JPWO2013154043A1 - ポリエステル中空成形体およびポリエステル中空成形体を成形する方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ヒンダードフェノール構造単位を0.035〜1.75当量/ton含み、重合触媒としてアンチモン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するポリエステル樹脂組成物からなる中空成形体であって、環状三量体含有量が0.5質量%以下、アセトアルデヒド含有量が50ppm以下、固有粘度が0.68〜0.90dL/gである耐熱性ポリエステル中空成形体であり、透明性および耐熱寸法安定性の優れた成形体、特に耐熱性中空成形体を効率よく生産することが可能となる。また本発明は、金型を汚すことの少ない長時間連続成形性に優れたポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形体、ならびに該ポリエステル樹脂組成物を用いたポリエステル中空成形体を成形する方法を提供する。
Description
本発明は、耐熱性ポリエステル中空成形体に関し、特に、溶融成形時の長時間連続成形性に優れたポリエステル樹脂組成物からなり、透明性及び耐熱寸法安定性に優れた耐熱ポリエステル中空成形体に関するものである。また、本発明のポリエステル樹脂組成物から、連続的に耐熱中空成形体を成形した際、該中空成形体は優れた透明性を長期間にわたり維持する特性を有する。
主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエステル(以下PETと略称することがある)は、その優れた透明性、機械的強度、耐熱性、ガスバリヤー性等の特性により、炭酸飲料、ジュース、ミネラルウォータ等の容器の素材として採用されており、その普及はめざましいものがある。これらの用途において、ポリエステル製ボトルに高温で殺菌した飲料を熱充填したり、また飲料を充填後高温で殺菌したりするが、通常のポリエステル製ボトルでは、このような熱充填処理時等に収縮、変形が起こり問題となる。
ポリエステル製ボトルの耐熱性を向上させる方法として、ボトル口栓部を熱処理して結晶化度を高めたり、また延伸したボトルを熱固定させたりする方法が提案されている。特に、口栓部の結晶化が不十分であったり、また結晶化度のばらつきが大きい場合にはキャップとの密封性が悪くなり、内容物の漏れが生ずることがある。
果汁飲料、ウーロン茶およびミネラルウォータなどのように熱充填を必要とする飲料の場合には、前記のようにプリフォ−ムまたは成形されたボトルの口栓部を熱処理して結晶化する方法が一般的である。このような方法、すなわち口栓部、肩部を熱処理して耐熱性を向上させる方法は、結晶化処理をする時間・温度が生産性に大きく影響するので、その原料としては、低温でかつ短時間で処理できる、結晶化速度が速いPETであることが好ましい。
果汁飲料、ウーロン茶およびミネラルウォータなどのように熱充填を必要とする飲料の場合には、前記のようにプリフォ−ムまたは成形されたボトルの口栓部を熱処理して結晶化する方法が一般的である。このような方法、すなわち口栓部、肩部を熱処理して耐熱性を向上させる方法は、結晶化処理をする時間・温度が生産性に大きく影響するので、その原料としては、低温でかつ短時間で処理できる、結晶化速度が速いPETであることが好ましい。
一方、胴部についてはボトル内容物の色調の視認を悪化させないように、成形時の熱処理を施しても透明であることが要求されており、口栓部と胴部では相反する特性が必要である。
また、ボトル胴部の耐熱性を向上させるため、延伸ブロー成形により得られる成形品を成形ブロー型から取り出した後、熱固定用の金型内に保持して熱固定を行う方法(例えば、特許文献1参照)や、ブロー成形型中で延伸ブロー成形と同時に熱固定を行う方法(例えば、特許文献2参照)が知られている。また、一次金型中で延伸ブロー成形と同時に熱処理を行い、成形品を取り出してこれを冷却することなく、二次処理金型中でブロー成形する方法(例えば、特許文献3参照)も知られている。
また、ボトル胴部の耐熱性を向上させるため、延伸ブロー成形により得られる成形品を成形ブロー型から取り出した後、熱固定用の金型内に保持して熱固定を行う方法(例えば、特許文献1参照)や、ブロー成形型中で延伸ブロー成形と同時に熱固定を行う方法(例えば、特許文献2参照)が知られている。また、一次金型中で延伸ブロー成形と同時に熱処理を行い、成形品を取り出してこれを冷却することなく、二次処理金型中でブロー成形する方法(例えば、特許文献3参照)も知られている。
しかし、このような方法によって同一金型を用いてボトルの長時間連続成形を続けると、長時間の運転に伴って、得られるボトルが白化して、透明性が低下し、商品価値のないボトルしか得られなくなる。これは金型表面にPETに起因する付着物が付き、その結果金型汚れとなり、この金型汚れがボトルの表面に転写するためであることが分かってきている。特に、近年では、コストダウンのためにボトルの成形速度が高速化されてきており、生産性の面から口栓部の結晶化のための加熱時間短縮や金型汚れは、より大きな問題となってきている。
また、PETをシート状物に押出し、これを二軸方向に延伸して延伸フィルムを製造するが、この際、未延伸フィルムの冷却ロールや延伸ロールにPETに起因する付着物が付き、シ−ト状物や延伸フィルムの生産操業性に悪影響を与え、また得られた製品の透明性も悪くなり問題となる。
こうした金型汚れの問題に対して、従来から、金型表面への付着物の主成分である環状三量体を、あらかじめPETを固相重合しておいて減少させる方法が行われている。この方法では再溶融してパリソン成形する際に環状三量体が再生するため、その効果は不十分である。また、ポリエステルを90〜110℃の水で処理して触媒の活性を抑制し、パリソン成形時の環状三量体の生成を制御する方法(例えば、特許文献4、5参照)が開示されている。しかしながら、この方法では水処理のための設備投資が必要となるために固定費増加となり、金型汚れは一応低減されるものの、まだ不十分であり、充分な効果が得られない場合があることが判って来た。特に、小型耐熱性中空成形体を高速成形機によって連続長時間成形により生産する場合は、加熱金型への付着物の蓄積が非常に多くなる。この付着物が原因となって、得られた成形体の透明性が非常に悪くなると同時に、金型の掃除に大変な労力が必要となるなどの問題が生じるために、より安価な方法による解決が望まれている。
更には、熱劣化が少ない中空成形体を与えるポリエステルも提案されているが、得られた製品の透明性も悪くなり問題となる(例えば、特許文献6参照)。
更には、熱劣化が少ない中空成形体を与えるポリエステルも提案されているが、得られた製品の透明性も悪くなり問題となる(例えば、特許文献6参照)。
また、PETに少量のポリオレフィン樹脂を添加したPET樹脂組成物(以下、C−PETと称することがある)からなるポリエステルシート(以下、「C−PETシート」と称することがある)や、PETに少量のポリオレフィン樹脂および熱安定剤あるいは結晶核剤を配合したPET樹脂組成物からなるC−PETシート(例えば、特許文献7〜10参照)は、成形性、耐衝撃性、ガスバリヤー性及び耐熱性に優れており、C−PETシートからなる容器は安価な加圧加熱処理用容器として広く使用されている。
前記C−PETシートは、真空成形機などで加熱金型によって連続的に加熱成形されるが、この際、金型にPETオリゴマーやポリオレフィン樹脂およびこのオリゴマーなどが次第に付着蓄積し、その結果、加熱金型面と前記C−PETシートとの離型性が悪くなったり、容器の内面の光沢が悪くなったりして問題となり、解決が望まれている。
前記C−PETシートは、真空成形機などで加熱金型によって連続的に加熱成形されるが、この際、金型にPETオリゴマーやポリオレフィン樹脂およびこのオリゴマーなどが次第に付着蓄積し、その結果、加熱金型面と前記C−PETシートとの離型性が悪くなったり、容器の内面の光沢が悪くなったりして問題となり、解決が望まれている。
本発明は、上記従来の技術の有する問題点を解決し、透明性および耐熱寸法安定性の優れた成形体、特に耐熱性中空成形体を効率よく生産することを可能とする。また、本発明は金型を汚すことの少ない長時間連続成形性に優れたポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形体、ならびに該ポリエステル樹脂組成物を用いたポリエステル中空成形体を成形する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、以下の構成を有する。
[1] ヒンダードフェノール構造単位を0.035〜1.75当量/ton含み、重合触媒としてアンチモン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するポリエステル樹脂組成物からなる中空成形体であって、環状三量体含有量が0.5質量%以下、アセトアルデヒド含有量が50ppm以下、固有粘度が0.68〜0.90dL/gであることを特徴とするポリエステル中空成形体。
[2] 前記ポリエステル樹脂組成物が、重合触媒の失活処理がされていないポリエステル樹脂組成物であることを特徴とする[1]に記載のポリエステル中空成形体。
