JPWO2014054172A1 - ゾル状低カロリー食品素材および包装容器体入ゾル状低カロリー食品素材およびそれらの製造方法 - Google Patents

ゾル状低カロリー食品素材および包装容器体入ゾル状低カロリー食品素材およびそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱可逆性の安定性に優れ、保管や流通が可能なゾル状低カロリー食品素材を提供する。【解決手段】水(2)と,グルコマンナン又はこんにゃく精粉又はこれらの組み合わせ(3)と,難溶解性吸水剤(4)とを撹拌させた後,膨潤させてゾル状物質(6)を調製する第1の工程(ステップS01)と、ゾル状物質(6)にアルカリ剤(5)を混練して,pH調整済ゾル状物質(7)を調製する第2の工程(ステップS02)と、pH調整済ゾル状物質(7)を70−130℃の温度条件下において,加熱してゲル状物質(8)にする第3の工程(ステップS03)と、ゲル状物質(8)を0−15℃の温度領域にまで冷却してゾル化させる第4の工程(ステップS04)とを有することを特徴とするゾル状低カロリー食品素材の製造方法(10A)による。【選択図】図1

Description

本発明は、品質の安定性に優れ、保管や流通が可能なゾル状低カロリー食品素材および包装容器体入ゾル状低カロリー食品素材およびそれらの製造方法に関する。
従来、グルコマンナンを主成分とするこんにゃく食品は、ヒトの消化管ではほとんど消化されず腸内微生物により一部脂肪酸に変換されて利用される。このため、カロリーが極めて低い食品(100gあたり5−7kcal)であることが知られており、カロリー過多な加工食品のカロリーを低下させる嵩増し用食品素材として注目されている。
このようなこんにゃく食品の一例として、食肉加工食品や、穀物加工食品に混練して使用することができ、加熱状態においてはゲル状をなし、冷温状態ではゾル状となるペースト状のこんにゃく(熱可逆性ゾル状物質)が知られている。
このような、熱可逆性ゾル状物質は、食肉練り製品や、穀物加工食品の一部として置き換えられることで、食品の食味や食感を大きく損なうことなくカロリーを大幅に低減できるというメリットを有している。このため、ダイエット食品として優れた効果を発揮することが期待されている。
しかしながら、このような熱可逆性ゾル状物質は、均一な品質のものを効率よく量産することが難しかった。加えて、製造後の品質の安定性が極めて悪く、保管しておくことができないという課題があった。このため、熱可逆性ゾル状物質は、加工食品用の食品素材として普及しづらかった。
本願発明と同一の解決すべき課題を有する先行技術は現時点で発見されていないが、関連する技術分野の先行技術としては以下に示すようなものが知られている。
特許文献1には「こんにゃくペーストを用いた加工食品」という名称で、新規な食品加工素材であるこんにゃくペーストを用いた加工食品に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示されるこんにゃくペーストは、こんにゃく粉を十分な水に添加して膨潤させた後、例えば、クエン酸ナトリウム、乳酸カルシウムからなる凝固剤を添加してさらに撹拌したものを、80−150℃の温度領域まで加熱して一旦ゲル化させた後、例えば、氷水等を用いるなどして急速に冷却してゾル化させてなるペースト体である。また、上述のようなこんにゃくペーストを、20−80重量%含有してなる食肉練り製品又は穀物粉製品である。さらに、この食肉練り製品又は穀物粉製品を冷凍流通品としたものである。
上述のような特許文献1に開示されるこんにゃくペーストを用いることで、食感に優れ、ジューシー感も満足させられる食肉練り製品を提供することができる。また、こんにゃくペーストを50重量%以上混ぜても味覚や食感、ジューシー感を損なうこともないので、健康食品、ダイエット食品として多大の貢献をする食材を製造する方法を提供できる。特許文献1に開示されるような食肉練り製品は、低カロリー食品であるため、数々の成人病や小児の肥満に対する問題の解決にも効果があり、有用な食材を提供できる。また、これら食肉練り製品を食肉素材の品質や配合比などを変えることにより、ペットフードとしても転用でき、ペットのダイエットにも効果が期待できる。
特許文献1に開示されるこんにゃくペーストを穀物粉と混ぜることにより、従来のこんにゃくペーストでは得られなかった食感に優れた低カロリーのパンやケーキ、麺も提供できる。また、小麦粉に代えて米粉を使うこともできるため、小麦を原因とするアレルギーの発症の心配も回避でき、さらに年々発生する屑米の有効利用に貢献できる。
特許文献2には「可逆性コンニヤク及びそれらからなる食品添加物」という名称で、冷温の度合いに応じて可逆的に液状と凝固状との間を状態移動する熱可逆性コンニヤクに関する発明が開示されている。
特許文献2に開示される可逆性コンニヤクは、コンニヤクいも又は、コンニヤク粉の含水したものに、苛性ソーダー、苛性カリ、炭酸ソーダー、炭酸カリ、炭酸カルシウム、亜硫酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウムの単独、又は混合したものをpH10以下になるように添加混和し、これを70−130℃に加熱処理して得られた、温度に応じて可逆的に液状と凝固状との間を状態移動することを特徴とするものである。
このような特許文献2に開示される可逆性コンニヤクは、冷時に液状から始まってペースト状まで、温時にプデイング状から固い凝固状にすることができる。
また、特許文献2に開示される可逆性コンニヤクに、デンプンを添加することで、冷時と温時ともほとんど同じ食感にすることができる。
このような特許文献2に開示される可逆性コンニヤクを食品に添加することで、様々な新規の食品を作り出すことができる。
特開2009−5615号公報 特開昭63−68054号公報
上述のような特許文献1,2に開示されるようなこんにゃくペーストや可逆性コンニヤク(ここでは、熱可逆性ゾル状物質と総称する)は、従来公知のゲル状のこんにゃくを製造する際の、完全に凝固しきっていない遷移状態のものを一時的に作り出したものである。このような遷移状態を作り出す方法としては、例えば、凝固剤の添加量や、加熱温度、加熱時間を調節したり、必要に応じて、加熱処理後に冷却処理を行うなどの方法がある。ここで、「一時的に」というのは、この状態が固定化された性質ではないという意味である。
すなわち、上述のような特許文献1,2に開示されるような熱可逆性ゾル状物質は、グルコマンナンの凝固が完全に進行しきらないうちは、冷状態−温状態の間で、ゾル状−ゲル状のように状態変化を繰り返す。しかしながら、何らかの要因でグルコマンナンの凝固が進むと、このような状態変化は起きなくなり完全にゲル化(不可逆ゲル化)してしまう。
このため、熱可逆性ゾル状物質の品質の安定性の向上とは、上述のような遷移状態の熱可逆性ゾル状物質において、グルコマンナンの凝固をゆっくりと進行させて不可逆ゲル化するまでの時間を長くすることである。また、このような遷移状態の熱可逆性ゾル状物質において、グルコマンナンの凝固速度に大きな影響を及ぼしているのが溶液のアルカリ価と温度である。
上述のように、特許文献1,2に開示されるような熱可逆性ゾル状物質の熱可逆性は極めて不安定であるため、その性質を長時間にわたり持続させることが難しかった。すなわち、特許文献1,2に開示されるような熱可逆性ゾル状物質は保管や輸送に適していなかった。
特許文献1の文献中の明細書段落0030には、アルカリ剤を添加したこんにゃくペーストをレトルトパックに封止して加熱し、その後、冷却してペースト状にするという技術内容が開示されている。
上述のようなこんにゃくペーストを流通する際の最も一般的な形態として、レトルトパックに封止する方法が考えられる。
この場合、レトルトパックに封止されたこんにゃくペーストの厚みは、レトルトパックの縁や隅部において相対的に薄くなるため、加熱処理時に、レトルトパックの縁や隅部が過熱状態になってしまい、この結果、これらの部位で局所的にグルコマンナンの凝固が急速に進行して、部分的に不可逆ゲル化がおこっていた。このため、引用文献1に開示される方法では、レトルトパック内において均一な品質を有するこんにゃくペーストを製造することが難しかった。
また、レトルトパックの形状を工夫して厚みを一様にした場合でも、やはり、パックの角部では依然としてこんにゃくペーストの相対的な厚みが薄くなってしまい、均一な品質を有するこんにゃくペーストを製造することは困難であった。
