WO2024070691A1 - 積層体、画像表示装置、光学装置およびヘッドマウントディスプレイ - Google Patents

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Abstract

本発明は、液晶層の配向度を高くすることができる配向膜を有する積層体、画像表示装置、光学装置およびヘッドマウントディスプレイを提供することを課題とする。本発明の積層体は、配向膜および液晶層を隣接して有する積層体であって、配向膜が、所定の式で表され、かつ、開環重合性を有さない環構造の総数に対する芳香族環の数の割合が70%以上となる化合物Aの硬化物を含有する膜であり、化合物Aにおける、開環重合性を有さない環構造の総数に対する芳香族環の数の割合が70%以上であり、液晶層に含まれる液晶化合物の配向方向と、液晶層の法線方向とのなす角度が0°以上45°以下である、積層体である。

Description

積層体、画像表示装置、光学装置およびヘッドマウントディスプレイ
 本発明は、積層体、画像表示装置、光学装置およびヘッドマウントディスプレイに関する。
 液晶性化合物を垂直配向させるための配向膜(垂直配向膜)として、アルキル基やフッ素含有基などの疎水構造を導入したポリアミドを用いることが知られている(非特許文献1参照)。
JSR TECHNICAL REVIEW No.114/2007,p.p.34-36
 しかしながら、非特許文献1に記載されたポリイミドからなる配向膜は、ポリアミック酸からのイミド化反応の際に、高温(例えば300℃程度)で長時間(例えば1時間程度)の反応条件が必要であること、材料およびプロセスのコストが高くなること等の観点から、現実的には使用することは困難であった。
 そこで本発明者らは、エポキシ樹脂などのように比較的温和な条件で硬化反応が進み、材料およびプロセスの両面からコストを抑制することも可能な材料を用いて、配向膜を形成することを検討したところ、配向膜の組成によっては、配向膜上に隣接して設けられる液晶層の配向度が低くなる場合があることを明らかとした。
 そこで、本発明は、液晶層の配向度を高くすることができる配向膜を有する積層体、画像表示装置、光学装置およびヘッドマウントディスプレイを提供することを課題とする。
 本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、所定の式で表される特定化合物の硬化物を含有する配向膜を用いることにより、液晶層の配向度が高くなることを見出し、本発明を完成させた。
 すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題を解決できることを見出した。
 [1] 配向膜および液晶層を隣接して有する積層体であって、
 配向膜が、後述する式(1)で表され、かつ、開環重合性を有さない環構造の総数に対する芳香族環の数の割合が70%以上となる化合物Aの硬化物を含有する膜であり、
 液晶層に含まれる液晶化合物の配向方向と、液晶層の法線方向とのなす角度が0°以上45°以下である、積層体。
 [2] 後述する式(1)のBがメチレン基である、[1]に記載の積層体。
 [3] 後述する式(1)中のPおよびPの少なくとも1個が、開環重合性の架橋性基を含む置換基である、[1]または[2]に記載の積層体。
 [4] 液晶層が二色性物質を含有する、[1]~[3]のいずれかに記載の積層体。
 [5] 二色性物質の含有量が、液晶層の質量に対して5質量%以上である、[4]に記載の積層体。
 [6] 二色性物質の含有量が、液晶層の質量に対して15質量%以上である、[4]に記載の積層体。
 [7] 化合物Aのエポキシ当量が260g/eq以下である、[1]~[6]のいずれかに記載の積層体。
 [8] [1]~[7]のいずれかに記載の積層体を含む、画像表示装置。
 [9] 積層体と、電子制御視野角切替セルとを有する、[8]に記載の画像表示装置。
 [10] 電子制御視野角切替セルの最大位相差が1/4波長または1/2波長である、[9]に記載の画像表示装置。
 [11] [1]~[7]のいずれかに記載の積層体を含む光学フィルターと、回折素子が表面に配置された導光板とを有する光学装置。
 [12] [11]に記載の光学装置と、画像表示素子とを有するヘッドマウントディスプレイ。
 本発明によれば、液晶層の配向度を高くすることができる配向膜を有する積層体、画像表示装置、光学装置およびヘッドマウントディスプレイを提供することができる。
本発明のヘッドマウントディスプレイの一例を示す模式図である。 AR(Augumented Reality:拡張現実)グラス用の導光板の構成の一例を示す模式図である。 本発明のヘッドマウントディスプレイの評価系の平面図を示す模式図である。 本発明のヘッドマウントディスプレイの評価系の立面図を示す模式図である。 図5は、光学フィルター1の層構成を示す模式図である。 図6は、光学フィルター2の層構成を示す模式図である。 図7は、光学フィルター3の層構成を示す模式図である。
 以下、本発明について詳細に説明する。
 以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
 なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
 また、本明細書において、液晶層形成用組成物および液晶化合物は、いずれも、硬化等により、もはや液晶性を示さなくなったものも概念として含まれる。
 また、本明細書において、各成分は、各成分に該当する物質を1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上の物質を併用する場合、その成分についての含有量とは、特段の断りが無い限り、併用した物質の合計の含有量を指す。
 また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」または「メタクリレート」を表す表記であり、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」または「メタクリル」を表す表記であり、「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル」または「メタクリロイル」を表す表記である。
 また、本明細書において、Re(λ)およびRth(λ)は、それぞれ、波長λにおける面内のレターデーションおよび厚み方向のレターデーションを表す。なお、波長λは、特に記載がないときは、550nmとする。
 本発明において、Re(λ)およびRth(λ)はAxoScan(Axometrics社製)において、波長λで測定した値である。AxoScanにて平均屈折率((nx+ny+nz)/3)と膜厚(d(μm))を入力することにより、
 遅相軸方向(°)
 Re(λ)=R0(λ)
 Rth(λ)=((nx+ny)/2-nz)×d
が算出される。
 なお、R0(λ)は、AxoScanで算出される数値として表示されるものであるが、Re(λ)を意味している。
 また、本明細書において、置換基としては、例えば、以下に記載する置換基群Aに記載する置換基が挙げられる。
 なお、本明細書において、「置換基を有していてもよい」とは、置換基を有していない態様はもとより、1つ以上の置換基を有する態様を含むものである。
 <置換基群A>
 置換基としては、例えば、
 ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、好ましくは塩素原子、フッ素原子、より好ましくはフッ素原子);
 アルキル基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24、特に好ましくは炭素数1~8の、直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基で、例えば、炭素数1~6の直鎖アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基)、炭素数3~6の分岐鎖アルキル基(例えば、イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、ネオペンチル基、イソヘキシル基、3-メチルペンチル基)、炭素数3~12の環状アルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1-ノルボルニル基、1-アダマンチル基));
 アルケニル基(好ましくは炭素数2~48、より好ましくは炭素数2~18のアルケニル基で、例えば、ビニル基、アリル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基);
 アルキニル基(好ましくは炭素数2~6、より好ましくは炭素数2~4のアルキニル基で、例えば、エチニル基、1-プロピニル基、プロパルギル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基);
 アリール基(好ましくは炭素数6~48、より好ましくは炭素数6~24のアリール基で、例えば、フェニル基、オリゴアリール基(ナフチル基、アントリル基)、フェナンスレニル基、フルオレニル基、ピレニル基、トリフェニレニル基、ビフェニル基);
 ヘテロアリール基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~18のヘテロ環基で、例えば、2-チエニル基、4-ピリジル基、2-フリル基、2-ピリミジニル基、1-ピリジル基、2-ベンゾチアゾリル基、1-イミダゾリル基、1-ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール-1-イル基);
 アリールアルキル基(好ましくは炭素数7~15のアリールアルキル基で、例えば、ベンジル基、フェネチル基、メチルベンジル基、フェニルプロピル基、1-メチルフェニルエチル基、フェニルブチル基、2-メチルフェニルプロピル基、テトラヒドロナフチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、インデニル基、フルオレニル基、アントラセニルメチル基(アントリルメチル基)、フェナントレニルメチル基(フェナントリルメチル基));
 シリル基(好ましくは炭素数3~38、より好ましくは炭素数3~18のシリル基で、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリブチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、t-ヘキシルジメチルシリル基);
 ヒドロキシ基;シアノ基;ニトロ基;モルフォリノ基;
 アルコキシ基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24のアルコキシ基で、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1-ブトキシ基、2-ブトキシ基、イソプロポキシ基、t-ブトキシ基、ドデシルオキシ基、シクロアルキルオキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基));
 アリールオキシ基(好ましくは炭素数6~48、より好ましくは炭素数6~24のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ基、1-ナフトキシ基);
 アルケニルオキシ基(好ましくは炭素数2~6のアルケニルオキシ基で、例えば、ビニルオキシ基、1-プロペニルオキシ基、2-n-プロペニルオキシ基(アリルオキシ基)、1-n-ブテニルオキシ基、プレニルオキシ基);
 ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~18のヘテロ環オキシ基で、例えば、1-フェニルテトラゾール-5-オキシ基、2-テトラヒドロピラニルオキシ基);
 シリルオキシ基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~18のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ基、t-ブチルジメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基);
 アシルオキシ基(好ましくは炭素数2~48、より好ましくは炭素数2~24のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ドデカノイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基);
