JPWO2014010001A1 - 鉄道車両 - Google Patents

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Abstract

本発明に係る鉄道車両(100)は、車両長手方向端部に端梁(11)を有する台枠(10)と、側構体(20)と、屋根構体(30)とを備えた鉄道車両であって、車幅方向両端部に設けられ、側構体(20)を構成する側外板(21)と、端梁(11)から屋根構体(30)に向けて延びる隅柱(40)と、側外板(21)と隅柱(40)とを連結し、車両長手方向の剛性が鉛直方向の剛性よりも小さな中間連結部材(50)とを備える。

Description

本発明は、衝突による衝撃荷重を吸収する隅柱を備えた鉄道車両に関する。
鉄道車両の四隅に配置された隅柱は、衝突が起きても室内を保護できるよう高い強度が求められる。例えば特許文献1には、隅柱(53)に対応する位置に隅柱補強部材(58)を備えた鉄道車両が開示されている。
特開2011−235730号公報
このように隅柱は強固であることが第一であるが、これに加え車両が衝突した際の衝撃荷重を吸収できることが望ましい。衝撃荷重は隅柱が変形することで吸収することができる(衝突エネルギーを変形エネルギーに変換することができる)が、隅柱が変形すると、これに伴って隅柱に連結された側外板も変形してしまう。側外板が大きく変形すると、室内空間が圧迫されるため好ましくなく、また、衝突後の修理が大掛りになるという問題がある。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、衝突によって隅柱が変形したとしても、これに伴う側外板の変形を抑えることができる鉄道車両を提供することを目的としている。
本発明のある形態に係る鉄道車両は、車両長手方向端部に端梁を有する台枠と、側構体と、屋根構体とを備えた鉄道車両であって、車幅方向両端部に設けられ、前記側構体を構成する側外板と、前記端梁から前記屋根構体に向けて延びる隅柱と、前記側外板と前記隅柱とを連結し、車両長手方向の剛性が鉛直方向の剛性よりも小さな中間連結部材とを備える。
かかる構成によれば、車両が衝突して隅柱が変形したとしても、側外板と隅柱の間に位置する中間連結部材が変形することで、隅柱の変位を吸収し、側外板の変形を抑えることができる。しかも、この中間連結部材は車両長手方向の剛性が鉛直方向の剛性よりも小さい。すなわち、中間連結部材の鉛直方向の剛性を大きくできるため、側外板を介して屋根構体をしっかりと支えることができる。
上記のように、本発明によれば、衝突によって隅柱が変形したとしても、これに伴う側外板の変形を抑えることができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る鉄道車両の斜視図である。 図2は、図1に示す隅柱周辺の切断斜視図である。 図3は、図2の変形例である。 図4は、図2の他の変形例である。 図5は、図1に示す隅柱周辺の水平断面図である。 図6は、図5に先頭マスクを加えた図である。 図7は、本発明の第2実施形態に係る鉄道車両の隅柱周辺の水平断面図である。 図8は、本発明の第3実施形態に係る鉄道車両の隅柱周辺の水平断面図である。 図9は、図8に目隠し外板を加えた図である。 図10は、本発明の第4実施形態に係る鉄道車両の隅柱周辺の水平断面図である。 図11は、本発明の第5実施形態に係る鉄道車両の隅柱周辺の水平断面図である。 図12は、本発明の第6実施形態に係る鉄道車両の隅柱周辺の水平断面図である。
以下、本発明に係る実施形態について図を参照しながら説明する。以下では、全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同じ符号を付して、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
