JPWO2014156759A1 - ブクリョウの栽培方法 - Google Patents

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Abstract

栽培過程においてオガクズが混入することなく、良質なブクリョウを効率良く生産することが可能なブクリョウの人工栽培方法を提供することを課題とする。当該課題を解決した人工栽培方法は、次の工程(1)〜(4);(1)オガクズを基材とし、アンモニウム塩を含有する菌床中にマツホドの種菌を接種する工程(2)マツホドの種菌を培養して菌床表面に菌糸マットを形成させる工程(3)形成された菌糸マット上に種ブクリョウを接種する工程(4)接種したブクリョウを肥大させる工程を含有することを特徴とする。

Description

本発明は、ブクリョウ(マツホドの菌核)の栽培方法に関し、さらに詳細には、オガクズの混入が少なく、良質なブクリョウを効率良く生産することが可能な栽培方法に関する。
ブクリョウは、マツホド{Wolfiporia cocos Ryvarden et Gilbertson(又は、Poria cocos Wolf)サルノコシカケ科(Polyporaceae)に属する菌類}の菌核であり、生薬「茯苓」として桂枝茯苓丸、五苓散、茯苓飲をはじめとする多数の漢方処方に配合され、胸脇の逆気、憂恚、驚邪、恐悸、心下の結痛、寒熱、煩満、口焦、舌乾、小便不利を伴う諸疾患に古来から用いられてきた。また近年、利尿作用の他に抗胃潰瘍作用、血糖降下作用、免疫賦活作用が認められている。
ブクリョウは、天然の状態では、伐採してから3〜5年経過したマツ類の地下10〜30cmの根に付着して形成されるが、現在日本ではこのような野生品の採取はほとんどなされておらず、生薬としてのブクリョウはもっぱら中国からの輸入に依存している。中国では、野生品の採取の他、マツの原木を使用した人工栽培が行われているが、近年森林の伐採が規制される地域が拡大しており、将来にわたって供給量や品質の安定性を確保できるか懸念されている。また原木栽培では栽培期間が約1年と長く、原木の埋設や掘り出しなどの作業負荷が大きいという問題がある。
そこで、オガクズを培地としてブクリョウを栽培する試みがなされており、例えば、網目構造を有するかごを埋没させたオガクズ培地にマツホドの菌糸を接種することにより、かごの内部にブクリョウを形成させる方法が開示されている(特許文献1)。しかし、この方法によりブクリョウを栽培すると、ブクリョウにオガクズが混入するためそのままでは生薬として使用できず、オガクズの除去を行う必要があるため、収量が減るとともに、製造コストが上昇するという問題があった。
これに対し、本出願人はすでに、所定の液体培地を添加し、表面にセルロース等の保水性を有する素材を配置したオガクズ培地にマツホドの菌糸を接種するブクリョウの人工栽培方法を提案している(特許文献2)。この方法によれば、オガクズのブクリョウへの混入を一定程度抑制することはできるが、実生産規模では、なおオガクズの混入を十分に抑制できない場合があった。
またオガクズを用いた培地に米ぬかを高含量で添加し、マツホドの菌糸を蔓延させてから幼少ブクリョウを乗せ、その上を土で覆って培養する栽培方法が開示されている(特許文献3)。しかしこの方法では、オガクズの混入防止が不十分であり、また培地を噛み込んでいるブクリョウが中〜下層に形成されるため接種した幼少ブクリョウの肥大を阻害する問題があった。
特開平1−111726号公報 特開平10−023830号公報 中国特許出願101731100号公報
したがって、本発明は、栽培過程において、オガクズが混入することなく、良質なブクリョウを短期間で効率良く生産することが可能なブクリョウの人工栽培方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、オガクズを基材とする菌床中にアンモニウム塩を添加することにより、菌床中で菌糸生育促進と共に、菌床表面への菌糸マット形成が促進され、菌糸マットでは、オガクズを噛み込むことなく菌糸が生育するため、菌糸マットの上に種となるブクリョウ(以降では、「種ブクリョウ」と表す。)を接種した後に、菌糸が種ブクリョウと融合する際のオガクズの混入が抑えられるという知見を得た。さらに形成されたブクリョウがオガクズと直接接触することなく、菌糸マットの菌糸を介して栄養分を吸収できるため、肥大化の際のブクリョウへのオガクズの混入をも防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の工程(1)〜(4);
