JP6327222B2 - 偏光板、粘着剤付き偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

偏光板、粘着剤付き偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、偏光板、粘着剤付き偏光板及び液晶表示装置に関する。
偏光板は、液晶表示装置等の表示装置における偏光の供給素子として、また偏光の検出素子として広く用いられている。偏光板としては、偏光フィルムの片面又は両面に、接着剤を用いて保護フィルムを貼合した構成のものが一般的である。近年、液晶表示装置の薄型化に伴い、偏光板の薄型化も要求されている。
偏光板の薄型化に対応するものとして、偏光フィルムの片面にのみ保護フィルムが貼合された偏光板が開発されている(特許文献1)。この偏光板は、偏光フィルムの保護フィルムとは反対側の表面に直接粘着剤が付設され、粘着剤側で液晶セルなどに積層される。この偏光板は、薄型化は達成されたものの、液晶セルから粘着剤層ごと剥離する、いわゆるリワークの際に、偏光板に破断が生じるなどの不具合があった。
特開2001−194528号公報
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、偏光板を適用した液晶表示装置から偏光板を剥がす際、偏光板に破断を起こすことなく剥離できる偏光板を提供することにある。
本発明は、以下を含む。
[1]偏光フィルムと保護フィルムとを備える偏光板であって、
前記偏光フィルムは、厚さが15μm以下であり、且つ、単位膜厚あたりの突刺し強度が4.5g/μm以上であり、
前記保護フィルムの破断強度が50MPa以上であることを特徴とする偏光板。
[2]前記保護フィルムは、シクロオレフィン系樹脂フィルム、セルロース系樹脂フィル
ム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエステル系
樹脂フィルム、及びアクリル系樹脂フィルムからなる群より選択された少なくとも一層の
フィルムである[1]に記載の偏光板。
[3]前記保護フィルムは、その面内位相差値が200nm以下である[1]又は[2]
に記載の偏光板。
[4]前記偏光フィルムは、その片面に前記保護フィルムが積層され、他方の面に光学層
が積層されている[1]〜[3]のいずれかに記載の偏光板。
[5]前記光学層は、少なくとも片面に表面処理層を有する[4]に記載の偏光板。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の偏光板の、前記保護フィルム表面に粘着剤層が
形成されている粘着剤付き偏光板であって、
前記粘着剤層は、前記偏光板を幅25mm×長さ150mmに裁断し、粘着剤層を介し
てガラス板に積層し、垂直引張り方向から45°傾けた状態で180°ピール試験を行っ
たときの剥離力が10N/25mm以下であることを特徴とする粘着剤付き偏光板。
[7][6]に記載の粘着剤付き偏光板を、液晶セルの少なくとも片面に積層することを
特徴とする液晶表示装置。
本発明によれば、偏光板を粘着剤層又は接着剤層で液晶セルに積層した後、粘着剤層又は接着剤層と液晶セルとの界面で剥離する工程(リワーク工程)において、偏光板に生じる破断が抑制される。したがって、偏光板の破断に起因するリワーク不良(液晶セル表面に偏光板の小片が残る、など)を防ぐことができるため、液晶セルを再利用することができる。
本発明の液晶表示装置の好ましい構成例を示した断面模式図である。 粘着剤層の剥離力を測定する方法を示した模式図である。
[偏光板]
本発明の偏光板は、図1を参照して、偏光フィルム1と保護フィルム3と備えるものであって、偏光フィルム1の厚さが15μm以下で、且つ、単位膜厚あたりの突刺し強度が4.5gf/μm以上であり、保護フィルム3の破断強度が50MPa以上であることを特徴とする。偏光フィルム1は、保護フィルム3との貼合面とは反対側の表面に、さらに別の保護フィルム(第2保護フィルム)5を積層してもよい。偏光フィルムの単位膜厚あたりの突刺し強度が4.5gf/μm未満であると、偏光板を粘着剤層又は接着剤層でガラス等の被着体に貼合した後、偏光板を粘着剤層又は接着剤層ごと被着体から剥離する際、偏光板又は偏光フィルムに破断が生じる傾向にある。また、保護フィルムの破断強度が50MPa未満である場合にも、同様の場合に偏光板又は偏光フィルムに破断が生じる傾向がある。
(1)偏光フィルム
偏光フィルムは、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂層に二色性色素を吸着配向させたものであることができる。偏光フィルムは通常、厚さが20μm以下であると偏光板の薄膜化を実現することができる。本発明では、厚さ15μm以下の偏光フィルムを採用するが、偏光フィルムの厚さは好ましくは8μm以下である。また通常偏光フィルムの厚さは2μm以上である。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体が例示される。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸、オレフィン、ビニルエーテル、不飽和スルホン酸、アンモニウム基を有するアクリルアミドなどが挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、80モル%以上の範囲であることができるが、好ましくは90〜99.5モル%の範囲であり、より好ましくは94〜99モル%の範囲である。ポリビニルアルコール系樹脂は、一部が変性されている変性ポリビニルアルコールであってもよく、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂をエチレン及びプロピレン等のオレフィン;アクリル酸、メタクリル酸及びクロトン酸等の不飽和カルボン酸;不飽和カルボン酸のアルキルエステル、アクリルアミドなどで変性したものが挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、好ましくは100〜10000であり、より好ましくは1500〜8000であり、さらに好ましくは2000〜5000である。
偏光フィルムに含有(吸着配向)される二色性色素は、ヨウ素又は二色性有機染料であることができ、従来公知のものを使用することができる。二色性色素は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明では、偏光フィルムの厚さが15μm以下であり、かつ偏光フィルムが吸収軸方向に裂けたときの単位膜厚あたりの突刺し強度が4.5gf/μm以上であることが重要となる。単位膜厚あたりの突刺し強度は、偏光フィルムを製造する際の延伸倍率を下げることにより、高くすることができる。単位膜厚あたりの突刺し強度が4.5gf/μm未満であると、偏光フィルムの割れが発生する割合が高くなる傾向や、発生する割れの長さが長くなる傾向にある。
偏光板は、単位膜厚あたりの突刺し強度が4.5gf/μm以上である偏光フィルムを採用することによって、偏光フィルム自体の強度が高いため、薄肉の偏光フィルムに微小欠陥があった場合でも割れが生じるのを抑制することができる。単位膜厚あたりの突刺し強度は、5.0gf/μm以上であるのが好ましく、5.5gf/μm以上であるのがより好ましく、7.0gf/μm以上であってもよい。上限は特に限定されないが、偏光子に良好な光学特性を付与できるという点で15gf/μm以下であることが好ましく、10gf/μm以下であることがより好ましい。
突刺し強度は、偏光フィルムを治具に固定して法線方向から突刺していき、吸収軸方向に裂けた際の強度を測定することにより求められ、例えば、ロードセルを備えた圧縮試験機で測定することができる。圧縮試験機の例としては、カトーテック株式会社製のハンディー圧縮試験器“KES-G5型”、株式会社島津製作所製の小型卓上試験機“EZ Test”などが挙げられる。
