JPWO2014126157A6 - ラジカル重合性ポリエーテル、該ラジカル重合性ポリエーテルの製造方法、該ラジカル重合性ポリエーテル及びラジカル重合性ビニル系単量体を含有する重合性組成物、並びに該重合性組成物をラジカル重合して形成される共重合体、成形体及びフィルム - Google Patents
ラジカル重合性ポリエーテル、該ラジカル重合性ポリエーテルの製造方法、該ラジカル重合性ポリエーテル及びラジカル重合性ビニル系単量体を含有する重合性組成物、並びに該重合性組成物をラジカル重合して形成される共重合体、成形体及びフィルム Download PDFInfo
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Abstract
本発明は、1)ラジカル重合性単量体をラジカル重合して得られる共重合体に、優れた透明性及び高い破断伸度合、高い曲げ強度などの優れた機械特性を付与することのできる、ラジカル重合性ポリエーテル及びその製造方法、2)優れた透明性及び高い破断伸度、高い曲げ強度などの優れた機械特性を有する共重合体を形成できる、該ラジカル重合性ポリエーテル及びラジカル重合性ビニル系単量体を含有する重合性組成物、並びに3)該共重合体を含有する共重合体、成形体及びフィルムを提供する。
ラジカル重合性ポリエーテルの数平均分子量を特定の範囲とすること、さらには(メタ)アクリロイル基の導入量とを特定の範囲とすることにより、このラジカル重合性ポリエーテルを用いて、優れた透明性及び高い破断伸度合、高い曲げ強度などの優れた機械特性を有する、重合体、成形体及びフィルムを得ることができる。
ラジカル重合性ポリエーテルの数平均分子量を特定の範囲とすること、さらには(メタ)アクリロイル基の導入量とを特定の範囲とすることにより、このラジカル重合性ポリエーテルを用いて、優れた透明性及び高い破断伸度合、高い曲げ強度などの優れた機械特性を有する、重合体、成形体及びフィルムを得ることができる。
Description
本発明は、
1)グリシジル(メタ)アクリレートとテトラヒドロフランとを開環共重合して得られるラジカル重合性ポリエーテル及びその製造方法、
2)該ラジカル重合性ポリエーテルとラジカル重合性ビニル系単量体とを含有する重合性組成物、並びに
3)該重合性組成物をラジカル重合して形成される共重合体、成形体及びフィルム
に係わり、ラジカル重合性ビニル系単量体とラジカル重合することで、優れた透明性及び高い破断伸度合、高い曲げ強度などの優れた機械特性を有する共重合体が形成できるラジカル重合性ポリエーテル及びその製造方法を提供し、また、該ラジカル重合性ポリエーテルとラジカル重合性ビニル系単量体とを含有する重合性組成物、並びに該重合性組成物をラジカル重合して形成される共重合体、成形体及びフィルムを提供するものである。
1)グリシジル(メタ)アクリレートとテトラヒドロフランとを開環共重合して得られるラジカル重合性ポリエーテル及びその製造方法、
2)該ラジカル重合性ポリエーテルとラジカル重合性ビニル系単量体とを含有する重合性組成物、並びに
3)該重合性組成物をラジカル重合して形成される共重合体、成形体及びフィルム
に係わり、ラジカル重合性ビニル系単量体とラジカル重合することで、優れた透明性及び高い破断伸度合、高い曲げ強度などの優れた機械特性を有する共重合体が形成できるラジカル重合性ポリエーテル及びその製造方法を提供し、また、該ラジカル重合性ポリエーテルとラジカル重合性ビニル系単量体とを含有する重合性組成物、並びに該重合性組成物をラジカル重合して形成される共重合体、成形体及びフィルムを提供するものである。
グリシジル部位を有する化合物とルイス酸などを作用させることで生成するオキソニウムイオンは、テトラヒドロフランなど環状エーテルと開環共重合することが知られている。
具体的には、特許文献1には、(メタ)アクリル酸グリシジル、テトラヒドロフラン、ルイス酸である三フッ化ほう素ジエチルエーテル錯体を作用させて製造された(メタ)アクリロイル基を有するラジカル重合性ポリエーテルが開示されている。また、数平均分子量が300〜3000、(メタ)アクリロイル基の導入量が20〜98モル%とすることで、該ラジカル重合性ポリエーテルからなる重合体は透明性、耐候性、弾性率と可とう性のバランスに優れた樹脂となることが開示されている。
また、非特許文献1には、特許文献1と同様の骨格を有し、質量平均分子量7900〜18500、数平均分子量3300〜10300、(メタ)アクリロイル基の導入量が2.5〜5.3モル%のラジカル重合性ポリエーテル(3184頁のTable 1.)及び該ラジカル重合性ポリエーテルとメタクリル酸メチルからなる、溶剤に可溶なグラフト型ブロック共重合体及び該グラフト型ブロック共重合体を溶剤キャストによって作製したフィルムが開示されている。
Macromolecules,2007,40,3183−3184頁
Polymer 2012,53,4112
特許文献1にはラジカル重合性ポリエーテルが開示されており、さらに、該ラジカル重合性ポリエーテルが他のラジカル重合性単量体と共重合が可能である旨及び該ラジカル重合性ポリエーテルに各種添加剤が添加できる旨の記載がなされている。しかしながら、実施例などにおいて具体的に開示されているのは、該ラジカル重合性ポリエーテルの単独重合体のみであって、本発明のように、ラジカル重合性ビニル系単量体と共重合したときに、優れた透明性及び機械特性を有する共重合体を形成することのできるラジカル重合性ポリエーテルは開示されていない。
非特許文献1には、ラジカル重合性ポリエーテル、メタクリル酸メチル(MMA)を用いて、溶剤キャスト法により、共重合体からなるフィルムを形成することが記載されている。しかしながら、記載されている重合開始剤や重合条件では、開環重合が十分に進行しないため、高分子量体が得られなかった。
本発明者が鋭意検討した結果、驚くべきことに、ラジカル重合性ポリエーテルにおいて、数平均分子量及び(メタ)アクリロイル基の導入量を特定の範囲とすることにより、該ラジカル重合性ポリエーテルとラジカル重合性単量体をラジカル重合して得られる共重合体に、優れた透明性及び高い破断伸度、高い曲げ強度などの優れた機械特性を付与できることを見出し、本発明を成したものである。
また、エポキシ部位の開環重合を、酸、塩基、金属塩やルイス酸など触媒として添加することにより行う方法が知られている。エポキシ部位に触媒が配位することで、オキソニウムイオンが生成し、この生成したオキソニウムイオンがテトラヒドロフランの開環重合を誘起することが知られている。
具体的には、非特許文献2には、プロピレンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシドなどのエポキシ化合物とイットリウム、スカンジウム、ランタンなどからなるトリフルオロメタンスルホン酸金属塩を使用して重合することにより、テトラヒドロフランとエポキシ化合物からなるポリエーテル共重合体が得られることが開示されている。
また、非特許文献1には、メタクリル酸グリシジルと六塩化スズエーテル錯体とを使用して重合することにより、テトラヒドロフランとメタクリル酸グリシジルとの開環重合体からなるポリエーテル共重合体が得られることが開示されている。
しかしながら、非特許文献2では、反応に使用するエポキシ化合物や触媒は脱水操作を行い、極力、水が反応系中に存在しない状態で重合が行われており、水和水が存在する金属触媒を使用した場合でも、高収率で高分子量の重合体が得られることまでは開示されていない。
本発明は、テトラヒドロフランの開環共重合を行う際に、エポキシ化合物としてグリシジルエステル化合物を選択し、触媒としてトリフルオロメタンスルホン酸金属塩を使用することにより、高分子量のポリエーテル系共重合体を、高収率で製造することのできる製造方法を提供するものである。
