JPWO2013111846A1 - ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

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Abstract

(A)芳香族ポリカーボネート樹脂60〜95質量%、(B)エポキシ基又はグリシジル基を含有するポリオレフィン系樹脂及び/又はポリオレフィン系エラストマー2〜30質量%、及び(C)前記(B)成分以外のポリオレフィン系樹脂1〜38質量%からなる樹脂成分100質量部と、(D)リン含有化合物とを含み、該(D)成分が下記(D1)及び/又は(D2)である、ポリカーボネート樹脂組成物である。(D1)リン原子に少なくとも1個のアルコキシ基が結合した、ホスファイト化合物及びホスフェート化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種(但し、該化合物が、リン原子に結合したアリールオキシ基を有する場合、該アリールオキシ基のすべてのオルト位が水素原子である化合物) 0.01〜0.5質量部(D2)リン酸、亜リン酸、ホスホン酸及び亜ホスホン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種 0.001〜0.1質量部

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体に関する。より詳しくは、耐衝撃性に優れ、層状剥離を呈することがなく、光沢ムラの少ない成形体、及び該成形体を与えるポリカーボネート樹脂組成物に関するものである。
ポリカーボネート樹脂は、耐熱性、耐衝撃性等の機械的強度、透明性等に優れたものであることから、電子・情報・電気部品や機械部品等重要な素材として用いられている。しかし、流動性が低い、耐薬品性に劣る等の弱点も有しているため、これら特性を改善するために、ポリオレフィンによるポリカーボネートのアロイ化が検討されてきた。
例えば、ポリカーボネートと、エポキシ基等を有するポリオレフィン系樹脂及び/又はポリオレフィン系エラストマーと、ポリオレフィンとによるポリカーボネートのアロイ化が行われている(特許文献1〜4)。これらにより耐熱性、耐衝撃性等の機械的強度を維持し、流動性等にも優れるポリカーボネート樹脂が得られている。
特許文献3には、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン系樹脂、エポキシ基又はグリシジル基を有するポリオレフィン系樹脂、及びアミン系化合物を混合することで、流動性等に優れたポリカーボネート樹脂組成物が得られることが開示されている。また、特許文献4には、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ基又はグリシジル基を有するポリオレフィン系樹脂、及びリン系難燃剤を含有する樹脂組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜4に記載された樹脂組成物では、高せん断のかかるゲート形状の近傍や成形条件によっては剥離が発生してしまうようなことがある。また、特に該樹脂組成物に無機充填材や着色材等を配合した場合においては、成形品に光沢ムラが発生することがあり、さらなる改良が求められている。
特開2009−275131号公報 特開2009−298993号公報 特開2010−24368号公報 特開2011−132312号公報
本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂の欠点を補い、耐衝撃性に優れるとともに、薄肉成形品であっても成形後に層状剥離を呈することがなく、特に、フィルムゲートやピンゲート等で薄肉成形品を成形した際にゲート近傍に剥離を生じることがなく、かつ光沢ムラの少ないポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、芳香族ポリカーボネート樹脂と、エポキシ基又はグリシジル基を含有するポリオレフィン系樹脂及び/又はポリオレフィン系エラストマーと、ポリオレフィン系樹脂とをそれぞれ特定の割合で含む樹脂成分に対し、特定のリン含有化合物を加えたポリカーボネート樹脂組成物とすることにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記のポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体を提供するものである。
1. (A)芳香族ポリカーボネート樹脂60〜95質量%、(B)エポキシ基又はグリシジル基を含有するポリオレフィン系樹脂及び/又はポリオレフィン系エラストマー2〜30質量%、及び(C)前記(B)成分以外のポリオレフィン系樹脂1〜38質量%からなる樹脂成分100質量部と、(D)リン含有化合物とを含み、該(D)成分が下記(D1)及び/又は(D2)である、ポリカーボネート樹脂組成物。
(D1)リン原子に少なくとも1個のアルコキシ基が結合した、ホスファイト化合物及びホスフェート化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種(但し、該化合物が、リン原子に結合したアリールオキシ基を有する場合、該アリールオキシ基のすべてのオルト位が水素原子である化合物) 0.01〜0.5質量部
(D2)リン酸、亜リン酸、ホスホン酸及び亜ホスホン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種 0.001〜0.1質量部
2. (A)芳香族ポリカーボネート樹脂が、分子鎖末端基としてヒドロキシル基を有するものを含み、全末端基に対する該ヒドロキシル基の含有量が20〜80モル%である、上記1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
3. (A)芳香族ポリカーボネート樹脂が、分子鎖末端基としてヒドロキシル基を有するものを含み、全末端基に対する該ヒドロキシル基の含有量が20モル%未満である、上記1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
4. 前記樹脂成分100質量部に対し、(E)脂肪族アミン塩、芳香族アミン塩、アンモニウムヒドロキシド、ヒドロキシアンモニウム塩、及び4級ホスホニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を0.0001〜1質量部含む、上記3に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
5. 前記樹脂成分100質量部に対し、(F)リン系難燃剤を3〜20質量部含む、上記1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
6. 前記樹脂成分100質量部に対し、(G)無機充填材を1〜20質量部含む、上記1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
