工工程として、1100℃において熱間加工比1.2に相当する圧下を加えた後、再加熱工程として、1150℃で4時間の再加熱を行い、冷却工程として、0.03℃/秒の冷却速度で冷却し、そして、第二熱間加工工程として、1100℃で材料に再びプレス鍛造を行った。その結果、大きな割れや疵を発生させることなく、材料を熱間鍛造することができ、熱間加工比で2.5に相当する圧下を加えることが可能であった。したがって、実施例では、第一の熱間加工工程に比べて、第二熱間加工工程では熱間加工比を2倍以上に大きくすることが可能であった。
Ni基超耐熱合金インゴットNo.Cは、比較例として、再加熱工程を適用せず、1100℃でのプレス鍛造を継続した。その結果、熱間加工比1.3に相当する圧下を加えたところで材料に割れが発生したため、熱間鍛造を中止した。
図5は、インゴットNo.Bについて、再加熱工程を終えた段階の金属組織を示す電子顕微鏡写真である。図5に示すように、再加熱工程を経ることによって、微細な鍛造組織が形成されていることが確認できる。図6は、インゴットNo.Cのプレス鍛造後のミクロ組織を示す電子顕微鏡写真である。図6に示すように、鍛造によって歪を付与しても、再結晶化が不十分で、鋳造組織が残っていることが分かる。
通常の熱間加工工程では、再結晶の起こる温度で加工を行うため、図5に示すような微細な鍛造組織が得られ、良好な熱間加工性を得ることが可能となるが、上記組成を有するNi基超耐熱合金では、既に述べたように、熱間加工の温度域では再結晶が起こりにくく、一定温度で熱間加工を継続して行うことが難しい。本試験によって、一時的に熱間加工の温度域よりも高い温度域に再加熱して、金属組織の改質を行うことで、熱間加工性を飛躍的に向上させることが可能となることが確認された。
(実施例7)
本発明の効果を、より大型のNi基超耐熱合金インゴットにおいて確認するため、表10の化学成分を有し、寸法が約φ440mm×1000mmLで、重量が約1tonのNi基超耐熱合金インゴットを作製した。このインゴットは、熱間プレスによって熱間鍛造を行った。なお、インゴットNo.Dのγ’相固溶温度は約1160℃である。
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なお、このインゴットは、第一の熱間加工工程を施す前に、準備工程の均質化熱処理として、1180℃で30時間にわたり保持して加熱した後、0.03℃/秒の冷却速度で室温まで冷却する第一加熱処理を行い、次に、1150℃で60時間にわたり保持して加熱した後、0.03℃/秒の冷却速度で室温まで冷却する第二加熱処理を行って被熱間加工材とした。この被熱間加工材を、次に示す方法で、プレス機による熱間自由鍛造を行った。
先ず、被熱間加工材を、第一の熱間加工温度である1100℃に一旦加熱して1.33の熱間加工比で据え込み鍛造を行った後、1150℃に昇温し、5時間保持する再加熱工程を行って再結晶を促進させた。次いで、この再加熱させた被熱間加工材を、1100℃まで0.03℃/秒の冷却速度で冷却した後、φ440mm相当の直径まで戻す鍛伸作業を行った。
このように処理した被熱間加工材を、再度、1150℃に加熱して5時間保持して、再結晶を促進させた後、1100℃まで0.03℃/秒の冷却速度で冷却し、そして、2回目となる1.33の熱間加工比の据え込み鍛造を実施した。その後は、1回目の据え込み鍛造後の手順と同様に、1150℃に再加熱して5時間の保持を行い、次いで1100℃まで0.03℃/秒の冷却速度で冷却した後、φ440mm相当の直径まで戻す2回目の鍛伸作業を行った。
このように処理した被熱間加工材を、更に1150℃に加熱して5時間保持した後、1100℃まで0.03℃/秒の冷却速度で冷却し、今度は、最終的な寸法が約φ290mm×1600mmLになるまで鍛伸作業を行って熱間鍛造材とした。以上の鍛造工程中において、材料を1150℃に加熱した回数は、計4回である。
この鍛造過程中で実施する1150℃の加熱処理により、金属組織の再結晶が促進され、その結果、熱間加工性は良好な状態を維持し、特に加工がより難しい加工初期、すなわち不均質な鋳造凝固組織を有するインゴットの熱間加工を行う段階であっても、著しい表面割れを殆ど伴わず、また内部割れは一切生じずに、熱間加工を進めることができた。
このような多量のγ’相を有するNi基超耐熱合金において、疵や割れ等の問題を発生することなく、熱間鍛造が行えたのは、本発明の熱間鍛造方法によって良好な熱間加工性を付与できたからである。
前記熱間鍛造材について、直径Dの表面側から1/4の深さに位置する断面の金属組織の光学顕微鏡写真を図7に示す。図7に示すように、約2μm程度のγ’相1と、γ’相1によってピン止めされた15〜25μm程度の微細結晶粒を観察することができた。このように、大型のビレット成形作業においても、結晶粒が微細で均質となる良好な金属組織が得られていることが分かる。
航空機エンジンや発電用ガスタービン用途の素材は、高温高圧下に曝される重要な部材となるほど高強度が要求されるためにγ’相粒子の析出量が多いNi基超耐熱合金が用いられる。一般にγ’相粒子の析出量が多いNi基超耐熱合金は熱間加工性が極めて悪いために、低コストで安定した供給が困難であった。しかし、本発明を適用することで、このようなγ’相粒子の析出量が多い高強度Ni基超耐熱合金においても良好な熱間加工性が得られ、低コストでかつ安定した供給が可能であることが示された。