突刺し強度の測定は、例えば、突刺し治具が通過することができる直径15mm以下の円形の穴の開いた2枚のサンプル台の間に偏光フィルムを挟んで行われる。突刺し治具は、円柱状の棒であり、その偏光フィルムに接する先端が球形又は半球形である突刺し針を備えることが好ましい。先端の球形部又は半球形部は、直径が0.5mmφ以上であり、5mmφ以下であることが好ましく、また、その曲率半径が0Rよりも大きく、0.7Rよりも小さいことが好ましい。圧縮試験機の突刺し速度は、0.05cm/秒以上であり、0.5cm/秒以下であることが好ましい。
突刺し強度の測定は、この試験片を治具に固定して法線方向から突刺していき、延伸方向(吸収軸方向)と水平に、一か所裂けた際の強度を測定すればよい。測定は、5個以上の偏光フィルムの試験片について行い、その平均値を突刺し強度として求めることができる。測定された突刺し強度を、測定に使用した偏光フィルムの膜厚で除することにより、単位膜厚あたりの突刺し強度を算出することができる。この方法では、偏光フィルムを透過軸方向に引っ張り吸収軸方向に裂けた際の破断強度を定量的に測定することができるため、これまでは偏光フィルムが裂けやすいために測定できなかった透過軸方向の強度を測定することができる。
(2)保護フィルム
上記の偏光フィルムの少なくとも片面に、保護フィルムが積層される。この保護フィルムは、熱可塑性樹脂から構成される透明樹脂フィルムであることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂を例とする鎖状ポリオレフィン系樹脂及び環状ポリオレフィン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂;セルローストリアセテート及びセルロースジアセテート等のセルロースエステル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及びポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;又はこれらの混合物、共重合物などが挙げられる。
環状ポリオレフィン系樹脂は通常、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、例えば、特開平1-240517号公報、特開平3-14882号公報、特開平3-122137号公報などに記載されている樹脂が挙げられる。環状ポリオレフィン系樹脂の具体例を挙げれば、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、エチレン及びプロピレン等の鎖状オレフィンと環状オレフィンとの共重合体(代表的にはランダム共重合体)、及びこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、並びにそれらの水素化物等である。中でも、環状オレフィンとしてノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等のノルボルネン系モノマーを用いたノルボルネン系樹脂が好ましく用いられる。
環状ポリオレフィン系樹脂は種々の製品が市販されている。環状ポリオレフィン系樹脂の市販品の例としては、いずれも商品名で、TOPAS ADVANCED POLYMERS GmbHにて生産され、日本ではポリプラスチックス株式会社から販売されている“TOPAS”(登録商標)、JSR株式会社から販売されている“アートン”(登録商標)、日本ゼオン株式会社から販売されている“ゼオノア”(登録商標)及び“ゼオネックス”(登録商標)、三井化学株式会社から販売されている“アペル”(登録商標)などがある。
また、製膜された環状ポリオレフィン系樹脂フィルムの市販品を保護フィルムとして用いてもよい。市販品の例としては、いずれも商品名で、JSR株式会社から販売されている“アートンフィルム”(「アートン」は同社の登録商標)、積水化学工業株式会社から販売されている“エスシーナ”(登録商標)及び“SCA40”、日本ゼオン株式会社から販売されている“ゼオノアフィルム”(登録商標)などが挙げられる。
セルロースエステル系樹脂は通常、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリプロピオネート、セルロースジプロピオネートなどが挙げられる。また、これらの共重合させたものや、水酸基の一部が他の置換基で修飾されたものを用いることもできる。これらの中でも、セルローストリアセテート(トリアセチルセルロース:TAC)が特に好ましい。セルローストリアセテートは多くの製品が市販されており、入手容易性やコストの点でも有利である。セルローストリアセテートの市販品の例は、いずれも商品名で、富士フイルム株式会社から販売されている“フジタック(登録商標) TD80 ”、“フジタック(登録商標) TD80UF”、“フジタック(登録商標) TD80UZ”及び“フジタック(登録商標) TD40UZ”、コニカミノルタ株式会社製のTACフィルム“KC8UX2M”、“KC2UA”及び“KC4UY”などがある。
保護フィルムは、位相差フィルムの如き光学機能を併せ持つフィルムであることもできる。位相差フィルムは、例えば、透明樹脂フィルムを延伸(一軸延伸又は二軸延伸など)したり、保護フィルム上に液晶層などを形成したりすることで、任意の位相差値が付与される。この場合、保護フィルムの面内位相差値は、適用される液晶セルの種類に合わせて適宜設定すればよいが、例えば、200nm以下とすることができる。面内位相差値は、好ましくは、150nm以下、より好ましくは100nm以下、さらに好ましくは50nm以下である。面内の位相差値が200nm超の場合はフィルムの一軸性が強くなり、延伸方向に沿って裂け易くなる場合がある。
保護フィルムは、偏光フィルムとは反対側の表面には、ケン化処理、コロナ処理、プライマー処理、アンカーコーティング処理などの易接着処理が施されてもよい。これらの処理は、公知の方法で行うことができる。
本発明において、液晶セルに貼合するための粘着剤層を設けた保護フィルムの破断強度は50MPa以上である。破断強度の上限は特に制限されないが、通常500MPa以下であり、好ましくは200MPa以下であり、より好ましくは100MPa以下である。
さらに偏光板の薄膜化という観点から、保護フィルムの厚みは薄いほど好ましいが(例えば30μm以下であり、好ましくは20μm以下である。)、このような薄膜の保護フィルムにおいても効果的に偏光板又は偏光フィルムの破断を抑制するために、保護フィルムの単位膜厚あたりの破断強度は3.5MPa/μm以上であることが好ましく、4.0MPa/μm以上であることが好ましく、5.0MPa/μm以上であることがより好ましい。上限は特に制限されないが、保護フィルムの単位膜厚あたりの破断強度は通常15MPa/μm以下であり、好ましくは10MPa/μm以下である。
偏光フィルムは、その片面に上記した保護フィルム(第1保護フィルム)を積層し、他方の面に別の保護フィルム(第2保護フィルム)を積層することができる。この場合、第2保護フィルムとしては、第1保護フィルムと同様の樹脂フィルムを採用してもよいし、他の光学層を積層してもよい。第2保護フィルムが樹脂フィルムである場合、第1保護フィルム及び第2保護フィルムは、互いに同一のフィルムであってもよいし、異なるフィルムであってもよい。
第2保護フィルムを構成する光学層としては、例えば、前面板、輝度向上フィルム、硬化性樹脂層などが挙げられる。前面板としては、例えば、ガラス、ガラス代替層(プラスチック、樹脂硬化物など)が挙げられる。輝度向上フィルムとしては、屈折率差を有する2種以上の材料による2層以上の多層薄膜積層体、ビームスプリッターなどに用いられる屈折率の異なる蒸着多層薄膜、複屈折を有する2種以上の材料による2層以上の複屈折層多層薄膜積層体、複屈折を有する2種以上の樹脂を用いた2層以上の樹脂積層体を延伸したものなどが挙げられる。硬化性樹脂層としては、例えば、活性エネルギー線硬化性化合物の硬化物が挙げられる。活性エネルギー線硬化性化合物とは、例えば、紫外線、可視光、電子線及びX線等の活性エネルギー線の照射により硬化し得る化合物を意味する。活性エネルギー線硬化性化合物は、カチオン重合性化合物を含むものであってもよいし、ラジカル重合性化合物を含むものであってもよいし、これら双方を含むものであってもよい。