 ヒドロキシアルキレンオキシ基(好ましくは炭素数2~10のヒドロキシアルキレンオキシ基で、例えば、ヒドロキシエチレンオキシ基);
 アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2~48、より好ましくは炭素数2~24のアルコキシカルボニルオキシ基で、例えば、エトキシカルボニルオキシ基、t-ブトキシカルボニルオキシ基、シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基(例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ基));
 アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7~32、より好ましくは炭素数7~24のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基);
 カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N-ジメチルカルバモイルオキシ基、N-ブチルカルバモイルオキシ基、N-フェニルカルバモイルオキシ基、N-エチル-N-フェニルカルバモイルオキシ基);
 スルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~24のスルファモイルオキシ基で、例えば、N,N-ジエチルスルファモイルオキシ基、N-プロピルスルファモイルオキシ基);
 アルキルスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1~38、より好ましくは炭素数1~24のアルキルスルホニルオキシ基で、例えば、メチルスルホニルオキシ基、ヘキサデシルスルホニルオキシ基、シクロヘキシルスルホニルオキシ基);
 アリールスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数6~32、より好ましくは炭素数6~24のアリールスルホニルオキシ基で、例えば、フェニルスルホニルオキシ基);
 アシル基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24のアシル基で、例えば、ホルミル基、アセチル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、テトラデカノイル基、シクロヘキサノイル基);
 アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2~48、より好ましくは炭素数2~24のアルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基);
 アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7~32、より好ましくは炭素数7~24のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル基);
 カルバモイル基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24のカルバモイル基で、例えば、カルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、Nーエチル-N-オクチルカルバモイル基、N,N-ジブチルカルバモイル基、N-プロピルカルバモイル基、N-フェニルカルバモイル基、N-メチルN-フェニルカルバモイル基、N,N-ジシクロへキシルカルバモイル基);
 アミノ基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のアミノ基で、例えば、アミノ、メチルアミノ基、N,N-ジブチルアミノ基、テトラデシルアミノ基、2-エチルへキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基);
 アニリノ基(好ましくは炭素数6~32、より好ましくは6~24のアニリノ基で、例えば、アニリノ基、N-メチルアニリノ基);
 ヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは1~18のヘテロ環アミノ基で、例えば、4-ピリジルアミノ基);
 カルボンアミド基(好ましくは炭素数2~48、より好ましくは2~24のカルボンアミド基で、例えば、アセトアミド基、ベンズアミド基、テトラデカンアミド基、ピバロイルアミド基、シクロヘキサンアミド基);
 ウレイド基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~24のウレイド基で、例えば、ウレイド基、N,N-ジメチルウレイド基、N-フェニルウレイド基);
 イミド基(好ましくは炭素数36以下、より好ましくは炭素数24以下のイミド基で、例えば、N-スクシンイミド基、N-フタルイミド基);
 アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2~48、より好ましくは炭素数2~24のアルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t-ブトキシカルボニルアミノ基、オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ基);
 アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7~32、より好ましくは炭素数7~24のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基);
 スルホンアミド基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24のスルホンアミド基で、例えば、メタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基、ヘキサデカンスルホンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド基);
 スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24のスルファモイルアミノ基で、例えば、N,N-ジプロピルスルファモイルアミノ基、N-エチル-N-ドデシルスルファモイルアミノ基);
 アゾ基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~24のアゾ基で、例えば、フェニルアゾ基、3-ピラゾリルアゾ基);
 アルキルチオ基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24のアルキルチオ基で、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、オクチルチオ基、シクロヘキシルチオ基);
 アリールチオ基(好ましくは炭素数6~48、より好ましくは炭素数6~24のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ基);
 ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~18のヘテロ環チオ基で、例えば、2-ベンゾチアゾリルチオ基、2-ピリジルチオ基、1-フェニルテトラゾリルチオ基);
 アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~24のアルキルスルフィニル基で、例えば、ドデカンスルフィニル基);
 アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6~32、より好ましくは炭素数6~24のアリールスルフィニル基で、例えば、フェニルスルフィニル基);
 アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24のアルキルスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、2-エチルヘキシルスルホニル基、ヘキサデシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基);
 アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6~48、より好ましくは炭素数6~24のアリールスルホニル基で、例えば、フェニルスルホニル基、1-ナフチルスルホニル基);
 スルファモイル基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のスルファモイル基で、例えば、スルファモイル基、N,N-ジプロピルスルファモイル基、N-エチル-N-ドデシルスルファモイル基、N-エチル-N-フェニルスルファモイル基、N-シクロヘキシルスルファモイル基、N-(2-エチルヘキシル)スルファモイル基);
 ホスホニル基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~24のホスホニル基で、例えば、フェノキシホスホニル基、オクチルオキシホスホニル基、フェニルホスホニル基);
 ホスフィノイルアミノ基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~24のホスフィノイルアミノ基で、例えば、ジエトキシホスフィノイルアミノ基、ジオクチルオキシホスフィノイルアミノ基);
 エポキシ基;-NHCOCH;-SONHCOCH;-NHSOCH
 などが挙げられ、これらを2つ以上組み合わせてもよい。
 これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基を2つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
[積層体]
 本発明の積層体は、配向膜および液晶層を隣接して有する積層体である。
 また、本発明の積層体が有する配向膜は、後述する式(1)で表され、かつ、開環重合性を有さない環構造の総数に対する芳香族環の数の割合(以下、「芳香族環比率」とも略す。)が70%以上となる化合物Aの硬化物を含有する膜である。
 また、本発明の積層体は、上記液晶層に含まれる液晶化合物の配向方向と、上記液晶層の法線方向とのなす角度が0°以上45°以下である。
 本発明においては、後述する式(1)で表され、かつ、開環重合性を有さない環構造の総数に対する芳香族環の数の割合が70%以上となる化合物Aの硬化物を含有する配向膜を用いることにより、液晶層の配向度を高くすることができる。
 この効果が発現する理由は、詳細には明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
 本発明者は、配向膜におけるいずれの分子構造が配向度に寄与しているかを調べるために、配向膜を作製する際に様々な方向より磁場を印加したところ、芳香族環の平面が配向膜の主平面に対し垂直方向を向くような方向から磁場印加した時は配向度に変化はなく、芳香族環の平面が配向膜の主平面に対して水平方向に向くような方向から磁場を印加すると、配向度が低下することが分かった。
 そのため、化合物Aにおける開環重合性を有さない環構造の総数に対する芳香族環の数の割合が70%以上であることにより、本発明の積層体が有する配向膜は、化合物Aに由来する芳香族環の平面が、配向膜の主平面に対して垂直方向に配向していると考えられ、その結果、液晶層の配向度を高くすることができたと考えられる。
 本発明においては、化合物Aにおける芳香族環比率は70%以上であれば特に限定されないが、80%以上100%以下が好ましく、85%以上100%以下がより好ましく、95%以上100%以下がさらに好ましい。
 〔配向膜〕
 本発明の積層体が有する配向膜は、下記式(1)で表され、かつ、開環重合性を有さない環構造の総数に対する芳香族環の数の割合が70%以上となる化合物Aの硬化物を含有する膜である。
 ここで、化合物Aにおける「開環重合性を有さない環構造の総数に対する芳香族環の数の割合」は、化合物Aの構造を明らかにした上で、開環重合性を有さない環構造(例えば、ベンゼン環、シクロアルカン環など)の総数と、芳香族環(例えば、ベンゼン環など)の数とから算出することができる。
 また、化合物Aの構造は、各種クロマトグラフィー法などの既知の方法により化合物を分離、精製した後、元素分析法、質量分析法、赤外吸収分光法(IR)、核磁気共鳴分光法(NMR)等の手段を用いることにより明らかにすることができる。
