JPWO2015037426A1 - 離型フィルム、成型体の製造方法 - Google Patents

離型フィルム、成型体の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明の離型フィルムは、120℃におけるMD方向及びTD方向それぞれの熱収縮率が5%以上である。

Description

本発明は、離型フィルム、当該離型フィルムを用いた成型体の製造方法、並びに、当該製造方法により得られた半導体部品及びリフレクター部品に関する。
近年、電子機器の高機能化及び小型化と、それらの急速な普及に伴い、そこに組み込まれる電子部品として、より小型の部品が大量且つ安価に求められるようになってきている。そのような中で電子部品の熱加工工程においては、より小さい形状の部品を大量且つ生産性高く合理的に生産できることが求められている。例えば、LED部品においては、そのパッケージ形態は、より大型の砲弾タイプから、小型薄肉のリフレクタータイプに変遷し、さらに、今後は、基板上に大量のLEDチップを実装した後に一括封止・個片化するオーバーモールドタイプがその主流を占めていくものと予想されている。このような状況において、これら電子部品の熱加工工程に用いられる離型フィルムには、より高度の成型性、より高い離型性等、ますます高度な加工性が求められるようになってきている。
従来、テトラフルオロエチレン−エチレン系共重合体のフィルムが、プリント基板成型時に使用される離型フィルムとして提案されている(特許文献1)。
4−メチル−1−ペンテン含有量が80質量%以上の重合体を含む組成物からなる離型フィルムであって、該組成物の融点が170〜240℃、半結晶化時間が70〜220秒の離型フィルムも提案されている(特許文献2)。
また、プリント基板成型時に使用される離型フィルムとして、エチレン系共重合体ゴム100質量部にポリエチレン系樹脂25〜400質量部を混合してなる樹脂組成物を押出成型して得られるフィルムに電離性放射線を照射して架橋させてなるベースフィルムに離型層を塗布してなる離型フィルムが提案されている(特許文献3)。
特開2001−206913号公報 特開2006−70252号公報 特開2012−66447号公報
しかしながら、上記のいずれの離型フィルムは必ずしも十分なものとはいえない。
具体的には、特許文献1のテトラフルオロエチレン−エチレン系共重合体のフィルムや、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)又はポリイミドのフィルムは、成型温度で熱収縮しないことから、フィルムを金型にセットした際にシワを巻き込んでしまい金型の形状を正確に再現することができないことがある。
特許文献2の離型フィルムは、成型時のフィルムの弾性率が高すぎるため、電子部材の熱成型工程において、成型品にシワが入る等して離型フィルムが金型の形状を十分に再現できないことがある。
特許文献3のフィルムについても、加熱成型時に全く縮まないことから、金型にフィルムをセットした際、シワが入る等して金型の形状を十分に再現できないことがある。
このように、従来の離型フィルムでは、一般的な熱加工工程において、離型フィルムの柔軟性が乏しく、また、フィルムが適度に収縮しないことから、金型の型形状に的確に離型フィルムが張り付くことができず、成型品にシワが入る等の問題が生じている。
そこで、本発明は、熱成型における成型性を向上させることができる離型フィルム、当該離型フィルムを用いた成型体の製造方法、並びに、当該製造方法により得られた半導体部品及びリフレクター部品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討した結果、本発明をなすに至った。すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1] 120℃におけるMD方向及びTD方向それぞれの熱収縮率が5%以上である、離型フィルム。
[2] 110℃におけるMD方向及びTD方向それぞれの熱収縮率が2%以上である、[1]に記載の離型フィルム。
[3] 離型層、及び、基材層を備え、基材層は、ポリオレフィン樹脂を含み、DSCで測定した基材層の融点が128〜210℃である、[1]又は[2]に記載の離型フィルム。
[4] 基材層のポリオレフィン樹脂が架橋されており、当該離型フィルムの120℃におけるMD方向及びTD方向それぞれの応力−ひずみ曲線において、降伏点がなく、且つ、50%伸び荷重Aに対する100%伸び荷重Bの比B/Aが1.5以上であり、120℃におけるMD方向及びTD方向それぞれの熱収縮力が、0.40N/cm以下である、[3]に記載の離型フィルム。
[5] 離型層がフッ素系化合物を含む、[3]又は[4]に記載の離型フィルム。
[6] 基材層のポリオレフィン樹脂が電離性放射線により架橋されている、[3]〜[5]のいずれかに記載の離型フィルム。
[7] [1]〜[6]のいずれかに記載の離型フィルムを金型上に固定する工程と、金型上で離型フィルムを収縮させて離型フィルムのシワを取る工程と、金型に樹脂を供給し、樹脂を成型する成型工程と、離型フィルムを剥がす工程と、を含む、成型体の製造方法。
[8] 半導体チップを実装した基板を金型内に配置する工程を更に含み、成型工程において、半導体チップを樹脂で封止する、[7]に記載の成型体の製造方法。
[9] リードフレームを金型内に配置する工程を更に含み、成型工程において、リードフレームに樹脂を成型する、[7]に記載の成型体の製造方法。
[10] [8]に記載の成型体の製造方法によって製造された、半導体部品。
[11] [9]に記載の成型体の製造方法によって製造された、リフレクター部品。
本発明に係る離型フィルムは、上記の熱収縮率を有することにより、従来と比較して熱成型における成型性を向上させることができる。本発明に係る離型フィルムを用いた成型体の製造方法は、高い生産性が要求される成型体の製造において、金型の清掃工程を不要にする上、離型フィルムのシワ等の不良を画期的に低減し、生産性を飛躍的に高めることができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態に係る離型フィルムにおいて、120℃におけるMD方向(縦方向、流れ方向)及びTD方向(横方向、幅方向)それぞれの熱収縮率は、5%以上である。また、110℃におけるMD方向及びTD方向それぞれの熱収縮率は、2%以上であることが好ましい。当該熱収縮率は、測定法ASTM D2732に準拠して測定される。また、上記「MD方向及びTD方向それぞれの熱収縮率」とは、「MD方向及びTD方向の熱収縮率のいずれも」と同義である。
熱収縮率が120℃において5%未満である場合、金型上にフィルムをセットし真空引きする際に、フィルムが金型に正確に追随せず、フィルムにシワが入り、成型体にもシワが入ってしまう。熱収縮率が5%以上であれば、シワなく金型にフィルムがセットされるため、金型の形状を十分に再現することができる。
