JP2010159381A - リグノフェノール誘導体を結着剤とした成型体及び成型炭並びにその製造方法 - Google Patents

リグノフェノール誘導体を結着剤とした成型体及び成型炭並びにその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 環境に負荷をかけず、再生可能な資源である植物の炭化物の粉砕粉と、木材等から分離抽出したリグノフェノール誘導体とを使用した成型体及び燃料となる成型炭を提供することを目的とした。
【解決手段】 植物の炭化物の粉砕物を原料とする成型体及び成型炭において、結着剤としてリグノフェノール誘導体を混合又は混練して、これを加熱及び加圧して成型する手段により目的を達成した。
【選択図】図1

Description

この発明は、リグノフェノール誘導体を結着剤とした成型燃料及びその製造法に関する。更に、詳細には、植物炭化物の粉砕粉を主原料とし、リグノフェノール誘導体をバインダーとして使用した成型燃料(以下「成型炭」という。)及びその製造法に関する。
従来から、経済的又は利便性の見地から、各種の成型燃料が提案されて来た。例えば、豆炭、たどん、煉炭等が古くから知られていて、広く普及していた。
例えば、燃料用成型木炭の提案が知られている(特許文献1参照)。これは、炭の粉末に、人造黒鉛粉末を混合し、これに木酢タール、動物性油脂、植物由来の糖質、若しくは廃食用オイル、ポリビニールアルコール等をバインダーとして添加し圧縮成型後、600〜1000℃還元雰囲気下で再焼成処理したものである。
さらに、炭化物を粉砕してパウダー状にした後に、粘着剤と水を加えてミキシングすることによって粘土状にし、成形した後に乾燥する炭が知られている(特許文献2参照)。
また、この発明の結着剤に使用するリグノフェノール誘導体の製造方法が、開示されている(特許文献3参照)。
また、リグノフェノール系成形体として、リグノフェノール誘導体を使用した成形体が開示されているが、本件発明の燃料である成型炭とは、技術分野を異にするものである。
特開2006−306925号公報(1頁) 特開平11−302671号公報(1頁) 特開2001−131201号公報(1頁) 特開平9−278904号公報(第1頁)
現在、産業用及び家庭用のエネルギー源は、そのコストが安いこと及び取扱の簡便なことから、石油製品、ガス、電気が広く普及しているが、この主なエネルギー源は、いわゆる化石燃料である。
昨今、前記燃料の問題に関し、化石燃料を大量に消費することによる二酸化炭素の排出・べき政治課題となっている。
このため、環境に負荷を掛けないエネルギー源、例えば太陽光発電、風力発電、自動車等の水素燃料等が注目を集めている。そこで、その対策の一環として、少しでも環境への負荷が少なく、且つ経済的に優れた燃料の提案が喫緊の課題となっている。
従来から提案されている合成炭又は成型燃料炭等は、前記環境問題の見地から提案されたものではないが、前記の状況に鑑み、環境問題の見地から、再度見直す必要がある。
従来の成型炭等は、結着剤を使用して成型後、これを乾溜処理するのが通常である。
例えば、人造黒鉛粉末を混合し、これに木酢タール、動物性油脂、植物由来の糖質、若しくは廃食用オイル、ポリビニールアルコール等をバインダーに使用している。
また、結着剤に、ふのり、つのまた、あらめ、かじめ等の海藻類から採取したものを使用した成型木炭が提案されている。更にでん粉質のものを結着剤に使用したものもある。この接着剤乃至は結着剤が燃焼する際、臭いを発し、乾溜処理によりある程度防止できるが、完全に防止することは実現出来ていなかった。
その結果、これ等を燃焼した場合、バインダー等の燃焼臭が発生し、好ましいとは言えないものであった。
従って、現在まで燃焼しても悪臭の発しない適当な結着剤を見い出せなくて、満足すべき成型炭は得られていない。
そこで、燃焼しても悪臭の発生が少なく木炭等と同等な燃焼特性を持つ木炭を主原料とする成型炭が望ましく、従来木炭が使用されたのは、次の特性に基づくものと考えられる。
薪材の発熱量は4400〜4800cal/g程度であるが、これを木炭に加工すれば6500〜8000cal/g程になる。
一般的に、木炭の発熱量は炭化温度の低いものが大きく、高いものが小さい。例えば、白炭の代表ともいえる備長炭のうばめがし炭は6500kal/gであるのに対し、黒炭の一般的な楢炭は、7500kal/gの発熱量で、熱源としては低温炭化の黒炭が優れている。
即ち、木炭は、煙、炎、臭い等の発生が相対的に少なく、便利で火持ちの良い固形燃料として日本では古くから使用されていて、温度や熱量などの点においても優れている。
また、現在、国土の森林資源保護の見地から、間伐材の有効利用も大きな課題となっている。
さらに、廃棄物処理の見地から都市部の建築廃材の処理も大きな社会問題となっている。
即ち、環境保護及び資源保護の見地から、木炭(炭化物)を主原料とした成型炭が安価に生産されることが望ましく、これが実現されるためには、優れた結着材が必要である。