つまり、引用文献1に開示されるようなこんにゃくペーストを効率よく生産することが難しかった。
さらに、特許文献1に開示されるこんにゃくペーストは、凍結させると不可逆ゲル化してしまうため、熱可逆性を有する状態を維持したままこんにゃくペーストそのものを冷凍保存することはできなかった。それゆえ、特許文献1に開示される発明では、こんにゃくペーストを食肉練り製品又は穀物粉製品に加工した上で、凍結流通品にする必要があったと考えられる。
また、引用文献1に開示される発明では、こんにゃくペーストは凍結流通品となって流通されるため、こんにゃくペーストそのものを保管したり流通させる必要性については何ら触れられていない。したがって、特許文献1に開示される発明では、こんにゃくペーストを流通し保管するために、その品質を安定させる技術内容も開示されていない。
特許文献2に開示される発明の場合も、特許文献1に開示される発明の場合と同様に、可逆性コンニヤクそのものを流通させることについては全く想定されていない。
このため、可逆性コンニヤク(熱可逆性ゾル状物質)を、流通又は保管する際に、品質を安定化させる必要性について開示はおろか示唆や言及がなく、そのための技術内容も開示されていなかった。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものでありその目的は、冷蔵状態において熱可逆性を長期間持続させることができ、その生産性を向上することができ、容器包装して製造する際の品質を均一にすることができる熱可逆性ゾル状物質であるゾル状低カロリー食品素材および包装容器体入ゾル状低カロリー食品素材およびそれらの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため請求項1記載の発明であるゾル状低カロリー食品素材の製造方法は、水と,グルコマンナン又はこんにゃく精粉又はこれらの組み合わせと,難溶解性吸水剤とを撹拌させた後,膨潤させてゾル状物質を調製する第1の工程と、ゾル状物質にアルカリ剤を混練して,pH調整済ゾル状物質を調製する第2の工程と、pH調整済ゾル状物質を70−130℃の温度条件下において,加熱してゲル状物質にする第3の工程と、ゲル状物質を0−15℃の温度領域にまで冷却してゾル化させる第4の工程とを有することを特徴とするものである。
上記構成の請求項1記載の発明において、第1の工程は、水と、グルコマンナン又はこんにゃく精粉又はこれらの組み合わせと、難溶解性吸水剤とからなるゾル状物質を生成させるという作用を有する。請求項1のみならず、本願では「グルコマンナン又はこんにゃく又はこれらの組合せ」として規定されるが、この規定は、主成分がグルコマンナンで多少の不純物を含むことでこんにゃく精粉と呼ばれる材料を用いた場合が排除されることを抑制するためのものである。従って、グルコマンナンの概念として、不純物を含まないグルコマンナンのみならず、不純物を含有するこんにゃく精粉をも含めるとして定義する場合には、グルコマンナンのみを材料として規定してもよい。あるいは、実施の形態にも記載されるとおり、「グルコマンナン又はこんにゃく又はこれらの組合せ」を包括して「グルコマンナン含有材料粉体」としてもよい。請求項1のみならず、他の請求項でも同様であり、実施の形態における記載も同様である。
第2の工程はゾル状物質をアルカリ性に調整するという作用を有する。また、この第2の工程では、ゾル状物質中に分散する難溶解性吸水剤に、優先的にアルカリ剤(アルカリ剤は、アルカリ水溶液又はアルカリ剤分散液として添加される)が吸収される。
さらに、第3の工程は、アルカリ性の環境下においてグルコマンナンを加熱することで、グルコマンナンの凝固を進行させるという作用を有する。このとき、pH調製済ゾル状物質中に分散する難溶解性吸水剤からアルカリ剤が徐々に供給されることで、グルコマンナンの凝固速度が遅くなる。つまり、難溶解性吸水剤はゾル状低カロリー食品素材の製造時及び製造後において、グルコマンナンの凝固をゆっくりと進行させるという作用を有する。
この第3の工程では、グルコマンナンの凝固の進行に伴って、目視で確認できない程度の離水が起こるが、この水は難溶解性吸水剤に吸収されてゲル状物質の保水性が維持される。すなわち、第3の工程において生成するゲル状物質において、見かけ上離水が起こっていない状態が長くなる。
第4の工程は、第3の工程において生成されたゲル状物質を、0−15℃の温度領域にまで冷却することで、グルコマンナンの凝固速度を著しく低下させるという作用を有する。これにより、グルコマンナンが凝固しきらない遷移状態の熱可逆性ゾル状物質を生成させるという作用を有する。
請求項1記載の発明では、第3の工程において加熱して一旦ゲル状物質を生成させないと、冷状態−温状態においてゾル状−ゲル状に状態変化する熱可逆性ゾル状物質にすることができない。その一方で、この第3の工程において生成したゲル状物質から目視で離水が確認できるほどグルコマンナンの凝固が進行してしまうと、その後、第4の工程において冷却しても熱可逆性ゾル状物質にすることができなくなってしまう。
そして、pH調製済ゾル状物質に難溶解性吸水剤が混練されない場合は、加熱によりゲル状物質が生成してから僅かな時間の間に、目視により確認できる離水が起こってゲル状物質が不可逆ゲル化してしまうので、一定の品質を有する熱可逆性ゾル状物質を効率よく生産することができなかった。
これに対して、請求項1記載の発明では、pH調製済ゾル状物質中に難溶解性吸水剤が分散されていることで、第3の工程において生成されるゲル状物質の保水性が高められ、ゲル状物質から目視で確認できるほどの離水が起こる時期が遅くなる。これにより、加熱中のゲル状物質の加熱を中止して、第4の工程の冷却処理を開始するタイミングを見極める時間の幅を広くするという作用を有する。つまり、pH調製済ゾル状物質中に分散される難溶解性吸水剤は、第4の工程を開始するタイミングを広く取れる緩衝材として作用する。
請求項2記載の発明であるゾル状低カロリー食品素材の製造方法は、請求項1記載のゾル状低カロリー食品素材の製造方法であって、第2の工程と第3の工程の間に,pH調整済ゾルを,耐熱性及び水密性を備える包装容器体内に密封する収納封止工程を有することを特徴とするものである。
上記構成の請求項1記載の発明は、請求項2記載の発明と同じ作用に加えて、第2の工程と第3の工程の間に、収納封止工程を設けることで、グルコマンナンの凝固を進行させるための加熱処理と、包装容器体内の収容物を殺菌するための加熱処理を一度で完了させるという作用を有する。
また、pH調製済ゾル状物質中に難溶解性吸水剤が分散されていることで、包装容器体の外縁部やその近傍、あるいは、角部やその近傍などの、相対的にpH調製済ゾル状物質の厚みが薄くなる部位が、第3の工程において過熱状態になった際に、その部位でグルコマンナンの凝固が急速に進行して不可逆ゲル化するのを妨げるという作用を有する。
請求項3記載の発明であるゾル状低カロリー食品素材は、水と,グルコマンナン又はこんにゃく精粉又はこれらの組み合わせと,難溶解性吸水剤と,を撹拌膨潤させてなるゾル状物質に、アルカリ剤を混練したpH調整済ゾル状物質を、加熱してゲル化させた後、冷却してゾル化させてなるpH7−8の範囲のゾル状低カロリー食品素材であって、ゾル状物質における含水率は90重量%以上であり、ゾル状物質におけるグルコマンナン又はこんにゃく精粉又はこれらの組み合わせの含有率は1.4重量%以上であり、難溶解性吸水剤の添加量はグルコマンナン又はこんにゃく精粉又はこれらの組み合わせの全重量の10重量%以上であることを特徴とするものである。
上記構成の請求項3記載の発明において、グルコマンナン又はこんにゃく精粉又はこれらの組み合わせに含有されるグルコマンナンは、アルカリ性の環境下において加熱されることでその凝固が進行して、ゲル化されるという作用を有する。また、このゲル化したグルコマンナンが急速に冷却されることで、グルコマンナンの凝固速度が急激に遅くなって、グルコマンナンが凝固しきらない遷移状態にあるゾル状の凝固体が生成されるという作用を有する。さらに、この遷移状態の凝固体は、温状態−冷状態においてゲル状−ゾル状に状態変化を起こす熱可逆性ゾル状物質であり、練製品等の食品素材として適した性質を有している。
この熱可逆性は、熱可逆性ゾル状物質において固定化された性質ではなく、グルコマンナンの凝固過程に生じる一時的な性質に過ぎない。従って、この熱可逆性ゾル状物質に、アルカリ性の環境下で熱が作用し続けると、グルコマンナンの凝固が進行して離水が起こり、最終的に不可逆ゲル化して熱可逆性は失われる。
