JPWO2013080514A1 - 光学フィルムとその製造方法、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

光学フィルムとその製造方法、偏光板および液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

本発明の目的は、(メタ)アクリル樹脂を主成分として含み、着色がなく、膜厚が薄く、かつリワーク性に優れた光学フィルムを提供することである。本発明の光学フィルムは、(メタ)アクリル樹脂と、酸トラップ剤とを含有する組成物を含み、破断応力が70MPa以上であり、かつ引き裂き強度が10mN以上であり、膜厚が10〜45μmである。

Description

本発明は、光学フィルムとその製造方法、偏光板および液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、テレビやパソコンなどの液晶ディスプレイとして広く用いられている。液晶表示装置は、液晶セルと、それを挟持する一対の偏光板と、バックライトとを有する。偏光板は、通常、偏光子と、それを挟持する一対の保護フィルムとを有する。
液晶表示装置の製造工程では、偏光板と液晶セルとを、粘着剤を介して貼り合わせている。その際、貼り合わせミスが生じると、偏光板を液晶セルから剥がして再び貼り直すことがある。しかしながら、偏光板を液晶セルから剥がす際に、偏光板が裂けやすいという問題があった。そのため、偏光板を構成する保護フィルムには、貼り合わせミスが生じたときに、偏光板を液晶セルから裂けることなく容易に剥がすことができること(リワーク性が良好であること)が求められている。
リワーク性が改善された保護フィルムとして、吸水弾性率が調整されたセルロースエステルフィルム(例えば特許文献1)、tanδが調整されたセルロースエステルフィルム(例えば特許文献2)、およびアシル基置換度が調整されたセルロースエステルを含むフィルム(例えば特許文献3)などが提案されている。また、偏光板と液晶セルとを接着し、かつリワーク性を改善するための粘着剤として、(メタ)アクリル樹脂と架橋剤とを含む粘着性組成物(例えば特許文献4)なども提案されている。
ところで、保護フィルムとしては、求められる光学特性に応じて、セルロースエステルを主成分とするフィルムだけでなく、(メタ)アクリル樹脂を主成分とするフィルムも用いられている。(メタ)アクリル樹脂を主成分とする成形材料として、例えば(メタ)アクリル樹脂と、アルキルリン酸金属塩とを含む樹脂組成物が知られている(例えば特許文献5)。
特開2003−232926号公報 特開2004−206038号公報 特開2009−249386号公報 特開2011−137065号公報 特開平7−216179号公報
しかしながら、(メタ)アクリル樹脂を主成分とするフィルムは、特許文献1〜4に記載のようなセルロースエステルを主成分とするフィルムよりも、硬くて脆い。そのため、(メタ)アクリル樹脂を主成分とするフィルムを含む偏光板は、一旦貼り合わせた液晶セルから剥がす際に、裂けやすく、リワーク性が低いという問題があった。
また、液晶表示装置の薄型化に伴い、保護フィルムの膜厚も薄いことが求められている。膜厚が薄い保護フィルムは、機械的強度が低いことから、リワーク性がさらに低いという問題があった。
このように、膜厚が薄く、かつリワーク性が高い;即ち柔軟性の高い(メタ)アクリル樹脂フィルムが求められている。(メタ)アクリル樹脂フィルムは、通常、溶融製膜法により製造される。そのため、(メタ)アクリル樹脂フィルムの柔軟性を高めるためには、溶融温度を高くして、溶融樹脂の流動性を高めることが有効である。しかしながら、溶融温度を高くすると、溶融樹脂が劣化しやすく、得られるフィルムが着色していたり、脆くて柔軟性が低かったり、所望の光学特性を満たさなかったりするという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、(メタ)アクリル樹脂を主成分として含み、着色がなく、膜厚が薄く、かつリワーク性に優れた光学フィルムを提供することを目的とする。
[1] (メタ)アクリル樹脂と、酸トラップ剤とを含有する組成物を含み、破断応力が70MPa以上であり、かつ引き裂き強度が10mN以上であり、膜厚が10〜45μmである、光学フィルム。
[2] 前記酸トラップ剤が、アルキルリン酸金属塩である、[1]に記載の光学フィルム。
[3] 前記酸トラップ剤の含有量は、前記組成物に対して0.1〜5質量%である、[1]または[2]に記載の光学フィルム。
[4] 前記組成物が、セルロースエステルをさらに含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の光学フィルム。
[5] 前記セルロースエステルが、セルロースアセテートプロピオネートである、[4]に記載の光学フィルム。
[6] 前記(メタ)アクリル樹脂と前記セルロースエステルの含有比率は、質量比で(メタ)アクリル樹脂/セルロースエステル=90/10〜50/50である、[4]または[5]に記載の光学フィルム。
[7] 前記(メタ)アクリル樹脂がラクトン環構造を有する、[1]〜[6]のいずれかに記載の光学フィルム。
[8] 前記組成物が、アクリロニトリル・スチレン共重合体をさらに含有する、[1]〜[7]のいずれかに記載の光学フィルム。
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の光学フィルムを含む、偏光板保護フィルム。
[10] 下記式で定義され、波長590nmにおいて測定される厚み方向のレターデーションRthが−5nm以上5nm以下である、[9]に記載の偏光板保護フィルム。
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
(nx:フィルム面内の遅相軸方向の屈折率、ny:フィルム面内において、遅相軸に対して直交する方向の屈折率、nz:厚み方向におけるフィルムの屈折率、d:フィルムの厚み(nm))
[11] 偏光子と、前記偏光子の少なくとも一方の面に配置された[9]または[10]に記載の偏光板保護フィルムとを含む、偏光板。
[12] 液晶セルと、前記液晶セルの少なくとも一方の面に配置された[11]に記載の偏光板とを含む、液晶表示装置。
[13] [1]〜[8]のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法であって、前記(メタ)アクリル樹脂と、前記酸トラップ剤とを含有する樹脂組成物を、溶融混練した後、フィルム状に押し出すステップを含む、光学フィルムの製造方法。
[14] 前記樹脂組成物が、セルロースエステルをさらに含有する、[13]に記載の光学フィルムの製造方法。
[15] 前記樹脂組成物の溶融温度は、240〜270℃である、[13]または[14]に記載の光学フィルムの製造方法。
本発明によれば、(メタ)アクリル樹脂を主成分として含み、着色がなく、膜厚が薄く、かつリワーク性に優れた光学フィルムを提供できる。
フィルムの製造装置の一例を示す模式図である。 液晶表示装置の基本構成の一例を示す模式図である。
1.光学フィルム
本発明の光学フィルムは、(メタ)アクリル樹脂と、酸トラップ剤とを含有する組成物を含む。当該組成物は、セルロースエステルをさらに含有することが好ましい。
(メタ)アクリル樹脂
(メタ)アクリル樹脂は、メチルメタクリレートの単独重合体、またはメチルメタクリレートと他の共重合モノマーとの共重合体であることが好ましい。共重合体におけるメチルメタクリレート由来の構成単位の含有割合は50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。
共重合体における共重合モノマーの例には、アルキル部分の炭素数が2〜18のアルキルメタクリレート;アルキル部分の炭素数が1〜18のアルキルアクリレート;後述のラクトン環構造を形成しうる、水酸基を有するアルキル部分の炭素数が1〜18のアルキル(メタ)アクリレート;アクリル酸、メタクリル酸などのα,β−不飽和酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和基含有二価カルボン酸;スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル;無水マレイン酸、マレイミド、N−置換マレイミド、グルタル酸無水物など、アクリロイルモルホリン(ACMO)などのアクリルアミド誘導体;N−ビニルピロリドン(VP)などが含まれる。これらは、一種類で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの共重合モノマーのなかでも、共重合体の耐熱分解性や流動性を高めるためには、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、s−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどのアルキルアクリレート;2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチルなどの水酸基を有するアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。セルロースエステルとの相溶性を高めるためには、アクリロイルモルホリンなどが好ましい。
(メタ)アクリル樹脂は、得られる光学フィルムの耐熱性を高めたり、光弾性係数を調整したりする観点などから、ラクトン環構造を含有することが好ましい。(メタ)アクリル樹脂に含まれるラクトン環構造は、好ましくは下記一般式(1)で表される。
Figure 2013080514
式(1)において、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20の有機残基を示す。有機残基は、酸素原子を含んでいてもよい。有機残基の例には、直鎖もしくは分岐状のアルキル基、直鎖もしくは分岐状のアルキレン基、アリール基、−OAc基(Acはアセチル基)、−CN基などが含まれる。式(1)で示されるラクトン環構造は、後述するように、水酸基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造である。
ラクトン環構造を含有する(メタ)アクリル樹脂は、アルキル部分の炭素数が1〜18のアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位をさらに含み、必要に応じて水酸基を含有するモノマー、不飽和カルボン酸、一般式(2)で表されるモノマーなどに由来する構成単位をさらに含んでいてもよい。一般式(2)におけるRは、水素原子またはメチル基を示す。Xは、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、−OAc基(Ac:アセチル基)、−CN基、アシル基または−C−OR基(Rは水素原子または炭素数1〜20の有機残基)を示す。
Figure 2013080514
ラクトン環構造を含有する(メタ)アクリル樹脂における、式(1)で表されるラクトン環構造の含有割合は、好ましくは5〜90質量%であり、より好ましくは10〜80質量%であり、さらに好ましくは15〜70質量%である。ラクトン環構造の含有割合が90質量%超であると、成形加工性が低く、得られるフィルムの可とう性も低くなりやすい。ラクトン環構造の含有割合が5質量%未満であると、必要な位相差を有するフィルムが得られにくく、耐熱性、耐溶剤性、表面硬度が十分でないことがある。
