JP2011227530A - 偏光子保護フィルム、偏光板および画像表示装置 - Google Patents

偏光子保護フィルム、偏光板および画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】熱可塑性アクリル樹脂と紫外線吸収剤(UVA)とを含む樹脂組成物であって、ガラス転移温度の高さに基づく優れた耐熱性を有しながら、高温での成形時においても、発泡、ブリードアウトなどの発生が抑制され、UVAの蒸散による問題の発生を低減できる樹脂組成物からなる偏光子保護フィルムを提供する。
【解決手段】110℃以上のガラス転移温度を有する熱可塑性樹脂組成物からなり、前記熱可塑性樹脂組成物が、熱可塑性アクリル樹脂と分子量が700以上の紫外線吸収剤とを含む偏光子保護フィルムとする。紫外線吸収剤は、ヒドロキシフェニルトリアジン骨格を有することが好ましい。アクリル樹脂は、主鎖に環構造を有することが好ましく、環構造は、例えば、ラクトン環構造、無水グルタル酸構造、グルタルイミド構造、N−置換マレイミド構造および無水マレイン酸構造から選ばれる少なくとも1種である。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐熱性透明材料として好適な熱可塑性樹脂組成物からなる偏光子保護フィルムに関する。また、本発明は、上記保護フィルムを備える偏光板と、当該偏光板を備える画像表示装置とに関する。
ポリメタクリル酸メチル(PMMA)に代表される熱可塑性アクリル樹脂(以下、単に「アクリル樹脂」ともいう)は、高い光線透過率を有するなど、その光学特性に優れるとともに、機械的強度、成形加工性および表面硬度のバランスに優れることから、自動車および家電製品をはじめとする各種の工業製品における透明材料として幅広く使用されている。また近年、画像表示装置に用いる光学部材など、光学関連用途への使用が増大している。
アクリル樹脂は、紫外線を含む光に曝されると黄変して透明度が低下することがあり、これを防ぐ方法として、紫外線吸収剤(UVA)を添加する方法が知られている。しかし一般的なUVAでは、UVAを添加したアクリル樹脂組成物を成形する際に発泡が生じたり、UVAがブリードアウトしたりすることがある。また、成形時に加えられる熱によりUVAが蒸散して、得られた樹脂成形品の紫外線吸収能が低下したり、蒸散したUVAにより成形装置が汚染されるなどの問題が生じることがある。
ところで、透明性と耐熱性とを兼ね備えたアクリル樹脂として、主鎖に環構造を有する樹脂が知られている。主鎖に環構造を有する樹脂は、主鎖に環構造を有さない樹脂に比べてガラス転移温度(Tg)が高く、例えば、画像表示装置において光源などの発熱部に近接した配置が容易となるなど、実用上の様々な利点を有する。特開2007−31537号公報(特許文献1)には、環構造としてN−置換マレイミド構造を主鎖に有するアクリル樹脂が開示されており、特開2006−328334号公報(特許文献2)には、環構造としてグルタルイミド構造を主鎖に有するアクリル樹脂が開示されている。特開2000−230016号公報(特許文献3)および特開2006−96960号公報(特許文献4)には、環構造としてラクトン環構造を主鎖に有するアクリル樹脂が開示されている。ラクトン環構造は、例えば、分子鎖中に水酸基とエステル基とを有する重合体をラクトン環化縮合反応させて形成できる。
樹脂あるいは樹脂組成物のTgが高くなると、より高い成形温度が必要となる。このため、主鎖に環構造を有するアクリル樹脂にUVAを添加すると、得られた樹脂成形品に発泡やUVAのブリードアウトが生じやすい。また、成形時におけるUVAの蒸散が強くなることによる紫外線吸収能の低下、成形装置の汚染が生じやすくなる。
これらの問題を考慮し、これまで、少量の添加により高い紫外線吸収効果が得られるとされるトリアジン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物およびベンゾフェノン系化合物が、UVAとして、アクリル樹脂と組み合わせて用いられている。上述した特開2006−328334号公報にも上記化合物が開示されている。
特開2007−31537号公報 特開2006−328334号公報 特開2000−230016号公報 特開2006−96960号公報
しかし、これらの化合物は、主鎖に環構造を有するアクリル樹脂との相溶性に課題が残る。高温での成形時における発泡、ブリードアウトの発生の抑制も必ずしも十分であるといえない。また、アクリル樹脂とUVAとを含む樹脂組成物から光学部材を形成する際に、得られた部材の外観上の欠点を減らすことを目的として、ポリマーフィルタによる樹脂組成物の濾過を行うことがあるが、この場合、樹脂組成物の成形温度をさらに高くする必要がある。成形温度が高くなると、発泡およびブリードアウトが発生しやすくなるとともに、UVAの蒸散に伴う問題(得られた樹脂成形品における紫外線吸収能の低下、蒸散したUVAによる成形装置の汚染)が生じやすくなる。
本発明は、アクリル樹脂とUVAとを含む樹脂組成物であって、ガラス転移温度の高さに基づく優れた耐熱性を有しながら、高温での成形時においても、発泡、ブリードアウトなどの発生が抑制され、UVAの蒸散による問題の発生を低減できる樹脂組成物からなる偏光子保護フィルムを提供することを目的とする。
本発明の偏光子保護フィルムは、110℃以上のガラス転移温度(Tg)を有する熱可塑性樹脂組成物からなり、前記熱可塑性樹脂組成物が、熱可塑性アクリル樹脂(樹脂(A))と、分子量が700以上の紫外線吸収剤(UVA(B))とを含む。
本発明の偏光板は、偏光子と、上記本発明の偏光子保護フィルムとを備える。
本発明の画像表示装置は、本発明の偏光板を備える。
本発明の偏光子保護フィルムを構成する樹脂組成物は、110℃以上という高いTgに基づく優れた耐熱性を示すとともに、高温での成形時においても発泡、ブリードアウトの発生が抑制され、UVAの蒸散による問題の発生が少ない。
このような樹脂組成物からなる本発明の樹脂成形品は、Tgの高さに基づく優れた耐熱性と、UVA(B)に基づく高い紫外線吸収能ならびに樹脂(A)に基づく高い透明性、機械的強度および成形加工性とを示す。また、本発明の樹脂成形品は、発泡やブリードアウトによる外観上の欠点あるいは光学的な欠点が少なく、この効果は、本発明の樹脂成形品がフィルムまたはシートである場合、特に偏光子保護フィルムなどの光学部材である場合に、より顕著となる。
本発明の画像表示装置における画像表示部の構造の一例を示す模式図である。
以下の説明において特に記載がない限り、「%」は「重量%」を、「部」は「重量部」をそれぞれ意味する。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物について詳細に説明する。
[樹脂(A)]
樹脂(A)は、熱可塑性アクリル樹脂である限り特に限定されない。ただし、樹脂(A)は、樹脂組成物としてのTgが110℃以上となるアクリル樹脂である必要がある。
アクリル樹脂とは、(メタ)アクリル酸エステル単位および/または(メタ)アクリル酸単位を構成単位として有する樹脂のことであり、(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸の誘導体に由来する構成単位を有していてもよい。アクリル樹脂が有する全構成単位における、(メタ)アクリル酸エステル単位、(メタ)アクリル酸単位および上記誘導体に由来する構成単位の割合の合計は、通常50%以上であり、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上である。
(メタ)アクリル酸エステル単位は、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸メチルなどの単量体に由来する構成単位である。樹脂(A)は、(メタ)アクリル酸エステル単位として、これらの構成単位を2種類以上有していてもよい。樹脂(A)は、(メタ)アクリル酸メチル単位を有することが好ましく、この場合、樹脂(A)ならびに樹脂(A)を含む樹脂組成物および当該組成物を成形して得た樹脂成形品の熱安定性が向上する。
樹脂(A)のTgは、UVA(B)を含んだ樹脂組成物としてのTgが110℃以上であることから、通常110℃以上である。樹脂組成物としてのTgを向上できることから、樹脂(A)のTgは115℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましく、130℃以上がさらに好ましい。なお、代表的なアクリル樹脂であるポリメタクリル酸メチル(PMMA)のTgは105℃である。
樹脂(A)は主鎖に環構造を有していてもよい。この場合、樹脂(A)および樹脂組成物のTgが高くなり、当該組成物から得た樹脂成形品の耐熱性が向上する。このように主鎖に環構造を有する樹脂(A)を含む樹脂組成物から得た樹脂成形品、例えば樹脂フィルムは、画像表示装置における光源などの発熱部近傍への配置が容易となるなど、光学部材としての用途に好適である。
ところで、樹脂(A)が環構造を有することにより樹脂組成物のTgが高くなると、当該組成物の成形温度を高くする必要がある(アクリル樹脂組成物は、通常、押出成形により成形品となるが、その際、組成物のTg以上の成形温度が必要となる)。成形温度が高くなると、成形時に発泡やUVAのブリードアウトが生じやすく、UVAの蒸散も強くなりやすい。しかし本発明の樹脂組成物では、このような場合においても、発泡、ブリードアウトの発生が少なく、UVAの蒸散による問題の発生を抑制できる。
環構造の種類は特に限定されないが、例えば、ラクトン環構造、無水グルタル酸構造、グルタルイミド構造、N−置換マレイミド構造および無水マレイン酸構造から選ばれる少なくとも1種である。
樹脂(A)および樹脂組成物のTgがより向上することから、環構造は、グルタルイミド構造、無水グルタル酸構造およびラクトン環構造から選ばれる少なくとも1種が好ましい。また、構造内に窒素原子を含まないために着色(黄変)が生じにくく、樹脂成形品としたときの光学特性に優れることから、環構造がラクトン環構造であることが好ましい。即ち、樹脂(A)は、主鎖にラクトン環構造を有するアクリル樹脂であることが好ましい。
以下の式(1)に、グルタルイミド構造および無水グルタル酸構造を示す。
Figure 2011227530
上記式(1)におけるR1およびR2は、互いに独立して、水素原子またはメチル基であり、X1は、酸素原子または窒素原子である。X1が酸素原子のときR3は存在せず、X1が窒素原子のとき、R3は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基またはフェニル基である。
1が窒素原子のとき、式(1)により示される環構造はグルタルイミド構造となる。グルタルイミド構造は、例えば、(メタ)アクリル酸エステル重合体をメチルアミンなどのイミド化剤によりイミド化して形成できる。
1が酸素原子のとき、式(1)により示される環構造は無水グルタル酸構造となる。無水グルタル酸構造は、例えば、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体を、分子内で脱アルコール環化縮合させて形成できる。
以下の式(2)に、N−置換マレイミド構造および無水マレイン酸構造を示す。
Figure 2011227530
上記式(2)におけるR4およびR5は、互いに独立して、水素原子またはメチル基であり、X2は、酸素原子または窒素原子である。X2が酸素原子のときR6は存在せず、X2が窒素原子のとき、R6は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基またはフェニル基である。
2が窒素原子のとき、式(2)により示される環構造はN−置換マレイミド構造となる。N−置換マレイミド構造を主鎖に有するアクリル樹脂は、例えば、N−置換マレイミドと(メタ)アクリル酸エステルとを共重合して形成できる。
2が酸素原子のとき、式(2)により示される環構造は無水マレイン酸構造となる。無水マレイン酸構造を主鎖に有するアクリル樹脂は、例えば、無水マレイン酸と(メタ)アクリル酸エステルとを共重合して形成できる。
なお、式(1)、(2)の説明において例示した、環構造を形成する各方法では、各々の環構造の形成に用いる重合体が全て(メタ)アクリル酸エステル単位を構成単位として有するため、当該方法により得た樹脂はアクリル樹脂となる。
樹脂(A)が主鎖に有していてもよいラクトン環構造は特に限定されず、例えば4〜8員環であってもよいが、環構造としての安定性に優れることから5員環または6員環であることが好ましく、6員環であることがより好ましい。6員環であるラクトン環構造は、例えば、特開2004−168882号公報に開示されている構造であるが、前駆体(前駆体を環化縮合反応させることで、ラクトン環構造を主鎖に有する樹脂(A)が得られる)の重合収率が高いこと、前駆体の環化縮合反応により、高いラクトン環含有率を有する樹脂(A)が得られること、メタクリル酸メチル単位を構成単位として有する重合体を前駆体にできること、などの理由から、以下の式(3)により示される構造が好ましい。
Figure 2011227530
上記式(3)において、R7、R8およびR9は、互いに独立して、水素原子または炭素数1〜20の範囲の有機残基である。当該有機残基は酸素原子を含んでいてもよい。
式(3)における有機残基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などの炭素数が1〜20の範囲のアルキル基;エテニル基、プロペニル基などの炭素数が1〜20の範囲の不飽和脂肪族炭化水素基;フェニル基、ナフチル基などの炭素数が1〜20の範囲の芳香族炭化水素基;上記アルキル基、上記不飽和脂肪族炭化水素基および上記芳香族炭化水素基において、水素原子の一つ以上が、水酸基、カルボキシル基、エーテル基およびエステル基から選ばれる少なくとも1種の基により置換された基;である。
樹脂(A)における上記環構造(ラクトン環構造を除く)の含有率は特に限定されないが、例えば5〜90%であり、10〜70%が好ましく、10〜60%がより好ましく、10〜50%がさらに好ましい。
樹脂(A)が主鎖にラクトン環構造を有する場合、当該樹脂におけるラクトン環構造の含有率は特に限定されないが、例えば5〜90%であり、20〜90%、30〜90%、35〜90%、40〜80%および45〜75%になるほど、より好ましくなる。
樹脂(A)における環構造の含有率が過度に小さくなると、樹脂組成物ならびに当該組成物を成形して得た樹脂成形品の耐熱性が低下したり、耐溶剤性および表面硬度が不十分となることがある。一方、上記含有率が過度に大きくなると、樹脂組成物の成形性、ハンドリング性が低下する。