120℃における熱収縮率は、下限値は5%であることが好ましい。上限値は50%であることが好ましく、30%であることがより好ましく、20%であることが更に好ましい。これらの下限値及び上限値は、自由に組み合わせて数値範囲を構成することができる。例えば、当該熱収縮率は、5〜50%が好ましく、5〜30%がより好ましく、5〜20%が更に好ましい。熱収縮率が50%以下であれば、フィルムを金型にセットし真空引きする工程において不具合が更に生じにくい。
110℃における熱収縮率が2%以上である場合、金型上にフィルムをセットし真空引きする際に、フィルムが金型に正確に追随するため、フィルムにシワが入りにくく、金型の形状を、一層十分に再現することができる。
110℃における熱収縮率は、下限値は2%であることが好ましい。上限値は30%であることが好ましく、20%であることがより好ましく、10%であることが更に好ましい。これらの下限値及び上限値は、自由に組み合わせて数値範囲を構成することができる。例えば、当該熱収縮率は、2〜30%が好ましく、2〜20%がより好ましく、2〜10%が更に好ましい。熱収縮率が30%以下であれば、フィルムを金型にセットし真空引きする工程において不具合が更に生じにくい。
本実施形態に係る離型フィルムは、例えば、離型層、及び、ポリオレフィン樹脂を含む基材層の少なくとも2層を備える多層離型フィルムであり、離型層及び基材層の2層からなる構成を有していてもよい。
DSCで測定した基材層の融点(ピークが複数ある場合には最大値とすること)は、下限値が128℃であることが好ましい。上限値は210℃であることが好ましく、160℃であることがより好ましく、150℃であることが更に好ましい。これらの下限値及び上限値は、自由に組み合わせて数値範囲を構成することができる。例えば、当該融点は、128〜210℃が好ましく、128〜160℃がより好ましく、128〜150℃が更に好ましい。融点が128℃以上であると、フィルムを金型にセットし真空引きする工程において不具合が生じにくい。また、融点が210℃以下であると成型温度における適度な収縮が生じやすく、成型体にシワを巻き込みにくい。
基材層は、例えば、主たる成分としてポリオレフィン樹脂を含んでいる。ポリオレフィン樹脂とは、単純なオレフィン類やアルケンを単位分子として合成される高分子である。ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリオレフィン系ポリマーアロイ、ポリブテン系樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等が挙げられる。
上記ポリエチレン系樹脂としては、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。
ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等が挙げられる。高密度ポリエチレンは、フィリップス法、スタンダード法、チーグラー法等の一般に公知の方法で製造することができる。中密度ポリエチレンとしては、線状中密度ポリエチレン等が挙げられる。低密度ポリエチレンとしては、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高圧法低密度ポリエチレン等が挙げられる。なお、高圧法低密度ポリエチレンは、いわゆる高圧法(塊状重合法)により製造される低密度ポリエチレンである。超低密度ポリエチレンとしては、線状超低密度ポリエチレン(VLDPE)等が挙げられる。
上記エチレン−α−オレフィン共重合体としては、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体が好ましく、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体がより好ましい。α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を併用することができる。
また、上記エチレン−α−オレフィン共重合体としては、エチレンと、プロピレンコモノマー、ブテンコモノマー、ヘキセンコモノマー及びオクテンコモノマーから選ばれる少なくとも1種のコモノマーとの共重合体が、一般的に入手が容易であり、好適に使用できる。
ポリエチレン系樹脂としては、エチレンとα−オレフィン(プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコサン等)との共重合体が好ましく、エチレンと、二種のα−オレフィン(プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコサン等)との3元共重合体(例えば、エチレンとプロピレンと他のα−オレフィンとの3元共重合体)であってもよい。これらの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体等のいずれの形態でもよい。ポリエチレン系樹脂としては、エチレンとプロピレンとのランダム共重合体、エチレンとオクテンとのランダム共重合体、エチレンとプロピレンとブテンとのランダム共重合体が好ましい。
ポリエチレン系樹脂は、シングルサイト系触媒、マルチサイト系触媒等の公知の触媒を用いて重合することができる。
ポリエチレン系樹脂の密度は、収縮性に更に優れる観点から、0.935g/cm以上が好ましく、0.940g/cm以上がより好ましい。より高密度なポリエチレン系樹脂を使用することで収縮性を適度に抑制し、離型フィルムの機械適性を向上させることができる。
ポリエチレン系樹脂のメルトフローレート(MFR、190℃、2.16kg)は、下限値は0.5g/10minであることが好ましく、0.8g/10minであることがより好ましく、1.0g/10minであることが更に好ましい。上限値は30g/10minであることが好ましく、25g/10minであることがより好ましい。これらの下限値及び上限値は、自由に組み合わせて数値範囲を構成することができる。例えば、当該メルトフローレートは、離型フィルムの加工性に優れる観点から、0.5〜30g/10minが好ましく、0.8〜30g/10minがより好ましく、1.0〜25g/10minが更に好ましい。
ポリエチレン系樹脂としては、結晶/非晶構造(モルフォロジー)をナノオーダーで制御したポリエチレン系共重合体を使用することもできる。
上記ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体等が好適に使用できる。なお、ポリプロピレン系樹脂としては、上記ポリエチレン系樹脂に該当する樹脂を除く。
プロピレン−α−オレフィン共重合体とは、プロピレンとα−オレフィンとの共重合体を示す。プロピレン−α−オレフィン共重合体は、プロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体が好ましく、プロピレンと炭素数4〜8のα−オレフィンとの共重合体がより好ましい。ここで、炭素数4〜20のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコサン等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を併用することができる。
