JPWO2015030004A1 - 硬化膜形成組成物、配向材および位相差材 - Google Patents

硬化膜形成組成物、配向材および位相差材 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2015030004A1
JPWO2015030004A1 JP2015534237A JP2015534237A JPWO2015030004A1 JP WO2015030004 A1 JPWO2015030004 A1 JP WO2015030004A1 JP 2015534237 A JP2015534237 A JP 2015534237A JP 2015534237 A JP2015534237 A JP 2015534237A JP WO2015030004 A1 JPWO2015030004 A1 JP WO2015030004A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
fluorine
cured film
alkyl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015534237A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6460340B2 (ja
Inventor
真 畑中
真 畑中
大村 浩之
浩之 大村
耕平 後藤
耕平 後藤
裕太 菅野
裕太 菅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Chemical Corp filed Critical Nissan Chemical Corp
Publication of JPWO2015030004A1 publication Critical patent/JPWO2015030004A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6460340B2 publication Critical patent/JP6460340B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/30Polarising elements
    • G02B5/3016Polarising elements involving passive liquid crystal elements

Abstract

【要旨】【課題】優れた垂直配向性を備え、樹脂フィルム上でも高感度で重合性液晶を垂直に配向させることができる配向材と、そのような配向材を用いる位相差材を提供するための硬化膜形成組成物を提供すること。【解決手段】(A)エポキシ基を側鎖または末端に1個以上有するポリマーのエポキシ基に対して、カルボキシル基及び垂直配向性基を有する化合物のカルボキシル基を反応させたポリマー、並びに(B)架橋剤及び(C)酸触媒からなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有することを特徴とする硬化膜形成組成物、当該組成物を用いて得られることを特徴とする配向材、当該組成物を用いて得られることを特徴とする位相差材。【選択図】なし