まず、図1乃至図6を参照して、本発明の第1実施形態に係る鉄道車両100について説明する。図1は、本実施形態に係る鉄道車両100の斜視図であって、妻外板を取り外した状態の図である。図1に示すように、本実施形態に係る鉄道車両100は、車両長手方向端部に端梁11を有する台枠10、側構体20、及び屋根構体30の基本構成を備えている。また、鉄道車両100は、その四隅周辺に注目すると、側外板21と、隅柱40と、中間連結部材50と、を備えている。以下、これら側外板21、隅柱40、及び中間連結部材50を中心に説明する。
側外板21は、鉄道車両100の車幅方向両端部に設けられた部材である。ここで、図2は、本実施形態に係る鉄道車両100の隅柱40周辺の切断斜視図である。図2において、紙面右下が鉄道車両100の長手方向端面側(妻面側)であり、紙面左側が車幅方向外方であり、紙面右側が車両幅方向内方(客室側)である(図3及び図4も同様)。以下では、便宜上、図2の紙面右下を「前方」と称し、紙面左上を「後方」と称して説明する。図2に示すように、側外板21は、鉄道車両100のうち車幅方向の最も外方に位置しており、側外板21の車幅方向内方に位置する骨組み(図示せず)とともに側構体20を構成している。
隅柱40は、台枠10の端梁11から屋根構体30に向けて延びる部材である(図1参照)。隅柱40は、図示していないものも含め、鉄道車両100の四隅に設けられている。隅柱40の形状は特に限定されないが、本実施形態の隅柱40は断面が矩形枠状の筒形である。隅柱40の材料、形状、及び寸法は要求される強度等(鉄道車両を使用する国、環境、及び使用目的)によって異なる。本実施形態の隅柱40は、鉄道車両100が所定の条件で衝突したとき、変形して一定の衝撃荷重を吸収できるよう適切な材料、形状、及び寸法が選定されている。
中間連結部材50は、側外板21と隅柱40とを連結する部材である。本実施形態の中間連結部材50は、隅柱40に沿うように鉛直方向に延びており(図1参照)、一枚の板材によって形成されている。図2に示すように、中間連結部材50は、隅柱40に固定される隅柱固定部51と、側外板21に固定される側外板固定部52と、隅柱固定部51及び側外板固定部52の間に位置する収縮部53とを有している。隅柱固定部51は中間連結部材50のうち前方(一端)に位置し、側外板21は中間連結部材50のうち後方(他端)に位置している。また収縮部53は、いわゆるコルゲート板状(矩形波状)に形成されている。すなわち、本実施形態の収縮部53は、一枚の板材を断面視において、直角に複数回曲げた形状を有している。本実施形態では、中間連結部材50には、(車幅方向外方及び内方のいずれから見ても)鉛直方向に延びる2つの溝が形成されている。ただし、中間連結部材50の溝が1つとなるように形成してもよい。
ここで、図3及び図4は、本実施形態の変形例に係る鉄道車両100の隅柱40周辺の切断斜視図である。図2では中間連結部材50の収縮部53はコルゲート板状に形成されていたが、収縮部53を例えば図3又は図4に示すように形成してもよい。すなわち、図3に示すように、中間連結部材50の収縮部53は板材をS字形に複数回曲げて波板状に形成してもよい。また、図4に示すように、中間連結部材50の収縮部53は板材をV字形に複数回曲げて形成してもよい。なお、図3に示す中間連結部材50には鉛直方向に延びる溝が2つ形成されており、図4に示す中間連結部材50には鉛直方向に延びる溝が3つ形成されている。
中間連結部材50は、以上のように構成されているため、車両長手方向の剛性が鉛直方向の剛性よりも小さくなっている。具体的には、中間連結部材50は側外板21を介して屋根構体30を支持しなければならないため、中間連結部材50は屋根構体30から受ける荷重で変形しない程度の鉛直方向の剛性を有している。一方、車両長手方向の剛性はそこまで必要なく、むしろ車両長手方向にはすみやかに変形できるよう剛性は小さく抑えられている。さらに、中間連結部材50は、車両長手方向の剛性が車幅方向の剛性よりも小さい。車幅方向の剛性は、中間連結部材50の側面に加わる荷重に耐えることができるよう大きくする必要がある。