このような、熱可逆性ゾル状物質において分散混合される難溶解性吸水剤は、請求項1記載の発明の説明において述べたとおり、グルコマンナンの不可逆ゲル化を遅くするという作用を有している。
また、請求項3記載のゾル状低カロリー食品素材のpHは、pH7−8の範囲でほぼ中性である。このため、請求項3記載のゾル状低カロリー食品素材を他の食品素材に混練した際に、他の食品素材の食味や色の変性を抑制するという作用を有する。
請求項4記載の発明であるゾル状低カロリー食品素材は、請求項3に記載のゾル状低カロリー食品素材であって、水に対する不溶解物が80重量%以上の天然高分子であることを特徴とするものである。
上記構成の請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明を構成する難溶解性吸水剤の性質をより具体的に記載したものであり、その作用は、請求項3記載の発明の作用と同じである。
請求項5記載の発明であるゾル状低カロリー食品素材は、請求項4に記載のゾル状低カロリー食品素材であって、難溶解性吸水剤は、植物資源に由来する食物繊維であることを特徴とするものである。
上記構成の請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明と同じ作用に加えて、難溶解性吸水剤を植物資源に由来する食物繊維とすることで、請求項5記載の発明を無味無臭に近づけるという作用を有する。また、請求項5記載の発明におけるアルカリ剤を除く固形物の全てを、カロリーが極めて少ない食品素材にするという作用を有する。
請求項6記載の発明であるゾル状低カロリー食品素材は、請求項5に記載のゾル状低カロリー食品素材であって、食物繊維の平均繊維長は、30−80μmの範囲内であることを特徴とするものである。
上記構成の発明は請求項5記載の発明と同じ作用に加えて、ゾル状低カロリー食品素材中に分散される食物繊維の平均繊維長を、30−80μmの範囲内とすることで、食物繊維の添加によりゾル状低カロリー食品素材にベタつき感が生じるのを抑制するという作用を有する。これにより、食肉練製品の一部として混練した際に、請求項5記載の発明が混練されてなる成形品の離型性を良好にするという作用を有する。
請求項7記載の発明である包装容器体入ゾル状低カロリー食品素材は、請求項3乃至請求項6のいずれか1項に記載のゾル状低カロリー食品素材が,耐熱性及び水密性を備える包装容器体内に密封されてなることを特徴とするものである。
上記構成の請求項7記載の発明は、請求項3乃至請求項6のそれぞれに記載される発明と同じ作用に加えて、包装容器体は、その内部に熱可逆性ゾル状物質であるゾル状低カロリー食品素材を収納し、密封するという作用を有する。
これにより、包装容器体内に収容されるゾル状低カロリー食品素材への熱処理を、容易にかつ衛生的に行えるようにするという作用を有する。
さらに、請求項7記載の発明が包装容器体を備えることで、その内部に収容されるゾル状低カロリー食品素材の冷蔵保管、又は、流通を容易にするという作用を有する。
請求項1記載の発明によれば、部分的に不可逆ゲル化した領域を含まない均一な状態であり、しかも、冷蔵状態において不可逆ゲル化の進行が遅いゾル状低カロリー食品素材を製造し、提供することができる。これにより、冷蔵状態における品質の安定性が高いゾル状低カロリー食品素材を提供することができる。
この結果、請求項1記載の発明により製造されてなるゾル状低カロリー食品素材そのものを、保管したり流通させることが可能になる。これにより、請求項1記載の発明により製造されてなるゾル状低カロリー食品素材を加工食品の一部として利用し易くすることができる。
請求項2記載の発明によれば、第2の工程と第3の工程の間に、収納封止工程を設けることで、グルコマンナンの凝固を進行させるための加熱処理と、包装容器体内の収容物を殺菌するための加熱処理を一度で完了させることができる。
これにより、保管や流通に適した形態であり、かつ、衛生的なゾル状低カロリー食品素材を効率よく生産することができる。
すなわち、食品としての安全で、冷蔵保存時の品質が安定していて、流通させ易いゾル状低カロリー食品素材の生産性を向上できる。
また、請求項2記載の発明によれば、包装容器体の外縁部やその近傍、あるいは、角部やその近傍などの、相対的に収容物の厚みが薄い部位で局所的に不可逆ゲル化が起こるのを防止できる。この結果、包装容器体内のゾル状低カロリー食品素材の品質が不均一になるのを防止できる。
また、請求項2記載の発明により製造されたゾル状低カロリー食品素材は、その製造が完了した後に、例えば、殺菌を目的としてゾル状低カロリー食品素材を再度加熱処理する必要がない。このため、包装容器体内に収容されるゾル状低カロリー食品素材に作用する熱の絶対量を少なくできる。
この結果、ゾル状低カロリー食品素材中のグルコマンナンの凝固が進行して不可逆ゲル化するのを大幅に遅延させることができる。よって、請求項2記載の発明により製造されるゾル状低カロリー食品素材の品質保持期間を長くすることができる。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明により製造されたゾル状低カロリー食品素材を物の発明として表現したものであり、請求項1記載の発明と同じ効果を有する。
また、請求項3記載のゾル状低カロリー食品素材は、その大部分が水により構成されており、カロリーが極めて少ない食品素材である。従って、請求項3記載のゾル状低カロリー食品素材と、他の食品素材とを組み合わせることで、他の食品素材のみで加工食品を構成した場合に比べて、カロリーの少ない加工食品を提供することができる。また、このようなカロリーの少ない加工食品は、食生活に起因する生活習慣病の治療や予防に寄与することができる。
さらに、請求項3記載のゾル状低カロリー食品素材を使用した加工食品を摂取することで、食物繊維の摂取量を増やすことができる。この結果、食物繊維の摂取量増加に伴う健康改善効果も期待できる。
また、請求項3記載の発明のpHは、pH7−8の範囲でほぼ中性である。よって、このような請求項3記載の発明を他の食品素材に混練して加工食品を製造する際に、他の食品素材の食味や色を損なう恐れが極めて少ない。
従って、加工食品の嵩増し材として優れた熱凝固性と、変質防止性を兼ね備えた食品素材を提供できる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明を構成する難溶解性吸水剤の性質をより具体的に記載したものであり、その効果は、請求項3記載の発明と同じである。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明と同じ効果に加えて、難溶解性吸水剤を植物資源に由来する食物繊維とすることで、請求項5記載の発明を無味無臭に近づけることができる。
この結果、他の食品素材に請求項5記載の発明を添加して加工食品とした際に、他の食品素材の味や香りが損なわれるのを防止できる。よって、請求項5記載の発明により汎用性の高いゾル状低カロリー食品素材を提供することができる。
また、請求項5記載の発明では、アルカリ剤を除く固形物の全てが食物繊維からなることになる。この結果、請求項5記載のゾル状低カロリー食品素材のカロリーを極めて少なくすることができる。したがって、請求項5記載の発明におけるゾル状低カロリー食品素材が混練されてなる加工食品のカロリーを一層少なくできる。よって、請求項5記載の発明を用いてなる食品を摂取することで、食生活に起因する生活習慣病の治療効果や予防効果を一層高めることができる。
さらに、請求項5記載の発明が混練された加工食品を摂取することで、食物繊維の摂取量を一層増やすことができる。これにより、食物繊維を摂取することによる健康増進効果も発揮されやすくなる。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明と同じ効果に加えて、ゾル状低カロリー食品素材中に分散する食物繊維の平均繊維長を30−80μmの範囲内とすることで、ゾル状低カロリー食品素材をベタつき感の少ない状態にすることができる。
この場合、特に食肉練製品の一部として請求項6記載の発明を混練して成形して加工食品を製造する場合に、その離型性を良好にできる。
この結果、請求項6記載の発明が混練されてなる加工食品の生産性を向上できるとともに、製品の見映えを良くすることができる。
請求項7記載の発明は、先の請求項2に記載される発明により製造される、包装容器体内に密封されたゾル状低カロリー食品素材を、物の発明として表現したものである。