Description

本発明は液晶分子を垂直に配向させる垂直配向材に適する硬化膜形成組成物に関する。特に本発明は、液晶表示装置(liquid crystal display;LCD)、具体的には正の誘電異方性を有する液晶(△ε>0)が充填されたIPS液晶表示装置(In−plane Switching LCD;面内配向スイッチングLCD)の視野角特性を改善するために使用される、+Cプレート(ポジティブCプレート)を作成するのに有用な硬化膜形成組成物、配向材および位相差材に関する。
IPS−LCDは、液晶分子の垂直方向の傾きが発生しないため、視野角による輝度変化/色変化が少ないのが特徴であるが、コントラスト比と輝度、応答速度を高くしにくい点が弱点として挙げられる。例えば特許文献1に開示されるように、提案初期のIPS−LCDでは、視野角の補償フィルムが使用されておらず、こうした視野角の補償フィルムを使用していないIPS−LCDでは、傾斜角の暗状態における相対的に大きな光漏れのため、低いコントラスト比の値を示すという短所がある。
特許文献2には、+Cプレートと+Aプレート(ポジティブAプレート)を使用したIPS−LCD補償フィルムが開示されている。本文献には、そこに記載の液晶表示素子について、以下の構成が示されている。
1)液晶層面に平行な電場が印加できる電極により供給される両基板の間に水平配向を有する液晶層が挟まれている。
2)一枚以上の+Aプレートと+Cプレートが両偏光板に挟まれている。
3)+Aプレートの主光軸は、液晶層の主光軸に垂直である。
4)液晶層の位相差値RLC、+Cプレートの位相差値R+C、+Aプレートの位相差値R+Aは、次式を満たすように決められる。
LC:R+C:R+A≒1:0.5:0.25
5)+Aプレートと+Cプレートの位相差値に対し偏光板の保護フィルムの厚み方向の位相差値の関係は示されていない(TAC、COP、PNB)。
また、傾斜角での暗状態の光漏れを最小化することにより正面及び傾斜角での高いコントラスト特性、低い色ずれ(Color Shift)を有するIPS−LCDを提供することを目的とした、+Aプレートと+Cプレートを有するIPS−LCDが開示されている(特許文献3)。
特開平2−256023号公報 特開平11−133408号公報 特開2009−122715号公報 特開2001−281669号公報
従来提案されているように、+Cプレートは偏光板の視野角が大きいところでの光漏れを補償することが出来るため、IPS−LCDの光学補償フィルムとして非常に有用である。しかし、従来一般的に知られている延伸処理による方法では、垂直配向(ポジティブCプレート)性を発現させることは難しい。
また、従来提案されているポリイミドを用いた垂直配向膜は、膜作成にあたりN−メチル−2−ピロリドン等のポリイミドの溶剤を使用する必要がある。このためガラス基材では問題にならないが、基材がフィルムの場合、配向膜形成時に基材にダメージを与えてしまうという問題がある。その上、ポリイミドを用いた垂直配向膜では、高温での焼成が必要となり、フィルム基材が高温に耐えられないという問題がある。
さらに、長鎖アルキルを有するシランカップリング剤等で基材を直接処理することにより、垂直配向膜を形成する方法も提案されているが、基材表面にヒドロキシ基が存在していない場合には処理が難しく、基材が制限されるという問題がある(特許文献4)。
本発明は、以上の知見や検討結果に基づいてなされたものであり、その解決しようとする課題は、優れた垂直配向性を有するとともに、光学補償フィルムに求められる透明性や溶剤耐性を備え、樹脂フィルム上でも低温短時間の焼成条件で安定して重合性液晶を垂直に配向させることができる配向材を提供するための硬化膜形成組成物を提供することである。
そして、本発明の別の目的は、上記硬化膜形成組成物から得られ、優れた垂直配向性を備え、樹脂フィルム上でも低温短時間の焼成条件で安定して重合性液晶を垂直に配向させることができる配向材とその配向材を用いて形成された+Cプレートに有用な位相差材を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成するため、鋭意検討を重ねた結果、側鎖に長鎖アルキル基を有するアクリル共重合体をベースとする硬化膜形成材料を選択することにより、基材の種類を問わずに優れた垂直配向性を有する硬化膜を形成できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は第1観点として、
(A)エポキシ基を側鎖または末端に1個以上有するポリマーのエポキシ基に対して、カルボキシル基及び垂直配向性基を有する化合物のカルボキシル基を反応させたポリマー、並びに
(B)架橋剤及び(C)酸触媒からなる群から選択される少なくとも一種の化合物
を含有する硬化膜形成組成物であって、
前記垂直配向性基は下記式(1)で表される基であることを特徴とする、硬化膜形成組成物に関する。
Figure 2015030004
(式[1]中、
は単結合を表し、
は単結合または炭素原子数1〜15のアルキレン基を表すか、ベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基を表し、前記環状基上の任意の水素原子が、炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜3のアルコキシル基、炭素原子数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素原子数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよく、
は単結合または炭素原子数1〜15のアルキレン基を表し、
は単結合を表すか、ベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基、または炭素原子数17〜30であってステロイド骨格を有する2価の有機基を表し、前記環状基上の任意の水素原子が、炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜3のアルコキシル基、炭素原子数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素原子数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよく、
はベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基を表し、これらの環状基上の任意の水素原子が、炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜3のアルコキシル基、炭素原子数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素原子数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよく、
nは0〜4の整数を表し、nが2以上の場合、Y同士は同一でも異なっていてもよく、
は水素原子、炭素原子数1〜18アルキル基、炭素原子数1〜18のフッ素含有アルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシル基または炭素原子数1〜18のフッ素含有アルコキシル基を表し、
及びYとしてのアルキレン基、並びに、環状基上の置換基又はYとしてのアルキル基、フッ素含有アルキル基、アルコキシル基及びフッ素含有アルコキシ基は、直鎖状、枝分かれ状、又は環状の何れか又はそれらの組み合わせであってもよく、
またY及びYとしてのアルキレン基、並びに、Yとしてのアルキル基、フッ素含有アルキル基、アルコキシル基及びフッ素含有アルコキシ基は、結合基同士が隣り合わない限り1ないし3の結合基で中断されていてもよく、
さらにY、Y又はYが2価の環状基を表すか、Yがステロイド骨格を有する2価の有機基を表すか、Y又はYがアルキレン基を表すか、或いはYがアルキル基又はフッ素含有アルキル基を表すとき、該2価の環状基、該ステロイド骨格を有する2価の有機基、該アルキレン基、該アルキル基及び該フッ素含有アルキル基は、それらに隣接する基と結合基を介して結合していてもよく、
そして上記結合基は、−O−、−CHO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、−NH−CO−O−、−O−CO−NH−からなる群から選ばれる基を表し、
但し、Y乃至Yがそれぞれ表すところの炭素原子数1〜15のアルキレン基、ベンゼン環、シクロヘキサン環、複素環、ステロイド骨格を有する2価の有機基、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜18のフッ素含有アルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシル基及び炭素原子数1〜18のフッ素含有アルコキシル基の炭素原子数の合計は6〜30である)。
第2観点として、前記エポキシ基を側鎖または末端に1個以上有するポリマーが、主鎖に環構造を有する数平均分子量300乃至20,000のポリマーである、第1観点に記載の硬化膜形成組成物に関する。
第3観点として、前記エポキシ基を側鎖または末端に1個以上有するポリマーが、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂及びポリオールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物からなる群から選択されるいずれか一種のポリマーである、第1観点又は第2観点に記載の硬化膜形成組成物に関する。
第4観点として、(B)成分の架橋剤がメチロール基またはアルコキシメチル基を有する架橋剤である、第1観点乃至第3観点のうち何れか一項に記載の硬化膜形成組成物に関する。
第5観点として、(A)成分100質量部に基づいて、1質量部〜100質量部の(B)成分を含有する第1観点乃至第4観点のうち何れか一項に記載の硬化膜形成組成物に関する。
第6観点として、(A)成分100質量部に基づいて、0.01質量部〜20質量部の(C)成分を含有する第1観点乃至第5観点のうち何れか一項に記載の硬化膜形成組成物に関する。
第7観点として、第1観点乃至第6観点のうち何れか一項に記載の硬化膜形成組成物を硬化させて得られることを特徴とする配向材に関する。
第8観点として、第1観点乃至第6観点のうち何れか一項に記載の硬化膜形成組成物から得られる硬化膜を使用して形成されることを特徴とする位相差材に関する。
本発明の第1の態様によれば、優れた垂直配向性を備え、樹脂フィルム上でも低温短時間の焼成条件で安定して重合性液晶を垂直配向させることができる配向材を提供するために有用な硬化膜形成組成物を提供することができる。
本発明の第2の態様によれば、優れた垂直配向性を備え、低温短時間の焼成条件で安定して重合性液晶を垂直配向させることができる配向材を提供することができる。