発明者等は、リグニン及び木材からリグニンを比較的容易に分離抽出できるリグノフェノール誘導体が、成型炭の優れた結着剤の機能を有することを見出し、この知見に基づき鋭意研究の結果、この発明を完成した。
然し乍ら、現時点では分離精製したリグニンはコストが高くつく。そこで、コスト低減の見地から、精製リグニンでなくとも、リグニン成分の分離抽出手段で得られるリグノフェノール誘導体の形態のものであっても、この発明の目的を達成するに必要且つ十分な粘結性や常温固化性を呈するから、この発明においては、リグノフェノール誘導体を利用する。
即ち、液化状態にあるリグノフェノール誘導体は、液化状態から固体へ変化する際に粘結性を発揮する。即ち、溶媒に溶解した状態から溶媒が留去されて固体として析出された際、或いは、固体状のリグノフェノール誘導体それ自体が溶融している状態から冷却により固体化する際に、粘結性を発揮する。
このような粘結性を発揮する機能を利用し、リグノフェノール誘導体を炭化物の粉砕物を結着する結着剤(バインダー)として用いる。
そこで、この発明は、リグノフェノール誘導体を活用して、木炭と同等又はそれ以上の性能を有する成型炭(燃料)を安価に提供することを目的とした。
他方、主原料となる炭化物は、低温で炭化できる低温炭化装置の開発も知られており、炭化物は容易に入手できる。
この低温炭化装置によれば、間伐材、建築廃材、小枝等、植物由来のものであれば、これを炭化して、炭化物が容易に得られる。
また、従来からのいわゆる炭焼きによる木炭でも使用できることは言うまでもない。
即ち、植物由来の炭化物の粉砕物と、リグノフェノール誘導体の有する優れた粘結性や常温での固化性を利用することが、前記諸課題を解決する手段である。
さらに、成型炭に着火層及び着火部を設け、これにより、着火しやすく、且つ、使用目的に応じた、燃焼温度、燃焼時間を自在に設定可能な成型炭の開発に成功した。
成型炭の製造は、リグノフェノール誘導体溶液で成型炭原料に添加されて、加圧成型(又は加熱・加圧)した後、溶媒が留去されるプロセスと、或いは、固体状態で成型炭原料に添加、混合されて、成型時に加熱・加圧して溶融し、次いで冷却され固化するプロセスを経る。
具体的に、成型炭の成型に際し、炭化物の粉砕物にリグノフェノール誘導体の溶液化したもの或いは固体状態のものを添加し均一に混練・混合された状態とし、金型成型し、所定の加熱及び加圧して成型後これを冷却固化することにより達成される。
本発明によれば、以下の手段が提供される。
本発明によれば、以下の手段が提供される。
即ち、物の発明は、炭化物の粉砕物を原料とする成型体及び成型炭において、結着剤としてリグノフェノール誘導体を混合又は混練して、これを加熱及び加圧して成形したことを特徴とする成型体及び成型炭であり、リグノフェノール誘導体は、液化状態又は固体化状態であることを特徴とする請求項1記載の成型体及び成型炭である。
また、リグノフェノール誘導体の含有量を、成型体及び成型炭の全重量100重量%に対し、10重量%から30重量%としたことを特徴とする請求項1記載の成型体及び成型炭であり、炭化物の粉砕粉は20〜40メッシュとしたことを特徴とする請求項1記載の成型体及び成型炭である。
さらに、炭化物が、硬質木炭、軟質木炭、針葉樹、おが屑、樹皮、稲藁、籾殻、農産物廃棄物、樹木の剪定枝、古紙、食品残渣物、汚泥、畜産糞、廃プラスチック等、間伐材、建築解体廃材、製材残材等由来のものであることを特徴とする請求項1記載の成型体及び成型炭であり、加熱温度は、100℃から250℃としたことを特徴とする請求1記載の成型体及び成型炭である。
成型加圧の圧力は、100kgf/cm〜140kgf/cmとしたことを特徴とする請求項1記載の成型体及び成型炭であり、加圧時間は3分間〜10分間としたことを特徴とする請求項1記載の成型体及び成型炭である。
成型炭は、成型炭の表面全面に着火層を被覆したことを特徴とする請求項1記載の成型体及び成型炭であり、成型炭は、成型炭の表面に着火部を設けたことを特徴とする請求項1記載の成型体及び成型炭でもある。
次に、方法の発明は、炭化物の粉砕物を原料とする成型体及び成型炭の製造方法において、炭化物の粉砕物にリグノフェノール誘導体を添加し、これを均一に混合又は混練して、次いで該混練物を金型で加熱及び加圧して成型することを特徴とする成型体及び成型炭の製造方法であり、リグノフェノール誘導体は、液化状態又は固体化状態であることを特徴とする請求項11記載の成型体及び成型炭の製造方法である。
また、炭化物の粉砕粉は20〜40メッシュとしたことを特徴とする請求項11記載の成型体及び成型炭の製造方法であり、炭化物が、硬質木炭、軟質木炭、針葉樹、おが屑、樹皮、稲藁、籾殻、農産物廃棄物、樹木の剪定枝、古紙、食品残渣物、汚泥、畜産糞、廃プラスチック等、間伐材、建築解体廃材、製材残材等由来のものであることを特徴とする請求項11記載の成型体及び成型炭の製造方法である。