請求項7に記載の発明によれば、特に、pH調整済ゾル状物質を包装容器体内に密封した後に、加熱してゲル状化させる際に、包装容器体の外縁部やその近傍、あるいは、角部やその近傍など、相対的に収容物の厚みが薄い部位が局所的に過熱状態になって不可逆ゲル化して、包装容器体内のゾル状低カロリー食品素材の品質が不均一になるのを防止することができる。
さらに、請求項6に記載の発明によれば、グルコマンナンの凝固を進行させるための加熱処理と、包装容器体内の収容物を殺菌するための加熱処理を同時に行うことができるので、請求項3乃至請求項5のそれぞれに記載されるゾル状低カロリー食品素材の生産性を高めることができる。
また、請求項6記載の発明の場合は、その製造が完了した後に、例えば、殺菌を目的としてゾル状低カロリー食品素材を再度加熱処理する必要がない。このため、包装容器体内に収容されるゾル状低カロリー食品素材に作用する熱の絶対量を少なくできる。これにより、包装容器体内に収容されるゾル状低カロリー食品素材が不可逆ゲル化して熱可逆性が失われる時期を遅くすることができる。よって、請求項6記載の発明におけるゾル状低カロリー食品素材の品質保持期間を長くすることができる。
本発明の実施例1に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法のフローチャートである。 本発明の実施例2に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法のフローチャートである。 グルコマンナンの構造式である。
1a…ゾル状低カロリー食品素材
1b…包装容器体入ゾル状低カロリー食品素材
2…水
3…グルコマンナン含有材料粉体(グルコマンナン又はこんにゃく精粉又はこれらの組合せ)
4…難溶解性吸水剤
5…アルカリ剤
6…ゾル状物質
7…pH調製済ゾル状物質
8…ゲル状物質
8a…包装容器体入ゲル状物質
9…包装容器体入pH調製済ゾル状物質
10A,10B…ゾル状低カロリー食品素材の製造方法
本発明の実施の形態に係るゾル状低カロリー食品素材及び包装容器体入ゾル状低カロリー食品素材及びそれらの製造方法について実施例を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施例1に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法により製造されるゾル状低カロリー食品素材は、冷状態−温状態において、ゾル状態−ゲル状態の状態変化を繰り返す熱可逆性ゾル状物質である。また、この実施例1に係る熱可逆性ゾル状物質は、その熱可逆性を冷蔵状態で長期間持続させることができるものである。
実施例1に係るゾル状低カロリー食品素材が有する熱可逆性は、固定化された性質ではなく一時的に発揮されるものにすぎない。しかしながら、実施例1に係る発明は、この熱可逆性を長期間にわたり保持できるので、冷蔵による保管や流通が可能である。
一般に、こんにゃくは、グルコマンナン又はこんにゃく精粉又はこれらの組合せと水とを撹拌膨潤させてなるゾル状物質を、アルカリ性の環境下において加熱して、グルコマンナン分子を凝固させて不可逆ゲル化させたものである。
上述のような従来公知のこんにゃくの製造工程において、例えば、グルコマンナンを凝固させる環境を弱アルカリ性にしたり、加熱温度や加熱時間を調節したり、必要に応じて、加熱処理後に冷却処理を行うことで、グルコマンナンが完全に凝固しきらない遷移状態のゾル状の凝固体を生成させることができる。そして、この遷移状態の凝固体が、本発明に係る熱可逆性ゾル状物質である。
このような熱可逆性ゾル状物質では、熱の作用によりグルコマンナンの凝固が徐々に進行するので、時間の経過とともにその熱可逆性は失われてしまう。
このように、熱可逆性ゾル状物質はそもそも不安定な物質であり、流通や保管に適さなかった。そこで、この熱可逆性をできるだけ長期間持続させる技術が必要とされていた。
本発明の実施例1に係るゾル状低カロリー食品素材1aは、グルコマンナン分子中に、難溶解性吸水剤を分散させることで、グルコマンナンが不可逆ゲル状に凝固するまでの時間を長くしたものである。すなわち、実施例1に係るゾル状低カロリー食品素材1aにおいて、熱可逆性が失われるまでの期間を長くしたものである。また、難溶解性吸水剤は、ゾル状低カロリー食品素材1aの保水性を高めて、品質劣化(不可逆ゲル化)が進行しているか否かを判断する指標となる、ゾル状低カロリー食品素材1aからの目視で確認できる離水が起こるタイミングを遅くして、本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aの品質保持期間を長くしたものである。
このような本発明の実施例1に係るゾル状低カロリー食品素材1aは、一旦緩慢凍結させた後解凍した際も熱可逆性を有していたので、冷凍保存できる可能性がある。
図1は本発明の実施例に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法のフローチャートである。
実施例1に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法10Aは、図1に示すように、おおまかに4つの工程からなっている。
まず、第1の工程は、水2と、グルコマンナン又はこんにゃく精粉又はこれらの組合せ(以下、グルコマンナン含有材料粉体3と呼ぶ)と、難溶解性吸水剤4のそれぞれを必要量計量してから、これらを撹拌膨潤させてゾル状物質6を調製する工程(ステップS01)である。
このようなゾル状物質6を構成する各材料の配合割合は、下記の通りである。まず、水2の含有率は、ゾル状物質6の全重量の90重量%以上である。また、グルコマンナン含有材料粉体3の含有率は、ゾル状物質6の全重量の1.4重量%以上である。さらに、難溶解性吸水剤4は、上記グルコマンナン含有材料粉体3の全重量に対して少なくとも10重量%以上添加されている。
なお、ゾル状物質6における水2の含有率(含水率)が、90重量%を下回ったとしてもゾル状低カロリー食品素材1aの製造や、熱可逆性の発揮には何ら問題はない。しかしながら、ごく少量のグルコマンナン含有材料粉体3で多量の水をゾル状物質6にできるので、必要以上にグルコマンナン含有材料粉体3を添加する必要はない。他方、ゾル状物質6におけるグルコマンナン含有材料粉体3の含有率が1.4重量%を下回ると、グルコマンナンの濃度が低すぎてアルカリ性の環境下で加熱しても凝固が起こらず、本発明に係る熱可逆性ゲル状物質を生成させることができない。
また、実施例1では、グルコマンナン含有材料粉体3として、グルコマンナン又はこんにゃく精粉を単独で用いてもよいし、あるいは、これらの組合せて用いてもよい。これは、こんにゃく精粉の主成分がグルコマンナンであるからである。
また、通常、こんにゃくは、いわゆる生臭さのもとであるトリメチルアミンを含有しており、精製していないものは臭気が強いものがある。このため、実施例1に係るゾル状低カロリー食品素材1aを無臭に近付けたい場合は、エタノール等のアルコール類を用いて精製することでトリメチルアミン等の臭気原因物質を低減したこんにゃく精粉を用いるとよい。
さらに、ゾル状物質6中に混練される難溶解性吸水剤4は、水に対する不溶解物が80重量%以上で吸水性を有する天然高分子である。この難溶解性吸水剤4は、より望ましくは、水に対する不溶解物が90重量%以上で吸水性を有する天然高分子、すなわち、グルコマンナンよりも吸水性の低い吸水材であることが望ましい。
なお、難溶解性吸水剤4の作用、効果については後段において詳細に説明する。
次に、実施例1に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法10Aにおける第2の工程は、先のステップS01において調製されたゾル状物質6にアルカリ剤5を混練してpH9−10の範囲のpH調製済ゾル状物質7を調製する工程である(ステップS02)。すなわち、グルコマンナン膨潤体を弱アルカリ性(pH9−10の範囲)にする工程である
このステップS02においてゾル状物質6に混練されるアルカリ剤5は従来公知のこんにゃくの製造方法において使用されるアルカリ剤であればどのようなものでも使用することができる。ただし、実施例1に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法10Aにより製造されるゾル状低カロリー食品素材1aは、他の食品素材に混練されて使用されるので、他の食品素材の食味や色を損なうことがないよう、用途に応じて適切なアルカリ剤を選ぶ必要がある。