光学層は、偏光フィルムが積層された面とは反対側の面に表面処理層を有することが好ましい。表面処理層としては、例えば、ハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層及び防汚層等の表面処理層(コーティング層)などが挙げられる。
第1保護フィルム及び第2保護フィルムの厚さは、偏光板の薄膜化の観点から薄いことが好ましいが、薄すぎると強度が低下して加工性に劣る。したがって、第1保護フィルム及び第2保護フィルムの厚さは、5〜90μm以下が好ましく、より好ましくは60μm以下、さらに好ましくは30μm以下であり、特に好ましくは20μm以下である。
(3)接着剤層
偏光フィルムと第1保護フィルムとの積層及び偏光フィルムと第2保護フィルムとの積層は、それぞれ接着剤層又は粘着剤層を介して行われる。粘着剤層としては、液晶セルに貼合するために偏光板に配設される後述の粘着剤層と同様の粘着剤層が挙げられる。保護フィルムと偏光フィルムとを積層するための粘着剤層と、液晶セルに貼合するために偏光板に配設される後述の粘着剤層とは同一の粘着剤層であってもよいし、異なっていてもよい。接着剤層を形成する接着剤としては、紫外線、可視光、電子線、X線などの活性エネルギー線の照射によって硬化し得る活性エネルギー線硬化性接着剤、接着剤成分を水に溶解したもの又は水に分散させた水系接着剤などが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性接着剤を採用する場合、接着剤層は、その硬化物層となる。接着剤としては、カチオン重合によって硬化するエポキシ系化合物を硬化性成分とする活性エネルギー線硬化性接着剤がより好ましく、エポキシ系化合物を硬化性成分とする紫外線硬化性接着剤がさらに好ましい。ここでいうエポキシ系化合物とは、分子内に平均1個以上、好ましくは2個以上のエポキシ基を有する化合物を意味する。エポキシ系化合物は、1種のみを単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を併用してもよい。
好適に使用できるエポキシ系化合物の例は、芳香族ポリオールの芳香環に水素化反応を行って得られる脂環式ポリオールに、エピクロロヒドリンを反応させることにより得られる水素化エポキシ系化合物(脂環式環を有するポリオールのグリシジルエーテル);脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ系化合物;脂環式環に結合したエポキシ基を分子内に1個以上有するエポキシ系化合物である脂環式エポキシ系化合物を含む。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、硬化性成分としてラジカル重合性である(メタ)アクリル系化合物をさらに含有することもできる。(メタ)アクリル系化合物としては、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートモノマー;官能基含有化合物を2種以上反応させて得られ、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートオリゴマー等の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物を挙げることができる。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、カチオン重合によって硬化するエポキシ系化合物を硬化性成分として含む場合、光カチオン重合開始剤を含有することが好ましい。光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩;芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩;鉄−アレーン錯体などを挙げることができる。また、活性エネルギー線硬化性接着剤が(メタ)アクリル系化合物等のラジカル重合性硬化性成分を含有する場合は、光ラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、ベンゾインエーテル系開始剤、チオキサントン系開始剤、キサントン、フルオレノン、カンファーキノン、ベンズアルデヒド、アントラキノンなどが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、必要に応じて、オキセタン、ポリオール等のカチオン重合促進剤、光増感剤、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤、帯電防止剤、レベリング剤、溶剤等の添加剤を含有することができる。
活性エネルギー線硬化性接着剤から形成される接着剤層の厚さは、例えば、0.01〜10μm程度であり、好ましくは0.01〜5μm程度であり、より好ましくは2μm以下(さらに好ましくは1μm以下)である。
水系接着剤としては、例えば、主成分としてポリビニルアルコール系樹脂又はウレタン樹脂を用いた接着剤組成物が好ましい。水系接着剤から形成される接着剤層の厚さは、通常、1μm以下である。
接着剤の主成分としてポリビニルアルコール系樹脂を用いる場合、当該ポリビニルアルコール系樹脂は、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコールのほか、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、メチロール基変性ポリビニルアルコール及びアミノ基変性ポリビニルアルコール等の変性されたポリビニルアルコール系樹脂であってもよい。ポリビニルアルコール系樹脂は、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるポリビニルアルコール系共重合体であってもよい。
ポリビニルアルコール系樹脂を接着剤成分とする水系接着剤は通常、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液である。接着剤中のポリビニルアルコール系樹脂の濃度は、水100重量部に対して、通常1〜10重量部、好ましくは5重量部以下である。
ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液で構成される接着剤には、接着性を向上させるために、多価アルデヒド、メラミン系化合物、ジルコニア化合物、亜鉛化合物、グリオキザール及び水溶性エポキシ樹脂等の硬化性成分や架橋剤を添加することが好ましい。水溶性エポキシ樹脂としては、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアルキレンポリアミンと、アジピン酸等のジカルボン酸との反応で得られるポリアミドアミンに、エピクロロヒドリンを反応させて得られるポリアミドポリアミンエポキシ樹脂を好適に用いることができる。かかるポリアミドポリアミンエポキシ樹脂の市販品としては、田岡化学工業株式会社製の“スミレーズレジン(登録商標) 650”及び“スミレーズレジン(登録商標) 675”、星光PMC株式会社製の“WS−525”などが挙げられる。これら硬化性成分や架橋剤の添加量(硬化性成分及び架橋剤として共に添加する場合にはその合計量)は、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対し、通常1〜100重量部、好ましくは1〜50重量部である。上記硬化性成分や架橋剤の添加量がポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して1重量部未満である場合には、接着性向上の効果が小さくなる傾向にあり、また上記硬化性成分や架橋剤の添加量がポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して100重量部を超える場合には、接着剤層が脆くなる傾向にある。
