JPWO2014046202A1 - 潤滑剤組成物 - Google Patents

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Abstract

環境調和型の成分を活用して、高耐荷重性を有するとともに耐腐食性(防錆性)を有する潤滑剤組成物を提供することを目的とする。本発明にかかる潤滑剤組成物は、基油に、リグノフェノール誘導体を含有してなることを特徴とする。そのリグノフェノール誘導体の潤滑剤組成物中における含有量としては、好ましくは1〜20質量%とする。また、そのリグノフェノール誘導体は、針葉樹系木材から得られたものであることが好ましい。

Description

本発明は、潤滑剤組成物に関し、より詳しくは環境調和型高分子を分散させた、高耐荷重性を有するとともに耐腐食性及び防錆性を有する潤滑剤組成物に関する。
本出願は、日本国において2012年9月21日に出願された日本特許出願番号特願2012−208756を基礎として優先権を主張するものであり、これらの出願を参照することにより、本出願に援用される。
潤滑剤は、機械の接触面の摩擦を少なくするために使用される。近年、潤滑環境が過酷化する中で、潤滑剤のますますの高性能化が要求されている。
現在、潤滑剤組成物の主要成分として、無機系固体潤滑剤である二硫化モリブデン(MoS)や、グラファイト、石油系由来原料であるジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)などが多用されているが、多種多様な潤滑環境に対応するには十分ではない(例えば、非特許文献5、6を参照)。また、今後は、原料の供給安定性が良く、環境にやさしい再生可能資源による潤滑剤が求められている。
そのなかで、樹木等の天然資源から得られる工業リグニンであるリグニンスルホン酸カルシウム塩(特許文献1を参照。)やリグニンスルホン酸ナトリウム塩(特許文献2を参照。)を、潤滑剤用添加剤として利用する方法が提案されている。
しかしながら、これらリグニンスルホン酸金属塩などの工業リグニンは、高温・高圧による天然リグニンの化学変換により誘導され、リグニンの反応制御や構造制御が非常に難しく、また汎用溶媒への溶解性が低い。また、水溶液により抽出・分離されるものであることと、溶媒への溶解性が低いことから、リグニン素材中に水が残存してしまい、その結果、腐食を生じさせてしまうという問題がある。
今後、ますます高い耐荷重性を有する高性能な潤滑剤を開発していくにあたり、腐食性や防錆性を改良した潤滑剤の開発が要求されている。
米国特許出願公開2011/0191077号公報 米国特許3249537号公報 国際公開第99/14223号公報
Funaoka、 M. Polymer International、47、277(1998) Meshitsuka、 G.、 K. Kawakami and J. Nakano、 The Japan Wood Research Society、 17(8)、 362-367(1971) Kobayashi、 A.、 T. Haga and K. Sato、 The Japan Wood Research Society、 13(6)、 252-256(1967) Funaoka、 M. and I. Abe、 Bulletin of the Mie University Forests、 12、 27-39 (1983) Fish、G.、 NLGI SPOKESMAN、63(9)、14-29 (1999) Risdon、 T. J.、 NLGI SPOKESMAN、69(12)、14-17 (2006)
そこで、本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、環境調和型の成分を活用して、高耐荷重性を有するとともに耐腐食性(防錆性)を有する潤滑剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、相分離系変換システムにより誘導されるリグノフェノール誘導体を基油中に分散させることで、高耐荷重性を有するとともに耐腐食性を有する潤滑剤となることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明に係る潤滑剤組成物は、基油に、リグノフェノール誘導体を含有してなることを特徴とする。