ここで、図5は、本実施形態に係る鉄道車両100の隅柱40周辺の水平断面図である。図5において、紙面左側が鉄道車両100の前方であり、紙面上側が車幅方向外方であり、紙面下側が車両幅方向内方(客室側)である(図6以降も同様)。図5に示すように、本実施形態では、中間連結部材50は側外板21よりも車幅方向内方に位置し、隅柱40は中間連結部材50よりもさらに車幅方向内方に位置している。そして、隅柱40と中間連結部材50の車両長手方向位置は、ほぼ一致している。すなわち、中間連結部材50は、隅柱40の真横に位置している。また、隅柱40の後端と側外板21の前端は、車両長手方向位置がほぼ一致している。
また、隅柱固定部51は隅柱40の車幅方向外方の面のうち前方部分に固定されている。そして、側外板固定部52は側外板21の車幅方向内方の面のうち前方部分に固定されている。なお、図5に示すように、隅柱固定部51だけでなく収縮部53も隅柱40に接触しているが、収縮部53と隅柱40は固定されていない。また、中間連結部材50と隅柱40の固定及び中間連結部材50と側外板21の固定は、図2等に示す固定ポイント51a又は固定ポイント51bにおいて、抵抗スポット溶接、FSW、レーザ溶接、及びアーク溶接などの溶接によって行ってもよく、ボルト締結、及びリベット締結など機械的締結によって行ってもよい。
以上では、鉄道車両100の構成が理解しやすいように最小限の構成に絞って説明したが、実際には図6に例示すように、中間連結部材50を覆うようにして先頭マスク22を取り付けるのが望ましい。先頭マスク22はFRPやステンレス鋼で形成することができるが、材料は特に限定されない。この先頭マスク22を鉄道車両100に取り付けることで、中間連結部材50が外部から見えなくなるため美観が損なわれず、また、走行中における空気抵抗を減らすこともできる。なお、先頭マスク22の剛性は隅柱40の剛性に比べるとはるかに小さい。すなわち、衝突による衝撃荷重が先頭マスク22を介して側外板21に伝わって、これが原因で側外板21が変形するようなことはない。
続いて、鉄道車両100が障害物又は他の鉄道車両と衝突したときの各部材の変形について説明する。以下では、鉄道車両100の衝突によって隅柱40の鉛直方向中央部分に前方から大きな荷重がかかった場合を例にとって説明する。図1及び図6で示すように、本実施形態では隅柱40は鉄道車両100の最前端に位置していないが、鉄道車両100が障害物等と衝突すると、隅柱40よりも前方に位置する先頭マスク22等は衝撃荷重に耐えることができず、実質的に隅柱40が衝突による衝撃荷重を支えることになる。上述したように、本実施形態の隅柱40は、衝撃荷重を吸収できるように一定以上の荷重がかかると変形するよう構成されている。そのため、隅柱40の鉛直方向中央部分に前方から大きな荷重がかかると、その鉛直方向中央部分が後方に変位する。一方、隅柱40の上端部分及び下端部分は衝撃荷重をほとんど受けず、変位量もわずかである。つまり、隅柱40は、鉛直方向中央部分を中心に折れ曲がるようにして変形する。
