JP2001064455A - ポリオレフィン組成物 - Google Patents

ポリオレフィン組成物

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JP2001064455A
JP2001064455A JP36731099A JP36731099A JP2001064455A JP 2001064455 A JP2001064455 A JP 2001064455A JP 36731099 A JP36731099 A JP 36731099A JP 36731099 A JP36731099 A JP 36731099A JP 2001064455 A JP2001064455 A JP 2001064455A
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polyolefin
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sheet
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Yuzuru Kamitsubara
譲 上津原
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Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カレンダー加工性に優れ、かつブリード(滲
出)が少なく帯電防止性に優れた成形品が得られるポリ
オレフィン組成物を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン100重量部に対して、分
子中に少なくとも一つのエーテル結合を有するエステル
系化合物を0.01〜50重量部の割合で配合してなるポリオ
レフィン組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カレンダー加工性
に優れ、かつブリード(滲出)が少なく帯電防止性に優
れた成形品が得られるポリオレフィン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にカレンダー成形法は、カレンダ
ー成形加工可能な適正温度範囲より高温度領域では、カ
レンダーロールへの溶融樹脂の粘着が発生しカレンダー
成形が出来なくなり、また適正温度範囲より低温度領
域では、カレンダーロール間に溜まった溶融樹脂の回転
いわゆるバンクの回転が悪いため、カレンダー成形して
得られたシートまたはフィルムの表面外観が悪くなると
いった問題がある。このため従来からカレンダー成形法
に用いる材料としては、カレンダー成形加工可能な適正
温度範囲が広い熱可塑性樹脂が望まれている。しかしな
がら、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフ
ィン系樹脂は、前記適正温度範囲が狭いという欠点があ
る。
【0003】一方、ポリオレフィン系樹脂に帯電防止性
を付与する手段として、各種界面活性剤からなる帯電防
止剤をポリオレフィン系樹脂に配合する方法が一般的に
行われている。しかしながら、従来公知の帯電防止剤を
配合したポリオレフィン系樹脂組成物から得られた成形
品は次のような欠点がある。すなわち、該成形品に充分
な帯電防止性を発揮させようとすると、配合した帯電防
止剤のブリードのため成形品の粘着性が顕著となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、カレンダー
成形加工可能な適正温度範囲が広いすなわちカレンダー
加工性に優れ、かつブリードが少なく帯電防止性に優れ
た成形品が得られるポリオレフィン組成物を提供するこ
とを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、ポリオレフィンに対し、分子中に少なくとも一
つのエーテル結合を有するエステル系化合物を配合して
なるポリオレフィン組成物が前記の課題を解決すること
ができることを見い出し、この知見に基づき本発明を完
成した。
【0006】すなわち、本発明は以下の構成を有する。 (1) ポリオレフィン100重量部に対して、分子中に少な
くとも一つのエーテル結合を有するエステル系化合物を
0.01〜50重量部の割合で配合してなるポリオレフィン組