[3] 前記ヒンダードフェノール構造単位が、金属塩構造を含まないヒンダードフェノール化合物由来であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のポリエステル中空成形体。
[4] ポリエステル樹脂組成物の耐熱酸化分解パラメーター(TOD)が、0.10以下であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のポリエステル中空成形体。
[5] ヒンダードフェノール構造単位を0.035〜1.75当量/ton含み、重合触媒としてアンチモン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するポリエステル樹脂組成物を用いて、一つの金型あたり10000回以上ブロー成形金型を清掃することなく連続して、環状三量体含有量が0.5質量%以下、アセトアルデヒド含有量が50ppm以下、固有粘度が0.68〜0.90dL/gであるポリエステル中空成形体を成形する方法。
[6] 前記ポリエステル樹脂組成物が、重合触媒の失活処理がされていないポリエステル樹脂組成物であることを特徴とする[5]に記載のポリエステル中空成形体を成形する方法。
[7] 前記ヒンダードフェノール構造単位が、金属塩構造を含まないヒンダードフェノール化合物由来であることを特徴とする[5]又は[6]に記載のポリエステル中空成形体を成形する方法。
即ち、本発明は、以下の構成を有する。
[1] ヒンダードフェノール構造単位を0.035〜1.75当量/ton含み、重合触媒としてアンチモン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するポリエステル樹脂組成物からなる中空成形体であって、環状三量体含有量が0.5質量%以下、アセトアルデヒド含有量が50ppm以下、固有粘度が0.68〜0.90dL/gであることを特徴とするポリエステル中空成形体。
[2] 前記ポリエステル樹脂組成物が、重合触媒の失活処理がされていないポリエステル樹脂組成物であることを特徴とする[1]に記載のポリエステル中空成形体。
[3] 前記ヒンダードフェノール構造単位が、金属塩構造を含まないヒンダードフェノール化合物由来であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のポリエステル中空成形体。
[4] ポリエステル樹脂組成物の耐熱酸化分解パラメーター(TOD)が、0.10以下であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のポリエステル中空成形体。
[5] ヒンダードフェノール構造単位を0.035〜1.75当量/ton含み、重合触媒としてアンチモン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するポリエステル樹脂組成物を用いて、一つの金型あたり10000回以上ブロー成形金型を清掃することなく連続して、環状三量体含有量が0.5質量%以下、アセトアルデヒド含有量が50ppm以下、固有粘度が0.68〜0.90dL/gであるポリエステル中空成形体を成形する方法。
[6] 前記ポリエステル樹脂組成物が、重合触媒の失活処理がされていないポリエステル樹脂組成物であることを特徴とする[5]に記載のポリエステル中空成形体を成形する方法。
[7] 前記ヒンダードフェノール構造単位が、金属塩構造を含まないヒンダードフェノール化合物由来であることを特徴とする[5]又は[6]に記載のポリエステル中空成形体を成形する方法。
本発明に係るポリエステル樹脂組成物は、溶融成形時の長時間連続成形性に優れ、透明性及び耐熱寸法安定性に優れたポリエステル成形体を効率よく生産することが可能なポリエステル樹脂組成物である。さらに前記ポリエステル樹脂組成物から得られる成形体は、食品あるいは飲料用等の容器、包装材料、特に耐熱性容器として好適に用いられる。
また、本発明に係るポリエステル樹脂組成物を用いて延伸ブロー中空成形体やシート状物を真空成形、圧空成形などの成形法により成形した中空成形体では、150℃以上の高温度に於ける熱固定(ヒート・セット)時に成形体などの表面の肌荒れの発生が少なく、長時間連続生産時でも表面光沢と透明性が低下しない利点を有する。
また、本発明に係るポリエステル樹脂組成物を用いて延伸ブロー中空成形体やシート状物を真空成形、圧空成形などの成形法により成形した中空成形体では、150℃以上の高温度に於ける熱固定(ヒート・セット)時に成形体などの表面の肌荒れの発生が少なく、長時間連続生産時でも表面光沢と透明性が低下しない利点を有する。
以下、本発明の耐熱性ポリエステル中空成形体、並びにそれを構成するポリエステル樹脂組成物の実施の形態を具体的に説明する。
ポリエステル樹脂組成物は、ヒンダードフェノール化合物を添加することにより、ヒンダードフェノール構造単位を含んだものとなる。
本発明で用いられるヒンダードフェノール化合物としては、ヒンダードフェノール構造を有する化合物であれば特に限定はされないが、OH基の両隣がt−ブチル基であるもの、一方がt−ブチル基で他方がメチル基である物(セミヒンダードフェノール)、一方がt−ブチル基で他方が水素である物(レスヒンダードフェノール)すべてを含む。したがって、ヒンダードフェノール構造単位とは、OH基の両隣がt−ブチル基であるフェノール構造、一方がt−ブチル基で他方がメチル基であるフェノール構造(セミヒンダードフェノール)、一方がt−ブチル基で他方が水素であるフェノール構造(レスヒンダードフェノール)すべてを指す。また、下記例示の化合物のように、t−ブチル基は、イソプロピル基等の嵩高い基であっても構わない。
また、ヒンダードフェノール化合物を重合中に添加した場合などでは、ヒンダードフェノール化合物がポリエステル中に取り込まれることもあるが、このようにポリエステル分子鎖中に取り込まれたヒンダードフェノール構造部分も含める物とする。
本発明で用いられるヒンダードフェノール化合物としては、ヒンダードフェノール構造を有する化合物であれば特に限定はされないが、OH基の両隣がt−ブチル基であるもの、一方がt−ブチル基で他方がメチル基である物(セミヒンダードフェノール)、一方がt−ブチル基で他方が水素である物(レスヒンダードフェノール)すべてを含む。したがって、ヒンダードフェノール構造単位とは、OH基の両隣がt−ブチル基であるフェノール構造、一方がt−ブチル基で他方がメチル基であるフェノール構造(セミヒンダードフェノール)、一方がt−ブチル基で他方が水素であるフェノール構造(レスヒンダードフェノール)すべてを指す。また、下記例示の化合物のように、t−ブチル基は、イソプロピル基等の嵩高い基であっても構わない。
また、ヒンダードフェノール化合物を重合中に添加した場合などでは、ヒンダードフェノール化合物がポリエステル中に取り込まれることもあるが、このようにポリエステル分子鎖中に取り込まれたヒンダードフェノール構造部分も含める物とする。
ヒンダードフェノール構造単位を含有するポリエステル樹脂組成物は、ポリエステルにヒンダードフェノール化合物を添加することによって得られる。ヒンダードフェノール化合物はポリエステルの重合時に添加しても良いし、重合後に添加しても良い。重合後に添加する際はマスターバッチを作製して添加する方法が好ましい。また、重合時に揮散しやすいヒンダードフェノール化合物は重合後に添加する方が好ましい。
ポリエステル樹脂組成物中のヒンダードフェノール構造単位の含有量(添加量)は、0.035〜1.75当量/tonである。ヒンダードフェノール構造単位の含有量(添加量)の下限は、好ましくは0.042当量/tonであり、より好ましくは0.052当量/tonであり、さらに好ましくは0.07当量/tonであり、特に好ましくは0.23当量/tonである。ヒンダードフェノール構造単位の含有量(添加量)の上限は、好ましくは0.75当量/tonであり、より好ましくは0.65当量/tonである。
ポリエステル樹脂組成物中のヒンダードフェノール構造単位の含有量(添加量)が、0.035当量/ton未満や1.75当量/tonを超えると、下記に示す評価法(ボトル連続成形によるポリエステルの成形評価法)によって評価した際に10000本目の延伸中空成形体の胴部のヘイズを4.0以下に維持することが出来なくなる傾向にあり好ましくない。
ヒンダードフェノール化合物が重合時に揮散しやすい場合は、事前に重合テストを行い、揮散する割合を確認した上で、所定の含有量となるように添加量を確定して重合時に添加しても良い。
ポリエステル樹脂組成物中のヒンダードフェノール構造単位の含有量(添加量)は、0.035〜1.75当量/tonである。ヒンダードフェノール構造単位の含有量(添加量)の下限は、好ましくは0.042当量/tonであり、より好ましくは0.052当量/tonであり、さらに好ましくは0.07当量/tonであり、特に好ましくは0.23当量/tonである。ヒンダードフェノール構造単位の含有量(添加量)の上限は、好ましくは0.75当量/tonであり、より好ましくは0.65当量/tonである。
ポリエステル樹脂組成物中のヒンダードフェノール構造単位の含有量(添加量)が、0.035当量/ton未満や1.75当量/tonを超えると、下記に示す評価法(ボトル連続成形によるポリエステルの成形評価法)によって評価した際に10000本目の延伸中空成形体の胴部のヘイズを4.0以下に維持することが出来なくなる傾向にあり好ましくない。