隅柱40が上記のように変形すると、この変形に伴って中間連結部材50が車両長手方向に潰れる。ここで、中間連結部材50の隅柱固定部51、収縮部53、及び側外板固定部52の各部分に着目する。まず、隅柱固定部51は、隅柱40が折れ曲がるのに伴って、隅柱40と同じようにして鉛直方向中央部分を中心に折れ曲がる。すなわち、隅柱固定部51の鉛直方向中央部分は後方に変位する。次に、収縮部53は、この隅柱固定部51の変形によって、鉛直方向中央部分が潰れる。すなわち、収縮部53の鉛直方向中央部分のうち、隅柱固定部51に近い部分は大きく後方に変位するが、側外板固定部52に近い部分はほとんど変位しない。また、収縮部53の上端部分及び下端部分は、隅柱固定部51に近い部分及び側外板固定部52に近い部分のいずれもほとんど変位しない。このようにして収縮部53が潰れるため、側外板固定部52は中間連結部材50の一部ではあるが、収縮部53の後方に位置していることから、ほとんど変位(変形)することはない。以上の結果、側外板固定部52に固定されている側外板21は、ほとんど変形することはない。
このように、本実施形態によれば、鉄道車両100が衝突すると、隅柱40を介して伝達された衝撃荷重により中間連結部材50は車両長手方向に潰れ、これにより衝撃荷重による側外板21の変形を抑制することができる。その結果、鉄道車両100の客室の空間は確保され、また、衝突後の鉄道車両100の修理が大掛りになるのを防ぐことができる。さらに、本実施形態のように中間連結部材50を隅柱40の真横に配置すれば、中間連結部材50の設置位置を確保する必要が無く、先頭マスク22の大きさを比較的小さくすることができる。
なお、側外板21の変形を抑えるという観点では、中間連結部材50のうち後方に位置する側外板固定部52の変位量を抑えることができれば足りる。しかしながら、中間連結部材50が潰れる際に衝突荷重を吸収できるように構成されていれば、隅柱40で吸収する衝突荷重を軽減できるため有効である。例えば、中間連結部材50の車両長手方向の剛性を高め、かつ、側外板固定部52を骨組みに固定するなど大きな荷重がかかっても変位しないように構成すれば、中間連結部材50においても衝撃荷重を吸収することができる。このように、中間連結部材50は、衝撃荷重のうち少なくとも車両長手方向の力を吸収できるように構成されていてもよい。いずれにしろ、中間連結部材50は、隅柱40を介して伝達された衝撃荷重により車両長手方向に潰れることで、その衝撃荷重が側外板21及び屋根構体30に伝達することを抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、図7を参照して、本発明の第2実施形態に係る鉄道車両200について説明する。図7は、第2実施形態に係る鉄道車両200の隅柱40周辺の水平断面図である。本実施形態に係る鉄道車両200は、中間連結部材50の位置の点で、第1実施形態に係る鉄道車両100と構成が異なる。それ以外の点は、基本的に同じ構成である。図7に示すように、本実施形態の隅柱40、中間連結部材50、及び側外板21の位置関係は、車幅方向に関しては第1実施形態の場合と同じであるが、車両長手方向位置に関しては第1実施形態のように中間連結部材50が隅柱40の真横に位置しておらず、中間連結部材50は隅柱40の後方に位置している。また、側外板21の先端部分は隅柱40の後端部分よりも後方に位置している。本実施形態に係る鉄道車両200は以上のような構成を備えているが、第1実施形態の場合と同様に、鉄道車両200の衝突によって隅柱40が変形したとしても、これに伴う側外板21の変形を抑えることができる。
(第3実施形態)
次に、図8及び図9を参照して、本発明の第3実施形態に係る鉄道車両300について説明する。図8は、第3実施形態に係る鉄道車両300の隅柱40周辺の水平断面図である。本実施形態に係る鉄道車両300は、隅柱40の形状、及び隅柱40とその周辺の部材の位置関係の点で、第1実施形態に係る鉄道車両100と構成が異なる。それ以外の点は、基本的に同じ構成である。本実施形態の隅柱40は、断面が矩形枠状に形成されておらず、後方に開口する形状を有している。隅柱40は、主に側面部41と、この側面部41につながる前面部42とによって構成されている。このうち側面部41は隅柱40の車幅方向外方側に位置する部分であって、車両長手方向に延びている。また、前面部42は隅柱40の前方側に位置する部分であって、断面視において略S字状に形成されている。