(1)オガクズを基材とし、アンモニウム塩を含有する菌床中にマツホドの種菌を接種する工程
(2)マツホドの種菌を培養して菌床表面に菌糸マットを形成させる工程
(3)形成された菌糸マット上に種ブクリョウを接種する工程
(4)接種した種ブクリョウを肥大させる工程
を有することを特徴とするブクリョウの人工栽培方法である。
本発明の栽培方法によれば、オガクズの混入が少ない良質なブクリョウを、例えば3ヵ月程度の短期間で効率良く安定的に生産することが可能である。
試験例7において、砂を重層せずに培養したブクリョウ(a)と砂を重層して培養したブクリョウ(b)の形状を示す写真である。
本発明の栽培方法においては、まずオガクズを基材とし、アンモニウム塩を含有する菌床中にマツホドの種菌を接種する(工程(1))。
アンモニウム塩としては、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等が挙げられるが、このうち、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムを添加すると、菌糸の生育が促進され、菌床表面に菌糸マットが速やかに形成されて、菌糸へのオガクズの噛み込みが少なくなるため好ましい。また菌糸マットを形成する間に菌床の中〜下層においてブクリョウが形成されると、その後種ブクリョウを接種して培養しても、栄養分が、菌床の中〜下層に形成されたブクリョウに吸収されてしまい種ブクリョウが十分に肥大できない場合が多いが、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムを添加すると、そのような菌床の中〜下層におけるブクリョウの形成が抑制されるため好適である。一方、菌床の上層に形成されたブクリョウは、ほとんど肥大化しないため、接種した種ブクリョウと競合してその肥大化を阻害することはない。ここで菌床の上層とは、一般に菌床の表面から菌床の高さの約5分の1〜3分の1程度までを意味する。菌床中のアンモニウム塩の添加量は、オガクズの乾燥質量に対し、0.01〜1.0質量%が好ましく、0.1〜0.8質量%がより好ましい。この範囲であると、菌糸の生育速度が速く、菌糸マットが速やかに形成されてオガクズの噛み込みが少なくなり、菌床の中〜下層におけるブクリョウの形成も抑制することができる。一方、1.0質量%よりも多く添加すると、菌糸の生育が抑制される場合がある。
菌床には、硝酸アンモニウムに加えカリウム塩を添加することにより、菌糸の生育が促進され、また菌床の中〜下層におけるブクリョウの形成を抑制できる。カリウム塩としては、リン酸カリウム、炭酸カリウム、塩化カリウムなどが例示できるが、これらの中でも、リン酸カリウムが菌糸生育促進効果等に優れるため好適である。菌床中のカリウム塩の添加量は、オガクズの乾燥質量に対し、0.01〜4.0質量%が好ましく、0.01〜0.6質量%がより好ましい。カリウム塩の添加量が0.1質量%よりも低いと菌糸生育促進が不十分な場合があり、4.0質量%よりも高濃度では、菌糸成育を抑制する場合がある。
菌床には、さらにカルシウム塩を添加することにより、菌糸の生育が促進され形成される菌糸マットの厚みが増加する。カルシウム塩としては、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウムなどが挙げられ、これらの中でも塩化カルシウムが菌糸生育促進効果等に優れるため好適に用いられる。菌床中のカルシウム塩の添加量はオガクズの乾燥質量に対し、0.001〜1.0質量%が好ましく、菌糸生育効果の観点から、0.01〜0.2質量%が好ましい。
菌床には、さらにビタミン類を添加することにより、菌糸の生育を促進することができる。ビタミンとしては、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンC (アスコルビン酸)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB3 (ニコチン酸) 、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB9(ヨウ酸)、ビタミンB2(ラクトフラビン)、ビタミンB5(パントテン酸)等が例示できるが、これらの中でも菌糸生育促進効果に優れることからビタミンB1が好適に用いられる。菌床中のビタミン類の添加量は、オガクズの乾燥質量に対し、0.001〜0.01質量%が好ましく、0.002〜0.005質量%がより好ましい。