さらに、加熱温度は、100℃から250℃としたことを特徴とする請求項11記載の成型体及び成型炭の製造方法であり、成型加圧の圧力は、100kgf/cm〜140kgf/cmとしたことを特徴とする請求項11記載の成型体及び成型炭の製造方法である。
加圧時間は3分間〜10分間としたことを特徴とする請求項11記載の成型体及び成型炭の製造方法である。
この発明の成型炭は、廃棄物に属する間伐材や建築廃材等で生産することができ、主原料の入手が安価・容易であり、且つ環境への負荷を与えることなく、且つ環境汚染の発生がなく、廃棄物問題の解決にも資するものである。
この発明によれば、成型炭は、成型条件等を変え、火力及び燃焼時間等を自由に調節できるから、使用目的に応じた用途別の成型炭の提供ができる効果がある。
着火し易い物質を成型炭の表面に被覆して、着火容易な構造にすると、火起こしの手間が省け、使い勝手がよく便利である。
原料は、何れも自然由来のであり、環境への負荷をかけず、且つCOの新たな増加発生がなく、樹木及びこれより分離抽出されるリグノフェノール誘導体は、大量に再生循環生産可能な原料であるから、資源のリサイクルに資するものである。
新しいバイオマス利用としての環境への負荷を軽減することができ、地球の代謝系を維持し、且つ地域資源の活用につながる好ましい効果が得られる。
この発明の成型炭は、還元雰囲気下で再焼成処理する必要がなく、製造工程が極めて単純化でき、装置費用及び作業コストが節約でき、製造が容易で且つ、安いコストで生産できる利点がある。
また、家庭用及び業務用の他、野外のキャンプ、緊急災害時の屋外の炊事用燃料としても使用できる。
発明を実施するための最良形態
以下に、この発明の実施態様について詳細に説明する。
主原料について
この発明の主原料として、炭化物の粉砕物が用いられる。
従って、炭化物が、針葉樹や広葉樹の木材、おが屑、樹皮、稲藁、籾殻、農産物廃棄物、樹木の剪定枝、古紙、食品残渣物、汚泥、畜産糞、廃プラスチック等、間伐材、建築解体廃材、製材残材等由来のものであっても良く、炭化物の種類を問わず使用できる。
これらの有機物を、約400〜700℃前後で、乾溜炭化したものであれば使用できる。従って、硬質木炭は勿論のこと、軟質木炭でも使用できる。
因みに、木炭の収率は約20%程度であり、白炭は10〜13%程度であると言われている。
粉砕物は、常法の粉砕機を使用して、20〜40メッシュ程度にする。
リグノフェノール誘導体について
リグニンは、地球上において、セルロースに次いで、多量に存在する有機物であり、しかも大量に且つ、比較的短いサイクルで再生産される資源であるから、これを原料として利用することは、資源保護の見地からも、地球環境保護の流れに沿った好ましいものと言える。
リグニンは、木質化した木材及び各種草本植物に多量に含まれている物質であり、その利用が注目されている。近年、これの利用方法及び低廉な生産手段(分離抽出)が、急速に研究・開発されて来ているものである。
木材等に含有されているリグニンは、木材の重量の25〜30%程度を占めており、その他は糖が70〜75%を占めているから、低コストで分離すれば、原料として、略資源上の制約なく利用でき、容易に再生産されるから枯渇する虞は全くない。これらの利点にも拘らず、リグニンを分離する技術課題解決の困難性及びコストの観点から、現在までその利用は殆ど行われて来なかった。
木材等に含有されているリグニンは、フェノール誘導体で誘導体化されてリグノフェノール誘導体となるが、これを溶媒に溶解した液状化状態又はこれを乾燥させた個体化した状態でも得られる。
この発明では、これを液化状態で使用する場合と、これを粉体の状態にして使用する方法とがある。
液化状態のリグノフェノール誘導体溶液とは、リグノフェノール誘導体を、アセトン、エタノール、メタノール、ジオキサン、及びこれらの混合物と水との混合液に溶解したものである。また、リグノセルロース系材料からのリグノフェノール誘導体を合成分離する工程において得られるリグノフェノール誘導体溶液も同様に用いることができる。
現在、リグノフェノール誘導体の生産方法については、4つの公知のものが知られている。
リグノフェノール誘導体の製造方法を以下に説明する。
リグノセルロース系材料(植物の木質化したもの)から、リグノフェノール誘導体を得るには、リグノセルロース系材料中のリグニンを、フェノール誘導体と濃酸で処理してリグノフェノール誘導体として、リグノセルロース系材料中から抽出する必要がある。
リグノセルロース系材料としては、木材、廃材、端材、草木植物、農産廃棄物等を用いることが出来る。
リグノセルロース系材料中のリグニンを、リグノフェノール誘導体として抽出する方法は、公知のものがあり、例えば、特開2001−131201号に従来法として3つの方法及び新たな提案として第4の方法が開示されている。