7. 前記(G)無機充填材が珪酸マグネシウムを含むものである、上記6に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
8. 前記樹脂成分100質量部に対し、(H)着色材を0.05〜5質量部含む、上記1〜7のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
9. 前記(H)着色材が金属酸化物である、上記8に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
10. 前記(A)成分の粘度平均分子量が11000〜30000である、上記1〜9のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
11. 上記1〜10のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を射出成形してなる成形体。
本発明によれば、ポリカーボネート樹脂とポリオレフィン系樹脂との相溶性を高めることができ、耐衝撃性に優れ、薄肉成形品であっても成形後に層状剥離を呈することがなく、かつ光沢ムラの少ないポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体を提供できる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂60〜95質量%、(B)エポキシ基又はグリシジル基を含有するポリオレフィン系樹脂及び/又はポリオレフィン系エラストマー2〜30質量%、及び(C)前記(B)成分以外のポリオレフィン系樹脂1〜38質量%からなる樹脂成分100質量部と、(D)リン含有化合物とを含み、該(D)成分が下記(D1)及び/又は(D2)であるポリカーボネート樹脂組成物である。
(D1)リン原子に少なくとも1個のアルコキシ基が結合した、ホスファイト化合物及びホスフェート化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種(但し、該化合物が、リン原子に結合したアリールオキシ基を有する場合、該アリールオキシ基のすべてのオルト位が水素原子である化合物) 0.01〜0.5質量部
(D2)リン酸、亜リン酸、ホスホン酸及び亜ホスホン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種 0.001〜0.1質量部
以下、本発明のポリカーボネート樹脂組成物に用いる各成分について説明する。
[(A)芳香族ポリカーボネート樹脂]
本発明における(A)成分である芳香族ポリカーボネート樹脂としては、2価フェノールとカーボネート前駆体との反応により製造される種々の芳香族ポリカーボネートを用いることができる。
2価フェノールとしては、様々なものが挙げられるが、特に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド及びビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。これらの2価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
特に、好ましい2価フェノールとしては、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系、特にビスフェノールA又はビスフェノールAを主原料としたものである。
カーボネート前駆体としては、例えばカルボニルハライド、カルボニルエステル及びハロホルメート等、具体的にはホスゲン、2価フェノールのジハロホーメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネート等が挙げられる。
また、芳香族ポリカーボネートは、分岐構造を有していてもよく、分岐剤としては、例えば1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,α”−トリス(4−ビドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、フロログリシン、トリメリット酸及びイサチンビス(o−クレゾール)等が挙げられる。
本発明における(A)成分の芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、11000〜30000であることが好ましく、12000〜28000がより好ましく、12000〜25000であることがさらに好ましい。粘度平均分子量が11000以上であれば耐衝撃性が十分であり、また、30000以下であれば成形性が良好であるとともに、成形体の層状剥離も生じない。
なお、本発明における(A)成分の粘度平均分子量は、塩化メチレン100cm3に芳香族ポリカーボネート樹脂約0.7gを20℃で溶解した溶液をウベローデ粘度計を用いて測定した比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
(ηsp)/C=[η]+0.45×[η]2
[η]=1.23×10-50.83
(但し、[η]は極限粘度、Cはポリマー濃度である)
本発明における(A)成分の配合量は、(A)〜(C)成分の合計量中、60〜95質量%である。60質量%未満では耐衝撃性等が低下し、95質量%超では流動性等の改良効果が不十分となることがある。配合量は、好ましくは65〜92質量%であり、より好ましくは70〜90質量%である。
ここで用いる(A)成分の芳香族ポリカーボネート樹脂は、その分子鎖末端基としてヒドロキシル基を有するものを含むが、この末端ヒドロキシル基の量によって、後述する(E)成分である脂肪族アミン類、芳香族アミン類、アンモニウムヒドロキシド、ヒドロキシアンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等を配合するか否かを定めることができる。
すなわち、芳香族ポリカーボネート樹脂の全末端基に対する末端ヒドロキシル基の含有量が20モル%以上である場合には、上記(E)成分を添加する必要がないが、芳香族ポリカーボネート樹脂の末端ヒドロキシル基の含有量が20モル%未満の場合には、上記(E)成分である脂肪族アミン類、芳香族アミン類、アンモニウムヒドロキシド、ヒドロキシアンモニウム塩、及び4級ホスホニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を添加することが好ましい。もちろん、末端ヒドロキシル基の含有量が20モル%以上であっても、上記(E)成分等を配合してもよく、また、逆に、末端ヒドロキシル基の含有量が20モル%未満であっても、上記(E)成分等を配合しなくても、差し支えはない。
(A)成分として、芳香族ポリカーボネート樹脂の全末端基に対する末端ヒドロキシル基の含有量が20モル%以上の芳香族ポリカーボネート樹脂を用いる場合には、該末端ヒドロキシル基の含有量は、エポキシ基又はクリシジル基との反応性の観点から、好ましくは20〜80モル%、より好ましくは20〜60モル%、さらに好ましくは20〜50モル%である。含有量が20モル%以上であればエポキシ基又はクリシジル基との反応性が良好であり、80モル%以下であれば架橋反応が起こることがなく、得られる樹脂組成物の流動性低下や耐衝撃性低下のおそれがない。