菌床には、さらに糖質を添加することにより、菌糸の生育が促進される。糖質としては、グルコース、フルクトース、アラビノース、キシロースなどの単糖類、スクロース、マルトース、トレハロース、ガラクトース、ラクトースなどの二糖類、セルロース、でんぷんなどの多糖類、グリセロール、マンニトール、ソルビトールなどの糖アルコールを用いることができる。これらの中でも、グルコース、マルトース、スクロースが、菌糸の生育を促進する効果が高いため好適であり、特にグルコースが好ましい。オガクズの乾燥質量に対する糖質の添加量は、0.1〜15.0質量%が好ましく、1.0〜5.0質量%がより好ましい。
菌床の基材であるオガクズの種類は特に限定されるものではなく、例えば、アカマツ、カラマツ、トドマツ、クロマツ、バシリマツ、ハイマツ、ウンナンマツ、スギ、シナニッケイ(カシア 学名:Cinnamomum cassia Blume)等が例示できるが、このうち、アカマツ、カラマツ、クロマツ、バシリマツ、ウンナンマツ、トドマツが好適であり、特にアカマツ又はカラマツが好ましい。シナニッケイのオガクズを使用する場合には、樹皮を含まないことが好ましい。また、オガクズ全体に対してアカマツまたはカラマツのオガクズは10質量%以上含有することが好ましく、30質量%以上含有することがより好ましく、50質量%以上含有することが特に好ましい。
オガクズの平均粒径は、0.5〜20mmが好ましい。20mmよりも大きいと菌床中に水分が十分に保持されない場合がある。このようなオガクズをポット、栽培袋、栽培びんなどの適当な容量の容器に入れて培養に供する。また、菌床に更にコーンコブ(トウモロコシの種実を除いた芯の部分を粉砕したもの)、小麦ふすま等をオガクズの体積の1/10〜1/2程度加えても良い。
上記オガクズ、アンモニウム塩および必要に応じて添加されるその他の栄養成分を混合して調製される菌床は、水分含量を40質量%以上かつ60質量%未満に調整することが好ましく、42〜45質量%がより好ましい。40質量%未満であると菌床が乾燥し易く、乾燥により菌糸生育が阻害される場合があり、60質量%以上では、菌床の中〜下層にブクリョウが形成され、その後種ブクリョウを接種して培養する際に種ブクリョウの肥大を阻害する場合がある。
上記のようにして調製された菌床にマツホドの種菌を接種する。マツホドの種菌の接種にあたっては、例えば、アカマツオガクズを基材とし、小麦ふすまやグルコースなどの栄養成分を添加した菌床培地で前培養した種菌を、菌床1kgに対し5〜10g程度添加すればよい。前培養で接種するマツホドの菌糸としては、採取した野生のものや、ATCC(American Type Culture Collection)、農業生物資源ジーンバンク(NIAS GeneBank)などの保存機関から分譲を受けたものを使用することができる。
次に接種されたマツホドの種菌を培養して菌床表面に菌糸マットを形成させる(工程(2))。培養の温度は24〜32℃が好ましく、28〜30℃がより好ましい。この範囲であると、菌糸成育が早くなるため好ましい。また湿度は60%以上とすることが好ましい。
上記条件でマツホドの種菌を培養することにより、菌糸が菌床全体に蔓延し、その後菌糸の少なくとも一部が菌床の表面に露出して菌糸マットが形成される。このように菌床の表面において菌糸が生育し菌糸マットを形成することにより、菌糸の生育の過程でオガクズが噛み込むことが少ないため、菌糸が種ブクリョウと融合する際に、オガクズがブクリョウに混入することを防止できる。この菌糸マットの厚みは、例えば、0.5〜2cm程度が好ましく、1cm以上がより好ましい。このような厚みの菌糸マットが形成されることにより、その上に種ブクリョウを接種して肥大化させる際に、種ブクリョウとオガクズとの接触を遮断してオガクズの混入を防止するとともに、菌糸マットを介してオガクズから種ブクリョウへ十分な栄養が供給されるため肥大が促進される。なお、培養の過程にある菌糸は栄養菌糸であるが、栄養菌糸同士が密着し、内部の水分が抜けて組織が硬く密になると菌核であるブクリョウが形成され、その際に栄養菌糸は菌核菌糸に形態変化すると考えられる。菌糸マットは栄養菌糸が密着した状態であるが、その一部において菌核菌糸に形態変化し、ブクリョウを形成していてもよい。