主鎖に環構造を有する樹脂(A)は、公知の方法により製造できる。環構造がラクトン環構造である樹脂(A)は、例えば、特開2006−96960号公報(WO2006/025445号公報)、特開2006−171464号公報あるいは特開2007−63541号公報に記載の方法により製造できる。環構造がN−置換マレイミド構造、無水グルタル酸構造あるいはグルタルイミド構造である樹脂(A)は、例えば、特開2007−31537号公報、WO2007/26659号公報あるいはWO2005/108438号公報に記載の方法により製造できる。環構造が無水マレイン酸構造である樹脂(A)は、例えば、特開昭57−153008号公報に記載の方法により製造できる。
樹脂(A)は、(メタ)アクリル酸エステル単位および(メタ)アクリル酸単位以外の構成単位を有していてもよく、このような構成単位は、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メチルビニルケトン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、メタリルアルコール、アリルアルコール、2−ヒドロキシメチル−1−ブテン、α−ヒドロキシメチルスチレン、α−ヒドロキシエチルスチレン、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸メチルなどの2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステル、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸などの2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸、などの単量体に由来する構成単位である。樹脂(A)は、これらの構成単位を2種以上有していてもよい。
樹脂(A)は、当該樹脂に対して負の固有複屈折を与える作用を有する構成単位を有していてもよい。この場合、樹脂組成物ならびに当該組成物を成形して得た樹脂成形品の複屈折性の制御の自由度が向上し、本発明の樹脂組成物から形成した樹脂成形品(例えば、樹脂フィルム)の光学部材としての使用用途が拡大する。
なお、固有複屈折とは、樹脂の分子鎖が一軸配向した層(例えば、シートあるいはフィルム)における、分子鎖が配向する方向(配向軸)に平行な方向の光の屈折率n1から、配向軸に垂直な方向の光の屈折率n2を引いた値(即ち、“n1−n2”)をいう。樹脂(A)自体の固有複屈折の正負は、固有複屈折に関して当該構成単位が与える作用と、樹脂(A)が有するその他の構成単位が与える作用との兼ね合いにより決定される。
樹脂(A)に対して負の固有複屈折を与える作用を有する構成単位の一例は、スチレン単位である。
樹脂(A)は、紫外線吸収能を有する構成単位(UVA単位)を有していてもよい。この場合、樹脂組成物ならびに当該組成物を成形して得た樹脂成形品の紫外線吸収能がさらに向上する。また、UVA単位の構造によっては、樹脂(A)とUVA(B)との相容性が向上する。
UVA単位の起源となる単量体(C)は特に限定されず、例えば、重合性基を導入したベンゾトリアゾール誘導体、トリアジン誘導体またはベンゾフェノン誘導体である。導入する重合性基は、樹脂(A)が有する構成単位に応じて、適宜選択できる。
単量体(C)の具体例は、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシ)エチルフェニル−2H−ベンゾトリアゾール(大塚化学製、商品名RUVA−93)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシ)フェニル−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メタクリロイルオキシ)フェニル−2H−ベンゾトリアゾールである。
単量体(C)の上記とは別の具体例は、以下の式(4)、(5)、(6)により示されるトリアジン誘導体あるいは以下の式(7)により示されるベンゾトリアゾール誘導体である。
Figure 2011227530
Figure 2011227530
Figure 2011227530
Figure 2011227530
紫外線吸収能が高いことから、単量体(C)は、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシ)エチルフェニル−2H−ベンゾトリアゾールが好ましい。高い紫外線吸収能を有するUVA単位によれば、樹脂(A)におけるUVA単位の含有率が低い場合においても望む紫外線吸収効果が得られる。即ち、樹脂(A)がUVA単位を含む場合においてもUVA単位以外の構成単位の含有率を相対的に大きくでき、光学部材などの様々な用途に好適な特性(例えば熱可塑性、耐熱性)を有する樹脂組成物が得やすくなる。また、UVA単位の含有率が大きくなると樹脂組成物の成形時に着色が生じやすくなるため、高い紫外線吸収能を有するUVA単位によれば、最終的に得られる樹脂成形品の着色を抑制でき、当該成形品は光学部材の用途に好適となる。
樹脂(A)がUVA単位を含む場合、樹脂(A)における当該単位の含有率は20%以下が好ましく、15%以下がより好ましい。樹脂(A)におけるUVA単位の含有率が20%を超えると、樹脂組成物としての耐熱性が低下する。
樹脂(A)の重量平均分子量は、例えば1000〜300000の範囲であり、5000〜250000の範囲が好ましく、10000〜200000の範囲がより好ましく、50000〜200000の範囲がさらに好ましい。
[UVA(B)]
UVA(B)の分子量は700以上である。当該分子量は800以上が好ましく、900以上がより好ましい。一方、当該分子量が10000を超えると、樹脂(A)との相溶性が低下することで、最終的に得られる樹脂成形品の色相、濁度などの光学的特性が低下する。UVA(B)の分子量の上限は、8000以下が好ましく、5000以下がより好ましい。
UVA(B)は、単量体に由来する繰り返し単位を含まない(即ち、重合体ではない)ことが好ましい。単量体に由来する繰り返し単位を含む場合、UVAに残留する重合開始剤あるいは連鎖移動剤によって成形時に樹脂組成物の着色が生じやすくなる。
UVA(B)は2種以上の化合物の混合物であってもよく、この場合、主成分である化合物の分子量が700以上であればよい。なお、本明細書における主成分とは、最も含有量(含有率)が多い成分を意味し、その含有率は典型的には50%以上である。
UVA(B)は室温で固体であっても液体であってもよいが、固体のUVAは成形時の昇華が問題となりやすいため、室温で液体であることが好ましい。
UVA(B)における、波長300nmから380nmの範囲の光に対する最大吸収波長のモル吸光係数は、クロロホルム溶液中において10000(L・mol-1・cm-1)以上であることが好ましい。
UVA(B)の構造は分子量が700以上である限り特に限定されないが、UVA(B)がヒドロキシフェニルトリアジン骨格を有することが好ましい。ヒドロキシフェニルトリアジン骨格は、トリアジンと、トリアジンに結合した3つのヒドロキシフェニル基とからなる骨格((2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン骨格)である。ヒドロキシフェニル基における水酸基の水素原子は、トリアジンの窒素原子とともに水素結合を形成し、形成された水素結合は、フェニルトリアジンの発色団としての作用を増大させる。UVA(B)では上記水素結合が3つ形成されるため、フェニルトリアジンが有する発色団としての作用をより増大でき、少ない添加量で高い紫外線吸収能を得ることができる。なお、UVA(B)が2種以上の化合物の混合物からなる場合、少なくとも主成分である化合物がヒドロキシフェニルトリアジン骨格を有することが好ましい。
ヒドロキシフェニルトリアジン骨格におけるヒドロキシフェニル基には、アルキル基、アルキルエステル基などの置換基が結合していてもよいが、当該置換基中に樹脂(A)との架橋点となりうる構造を有さないことが好ましい。架橋点となりうる構造は、例えば、水酸基、チオール基、アミン基などの官能基あるいは二重結合である。なお、アルキルエステル基は、式「−CH(−R10)C(=O)OR11」により示される基であることが好ましく、上記式において、R10は水素原子またはメチル基であり、R11は直鎖または分岐を有するアルキル基である。
本発明の樹脂組成物は熱可塑性アクリル樹脂(A)とUVA(B)とを含むが、組成物としてのTgが110℃以上であり、成形(例えば押出成形)に必要な温度が高いため、成形時にゲルが生じることがある。ゲルは成形温度が高くなるほど生じやすい。即ち、樹脂(A)が主鎖に環構造を有する場合など、組成物のTgが高くなるほど必要な成形温度が高くなり、ゲルが生じやすくなる。
ヒドロキシフェニルトリアジン骨格におけるヒドロキシフェニル基の置換基中に樹脂(A)との架橋点となりうる構造が存在すると、樹脂組成物の成形時にゲルが発生する可能性が増大する。換言すれば、当該置換基中に樹脂(A)との架橋点となりうる構造を有さないUVA(B)とすることによって、樹脂組成物の成形時におけるゲルの発生を抑制でき、光学的な欠点が少ない樹脂フィルム(例えば偏光子保護フィルム)が得られる。また、ゲルの発生が抑制されることで組成物の成形温度をより高くできるため、(1)成形時における組成物の溶融粘度が低下して樹脂成形品の生産性が向上する、(2)ゲルなどの異物の除去を目的として成形時にポリマーフィルタによる濾過を実施する場合には、ゲルの発生が抑制されることでフィルタの交換周期が長くなる、などの効果が得られる。
なお、ヒドロキシフェニル基には置換基として水酸基が存在するが、ベンゼン環に直接結合した水酸基は樹脂(A)と架橋構造を形成しないため、樹脂(A)との架橋点となりうる構造とは扱わない。
ところで、光学部材として用いられる材料の一つにトリアセチルセルロース(TAC)があるが、TACは分解温度が約250℃程度と低いため、押出成形を利用することができず、通常、流延法(キャスト法)によりフィルムに成形される。即ち、TACフィルムの形成時にはTAC自身が高温に晒されることがないため、UVA中にTACとの架橋点となりうる構造が存在するか否かは、TACフィルムにおける光学的欠点の発生頻度および生産性に影響を与えない。
UVA(B)は、例えば、以下の式(8)により示される構造を有する。
Figure 2011227530
上記式(8)により示されるUVA(B)を主成分として含む市販の紫外線吸収剤には、例えば、CGL777MPA(チバスペシャリティケミカルズ製)あるいはCGL777MPAD(チバスペシャリティケミカルズ製)がある。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物におけるUVA(B)の含有量は特に限定されないが、例えば、樹脂(A)をはじめとする熱可塑性樹脂100部に対して、0.1〜5部である。UVA(B)の含有量が過度に小さくなると、十分な紫外線吸収能が得られない。一方、UVA(B)の含有量が過度に大きくなると、紫外線吸収能が向上するメリットよりも、成形時に発泡やブリードアウトなどが発生するデメリットの方が大きくなる。
本発明の樹脂組成物におけるUVA(B)の含有量は、熱可塑性樹脂100部に対してUVA(B)0.5〜5部が好ましく、0.7〜3部、1〜3部、1〜2部になるほどより好ましい。
本発明の樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂の主成分は樹脂(A)である。具体的には、本発明の樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂全体に占める樹脂(A)の割合は、通常60%以上であり、好ましくは70%以上、より好ましくは85%以上である。換言すれば、本発明の樹脂組成物は、樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂を、当該組成物に含まれる熱可塑性樹脂全体に占める割合にして40%未満の範囲(好ましくは30%未満の範囲、より好ましくは15%未満の範囲)で含んでいてもよい。
このような熱可塑性樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)などのオレフィンポリマー;塩化ビニル、塩素化ビニル樹脂などのハロゲン含有ポリマー;ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体などのスチレンポリマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610などのポリアミド;ポリアセタール:ポリカーボネート;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンスルフィド:ポリエーテルエーテルケトン;ポリサルホン;ポリエーテルサルホン;ポリオキシペンジレン;ポリアミドイミド;ポリブタジエン系ゴムあるいはアクリル系ゴムを配合したABS樹脂、ASA樹脂などのゴム質重合体;などである。ゴム質重合体は、その表面に、樹脂(A)と相溶し得る組成のグラフト部を有することが好ましく、また、ゴム質重合体が粒子状である場合、その平均粒子径は、本発明の樹脂組成物を樹脂フィルムとしたときの透明性向上の観点から、300nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましい。
上記例示した熱可塑性樹脂のなかでも、樹脂(A)との相溶性、特に主鎖にラクトン環構造を有する樹脂(A)との相溶性に優れることから、シアン化ビニル単量体に由来する構成単位と芳香族ビニル単量体に由来する構成単位とを含む共重合体が好ましい。当該共重合体は、例えば、スチレン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル樹脂である。
本発明の樹脂組成物は、110℃以上の高いガラス転移温度(Tg)を有する。樹脂(A)の構成(例えば、樹脂(A)が主鎖に環構造を有するか否か、あるいは樹脂(A)が主鎖に環構造を有する場合における当該環構造の含有率など)によっては、本発明の樹脂組成物のTgは115℃以上、120℃以上、さらには130℃以上となる。なお、本明細書におけるTgは、JIS K7121の規定に基づき、示差走査熱量計(DSC)を用いて、始点法により求めた値とする。
本発明の樹脂組成物は、UVA(B)に基づく紫外線吸収能を有し、例えば、厚さ100μmのフィルムとしたときに、波長380nmの光の透過率を30%未満、場合によっては20%未満、さらには10%未満、1%未満とすることができる。この透過率は、JIS K7361:1997の規定に基づいて測定すればよい。
本発明の樹脂組成物は、樹脂(A)とUVA(B)との相溶性に基づく高い可視光透過率を有し、例えば、厚さ100μmのフィルムとしたときに、波長500nmの光の透過率を80%以上、場合によっては85%以上、さらには90%以上とすることができる。この透過率は、波長380nmの光の透過率と同様に測定できる。