なお、芳香族ポリカーボネート樹脂の全末端基に対する末端ヒドロキシル基の含有量(以下、「OH末端分率」ともいう)は、1H−NMRを測定し、末端ヒドロキシル基に由来するピークの積分値から決定できる。
[(B)エポキシ基又はグリシジル基を含有するポリオレフィン系樹脂及び/又はポリオレフィン系エラストマー]
本発明における(B)成分であるポリオレフィン系樹脂は、例えばエポキシ基又はグリシジル基を有するオレフィンの単独重合体、あるいはオレフィンとエポキシ基又はグリシジル基を有する不飽和単量体との共重合体、オレフィン重合体に対してエポキシ基又はグリシジル基を有する不飽和単量体を共重合したものであってもよく、このような共重合体はグラフト共重合体、ランダム共重合体、あるいはブロック共重合体であってもよい。
また、例えばオレフィン重合体の末端、あるいはオレフィンと他の不飽和単量体等との共重合体及びこれらの複合物中に存在する不飽和結合を、過酸化水素あるいは有機過酸等、例えば過安息香酸、過ギ酸及び過酢酸等により酸化することでエポキシ基を導入したものであってもよい。すなわち、オレフィン系重合体にエポキシ基又はグリシジル基を導入したものであればいずれを用いてもよい。
また、(B)成分におけるポリオレフィン系エラストマーとは、エポキシ基又はグリシジル基を含有し、X線回折法により測定される結晶化度が50%以下の低結晶性ないし非晶性のオレフィン系共重合体のことである。
オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、2−ブテン、シクロブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ブテン、シクロペンテン、1−ヘキセン、シクロヘキセン、1−オクテン、1−デセン、及び1−ドデセン等が挙げられる。これらは、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ基又はグリシジル基を有する不飽和単量体としては、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテル、2−メチルプロペニルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル、グリシジルシンナメート、イタコン酸グリシジルエステル、及びN−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメチルベンジル]メタクリルアミド等が挙げられる。これらは、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよく、さらに、これらのエポキシ基又はグリシジル基を有する不飽和単量体とともに、例えば、アルキルアクリレートやアルキルメタクリレート等のようなエポキシ基又はグリシジル基を有さない不飽和単量体を用いて、これらを共重合したような、グリシジル基に加えアクリル酸エステルやメタクリル酸エステル等の基が含まれているものであってもよい。
本発明における(B)成分であるポリオレフィン系樹脂及び/又はポリオレフィン系エラストマーを構成するオレフィン及び単量体のうち、エポキシ基又はグリシジル基を有する不飽和単量体の含有量は、1〜20質量%であることが好ましい。含有量が1質量%以上であれば、(A)成分と(C)成分との相溶性の改善効果が発揮され、引張伸びや耐衝撃性が低下せず、成形体の層状剥離が発生することがない。また、20質量%以下であると自己架橋が起こるおそれがなく、引張伸びや耐衝撃性が低下せず、さらに成形体の層状剥離が発生することがない。このような点から、エポキシ基又はグリシジル基を有する不飽和単量体の含有量は、2〜18質量%がより好ましく、4〜15質量%であることがさらに好ましい。
また、(B)成分の重量平均分子量は、5万〜50万程度であることが好ましい。この範囲内であれば、層状剥離を防止できると共に、良好な引張伸びや高い耐衝撃性を得ることができる。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を用いることにより求めることができる。
本発明においては、(B)成分として、エポキシ基又はグリシジル基を有するポリオレフィン系樹脂を1種以上用いてもよいし、エポキシ基又はグリシジル基を有するポリオレフィン系エラストマーを1種以上用いてもよく、また上記ポリオレフィン系樹脂1種以上とポリオレフィン系エラストマー1種以上とを併用してもよい。
本発明における(B)成分の配合量は、(A)〜(C)成分の合計量中、2〜30質量%である。2質量%未満であると(A)成分と(C)成分との相溶性の改善が充分とはいえず、耐衝撃性が低下し、さらに成形体の層状剥離が発生することがある。30質量%超では自己架橋が起こりやすく、耐衝撃性が低下し、場合により成形体の層剥離が発生することがある。このような点から、配合量は、2〜20質量%であることが好ましく、3〜10質量%であることがより好ましい。
[(C)ポリオレフィン系樹脂]
本発明における(C)成分であるポリオレフィン系樹脂は、前記(B)成分であるエポキシ基又はグリシジル基を有するポリオレフィン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂である。ポリオレフィン系の樹脂としては、前述したエチレンやプロピレン、ブテン等のオレフィン類を単独で重合したものやこれらを共重合した重合体が挙げられる。
例えば、ポリエチレン系樹脂としては、エチレンを単独で重合したものであってもよく、エチレンを主体として共重合したものであってもよく、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メタクリレート共重合体等のポリエチレン系樹脂等が挙げられる。また、エチレン−α−オレフィン共重合体としては、例えば、プロピレンとエチレンの共重合体等が挙げられ、グラフト共重合体、ランダム共重合体あるいはブロック共重合体のいずれであってもよい。これらの中では、高密度ポリエチレンが特に好ましい。
これらのポリエチレン系樹脂のメルトインデックス(MI)は、0.01〜50g/10分程度のものであることが好ましく、0.02〜30g/10分であることがより好ましい。MIが0.01g/10分以上であれば流動性の改善効果を充分に発揮でき、50g/10分以下であれば成形体の層状剥離が発生しにくくなる。
なお、ポリエチレン系樹脂の場合のMIは、ASTM D 1238に準拠した測定法により求めたものであり、樹脂温度190℃、荷重21.18Nにおいて測定したものである。
また、ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンを単独で重合したものであってもよく、プロピレンを主体として共重合したものであってもよい。例えば、アイソタクチックプロピレン単独重合体、あるいはシンジオタクチックプロピレン単独重合体であってもよい。また、共重合体は、例えばプロピレンとエチレンの共重合体等が挙げられ、グラフト共重合体、ランダム共重合体あるいはブロック共重合体のいずれであってもよい。