ラクトン環構造を含有する(メタ)アクリル樹脂における、アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有割合は、好ましくは10〜95質量%であり、より好ましくは20〜90質量%であり、さらに好ましくは30〜85質量%である。
ラクトン環構造を含有する(メタ)アクリル樹脂における、水酸基含有モノマー、不飽和カルボン酸または一般式(2)で表されるモノマーに由来する構成単位の含有割合は、それぞれ独立に好ましくは0〜30質量%であり、より好ましくは0〜20質量%であり、さらに好ましくは0〜10質量%である。
ラクトン環構造を含有する(メタ)アクリル樹脂は、少なくとも、水酸基を有するアルキル(メタ)アクリレートと、それ以外のアルキル(メタ)アクリレートとを含むモノマー成分を重合反応させて、分子鎖中に水酸基とエステル基とを有する重合体を得るステップ;得られた重合体を加熱処理してラクトン環構造を導入するステップ、を経て製造されうる。
(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量Mwは、好ましくは8.0×10〜5.0×10の範囲内であり、より好ましくは9.0×10〜4.5×10の範囲内であり、さらに好ましくは1.0×10〜4.0×10の範囲内である。(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量Mwが8.0×10未満であると、得られるフィルムの脆性が高すぎることがあり、5.0×10超であると、溶融物の粘度が高すぎたり、得られるフィルムのヘイズが高かったりする。
(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定することができる。測定条件は以下の通りである。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用する)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=2800000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用する。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
(メタ)アクリル樹脂は、例えば懸濁重合、乳化重合、溶液重合または塊状重合などの公知の方法で製造されうる。重合開始剤は、通常のパーオキサイド系化合物、アゾ系化合物、レドックス系化合物を用いることができる。重合温度は、懸濁重合または乳化重合では30〜100℃程度とし;溶液重合または塊状重合では、80〜160℃程度としうる。得られる重合体の還元粘度を調整するために、アルキルメルカプタン等を連鎖移動剤として用いてもよい。
(メタ)アクリル樹脂の市販品の例には、デルペット60N、80N(旭化成ケミカルズ(株)製)、ダイヤナールBR52、BR80、BR83、BR85、BR88(三菱レイヨン(株)製)、KT75(電気化学工業(株)製)などが含まれる。
(メタ)アクリル樹脂は、一種類であっても、二種類以上の混合物であってもよい。
セルロースエステル
セルロースエステルは、セルロースを、脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸とエステル化反応させて得られる化合物である。セルロースエステルに含まれるアシル基は、脂肪族アシル基または芳香族アシル基であり、好ましくは脂肪族アシル基である。脂肪族アシル基は、直鎖であっても分岐していてもよく、さらに置換基を有してもよい。アシル基で置換されていない部分は、通常、水酸基として存在している。
セルロースエステルは、(メタ)アクリル樹脂との相溶性を高めたり、得られるフィルムの脆性を付与したりする観点から、アシル基の総置換度(Dall)が2.0〜3.0であることが好ましく、2.5〜3.0であることがより好ましい。セルロースエステルのアシル基の総置換度が2.0未満であると、(メタ)アクリル樹脂とセルロースエステルとが十分に相溶せず、得られるフィルムのヘイズが高いことがある。
このうち、炭素数3〜7のアシル基の置換度は、1.2〜3.0であることが好ましく、2.0〜3.0であることがより好ましい。炭素数3〜7のアシル基の置換度が1.2未満であると、(メタ)アクリル樹脂とセルロースエステルとが十分に相溶しにくく、得られるフィルムのヘイズが高かったり、脆性が高かったりするからである。
アシル基の置換度は、ASTM−D817−96に規定の方法で測定することができる。
セルロースエステルの例には、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートベンゾエート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレートなどが含まれ、好ましくはセルロースアセテートプロピオネート、セルロースプロピオネートである。
セルロースエステル樹脂の重量平均分子量Mwは、(メタ)アクリル樹脂との相溶性を高める観点から、7.5×10以上であることが好ましく、7.5×10〜2.4×10の範囲であることがより好ましく、1.0×10〜2.4×10の範囲であることがさらに好ましく、1.6×10〜2.4×10の範囲であることが特に好ましい。重量平均分子量Mwが7.5×10未満であると、得られるフィルムの可とう性が低く、耐熱性が十分でないことがある。一方、重量平均分子量Mwが2.4×10超であると、溶融物の粘度が高く、溶融押し出ししにくいだけでなく、(メタ)アクリル樹脂との相溶性が低く、得られる光学フィルムのヘイズが上昇しやすい。
セルロースエステルのTgは、100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましい。セルロースエステルのTgの上限は、約190℃としうる。セルロースエステルのTgは、JIS K 7121に準拠した方法で測定されうる。
セルロースエステルは、公知の方法で合成することができる。具体的には、セルロースと、少なくとも酢酸またはその無水物を含む炭素原子数3以上の有機酸またはその無水物とを、触媒の存在下でエステル化反応させてセルロースのトリエステル体を合成する。次いで、セルロースのトリエステルを加水分解して、所望のアシル置換度を有するセルロースエステル樹脂を合成する。得られたセルロースエステル樹脂を、ろ過、沈殿、水洗、脱水および乾燥させた後、セルロースエステル樹脂を得ることができる(特開平10−45804号に記載の方法を参照)。
原料となるセルロースは、例えば綿花リンター、木材パルプ(針葉樹由来、広葉樹由来)およびケナフなどを用いることができる。原料となるセルロースは、一種類だけであってもよいし、二種類以上の混合物であってもよい。
本発明の光学フィルムにおける(メタ)アクリル樹脂とセルロースエステルの合計含有量は、光学フィルムに対して好ましくは55質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上である。
(メタ)アクリル樹脂とセルロースエステルの含有比率(質量比)は、(メタ)アクリル樹脂:セルロースエステル=95:5〜30:70であることが好ましく、90:10〜50:50であることがより好ましく、90:10〜60:40であることがさらに好ましい。
(メタ)アクリル樹脂の含有割合が、(メタ)アクリル樹脂とセルロースエステルの合計に対して95質量%超であると、セルロースエステルによる効果が十分に得られず、30質量%未満であると、得られるフィルムの耐熱湿性が十分であることがある。
本発明の光学フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、(メタ)アクリル樹脂、セルロースエステル以外のその他の樹脂をさらに含有してもよい。
その他の樹脂の好ましい例には、スチレン系樹脂などが含まれる。スチレン系樹脂は、スチレンモノマーの単独重合体(ポリスチレン)、スチレンモノマーと他の共重合可能なモノマーとの共重合体、またはこれらの重合体の変性物などであり、好ましくはスチレンモノマーと他の共重合可能なモノマーとの共重合体である。共重合体における、スチレンモノマー由来の構成単位の含有割合は0〜20質量%の範囲であることが好ましい。
スチレンモノマーと他の共重合可能なモノマーの例には、無水マレイン酸、アクリロニトリル、マレイミドなどが含まれ、好ましくはアクリロニトリルである。スチレン・アクリロニトリル共重合体は、それを含むフィルムに柔軟性を付与しうる。
酸トラップ剤
本発明の光学フィルムを構成する組成物は、酸トラップ剤をさらに含有する。酸トラップ剤の好ましい例には、アルキルリン酸金属塩、エポキシ基を含有する化合物などが含まれる。
アルキルリン酸金属塩は、炭素数2〜20のアルキルリン酸の金属塩である。アルキルリン酸金属塩を構成する金属原子は、第2族または第12族の金属原子であり、好ましくは亜鉛、カルシウム、マグネシウムなどが含まれる。
アルキルリン酸金属塩を構成する炭素数2〜20のアルキルリン酸の例には、エチルリン酸、ブチルリン酸、ラウリルリン酸、ステアリルリン酸などが含まれ、好ましくはステアリルリン酸である。
アルキルリン酸金属塩の市販品の例には、堺化学社製LBT−1830などが含まれる。
エポキシ基を含有する化合物の例には、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化脂肪酸アルキルエステル、エポキシ化1,2ポリブタジエンなどのエポキシ化植物油が含まれる。エポキシ化脂肪酸アルキルエステルの例には、エポキシ化脂肪酸オクチルエステル(旭電化社製アデカサイザーD−32)、エポキシ化脂肪酸イソブチルエステル(旭電化社製アデカサイザーD−55)などが含まれる。エポキシ化1,2ポリブタジエンの例には、アデカサイザーBF−1000(平均分子量10000)などが含まれる。エポキシ基を含有する化合物の例には、米国特許第4,137,201号に記載のエポキシ基を含有する化合物なども含まれる。
本発明の光学フィルムは、後述するように、(メタ)アクリル樹脂と酸トラップ剤とを含有する樹脂組成物を溶融混練した後、押し出すステップを経て得ることができる。リワーク性の高い光学フィルム;即ち、柔軟性の高い光学フィルムを得るためには、樹脂組成物を溶融混練する際の溶融温度を高くして、樹脂の流動性を高めることが有効である。しかしながら、溶融温度を高くすると、原材料である(メタ)アクリル樹脂に残留するモノマーが熱分解して酸を発生したり、セルロースエステルのエステル部が加水分解して酸を発生したりし、これらの酸が樹脂を熱劣化させやすい。一方、酸トラップ剤は、これらの酸をトラップしうることから、溶融温度を高くしても、樹脂の熱劣化を抑制することができる。
酸トラップ剤の含有量は、後述する溶融混練時の樹脂の熱分解を抑制するためには、前記組成物に対して0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、1.0質量%以上であることがさらに好ましい。一方で、酸トラップ剤の含有量が多すぎると、得られる光学フィルムがブリードアウトを生じたり、得られる光学フィルムと偏光子とを貼り合わせた際に偏光子を退色させたりするのを抑制するためなどから、酸トラップ剤の含有量は、5.0質量%以下であること好ましい。