成物。 (2) 分子中に少なくとも一つのエーテル結合を有するエ
ステル系化合物が、下記式1および下記式2で表される
化合物の群から選ばれる1種もしくは2種以上の混合物
である前記第1項記載のポリオレフィン組成物。
【化3】
【化4】 (式中、R1およびR2は炭素数2〜8のアルキレン基も
しくはフェニレン基を、m、pおよびqは1〜3の整数
を、nは4〜12の整数をそれぞれ示す。) (3) さらにアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩および
アンモニウム塩から選ばれる1種もしくは2種以上の混
合物が、ポリオレフィン100重量部に対して、0.01〜5
重量部の割合で配合されている前記第1もしくは2項記
載のポリオレフィン組成物。 (4) さらに充填剤が、ポリオレフィン100重量部に対し
て、0.01〜120重量部の割合で配合されている前記第1
〜3項のいずれか1項記載のポリオレフィン組成物。 (5) さらに着色剤が、ポリオレフィン100重量部に対し
て、0.01〜50重量部の割合で配合されている前記第1〜
4項のいずれか1項記載のポリオレフィン組成物。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いるポリオレフィン
は、エチレン、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、4-
メチル-ペンテン-1、ヘキセン-1、オクテン-1などのα-
オレフィンの結晶性単独重合体、これら2種以上のα-
オレフィンの結晶性、低結晶性もしくは非晶性ランダム
共重合体または結晶性ブロック共重合体、非晶性エチレ
ン-プロピレン-非共役ジエン 3元共重合体、非晶性エ
チレン-環状アルケン共重合体(たとえば、非晶性エチ
レン-テトラシクロドデセン共重合体)などのポリオレ
フィン、上述のα-オレフィンと酢酸ビニルもしくはア
クリル酸エステルとの共重合体、該共重合体のケン化
物、これらα-オレフィンと不飽和シラン化合物との共
重合体、これらα-オレフィンと不飽和カルボン酸もし
くはその無水物との共重合体、該共重合体と金属イオン
化合物との反応生成物、上述のポリオレフィンを不飽和
カルボン酸もしくはその誘導体で変性した変性ポリオレ
フィン、上述のポリオレフィンを不飽和シラン化合物で
変性したシラン変性ポリオレフィンなどを例示すること
ができ、これらポリオレフィンの単独使用はもちろんの
こと、2種以上のポリオレフィンを混合して用いること
もできる。
【0008】また、上述のポリオレフィンに各種合成ゴ
ム(たとえばポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリク
ロロプレン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレ
ン、フッ素ゴム、スチレン-ブタジエン系ゴム、アクリ
ロニトリル-ブタジエン系ゴム、スチレン-ブタジエン-
スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチ
レンブロック共重合体、スチレン-エチレン-ブチレン-
スチレンブロック共重合体、スチレン-プロピレン-ブチ
レン-スチレンブロック共重合体、エチレン-エチレン-
ブチレン-エチレンブロック共重合体、エチレン-プロピ
レン-ブチレン-エチレンブロック共重合体など)または
熱可塑性合成樹脂(たとえばアタクチックポリスチレ
ン、シンジオタクチックポリスチレン、スチレン-アク
リロニトリル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-
スチレン共重合体、ポリアミド、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネ
ート、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素樹脂、石
油樹脂(たとえばC5系石油樹脂、水添C5系石油樹脂、
9系石油樹脂、水添C9系石油樹脂、C5-C9共重合石
油樹脂、水添C5-C9共重合石油樹脂、酸変性C9系石油
樹脂などの軟化点80〜200℃の石油樹脂)、DCPD樹
脂(たとえばシクロペンタジエン系石油樹脂、水添シク
ロペンタジエン系石油樹脂、シクロペンタジエン-C5