ヒンダードフェノール化合物が重合時に揮散しやすい場合は、事前に重合テストを行い、揮散する割合を確認した上で、所定の含有量となるように添加量を確定して重合時に添加しても良い。
ヒンダードフェノール化合物としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジシクロヘキシル−4−メチルフェノール、2,6−ジイソプロピル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−アミル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−オクチル−4−n−プロピルフェノール、2,6−ジシクロヘキシル−4−n−オクチルフェノール、2−イソプロピル−4−メチル−6−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−2−エチル−6−tert−オクチルフェノール、2−イソブチル−4−エチル−6−tert−ヘキシルフェノール、2−シクロヘキシル−4−n−ブチル−6−イソプロピルフェノール、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオジエチレン−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4,4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−tert−ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、トリス(4−tert−ブチル−2,6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート]メタン、ビス[(3,3−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチリックアシッド)グリコールエステル、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、2,2’−オギザミドビス[エチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2−tert−ブチル−4−メチル−6−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス[1,1−ジメチル2−{β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、2,2−ビス[4−(2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシシンナモイルオキシ))エトキシフェニル]プロパン、β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステル、テトラキス−[メチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、チオジエチレン−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコール−ビス−[−3−(3’−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)]プロピオネート、1,1,3−トリス[2−メチル−4−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−5−tert−ブチルフェニル]ブタンなどを挙げることができる。これらは、同時に二種以上を併用することもできる。これらのうち、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、チオジエチレン−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が好ましい。これらの化合物はIrganox(R)として市販されている。これらの中でも、20℃での蒸気圧が1.0×10−5Pa以下、さらには1.0×10−6Pa以下、特には1.0×10−7Pa以下のものが成形時の揮散低減のためには好ましい。また、重合時に添加する場合には、重縮合での留出防止のため1.0×10−10Pa以下であることが好ましい。
ヒンダードフェノール化合物としては、上記の化合物が使用可能であるが、本発明において、ヒンダードフェノール構造単位は、金属塩構造を含まないヒンダードフェノール化合物由来であることが好ましい。金属塩構造を含むヒンダードフェノール化合物を用いた場合、得られるポリエステル中空成形体の透明性が悪くなることがある。
ポリエステル樹脂組成物からボトル(中空成形体)を連続生産する際、ボトルヘイズが悪化するメカニズムの詳細は不明であるが、ブロー成形機の熱によりポリエステル中の分解物(オリゴマー)が金型面へ付着後、更にポリエステル中の環状三量体が析出付着することで、ボトルヘイズが悪化しているものとして推察される。
ポリエステル組成物が上記範囲のヒンダードフェノール構造を上記の範囲で含有することにより、溶融時やブロー成形機での熱によるポリエステル分解物を効果的に抑え、糊の役割を持つポリエステルの分解物を抑制することで、環状三量体が析出しても付着量が少なくなり、ボトルを連続生産する際のボトルヘイズの低下が防げる。
ヒンダードフェノールを含有しない場合、糊の役割を持つポリエステルの分解物が増えることで析出した環状三量体付着量が多くなり、ボトルヘイズが悪化すると考えられる。
ポリエステル組成物が上記範囲のヒンダードフェノール構造を上記の範囲で含有することにより、溶融時やブロー成形機での熱によるポリエステル分解物を効果的に抑え、糊の役割を持つポリエステルの分解物を抑制することで、環状三量体が析出しても付着量が少なくなり、ボトルを連続生産する際のボトルヘイズの低下が防げる。
ヒンダードフェノールを含有しない場合、糊の役割を持つポリエステルの分解物が増えることで析出した環状三量体付着量が多くなり、ボトルヘイズが悪化すると考えられる。
従来、通常に使用されているヒンダードフェノールの添加量より少ない範囲で添加することで、下記に示す評価法(ボトル連続成形によるポリエステルの成形評価法)によって評価した際に、5000本目、さらには10000本目の延伸中空成形体の胴部のヘイズを4.0%以下に維持できる効果があることは驚くべきことである。
ヒンダードフェノール構造単位の含有量(添加量)が1.75当量/tonを超えると、ボトルを連続生産する際のボトルヘイズの低下が見られる傾向にある。ボトルヘイズが悪化するメカニズムの詳細は不明であるが、ヒンダードフェノールがブリードアウトして金型面へ付着すためと推察される。
このようにボトルヘイズの悪化の原因が、環状三量体の増加より、むしろポリエステル分解物の生成であることを突き止め、特定の範囲量のヒンダードフェノールが、ポリエステル分解物の生成の抑制に効果的であることを見出した点が本願発明のポイントである。
金属塩構造を含まないヒンダードフェノール化合物を用いることで、上記評価法で5000本目、さらには10000本目の延伸中空成形体の胴部のヘイズを3.0%以下に維持できる。
ヒンダードフェノール構造単位の含有量(添加量)が1.75当量/tonを超えると、ボトルを連続生産する際のボトルヘイズの低下が見られる傾向にある。ボトルヘイズが悪化するメカニズムの詳細は不明であるが、ヒンダードフェノールがブリードアウトして金型面へ付着すためと推察される。
このようにボトルヘイズの悪化の原因が、環状三量体の増加より、むしろポリエステル分解物の生成であることを突き止め、特定の範囲量のヒンダードフェノールが、ポリエステル分解物の生成の抑制に効果的であることを見出した点が本願発明のポイントである。
金属塩構造を含まないヒンダードフェノール化合物を用いることで、上記評価法で5000本目、さらには10000本目の延伸中空成形体の胴部のヘイズを3.0%以下に維持できる。
ポリエステル樹脂組成物中のポリエステルは、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレ−トであるポリエステルであることが好ましく、より好ましくはエチレンテレフタレ−ト単位を85モル%以上含む線状ポリエステルであり、さらに好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95%モル以上含む線状ポリエステルである。
前記ポリエステルが共重合体である場合に使用される共重合成分としてのジカルボン酸としては、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−4,4−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸や蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルナンジカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸などに例示される脂肪族ジカルボン酸や脂環族ジカルボン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸を用いることが出来る。