本発明は、ラジカル重合性単量体をラジカル重合して得られる共重合体に、優れた透明性及び高い破断伸度合、高い曲げ強度などの優れた機械特性を付与することのできる、ラジカル重合性ポリエーテル及びその製造方法を提供することを課題とするものである。
さらに、本発明は、優れた透明性及び高い破断伸度、高い曲げ強度などの優れた機械特性を有する共重合体を形成できる、該ラジカル重合性ポリエーテル及びラジカル重合性ビニル系単量体を含有する重合性組成物を提供すること、並びに該重合性組成物をラジカル重合して形成される共重合体、成形体及びフィルムを提供することを課題とするものである。
本発明者らは鋭意検討した結果、ラジカル重合性ポリエーテルの数平均分子量を特定の範囲とすること、更には、(メタ)アクリロイル基の導入量を特定の範囲とすることにより、上記課題を解決することを見出し、以下の本発明を完成するに至った。
また、本発明者らは鋭意検討した結果、テトラヒドロフランの開環重合によりポリエーテル共重合体を製造する際に、下記一般式(1)で表されるエポキシ基に隣接した部位にカルボニル基を有するグリシジルエステル化合物及び触媒としてトリフルオロメタンスルホン酸金属塩を使用することで、下記式(3)に示すように触媒であるトリフルオロメタンスルホン酸金属塩がエポキシ骨格上の酸素に配位した際に、エポキシ基に隣接したカルボニル基が相互作用(隣接基関与)することでき、下記式(4)に示すようにテトラヒドロフランの開環重合能を向上させることを見出し、更にグリシジルエステル化合物とトリフルオロメタンスルホン酸金属塩の使用量を特定の範囲とすることにより、高分子量でかつ高収率でポリエーテル共重合体を製造することが可能であることを見出し、以下の本発明を完成するに至った。
第1の発明は、質量平均分子量が20000〜100000であり、(メタ)アクリロイル基をペンダント基として有するポリアルキレンエーテル骨格及びポリテトラメチレンエーテル骨格を含むラジカル重合性ポリエーテル(A)である。
第2の発明は、質量平均分子量が20000〜1000000の下記一般式(1)で表される第1の発明のラジカル重合性ポリエーテル(A)である。
第3の発明は、第2の発明において、一般式(1)のm1とm2とnが0.0005≦m1/(m1+m2+n)≦0.20の関係にあるラジカル重合性ポリエーテル(A)である。
第4の発明は、第2の発明において、一般式(1)のm1とm2とnが0.001≦m1/(m1+m2+n)≦0.10の関係にあるラジカル重合性ポリエーテル(A)である。
第5の発明は、第1〜4のいずれかの発明のラジカル重合性ポリエーテル(A)及びラジカル重合性ビニル系単量体(B)を主成分として含有し、該(A)成分1〜99質量%に対して、該(B)成分を99〜1質量%配合してなる重合性組成物(C)である。
第6の発明は、第5の発明において、ラジカル重合性ビニル系単量体(B)が(メタ)アクリル系単量体である重合性組成物(C)である。
第7の発明は、第5又は6の発明の重合性組成物(C)をラジカル重合して形成される共重合体である。
第8の発明は、第5又は6の発明の重合性組成物(C)を所望の形状に賦形した後、ラジカル重合して形成される成形体である。
第9の発明は、第5又は6の発明の重合性組成物(C)をラジカル重合して形成されるフィルムである。
第10の発明は、第9の発明において、フィルムの厚みが0.1〜3000μmであるフィルムである。
第11の発明は、第9又は第10の発明において、引張速度500mm/minのときの破断伸度が10%以上であるフィルムである。
第12の発明は、第9〜第11のいずれかの発明において、厚みが0.5mmのときのヘイズが5%以下であるフィルムである。
第13の発明は、テトラヒドロフラン100質量部に対して、下記一般式(2)で表されるグリシジルエステル(a)1〜20質量部を、トリフルオロメタンスルホン酸金属塩(b)0.1〜5質量部の存在下で作用させてテトラヒドロフランの開環重合を行うラジカル重合性ポリエーテル(A)の製造方法である。
第14の発明は、第13の発明において、グリシジルエステル(a)とトリフルオロメタンスルホン酸金属塩(b)との質量比(a)/(b)が2〜9である製造方法である。
第15の発明は、第13または14の発明において、グリシジルエステル(a)がメタクリル酸グリシジルである製造方法である。
第16の発明は、第13〜第15のいずれかの発明において、トリフルオロメタンスルホン酸金属塩(b)の金属がスカンジウム、イットリウム及びランタノイドからなる群より選ばれる一種以上である製造方法である。
第17の発明は、第13〜第16のいずれかの発明において、トリフルオロメタンスルホン酸金属塩(b)がトリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム水和物である製造方法である。
ラジカル重合性ポリエーテル(A)の合成
本発明のラジカル重合性ポリエーテル(A)は、ポリエーテル骨格に対し、重合性基である(メタ)アクリロイル基がペンダント状に結合した構造を有する。前記ラジカル重合性ポリエーテル(A)としては、例えばグリシジルエステル(a)を、トリフルオロメタンスルホン酸金属塩(b)の存在下で作用させてテトラヒドロフランの開環重合を行って得られる、下記一般式(1)で表されるものが挙げられる。
本発明のラジカル重合性ポリエーテル(A)は、ポリエーテル骨格に対し、重合性基である(メタ)アクリロイル基がペンダント状に結合した構造を有する。前記ラジカル重合性ポリエーテル(A)としては、例えばグリシジルエステル(a)を、トリフルオロメタンスルホン酸金属塩(b)の存在下で作用させてテトラヒドロフランの開環重合を行って得られる、下記一般式(1)で表されるものが挙げられる。
下記一般式(1)で表されるラジカル重合性ポリエーテル(A)は、グリシジル(メタ)アクリレートとテトラヒドロフランをプロトン酸、イオンコンプレックス、ルイス酸、活性ハロゲン化物などを触媒として使用して重合し、炭素数1〜20のアルコール、水などの活性水素を有する化合物を添加して反応を停止することで、製造できる。
ラジカル重合性ポリエーテル(A)の質量平均分子量は、ラジカル重合性ビニル系単量体(B)と共重合したときに、共重合体に優れた透明性及び高い破断伸度、高い曲げ強度などの優れた機械特性を付与するために、20000〜1000000とすることが好ましい。数平均分子量としては、20000〜100000が好ましい。ラジカル重合性ビニル系単量体(B)と混合したときの粘度が比較的低粘度でハンドリング良好なため質量平均分子量は20000〜200000、数平均分子量は11000〜50000がより好ましい。
ラジカル重合性ポリエーテル(A)中のグリシジル(メタ)アクリレート由来骨格の重合度をm1とし、ラジカル重合性官能基を有さないグリシジルエステル由来骨格の重合度をm2とし、テトラヒドロフランの重合度をnとしたときのm1/(m1+m2+n)は、ラジカル重合性ビニル系単量体(B)と共重合したときに、共重合体に高い破断伸度や高い曲げ強度を付与するために、0.0005≦m1/(m1+m2+n)≦0.20が好ましい。0.001≦m1/(m1+m2+n)≦0.10がより好ましい。
ラジカル重合性ポリエーテル(A)の製造方法
ラジカル重合性ポリエーテル(A)の製造のために用いる下記一般式(2)で表されるグリシジルエステル(a)は、グリシドールと炭素数1〜20の直鎖状または分岐を有する炭化水素基、炭素数2〜10の不飽和結合を有する炭化水素基からなるカルボン酸がエステル結合で結合した化合物であればよく、特に限定されるものではない。エポキシ基骨格のそばにカルボニル基が存在することにより、触媒が配位した際のエポキシ基の酸素の重合活性が向上するので好ましい。
ラジカル重合性ポリエーテル(A)の製造のために用いる下記一般式(2)で表されるグリシジルエステル(a)は、グリシドールと炭素数1〜20の直鎖状または分岐を有する炭化水素基、炭素数2〜10の不飽和結合を有する炭化水素基からなるカルボン酸がエステル結合で結合した化合物であればよく、特に限定されるものではない。エポキシ基骨格のそばにカルボニル基が存在することにより、触媒が配位した際のエポキシ基の酸素の重合活性が向上するので好ましい。