プロピレン−α−オレフィン共重合体としては、プロピレンと、エチレンコモノマー、ブテンコモノマー、ヘキセンコモノマー及びオクテンコモノマーから選ばれる少なくとも1種のコモノマーとの共重合体が、一般に入手が容易であり、好適に使用できる。
ポリプロピレン系樹脂は、シングルサイト系触媒、マルチサイト系触媒等の公知の触媒を用いて重合することができる。
ポリプロピレン系樹脂の密度は、下限値は0.860g/cmが好ましく、0.870g/cmがより好ましい。上限値は0.920g/cmが好ましく、0.915g/cmが好ましく、0.910g/cmが更に好ましい。これらの下限値及び上限値は、自由に組み合わせて数値範囲を構成することができる。例えば、伸び性に優れる観点から、0.860〜0.920g/cmが好ましく、0.870〜0.915g/cmがより好ましく、0.870〜0.910g/cmが更に好ましい。これら同種のポリプロピレンを単独もしくは混合して用いてもよい。
ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR、230℃、2.16kg)は、下限値は0.3g/10minであることが好ましく、0.5g/10minであることがより好ましく、0.8g/10minであることが更に好ましい。上限値は15g/10minであることが好ましく、12g/10minであることがより好ましく、10g/10minであることが更に好ましい。これらの下限値及び上限値は、自由に組み合わせて数値範囲を構成することができる。例えば、離型フィルムの加工性に優れる観点から、0.3〜15g/10minが好ましく、0.5〜12g/10minがより好ましく、0.8〜10g/10minが更に好ましい。
ポリプロピレン系樹脂としては、結晶/非晶構造(モルフォロジー)をナノオーダーで制御したポリプロピレン系共重合体を使用することもできる。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンと、ブテン、ヘキセン、オクテン等のα−オレフィンとの共重合体、又は、プロピレンと、ブテン、ヘキセン、オクテン等のα−オレフィンとの3元共重合体が好適に使用できる。これらの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体等のいずれの形態でもよい。
上記ポリプロピレン系樹脂は、チーグラー・ナッタ触媒のような触媒で重合された樹脂だけでなく、メタロセン系触媒等で重合された樹脂でもよく、シンジオタクチックポリプロピレンやアイソタクティックポリプロピレン等も使用できる。
また、基材層のベース樹脂が上記ポリプロピレン系樹脂を含有する場合、ベース樹脂として、ポリプロピレン系樹脂の総量に対して50質量%以下の高濃度のゴム成分を均一微分散させてなる樹脂を用いることが好ましい。ここで、ゴム成分としては、エチレン・プロピレンゴム成分(EPR)等が挙げられる。
ポリブテン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂との相溶性が特に優れるため、離型フィルムの硬さや腰の調整を目的として、ポリプロピレン系樹脂と併用することが好ましい。なお、ポリブテン系樹脂としては、上記ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン樹脂に該当する樹脂を除く。ポリブテン系樹脂としては、結晶性であり、ブテンと、炭素数5〜8のオレフィン系樹脂との共重合体であり、且つ、ポリブテン系樹脂を構成する全モノマー中のブテンの含有量が70モル%以上である高分子量のポリブテン系樹脂が好適に使用できる。
ポリブテン系樹脂のメルトフローレート(MFR、190℃、2.16kg)は、0.1〜10g/10minが好ましい。また、ビカット軟化点は、40〜100℃が好ましい。ここで、ビカット軟化点は、JIS K7206−1982に従って測定される値である。
基材層における上記ポリオレフィン樹脂の含有量は、柔軟性の観点から、基材層全体を基準として、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましい。
基材層は、上記ポリオレフィン樹脂に加えて、公知の可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、帯電防止剤、石油樹脂、ミネラルオイル、各種界面活性剤、アンチブロッキング剤、無機フィラー等の任意の添加剤を更に含んでいてもよい。上記添加剤の添加量は、基材層全体を基準として通常0.1〜5質量%である。
本実施形態に係る離型フィルムでは、以上のようなポリオレフィン樹脂が架橋されていることが好ましい。このような離型フィルムは、熱成型工程において用いられたときに、架橋の効果により優れた耐熱性を有し、二軸延伸されることにより適度な伸びと収縮性を付与しやすくなるために金型追随性に更に優れる。また、このような離型フィルムは、コーティング等の後加工において優れた離型性を兼ね備えることができる。さらに、架橋することにより、ポリオレフィン樹脂の融点以上の熱成型工程においても、ポリオレフィン樹脂が溶融流動することがない。そのため、穴あきや膜切れ等が発生しにくく、今までにない柔軟性を発揮できるので、複雑な金型形状にも安定して追随するため、型再現性に更に優れる。
架橋する方法としては、α線、β線、ガンマ線、中性子線、電子線等の電離性放射線を照射する方法が挙げられる。電離性放射線を使用することにより、電離性放射線の照射条件によって架橋成分(いわゆるゲル分率)を調整することができるので好ましい。
ゲル分率とは、後述の算出式によって求められる架橋度の割合である。電離性放射線を用いた架橋の場合、樹脂の種類や、照射するときの環境によって架橋する度合いは異なるが、電離性放射線の照射密度、照射強度で所望のゲル分率に制御することができる。
特に、ポリオレフィン樹脂を用いるに際して、樹脂や照射温度、湿度等の照射条件を管理した場合、比較的に再現性が良く、ゲル分率をある一定範囲にすることができる。
例えば、一般的には、低密度ポリエチレン(LDPE)の場合、照射密度20kGyより架橋し始め、照射密度が高くなるにつれてゲル分率が高くなる。また、照射密度が200kGyを超えると、樹脂の劣化や分解等が生じる場合があり、所望のゲル分率を制御することが物性の安定性の確保の意味でも重要である。
基材層のゲル分率は、離型フィルム全体の質量を基準として、1〜80質量%が好ましい。ゲル分率が1質量%以上である場合、十分な架橋特性を得ることができ、架橋前のポリオレフィン樹脂の融点以上の金型温度で離型フィルムを使用した場合であっても、膜に穴が開くことをより効果的に防止できる。また、ゲル分率が80質量%以下であれば、離型フィルムの要求特性である熱収縮力が低く、適度に収縮し、適度に伸びることから、金型にセットした際、型形状に正確に追随しやすくなる。ゲル分率は、1〜70質量%が好ましく、1〜65質量%がより好ましい。