このようなポリプロピレン系樹脂のメルトインデックス(MI)は、0.1〜60g/10分程度のものであることが好ましく、0.1〜50g/10分であることがより好ましい。MIが0.1g/10分以上であれば流動性の改善効果を充分に発揮でき、60g/10分以下であれば成形体の層状剥離が発生しにくくなる。なお、このポリプロピレン系樹脂のMIはASTM D 1238に準拠した測定法により求めたものであり、樹脂温度230℃、荷重21.18Nにおいて測定したものである。
また、上記のポリエチレン系樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂の他、メルトインデックス(MI)が0.01〜60g/10分(230℃、21.18N)程度のポリオレフィン系樹脂であれば、同様に使用することができる。
本発明においては、(C)成分として、上記ポリオレフィン系樹脂を1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明における(C)成分の配合量は、(A)〜(C)成分の合計量中、1〜38質量%であり、5〜35質量%であることが好ましく、7〜30質量%であることがより好ましい。1質量%未満では流動性の改善効果が充分に発揮できず、38質量%超では耐衝撃性が低下し、場合により成形体の層状剥離が発生し易くなる傾向がある。
[(D)リン含有化合物]
本発明の(D)成分として用いるリン含有化合物は、下記(D1)及び/又は(D2)である。
(D1)リン原子に少なくとも1個のアルコキシ基が結合した、ホスファイト化合物及びホスフェート化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種(但し、該化合物が、リン原子に結合したアリールオキシ基を有する場合、該アリールオキシ基のすべてのオルト位が水素原子である化合物) 0.01〜0.5質量部
(D2)リン酸、亜リン酸、ホスホン酸及び亜ホスホン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種 0.001〜0.1質量部
本発明の(D)成分は、前記(B)成分のエポキシ基又はグリシジル基を含有するポリオレフィン系樹脂及び/又はポリオレフィン系エラストマーのエポキシ基又はグリシジル基を活性化し、相溶化成分として機能する(A)成分と(B)成分との反応生成物の生成効率を高めるとともに、前記(A)ないし(C)成分の樹脂の相溶性を高め、(A)成分中における(C)成分の分散性を向上させ、(C)成分の配向を抑制し、層状剥離や光沢ムラを抑制するという機能を奏するものである。上記効果は、後述する(G)無機充填材や(H)着色材を併用した場合に顕著であり、(G)無機充填材として珪酸マグネシウムを用いた場合や、(H)着色材として金属酸化物を用いた場合に特に顕著である。
<(D1)成分>
本発明における(D1)成分は、リン原子に少なくとも1個のアルコキシ基が結合した、ホスファイト化合物及びホスフェート化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である。但し、該化合物がリン原子に結合したアリールオキシ基を有する場合、該アリールオキシ基のすべてのオルト位が水素原子である化合物であることを特徴とする。
リン原子に少なくとも1個のアルコキシ基が結合した、ホスファイト化合物及びホスフェート化合物としては、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、及び亜ホスホン酸のエステル等が挙げられる。
前記ホスファイト化合物としては、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
前記ホスフェート化合物としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルフェニルホスフェート、ジオクチルフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルホスフェート等が挙げられる。
上記化合物の中でも、トリデシルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトが相溶性を高める点で好ましい。上記化合物は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明における(D1)成分の配合量は、前記(A)〜(C)からなる樹脂成分100質量部に対して、0.01〜0.5質量部であり、好ましくは0.03〜0.4質量部である。0.01質量部未満では、上述した相溶化成分の生成効率を高める効果が不十分となり、0.5質量部を超える場合には、相溶化成分の生成効率が高くなりすぎ、架橋成分が多くなり耐衝撃性が低下するようになる。
<(D2)成分>
本発明における(D2)成分は、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸及び亜ホスホン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である。上記の中でも、リン酸、亜リン酸が好ましい。上記化合物は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D2)成分は、(B)成分におけるエポキシ基又はグリシジル基を活性化させ自己架橋反応を促進させるものであり、これにより相溶化成分の強度が高まり、成形時の(A)成分と(C)成分との粘度差による変形及び配向を抑制し、層状剥離を抑えることができる。
本発明における(D2)成分の配合量は、前記(A)〜(C)からなる樹脂成分100質量部に対して、0.001〜0.1質量部であり、好ましくは0.002〜0.05質量部である。0.001質量部未満では、上記自己架橋反応促進効果が不十分となり、0.1質量部を超える場合には、上記自己架橋が多くなりすぎ、耐衝撃性が低下するとともに、(B)成分の(A)成分との反応量が相対的に少なくなり相溶化成分としての機能が低下するようになる。
本発明における(D)成分としては、前記(D1)又は(D2)成分のいずれか一方のみを用いてもよく、併用してもよい。前記(D1)及び(D2)成分を併用する場合には、前記(A)〜(C)からなる樹脂成分100質量部に対して、それぞれ(D1)成分を0.01〜0.5質量部、(D2)成分を0.001〜0.1質量部の範囲で配合することが好ましい。
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、以上の(A)から(D)成分の他に、必要に応じ、(E)脂肪族アミン塩、芳香族アミン塩、アンモニウムヒドロキシド、ヒドロキシアンモニウム塩、及び4級ホスホニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種、難燃性の向上のため(F)リン系難燃剤、難燃性や剛性の向上のため(G)無機充填材、あるいは、外観性向上のために(H)着色材を配合することができる。