参考までに、実施例1に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法10Aにおいて使用可能なアルカリ剤5を挙げると、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム等の水酸化化合物類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩類、硫酸カルシウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム等の硫酸塩類、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、こはく酸ナトリウム等の有機酸塩類、ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等のリン酸塩類がある。またこれら塩基性塩類の他に、使用可能な塩基性アミノ酸としては、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、シトルリン等がある。なお、これらのアルカリ剤は、単独で用いても良いし、これらから選択される少なくとも2種類以上を複合して用いてもよい。
なお、アルカリ剤5は水に溶解させてアルカリ水溶液の状態で添加するが、アルカリ剤5が水に溶けない場合は、アルカリ剤5を水に分散させてなる分散液として添加すればよい。
また、本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aの熱可逆性を好適に持続させるためには、なるべく分子量の大きいアルカリ剤を用いることが望ましい。これは、アルカリ剤の分子量が大きいと、分子がスムースに移動することができず、これによりアルカリ剤による化学反応がゆっくりと進行するからである。
実施例1に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法10Aにおける第3の工程は、上述のステップS02において調製されたpH調製済ゾル状物質7を70−130℃の温度領域にまで加熱してゲル状物質8を生成させる工程(ステップS03)である。すなわち、pH調製済ゾル状物質7中のグルコマンナンの凝固を進行させる工程である。
このステップS03で加熱処理を行うことで、pH調製済ゾル状物質7中のグルコマンナン分子からアセチル基が脱離する化学反応が起きて、グルコマンナン分子が互いに水素結合により三次元的な網目構造を形成することでその凝固が進む。
後段において詳細に説明するが、このステップS03では、ゲル状物質8から目視で確認できるほど離水が起こる前に加熱を止める必要がある。
これは、目視で確認できるほどの離水が起こっていないゲル状物質8は、この後の第4の工程(冷却処理)を行うことで、このゲル状物質8を熱可逆性ゾル状物質にすることができるのに対し、ゲル状物質8から目視で確認できるほどの離水が起こった場合は、この後に第4の工程を行っても熱可逆性ゾル状物質にすることができないからである。
なお、このステップS03においてゲル状物質8が生成しているか否かは、被加熱処理対象物が弾力を有しているか否かを調べることで容易に判断できる。また、このゲル状物質8が不可逆ゲル化しているか否かについては、ゲル状物質8から透明な液体が分離しているか否かを目視で確認することで容易に判断できる。
また、上述のようなグルコマンナンを凝固させる化学反応は、pH調製済ゾル状物質7を常温で放置しておくだけでも進行するので、このステップS03は必ずしも必要ないとも考えられる。
しかしながら、ゾル状低カロリー食品素材1a中のグルコマンナンの凝固がある程度進行した状態にしておかないと、ゾル状低カロリー食品素材1aを他の食品素材に混練して加工食品にした際に、この加工食品をゲル化させるのに長時間加熱調理する必要が生じてしまい、実用的ではなかった。
従って、本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aを、他の食品素材に混練してなる加工食品を、短時間の加熱調理で確実にゲル化させるためには、このステップS03を行なってグルコマンナンの凝固をある程度進行させておく必要がある。
この第3の工程において、pH調製済ゾル状物質7中の難溶解性吸水剤4は、グルコマンナンの凝固をゆっくりと進行させるという作用を有している。
これにより、第3の工程の最中に、ゲル状物質8が意図せず不可逆ゲル化して不良品化するのを防止できる。従って、実施例1に係るゾル状低カロリー食品素材1aを安定して生産し供給することができる。
また、難溶解性吸水剤4によりゲル状物質8の保水性が高まるので、ゲル状物質8から目視で確認できる離水が起こるタイミングが遅くなる。これにより、ゲル状物質8が第3の工程中に不良品化するのを防止できる。
そして、実施例1に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法10Aにおける第4の工程は、上述のステップS03において生成したゲル状物質8を0−15℃の温度領域にまで冷却して、ゲル状物質8を熱可逆性ゾル状物質にする工程(ステップS04)である。すなわち、このステップ4は、ゲル状物質8への加熱を止めて冷却することで、ゲル状物質8を構成するグルコマンナンの凝固速度を急激に遅くして、ゲル状物質8をグルコマンナンの凝固が進行しきっていない遷移状態のゲル状の凝固体にする工程である。
上述のような実施例1に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法10Aにより製造されてなるゾル状低カロリー食品素材1aは、その内部に難溶解性吸水剤4が分散されることで、難溶解性吸水剤4を内包しない場合に比べて、グルコマンナンの凝固がゆっくりと進行する。すなわち、難溶解性吸水剤4を内包しない場合に比べて、ゾル状低カロリー食品素材1aが不可逆ゲル化するのにかかる時間が長くなる。したがって、ゾル状低カロリー食品素材1aの熱可逆性を長期間にわたり持続させることができる。よって、ゾル状低カロリー食品素材1aの品質の安定性を高めることができ、これにより保存性を高めることができる。
次に、本発明の実施例2に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法について図2を参照しながら説明する。
図2は本発明の実施例2に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法のフローチャートである。なお、先の図1に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図2に示すように、実施例2に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法10Bは、上述の実施例に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法10における第2の工程(ステップS02)と第3の工程(ステップS03)の間に、所望量のpH調製済ゾル状物質7を、耐熱性と水密性を有する包装容器体内に収納して密封する、収納封止工程(ステップS05)を備えるものである。
そして、この収納封止工程(ステップS05)を備えることで、ステップS03における加熱対象は、包装容器体入pH調製済ゾル状物質9となる。
上述のような実施例2に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法10Bによれば、pH調製済ゾル状物質7中のグルコマンナンの凝固を進行させるための加熱処理と、pH調製済ゾル状物質7を殺菌して衛生的にするための加熱処理を一度で完了させることができる。
なお、実施例2に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法10Bにより製造される包装容器体入ゾル状低カロリー食品素材1b内の収容物は、実施例1に係るゾル状低カロリー食品素材1aである。
先にも述べたように、本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aは、グルコマンナンが完全に凝固しきっていない遷移状態のゾル状の凝固体であり、この凝固体は、熱の作用でグルコマンナンの凝固が一層進むと、最終的に不可逆ゲル状物質になる。