本実施形態に係る離型フィルムにおいて、上記したポリオレフィン樹脂を含む基材層は、単層構成であってもよく、多層構成であってもよい。また、基材層の各層の樹脂に関しても、必要により、単一種の樹脂であってもよく、ブレンド等により混合樹脂としてもよい。
本実施形態に係る離型フィルムの基材層の厚さは、5〜2000μmが好ましく、10〜1500μmがより好ましく、15〜800μmが更に好ましい。厚さが5μm以上であると、作業性に優れる観点から、何かの角に接触した場合、破れや強度に問題が生じにくい。また、厚さが2000μm以下であると、生産性が向上し、金型の形状再現性が更に良好になる。
本実施形態に係る離型フィルムは、成型材料(樹脂等)に対して離型機能を有する離型層を備える。離型層は、基材層の少なくとも一方の面側に設けられている。成型材料との間だけでなく、金型との間の剥離をも行うため、離型フィルムは両面に離型層を有することが好ましい。
離型機能を有する離型層は、フッ素系化合物(フッ素含有化合物)やシリコーン系化合物等の公知の化合物を含んでいてもよい。フッ素系化合物又はシリコーン系化合物からなる離型層を用いることもできる。シリコーン系化合物のうち、成型体との親和性がよい化合物については離型性を損なう場合があるため、フッ素系化合物がより好ましい。
本実施形態に係る離型フィルムは、基材層と離型層をそれぞれ1層ずつ有していてもよいが、基材層を複数有していてもよく、離型層を複数有していてもよい。例えば、本実施形態に係る離型フィルムは、スキン層/コア層/離型層、又は、スキン層/コア層/スキン層/離型層の順に積層されたものであってもよい。ここで、「スキン層」とは最外層をいい、「コア層」とは最内層をいう。また、本実施形態に係る離型フィルムは、基材層以外の層を更に備えていてもよい。
本実施形態に係る離型フィルムのMD方向及びTD方向それぞれの応力−ひずみ曲線(S−S曲線)において降伏点(弾性限界)がないことが好ましい。応力−ひずみ曲線は、縦軸を荷重(N)、横軸を伸び(%)とする曲線である。応力−ひずみ曲線は、JIS K7127に準拠して120℃で測定される。降伏点が存在しないと、金型上にフィルムをセットした際、フィルムが均一に伸び、成型体にシワが更に入り難くなるため好ましい。
また、上記の応力−ひずみ曲線において、120℃における50%伸び荷重(50%伸びのときの荷重)Aに対する100%伸び荷重(100%伸び荷重)Bの比(B/A)は、MD方向及びTD方向それぞれにおいて1.5以上であることが好ましい。当該比が1.5以上である場合、フィルムが均一に伸び、フィルムを金型上にセットした際に更に正確に金型の形状を再現できる。当該比は、1.55以上がより好ましく、1.6以上が更に好ましい。
本実施形態に係る離型フィルムの120℃におけるMD方向及びTD方向それぞれの熱収縮力は、0.40N/cm以下であることが好ましく、0.30N/cm以下であることがより好ましい。熱収縮力は、測定法ASTM D2838に準拠して測定される。熱収縮力が0.40N/cm以下である場合、金型上にフィルムをセットし真空引きする際に、真空引きされる力よりも熱収縮力が弱くなる傾向があるため、金型に更に正確に追随でき、フィルムに更にシワが入りにくく、成型体にも更にシワが入りにくい。
以上、本実施形態に係る離型フィルムについて説明した。次に、本実施形態に係る離型フィルムの製造方法について説明する。但し、本発明は、下記の実施形態のみに限定されるものではない。
数種の押出機より各層の使用原料を溶融させ、環状ダイよりそれぞれの樹脂を共押出し、チューブ状の未延伸パリソンを得る。チューブ状パリソンは、外側から冷却媒体を水とする場合と、外側から冷却媒体を水とし、更にチューブ状パリソン内側からは内部を水で通水した冷却マンドレルに沿わせ、チューブ状パリソンの内外両側より冷却固化し、それを急冷固化する場合とがあり、いずれの方法を用いてもよい。この未延伸パリソンに電離性放射線(電子線等)を照射し、架橋処理を施す。
次に、冷却固化したチューブ状パリソンを延伸機内に誘導し、延伸開始点を80〜250℃の間で加熱しながら、速度差を設けたロール間でエアー注入を行い、延伸安定性に優れる観点から、MD方向及びTD方向のそれぞれに、好ましくは2〜10倍、より好ましくは3〜7倍の倍率で延伸を行う。延伸開始点とは、バブルの内圧によりTD方向に膨らみ始める位置を指す。
本実施形態に係るフィルムの延伸方法としては、シングルバブルインフレーション法、ダブルバブルインフレーション法、トリプルバブルインフレーション法、テンター法等が挙げられるが、MD方向及びTD方向のそれぞれに均一に収縮させる観点から、インフレーション法が好ましい。このようにして基材層が形成される。
次に、この基材層に対して離型層を付与する。寸法安定化のためのヒートセットや、コロナ処理、プラズマ処理を行った後、離型層を付与してもよい。離型層の付与は公知のいずれの方法を用いて行ってもよい。
離型層の付与方法としては、例えば、構造式CH=C(R)−COO(CHn1−Rf1(R:水素原子又はメチル基、n1:0〜4の整数、Rf1:炭素数1〜6のポリフルオロアルキル基又はポリフルオロエーテル基)で表される(メタ)アクリレートや当該(メタ)アクリレート由来の構成単位を有する化合物、パーフルオロポリエーテル(PFPE)系化合物、PVDF、パーフルオロアルキル基を含むフッ素系樹脂のバーコート等の塗工;シリコンオイルやシリコーン系樹脂溶液のスプレー塗工;基材層に少量添加することでその表面にシリコーンリッチな機能を与える添加剤や樹脂を混合する方法;ポリメチルペンテンフィルムのドライラミネート;ポリメチルペンテン樹脂単体、又はドライブレンドした層との共押出による積層;ETFE等のフッ素系樹脂の共押出による積層;すでにフィルム化したETFE等のフッ素系樹脂フィルムのドライラミネートによる積層等が挙げられるが、コスト面、性能面で適宜選択すればよい。他フィルム等とのラミネーションを行ってもよい。また、塗工処理により離型層を積層し、乾燥してもよい。離型層を塗工により付与する場合、離型性に更に優れる観点から、構造式CH=C(R)−COO(CHn1−Rf1(R:水素原子又はメチル基、n1:0〜4の整数、Rf1:炭素数1〜6のポリフルオロアルキル基又はポリフルオロエーテル基)で表される(メタ)アクリレートや当該(メタ)アクリレート由来の構成単位を有する化合物が好ましく、構造式CH=C(R)−COO(CH−Rf2(R:水素原子又はメチル基、Rf2:炭素数6のポリフルオロアルキル基)で表される(メタ)アクリレートや当該(メタ)アクリレート由来の構成単位を有する化合物がより好ましい。離型層を塗工以外の方法、例えばラミネートにより付与する場合は、ポリメチルペンテン樹脂で離型層を形成することが好ましい。
離型層を塗工により付与する場合、該離型フィルムを使用して光デバイスを成型する工程においては、成型体表面に離型層が転写されることにより、光デバイスが光取り出し性に優れる。また、光デバイスの製造工程において、このような成型体を効率よく製造できるという特徴がある。