また、ヒドロキシカルボン酸を併用しても良い。該ヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、ヒドロキシ酢酸、3−ヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
また、環状エステルの併用も許容される。該環状エステルとしては、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、β−メチル−β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、グリコリド、ラクチドなどが挙げられる。
これらのジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸などの共重合成分は、カルボン酸成分のうち、0〜15モル%が好ましく、より好ましくは0〜5モル%の範囲で用いることができる。
また、環状エステルの併用も許容される。該環状エステルとしては、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、β−メチル−β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、グリコリド、ラクチドなどが挙げられる。
これらのジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸などの共重合成分は、カルボン酸成分のうち、0〜15モル%が好ましく、より好ましくは0〜5モル%の範囲で用いることができる。
前記ポリエステルが共重合体である場合に使用される共重合成分としてのグリコ−ルとしては、例えば、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの脂肪族グリコール、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビスフェノール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物などの芳香族グリコールなどが挙げられる。これらのジグリコールなどの共重合成分は、ジオール成分のうち、0〜15モル%が好ましく、より好ましくは0〜5モル%の範囲で用いることができる。
さらに、前記ポリエステルが共重合体である場合に使用される共重合成分としての3官能以上の多価カルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、メチルシクロへキセントリカルボン酸、オキシジフタル酸二無水物(ODPA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、4,4’−(ヘキサフロロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)2,2’−ビス[(ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(BSAA)などをあげることができる。また、前記ポリエステルが共重合体である場合に使用される共重合成分としての3官能以上のポリオールとしては、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールペンタン、トリメチロールプロパンを挙げることができる。これらの中から、1種または2種以上を選択して使用できる。
また、前記ポリエステルには、公知のリン化合物を共重合成分として含むことができる。リン系化合物としては二官能性リン系化合物が好ましく、たとえば(2−カルボキシルエチル)メチルホスフィン酸、(2−カルボキシエチル)フェニルホスフィン酸、9,10−ジヒドロ−10−オキサ−(2,3−カルボキシプロピル)−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイドなどが挙げられる。これらのリン系化合物を共重合成分として含むことで、得られるポリエステルの難燃性などを向上させることが可能である。
以下、本発明におけるポリエステル樹脂組成物に関して説明するが、上記ポリエステル以外の成分は、ヒンダードフェノール構造単位や触媒成分等いずれも微量であるため、便宜上「ポリエステル」と略記する場合がある。
上記のポリエステルは、従来公知の製造方法によって製造することが出来る。即ち、PETの場合には、テレフタル酸とエチレングリコ−ル及び必要により他の共重合成分を直接反応させて水を留去し、エステル化して得た低次縮合物を重合触媒の存在の下に減圧下で重縮合させる直接エステル化法、または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコ−ル及び必要により他の共重合成分をエステル交換触媒の存在下に反応させてメチルアルコ−ルを留去しエステル交換して得た低次縮合物を重合触媒の存在の下に減圧下で重縮合を行うエステル交換法により製造される。さらに必要に応じて固有粘度を増大させ、アセトアルデヒド含有量や環状三量体含有量等を低下させる為に固相重合を行ってもよい。固相重合前の結晶化促進のため、溶融重合ポリエステルを吸湿させたあと加熱結晶化させたり、また水蒸気を直接ポリエステルチップに吹きつけて加熱結晶化させたりしてもよい。
上記のポリエステルは、従来公知の製造方法によって製造することが出来る。即ち、PETの場合には、テレフタル酸とエチレングリコ−ル及び必要により他の共重合成分を直接反応させて水を留去し、エステル化して得た低次縮合物を重合触媒の存在の下に減圧下で重縮合させる直接エステル化法、または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコ−ル及び必要により他の共重合成分をエステル交換触媒の存在下に反応させてメチルアルコ−ルを留去しエステル交換して得た低次縮合物を重合触媒の存在の下に減圧下で重縮合を行うエステル交換法により製造される。さらに必要に応じて固有粘度を増大させ、アセトアルデヒド含有量や環状三量体含有量等を低下させる為に固相重合を行ってもよい。固相重合前の結晶化促進のため、溶融重合ポリエステルを吸湿させたあと加熱結晶化させたり、また水蒸気を直接ポリエステルチップに吹きつけて加熱結晶化させたりしてもよい。
前記溶融重縮合反応は、回分式反応装置で行っても良いし、また連続式反応装置で行っても良い。これらいずれの方式においても、溶融重縮合反応は1段階で行っても良いし、また多段階に分けて行っても良い。固相重合反応は、溶融重縮合反応と同様、回分式装置や連続式装置で行うことが出来る。溶融重縮合と固相重合は連続で行っても良いし、分割して行ってもよい。
また、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ベンジルジメチルアミンなどの第3級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウムなどの水酸化第4級アンモニウムおよび炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウムなどの塩基性化合物を少量添加して実施すると、ポリエチレンテレフタレ−トの主鎖中のジオキシエチレンテレフタレ−ト成分単位の割合を比較的低水準(全ジオ−ル成分に対して5モル%以下)に保持できるので好ましい。
上記のポリエステルは、例えば、下記のようにして製造することができるが、これに限定するものではない。ポリエステルを重合する重合触媒としては、アンチモン化合物から選ばれた少なくとも1種を用いて製造することができる。
前記アンチモン化合物としては、例えば、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン、酒石酸アンチモン、酒石酸アンチモンカリ、オキシ塩化アンチモン、アンチモングリコレ−ト、五酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン等が挙げられる。
これらのアンチモン化合物は、生成するポリエステルの質量に対して残存アンチモン質量として50〜400ppm含有させることが好ましく、さらに好ましくは100〜350ppmであり、特に好ましくは150〜300ppmである。
これらのアンチモン化合物は、生成するポリエステルの質量に対して残存アンチモン質量として50〜400ppm含有させることが好ましく、さらに好ましくは100〜350ppmであり、特に好ましくは150〜300ppmである。
本発明において、ポリエステルを重合する重合触媒としては、アンチモン化合物のみを用いても構わないが、ゲルマニウム化合物、チタン化合物、スズ化合物、アルミニウム化合物等の他の金属化合物を併用しても良い。その場合、重合触媒として用いる金属としては、アンチモンが、60mol%以上であることが好ましく、70mol%以上であることがより好ましく、80mol%以上であることがさらに好ましく、90mol%以上であることが特に好ましい。
本発明におけるポリエステル樹脂組成物の耐熱酸化分解パラメーター(TOD)は、0.10以下であることが好ましい。TODは、下記実施例の項目に記載の方法により算出できる。TODを0.10以下にするためには、ポリエステル樹脂組成物を上記の通りの構成にすることにより達成できる。TODは、0.09以下がより好ましく、更に好ましくは0.07以下、最も好ましくは0.05以下である。TODが、0.10超では、下記に示す評価法(ボトル連続成形によるポリエステルの成形評価法)によって評価した際に10000本目の延伸中空成形体の胴部のヘイズを4.0以下に維持することが出来なくなる傾向にあり好ましくない。