重合石油樹脂、水添シクロペンタジエン-C5共重合石油
樹脂、シクロペンタジエン-C9共重合石油樹脂、水添シ
クロペンタジエン-C9共重合石油樹脂、シクロペンタジ
エン-C5-C9共重合石油樹脂、水添シクロペンタジエン
-C5-C9共重合石油樹脂などの軟化点80〜200℃のDC
PD樹脂)など)を混合して用いることもできる。
【0009】本発明において上述のポリオレフィンとし
て、結晶性プロピレン単独重合体、プロピレン成分を70
重量%以上含有する結晶性プロピレン共重合体であっ
て、結晶性エチレン-プロピレンランダム共重合体、結
晶性エチレン-プロピレンブロック共重合体、結晶性プ
ロピレン-ブテン-1ランダム共重合体、結晶性エチレン-
プロピレン-ブテン-1 3元共重合体、結晶性プロピレン
-ヘキセン-ブテン-1 3元共重合体およびこれらの2種
以上の混合物が特に好ましく用いられる。
【0010】本発明で用いられる分子中に少なくとも一
つのエーテル結合を有するエステル系化合物の例として
は、ポリアルキレングリコールと有機酸とのジエステ
ル、前記式1で表される二塩基酸とアルコールおよびそ
のアルキレンオキサイド付加物とのジエステル、前記式
2で表される二塩基酸とアルコールのアルキレンオキサ
イド付加物とのジエステルなどが挙げられる。これらの
エステル系化合物は公知の方法により合成することがで
きる。これらのエステル系化合物の単独使用はもちろん
のこと、2種以上を併用することもできる。該エステル
系化合物の配合割合は、ポリオレフィン100重量部に対
して0.01〜50重量部、好ましくは0.1〜30重量部配合す
ることができる。0.01重量部未満の配合では、本発明の
効果すなわちカレンダー加工性および帯電防止性の改善
効果が充分でなく、50重量部を超えた配合では該エステ
ル系化合物のブリードのため成形品の粘着性が顕著とな
り、また経済性の低下もある。
【0011】本発明で用いられる分子中に少なくとも一
つのエーテル結合を有するエステル系化合物として特に
好ましいものは、前記式1および式2で表される化合物
の群から選ばれる1種もしくは2種以上の混合物であ
る。これらの化合物は市販品としても入手可能である。
式1で表される化合物としては、アジピン酸2-エチルヘ
キシルブトキシエトキシエチル、アジピン酸ノニルブト
キシエトキシエチル、アゼライン酸2-エチルヘキシルブ
トキシエトキシエチル、フタル酸2-エチルヘキシルブト
キシエトキシエチル、フタル酸ノニルブトキシエトキシ
エチルなどが挙げられる。式2で表される化合物として
は、アジピン酸ジブトキシエトキシエチル、アゼライン
酸ジブトキシエトキシエチル、フタル酸ジブトキシエト
キシエチルなどが挙げられる。
【0012】式1で表される化合物は、その一部が製造
工程におけるエステル交換反応により、式2で表される
化合物と二塩基酸ジアルキルに不均化するため、製品は
これら3種の混合物として得られる。これらの化合物の
中で、式1で表される化合物は式2で表される化合物に
比べて帯電防止性の点では優れるが、ポリオレフィン系
樹脂との相溶性の点では逆の傾向を示す場合が多い。
【0013】従って、本発明のポリオレフィン組成物に
おいては、目的に応じてこれらの化合物を組合せて用い
ることが好ましく、組合せの例としては、式1で表され
る化合物としてフタル酸2-エチルヘキシルブトキシエト
キシエチルを混合物基準で40〜60重量%と、式2で表さ
れる化合物としてフタル酸ジブトキシエトキシエチルを
混合物基準で10〜20重量%およびアジピン酸ジブトキシ
エトキシエチルを混合物基準で30〜40重量%含有する混
合物が挙げられる。
【0014】また、本発明のポリオレフィン組成物にお
いては、分子中に少なくとも一つのエーテル結合を有す
るエステル系化合物として、前記式1もしくは式2で表
される化合物、さらにはこれらの化合物を組合せた混合
物をポリオレフィンに配合させる場合、本発明の目的を
損なわない範囲でフタル酸ジ2-エチルヘキシル(DO
P)、フタル酸ジイソノニル(DINP)などの汎用の
可塑剤を併用することができる。
【0015】本発明のポリオレフィン組成物にあって
は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモ
ニウム塩から選ばれる1種もしくは2種以上の混合物を
さらに併用することによって、帯電防止性をさらに高め