このように形成された菌糸マット上に、種ブクリョウを接種する(工程(3))。種ブクリョウは、ブクリョウ肥大の効率という点から、例えば菌床の質量が2.5kgである場合、1個当たりの質量が15g〜40gであることが好ましく、20g〜30gであることがより好ましい。また種ブクリョウは、未成熟のもの又は成熟したもののいずれでも良く、大きいものを分割したものでも良い。種ブクリョウの皮はそのままでもよいが、除去してもよい。このような種ブクリョウを、菌床表面に形成された菌糸マット上の中央部に載置すればよい。種ブクリョウは、1つの培地に2個以上接種してもよいが、肥大の効率の観点から1個のみ接種することが好ましい。
上記のようにして接種した種ブクリョウを培養して肥大させる(工程(4))。種ブクリョウを菌床表面に形成された菌糸マットに載置し、そのままの状態で培養してもよいが、菌糸マットの上に砂を積層し、種ブクリョウの一部又は全部をその中に埋没させた状態で培養すると、肥大化したブクリョウの形状が球形になり、剥皮する際にロスが少なくなり、収量が向上するために好ましい。種ブクリョウの一部を露出した状態で培養すると、種ブクリョウの表面が乾燥して割れ等が生じる場合があるため、砂の中に完全に埋没させた状態で培養することが好適である。砂としては、川砂、海砂、山砂等を使用することができ、例えば、平均粒径0.5〜2.0mm程度の川砂を厚さ10〜30cm程度、好ましくは20〜40cm程度菌糸マット上に積層し、種ブクリョウを完全に埋没させた状態で培養することにより球状のブクリョウを得ることができる。
種ブクリョウの肥大の為の培養は、温度20〜35℃が好ましく、24〜32℃がより好ましい。また培養環境の湿度は、あまり乾燥した状態は好ましくなく、60%以上とすることが好ましい。また培養中は二酸化炭素濃度が高い方が好ましく、そのために密封性の高い容器内で培養することが好ましい。このような条件で、例えば90〜120日程度培養することにより、ブクリョウが肥大化し、例えば接種した種ブクリョウの質量の10〜25倍、好ましくは25倍以上に肥大させることができる。
以下、発明を実施例に基づき説明する。なお本発明は、実施例によりなんら限定されるものではない。
試験例1
窒素源添加による菌糸育成への影響;
窒素源として、尿素(和光純薬工業)、硫酸アンモニウム(和光純薬工業)、硝酸アンモニウム(和光純薬工業)、ペプトン(DIFCO 日本ベクトン・ディッキンソン)、酵母エキス(DIFCO 日本ベクトン・ディッキンソン)、米ぬか、小麦ふすまを用い、これらを菌床に添加した場合のマツホドの菌糸の生育に与える影響を調べた。菌床に使用するオガクズとしてアカマツ材を用いた。各窒素源の添加量は水分含量45質量%に調整した菌床1kgに対して2g(0.2質量%)の硝酸アンモニウム(NHNO)を基準とし、窒素含量が0.2質量%の硝酸アンモニウムと同等になるように添加した。硝酸アンモニウムの添加量は、乾燥オガクズによる菌床として換算すると0.36質量% {2g/(1000g-450g)*100}となる。ペプトン、酵母エキス、米ぬか、小麦ふすまについては、菌床湿重量に対して0.2質量%になるように添加した。すなわち、オガクズの水分含量を40〜45質量%になるように調整した菌床1kgに対し、上記窒素源を添加、混合して菌床を調製し、これを底面の直径が7.5cm、高さ13cmの円筒形のポットに80gずつ詰めた(n=9)。菌床の底から表面までの高さは6cm程度であった。120℃で60分間滅菌処理を行った後以下の条件で前培養したマツホドの種菌5gを植菌した。接種後26〜30℃、湿度50〜60%に維持された室内で、当該ポットを保管培養し、1週間〜10日おきに観察して以下の項目について評価した。窒素源の代わりに水を添加したものを対照とした。結果を表1に示す。
(前培養条件)
オガクズ、小麦ふすまおよびグルコース(3L:0.88L:40g)を混合した菌床培地を水分含量約50%に調整し、これに母菌株となるマツホドの菌糸を植菌して温度28〜30℃、湿度50〜60%の環境下で30日間培養した。