本発明の光学フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、滑剤、酸化防止剤、熱劣化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、微粒子(マット剤)などの添加剤をさらに含有していてもよい。
滑剤
本発明の光学フィルムを構成する組成物は、透明性や面品質を高めるためなどから、滑剤をさらに含有してもよい。滑剤は、後述する樹脂組成物の溶融粘度を低下させ、混練性を高めうるだけでなく、溶融押し出しする際に、押し出し機やダイの内部における溶融樹脂の滞留を抑制しうる。
滑剤は、エステルワックス類または多価アルコール脂肪酸エステル類でありうる。エステルワックス類は、多価アルコールの全てのヒドロキシル基を脂肪酸でエステル化させて得られる化合物である。多価アルコール脂肪酸エステル類は、多価アルコールの一部のヒドロキシル基を、脂肪酸でエステル化させて得られる化合物である。
エステルワックス類または多価アルコール脂肪酸エステル類を構成する脂肪酸は、後述するように、加熱下での揮発による工程の汚染を抑制し、かつセルロースエステルとの相溶性を高める観点などから、炭素数12〜22の脂肪酸であることが好ましい。脂肪酸は、飽和脂肪酸であっても不飽和脂肪酸であってもよいが、保存時の防臭、変色防止等の観点から、飽和脂肪酸が好ましい。
そのような飽和脂肪酸の例には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、エルシン酸、12−ヒドロキシオレイン酸などが含まれ、好ましくはステアリン酸である。脂肪酸は、一種類であってもよいし、二種類以上の混合物であってもよい。
エステルワックス類または多価アルコール脂肪酸エステル類を構成する多価アルコールの例には、アドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,3−ヘキサントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン、ジグリセリン、ガラクチトール、イノシトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、キシリトールなどが含まれる。これらのアルコールは、一種類であってもよいし、二種類以上の混合物であってもよい。
エステルワックス類の好ましい例には、ペンタエリスリトールテトラ脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキサ脂肪酸エステル、グリセリントリ脂肪酸エステルなどが含まれる。
多価アルコール脂肪酸エステル類の好ましい例には、グリセリンまたはジグリセリンの脂肪酸モノエステルまたはジエステル;ソルビトールの脂肪酸モノエステル、ジエステルまたはトリエステル;ソルビタンの脂肪酸モノエステル、ジエステルまたはトリエステルが含まれ、より好ましくはグリセリンまたはジグリセリンの脂肪酸物モノエステルまたはジエステル、ソルビタンの脂肪酸モノエステル、ジエステルまたはトリエステルであり、さらに好ましくはグリセリン脂肪酸モノエステルである。
エステルワックス類は、後述する押し出し機の内壁面(金属面)と溶融樹脂との摩擦を低減させ、せん断発熱を低減しうる。しかしながら、エステルワックス類は、(メタ)アクリル樹脂やセルロースエステルなどとの相溶性が低いため、溶融粘度を下げる効果が小さく、得られるフィルムはブリードアウトを生じ易い。
多価アルコール脂肪酸エステル類は、押し出し機の内壁面(金属面)と溶融樹脂との摩擦を低減させる効果はエステルワックス類よりも小さいが、溶融粘度を下げる効果が大きいため、せん断発熱を低減できる。また、多価アルコール脂肪酸エステル類は、(メタ)アクリル樹脂やセルロースエステルとの相溶性が高いため、得られるフィルムはブリードアウトを生じにくい。従って、多価アルコール脂肪酸エステル類を用いることが好ましい。
エステルワックス類または多価アルコール脂肪酸エステル類のエステル化反応は牛脂、豚脂、鶏脂、魚油、大豆油、コーン油、ナタネ油、パーム油、ヒマワリ油、サフラワー油、ヒマシ油あるいはそれらの水素添加油の一種または二種以上の混合物と、グリセリン、ジグリセリンまたはソルビトールとをエステル交換反応させた後、得られる反応物を精製して得ることができる。精製方法は、分子蒸留、溶剤分別、再結晶、カラムクロマトグラフィーまたは超臨界ガス抽出などの方法であってよく、製造の簡便さ、品質および価格などの面から、分子蒸留が一般的である。
エステルワックス類または多価アルコール脂肪酸エステル類の含有量は、光学フィルムに対して0.05〜2.0質量%であることが好ましく、0.1〜1.0質量%であることがより好ましい。これらの含有量が0.05質量%未満であると、滑剤の効果が得られにくく、含有量が2.0質量%超であると、得られるフィルムの耐湿熱性が低下し、ヘイズが高くなりやすい。
紫外線吸収剤
紫外線吸収剤は、波長400nm以下の紫外線を吸収する化合物であり、好ましくは波長370nmでの透過率が10%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは2%以下である化合物である。
紫外線吸収剤の光線透過率は、紫外線吸収剤を溶媒(例えばジクロロメタン、トルエンなど)に溶解した溶液を、常法により、分光光度計により測定することができる。分光光度計は、例えば、島津製作所社製の分光光度計UVIDFC−610、日立製作所社製の330型自記分光光度計、U−3210型自記分光光度計、U−3410型自記分光光度計、U−4000型自記分光光度計等を用いることができる。
紫外線吸収剤は、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体および高分子紫外線吸収剤などであってよく、得られるフィルムの透明性を損なわないためには、好ましくはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびベンゾフェノン系紫外線吸収剤であり、さらに好ましくはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤がより好ましい。
紫外線吸収剤の具体例には、5-クロロ-2-(3,5-ジ-sec-ブチル-2-ヒドロキシルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、(2-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(直鎖および側鎖ドデシル)-4-メチルフェノール、2-ヒドロキシ-4-ベンジルオキシベンゾフェノン、2,4-ベンジルオキシベンゾフェノンなどが含まれる。紫外線吸収剤の市販品の例には、チバ・ジャパン(株)製のTINUVIN109、TINUVIN171、TINUVIN326、TINUVIN327、TINUVIN328、TINUVIN900、TINUVIN928、ADEKA(株)製のLA−31などが含まれる。
高分子紫外線吸収剤の例には、特開平6−148430号記載のポリマータイプの紫外線吸収剤が含まれる。紫外線吸収剤は、一種類であってもよいし、二種以上の混合物であってもよい。
紫外線吸収剤の含有量は、紫外線吸収剤の種類にもよるが、光学フィルムに対して0.5〜4質量%であることが好ましく、0.6〜3.5質量%であることがより好ましい。
酸化防止剤
溶融押出法でフィルムを製造する工程では、高温下で樹脂などのフィルム材料を溶融混練するため、樹脂などのフィルム材料が熱や酸素によって分解されやすい。そのような、樹脂などのフィルム材料の熱や酸素による分解を抑制するために、本発明の光学フィルムを構成する組成物は、安定化剤として酸化防止剤をさらに含むことが好ましい。
酸化防止剤の例には、イオウ系化合物、フェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、リン系化合物、不飽和二重結合を含有する化合物などが含まれる。
イオウ系化合物の例には、住友化学社製Sumilizer TPL−R、Sumilizer TP−Dなどが含まれる。
フェノール系化合物の例には、2,6−ジアルキルフェノールの構造を有する化合物(例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールなど)が含まれる。フェノール系化合物の市販品の例には、BASFジャパン株式会社製Irganox1076、Irganox1010などが含まれる。
リン系化合物の例には、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト等が含まれる。リン系化合物の市販品の例には、住友化学株式会社製SumilizerGP、株式会社ADEKA製ADK STAB PEP−24G、ADK STAB PEP−36およびADK STAB 3010、BASFジャパン株式会社製IRGAFOS P−EPQ、堺化学工業株式会社製GSY−P101などが含まれる。
ヒンダードアミン系化合物の例には、BASFジャパン株式会社製Tinuvin144およびTinuvin770、株式会社ADEKA製ADK STAB LA−52などが含まれる。
不飽和二重結合を含有する化合物の例には、住友化学株式会社製Sumilizer GM、およびSumilizer GSなどが含まれる。
酸化防止剤は、一種類のみであっても二種類以上の混合物であってもよいが、好ましくは二種類以上の混合物であることが好ましい。例えば、リン系化合物、フェノール系化合物および不飽和二重結合を含有する化合物を併用することが好ましい。
酸化防止剤の含有量は、樹脂成分((メタ)アクリル樹脂とセルロースエステルの合計)に対して0.05〜5質量%であることが好ましく、0.1〜4質量%であることがより好ましい。
着色剤
本発明の光学フィルムを構成する組成物は、液晶表示画面の色調に青みを付与したり、イエローインデックス(黄色度)を調整したり、ヘイズを低減したりするためなどから、着色剤をさらに含有してもよい。着色剤の例には、アントラキノン染料、アゾ染料などの染料や、フタロシアニン顔料などの顔料が含まれる。
微粒子(マット剤)
本発明の光学フィルムを構成する組成物は、得られる光学フィルムの表面の滑り性を高めるためなどから、微粒子(マット剤)をさらに含有してもよい。光学フィルムが多層である場合、最表面にある層が微粒子を含有することが好ましい。
微粒子は、無機微粒子であっても有機微粒子であってもよい。無機微粒子の例には、二酸化珪素(シリカ)、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムおよびリン酸カルシウムなどが含まれる。なかでも、二酸化珪素や酸化ジルコニウムが好ましく、得られるフィルムのヘイズの増大を少なくするためには、より好ましくは二酸化珪素である。
二酸化珪素の微粒子の例には、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600、NAX50(以上日本アエロジル(株)製)、シーホスターKE−P10、KE−P30、KE−P50、KE−P100(以上日本触媒(株)製)などが含まれる。
酸化ジルコニウムの微粒子の例には、アエロジルR976およびR811(以上日本アエロジル(株)製)などが含まれる。
