JP5250324B2 - ポリカーボネート樹脂組成物及び該組成物を射出成形してなる自動車部品 - Google Patents
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Description
一方、ポリカーボネートは衝撃強度を初めとした機械的物性に優れるという長所を有しているものの、流動性及び耐薬品性に劣るなどの欠点が存在する。
この改良手法として、流動性に関してはPC/ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)アロイが、又耐薬品性に関してはPC/ポリエステル(PBT;ポリブチレンテレフタレート、PET;ポリエチレンテレフタレート)アロイが提案されている。
ただし、PC/ABSアロイは耐薬品性や耐候性に劣り、又グロス(光沢)が高すぎ、そのままでは内装材として使用できず、塗装を必要としコストアップとなるため使用が制限されている。
また、PC/ポリエステル(PBT、PET)は流動性の改良効果が小さく、かつ耐加水分解性に劣る、光沢が高く低グロス化が困難であるなどの問題があった。
PC/ABSアロイ、PC/ポリエステル(PBT、PET)アロイは何れも軋み音が高いという欠点も存在していた。
そこで、これらの課題を克服する材料の組み合わせとして、PCとポリオレフィン樹脂のアロイ、特にポリプロピレン(PP)若しくはポリエチレン(PE)とPCのアロイが期待されるが、相容化が困難で、そのため面衝撃が弱い、射出成形品に層剥離が生じるなどの大きな課題があり、実際実用化が困難であった。
特許文献2は、PCとエポキシ基含有ポリオレフィン(PO)とビニル系重合体を組み合わせることで、PCの耐衝撃性の厚み依存性を改良することを提案したものであるが、エポキシ基含有POとビニル系重合体が形成する多相構造体の添加量が少なく、PCの流動性の改良効果は大きく期待できない。
また、耐薬品性の改良効果も小さい。
特許文献3は、PPとPCの相容化剤として、末端カルボキシル基を有するPCとエポキシ基含有PPを溶融混練時に用いることを提案したものであるが、その反応効果は十分ではなく、伸びの改良や層剥離防止効果は小さい。
特許文献4は、PPとPCの相容化剤として、SEBSを用いることを提案したものだが、SEBSもPCとの相容性が低く、この方法では、引張伸びの向上や層剥離防止が困難である。
特許文献5は、OH末端PCとエチレン−グリシジルメタクリレート(GMA)の共重合体を溶融混練することにより、低温衝撃性を改善することを提案したものだが、この方法では流動性の改善は殆んど期待できない。
また、PPとの組み合わせに関しては、全く考慮されていない。
特許文献6は、酸無水物変性ポリオレフィン(PO)とOH末端PCを反応させた樹脂改質剤が開示されており、そして、本改質剤はPPとPCの相容化剤としても活用できることを提案している。
しかし、実際PCとPPの改質剤としての効果は示されておらず、酸無水物変性POとOHの反応は十分ではなく、伸びの改良や層剥離防止効果は小さい。
すなわち、本発明は、下記のポリカーボネート樹脂組成物及び該組成物を射出成形してなる自動車部品を提供するものである。
2.(C)ポリエチレン系樹脂が、高密度ポリエチレンである上記1記載のポリカーボネート樹脂組成物、
3.(B)ポリオレフィン系樹脂及び/又はポリオレフィン系エラストマーが、ポリエチレン系樹脂及び/又はポリエチレン系エラストマーである上記1又は2記載のポリカーボネート樹脂組成物、
4.樹脂組成物中の(A)芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が、12000以上、16000未満である上記1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物、
5.上記1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を射出成形してなる自動車部品
本発明における(A)芳香族ポリカーボネート樹脂は、粘度平均分子量が16000〜28000であれば特に制限はない。
通常、本発明の(A)成分としては、2価フェノールとカーボネート前駆体との反応により製造される種々の芳香族ポリカーボネート樹脂を用いることができる。
これらの2価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
特に、好ましい2価フェノールとしては、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系、特にビスフェノールA又はビスフェノールAを主原料としたものである。
粘度平均分子量が16000未満であると引張伸び率や耐衝撃性が不十分となり、高速落錘試験などで脆性破壊となる。