<項目>
1) 菌糸生育速度
2) 中〜下層ブクリョウ形成率
<評価方法>
1) 菌糸生育速度
目視により6段階で評価した(菌廻り悪い-<+<++<+++<++++<+++++菌廻り大変良い)。
2) 中〜下層ブクリョウ形成率
菌床の中〜下層(菌床の高さ6cmのうち底面から4cm以内の範囲)にブクリョウが形成されたポット数の総ブクリョウ形成ポット数に対する割合を算出した(%)。
米ぬか、小麦ふすま、尿酸、ペプトン、酵母エキスを添加した試験区は、いずれも菌床の中〜下層にブクリョウを形成し、またブクリョウ中のオガクズの噛み込み量も多かった。これに対し、硝酸アンモニウムまたは硫酸アンモニウムを添加した試験区は、ほとんど中〜下層にブクリョウ形成が認められなかった。
試験例2
アンモニウム塩の添加量による菌糸育成への影響:
菌床の基材としてアカマツのオガクズを用いた。最終的にオガクズ全体の水分含量が40−45質量%になるように水分調整した菌床1kgに対して、硝酸アンモニウム(NHNO)を0、1、2、4、8g(0.1、0.2、0.4、0.8質量%)となるように添加、混合して菌床を調製し、底面の直径が7.5cm、高さ13cmの円筒形のポットに80gずつ詰めた(n=9)。菌床の底から表面までの高さは約6cmであった。120℃で60分間滅菌処理を行った後、試験例1記載の方法で前培養を行ったマツホドの菌糸5gを植菌した。接種後30℃で室内培養し、1週間〜10日おきに観察して、試験例1と同様にして菌糸の育成について評価した。結果を表2に示す。
いずれも菌糸成育及び菌廻りが向上したが、特に硝酸アンモニウム濃度0.2〜0.4質量%で菌糸成育が良好であり、かつ中〜下層でのブクリョウ形成を抑制できることが示された。
試験例3
カリウム塩による菌糸育成への影響:
菌床の基材としてアカマツのオガクズを用いた。最終的にオガクズ全体の水分含量が40−45質量%になるように水分調整した菌床1kgに対して、硝酸アンモニウム(NHNO)を0.2質量%、リン酸カリウム(KHPO,KHPO混合)0.3質量%となるように添加、混合して菌床を調製し、底面の直径が7.5cm、高さ13cmの円筒形のポットに80gずつ詰めた(n=9)。菌床の底から表面までの高さはおよそ6cmであった。120℃で60分間滅菌処理を行った後、試験例1と同様にして前培養したマツホドの種菌5gを植菌した。接種後30℃で室内培養し、1週間〜10日おきに観察して、試験例1と同様にして菌糸育成速度および中〜下層ブクリョウ形成率について評価した。結果を表3に示す。
0.2質量%の硝酸アンモニウムに加えリン酸カリウムを0.3質量%加えた試験区では0.2質量%の硝酸アンモニウムのみの試験区と比較して菌糸成育速度が良好であった。
試験例4
カルシウム塩による菌糸育成への影響:
菌床の基材としてアカマツのオガクズを用いた。最終的にオガクズ全体の水分含量が40−45質量%になるように水分調整した菌床1kgに対して、硝酸アンモニウム(NHNO)0、0.2質量%、リン酸カリウム(KHPO,KHPO混合)0、0.03、0.16、0.3、3質量%、塩化カルシウム(CaCl・HO)0.01、0.03、0.1質量%となるように添加、混合して菌床を調製し、底面の直径が7.5cm、高さ13cmの円筒形のポットに80gずつ詰めた(n=9)。菌床の底から表面までの高さは6cmであった。120℃で60分間滅菌処理を行った後、実施例1と同様にして前培養したマツホドの種菌5gを植菌した。接種後30℃で室内培養し、1週間〜10日おきに観察して、試験例1と同様にして菌糸育成速度および中〜下層ブクリョウ形成率について評価した。結果を表4に示す。
表4より、さらにカルシウム塩を添加することにより、菌糸の生育が良好となり、菌糸マットも厚くなった。また中〜下層におけるブクリョウ形成が抑制された。
試験例5
糖質の添加による菌糸育成への影響:
菌床に使用するオガクズとしてアカマツを使用し、糖質としてグルコース(和光純薬工業)、ガラクトース(東京化成工業)、フルクトース(国産化学)、スクロース(和光純薬工業)、マルトース(東京化成工業)、可溶性でんぷん(和光純薬工業)、セルロース(和光純薬工業)を用いた。各糖質は水分含量45質量%に調整した菌床1kgに対して10g(1質量%)添加した。菌床を120℃で60分間滅菌処理した。滅菌後、菌床を室温まで冷ました後、試験例1と同様にして前培養したマツホドの種菌5gを植菌した。植菌後培養は30℃の気槽恒温器内にて行った。糖質無添加なものを対照とした。1週間〜10日おきに観察を続け、菌糸育成速度について4段階で評価した(菌廻り悪い<+<++<+++<++++菌廻り大変良い)。結果を表5に示す。