ここで、当該潤滑剤組成物中に、上記リグノフェノール誘導体を1〜20質量%の割合で含有してなることが好ましい。
また、上記リグノフェノール誘導体は、針葉樹系木材から得られたものであることが好ましい。
本発明に係る潤滑剤組成物によれば、耐荷重性(極圧性)を有するとともに優れた耐腐食性を有することにより、被潤滑部材である金属が腐食することを効果的に防止しながら、高い荷重に対して優れた潤滑性能を発揮させることができる。また、この潤滑剤組成物は、機械寿命を延長させることができるだけでなく、環境調和型の成分であるリグノフェノール誘導体を含有させたものであることから、資源の活用として極めて有効である。
以下、本発明に係る潤滑剤組成物の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という。)について、以下の順序で詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において変更が可能である。
1.潤滑剤組成物
2.リグノフェノール誘導体について
2−1.リグノフェノール誘導体の構造
2−2.リグノフェノール誘導体の製造方法(抽出方法)
3.潤滑剤組成物の製造方法
4.実施例
<1.潤滑剤組成物>
本実施の形態に係る潤滑剤組成物は、高耐荷重性を有するとともに耐腐食性を有するものであり、建機、等速ジョイント、ベアリング等の各種機構に潤滑剤組成物を適用したときに、それら機構を構成する金属に腐食が発生することを効果的に防止することを可能にし、これら各種機構の長寿命化を実現するものである。
具体的に、この潤滑剤組成物は、オイル又はグリースを構成する基油に、リグノフェノール誘導体を含有してなることを特徴とする。
先ず、潤滑剤組成物を構成する成分として、オイルとは、基油に任意に添加剤を含有させた混合物をいう。また、グリースとは、基油に増ちょう剤と任意に添加剤を含有させた混合物をいう。
基油(ベースオイル)は、上述のように、オイルやグリースの主成分をなすものであり、従来から一般的に使用されているものを用いることができる。具体的には、例えば、パラフィン系やナフテン系の鉱物油、合成炭化水素油、エステル油、フッ素オイル、シリコーンオイルのような合成油等が挙げられる。
グリースを構成する増ちょう剤は、油を保持するために必要な素材であり、従来から一般的に使用されているものを用いることができる。増ちょう剤は、石鹸系と非石鹸系とに大別でき、石鹸系としては、例えばリチウム石鹸、リチウム複合石鹸、カルシウム石鹸、カルシウム複合石鹸、アルミニウム石鹸、アルミニウム複合石鹸が挙げられ、非石鹸系としては、例えばウレア、ナトリウムテレフタラート、フッ素樹脂、有機ベントナイト、シリカゲル等が挙げられる。これらの増ちょう剤は、1種単独で又は2種以上を併せて用いることができる。
なお、グリースにおける基油と増ちょう剤との配合割合は、特に限定されるものではなく、所望のグリース硬度を得るために任意に定めることができる。例えば、グリース硬度を硬くするためには基油の割合を少なくし、一方で柔らかくするためには基油の割合を多くすることで調整することができる。
また、これらオイルやグリースには、必要に応じて、一般的に潤滑油やグリースの分野で使用される各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、腐食防止剤、防錆剤、耐摩擦摩耗添加剤、極圧添加剤、油性剤、固体潤滑剤等を添加配合することができる。