リグノフェノール誘導体の製造方法として、前記発明の記載内容をそのまま引用することができ、また、その内の何れの方法で生産されたものであっても、この発明に利用できる。
例えば、リグノフェノール誘導体の製造方法の例の概略を記すると、以下の通りである。
リグノセルロース系物質、フェノール誘導体及び酸を含む混合物に不活性低沸点有機溶媒を添加し、得られた混合物を攪拌した後に遠心分離することによって3層に分離し、これら3層のうち中間層からリグノフェノール誘導体を単離し、このリグノフェノール誘導体が従来の方法で調整されたリグノフェノール誘導体と同様な物性値を示す。
このリグノフェノール誘導体は、針葉樹由来のもので約170℃、広葉樹由来のもので約130℃に固−液相転移点を有する。
好ましくは、リグノセルロース系物質、フェノール誘導体及び酸を含む混合物、不活性低沸点有機溶媒とを混合した後に、過剰量の有機溶媒とフェノール誘導体とを除去し、残存した混合物と酸とを混合することに依って調製される。好ましくは、回収した中間層を水で洗浄して酸を除去した後、アセトン抽出することによりリグノフェノール誘導体が回収される。
次に、この発明の成型炭の製造方法について、説明する。
この発明の成型炭の成型は、所定量の炭化物の粉砕物に、所定量の結着剤のリグノフェノール誘導体を均一に混合又は混練したものを、金型を用いて、予め設定した温度と圧力で、常法の加熱加圧により(加熱・加圧成型加工)成型を行う。加圧成型するので、加圧力を変えることにより、成型炭の組織密度を自在に調節できる。
即ち、この発明では、成型方法として次の2つの方法が採用できる。
(1)液状化したリグノフェノール誘導体を使用する場合
炭化物の粉砕物に、液状化したリグノフェノール誘導体を均一に混練して、これを 成型時に、加熱及び加圧する方法。
(2)粉状化したリグノフェノール誘導体を使用する場合
炭化物の粉砕物に、粉状にしたリグノフェノール誘導体を均一に混合して、これを 成型時に、加熱及び加圧する方法。
従って、この発明では、還元雰囲気下で再焼成処理する必要がなく、(成型後乾溜処理する工程を省いたプロセス)、従来の製造方法に比較して、製造工程が半分と、短縮でき、装置費用及び作業が節約でき、製造が容易で且つ、安価で生産できる。
原料の炭化物の粉砕物は、公知の粉砕機で粉砕したものを使用する。
原料の炭化物を細かく粉砕した粉砕物は、平均的に約20〜40メッシュ程度である。あまり厳密である必要はない。
粉砕物の粒の大きさが20メッシュに満たないものは、結着剤のリグノフェノール誘導体を混練する際、ままこ状態となったり、また、均一に混ざり難くなるから好ましくない。
また、これは加熱加圧成形する際、締まり過ぎて、組織が密になって堅くなり、着火及び燃焼しにくくなるから好ましくない。
粉砕物粒の大きさが40メッシュを超えるものは、結着剤のリグノフェノール誘導体を混練する際、均一に混ざらなくなり、また、これを加熱及び加圧成形の際に締まりが悪く硬度が不足し、成型炭が崩れやすく、発熱量が低下するから、好ましくない。
また、炭化物の粉砕物のメッシュの大きさの調整により、火力調整ができる。
成型には、金属製の成型金型を使用する。また、前処理工程として仮成型をする手段を用いることもでき、係る仮成型工程を採った場合は、その後、更に所定の加熱及び加圧する、いわゆる本成型が必要である。
この場合、リグノフェノール誘導体等の含有量等の設定条件の変更により、得られる成型炭の燃焼性能が異なったものとなる。
例えば、メッシュの細かな炭化物の粉砕物に、リグノフェノール誘導体の含有量を多くし、高い加圧力で、加圧時間を長くすると、得られる成型炭の組織が緻密で固いものとなり、燃焼時間が長くなる。
また、成型炭には、リグノフェノール誘導体に加えて、通常、成型燃料等に添加される各種のものを必要に応じて、適宜加えることもできる。例えば、可塑剤、相溶化剤、硬化剤、充填剤等が挙げられるが、但し、燃焼時に強い臭いや有害なガスを発生するものは回避するのが望ましい。
一般的に、リグノフェノール誘導体に熱流動性を発現させるには、その起源種や組成にもよるが、リグノフェノール誘導体の単体のみでは、100℃以上250℃以下の加熱で熱流動性が発現する。
100℃未満では、リグノフェノール誘導体の熱流動性が発現せず、250℃を超えると熱分解する。従って、成型時の加熱により、リグノフェノール誘導体は熱流動性が発現するから、成型炭の金型成型が可能な状態となる。
また、前記加熱と共に、加圧処理することにより、炭化粉同士の密着性を向上させると共に、バインダーの流動性を高めて、得られた成型炭の密度が高くなり、燃料としての燃焼性能を向上出来る。この発明の成型炭の場合、炭化物の粉砕物の結着剤とする場合は、炭化物の大きさ、性質等を考慮して加圧と同時に、加熱温度を100℃以上250℃以下の加熱で行うが、130℃〜190℃の範囲が特に好ましいことが、試行の結果確認された。
加熱及び加圧は当然のこと乍ら、成型炭が、成型中に焦げない温度の範囲内で行う。
