JPWO2015080195A1 - 光学用シートおよび導電性シート、並びに前記光学用シートを備える表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図8に、従来の静電容量式タッチパネルを外縁部のみ粘着剤で表示装置の前面に固定した静電容量式タッチパネル付き表示装置200の構成を説明する概略断面図を示す。静電容量式タッチパネル付き表示装置200は、最前面に偏光板212が配置された液晶ディスプレイ211と、静電容量式タッチパネル221を備える。静電容量式タッチパネル221は、ハードコート層(樹脂層)204と、ハードコート層204の前面側の基材層(透明フィルム)203と、基材層203の前面側に粘着層207を介して積層された導電層202と、導電層202の前面側のカバーガラス201とを備える。静電容量式タッチパネル221は、液晶ディスプレイ211の前面に、液晶ディスプレイ211との間に隙間を設けて配置され、外縁部が粘着層231で液晶ディスプレイ211に固定され、これにより、液晶ディスプレイ211の前面と静電容量式タッチパネル221の裏面との間に間隙が形成されている。
しかし、本発明者らの検討によれば、1枚ガラスタイプの静電容量式タッチパネルを、図8に示すように表示装置に取り付けた場合、ハードコート層204と偏光板212とが接触する際にブロッキングが生じる問題がある。この問題は、表示装置が大型化するほど顕著になる。かかる問題が生じる原因としては、前記タッチパネルが備えるガラス基板が1枚であるため、たわみや歪みが生じやすく、中央付近で表示装置の前面の偏光板に接触したまま戻りにくくなることが考えられる。解決手段としてはアンチブロッキング性能を有するフィルム(アンチブロッキングフィルム)をタッチパネルの裏面または表示装置の前面に配置することが考えられる。しかし、従来用いられているアンチブロッキングフィルムは、アンチブロッキング性能が不充分であるか、または、アンチブロッキング性能が充分であっても、ヘイズが高く透明性が不充分であるなど、光学的性能が充分ではなかったことから、表示装置やタッチパネルに適用するのは困難である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、タッチ面の明るさが良好である等の優れた光学的性能を有し、ブロッキングが発生しにくい光学用シート、および導電性シート、並びに前記光学用シートを備える表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]透明フィルムと、一方の面に凹凸を有する樹脂層とを有する積層体であって、ヘイズが1.5%以下である透明フィルム積層体と、前記透明フィルムの一方の面に設けられた導電層と、を有する導電性シートであって、前記凹凸を有する樹脂層は、前記導電性シートの最外層であり、前記最外層の表面は、二乗平均平方根高さが0.02〜0.2μmであり、二乗平均平方根傾斜が0.01〜0.1であることを特徴とする導電性シート。
[2]前記最外層の表面は、輪郭曲線要素の平均長さが40〜200μmであり、算術平均粗さが15〜400nmである[1]に記載の導電性シート。
[3]前記凹凸を有する樹脂層は、実質的に相分離せず、かつ、粒子径250nm未満の無機または有機微粒子を含有する樹脂組成物から形成されたものである[1]または[2]に記載の導電性シート。
[4]前記凹凸を有する樹脂層は、少なくとも2種類の成分を含有し、かつ、無機および有機微粒子を実質的に含有しない樹脂組成物が相分離して形成されたものである[1]または[2]に記載の導電性シート。
[5]前記凹凸を有する樹脂層の厚さが1〜15μmである請求項[1]〜[4]のいずれか一項に記載の導電性シート。
[6]前記導電層は、有機系導電剤が均一に塗布されているか、または、金属材料が任意にパターニングされている請求項[1]〜[5]のいずれか一項に記載の導電性シート。
[7]前記透明フィルムと前記樹脂層との間、または、前記透明フィルムと前記導電層との間に1層以上の屈折率調整層がさらに形成され、前記屈折率調整層の屈折率が、1.20〜1.45または1.60〜2.00である請求項[1]〜[6]のいずれか一項に記載の導電性シート。
[8][1]〜[7]のいずれか一項に記載の導電性シートのいずれかの面に、印刷層がさらに積層されている印刷シート。
[9][1]〜[7]のいずれか一項に記載の導電性シートのいずれかの面に、粘着層がさらに積層されている粘着性シート。
[10][1]〜[7]のいずれか一項に記載の導電性シート、[8]に記載の印刷シート、または、[9]に記載の粘着性シートの樹脂層を備えた静電容量式タッチパネル。
[11]第1の透明フィルムと、凹凸を有する樹脂層を備える積層体であって、ヘイズが1.5%以下である積層体と、第1の導電層と、粘着層と、第2の透明フィルムと、第2の導電層と、をこの順に有する導電性シートであって、前記凹凸を有する樹脂層は、前記導電性シートの最外層であり、前記最外層の表面は、二乗平均平方根高さが0.02〜0.2μmであり、二乗平均平方根傾斜が0.01〜0.1であることを特徴とする導電性シート。
[12]前記最外層の表面は、輪郭曲線要素の平均長さが40〜200μmであり、算術平均粗さが15〜400nmである[11]に記載の導電性シート。
[13][11]または[12]に記載の導電性シートを備えた静電容量式タッチパネル。
<1>第1の面と、第1の面の反対側の第2の面を有する透明基材層と、少なくとも前記透明基材層の第1の面に積層された凹凸層とを有し、
前記凹凸層の凹凸は、二乗平均平方根高さが0.02〜0.2μmであり、かつ二乗平均平方根傾斜が0.01〜0.1であるように構成されており、
ヘイズ値が1.5%以下である光学用シート。
<2>前記凹凸層の凹凸は、輪郭曲線要素の平均長さが40〜200μmであり、算術平均粗さが15〜400nmであるように構成されている、<1>に記載の光学用シート。
<3>前記凹凸層が、粒子を実質的に含有しない多相系樹脂層である、<1>または<2>に記載の光学用シート。
<4>前記凹凸層の厚さが1〜15μmである、<1>〜<3>のいずれか一項に記載の光学用シート。
<5>さらに、前記透明基材層の第2の面側に、粘着層または接着層を備える、<1>〜<4>のいずれか一項に記載の光学用シート。
<6><1>〜<4>のいずれか一項に記載の光学用シートと、導電層とを有し、前記導電層は前記光学用シートの前記透明基材層の第2の面に積層されている、導電性シート。
<7>前記導電層が、有機系導電剤、および金属材料からなる群より選択される少なくとも1つの材質を含む、<6>に記載の導電性シート。
<8><7>に記載の導電性シートを有するタッチパネル。
<9>表示部材と、<8>に記載のタッチパネルと、接合層とを備えるタッチパネル付表示装置であって、
前記タッチパネルは前記表示部材の表面に間隙を介して配置され、かつ前記タッチパネルの外縁部が前記接合層により、前記表示部材に接合されている、タッチパネル付表示装置。
<10>前記表示部材は、前記タッチパネルと対向する面に凹凸を有し、前記凹凸は、二乗平均平方根高さが0.02〜0.2μmであり、かつ、二乗平均平方根傾斜が0.01〜0.1であるように構成されている、<9>に記載のタッチパネル付表示装置。
<11>表示部材の表面と前記凹凸層が対向するように間隙を介して配置される、<1>〜<5>のいずれか一項に記載の光学用シート。
マイクロレーザー顕微鏡を用い、JIS B0601:2001に準拠して、二乗平均平方根高さRq、二乗平均平方根傾斜RΔq、算術平均粗さRa、および輪郭曲線要素の平均長さRSmを算出する。
また、光学用シートのヘイズ値は、JIS K 7136に準拠して算出することができる。