ポリマー微粒子を構成するポリマーの種類には、シリコーン樹脂、フッ素樹脂およびアクリル樹脂などが含まれ、好ましくはシリコーン樹脂であり、より好ましくは三次元の網状構造を有するシリコーン樹脂である。ポリマー微粒子の例には、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上東芝シリコーン(株)製)が含まれる。
なかでも、アエロジルR972V、NAX50、シーホスターKE−P30などが、得られるフィルムの濁度を低く保ちつつ、摩擦係数を低減させうるため特に好ましい。
微粒子は、分散性を高め、得られるフィルムのヘイズの増大を少なくするためには、表面処理されていることが好ましい。表面処理剤の例には、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサンなどが含まれる。
微粒子の一次粒子径は、5〜50nmであることが好ましく、7〜20nmであることがより好ましい。一次粒子径が大きいほうが、得られるフィルムの滑り性を高める効果は大きいが、透明性が低下しやすい。そのため、微粒子は、粒子径0.05〜0.3μmの二次凝集体として含有されていてもよい。微粒子の一次粒子またはその二次凝集体の大きさは、透過型電子顕微鏡にて倍率50万〜200万倍で一次粒子または二次凝集体を観察し、一次粒子または二次凝集体100個の粒子径の平均値として求めることができる。
微粒子の含有量は、前述の樹脂成分に対して0.05〜1.0質量%であることが好ましく、0.1〜0.8質量%であることがより好ましい。
光学フィルムは、前述の(メタ)アクリル樹脂と酸トラップ剤とを含む組成物からなる単層フィルムであってもよいし;前述の(メタ)アクリル樹脂と酸トラップ剤とを含む組成物からなる層を含む積層フィルムであってもよい。
光学フィルムの物性
光学フィルムの厚みは、特に限定はされないが、20〜200μmであることが好ましく、25〜100μmであることがより好ましく、30〜80μmであることがさらに好ましく、10〜45μmであることが特に好ましい。フィルムの厚みが小さすぎると、所望のレターデーションが得られにくい。一方、フィルムの厚みが大きすぎると、湿度などの影響によってレターデーションが変動しやすい。
光学フィルムは、溶融押し出し成形法によって製造されることから、光学フィルムの残留溶媒量は0.01質量%以下であることが好ましい。
光学フィルムの残留溶媒量は、下記の方法によって測定することができる。
1)以下のガスクロマトグラフィーにて、光学フィルムの製造過程で用いた溶媒の検量線を作成する。
2)光学フィルムを粉砕して得られる試料20mlを密閉ガラス容器に入れ、ヘッドスペース加熱条件にて加熱処理する。
3)2)の加熱処理で得られた揮発成分を、検量線を参照してガスクロマトグラフィーにて定量し、光学フィルム中の残留溶媒量を測定する。残留溶媒量は、光学フィルムの全体の質量に対する質量部として表される。
機器:HP社 5890SERIES II
カラム:J&W社 DB−WAX(内径0.32mm、長さ30m)
検出:FID
GC昇温条件:40℃で5分間保持した後、80℃/分で100℃まで昇温
ヘッドスペース加熱条件:120℃で20分
本発明の光学フィルムの、23℃55%RHの雰囲気下における破断応力は、それを含む偏光板のリワーク性を高めるためには、70MPa以上であることが好ましく、80MPa以上であることがより好ましい。一方、裁断(スリット)しやすくする観点から、光学フィルムの破断応力は200MPa以下であることが好ましい。
破断応力の測定は、以下の手順で行うことができる。即ち、光学フィルムを10mm×150mmの大きさにカットし、試料片とする。この試料片について、引張り試験機(ストログラフ−R2(東洋精機製))にて、チャック間距離100mm、温度25℃、延伸速度10mm/分で引っ張り試験を行い、破断が生じるときの応力を破断応力とする。
本発明の光学フィルムの、JIS−K7127−1999に準拠して測定される、少なくとも一方向の破断点伸度が30%以上であり、より好ましくは50%以上である。破断点伸度の上限は、現実的には250%程度である。破断点伸度を大きくするためには、溶融温度を高くし、フィルムの柔軟性を高めたり、異物や発泡に起因するフィルム中の欠陥を低減したりすればよい。
本発明の光学フィルムの、23℃55%RHの雰囲気下における引き裂き強度は、それを含む偏光板のリワーク性を高めるためには、10mN以上であることが好ましく、20mN以上であることがより好ましい。一方、裁断(スリット)しやすくする観点から、光学フィルムの引き裂き強度は100mN以下であることが好ましい。
引き裂き強度の測定は、以下のようにして行うことができる。即ち、光学フィルムを、65mm×50mmの大きさにカットし、試料片とする。この試料片の、エレメンドルフ法による引き裂き荷重を、JIS K 7128−1991に準拠して、東洋精機(株)製の軽荷重引き裂き装置にて測定する。
光学フィルムの、23℃、55%RHの環境下で、波長590nmにて測定される面内方向のレターデーションRoは−5nm〜5nmの範囲であることが好ましく、−3nm〜3nmの範囲であることがより好ましい。厚み方向のレターデーションRthは−5nm〜5nmの範囲であることが好ましく、−3nm〜3nmの範囲であることがより好ましい。
レターデーションRおよびRthは、それぞれ以下の式で表される。
式(I) R=(nx−ny)×d
式(II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
(nx:フィルム面内の遅相軸方向の屈折率、ny:フィルム面内において、遅相軸に対して直交する方向の屈折率、nz:厚み方向におけるフィルムの屈折率、d:フィルムの厚み(nm))
レターデーションRおよびRthは、例えば以下の方法によって求めることができる。
1)フィルムの平均屈折率を屈折計により測定する。
2)王子計測機器社製KOBRA−21ADHにより、フィルム法線方向からの波長590nmの光を入射させたときの面内方向のレターデーションRを測定する。
3)王子計測機器社製KOBRA−21ADHにより、フィルム法線方向に対してθの角度(入射角(θ))から波長590nmの光を入射させたときのレターデーション値R(θ)を測定する。θは0°よりも大きく、好ましくは30°〜50°である。
4)測定されたRおよびR(θ)と、前述の平均屈折率と膜厚とから、王子計測機器社製KOBRA−21ADHにより、nx、nyおよびnzを算出し、Rthを算出する。レターデーションの測定は、23℃55%RH条件下で行うことができる。
光学フィルムの面内遅相軸とフィルムの幅方向とのなす角θ1(配向角)は、−5°以上+5°以下であることが好ましく、−1°以上+1°以下であることがより好ましい。光学フィルムの配向角θ1の測定は、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器)を用いて測定することができる。
光学フィルムの、JIS K−7136に準拠して測定されるヘイズは、液晶表示装置において十分な輝度や高いコントラストを得るためには、0.5%以下であることがより好ましく、0.35%以下であることがさらに好ましく、0.05%以下であることが特に好ましい。光学フィルムのヘイズを低くするためには、溶融温度を高くしたり、セルロースエステルの炭素数3〜7のアシル基の置換度を高めたりすればよい。
光学フィルムのヘイズは、JIS K−7136に準拠した方法;具体的には、以下の方法で測定することができる。
1)得られた光学フィルムを、23℃55%RH下で5時間以上調湿する。その後、フィルムの表面に付着したホコリなどをブロワーなどで除去する。
2)次いで、光学フィルムのヘイズを、23℃55%RHの条件下にて、ヘイズメーター(濁度計)(型式:NDH 2000、日本電色(株)製)にて測定する。ヘイズメーターの光源は、5V9Wのハロゲン球とし、受光部は、シリコンフォトセル(比視感度フィルター付き)としうる。
光学フィルムの可視光透過率は、90%以上であることが好ましく、92%以上であることがより好ましい。
本発明の光学フィルムは、スジ状欠陥を有しないことが好ましい。スジ状欠陥とは、光学フィルム表面の、フィルム長手方向に伸びたスジであって、フィルム幅方向断面におけるスジの高さ(スジの山の頂点から谷の底点までの高さ)が300nm以上であり、かつスジの傾きが300nm/mm以上であるものである。
スジ状欠陥の形状は、以下の手順で測定することができる。
1)ミツトヨ製SV−3100S4を用いて、先端形状が円錐60°、先端曲率半径2μmの触針(ダイヤモンド針)に測定力0.75mNの加重をかけながら、測定速度1.0mm/secでフィルム幅方向に走査し、Z軸(厚み方向)分解能0.001μmとして、フィルム幅方向の断面曲線を測定する。
2)得られた断面曲線から、スジの山の頂点と谷の底点との垂直距離(H)を読み取って、スジの高さとする。また、山の頂点と谷の底点との水平距離(L)を読み取り、垂直距離(H)を水平距離(L)で除して得られる値を、スジの傾きとする。
本発明の光学フィルムに含まれる(メタ)アクリル樹脂とセルロースエステルとは、相溶していることが好ましい。(メタ)アクリル樹脂とセルロースエステルとが相溶しているかどうかは、例えば光学フィルムのガラス転移温度Tgによって確認されうる。例えば、(メタ)アクリル樹脂とセルロースエステルとが相溶している光学フィルムのガラス転移温度は、それぞれの樹脂に由来するガラス転移温度は確認されず、1つのガラス転移温度のみが確認される。
ガラス転移温度は、示差走査熱量測定器(Perkin Elmer社製DSC−7型)を用いて、JIS K7121(1987)に準拠した方法にて、中間点ガラス転移温度(Tmg)として測定される。昇温速度は20℃/分としうる。
本発明の光学フィルムは、必要に応じて他の機能層(接着層、染料層、帯電防止層、アンチハレーション層、UV吸収層、偏光層など)をさらに有していてもよい。
本発明の光学フィルムは、液晶表示装置の偏光板保護フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム、ハードコートフィルム、防眩フィルム、帯電防止フィルム、視野角拡大用の光学補償フィルムなどとして好ましく用いることができる。偏光板保護フィルムには、例えば位相差調整機能や光学補償機能などをさらに有する保護フィルムなども含まれる。
2.光学フィルムの製造方法
本発明の光学フィルムは、前述の(メタ)アクリル樹脂と酸トラップ剤とを含有する樹脂組成物を加熱溶融した後、流延して製膜する方法(溶融製膜法)によって得ることができる。溶融製膜法の例には、溶融押出し成形法、プレス成形法、インフレーション法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法などがあるが、表面精度などが高いフィルムが得られやすいことから、溶融押出し成形法が好ましい。即ち、本発明の光学フィルムは、(メタ)アクリル樹脂と酸トラップ剤とを含有する樹脂組成物を溶融混練した後、押し出すステップを経て得ることができる。
まず、溶融押し出し法に用いられる、フィルムの製造装置について説明する。図1は、フィルムの製造装置の一例を示す模式図である。図1に示されるように、フィルムの製造装置10は、樹脂を溶融混練する押し出し機12と、溶融した樹脂をフィルム状に吐出するダイ14と、ダイ14から吐出された高温の樹脂を多段冷却する第1、第2および第3冷却ロール16、18および20と、冷却固化されて得られるフィルムを剥離する剥離ロール22と、フィルムを延伸する延伸装置24と、延伸されたフィルムを巻き取る巻き取り装置26とを有する。