[(E)脂肪族アミン塩、芳香族アミン塩、アンモニウムヒドロキシド、ヒドロキシアンモニウム塩、及び4級ホスホニウム塩]
本発明における(E)成分は、脂肪族アミン塩、芳香族アミン塩、アンモニウムヒドロキシド、ヒドロキシアンモニウム塩、及び4級ホスホニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、必要に応じて用いられる。
脂肪族アミン塩及び芳香族アミン塩は、例えば一般式R123N・1/nA1で表すことができ、脂肪族アミン塩のときR1〜R3は、独立して水素原子又は脂肪族基を示す(ただし、全てが同時に水素原子ではない)。芳香族アミン塩のときR1〜R3は、独立して水素原子又は芳香族基を示す(ただし、全てが同時に水素原子ではない)。A1は酸を表し、例えば塩酸、硫酸、硝酸、塩素酸、過塩素酸、酢酸、モノアルキル硫酸、スルホン酸化合物等である。nは、酸A1のアニオンの価数であり、例えば塩酸の場合はn=1、硫酸の場合はn=2である。
アンモニウムヒドロキシドは、例えば一般式R4567+・OH-で表すことができる。R4〜R7は、例えば独立して水素原子又は炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す(ただし、全てが同時に水素原子ではない)。
このアンモニウムヒドロキシドの具体例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド等を挙げることができる。
一方、ヒドロキシアンモニウム塩としては、例えば一般式R89NOH・1/mA2で表すことができ、R8及びR9は、例えば独立に水素原子又は炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す(ただし、全てが同時に水素原子ではない)。A2は酸を示し、mは酸A2のアニオンの価数である。
このヒドロキシアンモニウム塩の例としては、塩酸メチルヒドロキシルアミン、塩酸エチルヒドロキシルアミン、塩酸n−プロピルヒドロキシルアミン、塩酸イソプロピルヒドロキシルアミン、塩酸ジメチルヒドロキシルアミン、塩酸ジエチルヒドロキシルアミン、及びこれらのヒドロキシルアミン類における塩酸を他の酸、例えば硫酸、硝酸、酢酸、モノアルキル硫酸、スルホン酸化合物等に置換したヒドロキシルアミン類等を挙げることができる。
また、4級ホスホニウム塩は、特に限定されないが、例えば下記一般式(I)〜(III)のいずれかで表される化合物を用いることができる。
(PR4+・(X2- ・・・(I)
(PR4+ 2・(Y22- ・・・(II)
〔(PR4+-n−P(=O)R”3-n ・・・(III)
上記一般式(I)〜(III)中、Rは有機基を示し、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基やシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアリールアルキル基等を示す。リン原子に結合する4つのRのうち少なくとも一つはアリール基であることが必要である。また4つのRは互いに同一でも異なっていてもよく、二つのRが結合して環構造を形成していてもよい。
上記一般式(I)中、X2はハロゲン原子、水酸基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、HCO3又はBR’4等の1価の対アニオンを示す。ここで、R’は水素原子又はアルキル基やアリール基等の炭化水素基を示し、4つのR’は互いに同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(II)中、Y2はCO3等の2価の対アニオンを示す(2個の1価の対アニオンの場合を含む)。
上記一般式(III)中、R”は炭化水素基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基又は水酸基を示し、R”は互いに同一でも異なっていてもよく、nは1〜3の整数を示す。
上記一般式(I)で表される4級ホスホニウム化合物の具体例としては、例えば、テトラフェニルホスホニウムヒドロキシド、ビフェニルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、メトキシフェニルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、フェノキシフェニルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、ナフチルフェニルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、ビフェニルトリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、メトキシフェニルトリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、フェノキシフェニルトリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、ナフチルフェニルトリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムフェノキシド、ビフェニルトリフェニルホスホニウムフェノキシド、メトキシフェニルトリフェニルホスホニウムフェノキシド、フェノキシフェニルトリフェニルホスホニウムフェノキシド、ナフチルフェニルトリフェニルホスホニウムフェノキシド、テトラフェニルホスホニウムクロライド、ビフェニルトリフェニルホスホニウムクロライド、メトキシフェニルトリフェニルホスホニウムクロライド、フェノキシフェニルトリフェニルホスホニウムクロライド又はナフチルフェニルトリフェニルホスホニウムクロライド、シクロヘキシルトリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等が挙げられる。
上記一般式(II)で表されるような2価の対アニオンを有する4級ホスホニウム化合物の具体例としては、例えばビス(テトラフェニルホスホニウム)カーボネート、ビス(ビフェニルトリフェニルホスホニウム)カーボネート、ビス(ナフチルトリフェニルホスホニウム)カーボネート等の4級ホスホニウム塩や、さらに、例えば2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのビス−テトラフェニルホスホニウム塩、エチレンビス(トリフェニルホスホニウム)ジブロミド、トリメチレンビス(トリフェニルホスホニウム)−ビス(テトラフェニルボレート)等も挙げることができる。
上記一般式(III)で表されるようなリン酸塩を有する4級ホスホニウム化合物の具体例としては、例えば、リン酸テトラフェニルホスホニウム、フェニルリン酸テトラフェニルホスホニウム、ジフェニルリン酸テトラフェニルホスホニウム等が挙げられる。