また、接着剤の主成分としてウレタン樹脂を用いる場合、適当な接着剤組成物の例として、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とグリシジルオキシ基を有する化合物との混合物を挙げることができる。ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とは、ポリエステル骨格を有するウレタン樹脂であって、その中に少量のイオン性成分(親水成分)が導入されたものである。かかるアイオノマー型ウレタン樹脂は、乳化剤を使用せずに直接、水中で乳化してエマルジョンとなるため、水系の接着剤として好適である。
[偏光板の製造方法]
偏光板は、例えば次の方法によって製造することができる。
〔a〕偏光フィルムとしての偏光性能を有するポリビニルアルコール系樹脂フィルム(以下、「偏光フィルム」ともいう)を単層フィルムとして、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムから作製し、その片面又は両面に保護フィルムを貼合する方法。
〔b〕基材フィルムの少なくとも片面にポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液を塗工することによってポリビニルアルコール系樹脂層を形成した後、得られた積層フィルムに所定の処理を施してポリビニルアルコール系樹脂層を偏光フィルムとし、得られた偏光性積層フィルムに保護フィルムを貼合した後、基材フィルムを剥離する方法。この方法では、基材フィルムを剥離した後、他方の面にも保護フィルムを貼合してもよい。
(製造方法〔a〕)
製造方法〔a〕では、上述したポリビニルアルコール系樹脂を製膜してなるポリビニルアルコール系樹脂フィルムを出発原料として偏光フィルムを作製することができる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、例えば、溶融押出法、溶剤キャスト法など、公知の方法を採用することができる。未延伸のポリビニルアルコール系樹脂フィルムの厚さは、例えば10〜150μm程度である。
製造方法〔a〕は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程;ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより、二色性色素を吸着させる工程;二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程;及び、ホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を備えることができる。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、二色性色素の染色前、染色と同時又は染色の後に行うことができる。一軸延伸を染色の後で行う場合、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前又はホウ酸処理中に行ってもよい。また、これらの複数の段階で一軸延伸を行ってもよい。
一軸延伸は、周速の異なるロール間で行ってもよいし、熱ロールを使用して行ってもよい。また、一軸延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤を用いてポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は通常、3〜17倍程度であり、好ましくは4倍以上、また好ましくは8倍以下である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色する方法としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素が含有された水溶液(染色溶液)に浸漬する方法が採用される。ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水への浸漬処理(膨潤処理)を施しておくことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は、通常、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この染色水溶液におけるヨウ素の含有量は通常、水100重量部あたり0.01〜1重量部程度である。また、ヨウ化カリウムの含有量は通常、水100重量部あたり0.5〜20重量部程度である。染色水溶液の温度は通常、20〜40℃程度である。また、染色水溶液への浸漬時間(染色時間)は通常、20〜1800秒程度である。
一方、二色性色素として二色性有機染料を用いる場合は、通常、水溶性の二色性有機染料を含む染色水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。染色水溶液における二色性有機染料の含有量は通常、水100重量部あたり1×10-4〜10重量部程度であり、1×10-3〜1重量部程度が好ましい。この染色水溶液は、硫酸ナトリウム等の無機塩を染色助剤として含有していてもよい。染色水溶液の温度は通常、20〜80℃程度である。また、染色水溶液への浸漬時間(染色時間)は通常、10〜1800秒程度である。
二色性色素による染色後のホウ酸処理は、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液に浸漬することにより行うことができる。
ホウ酸水溶液におけるホウ酸の量は通常、水100重量部あたり、2〜15重量部程度であり、5〜12重量部が好ましい。二色性色素としてヨウ素を用いる場合には、このホウ酸水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましい。ホウ酸水溶液におけるヨウ化カリウムの量は通常、水100重量部あたり、0.1〜15重量部程度であり、5〜12重量部程度が好ましい。ホウ酸水溶液には、pH調整剤として、硫酸、塩酸、酢酸、アスコルビン酸などを添加してもよい。ホウ酸水溶液への浸漬時間は通常、60〜1200秒程度であり、150〜600秒程度が好ましく、200〜400秒程度がより好ましい。ホウ酸水溶液の温度は通常、50℃以上であり、50〜85℃が好ましく、60〜80℃がより好ましい。
ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは通常、水洗処理される。水洗処理は、例えば、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬することにより行うことができる。水洗処理における水の温度は通常、5〜40℃程度である。また、浸漬時間は通常、1〜120秒程度である。
水洗後は乾燥処理が施されて、偏光フィルムが得られる。乾燥処理は、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行うことができる。乾燥処理の温度は通常、30〜100℃程度であり、50〜80℃が好ましい。乾燥処理の時間は通常、60〜600秒程度であり、120〜600秒が好ましい。
乾燥処理によって、偏光フィルムの水分率は実用程度にまで低減される。その水分率は通常、5〜20重量%であり、8〜15重量%が好ましい。水分率が5重量%を下回ると、偏光フィルムの可撓性が失われ、偏光フィルムがその乾燥後に損傷したり、破断したりする場合がある。また、水分率が20重量%を上回ると、偏光フィルムの熱安定性に劣る場合がある。
上記偏光フィルムの少なくとも片面に、接着剤を用いて第1保護フィルムが貼合され、接着剤を硬化させて偏光板を製造することができる。必要により、偏光フィルムの他方の面には、第2保護フィルムを貼合してもよい。