グリシジルエステル(a)としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、酢酸グリシジル、プロピオン酸グリシジル、酪酸グリシジル、ステアリン酸グリシジルなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
グリシジルエステル(a)の使用量はテトラヒドロフラン100質量部に対して、1〜20質量部の範囲で適宜、決定することができるが、得られるポリエーテル系共重合体の分子量を高分子量化するためには、1.5〜6.0質量部が好ましい。
トリフルオロメタンスルホン酸金属塩(b)は、ルイス酸としての特性を有しているものであればよく、特に限定されるものではないが、水存在下でもルイス酸として作用するため、金属がスカンジウム、イットリウム及びランタノイドのうちの少なくとも一種から選ばれる金属からなるトリフルオロメタンスルホン酸金属塩水和物または無水物が好ましく、前記金属からなるトリフルオロメタンスルホン酸金属塩水和物がより好ましい。更に、テトラヒドロフランの開環重合に対する活性の高さから、金属がイッテルビウム(ランタノイドに属する元素)であるトリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム水和物がより好ましい。
トリフルオロメタンスルホン酸金属塩(b)の使用量は、テトラヒドロフラン100質量部に対して、0.1〜5質量部であることが好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。得られるポリエーテル系共重合体の分子量を高分子量化するため、また、触媒除去が容易な点で0.4〜1.3質量部が最も好ましい。
本発明で使用するテトラヒドロフランは、特に脱水操作などにより、含水量を低減する必要はなく、含水状態にあるテトラヒドロフランを使用してもよい。開環重合が進行しない可能性があるので、含水量は1質量%以下とするのが好ましい。
重合溶媒は使用しなくてもよいが、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ジエチルエーテルなどの有機溶剤を重合溶媒として使用してもよい。
重合温度は、−100〜80℃の範囲で、適宜、決定することができる。開環重合時の熱暴走抑制、テトラヒドロフランの揮発抑制の点で室温〜50℃がより好ましい。
重合時間は、0.1時間〜144時間の範囲で、適宜、決定することができる。製造コスト、重合溶液の粘度などの面から、重合時間は0.5〜72時間の範囲が好ましい。
活性水素を有する化合物を添加することによって、ポリエーテル系共重合体の末端に活性水素を有する化合物由来の骨格が導入されるため、重合反応を停止することができる。活性水素を有する化合物としては、水、炭素数1〜20までの直鎖状または分岐を有するアルコールなどが挙げられる。炭素数1〜20までの直鎖状または分岐を有するアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸グリシジルなどのラジカル重合性を有するグリシジルエステル(a)を使用する場合は、反応温度によっては、ラジカル重合する可能性があるので、ヒドロキノン誘導体、TEMPOなどのニトロキシラジカルなどの重合禁止剤を、予め重合溶液に添加してもよい。添加量は、重合反応で使用するラジカル重合性を有するグリシジルエステル(a)100質量部に対して、0.0001〜1質量部が好ましい。
ラジカル重合性ポリエーテル(A)及びラジカル重合性ビニル系単量体(B)を主成分と して含有する重合性組成物(C)
ラジカル重合性ポリエーテル(A)にラジカル重合性ビニル系単量体(B)を配合して、ラジカル重合性ポリエーテル(A)及びラジカル重合性ビニル系単量体(B)を主成分として含有する重合性組成物(C)を得るが、該(A)成分1〜99質量%に対して、該(B)成分を99〜1質量%配合する。重合性組成物(C)中の該(A)成分及び該(B)成分の合計は、50〜100質量%が好ましく、80〜99質量%がより好ましい。
ラジカル重合性ポリエーテル(A)にラジカル重合性ビニル系単量体(B)を配合して、ラジカル重合性ポリエーテル(A)及びラジカル重合性ビニル系単量体(B)を主成分として含有する重合性組成物(C)を得るが、該(A)成分1〜99質量%に対して、該(B)成分を99〜1質量%配合する。重合性組成物(C)中の該(A)成分及び該(B)成分の合計は、50〜100質量%が好ましく、80〜99質量%がより好ましい。
このラジカル重合性ビニル系単量体(B)としては、(メタ)アクリル系単量体、スチレン系単量体などを用いることができる。
(メタ)アクリル系単量体とは、メタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルからなる単量体を指すものであり、具体的には、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらは、必要に応じて一種又は二種以上を適宜選択して使用することができる。
スチレン系単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デンシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−フェニルスチレン、3,4−ジクロロスチレンを挙げることができる。これらは、必要に応じて一種又は二種以上を適宜選択して使用することができる。
重合性組成物(C)におけるラジカル重合性ポリエーテル(A)とラジカル重合性ビニル系単量体(B)の組成比は、ラジカル重合性ポリエーテル(A)が1〜99質量%、ラジカル重合性ビニル系単量体(B)が99〜1質量%範囲とすると、形成される共重合体が、優れた透明性及び高い破断伸度合、高い曲げ強度などの優れた機械特性を有するものとなる。
さらに、重合性組成物(C)の組成比を、ラジカル重合性ポリエーテル(A)を20質量%以上、ラジカル重合性ビニル系単量体(B)を80質量%以下とすると、形成される共重合体が、優れた透明性及び高い破断伸度、高い曲げ強度などの優れた機械特性を有するとともに、室温における打ち抜き加工性に優れたものとなるので好ましい。
さらに、重合性組成物(C)の組成比を、ラジカル重合性ポリエーテル(A)を50質量%以下、ラジカル重合性ビニル系単量体(B)を50質量%以上とすると、形成される共重合体が、優れた透明性及び高い破断伸度合、高い曲げ強度などの優れた機械特性を有するとともに、ラジカル重合性ポリエーテル(A)とラジカル重合性ビニル系単量体(B)を混合したときの粘度が比較的低粘度でハンドリング性に優れるものとなるので好ましい。
重合性組成物(C)の成分
重合性組成物(C)は、ラジカル重合性ポリエーテル(A)及びラジカル重合性ビニル系単量体(B)を主成分として含有するものであるが、重合開始剤としてアゾ系開始剤、過酸化物系開始剤などを適宜選択して添加することにより、ラジカル重合性ポリエーテル(A)とラジカル重合性ビニル系単量体(B)とをラジカル重合することができる。
重合性組成物(C)は、ラジカル重合性ポリエーテル(A)及びラジカル重合性ビニル系単量体(B)を主成分として含有するものであるが、重合開始剤としてアゾ系開始剤、過酸化物系開始剤などを適宜選択して添加することにより、ラジカル重合性ポリエーテル(A)とラジカル重合性ビニル系単量体(B)とをラジカル重合することができる。
重合形態としては、光重合、塊状熱重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などを採用することができ、また、重合形態によって、適宜、水や有機溶剤を添加して重合が行われる。