次に、リグノフェノール誘導体は、リグニンの一次分子鎖にフェノール誘導体が導入された化合物である。このリグノフェノール誘導体は、例えばリグノセルロース系材料等のリグニン含有材料中のリグニン(天然リグニン)をフェノール誘導体と反応させ、高濃度の酸溶液によって処理して得られた有機相(フェノール誘導体相)から抽出分離することによって得ることができる。
本実施の形態に係る潤滑剤組成物では、オイル又はグリースを構成する基油にリグノフェノール誘導体を含有してなることによって、従来の極圧剤を添加したグリースや二硫化モリブデン等の固体潤滑剤を添加したグリースと同等以上に、高い耐荷重性を有し、優れた潤滑性能を発揮させることができる。
また、このようにリグノフェノール誘導体を含有してなる潤滑剤組成物は、酸化安定性を有し、優れた耐腐食性を有するという極めて有利な効果がある。リグノフェノール誘導体は、上述したように、リグニン分子鎖にフェノール誘導体、例えば、フェノール、クレゾール、カテコール、ハイドロキノン、フロログルシノール等が導入されたものであることから、リグニンスルホン酸金属塩等の工業リグニンよりも、フェノール性水酸基が多い構造となっており、また構造中に硫黄成分を含まない。そのため、このリグノフェノール誘導体を基油中に添加することによって、酸化安定性を有し、耐腐食性を向上させた潤滑剤組成物とすることができる。
それだけではなく、詳しくは後述するが、リグノフェノール誘導体は、溶剤による精製処理により得られるものであり、またその溶剤に対する溶解性が高い。そのため、製造過程においてその構造中に水が残留することがなく、この点においても酸化安定性に優れ、被潤滑部材である金属に対して腐食を発生させる懸念がない。
また、リグノフェノール誘導体は、リグニンスルホン酸金属塩、クラフトリグニン、ソーダリグニン、オルガノソルブリグニン、クラーソンリグニン等の工業リグニンと異なり、分子内に共役系をほとんど有さずその色調が淡色であり、また熱流動特性を有する。このことから、潤滑剤組成物の添加剤として用いたときに、適用した部材(被潤滑部材)の外観を損ねることなく、広範囲に亘る多種多様の潤滑環境に対応することができる。
さらに、リグノフェノール誘導体は、樹木系植物や草本系植物等の何れの植物からの誘導可能な環境調和型高分子であるため、原料としての供給安定性が高く、潤滑剤組成物のコストを効果的に低減させるとともに環境への負荷も低減させることができる。そして、当然の如く、植物資源を活用するものであるため、資源の有効活用としての社会的意義は大きく、資源循環型社会の形成に大きく貢献することができる。
リグノフェノール誘導体としては、上述のように、樹木系植物や草本系植物の何れの植物から誘導されたものであってもよく、また樹木系植物(木材)を用いる場合においても、その樹木の種類は特に限定されず、針葉樹であっても広葉樹であってもよい。その中でも、特に樹木系植物であって針葉樹系植物から誘導されたものを用いることによって、より一層に効果的に極圧性を向上させることができるという点で好ましい。
また、リグノフェノール誘導体は、1種を単独で、又は例えば原料植物の異なる複数種のものを併せて用いるようにしてもよい。
また、リグノフェノール誘導体の含有量としては、特に限定されないが、当該潤滑剤組成物中に1〜20質量%の割合で含有させることが好ましく、3〜20質量%の割合で含有させることがより好ましく、5〜10質量%の割合で含有させることが特に好ましい。含有量が1質量%未満であると、優れた耐腐食性は有するものの、耐荷重性能(極圧性能)が十分に向上しない可能性がある。一方で、含有量が20質量%を超えると、ペースト状になってしまう可能性があり、良好な潤滑環境を形成できなくなることがある。
<2.リグノフェノール誘導体について>
<2−1.リグノフェノール誘導体の構造>
上述したように、リグノフェノール誘導体は、リグニンの一次分子鎖にフェノール誘導体が導入された化合物である。より具体的には、リグニンの基本骨格であるフェニルプロパン単位のα位(ベンジル位)にフェノール誘導体がそのオルト(o)位又はパラ(p)位で導入されたジフェニルプロパン単位を含むポリマーである。