ることができる。アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩
およびアンモニウム塩から選ばれる1種もしくは2種以
上の混合物の配合割合は、ポリオレフィン組成物100重
量部に対して、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜3重
量部である。0.01重量部未満の配合では配合量に見合う
帯電防止性の改善効果が見られず、5重量部を超えると
組成物もしくはさらにそれを成形して得られる成形品の
表面に、粉状物のブルーム(吹出)もしくは液状物のブ
リードが発生する恐れがあり好ましくない。
【0016】上述のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属
塩およびアンモニウム塩のカチオン部位としては、L
i+、Na+、K+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、N
4 +、R4 +(Rは同種もしくは異種のアルキル基、ア
リール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基ま
たはエーテル結合を有するアルキル基を示す。)などが
挙げられ、アニオン部位としては、Cl-、Br-、I-
BF4 -、CF3SO3 -、ClO4 -、NO3 -、CO3 2-など
が挙げられる。具体的に好ましい例としては、過塩素酸
リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過
塩素酸マグネシウム、過塩素酸カルシウム、過塩素酸テ
トラメチルアンモニウム、過塩素酸テトラエチルアンモ
ニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウムなどの過塩
素酸塩が挙げられ、前記の過塩素酸塩の中では、過塩素
酸アルカリ金属塩、特に過塩素酸リチウムが好ましく用
いられる。
【0017】なお、過塩素酸塩は、分子中に少なくとも
一つのエーテル結合を有するエステル系化合物もしくは
それを配合したポリオレフィン組成物の中で塩素酸塩に
変化することがある。
【0018】本発明の組成物にあっては、充填剤をさら
に併用すると、ポリオレフィンに充填剤のみを配合した
場合と比較して、得られる成形品の柔軟性が改善され
る。充填剤としては、具体的には無機充填剤(たとえば
タルク、マイカ、クレ−、ウォラストナイト、ゼオライ
トカオリン、ベントナイト、パーライト、ケイソウ土、
アスベスト、炭酸カルシウム、水酸化マグネウム、水酸
化アルミニウム、ハイドロタルサイト、塩基性アルミニ
ウム・リチウム・ヒドロキシ・カーボネート・ハイドレ
ート、二酸化ケイ素二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カル
シウム、酸化マグネシウム、硫化亜鉛、硫酸バリウム、
硫酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニ
ウム、ガラス繊維、チタン酸カリウム、炭素繊維、カー
ボンブラック、グラファイトおよび金属繊維など)、カ
ップリング剤(たとえばシラン系、チタネート系、ボロ
ン系、アルミネート系、ジルコアルミネート系など)の
如き表面処理剤で表面処理された前記無機充填剤、また
は有機充填剤(たとえば木粉、パルプ、故紙、合成繊
維、天然繊維など)が挙げられる。これらの充填剤の配
合割合は、ポリオレフィン100重量部に対して、0.01〜1
20重量部、好ましくは0.1〜100重量部である。0.01重量
部未満の配合では、配合量に見合う柔軟性の改善効果が
見られず、120重量部を超えるとポリオレフィン組成物
の成形加工性および得られた成形品の機械的物性の低下
が甚だしく実用的でなくなる。
【0019】本発明の組成物にあっては、着色剤をさら
に併用すると着色剤の分散性が改善され、色ムラのない
優れた色調の着色品が得られる。着色剤としては、特に
限定されるものではなく、公知の着色剤がなんら制限な
く使用でき、たとえばカーボンブラック、ベンガラ系、
キナクリドン系、フタロシアニン系、ベンジジン系、チ
タン系の顔料、ならびにアゾ系、アントラキノン系の顔
料および染料、さらにユーロピウム等を賦活したMAl2
4(MはCa、Sr若しくはBaを示す)を主成分とする