以上より、本発明を適用することで熱間加工性の著しい向上が認められることから、一回あたりの熱間加工量が増大して作業効率を格段に向上させることが期待できる。このことにより、加工に要するエネルギーや作業時間の低減が果たされるとともに、少ない作業時間で加工が可能となるので、被熱間加工材の表面酸化がもたらす歩留り低減も抑制することが期待できる。
本発明のNi基超耐熱合金の製造方法は、航空機エンジン及び発電用ガスタービンの鍛造部品、特にタービンディスクに使用される高強度合金の製造に適用することが可能である、高い強度と優れた熱間加工性を有するNi基超耐熱合金を製造することができる。
1 γ’相

Claims (12)

  1. 質量%で、C:0.001〜0.05%、Al:1.0〜4.0%、Ti:4.5〜7.0%、Cr:12〜18%、Co:14〜27%、Mo:1.5〜4.5%、W:0.5〜2.5%、B:0.001〜0.05%、Zr:0.001〜0.1%、残部はNi及び不純物からなる組成を有する被熱間加工材を準備する工程と、
    前記被熱間加工材を、1130〜1200℃の温度範囲で少なくとも2時間保持して加熱する工程と、
    前記加熱工程で加熱した被熱間加工材を、0.03℃/秒以下の冷却速度で熱間加工温度以下にまで冷却する工程と、
    前記冷却工程後、被熱間加工材に熱間加工を行う工程と
    を含むNi基超耐熱合金の製造方法。
  2. 前記冷却工程の後で、或いは前記冷却工程の途中で、前記被熱間加工材を、前記加熱工程での温度よりも低い温度であって、且つ950〜1160℃の温度範囲で、2時間以上保持して加熱する第二の加熱工程を更に含む請求項1に記載のNi基超耐熱合金の製造方法。
  3. 前記被熱間加工材が、質量%で、C:0.005〜0.04%、Al:1.5〜3.0%、Ti:5.5〜6.7%、Cr:13〜16%、Co:20〜27%、Mo:2.0〜3.5%、W:0.7〜2.0%、B:0.005〜0.04%、Zr:0.005〜0.06%、残部はNi及び不純物からなる組成である請求項1に記載のNi基超耐熱合金の製造方法。
  4. 前記被熱間加工材が、質量%で、C:0.005〜0.02%、Al:2.0〜2.5%、Ti:6.0〜6.5%、Cr:13〜14%、Co:24〜26%、Mo:2.5〜3.2%、W:1.0〜1.5%、B:0.005〜0.02%、Zr:0.010〜0.04%、残部はNi及び不純物からなる組成である請求項1に記載のNi基超耐熱合金の製造方法。
  5. 質量%で、C:0.001〜0.05%、Al:1.0〜4.0%、Ti:4.5〜7.0%、Cr:12〜18%、Co:14〜27%、Mo:1.5〜4.5%、W:0.5〜2.5%、B:0.001〜0.05%、Zr:0.001〜0.1%、残部はNi及び不純物からなる組成を有するとともに、平均粒径が500nm以上の一次γ’相を有するNi基超耐熱合金。
  6. 前記一次γ’相の平均粒径が1μm以上である請求項5に記載のNi基超耐熱合金。
  7. 前記組成が、質量%で、C:0.005〜0.04%、Al:1.5〜3.0%、Ti:5.5〜6.7%、Cr:13〜16%、Co:20〜27%、Mo:2.0〜3.5%、W:0.7〜2.0%、B:0.005〜0.04%、Zr:0.005〜0.06%、残部はNi及び不純物からなる請求項5に記載のNi基超耐熱合金。
  8. 前記組成が、質量%で、C:0.005〜0.02%、Al:2.0〜2.5%、Ti:6.0〜6.5%、Cr:13〜14%、Co:24〜26%、Mo:2.5〜3.2%、W:1.0〜1.5%、B:0.005〜0.02%、Zr:0.010〜0.04%、残部はNi及び不純物からなる請求項に記載のNi基超耐熱合金。
  9. 質量%で、C:0.001〜0.05%、Al:1.0〜4.0%、Ti:4.5〜7.0%、Cr:12〜18%、Co:14〜27%、Mo:1.5〜4.5%、W:0.5〜2.5%、B:0.001〜0.05%、Zr:0.001〜0.1%、残部はNi及び不純物からなる組成を有するインゴットを、800〜1125℃の熱間加工温度に加熱した後、1.1〜2.5の熱間加工比で第一の熱間加工を行って、熱間加工材とする工程と、
    前記熱間加工材を、前記第一の熱間加工温度よりも高い温度で、且つγ’相固溶温度より低い温度範囲に、再加熱して再加熱材とする工程と、
    前記再加熱材を、0.03℃/秒以下の冷却速度で700〜1125℃の温度範囲にまで冷却する工程と、
    前記冷却工程の後、第二の熱間加工を行う工程と
    を含むNi基超耐熱合金の製造方法。
  10. 前記インゴットの組成が、質量%で、C:0.005〜0.04%、Al:1.5〜3.0%、Ti:5.5〜6.7%、Cr:13〜16%、Co:20〜27%、Mo:2.0〜3.5%、W:0.7〜2.0%、B:0.005〜0.04%、Zr:0.005〜0.06%、残部はNi及び不純物からなる請求項9に記載のNi基超耐熱合金の製造方法。
  11. 前記インゴットの組成が、質量%で、C:0.005〜0.02%、Al:2.0〜2.5%、Ti:6.0〜6.5%、Cr:13〜14%、Co:24〜26%、Mo:2.5〜3.2%、W:1.0〜1.5%、B:0.005〜0.02%、Zr:0.010〜0.04%、残部はNi及び不純物からなる請求項9に記載のNi基超耐熱合金の製造方法。
  12. 前記再加熱工程の温度が1135℃〜1160℃である請求項9に記載のNi基超耐熱合金の製造方法。
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