本発明の樹脂組成物では、成形時および成形後におけるUVA(B)の昇華を抑制できる。例えば、詳細は実施例に後述するが、所定のサイズのフィルムとしたときに、当該フィルムを150℃で10時間加熱して得た揮発成分を体積1mLの溶媒(例えばクロロホルム)に溶解させ、得られた溶液を光路長1cmの石英セルに収容して吸光度計により測定した波長350nmの光に対する吸光度を0.05未満とすることができる。なお、UVAの昇華量が増えると、揮発成分中のUVAの量が増大するため、当該成分を溶解させた溶液の上記吸光度が増大することになる。
本発明の樹脂組成物では、上述した樹脂(A)とUVA(B)との組み合わせにより、当該組成物および当該組成物を成形して得た樹脂成形品の色相を改善できる。
本発明の樹脂組成物は成形時の着色が少なく、例えば、厚さ100μmのフィルムとしたときのLab表色系(ハンター表色系)におけるb値を3.0以下、場合によっては2.0以下とすることができる。紫外線吸収能を有する従来のアクリル樹脂組成物は成形時に着色(黄変)することが多いが、本発明の樹脂組成物では、このような着色を抑制できる。
本発明の樹脂組成物は熱安定性に優れており、熱重量分析(TG)により評価した5%重量減少温度を280℃以上、場合によっては290℃以上、さらには300℃以上とすることができる。
本発明の樹脂組成物では、当該組成物のTg以下の沸点を有する成分の総含有量が5000ppm以下であることが好ましく、3000ppm以下であることがより好ましい。上記成分の総含有量が5000ppmを超えると、成形時に着色が生じたり、シルバーストリークなどの成形不良が生じることがある。
本発明の樹脂組成物は、負の固有複屈折を有する重合体を含んでいてもよい。この場合、樹脂組成物および当該組成物を成形して得た樹脂成形品における複屈折性(例えば位相差)の制御の自由度が向上する。
負の固有複屈折を有する重合体は、例えば、シアン化ビニル単量体と芳香族ビニル単量体との共重合体である。当該共重合体は、例えばスチレン−アクリロニトリル共重合体であり、スチレン−アクリロニトリル共重合体は、広範囲の共重合組成において樹脂(A)との相容性に優れる。
スチレン−アクリロニトリル共重合体は、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、バルク重合などの各種の重合方法による製造が可能である。本発明の樹脂組成物から形成した樹脂成形品を光学部材として使用する場合、透明性および光学特性が向上することから、溶液重合またはバルク重合により製造したスチレン−アクリロニトリル共重合体を用いることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、酸化防止剤を含んでいてもよい。酸化防止剤は特に限定されないが、例えば、ヒンダードフェノール系、リン系あるいはイオウ系などの公知の酸化防止剤を、1種で、または2種以上を併用して用いることができる。特に、2,4−ジ−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニルアクリレート(例えば、住友化学工業社製スミライザーGS)、および2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(例えば、住友化学工業社製スミライザーGM)が、高温成形時における樹脂組成物の劣化を抑制する効果が高いことから好ましい。
酸化防止剤はフェノール系の酸化防止剤であってもよい。フェノール系酸化防止剤は、例えば、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−アセテート、n−オクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、n−ヘキシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルベンゾエート、n−ドデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルベンゾエート、ネオ−ドデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ドデシル−β(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、エチル−α−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)イソブチレート、オクタデシル−α−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)イソブチレート、オクタデシル−α−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(n−オクチルチオ)エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンゾエート、2−(n−オクチルチオ)エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニルアセテート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−(2−ヒドロキシエチルチオ)エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ジエチルグリコール−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ステアルアミド−N,N−ビス−[エチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、n−ブチルイミノ−N,N−ビス−[エチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−(2−ステアロイルオキシエチルチオ)エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−(2−ステアロイルオキシエチルチオ)エチル−7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘプタノエート、1,2−プロピレングリコール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレングリコール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ネオペンチルグリコール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレングリコール−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート)、グリセリン−l−n−オクタデカノエート−2,3−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート)、ペンタエリスリトール−テトラキス−[3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1,1−トリメチロールエタン−トリス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ソルビトールヘキサ−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−ヒドロキシエチル−7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−ステアロイルオキシエチル−7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘプタノエート、1,6−n−ヘキサンジオール−ビス[(3′,5′−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリトリトール−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、3,9‐ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]−ウンデカンである。
フェノール系酸化防止剤は、チオエーテル系酸化防止剤またはリン酸系酸化防止剤と組み合わせて使用することが好ましい。組み合わせる際の酸化防止剤の添加量は、例えば、樹脂(A)100部に対してフェノール系酸化防止剤およびチオエーテル系酸化防止剤の各々が0.01部以上、あるいは樹脂(A)100部に対してフェノール系酸化防止剤およびリン酸系酸化防止剤の各々が0.025部以上である。
チオエーテル系酸化防止剤は、例えば、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネートである。
リン酸系酸化防止剤は、例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン−6−イル]オキシ]−N,N−ビス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン−6−イル]オキシ]−エチル]エタナミン、ジフェニルトリデシルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリストールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイトである。
本発明の樹脂組成物における酸化防止剤の添加量は、例えば0〜10%であり、0〜5%が好ましく、0.01〜2%がより好ましく、0.05〜1%がさらに好ましい。酸化防止剤の添加量が過度に大きくなると、成形時に酸化防止剤のブリードアウトやシルバーストリークスが発生することがある。
本発明の樹脂組成物は、その他の添加剤を含んでいてもよい。その他の添加剤は、例えば、耐光安定剤、耐候安定剤、熱安定剤などの安定剤;ガラス繊維、炭素繊維などの補強材;近赤外線吸収剤;トリス(ジブロモプロピル)ホスフェート、トリアリルホスフェート、酸化アンチモンなどの難燃剤;アニオン系、カチオン系、ノニオン系の界面活性剤に代表される帯電防止剤;無機顔料、有機顔料、染料などの着色剤;有機フィラー、無機フィラー;樹脂改質剤;可塑剤;滑剤;難燃剤などである。本発明の樹脂組成物における、上記その他の添加剤の添加量は、例えば0〜5%であり、0〜2%が好ましく、0〜0.5%がより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、公知の成形手法、例えば、射出成形、ブロー成形、押出成形、キャスト成形などの手法により、任意の形状、例えばフィルムあるいはシート、に成形できる。成形温度は樹脂組成物のTgおよび特性に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、例えば150〜350℃であり、200〜300℃が好ましい。
本発明の樹脂組成物を成形して得た樹脂成形品は、発泡やブリードアウトなどの欠点が少なく、高い紫外線吸収能、耐熱性および透明性を有する。
[樹脂組成物の製造方法]
本発明の樹脂組成物は、樹脂(A)を主成分とする熱可塑性樹脂とUVA(B)とを公知の方法により混合して製造できる。製造した樹脂組成物は、必要に応じて、ペレタイザーなどによりペレット化してもよい。
熱可塑性樹脂とUVA(B)とを混合するタイミングは、樹脂組成物としての上述した諸特性が阻害されない限り、特に限定されない。熱可塑性樹脂(例えば樹脂(A))を重合中にUVA(B)を添加してもよいし、熱可塑性樹脂を重合した後、得られた熱可塑性樹脂とUVA(B)とを混合(例えば溶融混練)してもよい。熱可塑性樹脂とUVA(B)とを溶融混練する具体的な手法は特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂、UVA(B)およびその他の添加する成分を、同時に加熱溶融して混練してもよいし、熱可塑性樹脂およびその他の添加する成分を加熱溶融した後、そこにUVA(B)をさらに添加して混練してもよい。また、熱可塑性樹脂を加熱溶融した後、そこにUVA(B)およびその他の添加する成分をさらに添加して混練してもよい。
[樹脂成形品]
本発明の樹脂成形品は、上記本発明の樹脂組成物からなる。本発明の樹脂成形品は、上述した本発明の樹脂組成物が有する特性に基づく、各種の特性を有する。例えば、本発明の樹脂成形品は、高い紫外線吸収能、耐熱性および透明性を有する。また例えば、本発明の樹脂成形品は、発泡やブリードアウトなどの欠点が少ない。
これらの特徴により、本発明の樹脂成形品は光学部材として好適に用いることができる。また、高い耐熱性により、光源などの発熱部に近接した配置が可能となる。
本発明の樹脂成形品の形状は特に限定されず、例えば、フィルムまたはシートである。
フィルムである本発明の樹脂成形品の厚さは、例えば、1μm以上350μm未満であり、好ましくは10μm以上350μm未満である。厚さが1μm未満になると、樹脂フィルムとしての強度が不十分となる場合があり、延伸などの後加工を行う際に、破断などが生じやすい。
シートである本発明の樹脂成形品の厚さは、例えば、350μm以上10mm以下であり、好ましくは350μm以上5mm以下である。厚さが10mmを超えると、シート厚を均一にすることが難しくなり、樹脂シートを光学部材として用いることが難しくなる。
樹脂シートおよび樹脂フィルムは、例えば、本発明の樹脂組成物を押出成形して形成できる。
本発明の樹脂成形品は高いTgを有し、例えば、その値が110℃以上である。樹脂シートおよび樹脂フィルムを構成する樹脂組成物の組成によっては、Tgは115℃以上、120℃以上、さらには130℃以上となる。
本発明の樹脂成形品は、高い紫外線吸収能を有する。例えば、厚さ100μmのフィルムとしたときに、波長380nmの光の透過率を30%未満、場合によっては20%未満、さらには10%未満、1%未満とすることができる。
本発明の樹脂成形品は、高い可視光透過率を有する。例えば、厚さ100μmのフィルムとしたときに、波長500nmの光の透過率を80%以上、場合によっては85%以上、90%以上、さらには92%以上とすることができる。波長380nmの光、および波長500nmの光に対するフィルム(シート)の透過率の測定は、上述した方法に従えばよい。
本発明の樹脂成形品は、ASTM−D−882−61Tの規定に準拠して測定した引張強度が10MPa以上100MPa未満であることが好ましく、30MPa以上100MPa未満であることがより好ましい。上記引張強度が10MPa未満の場合、樹脂シート(フィルム)としての機械的強度が不十分となることがある。一方、上記引張強度が100MPaを超えると、その加工性が低下する。
本発明の樹脂成形品は、ASTM−D−882−61Tの規定に準拠して測定した伸び率が1%以上であることが好ましい。上記伸び率の上限は特に限定されないが、通常100%以下である。上記伸び率が1%未満の場合、樹脂シート(フィルム)としての靭性が不十分となることがある。
