JP2005053306A - 鉄道車両の先頭部構体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両先頭部の強度を高めるとともに、衝突時における台枠と柱部材の分断を防止して、衝突安全性を向上させる。
【解決手段】 台枠２の端梁３に立設された貫通路柱６の下部車内側に板状の補強部材１８を車体前後方向に向けて配置し、該補強部材１８の上下方向に延びる側縁１８ａを貫通路柱６の下部車内側面６ａに接合するとともに、車体前後方向に延びる下縁１８ｂを床板１１に接合した。床板１１と貫通路柱６の下面及び床板１１と補強部材１８の下縁１８ａとの間に補強板１７を敷設した。台枠２の端梁３に立設される隅柱４の下端を端梁３下面にまで延長して端梁３に接合するとともに、隅柱４に側梁８を接合する。
【選択図】 図１

Description

本発明は、乗務員室が配置される車両の先頭部の強度を高め、衝突時の安全性を向上させた鉄道車両の先頭部構体に関する。
例えば、通勤車両タイプの鉄道車両では、衝突時の乗務員の安全を確保するために、車両の先頭部を構成する台枠の端梁や、該端梁に立設した隅柱及び貫通路柱等の骨組みや外板の板厚を増加させて強度を高め、変形を少なくする構造が採られている。また、車両の先頭部端に高剛性の衝突部材を設けるとともに、側梁、中梁等の縦梁間に高剛性の横梁を掛け渡し、衝突部材と横梁との間に、塑性変形により衝突時に車両前後方向に徐々に変形して衝撃を緩和する衝撃吸収部材を配置したものもある（例えば、特許文献１参照。）。
特開２００１−４８０１６号公報（第１〜３頁、図１〜６）
しかしながら、前者の構造では、板厚を増加させるだけでは強度の向上には限界があり、また、台枠は、前後方向の荷重に対しては強度の高い構造になっており、隅柱及び貫通路柱等が下端を台枠上に溶接されているので、衝突時に台枠と骨組みとが分断されるおそれがある。さらに、後者の構造では、車体の端面から衝撃吸収部材及び衝突部材が突出するので車体が長くなり、乗務員室の車体前後方向のスペースや乗客スペースが減少する。
そこで本発明は、車両先頭部の強度を高めるとともに、衝突時における台枠と柱部材の分断を防止して安全性の向上を図った鉄道車両の先頭部構体を提供することを目的としている。
上記した目的を達成するため、本発明は、端梁と側梁とで形成される枠体に床板を張って台枠を構成し、前記端梁に隅柱及び貫通路柱を立設する鉄道車両の先頭部構体において、前記貫通路柱の下部車内側に板状の補強部材を上下方向に向けて配設し、該補強部材の上下方向に延びる側縁を前記貫通路柱の下部車内側面に、車体前後方向に延びる下縁を前記床板にそれぞれ接合したことを特徴としている。また、前記床板と前記貫通路柱の下面及び前記床板と前記補強部材の下縁との間に補強板を敷設すること、前記隅柱は、その下端を前記端梁下面にまで延長して端梁に接合され、該隅柱に前記側梁が接合されていること、前記隅柱には、側面パネルが一体成形されていることが好ましい。
本発明によれば、強度を高めるためのスペースの減少を少なくして車両先頭部の強度を高め、衝突時における台枠と隅柱及び台枠と貫通路柱の分断を防止して、衝突安全性の高い先頭部構体とすることができる。
以下、本発明を図面に示される実施形態例に基づいて説明する。先頭部構体１は、台枠２の端梁３の両端部に隅柱４，４を立設するとともに、隅柱４，４の上部間に前桁５を掛け渡し、端梁３の中間部の一側寄りに通路６の間隔を存して貫通路柱７，７を立設し、該貫通路柱７，７の上部を前記前桁５に接合して骨組みを構成しており、隅柱４と貫通路柱７との間隔が広いほうが乗務員室のスペースとなる。
台枠２は、前記端梁３と、左右の側梁８，８と、側梁８，８間に結合される横梁９と、端梁３と横梁９間に結合される中梁１０，１０とで構成される枠体上面に床板１１を張って構成されている。