本発明の第3の態様によれば、樹脂フィルム上でも高い効率で形成でき、高透明で高い溶剤耐性を有する位相差材を提供することができる。
<硬化膜形成組成物>
本発明の硬化膜形成組成物は、(A)成分であるエポキシ基を側鎖または末端に1個以上有するポリマーのエポキシ基に対して、カルボキシル基及び垂直配向性基を有する化合物のカルボキシル基を反応させたポリマーと、(B)成分である架橋剤及び(C)成分である酸触媒からなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有する。本発明の硬化膜形成組成物は、上記(A)成分、(B)成分、(C)成分に加えて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、その他の添加剤を含有することができる。
以下、各成分の詳細を説明する。
<(A)成分>
本発明の硬化膜形成組成物に含有される(A)成分は、エポキシ基を側鎖または末端に1個以上有するポリマーのエポキシ基に対して、カルボキシル基及び垂直配向性基を有する化合物のカルボキシル基を反応させたポリマーである。なお、以下明細書において、(A)成分のポリマーを“垂直配向ポリマー”とも称する。
エポキシ基を側鎖または末端に1個以上有するポリマーは、エポキシ基を有する付加重合性モノマーを用いた付加重合により製造することができる。或いは、エポキシ基を側鎖または末端に1個以上有するポリマーは、ヒドロキシ酸基を有する高分子化合物とエピクロルヒドリン、グリシジルトシレート等のエポキシ基を有する化合物との反応により製造することができる。
エポキシ基を側鎖または末端に1個以上有するポリマーの具体例として、例えば、ポリグリシジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート共重合体、ポリ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート共重合体。ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、トリメチロールプロパンの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物等が挙げられる。
これらエポキシ基を側鎖または末端に1個以上有するポリマーの中でも、主鎖に環構造を有するポリマーが好ましく、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ポリオールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物等が液晶の塗布性が向上する点から好ましい。
これらエポキシ基を側鎖または末端に1個以上有するポリマーの分子量としてはポリスチレン換算数平均分子量(以下、数平均分子量と称す。)が300乃至20,000であることが好ましい。好ましくは400乃至10,000、より好ましくは、500乃至8,000のものである。
上記エポキシ基を側鎖または末端に1個以上有するポリマーは市販品を好適に使用可能であり、具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、jER1001、同1002、同1003、同1004、同1055、同1007、同1009、同1010、同834、同828(以上、三菱化学(株)製)等を、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、jER806、同807(以上、三菱化学(株)製)等を、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、jER152、同154(以上、三菱化学(株)製)、EPPN201、同202(以上、日本化薬(株)製)等を、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、ECN−1299(旭化成(株)製)、EOCN−102、EOCN−103S、EOCN−104S、EOCN−1020、EOCN−1025、EOCN−1027(以上、日本化薬(株)製)、jER80S75(三菱化学(株)製)等を、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂としては、jER157S70(三菱化学(株)製)等を、ポリオールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物としてはEHPE−3150((株)ダイセル製)等を挙げることができる。
本明細書において、垂直配向性基とは、例えば炭素原子数が6〜20程度の炭化水素基を含む基を表し、具体的には後述する式[1]で表される基を指す。
従って、カルボキシル基及び垂直配向性基を有する化合物として、例えばカルボキシル基と炭素原子数6〜20程度の炭化水素基を有する化合物が挙げられる。
炭素原子数6〜20の炭化水素基としては、直鎖状、枝分かれ状又は環状の炭素原子数6〜20のアルキル基または芳香族基を含む炭素原子数6〜20の炭化水素基が挙げられる。
垂直配向性基は、より具体的には、下記式[1]で表される基である。
Figure 2015030004
式[1]中、Yは単結合を表す。
式[1]中、Yは単結合または炭素原子数1〜15のアルキレン基を表す。
またYとして、ベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基が挙げられ、これら環状基上の任意の水素原子は、炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜3のアルコキシル基、炭素原子数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素原子数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよい
上記複素環としてはピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、ピラゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、プリン環、チアジアゾール環、ピリダジン環、ピラゾリン環、トリアジン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、シンノリン環、フェナントロリン環、インドール環、キノキサリン環、ベンゾチアゾール環、フェノチアジン環、オキサジアゾール環、アクリジン環等が挙げられ、より好ましいのは、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラゾリン環、カルバゾール環、ピリダジン環、ピラゾリン環、トリアジン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環である。
上記置換基として挙げたアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基が挙げられ、上記アルコキシル基としては、前記アルキル基の具体例として挙げた基に酸素原子−O−が結合した基を挙げることができる。また上記フッ素含有アルキル基、フッ素含有アルコキシル基としては、前記アルキル基及びアルコキシル基のうち任意の水素原子がフッ素原子で置換された基を挙げることができる。
これらのなかでも、合成の容易さの点から、Yはベンゼン環またはシクロへキサン環であることが好ましい。
上記式[1]中、Yは単結合または炭素原子数1〜15のアルキレン基を表す。
上記式[1]中、Yは単結合を表すか、ベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基を表し、これら環状基上の任意の水素原子が、炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜3のアルコキシル基、炭素原子数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素原子数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよい。
上記複素環並びに置換基として挙げたアルキル基等は、前述のYで挙げたものとすることができる。
さらに、Yとして、炭素原子数17〜30であってステロイド骨格を有する有機基から選ばれる2価の有機基であってもよい。その好ましい例は、コレステリル、アンドロステリル、β−コレステリル、エピアンドロステリル、エリゴステリル、エストリル、11α−ヒドロキシメチルステリル、11α−プロゲステリル、ラノステリル、メラトラニル、メチルテストロステリル、ノレチステリル、プレグネノニル、β−シトステリル、スチグマステリル、テストステリル、および酢酸コレステロ−ルエステル等から選ばれる構造から水素原子を2個取り去った構造を有する2価の基である。より具体的には、例えば下記の通りである。
Figure 2015030004
(式中、*は結合位置を表す。)
これらのなかでも、合成の容易さの点から、Yはベンゼン環、シクロへキサン環または炭素原子数17〜30であってステロイド骨格を有する2価の有機基であることが好ましい。
式[1]中、Yはベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基を表し、これらの環状基上の任意の水素原子が、炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜3のアルコキシル基、炭素原子数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素原子数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよい。上記複素環並びに置換基として挙げたアルキル基等は、前述のYで挙げたものとすることができる。
これらのなかでも、Yはベンゼン環またはシクロへキサン環であることが好ましい。
また式[1]中、nは0〜4の整数を表し、nが2以上の場合、Y同士は同一の基であっても異なる基であってもよい。なかでも、原料の入手性や合成の容易さの点から、nは0〜3が好ましい。より好ましいのは、0〜2である。
式[1]中、Yは水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜18のフッ素含有アルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシル基または炭素原子数1〜18のフッ素含有アルコキシル基を表す。
なかでも、Yは炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜10のフッ素含有アルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシル基または炭素原子数1〜10のフッ素含有アルコキシル基であることが好ましい。より好ましくは、Yは炭素原子数1〜12のアルキル基または炭素原子数1〜12のアルコキシル基である。特に好ましくは、Yは炭素原子数1〜9のアルキル基または炭素原子数1〜9のアルコキシル基である。