セルロース、グルコースが最も生育が良好であり、続いてマルトース、可溶性でんぷん、ガラクトースが良好であった。
試験例6
オガクズの種類による菌糸育成速度への影響:
オガクズとしてアカマツ、カラマツ、スギ、タケを用いた。最終的にオガクズの水分含量が45〜50質量%になるように調整した後、80gずつ底面の直径が7.5cm、高さ13cmの円筒形のポットに詰めた(n=10)。120℃で60分間高圧滅菌処理を行った後、試験例1と同様にして前培養したマツホドの種菌5gを植菌した。接種後30℃で室内培養し、1週間〜10日おきに観察して、試験例1と同様にして菌糸生育速度について評価した。水を添加したものをコントロールとした。結果を表6に示す。またアカマツと、カラマツ、スギ、タケ、またオガクズ以外の基材としてコーンコブとを体積比1:1で混合した菌床についても同様にして評価した。結果を表7に示す。
表6に示されるとおり、いずれのオガクズを用いても菌糸の生育は可能であった。また表7より、アカマツオガクズと他のオガクズやコーンコブを混合しても生育できることが示された。
試験例7
砂の重層の有無による菌核形成に対する影響:
水分43質量%に調整したアカマツオガクズをシイタケ用2.8kg栽培袋26袋にそれぞれ1kgずつ充填し、110℃90分にて高圧蒸気滅菌後、クリーンルーム内で室温にて1日間程度放冷した。その後、あらかじめオガクズに試験例1記載の条件で前培養したマツホド種菌を約15g程度接種し23℃にて約2ヶ月間培養を行った。培養後に栽培袋全体に菌糸が回ったものについて、栽培袋の菌床表面の菌糸マットの上に種ブクリョウ約10gを接種した。20袋については、その上に滅菌した川砂を厚さ20cm程度のせて接種した種ブクリョウを完全に砂の中に埋没させた。残りの6袋は川砂を積層せずそのままの状態とし、23℃にて培養を継続した。菌床表面が乾燥するのを防ぐため、2日間に1度の間隔でミスト灌水装置を用いて灌水を行った。約3ヶ月培養後のブクリョウの写真を図1に示す。
図1に示すとおり、砂を重層せずに培養したものは不定形となったのに対し(a)、砂を重層して培養した菌核は球形となることが示された(b)。
試験例8
栄養剤添加による菌糸育成およびブクリョウ肥大化に対する影響:
菌床の基材としてカラマツのオガクズを用いた。菌床の水分を45.1質量%になるように調整したオガクズ2.0kgに、硫酸アンモニウム((NH)SO)0.2質量%を添加した菌床(試験区1,n=47)と、さらにリン酸カリウム(KHPO,KHPO)0.03質量%、塩化カルシウム(CaCl・HO)0.03質量%/kg、ビタミンB1 0.002質量%、上白糖1質量%を添加した菌床(試験区2,n=43)を調製した。これを栽培袋に充填し、117℃60分にて高圧蒸気滅菌後、クリーンルーム内で室温にて1日間程度放冷した。その後、培養期間を50日とした以外は試験例1と同様にして前培養したマツホドの種菌を5g植菌し、26℃で培養した。菌糸が栽培袋全体に蔓延し、表面に菌糸マットを形成した後、その上に種ブクリョウを載置して接種を行なった。接種後は砂を乗せた後、23℃の暗所恒温室にて培養し、110日目で収穫を行った。それぞれの試験区について、収穫後のブクリョウ重量と種ブクリョウ重量に対する肥大率を調べた。
試験区1では、収穫した47菌床の平均ブクリョウ重量は267.0g (n=47 S.D.±71.0)であった。乗せた種ブクリョウは平均重量 22.0g (n=47 S.D.±5.6)であり、平均ブクリョウ肥大率(=(ブクリョウ収穫重量/接種した種ブクリョウ重量)×100)は1264% (n=47 S.D.±410.0)であったことから、接種した種ブクリョウのおよそ13倍に肥大した。一方、試験区2では、平均重量441.4g(n=7 S.D.±23.4)であり、平均ブクリョウ肥大率は2289% (n=43 S.D.±578.6)であったことから、種ブクリョウ接種後2ヶ月でおよそ23倍に肥大することが分かった。試験区1と試験区2を比較すると、平均ブクリョウ重量にして試験区2は試験区1の1.5倍重く、約1.8倍大きく肥大しており、アンモニウム塩のみでも良好な肥大化を示すが、さらにカリウム塩等を添加することにより肥大化が促進されることが明らかとなった。また、得られたブクリョウはオガクズの混入が無いものであった。更に、菌糸マットの状態は、両方の試験区とも表面に厚い菌糸マットを形成したが、試験区2の方がより柔らかい菌糸マットを形成した。このように菌糸マットが柔らかいとブクリョウが接着しやすい利点がある。