前記(A)成分である芳香族ポリカーボネート樹脂と、前記(C)成分であるポリオレフィン系樹脂との相溶性を向上させ、剥離を改善する観点からは、これらの4級ホスホニウム塩のうち、上記一般式(I)で表され、リン原子に結合するアリール基を1個以上有するもの、より好ましくは、3個以上有するものがより好ましい。4級ホスホニウム塩は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、前述のように、(E)成分は、(A)成分の芳香族ポリカーボネート樹脂が有する全末端官能基に対する末端ヒドロキシル基の割合に応じて、すなわち、末端基に対して末端ヒドロキシル基が20モル%未満であるときに、特に配合することが好ましく、配合することにより、機械的強度や剥離強度等をより向上させることができる。配合する場合、(E)成分の配合量は、(A)〜(C)からなる樹脂成分100質量部に対して、好ましくは0.0001〜1質量部である。1質量部以下であれば、ポリカーボネート樹脂組成物中のポリカーボネートの分子量が低下せず、耐衝撃性が低下するおそれがない。このような点から、配合量は0.0002〜0.5質量部であることがより好ましく、0.0004〜0.1質量部であることがさらに好ましい。
(E)成分を配合する場合には、該(E)成分である脂肪族アミン塩、芳香族アミン塩、アンモニウムヒドロキシド、ヒドロキシアンモニウム塩、4級ホスホニウム塩は2種以上組み合わせて用いてもよいが、特に、相溶性を向上させ、剥離を改善する観点から、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドのような4級アンモニウム塩とともに4級ホスホニウム塩とを組み合わせて用いてもよく、併用する場合には、アミン類の配合量が4級ホスホニウム塩に対して、0.1〜50倍量の配合量とすることが、仕上がりのポリカーボネートの分子量を制御し、機械的強度等を発現する点で好ましい。
[(F)リン系難燃剤]
本発明における(F)成分としては、赤リンやリン酸エステル系の難燃剤が挙げられる。
リン酸エステル系の難燃剤としては、リン酸エステルのモノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの混合物からなるものであって、前記(D1)成分以外の化合物が挙げられる。具体的には、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、ビスフェノールAビスホスフェート、ヒドロキノンビスホスフェート、レゾルシンビスホスフェート、レゾルシノール−ジフェニルホスフェート、トリオキシベンゼントリホスフェート等、又はこれらの置換体、縮合物等が挙げられる。
リン酸エステル系難燃剤として好適に用いることができる市販のリン酸エステル化合物としては、たとえば、大八化学工業株式会社製の、TPP〔トリフェニルホスフェート〕、TXP〔トリキシレニルホスフェート〕、CR733S〔レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)〕、CR741〔ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)〕、PX200〔1,3−フェニレン−テトラキス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート、PX201L〔1,4−フェニレン−テトラキス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート、PX202〔4,4'−ビフェニレン−テトラキス)2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート等を挙げることができる。
上記リン酸エステル系難燃剤は、2価のフェノール類及びAr・OHで表される1価のフェノール類とオキシ塩化リンとの反応によって得られる。
これらの(F)成分のリン系難燃剤は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの成分(F)の含有量は、前記(A)〜(C)からなる樹脂成分100質量部に対して、好ましくは3〜20質量部、より好ましくは5〜20質量部、さらに好ましくは8〜20質量部である。
3質量部以上配合することにより所望の難燃性が得られ、20質量部以下とすることにより耐衝撃性等の低下を避けることができる。
[(G)無機充填材]
本発明においては、必要に応じ(G)成分である無機充填材を、成形品の剛性、さらには難燃性をさらに向上させるために含有させることができる。
ここで、無機充填材としては、タルク、マイカ、カオリン、珪藻土、炭酸カルシウム等を挙げることができる。なかでも、板状であるタルク、マイカ等の充填材が好ましく、珪酸マグネシウムであるタルクがより好ましい。これらの無機充填材は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
無機充填材の平均粒径は、好ましくは0.1〜50μm、より好ましくは0.2〜20μmである。
ここで、(G)無機充填材の含有量は、前記(A)〜(C)からなる樹脂成分100質量部に対して、好ましくは1〜20質量部、より好ましくは2〜15質量部である。(G)成分の含有量が1質量部以上であれば、目的とする剛性、難燃性改良効果が十分であり、20質量部以下であれば、耐衝撃性等の低下が生じない。(G)成分の含有量は、成形品の厚み、樹脂流動長等、成形品の要求性状と成形性を考慮して適宜決定することができる。
[(H)着色材]
本発明においては、必要に応じ(H)成分である着色材を、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の成形品の外観性を向上させるために用いられる。
着色材としては、有機又は無機系の着色材のいずれも用いることができる。有機系の着色材としては、カーボンブラック等が挙げられ、無機系の着色材としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等の金属酸化物系の着色材が挙げられる。これら着色材のうち、無機系の着色材が好ましく、金属酸化物を用いることがより好ましい。また、これらの着色材は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
これらの(H)成分の配合量は、前記(A)〜(C)からなる樹脂成分100質量部に対して、好ましくは0.05〜5質量部の範囲であり、より好ましくは0.1〜3質量部の範囲である。
[添加剤]
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物において、上記(A)〜(H)成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲で各種添加剤を配合することができる。添加剤としては、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃助剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、離型剤及び滑剤等が挙げられる。