以上のような方法で二軸延伸を行うことで、熱収縮性や耐熱性、強度を向上させることができ、また、後工程にて離型層を付与することで、離型フィルムとしての優れた性能を発揮することができる。
次に、本実施形態に係る離型フィルムを用いた成型体の製造方法について説明する。
本実施形態に係る離型フィルムは、電子部品等の熱加工工程に有用である。ここで、電子部品等の熱加工工程とは、ICチップやLED等の半導体封止時、多層プリント配線板製造時の成型加工時、積層熱プレス時、プリント配線板製造時のカバーレイ貼付け時、リードフレームへのリフレクター樹脂の成型加工時等の、熱を用いて接着、成型、キュア等を行う工程を示す。
これらの工程では、接着、成型、キュア等に必要なエネルギー供給を、通常、金型を介して熱として供給する。ここで、昇温された金型と成型材料(電子部品の熱成型工程に使用される接着、成型、キュア等の樹脂、及び、その他の基板樹脂等)との間に離型フィルムを介在させる。このとき、金型と成型材料が直接接触することを防止し、金型が樹脂で汚れることを防止するために本実施形態に係る離型フィルムは有用である。
そして、本実施形態に係る離型フィルムは、架橋したポリオレフィン樹脂を含む場合、加工温度が未架橋のポリオレフィン樹脂の融点以上であっても、穴あき等の問題が生じることがなく、柔軟性を有した型再現性のよい離型フィルムの機能が発揮されやすくなる。
金型を用いた熱加工の場合、金型に隙間なく離型フィルムが貼合し、金型形状が再現性良く成型されることが必要である。金型の形状を転記するためには、離型フィルムが十分な伸びをもち、金型の隅までフィルムが穴開きすることがないことが必要とされる。高温の熱加工でこの性能を発揮するには、離型フィルムが十分に柔軟性を保有することや、樹脂が融解しても、部分的に穴開きするようなことがないことが求められる。この環境を実現しやすくなる方法として、ポリオレフィン樹脂を架橋することがあり、架橋によって、未架橋のポリオレフィン樹脂の融点よりも高い温度条件での熱成型において、離型フィルムを用いることができる。
本実施形態に係る離型フィルムの用途としては、すでに記載しているように、ICチップやLEDチップ等の半導体封止工程、多層プリント配線板での積層工程、フレキシブル配線板でのカバーレイ貼付け工程等が例示され、特に限定されるものではないが、特に好ましい用途としては、LEDチップの圧縮封止工程用途が例示される。LEDチップの圧縮封止工程において、離型フィルムは、凹状半球キャビティを有する下部金型の上に真空引きに仮固定される。上部金型にLED実装基板を下向きにセットした後、各キャビティ中心部にLEDチップが配置されるよう上下金型の位置を合わせる。成型材料としての封止樹脂をキャビティに流し込んだ後、前記上下金型を閉じ合せ加圧・加熱することによって成型が行われる。封止樹脂としては、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられ、特に制限はない。特に耐熱性を要求されるハイパワー系LEDの封止樹脂としては、シリコーン系樹脂が好ましく用いられる。この場合、液状のシリコーン樹脂前駆体をキャビティに流し込み、金型内で加熱により硬化反応を行って成型を行うことが好ましく、生産性に更に優れる観点から、金型中で1次硬化反応を行った後、型開きして離型フィルムを剥離した後、オーブン等の中で2次硬化反応を行うことが好ましい。
本実施形態に係る成型体の製造方法は、前記離型フィルムを用いた製造方法である。本実施形態に係る成型体の製造方法は、例えば、1)離型フィルムを金型上に固定する工程と、2)金型上で前記フィルムを収縮させて離型フィルムのシワを取る工程と、3)金型に樹脂を供給し、樹脂を成型する成型工程と、4)離型フィルムを剥がす工程と、を含む。
本実施形態は、金型上に離型フィルムを固定する工程を含む。金型上に離型フィルムを固定する方法に制限はないが、例えば、成型面の周囲を真空吸着によって離型フィルムを固定する方法;金型に固定ピンを配置し、ここに離型フィルムを固定する方法;成型面の周縁を金属製のプレートで固定する方法が例示される。これらの方法を単独で用いてもよいし、複数の方法を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態は、金型上に固定した前記フィルムを収縮させて離型フィルムのシワを取る工程を含む。金型上に固定されたフィルムを収縮させる方法に制限はないが、特に好ましくは、加熱によって収縮する離型フィルムを用いることによって、金型上に配置される際に、金型の熱によって収縮してシワを取ることである。
本実施形態は、金型に樹脂を供給し、樹脂を成型する成型工程を含む。金型に樹脂を供給し、樹脂を成型する方法に特段の制約はなく、その成型法としては、コンプレッション成型、トランスファー成型、インジェクション成型等が例示できる。コンプレッション成型は、計量した成型材料を加熱した金型の凹部(キャビティ)に入れ、圧縮成型機で加圧して硬化させる方法である。トランスファー成型は、プランジャー内でいったん加熱軟化させた材料を狭い材料の通り道(ゲート・スプルー・ランナー等)から加熱されたキャビティの中に樹脂を押し込んで硬化させる方法である。インジェクション成型は、成型機内で加熱され溶融したプラスチック原料を金型内に高圧で押し込んで硬化させる方法である。トランスファー成型とインジェクション成型の違いは、後者はプランジャーの中に1回分だけの材料が投入される点である。
成型に用いられる樹脂は、特に制約はなく、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよいが、本実施形態で特に好適に用いられるのは熱硬化性樹脂である。熱硬化性樹脂として室温で固形状のものを用いる場合には、室温以上に加温することで流動性を持たせることが可能である。室温で液状のものを用いる場合には、特に加熱することなく流動性が発現するものもあり、また、わずかな加熱により高い流動性を発現させることも可能である。熱硬化性樹脂は、融体状態では通常分子量が低く粘度が低いため、高い充填圧力を必要としないので好ましい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂等が例示される。
本実施形態に係る成型体の製造方法においては、金型内で樹脂のみからなる成型体を製造することが可能であり、樹脂成型体に埋め込む金属部品や基板部品等の異種材料の部品をあらかじめ金型内に設置しておいて、そこに樹脂を充填して異種材料との一体成型体を得ることも可能である。また、本実施形態に係る成型体の製造方法においては、金型での加熱で仮硬化までを行い、金型から取り出した後に、オーブン等の加熱装置で本硬化を行って、硬化反応を完結させることも可能である。生産性を高めるためには、金型での加熱で仮硬化までを行う方法が好ましい。
本実施形態は、離型フィルムを剥がす工程を含んでいてもよい。離型フィルムは、成型体及び金型から剥がされる。
本実施形態に係る成型体の製造方法は、半導体チップを実装した基板を金型内に配置する工程を含み、成型工程において、基板上の半導体チップを樹脂で封止することが好ましい。このような製造方法により、半導体部品が製造される。