なお、本明細書において、「前面」とは、静電容量式タッチパネルまたはこれを取り付けた表示装置を使用する際に、使用者が視認、操作する側の面を意味し、「裏面」は、使用者が視認、操作する側とは反対側の面を意味する。タッチパネルの前面をタッチ面ということがある。
また、本発明の導電性シートは、本発明の光学用シートの透明基材層の第2の面に導電層が積層された構造を有するため、ガラス表面に導電層を形成させる必要がなくなり、ガラス板の裏面に導電層を設ける従来の1枚ガラスタイプのタッチパネルよりも不良率を低くすることができる。
本発明の光学用シートは、第1の面と、第1の面の反対側の第2の面を有する透明基材層と、少なくとも前記透明基材層の第1の面に積層された凹凸層とを有し、前記凹凸層の凹凸は、二乗平均平方根高さが0.02〜0.2μmであり、かつ二乗平均平方根傾斜が0.01〜0.1であるように構成されており、ヘイズ値が1.5%以下であることを特徴とする。なお、本発明の光学用シートまたは導電性シートとは、アンチブロッキングフィルムのことを意味する。
図1は、本発明の光学用シート50の一例を示す概略断面図である。
光学用シート50は、第1の面と、第1の面の反対側の第2の面を有する透明基材層3と、透明基材層3の第1の面に設けられた凹凸層4とから構成される。凹凸層4は、透明基材層3の第1の面と接する側の面とは反対側の表面が、凹凸を有する凹凸面4aとなっている。凹凸面4aの表面は、二乗平均平方根高さが0.02〜0.2μmであり、二乗平均平方根傾斜が0.01〜0.1であるように構成されている。
以下、凹凸層4の透明基材層3の第1の面と接する側の面を「凹凸層4の第2の面」とし、凹凸層4の凹凸面4aが形成されている面を「凹凸層4の第1の面」として説明する。
このように、凹凸面4a表面の二乗平均平方根高さが0.02〜0.2μmであり、かつ二乗平均平方根傾斜が0.01〜0.1であるように構成された凹凸層4を備えることにより、タッチパネルと表示部材との貼りつき(ニュートンリング)による視認性の悪化や、ブロッキングが発生することを防止することができる。
凹凸面4aの二乗平均平方根高さは、好ましくは、0.021〜0.15μmであり、より好ましくは、0.022〜0.10μmであり、特に好ましくは0.023〜0.07μmである。
凹凸面4aの二乗平均平方根傾斜とは、JIS B0601:2001に準拠して測定した値であり、測定領域中の各凹凸の三次元傾斜を算出し、その二乗平均平方根を求めることで得ることができる。この二乗平均平方根傾斜が0.01〜0.1であれば、アンチブロッキング性の発現に必要な凹凸高さを得ることができる。上記二乗平均平方根傾斜は、好ましくは、0.011〜0.9であり、より好ましくは、0.012〜0.8であり、さらに好ましくは、0.013〜0.7であり、最も好ましくは0.0135〜0.0259である。好ましい数値範囲を満たすことにより、本発明の光学用シートのアンチブロッキング性能がさらに優れたものとなる。
本発明の光学用シートのヘイズ値は、1.3%以下であることが好ましく、1.2%以下であることがより好ましく、1.1%以下であることがさらに好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましく、0.9%以下であることが最も好ましい。
ヘイズ値を低い値とするためには、本発明の光学用シートの凹凸層を、後述する方法Aによって形成する場合は、二乗平均平方根高さ、二乗平均平方根傾斜、及び添加する粒子の平均粒子径や量を調整すればよい。たとえば、二乗平均平方根高さを小さくする程、ヘイズ値を低くすることができる。また、二乗平均平方根傾斜を小さくする程、ヘイズ値を低くすることができる。また、添加する粒子の平均粒子径を小さくする程、ヘイズ値を低くすることができる。また、添加する粒子の量を少なくする程、ヘイズ値を低くすることができる。つまり、二乗平均平方根高さと二乗平均平方根傾斜を本願の好ましい範囲とし、かつ添加する粒子の平均粒子径や量を調整することによって、ヘイズ値を1.5%以下とすることができる。添加する粒子の好ましい平均粒子径や量については、後述する。
また、本発明の光学用シートは、JIS K7361−1に準拠して測定した全光線透過率が90%を超えるものであることが好ましい。全光線透過率が90%を超えることにより、タッチ面の明るさが良好である等の優れた光学的性能を発揮できる。
全光線透過率を高い値とするためには、透明基材層を調整すればよい。たとえば、透明基材層自体の全光線透過率を高くする程、全光線透過率を高くすることができる。
透明基材層3としては、樹脂フィルム、ガラス板等を用いることができる。このうち、コスト、取り扱いやすさの観点から、透明基材層3は樹脂フィルムであることが好ましい。なお、本明細書において「透明基材層」とは、全光線透過率が85%である基材から形成された層のことを意味する。
樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリプロピレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンナフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム等が挙げられる。
特に、透明性、耐候性、耐溶剤性、剛度、コスト等の観点から、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
透明基材層3には、透明基材層3と凹凸層4との密着性を向上させるために、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、サンドブラスト処理や溶剤処理等の凹凸化処理、コロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等の表面酸化処理などが挙げられる。
透明基材層3の厚さは、強度の確保、カール防止等の観点から、10〜300μmであることが好ましく、30〜200μmであることがより好ましく、35〜130μmであることが特に好ましい。前記厚さは、触針式膜厚計(例えば、ミツトヨ社製ピークホールド機能付ABSデジマチックインジケータID−C112A)を用いて測定することができる。
本発明の光学用シートは、透明基材層3の少なくとも第1の面に、(微細な)凹凸面4aを有する層(凹凸層4)が形成されている。
輪郭曲線要素の平均長さとは、前述したとおり、JIS B0601:2001に準拠して測定した値であり、アンチブロッキング性の発現に必要な量の凹凸を有していることを意味する。輪郭曲線要素の平均長さが40〜200μmであれば、充分な凹凸の量を確保でき、アンチブロッキング性能を向上できるため好ましい。また、輪郭曲線要素の平均長さは、45〜150μmであることがより好ましく、50〜120μmが更に好ましく、55〜100μmが更に好ましく、60〜80μmであることが最も好ましい。この輪郭曲線要素の平均長さが上記の好ましい範囲内であることによって、本発明の導電性フィルムシートのアンチブロッキング性能がさらに優れたものとなる。
凹凸層4の凹凸面4aは、さらに算術平均粗さが15〜400nmであるように構成されていることが好ましい。凹凸面4aの算術平均粗さは、20〜200nmがより好ましく、25〜100nmが更に好ましく、30〜70nmが特に好ましい。この算術平均粗さが上記の好ましい範囲内であることによって、本発明の光学用シートのアンチブロッキング性能がさらに優れたものとなる。
上記輪郭曲線要素の平均長さおよび算術平均粗さを有する凹凸面4aを備える凹凸層4は、後述する材料および条件等によって得ることができる。