各隅柱４は、機械加工により、柱部４ａと側面パネル４ｂとを一体成形しており、柱部４ａは、その下端を端梁３の下面にまで延長する長さに形成されるとともに、全体の約１／５の長さの下部を車体前方へ傾斜させた後、残りの約４／５の長さの上部を車体後方へ傾斜させている。側面パネル４ｂは、柱部４ａに連続して側梁８の上部から屋根構体１２に至る高さで、乗務員室用入口１３の車端側柱１４から上部桟１５を覆う大きさに形成されている。各隅柱４は、柱部４ａ下部の車体幅方向内側面を端梁３の端部に接合されて端梁３に立設され、該柱部４ａ下部の車体前後方向内側面に前記側梁８がそれぞれ接合されている。各隅柱４の周囲の床板１１上には、端梁３から側梁８の上部に亘る補強板１６が敷設され、該補強板１６に、側面パネル４ｂの下縁が接合されている。
各貫通路柱７も、隅柱４と同様に、全体の約１／５の長さの下部を車体前方へ傾斜させた後、残りの約４／５の長さの上部を車体後方へ傾斜させている。貫通路柱７，７の下面の床板１１上には、端梁３から横梁９の上部に亘る台形状の補強板１７が敷設され、該補強板１７の端梁３上に前記貫通路柱７，７の下面が接合されている。各貫通路柱７の下部車内側には、板状の補強部材１８が上下方向に向けて配設されている。この補強部材１８は、略５角形に形成され、上下方向に延びる側縁１８ａが、前記貫通路柱７の下部車内側面７ａに接合され、また、補強部材１８の車体前後方向に延びる下縁１８ｂが前記補強板１７に接合されている。
このように構成することにより、各貫通路柱７は、台枠２の床板１１との間に接合された補強部材１８によって台枠２との結合強度が向上し、衝突時に台枠２からの分断が防止できるとともに、補強部材１８によって後方から支持されるので変形が少なくてすむ。
また、各隅柱４は、柱部４ａの下端が端梁３の下面にまで延長して端梁３に接合されていることと、一体成形された側面パネル４ｂが台枠２の側梁８上の床板１１に接合されていることと相俟って、台枠２との結合強度が向上し、衝突時に、隅柱４が台枠２上面から分断されることが防止できるとともに、側面パネル４ｂによって後方から支持されることから、隅柱４の変形が少なくてすむ。
さらに、補強板１６，１７を敷設したことによって、床板１１の局所的な変形を防止するとともに、先頭部構体から台枠２への荷重伝達がスムースに行われる。また、板状の補強部材１８を上下方向に向けて配設することにより、少ないスペースで貫通路柱７の補強ができる。さらに、隅柱４の柱部４ａと側面パネル４ｂとを一体成形することにより、溶接の熱影響による強度低下を避けることができる。
貫通路柱と補強部材との結合状態を示す断面側面図 図４のＩＩ−ＩＩ断面図 先頭部構体の骨組みを示す正面図 先頭部構体の側面図
符号の説明
１…先頭部構体、２…台枠、３…端梁、４…隅柱、４ａ…柱部、４ｂ…側面パネル、７…貫通路柱、７ａ…貫通路柱の車内側面、８…側梁、９…横梁、１０…中梁、１１…床板、１６，１７…補強板、１８…補強部材、１８ａ…補強部材の側縁、１８ｂ…補強部材の下縁

Claims (4)

  1. 端梁と側梁とで形成される枠体に床板を張って台枠を構成し、前記端梁に隅柱及び貫通路柱を立設する鉄道車両の先頭部構体において、前記貫通路柱の下部車内側に板状の補強部材を上下方向に向けて配設し、該補強部材の上下方向に延びる側縁を前記貫通路柱の下部車内側面に、車体前後方向に延びる下縁を前記床板にそれぞれ接合したことを特徴とする鉄道車両の先頭部構体。
  2. 前記床板と前記貫通路柱の下面及び前記床板と前記補強部材の下縁との間に補強板を敷設したことを特徴とする請求項１に記載の鉄道車両の先頭部構体。
  3. 前記隅柱は、その下端を前記端梁下面にまで延長して端梁に接合され、該隅柱に前記側梁が接合されていることを特徴とする請求項１又は２のいずれかに記載の鉄道車両の先頭部構体。
  4. 前記隅柱には、側面パネルが一体成形されていることを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載の鉄道車両の先頭部構体。
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