半導体チップを実装した基板を金型内に配置する方法に制限はなく、例えば、前記基板を上金型に真空吸着で固定する方法や、前記基板を固定治具で上金型に固定する方法等が例示できる。なお、半導体チップを実装する基板は、半導体ウエハやセラミック基板、あるいは、メタルベース基板等の無機性基板であってもよく、あるいは、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等の樹脂性基板であってもよい。また、その実装方法は、ダイアタッチ材を用いて半導体チップを固定しワイヤーボンドで導通をとる実装方法や、半導体チップ下面にバンプを形成しこれを基板に接合した後アンダーフィル材で固定を図る方法等が例示される。半導体チップとしては、メモリー、ロジック、あるいは、LED等のチップが例示され、特に制限はない。
基板上の半導体チップを樹脂で封止する方法として、上金型に前記半導体チップを実装した基板を固定する場合には、下金型に、前記チップ位置に合わせて、封止樹脂の形状を彫り込んだ凹部(キャビティ)を用意し、上金型と下金型を合わせ、その空隙に樹脂を流し込み成型することが例示される。
具体的には、LEDチップをバンプ実装したセラミック基板を上部金型に真空吸着し、下金型には各LEDチップの位置に合わせて直径2mmの凹状半球キャビティを有する下部金型を準備する。下金型に離型フィルムをセットし、真空引きにて下部金型に仮固定した後、液状のシリコーン樹脂をキャビティ上に流し込んだ後、前記上下金型を閉じあわせ、120℃×5分程度の仮硬化の加熱条件のもと、型締めし圧縮成型を行うこと等が例示できる。この仮硬化された成型体は、150℃に加熱されたオーブン中で更に4時間程度加熱して硬化反応を完結させた後、個片化することでLED部品を製造することができる。これにより得られる成型体は、半導体部品として好適に用いることが可能である。
本実施形態に係る成型体の製造方法において、別の好ましい製造方法は、リードフレームを金型内に配置する工程を更に含み、成型工程において、リードフレームに樹脂を成型することを特徴とする製造方法である。このような製造方法により、リフレクター部品が製造される。
リードフレームとは、半導体チップを支持固定し、外部配線との接続をする金属部品であり、金属素材の薄板であり、通常はフープ形状で供給される。リードフレームの素材に特に制約はなく、銅合金系素材、鉄合金系素材、その他の機械的強度、電気伝導度、熱伝導度、耐食性等の優れた金属素材の薄板を、打ち抜き(プレス)やエッチング等で加工して作られたものが好ましく用いられる。また、これらの金属には、めっき処理が施されてもよく、例えば、LED用途では光反射性を向上させるために、Agめっきが施されたものが好適に使用される。
リードフレームを金型内に配置する方法としては、所定位置に孔を形成し、これを金型の固定ピンに固定する方法等が例示されるが、この方法に制限されるものではない。
樹脂を成型する方法としては、前記リードフレームの所定パターンに合わせて凹部(キャビティ)を形成した金型を用意し、リードフレームを固定し挟み込む形で上金型と下金型を合わせ、その空隙に樹脂を流し込み成型することが例示される。
本実施形態に係る成型体の製造方法を用いて、LEDリフレクターを製造する例を以下に示す。まず、リフレクター形状を凹状に彫り込んだ上金型を準備する。上金型には離型フィルムを固定し、シワをとる。所定の形状に加工されたリードフレームを下金型に配置し、また、反射材として、酸化チタン粒子を含むエポキシ樹脂組成物を打錠して得たタブレットを金型シリンダー部に配置し、上金型と下金型を型締めし、このタブレットをピストンにより金型内へ流し込む(トランスファー成型)。この流し込まれたエポキシ樹脂を金型内で約150℃約2分間の加熱を行い、成型を行う。次に、上金型と下金型とを分割して上記のエポキシ樹脂組成物の仮硬化物を金型内から取り出すことが例示される。金型から取り出された成型物は、約160℃2時間の加熱を更に行い本硬化し、硬化反応を完結し、これによりリードフレームと一体成型されたエポキシ樹脂組成物の完全硬化物にて、成型したリードフレームを得ることが可能である。
白色の酸化チタン粒子を含む樹脂組成物を用いて得られた上記成型体は、LEDのリフレクター部品として好適に使用可能である。
以下、本発明について、具体的な実施例及び比較例を挙げて説明する。但し、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、本実施例に用いられる評価方法及び測定方法は以下のとおりである。
<融点>
パーキンエルマー社製DSCを用いて下記の6段階にて測定を行った。
1)0℃にて1分保持、
2)0℃から200℃まで10℃/分で昇温、
3)200℃で1分保持、
4)200℃から0℃まで10℃/分で降温、
5)0℃で1分保持、
6)0℃から200℃まで10℃/分で昇温。
上記段階のうち6)における熱量ピークが最大の温度を融点と規定した。
<熱収縮率>
ASTM D2732に準拠して、110℃及び120℃の温度にて10分間収縮させてMD方向(縦方向)及びTD方向(横方向)のそれぞれについて測定した。
<応力−ひずみ曲線測定(S−S測定)>
JIS K7127に準拠してMD方向及びTD方向それぞれの応力−ひずみ曲線(縦軸:荷重(N)、横軸:伸び(%))の測定を行った。測定については、ヤマト科学株式会社製のテンシロンを用いた。120℃、50%RH環境下で、10mm巾にスリットした離型フィルムを用いて、サンプル長100mm、チャック間20mm、引張速度1000mm/minの条件で引張試験を行った。MD方向、TD方向ともに50%伸び荷重と100%伸び荷重を求め、下記の値Xを求めた。
X=(100%伸び荷重)/(50%伸び荷重)
また、応力−ひずみ曲線における降伏点の有無を確認した。MD方向及びTD方向のいずれにおいても降伏点がない場合を〇、降伏点が有る場合を×と判断した。
<熱収縮力>
ASTM D2838に準拠して、120℃で、MD方向、TD方向の熱収縮力を測定した。測定は連続して5分間行い、その最大値を用いた。
<ゲル分率>
袋状に折り畳んだ150メッシュのステンレス製金網の中に、基材層のみを剥ぎ取った試料100mgを封入し、沸騰p−キシレン中で試料(離型フィルム)を12時間抽出し、次式により算出される不溶解部分の割合をゲル分率として求めた。このゲル分率をフィルムの架橋度の尺度として用いた。
ゲル分率(質量%)=(抽出後の試料質量/抽出前の試料質量)×100
<オーバーモールド型LED成型テスト>
直径2mmの凹状半球キャビティを100個、及び、直径1mmの凹状半球キャビティを256個有する、120℃又は130℃に熱した下部金型の上に離型フィルムをセットし、真空引きにて下部金型に仮固定した。
{機械適性}
真空引き工程の際、120℃と130℃どちらの温度でもフィルムが金型にシワなく追随している場合を「○」、120℃又は130℃どちらか一方の温度でフィルムが金型にシワなく追随している場合を「△」、120℃でも130℃でもシワが入り込んでいる場合を「×」として判断した。