[ポリカーボネート樹脂組成物及び成形体]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記(A)〜(D)成分及び必要に応じて用いられる(E)〜(H)成分及び各種の添加剤を常法により配合し、溶融混練することにより得ることができる。各成分の配合順序には特に制限はないが、具体的には、(E)成分のアミン塩等を配合する場合、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂、(B)エポキシ基又はグリシジル基含有ポリオレフィン又はポリオレフィンエラストマー、及び(E)成分のアミン塩等を混合した後、(D)リン含有化合物及び(F)リン系難燃剤を配合することが好ましく、(C)ポリオレフィン系樹脂は(A)成分及び(B)成分の混合と同時に、あるいはこれらを混合した後に配合してもよく、また(G)無機充填材及び(H)着色材は、(E)成分の配合の有無に係わらず(A)成分及び(B)成分を混合した後に配合することが好ましい。
溶融混練する溶融混練機としては、例えばバンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、コニーダ及び多軸スクリュー押出機等が挙げられる。溶融混練における加熱温度は、通常220〜300℃、特に250℃程度が適当である。
上記条件で溶融混練すると、(B)成分のエポキシ基又はグリシジル基含有ポリオレフィン又はポリオレフィンエラストマーのエポキシ基又はグリシジル基を、(D)成分のリン含有化合物が活性化させ、相溶化成分の生成を促す。それにより、本発明で得られるポリカーボネート樹脂組成物は、マトリックス相に(A)成分の芳香族ポリカーボネート樹脂が、ドメインに(C)成分のポリオレフィン樹脂が存在し、その界面にはポリカーボネートとエポキシ基又はグリシジル基を含有するポリオレフィンとの反応生成物による相溶化成分が存在するものとなる。適度な相溶化成分の量の介在は界面を安定化させ、ポリカーボネートとポリオレフィンの相溶性が向上し、耐衝撃性、曲げ強度等の機械特性等に優れ、剥離し難いポリカーボネート樹脂組成物を得ることができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、公知の成形方法、例えば中空成形、射出成形、押出成形、真空成形、圧空成形、熱曲げ成形、圧縮成形、カレンダー成形及び回転成形等を適用することにより、成形体とすることができ、特に射出成形による成形法が好ましい。
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、耐衝撃性及び外観性等に優れるため、射出成形によりこれらの特性が要求される自動車部品、電子機器や情報機器のハウジング等として利用可能である。
本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、以下において、GMAはグリシジルメタクリレート、MIはメルトインデックスを示す。
実施例及び比較例において用いた(A)〜(H)成分を以下に示す。
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂
A−1:タフロンFN2600A[出光興産(株)製、分子量25400] OH末端分率:4モル%
A−2:溶融法で製造したPC[分子量 21200] OH末端分率:30モル%
内容積30リットルのSUS316製オートクレーブに、ビスフェノールA 4560g(20モル)、ジフェニルカーボネート4418g(20.65モル)を仕込み、触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)をビスフェノールAに対して2.5×10-4モル、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート(北興化学工業製 TPPK)を1×10-5モル加え、210℃で30分加熱したのち240℃、270℃、290℃と段階的に昇温し、さらに徐々に真空度を上げ最終的に0.4mmHgにて2時間攪拌混合し、上記A−2に示したポリカーボネートを得た。
なお、末端ヒドロキシル基の含有量(OH末端分率)は、ポリカーボネート樹脂70mgを重クロロホルム0.6mLに室温下で溶解した後、1H−NMRを測定し(1H核共鳴周波数:500MHz、観測周波数範囲:10000Hz、積算回数:256回)、末端の水酸基由来のピークa(7.06、7.05ppm)、末端のビスフェノールAのフェニルの水素のピーク(6.67、6.65ppm)及びc(4.87ppm)に基づき、算出した。
(B)エポキシ基又はグリシジル基を含有するポリオレフィン系樹脂及び/又はポリオレフィン系エラストマー
B−1:エチレン−GMA共重合体[住友化学(株)製、ボンドファーストE、GMA含有量12質量%]
B−2:ポリプロピレン−GMAグラフト共重合体[ポリプロピレンとGMAと有機過酸化物をブレンド後、バッチ式混練にて溶融混練して製造]、GMA含有量9質量%]
(C)ポリオレフィン系樹脂
C−1:ポリプロピレンブロック重合体[プライムポリマー(株)製、J−785H、MI=15g/10分]
C−2:ポリプロピレンブロック重合体[プライムポリマー(株)製、E−185G、MI=0.35g/10分]
C−3:ポリエチレン[プライムポリマー(株)製、64OUF、MI=0.21g/10分]
(D1)成分
D−1:モノオクチルジフェニルホスファイト[(株)ADEKA製、アデカスタブC]
D−2:ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト[(株)ADEKA製、PEP−8]
D−3:トリデシルホスファイト[(株)ADEKA製、3010]
(D2)成分
D−4:1%リン酸水溶液
(D)成分以外のリン含有化合物
d−1:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト[(株)BASF製、イルガフォス168]
d−2:トリフェニルホスファイト[(株)ADEKA製、TPP]
d−3:2,2’−メチレンビス(4,6−ジブチルフェニル)オクチルホスファイト[(株)ADEKA製、HP−10]
d−4:ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト[(株)ADEKA製、PEP−36]
(E)アンモニウムヒドロキシド類
E−1:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド[和光純薬(株)製、3%水溶液]
(F)リン系難燃剤
F−1:芳香族縮合リン酸エステル系難燃剤[大八化学工業(株)製、CR−741]
(G)無機充填材
G−1:タルク[富士タルク工業(株)製、TPA−25]
(H)着色材
H−1:酸化チタン[石原産業(株)製、CR63]
H−2:カーボンブラック[三菱化学(株)製、MA−100]
H−3:酸化鉄[Lanxess社製、180M]