本発明の樹脂成形品は、ASTM−D−882−61Tの規定に準拠して測定した引張弾性率が0.5GPa以上であることが好ましく、1GPa以上であることがより好ましく、2GPa以上であることがさらに好ましい。上記引張弾性率の上限は特に限定されないが、通常20GPa以下である。上記引張弾性率が0.5GPa未満の場合、樹脂シート(フィルム)としての機械的強度が不十分となることがある。
シートまたはフィルムである本発明の樹脂成形品の表面には、必要に応じて、各種の機能性コーティング層が形成されていてもよい。機能性コーティング層は、例えば、帯電防止層、粘接着剤層、接着層、易接着層、防眩(ノングレア)層、光触媒層などの防汚層、反射防止層、ハードコート層、紫外線遮蔽層、熱線遮蔽層、電磁波遮蔽層、ガスバリヤー層などである。また、本発明の樹脂成形品に、上述した機能性コーティング層を有する部材が積層されていてもよい。当該部材の積層は、粘着剤や接着剤を介して行うことができる。
シートまたはフィルムである本発明の樹脂成形品の用途は特に限定されないが、その高い透明性、耐熱性および紫外線吸収能により、光学部材として好適に用いることができる。光学部材は、例えば、光学用保護フィルム(シート)、具体的には、各種の光ディスク(VD、CD、DVD、MD、LDなど)基板の保護フィルム、液晶表示装置(LCD)などの画像表示装置が備える偏光板に用いる偏光子保護フィルムである。位相差フィルム、視野角補償フィルム、光拡散フィルム、反射フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、輝度向上フィルム、タッチパネル用導電フィルムなどの光学フィルムとして、あるいは、拡散板、導光体、位相差板、プリズムシートなどの光学シートとして、本発明の樹脂成形品を用いてもよい。
一例として偏光子保護フィルムを説明する。LCDには、その画像表示原理に基づき、液晶セルを狭持するように一対の偏光板が配置される。偏光板は、一般に、ポリビニルアルコールなどの樹脂フィルムからなる偏光子と、当該偏光子を保護するための偏光子保護フィルムとを備える。本発明の偏光子保護フィルムによれば、その高い紫外線吸収能により、紫外線による偏光子の劣化を抑制できる。また、高い耐熱性により、偏光板を光源に近接して配置することが可能となり、高い透明性により、画像表示特性に優れる画像表示装置を形成できる。
従来、偏光子保護フィルムには、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムが用いられている。しかし、TACフィルムは耐湿熱性が十分ではなく、TACフィルムを偏光子保護フィルムとして用いた場合、高温または高湿度の環境下で偏光板の特性が劣化することがある。また、TACフィルムは厚さ方向の位相差を有しており、この位相差は、LCDなどの画像表示装置、特に大画面の画像表示装置、の視野角特性に悪影響を与える。これに対して本発明の偏光子保護フィルムは、アクリル樹脂を主成分とする樹脂組成物からなるため、TACフィルムに比べて耐湿熱性および光学特性を向上できる。
本発明の偏光子保護フィルムを備える偏光板(本発明の偏光板)の構造は特に限定されず、偏光子の一方の面に偏光子保護フィルムが積層された構造であってもよいし、一対の偏光子保護フィルムによって偏光子が挟持された構造であってもよい。本発明の偏光板の構造の典型的な一例は、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素または二色性染料などの二色性物質により染色した後に一軸延伸して得た偏光子の片面または両面に、接着剤層または易接着層を介して本発明の偏光子保護フィルムを接合させた構造である。
偏光子は特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコールフィルムを染色、延伸して得た偏光子;脱水処理したポリビニルアルコールあるいは脱塩酸処理したポリ塩化ビニルなどのポリエン偏光子;多層積層体あるいはコレステリック液晶を用いた反射型偏光子;薄膜結晶フィルムからなる偏光子;などの公知の偏光子である。なかでも、ポリビニルアルコールを染色、延伸して得た偏光子が好ましい。偏光子の厚さは特に限定されず、一般に5〜100μm程度である。
偏光子と偏光子保護フィルムとが接合されている場合、接合に用いる接着剤は特に限定されない。接着剤は、例えばポリウレタン、ポリエステル、ポリアクリルなどの樹脂を基材とする接着剤、あるいはアクリル系、シリコン系、ゴム系などの各種の粘着剤である。偏光子と偏光子保護フィルムとは、偏光子の機能が損なわれない限り、加熱圧着により接合してもよい。
偏光子と偏光子保護フィルムとを接合する方法は公知の方法に従えばよく、例えば、流延法、マイヤーバーコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ディップコート法、噴霧法などにより、偏光子および/または偏光子保護フィルムの接着面に接着剤を塗布した後に、両者を重ね合わせればよい。なお、接着剤を塗布する際の流延法とは、塗布対象であるフィルムを移動させながら、その表面に接着剤を流下し、広げる方法である。
偏光子と偏光子保護フィルムとを接合する際には、偏光子保護フィルムにおける偏光子を接合させる面を易接着処理してもよい。この場合、両者の接着性が向上する。易接着処理は、例えば、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理、アンカー層形成処理である。2以上の処理を併用してもよい。なかでも、コロナ処理、アンカー層形成処理およびこれらを併用する方法が好ましい。
本発明の偏光板は、偏光子および本発明の偏光子保護フィルムの他に、任意の部材を有していてもよい。当該部材は、例えば、TACフィルム、ポリカーボネートフィルム、環状ポリオレフィンフィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリナフタレンテレフタレートフィルムである。なかでも、偏光板としての光学特性に優れることから、アクリル樹脂フィルムが好ましい。また、画像表示装置の視野角特性が向上することから、面内および厚さ方向の位相差(波長589nmの光に対する厚さ100μmあたりの位相差)の値が10nm以下である低位相差フィルムあるいは特定の位相差を有する位相差フィルムを有する形態も好ましい。これら任意のフィルムは、偏光子保護フィルムとして機能してもしなくてもよい。
本発明の偏光板は、その表面特性、例えば耐傷つき特性の向上を目的として、ハードコート層を有していてもよい。ハードコート層は、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、紫外線硬化樹脂、ウレタン系ハードコート剤からなる。紫外線硬化樹脂は、例えば紫外線硬化アクリルウレタン、紫外線硬化エポキシアクリレート、紫外線硬化(ポリ)エステルアクリレート、紫外線硬化オキセタンである。ハードコート層の厚さは、通常0.1〜100μmである。ハードコート層を形成する前に、その下地となる層にプライマー処理を行ってもよく、当該層に、反射防止処理あるいは低反射処理などの公知の防眩処理を行ってもよい。
本発明の偏光板は、少なくとも一方の最外層に粘着剤層を有していてもよく、この場合、本発明の偏光板を液晶セルあるいは他の光学部材などと接着できる。粘着剤層は、例えばアクリル樹脂、シリコーンポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素樹脂、ゴムなどをベースとする粘着剤を含む。
粘着剤層は公知の方法により形成できる。例えば、トルエンや酢酸エチルなどの溶剤を含む溶媒に粘着剤を溶解または分散させて、濃度10〜40%程度の粘着剤溶液を調製し、調製した溶液を流延または塗工して粘着剤層とすればよい。粘着剤層は、上記調製した溶液をセパレータに流延または塗工して得た層を、セパレータから転写して形成することもできる。
粘着剤層とその下地となる層との間に、両者の密着性を向上させるためにアンカー層を設けてもよい。アンカー層は、例えばポリウレタン、ポリエステル、分子内にアミノ基を有するポリマーからなる。なかでも、分子内にアミノ基を有するポリマーからなるアンカー層が好ましい。ポリマー内のアミノ基が、粘着剤中の極性基(例えばカルボキシル基)と反応する、あるいは当該極性基とイオン性の相互作用を示すため、良好な密着性が確保される。
分子内にアミノ基を有するポリマーは、例えばポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン、ポリビニルピロリジンであり、ジメチルアミノエチルアクリレートなどのアミノ基を含有する単量体の重合物であってもよい。
本発明の偏光板は、LCDをはじめとする画像表示装置に用いることができる。本発明の偏光板をLCDに用いる場合、当該偏光板は、液晶セルの視認側あるいはバックライト側のいずれか一方のみに配置されても、双方の側に配置されてもよい。
本発明の偏光板を使用できる画像表示装置は特に限定されず、例えば、反射型、透過型、半透過型のLCD;TN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型、IPS型などの各種の駆動方式を有するLCD;エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ;プラズマディスプレイ(PD);電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)である。
本発明の偏光板を備える画像表示装置(本発明の画像表示装置)の構成は特に限定されず、位相差板、光学補償シート、バックライト部などの部材を、必要に応じて適宜備えればよい。
図1に、本発明の画像表示装置における画像表示部の構造の一例を示す。図1に示す画像表示部11は、LCDの画像表示部であり、液晶セル4と、液晶セル4を挟持するように配置された一対の偏光板9、10と、液晶セル4および偏光板9、10の積層体における一方の面に配置されたバックライト8とを備える。それぞれの偏光板9、10は、偏光子2、6と、当該偏光子を挟持するように配置された一対の偏光子保護フィルム1、3、5、7とを備える。液晶セル4は公知の構造を有しており、例えば、液晶層、ガラス基板、透明電極、配向膜などを備える。バックライト8は公知の構造を有しており、例えば、光源、反射シート、導光板、拡散板、拡散シート、プリズムシート、輝度向上フィルムなどを備える。
画像表示部11では、4つの偏光子保護フィルムから選ばれる少なくとも1つが本発明の偏光子保護フィルムであればよく、全ての偏光子保護フィルムが本発明の偏光子保護フィルムであることが好ましい。画像表示部11に外部から入射する紫外線が問題となる場合には、液晶セル4の両側に配置される偏光板9、10のうち、視認側(外部側)に位置する偏光板9の偏光子保護フィルムが本発明の偏光子保護フィルムであることが好ましく、偏光板9の偏光子保護フィルム1、3のうち、少なくとも外部側に位置するフィルム1が本発明の偏光子保護フィルムであることがより好ましい。
画像表示部11は、必要に応じて、位相差板あるいは光学補償シートなどの任意の光学部材をさらに有していてもよい。
[樹脂成形品の製造方法]
上述したように、本発明の樹脂成形品の製造方法は特に限定されないが、以下、樹脂成形品として樹脂フィルムの製造方法の一例を示す。この製造方法は、樹脂シートの製造方法にも適用できる。
本発明の樹脂組成物から樹脂フィルムを製造する方法として、押出成形法がある。具体的な例としては、樹脂組成物を構成する各成分をオムニミキサーなどの混合機でプレブレンドした後、得られた混合物を混練機から押出混練してもよい。押出混練に用いる混練機は特に限定されず、例えば、単軸押出機、二軸押出機などの押出機、あるいは加圧ニーダーなどの公知の混練機を用いることができる。
また、別途形成した樹脂組成物を溶融押出成形してもよい。溶融押出法には、例えば、Tダイ法、インフレーション法などがあり、その際の成形温度は、好ましくは200〜350℃、より好ましくは250〜300℃、さらに好ましくは255℃〜300℃、特に好ましくは260℃〜300℃である。
Tダイ法を用いる場合、押出機の先端部にTダイを取り付け、このTダイから押し出したフィルムを巻き取ることで、ロール状に巻回させた樹脂フィルムを得ることができる。このとき、巻き取りの温度および速度を制御して、フィルムの押し出し方向に延伸(一軸延伸)を加えることも可能である。また、押し出し方向と垂直な方向にフィルムを延伸して、逐次二軸延伸あるいは同時二軸延伸などを実施してもよい。
押出成形に押出機を用いる場合、その種類は特に限定されず、単軸であっても二軸であっても多軸であってもよいが、そのL/D値は(Lは押出機のシリンダーの長さ、Dはシリンダー内径)、樹脂組成物を十分に可塑化して良好な混練状態を得るために10以上100以下が好ましく、20以上50以下がより好ましく、25以上40以下がさらに好ましい。L/D値が10未満の場合、樹脂組成物を十分に可塑化できず、良好な混練状態が得られないことがある。一方、L/D値が100を超えると、樹脂組成物に対して過度に剪断発熱が加わることで、組成物中の樹脂が熱分解する可能性がある。
またこの場合、シリンダーの設定温度は、好ましくは200℃以上300℃以下であり、より好ましくは250℃以上300℃以下である。設定温度が200℃未満では、樹脂組成物の溶融粘度が過度に高くなって、樹脂フィルムの生産性が低下する。一方、設定温度が300℃を超えると、樹脂組成物中の樹脂が熱分解する可能性がある。
押出成形に押出機を用いる場合、その形状は特に限定されないが、押出機が1個以上の開放ベント部を有することが好ましい。このような押出機を用いることによって、開放ベント部から分解ガスを吸引することができ、得られた樹脂フィルムに残存する揮発成分の量を低減できる。開放ベント部から分解ガスを吸引するためには、例えば、開放ベント部を減圧状態にすればよく、その減圧度は、開放ベント部の圧力にして、931〜1.3hPa(700〜1mmHg)の範囲が好ましく、798〜13.3hPa(600〜10mmHg)の範囲がより好ましい。開放ベント部の圧力が931hPaより高い場合、揮発成分、あるいは樹脂の分解により発生する単量体成分などが、樹脂組成物中に残存しやすい。一方、開放ベント部の圧力を1.3hPaより低く保つことは工業的に困難である。