凹凸層4は、熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂成分を含有する凹凸樹脂層であることが好ましい。また、前記凹凸樹脂層は、熱硬化性または活性エネルギー線硬化性樹脂成分を含むハードコート層形成用の塗工液(以下、凹凸樹脂層形成用材料と言う)を透明基材上に塗工して塗膜を形成し、前記塗膜を硬化させることにより得られることが好ましい。
凹凸樹脂層形成用材料は、前述の通り熱硬化性または活性エネルギー線硬化性の樹脂成分を含むことが好ましい。
熱硬化性の樹脂成分としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性の樹脂成分としては、活性エネルギー線の照射により重合可能な重合性不飽和基(たとえばエチレン性二重結合等の重合性不飽和結合を含む基)を有するモノマーを含有するものが挙げられる。活性エネルギー線硬化性の樹脂成分には、必要に応じて、光重合開始剤等が配合される。
多官能(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(好ましくは質量平均分子量400〜600)ジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジベンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエーテルトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等の3官能(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の4官能(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の5官能以上の(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
これらの多官能(メタ)アクリルモノマーは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
凹凸樹脂層形成用材料に含まれる全多官能(メタ)アクリルモノマー中、4官能以上の(メタ)アクリルモノマーの割合は、全多官能(メタ)アクリルモノマー100質量%に対して、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上が最も好ましい。
光重合開始剤としては、公知のものが使用でき、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロプル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、プロピオフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミン安息香酸エステルなどが挙げられる。これら光重合開始剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤の配合量は、凹凸樹脂層形成用材料の固形分中、0.5〜10質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましい。0.5質量%以上であると硬化不良が生じにくい。また10質量%を超えて配合しても、配合量に見合った硬化促進効果は得られず、コストも高くなる。また、硬化物中に残留して黄変やブリードアウトなどの原因となるおそれがある。
なお、凹凸樹脂層形成用材料の固形分とは、凹凸樹脂層形成用材料が溶剤を含まない場合は凹凸樹脂層形成用材料を構成する全成分の合計を示し、溶剤を含む場合は溶剤を除いた全成分の合計を示す。
フッ素系化合物を添加することで、撥水・撥油性を付与でき、また汚れが付着し難く且つ付着した汚れを拭き取りやすいという防汚効果を付与することができる。また、ポリシロキサン系化合物を添加することで、撥水性や、汚れが付着し難く且つ付着した汚れを拭き取りやすいという防汚効果の付与および塗工適性を向上させることができる。また、金属酸化物微粒子や帯電防止樹脂、導電性高分子を添加することで、帯電防止性を付与できる。また、金属酸化物微粒子や紫外線吸収剤を添加することで、紫外線遮蔽性を付与できる。
これら添加剤の含有量は、前記樹脂成分100質量部に対して、0.01〜10質量%が好ましい。
溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、n−ヘキサン、n−ブチルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドンなどが使用される。これらは1種以上を単独で使用してもよいし、塗工ムラを軽減することを目的として、蒸発速度の異なる2種以上の溶剤を併用してもよい。
本発明の光学用シートは、粘着層または接着層を備えていてもよい。
図3は、粘着層17(または接着層18)を備える本発明の光学用シート51の一例を示す概略断面図である。光学用シート51は、透明基材層3と、透明基材層3の第1の面に設けられた凹凸層4と、透明基材層3の第2の面に設けられた粘着層17(または接着層18)とから構成されている。
本明細書において、粘着層とは被着体との貼り合わせの前後で、粘着層自体の化学組成、構造が変化しないもののことを意味し、接着層とは被着体との貼り合わせの前後で接着層自体の化学組成、構造が変化するもののことを意味する。
粘着層17を構成する粘着剤としては、それぞれ、タッチパネル等の光学用途に用いられている公知の粘着剤が利用できる。粘着剤としては、例えば、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられる。粘着剤は、溶剤系、無溶剤系、エマルジョン系、水系のいずれであってもよい。なかでも、透明度、耐候性、耐久性、コスト等の観点から、アクリル系粘着剤が好ましく、特に溶剤系のアクリル系粘着剤がより好ましい。
粘着層17または接着層18の厚さは、それぞれ、10〜100μmであることが好ましく、20〜80μmであることがより好ましい。10μm以上であれば、充分な粘着性が得られる。粘着層17または接着層18の厚さが100μmを超えると、薄型化、コストの面から不利である。
本発明の光学用シートは、前述の凹凸樹脂層形成用材料等の樹脂層形成用材料を、透明基材層3の第1の面に塗工して塗膜を形成し、前記塗膜を硬化させて凹凸層4を形成することにより得ることができる。
凹凸樹脂層形成用材料の塗工方法としては、例えば、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター、印刷機等を用いた方法が挙げられる。
凹凸樹脂層形成用材料の塗工量は、凹凸層4の厚さに応じて適宜設定できる。
凹凸層4の厚さは、1〜15μmであることが好ましく、1〜10μmであることがより好ましく、2〜8μmであることが特に好ましい。前記厚さが1μm以上であると充分なハードコート性能が得られる。また15μm以下であると、透明性、基材密着性、耐カール性等に優れるため好ましい。
なお、凹凸層4の最も薄い部分の厚み(凹凸面4aの凹部の底から、透明基材層3の第1の面との接面までの距離)を凹凸層4の厚さとする。また凹凸層4の厚さは、触針式膜厚計(例えば、ミツトヨ社製ピークホールド機能付ABSデジマチックインジケータID−C112A)を用いて測定することができる。
活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、可視光線、γ線等の電離性放射線などが挙げられ、中でも、汎用性の点から、紫外線が好ましい。紫外線の光源としては、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク、無電極紫外線ランプ等を使用できる。