また、28000を超えると射出成形体の層剥離が発生し、引張伸び率が低下する。
粘度平均分子量は好ましくは17000〜25000であり、より好ましくは18000〜24000である。
(ηsp)/C=[η]+0.45×[η]2C
[η]=1.23×10-5M0.83
(但し、[η]は極限粘度、Cはポリマー濃度である。)
配合量が50質量%未満では引張強度及び弾性率などが低下し、94質量%を超えると流動性及び耐薬品性などの改良効果が不十分となる。
配合量は好ましくは55〜92質量%であり、より好ましくは60〜88質量%である。
本発明における(B)ポリオレフィン系樹脂及び/又はポリオレフィン系エラストマーは、エポキシ基又はグリシジル基を3〜30質量%含有するものである。
また、例えば、オレフィン重合体の末端、あるいはオレフィンと他の不飽和単量体などとの共重合体及びこれらの複合物中に存在する不飽和結合を、過酸化水素あるいは有機過酸など、例えば、過安息香酸、過ギ酸及び過酢酸などにより酸化することでエポキシ基を導入したものであってもよい。
すなわち、オレフィン系重合体にエポキシ基又はグリシジル基を導入したものであればいずれを用いてもよい。
(B)成分におけるポリオレフィン系エラストマーとは、エポキシ基又はグリシジル基を含有し、X線回折法により測定される結晶化度が50%以下の低結晶性ないし非晶性のオレフィン系共重合体である。
これらは、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ基又はグリシジル基を有する不飽和単量体としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル、グリシジルシンナメート、イタコン酸グリシジルエステル、及びN−{4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメチルベンジルメタクリルアミドなどが挙げられる。
これらは、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
含有量が3質量%未満であると(A)成分と(C)成分との相溶性の改善効果が発揮されず、引張伸び率及び耐衝撃性が低下し、さらに射出成形体の層剥離が発生する。
また、30質量%を超えると自己架橋が起こるおそれがあり、引張伸び率及び耐衝撃性が低下し、場合により射出成形体の層剥離が発生する。
含有量は好ましくは4〜25質量%であり、より好ましくは5〜20質量%である。
この範囲内であれば、層剥離を防止できると共に、良好な引張伸びや高い面衝撃性を得ることができる。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法を用いることにより求めることができる。
なかでも、本発明の(B)ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂が好ましく、本発明の(B)ポリオレフィン系エラストマーとしては、ポリエチレン系エラストマーが好ましい。
本発明における(B)成分の配合量は、(A)〜(C)成分の合計量中、1〜15質量%である。
配合量が1質量%未満では(A)成分と(C)成分との相溶性の改善が充分とはいえず、引張伸び率及び耐衝撃性が低下し、さらに射出成形体の層剥離が発生する。
15質量%を超えると自己架橋が起こり易く、引張伸び率及び耐衝撃性が低下し、又弾性率及び表面硬度も低下すると共に、場合により射出成形体の層剥離が発生する。
配合量は好ましくは2〜13質量%であり、より好ましくは3〜10質量%である。
本発明における(C)ポリエチレン系樹脂は、メルトインデックス(MI)が5〜50g/10分のものである。
(C)成分としては、エチレンを単独で重合したものであってもよく、エチレンを主体として共重合したものであってもよい。
例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メタクリレート共重合体などのポリエチレン系樹脂などが挙げられる。
また、エチレン−α−オレフィン共重合体としては、例えば、プロピレンとエチレンの共重合体などが挙げられ、グラフト共重合体、ランダム共重合体あるいはブロック共重合体のいずれであってもよい。
これらの中でも特に高密度ポリエチレンが好ましい。
MIが5g/10分未満であると目的する流動性の改良効果が小さくなり、50g/10分を超えると射出成形体の層剥離が発生し易くなる。
MIはより好ましくは 〜30g/10分である。
なお、MIはASTM D 1238に準拠した測定法により求めたものである。
本発明における(C)成分の配合量は、(A)〜(C)成分の合計量中、5〜40質量%である。