蓄光顔料(商品例:N夜光〔根本特殊化学(株)製〕)を
挙げることができる。これらの着色剤の配合割合は、特
に限定されるものではなく目的とする色調に応じて適宜
調整されるものであるが、通常ポリオレフィン100重量
部に対して、0.01〜50重量部、好ましくは0.1〜20重量
部である。
【0020】本発明の組成物にあっては、通常ポリオレ
フィンに添加される各種の添加剤たとえばフェノール
系、チオエーテル系、リン系などの酸化防止剤、光安定
剤、重金属不活性化剤(銅害防止剤)、透明化剤、造核
剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング
剤、無滴剤、過酸化物の如きラジカル発生剤、難燃剤、
難燃助剤、ハロゲン捕捉剤、金属石ケン類などの分散剤
もしくは中和剤、有機系や無機系の抗菌剤を本発明の目
的を損なわない範囲で併用することができる。
【0021】本発明の組成物は、ポリオレフィンに分子
中に少なくとも一つのエーテル結合を有するエステル系
化合物および通常ポリオレフィンに添加される前述の各
種添加剤のそれぞれ所定量を通常の混合装置たとえばヘ
ンシェルミキサー(商品名)、スーパーミキサー、リボ
ンブレンダー、バンバリーミキサーなどを用いて混合し
た混合物として得ることができ、さらに該混合物を通常
の単軸押出機、2軸押出機、ブラベンダーまたはロール
などで、溶融混練温度150〜320℃、好ましくは180〜290
℃で溶融混練ペレタイズすることによりペレットとして
も得ることができる。得られた組成物は射出成形法、押
出成形法、ブロー成形法、カレンダー成形法などの各種
成形法により目的とする成形品の製造に供されるが、特
にカレンダー成形法に好適である。
【0022】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれによって限定される
ものではない。なお、実施例および比較例で用いた評価
方法は次の方法によった。
【0023】1)カレンダーロール加工性 1-1:カレンダーロール加工における適正温度範囲 ポリオレフィン組成物を150℃に設定したテストロール
(西村[株]製8インチ2本ロール)に投入し、以後5℃
単位で昇温しながら200℃まで昇温する。そのときの前
記組成物の各温度におけるロール加工性をチェックし
た。ロール混練操作において、2本ロールの上面の樹脂
のバンクの回転が良く、しかもシートを取り出したあと
のシートの表面がきれいな外観(フローマーク、鮫肌、
カスレ等のない状態)を呈し、前記組成物がロールに粘
着しない温度を記録した。前記評価方法において、ロー
ル加工温度幅すなわち適正温度範囲(上限温度から下限
温度を引いたもの)の大きいものが、カレンダーロール
加工性に優れている。
【0024】1-2:カレンダーロール加工におけるシー
トへのまとまり ロール混練操作において、ロール温度を180℃に設定し
てポリオレフィン組成物を投入し、ロールシートのまと
まりをチェックした。シートがまとまりシーティングで
きる状態を○、シートのまとまりが悪く穴空きの状態を
×とし、前記両者の中間を△とした。ロールへの組成物
の粘着がなく、配合した添加剤成分と樹脂(ポリオレフ
ィン)成分とがまとまりシーティングできるものが、カ
レンダーロール加工性に優れている。
【0025】2)シートの堅さ 得られたシートの硬度をJIS K 6301により測定し
た。スプリング式硬さHs(JIS A)の数値の小さい
ものが、シートが柔らかく柔軟性に優れている。 3)シートの帯電防止性 得られたシートの帯電防止性を評価するため、JIS
K 6911「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠
して体積抵抗率を測定した。体積抵抗率の小さいもの
が、帯電防止性に優れている。
【0026】4)シートの耐ブリード性 得られたシートを温度80℃、相対湿度80%の条件に設定
した恒温恒湿槽内に5日間放置し、取り出し後、目視に
よりシート表面に液状の滲み出し(ブリード)があるも
のを×、ないものを○として耐ブリード性を評価した。 5)着色剤の分散性 得られた着色シートについてブツの発生および黒色の濃
淡の有無(色ムラ)を目視にて観察し、ブツ発生なしを
○、ブツ発生ありを×、また色ムラ発生なしを○、色ム
ラ発生ありを×として着色剤の分散性を評価した。ブツ