本発明に使用される重合触媒は、重縮合反応の任意の段階で反応系に添加することができる。たとえばエステル化反応もしくはエステル交換反応の開始前および反応途中の任意の段階あるいは重縮合反応の開始直前あるいは重縮合反応途中の任意の段階で反応系への添加することが出きる。
本発明で用いられる重合触媒の添加方法は、粉末状ないしはニート状での添加であってもよいし、エチレングリコールなどのグリコール類のスラリー状もしくは溶液状での添加であってもよく、特に限定されない。
上記のポリエステルの固有粘度は、好ましくは0.68〜1.20dL/g、より好ましくは0.68〜1.00dL/g、さらに好ましくは0.68〜0.90dL/g、最も好ましくは0.68〜0.80dL/gの範囲である。固有粘度が0.68dL/g未満では、得られた成形体等の機械的特性が悪い。また1.20dL/gを超える場合は、成形機等による溶融時に樹脂温度が高くなって熱分解が激しくなり、保香性に影響を及ぼす遊離の低分子量化合物が増加したり、成形体が黄色に着色する等の問題が起こる。
なお、実際に測定する対象はポリエステル樹脂組成物であっても、「ポリエステルの固有粘度」と記してある。
なお、実際に測定する対象はポリエステル樹脂組成物であっても、「ポリエステルの固有粘度」と記してある。
また上記のポリエステル中に共重合されたジエチレングリコ−ル量は該ポリエステルを構成するグリコ−ル成分の好ましくは0.5〜7.0モル%、より好ましくは1.0〜5.0モル%、さらに好ましくは1.5〜4.0モル%である。ジエチレングリコ−ル量が7.0モル%を超える場合は、熱安定性が悪くなり、成形時に分子量低下が大きくなったり、またアセトアルデヒド含有量やホルムアルデヒド含有量の増加量が大となり好ましくない。またジエチレングリコ−ル含有量が0.5モル%未満の場合は、得られた成形体の透明性が悪くなる。
また、ポリエステル樹脂組成物の環状三量体の含有量は、好ましくは0.50質量%以下、より好ましくは0.40質量%以下、さらに好ましくは0.35質量%以下である。本発明において、ポリエステル樹脂組成物から耐熱性の中空成形体等を成形する場合、環状三量体の含有量が0.50質量%を超える場合には、加熱金型表面へのオリゴマー付着が急激に増加し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化する。また、下限は製造上の問題から、0.20質量%であることが好ましい。
ポリエステル樹脂組成物の環状三量体の含有量を低減させるためには、上記で説明したように固相重合が効果的である。適宜、固相重合の条件を設定することにより、環状三量体を低減することが可能である。
また、ポリエステル樹脂組成物のアセトアルデヒドなどのアルデヒド類の含有量(質量基準)は、好ましくは30ppm以下が好ましく、より好ましくは10ppm以下であることが望ましい。アルデヒド類含有量が30ppmを超える場合は、このポリエステル樹脂組成物から成形された成形体等の内容物の香味保持性の効果が悪くなる。また、これらの下限は製造上の問題から、0.1ppbであることが好ましい。ここで、アルデヒド類とは、アセトアルデヒドやホルムアルデヒドである。エチレングリコール以外のグリコール類を共重合する場合には、それぞれに対応したアルデヒド類が挙げられ、例えば、1,3−プロピレングリコールを共重合する場合はアリルアルデヒドも対象となる。
また、上記のポリエステル樹脂組成物は、水や水蒸気または水蒸気含有気体と接触処理してもよく、リン化合物等を添加してもよい。このような接触処理やリン化合物添加により重合触媒を失活することが可能であるが、本発明においては、このような重合触媒の失活処理を行わないポリエステル樹脂組成物を用いて、一つの金型あたり10000回以上ブロー成形金型を清掃することなく連続して、環状三量体含有量が0.5質量%以下、アセトアルデヒド含有量が50ppm以下、固有粘度が0.68〜0.90dL/gであるポリエステル中空成形体を成形することが可能である。上記で説明した通り、特定の範囲量のヒンダードフェノールにより、ボトルヘイズの悪化の原因であるポリエステル分解物の生成を効果的に抑制しているためである。
金型を清掃することなく連続して成形するためには、ポリエステル樹脂組成物の環状三量体の含有量を低くし、さらに重合触媒を失活させて、中空成形体の環状三量体の含有量を低くすることが一つの好ましい形態ではあるが、固相重合で環状三量体を低くするプロセス、触媒失活のプロセス等のコストが増加する。本発明では、これらのプロセスコストを抑えながら、触媒失活がなされた従来の0.3質量%前後の環状三量体含有量である中空成形体と同等以上の連続成形を、環状三量体の含有量が多い中空成形体で行うことが出来、これも好ましい形態である。
この場合の好ましい形態としては、中空成形体の環状三量体の含有量は0.33質量%を超えていることが好ましく、さらには0.35質量%以上が好ましく、特には0.37質量%以上が好ましい。
原料のポリエステル樹脂組成物の環状三量体の含有量を0.3質量%以下としていても、触媒失活がされていない場合は、中空成形体の環状三量体の含有量は通常0.33質量%を超えてしまう。
原料のポリエステル樹脂組成物の環状三量体の含有量を0.3質量%以下としていても、触媒失活がされていない場合は、中空成形体の環状三量体の含有量は通常0.33質量%を超えてしまう。
触媒が失活されていない場合、290℃の温度で60分間溶融した場合のポリエステル樹脂組成物の環状三量体の増加量は0.25質量%を超え、さらには0.3質量%を超え、0.4質量%を超えることもあり、さらには0.5質量%を超える。なお、環状三量体の増加量は溶融前の環状三量体の含有量に影響される。すなわち、溶融前の環状三量体量が少なければ増加量は大きくなる。また、環状三量体の増加量は、触媒の含有量にも影響される。すなわち、触媒量が少なく重合活性が低ければ、増加量は小さくなる。環状三量体の増加量の上限は、溶融前の環状三量体の含有量にもよるが、0.8質量%程度である。
また、本発明におけるポリエステル樹脂組成物には、結晶化特性を改良するための各種樹脂、アルデヒド低減剤、色調改善剤、赤外線吸収剤等の添加剤を配合しても良い。配合量は、ポリエステル樹脂組成物中、合計で1質量%以下が好ましい。
しかしながら、これら添加剤でポリエステル以外の樹脂は0.05質量%未満、さらには0.03質量%以下、特には0.01質量%以下であることが好ましい。0.05質量%を超えると、金型を汚染したり、ボトルのヘイズが低下することがある。
また、本発明におけるポリエステル樹脂組成物は、前記のようにして溶融重縮合工程を終了したあと溶融状態のままで、あるいは、さらに固相重合などの処理を終了したあと、チップ状態で、直接成形工程に導入して成形体とすることもできる。また、溶融重縮合ポリマーの製造工程の任意の反応器や輸送配管に所定量の添加物、例えば、結晶化特性改良剤、アルデヒド低減剤、着色改良剤、安定剤などを添加し、目的とする特性を持つように溶融重縮合したあと、そのままか、あるいは、さらに固相重合などの処理を終了したあと、直接成形工程に導入して成形体とすることもできる。
中空成形体を製造するにあたっては、本発明におけるポリエステル樹脂組成物から成形したブリフォームを延伸ブロー成形するか、あるいは、次いで熱固定する方法によるのが一般的である。
また、本発明におけるポリエステル樹脂組成物は、これを溶融押出し後に切断した溶融塊を圧縮成形して得たプリフォームを延伸ブロー成形する、所謂、圧縮成形法による延伸中空成形体の製造にも用いることができる。
具体的には、例えば、射出成形または押出成形で一旦プリフォームを成形し、そのままあるいは口栓部、底部を加工後、それを再加熱し、ホットパリソン法あるいはコールドパリソン法などの二軸延伸ブロー成形法が適用される。また、耐熱性中空成形体は、所謂ワン・モールド法やツー・モールド法によって、二軸延伸ブロー成形した後、熱固定することによって成形することができる。
また、本発明におけるポリエステル樹脂組成物は、これを溶融押出し後に切断した溶融塊を圧縮成形して得たプリフォームを延伸ブロー成形する、所謂、圧縮成形法による延伸中空成形体の製造にも用いることができる。
具体的には、例えば、射出成形または押出成形で一旦プリフォームを成形し、そのままあるいは口栓部、底部を加工後、それを再加熱し、ホットパリソン法あるいはコールドパリソン法などの二軸延伸ブロー成形法が適用される。また、耐熱性中空成形体は、所謂ワン・モールド法やツー・モールド法によって、二軸延伸ブロー成形した後、熱固定することによって成形することができる。
耐熱性延伸ブロー成形体を製造する際の成形温度、具体的には成形機のシリンダー各部およびノズルの温度は通常260〜290℃の範囲である。延伸温度は通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で、延伸倍率は通常縦方向に1.5〜3.5倍、円周方向に2〜5倍の範囲で行えばよい。得られた中空成形体は、そのまま使用できるが、特に果汁飲料、ウーロン茶などのように熱充填を必要とする飲料の場合には一般的に、さらにブロー金型内で熱固定し、さらに耐熱性を付与して使用される。熱固定は通常圧空などによる緊張下、100〜200℃、好ましくは120〜180℃で、数秒〜数時間、好ましくは数秒〜数分間行われる。