このリグノフェノール誘導体では、導入されたフェノール誘導体を除いた骨格構造(一次分子鎖)が天然リグニンに由来しており、フェノールが導入されることによってその一次分子鎖同士の反応(二次反応)が抑制されて二次的な変性を受けていないことから、導入されるフェノール誘導体の種類による物理的な相違はない。また、このリグノフェノール誘導体は、分子内に共役系をほとんど有さず、その色調は淡色である。以下に、リグノフェノール誘導体の部分構造の一例を示す。










Figure 2014046202

ここで、フェノール誘導体としては、フェノール性のOH基を有し、少なくとも1つの無置換のオルト位又はパラ位を有する化合物であり、1価フェノール誘導体、2価フェノール誘導体、又は3価フェノール誘導体を用いることができる。中でも、少なくとも一つの無置換のオルト位を有するフェノール誘導体を用いることが好ましい。
具体的に、1価フェノール誘導体としては、フェノール又はフェノールのベンゼン環に置換基を有する化合物であり、例えばフェノール、クレゾール、ナフトール等が挙げられる。また、2価フェノール誘導体としては、2価フェノール又はそのベンゼン環に置換基を有する化合物であり、例えばカテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン等が挙げられる。また、3価フェノール誘導体としては、3価フェノール又はそのベンゼン環に置換基を有する化合物であり、例えばフロログルシノール、ヒドロキシヒドロキノン、ピロガロール等が挙げられる。
これらのフェノール誘導体の中でも、1価フェノール誘導体を用いることが好ましく、1価フェノール誘導体としてクレゾールを用いることがより好ましい。1価フェノール誘導体であるクレゾールとしては、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾールの何れであってもよいが、リグノフェノール誘導体の収率、フェノール誘導体の導入率、及び機能変換素子としての観点から、p−クレゾールが特に好ましい。
また、フェノール誘導体におけるベンゼン環上の置換基の数は、特に限定されず任意に選択することができるが、1〜3個であることが好ましく、1〜2個であるがより好ましく、1個であることがさらに好ましい。
また、フェノール誘導体におけるベンゼン環上の置換基の種類についても、特に限定されず任意のものを使用することができるが、アルキル基を置換基として有するものであることが好ましい。そのアルキル基としては、直鎖であってもよく分岐鎖であってもよく、またアルキル基の炭素数としては、1〜5個であることが好ましく、1〜3個であることがより好ましく、1個であることがさらに好ましい。
また、リグノフェノール誘導体は、使用するリグニン含有材料中の天然リグニンの構造等によって、導入されるフェノール誘導体の量やその分子量が変動するものであるが、物性等の点から、平均分子量が1000以上のものであることが好ましく、2000〜20000程度のものであることがより好ましい。
上述したように、リグノフェノール誘導体は、リグニンの一次分子鎖にフェノール誘導体が導入されることによって得られるが、導入されるフェノール誘導体によって二次変性が抑制されていることから、天然リグニンに由来する骨格構造(一次分子鎖)は変わらず、導入するフェノールの種類によってその性質の変化は生じない。したがって、上述した何れのフェノール誘導体を用いて得られたリグノフェノール誘導体であっても、それぞれ同様の作用効果を有する。
このようなリグノフェノール誘導体は、詳しくは後述するように、相分離系変換システムから誘導される(例えば、特許文献3及び非特許文献1を参照。)。このプロセスでは、木粉等のリグニン含有材料をフェノール誘導体で処理した後、酸処理を行う。木材構成要素の反応は、フェノールと酸との界面において進行し、天然リグニンのベンジル位が解裂してフェノール誘導体が導入される。そして、酸処理によって、リグニン含有材料に含まれる糖質が加水分解を受けて溶解する。