 上記式(1)中、AおよびAは、それぞれ独立に、芳香族性を有する環構造(以下、「芳香環」とも略す。)を表す。
 ここで、上記芳香環としては、例えば、炭素数6~20の芳香環が挙げられ、具体的には、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナンスロリン環などの芳香族炭化水素環;フラン環、ピロール環、チオフェン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環などの芳香族複素環;が挙げられる。
 これらのうち、上記芳香環としては、ベンゼン環が好ましい。
 上記式(1)中、Bは、単結合または2価の連結基を表す。
 ここで、2価の連結基としては、例えば、置換基を有していてもよい炭素数6~12の2価の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数1~20の2価の脂肪族炭化水素基などが挙げられる。なお、脂肪族炭化水素基を構成する-CH-の1個以上は、-O-、-S-または-NH-で置換されていてもよい。
 炭素数6~12の2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、1,2-フェニレン基、1,3-フェニレン基、1,4-フェニレン基、1,4-ナフチレン基、1,5-ナフチレン基、2,6-ナフチレン基などが挙げられ、なかでも、1,4-フェニレン基が好ましく、トランス-1,4-フェニレン基がより好ましい。
 炭素数1~20の2価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素数1~15の非脂環式炭化水素基、炭素数5~12の2価の脂環式炭化水素基などが挙げられる。また、炭素数1~15の非脂環式炭化水素基としては、例えば、炭素数1~8のアルキレン基などが挙げられ、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、メチルヘキシレン基、へプチレン基などが好適に挙げられる。また、炭素数5~12の2価の脂環式炭化水素基としては、単環式炭化水素基、橋かけ環式炭化水素基などが挙げられ、具体的には、下記式(g-1)~式(g-11)で示されるものが挙げられる。

 本発明においては、液晶層の配向度がより高くなる理由から、Bが、芳香族環の配向を乱さない構造であることが好ましく、メチレン基であることがより好ましい。
 上記式(1)中、PおよびPは、それぞれ独立に、架橋性基を含む置換基を表す。
 ここで、架橋性基としては、例えば、エポキシ基、エポキシシクロヘキシル基、オキセタニル基などのカチオン重合性基;アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基などのラジカル重合性基;が挙げられる。
 このような架橋性基を含む置換基としては、架橋性基そのものであってもよいが、例えば、-O-アルキレン基-架橋性基、-COO-アルキレン基-架橋性基、-アルキレン基-架橋性基などであってもよい。
 本発明においては、液晶層の配向度がより高くなる理由から、PおよびPの少なくとも1個が、開環重合性の架橋性基を含む置換基であることが好ましく、エポキシ基またはオキセタニル基を含む置換基であることがより好ましく、エポキシ基を含む置換基であることがさらに好ましい。
 なお、「PおよびPの少なくとも1個」とは、PおよびPの少なくとも一方という態様だけでなく、Pが複数ある場合には複数のPの少なくとも1個であってもよく、Pが複数ある場合には複数のPの少なくとも1個であってもよい。
 上記式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、架橋性基を含まない置換基を表す。
 ここで、架橋性基を含まない置換基としては、上述した置換基群Aに記載する置換基のうち、架橋性基(エポキシ基、アクリロイル基、ビニル基など)以外の置換基が挙げられる。
 上記式(1)中、xおよびyは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。ただし、xが2以上の整数を表す場合、複数のPは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、yが2以上の整数を表す場合、複数のPは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
 ここで、xおよびyとしては、1~3の整数であることが好ましく、1または2であることがより好ましく、1であることがさらに好ましい。
 上記式(1)中、zおよびwは、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。ただし、zが2以上の整数を表す場合、複数のRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、wが2以上の整数を表す場合、複数のRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
 ここで、zおよびwとしては、0~3の整数であることが好ましく、0~2の整数であることがより好ましく、0または1であることがさらに好ましい。
 上記式(1)中、mは、1または2を表す。ただし、mが2を表す場合、複数のBは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、複数のAは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、複数のPは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、複数のRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
 上記式(1)中、nは、1以上の整数を表す。
 ここで、nは、1~100の整数であることが好ましく、1~30の整数であることがより好ましく、1~10の整数であることがさらに好ましい。
 化合物Aは、上述した通り、上記式(1)で表され、かつ、開環重合性を有さない環構造の総数に対する芳香族環の数の割合が70%以上であるが、この割合は、70~100%であることが好ましく、85~100%であることがより好ましい。
 上記化合物Aとしては、具体的には、例えば、以下に示す化合物が挙げられる。





 本発明においては、液晶層の配向度がより高くなる理由から、上記化合物Aのエポキシ当量が、260g/eq以下であることが好ましく、180~260g/eqであることがより好ましい。
 また、本発明においては、配向膜に含まれる上記化合物Aの硬化物の含有量は、配向膜の質量に対して、80~100質量%であることが好ましく、90~100質量%であることがより好ましい。
 上記配向膜の厚みは特に制限されないが、0.1~10μmが好ましく、0.5~5μmがより好ましい。
 <配向膜の形成方法>
 本発明の積層体が有する配向膜は、上記化合物Aを硬化させることにより形成することができる。
 ここで、上記化合物Aを硬化させる方法は特に限定されないが、例えば、上記化合物A、重合開始剤および溶媒を含有する配向膜形成用組成物を基材上に塗布し、塗膜に含まれる上記化合物Aを重合により硬化する方法などが挙げられる。
 具体的には、上記化合物Aが架橋性基としてカチオン重合性基(例えば、エポキシ基など)を有している場合には、上記化合物A、カチオン重合開始剤および溶媒を含有する配向膜形成用組成物を基材上に塗布し、塗膜に含まれる上記化合物Aをカチオン重合により硬化する方法が挙げられる。
 重合開始剤は特に限定されず、重合反応の形式に応じて、ラジカル重合開始剤およびカチオン重合開始剤が挙げられる。
 ラジカル重合開始剤としては、例えば、α-カルボニル化合物、アシロインエーテル、α-炭化水素置換芳香族アシロイン化合物、多核キノン化合物、トリアリールイミダゾールダイマーとp-アミノフェニルケトンとの組み合わせ、アクリジンおよびフェナジン化合物、オキサジアゾール化合物、および、アシルフォスフィンオキシド化合物が挙げられる。
 カチオン重合開始剤としては、加熱によりプロトン酸またはルイス酸を発生する熱カチオン重合開始剤;光照射によりプロトン酸またはルイス酸を発生する光カチオン重合開始剤;などが挙げられ、イオン性酸発生型であってもよいし、非イオン性酸発生型であってもよい。なかでも、熱カチオン重合開始剤を含有することが好ましい。
 また、熱カチオン重合開始剤としては、BF 、PF 、SbF 、または、(BX(ただし、Xは、少なくとも2つ以上のフッ素若しくはトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基を表す)を対アニオンとする、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、第4級アンモニウム塩、ジアゾニウム塩、または、ヨードニウム塩が好適に挙げられ、なかでも、スルホニウム塩がより好ましい。
 また、熱カチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、サンエイドSI-60、サンエイドSI-80、サンエイドSI-B3、サンエイドSI-B3A、サンエイドSI-B4(いずれも三新化学工業社製)、CXC1612、CXC1738、CXC1821(いずれもKing  Industries社製)等が挙げられる。
 溶媒としては、例えば、ケトン類(例えば、アセトン、2-ブタノン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、および、シクロヘキサノン)、エーテル類(例えば、ジオキサン、および、テトラヒドロフラン)、脂肪族炭化水素類(例えば、ヘキサン)、脂環式炭化水素類(例えば、シクロヘキサン)、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン、および、トリメチルベンゼン)、ハロゲン化炭素類(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、および、クロロトルエン)、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、および、酢酸ブチル)、水、アルコール類(例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、および、シクロヘキサノール)、セロソルブ類(例えば、メチルセロソルブ、および、エチルセロソルブ)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)、アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、および、ジメチルアセトアミド)が挙げられる。
 溶媒を1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 基材としては、例えば、ガラス基板およびポリマーフィルムが挙げられる。
 ポリマーフィルムの材料としては、例えば、セルロース系ポリマー;ポリメチルメタクリレート、ラクトン環含有重合体などのアクリル酸エステル重合体を有するアクリル系ポリマー;熱可塑性ノルボルネン系ポリマー;ポリカーボネート系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、および、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系ポリマー;ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン共重合体などのスチレン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、および、エチレン・プロピレン共重合体などのポリオレフィン系ポリマー;塩化ビニル系ポリマー;ナイロン、芳香族ポリアミドなどのアミド系ポリマー;イミド系ポリマー;スルホン系ポリマー;ポリエーテルスルホン系ポリマー;ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー;ポリフェニレンスルフィド系ポリマー;塩化ビニリデン系ポリマー;ビニルアルコール系ポリマー;ビニルブチラール系ポリマー;アリレート系ポリマー;ポリオキシメチレン系ポリマー;エポキシ系ポリマー;またはこれらのポリマーを混合したポリマー;などが挙げられる。
 〔液晶層〕
 本発明の光学フィルムが有する液晶層は、液晶化合物の配向状態を固定化した層であり、液晶層に含まれる液晶化合物の配向方向と、液晶層の法線方向とのなす角度が0°以上45°以下となる層である。