偏光フィルムに活性エネルギー線硬化性接着剤や水系接着剤や粘着剤を用いて第1保護フィルム及び第2保護フィルムを貼合する方法として、貼合される2枚のフィルムの一方又は両方の貼合面に接着剤又は粘着剤を塗工し、その接着剤層又は粘着剤層を介して2枚のフィルムを重ね合わせる方法を挙げることができる。接着剤又は粘着剤の塗工には、例えば流延法、マイヤーバーコート法、グラビアコート法、カンマコーター法、ドクターブレード法、ダイコート法、ディップコート法、噴霧法などを採用することができる。流延法とは、貼合対象のフィルムを、概ね垂直方向、概ね水平方向、又は両者の間の斜め方向に移動させながら、その表面に接着剤を流下して拡布させる方法である。接着剤層を介して重ね合わせてなるフィルム積層体は通常、ニップロール(貼合ロール)などに通して上下から押圧される。
偏光フィルムに保護フィルムを貼合するにあたり、保護フィルム及び/又は偏光フィルムの貼合面には、接着性を向上させるために、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理及びケン化処理等の易接着処理を行うことができ、中でも、プラズマ処理、コロナ処理又はケン化処理を行うことが好ましい。例えば保護フィルムが環状ポリオレフィン系樹脂からなる場合には通常、保護フィルムの貼合面にプラズマ処理やコロナ処理が施される。また、保護フィルムがセルロースエステル系樹脂からなる場合には通常、保護フィルムの貼合面にケン化処理が施される。ケン化処理としては、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等のアルカリ水溶液に浸漬する方法が挙げられる。
水系接着剤を使用した場合は、上述のフィルムを貼合した後、水系接着剤からなる接着剤層中に含まれる水を除去するためにフィルム積層体を乾燥させる乾燥工程を実施することが好ましい。乾燥は、例えばフィルム積層体を乾燥炉に導入することによって行うことができる。乾燥温度(乾燥炉の温度)は、好ましくは30〜90℃である。30℃未満であると、保護フィルムが偏光フィルムから剥離しやすくなる傾向がある。また乾燥温度が90℃を超えると、熱によって偏光フィルムの偏光性能が劣化するおそれがある。乾燥時間は10〜1000秒程度とすることができ、生産性の観点からは、好ましくは60〜750秒、より好ましくは150〜600秒である。
乾燥工程後、偏光板は、室温又はそれよりやや高い温度、例えば20〜45℃程度の温度で12〜600時間程度養生する養生工程を設けてもよい。養生温度は、乾燥温度よりも低く設定されるのが一般的である。
活性エネルギー線硬化性接着剤を使用した場合は、上述のフィルムを貼合した後、活性エネルギー線硬化性接着剤からなる接着剤層を硬化させる硬化工程を実施する。当該接着剤層の硬化は、フィルム積層体に対して活性エネルギー線を照射することにより行うことができる。活性エネルギー線は通常、第1保護フィルム側から照射される。活性エネルギー線は、好ましくは紫外線である。
活性エネルギー線の光源は特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する活性エネルギー線が好ましく、具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプなどが好ましく用いられる。
活性エネルギー線硬化性接着剤からなる接着剤層への活性エネルギー線照射強度は、接着剤の組成によって適宜決定されるが、重合開始剤の活性化に有効な波長領域の照射強度が0.1〜6000mW/cmとなるように設定されることが好ましい。照射強度が0.1mW/cm以上である場合、反応時間が長くなりすぎず、6000mW/cm以下である場合、光源から輻射される熱及び活性エネルギー線硬化性接着剤の硬化時の発熱による接着剤層の黄変や偏光フィルムの劣化を生じるおそれが少ない。
活性エネルギー線の照射時間についても、接着剤の組成によって適宜決定されるが、上記照射強度と照射時間との積として表される積算光量が10〜10000mJ/cmとなるように設定されることが好ましい。積算光量が10mJ/cm以上であると、重合開始剤由来の活性種を十分量発生させて硬化反応をより確実に進行させることができ、10000mJ/cm以下であると、照射時間が長くなりすぎず、良好な生産性を維持できる。
活性エネルギー線の照射は、偏光フィルムの偏光度、透過率及び色相、並びに保護フィルムの透明性等の偏光板の諸機能が低下しない条件で行うことが好ましい。
偏光フィルムに対して第1保護フィルム及び第2保護フィルムを積層させるにあたり、いずれか一方の保護フィルムを偏光フィルムに積層させた後に他方の保護フィルムを積層するようにしてもよいし、両保護フィルムを実質的に同時に偏光フィルムに積層するようにしてもよい。
(製造方法〔b〕)
製造方法〔b〕では、基材フィルムにポリビニルアルコール系樹脂をコーティングすることで偏光フィルムとなるポリビニルアルコール系樹脂層を形成することができ、例えば、樹脂層形成工程、延伸工程、染色工程、第1貼合工程及び剥離工程経て偏光板を製造することができる。この製造方法〔b〕の一例として、特許文献1に記載の方法を挙げることができる。
偏光フィルムの他方の面に第2保護フィルムを積層する場合は、剥離工程の後に、偏光フィルムの他方の面に第2保護フィルムを貼合する第2貼合工程を行えばよい。なお、両面に保護フィルムを積層する場合は、第1貼合工程で第2保護フィルムを積層し、第2貼合工程で第1保護フィルムを積層してもよい。
(樹脂層形成工程)
本工程は、基材フィルムの少なくとも片面にポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液を塗工した後、乾燥させることによりポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る工程である。このポリビニルアルコール系樹脂層は、延伸工程及び染色工程を経て偏光フィルムとなる層である。ポリビニルアルコール系樹脂層は、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液を基材フィルムの片面又は両面に塗工し、塗工層を乾燥させることにより形成することができる。このような塗工によりポリビニルアルコール系樹脂層を形成する方法は、薄膜の偏光フィルムを得やすい点で有利である。
基材フィルムは熱可塑性樹脂から構成することができ、中でも透明性、機械的強度、熱安定性、延伸性等に優れる熱可塑性樹脂から構成することが好ましい。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂及び環状ポリオレフィン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリエステル系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;セルローストリアセテート及びセルロースジアセテート等のセルロースエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;ポリスルホン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;及びこれらの混合物、共重合物などが挙げられる。
基材フィルムは、1種又は2種以上の熱可塑性樹脂からなる1つの樹脂層からなる単層構造であってもよいし、1種又は2種以上の熱可塑性樹脂からなる樹脂層を複数積層した多層構造であってもよい。
鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂等の鎖状オレフィンの単独重合体の他、2種以上の鎖状オレフィンからなる共重合体を挙げることができる。鎖状ポリオレフィン系樹脂からなる基材フィルムは、安定的に高倍率に延伸しやすい点で好ましい。中でも基材フィルムは、ポリプロピレン系樹脂(プロピレンの単独重合体であるポリプロピレン樹脂や、プロピレンを主体とする共重合体)、ポリエチレン系樹脂(エチレンの単独重合体であるポリエチレン樹脂や、エチレンを主体とする共重合体)からなることがより好ましい。