本実施形態の隅柱40は、鉄道車両300の車両長手方向の前端であって、かつ車幅方向の外端に位置している。隅柱40の後方には中間連結部材50が位置しており、中間連結部材50のさらに後方には側外板21が位置している。また、隅柱40と中間連結部材50は車幅方向位置がほぼ一致している。さらに、隅柱40の側面部41と側外板21は同一平面上にある。つまり、隅柱40は、側外板21の外方の面と面一となるように車幅方向の両端部に配置されている。中間連結部材50の隅柱固定部51(一端)は、隅柱40のうち側面部41の車幅方向内方の面に固定されている。また、中間連結部材50の側外板固定部52(他端)は、側外板21の車幅方向内方の面に固定されている。なお、隅柱40の前面部42には妻外板60が固定されている。
本実施形態では、図9に示すように、目隠し外板23を隅柱40と側外板21の間に配置すれば、中間連結部材50を外部から見えなくすることができる。この目隠し外板23は、中間連結部材50に固定されている。ここでは、目隠し外板23と中間連結部材50は、互いに接触する中央部分の2箇所で固定されている。なお、目隠し外板23と側外板21の間、及び目隠し外板23と隅柱40は、直接固定されておらず、これらの間(隙間)にはシール材を充填してシール部24が形成されている。このように目隠し外板23を隅柱40及び側外板21に固定しないのは、鉄道車両300が衝突した際に目隠し外板23が車幅方向外方にずれるようにし、隅柱40からの衝撃荷重を側外板21に伝えないようにするためである。なお、これに代えて又はこれに加えて、側外板21よりも目隠し外板23の方が先に変形するように、目隠し外板23の剛性を小さくしてもよい。
(第4実施形態)
次に、図10を参照して、本発明の第4実施形態に係る鉄道車両400について説明する。図10は、第4実施形態に係る鉄道車両400の隅柱40周辺の水平断面図である。本実施形態に係る鉄道車両400は、中間連結部材50の形状の点で、第1実施形態に係る鉄道車両100と構成が異なる。ここで、本実施形態の側外板21は押出成形された、いわゆるアルミのダブルスキンパネルである。そのため、図10に示すように、側外板21は車両幅方向に一定の厚みを有している。なお、側外板21は、押出成形時の押出方向が車両長手方向と一致するように配置されている。
また、中間連結部材50もダブルスキンパネルであって、車幅方向内方に位置する内面板部54と、車幅方向外方に位置する外面板部55と、両面板部を結合するウエブ部56とを有している。そして、中間連結部材50は、押出方向が鉛直方向(紙面に対して垂直方向)と一致するように配置されている。すなわち、中間連結部材50は、ウエブ部56が鉛直方向に延びる方向に配置されている。このように、中間連結部材50がスキンパネルであって、ウエブ部56が鉛直方向に延びる方向に配置されれば、隣接するウエブ部56の間の空洞が鉛直方向に延びることになる。これにより、中間連結部材50の車両長手方向の剛性を鉛直方向の剛性よりも小さくすることができる。
ここで、図7と図10を対比すれば理解できるように、本実施形態の内面板部54は第2実施形態の中間連結部材50に相当する。つまり、本実施形態の中間連結部材50は、第2実施形態の中間連結部材50に平板状の外面板部55を取り付けたような形状を有している。本実施形態の中間連結部材50は、車幅方向外方側に溝は形成されていないが、車両幅方向内方側には鉛直方向に延びる溝が形成されている。このように少なくとも一方側に鉛直方向に延びる溝が形成されていれば、中間連結部材50の車両長手方向の剛性を鉛直方向の剛性よりも小さくすることができる。