光学フィルムなど、光学部材として用いる樹脂フィルムを製造する場合、ポリマーフィルタで濾過した樹脂組成物を成形してもよい。ポリマーフィルタにより、樹脂組成物中に存在する異物を除去できるため、得られたフィルムの外観上の欠点を低減できる。なお、ポリマーフィルタによる濾過時には、樹脂組成物は高温の溶融状態となる。このため、ポリマーフィルタを通過する際に樹脂組成物が劣化し、劣化により形成されたガス成分や着色劣化物が組成物中に流れだして、得られたフィルムに、穴あき、流れ模様、流れスジなどの欠点が観察されることがある。この欠点は、特に樹脂フィルムの連続成形時に観察されやすい。このため、ポリマーフィルタで濾過した樹脂組成物を成形する際には、その成形温度は、樹脂組成物の溶融粘度を低下させ、ポリマーフィルタにおける樹脂組成物の滞留時間を短くするために、例えば255〜300℃であり、260〜320℃が好ましい。
ポリマーフィルタの構成は特に限定されないが、ハウジング内に多数枚のリーフディスク型フィルタを配したポリマーフィルタを好適に用いることができる。リーフディスク型フィルタの濾材は、金属繊維不織布を焼結したタイプ、金属粉末を焼結したタイプ、金網を数枚積層したタイプ、あるいはそれらを組み合わせたハイブリッドタイプのいずれでもよいが、金属繊維不織布を焼結したタイプが最も好ましい。
ポリマーフィルタによる濾過精度は特に限定されないが、通常15μ以下、好ましくは10μ以下、より好ましくは5μ以下である。濾過精度が1μ以下になると、樹脂組成物の滞留時間が長くなることで当該組成物の熱劣化が大きくなる他、樹脂フィルムの生産性が低下する。一方、濾過精度が15μを超えると、樹脂組成物中の異物を除去することが難しくなる。
ポリマーフィルタにおける、時間あたりの樹脂処理量に対する濾過面積は特に限定されず、樹脂組成物の処理量に応じて適宜設定できる。上記濾過面積は、例えば、0.001〜0.15m2/(kg/h)である。
ポリマーフィルタの形状は特に限定されず、例えば、複数の樹脂流通口を有し、センターポール内に樹脂の流路を有する内流型;断面が複数の頂点もしくは面においてリーフディスクフィルタの内周面に接し、センターポールの外面に樹脂の流路がある外流型;などがある。特に、樹脂の滞留箇所の少ない外流型を用いることが好ましい。
ポリマーフィルタにおける樹脂組成物の滞留時間に特に制限はないが、20分以下が好ましく、10分以下がより好ましく、5分以下がさらに好ましい。また、濾過時におけるフィルタ入口圧およびフィルタ出口圧は、例えば、それぞれ、3〜15MPaおよび0.3〜10MPaであり、圧力損失(フィルタの入口圧と出口圧の圧力差)は、1MPa〜15MPaの範囲が好ましい。圧力損失が1MPa以下になると、樹脂組成物がフィルタを通過する流路に偏りが生じやすく、得られた樹脂フィルムの品質が低下する傾向がある。一方、圧力損失が15MPaを超えると、ポリマーフィルタの破損が起こり易くなる。
ポリマーフィルタに導入される樹脂組成物の温度は、その溶融粘度に応じて適宜設定すればよく、例えば250〜300℃であり、255〜300℃が好ましく、260〜300℃がさらに好ましい。
ポリマーフィルタを用いた濾過処理により、異物、着色物の少ない樹脂フィルムを得る具体的な工程は、特に限定されない。例えば、(1)クリーン環境下で樹脂組成物の形成および濾過処理を行い、引き続いてクリーン環境下で樹脂組成物の成形を行うプロセス、(2)異物または着色物を有する樹脂組成物を、クリーン環境下で濾過処理した後、引き続いてクリーン環境下で樹脂組成物の成形を行うプロセス、(3)異物または着色物を有する樹脂組成物を、クリーン環境下で濾過処理すると同時に成形を行うプロセス、などが挙げられる。それぞれの工程毎に、複数回、ポリマーフィルタによる樹脂組成物の濾過処理を行ってもよい。
ポリマーフィルタによって樹脂組成物を濾過する際には、押出機とポリマーフィルタとの間にギアポンプを設置して、フィルタ内の樹脂組成物の圧力を安定化することが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、その製造後、そのまま押出成形して樹脂フィルムとすることが好ましい。樹脂組成物をペレット化した後に、得られたペレットを再溶融して樹脂フィルムを成形する場合に比べて、熱履歴を少なくできるため、樹脂組成物の熱劣化を抑制できる。また、この手法では、環境からの異物の混入を抑制できるため、得られた樹脂フィルムに異物が存在したり、得られた樹脂フィルムが着色することを抑制できる。なお、押出機とTダイの間に、ギアポンプおよびポリマーフィルタを配置することが好ましい。
押出成形によって得られた樹脂フィルムは、必要に応じて延伸してもよい。延伸の種類は特に限定されず、一軸延伸であっても二軸延伸であってもよい。延伸により、樹脂フィルムの機械的強度を向上でき、場合によっては、樹脂フィルムに複屈折性を賦与することも可能である。なお、本発明の樹脂組成物は、その組成によっては、延伸後も光学的等方性を保つことが可能である。延伸温度は特に限定されず、樹脂組成物のTg近傍の温度が好ましい。延伸倍率および延伸速度も特に限定されない。
樹脂フィルムの光学特性および機械的特性を安定させるために、延伸後、必要に応じて熱処理(アニーリング)を実施してもよい。
以下、実施例により、本発明をより詳細に説明する。本発明は、以下に示す実施例に限定されない。
最初に、本実施例において作製した樹脂組成物サンプルの評価方法を示す。
[ガラス転移温度]
各サンプルのガラス転移温度(Tg)は、JIS K7121の規定に準拠して求めた。具体的には、示差走査熱量計(リガク社製、DSC−8230)を用い、窒素ガス雰囲気下、約10mgのサンプルを常温から200℃まで昇温(昇温速度20℃/分)して得られたDSC曲線から、始点法により評価した。リファレンスには、α−アルミナを用いた。なお、製造例で作製したフィルムに対するTgの評価も同様に行った。
[光線透過率]
各サンプルの光線透過率は、押出成形により厚さ100μmのフィルムとした後、分光光度計(島津製作所社製、UV−3100)を用いて、波長380nmおよび500nmの光に対する当該フィルムの透過率を測定することで評価した。各サンプルから、厚さ100μmのフィルムを形成する具体的な方法は後述する。
なお、製造例で作製したフィルムに対する光線透過率の評価も、評価対象であるフィルムの厚さが異なる場合があるが、基本的に同様に行った。
[発泡性]
各サンプルの発泡性を以下のように評価した。最初に、ペレット状の樹脂組成物を循環型熱風乾燥機により乾燥し(80℃、5時間)、乾燥したペレット6gを、280℃に温度を制御したJIS K7210に規定のメルトインデクサーに投入した。投入後、メルトインデクサーを280℃で20分間保持した後、溶融した樹脂組成物を荷重4.85kgでストランド状に押出し、形成されたストランドの発泡状態を目視により観察した。ストランドにおける、メルトインデクサーのピストンの下部標線から10cm以内に直径0.5mm以上の気泡が20個以上存在する場合を「発泡有り」、当該気泡が20個未満の場合を「発泡なし」とした。
[昇華性]
各サンプルにおけるUVAの昇華性を以下のように評価した。最初に、押出成形により、各サンプルを厚さ100μmのフィルムとし、その一部(サイズにして1cm×3cm)を切り出した。次に、切り出したフィルムを試験管内に封入した後、メタルバス中において、150℃で10時間加熱した。次に、試験管からフィルムを取り出した後、当該試験管にクロロホルム1mLを入れ、フィルムから昇華して試験管の内壁に付着したUVAをクロロホルムに溶解させた。次に、UVAを溶解させたクロロホルムを光路長1cmの石英セルに収容し、吸光度計(島津製作所社製、UV−3100)を用いて、波長350nmの光に対する吸光度を測定した。UVAの昇華量が大きいほど、測定される吸光度は大きくなる。
[飛散性]
各サンプルを成形する際の成形装置の汚染度を、キャストロール(Tダイから押し出された溶融状態の樹脂フィルムが、最初に接触する金属ロール)に対するUVAの付着量を測定することにより評価した。付着量は、以下のように評価した。最初に、キャストロールを備える成形装置により、樹脂フィルムを1時間連続して押出成形した後に、ロール中央部の10cm×10cmの範囲を、クロロホルムを浸したセルロース製ワイパーで拭き取った。次に、拭き取りに使用したワイパーを、30mLのクロロホルムに浸漬させて、キャストロールから拭き取ったUVAをクロロホルムに溶解させた。次に、UVAを溶解させたクロロホルムを光路長1cmの石英セルに収容し、吸光度計(島津製作所社製、UV−3100)を用いて、波長350nmの光に対する吸光度を測定した。キャストロールへのUVAの付着量が大きい(即ち、UVAの飛散性が高い)ほど、測定される吸光度は大きくなる。
[重量平均分子量]
アクリル樹脂の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により以下の条件で求めた。
システム:東ソー製
展開溶媒:クロロホルム(和光純薬工業製、特級)、流量0.6ml/min
標準試料:TSK標準ポリスチレン(東ソー製、PS−オリゴマーキット12タイプ)
カラム構成(測定側):ガードカラム(TSKGuardcolumn SuperH-H)、分離カラム(TSKgel SuperHM-M)2本直列接続
カラム構成(リファレンス側):リファレンスカラム(TSKgel SuperH-RC)
[ラクトン環構造の含有率]
アクリル樹脂におけるラクトン環構造の含有率は、ダイナミックTG法により、以下のようにして求めた。最初に、ラクトン環構造を有するアクリル樹脂に対してダイナミックTG測定を実施し、150℃から300℃の間の重量減少率を測定して、得られた値を実測重量減少率(X)とした。150℃は、樹脂に残存する水酸基およびエステル基が環化縮合反応を開始する温度であり、300℃は、樹脂の熱分解が始まる温度である。これとは別に、前駆体である重合体に含まれる全ての水酸基が脱アルコール反応を起こしてラクトン環が形成されたと仮定して、その反応による重量減少率(即ち、前駆体の脱アルコール環化縮合反応率が100%であったと仮定した重量減少率)を算出し、理論重量減少率(Y)とした。具体的には、理論重量減少率(Y)は、前駆体における、脱アルコール反応に関与する水酸基を有する構成単位の含有率から求めることができる。なお、前駆体の組成は、測定対象であるアクリル樹脂の組成から導いた。次に、式[1−(実測重量減少率(X)/理論重量減少率(Y))]×100(%)により、アクリル樹脂の脱アルコール反応率を求めた。測定対象であるアクリル樹脂において、求めた脱アルコール反応率の分だけラクトン環構造が形成されていると考えられる。そこで、前駆体における、脱アルコール反応に関与する水酸基を有する構成単位の含有率に、求めた脱アルコール反応率を乗じ、ラクトン環構造の重量に換算することで、アクリル樹脂におけるラクトン環構造の含有率とした。
一例として、後述の比較例1で作製した樹脂(A−5)の脱アルコール反応率を求める。脱アルコール反応により生成するメタノールの分子量が32であり、前駆体(MHMAとMMAとの共重合体)における、脱アルコール反応に関与する水酸基を有する構成単位であるMHMA単位の含有率は20.0%であり、MHMA単位の単量体換算の分子量が116であることから、上記樹脂(A)の理論重量減少率(Y)は、(32/116)×20=5.52%となる。一方、上記樹脂(A)の実測重量減少率(X)は0.18%であったので、脱アルコール反応率は96.7%(=(1−0.18/5.52)×100(%))となる。
次に、上記樹脂(A)におけるラクトン環構造の含有率を求める。前駆体におけるMHMA単位の含有率が20.0%、MHMA単位の単量体換算の分子量が116、脱アルコール反応率が96.7%、ラクトン環構造の式量が170であることから、上記樹脂(A)におけるラクトン環構造の含有率は、28.3%(=20.0×0.967×170/116)となる。
[ダイナミックTG測定]
アクリル樹脂のダイナミックTG測定は、以下のように行った。
作製したアクリル樹脂のペレットまたはペレットとする前の重合溶液を、テトラヒドロフラン(THF)に溶解させた後(あるいはTHFで希釈した後)、過剰のヘキサンまたはメタノールを用いて樹脂を沈殿させた。次に、沈殿物を真空乾燥(圧力1.33hPa、80℃、3時間以上)して揮発成分を除去し、得られた白色固体状の樹脂に対して、以下の測定条件下でダイナミックTG測定を行った。
測定装置:リガク製、Thermo Plus 2 TG-8120 Dynamic TG
試料重量:5〜10mg
昇温速度:10℃/分
雰囲気:窒素フロー(200ml/分)下
測定方法:階段状等温制御法(60〜500℃の間で、重量減少速度値を0.005%/秒以下として制御)
[フィルムの厚さ]
フィルムの厚さは、デジマチックマイクロメーター((株)ミツトヨ製)を用いて測定した。
[フィルムの濁度変化量]
各サンプルから形成したフィルムの濁度の変化量を、以下のように評価した。最初に、押出成形により、各サンプルを厚さ100μmのフィルムとし、その一部(サイズにして5cm×5cm)を切り出した。次に、切り出したフィルムの濁度を、濁度計(日本電色工業社製、NDH−1001DP)を用いて測定し、測定した値を初期値とした。次に、切り出したフィルムを、100℃に保持した熱風乾燥機(タバイ社製)内に200時間放置した後、放置後のフィルムの濁度を再度測定して、上記初期値からの変化量を求めた。成形後のフィルムの濁度が変化する要因として、熱による、UVAのブリードアウトが考えられる。
なお、製造例で作製したフィルムの濁度も、上記濁度計により測定した。
(実施例1)
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた内容積30Lの反応釜に、40部のメタクリル酸メチル(MMA)、10部の2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)、重合溶媒として50部のトルエン、および0.025部の酸化防止剤(旭電化工業製、アデカスタブ2112)を仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温させた。昇温に伴う還流が始まったところで、重合開始剤として0.05部のt−アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富製、商品名:ルペロックス570)を添加するとともに、0.10部のt−アミルパーオキシイソノナノエートを3時間かけて滴下しながら、約105〜110℃の還流下で溶液重合を進行させ、さらに4時間の熟成を行った。
次に、得られた重合溶液に、環化縮合反応の触媒(環化触媒)として0.05部のリン酸2−エチルヘキシル(堺化学工業製、Phoslex A-8)を加え、約90〜110℃の還流下において2時間、環化縮合反応を進行させた後、240℃のオートクレーブにより重合溶液を30分間加熱し、環化縮合反応をさらに進行させた。