基材フィルムを構成する熱可塑性樹脂として好適に用いられる例の1つであるプロピレンを主体とする共重合体は、プロピレンとこれに共重合可能な他のモノマーとの共重合体である。プロピレンに共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、エチレン、α−オレフィンを挙げることができる。α−オレフィンとしては、炭素数4以上のα−オレフィンが好ましく用いられ、より好ましくは、炭素数4〜10のα−オレフィンである。炭素数4〜10のα−オレフィンは、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン及び1−デセン等の直鎖状モノオレフィン;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン及び4−メチル−1−ペンテン等の分岐状モノオレフィン;ビニルシクロヘキサンなどが挙げられる。プロピレンとこれに共重合可能な他のモノマーとの共重合体は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。
他のモノマーの含有量は、共重合体中、例えば0.1〜20重量%であり、好ましくは0.5〜10重量%である。共重合体中の他のモノマーの含有量は、「高分子分析ハンドブック」(1995年、紀伊国屋書店発行)の第616頁に記載されている方法に従い、赤外線(IR)スペクトル測定を行うことにより求めることができる。
上記の中でも、ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体又はプロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体が好ましく用いられる。
ポリプロピレン系樹脂の立体規則性は、実質的にアイソタクチック又はシンジオタクチックであることが好ましい。実質的にアイソタクチック又はシンジオタクチックの立体規則性を有するポリプロピレン系樹脂からなる基材フィルムは、その取扱性が比較的良好であるとともに、高温環境下における機械的強度に優れている。
ポリエステル系樹脂は、エステル結合を有する樹脂であり、多価カルボン酸又はその誘導体と多価アルコールとの重縮合体からなるものが一般的である。多価カルボン酸又はその誘導体としては2価のジカルボン酸又はその誘導体を用いることができ、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、ナフタレンジカルボン酸ジメチルなどが挙げられる。多価アルコールとしては2価のジオールを用いることができ、例えばエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。
ポリエステル系樹脂の代表例として、テレフタル酸とエチレングリコールの重縮合体であるポリエチレンテレフタレートが挙げられる。ポリエチレンテレフタレートは結晶性の樹脂であるが、結晶化処理する前の状態のものの方が、延伸などの処理を施しやすい。必要であれば、延伸時、又は延伸後の熱処理などによって結晶化処理することができる。また、ポリエチレンテレフタレートの骨格にさらに他種のモノマーを共重合することで、結晶性を下げた(もしくは、非晶性とした)共重合ポリエステルも好適に用いられる。このような樹脂の例として、例えば、シクロヘキサンジメタノールやイソフタル酸を共重合させたものなどが挙げられる。これらの樹脂も、延伸性に優れるので、好適に用いることができる。
ポリエチレンテレフタレート及びその共重合体以外のポリエステル系樹脂の具体例を挙げれば、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリシクロへキサンジメチルテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルナフタレート、及びこれらの混合物、共重合物などが挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を主な構成モノマーとする樹脂である。(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル等のポリ(メタ)アクリル酸エステル;メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体;メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体;(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂など);メタクリル酸メチルと脂環族炭化水素基を有する化合物との共重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体など)などが挙げられる。(メタ)アクリル系樹脂としては、アルキル基の炭素数が1〜6であるポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする重合体が好ましく、メタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂より好ましい。
ポリカーボネート系樹脂は、カルボナート基を介してモノマー単位が結合された重合体からなるエンジニアリングプラスチックであり、高い耐衝撃性、耐熱性、難燃性、透明性を有する樹脂である。ポリカーボネート系樹脂は、光弾性係数を下げるためにポリマー骨格を修飾したような変性ポリカーボネートと呼ばれる樹脂や、波長依存性を改良した共重合ポリカーボネートなどであってもよい。ポリカーボネート系樹脂には、適宜の市販品を使用できる。市販品の例としては、いずれも商品名で、帝人化成株式会社製の“パンライト(登録商標)”、三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製の“ユーピロン(登録商標)”、住化スタイロンポリカーボネート株式会社製の“SDポリカ(登録商標)”、ダウ・ケミカル社製の“カリバー(登録商標)”などが挙げられる。
以上の中でも、延伸性や耐熱性などの観点から、ポリプロピレン系樹脂が好ましく用いられる。
基材フィルムとして使用する環状ポリオレフィン系樹脂及びセルロースエステル系樹脂については、保護フィルムについて記述した事項が引用される。また、基材フィルムに関連して上で記述した鎖状ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂及びポリカーボネート系樹脂は、保護フィルムの構成材料としても使用できる。
基材フィルムには、上記の熱可塑性樹脂の他に、任意の適切な添加剤が添加されていてもよい。このような添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、着色剤などが挙げられる。
基材フィルムの厚さは適宜に決定し得るが、一般には強度や取扱性等の作業性の点から1〜500μmが好ましく、300μm以下がより好ましく、さらには200μm以下が好ましく、5〜150μmが最も好ましい。
基材フィルムの引張り弾性率は、80℃において100MPa〜1500MPaであるのが好ましく、140MPa〜1000MPaであるのがより好ましく、150MPa〜500MPaであるのがさらに好ましい。引張り弾性率が小さすぎると延伸加工時に基材フィルムの硬さが足りずシワなどの欠陥発生が生じやすくなり、高すぎると延伸における加工性が悪くなる。
基材フィルム上に塗工されるポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液は、好ましくはポリビニルアルコール系樹脂の粉末を良溶媒(例えば水)に溶解させて得られるポリビニルアルコール系樹脂溶液である。塗工液は、必要に応じ、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を含有していてもよい。可塑剤としては、ポリオール又はその縮合物などを用いることができ、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどがある。添加剤の配合量は、ポリビニルアルコール系樹脂の20重量%以下とするのが好適である。