の発生および色ムラ発生のないものが、着色剤の分散性
に優れている。
【0027】実施例1 ポリオレフィンとしてメルトフローレート(230℃にお
ける荷重21.18Nを加えた場合の10分間の溶融樹脂の吐
出量;以下MFRと略記する)2.6g/10分の粉末状結
晶性プロピレン単独重合体100重量部に対して、分子中
に少なくとも一つのエーテル結合を有するエステル系化
合物としてフタル酸2-エチルヘキシルブトキシエトキシ
エチル(AS−1)1.2重量部、フタル酸ジブトキシエ
トキシエチル(AS−2)0.3重量部およびアジピン酸
ジブトキシエトキシエチル(AS−3)0.9重量部なら
びに他の添加剤としてフタル酸ジ2-エチルヘキシル(D
OP)0.6重量部、IRGAF0S-168(チバ・スペシャルティ・
ケミカルズ[株]製)0.2重量部およびアデカスタブ A0-20
(旭電化工業[株]製)0.2重量部の配合割合で20Lヘン
シェルミキサー(商品名)にて常温、800rpmの条件下2
分間撹拌混合してポリオレフィン組成物を得た。得られ
た組成物を用いて前記の評価方法によりカレンダーロー
ル加工における適正温度範囲およびシートへのまとま
り、ならびにシートの堅さ、シートの帯電防止性および
シートの耐ブリード性の評価を行った。結果を表1に示
した。
【0028】実施例2 実施例1において、フタル酸2-エチルヘキシルブトキシ
エトキシエチル(AS−1)を4.0重量部、フタル酸ジ
ブトキシエトキシエチル(AS−2)を1.0重量部、ア
ジピン酸ジブトキシエトキシエチル(AS−3)を3.0
重量部およびフタル酸ジ2-エチルヘキシル(DOP)を
2.0重量部の配合割合にそれぞれ変更し、さらに充填剤
としてタルク(富士タルク[株]製タルク LMS #20
0)を50重量部追加配合した以外は実施例1に準拠して
ポリオレフィン組成物を得た。得られた組成物を用いて
前記の評価方法によりカレンダーロール加工におけるシ
ートへのまとまり、シートの堅さ、シートの帯電防止性
およびシートの耐ブリード性の評価を行った。結果を表
1に示した。
【0029】実施例3 実施例2において、充填剤としてタルクの替わりにハイ
ドロタルサイト(協和化学工業[株]製DHT−4A)を
50重量部の配合割合で使用した以外は、実施例2に準拠
してポリオレフィン組成物を得た。得られた組成物を用
いて前記の評価方法によりカレンダーロール加工におけ
るシートへのまとまり、シートの堅さ、シートの帯電防
止性およびシートの耐ブリード性の評価を行った。結果
を表1に示した。
【0030】実施例4 実施例2において、充填剤としてタルクを20重量部の配
合割合に変更し、さらにアルカリ金属塩として過塩素酸
リチウムを1.2重量部の配合割合で追加した以外は実施
例2に準拠してポリオレフィン組成物を得た。得られた
組成物を用いて前記の評価方法によりカレンダーロール
加工におけるシートへのまとまり、シートの堅さ、シー
トの帯電防止性およびシートの耐ブリード性の評価を行
った。結果を表1に示した。
【0031】カラーマスターバッチの製造例1 ポリオレフィンとしてMFR6.0g/10分の粉末状結晶
性プロピレン単独重合体64.89重量%に対して、着色剤
としてカーボンブラック生顔料(三菱化学[株]製三菱カ
ーボンブラック #40)25.31重量%、分子中に少なくと
も一つのエーテル結合を有するエステル系化合物として
フタル酸2-エチルヘキシルブトキシエトキシエチル(A
S−1)2.60重量%、フタル酸ジブトキシエトキシエチ
ル(AS−2)0.65重量%およびアジピン酸ジブトキシ
エトキシエチル(AS−3)1.95重量%ならびに他の添
加剤としてフタル酸ジ2-エチルヘキシル(DOP)1.30
重量%、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール0.06重量
%およびステアリン酸亜鉛3.24重量%の配合割合で20L
ヘンシェルミキサー(商品名)にて60℃、800rpmの条件
下2分間撹拌混合してカラーマスターバッチを製造し
た。
【0032】実施例5 ポリオレフィンとしてMFR2.6g/10分の粉末状結晶
性プロピレン単独重合体100重量部に対して、上記カラ
ーマスターバッチ5重量部および他の添加剤としてIR
GAF0S-168(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ[株]製)0.