熱重合開始剤としては、例えば、過酸化ベインゾイル、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の有機過酸化物系重合開始剤;2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤が挙げられる。これらは一種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、メチルフェニルグリオキシレート、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−フェニル−1,2−プロパン−ジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2−メチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジメトキシフォスフィンオキサイドが挙げられる。これらは一種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合性組成物(C)には、ラジカル重合性ポリエーテル(A)、ラジカル重合性ビニル系単量体(B)及び重合開始剤以外に、必要に応じて離型剤などの添加剤を配合することができる。
離型剤の配合量としては、剥離性を良好にする点から、離型剤および重合開始剤を添加する前の重合性組成物100質量部に対して0.001質量部以上が好ましく、0.005質量部以上がより好ましい。このような離型剤としては、例えば、日本サイテックインダストリーズ(株)製のジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(商品名:エアロゾルOT−100)、城北化学工業(株)製のリン酸ジエチルエステルとリン酸モノエチルエステルの55:45の混合物(商品名:JP−502)が挙げられる。
また、離型剤以外の添加剤として、必要に応じて、滑剤、可塑剤、抗菌剤、防カビ剤、光安定剤、紫外線吸収剤、ブルーイング剤、染料、帯電防止剤、熱安定剤等の各種添加剤を添加することができる。
重合性組成物(C)の賦形、ラジカル重合
重合性組成物(C)をラジカル重合することにより、ラジカル重合性ポリエーテル(A)及びラジカル重合性ビニル系単量体(B)をビニル基で反応させ、共重合体を得ることができる。
重合性組成物(C)をラジカル重合することにより、ラジカル重合性ポリエーテル(A)及びラジカル重合性ビニル系単量体(B)をビニル基で反応させ、共重合体を得ることができる。
また、重合性組成物(C)を、例えば下記(1)、(2)のように所望の形状に賦形した後にラジカル重合することにより、フィルムのような所望の形態を有する成形体を形成することができる。
(1)成形体に応じたキャビティ形状を有する鋳型を用意し、ガスケット等を介して重合開始剤を含む重合性組成物(C)をキャビティ内に注入し、鋳型の片側または両側から、活性エネルギー線照射、加熱等を行うことにより、重合性組成物(C)をラジカル重合して硬化させる。
(2)走行するベルト上に、重合性組成物(C)の塗膜を連続して形成し、ベルトの片側もしくは両側から、連続的に活性エネルギー線照射、加熱等を行うことにより、重合性組成物(C)の塗膜をラジカル重合して硬化させ、その後、硬化した塗膜をベルトから剥離する。
重合性組成物(C)をラジカル重合して形成される重合体、成形体及びフィルムは、優れた透明性及び高い破断伸度合、高い曲げ強度などの優れた機械特性を有する。
形成されたフィルム
重合性組成物(C)をラジカル重合してフィルムを形成する場合、フィルムの厚みは0.1〜3000μmとなるように形成するのが好ましい。フィルムの0.1μm以上であると機械特性に優れ、また、3000μm以下であると曲げ特性に優れる。フィルムの厚みは、200μm〜1000μmであることがより好ましい。
重合性組成物(C)をラジカル重合してフィルムを形成する場合、フィルムの厚みは0.1〜3000μmとなるように形成するのが好ましい。フィルムの0.1μm以上であると機械特性に優れ、また、3000μm以下であると曲げ特性に優れる。フィルムの厚みは、200μm〜1000μmであることがより好ましい。
また、このフィルムは、上記のように、優れた透明性及び高い破断伸度、高い曲げ強度などの優れた機械特性を有するものであるが、具体的には、破断伸度については、引張速度500mm/minのときの破断伸度が10%以上、また、透明性については、フィルムの厚みが0.5mmのときのヘイズが5%以下であることが好ましい。
上記の破断伸度が10%未満であると、フィルムに外力が加わった場合に、変形が伴わず破断(割れ)が起りやすくなるため望ましくない。また、上記のヘイズが5%を超えると、フィルムの透明性が低下したり、印刷性が悪くなったりするため望ましくない。
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。
ラジカル重合性ポリエーテル(A)の評価は以下の方法により実施した。
(1)1H−NMRスペクトル
化合物の構造を1H−NMRスペクトルにより確認した。
測定溶媒にCDCl3、基準物質にテトラメチルシランを用い、核磁気共鳴装置(JNM EX−270:日本電子(株)製)を使用して測定した。測定温度は室温、積算回数は16回で測定した。
化合物の構造を1H−NMRスペクトルにより確認した。
測定溶媒にCDCl3、基準物質にテトラメチルシランを用い、核磁気共鳴装置(JNM EX−270:日本電子(株)製)を使用して測定した。測定温度は室温、積算回数は16回で測定した。
(2)分子量測定
重合体の数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を、ポリスチレンをスタンダードとして、GPC(HLC−8220:東ソー(株)製、カラム:TSK−GEL SUPER H−4000とTSK−GEL SUPER H−2000の直列接続)により測定した。
溶離液:クロロホルム、測定温度:40℃、流速:0.6mL/minの条件で測定した。
重合体の数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を、ポリスチレンをスタンダードとして、GPC(HLC−8220:東ソー(株)製、カラム:TSK−GEL SUPER H−4000とTSK−GEL SUPER H−2000の直列接続)により測定した。
溶離液:クロロホルム、測定温度:40℃、流速:0.6mL/minの条件で測定した。
本実施例のラジカル重合性ポリエーテル(A)とラジカル重合性ビニル系単量体(B)を共重合して得られるアクリルフィルムの評価は以下の方法により実施した。
(1)全光線透過率
5cm角に切り出したアクリルフィルムをJIS K7361−1に準拠して、ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電色工業(株)製)を用いて全光線透過率を測定した。
5cm角に切り出したアクリルフィルムをJIS K7361−1に準拠して、ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電色工業(株)製)を用いて全光線透過率を測定した。
(2)ヘイズ
5cm角に切り出したアクリルフィルムをJIS K7105に準拠して、ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電色工業(株)製)を用いてヘイズ値を測定した。
5cm角に切り出したアクリルフィルムをJIS K7105に準拠して、ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電色工業(株)製)を用いてヘイズ値を測定した。
(3)ガラス転移温度(Tg)