押し出し機12は、溶融混練押し出し機であり、シリンダと、その内部に回転自在に設けられたスクリューとを有する。シリンダの供給口には、フィルムの材料を供給するためのホッパー(不図示)が設けられている。スクリューの形状は、フルフライト、マドック、ダルメージなどであってよく、溶融樹脂の粘度や必要とされるせん断力に応じて選択される。押し出し機12は、1軸押し出し機であっても、2軸押し出し機であってもよい。
押し出し機12とダイ14との間には、溶融樹脂をろ過するフィルタ28がさらに設けられてもよい。フィルタ28は、例えばリーフディスクタイプのフィルタであり、好ましくはステンレス繊維焼結フィルタである。フィルタの濾過精度は、3〜15μmmであることが好ましい。フィルタ28は、異物やゲルなどの捕捉精度を高める観点などから、ろ過精度の異なるろ過材の多層体であることが好ましい。
押し出し機12とダイ14との間には、樹脂を均一に混合するためのスタチックミキサ30などの混合装置や、押出し流量を安定化するためのギアポンプ(不図示)などがさらに設けられてもよい。
ダイ14は、公知のものであってよく、Tダイなどである。ダイ14本体の材質は、ハードクロム、炭化クロム、窒化クロム、炭化チタン、炭窒化チタン、窒化チタン、超鋼、セラミック(タングステンカーバイド、酸化アルミ、酸化クロム)などを溶射もしくはメッキした後;バフ、平面切削、電解研磨などの表面加工をさらに施したものでありうる。ダイ14のリップ部の材質は、ダイ本体と同様としうる。ダイ14のリップ部の表面精度は0.5S以下が好ましく、0.2S以下がより好ましい。
ダイ14のスリットは、そのギャップが調整可能に構成されている。ダイ14のスリットを形成する一対のリップのうち、一方は剛性が低く、変形しやすいフレキシブルリップであり、他方は固定リップであることが、スリットのギャップを調整しやすいことから好ましい。スリットのギャップ(ダイリップクリアランス)は、好ましくは900μm以上であり、より好ましくは1mm以上2mm以下である。ダイリップクリアランスが上記範囲外であると、得られるフィルムに斑点状のムラが生じやすい。
ダイ14の内壁面に、傷や可塑剤の凝結物などの異物が付着すると、押し出される溶融樹脂の表面にスジ状の欠陥(ダイライン)が生じることがある。ダイラインなどの表面欠陥を低減するためには、押し出し機12からダイ14の先端までの内壁面には、樹脂の滞留部が付着しにくい構造にすること;例えば押し出し機12からダイ14の先端までの内壁面には、傷などがないことが好ましい。
押し出し機12やダイ14などの内壁面は、溶融樹脂が付着しにくくするために、表面粗さを小さくする、または表面エネルギーを低くする表面加工が施されていることが好ましい。そのような表面加工の例には、ハードクロムメッキやセラミック溶射した後、表面粗さ0.2S以下となるように研磨する加工が含まれる。
第1冷却ロール16、第2冷却ロール18および第3冷却ロール20は、高剛性の金属ロールであり、内部に温度制御可能な媒体を流通できる構造を有する。冷却ロール16、18および20の表面の材質は、ステンレス、アルミニウム、チタンなどでありうる。冷却ロール16、18および20の表面には、樹脂を剥離しやすくしたりするためなどから、ハードクロムメッキなどの表面処理を施してもよい。冷却ロール16、18および20の表面の粗さRaは、得られるフィルムのヘイズを低く維持するために、0.1μm以下とすることが好ましく、0.05μm以下とすることがより好ましい。
弾性タッチロール32は、冷却ロール16と対向して配置されている。そして、ダイ14から押し出された溶融樹脂が、冷却ロール16と弾性タッチロール32とでニップされるようになっている。弾性タッチロール32は、特開平03−124425号、特開平08−224772号、特開平07−100960号などに記載の、薄膜金属スリーブで被覆されたシリコンゴムロールなどが用いられる。
延伸装置24は、特に制限されないが、ロール延伸機、テンター延伸機などが好ましく用いられる。ロール延伸機とテンター延伸機とを組み合わせてもよい。テンター延伸機は、予熱ゾーン、延伸ゾーン、保持ゾーン、冷却ゾーンを有するものが好ましく、各ゾーン間に、各ゾーン間を断熱するためのニュートラルゾーンをさらに有するものが好ましい。
製造装置10における各種ロールには、ロール表面を清掃する機構がさらに設けられていてもよい。ロール清掃方式の例には、ブラシ・ロール、吸水ロール、粘着ロール、ふき取りロールなどをニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、レーザーによる焼却方式あるいはこれらの組み合わせなどでありうる。
次に、フィルムの製造装置10を用いて光学フィルムを得るステップを説明する。本発明の光学フィルムは、例えば前述の樹脂組成物からなるペレットを準備する工程(ペレット化工程);ペレットを含むフィルム材料を、押し出し機12にて溶融混練した後、ダイ14から押し出す工程(溶融押出工程);押し出された溶融樹脂を冷却固化してフィルムを得る工程(冷却固化工程);フィルムを延伸する工程(延伸工程)、を経て得ることができる。
1)ペレット化工程
前述の(メタ)アクリル樹脂と酸トラップ剤とを含む樹脂組成物は、あらかじめ混練してペレット化しておくことが好ましい。ペレット化は、公知の方法で行うことができ、例えば前述の樹脂組成物を押し出し機にて溶融混錬した後、ダイからストランド状に押し出す。ストランド状に押し出された溶融樹脂を、水冷または空冷した後、カッティングしてペレットを得ることができる。
紫外線吸収剤または微粒子(マット剤)などは、前述の樹脂組成物からなるメインペレットに含まれていても、前述の樹脂組成物とは別の高濃度のマスターペレットに含まれてもよい。
ペレットの原材料は、分解を防止するために、押し出し機に供給する前に乾燥しておくことが好ましい。例えば、セルロースエステルは吸湿しやすいため、70〜140℃で3時間以上乾燥させて、水分率を200ppm以下、好ましくは100ppm以下にしておくことが好ましい。
押し出し機に供給される複数種の添加剤は、予め混合されていてもよいし、混合されていなくてもよい。酸化防止剤などの少量の添加剤は、均一に混合するために、押し出し機に供給される前に予め混合されていることが好ましい。原材料の混合は、原材料の乾燥と混合を同時に行うことができることから、真空ナウターミキサーで行うことが好ましい。また、押し出し機のホッパー付近やダイの出口付近の雰囲気は、ペレットの原材料の劣化を防止するためなどから、除湿した空気またはNガスなどの雰囲気とすることが好ましい。また、押し出し機のホッパーなどは、原材料の吸湿を防止するためなどから、保温しておくことが好ましい。
押し出し機12では、樹脂の劣化(分子量の低下、着色およびゲル状異物の生成など)が生じないように、低いせん断力または低い温度で混練することが好ましい。例えば、2軸押し出し機で混練する場合、深溝タイプのスクリューを用いて、2つのスクリューの回転方向を同方向にすることが好ましい。均一に混錬するためには、2つのスクリュー形状が互いに噛み合うようにすることが好ましい。
ペレットの色は、黄味の指標であるb*値が−5〜10の範囲にあることが好ましく、−1〜8の範囲にあることがさらに好ましく、−1〜5の範囲にあることがより好ましい。b*値は、分光測色計CM−3700d(コニカミノルタセンシング(株)製)にて、光源をD65(色温度6504K)とし、視野角を10°として測定することができる。
樹脂組成物をペレット化せずに、溶融混練していない樹脂組成物をそのまま原料として押し出し機12にて溶融混練して光学フィルムを製造してもよい。
2)溶融押出し工程
ペレットなどのフィルム材料は、予め乾燥させておくことが好ましい。真空または減圧乾燥機や除湿熱風乾燥機などで、ペレットなどの材料に含まれる水分量を200ppm以下、好ましくは100ppm以下となるまで乾燥させておくことが好ましい。
ペレットを含むフィルム材料を、ホッパー(不図示)から押し出し機12に供給する。ペレットの供給は、ペレットの酸化分解を防止するためなどから、真空下、減圧下または不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。そして、押し出し機12にて、ペレットを含むフィルム材料を溶融混練する。
押し出し機12内のフィルム材料の溶融温度は、フィルム材料の種類、溶融物の粘度や吐出量、得られるフィルム厚みなどにもよるが、フィルムのガラス転移温度をTg℃としたときに、好ましくはTg℃〜(Tg+150)℃の範囲であり、より好ましくは(Tg+50)℃〜(Tg+130)℃の範囲である。具体的には、(メタ)アクリル樹脂/セルロースエステルの混合物の場合、溶融温度は、150〜300℃程度であり、好ましくは200〜270℃であり、より好ましくは240〜270℃であり、さらに好ましくは260〜270℃である。溶融温度が低すぎると、フィルム材料が十分に混練されなかったりし、溶融温度が高すぎると、フィルム材料が熱劣化することがある。
リワーク性の高い光学フィルム;具体的には、柔軟性の高い光学フィルムを得るためには、溶融温度を高くして、溶融樹脂の流動性を高めることが有効と考えられる。しかしながら、溶融温度を高くすると樹脂が熱劣化しやすいため、得られるフィルムが着色していたり、脆くなったり、所望の光学特性を満たさなかったりする。
溶融温度を高くしたときの、樹脂の熱劣化が生じるメカニズムは、必ずしも明らかではないものの、原料である(メタ)アクリル樹脂に残留するモノマーが熱分解して酸を発生し、この酸が、樹脂を熱劣化させるためであると推測される。溶融温度を高くしたときの樹脂の熱劣化は、特に樹脂組成物が(メタ)アクリル樹脂とセルロースエステルを含有する場合に特に生じやすい。セルロースエステルのエステル部が加水分解して酸を発生し、この酸も樹脂を熱劣化させるためであると推測される。
本発明では、(メタ)アクリル樹脂を含有する樹脂組成物が、酸トラップ剤をさらに含有する。酸トラップ剤は、特に溶融温度を高くしたときに、樹脂成分を分解させる酸をトラップしうる。それにより、溶融温度を高くしても、樹脂を熱劣化させることなく溶融混練することができる。
押し出し機12内におけるフィルム材料の溶融粘度は、1〜10000Pa・sであることが好ましく、10〜1000Pa・sであることがより好ましい。溶融物の溶融粘度が高すぎると、圧力が上昇するため、押し出し機12内での滞留時間が長くなりやすい。押し出し機12内でのフィルム材料の滞留時間は、短いことが好ましく、5分以内程度、好ましくは3分以内、より好ましくは2分以内である。滞留時間は、フィルム材料の供給量、シリンダの内径(D)に対するシリンダの長さ(L)の比であるL/D、スクリューの回転数またはスクリューの溝の深さなどによって調整することができる。
押し出し機12のスクリューの回転数や形状は、フィルム材料の溶融粘度や吐出量などによって適宜選択される。押し出し機12でのせん断速度は、1/秒〜10000/秒、好ましくは5/秒〜1000/秒、より好ましくは10/秒〜100/秒である。
押し出し機12から押し出された溶融樹脂を、必要に応じてフィルタ28などでろ過した後、スタチックミキサ30などでさらに混合して、ダイ14からフィルム状に押し出す。ダイ14の出口部分における樹脂の溶融温度Tmは200〜300℃程度としうる。