前記中空成形体の胴部は、密度法による結晶化度が20%以上、好ましくは30%以上、特に好ましくは33%以上となるように熱固定されていることが重要であり、これにより成形体の耐熱性が顕著に向上し、内容物を熱間充填し或は瓶詰品とパストライザー滅菌に付する場合の熱変形や熱収縮を改善し得るものである。
上記により得られたポリエステル樹脂組成物を用いることにより、環状三量体含有量が0.5質量%以下、アセトアルデヒド含有量が50ppm以下、固有粘度が0.68〜0.90dL/gである耐熱性ポリエステル中空成形体が得られる。耐熱性ポリエステル中空成形体の固有粘度は、0.70〜0.88dL/gが好ましく、0.73〜0.85dL/gがより好ましく、0.74〜0.84dL/gが更に好ましい。耐熱性ポリエステル中空成形体のアセトアルデヒド含有量は、20ppm以下が好ましく、10ppm以下がより好ましい。
また、上記により得られたポリエステル樹脂組成物を用いることにより、一つの金型あたり10000回以上ブロー成形金型を清掃することなく連続して、環状三量体含有量が0.5質量%以下、アセトアルデヒド含有量が50ppm以下、固有粘度が0.68〜0.90dL/gであるポリエステル中空成形体を成形することが可能となる。
ブロー成形金型を清掃することなく連続して成形できる基準としては、連続ブロー成形時に、得られるボトル胴部のヘイズが4.0%以下を維持できておれば、この基準を満足していると言える。より好ましくは、ボトル胴部のヘイズが3.5%以下を維持できておれば、ブロー成形金型を清掃するまでの成形回数を増やすことが期待できる。さらに好ましくは、ボトル胴部のヘイズが3.0%以下を維持できておれば、ブロー成形金型を清掃するまでの成形回数をさらに増やすことが期待できる。
また、上記により得られたポリエステル樹脂組成物を用いることにより、一つの金型あたり10000回以上ブロー成形金型を清掃することなく連続して、環状三量体含有量が0.5質量%以下、アセトアルデヒド含有量が50ppm以下、固有粘度が0.68〜0.90dL/gであるポリエステル中空成形体を成形することが可能となる。
ブロー成形金型を清掃することなく連続して成形できる基準としては、連続ブロー成形時に、得られるボトル胴部のヘイズが4.0%以下を維持できておれば、この基準を満足していると言える。より好ましくは、ボトル胴部のヘイズが3.5%以下を維持できておれば、ブロー成形金型を清掃するまでの成形回数を増やすことが期待できる。さらに好ましくは、ボトル胴部のヘイズが3.0%以下を維持できておれば、ブロー成形金型を清掃するまでの成形回数をさらに増やすことが期待できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、主な特性値の測定法を以下に説明する。「ppm」は、特に記載が無い限り、質量基準である。
(1)固有粘度(IV)
1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール(2:3質量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求めた。
(2)触媒金属の定量方法
厚みが5mm、内径50mmのステンレス製円形リング中で、ポリエステル樹脂組成物を融点+20℃に加熱して溶融させてサンプルピースを作成し、蛍光X線分析により、元素量を求め、ppmで表示した。なお、量の決定の際には、あらかじめ各元素量既知のサンプルから求めた検量線を使用した。
1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール(2:3質量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求めた。
(2)触媒金属の定量方法
厚みが5mm、内径50mmのステンレス製円形リング中で、ポリエステル樹脂組成物を融点+20℃に加熱して溶融させてサンプルピースを作成し、蛍光X線分析により、元素量を求め、ppmで表示した。なお、量の決定の際には、あらかじめ各元素量既知のサンプルから求めた検量線を使用した。
(3)環状三量体の含有量(以下「CT含有量」という)
試料をヘキサフルオロイソプロパノール/クロロフォルム混合液に溶解し、さらにクロロフォルムを加えて希釈した。これにメタノールを加えてポリマーを沈殿させた後、濾過した。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムアミドで定容とし、液体クロマトグラフ法よりエチレンテレフタレート単位から構成される環状三量体を定量した。
試料をヘキサフルオロイソプロパノール/クロロフォルム混合液に溶解し、さらにクロロフォルムを加えて希釈した。これにメタノールを加えてポリマーを沈殿させた後、濾過した。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムアミドで定容とし、液体クロマトグラフ法よりエチレンテレフタレート単位から構成される環状三量体を定量した。
(4)アセトアルデヒド含有量(以下「AA含有量」という)
試料/蒸留水=1グラム/2ccを窒素置換したガラスアンプルに入れた上部を溶封し、160℃で2時間抽出処理を行い、冷却後抽出液中のアセトアルデヒドを高感度ガスクロマトグラフィーで測定し、濃度をppmで表示した。
試料/蒸留水=1グラム/2ccを窒素置換したガラスアンプルに入れた上部を溶封し、160℃で2時間抽出処理を行い、冷却後抽出液中のアセトアルデヒドを高感度ガスクロマトグラフィーで測定し、濃度をppmで表示した。
(5)ボトル連続成形によるポリエステルの成形評価法
試料ポリエステル樹脂組成物を真空乾燥機で乾燥して水分率を100ppm以下とし、名機製作所製150C−DM型射出成形機及びプリフォーム(金型温度5℃)用金型を用いて260〜270℃の設定温度で、2.35MPaの射出圧力で28gの有底プリフォーム(PF)を得た。
有底プリフォーム(PF)の口栓部を自家製の口栓部結晶化装置で加熱結晶化させた。
次いで、前記プリフォームをシデル社製のSBO Lab N゜1045タイプ 1Lab ブロー成形機を用いて、160℃に設定した金型内で圧力36barの空気を吹込みながら30秒の成形サイクルにて750bphで縦方法に2.5倍、周方向に3.8倍の倍率で二軸延伸ブローし、引き続き、前記金型内で2.3秒熱固定して、容量が500ccの延伸中空成形体(ボトル)を10000本連続成形した。
5000本目、10000本目のボトルの胴部からの試料をヘイズ測定に供した。
また、これらのボトルから、各測定を行った。測定サンプル量が足りない場合は、前後のボトルから調達した。
試料ポリエステル樹脂組成物を真空乾燥機で乾燥して水分率を100ppm以下とし、名機製作所製150C−DM型射出成形機及びプリフォーム(金型温度5℃)用金型を用いて260〜270℃の設定温度で、2.35MPaの射出圧力で28gの有底プリフォーム(PF)を得た。
有底プリフォーム(PF)の口栓部を自家製の口栓部結晶化装置で加熱結晶化させた。
次いで、前記プリフォームをシデル社製のSBO Lab N゜1045タイプ 1Lab ブロー成形機を用いて、160℃に設定した金型内で圧力36barの空気を吹込みながら30秒の成形サイクルにて750bphで縦方法に2.5倍、周方向に3.8倍の倍率で二軸延伸ブローし、引き続き、前記金型内で2.3秒熱固定して、容量が500ccの延伸中空成形体(ボトル)を10000本連続成形した。
5000本目、10000本目のボトルの胴部からの試料をヘイズ測定に供した。
また、これらのボトルから、各測定を行った。測定サンプル量が足りない場合は、前後のボトルから調達した。
(6)ボトルのヘイズ(霞度%)
上記で得たボトル(胴部肉厚0.3mm)から胴部の試料を切り取り、日本電色(株)製ヘイズメーター、modelNDH2000で測定した。
(7)成形体の結晶化度
硝酸カルシュウム/水混合溶液の密度勾配管で30℃の条件下でサンプルの密度を求めた。これにより、以下の式に従い、結晶化度を算出した。
結晶化度(Xc)=(ρc/ρ)×{(ρ−ρam)/(ρc−ρam)}×100
ρ:測定密度(g/cm3)
ρam:非晶密度(1.335g/cm3)
ρc:結晶密度(1.455g/cm3)
上記で得たボトル(胴部肉厚0.3mm)から胴部の試料を切り取り、日本電色(株)製ヘイズメーター、modelNDH2000で測定した。
(7)成形体の結晶化度
硝酸カルシュウム/水混合溶液の密度勾配管で30℃の条件下でサンプルの密度を求めた。これにより、以下の式に従い、結晶化度を算出した。
結晶化度(Xc)=(ρc/ρ)×{(ρ−ρam)/(ρc−ρam)}×100
ρ:測定密度(g/cm3)
ρam:非晶密度(1.335g/cm3)
ρc:結晶密度(1.455g/cm3)
(8)ボトルの加熱時の充填試験
ボトルに95℃の温湯を充填し、キャッピング機によりキャッピングをしたあと容器を倒し放置後、内容物の漏洩を調べた。また、胴部の変形状態も目視で観察し、次の基準により評価した。
○ : 胴部の変形殆どなし
△ : 胴部の変形少しあり
× : 胴部の変形大きい