そして、先の実施例1に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法10Aの場合は、実施例2の場合のようなステップS05を備えていないので、出来あがったゾル状低カロリー食品素材1aを包装して出荷するにあたり、殺菌を目的とした加熱処理を別途行う必要があるとも考えられる。
しかしながら、ゾル状低カロリー食品素材1aを別途加熱処理することは、グルコマンナンの凝固を進行させることに他ならず、ゾル状低カロリー食品素材1aの品質の持続性を著しく低下させてしまうことになる。
これに対して、実施例2に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法10Bの場合は、ステップS05を備えていることで、加熱処理済みのゾル状低カロリー食品素材1aが雑菌等により汚染されるのを防止しながら、グルコマンナンの凝固を所望程度進行させることができる。すなわち、実施例2に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法10Bにより製造されたゾル状低カロリー食品素材1aを用いて加工食品を製造した場合に、簡単な加熱調理を行なうだけでこの加工食品をゲル状にできる程度に、ゾル状低カロリー食品素材1a中のグルコマンナンの凝固を進行させることができる。
よって、実施例2に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法10Bによれば、グルコマンナンの凝固が、加工食品としての使用に差し支えない程度でありながら、より進行していないゾル状低カロリー食品素材1aを製造し提供することができる。すなわち、実施例2に係る包装容器体入ゾル状低カロリー食品素材1bに収容されるゾル状低カロリー食品素材1aの品質保持期間を長くすることができる。
また、実施例2に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法10Bのように、pH調製済ゾル状物質7を包装容器体内に封止してから加熱処理を行う場合は、包装容器体の外縁及びその近傍、さらに、包装容器体の角部及びその近傍において、不可逆ゲル化が起こり易いという懸念があった。
これは、包装容器体の外縁及びその近傍、さらに、包装容器体の角部及びその近傍では、相対的にpH調製済ゾル状物質7の厚みが薄く、加熱処理時にこれらの部位が過熱状態になり、グルコマンナンの凝固が急速に進行するおそれがあるためである。
しかしながら、実施例2に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法10Bの場合は、包装容器体内に封止されるpH調製済ゾル状物質7中に、難溶解性吸水剤4が分散されていることで、ゲル状物質8が部分的に過熱状態になった場合でも、その部位が不可逆ゲル化するのを抑制できる。
従って、実施例2に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法10Bによれば、包装容器体内のゾル状低カロリー食品素材1aを均一な状態にすることができる。よって、均一な品質のゾル状低カロリー食品素材1aを効率よくかつ衛生的に生産することができる。
このような、包装容器体入ゾル状低カロリー食品素材1bは、輸送や保管に適している。
実施例1,2に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法10A,10Bにより製造されるゾル状低カロリー食品素材1aのpHは、pH7−8の範囲内でありほぼ中性である。したがって、本実施例に係るゾル状低カロリー食品素材1aを他の食品素材に混練した際に、他の食品素材の食味や色が損なわれる恐れは極めて少ない。よって、加工用の食品素材として優れた性質を有するゾル状低カロリー食品素材1aを提供することができる。
また、このような本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aは、加熱することでゲル状の固形物になるので、熱凝固性を有する食品を違和感なく嵩増しすることができる。また、本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aそのものは、水分や油分(ドリップ)を取り込んで閉じ込める性質を有している。このため、本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aを混練することで、他の食品素材から出る水分や油分を加工食品中に閉じ込めて、ジューシーで適度な弾力を有する加工食品を製造することができる。
より具体的には、本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aを含有しない畜産ひき肉のみからなるハンバーグと、畜産ひき肉に本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aを混練して、ゾル状低カロリー食品素材1aの含有率が40重量%であるハンバーグを作って、それぞれのハンバーグの加熱調理前後の重量を計測したところ、前者では油分や水分の蒸発や漏出により重量が25%減少していたのに対し、後者では重量の減少は17%であった。なお、このハンバーグに混練した本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aは、以下に示す試験のために調整した発明品3と同等のものである。
よって、本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aは、食肉練製品に混練する食品素材として特に適している。
また、本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aの大部分は水であるため、加工食品の一部を本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aで置き換えることで、加工食品のカロリーを減らすことができる。したがって、食生活に起因する生活習慣病の予防や治療に役立つ食品素材を提供することができる。特に食肉練製品に混練して加工食品とした場合は、摂取カロリーを大幅に削減できるだけでなく、脂質やタンパク質の摂取量も減らせるので、糖尿病や肥満等の予防や治療用の加工食品として最適である。
また、ゾル状低カロリー食品素材1a中に含有されるグルコマンナンは、食物繊維であるため、ゾル状低カロリー食品素材1aを摂取することにより、食物繊維の摂取量を増加させることができる。この結果、食物繊維を摂取することによる健康増進効果も期待できる。
より具体的には、植物繊維の摂取量増加により、腸の蠕動促進による排便の容易化が起こる。また、水溶性食物繊維であるグルコマンナンは、水分をつつみこんで粘度の高い溶液をつくるので、胃から小腸への食べ物の移動がゆるやかになり、血糖値の上昇が緩やかとなり、血糖値の上昇を抑えるようにはたらく。これにより、インスリンを無理なく作用させることができ、インスリンの産生に負担をかけずにすむので、糖尿病の予防や治療に有効である。さらに、植物繊維の摂取量増加により、コレステロールの吸収を阻止する作用や、大腸がんの発生を抑える作用が発揮される。
ここで、pH調製済ゾル状物質7内に難溶解性吸水剤4を分散させることによりグルコマンナンの不可逆ゲル化が遅延される仕組みについて説明する。
グルコマンナンが不可逆ゲル化する仕組みについては、詳細には解明されていないが、現時点では以下に示すようなプロセスで不可逆ゲル化が起こると考えられている。図3はグルコマンナンの構造式である。
図3に示すように、グルコマンナンは、グルコース(G)とマンノース(M)がほぼ2:3の割合で多数結合してなる高分子である。また、こんにゃくの主成分であるこんにゃくグルコマンナンは、そのグルコース(G)やマンノース(M)の水酸基の一部がエステル化された状態で存在している。例えば、図3の構造式に示すように、グルコマンナン分子の水酸基(−OH)の一部がアセチル基(−COCH)に置換されている。
このようなグルコマンナンに熱が作用すると、アセチル基が加水分解して低級酸(酢酸)が生成されるとともに、グルコマンナン分子においてアセチル基のあった箇所は水酸基(−OH基)に置換される。また、この反応は、通常、可逆的に起こるので、見かけ上はアセチル基が減少しない化学的平衡状態となる。
しかしながら、グルコマンナン分子がアルカリ性の環境下にある場合は、上述の加水分解で生じた低級酸(酢酸)がアルカリ剤により中和されて、上述の加水分解が不可逆的に進行し、グルコマンナン分子上のアセチル基が徐々に減少すると考えられる。
