JP5916654B2 - 等速ジョイント用グリース組成物、並びに等速ジョイント - Google Patents
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本実施の形態に係る等速ジョイント用グリース組成物は、下記成分(a)、(b)、(c)、及び(d)を含有してなる。具体的には、(a)基油と(b)増ちょう剤とを含むベースグリース(基グリース)に、(c)有機モリブデン化合物と、(d)リグニン化合物とを含有してなることを特徴としている。
(a)成分の基油(ベースオイル)は、グリースの主成分をなすものであり、後述する増ちょう剤と共にベールグリース(基グリース)を構成する。この基油としては、特に限定されるものではなく従来から一般的に使用されているものを用いることができ、鉱物油、エーテル油系合成油、エステル系合成油、及び炭化水素合成油等の潤滑油、又はそれらの合成油が挙げられる。その中でも、コストの観点から、鉱物油を用いることが好ましく、また鉱物油を主成分としてこれに合成油を混合した基油を用いることが好ましい。
(b)成分の増ちょう剤は、油を保持するために必要な素材であり、基油と共にベースグリースを構成する。この増ちょう剤としては、特に限定されるものではなく従来から一般的に使用されているものを用いることができる。増ちょう剤としては、石鹸系と非石鹸系との大別でき、石鹸系としては、例えばリチウム石鹸、リチウム複合石鹸、カルシウム石鹸、カルシウム複合石鹸、アルミニウム石鹸、アルミニウム複合石鹸等が挙げられ、非石鹸系としては、例えばウレア、ナトリウムテレフタラート、フッ素樹脂、有機ベントナイト、シリカゲル等が挙げられる。これらの増ちょう剤は、1種単独で又は2種以上を併せて用いることができる。なお、増ちょう剤として、具体的な一例としては、リチウム−12−ヒドキシステアレート/アゼライン酸複合体リチウム石鹸を挙げることができる。
(c)成分の有機モリブデン化合物は、摩擦調整剤として作用する。この有機モリブデン化合物としては、特に限定されるものではないが、モリブデンジチオカーバメート(MoDTC)、モリブデンジチオホスフェート(MoDTP)等が挙げられ、これらを1種単独で又は2種以上を併せて用いることができる。
(d)成分のリグニン化合物は、リグノセルロース系材料を原料として、これからセルロース、ヘミセルロース及び抽出成分を除去した後の残渣分等の形態で得られる高分子化合物である。具体的には、リグニンスルホン酸金属塩、ソーダリグニン、クラフトリグニン、及びリグノフェノール誘導体から選択される1種以上を用いることができる。なお、リグニンを含有するリグノセルロース材料としては、木粉、木材チップ、大鋸屑、廃材、端材、樹皮、グランドパルプ(GP)等の樹木系木質材料、稲わら、麦わら、籾殻、椰子殻、ビートパルプ、バガス、竹等の各種植物材料が挙げられる。
この等速ジョイント用グリース組成物においては、上述した各成分に加え、更に、潤滑油やグリースに一般的に用いられている各種添加剤、例えば極圧剤、耐摩耗剤、酸化防止剤、防錆剤、ポリマー添加剤等を必要に応じて添加配合することができる。また、上述した成分以外の摩擦調整剤、耐摩耗剤、及び固体潤滑剤等の添加剤を更に添加することもできる。これらの添加剤をさらに含有させる場合、その含有量としては、等速ジョイント用グリース組成物の全量中において、0.1〜10.0質量%程度の割合で含有させることが好ましい。
本実施の形態に係る等速ジョイント用グリース組成物は、上述したように、基油と増ちょう剤とを含むベースグリースに、(c)有機モリブデン化合物と、(d)リグニン化合物とを含有してなる。このグリース組成物は、従来のグリース組成物と同様に、周知の方法により製造することができる。