電子線としては、例えば、コックロフトワルト型、バンデクラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される電子線を使用できる。
活性エネルギー線の照射による硬化は、窒素等の不活性ガス存在下で行うことが好ましい。
硬化は、1段階で行ってもよく、予備硬化工程と本硬化工程の2段階に分けて行ってもよい。
凹凸層4に凹凸面4aを形成する方法としては、凹凸樹脂層形成用材料に粒子を配合させる方法A、凹凸樹脂層形成用材料に溶解性パラメーター(SP値)の異なる2種類の樹脂を含有させ、塗工後、一方の樹脂を相分離により析出させる方法B等が挙げられる。これらのいずれかの方法によって凹凸層を形成することにより、凹凸層表面の凹凸の二乗平均平方根高さが0.02〜0.2μmであり、かつ二乗平均平方根傾斜が0.01〜0.1である光学用シートを得ることができる。このような光学用シートは優れた光学的性能とアンチブロッキング性能とを両立することができる。
方法Aの場合、凹凸樹脂層形成用材料は実質的に相分離しない材料であることが好ましい。また、前記凹凸樹脂層形成用材料に配合される粒子は、無機微粒子であっても、有機微粒子であってもよい。また、粒子の平均粒子径は、充分なアンチブロッキング性能と優れた光学的性能とを両立する観点から250nm未満であることが好ましい。また粒子の平均粒子径は、10nm〜200nmがより好ましく、20nm〜150nmが更に好ましく、30nm〜100nmが特に好ましい。粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡もしくは走査型電子顕微鏡の観察像により測定される値のことを指す。
なお、「実質的に相分離しない」とは、凹凸樹脂層形成用材料(組成物)に相分離する樹脂成分が実質的に含まれていないことを意味する。例えば、凹凸樹脂層形成用材料が、溶解性パラメーター(SP値)の異なる2種類の樹脂成分を含み、2種類の樹脂成分のSP値の差が1.0以上である場合、一方の樹脂成分の含有量が、凹凸樹脂層形成用材料の総質量に対して、3質量%以下であることを意味する。また、前記樹脂成分の含有量は、より好ましくは2質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下であり、最も好ましくは0.1質量%以下である。前記樹脂成分の含有量の下限は、0質量%である。すなわち、溶解性パラメーター(SP値)の異なる2種類の樹脂成分を含み、2種類の樹脂成分のSP値の差が1.0以上である場合、一方の樹脂成分の含有量が、0〜2質量%であることが好ましく、0〜1質量%であることがより好ましい。
すなわち、本発明の1つの側面において、凹凸樹脂層形成材料は、多官能(メタ)アクリルモノマーと粒子を含むことが好ましい。凹凸樹脂層形成用材料が多官能(メタ)アクリルモノマーと粒子を含有することで、凹凸面4aを有する凹凸層4を形成でき、かつ硬化時の収縮が抑制されるため好ましい。
カップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシアルミニウム等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
カップリング剤の処理量は、無機酸化物粒子100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。
有機粒子は、前記樹脂粒子をカップリング剤により処理した反応性樹脂粒子であってもよい。カップリング剤により処理することにより、アクリル系重合体と粒子との間の結合力を高めることができる。その結果、表面硬度や耐擦傷性を向上させることができ、さらに樹脂粒子の分散性を向上させることができる。
カップリング剤およびその処理量は、前記反応性無機酸化物粒子で挙げたカップリング剤およびその処理量と同様である。
無機または有機粒子を実質的に含有しないとは、凹凸樹脂層形成用材料の総質量に対して、無機または有機粒子の含有量が、3質量%以下であることを意味する。また、無機または有機粒子の含有量は、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましく、0.1質量%以下が最も好ましい。粒子の含有量の下限は、0質量%である。すなわち、方法Bの場合、凹凸樹脂層形成用材料中の粒子の含有量は、0〜1質量%が好ましく、0〜0.1質量%がより好ましい。
方法Bによって形成された凹凸層は、粒子を実質的に含有しない多相系樹脂層となる。ここで、「多相系樹脂層」とは、2成分以上の樹脂から構成される樹脂層のことを意味する。
本発明においては、凹凸層は方法Bによって形成されることが好ましい。方法Bによって凹凸層を形成することにより、アンチブロッキング性の効果を得ることができる。すなわち、本発明の光学用シートは、凹凸層が粒子を実質的に含有しない多相系樹脂層であることが好ましい。
本発明の導電性シートは、本発明の光学用シートと、導電層とを有し、前記導電層は前記光学用シートの前記透明基材層の第2の面に積層されていることを特徴とする。
光学用シートが透明基材層の第2の面側に粘着層または接着層を備える場合、導電層は、透明基材層と粘着層または接着層との間に設けられる。
図5は本発明の導電性シート70の一例を示す概略断面図である。導電性シート70は、透明基材層3と、透明基材層3の第1の面に設けられた凹凸層4と、透明基材層3の第2の面に設けられた導電層2とから構成される。凹凸層4は第1の面が、凹凸を有する凹凸面4aとなっている。前記凹凸面4aの表面は、二乗平均平方根高さが0.02〜0.2μmであり、二乗平均平方根傾斜が0.01〜0.1である。
また、本発明の導電性シートは、ヘイズ値が1.5%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。
なお、導電性シート70は本発明の光学用シートでもある。
導電層2は、透明な導電性の膜である。
導電層2は、表面型静電容量式タッチパネルなどに用いられる、実質的に均一な厚さで透明フィルム3の前面に形成された均一層であってもよく、投影型静電容量方式のタッチパネルなどに用いられる、位置検知のために形成された規則的なパターンを有する導電層であってもよい。
なお、均一層の場合でも、タッチパネルの構成などに応じて、引き出し電極等形成のため、導電層2の一部がパターン化されていてもよい。
ここで実質的に均一な厚さとは、算術表面粗さが5nm以下であることを意味する。
金属材料としては、例えば、金、銀、白金、パラジウム、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、鉄、コバルト、錫、これらの合金等の金属;インジウム−スズ酸化物(Indium Tin Oxide(ITO))、インジウム−亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide(IZO))、酸化亜鉛(Zinc Oxide(ZnO))、亜鉛−スズ酸化物(Zinc Tin Oxide(ZTO))等の金属酸化物;ヨウ化銅等からなる他の金属化合物等が挙げられる。また、有機系導電剤としては、PEDOT/PSS等の導電性樹脂などが挙げられる。なお、PEDOT/PSSは、PEDOT(3,4−エチレンジオキシチオフェンのポリマー)とPSS(スチレンスルホン酸のポリマー)を共存させたポリマーコンプレックスである。