リグノフェノール誘導体は、上述したような種類のフェノール誘導体を任意に選択することができるため、分子設計を考慮して、リグニン及び糖質を変換分離することが可能となる。一方で、従来のリグニンスルホン酸金属塩等の工業リグニンは、高温・高圧による天然リグニンの化学変換により誘導されるものであるため(例えば、非特許文献2〜4を参照)、リグニンの反応制御や構造制御が非常に難しい。
<2−2.リグノフェノール誘導体の製造方法(抽出方法)>
より具体的に、リグノフェノール誘導体の製造方法(抽出方法)について説明する。
リグノフェノール誘導体は、上述したように、リグノセルロース系材料(資源)等のリグニン含有材料にフェノール誘導体を反応させることによって、リグニン含有材料中の天然リグニンの一次分子鎖にフェノール誘導体をグラフト化させることによって得られる。具体的には、リグニンの基本骨格であるフェニルプロパン単位のα位(ベンジル位)にフェノール誘導体を導入することによって得られる。
このリグノフェノール誘導体は、後で詳述するように、溶剤による精製処理により得られるものである。そのため、水溶液により抽出・分離されるリグニンスルホン酸塩等の工業用リグニンのように、水がリグニン化合物中に残留することがなく、添加剤として潤滑剤組成物に添加したときに潤滑剤適用素材を腐食する懸念がない。
ここで、リグノフェノール誘導体の製造に使用される天然リグニンを含むリグニン含有材料としては、特に限定されず、例えば任意のリグノセルロース系材料(資源)を使用することができる。また、天然リグニンに近いといわれている摩砕リグニン(MWL)を用いてもよい。リグノセルロース資源としては、例えば、樹木系植物や草本系植物の木質化した部分(例えば、間伐材、繊維、茎等)、又はその加工品(例えば、木製製品の廃棄物、新聞紙等)等が挙げられる。
リグノセルロース資源として木材を用いる場合、その樹木の種類は特に限定されるものではなく、針葉樹であっても、広葉樹であってもよい。また、竹、イネ、トウモロコシ、オイルパーム、サトウキビ等の各種草本植物をリグノセルロース系材料の原料として用いることもできる。
また、リグノセルロース資源としては、そのリグノセルロース資源の廃材又は端材であってもよく、そのリグノセルロース資源からなる農産廃棄物等を用いることもできる。また、リグノセルロース資源の形態としては、粉状、チップ状等のあらゆる形態のものを用いることができるが、そのリグノセルロース資源からリグノフェノール誘導体を効率的に抽出できるという点から、粉状のものであることが好ましい。
リグノセルロース資源等のリグニン含有材料は、一般に、リグニン以外の成分を多量に含むため、フェノール誘導体で処理した場合の生成物は、リグノフェノール誘導体以外の化合物を多量に含む。このため、リグノフェノール誘導体以外の不純物を除去することが必要となり、それにより、純度の高いリグノフェノール誘導体を得ることができる。
リグノフェノール誘導体の具体的な製造方法としては、従来公知の各種方法があり、その各種方法により製造されるリグノフェノール誘導体を本実施の形態に係る潤滑剤組成物の添加剤として使用することができる。
(第1の具体例)
例えば、第1の具体的な製造方法としては、リグノセルロース資源等のリグニン含有材料をフェノール誘導体で処理し、濃酸を添加して2相の生成物を得て、上相(有機相)のフェノール誘導体相からリグノフェノールを回収する方法がある(特許文献3を参照)。
具体的には、木粉等のリグニン含有材料に液体状のフェノール誘導体(例えば、クレゾール等)を浸透させ、リグニン含有材料中の天然リグニンをそのフェノール誘導体により溶媒和させた後、リグノセルロース資源に濃酸(例えば、65%以上の硫酸等)を添加して混合し、相分離処理を行う。この方法によると、リグニンを溶媒和したフェノール誘導体と、セルロース成分を溶解する濃酸とが2相分離系を形成する。