2重量部およびアデカスタブ A0-20(旭電化工業[株]
製)0.2重量部の配合割合で20Lヘンシェルミキサー
(商品名)にて常温、800rpmの条件下2分間撹拌混合し
てポリオレフィン組成物を得た。得られた組成物を口径
30mmの異方向2軸押出機を有するT−ダイシート成形機
に供給し、樹脂温度230℃にて0.1mm厚みの着色シートを
得た。得られたシートを用いて前記の評価方法により、
シートの堅さ、シートの帯電防止性、シートの耐ブリー
ド性および着色剤の分散性の評価を行った。結果を表1
に示した。
【0033】比較例1 実施例1において、フタル酸2-エチルヘキシルブトキシ
エトキシエチル(AS−1)、フタル酸ジブトキシエト
キシエチル(AS−2)、アジピン酸ジブトキシエトキ
シエチル(AS−3)およびフタル酸ジ2-エチルヘキシ
ル(DOP)を配合しない以外は実施例1に準拠してポ
リオレフィン組成物を得た。得られた組成物を用いて前
記の評価方法によりカレンダーロール加工における適正
温度範囲およびシートへのまとまり、ならびにシートの
堅さ、シートの帯電防止性およびシートの耐ブリード性
の評価を行った。結果を表1に示した。
【0034】比較例2 実施例2において、フタル酸2-エチルヘキシルブトキシ
エトキシエチル(AS−1)、フタル酸ジブトキシエト
キシエチル(AS−2)、アジピン酸ジブトキシエトキ
シエチル(AS−3)およびフタル酸ジ2-エチルヘキシ
ル(DOP)を配合しない以外は実施例2に準拠してポ
リオレフィン組成物を得た。得られた組成物を用いて前
記の評価方法によりカレンダーロール加工におけるシー
トへのまとまり、シートの堅さ、シートの帯電防止性お
よびシートの耐ブリード性の評価を行った。結果を表1
に示した。
【0035】比較例3 実施例3において、フタル酸2-エチルヘキシルブトキシ
エトキシエチル(AS−1)、フタル酸ジブトキシエト
キシエチル(AS−2)、アジピン酸ジブトキシエトキ
シエチル(AS−3)およびフタル酸ジ2-エチルヘキシ
ル(DOP)を配合しない以外は実施例3に準拠してポ
リオレフィン組成物を得た。得られた組成物を用いて前
記の評価方法によりカレンダーロール加工におけるシー
トへのまとまり、シートの堅さ、シートの帯電防止性お
よびシートの耐ブリード性の評価を行った。結果を表1
に示した。
【0036】比較例4 実施例4において、フタル酸2-エチルヘキシルブトキシ
エトキシエチル(AS−1)、フタル酸ジブトキシエト
キシエチル(AS−2)およびアジピン酸ジブトキシエ
トキシエチル(AS−3)を配合せず、フタル酸ジ2-エ
チルヘキシル(DOP)を12.0重量部の配合割合に変更
した以外は実施例4に準拠してポリオレフィン組成物を
得た。得られた組成物を用いて前記の評価方法によりカ
レンダーロール加工におけるシートへのまとまり、シー
トの堅さ、シートの帯電防止性およびシートの耐ブリー
ド性の評価を行った。結果を表1に示した。
【0037】カラーマスターバッチの製造例2 カラーマスターバッチの製造例1において、フタル酸2-
エチルヘキシルブトキシエトキシエチル(AS−1)、
フタル酸ジブトキシエトキシエチル(AS−2)、アジ
ピン酸ジブトキシエトキシエチル(AS−3)およびフ
タル酸ジ2-エチルヘキシル(DOP)を配合せず、MF
R6.0g/10分の粉末状結晶性プロピレン単独重合体を7
1.39重量%の配合割合に変更した以外は製造例1に準拠
してカラーマスターバッチを製造した。
【0038】比較例5 実施例5において、カラーマスターバッチを上記カラ
ーマスターバッチに変更した以外は実施例5に準拠し
てポリオレフィン組成物および着色シートを得た。得ら
れたシートを用いて前記の評価方法により、シートの堅
さ、シートの帯電防止性、シートの耐ブリード性および
着色剤の分散性の評価を行った。結果を表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明の組成物は、カレンダー加工性に