ボトルに95℃の温湯を充填し、キャッピング機によりキャッピングをしたあと容器を倒し放置後、内容物の漏洩を調べた。また、胴部の変形状態も目視で観察し、次の基準により評価した。
○ : 胴部の変形殆どなし
△ : 胴部の変形少しあり
× : 胴部の変形大きい
(9)耐熱酸化分解パラメータ(TOD)
中空成形体をニッパーで切り取り冷凍粉砕して20メッシュ以下の粉末にした。この粉末を130℃で12時間真空乾燥し、粉末300mgを内径約8mm、長さ約140mmのガラス試験管に入れ70℃で12時間真空乾燥した。次いで、シリカゲルを入れた乾燥管を試験管上部につけて乾燥した空気下で、230℃の塩バスに浸漬して15分間加熱した後の[IV]f1を測定した。TODは、下記のように求めた。ただし、[IV]iおよび[IV]f1はそれぞれ加熱試験前と加熱試験後のIV(dl/g)を指す。冷凍粉砕は、フリーザーミル(米国スペックス社製、6750型)を用いて行った。専用セルに約2gのレジンチップ又はフィルムと専用のインパクターを入れた後、セルを装置にセットし液体窒素を装置に充填して約10分間保持し、次いでRATE10(インパクターが1秒間に約20回前後する)で5分間粉砕を行った。
TOD=0.245{[IV]f1 −1.47−[IV]i −1.47 }
中空成形体をニッパーで切り取り冷凍粉砕して20メッシュ以下の粉末にした。この粉末を130℃で12時間真空乾燥し、粉末300mgを内径約8mm、長さ約140mmのガラス試験管に入れ70℃で12時間真空乾燥した。次いで、シリカゲルを入れた乾燥管を試験管上部につけて乾燥した空気下で、230℃の塩バスに浸漬して15分間加熱した後の[IV]f1を測定した。TODは、下記のように求めた。ただし、[IV]iおよび[IV]f1はそれぞれ加熱試験前と加熱試験後のIV(dl/g)を指す。冷凍粉砕は、フリーザーミル(米国スペックス社製、6750型)を用いて行った。専用セルに約2gのレジンチップ又はフィルムと専用のインパクターを入れた後、セルを装置にセットし液体窒素を装置に充填して約10分間保持し、次いでRATE10(インパクターが1秒間に約20回前後する)で5分間粉砕を行った。
TOD=0.245{[IV]f1 −1.47−[IV]i −1.47 }
(10)環状三量体の増加量(ΔCT)
試料3gをガラス製試験管に入れ、窒素雰囲気下で290℃のオイルバスに60分浸漬させ溶融させた。溶融前後で、上記のCT含有量を測定し、増加量を算出した。
試料3gをガラス製試験管に入れ、窒素雰囲気下で290℃のオイルバスに60分浸漬させ溶融させた。溶融前後で、上記のCT含有量を測定し、増加量を算出した。
実施例で用いる重合触媒などの調製例を以下に示す。
(ヒンダードフェノール化合物[1]のエチレングリコール溶液)
Irganox1010(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製:テトラキス−[メチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)をエチレングリコールとともにフラスコに仕込み、窒素ガスを十分に吹き込みながら攪拌下に液温50℃で12時間加熱し、30g/lのヒンダードフェノール化合物のエチレングリコール溶液を調製した。
(ヒンダードフェノール化合物[2]のエチレングリコール溶液)
Irganox1425(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製:カルシウム−ビス[3,5‐ジ−tert‐ブチル‐4‐ヒドロキシベンジル(エトキシ)ホスフィナート])をエチレングリコールとともにフラスコに仕込み、窒素ガスを十分に吹き込みながら攪拌下に液温50℃で12時間加熱し、30g/lのヒンダードフェノール化合物のエチレングリコール溶液を調製した。
(ヒンダードフェノール化合物[1]のエチレングリコール溶液)
Irganox1010(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製:テトラキス−[メチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)をエチレングリコールとともにフラスコに仕込み、窒素ガスを十分に吹き込みながら攪拌下に液温50℃で12時間加熱し、30g/lのヒンダードフェノール化合物のエチレングリコール溶液を調製した。
(ヒンダードフェノール化合物[2]のエチレングリコール溶液)
Irganox1425(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製:カルシウム−ビス[3,5‐ジ−tert‐ブチル‐4‐ヒドロキシベンジル(エトキシ)ホスフィナート])をエチレングリコールとともにフラスコに仕込み、窒素ガスを十分に吹き込みながら攪拌下に液温50℃で12時間加熱し、30g/lのヒンダードフェノール化合物のエチレングリコール溶液を調製した。
(アンチモン化合物のエチレングリコール溶液)
三酸化アンチモンをエチレングリコールに加熱溶解させた溶液を調製した。
三酸化アンチモンをエチレングリコールに加熱溶解させた溶液を調製した。
(実施例1)
高純度テレフタル酸とその2倍モル量のエチレングリコールを仕込み、トリエチルアミンを酸成分に対して0.3モル%加え、0.25MPaの加圧下250℃にて水を系外に留去しながらエステル化反応を行いエステル化率が約95%のビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートおよびオリゴマーの混合物(以下BHET混合物という)を得た。このBHET混合物に重合触媒として、上記アンチモン化合物のエチレングリコール溶液をアンチモン原子残存量が得られるポリエステルの質量に対して280ppmになるように加え、次いで、窒素雰囲気下常圧にて上記ヒンダードフェノール化合物[1]のエチレングリコール溶液をポリエステルの質量に対してヒンダードフェノール化合物で100ppm(ヒンダードフェノール構造単位で0.34当量/ton)になるように加え、250℃で10分間攪拌した。その後、60分間かけて280℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて13.3Pa(0.1Torr)として、さらに280℃、13.3Paで重縮合反応を実施した。放圧に続き、微加圧下のレジンを水中にストランド状に吐出して冷却後、カッターで切断して長さ約3mm、直径約2mmのシリンダー形状のペレットを得た。得られたPET樹脂組成物のIVは0.58dl/gであった。溶融重合で得られたペレットを、減圧乾燥(13.3Pa以下、80℃、12時間)した後、引き続き結晶化処理(13.3Pa以下、130℃、3時間、さらに、13.3Pa以下、160℃、3時間)を行った。放冷後のこのポリエステルペレットを固相重合反応器内で、系内を13.3Pa以下、215℃に保ちながら固相重合を行い、IVが0.78dl/gのPET樹脂組成物を得た。
次いで、各評価を実施した。
上記(5)記載の有底プリフォーム(PF)の目視による透明性は良好(○)で、更には、ボトル連続成形による5000本目のボトル胴部のヘイズは1.8%と問題なかった。さらに、10000本目のボトル胴部のヘイズは2.0%と良好であり、また結晶化度は35%で十分に結晶化しており、加熱充填試験では漏れはなく、また、胴部の変形もなく問題はなかった。結果を表1に示す。
高純度テレフタル酸とその2倍モル量のエチレングリコールを仕込み、トリエチルアミンを酸成分に対して0.3モル%加え、0.25MPaの加圧下250℃にて水を系外に留去しながらエステル化反応を行いエステル化率が約95%のビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートおよびオリゴマーの混合物(以下BHET混合物という)を得た。このBHET混合物に重合触媒として、上記アンチモン化合物のエチレングリコール溶液をアンチモン原子残存量が得られるポリエステルの質量に対して280ppmになるように加え、次いで、窒素雰囲気下常圧にて上記ヒンダードフェノール化合物[1]のエチレングリコール溶液をポリエステルの質量に対してヒンダードフェノール化合物で100ppm(ヒンダードフェノール構造単位で0.34当量/ton)になるように加え、250℃で10分間攪拌した。その後、60分間かけて280℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて13.3Pa(0.1Torr)として、さらに280℃、13.3Paで重縮合反応を実施した。放圧に続き、微加圧下のレジンを水中にストランド状に吐出して冷却後、カッターで切断して長さ約3mm、直径約2mmのシリンダー形状のペレットを得た。得られたPET樹脂組成物のIVは0.58dl/gであった。溶融重合で得られたペレットを、減圧乾燥(13.3Pa以下、80℃、12時間)した後、引き続き結晶化処理(13.3Pa以下、130℃、3時間、さらに、13.3Pa以下、160℃、3時間)を行った。放冷後のこのポリエステルペレットを固相重合反応器内で、系内を13.3Pa以下、215℃に保ちながら固相重合を行い、IVが0.78dl/gのPET樹脂組成物を得た。
次いで、各評価を実施した。