次に、得られた重合溶液を、バレル温度240℃、回転速度100rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個およびフォアベント数4個(上流側から第1、第2、第3、第4ベントと称する)のベントタイプスクリュー二軸押出機(Φ=29.75mm、L/D=30)に、樹脂量換算で2.0kg/時の処理速度で導入し、脱揮を行った。その際、別途準備しておいた酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液を0.03kg/時の投入速度で第1ベントの後ろから、別途準備しておいたUVA溶液を0.05kg/時の投入速度で第2ベントの後ろから、イオン交換水を0.01kg/時の投入速度で第3ベントの後ろから、それぞれ投入した。
酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液には、50部の酸化防止剤(住友化学製スミライザーGS)と、失活剤として35部のオクチル酸亜鉛(日本化学産業製、ニッカオクチクス亜鉛3.6%)とを、トルエン200部に溶解させた溶液を用いた。
UVA溶液には、上記式(8)に示す紫外線吸収剤(分子量958)を主成分とし、分子量773および分子量1142の紫外線吸収剤を副成分とするCGL777MPA(チバスペシャリティケミカルズ製、有効成分80%)37.5部をトルエン12.5部に溶解させた溶液を用いた。
次に、脱揮完了後、押出機内に残された熱溶融状態にある樹脂を押出機の先端から排出し、ペレタイザーによりペレット化して、主鎖にラクトン環構造を有するアクリル樹脂(A−1)と分子量700以上のUVA(B)とを含む透明な樹脂組成物のペレットを得た。樹脂(A−1)の重量平均分子量は148000、樹脂(A−1)および樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)は128℃であった。
(実施例2)
UVA溶液の投入速度を0.1kg/時に変更した以外は実施例1と同様にして、主鎖にラクトン環構造を有するアクリル樹脂(A−1)と分子量700以上のUVA(B)とを含む透明な樹脂組成物のペレットを得た。樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)は127℃であった。
(実施例3)
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた内容積30Lの反応釜に、41.5部のメタクリル酸メチル(MMA)、6部の2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)、2.5部の2−〔2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシ〕エチルフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール(大塚化学製、商品名:RUVA−93)、重合溶媒として50部のトルエン、0.025部の酸化防止剤(旭電化工業製、アデカスタブ2112)、および連鎖移動剤として0.025部のn−ドデシルメルカプタンを仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温させた。昇温に伴う還流が始まったところで、重合開始剤として0.05部のt−アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富製、商品名:ルペロックス570)を添加するとともに、0.10部のt−アミルパーオキシイソノナノエートを3時間かけて滴下しながら、約105〜110℃の還流下で溶液重合を進行させ、さらに4時間の熟成を行った。
次に、得られた重合溶液に、環化縮合反応の触媒(環化触媒)として0.05部のリン酸2−エチルヘキシル(堺化学工業製、Phoslex A-8)を加え、約90〜110℃の還流下において2時間、環化縮合反応を進行させた後、240℃のオートクレーブにより重合溶液を30分間加熱し、環化縮合反応をさらに進行させた。次に、反応進行後の重合溶液に、UVA(B)として上記CGL777MPAを0.94部混合した。
次に、得られた重合溶液を、バレル温度240℃、回転速度100rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個およびフォアベント数4個(上流側から第1、第2、第3、第4ベントと称する)、先端部にリーフディスク型のポリマーフィルタ(濾過精度5μ、濾過面積1.5m2)を配置したベントタイプスクリュー二軸押出機(Φ=50.0mm、L/D=30)に、樹脂量換算で45kg/時の処理速度で導入し、脱揮を行った。その際、別途準備しておいた酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液を0.68kg/時の投入速度で第1ベントの後ろから、イオン交換水を0.22kg/時の投入速度で第3ベントの後ろから、それぞれ投入した。酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液は、実施例1と同じものを用いた。
次に、脱揮完了後、押出機内に残された熱溶融状態にある樹脂を押出機の先端からポリマーフィルタによる濾過を伴いながら排出し、ペレタイザーによりペレット化して、主鎖にラクトン環構造を有するアクリル樹脂(A−2)と分子量700以上のUVA(B)とを含む透明な樹脂組成物のペレットを得た。樹脂(A−2)の重量平均分子量は145000、樹脂(A−2)および樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)は122℃であった。
(実施例4)
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた内容積1000Lの反応釜に、40部のメタクリル酸メチル(MMA)、10部の2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)、重合溶媒として50部のトルエン、および0.025部の酸化防止剤(旭電化工業製、アデカスタブ2112)を仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温させた。昇温に伴う還流が始まったところで、重合開始剤として0.05部のt−アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富製、商品名:ルペロックス570)を添加するとともに、0.10部のt−アミルパーオキシイソノナノエートを3時間かけて滴下しながら、約105〜110℃の還流下で溶液重合を進行させ、さらに4時間の熟成を行った。
次に、得られた重合溶液に、環化縮合反応の触媒(環化触媒)として0.05部のリン酸2−エチルヘキシル(堺化学工業製、Phoslex A-8)を加え、約90〜110℃の還流下において2時間、環化縮合反応を進行させた後、240℃のオートクレーブにより重合溶液を30分間加熱し、環化縮合反応をさらに進行させた。次に、反応進行後の重合溶液に、UVA(B)として上記CGL777MPAを0.94部混合した。
次に、得られた重合溶液を、バレル温度240℃、回転速度100rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個およびフォアベント数4個(上流側から第1、第2、第3、第4ベントと称する)、先端部にリーフディスク型のポリマーフィルタ(濾過精度5μ、濾過面積1.5m2)を配置したベントタイプスクリュー二軸押出機(Φ=50.0mm、L/D=30)に、樹脂量換算で45kg/時の処理速度で導入し、脱揮を行った。その際、別途準備しておいた酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液を0.68kg/時の投入速度で第1ベントの後ろから、イオン交換水を0.22kg/時の投入速度で第3ベントの後ろから、それぞれ投入した。酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液は、実施例1と同じものを用いた。
次に、脱揮完了後、押出機内に残された熱溶融状態にある樹脂を押出機の先端からポリマーフィルタによる濾過を伴いながら排出し、ペレタイザーによりペレット化して、主鎖にラクトン環構造を有するアクリル樹脂(A−3)と分子量700以上のUVA(B)とを含む透明な樹脂組成物のペレットを得た。樹脂(A−3)の重量平均分子量は140000、樹脂(A−3)および樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)は128℃であった。
(実施例5)
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた内容積1000Lの反応釜に、40部のメタクリル酸メチル(MMA)、10部の2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)、重合溶媒として50部のトルエン、および0.025部の酸化防止剤(旭電化工業製、アデカスタブ2112)を仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温させた。昇温に伴う還流が始まったところで、重合開始剤として0.05部のt−アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富製、商品名:ルペロックス570)を添加するとともに、0.10部のt−アミルパーオキシイソノナノエートを3時間かけて滴下しながら、約105〜110℃の還流下で溶液重合を進行させ、さらに4時間の熟成を行った。
次に、得られた重合溶液に、環化縮合反応の触媒(環化触媒)として0.05部のリン酸2−エチルヘキシル(堺化学工業製、Phoslex A-8)を加え、約90〜110℃の還流下において2時間、環化縮合反応を進行させた後、240℃のオートクレーブにより重合溶液を30分間加熱し、環化縮合反応をさらに進行させた。
次に、得られた重合溶液を、バレル温度240℃、回転速度100rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個およびフォアベント数4個(上流側から第1、第2、第3、第4ベントと称する)、第3ベントと第4ベントとの間にサイドフィーダが設けられており、先端部にリーフディスク型のポリマーフィルタ(濾過精度5μ、濾過面積1.5m2)が配置されたベントタイプスクリュー二軸押出機(Φ=50.0mm、L/D=30)に、樹脂量換算で45kg/時の処理速度で導入し、脱揮を行った。その際、別途準備しておいた酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液を0.68kg/時の投入速度で第1ベントの後ろから、別途準備しておいたUVA溶液を1.25kg/時の投入速度で第2ベントの後ろから、イオン交換水を0.22kg/時の投入速度で第3ベントの後ろから、それぞれ投入した。酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液およびUVA溶液は、実施例1と同じものを用いた。また、上記サイドフィーダから、スチレン−アクリロニトリル(AS)樹脂ペレット(旭化成ケミカルズ製、スタイラックAS783)を投入速度5kg/時で投入した。
次に、脱揮完了後、押出機内に残された熱溶融状態にある樹脂を押出機の先端からポリマーフィルタにより濾過しながら排出し、ペレタイザーによりペレット化して、主鎖にラクトン環構造を有するアクリル樹脂(A−4)と分子量700以上のUVA(B)とを含む透明な樹脂組成物のペレットを得た。樹脂(A−4)の重量平均分子量は145000、樹脂(A−4)および樹脂組成物のTgは126℃であった。
(比較例1)
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた内容積30Lの反応釜に、40部のメタクリル酸メチル(MMA)、10部の2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)、重合溶媒として50部のトルエン、および0.025部の酸化防止剤(旭電化工業製、アデカスタブ2112)を仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温させた。昇温に伴う還流が始まったところで、重合開始剤として0.05部のt−アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富製、商品名:ルペロックス570)を添加するとともに、0.10部のt−アミルパーオキシイソノナノエートを3時間かけて滴下しながら、約105〜110℃の還流下で溶液重合を進行させ、さらに4時間の熟成を行った。
次に、得られた重合溶液に、環化縮合反応の触媒(環化触媒)として0.05部のリン酸2−エチルヘキシル(堺化学工業製、Phoslex A-8)を加え、約90〜110℃の還流下において2時間、環化縮合反応を進行させた後、240℃のオートクレーブにより重合溶液を30分間加熱し、環化縮合反応をさらに進行させた。
次に、得られた重合溶液を、バレル温度240℃、回転速度100rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個およびフォアベント数4個(上流側から第1、第2、第3、第4ベントと称する)のベントタイプスクリュー二軸押出機(Φ=29.75mm、L/D=30)に、樹脂量換算で2.0kg/時の処理速度で導入し、脱揮を行った。その際、別途準備しておいた酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液を0.03kg/時の投入速度で第1ベントの後ろから、イオン交換水を0.01kg/時の投入速度で第3ベントの後ろから、それぞれ投入した。酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液は、実施例1と同じものを用いた。
次に、脱揮完了後、押出機内に残された熱溶融状態にある樹脂を押出機の先端から排出し、ペレタイザーによりペレット化して、主鎖にラクトン環構造を有するアクリル樹脂(A−5)を得た。樹脂(A−5)の重量平均分子量は148000であった。
このようにして得た樹脂(A−5)100部に、ベンゾトリアゾール骨格を有するUVA(ADEKA製、アデカスタブLA−31、分子量659)1.5部をドライブレンドして、樹脂(A−5)とUVAとの樹脂組成物を得た。樹脂(A−5)および樹脂組成物のTgは128℃であった。
(比較例2)
樹脂(A−5)とドライブレンドするUVAの量を3.0部に変更した以外は実施例1と同様にして、樹脂(A−5)とUVAとの樹脂組成物を得た。樹脂組成物のTgは127℃であった。
(比較例3)
比較例1で得た樹脂(A−5)100部に、ベンゾトリアゾール骨格を有するUVA(住友化学製、Sumisorb300、分子量315)1.5部をドライブレンドして、樹脂(A−5)とUVAとの樹脂組成物を得た。樹脂組成物のTgは128℃であった。
(比較例4)