優れ、かつブリード(滲出)が少なく帯電防止性に優れ
た成形品が得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/19 C08K 5/19 Fターム(参考) 4J002 AC031 AC061 AC071 AC091 BA011 BB021 BB031 BB061 BB071 BB111 BB121 BB151 BB171 BB201 BB221 BB231 BB241 BC021 BC031 BC051 BC061 BD031 BD101 BD121 BD141 BH001 BK001 BN151 BP011 BP021 CF061 CF081 CG001 CL001 CP121 DA018 DA028 DA038 DD057 DD067 DE088 DE108 DE138 DE188 DG028 DG048 DJ008 DJ018 DJ038 DJ048 DJ058 DL008 EH096 EH146 EN137 FA048 FB088 FB098 FB168 FD018 FD090 FD106 FD107

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン100重量部に対して、分
    子中に少なくとも一つのエーテル結合を有するエステル
    系化合物を0.01〜50重量部の割合で配合してなるポリオ
    レフィン組成物。
  2. 【請求項2】 分子中に少なくとも一つのエーテル結合
    を有するエステル系化合物が、下記式1および下記式2
    で表される化合物の群から選ばれる1種もしくは2種以
    上の混合物である請求項1記載のポリオレフィン組成
    物。 【化1】 【化2】 (式中、R1およびR2は炭素数2〜8のアルキレン基も
    しくはフェニレン基を、m、pおよびqは1〜3の整数
    を、nは4〜12の整数をそれぞれ示す。)
  3. 【請求項3】 さらにアルカリ金属塩、アルカリ土類金
    属塩およびアンモニウム塩から選ばれる1種もしくは2
    種以上の混合物が、ポリオレフィン100重量部に対し
    て、0.01〜5重量部の割合で配合されている請求項1も
    しくは2記載のポリオレフィン組成物。
  4. 【請求項4】 さらに充填剤が、ポリオレフィン100重
    量部に対して、0.01〜120重量部の割合で配合されてい
    る請求項1〜3のいずれか1項記載のポリオレフィン組
    成物。
  5. 【請求項5】 さらに着色剤が、ポリオレフィン100重
    量部に対して、0.01〜50重量部の割合で配合されている
    請求項1〜4のいずれか1項記載のポリオレフィン組成
    物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002309097A (ja) * 2000-07-06 2002-10-23 Riken Technos Corp 制電性樹脂組成物
JP2010024368A (ja) * 2008-07-22 2010-02-04 Idemitsu Kosan Co Ltd ポリカーボネート樹脂組成物及び該組成物を射出成形してなる自動車部品
JP2011084749A (ja) * 2011-01-18 2011-04-28 Riken Technos Corp 制電性ポリウレタン樹脂組成物

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JP2010024368A (ja) * 2008-07-22 2010-02-04 Idemitsu Kosan Co Ltd ポリカーボネート樹脂組成物及び該組成物を射出成形してなる自動車部品
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