3)冷却固化工程
ダイから押し出された樹脂を、冷却ロール16と弾性タッチロール32とでニップして、フィルム状の溶融樹脂を所定の厚みにする。そして、フィルム状の溶融樹脂を、複数の冷却ロール18および20で段階的に冷却して固化させる。
第1冷却ロール16の表面温度Tr1と第2冷却ロール18の表面温度Tr2は、それぞれ独立に(Tg−50)℃以上Tg以下としうる。また、Tr2>Tr1であることが好ましく、0<Tr2−Tr1<50であることがより好ましい。Tr2>Tr1とすることで、第2冷却ロール18上への添加剤の凝結が抑制され、フィルム中に再溶融されやすいからである。
添加剤のフィルム中への再溶解は、フィルムと第2冷却ロール18との接触時間によって調整でき、具体的には1.0〜3.0秒であることが好ましい。接触時間は、第2冷却ロール18の周面の、フィルムと第2冷却ロール18とが接触し始める点と剥離し始める点との間の距離を、フィルムの搬送速度で除して得られる秒数である。
第2冷却ロール18の周速度R2は、第1冷却ロール16の周速度R1よりも大きいことが好ましい。これらの2つの冷却ロール間のフィルムに張力が加わり、それによりフィルムと第1冷却ロール16との密着性が高められる。この周速度の比は1.00〜1.05の範囲であることが好ましい。周速度の比が1.05超であると、フィルムが破断するおそれがある。同様に、第3冷却ロール20の周速度が、第2冷却ロール18の周速度よりも大きいことが好ましい。
ドロー比は5〜30であることが好ましい。ドロー比は、ダイ14のリップクリアランスを、第1、第2および第3冷却ロール16、18および20上で冷却固化して得られるフィルムの平均膜厚で除して得られる値である。ドロー比を上記範囲とすることで、液晶表示装置で画像を表示したときに、明暗のスジや斑点状ムラとなる故障が少ないフィルムが得られやすい。ドロー比は、ダイリップクリアランスと冷却ロールの引き取り速度により調整できる。
ダイ14のリップ(開口部)から第1冷却ロール16の表面への溶融樹脂の吐出は、好ましくは70kPa以下、より好ましくは50〜70kPaに減圧下で行うことが好ましい。得られるフィルムにダイラインが生じにくいからである。ダイ14のリップ(開口部)と第1冷却ロール16の表面との間を減圧する方法は、例えばダイ14と第1冷却ロール16とを含む空間を耐圧部材で覆い、かつその内部を減圧する方法などがある。
弾性タッチロール32の表面温度Tr0は、フィルムのガラス転移温度(Tg)以下であることが好ましく、Tg−50≦Tr0≦Tgであることがより好ましい。弾性タッチロール32の表面温度Tr0がTg超であると、フィルムと第1冷却ロール16とが剥離しにくくなることがある。
弾性タッチロール32で押圧する時の、弾性タッチロール32の線圧を9.8〜147N/cmにすることが好ましい。線圧が9.8N/cm未満であると、ダイラインを十分に抑制しにくい。
光学フィルムのガラス転移温度をTgとしたとき、ダイ14から押し出されたフィルム状の溶融樹脂の、弾性タッチロール32でニップされる直前の弾性タッチロール32側の表面温度Ttは、好ましくはTg<Tt<Tg+110℃であり、より好ましくはTg+10℃<Tt<Tg+90℃であり、さらに好ましくはTg+20℃<Tt<Tg+70℃である。フィルム状の溶融樹脂の表面温度Ttが上記範囲であると、ニップするときのフィルム状の溶融樹脂の粘度を、適切な範囲にすることができ、ダイラインを抑制しやすい。
フィルム状の溶融樹脂の、弾性タッチロール32にニップされる直前の弾性タッチロール32側の表面温度Ttの調整は、例えばダイ14と第1冷却ロール16との間のエアギャップ(距離)を短くして、ダイ14と第1冷却ロール16との間での冷却を抑制する方法、ダイ14と第1冷却ロール16との間を断熱材で囲って保温または加温する方法などによって行うことができる。加温は、熱風、赤外線ヒーターまたはマイクロ波による加熱などでありうる。
フィルムの表面温度やロールの表面温度は、非接触式の赤外温度計で測定できる。具体的には、フィルムまたはロールの表面温度は、非接触ハンディ温度計(IT2−80、(株)キーエンス製)を用いて、フィルムまたはロールの幅方向の任意の10箇所の表面温度を、フィルムまたはロールの表面から0.5m離れた位置で測定する。
冷却ロール16、18および20で固化させたフィルムを、剥離ロール22で剥離する。フィルムを剥離する際は、変形を防止するために、フィルムに加える張力を調整することが好ましい。
4)延伸工程
得られたフィルムを、延伸装置24にて延伸して光学フィルムを得る。延伸は、フィルムの幅方向(TD方向)、搬送方向(MD方向)または斜め方向のうち少なくとも一方向に延伸すればよく、フィルムの幅方向(TD方向)と搬送方向(MD方向)の両方に延伸することが好ましい。
フィルムの幅方向(TD方向)と搬送方向(MD方向)の両方に延伸する場合、フィルムの幅方向(TD方向)の延伸と搬送方向(MD方向)の延伸とは、逐次的に行ってもよいし、同時に行ってもよい。
延伸倍率は、各方向に1.01〜3.0倍、好ましくは1.1〜2.0倍としうる。フィルムの幅方向(TD方向)と搬送方向(MD方向)の両方に延伸する場合、各方向に最終的に1.01〜3.0倍、好ましくは1.1〜2.0倍とすることが好ましい。
延伸温度は、Tg〜(Tg+50)℃であることが好ましく、Tg〜(Tg+40)℃であることがより好ましい。具体的には、(メタ)アクリル樹脂/セルロースエステルの混合物の場合、延伸温度は、100〜190℃程度としうる。延伸温度が高すぎると、得られる光学フィルムの引き裂き強度は高いが、破断応力が低いことがある。一方、延伸温度が低すぎると、得られる光学フィルムは、破断応力は高いが、引き裂き強度が低いことがある。
延伸温度は、フィルムの幅方向(TD方向)または搬送方向(MD方向)に均一であることが好ましく、フィルムの延伸温度の幅方向または搬送方向のばらつきが±2℃以下であることが好ましく、±1℃以下であることがより好ましく、±0.5℃以下であることがさらに好ましい。
延伸後に得られるフィルムのレターデーションを調整したり、寸法変化を少なくしたりするために、必要に応じて、延伸後に得られるフィルムを搬送方向(MD方向)または幅方向(TD方向)に収縮させてもよい。延伸後に得られるフィルムを搬送方向(MD方向)に収縮させるには、例えば幅方向に把持したクリップを解除して、搬送方向に弛緩させたり;隣り合うクリップの間隔を搬送方向に徐々に狭くして搬送方向に弛緩させたりすればよい。
隣り合うクリップの間隔を搬送方向に徐々に狭くするには、例えば同時二軸延伸機を用いて、フィルムの搬送方向(TD方向)の隣り合うクリップの間隔を、パンタグラフ方式やリニアドライブ方式で駆動して滑らかに徐々に狭くするとよい。得られるフィルムの寸法変化率を小さくするためには、フィルムの幅方向(TD方向)と搬送方向(MD方向)ともに0.5〜10%収縮させることが好ましい。
得られる光学フィルムの幅は、偏光子の幅などにもよるが、0.5〜4.0m、好ましくは1.0〜3.0mとしうる。光学フィルムの膜厚変動は、±3%以下であることが好ましく、±1%以下であることがさらに好ましい。
延伸後、得られる光学フィルムの両端部をスリットして裁ち落とした後、ナール加工(エンボッシング加工)を施すことが好ましい。得られる光学フィルム同士の貼り付きやすり傷の発生を防止するためである。ナール加工は、エンボスリングとバックロールとを有するナール加工装置で行うことができる。このようにして得られる光学フィルムを、巻取り機によって巻き取る。
このように、本発明の光学フィルムは、(メタ)アクリル樹脂と酸トラップ剤とを含有する樹脂組成物を溶融混練した後、押し出すステップを経て得ることができる。この樹脂組成物に含まれる酸トラップ剤は、溶融温度を高くしたときに、(メタ)アクリル樹脂に残留するモノマーが熱分解して生成する酸やセルロースエステルのエステル部が加水分解して生成する酸をトラップしうるため、樹脂の熱劣化を抑制できる。そのため、着色がなく、所望の光学特性を満たし、かつ柔軟性が高く、リワーク性の高い光学フィルムを得ることができる。
3.偏光板
本発明の偏光板は、偏光子と、その少なくとも一方の面に配置された本発明の光学フィルムとを含む。
偏光子は、一定方向の偏波面の光のみを通過させる素子である。偏光子の代表的な例は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムであり、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと、二色性染料を染色させたものと、がある。
偏光子は、ポリビニルアルコール系フィルムを一軸延伸した後、ヨウ素または二色性染料で染色して得られるフィルムであってもよいし、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素または二色性染料で染色した後、一軸延伸したフィルム(好ましくはさらにホウ素化合物で耐久性処理を施したフィルム)であってもよい。偏光子の厚さは、5〜30μmであることが好ましく、10〜20μmであることがより好ましい。
ポリビニルアルコール系フィルムは、ポリビニルアルコール水溶液を製膜したものであってもよい。ポリビニルアルコール系フィルムは、偏光性能および耐久性能に優れ、色斑が少ないなどことから、エチレン変性ポリビニルアルコールフィルムが好ましい。エチレン変性ポリビニルアルコールフィルムの例には、特開2003−248123号、特開2003−342322号等に記載されたエチレン単位の含有量1〜4モル%、重合度2000〜4000、けん化度99.0〜99.99モル%のフィルムが含まれる。
二色性色素の例には、アゾ系色素、スチルベン系色素、ピラゾロン系色素、トリフェニルメタン系色素、キノリン系色素、オキサジン系色素、チアジン系色素およびアントラキノン系色素などが含まれる。
本発明の光学フィルムは、偏光子の少なくとも一方の面に直接配置されてもよいし、他のフィルムまたは層を介して配置されてもよい。
偏光子の他方の面には、本発明の光学フィルムが配置されてもよいし、それ以外の保護フィルムが配置されてもよい。保護フィルムは、特に制限されず、通常のセルロースエステルフィルムなどであってよい。セルロースエステルフィルムの市販品の例には、市販のセルロースエステルフィルム(例えば、コニカミノルタタック KC8UX、KC4UX、KC5UX、KC8UY、KC4UY、KC12UR、KC8UCR−3、KC8UCR−4、KC8UCR−5、KC8UE、KC4UE、KC4FR−3、KC4FR−4、KC4HR−1、KC8UY−HA、KC8UX−RHA、以上コニカミノルタオプト(株)製)等が好ましく用いられる。
偏光板は、通常、偏光子と、本発明の光学フィルムとを貼り合わせるステップを経て得ることができる。貼り合わせに用いられる接着剤の例には、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液や;ウレタン系粘着剤、エポキシ系粘着剤、水性高分子−イソシアネート系粘着剤、熱硬化型アクリル粘着剤などの硬化型粘着剤が含まれ、好ましくは完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液である。
4.液晶表示装置