配合量が5質量%未満では流動性及び耐薬品性の改善効果が充分に発揮できず、40質量%を超えると引張伸び率及び弾性率が低下し、場合により射出成形体の層剥離が発生する。
配合量は好ましくは7〜35質量%であり、より好ましくは10〜30質量%である。
本発明における(D)成分は、脂肪族アミン塩、芳香族アミン塩、アンモニウムヒドロキシド、ヒドロキシルアンモニウム塩の群から選ばれる少なくとも1種である。
脂肪族アミン塩及び芳香族アミン塩は、例えば、一般式R1R2R3N・1/nA1で表すことができ、脂肪族アミン塩のときR1〜R3は、独立して水素原子又は脂肪族基を示す(ただし、全てが同時に水素原子ではない。)。
芳香族アミン塩のときR1〜R3は、独立して水素原子又は芳香族基を示す(ただし、全てが同時に水素原子ではない。)。
A1は酸を表し、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、塩素酸、過塩素酸、酢酸、モノアルキル硫酸、スルホン酸化合物などである。
nは、酸A1のアニオンの価数であり、例えば、塩酸の場合はn=1、硫酸の場合はn=2である。
R4〜R7は、例えば、独立して水素原子又は炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す(ただし、全てが同時に水素原子ではない。)。
このアンモニウムヒドロキシドの例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシドなどを挙げることができる。
一方、ヒドロキシルアンモニウム塩としては、例えば、一般式R8R9NOH・1/mA2で表すことができ、R8及びR9は、例えば、独立に水素原子又は炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す(ただし、全てが同時に水素原子ではない。)。
A2は酸を示し、mは酸A2のアニオンの価数である。
本発明においては、(D)成分として、前述した窒素含有化合物を1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明における(D)成分の配合量は、(A)〜(C)成分の合計量100質量部に対して、0.001〜1質量部である。
配合量が0.001質量部未満では射出成形体の層剥離が発生し易くなり、1質量部を超えると引張伸び率及び耐衝撃性が低下するおそれがある。
配合量は好ましくは0.002〜0.8質量部であり、より好ましくは0.003〜0.5質量部である。
粘度平均分子量が12000未満では、引張伸び率や衝撃強度が低下し、高速落錘試験などで脆性破壊となる。
また、16000以上では、射出成形品の層剥離が発生し易くなる。
粘度平均分子量は、好ましくは12500〜15500である。
[フィラー]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に配合することができるフィラーとしては、球状フィラー、板状フィラー、繊維状フィラーなどが挙げられる。
球状フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、カオリン(ケイ酸アルミニウム)、シリカ、パーライト、シラスバルーン、セリサイト、ケイソウ土、亜硫酸カルシウム、焼成アルミナ、ケイ酸カルシウム、結晶ゼオライト、非晶質ゼオライトなどが挙げられる。
板状フィラーとしては、例えば、タルク、マイカ、ワラストナイトなど挙げられる。
繊維状フィラーとしては、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、ウオラストナイトのような針状のもの、マグネシウムオキシサルフェイト、チタン酸カリウム繊維、繊維状炭酸カルシウムのような繊維状のものなどが挙げられる。
ガラス繊維としては、含アルカリガラス、低アルカリガラス、及び無アルカリガラスなどを原料としたいずれをも好適に用いることができる。
これらのガラス繊維の形態は、特に制限はなく、例えば、ロービング、ミルドファイバー、及びチョップドストランドなどいずれの形態のものも使用することができる。
ガラス繊維の市販品としては、CSH−3PA(日東紡績社製)、T511(日本電気硝子社製)、MA409C(旭ファイバーグラス社製)などが挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に配合することができる難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、窒素系難燃剤、金属水酸化物、リン系難燃剤、有機アルカリ金属塩、有機アルカリ土類金属塩、シリコーン系難燃剤、膨張性黒鉛など、リン系、金属塩系、シリコーン系などが挙げられる。