 ここで、液晶化合物の配向方向は、例えば、以下に示す測定により確認することができる。
 まず、液晶層が二色性物質を含有していない場合は、AxoScan OPMF-1(オプトサイエンス社製)を用いて、波長550nmにおけるミュラーマトリックスを実測し、その結果より液晶層のチルト角として導出することができる。また、国際公開第2021/131491号の段落[0177]に記載されている通り、液晶層の厚み方向に平行に薄く切片をとり、偏光顕微鏡によりクロスニコル配置した偏光子と検光子を用いて観察し、さらに鋭敏色板を挿入した時の色を観察することにより、液晶層に含まれる液晶化合物の配向方向を調べることができる。
 一方、液晶層が二色性物質を含有している場合は、国際公開第WO2022/138548号の段落[0019]に記載されている通り、液晶層の厚み方向に平行に薄く切片をとり、偏光顕微鏡の回転試料台に断面が上を向くように載せ、検光子を使用しない状態で、回転試料台の角度を変化させた時に、もっともサンプルが黒く見える角度を求めることにより、液晶層に含まれる液晶化合物の配向方向を調べることができる。
 本発明においては、液晶層に含まれる液晶化合物の配向方向と、液晶層の法線方向とのなす角度は、0°以上45°未満であることが好ましく、0°以上35°以下であることがより好ましく、0°以上35°未満であることがさらに好ましい。
 <液晶化合物>
 液晶化合物としては、高分子液晶化合物および低分子液晶化合物のいずれも用いることができる。
 ここで、「高分子液晶化合物」とは、化学構造中に繰り返し単位を有する液晶化合物のことをいう。
 また、「低分子液晶化合物」とは、化学構造中に繰り返し単位を有さない液晶化合物のことをいう。
 高分子液晶化合物としては、例えば、特開2011-237513号公報に記載されているサーモトロピック液晶性高分子、国際公開第2018/199096号の[0012]~[0042]段落に記載されている高分子液晶化合物などが挙げられる。
 低分子液晶化合物としては、例えば、特開2013-228706号公報の[0072]~[0088]段落に記載されている液晶化合物が挙げられ、なかでも、スメクチック性を示す液晶化合物が好ましい。
 このような液晶化合物としては、国際公開第2022/014340号公報の段落[0019]~[0140]に記載されたものが挙げられ、これらの記載は、参照により本明細書に取り込まれる。
 液晶化合物の含有量は、液晶層の全質量に対して、50~99質量%が好ましく、75~90質量%がより好ましい。
 <二色性物質>
 本発明においては、上記液晶層を光吸収異方性層として機能させる観点から、二色性物質を含有していることが好ましい。
 ここで、二色性物質とは、方向によって吸光度が異なる色素を意味する。二色性物質は、液晶性を示してもよいし、液晶性を示さなくてもよい。
 二色性物質は、特に限定されず、可視光吸収物質(二色性色素)、発光物質(蛍光物質、燐光物質)、紫外線吸収物質、赤外線吸収物質、非線形光学物質、カーボンナノチューブ、および、無機物質(例えば量子ロッド)などが挙げられ、従来公知の二色性物質(二色性色素)を使用することができる。
 具体的には、例えば、特開2013-228706号公報の[0067]~[0071]段落、特開2013-227532号公報の[0008]~[0026]段落、特開2013-209367号公報の[0008]~[0015]段落、特開2013-14883号公報の[0045]~[0058]段落、特開2013-109090号公報の[0012]~[0029]段落、特開2013-101328号公報の[0009]~[0017]段落、特開2013-37353号公報の[0051]~[0065]段落、特開2012-63387号公報の[0049]~[0073]段落、特開平11-305036号公報の[0016]~[0018]段落、特開2001-133630号公報の[0009]~[0011]段落、特開2011-215337号公報の[0030]~[0169]、特開2010-106242号公報の[0021]~[0075]段落、特開2010-215846号公報の[0011]~[0025]段落、特開2011-048311号公報の[0017]~[0069]段落、特開2011-213610号公報の[0013]~[0133]段落、特開2011-237513号公報の[0074]~[0246]段落、特開2016-006502号公報の[0005]~[0051]段落、特開2018-053167号公報[0014]~[0032]段落、特開2020-11716号公報の[0014]~[0033]段落、国際公開第2016/060173号公報の[0005]~[0041]段落、国際公開2016/136561号公報の[0008]~[0062]段落、国際公開第2017/154835号の[0014]~[0033]段落、国際公開第2017/154695号の[0014]~[0033]段落、国際公開第2017/195833号の[0013]~[0037]段落、国際公開第2018/164252号の[0014]~[0034]段落、国際公開第2018/186503号の[0021]~[0030]段落、国際公開第2019/189345号の[0043]~[0063]段落、国際公開第2019/225468号の[0043]~[0085]段落、国際公開第2020/004106号の[0050]~[0074]段落、国際公開第2021/044843号の[0015]~[0038]段落などに記載されたものが挙げられる。
 二色性物質としては、二色性アゾ色素化合物が好ましい。
 二色性アゾ色素化合物とは、方向によって吸光度が異なるアゾ色素化合物を意味する。二色性アゾ色素化合物は、液晶性を示してもよいし、液晶性を示さなくてもよい。二色性アゾ色素化合物が液晶性を示す場合には、ネマチック性またはスメクチック性のいずれを示してもよい。液晶相を示す温度範囲は、室温(約20~28℃)~300℃が好ましく、取扱い性および製造適性の点から、50~200℃がより好ましい。
 本発明においては、色味調整の点から、波長560~700nmの範囲に極大吸収波長を有する少なくとも1種の色素化合物(第1の二色性アゾ色素化合物)と、波長455nm以上560nm未満の範囲に極大吸収波長を有する少なくとも1種の色素化合物(第2の二色性アゾ色素化合物)とを少なくとも用いることが好ましい。
 本発明においては、3種以上の二色性アゾ色素化合物を併用してもよく、例えば、光吸収異方性層を黒色に近づける点から、第1の二色性アゾ色素化合物と、第2の二色性アゾ色素化合物と、波長380nm以上455nm未満の範囲に極大吸収波長を有する少なくとも1種の色素化合物(第3の二色性アゾ色素化合物)とを併用することが好ましい。
 本発明においては、二色性アゾ色素化合物が架橋性基を有していることが好ましい。
 架橋性基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基、および、スチリル基が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
 二色性物質の含有量は特に限定されないが、形成される液晶層(光吸収異方性層)の配向度が高くなる理由から、液晶層の質量に対して5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましい。二色性物質の含有量の上限値は特に限定されないが、液晶層の質量に対して30質量%以下が好ましく、29質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましい。なお、二色性物質を複数併用する場合は、複数の二色性物質の合計量が上述の範囲にあることが好ましい。
 また、二色性物質の含有量は、形成される液晶層の配向度が高くなる理由から、10~400mg/cmであることが好ましく、30~200mg/cmであることがより好ましく、40~150mg/cmであることがさらに好ましい。なお、二色性物質を複数併用する場合は、複数の二色性物質の合計量が上述の範囲にあることが好ましい。
 ここで、二色性物質の含有量(mg/cm)は、液晶層を有する光学積層体を溶解させた溶液、または、光学積層体を溶媒浸漬した抽出液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定することで得られるが、上記手法に限定されない。なお、定量化は、液晶層に含まれる二色性物質を標準試料とすることで行うことができる。
 二色性物質の含有量の算出方法の一例としては、光学積層体の断面の顕微鏡観察像から求めた液晶層の厚みと、色素量の測定に用いた光学積層体の面積との積で体積を算出し、HPLCより測定した色素量より除することで色素含有量を算出する方法が挙げられる。
 上記液晶層の厚みは特に制限されないが、0.1~10μmが好ましく、0.5~5μmがより好ましい。
 <液晶層の形成方法>
 液晶層を形成する方法は特に制限されないが、上述した配向膜上に、液晶化合物を含む液晶層形成用組成物を塗布して塗布膜を形成する工程(以下、「塗布膜形成工程」ともいう。)と、上記塗布膜に含まれる液晶化合物を、液晶層の法線方向とのなす角度が0°以上45°以下となるように配向させる工程(以下、「配向工程」ともいう。)と、をこの順に備える方法(以下、「本製造方法」ともいう。)が好ましい。
 なお、液晶層として光吸収異方性層を形成する場合には、本製造方法において、上述した液晶層形成用組成物に二色性物質を含有させることで形成することができる。
 以下、各工程について説明する。
 塗布膜形成工程は、配向膜上に上述した液晶層形成用組成物を塗布して塗布膜を形成する工程である。
 上述した溶媒を含む液晶層形成用組成物を用いたり、液晶層形成用組成物を加熱などによって溶融液などの液状物としたものを用いたりすることにより、配向膜上に液晶層形成用組成物を塗布することが容易になる。
 液晶層形成用組成物の塗布方法としては、ロールコーティング法、グラビア印刷法、スピンコート法、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スプレー法、および、インクジェット法などの公知の方法が挙げられる。
 配向工程は、塗布膜に含まれる液晶化合物を配向させる工程である。なお、配向工程では、配向膜によって配向した液晶化合物に沿って、任意の二色性物質も配向するものと考えられる。
 配向工程は、乾燥処理を有していてもよい。乾燥処理によって、溶媒などの成分を塗布膜から除去できる。乾燥処理は、塗布膜を室温下において所定時間放置する方法(例えば、自然乾燥)によって行われてもよいし、加熱および/または送風する方法によって行われてもよい。
 配向工程は、加熱処理を有することが好ましい。
 加熱処理は、製造適性などの点から、10~250℃が好ましく、25~190℃がより好ましい。また、加熱時間は、1~300秒が好ましく、1~60秒がより好ましい。
 配向工程は、加熱処理後に実施される冷却処理を有していてもよい。冷却処理は、加熱後の塗布膜を室温(20~25℃)程度まで冷却する処理である。
 以上の工程によって、液晶層を得ることができる。
 本製造方法は、上記配向工程後に、液晶層を硬化させる工程(以下、「硬化工程」ともいう。)を有していてもよい。
 硬化工程は、例えば、加熱および/または光照射(露光)によって実施される。このなかでも、硬化工程は光照射によって実施されることが好ましい。
 硬化に用いる光源は、赤外線、可視光または紫外線など、種々の光源を用いることが可能であるが、紫外線であることが好ましい。また、硬化時に加熱しながら紫外線を照射してもよいし、特定の波長のみを透過するフィルタを介して紫外線を照射してもよい。
 また、露光は、窒素雰囲気下で行われてもよい。ラジカル重合によって液晶層の硬化が進行する場合において、酸素による重合の阻害が低減されるため、窒素雰囲気下で露光することが好ましい。
 本発明の積層体は、光学補償フィルムを有することが好ましい。
 光学補償フィルムとしては、例えば、位相差層が挙げられ、具体的には、Aプレート、BプレートおよびCプレートが挙げられる。光学補償フィルムは、光吸収異方性層の特性に応じて適宜選定できる。
 Aプレートは、ポジティブAプレート(正のAプレート、+Aプレート)とネガティブAプレート(負のAプレート、-Aプレート)との2種がある。フィルム面内の遅相軸方向の屈折率をnx、面内の遅相軸と面内で直交する方向の屈折率をny、厚さ方向の屈折率をnzとしたとき、ポジティブAプレートは式(A1)の関係を満たすものであり、ネガティブAプレートは式(A2)の関係を満たすものである。なお、ポジティブAプレートはRthが正の値を示し、ネガティブAプレートはRthが負の値を示す。なお、フィルム面内の遅相軸方向とは、すなわち、面内での屈折率が最大となる方向である。