比較例1で得た樹脂(A−5)100部に、トリアジンにヒドロキシフェニル基が1つ結合した骨格を有するUVA(チバスペシャリティケミカルズ製、CGL479(TINUVIN479)、分子量676)1.5部をドライブレンドして、樹脂(A−5)とUVAとの樹脂組成物を得た。樹脂組成物のTgは128℃であった。
実施例1〜5および比較例1〜4で得られた樹脂組成物に対して、上記特性を評価した結果を以下の表1に示す。
特性の評価に用いた厚さ100μmの樹脂フィルムは、各実施例および比較例で得られた樹脂組成物を押出成形して作製した。具体的な押出成形の方法は以下の通りである。
実施例4、5では、最初に、得られた樹脂組成物をバリアフライト型スクリューを有するベント付き単軸押出機に30kg/時の処理速度で導入し、ベント口から圧力10mmHgで吸引を行いながら樹脂組成物を溶融混練した。その後、押出機内で熱溶融状態にある樹脂組成物を、ギアポンプにより、濾過精度5μm、濾過面積0.75m2のリーフディスク型ポリマーフィルタを通して濾過し、濾過後の組成物をTダイ(幅700mm)から温度90℃の冷却ロール上に吐出して、厚さ100μmの樹脂フィルムとした。このとき、シリンダー、ギアポンプ、ポリマーフィルタおよびTダイの温度は265℃とした。
実施例4、5以外の各実施例、比較例では、最初に、得られた樹脂組成物をシリンダー径20mmの単軸押出機に導入し、樹脂組成物を溶融した。その後、押出機内で熱溶融状態にある樹脂組成物を、Tダイ(幅120mm)から温度110℃の冷却ロール上に吐出して、厚さ100μmの樹脂フィルムとした。このとき、シリンダー、Tダイの温度は280℃とした。
Figure 2011227530
表1に示すように、実施例の樹脂組成物では、高いガラス転移温度、紫外線吸収能および可視光透過性を実現しながら、成形時におけるUVAの昇華性および飛散性を比較例に比べて抑制できた。また、実施例の樹脂組成物では、成形時の発泡の発生が抑制された。
実施例の樹脂組成物から作製した樹脂フィルムの濁度変化量は、比較例(比較例1を除く)の樹脂組成物から作製した樹脂フィルムに比べて小さかった。実施例の樹脂組成物から作製した樹脂フィルムでは、比較例に比べて、フィルム成形後の熱によるUVAのブリードアウトが抑制されたと考えられる。
(製造例1)
実施例3で作製した樹脂組成物のペレットを、20mmφのスクリュー径を有する二軸押出機を用いて、幅150mmのコートハンガー型Tダイから溶融押出しし、厚さ約160μmの樹脂フィルムを作製した。
次に、得られた未延伸の樹脂フィルムを、一辺の長さが127mmの正方形に切り出した後、コーナーストレッチ式二軸延伸試験装置(東洋精機製作所製、X6−S)のチャックにセットした。チャック間の距離は、縦横ともに110mmとした。セットした樹脂フィルムを160℃で3分間予熱した後、延伸倍率2.0倍である1段目の一軸延伸を、延伸時間1分で行った。このとき、フィルムの幅方向(延伸方向に対して直交する方向)は収縮しないようにした。
延伸後、一軸延伸した樹脂フィルムを試験装置から速やかに取り出し、冷却した。次に、冷却後のフィルムを、一辺の長さが97mmの正方形に切り出し、上記一軸延伸と同様に2段目の一軸延伸を行った。2段目の延伸方向は1段目の延伸方向に対して直交する方向とし、試験装置にフィルムをセットする際のチャック間の距離は、縦横ともに80mmとした。予熱は1段目と同様に160℃で3分間とし、延伸倍率は2.0倍、延伸時間は1分とした。また、延伸時にはフィルムの幅方向は収縮しないようにした。
2段目の延伸後、樹脂フィルムを試験装置から速やかに取り出し、冷却した。このようにして得た二軸延伸性の樹脂フィルムの物性を測定したところ、厚さは40mm、ヘイズ(濁度)は0.3%、ガラス転移温度は128℃、380nmの光に対する透過率は5.8%、500nmの光に対する透過率は92.2%であった。
(製造例2)
ケン化度99%、厚さ75μmのポリビニルアルコール(PVA)未延伸フィルムを室温の水で洗浄した後、MD方向に一軸延伸(延伸倍率5倍)した。延伸後のフィルムを、その緊張状態を保持したままヨウ素/ヨウ化カリウム水溶液(ヨウ素の濃度0.5%、ヨウ化カリウムの濃度5%)に浸漬させ、PVAフィルムに二色性色素を吸着させた。続いて、色素を吸着させたフィルムを、温度50℃のホウ酸/ヨウ化カリウム水溶液(ホウ酸の濃度10%、ヨウ化カリウムの濃度5%)に浸漬して5分間の架橋処理を行い、PVA延伸フィルムを基材とする偏光子を得た。
(製造例3)
温度計、攪拌機、冷却器、滴下ロートおよび窒素ガス導入管を備えた4ツ口フラスコに、溶媒としてトルエン200部およびイソプロピルアルコール100部と、単量体としてメタクリル酸ブチル80部、アクリル酸ブチル25部、メタクリル酸メチル75部およびメタクリル酸20部とを投入した後に、当該フラスコに窒素ガスを導入しながら、攪拌下、全体を85℃に昇温した。
次に、重合開始剤として2,2’−アソビスイソブチロニトリル(日本ヒドラジン工業製、商品名:ABN−R)0.005部とトルエン10部とからなる混合物を、7時間かけてフラスコ内に分割して投入した。次に、85℃で3時間の熟成を行った後、室温に冷却して、重量平均分子量が90000の重合体を得た。
次に、重合体が収容されているフラスコを40℃に昇温した後、エチレンイミン20部をフラスコ内に1時間かけて滴下し、さらに同温度を1時間保持した後、フラスコ内の温度を75℃に昇温して4時間の熟成を行った。次に、フラスコに蒸留装置をセットして減圧しながら加熱し、イソプロピルアルコールおよび未反応のエチレンイミンを系外に排出した。最後に、トルエンにより不揮発成分の濃度が10%となるように調整して、エチレンイミン変性アクリルポリマー(側鎖にアミノ基を有する)を含有する易接着層コーティング組成物(D−1)を得た。
(製造例4)
温度計、窒素ガス導入管および攪拌機を備えた反応器において、当該反応器に窒素ガスを導入しながら、1,4−ブタンジオール367.2部、イソフタル酸166部およびジブチルスズオキシド0.05部を加熱攪拌しながら溶融し、酸価1.1になるまで、200℃で8時間の縮合反応を行った。次に、反応器を120℃に冷却し、アジピン酸584部および2,2−ジメチロールプロピオン酸268部を加えた後、170℃に再昇温し、当該温度で23時間反応させて、水酸基価102.0および酸価93.5のポリエステルポリオールを得た。次に、得られたポリエステルポリオール55部を減圧下100℃で脱水した後、60℃に冷却し、1,4−ブタンジオール6.58部をさらに加えて、全体を十分に攪拌混合した。次に、ヘキサメチレンジイソシアネート35.17部を加えた後に反応器を100℃に加熱し、この温度で4.5時間反応させて、NCO末端ウレタンプレポリマーを得た。反応終了後、40℃に冷却し、アセトン96.75部を加えて全体を希釈し、プレポリマー溶液とした。次に、ピペラジン7.04部とトリエチルアミン10.19部とを水245.19部に予め溶解させて得たアミン水溶液に作製したプレポリマー溶液を徐々に注ぎ込んで、鎖伸長と中和とを同時に行った。この反応生成物から、減圧下、50℃でアセトンを除去した後、水を加えて、不揮発成分の濃度が30%、粘度が60mPa・s/25℃、pH7.1のポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂の水分散液を得た。次に、得られた水分散液20部および自己乳化型ポリイソシアネート1.2部を脱イオン水14.8部に分散させて、不揮発成分の濃度が20%の接着剤(D−2)を得た。
(製造例5)
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた内容積30Lの反応釜に、MMA8000g、MHMA2000gおよび重合溶媒としてトルエン10000gを仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温させた。昇温に伴う環流が始まったところで、重合開始剤としてt−アミルパーオキシイソノナノエート10.0gを添加するとともに、t−アミルパーオキシイソノナノエート20.0gとトルエン100gとからなる溶液を2時間かけて滴下しながら、約105〜110℃の環流下で溶液重合を進行させ、さらに4時間の熟成を行った。重合反応率は96.6%、得られた重合体におけるMHMAの含有率(重量比)は20.0%であった。
次に、得られた重合溶液に、環化触媒として10gのリン酸ステアリル/リン酸ジステアリル混合物(堺化学工業製、Phoslex A-18)を加え、約80〜100℃の環流下において5時間、環化縮合反応を進行させた。
次に、得られた重合溶液を、バレル温度260℃、回転速度100rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個およびフォアベント数4個のベントタイプスクリュー二軸押出機(φ=29.75mm、L/D=30)に、樹脂量換算で2.0kg/時の処理速度で導入し、押出機内で環化縮合反応および脱揮を行った。次に、脱揮完了後、押出機内に残された熱溶融状態にある樹脂を押出機の先端から排出し、ペレタイザーによりペレット化して、主鎖にラクトン環構造を有するアクリル樹脂からなる透明なペレットを得た。この樹脂の重量平均分子量は148000、メルトフローレート(JIS K7120に準拠し、試験温度を240℃、荷重を10kgとして求めた。以降の製造例においても同じ)は11.0g/10分、ガラス転移温度は130℃であった。
次に、得られたペレットとAS樹脂(東洋スチレン製、商品名:トーヨーAS AS20)を、ペレット/AS樹脂=90/10の重量比で単軸押出機(φ=30mm)を用いて混錬することにより、ガラス転移温度が127℃の透明なペレット(E)を得た。
次に、得られたペレット(E)を、20mmφのスクリューを有する二軸押出機を用いて幅150mmのコートハンガー型Tダイから溶融押出しし、厚さ約160μmのフィルムを得た。
次に、得られたフィルムを一辺が97mmの正方形に切り出した後、製造例1で用いた延伸試験装置のチャックにセットした。チャック間の距離は、縦横ともに80mmとした。セットしたフィルムを160℃で3分間予熱した後、縦・横方向(MD・TD方向)の延伸倍率がともに2.0倍になるように、延伸時間1分で同時二軸延伸を行った。延伸後、同時二軸延伸したフィルムを試験装置から速やかに取り出し、冷却した。
このようにして得た二軸延伸性フィルムの厚さは40μm、面内位相差は2nm、厚さ方向の位相差は3nm、全光線透過率は92%、ヘイズは0.3%、ガラス転移温度は127℃であった。
なお、面内位相差および厚さ方向の位相差は、波長589nmの光に対するフィルム厚さ100μmあたりの値であり、位相差測定装置(王子計測器製、KOBRA−WR)を用いて評価した。全光線透過率は、濁度計(日本電色工業社製、NDH−1001DP)を用いて評価した。位相差および全光線透過率の測定方法は、以降の製造例においても同様である。また、位相差の値は、以降の製造例においても全て、波長589nmの光に対するフィルム厚さ100μmあたりの値である。
(製造例6)
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた内容積30Lの反応釜に、7950gのMMA、1500gのMHMA、550gのスチレン(St)および重合溶媒として10000gのトルエンを仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温させた。105℃に達したところで、重合開始剤として12gのt−アミルパーオキシイソナノエートを添加するとともに、24gのt−アミルパーオキシイソナノエートと136gのトルエンとからなる溶液を2時間かけて滴下しながら、約105〜110℃の環流下で溶液重合を進行させ、さらに4時間の熟成を行った。
次に、得られた重合溶液に、環化触媒として10gのリン酸オクチル(堺化学工業製、Phoslex A-8)を加え、加圧下、約120℃で5時間、環化縮合反応を進行させた。
次に、得られた重合溶液を、リアベント数1個およびフォアベント数4個のベントタイプスクリュー二軸押出機(φ=29.75mm、L/D=30)に、樹脂量換算で2.0kg/時の処理速度で導入し、バレル温度240℃、回転速度120rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)で脱揮を行った。なお、脱揮の際には、発泡抑制剤としてオクチル酸亜鉛(日本化学産業製、ニッカオクチクス亜鉛)を、トルエン溶液の形態で得られる樹脂に対して濃度1400ppm(重量基準)となるように、第2フォアベントと第3フォアベントとの間から注入した。
二軸押出機の先端部に、ろ過処理した清浄な冷却水で満たした水槽を配置し、押出機先端から排出されたストランドを当該水槽において冷却した後、冷却後のストランドをペレタイザーに導入して、主鎖にラクトン環構造を有するアクリル樹脂からなる透明なペレット(F)を得た。なお、押出機先端のダイスからペレタイザーまでは、環境清浄度が5000以下となるようにクリーンスペースを設けた。得られた樹脂の重量平均分子量は137000、ガラス転移温度は125℃であった。また、光学顕微鏡で観察した、ペレット100gあたりに含まれる粒径20μm以上の異物数は35個であった。
次に、得られたペレット(F)を20mmφのスクリューを有する二軸押出機を用いて、幅150mmのコートハンガー型Tダイから溶融押出しし、厚さ約160μmのフィルムを得た。
次に、得られたフィルムを一辺が97mmの正方形に切り出した後、製造例1で用いた延伸試験装置のチャックにセットした。チャック間の距離は、縦横ともに80mmとした。セットしたフィルムを155℃で3分間予熱した後、縦・横方向(MD・TD方向)の延伸倍率がともに2.0倍になるように、延伸時間1分で同時二軸延伸を行った。延伸後、同時二軸延伸したフィルムを試験装置から速やかに取り出し、冷却した。
このようにして得た二軸延伸性フィルムの厚さは40μm、面内位相差は3nm、厚さ方向の位相差は2nm、全光線透過率は92%、ヘイズは0.4%、ガラス転移温度は125℃であった。
(製造例7)
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた内容積30Lの反応釜に、5000gのMMA、3000gのMHMA、2000gのメタクリル酸ベンジル(BzMA)および重合溶媒として10000gのトルエンを仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温させた。昇温に伴う環流が始まったところで、重合開始剤としてt−アミルパーオキシイソノナノエート(アトフィナ吉富製、商品名:ルパゾール570)6.0gを添加するとともに、t−アミルパーオキシイソノナノエート12.0gとトルエン100gとからなる重合開始剤溶液を6時間かけて滴下しながら、約105〜110℃の環流下で溶液重合をさせ、さらに2時間の熟成を行った。