そして、アセチル基が脱離したグルコマンナン分子は、分子間の水素結合によりミセル状の接合領域を形成しながら三次元的な網目構造を形成することによりグルコマンナンがゲル化すると考えられている。
また、上述のようなミセル状の接合領域が広がることにより生じるグルコマンナンのゲル化のプロセスは、グルコマンナン分子が存在する溶液のアルカリ度によって異なると考えられている。
グルコマンナン分子が強アルカリ環境下にある場合は、すなわち、従来公知のゲル状のこんにゃくを製造する場合は、グルコマンナン分子から脱離したアセチル基からなる低級酸(酢酸)が速やかにアルカリ剤により中和されるため、グルコマンナン分子からのアセチル基の脱離が急速に進行し、これに伴って、グルコマンナン分子からなる三次元的な網目構造も急速に形成される。これによりグルコマンナン分子間から速やかに水が押し出されて(離水が起こって)不可逆ゲル化すると考えられる。
これに対して、グルコマンナン分子が弱アルカリ環境下にある場合は、上述のようなアセチル基の脱離と、それに伴うグルコマンナン分子による三次元的な網目構造の形成が、ゆっくり進行すると考えられる。そして、上述のようなグルコマンナンの凝固がゆっくりと進行する遷移状態のゾル状の凝固体が、本発明品である熱可逆性ゾル状物質(ゾル状低カロリー食品素材1a)であると考えられる。
上述のようなグルコマンナン分子からのアセチル基の脱離と、脱離したアセチル基からなる低級酸(酢酸)のアルカリ剤による中和反応は、加熱されることでスムースに進行すると考えられる。従って、本実施例に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法10A,10Bにおいて、加熱処理工程を行なった際にゲル状物質8が生成するのはこのためであると考えられる。
つまり、本発明品である熱可逆性ゾル状物質(ゾル状低カロリー食品素材1a)を、製造後、極力熱に曝されないようにして、保管し流通させることで、その熱可逆性を持続させることができるのは、アセチル基が脱離したグルコマンナン分子からなる三次元的な網目構造の形成がゆっくりと進行することによると考えられる。
その一方で、弱アルカリ性の環境下におけるグルコマンナン分子からのアセチル基の脱離と、脱離したアセチル基からなる低級酸(酢酸)のアルカリ剤による中和反応は、上述の通り熱エネルギーが付加されることによって好適に進行すると考えられる。すなわち、弱アルカリ性の環境下においてグルコマンナンの凝固が一旦始まると、グルコマンナンの凝固を進行させる方向にしか化学反応はシフトしないと考えられる。
これが本発明品である熱可逆性ゲル状物質(ゾル状低カロリー食品素材1a)の熱可逆性を固定化しておくことができない理由であると考えられる。
そして、グルコマンナン分子からのアセチル基の脱離が進行して、グルコマンナン分子からなる三次元的な網目構造が溶液全体に形成されて、このような三次元的な網目構造ら水分子が押し出されて目視で確認できる程の離水が起こった状態が、不可逆ゲル化した状態(従来公知のこんにゃく)であると考えられる。
この点は、実施例1,2に係るゾル状低カロリー食品素材の製造方法10A,10Bにおいて、ステップS03の加熱処理時に、目視で確認できるほどの離水が起こったゲル状物質8を冷却しても、熱可逆性ゾル状物質にすることができない点と一致する。
上述のようなグルコマンナンの凝固プロセスを考えると、グルコマンナン分子から脱離してなる低級酸(酢酸)がアルカリ剤により中和されるのを妨げることで、グルコマンナンの凝固速度を遅くできると考えられる。すなわち、遷移状態にある熱可逆性ゾル状物質の熱可逆性の持続時間を長くできると考えられる。
このような事情に鑑み、本発明ではゾル状物質6中に、グルコマンナンよりも吸水性の低い難溶解性吸水剤4を分散させおくことで、ゾル状物質6にアルカリ剤を添加してpH調製済ゾル状物質7を調整する際(第2の工程)に、難溶解性吸水剤4に優先的にアルカリ水溶液又はアルカリ剤分散液(アルカリ剤5)を吸収させている。
この場合、ステップS03の加熱処理工程時に、難溶解性吸水剤4から徐々にアルカリ剤5が供給されて、グルコマンナン分子から脱離したアセチル基からなる低級酸(酢酸)の中和反応がゆっくりと進行すると考えられる。この結果、グルコマンナン分子からの不可逆的なアセチル基の脱離もゆっくりと進行すると考えられる。
よって、グルコマンナンの凝固もゆっくりと進行すると考えられる。
また、ゾル状低カロリー食品素材1a中に分散される難溶解性吸水剤4は、アセチル基が脱離したグルコマンナンが三次元的な網目構造を形成する際に、グルコマンナン分子間から押し出される水分を吸収するという作用を有する。
このため、pH調製済ゾル状物質7中に溶解性吸水剤4が分散されることで、第3の工程である加熱処理時に生成されるゲル状物質7の保水性が高まり、見かけ上このゲル状物質7から離水が起こるのを遅らせることができる。
これにより、第3の工程における加熱処理時に、第4の工程を開始するタイミングが遅れて、ゾル状低カロリー食品素材1aが不可逆ゲル化して不良品化するのを防止することができる。
このように、pH調製済ゾル状物質7中に分散される難溶解性吸水剤4は、加熱処理を中止するタイミングを広く取れる緩衝剤として機能する。
ここで、本発明の実施例1,2において使用する難溶解性吸水剤4について説明を加える。
難溶解性吸水剤4による、本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aの熱可逆性の持続効果を発揮させるためには、使用するグルコマンナン含有材料粉体3の総重量の少なくとも10重量%以上の難溶解性吸水剤4を含有させる必要がある。
その一方で、難溶解性吸水剤4の添加量が増加するにつれて本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aにべたつきが出てその取扱いが難しくなる。したがって、難溶解性吸水剤4の添加量は、使用するグルコマンナン含有材料粉体3の総重量の10−100重量%の範囲内にすることが望ましい。
上述のような作用を発揮する難溶解性吸水剤4としては、グルコマンナンよりも吸水性の低い高分子を使用することが望ましい。より具体的には、水に対する不溶解物が80重量%以上で吸水性を有する天然高分子を使用することが望ましい。このような、水に対する不溶解物が80重量%以上の吸水性を有する天然高分子としては、例えば、動物資源由来又は植物資源由来の食物繊維を用いることができる。
特に、難溶解性吸水剤4を食物繊維とした場合は、本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aを構成するアルカリ剤5以外の固形物であるグルコマンナン含有材料粉体3と、難溶解性吸水剤4とがともに、ヒトの消化酵素で消化されない難消化成分により構成されることになる。よって、本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aのカロリーを極めて少なくすることができる。
さらに、このような本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aを他の食品素材と混練することで、カロリーの少ない新規な加工食品を製造して提供することができる。この結果、食生活に起因する生活習慣病の予防や治療に寄与できる食品素材及び食品を提供できる。さらに、本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aを摂取することによる食物繊維の摂取量増加効果も期待できる。これにより、食物繊維の摂取量増加に伴う健康増進効果も期待できる。
また、食物繊維のうち、動物資源に由来する食物繊維は、独特の匂いを有する場合が多い。したがって、実施例1,2に係るゾル状低カロリー食品素材1aをできるだけ無臭にしたい場合は、動物資源に由来する食物繊維を使用しない方がよい。その一方で、本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aを、例えば、水産物のすり身等に混練して加工食品とする場合は、動物資源に由来する食物繊維により優れた風味づけができる場合がある。従って、使用目的に応じて適切な難溶解性吸水剤4としての食物繊維を選択する必要がある。
また、食物繊維のうち、特に植物資源に由来する食物繊維は、本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aを無味無臭にしたい場合に特に適している。