塗工液を基材フィルム上に塗工する方法は、ワイヤーバーコーティング法;リバースコーティング及びグラビアコーティング等のロールコーティング法;ダイコート法;カンマコート法;リップコート法;スピンコーティング法;スクリーンコーティング法;ファウンテンコーティング法;ディッピング法;スプレー法など公知の方法から適宜選択することができる。基材フィルムの両面に塗工液を塗工する場合、上述の方法を用いて片面ずつ順番に行うこともできるし、ディッピング法やスプレーコート法やその他の特殊な装置を用いて、基材フィルムの両面に同時に塗工することもできる。
塗工層(乾燥前のポリビニルアルコール系樹脂層)の乾燥温度及び乾燥時間は、塗工液に含まれる溶媒の種類に応じて設定される。乾燥温度は、例えば50〜200℃であり、好ましくは60〜150℃である。溶媒が水を含む場合、乾燥温度は80℃以上であることが好ましい。乾燥時間は、例えば2〜20分である。
ポリビニルアルコール系樹脂層は、基材フィルムの片面のみに形成してもよいし、両面に形成してもよい。両面に形成すると偏光性積層フィルムの製造時に発生し得るフィルムのカールを抑制できるとともに、1枚の偏光性積層フィルムから2枚の偏光板を得ることができるので、偏光板の生産効率の面でも有利である。
積層フィルムにおけるポリビニルアルコール系樹脂層の厚さは、3〜60μmであることが好ましく、3〜30μmであることがより好ましく、5〜20μmであることがさらに好ましい。この範囲内であると、二色性色素の染色性が良好で偏光性能に優れ、かつ十分に厚さの小さい偏光フィルムを得ることができる。ポリビニルアルコール系樹脂層の厚さが60μmを超えると、偏光フィルムの厚さが20μmを超えることがあり、またポリビニルアルコール系樹脂層の厚さが3μm未満であると、延伸後に薄くなりすぎて染色性が悪化する傾向にある。
塗工液の塗工に先立ち、基材フィルムとポリビニルアルコール系樹脂層との密着性を向上させるために、少なくともポリビニルアルコール系樹脂層が形成される側の基材フィルムの表面に、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム(火炎)処理などを施してもよい。
また、塗工液の塗工に先立ち、基材フィルムとポリビニルアルコール系樹脂層との密着性を向上させるために、基材フィルム上にプライマー層や接着剤層を介してポリビニルアルコール系樹脂層を形成してもよい。
プライマー層は、プライマー層形成用塗工液を基材フィルムの表面に塗工した後、乾燥させることにより形成することができる。プライマー層形成用塗工液は、基材フィルムとポリビニルアルコール系樹脂層との両方にある程度強い密着力を発揮する成分を含むことが好ましい。プライマー層形成用塗工液は通常、このような樹脂成分と溶媒とを含有する。樹脂成分としては、好ましくは透明性、熱安定性、延伸性などに優れる熱可塑樹脂が用いられ、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などが挙げられる。中でも、良好な密着力を与えるポリビニルアルコール系樹脂が好ましく用いられる。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂及びその誘導体が挙げられる。ポリビニルアルコール樹脂の誘導体としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタールなどのほか、ポリビニルアルコール樹脂を、エチレン及びプロピレン等のオレフィンで変性したもの;アクリル酸、メタクリル酸及びクロトン酸等の不飽和カルボン酸で変性したもの;不飽和カルボン酸のアルキルエステルで変性したもの;アクリルアミドで変性したものなどが挙げられる。上述のポリビニルアルコール系樹脂の中でも、ポリビニルアルコール樹脂を用いることが好ましい。
溶媒としては通常、樹脂成分を溶解できる一般的な有機溶媒や水系溶媒が用いられる。溶媒の例を挙げれば、例えば、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン;酢酸エチル及び酢酸イソブチル等のエステル;塩化メチレン、トリクロロエチレン及びクロロホルム等の塩素化炭化水素;エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール及び1−ブタノール等のアルコールである。ただし、有機溶媒を含むプライマー層形成用塗工液を用いてプライマー層を形成すると、基材フィルムを溶解させてしまうこともあるので、基材フィルムの溶解性も考慮して溶媒を選択することが好ましい。環境への影響をも考慮すると、水を溶媒とする塗工液からプライマー層を形成することが好ましい。
プライマー層形成用塗工液には、プライマー層の強度を上げるために架橋剤を添加してもよい。架橋剤は、使用する熱可塑性樹脂の種類に応じて、有機系、無機系など公知のものの中から適切なものを適宜選択する。架橋剤の例としては、エポキシ系、イソシアネート系、ジアルデヒド系、金属系の架橋剤などが挙げられる。
エポキシ系架橋剤としては、一液硬化型、二液硬化型のいずれも用いることができ、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジ−又はトリ−グリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミンなどが挙げられる。
イソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン−トリレンジイソシアネートアダクト、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタン)トリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、及びこれらのケトオキシムブロック物又はフェノールブロック物などが挙げられる。
ジアルデヒド系架橋剤としては、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、マレインジアルデヒド、フタルジアルデヒドなどが挙げられる。
金属系架橋剤としては、例えば、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、有機金属化合物が挙げられる。金属塩、金属酸化物、金属水酸化物としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、ニッケル、ジルコニウム、チタン、珪素、ホウ素、亜鉛、銅、バナジウム、クロム及びスズ等の二価以上の原子価を有する金属の塩、酸化物及び水酸化物が挙げられる。
有機金属化合物とは、金属原子に直接有機基が結合しているか、又は、酸素原子や窒素原子などを介して有機基が結合している構造を分子内に少なくとも1個有する化合物である。有機基とは、少なくとも炭素元素を含む一価又は多価の基を意味し、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アシル基などであることができる。また結合とは、共有結合だけを意味するものではなく、キレート状化合物のような配位による配位結合であってもよい。
有機金属化合物の好適な例は、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機珪素化合物を含む。有機金属化合物は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機チタン化合物としては、例えば、テトラノルマルブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート及びテトラメチルチタネート等のチタンオルソエステル;チタンアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート、ポリチタンアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート及びチタンエチルアセトアセテート等のチタンキレート;ポリヒドロキシチタンステアレート等のチタンアシレートなどが挙げられる。