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、それを挟持する一対の偏光板と、を有する。そして、一対の偏光板のうち少なくとも一方が本発明の光学フィルムを有する偏光板であり、好ましくは一対の偏光板の両方が本発明の光学フィルムを有する偏光板である。
図2は、本発明に係る液晶表示装置110の一実施形態の基本構成を示す模式図である。図2に示されるように、液晶表示装置110は、液晶セル120と、それを挟持する第一の偏光板140および第二の偏光板160と、バックライト180と、を有する。
液晶セル120の表示方式は、特に制限されず、TN(Twisted Nematic)方式、STN(Super Twisted Nematic)方式、IPS(In−Plane Switching)方式(FFS方式も含む)、OCB(Optically Compensated Birefringence)方式、VA(Vertical Alignment)方式(MVA;Multi−domain Vertical AlignmentやPVA;Patterned Vertical Alignmentも含む)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)方式等がある。視野角が比較的広いなどの観点からは、IPS方式などが好ましく、コントラストが高いなどの観点からは、VA方式などが好ましい。
第一の偏光板140は、液晶セル120の視認側に配置されており、第一の偏光子142と、第一の偏光子142の視認側の面に配置された保護フィルム144(F1)と、第一の偏光子142の液晶セル側の面に配置された保護フィルム146(F2)とを含む。第二の偏光板160は、バックライト180側に配置されており、第二の偏光子162と、第二の偏光子162の液晶セル側の面に配置された保護フィルム164(F3)と、第二の偏光子162のバックライト側の面に配置された保護フィルム166(F4)とを含む。保護フィルム146(F2)と164(F3)の一方は、必要に応じて省略されてもよい。
保護フィルム144(F1)、146(F2)、164(F3)および166(F4)のうち、液晶セル側に配置される保護フィルム146(F2)と164(F3)の少なくとも一方を、本発明の光学フィルムとすることが好ましい。
液晶表示装置の大きさは、好ましくは30型以上、より好ましくは30型〜54型としうる。液晶表示装置は、好ましくはデジタルサイネージなどの屋外用途にも好ましく用いられる。
液晶表示装置は、液晶セルと偏光板とを粘着剤を介して貼り合わせるステップを経て製造されうる。粘着剤は、硬化型粘着剤であることが好ましく、硬化物の25℃における貯蔵弾性率が1.0×10〜1.0×10Paである硬化型粘着剤がより好ましい。そのような粘着剤の例には、前述の硬化型粘着剤と同様のものが含まれる。
前述のように、本発明の光学フィルムは、酸トラップ剤を含有する樹脂組成物を高い溶融温度で溶融混練するステップを経て得られる。そのため、本発明の光学フィルムは、着色などがなく、所望の光学特性を満たしつつ、高い柔軟性(リワーク性)を有する。そのため、本発明の光学フィルムを含む偏光板を、液晶セルに一旦貼り合わせた後でも、偏光板を裂けさせることなく、液晶セルから容易に剥がすことができる。また、本発明の光学フィルムを含む液晶表示装置は、良好な表示特性を有する。
以下において、実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。これらの実施例によって、本発明の範囲は限定して解釈されない。
1.光学フィルム材料の準備
1)(メタ)アクリル樹脂
A1:メチルメタクリレート/アクリロイルモルホリン=85/15(質量比)の共重合体、重量平均分子量Mw=10万
A2:ラクトン環含有(メタ)アクリル共重合体(ラクトン環含有構造の含有割合:20質量%、閉環度95%、重量平均分子量Mw=20万)
A3:ラクトン環含有(メタ)アクリル共重合体(ラクトン環含有構造の含有割合:20質量%、閉環度80%、重量平均分子量Mw=20万)
2)セルロースエステル
CAP:セルロースアセテートプロピオネート(アシル基総置換度2.75、アセチル基置換度0.2、プロピオニル基置換度2.55、重量平均分子量Mw:200000、Tg:145℃)
3)酸トラップ剤
LBT−1830:堺化学工業社製、ステアリルリン酸亜鉛
アデカサイザーD−32:ADEKA社製、エポキシ化オイル
4)その他の添加剤
SZ−2000:堺化学工業社製、ステアリン酸亜鉛
PEP−36:ADEKA社製、リン系酸化防止剤
Irganox1010:チバ・ジャパン製、フェノール系酸化防止剤
アデカスタッブLA−52:ADEKA社製HALS
5)その他の樹脂
ポリカーボネート1:パンライト AD-5503(帝人化成(株)製)
アートン(環状オレフィン樹脂):アートン G7810(JSR(株)製)
2.光学フィルムの作製
(実施例1)
(メタ)アクリル樹脂A1と、セルロースアセテートプロピオネートとを、真空ナウターミキサーにて70℃、減圧下で3時間乾燥させた後、室温まで冷却した。これに、LBT−1830を添加して、混合物を得た。混合物の組成は、得られる光学フィルムの組成が以下の組成となるようにした。
<光学フィルムの組成>
(メタ)アクリル樹脂A1:70質量部
セルロースアセテートプロピオネート(アシル基総置換度2.75、アセチル基置換度0.2、プロピオニル基置換度2.55、分子量Mw=200000):30質量部
LBT−1830:2質量部
得られた混合物を、2軸式押し出し機にて235℃で溶融混練して、ストランド状に押し出した。ストランド状に押し出された樹脂組成物を水冷した後、カッティングしてペレットを得た。
得られたペレットを用いて、図1に示されるフィルムの製造装置10にて、光学フィルムを製造した。得られたペレットを1軸押し出し機(押し出し機12)に投入し、窒素雰囲気下、260℃で溶融混練した。その後、ダイ14から、表面温度が90℃である第1冷却ロール16上に押し出した。そして、第1冷却ロール16上に押し出された樹脂を、弾性タッチロール32で押圧して成形した。
ダイ14のスリットのギャップが、フィルム幅方向の端部から30mm以内では0.5mm、それ以外の箇所では1mmとした。弾性タッチロール32の表面温度は80℃とした。
ダイ14から押し出された樹脂が第1冷却ロール16に接触する位置P1から、第1冷却ロール16と弾性タッチロール32とのニップ部分の、第1冷却ロール16の回転方向上流端の位置P2までの、第1冷却ローラ16の周面に沿った長さLを20mmとした。弾性タッチロール32の第1冷却ロール16に対する線圧は14.7N/cmとした。
ダイ14から押し出された樹脂を、第1、第2および第3冷却ロール上で冷却固化して得られたフィルムを、剥離ロール22で剥離した。得られたフィルムを、テンター延伸機にて幅方向に145℃で1.3倍延伸した後、幅方向に3%緩和させながら30℃まで冷却した。次いで、クリップを外して、フィルム両端部のクリップで把持されていた部分を裁ち落とした後、フィルム両端部に幅10mm、高さ5μmのナーリング加工を施した。得られたフィルムを、巻き取り張力220N/mにて巻き取った。得られたフィルムは、膜厚40μm、幅1430mmであり、DSC法により測定されるガラス転移温度は125℃であった。
(実施例2〜4)
酸トラップ剤の種類または溶融温度を表1に示されるように変更した以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得た。
(実施例5〜8)
酸トラップ剤の含有量を表1に示されるように変更した以外は実施例4と同様にして光学フィルムを得た。
(実施例9〜12)
(A)(メタ)アクリル樹脂と(B)セルロースエステルとの含有比率A/Bを表1に示されるように変更した以外は実施例3と同様にして光学フィルムを得た。
(実施例13および14)
(A)(メタ)アクリル樹脂の種類を表1に示されるように変更した以外は実施例3と同様にして光学フィルムを得た。
(実施例15および16)
フィルムの膜厚を表3に示されるように変更した以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得た。
(比較例1)
酸トラップ剤を含有させなかった以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得た。
(比較例2〜5)
酸トラップ剤を含有させず、かつ溶融温度または延伸温度を表2に示されるように変更した以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得た。
(比較例6〜9)
酸トラップ剤を表2に示される添加剤に変更し、かつそれらの含有量を変更した以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得た。
(比較例10〜13)
酸トラップ剤を表2に示される添加剤に変更し、さらにそれらの含有量と溶融温度を表2に示されるように変更した以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得た。
(比較例14)
フィルムの膜厚を表3に示されるように変更した以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得た。
(比較例15〜18)
樹脂の種類、酸トラップ剤の添加の有無、延伸温度およびフィルムの膜厚を表4に示されるように変更した以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得た。
得られた光学フィルムの1)破断応力、2)引き裂き強度、3)着色、4)レターデーションRth、5)リワーク性、および6)偏光子の劣化を、以下の方法で測定した。いずれの測定も、23℃55%RHの雰囲気下で行った。光学フィルムは、予め23℃55%RHの雰囲気下で24時間保存したものを使用した。
1)破断応力
得られたフィルムを10mm×150mmの大きさにカットし、試料片とした。この試料片を、引張り試験機(ストログラフ−R2(東洋精機製))にて、チャック間距離100mm、温度25℃、延伸速度10mm/分で引っ張った。破断が生じたときの応力を、破断応力とした。
2)引き裂き強度
得られたフィルムを65mm×50mmの大きさにカットし、試料片とした。この試料片のエレメンドルフ法による引き裂き荷重を、JIS K 7128−1991に準拠して、東洋精機(株)製の軽荷重引き裂き装置(TYPE D)にて測定した。
3)着色
アルミパンに、細かく粉砕した光学フィルムを10mg入れて、TG/DTA6200(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製)を用いて、Nフロー下、250℃で60分間加熱した。加熱後のアルミパン内の光学フィルムの着色状態を目視観察した。着色の評価は、以下の基準に基づいて行った。
○:ほとんど着色がない
△:薄く着色
×:褐色に着色
4)レターデーションRth
i)フィルムの平均屈折率を屈折計により測定した。
ii)王子計測機器社製KOBRA−21ADHにより、フィルム法線方向からの波長590nmの光を入射させたときの面内方向のレターデーションRを測定した。
iii)王子計測機器社製KOBRA−21ADHにより、フィルム法線方向に対してθの角度(入射角(θ))から波長590nmの光を入射させたときのレターデーション値R(θ)を測定した。θは30°〜50°とした。