また、成型の際の加圧力は、100kgf/cm〜160kgf/cmであるが、特に好ましいのは120kgf/cm〜140kgf/cmである。
加圧力が100kgf/cmに満たない場合は加圧の効果が不十分で、成型炭の密度が粗くなり、全体の発熱量が少なくなり、成型炭の硬度が低下して崩れ易くなる。
他方、160kgf/cmを超えると、成型炭の組織が稠密となり過ぎて硬く成り、着火・燃焼がし難くなるから好ましくない。
従って、リグノフェノール誘導体の有するバインダー機能を十分に発揮させるには、粉砕物の大きさ、性質、リグノフェノール誘導体の由来に左右されるものであるから、予め試行を行い、加熱温度及び加圧力を設定条件を調整し、目的に応じ、最適な値に設定する必要がある。
炭化物とリグノフェノール誘導体の混合・混練は、公知の撹拌羽根のあるミキサー又は混練機で、時間をかけ、均一に混合・混練された状態となるまで行う。混合・混練を均一に行うことにより、得られる成型炭の組織が均一になり、均等な燃焼ができる。
均一な混合・混練の後、適度な加熱及び加圧の条件により、均一な物性の成型炭が製造できる。
リグノフェノール誘導体の添加量は、成形炭の全重量100重量%の8〜35重量%である。さらに、好ましくは、成形炭の全重量100重量%の10〜30重量%である。
添加量が8重量%に満たない場合は、結着剤が少なすぎて、圧縮した際に硬さが不足となり所定の効果が得られない。
添加量が35重量%を超える場合は、結着剤が過剰となり、不経済であり且つ、硬くなり過ぎて所定の燃焼効果が得られなく、好ましくない。
以上のことから、炭化物の性質、粉砕物の粒径の大きさ、結着剤のリグノフェノール誘導体の添加・混合量、加熱温度、加圧力、加熱及び加圧時間などの諸要素の組合わせで、火力及びその持続時間を自在に調整できるから、諸条件を予め調整・設定し、使用目的に応じた多様なタイプの成型炭を提供できる。
従って、必要であれば、特に燃焼カロリーの高いものを得ることもでき、また、燃焼時間の調節が図れる使い勝手の良いものが得られる。
さらに、予め、特有な理想的な燃焼パターンを確定できれば、例えば食品の調理用など、それに合致した用途別の専用の理想的な燃焼パターンの成型炭の提供もできる。
成型炭の形状は、任意の形状でよく、常法の成型手段で自在に形成することが出来る。煉炭型、豆炭型、棒状、かまぼこ型、チクワ型、円柱状、四角柱状、三角柱状、五角柱状、多角柱状、中空状等その形状の成型金型を用意すれば容易にできる。
また、金型を使用成型だから、金型を変えれば、容易に任意の寸法及び形状のものが得られる。
また、成型金型の加工によって、一般的な木炭に酷似した外観形状にもでき、また、種々の形状又はキャラクター等の形状にし、視覚に訴える商品とすることもできる。
また、成型炭は、成型した後は、表面が平滑な状態になり、適宜な印刷を施すことも可能であるから、広告媒体としての利用もできる。
得られた成型炭は、微細気孔の気孔率が高く且つ、含水率が低い為、燃焼に適したものとなる。炭化物の粉砕物自体が有する微細間隙に加え、成型により生成される間隙も加わるから、微細気孔の気孔率の高い組織となる。製造効率を向上させる為、所定の長さで成型した後、適宜な長さに切断して、最終製品としても良い。
さらに、着火し易い構成にもできる。着火し易い組織の成型炭を別途、成型炭の表面全面を被覆し、いわゆる着火層を設けた二層構造にすれば、着火し易くなるから、火起こしの手間が簡単になり、便利である。
また、成型炭の表面の一部又は端部に、着火し易い組織の着火を容易にした着火部を設ければ、マッチ又はライターで容易に着火できる構成とすることもでき、火付きの良い成型木炭が得られる。 また、着火層及び着火部の厚さは、必要に応じ、適宜な厚さに形成する。着火層及び着火部は、成型後、例えば柔らかな炭化物を粉砕したもので強く加圧しないで形成することでも良い。
また、この成型炭は、一旦成型した後でも、再び溶媒を添加することによって、リグノフェノール誘導体を分離して回収することも可能である。この溶媒としては、アセトン、エタノール、メタノール、ジオキサン、テトラヒドロフランが挙げられる。
これにより、成型ミス等が生じた場合、リグノフェノール誘導体を無駄なく再利用できる。
次に、この発明の成型炭の使用方法について、説明する。
上記で得られたこの発明の成型炭は、通常の木炭と同様に使用すればよく、特別の取り扱いを必要としない。
得られた成型炭は、燃焼に際し、着火層又は着火部を設けたものは着火性が良くなり、また、木炭を燃焼した場合と同程度の有害ガスや、有害物質の発生がある。
また、使用に際し、必要に応じて、適宜の鋸等での切断も任意である。
この成型炭は、燃焼後は、木炭と同様、僅かな灰が残るから、後片付けに手間が掛からない。また、長期間保管しても殆ど劣化がなく、通常の木炭の取り扱いと同様で良く、保管及び取扱いが容易である。
(試験例1)
実施例1により得られたサンプル1〜サンプル5の成型炭を使用して、以下の試験を行った。試験結果を説明する。%は、全重量100%に対する含有重量%。