フェノール誘導体により溶媒和されたリグニンは、フェノール誘導体相が濃酸相と接触する界面においてのみ酸と接触する。そのため、酸との接触により生じたリグニン基本構成単位の高反応サイトであるα位(ベンジル位)のカチオンが、同時にフェノール誘導体により攻撃されることになる。その結果、ベンジルアリールエーテル結合の解裂による低分子化及びそのベンジル位にフェノール誘導体のC−C結合における導入が行われる。
このようにして、天然リグニンが低分子化され、かつ、その基本構成単位のベンジル位にフェノール誘導体が導入されたリグノフェノール誘導体がフェノール誘導体相中に生成する。そして、このフェノール誘導体相からリグノフェノール誘導体を抽出することにより、リグノフェノール誘導体が、リグニン中のベンジルアリールエーテル結合が解裂して低分子化されたリグニンの低分子化体の集合体の一部として得られる。
フェノール誘導体相からのリグノフェノールの抽出は、例えば、次の方法で行うことができる。すなわち、先ず、フェノール誘導体相を大過剰の高撹拌下のジエチルエーテルに滴下し、得られた沈殿物(不溶物)を集めてアセトンに溶解する。アセトンに溶解させたアセトン不溶物は、遠心分離により除去し、アセトン可溶部を濃縮する。次に、このアセトン可溶部を、高撹拌下の過剰なジエチルエーテルに滴下し、沈殿物を集める。そして、この沈殿物から溶媒を留去した後、五酸化リン入りのデシケータ中で乾燥することによって、精製されたリグノフェノール誘導体を得る。
(第2の具体例)
また、第2の具体的な製造方法として、上述した特許文献3のFig.5のフロー図に示される方法がある。
具体的には、先ず、リグノセルロース系材料等のリグニン含有材料に、固体状あるいは液体状のフェノール誘導体を溶解した溶媒(例えばアセトン等)を浸透させた後、その溶媒を留去する(フェノール誘導体の吸着工程)。次に、このリグニン含有材料に濃酸を添加してセルロース成分を溶解する。その結果、上述した第1の方法と同様に、フェノール誘導体により溶媒和された状態のリグニンが、濃酸と接触することにより、そのベンジルアリールエーテル結合が解裂してリグニンが低分子化される。そして、生じたリグニンの高反応サイト(ベンジル位)のカチオンが、フェノール誘導体により攻撃されて、フェノール誘導体が導入され、リグノフェノール誘導体が得られる。なお、この第2の方法により得られるリグノフェノール誘導体の特性は、第1の方法で得られるものと同様となる。
続いて、得られたリグノフェノール誘導体を、液体状のフェノール誘導体により抽出する。フェノール誘導体相からのリグノフェノール誘導体の抽出も、上述の第1の方法と同様にして行うことができる。あるいは、濃酸処理後の全反応液を過剰の水中に投入し、不溶物を遠心分離して集めて透析し、乾燥し、得られた乾燥物にアセトン又はアルコールを加えてリグノフェノール誘導体を抽出することもできる。そして、これらの方法により得られた可溶部(アセトン可溶部)を、第1の方法と同様に、高撹拌下の過剰なジエチルエーテル等に滴下して、リグノフェノール誘導体を沈殿物として得る。
リグノフェノール誘導体の各種の製造方法の中でも、上述した第2の方法であって、特にリグノフェノール誘導体をアセトン又はアルコールにて抽出分離する方法が、フェノール誘導体の使用量が少なくてすむという点で経済的であり好ましい。また、この方法は、少量のフェノール誘導体で多くのリグノセルロース資源等のリグニン含有材料を処理することができるため、リグノフェノール誘導体を大量に合成する方法として好適である。
<3.潤滑剤組成物の製造方法>
本実施の形態に係る潤滑剤組成物は、上述したように、オイルやグリースを構成する基油にリグノフェノール誘導体を含有してなる。この潤滑剤組成物は、従来の潤滑剤組成物と同様に周知の一般的な方法により製造することができる。
具体的には、例えば、基油と増ちょう剤である金属石鹸とを混練し、得られたグリース基剤にリグノフェノール誘導体を添加して分散させ、さらに必要に応じて各種の添加剤を加えて混練することにより、リグノフェノール誘導体を含有した潤滑剤組成物を得ることができる。
リグノフェノール誘導体をグリース基剤等の基油に添加して分散させるに際しては、特に限定されないが、そのリグノフェノール誘導体を適当な有機溶剤に溶解させた溶液として添加することができる。