導電層2の厚さは、導電性、透明性等を考慮して適宜設定される。導電層2の導電性は、タッチパネル用の電極板とするために、105Ω/sq以下の表面抵抗率を有するが好ましく、103Ω/sq以下の表面抵抗率を有することがより好ましい。このような表面抵抗率を達成するために、金属系の導電層の場合、その厚さは30〜600Åが好ましく、50〜500Åがより好ましい。また、金属酸化物系の導電層の場合、その厚さは80〜5000Åが好ましく、100〜4000Åがより好ましい。
例えば導電層2が均一層である場合、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、スプレー熱分解法、化学メッキ法、電気メッキ法、塗布法、あるいはこれらの組合せ法などの薄膜形成法等によって形成することができる。膜の形成速度や大面積膜の形成性、生産性などの観点から、真空蒸着法やスパッタリング法が好ましい。
導電層2に規則的なパターンを形成する方法としては、各種印刷方式などにより、透明基材層3の前面に、予め部分的に導電層2を設ける方法で形成してもよいし、または、上記のように均一層を形成した後、その一部をエッチングなどにより除去して形成してもよい。
導電層2と透明基材層3との密着性を高めるために、透明基材層3の表面に、コロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、スパッタエッチング処理、アンダーコート処理等の適宜な前処理を施してもよい。
図6に示す導電性シート71は、導電性シート70の凹凸層4の上に、さらに、反射防止層43を設けたものである。
すなわち、本発明の導電性シートの1つの側面は、本発明の光学用シートと、導電層と、反射防止層とを備える導電性シートであって、前記導電層は、本発明の光学用シートの透明基材層の第2の面に積層され、前記反射防止層は、本発明の光学用シートの凹凸層の上に積層されている、導電性シートである。
反射防止層43の凹凸面43aは、凹凸層4の凹凸面上に形成されることから、前記凹凸面の形状が反射防止層43に反映されている。すなわち、反射防止層43の凹凸面43aの表面は、二乗平均平方根高さが0.02〜0.2μmであり、二乗平均平方根傾斜が0.01〜0.1である。
図5または図6の導電性シートは、導電層2の透明基材層3と反対側の面に粘着層または接着層を設けてもよい。
反射防止層43は、透明基材よりも屈折率が低い層であり、導電性シート71の反射防止層43側からの光の反射を抑制し、光透過性を高める役割を果たす。ガラスや結晶材、プラスティック等では、その表面において、入射光に対して数%程度の反射光が生じるが、導電性シート71では反射防止層43によって表面反射を軽減し、透過率を増加させることができる。
反射防止層43の厚さは、50〜150nmであることが好ましく、60〜140nmであることがより好ましい。反射防止層43の厚さが50nm以上であれば、光の干渉による反射防止効果が得られやすい。反射防止層43の厚さが150nm以下であれば、凹凸層4に対する密着性が良好となる。前記厚さは、非接触式膜厚計(Filmetrics社製 F20)を用いて測定した値のことを指す。
反射防止層43の屈折率は、光の反射を抑制しやすいことから、1.25〜1.45が好ましく、1.30〜1.40がより好ましい。反射防止層43の屈折率は、反射防止層43を構成する材料によって調整できる。また屈折率は、JIS K7142に準拠した方法で測定できる。
無機系ケイ素含有化合物としては、シリカが好ましく、反射防止層43の屈折率を低くしやすいことから、中空シリカが特に好ましい。
中空シリカの平均粒子径は、5〜180nmが好ましく、30〜100nmがより好ましい。中空シリカの平均粒子径が5nm以上であれば、屈折率を低くしやすい。中空シリカの平均粒子径が180nm以下であれば、反射防止層43に前記中空シリカが密に充填することができ、反射防止層43の屈折率を低下させやすくなるため好ましい。なお、前記平均粒子径は、走査型電子顕微鏡により100個以上の粒子を撮影し、粒子の外形が明瞭に撮影されている粒子を選んでその粒子の最も長い径を測定し、その全ての測定値の合計値を、測定個数で割った値のことを意味する。
また、中空シリカは、中空部分が多いほど屈折率を低下させやすいことから、平均粒子径に対する外殻の厚みが薄いものが好ましい。すなわち、中空部分の割合が、中空シリカの総体積に対して、15〜70%であるものが好ましい。
また、バインダー樹脂としては、反射防止層43の屈折率を低くしやすいことから、シリコーン化合物を用いることも好ましい。シリコーン化合物としては、例えば、アルキレン基(エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等。)、シクロアルキレン基(シクロヘキシレン基等。)、アリーレン基(フェニレン基等。)、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等。)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基等。)、アルケニル基(ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等。)、アラルキル基(フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等。)等を有するオルガノポリシロキサンが挙げられる。
また、バインダー樹脂として、含フッ素樹脂を用いてもよい。
反射防止層43中のバインダー樹脂の含有量は、反射防止層43の固形分を100質量%としたとき、その固形分に対して、20〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましい。バインダー樹脂の含有量が20質量%以上であれば、凹凸層4との密着性が向上する。バインダー樹脂の含有量が80質量%以下であれば、反射防止層43中の無機系ケイ素含有化合物が不足せず、反射防止層43の屈折率を低くしやすい。
反射防止層形成用組成物には、凹凸樹脂層形成用材料と同様に、硬化を促進させるために、光重合開始剤を含有させることが好ましい。また、光増感剤をさらに含有させてもよい。また、反射防止層形成用組成物は、凹凸樹脂層形成用材料と同様に溶剤を含有してもよい。反射防止層形成用組成物に使用する溶剤としては、例えば、凹凸樹脂層形成用材料で挙げた溶剤が挙げられ、好ましい態様も同じである。
反射防止層形成用組成物中のバインダー樹脂の配合量は、反射防止層形成用組成物の固形分(100質量%)に対して、20〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましい。バインダー樹脂の配合量が20質量%以上であれば、凹凸樹脂層42との密着性が向上する。バインダー樹脂の配合量が80質量%以下であれば、無機系ケイ素含有化合物を充分に配合できるため反射率の低い導電性シートを得ることが容易になる。
反射防止層形成用組成物中の光重合開始剤の配合量は、反射防止層形成用組成物の固形分(100質量%)に対して、0.5〜10質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましい。光重合開始剤の配合量が0.5質量%以上であれば、硬化不良が生じにくい。また、光重合開始剤は10質量%を超えて配合しても、配合量に見合った硬化促進効果は得られず、コストも高くなる。また、硬化物中に光重合開始剤が残留して黄変やブリードアウト等の原因となるおそれがある。
反射防止層形成用組成物の塗工量は、形成する反射防止層43の厚さに応じて適宜設定される。
反射防止層形成用組成物よって凹凸層4上に形成した塗膜は、バインダー樹脂が活性エネルギー線硬化性である場合、活性エネルギー線の照射によって硬化させることができる。活性エネルギー線の照射による硬化は、前記凹凸樹脂層形成用材料により形成した塗膜の硬化と同じ方法で実施できる。バインダー樹脂が熱硬化性である場合、加熱炉や赤外線ランプ等を用いて加熱することによって硬化させることができる。