スーパーダンベルカッター(商品名:SDK−100D、(株)ダンベル製)を用いてダンベル状1号型のアクリルフィルムの試験片を作製し、両端を切断した。得られた試験片について、動的粘弾性測定装置(商品名:EXSTARDMS6100、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製)を使用して、周波数1Hz、温度範囲30〜150℃、昇温速度2℃/minの測定条件で測定し、得られた温度−tanδ曲線の極大値を示すときの温度をガラス転移温度(Tg)とした。
スーパーダンベルカッター(商品名:SDK−100D、(株)ダンベル製)を用いてダンベル状1号型のアクリルフィルムの試験片を作製し、両端を切断した。得られた試験片について、動的粘弾性測定装置(商品名:EXSTARDMS6100、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製)を使用して、周波数1Hz、温度範囲30〜150℃、昇温速度2℃/minの測定条件で測定し、得られた温度−tanδ曲線の極大値を示すときの温度をガラス転移温度(Tg)とした。
(4)弾性率
JIS K6251に準拠して、スーパーダンベルカッター(商品名:SDK−100D、(株)ダンベル製)を用いてダンベル状1号型のアクリルフィルムの試験片を5枚作製した。得られた試験片について、引張試験機(商品名:ストログラフT、(株)東洋精機製作所製)を使用して室温23℃及び引張速度500mm/minで5回の引張試験を実施し、その時の応力歪み曲線の接線の平均値を求め、弾性率とした。
JIS K6251に準拠して、スーパーダンベルカッター(商品名:SDK−100D、(株)ダンベル製)を用いてダンベル状1号型のアクリルフィルムの試験片を5枚作製した。得られた試験片について、引張試験機(商品名:ストログラフT、(株)東洋精機製作所製)を使用して室温23℃及び引張速度500mm/minで5回の引張試験を実施し、その時の応力歪み曲線の接線の平均値を求め、弾性率とした。
(5)破断伸度
JIS K6251に準拠して、スーパーダンベルカッター(商品名:SDK−100D、(株)ダンベル製)を用いてダンベル状1号型のアクリルフィルムの試験片を5枚作製した。得られた試験片について、引張試験機(商品名:ストログラフT、(株)東洋精機製作所製)を使用して室温23℃及び引張速度500mm/minで5回の引張試験を実施し、破断伸度を平均値として求めた。
JIS K6251に準拠して、スーパーダンベルカッター(商品名:SDK−100D、(株)ダンベル製)を用いてダンベル状1号型のアクリルフィルムの試験片を5枚作製した。得られた試験片について、引張試験機(商品名:ストログラフT、(株)東洋精機製作所製)を使用して室温23℃及び引張速度500mm/minで5回の引張試験を実施し、破断伸度を平均値として求めた。
(6)曲げ評価
5cm角に切り出したアクリルフィルムを用いて、90°曲げを行った。具体的には積層品を5cm×5cmの大きさに切り出し、90°曲率半径が1mmとなるように、2秒間で折り曲げた。目視により下記の2段階評価を行った。
×:フィルム折曲時もしくは折曲途中で破断。
○:破断、白化が無く良好。
5cm角に切り出したアクリルフィルムを用いて、90°曲げを行った。具体的には積層品を5cm×5cmの大きさに切り出し、90°曲率半径が1mmとなるように、2秒間で折り曲げた。目視により下記の2段階評価を行った。
×:フィルム折曲時もしくは折曲途中で破断。
○:破断、白化が無く良好。
[製造例1]
攪拌子、温度計、冷却管を備えた1000mlの三口フラスコにテトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)600g、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)水和物(東京化成工業(株)製)2gを添加して、室温で攪拌した。イッテルビウムトリフラート水和物が溶解したのを確認後、グリシジルメタクリレート24g(和光純薬工業(株)製)を添加した。添加後、室温(25℃)で11時間攪拌した。攪拌後、エタノール50g(和光純薬工業(株)製)を添加して反応を停止させた。反応終了後、未反応のテトラヒドロフランや余剰のエタノールをエバポレーターを使用して、留去することで白色固体437g(収率70%)を得た。
攪拌子、温度計、冷却管を備えた1000mlの三口フラスコにテトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)600g、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)水和物(東京化成工業(株)製)2gを添加して、室温で攪拌した。イッテルビウムトリフラート水和物が溶解したのを確認後、グリシジルメタクリレート24g(和光純薬工業(株)製)を添加した。添加後、室温(25℃)で11時間攪拌した。攪拌後、エタノール50g(和光純薬工業(株)製)を添加して反応を停止させた。反応終了後、未反応のテトラヒドロフランや余剰のエタノールをエバポレーターを使用して、留去することで白色固体437g(収率70%)を得た。
得られた白色固体について、GPC測定により質量平均分子量は45000であった。また、1H−NMRを測定した結果を以下に示す。グリシジルメタクリレートの開環体に由来するプロトンのピークが5.55、6.15、4.15、4.05、1.9に観測され、また、テトラヒドロフランの開環体に由来するプロトンのピークが3.1〜3.9、1.6に観測された。以上から得られた白色固体が(メタ)アクリロイル骨格からなるポリ(3−メタクリロキシプロペンオキシド)とポリブチレンオキシドの共重合体であることを確認した。また、ラジカル重合性ポリエーテル中のポリ(3−メタクリロキシプロペンオキシド)の重合度mとポリブチレンオキシドの重合度nからポリ(3−メタクリロキシプロペンオキシド)の導入率(m1/(m1+m2+n))は、0.035であった。1H−NMR
0.95(s´)1.60(m),1.9(s),2.35(s´)3.1−3.9(m),4.05(s),4.25(m),5.55(s),6.13(s)
0.95(s´)1.60(m),1.9(s),2.35(s´)3.1−3.9(m),4.05(s),4.25(m),5.55(s),6.13(s)
[製造例2]
テトラヒドロフラン、グリシジルメタクリレート、イッテルビウムトリフラート水和物、エタノールの使用量と反応時間を表1に示す使用量と反応時間を変更したこと以外は、製造例1と同様に行った。GPC測定により質量平均分子量は14500であった。また、グリシジルメタクリレート由来骨格の重合度mとテトラヒドロフランの重合度nとしたときのグリシジルメタクリレート由来骨格の導入率m1/(m1+m2+n)は、0.081であった。
テトラヒドロフラン、グリシジルメタクリレート、イッテルビウムトリフラート水和物、エタノールの使用量と反応時間を表1に示す使用量と反応時間を変更したこと以外は、製造例1と同様に行った。GPC測定により質量平均分子量は14500であった。また、グリシジルメタクリレート由来骨格の重合度mとテトラヒドロフランの重合度nとしたときのグリシジルメタクリレート由来骨格の導入率m1/(m1+m2+n)は、0.081であった。
[製造例1']
製造例1で得られた白化固体60gを分液漏斗に移し、酢酸エチル90ml、純水90mlを加えて分液操作を行った。洗浄後の有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水した。これをろ過後、エバポレーターを使用して、酢酸エチルを留去することでラジカル重合ポリエーテルである白色固体を得た。GPC測定と1H−NMRを測定した結果は製造例1と同一であった。