上記(5)記載の有底プリフォーム(PF)の目視による透明性は良好(○)で、更には、ボトル連続成形による5000本目のボトル胴部のヘイズは1.8%と問題なかった。さらに、10000本目のボトル胴部のヘイズは2.0%と良好であり、また結晶化度は35%で十分に結晶化しており、加熱充填試験では漏れはなく、また、胴部の変形もなく問題はなかった。結果を表1に示す。
(実施例2〜4)
ヒンダードフェノール化合物[1]の量を表1のように変更する以外は、実施例1と同様に行った。上記(5)記載の有底プリフォーム(PF)の目視による透明性は良好(○)で、連続成形による5000本目、10000本目のボトル胴部のヘイズとも良好であり、その他の評価も問題なかった。結果を表1に示す。
ヒンダードフェノール化合物[1]の量を表1のように変更する以外は、実施例1と同様に行った。上記(5)記載の有底プリフォーム(PF)の目視による透明性は良好(○)で、連続成形による5000本目、10000本目のボトル胴部のヘイズとも良好であり、その他の評価も問題なかった。結果を表1に示す。
(比較例1)
ヒンダードフェノール化合物[1]を添加しない以外は、実施例1と同様に行った。
上記(5)記載の有底プリフォーム(PF)の目視による透明性は良好(○)で、ボトル連続成形による5000本目のボトル胴部のヘイズは1.8%であった。しかし、10000本目のボトル胴部のヘイズは4.8%と悪く、問題であった。一つの金型あたり10000回以上ブロー成形金型を清掃することなく連続して、ポリエステル中空成形体を成形することは不可能であると示唆される結果であった。結果を表2に示す。
ヒンダードフェノール化合物[1]を添加しない以外は、実施例1と同様に行った。
上記(5)記載の有底プリフォーム(PF)の目視による透明性は良好(○)で、ボトル連続成形による5000本目のボトル胴部のヘイズは1.8%であった。しかし、10000本目のボトル胴部のヘイズは4.8%と悪く、問題であった。一つの金型あたり10000回以上ブロー成形金型を清掃することなく連続して、ポリエステル中空成形体を成形することは不可能であると示唆される結果であった。結果を表2に示す。
(比較例2)
ヒンダードフェノール化合物[1]の量を表2のように変更する以外は、実施例1と同様に行った。
上記(5)記載の有底プリフォーム(PF)の目視による透明性は良好(○)で、ボトル連続成形による5000本目のボトル胴部のヘイズは1.8%であった。しかし、10000本目のボトル胴部のヘイズは4.1%と悪く、問題であった。一つの金型あたり10000回以上ブロー成形金型を清掃することなく連続して、ポリエステル中空成形体を成形することは不可能であると示唆される結果であった。結果を表2に示す。
ヒンダードフェノール化合物[1]の量を表2のように変更する以外は、実施例1と同様に行った。
上記(5)記載の有底プリフォーム(PF)の目視による透明性は良好(○)で、ボトル連続成形による5000本目のボトル胴部のヘイズは1.8%であった。しかし、10000本目のボトル胴部のヘイズは4.1%と悪く、問題であった。一つの金型あたり10000回以上ブロー成形金型を清掃することなく連続して、ポリエステル中空成形体を成形することは不可能であると示唆される結果であった。結果を表2に示す。
(比較例3)
固相重合温度を202℃に変更する以外は、実施例1と同様に行った。IVが0.78dl/g、環状三量体7200ppmのPET樹脂組成物を得た。
上記(5)記載の有底プリフォーム(PF)の目視による透明性はやや悪い(△)で、ボトル連続成形による5000本目のボトル胴部のヘイズは2.0%であった。しかし、10000本目のボトル胴部のヘイズは4.6%と悪く、問題であった。一つの金型あたり10000回以上ブロー成形金型を清掃することなく連続して、ポリエステル中空成形体を成形することは不可能であると示唆される結果であった。結果を表2に示す。
固相重合温度を202℃に変更する以外は、実施例1と同様に行った。IVが0.78dl/g、環状三量体7200ppmのPET樹脂組成物を得た。
上記(5)記載の有底プリフォーム(PF)の目視による透明性はやや悪い(△)で、ボトル連続成形による5000本目のボトル胴部のヘイズは2.0%であった。しかし、10000本目のボトル胴部のヘイズは4.6%と悪く、問題であった。一つの金型あたり10000回以上ブロー成形金型を清掃することなく連続して、ポリエステル中空成形体を成形することは不可能であると示唆される結果であった。結果を表2に示す。
(実施例5)
ヒンダードフェノール化合物[1]の代わりに、上記ヒンダードフェノール化合物[2]のエチレングリコール溶液をポリエステルの質量に対してヒンダードフェノール化合物で150ppm(ヒンダードフェノール構造単位で0.43当量/ton)になるように加える以外は、実施例1と同様に行った。
上記(5)記載の有底プリフォーム(PF)の目視による透明性はやや悪い(△)だったが、ボトル連続成形による5000本目のボトル胴部のヘイズは3.5%、10000本目のボトル胴部のヘイズは3.9%であった。結果を表2に示す。
ヒンダードフェノール化合物[1]の代わりに、上記ヒンダードフェノール化合物[2]のエチレングリコール溶液をポリエステルの質量に対してヒンダードフェノール化合物で150ppm(ヒンダードフェノール構造単位で0.43当量/ton)になるように加える以外は、実施例1と同様に行った。
上記(5)記載の有底プリフォーム(PF)の目視による透明性はやや悪い(△)だったが、ボトル連続成形による5000本目のボトル胴部のヘイズは3.5%、10000本目のボトル胴部のヘイズは3.9%であった。結果を表2に示す。
本発明に係るポリエステル樹脂組成物は、溶融成形時の長時間連続成形性に優れ、透明性及び耐熱寸法安定性に優れたポリエステル成形体を効率よく生産することが可能なポリエステル樹脂組成物であり、さらに前記ポリエステル樹脂組成物から得られる成形体は、食品あるいは飲料用等の容器、包装材料、特に耐熱性容器として好適に用いられ、産業界に寄与すること大である。
(参考例1)
ヒンダードフェノール化合物[1]の代わりに、上記ヒンダードフェノール化合物[2]のエチレングリコール溶液をポリエステルの質量に対してヒンダードフェノール化合物で150ppm(ヒンダードフェノール構造単位で0.43当量/ton)になるように加える以外は、実施例1と同様に行った。
上記(5)記載の有底プリフォーム(PF)の目視による透明性はやや悪い(△)だったが、ボトル連続成形による5000本目のボトル胴部のヘイズは3.5%、10000本目のボトル胴部のヘイズは3.9%であった。結果を表2に示す。
ヒンダードフェノール化合物[1]の代わりに、上記ヒンダードフェノール化合物[2]のエチレングリコール溶液をポリエステルの質量に対してヒンダードフェノール化合物で150ppm(ヒンダードフェノール構造単位で0.43当量/ton)になるように加える以外は、実施例1と同様に行った。
上記(5)記載の有底プリフォーム(PF)の目視による透明性はやや悪い(△)だったが、ボトル連続成形による5000本目のボトル胴部のヘイズは3.5%、10000本目のボトル胴部のヘイズは3.9%であった。結果を表2に示す。
Claims (7)
- ヒンダードフェノール構造単位を0.035〜1.75当量/ton含み、重合触媒としてアンチモン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するポリエステル樹脂組成物からなる中空成形体であって、環状三量体含有量が0.5質量%以下、アセトアルデヒド含有量が50ppm以下、固有粘度が0.68〜0.90dL/gであることを特徴とするポリエステル中空成形体。
- 前記ポリエステル樹脂組成物が、重合触媒の失活処理がされていないポリエステル樹脂組成物であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル中空成形体。
- 前記ヒンダードフェノール構造単位が、金属塩構造を含まないヒンダードフェノール化合物由来であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエステル中空成形体。
- ポリエステル樹脂組成物の耐熱酸化分解パラメーター(TOD)が、0.10以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル中空成形体。
- ヒンダードフェノール構造単位を0.035〜1.75当量/ton含み、重合触媒としてアンチモン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するポリエステル樹脂組成物を用いて、一つの金型あたり10000回以上ブロー成形金型を清掃することなく連続して、環状三量体含有量が0.5質量%以下、アセトアルデヒド含有量が50ppm以下、固有粘度が0.68〜0.90dL/gであるポリエステル中空成形体を成形する方法。
- 前記ポリエステル樹脂組成物が、重合触媒の失活処理がされていないポリエステル樹脂組成物であることを特徴とする請求項5に記載のポリエステル中空成形体を成形する方法。
- 前記ヒンダードフェノール構造単位が、金属塩構造を含まないヒンダードフェノール化合物由来であることを特徴とする請求項5又は6に記載のポリエステル中空成形体を成形する方法。
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