しかしながら、ハロゲン系難燃剤は比較的難燃化効率は良いが、環境汚染、安全性の観点から、ハロゲンを含まない難燃剤が好ましい。
金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。
該ハロゲン非含有機リン系難燃剤としては、リン原子を有し、ハロゲンを含まない有機化合物であれば、特に制限なく用いることができる。
なかでも、リン原子に直接結合するエステル性酸素原子を1つ以上有するリン酸エステル化合物が好適に用いられる。
リン酸エステル化合物は、モノマー、ダイマー、オリゴマー、ポリマー又はこれらの混合物であってもよい。
具体的には、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジイソプロピルフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、ビスフェノールAビスホスフェート、ヒドロキノンビスホスフェート、レゾルシンビスホスフェート、レゾルシノール−ジフェニルホスフェート、トリオキシベンゼントリホスフェート、又はこれらの置換体、縮合物などが挙げられる。
有機リン系難燃剤以外のハロゲン非含有リン系難燃剤としては、赤リンなどが挙げられる。
ここで、有機酸又は有機酸エステルとしては、有機スルホン酸、有機カルボン酸などが挙げられる。
アルカリ金属塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムなどの塩が挙げられ、アルカリ土類金属塩としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどの塩が挙げられる。これらの中で、ナトリウム、カリウム、セシウムの塩が好ましい。
また、その有機酸の塩は、フッ素、塩素、臭素などのハロゲンで置換されていてもよく、その例としては、パーフルオロメタンスルホン酸、パーフルオロエタンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸のカリウム塩などが挙げられる。
シリコーン系難燃剤としては、例えば、官能基を有する(ポリ)オルガノシロキサン類が挙げられる。
この官能基としては、アルコキシ基、アリールオキシ、ポリオキシアルキレン基、水素基、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基などが挙げられる。
上記の難燃剤は一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に配合することができる他の添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃助剤、着色剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、離型剤及び滑剤などが挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記(A)〜(D)成分、所望により各種フィラー、難燃剤及び添加剤を配合し、溶融混練することにより得ることができる。
溶融混練機としては、例えば、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、コニーダ及び多軸スクリュー押出機などが挙げられる。
溶融混練における加熱温度は、通常、220〜300℃が適当である。
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、耐衝撃性、曲げ強度、流動性及び耐薬品性に優れるため、射出成形によりこれらの特性が要求される電子機器、情報機器、特に自動車部品のハウジングなどとして利用可能である。
すなわち、本発明は、本発明のポリカーボネート樹脂組成物を射出成形してなる自動車部品をも提供する。
なお、以下において、GMAはグリシジルメタクリレートを示を示す。
また、MIはメルトインデックスを示す。
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂
a−1:粘度平均分子量(Mv)22000;タフロンFN−2200〔出光興産(株)製〕
a−2:粘度平均分子量(Mv)17000;タフロンFN−1700〔出光興産(株)製〕
a−3(比較):粘度平均分子量(Mv)15000;タフロンFN−1500〔出光興産(株)製〕
a−4(比較):粘度平均分子量(Mv)30000;タフロンFN−3000〔出光興産(株)製〕
(B)ポリオレフィン系樹脂又はポリオレフィン系エラストマー
b−1:エチレン−GMA共重合体[GMA含有量12質量%(グリシジル基として5.46質量%)];ボンドファースト〔住友化学(株)製〕