製造例1で得られた白化固体60gを分液漏斗に移し、酢酸エチル90ml、純水90mlを加えて分液操作を行った。洗浄後の有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水した。これをろ過後、エバポレーターを使用して、酢酸エチルを留去することでラジカル重合ポリエーテルである白色固体を得た。GPC測定と1H−NMRを測定した結果は製造例1と同一であった。
[実施例1]
重合性組成物の調製
製造例1で製造したラジカル重合性ポリエーテル20質量%、メタクリル酸メチル80質量%(商品名:アクリエステルM、三菱レイヨン(株)製)、ラジカル重合性ポリエーテルとメタクリル酸メチルを合わせたモノマー混合物100質量%に対して重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名:イルガキュア184、BASFジャパン(株)製)0.3質量%を添加して重合性組成物を得た。さらに離型剤としてジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(商品名:エアロゾルOT−100、日本サイテックインダストリーズ(株)製)0.05質量%を添加、混合し、その後、減圧下で脱気処理を行った。
重合性組成物の調製
製造例1で製造したラジカル重合性ポリエーテル20質量%、メタクリル酸メチル80質量%(商品名:アクリエステルM、三菱レイヨン(株)製)、ラジカル重合性ポリエーテルとメタクリル酸メチルを合わせたモノマー混合物100質量%に対して重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名:イルガキュア184、BASFジャパン(株)製)0.3質量%を添加して重合性組成物を得た。さらに離型剤としてジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(商品名:エアロゾルOT−100、日本サイテックインダストリーズ(株)製)0.05質量%を添加、混合し、その後、減圧下で脱気処理を行った。
縦300mm及び横300mmのガラス板を、ポリ塩化ビニル製ガスケットを介して0.5mm間隔で相対させて鋳型を形成し、形成された鋳型内に上記に示した離型剤を添加した重合性組成物を注入した。次いで、この鋳型へ、ケミカルランプを使用してピーク照度2.1mJ/cm2で120分間、光照射し、離型剤を添加した重合性組成物の光重合を行い、次いで130℃の空気炉で30分加熱して重合を完了させた。その後、鋳型を室温まで冷却し、型枠を脱枠して、平均厚さ約500μmのアクリルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
[実施例2〜4]
製造例1で製造したラジカル重合性ポリエーテルの使用量を表2に示す使用量に変更したこと以外は、実施例1と同様に行い、アクリルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
製造例1で製造したラジカル重合性ポリエーテルの使用量を表2に示す使用量に変更したこと以外は、実施例1と同様に行い、アクリルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
[比較例1]
製造例1で製造したラジカル重合性ポリエーテルを製造例2で製造したラジカル重合性ポリエーテルに変更したこと以外は、実施例1と同様に行い、アクリルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
製造例1で製造したラジカル重合性ポリエーテルを製造例2で製造したラジカル重合性ポリエーテルに変更したこと以外は、実施例1と同様に行い、アクリルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
比較例1は、ラジカル重合性ポリエーテルの質量平均分子量が20000未満と低く、共重合体の透明性、曲げに対する特性が不良であった。
[実施例1']
製造例1で製造したラジカル重合性ポリエーテルを製造例1'で製造したラジカル重合性ポリエーテルに変更したこと以外は、実施例1と同様に行い、アクリルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
製造例1で製造したラジカル重合性ポリエーテルを製造例1'で製造したラジカル重合性ポリエーテルに変更したこと以外は、実施例1と同様に行い、アクリルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
[耐候性評価]
また、実施例1と実施例1'で得られたフィルムについては、耐候試験を実施した。3cm角に切り出したアクリルフィルムをダイプラ・メタルウエザーKU−R4−W型(ダイプラ・ウィンテス(株)製)にて耐候性試験を行った。試験サイクルは、照射4時間(湿度:70%RH、ブラックパネル温度:63℃)/結露4時間(湿度:98%RH、ブラックパネル温度:30℃)/10秒シャワー(70℃)/暗黒4時間(湿度:70%RH、ブラックパネル温度:65℃)/10秒シャワー(30℃)、UV強度:140mW/cm2の条件で、96時間経過後のフィルムの光学特性を評価した。評価結果を表4に示す。
また、実施例1と実施例1'で得られたフィルムについては、耐候試験を実施した。3cm角に切り出したアクリルフィルムをダイプラ・メタルウエザーKU−R4−W型(ダイプラ・ウィンテス(株)製)にて耐候性試験を行った。試験サイクルは、照射4時間(湿度:70%RH、ブラックパネル温度:63℃)/結露4時間(湿度:98%RH、ブラックパネル温度:30℃)/10秒シャワー(70℃)/暗黒4時間(湿度:70%RH、ブラックパネル温度:65℃)/10秒シャワー(30℃)、UV強度:140mW/cm2の条件で、96時間経過後のフィルムの光学特性を評価した。評価結果を表4に示す。
実施例1'は耐候試験後においても、全光線透過率が高く維持され、HAZEも低い値が維持されていた。実施例1'はラジカル重合性ポリエーテル(A)を合成後に水で洗浄したので、作製したフィルムの耐候試験後の光学性能の劣化が抑制されていた。
[実施例5]
重合性組成物の調製
製造例1で製造したラジカル重合性ポリエーテル20質量%、メタクリル酸メチル80質量%(商品名:アクリエステルM、三菱レイヨン(株)製)、ラジカル重合性ポリエーテルとメタクリル酸メチルを合わせたモノマー混合物100質量%に対して重合開始剤としてt‐へキシルパーオキシピバレート(商品名:パーヘキシルPV)0.3質量%を添加して重合性組成物を得た。さらに離型剤としてジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(商品名:エアロゾルOT−100、日本サイテックインダストリーズ(株)製)0.05質量%を添加、混合し、その後、減圧下で脱気処理を行った。
重合性組成物の調製
製造例1で製造したラジカル重合性ポリエーテル20質量%、メタクリル酸メチル80質量%(商品名:アクリエステルM、三菱レイヨン(株)製)、ラジカル重合性ポリエーテルとメタクリル酸メチルを合わせたモノマー混合物100質量%に対して重合開始剤としてt‐へキシルパーオキシピバレート(商品名:パーヘキシルPV)0.3質量%を添加して重合性組成物を得た。さらに離型剤としてジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(商品名:エアロゾルOT−100、日本サイテックインダストリーズ(株)製)0.05質量%を添加、混合し、その後、減圧下で脱気処理を行った。
縦300mm及び横300mmのガラス板を、ポリ塩化ビニル製ガスケットを介して3mm間隔で相対させて鋳型を形成し、形成された鋳型内に上記に示した離型剤を添加した重合性組成物を注入した。次いで、この鋳型を80℃の温浴中で120分間、熱重合を行い、次いで130℃の空気炉で30分加熱して重合を完了させた。その後、鋳型を室温まで冷却し、型枠を脱枠して、平均厚さ約3000μmのアクリルフィルムを得た。評価結果を表3に示す。