硬化は、1段階で行ってもよく、予備硬化工程と本硬化工程の2段階に分けて行ってもよい。
図9の導電性シート72は、導電層2と、透明基材層3と、屈折率調整層44と、凹凸層4とが、この順に積層された構造を有する。凹凸層4および導電層2の構成は、前記導電性シート70と同様である。なお、屈折率調整層44は、透明基材層3と導電層2との間に形成されていてもよい。
すなわち、本発明の導電性シートの1つの側面は、本発明の光学用シートと、導電層と、屈折率調整層とを有する導電性シートであって、前記導電層は、本発明の光学用シートの透明基材層の第2の面に積層され、前記屈折率調整層は、前記光学用シートの透明基材層と凹凸層との間に設けられている、または前記光学用シートの透明基材層と、導電層との間に設けられている、導電性シートである。
上記屈折率調整層44の屈折率は1.20〜1.45または1.60〜2.00であることが好ましい。本明細書において、屈折率が1.20〜1.45である屈折率調整層を低屈折層といい、1.60〜2.00である屈折率調整層を高屈折層という。すなわち、屈折率調整層44は、低屈折率層または高屈折率層であることが好ましい。
低屈折層の屈折率は1.25〜1.45であることが好ましく、より好ましくは1.30〜1.45であり、さらに好ましくは1.35〜1.40である。
高屈折層の屈折率は1.60〜1.90であることが好ましく、より好ましく1.60〜1.80であり、さらに好ましくは1.60〜1.70である。
低屈折層および高屈折層は、あらかじめ屈折率が知られている市販の材料を塗工することによって形成することができる。すなわち、屈折率調整層44の屈折率とは、屈折率調整層を形成するための材料の屈折率のことを意味する。
また、屈折率調整層44が低屈折率層である場合、その厚さは、0.01〜1.0μmであることが好ましく、0.02〜0.5μmであることがより好ましく、0.05〜0.2μmであることが更に好ましい。
以下、本発明の光学用シートまたは導電性シートを備える表示装置について説明する。
静電容量式タッチパネル付き表示装置100は、最前面に偏光板12が配置された液晶ディスプレイ11(表示部材)と、静電容量式タッチパネル(以下、単に「タッチパネル」という)21を備え、タッチパネル21は、液晶ディスプレイ11の前面に、偏光板12との間に隙間を設けて配置されている。また液晶ディスプレイ11の外縁部が、接合層31によりタッチパネル21に接合されている。これにより、液晶ディスプレイ11の前面とタッチパネル21との間に間隙が形成されている。
タッチパネル21は、ガラス基板1と、導電層2と、透明基材層3と、凹凸層4とを備える。ガラス基板1は、粘着層7を介して導電層2の上に積層されている。導電層2の裏面、すなわち、透明基材層3と接していない面の外縁部には印刷層5が形成されている。
透明基材層3と、透明基材層3の第1の面、すなわち、導電層2と接していない側の面に形成された凹凸層4により本発明の光学用シート50が構成されている。また、光学用シート50と透明基材層3の第2の面に形成された導電層2により本発明の導電性シート70が構成されている。なお、導電性シート70は、本発明の光学用シートでもある。
凹凸層4の凹凸の二乗平均平方根高さが0.02〜0.2μmであり、二乗平均平方根傾斜が0.01〜0.1であるように構成されている。
このように、表示部材と、本発明の導電性シートを備えるタッチパネルと、接合層とを備え、前記タッチパネルは前記表示部材の表面に間隙を介して配置され、かつ前記タッチパネルの外縁部が前記接合層により、前記表示部材に接合されている、タッチパネル付表示装置において、前記表示部材の表面と前記導電性シートの凹凸層が間隙を介して対向するように、導電性シートを配置することによって、タッチパネルが表示部材方向にたわんで、表示部材の前面に接触した際にブロッキングが生じにくく、優れたアンチブロッキング効果を発揮する。
液晶ディスプレイ11としては、特に限定されず、公知の液晶ディスプレイを用いることができる。
また、液晶ディスプレイ11は、タッチパネル21と対向する面に凹凸を有していてもよい。前記凹凸は、二乗平均平方根高さが0.02〜0.2μmであり、かつ、二乗平均平方根傾斜が0.01〜0.1であるように構成されていることが好ましい。
(ガラス基板1)
ガラス基板1としては、タッチパネル等に用いられている公知のガラス板が利用できる。
ガラス基板1の厚さは、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましい。0.1mm以上であると、タッチパネル11の強度も充分なものとなる。上限は特に限定されないが、透明性の観点から、3mm以下が好ましく、2mm以下がより好ましい。
粘着層7についての説明は、前述の粘着層17と同様である。ただし、それらの材質や厚さは同じでも異なっていてもよい。
印刷層5は、内部回路の隠蔽、装飾等のために施される。
印刷層5は、たとえば、着色剤(顔料、染料)とバインダー(ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキッド樹脂)とを含む着色インキを印刷することによって形成できる。金属発色させる場合には、アルミニウム、チタン、ブロンズ等の金属の粒子、マイカに酸化チタンをコーティングしたパール顔料を用いることができる。
印刷層5の厚さは、5〜50μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
印刷層5の形成方法(印刷方法)としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などが適用され、スクリーン印刷法が好ましい。
接合層31は、タッチパネルと表示部材を接合できるものであれば特に限定されないが、取り扱いが容易であることから、粘着剤層であることが好ましい。接合層31として好ましく用いられる粘着剤としては、前述の粘着層7または粘着層17で説明した粘着剤と同様である。ただし、それらの材質や厚さは同じでも異なっていてもよい。
タッチパネル26は、ガラス基板1と、フィルムセンサー60と、光学用シート50を備える。光学用シート50は透明基材層3と、凹凸層4とを備える。ガラス基板1は、粘着層7を介してフィルムセンサー60の前面に積層されている。またフィルムセンサー60の裏面には粘着層7を介して光学用シート50が積層されている。フィルムセンサー60の裏面の外縁部には印刷層5が形成されている。導電性シート72は、光学用シート50と、光学用シート50の裏面に粘着層7を介して積層されたフィルムセンサー60とを備える。
このように、凹凸層4が偏光板12と対向するように、光学用シート50または導電性シート72を配置することによって、ブロッキングの発生を抑制することができる。
フィルムセンサー60は、透明フィルム9の上に導電層6を設けたものである。図4では、光学用シート50の裏面に粘着層7を介して、透明フィルム9と導電層6がこの順に積層されている構成を示したが、光学用シート50の裏面に導電層6と透明フィルム9がこの順に積層されている構成であってもよい。
透明フィルム9としては、透明基材層3で説明した樹脂フィルムが挙げられる。導電層6としては、導電層2で説明したものと同じものが挙げられる。
フィルムセンサー60の厚さは、15〜300μmであることが好ましく、40〜150μmが好ましい。フィルムセンサー60の厚さとは、透明フィルム9と導電層6を合わせた厚さのことを指す。