(1)サンプル1 LC(リグノクレゾールに溶解したもの) 含有率10重量%
(2)サンプル2 LC(リグノクレゾールに溶解したもの) 含有率30重量%
(3)サンプル3 HMLC(ヒドロキシメチル化したもの) 含有率10重量%
(4)サンプル4 HMLC(ヒドロキシメチル化したもの) 含有率15重量%
(5)サンプル5 HMLC(ヒドロキシメチル化したもの) 含有率30重量%
ブリネル硬さ試験(Brinell Hardness)は、成型炭の硬度試験を目的とするものである。
リグノフェノール誘導体を使用した成型炭のブリネル硬さ試験
島津AG−1 10kNにて、JIS 2117の記載の試験方法に準じて行った。
成型炭の試料に、0.5mm/minで直径10mmの硬球を圧入し、1/兀≒0.32mm深さまで陥入するのに必要な荷重P(N)を測定した。
試料の硬さはH(MPa)は以下の式を用いて算出した。
=P/10
Figure 2010159381
試験結果
リグノフェノール誘導体の添加量が、10重量%のものサンプル1、サンプル3(HMLC・ヒドロキシメチル化したもの)、15重量%のサンプル4(HMLC)の成型炭は、とも脆く、硬さ試験中に砕けたが、30重量%成型炭のサンプル2(LC・リグノクレゾールに溶解したもの)、サンプル5(HMLC)、とも硬さ試験後、硬球接触部が凹む程度であった。
硬さは〔表1〕記載のように、サンプル2の30%LC成型炭が最も高い値となった。
前記の通り、リグノフェノール誘導体を30重量%を混練して、これを加熱加圧して固化したものは、組織が稠密且つ均一で、硬い組織のものが得られることが解る。
(試験例2)
実施例1により得られた成型炭(サンプル1〜5)を使用して、以下の試験を行った。
成型炭のSEM観察
SEM観察は、走査型電子顕微鏡による表面観察であり、被観察物の表面観察を目的とする試験である。
各成型炭をSEMで、コーティングなしで観察した。
サンプル1〜2(LC成型炭)と、サンプル3〜5(HMLC成型炭)とを比較すると、LCでは、熱軟化したことにより、炭の粒子が見えなくなって来ており、HMLCでは、少し炭の粒子が観察された。30%混合のものは何れも、炭の粒子が少なくなっていた。
(試験例3)
実施例1により得られた成型炭(サンプル1〜5)を使用して、以下の試験を行った。
成型炭のDSC分析試験
DSC分析試験は、示差走査熱量系であり、発熱量測定を目的とする試験である。
1.試験方法
ブリネル硬さの試験終了後、成型炭(サンプル1〜5)をメノウ乳鉢にて粉砕し、DSC分析を行った。
DSC分析は、島津DSC60を用いた。
DSC条件
試料 1mg
開始温度 54.8℃
加速温度 5.0℃
終了温度 600℃
ガス 空気
発熱ピークから発熱量を計算し、試料1g当たりの発熱量及び炭素当たりの発熱量を求めた。
2、試験結果
〔表2〕、〔表3〕、〔表4〕、〔表5〕、〔表6〕、〔表7〕
木炭粉末は、300℃以上で燃焼に伴う発熱ピークが生じ、DSC分析後の試料は真白な灰となっていた。
発熱量を測定した結果、サンプル1〜2(LC成型炭)は、150℃あたりから発熱のピークが見られ、サンプル3〜5(HMLC成型炭)では、240℃付近から発熱のピークが見られた。この部分から全熱量を計算すると、全ての試料とも、木炭粉末と大きな違いは見られなかった。
木炭粉末試料での発熱ピークが生ずる300℃以上の発熱ピーク部のみの発熱量を計算すると、LC、HMLCの含有率が高くなるにつれて、発熱量は低くなる傾向が見られた。
また、LC成型炭の炭素含有量が67%、HMLC形成炭の炭素含有量が70%として、炭素含有量当たりの熱量を求めた結果、木炭粉末のみが最も低く、複合化率とともに若干であるが高くなる傾向が見られた。
クヌギ木炭と、実施例1で得られたサンプル1〜2(LC成型炭)、サンプル3〜5(HMLC成型炭)との燃焼比較試験を行った。
Figure 2010159381
〔表2〕の試料は、成型炭との比較対照として選択した市販のクヌギ木炭粉
Figure 2010159381
〔表3〕サンプル1の試料は、10%LC成型炭
Figure 2010159381
〔表4〕サンプル2の試料は、30%LC成型炭
Figure 2010159381
〔表5〕サンプル3の試料は、10%HMLC成型炭
Figure 2010159381
〔表6〕サンプル4の試料は、15%HMLC成型炭
Figure 2010159381
〔表7〕サンプル5の試料は、30%HMLC成型炭
(試験例4)
前記の他、サンプル5(リグノフェノール誘導体含有量30% HMLC)につき、別途総発熱量試験を行なった。成型炭をその形状のまま(粉砕しないで)、総発熱試験を行った。
1.試料 30% HMLC 実施例1で得られたサンプル5のものである。
2.試料条件 JIS M 8814に準拠 検体数 (n)=1
3、測定装置 島津製作所 熱研式自動ボンベ熱量計 CA・4AJ