 式(A1)  nx>ny≒nz
 式(A2)  ny<nx≒nz
 なお、上記「≒」とは、両者が完全に同一である場合だけでなく、両者が実質的に同一である場合も包含する。「実質的に同一」とは、例えば、(ny-nz)×dが、-10~10nm、好ましくは-5~5nmの場合も「ny≒nz」に含まれ、(nx-nz)×dが、-10~10nm、好ましくは-5~5nmの場合も「nx≒nz」に含まれる。なお、(ny-nz)×dにおいて、dはフィルムの厚さである。
 Bプレートは、nx、ny、nzのいずれも値が異なるものであり、式(B1)の関係を満たす、Rthが負のBプレートと、式(B2)の関係を満たす、Rthが正のBプレートとの2種がある。
 式(B1)  (nx+ny)/2>nz
 式(B2)  (nx+ny)/2<nz
 なお、BプレートのNz係数は、1.5以上が好ましく、2.0~10.0がより好ましく、3.0~5.0がさらに好ましい。なお、Nz係数とは、Nz=(nx-nz)/(nx-ny)で表される値を意味する。
 その中でも、BプレートのReは70nm~170nmが好ましく、90nm~150nmがさらに好ましく、最も好ましいのは110nm~130nmである。同様にしてBプレートのRthは350nm~490nmが好ましく、380nm~460nmがさらに好ましく、最も好ましいのは400nm~440nmである。
 Cプレートは、ポジティブCプレート(正のCプレート、+Cプレート)とネガティブCプレート(負のCプレート、-Cプレート)との2種がある。ポジティブCプレートは式(C1)の関係を満たすものであり、ネガティブCプレートは式(C2)の関係を満たすものである。なお、ポジティブCプレートはRthが負の値を示し、ネガティブCプレートはRthが正の値を示す。
 式(C1)  nz>nx≒ny
 式(C2)  nz<nx≒ny
 なお、上記「≒」とは、両者が完全に同一である場合だけでなく、両者が実質的に同一である場合も包含する。「実質的に同一」とは、例えば、(nx-ny)×dが、0~10nm、好ましくは0~5nmの場合も「nx≒ny」に含まれる。なお、(ny-nz)×dにおいて、dはフィルムの厚さである。
 光学補償フィルムとしては、Bプレートを用いることが好ましい。なかでも、Bプレートは、光吸収異方性層と偏光子の間に配置されることが好ましく、偏光子の吸収軸と、Bプレートの面内遅相軸とのなす角が0±10°となるように配置されることがより好ましい。
[画像表示装置]
 本発明の画像表示装置は、本発明の積層体を有する、画像表示装置である。
 本発明の画像表示装置に用いられる表示素子は特に限定されず、例えば、液晶セル、有機エレクトロルミネッセンス(以下、「EL」と略す。)表示パネル、無機EL表示パネル、および、プラズマディスプレイパネルなどが挙げられる。
 〔液晶表示装置〕
 本発明の表示装置の一例である液晶表示装置としては、上述した本発明の積層体と、液晶セルと、を有する態様が好ましく挙げられる。
 具体的な構成としては、本発明の積層体をフロント側偏光板もしくはリア側偏光板に配置する構成がある。これら構成においては、上下方向もしくは左右方向が遮光される視野角制御が可能となる。
 また、フロント側偏光板およびリア側偏光板の両偏光板上に本発明の積層体を配置してもよい。このような構成にすることで、全方位が遮光され、正面方向のみ光が透過する視野角制御が可能となる。
 さらに、本発明の積層体を、位相差層を介して複数枚積層してもよい。位相差値および光軸方向を制御することで、透過性能および遮光性能を制御することができる。例えば、偏光子、本発明の積層体、λ/2波長板(軸角度は偏光子の配向方向に対して45°ずれた角度)、本発明の積層体のように配置することで、全方位が遮光され、正面方向のみ光が透過する視野角制御が可能となる。位相差層としては、正のAプレート、負のAプレート、正のCプレート、負のCプレート、Bプレート、Oプレートなどを用いることができる。位相差層の厚みは、視角制御システムを薄型化する観点で、光学特性、機械物性、および、製造適性を損ねない限りは薄いことが好ましく、具体的には、1~150μmが好ましく、1~70μmがより好ましく、1~30μmがさらに好ましい。
 以下に、液晶表示装置を構成する液晶セルについて詳述する。
 <液晶セル>
 液晶表示装置に利用される液晶セルは、VA(Vertical Alignment)モード、OCB(Optically Compensated Bend)モード、IPS(In-Plane-Switching)モード、またはTN(Twisted Nematic)モードであることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
 TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、更に60~120゜にねじれ配向している。TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
 VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2-176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech.Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n-ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58~59(1998)記載)および(4)SURVIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。また、PVA(Patterned Vertical Alignment)型、光配向型(Optical Alignment)、およびPSA(Polymer-Sustained Alignment)のいずれであってもよい。これらのモードの詳細については、特開2006-215326号公報、および特表2008-538819号公報に詳細な記載がある。
 IPSモードの液晶セルは、液晶性化合物が基板に対して実質的に平行に配向しており、基板面に平行な電界が印加することで液晶分子が平面的に応答する。即ち電界無印加状態で、液晶性化合物が面内に配向している。IPSモードは電界無印加状態で黒表示となり、上下一対の偏光板の吸収軸は直交している。光学補償シートを用いて、斜め方向での黒表示時の漏れ光を低減させ、視野角を改良する方法が、特開平10-54982号公報、特開平11-202323号公報、特開平9-292522号公報、特開平11-133408号公報、特開平11-305217号公報、特開平10-307291号公報などに開示されている。
 〔有機EL表示装置〕
 本発明の表示装置の一例である有機EL表示装置としては、例えば、視認側から、上述した本発明の積層体と、λ/4板と、有機EL表示パネルと、をこの順で有する態様が好適に挙げられる。
 また、上述の液晶表示装置と同様に、本発明の積層体を、位相差層を介して複数枚積層して、有機EL表示パネル上に配置してもよい。位相差値および光軸方向を制御することで、透過性能および遮光性能を制御することができる。
 また、有機EL表示パネルは、電極間(陰極および陽極間)に有機発光層(有機エレクトロルミネッセンス層)を挟持してなる有機EL素子を用いて構成された表示パネルである。有機EL表示パネルの構成は特に制限されず、公知の構成が採用される。
 〔視野角切替装置〕
 本発明の画像表示装置は、本発明の積層体と、電子制御視野角切替セルとを有する画像表示装置、すなわち、視野角切替装置であってもよい。
 ここで、電子制御視野角切替セルは、第1基板、第2基板、第1電極、第2電極および液晶層を含む。
 対向配置される第1電極および第2電極は、それぞれ第1基板および第2基板上に設置され、第1電極および第2電極は例えば面電極であるが、これに限定されるものではない。
 液晶層は、第1電極と第2電極との間に配置され、複数の液晶分子を含む。第1基板および第2基板の材質は、ガラス、石英、有機ポリマー、または、他の適切な透明材料を含む。
 一方、第1電極および第2電極は、例えば光透過型電極であり,光透過型電極の材質はインジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、アルミニウムスズ酸化物、アルミニウム亜鉛酸化物又は他の適切な酸化物、極薄の金属、中空の金属層(metal mesh or wire grid)、カーボンナノチューブ、ナノ銀線(Ag nano wire)、または、グラフェンを含む。例えば、第1電極と第2電極との間に電圧が印加されると、この電圧は2電極間に電界を形成して液晶層の液晶分子を回転させることができる。言い換えれば,異なる電界の大きさと分布によって複数の液晶分子の配向軸(または長軸)を変更することができ,それにより光線の偏光状態を調整し,さらに表示装置を覗き込み防止モードと共有モードとの間で切り替える。液晶層の複数の液晶分子の光軸を電界が印加されない時に、特定の方向に配列するために、電子制御視野角切替セルはさらに配向膜1および配向膜2を含む。配向膜1は、第1電極と液晶層との間に設置され,配向膜2は第2電極と液晶層との間に設置され、かつ、液晶層LCLは配向膜1と配向膜2との間に配置される。
 具体例としては、US2021/0349335などに記載される、光学装置/視野角切替装置などがあり、これらの装置中においても本願の積層体は好適に使用することができる。
 本発明においては、電子制御視野角切替セルをプライバシーモードで使用した時、視野角制御の性能、すなわち画面を正面から観察した時と斜めから観察した時の画面のコントラストの差が、最も高くなりやすいという理由から、電子制御視野角切替セルの最大位相差が1/4波長または1/2波長であることが好ましい。
[光学装置/ヘッドマウントディスプレイ]
 本発明の光学装置は、上述した本発明の積層体を含む光学フィルターと、回折素子が表面に配置された導光板とを有する光学装置である。
 また、本発明のヘッドマウントディスプレイは、上述した光学装置と、画像表示素子とを有するヘッドマウントディスプレイである。
 図1に、本発明のヘッドマウントディスプレイの一例の模式図を示す。
 図1に示すヘッドマウントディスプレイ80は、一例としてARグラスであって、導光板82と、導光板82の一方の表面に配置された入射回折素子90および出射回折素子92と、光学フィルター10と、画像表示素子86と、を有する。なお、導光板82、入射回折素子90および出射回折素子92、ならびに、光学フィルター10は、本発明の光学装置を構成する。
 図1に示すように、導光板82の一方の端部側の表面(主面)には入射回折素子90が配置されている。また、導光板82の他方の端部側の表面には出射回折素子92が配置されている。
 入射回折素子90の配置位置は、画像表示素子86から導光板82への映像光Iの入射位置に対応する。他方、出射回折素子92の配置位置は、導光板82からの映像光Iの出射位置、すなわち使用者による映像光Iの観察位置に対応する。また、入射回折素子90および出射回折素子92は、導光板82の同じ表面に配置されている。
 また、光学フィルター10は、導光板82の出射回折素子92に対面して、導光板82の出射回折素子92が配置される面とは反対側の面に配置されている。図1に示すように、光学フィルター10は、出射回折素子92と同様の平面形状を有する。
 なお、導光板82には、中間回折素子94が設けられてもよい(図2参照)。
 また、各回折素子の配置位置は、導光板の端部には制限はされず、導光板の形状等に応じて、各種の位置が利用可能である。
 このような構成のヘッドマウントディスプレイ80(ARグラス)において、画像表示素子86が表示した映像光Iは、矢印で示すように、入射回折素子90に回折されて、導光板82と空気との界面で全反射される角度で、導光板82内に入射する。
 導光板82内に入射した映像光Iは、導光板82の両表面で全反射されて導光板82内を導光され、出射回折素子92に入射する。
 出射回折素子92に入射した映像光Iは、出射回折素子92によって、出射回折素子92の表面に垂直な方向へ回折される。
 出射回折素子92で回折された映像光Iは、導光板82の外部の使用者による観察位置に出射し、使用者によって観察される。
 また、図1に示すように、正面方向からヘッドマウントディスプレイ80に入射する外光Iすなわち背景は、光学フィルター10を透過して、導光板82に入射し、出射回折素子92を透過して、使用者による観察位置に到達する。以下の説明では、正面方向からヘッドマウントディスプレイ80に入射する外光を、正面外光Iともいう。