次に、得られた重合溶液に、環化触媒として10gのリン酸オクチル/リン酸ジオクチル混合物(堺化学工業製、Phoslex A-8)を加え、約80〜105℃の環流下において2時間、環化縮合反応を進行させた後、240℃のオートクレーブにより加圧(ゲージ圧にして最高1.6MPa)下で重合溶液を1.5時間加熱し、環化縮合反応をさらに進行させた。
次に、得られた重合溶液を、バレル温度250℃、回転速度100rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個およびフォアベント数4個のベントタイプスクリュー二軸押出機(φ=29.75mm、L/D=30)に、樹脂量換算で2.0kg/時の処理速度で導入し、脱揮を行った。
次に、脱揮完了後、押出機内に残された熱溶融状態にある樹脂を押出機の先端から排出し、ペレタイザーによりペレット化して、主鎖にラクトン環構造を有するアクリル樹脂からなる透明なペレット(G)を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は130000であり、ガラス転移温度は135℃であった。
(製造例8)
耐圧反応容器に、脱イオン水70部、ピロリン酸ナトリウム0.5部、オレイン酸カリウム0.2部、硫酸第一鉄0.005部、デキストロース0.2部、p−メンタンハイドロパーオキシド0.1部および1,3−ブタジエン28部からなる反応混合物を投入した後に、全体を65℃に昇温して2時間の重合を行った。次に、容器内の反応物にp−ハイドロパーオキシド0.2部を加えた後、1,3−ブタジエン72部、オレイン酸カリウム1.33部および脱イオン水75部を2時間かけて連続的に滴下した。そのまま重合開始から21時間反応させて、ブタジエン系ゴム重合体ラテックス(平均粒子径0.240μm)を得た。
次に、冷却器および攪拌機を備えた重合容器に、上記ラテックスを固形分として50部ならびに脱イオン水120部、オレイン酸カリウム1.5部およびソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート(SFS)0.6部を投入し、重合容器内を窒素ガスで十分に置換した。次に、容器内の温度を70℃に昇温した後、スチレン36.5部およびアクリロニトリル13.5部からなる混合モノマー溶液と、クメンハイドロキシパーオキサイド0.27部および脱イオン水20.0部からなる重合開始剤溶液とを、別々に2時間かけて連続的に滴下しながら重合反応を進行させた。混合モノマー溶液および重合開始剤溶液の滴下終了後、容器内の温度を80℃に昇温してさらに2時間重合を継続させた。その後、容器内の温度を40℃に冷却した後に、得られた重合溶液を300メッシュの金網を通過させて、弾性有機微粒子の乳化重合液を得た。
次に、得られた乳化重合液を塩化カルシウムで塩析、凝固し、さらに水洗、乾燥して、粉体状の弾性有機微粒子(P)を得た。得られた弾性有機微粒子(P)の平均粒子径は0.260μmであった。弾性有機微粒子の平均粒子径の測定には、NICOMP製粒度分布測定装置(Submicron Particle Sizer NICOMP380)を用いた。
このようにして得た弾性有機微粒子(P)と製造例7で作製したペレット(G)とを、(P)/(G)=30/70の重量比となるようにフィーダーを用いてフィードしながら、シリンダー径が20mmの二軸押出し機を用いて280℃で混練し、弾性有機微粒子を含有するペレット(H)を得た。
次に、得られたペレット(H)を、20mmφのスクリューを有する二軸押出機を用いて、幅150mmのコートハンガー型Tダイから溶融押出しし、厚さ約140μmのフィルムを作製した。作製した未延伸フィルムの面内位相差は3nmであった。
次に、得られた未延伸フィルムをオートグラフ(島津製作所製、AGS−100D)を用いて136℃で一軸延伸し、厚さ88μmの一軸延伸性のフィルムを得た。延伸倍率は2.5倍とし、延伸速度は400%/分とした。得られた延伸フィルムの面内位相差は476nm(実測419nm)、厚さ方向の位相差は246nm、全光線透過率は92%、ヘイズは0.6%であった。
(製造例9)
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた内容積30Lの反応釜に、7000gのMMA、3000gのMHMAおよび重合溶媒として12000gのトルエンを仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温させた。昇温に伴う還流が始まったところで、重合開始剤としてt−アミルパーオキシイソノナノエート(アトフィナ吉富製、ルパゾール570)6.0gを添加するとともに、t−アミルパーオキシイソノナノエート12.0gとトルエン100gとからなる溶液を2時間かけて滴下しながら、約105〜110℃の環流下で溶液重合を進行させ、さらに4時間の熟成を行った。
次に、得られた重合溶液に、環化触媒として20gのリン酸オクチル/リン酸ジオクチル混合物(堺化学工業製、商品名:Phoslex A-8)を加え、約80〜105℃の環流下において2時間、環化縮合反応を進行させた。次に、メチルエチルケトン4000gを添加することで全体を希釈した後、240℃のオートクレーブにより加圧(ゲージ圧にして最高約2MPa)下で重合溶液を1.5時間加熱し、環化縮合反応をさらに進行させた。
次に、得られた重合溶液をメチルエチルケトンで希釈した後、(1)オクチル酸亜鉛(日本化学産業製、ニッカオクチックス亜鉛18%)26.5gと、酸化防止剤としてIRGANOX1010(チバスペシャリティケミカルズ製)2.2gおよびアデカスタブAO−412S(ADEKA製)2.2gならびに溶剤としてトルエン61.6gからなる溶液とを、20g/時の速度で投入したこと、(2)バレル温度を250℃にしたこと、以外は製造例5と同様にして、主鎖にラクトン環構造を有するアクリル樹脂からなる透明なペレット(I)を得た。
得られたペレット(I)についてダイナミックTGの測定を行ったところ、0.21%の重量減少を検知した。得られた樹脂の重量平均分子量は110000であり、メルトフローレートは8.7g/10分、ガラス転移温度は142℃であった。
次に、得られたペレット(I)を、シリンダー径が20mmの単軸押出機を用いて以下の条件で押出成形し、厚さ約400μmの未延伸フィルム(J)を作製した。
押出条件−シリンダー温度:280℃
ダイ:コートハンガータイプ、幅150mm、温度290℃
キャスティング:つや付き2本ロール、第1ロールおよび第2ロールともに130℃に保持。
なお、得られたフィルム(J)は帯状であり、当該フィルムにおける幅方向がTD方向、フィルムが伸長する方向(フィルム面内におけるTD方向と直交する方向)がMD方向である。
得られた未延伸フィルム(J)の面内位相差は0.3nm(実測1.3nm)、厚さ方向の位相差は0.5nm(実測2.2nm)、厚さは433μm、ガラス転移温度は142℃であった。
(製造例10)
製造例9で作製した未延伸のフィルム(J)を、製造例1で用いた延伸試験装置を用いて逐次二軸延伸した。
具体的には、フィルム(J)を、一辺の長さが127mmの正方形に切り出した後、MD方向が延伸方向となるように試験装置のチャックにセットした。チャック間の距離は、縦横ともに110mmとした。セットした樹脂フィルムを165℃で3分間予熱した後、延伸倍率3.0倍である1段目の一軸延伸を、延伸時間10秒で行った。このとき、フィルムの幅方向(TD方向)は収縮しないようにした。
延伸後、一軸延伸した樹脂フィルムを試験装置から速やかに取り出し、冷却した。次に、冷却後のフィルムを、一辺の長さが97mmの正方形に切り出し、上記一軸延伸と同様に2段目の一軸延伸を行った。2段目の延伸方向は1段目の延伸方向に対して直交する方向(TD方向)とし、試験装置にフィルムをセットする際のチャック間の距離は、縦横ともに80mmとした。予熱は145℃で3分間とし、延伸倍率は2.2倍、延伸時間は1分とした。また、延伸時には、一段目の延伸と同様に、フィルムにおける延伸方向と直交する方向(MD方向)は収縮しないようにした。
このようにして得た二軸延伸性フィルムの面内位相差は282nm(実測135nm)、厚さ方向の位相差は307nm(実測148nm)、厚さは48μm、全光線透過率は93%、ヘイズは0.3%、ガラス転移温度は142℃であった。
(製造例11)
製造例9で作製した未延伸のフィルム(J)を、製造例10とは異なる延伸条件で逐次二軸延伸した。具体的には、一段目の延伸温度を150℃、延伸倍率を2.5倍、延伸時間を1分とした。また、二段目の延伸温度を150℃、延伸倍率を2.5倍、延伸時間を1分とした。
このようにして得た二軸延伸性フィルムの面内位相差は142nm(実測91nm)、厚さ方向の位相差は203nm(実測130nm)、厚さは64μm、全光線透過率は93%、ヘイズは0.2%、ガラス転移温度は142℃であった。
(製造例12)
製造例9で作製した未延伸のフィルム(J)を、製造例10とは異なる延伸条件で同時二軸延伸した。予熱は155℃で3分間とし、延伸温度を155℃、延伸倍率をTD方向、MD方向ともに2.5倍、延伸時間を1分とした。
延伸後、同時二軸延伸した樹脂フィルムを試験装置から速やかに取り出し、冷却した。このようにして得た二軸性延伸フィルムの面内位相差は21nm(実測8nm)、厚さ方向の位相差は213nm(実測81nm)、厚さは38μm、全光線透過率は93%、ヘイズは0.2%、ガラス転移温度は142℃であった。
(製造例13〜22)
実施例2、4で作製した樹脂組成物から形成した厚さ100μmの樹脂フィルムおよび製造例1、5、6、8、10〜12で作製した樹脂フィルムを偏光子保護フィルムとして用い、当該フィルムを製造例2で作製した偏光子の両面に接合して偏光板を作製し、得られた偏光板における偏光子と偏光子保護フィルムとの接着強度、ならびに得られた偏光板の耐熱湿性を評価した。
偏光板は以下のように作製した。
最初に、偏光子保護フィルムにおける偏光子と接合する面に、製造例3で作製した易接着層コーティング組成物(D−1)をバーコーターにより塗布し、熱風乾燥機により100℃で組成物(D−1)を乾燥させた。次に、乾燥させた組成物(D−1)上に製造例4で作製した接着剤(D−2)を塗布した後、偏光子を、接着剤(D−2)と接するように偏光子保護フィルムに接合させた。接合は、圧着ローラーを用いて余分な接着剤を押し出しながら、ウェットラミネーションにより行った。偏光子保護フィルムを接合させた偏光子の面を「A面」とする。
次に、偏光子のA面とは反対側の面(B面)に、別の偏光子保護フィルムを、上記と同様に易接着層コーティング組成物(D−1)および接着剤(D−2)を塗布した後に、ウェットラミネーションにより接合させた。次に、全体を熱風乾燥機中、60℃で10時間乾燥させた後、50℃に保持したオーブンで15時間乾燥して、偏光子を一対の偏光子保護フィルムで挟持した構造を有する偏光板を得た。乾燥後の接着剤(D−2)層の厚さは50μmであった。偏光板におけるA面およびB面の各面に接合した偏光子保護フィルムの種類ならびに得られた偏光板に対して接着強度および耐熱湿性を評価した結果を以下の表2に示す。なお、接着強度および耐熱湿性の評価方法は、以下のとおりである。
[接着強度]
作製した偏光板をポリプロピレン板上に両面テープにより固定した後、偏光子から偏光子保護フィルムを剥離させることを試みた。その際の剥離の状態により、偏光子と偏光子保護フィルムとの接着強度を5段階で評価した。評価基準は以下のとおりである。
1:フィルムの末端を手で引っ張ることで、簡単に剥離する。
2:カッターの刃を両者の接合面に挿入すると剥離する。
3:カッターの刃を両者の接合面に挿入し、さらに刃に力を加えると剥離する。
4:カッターの刃を両者の接合面に挿入しても、部分的に小片が剥がれるのみである。
5:カッターの刃を両者の接合面に挿入できず、剥離しない。
[耐熱湿性]
作製した偏光板を2.5×5cmのサイズに切断した後、60℃の温水に4時間浸漬させることで、偏光子と偏光子保護フィルムとを剥離させることを試みた。その際の剥離の状態により、偏光板の耐熱湿性を3段階で評価した。評価基準は以下のとおりである。
良(○):剥離なし。
可(△):一部に剥離あり。
不可(×):全面が剥離する。
Figure 2011227530
表2に示すように全ての製造例において、優れた接着強度および耐熱湿性を実現できた。また、偏光子のA面に接合した偏光子保護フィルムは、全て本発明の偏光子保護フィルムであり、また、各フィルムを構成するアクリル樹脂が主鎖に環構造を有することから、製造例13〜22で作製した偏光板は、高い紫外線吸収能、耐熱性および光学特性を有する。
本発明によれば、熱可塑性アクリル樹脂と紫外線吸収剤とを含む樹脂組成物であって、110℃以上という高いガラス転移温度に基づく優れた耐熱性を示すとともに、高温での成形時においても、発泡、ブリードアウトなどの発生が抑制され、UVAの蒸散による問題の発生が少ない樹脂組成物を提供できる。
1、3、5、7 偏光子保護フィルム
2、6 偏光子
4 液晶セル
8 バックライト
9 偏光板
10 偏光板
11 画像表示部

Claims (10)

  1. 110℃以上のガラス転移温度を有する熱可塑性樹脂組成物からなり、
    前記熱可塑性樹脂組成物が、熱可塑性アクリル樹脂と、分子量が700以上の紫外線吸収剤とを含む、偏光子保護フィルム。
  2. 前記紫外線吸収剤が、ヒドロキシフェニルトリアジン骨格を有する請求項1に記載の偏光子保護フィルム。
    ここで、前記ヒドロキシフェニルトリアジン骨格は、トリアジンと、トリアジンに結合した3つのヒドロキシフェニル基とからなる骨格((2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン骨格)である。
  3. 前記アクリル樹脂が、主鎖に環構造を有する請求項1に記載の偏光子保護フィルム。
  4. 前記環構造が、ラクトン環構造、無水グルタル酸構造、グルタルイミド構造、N−置換マレイミド構造および無水マレイン酸構造から選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載の偏光子保護フィルム。
  5. 前記環構造がラクトン環構造である請求項3に記載の偏光子保護フィルム。
  6. 偏光子と、請求項1に記載の偏光子保護フィルムとを備える偏光板。
  7. アクリル樹脂フィルムをさらに備える請求項6に記載の偏光板。
  8. 前記アクリル樹脂フィルムは、面内および厚さ方向の位相差(波長589nmの光に対する厚さ100μmあたりの位相差)の値が10nm以下の低位相差フィルムである請求項7に記載の偏光板。
  9. 前記アクリル樹脂フィルムが、位相差フィルムである請求項7に記載の偏光板。
  10. 請求項6に記載の偏光板を備える画像表示装置。
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