なお、Yがステロイド骨格を有する2価の有機基である場合は、Yは水素原子が好ましい。
上記式[1]中の定義において挙げたアルキレン基、アルキル基、フッ素含有アルキル基、アルコキシル基又はフッ素含有アルコキシ基は、直鎖状、枝分かれ状、又は環状の何れか又はそれらの組み合わせであってもよい。
例えば上記アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチル−n−ブチル基、2−メチル−n−ブチル基、3−メチル−n−ブチル基、1,1−ジメチル−n−プロピル基、1,2−ジメチル−n−プロピル基、2,2−ジメチル−n−プロピル基、1−エチル−n−プロピル基、n−ヘキシル基、1−メチル−n−ペンチル基、2−メチル−n−ペンチル基、3−メチル−n−ペンチル基、4−メチル−n−ペンチル基、1,1−ジメチル−n−ブチル基、1,2−ジメチル−n−ブチル基、1,3−ジメチル−n−ブチル基、2,2−ジメチル−n−ブチル基、2,3−ジメチル−n−ブチル基、3,3−ジメチル−n−ブチル基、1−エチル−n−ブチル基、2−エチル−n−ブチル基、1,1,2−トリメチル−n−プロピル基、1,2,2−トリメチル−n−プロピル基、1−エチル−1−メチル−n−プロピル基、1−エチル−2−メチル−n−プロピル基、n−ヘプチル基、1−メチル−n−ヘキシル基、2−メチル−n−ヘキシル基、3−メチル−n−ヘキシル基、1,1−ジメチル−n−ペンチル基、1,2−ジメチル−n−ペンチル基、1,3−ジメチル−n−ペンチル基、2,2−ジメチル−n−ペンチル基、2,3−ジメチル−n−ペンチル基、3,3−ジメチル−n−ペンチル基、1−エチル−n−ペンチル基、2−エチル−n−ペンチル基、3−エチル−n−ペンチル基、1−メチル−1−エチル−n−ブチル基、1−メチル−2−エチル−n−ブチル基、1−エチル−2−メチル−n−ブチル基、2−メチル−2−エチル−n−ブチル基、2−エチル−3−メチル−n−ブチル基、n−オクチル基、1−メチル−n−ヘプチル基、2−メチル−n−ヘプチル基、3−メチル−n−ヘプチル基、1,1−ジメチル−n−ヘキシル基、1,2−ジメチル−n−ヘキシル基、1,3−ジメチル−n−ヘキシル基、2,2−ジメチル−n−ヘキシル基、2,3−ジメチル−n−ヘキシル基、3,3−ジメチル−n−ヘキシル基、1−エチル−n−ヘキシル基、2−エチル−n−ヘキシル基、3−エチル−n−ヘキシル基、1−メチル−1−エチル−n−ペンチル基、1−メチル−2−エチル−n−ペンチル基、1−メチル−3−エチル−n−ペンチル基、2−メチル−2−エチル−n−ペンチル基、2−メチル−3−エチル−n−ペンチル基、3−メチル−3−エチル−n−ペンチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基等が挙げられる。
上記アルキレン基としては、前記アルキル基から任意の水素原子を1個除去した二価の基を挙げることができる。
上記アルコキシル基としては、前記アルキル基の具体例として挙げた基に酸素原子−O−が結合した基を挙げることができる。
また上記フッ素含有アルキル基、フッ素含有アルコキシル基としては、前記アルキル基及びアルコキシル基のうち任意の水素原子がフッ素原子で置換された基を挙げることができる。
上記Y及びYとしてのアルキレン基、並びに、環状基上の置換基又はYとしてのアルキル基、フッ素含有アルキル基、アルコキシル基及びフッ素含有アルコキシ基は、直鎖状、枝分かれ状、又は環状の何れか又はそれらの組み合わせであってもよい。
また、Y及びYとしてのアルキレン基、並びに、Yとしてのアルキル基、フッ素含有アルキル基、アルコキシル基及びフッ素含有アルコキシ基は、結合基同士が隣り合わない限り1ないし3の結合基で中断されていてもよい。
さらに、Y、Y又はYが2価の環状基を表すか、Yがステロイド骨格を有する2価の有機基を表すか、Y又はYがアルキレン基を表すか、或いはYがアルキル基又はフッ素含有アルキル基を表すとき、該2価の環状基、該ステロイド骨格を有する2価の有機基、該−CH−CH(OH)−CH−、該アルキレン基、該アルキル基及び該フッ素含有アルキル基は、それらに隣接する基と結合基を介して結合していてもよい。
また上記結合基は、−O−、−CHO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、−NH−CO−O−、−O−CO−NH−及び−NH−CO−NH−からなる群から選ばれる基を表す。
なお、Y乃至Yがそれぞれ表すところの炭素原子数1〜15のアルキレン基、ベンゼン環、シクロヘキサン環、複素環、ステロイド骨格を有する2価の有機基、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜18のフッ素含有アルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシル基及び炭素原子数1〜18のフッ素含有アルコキシル基の炭素原子数の合計は6〜30であり、例えば6〜20である。
これらのうち、垂直配向性と重合性液晶の塗布性を考慮すると、垂直配向性基は、炭素原子数7〜18、特に8〜15のアルキル基を含む基であることが好ましい。
好ましくは、カルボキシル基及び垂直配向性基を有する化合物とは、カルボキシル基が上記垂直配向性基に結合した化合物である。
本発明における(A)成分の垂直配向ポリマーは、前述のエポキシ基を側鎖または末端に1個以上有するポリマーのエポキシ基に対して、カルボキシル基及び垂直配向性基を有する化合物のカルボキシル基を反応させたポリマーである。当該エポキシ基とカルボキシル基が反応することにより、−CH−CH(OH)−CH−という結合が生じることとなる。
上記垂直配向ポリマーを得るための、エポキシ基を側鎖または末端に1個以上有するポリマーと、カルボキシル基及び垂直配向性基を有する化合物の使用量は、エポキシ基を側鎖または末端に1個以上有するポリマーのエポキシ1当量に対して、カルボキシル基及び垂直配向性基を有する化合物のカルボキシル基が5〜60当量となるように使用することが好ましい。
エポキシ基を側鎖または末端に1個以上有するポリマーのエポキシ1当量に対して、カルボキシル基及び垂直配向性基を有する化合物のカルボキシル基が5当量未満の場合、得られた垂直配向ポリマーにおいて所望の垂直配向性が十分に得られない場合がある。またカルボキシル基及び垂直配向性基を有する化合物のカルボキシル基が60当量を超えると、該垂直配向ポリマーを用いて硬化膜(配向材)を形成し、その上に重合性液晶溶液等を塗布しようする際に液晶の塗布性が低下する(液晶のハジキが発生する)虞がある。
また、垂直配向性基を含有せず、カルボキシル基を有する化合物を、カルボキシル基及び垂直配向性基を有する化合物を反応させたエポキシ基を側鎖または末端に1個以上有するポリマーの、エポキシ残基に反応させてもよい。その場合、エポキシ基を側鎖または末端に1個以上有するポリマーのエポキシ1当量に対するカルボキシル基の量は、カルボキシル基及び垂直配向性基を有する化合物のカルボキシル基と、垂直配向性基を含有せずカルボキシル基を有する化合物のカルボキシル基の合計量で、5〜60当量とすることが好ましい。
本発明に用いる垂直配向ポリマーを得る手順は特に限定されないが、例えば、エポキシ基を側鎖または末端に1個以上有するポリマーとカルボキシル基及び垂直配向性基を有する化合物と、場合により垂直配向性基を含有せずカルボキシル基を有する化合物を、反応触媒等とを共存させた溶剤中において、50乃至150℃の温度下で反応させることにより得られる。その際、用いられる溶剤は、エポキシ基を側鎖または末端に1個以上有するポリマーとカルボキシル基及び垂直配向性基を有する化合物、及び重合開始剤等を溶解するものであれば特に限定されない。その具体例としては、後述する<溶剤>に挙げるものを好適に使用できる。反応触媒としては、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリプロピルアンモニウムクロリド、ベンジルトリプロピルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムブロミド等の四級アンモニウム塩;テトラフェニルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロミド、エチルトリフェニルホスホニウムクロリド、エチルトリフェニルホスホニウムブロミド等の4級ホスホンニウム塩などを挙げることができる。
前記方法により得られる垂直配向ポリマーは、通常、溶剤に溶解した溶液の状態である。後述するように、得られた垂直配向ポリマーの溶液をそのまま(A)成分(の溶液)として使用することができる。
また、上記方法で得られた垂直配向ポリマーの溶液を、撹拌下のジエチルエーテルや水等に投入して再沈殿させ、生成した沈殿物を濾過・洗浄した後に、常圧又は減圧下で、常温乾燥又は加熱乾燥し、垂直配向ポリマーの粉体とすることができる。前記操作により、垂直配向ポリマーと共存する反応触媒及び未反応の化合物を除去することができ、その結果、精製した垂直配向ポリマーの粉体が得られる。一度の操作で充分に精製できない場合は、得られた粉体を溶剤に再溶解させ、上記の操作を繰り返し行えばよい。
本発明においては、垂直配向ポリマーは粉体形態で、あるいは精製した粉末を後述する溶剤に再溶解した溶液形態で用いてもよい。
また、本発明においては、(A)成分の垂直配向ポリマーは、複数種の垂直配向ポリマーの混合物であってもよい。
<(B)成分>
本発明の硬化膜形成組成物における(B)成分は、架橋剤である。
(B)成分である架橋剤は、前記(A)成分の熱架橋可能な官能基と架橋を形成する基、例えばメチロール基またはアルコキシメチル基を有する架橋剤であることが好ましい。
これらの基を有する化合物としては、例えば、アルコキシメチル化グリコールウリル、アルコキシメチル化ベンゾグアナミンおよびアルコキシメチル化メラミン等のメチロール化合物が挙げられる。
アルコキシメチル化グリコールウリルの具体例としては、例えば、1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(ブトキシメチル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)グリコールウリル、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)尿素、1,1,3,3−テトラキス(ブトキシメチル)尿素、1,1,3,3−テトラキス(メトキシメチル)尿素、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリノン、および1,3−ビス(メトキシメチル)−4,5−ジメトキシ−2−イミダゾリノン等が挙げられる。市販品として、日本サイテック・インダストリーズ(株)(旧 三井サイテック(株))製グリコールウリル化合物(商品名:サイメル(登録商標)1170、パウダーリンク(登録商標)1174)等の化合物、メチル化尿素樹脂(商品名:UFR(登録商標)65)、ブチル化尿素樹脂(商品名:UFR(登録商標)300、U−VAN10S60、U−VAN10R、U−VAN11HV)、DIC(株)(旧 大日本インキ化学工業(株))製尿素/ホルムアルデヒド系樹脂(高縮合型、商品名:ベッカミン(登録商標)J−300S、同P−955、同N)等が挙げられる。