静電容量式タッチパネル付き表示装置102は、タッチパネル21の代わりにタッチパネル22を備える以外は、図2の静電容量式タッチパネル付き表示装置101と同様の構成である。
タッチパネル22は、ガラス基板1の前面側に張り合わされた保護シート8をさらに備える以外は、タッチパネル21と同様の構成である。
保護シート8は、公知のハードコート層とすることができる。保護シート8は、前面または裏面に凹凸形状が形成されている必要はなく、前面および裏面の両面ともに凹凸形状が形成されていない平坦な面であることが好ましい。
静電容量式タッチパネル付き表示装置103は、最前面に偏光板12が配置された液晶ディスプレイ11と、静電容量式タッチパネル25とを備える。タッチパネル25は、液晶ディスプレイ11の前面に、偏光板12との間に隙間を設けて配置され、外縁部が接合層31で液晶ディスプレイ11に固定されている。これにより、液晶ディスプレイ11の前面とタッチパネル25の裏面との間に間隙が形成されている。
タッチパネル25は、ガラス基板1と、ガラス基板1の裏面に形成された導電層2xと、粘着層7と、印刷層5と、導電性シート70とを備える。ガラス基板1および導電層2xは、粘着層7により、導電性シート70の前面に密着されている。導電性シート70は、透明基材層3と、透明基材層3の前面に形成された導電層2yと、透明基材層3の裏面に形成された凹凸層4とを備える。導電層2yの前面の外縁部には印刷層5が形成されている。
導電層2xは、横軸方向の位置を検出するための導電層であり、導電層2yは、縦軸方向の位置を検出するための導電層である。
凹凸層4は、液晶ディスプレイ11と対向し、微細な凹凸を有している。透明基材層3の第1の面に設けられた凹凸層4の表面は、二乗平均平方根高さが0.02〜0.2μmであり、二乗平均平方根傾斜が0.01〜0.1である。
静電容量式タッチパネル付き表示装置104の構成は、導電性シート80を用いる以外は、図4の静電容量式タッチパネル付き表示装置101の構成と同様である。導電性シート80は、第1の透明基材層3aと、第1の透明基材層3aの前面に形成された導電層2xと、粘着層17と、第2の透明基材層3bと、第2の透明基材層3bの前面に形成された導電層2yと、第2の透明基材層3bの裏面に形成された凹凸層4とを備える。第1の透明基材層3aの裏面と導電層2yとは、粘着層17を介して密着している。導電層2xの前面の外縁部には印刷層5が形成されている。
導電層2xは、横軸方向の位置を検出するための導電層であり、導電層2yは、縦軸方向の位置を検出するための導電層である。粘着層17は、絶縁性粘着層である。
凹凸層4は、液晶ディスプレイ11と対向し、微細な凹凸を有している。透明基材層3と接する側とは反対側における凹凸層4の表面は、二乗平均平方根高さが0.02〜0.2μmであり、二乗平均平方根傾斜が0.01〜0.1である。
静電容量式タッチパネル付表示装置105は、液晶ディスプレイ13と、タッチパネル26を備え、タッチパネル26は、液晶ディスプレイ13の前面に、液晶ディスプレイ13との間に隙間を設けて配置され、外縁部が接合層31で液晶ディスプレイ13に固定されている。
液晶ディスプレイ13においては、偏光板12の前面に粘着剤層14を介して光学用シート50が積層されている。すなわち、液晶ディスプレイ13は前面、すなわちタッチパネル26と対向する面に凹凸を有し、前記凹凸は、二乗平均平方根高さが0.02〜0.2μmであり、かつ、二乗平均平方根傾斜が0.01〜0.1であるように構成されている。このように、液晶ディスプレイ13の前面に配置された光学用シート50の凹凸層が、タッチパネル26の光学用シート50または導電性シート72の凹凸層と対向するように、各光学用シートまたは導電性シートを配置することにより、アンチブロッキング性能を更に向上させることができる。
タッチパネル26は、タッチパネル21であってもよく、タッチパネル25であってもよい。また、液晶ディスプレイ13側に凹凸を有しないタッチパネルであってもよい。
粘着剤層14についての説明は、粘着層7、17と同様である。ただし、それらの材質や厚さは同じでも異なっていてもよい。
たとえば、上記説明においては、表示装置の表示部材として液晶ディスプレイを用いた例を示したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、陰極線管(CRT)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等の各種表示部材を用いることができる。
<実施例1>
(凹凸樹脂層形成用組材料の調製)
多官能(メタ)アクリレートとして、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(6官能アクリレート、商品名 A−DPH、新中村化学(株)製)を100質量部、粒子径50nmのコロイダルシリカ分散液(オルガノシリカゾルLタイプ、固形分濃度30%、日産化学工業(株)製)を20質量部、光重合開始剤(商品名 IRGACURE184、BASF(株)製)を4質量部混合し、メチルエチルケトンで固形分濃度50%となるように希釈して凹凸樹脂層形成用材料1を調製した。
(3,4−エチレンジオキシチオフェン)をポリスチレンスルホン酸の存在下で重合させた導電性物質(PEDOT−PSS)を含む水分散液と、バインダー成分の樹脂成分であるポリエステル系樹脂(商品名 バイロナールMD1200、東洋紡(株)製)、レベリング剤(商品名 KP−110、信越化学工業(株)製)を固形分として1:1:1の質量比で混合し、固形分濃度1%となるようにメタノールで希釈して混合液Aとした。
この混合液Aと、含窒素シランカップリング剤であるイソシアヌレート系シランカップリング剤(商品名 X−12−965、信越化学工業(株)製)をメタノールで希釈して1%溶液としたものとを、100:30の質量比で混合し、導電層形成用の塗布液を調製した。
その後、光学用シートの透明基材の凹凸層の形成されていない第2の面に、導電層形成用組成物をバー塗工した。その後、120℃で120秒間加熱乾燥させ、厚さ0.2μmの導電層を形成させて導電性シートを得た。得られた導電性シートのヘイズ値を、光学用シートと同様の方法で測定した。結果を表1に示す。
マイクロレーザー顕微鏡((株)KEYENCE製 測定部 VK−X105 コントローラー部 VK−X100)を用い、倍率200倍で表面観察を行い、画像の取り込みを行った。得られた画像について、測定エリアを100μm×100μmとして前記走マイクロレーザー顕微鏡に付属の解析ソフトウェアを用いて、線粗さをJIS B0601:2001に基づき二乗平均平方根高さRqおよび、二乗平均平方根傾斜RΔq、算術平均粗さRa、輪郭曲線要素の平均長さRSmを算出した。
光学用シートおよび導電性シートのヘイズ値を、JIS K 7136に基づき、日本電色工業(株)製のNDH4000を用いて測定した。
硬化型樹脂面を有する偏光板を準備し、光学用シートの凹凸層面を偏光板表面にのせ、偏光板表面へ樹脂面を指で押し付けた時の貼りつきを目視で確認した。このとき、貼りつきが発生しない場合をブロッキング評価○とし、貼りつきが発生する場合をブロッキング評価×とした。
凹凸樹脂層形成用材料1の平均粒子径50nmのコロイダルシリカ分散液の添加量を40質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、光学用シートおよび導電性シートを作製した。
凹凸樹脂層形成用材料1の平均粒子径50nmのコロイダルシリカ分散液を、平均粒子径100nmのコロイダルシリカ分散液(オルガノシリカゾルZタイプ、固形分濃度30%、日産化学工業(株)製)に変更した以外は実施例1と同様にして、光学用シートおよび導電性シートを作製した。