{成型性・離型性}
その後、ダミー基板を上部金型に下向きにセットした後、各キャビティ中心部にLEDチップが配置されるように上部金型及び下部金型の位置を調整した。その状態で液状のシリコーン樹脂をキャビティに流し込んでから、圧力で型締めし、圧縮成型を行った。その後、型開きを行って、下記の基準で成型性と離型性を確認した。封止樹脂であるシリコーン樹脂としては、ジメチルシリコーンタイプのシリコーン樹脂である信越化学工業株式会社製KER−2500を使用した。
(成型性)
メタルベース基板上に形成された、各LEDチップを封止する半球状シリコーン封止樹脂を顕微鏡により観察した。成型されたシリコーン封止樹脂表面上すべてにおいてシワの入っていない場合を◎、100個の半球状シリコーン封止樹脂にのみ全くシワの入っていない場合を〇、シワが形成された封止樹脂が1個以上10個未満である場合を△、シワが形成された封止樹脂が10個以上である場合を×とした。
(シリコーン樹脂との離型性)
成型体側に離型フィルムの残渣が残っておらず、フィルムと成型体が完全に剥がれた状態で型開きした場合を〇と判断した。成型体側に離型フィルムがはりついた状態で型開きする、又は、離型フィルムの残渣が多く残った場合を×と判断した。
(金型との離型性)
型開き後、金型からフィルムを引きはがす際、フィルムが金型に付着して取れない場合を×、フィルムが軽く剥がれた場合を〇と判断した。
<LEDオーバーモールド部品の製造に関する実施例>
直径2mmの凹状半球キャビティを100個有する下部金型を準備し、120℃の温度に加熱した。この上に、上記のとおり作製した離型フィルム(実施例1)をセットし、真空引きにて下部金型に仮固定し、さらに周縁部を金属板で固定した。離型フィルムは熱によって収縮した。次に、100個のLEDチップをワイヤーボンド実装したメタルベース基板(基板サイズ:100mm×100mm)を上部金型に下向きにセットした後、各キャビティ中心部にLEDチップが配置されるよう上下金型の位置をあわせた。次に、液状のシリコーン樹脂(東レ・ダウ製OE−6636)をキャビティに流し込んだ後、前記上下金型を閉じあわせ、130℃×5分の加熱条件のもと、3.0MPaの圧力で型締めし圧縮成型を行った。型開きの後、成型体を取出し、150℃オーブンにて3時間追加で加熱を行って、成型体を完成させた。
100回にわたってこの製造を繰り返し、100枚の基板に対して合計10000個の半球レンズを成型したが、樹脂レンズ部分に全くシワは入らなかった。
<LED用熱硬化リフレクター成型テスト>
縦5mm、横5mmサイズのリフレクター形状凹状キャビティを100個有する上金型を準備し、120℃の温度に加熱した。この上に、離型フィルムをセットし、真空引きにて金型に仮固定し、さらに周縁部を金属板で固定した。離型フィルムは熱によって収縮した。次に、リードフレームを金型にセットした。
液状のシリコーン樹脂(東レ・ダウ製OE−6636)に酸化チタン粒子を10質量%混合した樹脂を注入し、前記上下金型を閉じあわせ、130℃×5分の加熱条件のもと、トランスファー成型を行った。型開きの後、成型体を取出し、150℃オーブンにて3時間追加で加熱を行って、成型体を完成させた。
100回にわたってこの製造を繰り返し、100枚の基板に対して合計10000個のリフレクター部品を成型した。全てのリフレクター部品に全くシワの入っていない状態を〇、シワが形成された樹脂が1個以上ある場合を×と判断した。
<フレキシブルプリント基板離型テスト>
当該離型フィルムを用い、ゴムクッション/離型フィルム/FPC/離型フィルム/ゴムクッション/熱盤の順となるようなプレス構成にて、プレスラミネート機によりプレスした。プレスにあたっては、熱盤温度を120℃まで昇温させ、10MPaの加圧条件下で、3分間加圧した。その後、プレスサンプルについて以下の項目と基準で評価を行なった。なお、下記評価は、社団法人日本電子回路工業会(以下、JPCAと略す)のJPCA規格(デザインガイドマニュアル 片面及び両面フレキシブルプリント配線版 JPCA−DG02)に準拠し、以下のような項目と基準で行なった。
(評価項目)
離型性:離型フィルムのFPCからの離型性を評価した。具体的には、「JPCA規格 7.5.7.1項表面の付着物」に準拠し、CLプレスラミネート後の離型フィルムのFPCからの剥離状態を目視にて評価した。評価サンプル数を各n=100として評価を行い、FPC表面に樹脂残りが発生したものの数が評価サンプル数の5%未満のものを合格とした。
◎:破れ発生率 3%未満
○:破れ発生率 3%以上5%未満
×:破れ発生率 5%以上
[実施例1〜18]
下記に示す樹脂を用いて、コア層及びその両側に形成されたスキン層から構成される基材層と、離型層とから構成される離型フィルム(スキン層/コア層/スキン層/離型層)を作製した。
<使用した樹脂>
LL1:エチレン−α−オレフィンランダム共重合体(ダウ・ケミカル日本株式会社製 dowlex2032、マルチサイト触媒にて重合されたもの、α−オレフィン:1−オクテン、メルトフローレート(230℃、2.16kg、以下同様):2.0g/10min、密度:0.926g/cm
LL2:エチレン−α−オレフィンランダム共重合体(宇部丸善ポリエチレン株式会社製 ユメリット1520F、メルトフローレート=2.0g/10min、密度=0.915g/cm
LL3:エチレン−α−オレフィンランダム共重合体(プライムポリマー株式会社製 モアテック0278G、メルトフローレート=2.1g/10min、密度=0.939g/cm
LL4:エチレン−α−オレフィンランダム共重合体(ダウ・ケミカル日本株式会社製 アテイン4203、メルトフローレート=0.8g/10min、密度=0.905g/cm
LD1:高圧法低密度ポリエチレン(旭化成ケミカルズ株式会社製 サンテックLD M2004、メルトフローレート=0.4g/10min、密度=0.921g/cm
LD2:高圧法低密度ポリエチレン(旭化成ケミカルズ株式会社製 サンテックLD M2102、メルトフローレート=0.2g/10min、密度=0.921g/cm
LD3:高圧法低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン株式会社製 UBEポリエチレン B028、メルトフローレート=0.4g/10min、密度=0.927g/cm
HD1:高密度ポリエチレン(旭化成ケミカルズ株式会社製 クレオレックスQT6015、メルトフローレート=1.0g/10min、密度=0.958g/cm
HD2:高密度ポリエチレン(旭化成ケミカルズ株式会社製 サンテックHD S3600、メルトフローレート=1.0g/10min、密度=0.954g/cm
HD3:高密度ポリエチレン(旭化成ケミカルズ株式会社製 サンテックHD J240、メルトフローレート=5.5g/10min、密度=0.966g/cm
HD4:高密度ポリエチレン(旭化成ケミカルズ株式会社製 サンテックHD S160S、メルトフローレート=0.8g/10min、密度=0.962g/cm