アルコキシメチル化ベンゾグアナミンの具体例としてはテトラメトキシメチルベンゾグアナミン等が挙げられる。市販品として、日本サイテック・インダストリーズ(株)(旧 三井サイテック(株))製(商品名:サイメル(登録商標)1123)、(株)三和ケミカル製(商品名:ニカラック(登録商標)BX−4000、同BX−37、同BL−60、同BX−55H)等が挙げられる。
アルコキシメチル化メラミンの具体例としては、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン等が挙げられる。市販品として、日本サイテック・インダストリーズ(株)(旧 三井サイテック(株))製メトキシメチルタイプメラミン化合物(商品名:サイメル(登録商標)300、同301、同303、同350)、ブトキシメチルタイプメラミン化合物(商品名:マイコート(登録商標)506、同508)、(株)三和ケミカル製メトキシメチルタイプメラミン化合物(商品名:ニカラック(登録商標)MW−30、同MW−22、同MW−11、同MS−001、同MX−002、同MX−730、同MX−750、同MX−035)、ブトキシメチルタイプメラミン化合物(商品名:ニカラック(登録商標)MX−45、同MX−410、同MX−302)等が挙げられる。
また、このようなアミノ基の水素原子がメチロール基またはアルコキシメチル基で置換されたメラミン化合物、尿素化合物、グリコールウリル化合物及びベンゾグアナミン化合物を縮合させて得られる化合物であってもよい。例えば、米国特許第6323310号に記載されているメラミン化合物およびベンゾグアナミン化合物から製造される高分子量の化合物が挙げられる。前記メラミン化合物の市販品としては、商品名:サイメル(登録商標)303等が挙げられ、前記ベンゾグアナミン化合物の市販品としては、商品名:サイメル(登録商標)1123(以上、日本サイテック・インダストリーズ(株)(旧 三井サイテック(株))製)等が挙げられる。
さらに、(B)成分の架橋剤として、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド等のヒドロキシメチル基(すなわちメチロール基)またはアルコキシメチル基で置換されたアクリルアミド化合物またはメタクリルアミド化合物を使用して製造されるポリマーも用いることができる。
そのようなポリマーとしては、例えば、ポリ(N−ブトキシメチルアクリルアミド)、N−ブトキシメチルアクリルアミドとスチレンとの共重合体、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミドとメチルメタクリレートとの共重合体、N−エトキシメチルメタクリルアミドとベンジルメタクリレートとの共重合体、及びN−ブトキシメチルアクリルアミドとベンジルメタクリレートと2−ヒドロキシプロピルメタクリレートとの共重合体等が挙げられる。このようなポリマーの重量平均分子量(ポリスチレン換算値)は、1,000〜500,000であり、好ましくは、2,000〜200,000であり、より好ましくは3,000〜150,000であり、更に好ましくは3,000〜50,000である。
これらの架橋剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の硬化膜形成組成物における(B)成分の架橋剤の含有量は、(A)成分である化合物100質量部に基づいて1質量部〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは5質量部〜80質量部である。架橋剤の含有量が過小である場合には、硬化膜形成組成物から得られる硬化膜の溶剤耐性が低下し、垂直配向性が低下する。他方、含有量が過大である場合には垂直配向性および保存安定性が低下することがある。
<(C)成分>
本発明の硬化膜形成組成物における(C)成分は酸触媒である。
(C)成分である酸触媒としては、例えば、酸または熱酸発生剤を好適に使用できる。この(C)成分は、本発明の硬化膜形成組成物の熱硬化反応を促進させることにおいて有効である。
(C)成分は、具体的には、上記酸としてスルホン酸基含有化合物、塩酸またはその塩が挙げられる。そして上記熱酸発生剤としては、加熱処理時に熱分解して酸を発生する化合物、すなわち温度80℃から250℃で熱分解して酸を発生する化合物であれば、特に限定されるものではない。
上記酸の具体例としては、例えば、塩酸またはその塩;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、オクタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、p−キシレン−2−スルホン酸、m−キシレン−2−スルホン酸、4−エチルベンゼンスルホン酸、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロ(2−エトキシエタン)スルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ノナフルオロブタン−1−スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸基含有化合物またはその水和物や塩等が挙げられる。
また熱により酸を発生する化合物としては、例えば、ビス(トシルオキシ)エタン、ビス(トシルオキシ)プロパン、ビス(トシルオキシ)ブタン、p−ニトロベンジルトシレート、o−ニトロベンジルトシレート、1,2,3−フェニレントリス(メチルスルホネート)、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩、p−トルエンスルホン酸モルホニウム塩、p−トルエンスルホン酸エチルエステル、p−トルエンスルホン酸プロピルエステル、p−トルエンスルホン酸ブチルエステル、p−トルエンスルホン酸イソブチルエステル、p−トルエンスルホン酸メチルエステル、p−トルエンスルホン酸フェネチルエステル、シアノメチルp−トルエンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエチルp−トルエンスルホネート、2−ヒドロキシブチルp−トルエンスルホネート、N−エチル−p−トルエンスルホンアミド、さらに下記式で表される化合物:
Figure 2015030004
Figure 2015030004
Figure 2015030004
Figure 2015030004
Figure 2015030004
Figure 2015030004
等が挙げられる。
本発明の硬化膜形成組成物における(C)成分の含有量は、(A)成分の化合物100質量部に対して、好ましくは0.01質量部〜20質量部、より好ましくは0.1質量部〜15質量部、更に好ましくは0.5質量部〜10質量部である。(C)成分の含有量を0.01質量部以上とすることで、充分な熱硬化性および溶剤耐性を付与することができる。しかし、20質量部より多い場合、組成物の保存安定性が低下する場合がある。
<溶剤>
本発明の硬化膜形成組成物は、主として溶剤に溶解した溶液状態で用いられる。その際に使用する溶剤は、(A)成分、(B)成分および/または(C)成分、並びに所望により添加し得る後述するその他添加剤を溶解できればよく、その種類および構造などは特に限定されるものでない。
溶剤の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ペンタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ブタノン、3−メチル−2−ペンタノン、2−ペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、シクロペンチルメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、およびN−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
本発明の硬化膜形成組成物を用い、樹脂フィルム上に硬化膜を形成して配向材を製造する場合は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、2−ヘプタノン、イソブチルメチルケトン、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が、樹脂フィルムが耐性を示す溶剤であるという点から好ましい。
これらの溶剤は、1種単独でまたは2種以上の組合せで使用することができる。
<その他添加剤>
さらに、本発明の硬化膜形成組成物は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて、密着向上剤、シランカップリング剤、界面活性剤、レオロジー調整剤、顔料、染料、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤等を含有することができる。
<硬化膜形成組成物の調製>
本発明の硬化膜形成組成物は、(A)成分の垂直配向ポリマーと、(B)成分の架橋剤および/又は(C)成分の酸触媒とを含有し、所望により更に本発明の効果を損なわない限りにおいてその他の添加剤を含有することができる組成物である。そして通常は、それらが溶剤に溶解した溶液の形態として用いられる。
本発明の硬化膜形成組成物の好ましい例は、以下のとおりである。
[1]:(A)成分100質量部に基づいて、1質量部〜100質量部の(B)成分を含有する硬化膜形成組成物。
[2]:(A)成分100質量部に基づいて、1質量部〜100質量部の(B)成分、溶剤を含有する硬化膜形成組成物。
[3]:(A)成分100質量部に基づいて、0.01質量部〜20質量部の(C)成分、溶剤を含有する硬化膜形成組成物。
[4]:(A)成分100質量部に基づいて、1質量部〜100質量部の(B)成分、0.01質量部〜20質量部の(C)成分、溶剤を含有する硬化膜形成組成物。
本発明の硬化膜形成組成物を溶液として用いる場合の配合割合、調製方法等を以下に詳述する。
本発明の硬化膜形成組成物における固形分の割合は、各成分が均一に溶剤に溶解している限り、特に限定されるものではないが、1質量%〜60質量%であり、好ましくは2質量%〜50質量%であり、より好ましくは2質量%〜20質量%である。ここで、固形分とは、硬化膜形成組成物の全成分から溶剤を除いたものをいう。