4.測定場所 (株)島津テクノリサーチ
試験結果
Figure 2010159381
通常の木炭の平均的な発熱量は、7500kcal/g、備長炭のうばめがし炭は6500kal/gであることが知られている。
これに対して、試験したサンプル5(30% HMLC)は、30,700kJ/kg、7,338kcal/kgであるから、発熱量に遜色がないことが示されている。
各試料の発熱量と燃焼特性を比較した。
結果の評価は、サンプル1〜2の(LC成型炭)、サンプル3〜5(HMLC)の成型炭は、クヌギ木炭と比較しても、発熱量、燃焼温度、燃焼時間において遜色のないことが示されている。
以下に実施例を挙げて、この発明を具体的に説明する。なお、この発明は以下の実施例に限定されるものではない。
リグノフェノール誘導体の調製
p−クレゾール(0.4g)をアセトン(10g)に溶解し、木粉(1g)に加え、数時間放置した。濾過により過剰量のp−クレゾールとアセトンを除去した。この際、木粉内に残留させるp−クレゾールの量はリグニンユニット当たり3モル倍とした。(等モル倍以上であればよい)。得られたp−クレゾールが収着した木粉に72%硫酸(10ml)を加え、約1時間激しく攪拌した。次いで、10mlの不活性低沸点有機溶媒(n−ヘキサン、ベンゼン、トルエンまたはキシレン)を加えて、約10分間激しく攪拌した。反応液を全て遠心管に移し、3500rpmで25℃で10分間遠心分離した。
反応混合物は未反応フェノール誘導体を含む有機層(上層)バンド状に凝集したリグノフェノール画分(中間層)、炭水化物を溶解した硫酸層(下層)の3層に分離した。4種の不活性低沸点有機溶媒のいずれを用いた場合においても、上層は無色透明であり、中間層に茶色の固層がバンド状に形成され、下層は透明な黄色であった。
硬いベルトを形成しているリグノフェノール誘導体を含む中間層をそのまま薬匙で取り出し、上記で用いたのと同じ低沸点有機溶媒で洗浄し、付着しているリグノフェノール誘導体を除去した。洗浄した中間層に過剰量の水を加え、激しく攪拌し、遠心分離(8000rpm、10分間)により水不溶区分を回収した。この操作を繰り返し、中性付近に達するまで洗浄を繰り返して脱酸した。
水不溶区分を乾燥後、アセトンにてリグノフェノール誘導体を抽出した。アセトン抽出液を濃縮及び乾固することによって粗リグノフェノール誘導体を得た(収量0・3g)。
リグノフェノール誘導体のアセトン溶液を濃縮後、大過剰のジエチルエーテルに滴下した。沈殿区分を遠心分離にて回収し、ジエチルエーテルにて洗浄後、溶媒を留去、乾燥して精製リグノフェノール誘導体を得た(収量0・25g)。
〔炭素粉末の調製〕
樹皮部を除いたクヌギ木炭(直径80mm×長さ220mm)を、振動ボールミル(HEIKO社製、型式名 T1500)で3分間粉砕後、メノウ乳鉢で微粉化した。木炭の粉砕粉の大きさは、40メッシュである。
前記により、調製したスギーリグノクレゾール(IPE精製)を使用した。
相転移温度はTMA(熱機械分析)により測定した。
TMAによる熱軟化温度は、144.9℃であった。これは熱溶融温度の下限を示すものである。
これは、IPE精製したことにより、低分子区分の比率が、ジエチルエーテル精製試料よりも高かったことによる。
〔HM化〕
前記の方法により得られたスギーリグノクレゾール5gを、0.5N NaOH 100mlに溶解した後、0.1N NaOH濃度になるように希釈した。これを60℃、N2下で、リグノクレゾール芳香核当たり20mol倍量のホルムアルデヒトをゆっくり滴下し、3時間反応させた。
反応終了後、冷却下、1N HCLでpH2に酸性化後に、遠心分離し、不溶区分を回収した。これをpH6に成るまで洗浄し、凍結乾燥した。
収量は4.1gであった。
〔成型炭の調製〕
成型炭の調製は、アセトンに溶解したオリジナルリグノクレゾール(LC)、又はTHF(テトラヒドロフラン)に溶解したHM化リグノクレゾール(HMLC)を炭粉末に加えた後、それぞれの溶媒を留去した。
30%リグノフェノール含有のものは、THF約10mlに、溶解したHM化リグノクレゾール(HMLC)を炭粉末0.7gに加えた後、溶媒を留去した。
または(HMLC)0.1〜0.3gを、前記により調製した炭粉末0.9〜0.7gに加えて、混練した後、それぞれの溶媒を留去した。
この混練物を、通常の金型を用いて、直径10mmの円柱形に予備成型した後、島津フローテスターCFT−500Dを用い、以下の条件で熱圧縮成型し、直径10mm、高さ15mmの成型炭を得た。
当初温度 70.0℃
Rate温度 1.5℃
最高温度 LC 190℃、
HMLC 180℃
荷重 127kgf/cm
予備加熱時間 300秒
荷重を加えた後、自然冷却するまで放置した。
粉砕し木炭粉末のみでは、予備成型できず、フローテスターに直接木炭粉末を入れても成型加工は出来なかった。
