JP5337123B2 - 車体前部構造 - Google Patents
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Description
また、第2の衝撃吸収部材が第1の衝撃吸収部材よりも高剛性に形成されていることによって、第2の衝撃吸収部材の上下方向や前後方向の長さを短縮して小型化できるため、バンパビームの両側部をバンパビームエクステンションに取り付ける際に、第2の衝撃吸収部材がバンパビームとバンパビームエクステンションとの連結の妨げとならず、バンパビームを支障なくバンパビームエクステンションに取り付けることができる。
また、第2の衝撃吸収部材の上下方向や前後方向の長さを短縮できるため、第2の衝撃吸収部材の軽量化を図ることができる。
更に、第2の衝撃吸収部材の上下方向や前後方向の長さを短縮できるため、衝撃吸収部材の周囲を覆うように配置されるバンパフェイスを、第2の衝撃吸収部材に近接させ、バンパフェイスの外観形状をシャープにすることが可能となり、車体の意匠性を向上させることができる。
また、第2の衝撃吸収部材は、前後方向の中間部に上下外側へ突出するくの字状の折曲部を有する上壁及び下壁によって上下対称の断面形状に形成されていることにより、衝突荷重が上壁及び下壁に均等に伝達されるとともに、上壁及び下壁が折曲部を起点として折れ曲がるため、への字状に形成された下壁を有する第1の衝撃吸収部材に比べて、第2の衝撃吸収部材の剛性が高まる。したがって、第2の衝撃吸収部材の前後方向の長さを短縮して、変形ストロークを短くしても、十分な衝撃吸収量を確保することができる。
なお、本実施形態では、「前後」、「上下」、「左右」は、車両Cを基準にする。また、「車幅方向」とは「左右方向」と同義である。
図1及び図2に示すように、車体前部構造100は、車両Cの前部に配置されるフロントバンパビーム1と、フロントバンパビーム1の前面1aに固定されたセーフティプレート2と、フロントバンパビーム1及びセーフティプレート2の周囲を覆うように配置されるバンパフェイス3と、フロントバンパビーム1の両端部の後面に固定された一対のバンパビームエクステンション4,4と、前後方向に沿う状態で車幅方向に互いに離間して配置され、前面がバンパビームエクステンション4の後面に固定された一対のフロントサイドフレーム5,5と、車幅方向に離間して配置され、前面がバンパビームエクステンション4の後面に固定された一対のアッパメンバ6,6と、車両Cの車幅方向中央に配置され、略四角枠状に形成されたフロントバルクヘッド7(図3参照)と、アッパメンバ6とフロントバルクヘッド7とを連結するためのフロントバルクヘッドサポート8,8と、車両Cの前部外側面を形成するフェンダパネル9,9と、バンパビームエクステンション4、フロントバルクヘッド7及びフェンダパネル9に固定されるフロントアッパビーム10,10と、を備えて構成されている。
バンパビームとしてのフロントバンパビーム1は、図3に示すように、略車幅方向に延在している。フロントバンパビーム1は、図5及び図6に示すように、閉断面を有するアルミニウム押出形材から形成されている。すなわち、フロントバンパビーム1は、縦断面略目字状を軸方向に延伸した中空形状に形成されている。
フロントバンパビーム1は、前壁11と、後壁12と、上下一対の横壁13,13と、リブ14,14と、を有する。
セーフティプレート2は、中央セーフティプレート21と、左右一対のコーナセーフティプレート22,22と、を有する。中央セーフティプレート21とコーナセーフティプレート22とは、別体で(分割して)構成されている。
中央セーフティプレート21は、1枚の鋼板を5箇所で折り曲げて形成されており、上壁21aと、下壁21bと、前壁21cと、を有する。
なお、上壁21aの接合部21d及び下壁21bの接合部21eの適所は、透孔11aの開口縁形状に合わせて円弧状に切り欠かれている(図3及び図4参照)。また、折曲部21fは、フロントバンパビーム1寄りの位置に形成されている。
コーナセーフティプレート22は、1枚の鋼板を5箇所で折り曲げて形成されており、上壁22aと、下壁22bと、前壁22cと、を有する。
なお、上壁22aの接合部22d及び下壁22bの接合部22hの適所は、透孔11aの開口縁形状に合わせて円弧状に切り欠かれている(図3及び図4参照)。また、上壁後部22gと下壁後部22kとは、上下に離間して平行に対向する一対の水平面を成しており、リブ14に水平方向に一致して配置されている。
なお、図4に示すように、中央セーフティプレート21の前壁21cは、コーナセーフティプレート22の前壁22cより低い位置にある。また、中央セーフティプレート21の前壁21cは、フロントバンパビーム1の上下方向の中心より低い位置にあり、コーナセーフティプレート22の前壁22cは、フロントバンパビーム1の上下方向の中心と同じ位置にある。