TPO:リアクターTPO(プライムポリマー株式会社製 プライムTPO E−2900H、メルトフローレート=2.5g/10min)
EBC:エチレン−1−ブテン共重合体(三井化学株式会社製 タフマーA4085S、メルトフローレート=3.6g/10min、密度=0.88g/cm
コート剤1:フッ素系コーティング剤 エスエフコート SR−4000A(AGCセイミケミカル株式会社製)
コート剤2:フッ素系界面活性剤 ノベック FC−740(住友スリーエム株式会社製)
コート剤3:トップノッチコート(シランカップリング剤を含有するオルガノシロキサン) TN−1000(株式会社ジェイエスピー製)
コート剤4:パーフルオロポリエーテル系コート剤
コート剤5:フッ素系コーティング剤 RBX−HC1(株式会社ネオス製)
コート剤6:シリコーンコーティング剤 KP−86(信越化学工業株式会社製)
コート剤7:構造式CH=C(CH)−COO(CH−C13で表され
るメタクリレート由来の構成単位を有する化合物
コート剤8:フッ素系コーティング剤 エスエフコート UT−B200A(AGCセイミケミカル株式会社製)
コート剤9:フッ素系コーティング剤 エスエフコート UT−DPN72A(AGCセイミケミカル株式会社製)
コート剤10:フッ素系コーティング剤 オブリガード PS305R(AGCコーテック株式会社製)
コート剤11:フッ素系コーティング剤 オブリガード PS308R(AGCコーテック株式会社製)
PMPフィルム:オピュラン X−44B(厚み 25μm)(三井化学東セロ株式会社製)
各樹脂を、表1,2に示す組み合わせ及び混合比率(質量比)で用い、2台の押出機を使用して2種3層の環状ダイスよりスキン(15%)/コア(70%)/スキン(15%)の層配置(括弧内は層厚の割合)で、チューブ状に溶融押出し、水冷リングを用いて急冷し、チューブ状の延伸用原反を得た。得られた延伸用原反に、2000kVの加速電圧で加速した電子線を、表1,2に示した照射線量にて照射して架橋処理を行った。引き続き、インフラヒーターにより輻射加熱しながら、延伸用原反を2組のニップロール間を通過させ、2組のニップロールの速度比によって延伸用原反内にエアーを注入することにより延伸用原反を延伸し、延伸により形成されたフィルムをエアーリングによりバブルに冷風をあてることで冷却した。その後、フィルムを折りたたんで、スキン層/コア層(内層)/スキン層から構成される基材層を得た。それぞれの層を形成する樹脂の混合比率、基材層の合計厚み、照射線量を表1,2に記載した。その後、後工程として、表1,2に示すコート剤にて塗工を行って離型層を形成して離型フィルムを得た。得られた離型フィルム、及び、その離型フィルムを用いて成型した成型体の評価結果を表1,2に示す。
Figure 2015037426
Figure 2015037426
[比較例1]
未架橋のエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)のフィルム(旭硝子株式会社製、LM−50)を単層の基材層として用いて、実施例と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。
[比較例2]
未架橋の4−メチル−1−ペンテンのフィルム(三井化学東セロ株式会社製、X44B)を単層の基材層として用いて、実施例と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。
[比較例3]
単層の基材層としての未延伸のポリエチレンフィルムにフッ素コートを行い、実施例と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。
[比較例4]
未延伸のポリプロピレンフィルム(CPPフィルム)を単層の基材層として用いて、実施例と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。
Figure 2015037426
表1,2の結果から、実施例1〜18で得られた離型フィルムは、適度な熱収縮性を有しており、成型の際に金型に正確に追随することで、良好な形のシリコーンパッケージを得ることができることが確認された。一方、表3の結果から、比較例1〜4で得られた離型フィルムでは、成型の際に適度な伸びが得られず、シワが入ったパッケージとなることが確認された。
本発明に係る離型フィルムによれば、熱成型工程の際、優れた耐熱性、柔軟性、離型性を発揮できる。そのため、特に電子部品のICチップやLED等の半導体の封止工程、多層プリント配線板製造の際の成型加工工程、積層熱プレス工程、更には、プリント配線版製造時のカバーレイ貼付工程等の電子部品の熱加工において有用である。また、リードフレームへの樹脂の成型加工においても有用である。

Claims (11)

  1. 120℃におけるMD方向及びTD方向それぞれの熱収縮率が5%以上である、離型フィルム。
  2. 110℃におけるMD方向及びTD方向それぞれの熱収縮率が2%以上である、請求項1に記載の離型フィルム。
  3. 離型層、及び、基材層を備え、
    前記基材層は、ポリオレフィン樹脂を含み、
    DSCで測定した前記基材層の融点が128〜210℃である、請求項1又は2に記載の離型フィルム。
  4. 前記基材層の前記ポリオレフィン樹脂が架橋されており、
    当該離型フィルムの120℃におけるMD方向及びTD方向それぞれの応力−ひずみ曲線において、降伏点がなく、且つ、50%伸び荷重Aに対する100%伸び荷重Bの比B/Aが1.5以上であり、
    120℃におけるMD方向及びTD方向それぞれの熱収縮力が、0.40N/cm以下である、請求項3に記載の離型フィルム。
  5. 前記離型層がフッ素系化合物を含む、請求項3又は4に記載の離型フィルム。
  6. 前記基材層の前記ポリオレフィン樹脂が電離性放射線により架橋されている、請求項3〜5のいずれか一項に記載の離型フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の離型フィルムを金型上に固定する工程と、
    前記金型上で前記離型フィルムを収縮させて前記離型フィルムのシワを取る工程と、
    前記金型に樹脂を供給し、前記樹脂を成型する成型工程と、
    前記離型フィルムを剥がす工程と、を含む、成型体の製造方法。
  8. 半導体チップを実装した基板を前記金型内に配置する工程を更に含み、
    前記成型工程において、前記半導体チップを樹脂で封止する、請求項7に記載の成型体の製造方法。
  9. リードフレームを前記金型内に配置する工程を更に含み、
    前記成型工程において、前記リードフレームに前記樹脂を成型する、請求項7に記載の成型体の製造方法。
  10. 請求項8に記載の成型体の製造方法によって製造された、半導体部品。
  11. 請求項9に記載の成型体の製造方法によって製造された、リフレクター部品。
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