耐熱容器に、基油及び12−ヒドロキシステアリン酸を投入し加熱した。次に、80℃付近で水酸化リチウム水溶液を添加し、けん化反応によりリチウム−12−ヒドキシステアレートを生成させた。さらに、90℃付近で水酸化リチウム水溶液及びアゼライン酸を加えて約2時間反応させ、リチウムコンプレックス石鹸を生成させた。その後、これを加熱し、急冷を行い、リチウム−12−ヒドキシステアレート/アゼライン酸複合体リチウム石鹸を得た。その基グリースに基油を加え、80〜90℃に加熱混合後、増ちょう剤量のカルシウムスルホネート(スルホールCa−45N、株式会社MORESCO製)を添加・混合し、ちょう度がNLGI No.1(JIS規格に定められた稠度)程度になるように、三本ロールを用いて分散処理したものをベースグリースとした。
粘度 : 40℃ 154.7 mm2/s
100℃ 16.34 mm2/s
「有機モリブデン化合物」:MolyvanA、三洋化成工業株式会社製
「リグニン化合物(1)」:リグニンスルホン酸ナトリウム塩((商品名)Ligno sulfonic acid sodium salt、シグ マアルドリッチジャパン株式会社製)
「リグニン化合物(2)」:リグニンスルホン酸カルシウム塩((商品名)Ligno sulfonic acid calcium salt、シ グマアルドリッチジャパン株式会社製)
「リグニン化合物(3)」:リグニンスルホン酸マグネシウム塩((商品名)Lign osulfonic acid magnesium sal t、日本製紙株式会社製)
「リグニン化合物(4)」:クラフトリグニン((商品名)リグニン クラフト、シグ マアルドリッチジャパン株式会社製)
「リグニン化合物(5)」:ソーダリグニン((商品名)孟宗竹ソーダリグニン、讃岐 化成株式会社製)
「リグニン化合物(6)」:リグノフェノール(針葉樹系リグノフェノール(p−クレ ゾールタイプ)、既存の方法にて調製)
比較例1〜5では、下記表4に示す配合にあるように、実施例において含有させた成分(c)、(d)の何れか1つ以上を含有させなかったこと以外は、実施例と同様にしてグリースを調製した。また、比較例6では、市販のCVJインボード用グリースを用いた。なお、表4中の空欄表示は、当該成分が含まれていない(無添加である)ことを示す。
上述した実施例1〜16、比較例1〜5にて調製した等速ジョイント用グリース組成物、並びに比較例6の市販品グリースにつき、以下に示す試験方法で物性の評価を行った。
テストピース ボール :直径10.0mm(SUJ2)
プレート:直径24mm×7.85mm(SUJ2)
試験条件 荷重 :500N
周波数 :15Hz
振幅 :1.5mm
時間 :10分
試験温度:25℃
測定項目 摩擦係数(μ、試験時間5分時の摩擦係数)
判定基準 ◎:0.10以下
○:0.10より大きく0.12以下
△:0.12より大きく0.14以下
×:0.14より大きい
耐荷重性試験としては、ASTM D 2596により規定された方法によりシェル式四球試験を実施し、融着荷重(WL、kgf)を測定した。
判定基準 ◎:400kgf以上
○:250kgf以上400kgf未満
△:160kgf以上250kgf未満
×:160kgf未満
下記表1、2、3、及び表4に、それぞれ、実施例1〜16及び比較例1〜6にて調製した等速ジョイント用グリース組成物の組成と、物性評価の結果を示す。
Claims (4)
- (a)基油と(b)増ちょう剤とを含むベースグリースに、
(c)有機モリブデン化合物と、
(d)リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸マグネシウム、ソーダリグニン、クラフトリグニン、及びリグノフェノール誘導体から選ばれる1種類以上のリグニン化合物と
を含有してなることを特徴とする等速ジョイント用グリース組成物。 - 全組成中における(d)リグニン化合物の含有量が1.0〜25.0質量%であることを特徴とする請求項1に記載の等速ジョイント用グリース組成物。
- 全組成中における(c)有機モリブデン化合物の含有量が0.5〜5.0質量%であることを特徴とする請求項1に記載の等速ジョイント用グリース組成物。
- 請求項1に記載の等速ジョイント用グリース組成物を封入した等速ジョイント。
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