 これにより、ヘッドマウントディスプレイ80は、画像表示素子86が表示した映像を、導光板82の一端に入射して伝播し、他端から出射することにより、使用者が実際に見ている光景に、仮想の映像を重ねて表示する。
 なお、光学フィルター10の平面形状は、回折素子の平面形状と同じに制限はされず、異なる形状であってもよく、また、サイズも異なってもよい。しかしながら、回折素子に斜め方向から入射外光すなわち斜め外光Iを好適に遮光し、かつ、背景すなわち正面外光Iの不要な遮光を抑制するために、回折素子および光学フィルターは、サイズも含めて、同じ平面形状であるのが好ましい。
 導光板82としては特に限定はなく、各種のARグラスで用いられる導光板、液晶表示装置のバックライトユニットで用いられる導光板など、画像表示装置等で用いられている従来公知の導光板を用いることができる。
 画像表示素子86には、制限はなく、ARグラス等の各種の画像表示装置に用いられる公知の画像表示素子(ディスプレイ)が、各種、利用可能である。
 画像表示素子86としては、一例として、液晶ディスプレイ(LCOS(Liquid Crystal On Silicon)等を含む)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、無機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、DLP(Digital Light Processing)、MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)型ディスプレイ、および、マイクロLED(Light-Emitting Diode)ディスプレイ等が例示される。
 なお、画像表示素子86は、モノクロ画像を表示するものでも、二色画像を表示するものでも、カラー画像を表示するものでもよい。
 本発明の光学装置では、回折素子を覆って、本発明の積層体を含む光学フィルター、好ましくは、図示例のように、積層体14および偏光子12を含む光学フィルターを有する。
 本発明の光学装置は、このような光学フィルター10(10m)を有することにより、ARグラス等のヘッドマウントディスプレイに利用した際に、正面方向(正面外光I)の光透過率は高く、すなわち背景の視認性に優れ、かつ、観察者の前方頭上(頭上斜め上方前方)から入射する外光(斜め外光I)に起因する虹ムラを抑制できる。さらに、本発明の光学装置によれば、好ましくは、観察者の頭上前方のみならず、観察者の斜め前方頭上(頭上斜め方位前方)から入射する外光に起因する虹ムラも抑制できる。
 本発明の光学装置において、光学フィルター10を構成する積層体14は、吸収軸(液晶化合物の配向方向)と、積層体14の法線方向とのなす角度が0~45°である。すなわち、積層体14は、積層体14の主面および導光板82の主面の法線方向に延在する吸収軸を有する。
 他方、光学フィルター10を構成する偏光子12は、吸収軸を主面内に有する偏光子である。すなわち、偏光子は、積層体14の主面および導光板82の主面と平行な吸収軸を有する。
 なお、本発明においては、光学フィルターが積層体14と偏光子12とを有する場合には、耐光性向上の観点で、積層体14を導光板82側にするのが好ましい。
 以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容及び処理手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
(1)配向膜形成用組成物1の調製
 以下に示す配向膜形成用組成物1を調製した。
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配向膜形成用組成物1
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・下記EPICLON N-695(クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂、DIC(株)製)           100質量部
・酢酸ブチル                   1001質量部
・MEK                      250質量部
・下記DIPEA(3%酢酸ブチル溶液)     0.600質量部
・サンエイドSI-B3A(三新化学工業(株)製) 8.25質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
 EPICLON N-695
 DIPEA
(2)配向膜の形成
 基材として、市販のセルロースアシレート系フィルム(富士フイルム(株)製、商品名フジタック TG40UL)を用いた。
 基材の表面に、上記の配向膜形成用組成物1をワイヤーバーで塗布した。
 塗膜が形成された基材を140℃の温風で120秒間乾燥して配向膜を形成し、配向膜付き基材を得た。得られた配向膜の膜厚は1μmであった。
(3)液晶層形成用組成物1の調製
 以下に示す液晶層形成用組成物1を調製した。
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液晶層形成用組成物1
――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記高分子液晶化合物P-1           8.67質量部
・下記液晶化合物L-1              1.97質量部
・IRGACUE OXE-2(BASF社製)   0.20質量部
・下記配向剤E-1                0.16質量部
・下記配向剤E-2                0.16質量部
・下記界面活性剤F-1             0.007質量部
・シクロペンタノン               78.17質量部
・ベンジルアルコール               8.69質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
 高分子液晶化合物P-1
 液晶化合物L-1〔下記液晶化合物(RA)(RB)(RC)の84:14:2(質量比)の混合物〕
 配向剤E-1
 配向剤E-2
 界面活性剤F-1
(4)液晶層の形成
 得られた配向膜付き基材上に、上記の液晶層形成用組成物1をワイヤーバーで塗布し、120℃で60秒間加熱した後、室温(23℃)になるまで冷却した。次いで、85℃で60秒間加熱し、再び室温になるまで冷却した。
 その後、窒素パージ条件下(酸素濃度100ppm以下)で、LED灯(中心波長365nm)を用いて、膜法線方向から、照度200mW/cmの照射条件で2秒間照射することにより、配向膜上に液晶層を作製した。液晶層の膜厚は4.5μmであった。
(5)保護層形成用組成物1の調製
 以下に示す保護層形成用組成物1を調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――
保護層形成用組成物1
――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記変性ポリビニルアルコールPVA-1     3.80質量部
・IRGACURE2959(BASF社製)    0.20質量部
・下記色素化合物G-1              0.08質量部
・水                         70質量部
・メタノール                     30質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
 変性ポリビニルアルコールPVA-1
 色素化合物G-1
(6)保護層の形成
 得られた液晶層の表面に、4.0m/min、440W、クリアランス2.0mmの条件下でコロナ処理を施した。
 次いで、コロナ処理を施した液晶層上に上記の保護層形成用組成物1をワイヤーバーで塗布し、塗膜を形成した。
 次いで、塗膜が形成された基材を60℃の温風で60秒間、さらに100℃の温風で120秒間乾燥して保護層を形成し、積層体1を作製した。保護層の膜厚は0.5μmであった。
 作製した積層体1において、液晶層に含まれる液晶化合物の配向方向と、液晶層の法線方向とのなす角度は0°であった。
[実施例2]
 液晶層形成用組成物1に代えて、下記組成の液晶層形成用組成物2を用いた以外は、実施例1と同じ方法で、実施例2の積層体2を作製した。なお、作製した積層体2において、液晶層に含まれる液晶化合物の配向方向と、液晶層の法線方向とのなす角度は0°であった。また、液晶層の膜厚は4.5μmであった。
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液晶層形成用組成物2
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・下記二色性色素D-1              0.69質量部
・下記二色性色素D-2              0.17質量部
・下記二色性色素D-3              1.13質量部
・上記高分子液晶化合物P-1           8.67質量部
・上記液晶化合物L-1              1.97質量部
・IRGACUE OXE-2(BASF社製)   0.20質量部
・上記配向剤E-1                0.16質量部
・上記配向剤E-2                0.16質量部
・上記界面活性剤F-1             0.007質量部
・シクロペンタノン               78.17質量部
・ベンジルアルコール               8.69質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
 二色性色素D-1
 二色性色素D-2
 二色性色素D-3
[実施例3]
 配向膜形成用組成物1に代えて、下記組成の配向膜形成用組成物2を用いた以外は、実施例2と同じ方法で、実施例3の積層体3を作製した。なお、作製した積層体3において、液晶層に含まれる液晶化合物の配向方向と、液晶層の法線方向とのなす角度は0°であった。また、得られた配向膜の膜厚は1μmであった。
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配向膜形成用組成物2
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・下記EPICLON N-775(フェノールノボラック型
エポキシ樹脂、DIC(株)製)           100質量部
・酢酸ブチル                   1001質量部
・MEK                      250質量部
・上記DIPEA(3%酢酸ブチル溶液)     0.600質量部
・サンエイドSI-B3A(三新化学工業(株)製) 8.25質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
 EPICLON N-775
[実施例4]
 配向膜形成用組成物1に代えて、下記組成の配向膜形成用組成物3を用いた以外は、実施例2と同じ方法で、実施例4の積層体4を作製した。なお、作製した積層体4において、液晶層に含まれる液晶化合物の配向方向と、液晶層の法線方向とのなす角度は0°であった。また、得られた配向膜の膜厚は1μmであった。
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配向膜形成用組成物3
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・下記NC-7000-L(ナフトールクレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、日本化薬株式会社製)   100質量部
・酢酸ブチル                   1001質量部
・MEK                      250質量部
・上記DIPEA(3%酢酸ブチル溶液)     0.600質量部
・サンエイドSI-B3A(三新化学工業(株)製) 8.25質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
 NC-7000-L
[実施例5]
 配向膜形成用組成物1に代えて、下記組成の配向膜形成用組成物4を用いた以外は、実施例2と同じ方法で、実施例5の積層体5を作製した。なお、作製した積層体5において、液晶層に含まれる液晶化合物の配向方向と、液晶層の法線方向とのなす角度は0°であった。また、得られた配向膜の膜厚は1μmであった。
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配向膜形成用組成物4