本発明の硬化膜形成組成物の調製方法は、特に限定されない。調製法としては、例えば、溶剤に溶解した(A)成分の溶液に(B)成分および/または(C)成分等を所定の割合で混合し、均一な溶液とする方法、或いは、この調製法の適当な段階において、必要に応じてその他添加剤をさらに添加して混合する方法が挙げられる。
本発明の硬化膜形成組成物の調製においては、溶剤中の反応によって得られる垂直配向ポリマーの溶液をそのまま使用することができる。この場合、例えば、(A)成分の溶液に前記と同様に(B)成分および/または(C)成分等を入れて均一な溶液とする。この際に、濃度調整を目的としてさらに溶剤を追加投入してもよい。このとき、(A)成分の生成過程で用いられる溶剤と、硬化膜形成組成物の濃度調整に用いられる溶剤とは同一であってもよく、また異なってもよい。
また、調製された硬化膜形成組成物の溶液は、孔径が0.2μm程度のフィルタなどを用いて濾過した後、使用することが好ましい。
<硬化膜、配向材および位相差材>
本発明の硬化膜形成組成物の溶液を基板(例えば、シリコン/二酸化シリコン被覆基板、シリコンナイトライド基板、金属、例えば、アルミニウム、モリブデン、クロムなどが被覆された基板、ガラス基板、石英基板、ITO基板等)やフィルム基板(例えば、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム、シクロオレフィンコポリマー(COC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、アクリルフィルム、ポリエチレンフィルム等の樹脂フィルム)等の上に、バーコート、回転塗布、流し塗布、ロール塗布、スリット塗布、スリットに続いた回転塗布、インクジェット塗布、印刷などによって塗布して塗膜を形成し、その後、ホットプレートまたはオーブン等で加熱乾燥することにより、硬化膜を形成することができる。該硬化膜はそのまま配向材としても適用できる。
加熱乾燥の条件としては、硬化膜(配向材)の成分が、その上に塗布される重合性液晶溶液に溶出しない程度に、架橋剤による架橋反応が進行すればよく、例えば、温度60℃〜200℃、時間0.4分間〜60分間の範囲の中から適宜選択された加熱温度および加熱時間が採用される。加熱温度および加熱時間は、好ましくは70℃〜160℃、0.5分間〜10分間である。
本発明の硬化性組成物を用いて形成される硬化膜(配向材)の膜厚は、例えば、0.05μm〜5μmであり、使用する基板の段差や光学的、電気的性質を考慮し適宜選択することができる。
本発明の硬化膜組成物から形成された配向材は耐溶剤性および耐熱性を有しているため、この配向材上に、垂直配向性を有する重合性液晶溶液などの位相差材料を塗布し、配向材上で配向させることができる。そして、配向状態となった位相差材料を300〜400nmの紫外線を照射して硬化させることにより、光学異方性を有する層として位相差材を形成することができる。そして、配向材を形成する基板がフィルムである場合には、位相差フィルムとして有用となる。
また、上記のようにして形成された、本発明の配向材を有する2枚の基板を用い、スペーサを介して両基板上の配向材が互いに向かい合うように張り合わせた後、それらの基板の間に液晶を注入して、液晶が配向した液晶表示素子とすることもできる。
このように本発明の硬化膜形成組成物は、各種位相差材(位相差フィルム)や液晶表示素子等の製造に好適に用いることができる。
以下、例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでない。
[実施例で用いる略記号]
以下の実施例で用いる略記号の意味は、次のとおりである。
<(A)成分の垂直配向ポリマー及び(B)成分の架橋剤(ポリマー) 原料>
jER−1001:三菱化学(株)製ビスフェノールA型エポキシ樹脂 分子量900
jER−1055:三菱化学(株)製ビスフェノールA型エポキシ樹脂 分子量1,600
jER−157S70:三菱化学(株)製エポキシ化ビスフェノールAノボラック樹脂
ECN−1299:旭化成(株)製クレゾールノボラック樹脂
EHPE−3150:(株)ダイセル製トリメチロールプロパンの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物
LAUA:ラウリン酸
5CCA:4’−ペンチル−(1,1’−ビシクロヘキサン)−4−カルボン酸
BMAA:N−ブトキシメチルアクリルアミド
BTEAC:ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド
AIBN:α,α’−アゾビスイソブチロニトリル
<(B)成分:架橋剤>
CYM303:ヘキサメトキシメチルメラミン
<(C)成分:酸触媒>
PTSA:p−トルエンスルホン酸・一水和物
<溶剤>
PM:プロピレングリコールモノメチルエーテル
MIBK:イソブチルメチルケトン
以下の合成例に従い得られたアクリル共重合体の数平均分子量及び重量平均分子量は、日本分光(株)製GPC装置(Shodex(登録商標)カラムKF803LおよびKF804L)を用い、溶出溶媒テトラヒドロフランを流量1mL/分でカラム中に(カラム温度40℃)流して溶離させるという条件で測定した。尚、下記の数平均分子量(以下、Mnと称す。)および重量平均分子量(以下、Mwと称す。)は、ポリスチレン換算値にて表した。
<合成例1>
jER−1001 50.0g、LAUA 6.25g、BTEAC 0.14gをPM 131.58gに溶解し、110℃にて16時間反応させることにより垂直配向ポリマー(固形分濃度30質量%)(P1)を得た。得られた垂直配向ポリマーのエポキシ価を測定し、LAUAが全て反応した分のエポキシ基が消失したことを確認した。
<合成例2>
jER−1055 50.0g、LAUA 3.54g、BTEAC 0.079gをPM 125.0gに溶解し、110℃にて16時間反応させることにより垂直配向ポリマー(固形分濃度30質量%)(P2)を得た。得られた垂直配向ポリマーのエポキシ価を測定し、LAUAが全て反応した分のエポキシ基が消失したことを確認した。
<合成例3>
jER−157S70 50.0g、LAUA 14.3g、BTEAC 0.33gをPM 150.8gに溶解し、110℃にて16時間反応させることにより垂直配向ポリマー(固形分濃度30質量%)(P3)を得た。得られた垂直配向ポリマーのエポキシ価を測定し、LAUAが全て反応した分のエポキシ基が消失したことを確認した。
<合成例4>
ECN−1299 50.0g、LAUA 14.0g、BTEAC 0.32gをPM 150.2gに溶解し、110℃にて16時間反応させることにより垂直配向ポリマー(固形分濃度30質量%)(P4)を得た。得られた垂直配向ポリマーのエポキシ価を測定し、LAUAが全て反応した分のエポキシ基が消失したことを確認した。
<合成例5>
EHPE−3150 50.0g、LAUA 5.59g、BTEAC 0.036gをPM 129.8gに溶解し、110℃にて16時間反応させることにより垂直配向ポリマー(固形分濃度30質量%)(P5)を得た。得られた垂直配向ポリマーのエポキシ価を測定し、LAUAが全て反応した分のエポキシ基が消失したことを確認した。
<合成例6>
BMAA 25.0g、重合触媒としてAIBN 1.04gをPM 48.4gに溶解し、85℃にて20時間反応させることによりアクリル共重合体溶液(固形分濃度35質量%)(P6)を得た。得られたアクリル共重合体のMnは4,800、Mwは3,100であった。
<合成例7>
EHPE−3150 50.0g、5CCA 24.4g、BTEAC 0.49gをPM 174.7gに溶解し、110℃にて16時間反応させることにより垂直配向ポリマー(固形分濃度30質量%)(P7)を得た。得られた垂直配向ポリマーのエポキシ価を測定し、5CCAが全て反応した分のエポキシ基が消失したことを確認した。
<実施例1〜7、比較例1,2>
表1に示す組成にて実施例1乃至7、並びに比較例1及び2の各硬化膜形成組成物を調製し、それぞれについて垂直配向性の評価を行った。
Figure 2015030004
[垂直配向性の評価]
実施例および比較例の各硬化膜形成組成物を、無アルカリガラス上にスピンコーターを用いて2000回転30秒で塗布した。同様に実施例及び比較例の各硬化膜形成組成物を、PETフィルム上にバーコーターを用いてWet膜厚4μmにて塗布した。その後、それぞれ温度100℃で60秒間、熱循環式オーブン中で加熱乾燥を行い、ガラス上及びPETフィルム上にそれぞれ硬化膜を形成した。
この硬化膜上に、メルク(株)製の垂直配向用重合性液晶溶液RMS03−015を、バーコーターを用いてWet膜厚6μmにて塗布し、室温23℃にて60秒間放置した。この基板上の塗膜を300mJ/cmで露光し、位相差材を作製した。なお、ガラス上及びPETフィルム上に上記重合性液晶溶液を直接塗布(硬化膜形成組成物による硬化膜形成なし)し、同様の手順で作製した位相差材を比較例3とした。
作製したこれら位相差材を、大塚電子(株)製位相差測定装置RETS100を用いて面内位相差の入射角度依存性を測定した。入射角度0度での面内位相差値が0、入射角度±50度での面内位相差が38±5nmの範囲にあるものを垂直配向していると判断した。
得られた結果を表2に示す。
[液晶塗布性の評価]
実施例および比較例の各硬化膜形成組成物を、PETフィルム上にバーコーターを用いてWet膜厚4μmにて塗布した。その後、温度100℃で60秒間、熱循環式オーブン中で加熱乾燥を行い、PETフィルム上に硬化膜を形成した。
この硬化膜上に、メルク(株)製の垂直配向用重合性液晶溶液RMS03−015を、バーコーターを用いてWet膜厚6μmにて塗布し、室温23℃にて60秒間放置した。この基板上の塗膜を300mJ/cmで露光し、位相差材を作製した。なお、PETフィルム上に上記重合性液晶溶液を直接塗布(硬化膜形成組成物による硬化膜形成なし)し、同様の手順で作製した位相差材を比較例3とした。
この位相差材を目視にて観察し、液晶のハジキによるピンホールが発生していないものを液晶塗布性が良好と判断した。
得られた結果を表2に示す。
Figure 2015030004
表2に示すように、実施例1乃至7の硬化膜形成組成物より得た硬化膜を配向材として用いた位相差材は、使用した基材によらず、いずれも良好な垂直配向性を示し、また液晶の塗布性も良好であった。
一方、架橋剤(B)及び酸触媒(C)の何れも含んでいない比較例1の硬化膜形成組成物より得た硬化膜を配向剤として用いた位相差材、並びに、垂直配向性基を含まない成分(A)を使用した比較例2の硬化膜形成組成物より得た硬化膜を配向材として用いた位相差材は、垂直配向性が得られなかった。
また、硬化膜を形成せずに得た比較例3の位相差材は、ガラス上では垂直配向性を示したもののPET上では垂直配向性を示さなかった。
本発明による硬化膜形成組成物は、液晶表示素子の液晶配向膜や、液晶表示素子に内部や外部に設けられる光学異方性フィルムを形成するための配向材を形成する材料として非常に有用であり、特に、IPS−LCDの光学補償フィルム向け材料として好適である。