上記のとおり、本実施形態の中間連結部材50は、ウエブ部56が鉛直方向に延びるスキンパネルとし、これに加え鉛直方向に延びる溝が形成されているため、これらが相まってより一層車両長手方向の剛性を小さくすることができる。なお、本実施形態では、内面板部54がコルゲート板状に形成されているが、内面板部54は平面状に形成されていてもよい。この場合であっても、中間連結部材50がスキンパネルであることに変わりなく、内面板部54と外面板部55の間には鉛直方向に延びる空洞が形成される。そのため、中間連結部材50の車両長手方向の剛性を鉛直方向の剛性よりも小さくすることができる。
(第5実施形態)
次に、図11を参照して、本発明の第5実施形態に係る鉄道車両500について説明する。図11は、第5実施形態に係る鉄道車両500の隅柱40周辺の水平断面図である。本実施形態に係る鉄道車両500は、中間連結部材50が外面板部55(図10参照)を有しておらず、これに代えて中間連結部材50には目隠し外板23が取り付けられている点で、第4実施形態に係る鉄道車両400と構成が異なる。それ以外の点は、基本的に同じ構成である。つまり、本実施形態の中間連結部材50は、押出成形により成形されるが、その収縮部53は内面板部54のみで構成されている。また、内面板部54の車幅方向外側には目隠し外板23が取り付けられている。なお、目隠し外板23は、固定ポイント53a、52aにおいて、ボルトやリベットなどによって中間連結部材50に固定されている。
(第6実施形態)
次に、図12を参照して、本発明の第6実施形態に係る鉄道車両600について説明する。図12は、第6実施形態に係る鉄道車両600の隅柱40周辺の水平断面図である。本実施形態に係る鉄道車両600は、ガイド部材70を有する点で、第1実施形態に係る鉄道車両100と構成が異なる。それ以外の点は、基本的に同じ構成である。ガイド部材70は、隅柱40の前方に配置されており、断面が略三角形の筒状の形状を有している。またガイド部材70は、車幅方向端部に傾斜面部71を有している。傾斜面部71は側外板21に向かって車両長手方向後方に傾斜している。
本実施形態に係る鉄道車両600は、上記のガイド部材70を備えているため、例えば鉄道車両600同士がオフセット衝突して互いのガイド部材70が接触すると、両鉄道車両600は互いに車幅方向に離れる方向に力がかかり、少なくとも一方の鉄道車両600の進行方向が変わる。その結果、鉄道車両600に加わる衝撃荷重を低減することができる。このように、本実施形態に係る鉄道車両600は、上述した中間連結部材50とガイド部材70の両方を採用することで、より安全な運行が可能である。
以上が本発明の実施形態についての説明である。このように、上述した鉄道車両は、車両長手方向端部に端梁を有する台枠と、側構体と、屋根構体とを備えた鉄道車両であって、車幅方向両端部に設けられ、側構体を構成する側外板と、端梁から屋根構体に向けて延びる隅柱と、側外板と前記隅柱とを連結し、車両長手方向の剛性が鉛直方向の剛性よりも小さな中間連結部材とを備える。そのため、車両が衝突して隅柱が変形したとしても、側外板と隅柱の間に位置する中間連結部材が変形することで、隅柱の変位量を吸収し、側外板の変形を抑えることができる。
また、上述した鉄道車両では、中間連結部材は、さらに、車両長手方向の剛性が車幅方向の剛性よりも小さくなるよう形成されている。これにより、中間連結部材に一定の車両幅方向の荷重がかかったとしても耐えることができる。
また、上述した鉄道車両では、中間連結部材は、隅柱を介して伝達された衝撃荷重により車両長手方向に潰れることで、衝撃荷重による側外板の変形を抑制する。このように、中間連結部材が車両長手方向に潰れることで、確実に衝撃荷重による側外板の変形を抑制することができる。
また、上述した鉄道車両において、中間連結部材は、隅柱を介して伝達された衝撃荷重により車両長手方向に潰れることで、衝撃荷重のうち少なくとも車両長手方向の力を吸収するように構成してもよい。これにより、隅柱で吸収する衝突荷重を軽減することができる。