混練処理においては、例えば万能撹拌機、ホモジナイザー、コロイドミル、ロールミル等の周知の撹拌・分散処理装置を用いて行うことができる。なお、上述のように各成分を順に添加して混練することに限られず、各成分を同時に混練するようにしてもよい。
<4.実施例>
以下に本発明についての実施例を説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[潤滑剤組成物(グリース組成物)の製造]
(実施例1〜8)
基油、増ちょう剤(リチウム石鹸)、及び添加剤(酸化防止剤、防錆剤、及び清浄分散剤)を、稠度がNLGI No.2(JIS規格に定められた稠度)程度になるように配合し、コロイドミルで混錬して分散させた。得られたグリース基剤に、下記表1に示す割合(単位は質量%)で針葉樹系リグノフェノール(A)、広葉樹系リグノフェノール(B)、針葉樹系リグノフェノール誘導体(C)、針葉樹系リグノフェノール誘導体(D)のいずれかを配合し、混合後、3本ロールミルを用いて分散処理し、混合・脱泡することにより、グリース組成物を製造した。
(リグノフェノール誘導体の調製)
リグニン含有材料として針葉樹系の間伐材の木粉にアセトンを添加して脱脂処理を行って得られた各脱脂木粉を、フェノール誘導体として木粉のリグニンC9単位あたり3mol倍量のp−クレゾールを木粉が十分に浸る量のアセトンに溶解した溶液に添加して、数時間放置した。続いて、アセトンを留去後、p−クレゾールが吸着した各木粉にその木粉に対して16.4倍重量の72%硫酸を加えて、約1時間攪拌した。
次に、未反応のp−クレゾールを除去するために、n−ヘキサンを加えて、約10分間激しく攪拌した。そして、反応液を全て遠心管に移し、25℃の温度条件で3500rpmで10分間遠心分離した。すると、反応混合物は、未反応のp−クレゾールを含むn−ヘキサン相、リグノフェノール誘導体を含有するバンド状のフェノール誘導体相、及び木粉中の糖質(セルロース及びヘミセルロース)を溶解した硫酸相の3相に分離した。
次に、得られた反応混合物におけるフェノール誘導体相を大過剰の水中に投入して攪拌し、得られた沈殿物(不溶物)を遠心分離により回収した。そして、その不溶物を乾燥させた後、アセトンを加えてリグノフェノール誘導体を抽出した。
そして、得られたリグノフェノール誘導体のアセトン溶液を濃縮した後、大過剰のジエチルエーテルに滴下して洗浄処理を行い、精製された針葉樹系リグノフェノール誘導体(A)を得た。なお、広葉樹系リグノフェノール誘導体(B)についても、リグニン含有材料として広葉樹系の間伐材の木粉を用いることによって同様にして調製した。
さらに、2価フェノール誘導体のカテコールを導入した針葉樹系リグノフェノール誘導体(C)およびフェノール誘導体におけるベンゼン環上の置換基の数が2個で、アルキル基の炭素数の数が1つの2,4ジメチルフェノールを導入した針葉樹系リグノフェノール誘導体(D)を同様にして調製した。
(比較例1〜4)
比較例1では、実施例と同じグリース基剤を100質量%で用いた。比較例2では、実施例と同じ増ちょう剤成分に極圧剤等を添加したグリース組成物(スミグリスEP No.2、住鉱潤滑剤株式会社製)を用いた。比較例3では、実施例と同じ増ちょう剤成分に二硫化モリブデン等を添加したグリース組成物(モリリチュームSグリース No.2、住鉱潤滑剤株式会社製)を用いた。比較例4では、実施例と同じグリース基剤にリグニンスルホン酸カルシウム塩(シグマアルドリッチジャパン株式会社製)を5.0質量%の割合で添加してグリース組成物とした。
なお、参照例として、実施例と同じグリース基剤を70質量%、針葉樹系リグノフェノール誘導体(A)を30.0質量%の割合で配合したが、ペースト状になってしまい、グリース組成物を得ることができなかった。
Figure 2014046202
[耐荷重性試験、耐腐食性試験、並びにその結果]