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・下記jER828US(下記構造参照、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、三菱ケミカル式会社製)        100質量部
・酢酸ブチル                   1001質量部
・MEK                      250質量部
・上記DIPEA(3%酢酸ブチル溶液)     0.600質量部
・サンエイドSI-B3A(三新化学工業(株)製) 8.25質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
 jER828US
[実施例6]
 配向膜形成用組成物1に代えて、下記組成の配向膜形成用組成物5を用いた以外は、実施例2と同じ方法で、実施例6の積層体6を作製した。なお、作製した積層体6において、液晶層に含まれる液晶化合物の配向方向と、液晶層の法線方向とのなす角度は0°であった。また、得られた配向膜の膜厚は1μmであった。
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配向膜形成用組成物5
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・上記EPICLON N-695(クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂、DIC株式会社製)           43質量部
・下記EPICLON HP-7200H(ジシクロペンタジエン型
エポキシ樹脂、DIC株式会社製)           57質量部
・酢酸ブチル                   1001質量部
・MEK                      250質量部
・上記DIPEA(3%酢酸ブチル溶液)     0.600質量部
・サンエイドSI-B3A(三新化学工業(株)製) 8.25質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
 EPICLON HP-7200H
[実施例7]
 配向膜形成用組成物1に代えて、下記組成の配向膜形成用組成物6を用いた以外は、実施例2と同じ方法で、実施例7の積層体7を作製した。なお、作製した積層体7において、液晶層に含まれる液晶化合物の配向方向と、液晶層の法線方向とのなす角度は0°であった。また、得られた配向膜の膜厚は1μmであった。
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配向膜形成用組成物6
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・下記NC-3100(ビフェニルノボラック型
エポキシ樹脂、DIC株式会社製)          100質量部
・酢酸ブチル                   1001質量部
・MEK                      250質量部
・上記DIPEA(3%酢酸ブチル溶液)     0.600質量部
・サンエイドSI-B3A(三新化学工業(株)製) 8.25質量部
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 NC-3100
[実施例8]
 配向膜形成用組成物1に代えて、下記組成の配向膜形成用組成物7を用いた以外は、実施例2と同じ方法で、実施例8の積層体8を作製した。なお、作製した積層体8において、液晶層に含まれる液晶化合物の配向方向と、液晶層の法線方向とのなす角度は0°であった。また、得られた配向膜の膜厚は1μmであった。
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配向膜形成用組成物7
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・上記EPICLON N-695(クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂、DIC株式会社製)         85.0質量部
・下記サイクロマーM-100(ダイセル株式会社製)15.0質量部
・酢酸ブチル                   1001質量部
・MEK                      250質量部
・上記DIPEA(3%酢酸ブチル溶液)     0.600質量部
・サンエイドSI-B3A(三新化学工業(株)製) 8.25質量部
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 サイクロマーM-100
[実施例9]
 液晶層形成用組成物2に代えて、下記組成の液晶層形成用組成物3を用いた以外は、実施例2と同じ方法で、実施例9の積層体9を作製した。なお、作製した積層体9において、液晶層に含まれる液晶化合物の配向方向と、液晶層の法線方向とのなす角度は0°であった。また、液晶層の膜厚は4.5μmであった。
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液晶層形成用組成物3
――――――――――――――――――――――――――――――――
・上記二色性色素D-1              0.69質量部
・上記二色性色素D-2              0.17質量部
・上記二色性色素D-3              1.13質量部
・下記液晶化合物L-3              7.98質量部
・下記液晶化合物L-4              2.66質量部
・IRGACUE OXE-2(BASF社製)   0.20質量部
・上記配向剤E-1                0.16質量部
・上記配向剤E-2                0.16質量部
・上記界面活性剤F-1             0.007質量部
・シクロペンタノン               78.17質量部
・ベンジルアルコール               8.69質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
 液晶化合物L-3
 液晶化合物L-4
[比較例1]
 配向膜形成用組成物1に代えて、下記組成の配向膜形成用組成物H1を用いた以外は、実施例2と同じ方法で、比較例1の積層体H1を作製した。なお、作製した積層体H1において、液晶層に含まれる液晶化合物は、ほぼランダムに配向していることが確認できた。また、得られた配向膜の膜厚は1μmであった。
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配向膜形成用組成物H1
――――――――――――――――――――――――――――――――
・上記EPICLON HP-7200H(ジシクロペンタジエン型
エポキシ樹脂、DIC(株)製)           100質量部
・酢酸ブチル                   1001質量部
・MEK                      250質量部
・上記DIPEA(3%酢酸ブチル溶液)     0.600質量部
・サンエイドSI-B3A(三新化学工業(株)製) 8.25質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
[比較例2]
 配向膜形成用組成物1に代えて、下記組成の配向膜形成用組成物H2を用いた以外は、実施例2と同じ方法で、比較例2の積層体H2を作製した。なお、作製した積層体H2において、液晶層に含まれる液晶化合物は、ほぼランダムに配向していることが確認できた。また、得られた配向膜の膜厚は1μmであった。
――――――――――――――――――――――――――――――――
配向膜形成用組成物H2
――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記アデカグリシロールED-505(株式会社ADEKA製)
                          100質量部
・酢酸ブチル                   1001質量部
・MEK                      250質量部
・上記DIPEA(3%酢酸ブチル溶液)     0.600質量部
・サンエイドSI-B3A(三新化学工業(株)製) 8.25質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
 アデカグリシロールED-505
[比較例3]
 配向膜形成用組成物1に代えて、下記組成の配向膜形成用組成物H3を用いた以外は、実施例2と同じ方法で、比較例3の積層体H3を作製した。なお、作製した積層体H3において、液晶層に含まれる液晶化合物は、ほぼランダムに配向していることが確認できた。また、得られた配向膜の膜厚は1μmであった。
――――――――――――――――――――――――――――――――
配向膜形成用組成物H3
――――――――――――――――――――――――――――――――
・アデカグリシロールED-506(株式会社ADEKA製)
                          100質量部
・酢酸ブチル                   1001質量部
・MEK                      250質量部
・上記DIPEA(3%酢酸ブチル溶液)     0.600質量部
・サンエイドSI-B3A(三新化学工業(株)製) 8.25質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
 アデカグリシロールED-506
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000032
[配向度の評価]
 作製した各積層体における液晶層の波長550nmにおける配向度は以下の方法によって算出した。
 AxoScan OPMF-1(オプトサイエンス社製)を用いて、測定の際に、光吸収異方性層の法線方向に対する角度である極角を0~90°まで5°ごとに変更しつつ、各極角における波長550nmでのミュラーマトリックスを実測し、最小透過率(Tmin)を導出した。次に、表面反射の影響を除去した後、Tminが最も高くなる極角におけるTminをTm(0)、Tminの最も高い極角からさらに40°極角を大きくした方向のTminをTm(40)とする。得られたTm(0)およびTm(40)から下記式により吸光度(A)を算出し、A(0)およびA(40)を算出した。
 A=-log(Tm)
 ここで、Tmは透過率、Aは吸光度を表す。
 算出したA(0)およびA(40)より、下記式で定義された波長550nmにおける配向度SPを算出した。
 SP=(4.6×A(40)-A(0))/(4.6×A(40)+2×A(0))
 ここで、実施例2~9については、波長550nmにおける配向度SPを以下の基準で評価した。なお、実施例1については、実施例1の液晶層に二色性物質を配合した例(実施例2)の結果と同様の結果とした。これらの結果を下記表1に示す。
 A:0.95以上
 B:0.80以上0.95未満
 C:0.15以上0.80未満
 D:0.15以下
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000033
 表1に示す結果から、化合物Aを配合せず、開環重合性を有さない環構造の総数に対する芳香族環の数の割合(芳香族環比率)が70%未満となる化合物の硬化物を含有する配向膜を用いると、液晶層の配向度が低くなることが分かった(比較例1~3)。
 これに対し、上記式(1)で表され、かつ、開環重合性を有さない環構造の総数に対する芳香族環の数の割合が70%以上となる化合物Aの硬化物を含有する配向膜を用いると、液晶層の配向度が高くなることが分かった(実施例1~9)。
 特に、実施例2~7の対比から、化合物Aのエポキシ当量が260g/eq以下であると、液晶層の配向度がより高くなることが分かった。
[実施例10](ARグラス)
 〔粘着剤N1および粘着剤N2の作製〕
 以下の手順に従い、アクリレート系重合体を調製した。
 冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌装置を備えた反応容器に、アクリル酸ブチル95質量部、アクリル酸5質量部を溶液重合法により重合させて、平均分子量200万、分子量分布(Mw/Mn)3.0のアクリレート系重合体(NA1)を得た。