[耐衝撃性評価]
実施例5で得られた共重合体については、耐衝撃性を評価した。
実施例5で得られた共重合体については、耐衝撃性を評価した。
シャルピー衝撃試験
実施例5で得られた共重合体について、JIS‐K7111も準拠してシャルピー衝撃強度を測定した。測定は、長さ8cm×幅1cm×厚さ3mmの試験片を切出し、フラットワイズ、ノッチ無しの条件で実施した。評価結果を表3に示す。
実施例5で得られた共重合体について、JIS‐K7111も準拠してシャルピー衝撃強度を測定した。測定は、長さ8cm×幅1cm×厚さ3mmの試験片を切出し、フラットワイズ、ノッチ無しの条件で実施した。評価結果を表3に示す。
落錘衝撃試験
実施例5で得られた共重合体について、デュポン衝撃試験機によって耐衝撃性を評価した。サンプルとして一辺50mmの正方形に切断した樹脂板を用い、ポンチ半径7.9mm、ウス半径15.2mmにて500gのおもりを用いてJIS‐K7211の規格に準拠して50%破壊エネルギーを評価した。評価結果を表3に示す。
実施例5で得られた共重合体について、デュポン衝撃試験機によって耐衝撃性を評価した。サンプルとして一辺50mmの正方形に切断した樹脂板を用い、ポンチ半径7.9mm、ウス半径15.2mmにて500gのおもりを用いてJIS‐K7211の規格に準拠して50%破壊エネルギーを評価した。評価結果を表3に示す。
使用した試薬
*テトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)
*トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)水和物(東京化成工業(株)製)
*グリシジルメタクリレート(和光純薬工業(株)製)
*エタノール(和光純薬工業(株)製)
*メタクリル酸メチル(商品名:アクリエステルM、三菱レイヨン(株)製)
*1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名:イルガキュア184、BASFジャパン(株)製)
*ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(商品名:エアロゾル OT−100、日本サイテックインダストリーズ(株)製)
*酢酸エチル(和光純薬工業(株)製)
*t‐へキシルパーオキシピバレート(商品名:パーヘキシルPV、日油(株)製)
*テトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)
*トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)水和物(東京化成工業(株)製)
*グリシジルメタクリレート(和光純薬工業(株)製)
*エタノール(和光純薬工業(株)製)
*メタクリル酸メチル(商品名:アクリエステルM、三菱レイヨン(株)製)
*1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名:イルガキュア184、BASFジャパン(株)製)
*ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(商品名:エアロゾル OT−100、日本サイテックインダストリーズ(株)製)
*酢酸エチル(和光純薬工業(株)製)
*t‐へキシルパーオキシピバレート(商品名:パーヘキシルPV、日油(株)製)
[製造方法実施例]
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。
ポリエーテル系共重合体の評価は以下の方法により実施した。
(1)1H−NMRスペクトル
化合物の構造を1H−NMRスペクトルにより確認した。
測定溶媒にCDCl3、基準物質にテトラメチルシランを用い、核磁気共鳴装置(JNM EX−270:日本電子(株)製)を使用して測定した。測定温度は室温、積算回数は16回で測定した。
化合物の構造を1H−NMRスペクトルにより確認した。
測定溶媒にCDCl3、基準物質にテトラメチルシランを用い、核磁気共鳴装置(JNM EX−270:日本電子(株)製)を使用して測定した。測定温度は室温、積算回数は16回で測定した。
(2)分子量測定
重合体の数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を、ポリスチレンをスタンダードとして、GPC(HLC−8220:東ソー(株)製、カラム:TSK−GEL SUPER H−4000とTSK−GEL SUPER H−2000の直列接続)により測定した。
溶離液:クロロホルム、測定温度:40℃、流速:0.6mL/minの条件で測定した。
重合体の数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を、ポリスチレンをスタンダードとして、GPC(HLC−8220:東ソー(株)製、カラム:TSK−GEL SUPER H−4000とTSK−GEL SUPER H−2000の直列接続)により測定した。
溶離液:クロロホルム、測定温度:40℃、流速:0.6mL/minの条件で測定した。
(3)収率
重合時に仕込んだテトラヒドロフラン、メタクリル酸グリシジルの質量の合計とエバポレーター後に回収された固体の質量から算出した。
重合時に仕込んだテトラヒドロフラン、メタクリル酸グリシジルの質量の合計とエバポレーター後に回収された固体の質量から算出した。
(4)重合性評価
(2)、(3)の結果をもとに下記の基準で重合性判定を行った。
◎:数平均分子量15000以上かつ収率40%以上
○:数平均分子量15000以上または収率40%以上
×:数平均分子量15000未満または/かつ収率40%未満
(2)、(3)の結果をもとに下記の基準で重合性判定を行った。
◎:数平均分子量15000以上かつ収率40%以上
○:数平均分子量15000以上または収率40%以上
×:数平均分子量15000未満または/かつ収率40%未満
[製造方法実施例1]
攪拌子、温度計、冷却管を備えた1000mlの三口フラスコにテトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)100g、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)水和物((東京化成工業(株)製)0.67gを添加して、室温で攪拌した。トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)水和物が溶解したのを確認後、メタクリル酸グリシジル4g(和光純薬工業(株)製)を添加した。添加後、室温(25℃)で7時間攪拌した。攪拌後、エタノール8.3g(和光純薬工業(株)製)を添加して反応を停止させた。反応終了後、未反応のテトラヒドロフランや余剰のエタノールをエバポレーターを使用して、留去することで白色固体52g(収率50%)を得た。
攪拌子、温度計、冷却管を備えた1000mlの三口フラスコにテトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)100g、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)水和物((東京化成工業(株)製)0.67gを添加して、室温で攪拌した。トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)水和物が溶解したのを確認後、メタクリル酸グリシジル4g(和光純薬工業(株)製)を添加した。添加後、室温(25℃)で7時間攪拌した。攪拌後、エタノール8.3g(和光純薬工業(株)製)を添加して反応を停止させた。反応終了後、未反応のテトラヒドロフランや余剰のエタノールをエバポレーターを使用して、留去することで白色固体52g(収率50%)を得た。