上述の実施例1〜8及び比較例1〜4のグリース組成物について、耐荷重性試験及び耐腐食性試験を行った。耐荷重性試験としては、ASTM D 2596により規定された方法によりシェル式四球試験を実施した。また、耐腐食性試験としては、JIS K 2220により規定された方法により銅板腐食試験を実施した。
下記表2に、耐荷重性試験及び耐腐食性試験の結果をまとめて示す。なお、銅板腐食試験の結果において、緑色または黒色変化の有無とは、グリース組成物の塗布により銅板が腐食したか否かを示すものであり、『緑色または黒色変化有り』は腐食したことを示し、『緑色または黒色変化なし』は腐食しなかったことを示す。







Figure 2014046202
先ず、耐荷重性試験について、表2に示されるように、リグノフェノール誘導体を含有させた実施例1〜5のグリース組成物では、比較例2及び3の従来の極圧剤や固体潤滑剤を含有するグリース組成物と同等以上の耐荷重性能を示した。また、その含有量が多くなるに従って、融着荷重(WL)が大きくなり、その性能が高くなることが分かった。このように、リグノフェノール誘導体は、耐荷重性能を向上させる添加剤として、極めて有用であることが確認された。
また、リグノフェノール誘導体の原料であるリグニン含有材料について、針葉樹系リグノフェノール誘導体(A)を5.0質量%の割合で含有させたグリース組成物(実施例3)と、広葉樹系リグノフェノール誘導体(B)を5.0質量%の割合で含有させたグリース組成物(実施例6)とを比較すると、針葉樹系リグノフェノール(A)を含有させたグリース組成物(実施例3)の方が、より高荷重となった。このことから、リグニン含有材料として、針葉樹系の木材等を用いて得られたリグノフェノール誘導体を用いることによって、より効果的に極圧性を向上させられることが分かった。
次に、リグノフェノール誘導体に導入されるフェノール誘導体について、p−クレゾールが導入された針葉樹系リグノフェノール誘導体(A)を5.0質量%の割合で含有させたグリース組成物(実施例3)と、カテコールが導入された針葉樹系リグノフェノール誘導体(A)を5.0質量%の割合で含有させたグリース組成物(実施例7)と、2,4ジメチルフェノールが導入された針葉樹系リグノフェノール誘導体(A)を5.0質量%の割合で含有させたグリース組成物(実施例8)とを比較すると、導入されるフェノール誘導体に関して、相違はないことが確認された。このことから、リグニン骨格構造が極圧性を向上させることが分かった。
さらに、耐腐食性試験について、リグノフェノール誘導体を含有させた実施例1〜8のグリース組成物では、被潤滑部材である銅板に緑色又は黒色への変化を含めて変色をもたらさず、腐食を生じさせなかった。一方で、工業リグニンであるリグニンスルホン酸カルシウム塩を含有させた比較例4のグリース組成物では、リグノフェノール誘導体を含有させたグリース組成物と同様に優れた耐荷重性能を示したものの、銅板に緑色又は黒色の変化をもたらし、著しい腐食を生じさせた。
以上の結果から分かるように、リグノフェノール誘導体を含有させた潤滑剤組成物(グリース組成物)では、耐荷重性(極圧性)を有するとともに、優れた耐腐食性を有することが明確に確認された。このような潤滑剤組成物によれば、耐腐食剤等の添加剤を添加しなくても、被潤滑部材である金属が腐食することを極めて効果的に防止しながら、高い荷重に対して優れた潤滑性能を発揮させることができることが分かった。

Claims (3)

  1. 基油に、リグノフェノール誘導体を含有してなることを特徴とする潤滑剤組成物。
  2. 当該潤滑剤組成物中に、上記リグノフェノール誘導体を1〜20質量%の割合で含有してなることを特徴とする請求項1に記載の潤滑剤組成物。
  3. 上記リグノフェノール誘導体は、針葉樹系木材から得られたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の潤滑剤組成物。
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