また、上述した鉄道車両において、中間連結部材は、隅柱を介して伝達された衝撃荷重により車両長手方向に潰れることで、衝撃荷重が側外板及び屋根構体に伝達することを抑制する。これにより、側外板及び屋根構体の変形を抑制することができる。
また、上述した鉄道車両では、中間連結部材には、鉛直方向に延びる溝が形成されている。このような溝を形成することで、中間連結部材の車両長手方向の剛性を鉛直方向の剛性よりも小さくすることができる。
また、第1実施形態に係る鉄道車両では、隅柱は、側外板よりも車幅方向内方に配置され、中間連結部材は、その一端が隅柱の車幅方向外方の面に固定され、他端が側外板の車幅方向内方の面に固定されている。これにより、中間連結部材を配置する空間を最小限に抑えることができる。
また、第3実施形態に係る鉄道車両では、隅柱は、側外板の外方の面と面一となるように車幅方向両端部に配置され、中間連結部材は、その一端が隅柱の車幅方向内方の面に固定され、他端が側外板の車幅方向内方の面に固定される。隅柱の形状や配置によっては、このように構成するのが望ましい場合がある。
また、第4実施形態に係る鉄道車両では、中間連結部材は、2つの面板部と各面板部を結合して鉛直方向に延びるウエブ部とを有するダブルスキンパネルである。鉄道車両がダブルスキンパネル構造である場合には、中間連結部材もダブルスキンパネルとし、ウエブ部が鉛直方向に延びる方向に配置すれば、中間連結部材の車両長手方向の剛性を鉛直方向の剛性よりも小さくすることができる。
また、第6実施形態に係る鉄道車両では、隅柱の車両長手方向外方に配置され、車幅方向端部において、側外板に向かって車両長手方向後方に傾斜するガイド部材をさらに有している。これにより、例えば鉄道車両同士が衝突したとき衝撃荷重を低減することができるため、より確実に鉄道車両の室内空間を確保することができる。
以上、本発明の実施形態について図を参照して説明したが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
本発明によれば、衝突によって隅柱が変形したとしても、これに伴う側外板の変形を抑えることができる。よって、本発明は、鉄道車両の技術分野において有益である。
10 台枠
11 端梁
20 側構体
21 側外板
30 屋根構体
40 隅柱
50 中間連結部材
54 内面板部
55 外面板部
56 ウエブ部
70 ガイド部材
100、200、300、400、500、600 鉄道車両
鉄道車両の四隅に配置された隅柱は、衝突が起きても室内を保護できるよう高い強度が求められる。例えば特許文献1には、隅柱(54)に対応する位置に隅柱補強部材(58)を備えた鉄道車両が開示されている。
本発明のある形態に係る鉄道車両は、車両長手方向端部に端梁を有する台枠と、側構体と、屋根構体とを備えた鉄道車両であって、車幅方向両端部に設けられ、前記側構体を構成する側外板と、前記端梁から前記屋根構体に向けて延びる隅柱と、前記側外板と前記隅柱の車幅方向側面とを連結し、車両長手方向の剛性が鉛直方向の剛性よりも小さな中間連結部材とを備える。
以上では、鉄道車両100の構成が理解しやすいように最小限の構成に絞って説明したが、実際には図6に例示すように、中間連結部材50を覆うようにして先頭マスク22を取り付けるのが望ましい。先頭マスク22はFRPやステンレス鋼で形成することができるが、材料は特に限定されない。この先頭マスク22を鉄道車両100に取り付けることで、中間連結部材50が外部から見えなくなるため美観が損なわれず、また、走行中における空気抵抗を減らすこともできる。なお、先頭マスク22の剛性は隅柱40の剛性に比べるとはるかに小さい。すなわち、衝突による衝撃荷重が先頭マスク22を介して側外板21に伝わって、これが原因で側外板21が変形するようなことはない。