凹凸樹脂層形成用材料1を、溶解性パラメーターの異なる2種類の樹脂(商品名 ルシフラール NAB−007 固形分濃度40% 日本ペイント(株)製)を含む凹凸樹脂層形成用材料2に変更し、透明基材上に塗工し、加熱乾燥を100℃で30秒間行って、一方の樹脂を相分離によって析出させた以外は、実施例1と同様にして光学用シートおよび導電性シートを作製した。
厚さ100μmのPETフィルムの透明基材上に、屈折率1.65の(商品名 OPSTAR(登録商標)KZ6719 固形分20%、JSR(株)製)をバー塗工し、80℃で60秒間加熱乾燥させ、厚さ0.2μmの高屈折層(屈折率調整層)を形成した。さらに高屈折層上に凹凸樹脂層形成用材料1をバー塗工した以外は実施例1と同様にして光学用シートおよび導電性シートを作製した。
凹凸層の厚みを10μmに変更した以外は実施例1と同様にして、光学用シートおよび導電性シートを作製した。
多官能(メタ)アクリルモノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名A−DPH、新中村化学(株)製)100質量部、平均粒子径60nmの中空シリカ分散ゾル(商品名 スルーリアCS−60IPA、固形分20重量%、シリカ粒子の屈折率1.31、日揮触媒化成(株)製)750質量部、光重合開始剤(商品名Irgacure184、BASF(株)製)5質量部を混合し、イソプロピルアルコールで固形分が5質量%となるように希釈して低屈折率層形成用組成物を調製した。この組成物の屈折率1.37であった。
厚さ100μmのPETフィルムの透明基材上に、低屈折率層形成用組成物をバー塗工し、80℃で60秒間加熱乾燥させ、厚さ0.1μmの低屈折層(屈折率調整層)を形成した。さら低屈折層上に凹凸樹脂層形成用材料1をバー塗工した以外は実施例5と同様にして光学用シートおよび導電性シートを作製した。
凹凸樹脂層形成用材料1において、コロイダルシリカ粒子を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、光学用シートおよび導電性シートを作製した。
凹凸樹脂層形成用材料1において、平均粒子径50nmのコロイダルシリカ分散液の代わりに、平均粒子径1400nmのシリカ粒子(商品名サイリシア310、富士シリシア化学(株)製)を使用した以外は実施例1と同様にして、光学用シートおよび導電性シートを作製した。
凹凸層の厚みを20μmに変更した以外は実施例1と同様にして、光学用シートおよび導電性シートを作製した。
上記実施例および比較例の結果を下記表1にまとめる。
ていたため、二乗平均平方根高さ及び二乗平均平方根傾斜の値が小さかったが、平均粒子径1400nmのシリカ粒子を用いたためヘイズ値が高かった。
2、2x、2y 導電層
3、3a、3b 透明基材層
4 凹凸層
4a 凹凸面
5 印刷層
6 導電層
7、17 粘着層
8 保護シート
9 透明フィルム
11 液晶ディスプレイ
12 偏光板
18 接着層
21、22 静電容量式タッチパネル
31 接合層
43 反射防止層
44 屈折率調整層
50、51 光学用シート
70、71、72 導電性シート
101〜104 静電容量式タッチパネル付き表示装置
200 従来の静電容量式タッチパネル付き表示装置
<1>第1の面と、第1の面の反対側の第2の面を有する透明基材層と、少なくとも前記透明基材層の第1の面に積層された凹凸層とを有し、
前記凹凸層は、粒子を実質的に含有しない多相系樹脂層であり、
前記凹凸層の凹凸は、二乗平均平方根高さが0.02〜0.2μmであり、かつ二乗平均平方根傾斜が0.01〜0.1であるように構成されており、
ヘイズ値が1.5%以下である光学用シート。
<2>前記凹凸層の凹凸は、輪郭曲線要素の平均長さが40〜200μmであり、算術平均粗さが15〜400nmであるように構成されている、<1>に記載の光学用シート。
<3>前記凹凸層の厚さが1〜15μmである、<1>または<2>のいずれか一項に記載の光学用シート。
<4>さらに、前記透明基材層の第2の面側に、粘着層または接着層を備える、<1>〜<3>のいずれか一項に記載の光学用シート。
<5><1>〜<3>のいずれか一項に記載の光学用シートと、導電層とを有し、前記導電層は前記光学用シートの前記透明基材層の第2の面に積層されている、導電性シート。
<6>前記導電層が、有機系導電剤、および金属材料からなる群より選択される少なくとも1つの材質を含む、<5>に記載の導電性シート。
<7><5>または<6>に記載の導電性シートを有するタッチパネル。
<8>表示部材と、<7>に記載のタッチパネルと、接合層とを備えるタッチパネル付表示装置であって、
前記タッチパネルは前記表示部材の表面に間隙を介して配置され、かつ前記タッチパネルの外縁部が前記接合層により、前記表示部材に接合されている、タッチパネル付表示装置。
<9>前記表示部材は、前記タッチパネルと対向する面に凹凸を有し、前記凹凸は、二乗平均平方根高さが0.02〜0.2μmであり、かつ、二乗平均平方根傾斜が0.01〜0.1であるように構成されている、<8>に記載のタッチパネル付表示装置。
<10>表示部材の表面と前記凹凸層が対向するように間隙を介して配置される、<1>〜<4>のいずれか一項に記載の光学用シート。
Claims (11)
- 第1の面と、第1の面の反対側の第2の面を有する透明基材層と、少なくとも前記透明基材層の第1の面に積層された凹凸層とを有し、
前記凹凸層の凹凸は、二乗平均平方根高さが0.02〜0.2μmであり、かつ二乗平均平方根傾斜が0.01〜0.1であるように構成されており、
ヘイズ値が1.5%以下である光学用シート。 - 前記凹凸層の凹凸は、輪郭曲線要素の平均長さが40〜200μmであり、算術平均粗さが15〜400nmであるように構成されている、請求項1に記載の光学用シート。
- 前記凹凸層が、粒子を実質的に含有しない多相系樹脂層である、請求項1または2に記載の光学用シート。
- 前記凹凸層の厚さが1〜15μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学用シート。
- さらに、前記透明基材層の第2の面側に、粘着層または接着層を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学用シート。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学用シートと、導電層とを有し、前記導電層は前記光学用シートの前記透明基材層の第2の面に積層されている、導電性シート。
- 前記導電層が、有機系導電剤、および金属材料からなる群より選択される少なくとも1つの材質を含む、請求項6に記載の導電性シート。
- 請求項6または7に記載の導電性シートを有するタッチパネル。
- 表示部材と、請求項8に記載のタッチパネルと、接合層とを備えるタッチパネル付表示装置であって、
前記タッチパネルは前記表示部材の表面に間隙を介して配置され、かつ前記タッチパネルの外縁部が前記接合層により、前記表示部材に接合されている、タッチパネル付表示装置。 - 前記表示部材は、前記タッチパネルと対向する面に凹凸を有し、前記凹凸は、二乗平均平方根高さが0.02〜0.2μmであり、かつ、二乗平均平方根傾斜が0.01〜0.1であるように構成されている、請求項9に記載のタッチパネル付表示装置。
- 表示部材の表面と前記凹凸層が対向するように間隙を介して配置される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学用シート。
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