得られた白色固体について、GPC測定により質量平均分子量は33800であった。また、1H−NMRを測定した結果を以下に示す。メタクリル酸グリシジルの開環体に由来するプロトンのピークが5.55、6.15、4.15、4.05、1.9に観測され、また、テトラヒドロフランの開環体に由来するプロトンのピークが3.1〜3.9、1.6に観測された。以上から得られた白色固体が(メタ)アクリロイル骨格からなるポリ(3−メタクリロキシプロペンオキシド)とポリブチレンオキシドの共重合体であることを確認した。また、ラジカル重合性ポリエーテル中のポリ(3−メタクリロキシプロペンオキシド)の重合度m1とポリブチレンオキシドの重合度nからポリ(3−メタクリロキシプロペンオキシド)の導入率[m1/(m1+m2+n)]は、0.035であった。1H−NMR
0.95(s´)1.60(m),1.9(s),2.35(s´)3.1−3.9(m),4.05(s),4.25(m),5.55(s),6.13(s)
0.95(s´)1.60(m),1.9(s),2.35(s´)3.1−3.9(m),4.05(s),4.25(m),5.55(s),6.13(s)
[製造方法実施例2]
テトラヒドロフラン、メタクリル酸グリシジル、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)水和物、エタノールの使用量と反応時間を表5に示す使用量と反応時間を変更したこと以外は、製造方法実施例1と同様に行った。収率は57%で、GPC測定により質量平均分子量は40900であった。
テトラヒドロフラン、メタクリル酸グリシジル、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)水和物、エタノールの使用量と反応時間を表5に示す使用量と反応時間を変更したこと以外は、製造方法実施例1と同様に行った。収率は57%で、GPC測定により質量平均分子量は40900であった。
[製造方法実施例3]
メタクリル酸グリシジルをR−グリシジルブチレート(東京化成工業(株))に変更し、テトラヒドロフラン、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)水和物、エタノールの使用量と反応時間を表5に示す使用量と反応時間を変更したこと以外は、製造方法実施例1と同様に行った。収率は55%で、GPC測定により質量平均分子量は30400であった。
メタクリル酸グリシジルをR−グリシジルブチレート(東京化成工業(株))に変更し、テトラヒドロフラン、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)水和物、エタノールの使用量と反応時間を表5に示す使用量と反応時間を変更したこと以外は、製造方法実施例1と同様に行った。収率は55%で、GPC測定により質量平均分子量は30400であった。
[製造方法実施例4]
テトラヒドロフラン、メタクリル酸グリシジル、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)水和物、エタノールの使用量と反応時間を表5に示す使用量と反応時間を変更したこと以外は、製造方法実施例1と同様に行った。収率は39%で、GPC測定により質量平均分子量は23400であった。
テトラヒドロフラン、メタクリル酸グリシジル、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)水和物、エタノールの使用量と反応時間を表5に示す使用量と反応時間を変更したこと以外は、製造方法実施例1と同様に行った。収率は39%で、GPC測定により質量平均分子量は23400であった。
[製造方法比較例1]
メタクリル酸グリシジルを4−ヒドロキシブチルアクリル酸グリシジルエーテル(日本化成(株))に変更し、テトラヒドロフラン、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)水和物、エタノールの使用量と反応時間を表5に示す使用量と反応時間を変更したこと以外は、製造方法実施例1と同様に行った。収率は27%で、GPC測定により質量平均分子量は16700であった。グリシジルエステルをグリシジルエーテルとしたことでカルボニル基がグリシジル基に隣接していないために重合活性向上がなく、製造方法実施例1と比較して、分子量と収率が低かった。
メタクリル酸グリシジルを4−ヒドロキシブチルアクリル酸グリシジルエーテル(日本化成(株))に変更し、テトラヒドロフラン、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)水和物、エタノールの使用量と反応時間を表5に示す使用量と反応時間を変更したこと以外は、製造方法実施例1と同様に行った。収率は27%で、GPC測定により質量平均分子量は16700であった。グリシジルエステルをグリシジルエーテルとしたことでカルボニル基がグリシジル基に隣接していないために重合活性向上がなく、製造方法実施例1と比較して、分子量と収率が低かった。
ラジカル重合性ポリエーテルとラジカル重合性ビニル系単量体からなる(共)重合体は、上記の通り、優れた特性を有していることから、フレキシブルディスプレイ前面板、太陽電池基板、有機EL基板、照明用カバー、液晶ディスプレイ前面板、導光シートなどの緻密光学部材として好適に使用することができる。
Claims (17)
- 質量平均分子量が20000〜100000であり、(メタ)アクリロイル基をペンダント基として有するポリアルキレンエーテル骨格及びポリテトラメチレンエーテル骨格を含むラジカル重合性ポリエーテル(A)。
- 前記一般式(1)のm1とm2とnが0.0005≦m1/(m1+m2+n)≦0.20の関係にある請求項2記載のラジカル重合性ポリエーテル(A)。
- 前記一般式(1)のm1とm2とnが0.001≦m1/(m1+m2+n)≦0.10の関係にある請求項2記載のラジカル重合性ポリエーテル(A)。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のラジカル重合性ポリエーテル(A)及びラジカル重合性ビニル系単量体(B)を主成分として含有し、該(A)成分1〜99質量%に対して、該(B)成分を99〜1質量%配合してなる重合性組成物(C)。
- ラジカル重合性ビニル系単量体(B)が(メタ)アクリル系単量体である請求項5記載の重合性組成物(C)。
- 請求項5又は6記載の重合性組成物(C)をラジカル重合して形成される共重合体。
- 請求項5又は6記載の重合性組成物(C)を所望の形状に賦形した後、ラジカル重合して形成される成形体。
- 請求項5又は6記載の重合性組成物(C)をラジカル重合して形成されるフィルム。
- フィルムの厚みが0.1〜3000μmである請求項9記載のフィルム。
- 引張速度500mm/minのときの破断伸度が10%以上である請求項9又は10に記載のフィルム。
- フィルムの厚みが0.5mmのときのヘイズが5%以下である請求項9〜11のいずれかに記載のフィルム。
- グリシジルエステル(a)とトリフルオロメタンスルホン酸金属塩(b)との質量比(a)/(b)が2〜9である請求項13に記載の製造方法。
- グリシジルエステル(a)がメタクリル酸グリシジルである請求項13又は14に記載の製造方法。
- トリフルオロメタンスルホン酸金属塩(b)の金属がスカンジウム、イットリウム及びランタノイドからなる群より選ばれる一種以上である請求項13〜15のいずれかに記載の製造方法。
- トリフルオロメタンスルホン酸金属塩(b)がトリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム水和物である請求項13〜16のいずれかに記載の製造方法。
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