iv)測定されたRおよびR(θ)と、前述の平均屈折率と膜厚とから、王子計測機器社製KOBRA−21ADHにより、nx、nyおよびnzを算出し、Rthを算出した。レターデーションの測定は、23℃55%RH条件下で行った。
得られるフィルムのRthは、±3nm以下であることが好ましい。
5)リワーク性
偏光子の作製
厚さ120μmの長尺ロールポリビニルアルコールフィルムを沃素1質量部、ホウ酸4質量部を含む水溶液100質量部に浸漬し、50℃で、搬送方向の延伸倍率6倍に延伸して、厚み35μmの偏光子を得た。
偏光板の作製
以下に示されるように、得られた光学フィルムをアルカリケン化処理した後、水洗、中和および水洗した。その後、得られた光学フィルムを80℃で乾燥させた。
ケン化工程 2M−NaOH 50℃ 90秒
水洗工程 水 30℃ 45秒
中和工程 10質量%HCl 30℃ 45秒
水洗工程 水 30℃ 45秒
同様にして、コニカミノルタオプト(株)製KC4UYもアルカリケン化処理した。そして、前述の偏光子の一方の面にアルカリケン化処理したKC4UYを、完全ケン化型ポリビニルアルコール5%水溶液を接着剤として貼り合わせた。同様に、偏光子の他方の面にアルカリケン化処理した光学フィルムを、完全ケン化型ポリビニルアルコール5%水溶液を接着剤として貼り合わせた。貼り合わせは、偏光子の透過軸と光学フィルムの面内遅相軸とが平行になるように行った。貼り合わせた積層物を乾燥して、偏光板を得た。
粘着剤組成物の作製
n−ブチルアクリレート(n−BA)75質量部、メチルアクリレート(MA)20質量部、2−ヒドロキシアクリレート(2−HEA)5質量部、酢酸エチル100質量部およびアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2質量部を反応容器に入れ、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。その後、これらの成分を撹拌しながら、窒素雰囲気下で反応容器内の温度を60℃に昇温し、4時間反応させた。4時間後、トルエン100質量部、α−メチルスチレンダイマー5質量部およびAIBN2質量部を加えて、90℃に昇温し、さらに4時間反応させた。反応後、酢酸エチルで希釈し、固形分20質量%のアクリルポリマー溶液を得た。ポリマー溶液の固形分100質量部にイソシアネート系架橋剤(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン(株)製)1.0質量部を添加し、よく撹拌して粘着剤組成物を得た。
剥離処理したフィルム上に、得られた粘着剤組成物を、乾燥厚みが25μmとなるように塗布して粘着剤層を形成し、粘着シートを得た。
前述の偏光板を100×100mmサイズに打ち抜いた。得られた偏光板の一方の面に、粘着シートの粘着剤層を転写して、粘着剤付き偏光板を得た。粘着剤付き偏光板を、ガラス基板と貼り合わせた。4角の1カ所から、偏光板をガラス基板から少し剥離し、剥離した偏光板を掴みガラス基板を押さえながら対角方向に剥離した。同様の操作を計10枚のサンプルで実施し、以下の基準に従い評価を行った。
○:10枚とも光学フィルムが裂けることなく完全に剥離できた
△:1〜5枚で光学フィルムが裂けて一部がガラス基板上に残り、剥離残りが生じた
×:6枚以上で光学フィルムが裂けて一部がガラス基板上に残り、剥離残りが生じた
6)偏光子の劣化
5)のリワーク性の評価で作製した偏光板の全光線透過率を、日本電色工業(株)製濁度計NDH2000を用いて測定した。全光線透過率の測定では、測定時の光の偏光の影響をキャンセルするために、偏光板の全光線透過率を、偏光子の吸収軸が水平方向となるようにして測定し、さらに偏光子の吸収軸が水平方向に対して直交する方向(垂直方向)となるようにさらに測定し(合計2回測定し)、それらの平均値を算出した。次いで、偏光板を、60℃90%RHの条件で2000時間保存して耐久性試験を行った後、前述と同様の方法で、耐久性試験後の偏光板の全光線透過率を測定した。得られた値を下記式にそれぞれ当てはめて、耐久性試験前後での全光線透過率の変化量を算出した。
全光線透過率の変化量=(耐久性試験後の全光線透過率)−(耐久性試験前の全光線透過率)
得られた全光線透過率の変化量に基づいて、偏光子劣化を以下のように評価した。
○:全光線透過率の変化量が5%以下
△:全光線透過率の変化量が5%超10%以下
×:全光線透過率の変化量が10%超
○レベルであることが好ましいが、△レベルであれば実用上問題ない。
実施例1〜14の光学フィルムの評価結果を表1に示し;比較例1〜13の光学フィルムの評価結果を表2に示し;実施例15〜16および比較例14の光学フィルムの評価結果を表3に示し;比較例15〜18の評価結果を表4に示す。
Figure 2013080514
Figure 2013080514
Figure 2013080514
Figure 2013080514
酸トラップ剤であるLBT1830またはアデカサイザーD−32を含有する実施例1〜16のフィルムは、酸トラップ剤を含有しない比較例1〜13のフィルムよりも破断応力および引き裂き強度が高く、かつ着色が生じないことがわかる。
また、高い溶融温度で製膜された実施例1〜2のフィルムは、低い溶融温度で製膜された実施例3〜4のフィルムよりも、リワーク性が高く、着色も生じないことがわかる。実施例1〜2のフィルムにおいて着色しなかったのは、酸トラップ剤を含有させることで、溶融温度を高くしたときの樹脂の熱劣化を抑制できたためと考えられる。実施例1〜2のフィルムのリワーク性が高いのは、溶融温度を高めることで、(メタ)アクリル樹脂とセルロースエステルとを含む樹脂組成物の流動性を高めることができ、得られるフィルムの柔軟性が向上したためと考えられる。
実施例4〜8の対比から、酸トラップ剤の含有量が少なすぎると、得られるフィルムの着色が若干生じやすく;酸トラップ剤の含有量が多すぎると、得られるフィルムが若干ブリードアウトを生じやすく、偏光子を劣化させやすいことがわかる。
実施例3と9〜12の対比から、(メタ)アクリル樹脂の含有比率が多すぎると、得られるフィルムが若干脆くなりやすく、引き裂き強度が若干低下しやすいことが示唆される。一方、セルロースエステルの含有比率が多すぎると、得られるフィルムの着色が若干生じやすいことがわかる。
実施例3と13〜14の対比から、ラクトン環を含有する(メタ)アクリル樹脂を含むフィルムは、ラクトン環を含有しない(メタ)アクリル樹脂を含むフィルムよりもフィルム強度が高く、リワーク性が高いことがわかる。ラクトン環を含有する(メタ)アクリル樹脂を含むフィルムの強度が高いのは、ラクトン環を含有する(メタ)アクリル樹脂の主鎖に含まれる未環化の水酸基含有モノマー由来の構成単位同士が水素結合を形成し、かつ当該(メタ)アクリル樹脂とセルロースエステルとの相溶性も高いためであると考えられる。
実施例16に示されるように、膜厚が10μm程度と薄いフィルムであっても、酸トラップ剤を含むことで、一定以上の引き裂き強度を有し、良好なリワーク性を示すことがわかる。
一方、比較例1のフィルムは、得られるフィルムが着色したり、Rthが若干高くなったりすることがわかる。比較例1のフィルムは酸トラップ剤を含有しないため、高い溶融温度によって樹脂が熱劣化したものと考えられる。また、熱劣化した樹脂を含むフィルムのRthが高いのは、セルロースエステルの側鎖が分解したためであると考えられる。また、熱劣化した樹脂を含むフィルムは脆いため、リワーク性も低いことがわかる。
本発明の光学フィルムは、(メタ)アクリル樹脂を主成分として含み、着色がなく、膜厚が薄く、かつリワーク性に優れている。
10 フィルムの製造装置
12 押し出し機
14 ダイ
16、18、20 冷却ロール
22 剥離ロール
24 延伸装置
26 巻き取り装置
28 フィルタ
30 スタチックミキサ
32 弾性タッチロール
110 液晶表示装置
120 液晶セル
140 第一の偏光板
142 第一の偏光子
144 保護フィルム(F1)
146 保護フィルム(F2)
160 第二の偏光板
162 第二の偏光子
164 保護フィルム(F3)
166 保護フィルム(F4)
180 バックライト

Claims (19)

  1. (メタ)アクリル樹脂と、酸トラップ剤とを含有する組成物を含み、
    破断応力が70MPa以上であり、かつ引き裂き強度が10mN以上であり、
    膜厚が10〜45μmである、光学フィルム。
  2. 前記酸トラップ剤が、アルキルリン酸金属塩である、請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記酸トラップ剤の含有量は、前記組成物に対して0.1〜5質量%である、請求項1に記載の光学フィルム。
  4. 前記酸トラップ剤の含有量は、前記組成物に対して0.1〜5質量%である、請求項2に記載の光学フィルム。
  5. 前記組成物が、セルロースエステルをさらに含有する、請求項1に記載の光学フィルム。
  6. 前記組成物が、セルロースエステルをさらに含有する、請求項2に記載の光学フィルム。
  7. 前記セルロースエステルが、セルロースアセテートプロピオネートである、請求項5に記載の光学フィルム。
  8. 前記セルロースエステルが、セルロースアセテートプロピオネートである、請求項6に記載の光学フィルム。
  9. 前記(メタ)アクリル樹脂と前記セルロースエステルの含有比率は、質量比で(メタ)アクリル樹脂/セルロースエステル=90/10〜50/50である、請求項5に記載の光学フィルム。
  10. 前記(メタ)アクリル樹脂と前記セルロースエステルの含有比率は、質量比で(メタ)アクリル樹脂/セルロースエステル=90/10〜50/50である、請求項6に記載の光学フィルム。
  11. 前記(メタ)アクリル樹脂がラクトン環構造を有する、請求項1に記載の光学フィルム。
  12. 前記組成物が、アクリロニトリル・スチレン共重合体をさらに含有する、請求項1に記載の光学フィルム。
  13. 請求項1に記載の光学フィルムを含む、偏光板保護フィルム。
  14. 下記式で定義され、波長590nmにおいて測定される厚み方向のレターデーションRthが−5nm以上5nm以下である、請求項13に記載の偏光板保護フィルム。
    Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
    (nx:フィルム面内の遅相軸方向の屈折率、ny:フィルム面内において、遅相軸に対して直交する方向の屈折率、nz:厚み方向におけるフィルムの屈折率、d:フィルムの厚み(nm))
  15. 偏光子と、前記偏光子の少なくとも一方の面に配置された請求項13に記載の偏光板保護フィルムとを含む、偏光板。
  16. 液晶セルと、前記液晶セルの少なくとも一方の面に配置された請求項15に記載の偏光板とを含む、液晶表示装置。
  17. 請求項1に記載の光学フィルムの製造方法であって、
    前記(メタ)アクリル樹脂と、前記酸トラップ剤とを含有する樹脂組成物を、溶融混練した後、フィルム状に押し出すステップを含む、光学フィルムの製造方法。
  18. 前記樹脂組成物が、セルロースエステルをさらに含有する、請求項17に記載の光学フィルムの製造方法。
  19. 前記樹脂組成物の溶融温度は、240〜270℃である、請求項17に記載の光学フィルムの製造方法。
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