Claims (8)

  1. (A)エポキシ基を側鎖または末端に1個以上有するポリマーのエポキシ基に対して、カルボキシル基及び垂直配向性基を有する化合物のカルボキシル基を反応させたポリマー、並びに
    (B)架橋剤及び(C)酸触媒からなる群から選択される少なくとも一種の化合物
    を含有する硬化膜形成組成物であって、
    前記垂直配向性基は下記式(1)で表される基であることを特徴とする、硬化膜形成組成物。
    Figure 2015030004
    (式[1]中、
    は単結合を表し、
    は単結合または炭素原子数1〜15のアルキレン基を表すか、ベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基を表し、前記環状基上の任意の水素原子が、炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜3のアルコキシル基、炭素原子数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素原子数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよく、
    は単結合または炭素原子数1〜15のアルキレン基を表し、
    は単結合を表すか、ベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基、または炭素原子数17〜30であってステロイド骨格を有する2価の有機基を表し、前記環状基上の任意の水素原子が、炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜3のアルコキシル基、炭素原子数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素原子数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよく、
    はベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基を表し、これらの環状基上の任意の水素原子が、炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜3のアルコキシル基、炭素原子数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素原子数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよく、
    nは0〜4の整数を表し、nが2以上の場合、Y同士は同一でも異なっていてもよく、
    は水素原子、炭素原子数1〜18アルキル基、炭素原子数1〜18のフッ素含有アルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシル基または炭素原子数1〜18のフッ素含有アルコキシル基を表し、
    及びYとしてのアルキレン基、並びに、環状基上の置換基又はYとしてのアルキル基、フッ素含有アルキル基、アルコキシル基及びフッ素含有アルコキシ基は、直鎖状、枝分かれ状、又は環状の何れか又はそれらの組み合わせであってもよく、
    またY及びYとしてのアルキレン基、並びに、Yとしてのアルキル基、フッ素含有アルキル基、アルコキシル基及びフッ素含有アルコキシ基は、結合基同士が隣り合わない限り1ないし3の結合基で中断されていてもよく、
    さらにY、Y又はYが2価の環状基を表すか、Yがステロイド骨格を有する2価の有機基を表すか、Y又はYがアルキレン基を表すか、或いはYがアルキル基又はフッ素含有アルキル基を表すとき、該2価の環状基、該ステロイド骨格を有する2価の有機基、該アルキレン基、該アルキル基及び該フッ素含有アルキル基は、それらに隣接する基と結合基を介して結合していてもよく、
    そして上記結合基は、−O−、−CHO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、−NH−CO−O−、−O−CO−NH−及び−NH−CO−NH−からなる群から選ばれる基を表し、
    但し、Y乃至Yがそれぞれ表すところの炭素原子数1〜15のアルキレン基、ベンゼン環、シクロヘキサン環、複素環、ステロイド骨格を有する2価の有機基、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜18のフッ素含有アルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシル基及び炭素原子数1〜18のフッ素含有アルコキシル基の炭素原子数の合計は6〜30である)。
  2. 前記エポキシ基を側鎖または末端に1個以上有するポリマーが、主鎖に環構造を有する数平均分子量300乃至20,000のポリマーである、請求項1に記載の硬化膜形成組成物。
  3. 前記エポキシ基を側鎖または末端に1個以上有するポリマーが、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂及びポリオールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物からなる群から選択されるいずれか一種のポリマーである、請求項1又は請求項2に記載の硬化膜形成組成物。
  4. (B)成分の架橋剤がメチロール基またはアルコキシメチル基を有する架橋剤である、請求項1乃至請求項3のうち何れか一項に記載の硬化膜形成組成物。
  5. (A)成分100質量部に基づいて、1質量部〜100質量部の(B)成分を含有する請求項1乃至請求項4のうち何れか一項に記載の硬化膜形成組成物。
  6. (A)成分100質量部に基づいて、0.01質量部〜20質量部の(C)成分を含有する請求項1乃至請求項5のうち何れか一項に記載の硬化膜形成組成物。
  7. 請求項1乃至請求項6のうち何れか一項に記載の硬化膜形成組成物を硬化させて得られることを特徴とする配向材。
  8. 請求項1乃至請求項6のうち何れか一項に記載の硬化膜形成組成物から得られる硬化膜を使用して形成されることを特徴とする位相差材。
JP2015534237A 2013-08-29 2014-08-26 硬化膜形成組成物、配向材および位相差材 Active JP6460340B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013178446 2013-08-29
JP2013178446 2013-08-29
PCT/JP2014/072320 WO2015030004A1 (ja) 2013-08-29 2014-08-26 硬化膜形成組成物、配向材および位相差材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2015030004A1 true JPWO2015030004A1 (ja) 2017-03-02
JP6460340B2 JP6460340B2 (ja) 2019-01-30