また、中間連結部材50もダブルスキンパネルであって、車幅方向内方に位置する内面板部54と、車幅方向外方に位置する外面板部55と、両面板部を結合するウエブ部56とを有している。そして、中間連結部材50は、押出方向が鉛直方向(紙面に対して垂直方向)と一致するように配置されている。すなわち、中間連結部材50は、ウエブ部56が鉛直方向に延びる方向に配置されている。このように、中間連結部材50がダブルスキンパネルであって、ウエブ部56が鉛直方向に延びる方向に配置されれば、隣接するウエブ部56の間の空洞が鉛直方向に延びることになる。これにより、中間連結部材50の車両長手方向の剛性を鉛直方向の剛性よりも小さくすることができる。
上記のとおり、本実施形態の中間連結部材50は、ウエブ部56が鉛直方向に延びるダブルスキンパネルとし、これに加え鉛直方向に延びる溝が形成されているため、これらが相まってより一層車両長手方向の剛性を小さくすることができる。なお、本実施形態では、内面板部54がコルゲート板状に形成されているが、内面板部54は平面状に形成されていてもよい。この場合であっても、中間連結部材50がダブルスキンパネルであることに変わりなく、内面板部54と外面板部55の間には鉛直方向に延びる空洞が形成される。そのため、中間連結部材50の車両長手方向の剛性を鉛直方向の剛性よりも小さくすることができる。

Claims (10)

  1. 車両長手方向端部に端梁を有する台枠と、側構体と、屋根構体とを備えた鉄道車両であって、
    車幅方向両端部に設けられ、前記側構体を構成する側外板と、
    前記端梁から前記屋根構体に向けて延びる隅柱と、
    前記側外板と前記隅柱とを連結し、車両長手方向の剛性が鉛直方向の剛性よりも小さな中間連結部材とを備える、鉄道車両。
  2. 前記中間連結部材は、さらに、車両長手方向の剛性が車幅方向の剛性よりも小さい、請求項1に記載の鉄道車両。
  3. 前記中間連結部材は、前記隅柱を介して伝達された衝撃荷重により車両長手方向に潰れることで、前記衝撃荷重による前記側外板の変形を抑制する、請求項1または2に記載の鉄道車両。
  4. 前記中間連結部材は、前記隅柱を介して伝達された衝撃荷重により車両長手方向に潰れることで、前記衝撃荷重のうち少なくとも車両長手方向の力を吸収する、請求項1または2に記載の鉄道車両。
  5. 前記中間連結部材は、前記隅柱を介して伝達された衝撃荷重により車両長手方向に潰れることで、前記衝撃荷重が前記側外板及び前記屋根構体に伝達することを抑制する、請求項1または2に記載の鉄道車両。
  6. 前記中間連結部材には、鉛直方向に延びる溝が形成されている、請求項1乃至5のうちいずれか一の項に記載の鉄道車両。
  7. 前記隅柱は、前記側外板よりも車幅方向内方に配置され、
    前記中間連結部材は、その一端が前記隅柱の車幅方向外方の面に固定され、他端が前記側外板の車幅方向内方の面に固定される、請求項1乃至6のうちいずれか一の項に記載の鉄道車両。
  8. 前記隅柱は、前記側外板の外方の面と面一となるように車幅方向両端部に配置され、
    前記中間連結部材は、その一端が前記隅柱の車幅方向内方の面に固定され、他端が前記側外板の車幅方向内方の面に固定される、請求項1乃至6のうちいずれか一の項に記載の鉄道車両。
  9. 前記中間連結部材は、2つの面板部と各面板部を結合して鉛直方向に延びるウエブ部とを有するダブルスキンパネルである、請求項1乃至8のうちいずれか一の項に記載の鉄道車両。
  10. 前記隅柱の車両長手方向外方に配置され、車幅方向端部において、前記側外板に向かって車両長手方向後方に傾斜するガイド部材をさらに有する、請求項1乃至9のうちいずれか一の項に記載の鉄道車両。
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