このような植物資源に由来する食物繊維としては、例えば、小麦由来の食物繊維、オート麦由来の食物繊維等がある。
また、植物性の食物繊維には独特の色を有しているものがある。この場合、本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aを他の食品素材に混練して使用する際に、他の食品素材が有する色味を損なってしまう恐れがあるので、使用目的に応じて適切な色を有する植物性の食物繊維を選ぶ必要がある。
さらに、特に植物資源に由来する食物繊維を用いる場合は、食物繊維の長さによって、本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aの保水効果が異なる。
食物繊維の平均繊維長が80μmを超える場合は、ゲル状物質8の保水効果が高まる反面、ゾル状低カロリー食品素材1aにややべたつきが生じやすい傾向がある。
他方、平均繊維長が80μm以下の場合は、ゲル状物質8の保水効果はやや低いものの、ゾル状低カロリー食品素材1aにべたつきが生じにくい。このため、平均繊維長が80μm以下の食物繊維を用いたゾル状低カロリー食品素材1aを加工食品用の食品素材として用いた場合は、混練後の食品の成形性を良好にできる。よって、難溶解性吸水剤4として平均繊維長さが80μm以下の食物繊維を用いたゾル状低カロリー食品素材1aは、食肉練り製品に混練する食品素材として特に適している。
最後に、繊維の長さの異なる3種類の食物繊維を、難溶解性吸水剤4として用いた場合の効果の違いを調べるために行った試験およびその結果について説明する。
本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aのゾル状物質6を、下表1に示すような配合割合で調製し、それぞれにアルカリ剤を加えてpH9.7−9.9の範囲内のpH調製済ゾル状物質7とした後、水密性と耐熱性を有する透明な包装容器体にこのpH調製済ゾル状物質7を封止した。これを98−100℃の温度条件下において蒸気により加熱し、凝固の様子及び離水の様子を観察した。なお、本試験では、植物資源に由来し、水に対する不溶解物が90重量%以上の食物繊維を供試した。
なお、本試験では、加熱処理時のゲル状物質8からの離水の有無は、内部の様子を透視可能な包装容器体の隅に透明な液体の存在が目視により確認できるか否かによって判断した。
Figure 2014054172
食物繊維を含有しない対照品では、加熱開始後45分経過した時点でゲル状物質8となり、加熱開始後55分経過した時点からゲル状物質8からの離水が確認された。対照品では、ゲル状物質8となった後、離水が始まるまでの時間はわずか10分であった。
これに対して、食物繊維を混練させた発明品1−3ではともに、加熱開始後60分経過した時点でゲル状物質8になった。
さらに、平均繊維長が最も長い食物繊維を混練した発明品1では、加熱開始後90分経過した時点から離水が始まった。発明品1がゲル状物質8となった後、離水が始まるまでの時間は30分であった。
平均繊維長が中くらいの食物繊維、平均繊維長が最も短い食物繊維を混練させた発明品2,3ではともに、加熱開始後80分経過した時点から離水が始まった。発明品2,3がゲル状物質8となった後、離水が始まるまでの時間は20分であった。
また、発明品1−3は、5−10℃の温度条件下で2ヶ月間保管しても不可逆ゲル化が起こらなかった。
よって、上記試験結果から、難溶解性吸水剤4として水に対する不溶解物が90重量%以上の食物繊維を含有させることで、本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aを製造する際の加熱処理時に、ゲル状物質8になってから離水が始まるまでの時間を2−3倍長くできることが確認された。
よって、本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aでは、凝集防止剤4として、水に対する不溶解物が90重量%以上の食物繊維を含有させることで、ゲル状物質8の保水性を高めることができる。
また、上記試験により本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aに添加される、水に対する不溶解物が90重量%以上の食物繊維の長さが長いほうが、保水効果が高いことが確認された。
さらに、上記試験により、水に対する不溶解物が90重量%以上の食物繊維を難溶解性吸水剤4としてゾル状低カロリー食品素材1a中に分散させることで、グルコマンナンの凝固が遅くなることも確認された。
さらに、上述の試験において離水が起きていないゲル状物質8(発明品1−3)の異なる5か所からサンプルを採取してそのpHを測定したところ、すべてpH7−8の範囲内であった。
加熱前pH9.7−9.9の弱アルカリ性だったpH調製済ゾル状物質7は、加熱されてゲル化した後、冷却されてなる熱可逆性ゲル状物質の状態ではpH7−8の範囲内になっていた。これは、アルカリ性の環境下においてグルコマンナンが加熱されることで、グルコマンナン分子から脱離したアセチル基から生成される低級酸によりアルカリ剤が中和されたためであると考えられる。
このように、製造後の本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1aのpHが中性に近づいてアルカリ度が低下することも、本発明に係るゾル状低カロリー食品素材1a中におけるグルコマンナンの凝固速度が低下する要因の一つであると考えられる。よって、この作用によってもグルコマンナンの不可逆ゲル化が遅くなると考えられる。
以上説明したように本発明は、長期間にわたり熱可逆性を持続させることができるゾル状低カロリー食品素材及び包装容器体入ゾル状低カロリー食品素材及びそれらの製造方法に関するものであり、食品加工、医療、ペットフード等に関する分野において利用可能である。

Claims (7)

  1. 水(2)と,グルコマンナン又はこんにゃく精粉又はこれらの組み合わせ(3)と,難溶解性吸水剤(4)とを撹拌させた後,膨潤させてゾル状物質(6)を調製する第1の工程(ステップS01)と、
    前記ゾル状物質(6)にアルカリ剤(5)を混練して,pH調整済ゾル状物質(7)を調製する第2の工程(ステップS02)と、
    前記pH調整済ゾル状物質(7)を70−130℃の温度条件下において,加熱してゲル状物質(8)にする第3の工程(ステップS03)と、
    前記ゲル状物質(8)を0−15℃の温度領域にまで冷却してゾル化させる第4の工程(ステップS04)とを有することを特徴とするゾル状低カロリー食品素材の製造方法(10A)。
  2. 前記第2の工程(ステップS02)と前記第3の工程(ステップS03)の間に,前記pH調整済ゾル状物質(7)を,耐熱性及び水密性を備える包装容器体内に密封する収納封止工程(ステップS05)を有することを特徴とする請求項1記載のゾル状低カロリー食品素材の製造方法(10B)。
  3. 水(2)と,グルコマンナン又はこんにゃく精粉又はこれらの組み合わせ(3)と,難溶解性吸水剤(4)と,を撹拌膨潤させてなるゾル状物質(6)に、アルカリ剤(5)を混練したpH調整済ゾル状物質(7)を、加熱してゲル化させた後、冷却してゾル化させてなるpH7−8の範囲のゾル状低カロリー食品素材であって、
    前記ゾル状物質(6)における含水率は90重量%以上であり、
    前記ゾル状物質(6)における前記グルコマンナン又はこんにゃく精粉又はこれらの組み合わせ(3)の含有率は1.4重量%以上であり、
    前記難溶解性吸水剤(4)の添加量は前記グルコマンナン又はこんにゃく精粉又はこれらの組み合わせ(3)の全重量の10重量%以上であることを特徴とするゾル状低カロリー食品素材(1a)。
  4. 前記難溶解性吸水剤(4)は,水に対する不溶解物が80重量%以上の天然高分子であることを特徴とする請求項3記載のゾル状低カロリー食品素材(1a)。
  5. 前記難溶解性吸水剤(4)は、植物資源に由来する食物繊維であることを特徴とする請求項4に記載のゾル状低カロリー食品素材(1a)。
  6. 前記食物繊維の平均繊維長は、30−80μmの範囲内であることを特徴とする請求項5に記載のゾル状低カロリー食品素材(1a)。
  7. 請求項3乃至請求項6のいずれか1項に記載の前記ゾル状低カロリー食品素材(1a)が,耐熱性及び水密性を備える包装容器体内に密封されてなることを特徴とする包装容器体入ゾル状低カロリー食品素材(1b)。
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