<樹脂組成物(ペレット)の製造方法>
押出機として、供給口を2個有するベント付き二軸押出機[日本製鋼所(株)製、TEX44]を用い、設定温度を250℃とし、スクリュー回転数300rpm、吐出量100kg/時で表1に示す(A)〜(H)成分を溶融混練し、目的とするペレットを得た。
<評価方法>
(1)混合後のポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)
混合後のポリカーボネート樹脂に塩化メチレンを加え、ベントナイトで不溶分を吸着させた後、ろ過して可溶分を取り出し、これを乾燥させてフィルムとしたものを秤量し、粘度平均分子量を測定した。
粘度平均分子量の測定は、塩化メチレン100cm3に上記フィルム約0.7gを20℃で溶解し、その溶液の比粘度(ηsp)をウベローデ粘度計により測定し、比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めた。
(ηsp)/C=[η]+0.45×[η]2
[η]=1.23×10-50.83
(但し、[η]は極限粘度、Cはポリマー濃度である)
(2)耐衝撃性(アイゾッド耐衝撃性)
JIS K 7110に準拠して測定した(ノッチ付き、試験片厚さ3.0mm)。
(3)耐剥離性(折り曲げ試験による剥離評価)
前述のようにして得られたペレットを110℃で6時間以上乾燥した後、成形温度260℃、金型温度60℃で、JIS K 7162に準拠した試験片1B形、厚み3.2mmの試験片を成形した。
上記試験片を中央部から両端どうしがつくまで折り曲げ、さらに反対方向に同様に折り曲げた。表面にシワの発生する回数で剥離性を評価した。なお、表1において、10回以上折り曲げても剥離しなかった場合は「10<」とした。
(4)光沢ムラ(Δグロスの測定)
前述のようにして得られたペレットを、シリンダー温度260℃、金型温度60℃で、フィルムゲート(幅50mm、厚み1mm)において充填時間1.0秒にて成形し、厚み1.5mm、150×150mm角の試験片を得た。
上記試験片における、ゲートから2cmの箇所、及び末端から2cmの箇所のグロス値を、それぞれグロス計[日本電色工業(株)製、Gloss Meter VG2000]にて反射角60°で測定し、その値の差(Δグロス)を光沢ムラとして示した。Δグロス値が大きいほど光沢ムラが大きいことを示す。
〔実施例1〜5、比較例1〜5〕
表1に示す配合割合で樹脂組成物を配合してペレットを作製し、前述した方法で試験片の作製、物性評価を行った。得られた結果を表1に示した。
Figure 2013111846
表1によると、本発明のポリカーボネート樹脂組成物から得られる成形品は、それぞれ対応する比較例よりも耐衝撃性に優れ、フィルムゲートを有する薄肉成形品の場合であっても、折り曲げ剥離回数10回以内に層状剥離を呈することがなく、かつ光沢ムラも少ないことがわかる。
また、比較例5では、(D)成分としてリン原子に1個のアルコキシ基(オクチルオキシ基)が結合したホスファイト化合物を用いているが、該ホスファイト化合物がリン原子に結合したアリールオキシ基を有しており、該アリールオキシ基のオルト位に置換基を有しているため、本発明の効果が得られないことがわかる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、耐衝撃性に優れ、薄肉成形品の場合であっても層状剥離を呈することがなく、かつ光沢ムラも少ないため、自動車部品、電子機器や情報機器のハウジング等に有用である。

Claims (11)

  1. (A)芳香族ポリカーボネート樹脂60〜95質量%、(B)エポキシ基又はグリシジル基を含有するポリオレフィン系樹脂及び/又はポリオレフィン系エラストマー2〜30質量%、及び(C)前記(B)成分以外のポリオレフィン系樹脂1〜38質量%からなる樹脂成分100質量部と、(D)リン含有化合物とを含み、該(D)成分が下記(D1)及び/又は(D2)である、ポリカーボネート樹脂組成物。
    (D1)リン原子に少なくとも1個のアルコキシ基が結合した、ホスファイト化合物及びホスフェート化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種(但し、該化合物が、リン原子に結合したアリールオキシ基を有する場合、該アリールオキシ基のすべてのオルト位が水素原子である化合物) 0.01〜0.5質量部
    (D2)リン酸、亜リン酸、ホスホン酸及び亜ホスホン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種 0.001〜0.1質量部
  2. (A)芳香族ポリカーボネート樹脂が、分子鎖末端基としてヒドロキシル基を有するものを含み、全末端基に対する該ヒドロキシル基の含有量が20〜80モル%である、請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. (A)芳香族ポリカーボネート樹脂が、分子鎖末端基としてヒドロキシル基を有するものを含み、全末端基に対する該ヒドロキシル基の含有量が20モル%未満である、請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 前記樹脂成分100質量部に対し、(E)脂肪族アミン塩、芳香族アミン塩、アンモニウムヒドロキシド、ヒドロキシアンモニウム塩、及び4級ホスホニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を0.0001〜1質量部含む、請求項3に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 前記樹脂成分100質量部に対し、(F)リン系難燃剤を3〜20質量部含む、請求項1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  6. 前記樹脂成分100質量部に対し、(G)無機充填材を1〜20質量部含む、請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  7. 前記(G)無機充填材が珪酸マグネシウムを含むものである、請求項6に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  8. 前記樹脂成分100質量部に対し、(H)着色材を0.05〜5質量部含む、請求項1〜7のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  9. 前記(H)着色材が金属酸化物である、請求項8に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  10. 前記(A)成分の粘度平均分子量が11000〜30000である、請求項1〜9のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を射出成形してなる成形体。
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