LC、HMLCによる成型炭は、水に漬けても変形が見られず、HMLCによる成型炭は、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)に漬けても変形が見られなかった。
また、LC成型炭は、アセトンに漬けた瞬間、一気に崩壊した。
成型炭は、以下のようにしたものを5種類を調製した。
(1)サンプル1 LC 含有率10重量%
10%LC−Char:LC 0.1g−木炭粉末0.9g
(2)サンプル2 LC 含有率30重量%
30%LC−Char:LC 0.3g−木炭粉末0.7g
(3)サンプル3 HMLC 含有率10重量%
10%HMLC−Char:HMLC 0.1g−木炭粉末0.9 g
(4)サンプル4 HMLC 含有率15重量%
15%HMLC−Char:HMLC 0.15g−木炭粉末0. 85g
(5)サンプル5 HMLC 含有率30重量%
30%HMLC−Char:HMLC 0.3g−木炭粉末0.7 g
得られた成型炭は、その切断面は、組織が密で網目状の硬質なものである。
実施例1により得られた成型炭1に、木炭粉等柔らかな着火層3を3mmを、成型炭1の全体を被覆した着火層3を設けた2層構造にして、着火し易い成型炭1が得られた(図1参照)。
着火層3は、成型炭1の成型後、炭化物を加圧しない状態で被覆形成する。
軟質木炭である、杉材の木炭を粉砕したものを、使用した。
実施例1により得られた成型炭1に、木炭粉等柔らかな層を5mmを、成型炭1の一部に着火部4を設けて(例えば成型炭1の端部等)着火し易い構造にした(図2参照)。
着火部4は、成型炭1の成型後、炭化物を加圧しない状態で形成する。軟質木炭である、杉材の木炭を粉砕したものを、使用した。
この発明は、廃棄物の建築廃材等を使用して、木炭と同等な燃料性能を有する成型炭を提供することができる。
(a)は、この発明の成型炭の斜視図。(b)は、同じく成型炭の横断面図。(c)は、同じく、着火部を設けた成型炭の斜視図。(d)は、同じく、着火部を設けた成型炭の縦断面図。
符合の説明
1 成型炭
2 成型炭部
3 着火層
4 着火部

Claims (17)

  1. 炭化物の粉砕物を原料とする成型体及び成型炭において、結着剤としてリグノフェノール誘導体を混合又は混練して、これを加熱及び加圧して成形したことを特徴とする成型体及び成型炭。
  2. リグノフェノール誘導体は、液化状態又は固体化状態であることを特徴とする請求項1記載の成型体及び成型炭。
  3. リグノフェノール誘導体の含有量を、成型体及び成型炭の全重量100重量%に対し、10重量%から30重量%としたことを特徴とする請求項1記載の成型体及び成型炭。
  4. 炭化物の粉砕粉は20〜40メッシュとしたことを特徴とする請求項1記載の成型体及び成型炭。
  5. 炭化物が、硬質木炭、軟質木炭、針葉樹、おが屑、樹皮、稲藁、籾殻、農産物廃棄物、樹木の剪定枝、古紙、食品残渣物、汚泥、畜産糞、廃プラスチック等、間伐材、建築解体廃材、製材残材等由来のものであることを特徴とする請求項1記載の成型体及び成型炭。
  6. 加熱温度は、100℃から250℃としたことを特徴とする請求1記載の成型体及び成型炭。
  7. 成型加圧の圧力は、100kgf/cm〜140kgf/cmとしたことを特徴とする請求項1記載の成型体及び成型炭。
  8. 加圧時間は3分間〜10分間としたことを特徴とする請求項1記載の成型体及び成型炭。
  9. 成型炭は、成型炭の表面全面に着火層を被覆したことを特徴とする請求項1記載の成型体及び成型炭。
  10. 成型炭は、成型炭の表面に着火部を設けたことを特徴とする請求項1記載の成型体及び成型炭。
  11. 炭化物の粉砕物を原料とする成型体及び成型炭の製造方法において、炭化物の粉砕物にリグノフェノール誘導体を添加し、これを均一に混合又は混練して、次いで該混練物を金型で加熱及び加圧して成型することを特徴とする成型体及び成型炭の製造方法。
  12. リグノフェノール誘導体は、液化状態又は固体化状態であることを特徴とする請求項11記載の成型体及び成型炭の製造方法。
  13. 炭化物の粉砕粉は20〜40メッシュとしたことを特徴とする請求項11記載の成型体及び成型炭の製造方法。
  14. 炭化物が、硬質木炭、軟質木炭、針葉樹、おが屑、樹皮、稲藁、籾殻、農産物廃棄物、樹木の剪定枝、古紙、食品残渣物、汚泥、畜産糞、廃プラスチック等、間伐材、建築解体廃材、製材残材等由来のものであることを特徴とする請求項11記載の成型体及び成型炭の製造方法。
  15. 加熱温度は、100℃から250℃としたことを特徴とする請求項11記載の成型体及び成型炭の製造方法。
  16. 成型加圧の圧力は、100kgf/cm〜140kgf/cmとしたことを特徴とする請求項11記載の成型体及び成型炭の製造方法。
  17. 加圧時間は3分間〜10分間としたことを特徴とする請求項11記載の成型体及び成型炭の製造方法。
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