試験例9
シナニッケイオガクズにおけるマツホド菌糸の育成:
オガクズとしてシナニッケイを用いた。菌床の水分を45.1質量%になるように調整したオガクズ2.0kgに、添加成分として硫酸アンモニウム((NH)SO)0.2質量%を添加した菌床(試験区1,n=47)、リン酸カリウム(KHPO,KHPO)0.03質量%、塩化カルシウム(CaCl・HO)0.03質量%/kg、ビタミンB1 0.002質量%および上白糖1質量%を添加した菌床を調製した。調製した菌床を80gずつ底面の直径が7.5cm、高さ13cmの円筒形のポットに詰めた(n=1)。120℃で60分間高圧滅菌処理を行った後、試験例1と同様にして前培養したマツホドの種菌5gを植菌した。接種後30℃で40日間室内培養した。その結果、シナニッケイのオガクズを用いてもマツホド菌糸が生育できることを確認した。
本発明のブクリョウの栽培方法によれば、オガクズが混入することなく、良質なブクリョウを効率良く生産することが可能であり、生薬であるブクリョウの安定供給に有用である。
菌床の基材であるオガクズの種類は特に限定されるものではなく、例えば、アカマツ、カラマツ、トドマツ、クロマツ、バシリマツ(バビショウ)、ハイマツ、ウンナンマツ、スギ、シナニッケイ(カシア 学名:Cinnamomum cassia Blume)等が例示できるが、このうち、アカマツ、カラマツ、クロマツ、バシリマツ(バビショウ)、ウンナンマツ、トドマツが好適であり、特にアカマツ又はカラマツが好ましい。シナニッケイのオガクズを使用する場合には、樹皮を含まないことが好ましい。また、オガクズ全体に対してアカマツまたはカラマツのオガクズは10質量%以上含有することが好ましく、30質量%以上含有することがより好ましく、50質量%以上含有することが特に好ましい。
オガクズの平均粒径は、0.5〜20mmが好ましい。20mmよりも大きいと菌床中に水分が十分に保持されない場合がある。このようなオガクズをポット、栽培袋、栽培びんなどの適当な容量の容器に入れて培養に供する。また、菌床に更にコーンコブ(トウモロコシの種実を除いた芯の部分を粉砕したもの)、小麦ふすま等をオガクズの体積の1/10〜1/2程度加えても良い。
米ぬか、小麦ふすま、尿、ペプトン、酵母エキスを添加した試験区は、いずれも菌床の中〜下層にブクリョウを形成し、またブクリョウ中のオガクズの噛み込み量も多かった。これに対し、硝酸アンモニウムまたは硫酸アンモニウムを添加した試験区は、ほとんど中〜下層にブクリョウ形成が認められなかった。
試験例2
アンモニウム塩の添加量による菌糸育成への影響:
菌床の基材としてアカマツのオガクズを用いた。最終的にオガクズ全体の水分含量が40−45質量%になるように水分調整した菌床1kgに対して、硝酸アンモニウム(NHNO)を0、1、2、4、8g(0、0.1、0.2、0.4、0.8質量%)となるように添加、混合して菌床を調製し、底面の直径が7.5cm、高さ13cmの円筒形のポットに80gずつ詰めた(n=9)。菌床の底から表面までの高さは約6cmであった。120℃で60分間滅菌処理を行った後、試験例1記載の方法で前培養を行ったマツホドの菌糸5gを植菌した。接種後30℃で室内培養し、1週間〜10日おきに観察して、試験例1と同様にして菌糸の育成について評価した。結果を表2に示す。
試験例4
カルシウム塩による菌糸育成への影響:
菌床の基材としてアカマツのオガクズを用いた。最終的にオガクズ全体の水分含量が40−45質量%になるように水分調整した菌床1kgに対して、硝酸アンモニウム(NHNO)0、0.2質量%、リン酸カリウム(KHPO,KHPO混合)0、0.03、0.16、0.3、3質量%、塩化カルシウム(CaCl・HO)0.01、0.03、0.1質量%となるように添加、混合して菌床を調製し、底面の直径が7.5cm、高さ13cmの円筒形のポットに80gずつ詰めた(n=9)。菌床の底から表面までの高さは6cmであった。120℃で60分間滅菌処理を行った後、試験例1と同様にして前培養したマツホドの種菌5gを植菌した。接種後30℃で室内培養し、1週間〜10日おきに観察して、試験例1と同様にして菌糸育成速度および中〜下層ブクリョウ形成率について評価した。結果を表4に示す。
試験例9
シナニッケイオガクズにおけるマツホド菌糸の育成:
オガクズとしてシナニッケイを用いた。菌床の水分を45.1質量%になるように調整したオガクズ2.0kgに、添加成分として硫酸アンモニウム((NH)SO)0.2質量%、リン酸カリウム(KHPO,KHPO)0.03質量%、塩化カルシウム(CaCl・HO)0.03質量%/kg、ビタミンB1 0.002質量%および上白糖1質量%を添加した菌床を調製した。調製した菌床80gを底面の直径が7.5cm、高さ13cmの円筒形のポットに詰めた(n=1)。120℃で60分間高圧滅菌処理を行った後、試験例1と同様にして前培養したマツホドの種菌5gを植菌した。接種後30℃で40日間室内培養した。その結果、シナニッケイのオガクズを用いてもマツホド菌糸が生育できることを確認した。

Claims (10)

  1. 次の工程(1)〜(4);
    (1)オガクズを基材とし、アンモニウム塩を含有する菌床中にマツホドの種菌を接種する工程
    (2)マツホドの種菌を培養して菌床表面に菌糸マットを形成させる工程
    (3)形成された菌糸マット上に種ブクリョウを接種する工程
    (4)接種した種ブクリョウを培養して肥大させる工程
    を有することを特徴とするブクリョウの人工栽培方法。
  2. アンモニウム塩が、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウムおよびリン酸アンモニウムよりなる群から選ばれる請求項1記載のブクリョウの人工栽培方法。
  3. アンモニウム塩の添加量が、オガクズ乾燥質量に対して0.01〜1.0質量%である請求項1または2記載のブクリョウの人工栽培方法。
  4. 菌床中に、さらにリン酸カリウム、炭酸カリウムおよび塩化カリウムよりなる群から選ばれるカリウム塩を含有する請求項1〜3のいずれかの項記載のブクリョウの人工栽培方法。
  5. 菌床中に、さらに塩化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウムおよびリン酸カルシウムよりなる群から選ばれるカルシウム塩を含有する請求項1〜4のいずれかの項記載のブクリョウの人工栽培方法。
  6. 菌床中に、さらにビタミンB1(チアミン)、ビタミンC (アスコルビン酸)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB3(ニコチン酸)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB9(ヨウ酸)、ビタミンB2(ラクトフラビン)およびビタミンB5(パントテン酸)よりなる群から選ばれるビタミン類を含有する請求項1〜5のいずれかの項記載のブクリョウの人工栽培方法。
  7. 菌床中に、さらにグルコース、フルクトース、アラビノース、キシロース、スクロース、マルトース、トレハロース、ガラクトース、ラクトース、セルロース、でんぷん、グリセロール、マンニトールおよびソルビトールよりなる群から選ばれる糖質を含有する請求項1〜6のいずれかの項記載のブクリョウの人工栽培方法。
  8. オガクズが、カラマツ、アカマツ、トドマツ、クロマツ、バシリマツ、ハイマツ、ウンナンマツ、スギおよびシナニッケイ(カシア)よりなる群から選ばれるオガクズを含有するものである請求項1〜7のいずれかの項記載のブクリョウの人工栽培方法。
  9. 菌床の水分含量が40質量%以上、かつ60質量%未満である請求項1〜8のいずれかの項記載のブクリョウの人工栽培方法。
  10. 種ブクリョウを接種した後、菌糸マットに砂を積層し、該種ブクリョウの一部または全部を砂に埋没させた状態で培養するものである請求項1〜9のいずれかの項記載のブクリョウの人工栽培方法。
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