Family

ID=52586559

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015534237A Active JP6460340B2 (ja) 2013-08-29 2014-08-26 硬化膜形成組成物、配向材および位相差材

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP6460340B2 (ja)
KR (1) KR102193060B1 (ja)
CN (1) CN105474083B (ja)
TW (2) TWI653287B (ja)
WO (1) WO2015030004A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20230062899A (ko) * 2017-02-22 2023-05-09 닛산 가가쿠 가부시키가이샤 경화막 형성 조성물, 배향재 및 위상차재
WO2024070691A1 (ja) * 2022-09-28 2024-04-04 富士フイルム株式会社 積層体、画像表示装置、光学装置およびヘッドマウントディスプレイ

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11511194A (ja) * 1995-08-21 1999-09-28 ブリューアー サイエンス インコーポレイテッド 熱硬化性反射防止性コーティングおよびその製造方法
JP2002333717A (ja) * 2001-05-07 2002-11-22 Nissan Chem Ind Ltd リソグラフィー用反射防止膜形成組成物
JP2010060957A (ja) * 2008-09-05 2010-03-18 Toray Ind Inc 感光性組成物、それから形成された硬化膜、および硬化膜を有する素子
WO2012020798A1 (ja) * 2010-08-11 2012-02-16 日産化学工業株式会社 樹脂組成物、液晶配向材および位相差材
JP2012037868A (ja) * 2010-07-15 2012-02-23 Jsr Corp 位相差フィルム用液晶配向剤、位相差フィルム用液晶配向膜、位相差フィルム及びその製造方法
WO2013054784A1 (ja) * 2011-10-11 2013-04-18 日産化学工業株式会社 硬化膜形成組成物、配向材および位相差材

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2857889B2 (ja) 1988-11-04 1999-02-17 富士写真フイルム株式会社 液晶表示装置
JP3204182B2 (ja) 1997-10-24 2001-09-04 日本電気株式会社 横電界方式の液晶表示装置
JP2001281669A (ja) 2000-03-30 2001-10-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 液晶配向膜とその製造方法、およびそれを用いた液晶表示装置とその製造方法
KR100677050B1 (ko) 2003-10-22 2007-01-31 주식회사 엘지화학 +a-플레이트와 +c-플레이트를 이용한 시야각보상필름을 포함하는 면상 스위칭 액정 표시장치
JP4458306B2 (ja) * 2007-08-21 2010-04-28 Jsr株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜の製造方法および液晶表示素子
JP5454772B2 (ja) * 2008-11-17 2014-03-26 Jsr株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜およびその形成方法ならびに液晶表示素子

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11511194A (ja) * 1995-08-21 1999-09-28 ブリューアー サイエンス インコーポレイテッド 熱硬化性反射防止性コーティングおよびその製造方法
JP2002333717A (ja) * 2001-05-07 2002-11-22 Nissan Chem Ind Ltd リソグラフィー用反射防止膜形成組成物
JP2010060957A (ja) * 2008-09-05 2010-03-18 Toray Ind Inc 感光性組成物、それから形成された硬化膜、および硬化膜を有する素子
JP2012037868A (ja) * 2010-07-15 2012-02-23 Jsr Corp 位相差フィルム用液晶配向剤、位相差フィルム用液晶配向膜、位相差フィルム及びその製造方法
WO2012020798A1 (ja) * 2010-08-11 2012-02-16 日産化学工業株式会社 樹脂組成物、液晶配向材および位相差材
WO2013054784A1 (ja) * 2011-10-11 2013-04-18 日産化学工業株式会社 硬化膜形成組成物、配向材および位相差材

Also Published As

Publication number Publication date
KR20160052545A (ko) 2016-05-12
CN105474083B (zh) 2019-10-08
TWI653287B (zh) 2019-03-11
TW201522484A (zh) 2015-06-16
TWI653285B (zh) 2019-03-11
WO2015030004A1 (ja) 2015-03-05
KR102193060B1 (ko) 2020-12-18
JP6460340B2 (ja) 2019-01-30
CN105474083A (zh) 2016-04-06
TW201839048A (zh) 2018-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9823401B2 (en) Cured film formation composition, orientation material, and retardation material
US9193861B2 (en) Composition for forming thermoset film having photo-alignment properties
US20130029087A1 (en) Composition for forming thermoset film having photo-alignment properties
TWI673290B (zh) 硬化膜形成組成物、配向材及相位差材
TWI644961B (zh) 硬化膜形成組成物、配向材及相位差材
TW201116570A (en) Thermoset film forming composition having photo-alignment
TWI636069B (zh) 具有光配向性之熱硬化性組成物、配向層、附有配向層之基材、相位差板及裝置
TW201615715A (zh) 硬化膜形成組成物、配向材及相位差材
JPWO2016039337A1 (ja) 硬化膜形成組成物、配向材および位相差材
JP6460340B2 (ja) 硬化膜形成組成物、配向材および位相差材
CN107532006B (zh) 热固化性树脂组合物和垂直取向相位差膜
CN107207641B (zh) 固化膜形成用组合物、取向材料和相位差材料
JP7365003B2 (ja) 硬化膜形成組成物、配向材および位相差材
KR102662084B1 (ko) 경화막 형성 조성물, 배향재 및 위상차재
WO2021166701A1 (ja) 硬化膜形成組成物、配向材および位相差材
WO2020184463A1 (ja) 光配向用液晶配向剤、配向材および位相差材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180711

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180907

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181218

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6460340

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151