 次に得られたアクリレート系重合体(NA1)用いて、以下の組成で、アクリレート系粘着剤を作製した。これらの組成物を、シリコーン系剥離剤で表面処理したセパレートフィルムにダイコーターを用いて塗布し90℃の環境下で1分間乾燥させ、紫外線(UV)を下記条件で照射して、下記アクリレート系粘着剤N1および粘着剤N2(粘着層)を得た。アクリレート系粘着剤の組成と膜厚を以下に示す。
 <UV照射条件>
 ・フュージョン社無電極ランプ Hバルブ
 ・照度600mW/cm、光量150mJ/cm
 ・UV照度および光量は、アイグラフィックス製「UVPF-36」を用いて測定した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
アクリレート系粘着剤N1(膜厚:5μm,貯蔵弾性率:2.6MPa)
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・アクリレート系重合体(NA1)           100質量部
・下記(A)多官能アクリレート系モノマー      11.1質量部
・下記(B)光重合開始剤               1.1質量部
・下記(C)イソシアネート系架橋剤          1.0質量部
・下記(D)シランカップリング剤           0.2質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――
アクリレート系粘着剤N2(膜厚:15μm,貯蔵弾性率:0.4MPa)
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・アクリレート系重合体(NA1)           100質量部
・下記(C)イソシアネート系架橋剤          1.0質量部
・下記(D)シランカップリング剤           0.2質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
 (A)多官能アクリレート系モノマー:トリス(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、分子量=423、3官能型(東亞合成社製、商品名「アロニックスM-315」)
 (B)光重合開始剤:ベンゾフェノンと1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとの質量比1:1の混合物、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュアー500」
 (C)イソシアネート系架橋剤:トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製「コロネートL」)
 (D)シランカップリング剤:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製「KBM-403」)
(光学フィルター1の作製)
 PVA偏光子と実施例2で作製した積層体2のTACフィルム1表面とを粘着層N1で貼合した。さらに、積層体2の保護層B1表面に粘着層N2を貼合したものを、光学フィルター1とした。図5に、光学フィルター1の層構成〔偏光子(12)/粘着層N1(13)/積層体(14)/粘着層N2(15)〕を示す。
(ヘッドマウントディスプレイ1の作製)
 ARグラス(Vuzix社製 BLADE)の右側の反観察面側の遮光レンズを取り外し、導光板に光学フィルター1を貼合できるように準備した。光学フィルター1の粘着層N2が導光板の反観察面側に、導光板全体を覆うように貼合し、ヘッドマウントディスプレイ1を作製した。
 このARグラスは、導光板の表面に図2と同様の入射回折素子、出射回折素子および中間回折素子を有するものである。
 また、観察面とは、ARグラスを使用する使用者側の面であり、反観察面側とは、ARグラスを使用する使用者とは逆側の面で、すなわち外光が入射する側の面である。
[実施例11]
 実施例10から、以下のように光学フィルター2を作製し、光学フィルター1の代わりに以下の方法で作製した光学フィルター2を使用した以外は、実施例10と同様にして実施例11を行った。
 〔Bプレートの作製〕
 <押出成形>
 シクロオレフィン樹脂 ARTON G7810(JSR社)を、100℃において2時間以上乾燥し、2軸混練押し出し機を用いて、280℃で溶融押し出しした。このとき押し出し機とダイの間にスクリーンフィルター、ギアポンプ、リーフディスクフィルターをこの順に配置し、これらをメルト配管で連結し、幅1000mm、リップギャップ1mmのTダイから押し出し、180℃、175℃、170℃に設定した3連のキャストロール上にキャストし、幅900mm、厚み320μmの未延伸フィルム1を得た。
 <延伸・熱固定>
 搬送されている上記未延伸フィルム1に対し、以下の方法で、延伸工程および熱固定工程を施した。
(a)縦延伸
 未延伸フィルム1に対し、縦横比(L/W)が0.2であるロール間縦延伸機を用いて搬送しながら下記条件にて縦延伸した。
 <条件>
 予熱温度:170℃
 延伸温度:170℃
 延伸倍率:155%
(b)横延伸
 縦延伸したフィルムに対し、テンターを用いて搬送しながら下記条件にて横延伸した。
 <条件>
 予熱温度:170℃
 延伸温度:170℃
 延伸倍率:80%
(c)熱固定
 延伸工程の後に続いて、延伸フィルムをテンタークリップで端部を把持して幅が一定(3%以内の拡大または縮小の範囲)となるように延伸フィルム両端部を保持しながら、下記条件にて熱処理して、熱固定を行った。
 熱固定温度:165℃
 熱固定時間:30秒
 なお、予熱温度、延伸温度および熱固定温度は、放射温度計を用いて、幅方向に5点で測定した値の平均値である。
 <巻き取り>
 熱固定の後、両端をトリミングし、張力25kg/mで巻き取り、幅は1340mm、巻長は2000mのフィルムロールを得た。
 得られた延伸フィルムのReは120nm、Rthは420nm、Nz係数は4.0、遅相軸はMD方向、膜厚は80μmであった。これを、Bプレート1とした。液晶表示装置の作製時には、Bプレートの遅相軸と、液晶パネル視認側の偏光板吸収軸が平行となるように配置した。
 なお、上述したように、Bプレートとは、屈折率nx、ny、およびnzが互いに異なる値である二軸性の光学部材を意味し、Nz係数は、Nz=(nx-nz)/(nx-ny)で表される値を意味する。
 〔光学フィルター2の作製〕
 PVA偏光子とBプレート1を、Bプレート1の面内遅相軸と偏光子の吸収軸が平行となるように粘着層N1を使って貼合し、貼合フィルム1とした。次に、実施例2で作製した積層体2のTACフィルムの面と、前記貼合フィルム1のBプレートの面を粘着層N1により積層し、貼合フィルム2とした。さらに、別にもう一枚用意した積層体2のTACフィルム表面と、前記貼合フィルム2の保護層B1表面を粘着層N1で貼合し、貼合フィルム3とした。引き続き、貼合フィルム3の保護層B1表面に粘着剤N2を貼合し、光学フィルター2とした。図6に、光学フィルター2の層構成〔偏光子(12)/粘着層N1(13)/Bプレート(16)/粘着層N1(13)/積層体(14)/粘着層N1(13)/積層体(14)/粘着層N2(15)〕を示す。
[実施例12]
 実施例10のうち、以下のようにして光学フィルター3を作製し、光学フィルター1の代わりに以下の方法で作製した光学フィルター3を使用した以外は、実施例10と同様にして実施例12を行った。
 〔光学フィルター3の作製〕
 実施例11と同様にして作製した貼合フィルム3の保護層B1表面に、別にもう一枚用意した積層体2のTACフィルム表面を粘着層N1で貼合し、貼合フィルム4とし、次に貼合フィルム4の保護層B1表面に粘着剤N2を貼合し、光学フィルター3とした。図7に光学フィルター3の層構成〔偏光子(12)/粘着層N1(13)/Bプレート(16)/粘着層N1(13)/積層体(14)/粘着層N1(13)/積層体(14)/粘着層N1(13)/積層体(14)/粘着層N2(15)〕を示す。
[比較例4](ARグラス)
(ヘッドマウントディスプレイ2)
 光学フィルター1を装着する前のヘッドマウントディスプレイをヘッドマウントディスプレイ2として、比較例に用いた。
[評価]
 身長180cmの観察者が、作製したヘッドマウントディスプレイを装着し、頭上の3か所の蛍光灯による外光による虹ムラを以下の基準で評価した。結果を下記表2に示す。なお、下記表2には、ARグラス越しの視認性すなわち背景の視認性も併記する。
 また、ヘッドマウントディスプレイの評価系における、蛍光灯の位置を図3および図4に示す。
 0:虹ムラがはっきり見える
 1:虹ムラが見える
 2:虹ムラが弱く見える
 3:虹ムラがわずかに見える
 4:虹ムラがごくわずかに見える
 5:虹ムラが見えない
 10、10a、10b、10c 光学フィルター
 12 偏光子
 13 粘着層N1
 14 積層体
 15 粘着層N2
 16 Bプレート
 80 ヘッドマウントディスプレイ
 82 導光板
 90 入射回折素子
 92 出射回折素子
 94 中間回折素子
 I 正面外光
 I 映像光
 I 斜め外光
 

Claims (12)

  1.  配向膜および液晶層を隣接して有する積層体であって、
     前記配向膜が、下記式(1)で表され、かつ、開環重合性を有さない環構造の総数に対する芳香族環の数の割合が70%以上となる化合物Aの硬化物を含有する膜であり、
     前記液晶層に含まれる液晶化合物の配向方向と、前記液晶層の法線方向とのなす角度が0°以上45°以下である、積層体。

     ここで、前記式(1)中、
     AおよびAは、それぞれ独立に、芳香族性を有する環構造を表す。
     Bは、単結合または2価の連結基を表す。
     PおよびPは、それぞれ独立に、架橋性基を含む置換基を表す。
     RおよびRは、それぞれ独立に、架橋性基を含まない置換基を表す。
     xおよびyは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。ただし、xが2以上の整数を表す場合、複数のPは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、yが2以上の整数を表す場合、複数のPは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
     zおよびwは、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。ただし、zが2以上の整数を表す場合、複数のRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、wが2以上の整数を表す場合、複数のRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
     mは、1または2を表す。ただし、mが2を表す場合、複数のBは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、複数のAは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、複数のPは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、複数のRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
     nは、1以上の整数を表す。
  2.  前記式(1)のBがメチレン基である、請求項1に記載の積層体。
  3.  前記式(1)中のPおよびPの少なくとも1個が、開環重合性の架橋性基を含む置換基である、請求項1または2に記載の積層体。
  4.  前記液晶層が二色性物質を含有する、請求項1または2に記載の積層体。
  5.  前記二色性物質の含有量が、前記液晶層の質量に対して5質量%以上である、請求項4に記載の積層体。
  6.  前記二色性物質の含有量が、前記液晶層の質量に対して15質量%以上である、請求項4に記載の積層体。
  7.  前記化合物Aのエポキシ当量が260g/eq以下である、請求項1または2に記載の積層体。
  8.  請求項1または2に記載の積層体を含む、画像表示装置。
  9.  前記積層体と、電子制御視野角切替セルとを有する、請求項8に記載の画像表示装置。
  10.  電子制御視野角切替セルの最大位相差が1/4波長または1/2波長である、請求項9に記載の画像表示装置。
  11.  請求項1または2に記載の積層体を含む光学フィルターと、回折素子が表面に配置された導光板とを有する光学装置。
  12.  請求項11に記載の光学装置と、画像表示素子とを有するヘッドマウントディスプレイ。
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