なお、図7〜図8においては、説明の便宜上、バンパフェイス等を省略して描いている。
下壁21bが下方へ向かって折れ曲がると、中央セーフティプレート21全体が初期状態よりも下方に向かって傾斜する。
このように下壁21bが下方へ向かって折れ曲がるとともに、中央セーフティプレート21全体が初期状態よりも下方に向かって傾斜することで、衝突時の衝突エネルギを吸収することができる。
下壁22bが下方へ折れ曲がるだけで衝突エネルギを吸収できない場合には、図8(c)に示すように、上壁22aが折曲部22eを起点として上方へ向かって変形(座屈)するとともに、下壁22bが折曲部22iを起点として下方へ向かって変形する。また、前壁22cが後方へ向かって変形する。
このように上壁22a、下壁22b及び前壁22cが変形することで、衝突時の衝突エネルギを吸収することができる。
なお、フロントバンパビーム1は、変形中のセーフティプレート2を安定して支持しつつも、セーフティプレート2の変形を阻害することがないように適度に変形する。
更に、本実施形態では、コーナセーフティプレート22の上壁22a及び下壁22bが、上下に離間して平行に対向し、かつ前後方向に直線状に延在する上壁後部22g及び下壁後部22kを有することにより、前方からの衝突荷重Pに対して上壁後部22g及び下壁後部22kで対抗できるため(座屈荷重が大きくなるため)、上下に離間して平行に対向し、かつ前後方向に直線状に延在する部分を有していない中央セーフティプレート21に比べて、コーナセーフティプレート22の剛性が一層高まる。
したがって、コーナセーフティプレート22の前後方向の長さを短縮して、変形ストロークを短くしても、十分な衝撃吸収量を確保することができる。
本実施形態では、フロントバンパビーム1とセーフティプレート2とは、溶接により固定されているが、これに限定されるものではなく、例えば、接着、ボルト、リベットなどの手段により固定されてもよい。
100 車体前部構造
1 フロントバンパビーム(バンパビーム)
1a 前面
14 リブ
15 中央部
16 側部
2 セーフティプレート(衝撃吸収部材)
21 中央セーフティプレート(第1の衝撃吸収部材)
21a 上壁
21b 下壁
21c 前壁
21f 折曲部
22 コーナセーフティプレート(第2の衝撃吸収部材)
22a 上壁
22b 下壁
22c 前壁
22e 折曲部
22i 折曲部
P 衝突荷重
W 歩行者
T 腿
K 膝
S 脛
Claims (4)
- 略車幅方向に延在するバンパビームと、
前記バンパビームの前面に固定され、衝突荷重が加わったときに変形することで衝突エネルギを吸収する衝撃吸収部材と、を備える車体前部構造であって、
前記バンパビームは、
当該バンパビームの車幅方向の中央に形成された略直線状の中央部と、
前記中央部の両端から屈曲され、車外側に向かうほど後方に位置するように傾斜した両側部と、を有し、
前記衝撃吸収部材は、
前記中央部に沿って固定され、鋼板を折り曲げて形成された第1の衝撃吸収部材と、
前記第1の衝撃吸収部材とは別体で構成され、前記各側部に沿って固定され、鋼板を折り曲げて形成された一対の第2の衝撃吸収部材と、を有し、
前記各第2の衝撃吸収部材は、前記第1の衝撃吸収部材よりも高剛性に形成され、
前記第1の衝撃吸収部材は、前記バンパビームから前方に向かって先細りとなる縦断面視略V字状を呈しており、
前記第1の衝撃吸収部材の下壁は、根元部で上方へ突出するように折り曲げられることにより、への字状に形成されており、
前記各第2の衝撃吸収部材は、前後方向の中間部に上下外側へ突出するくの字状の折曲部を有する上壁及び下壁によって上下対称の断面形状に形成されるとともに、前記折曲部よりも前方の部分が前方に向かって先細りとなる形状に形成されていることを特徴とする車体前部構造。 - 前記各第2の衝撃吸収部材は、当該第2の衝撃吸収部材の延在方向に沿って同一の断面形状に形成されており、
前記各第2の衝撃吸収部材は、前記各側部に固定された状態で、車外側に向かうほど後方に位置するように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。 - 前記第1の衝撃吸収部材の先端は、前記各第2の衝撃吸収部材の先端より低い位置にあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車体前部構造。
- 前記バンパビームは、アルミニウム押出形材から形成され、
前記バンパビームには、当該バンパビームの延在方向に沿ってリブが形成されており、
前記各第2の衝撃吸収部材の上壁及び下壁は、前記リブに水平方向に一致して配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の車体前部構造。
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