b−2:ポリエチレン−GMAグラフト共重合体(GMA含有量6.4質量%)
b−3(比較):ポリエチレン−GMAグラフト共重合体(GMA含有量1.8質量%)
なお、上記b−2及びb−3は、高密度ポリエチレン〔プライムポリマー(株)製、MI:12g/10分;ハイゼックス1300J〕、GMA及び有機過酸化物をブレンド後、二軸押出し機を用い、200℃で溶融混練して製造した。
(C)ポリエチレン系樹脂
c−1:高密度ポリエチレン、MI:40g/10分;サンテックJ300〔旭化成ケミカルズ(株)製〕
c−2:高密度ポリエチレン、MI:12g/10分;ハイゼックス1300J〔プライムポリマー(株)製〕
c−3:低密度ポリエチレン、MI:2g/10分;ウルトゼックス2022L〔プライムポリマー(株)製〕
(D)脂肪族アミン塩、芳香族アミン塩、アンモニウムヒドロキシド、ヒドロキシルアンモニウム塩の群から選ばれる少なくとも1種
d−1:アンモニウムヒドロキシド;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド〔和光純薬(株)製〕
d−2:脂肪族アミン塩;カチオンBB(商品名)、日油株式会社製
表1、表2及び表3に示す配合割合により、各成分をドライブレンドした後、二軸混練機(TEX44、日本製鋼所製)を用い、設定温度250℃で、滞留時間を長くするためニーディングブロックを多く設定し、吐出量を抑制しながら溶融混練を行い、ペレットを得た。
得られたペレットを120℃で6時間以上乾燥した後、射出成形(射出成形温度270℃、金型温度80℃)により試験片を作製し、下記の方法により物性評価を行った。
得られた結果を表1、表2及び表3に示す。
(1)引張強さ・引張弾性率・引張伸び率(試験片厚さ3.0mm)
JIS K 7162に準拠
(2)アイゾット衝撃強度(ノッチ付き)(試験片厚さ3.0mm)
JIS K 7110に準拠
(3)高速落錘衝撃試験(試験片70×70×3mmの平板)
1/2インチRの撃芯、7m/secの衝撃速度で測定した。
破壊面が延性の場合を○とし、破壊面が脆性の場合を×として評価した。
(4)表面剥離
試験片の180度折り曲げを5回実施し、試験片に剥離現象が生じているかどうかを、目視にて観察した(細かなシワも剥離とする)。
剥離が観察されない場合を○とし、少しでも剥離が観察されたものを×として評価した。
実施例1及び2の組成に、さらにカーボンブラック(三菱化学社製)を3000ppm添加することにより黒着色し、実施例1と同様にペレットを得た。
このペレットを用い、射出成形により140×140×2mmのシボ付き平板を成形し試験片を作製した。
カトーテック製Scratch Testerを用い、試験片の表面を荷重30N、スクラッチ速度100mm/secで引っ掻き試験を行い、目視により傷付き白化性を評価した。
また、目視により色相を評価した。
評価結果を表4に示す。
比較例1及び4の組成に、さらにカーボンブラック(三菱化学社製)をそれぞれ3000ppm添加し、実施例6と同様に試験片を作製して引っ掻き試験を行い、目視により傷付き白化性を評価した。
また、目視により色相を評価した。
評価結果を表4に示す。
Claims (5)
- (A)粘度平均分子量16000〜28000である芳香族ポリカーボネート樹脂50〜94質量%、(B)エポキシ基又はグリシジル基を3〜30質量%含有するポリオレフィン系樹脂及び/又はポリオレフィン系エラストマー1〜15質量%、及び(C)メルトインデックス(MI)が5〜50g/10分のポリエチレン系樹脂5〜40質量%からなる樹脂成分100質量部に対して、(D)脂肪族アミン塩、芳香族アミン塩、アンモニウムヒドロキシド、ヒドロキシルアンモニウム塩の群から選ばれる少なくとも1種0.001〜1質量部を含み、かつ溶融混練してなるポリカーボネート樹脂組成物。
- (C)ポリエチレン系樹脂が、高密度ポリエチレンである請求項1記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- (B)ポリオレフィン系樹脂及び/又はポリオレフィン系エラストマーが、ポリエチレン系樹脂及び/又はポリエチレン系エラストマーである請求項1又は2記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 樹脂組成物中の(A)芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が、12000以上、16000未満である請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を射出成形してなる自動車部品。
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