有機ジルコニウム化合物としては、例えば、ジルコニウムノルマルプロピオネート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムモノアセチルアセトナート、ジルコニウムビスアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナートビスエチルアセトアセテートなどが挙げられる。
有機アルミニウム化合物としては、例えば、アルミニウムアセチルアセトナート、アルミニウム有機酸キレートなどが挙げられる。有機珪素化合物としては、例えば、先に有機チタン化合物及び有機ジルコニウム化合物において例示した配位子が珪素に結合した化合物が挙げられる。
以上の架橋剤(低分子系架橋剤)の他にも、メチロール化メラミン樹脂、ポリアミドエポキシ樹脂等の高分子系架橋剤を用いることもできる。ポリアミドエポキシ樹脂の市販品の例を挙げれば、それぞれ商品名で、田岡化学工業株式会社から販売されている“スミレーズレジン(登録商標) 650(30)”や“スミレーズレジン(登録商標) 675”などがある。
プライマー層をポリビニルアルコール系樹脂から形成する場合は、ポリアミドエポキシ樹脂、メチロール化メラミン樹脂、ジアルデヒド系架橋剤、金属キレート化合物系架橋剤などが、架橋剤として好適に用いられる。
プライマー層形成用塗工液中の樹脂成分と架橋剤の割合は、樹脂成分100重量部に対して、架橋剤0.1〜100重量部程度の範囲から、樹脂成分の種類や架橋剤の種類などに応じて適宜決定すればよく、とりわけ0.1〜50重量部程度の範囲から選択するのが好ましい。また、プライマー層形成用塗工液は、その固形分濃度が1〜25重量%程度となるようにするのが好ましい。
プライマー層の厚さは、0.05〜1μm程度であることが好ましく、0.1〜0.4μmであることがより好ましい。0.05μmより薄くなると、基材フィルムとポリビニルアルコール系樹脂層との密着力向上の効果が小さく、1μmより厚くなると、偏光板の薄膜化に不利である。
プライマー層形成用塗工液を基材フィルムに塗工する方法は、ポリビニルアルコール系樹脂層形成用の塗工液と同様であることができる。プライマー層は、ポリビニルアルコール系樹脂層形成用の塗工液が塗工される面(基材フィルムの片面又は両面)に塗工される。プライマー層形成用塗工液からなる塗工層の乾燥温度及び乾燥時間は塗工液に含まれる溶媒の種類に応じて設定される。乾燥温度は、例えば50〜200℃であり、好ましくは60〜150℃である。溶媒が水を含む場合、乾燥温度は80℃以上であることが好ましい。乾燥時間は、例えば30秒〜20分である。
プライマー層を設ける場合、基材フィルムへの塗工の順番は特に制約されるものではなく、例えば基材フィルムの両面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成する場合には、基材フィルムの両面にプライマー層を形成した後、両面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成してもよいし、基材フィルムの片面にプライマー層、ポリビニルアルコール系樹脂層を順に形成した後、基材フィルムの他方の面にプライマー層、ポリビニルアルコール系樹脂層を順に形成してもよい。
(延伸工程)
本工程は、基材フィルム及びポリビニルアルコール系樹脂層からなる積層フィルムに延伸処理を施し、延伸された基材フィルム及びポリビニルアルコール系樹脂層からなる延伸フィルムを得る工程である。積層フィルムの延伸倍率は、所望する偏光特性に応じて適宜選択することができるが、好ましくは、積層フィルムの元長に対して4倍超17倍以下であり、より好ましくは4倍超8倍以下である。延伸倍率が4倍以下であると、ポリビニルアルコール系樹脂層が十分に配向しないため、偏光フィルムの偏光度が十分に高くならないことがある。一方、延伸倍率が17倍を超えると、延伸時にフィルムの破断が生じ易くなるとともに、延伸フィルムの厚さが必要以上に薄くなり、後工程での加工性及び取扱性が低下するおそれがある。延伸処理は通常、一軸延伸である。
延伸処理は、一段での延伸に限定されることはなく多段で行うこともできる。この場合は、多段階の延伸処理の全てを染色工程の前に連続的に行ってもよいし、二段階目以降の延伸処理を染色工程における染色処理及び/又は架橋処理と同時に行ってもよい。このように多段で延伸処理を行う場合は、延伸処理の全段を合わせて4倍超の延伸倍率となるように延伸処理を行うことが好ましい。
延伸処理は、フィルム長手方向(フィルム搬送方向)に延伸する縦延伸であることができるほか、フィルム幅方向に延伸する横延伸又は斜め延伸などであってもよい。縦延伸方式としては、ロールを用いて延伸するロール間延伸、圧縮延伸、チャック(クリップ)を用いた延伸などが挙げられ、横延伸方式としては、テンター法などが挙げられる。延伸処理は、湿潤式延伸方法、乾式延伸方法のいずれも採用できるが、乾式延伸方法を用いる方が、延伸温度を広い範囲から選択することができる点で好ましい。
延伸温度は、ポリビニルアルコール系樹脂層及び基材フィルム全体が延伸可能な程度に流動性を示す温度以上に設定され、好ましくは基材フィルムの相転移温度(融点又はガラス転移温度)の−30℃から+30℃の範囲であり、より好ましくは−30℃から+5℃の範囲であり、さらに好ましくは−25℃から+0℃の範囲である。基材フィルムが複数の樹脂層からなる場合、相転移温度は、複数の樹脂層が示す相転移温度のうち、最も高い相転移温度を意味する。
延伸温度を相転移温度の−30℃より低くすると、4倍超の高倍率延伸が達成されにくいか、又は基材フィルムの流動性が低すぎて延伸処理が困難になる傾向にある。延伸温度が相転移温度の+30℃を超えると、基材フィルムの流動性が大きすぎて延伸が困難になる傾向にある。4倍超の高倍率延伸を行いやすいことから、延伸温度は、上記範囲内であって、さらに好ましくは120℃以上である。延伸温度が120℃以上の場合、4倍超の高倍率延伸であっても延伸処理に困難性を伴わないからである。
延伸処理は、積層フィルムを加熱しながら行ってもよい。加熱方法としては、ゾーン加熱法(例えば、熱風を吹き込み所定の温度に調整した加熱炉等の延伸ゾーン内で加熱する方法);ロールで延伸する場合、ロール自体を加熱する方法;ヒーター加熱法(赤外線ヒーター、ハロゲンヒーター、パネルヒーターなどを積層フィルムの上下に設置し、輻射熱で加熱する方法)などがある。ロール間延伸方式においては、延伸温度の均一性の観点からゾーン加熱法が好ましい。この場合、2つのニップロール対は調温した延伸ゾーン内に設置してもよく、延伸ゾーン外に設置してもよいが、積層フィルムとニップロールとの粘着を防止するために延伸ゾーン外に設置する方が好ましい。
なお、延伸温度とは、ゾーン加熱法の場合、ゾーン内(例えば加熱炉内)の雰囲気温度を意味し、ヒーター加熱法においても炉内で加熱を行う場合は炉内の雰囲気温度を意味する。また、ロール自体を加熱する方法の場合は、ロールの表面温度を意味する。
延伸工程に先立ち、積層フィルムを予熱する予熱処理工程を設けてもよい。予熱方法としては、延伸処理における加熱方法と同様の方法を用いることができる。延伸処理方式がロール間延伸である場合、予熱は、上流側のニップロールを通過する前、通過中又は通過した後のいずれのタイミングで行ってもよい。延伸処理方式が熱ロール延伸である場合には、予熱は、熱ロールを通過する前のタイミングで行うことが好ましい。延伸処理方式がチャックを用いた延伸である場合には、予熱は、チャック間距離を広げる前のタイミングで行うことが好ましい。予熱温度は、延伸温度の−50℃から±0℃の範囲であることが好ましく、延伸温度の−40℃から−10℃の範囲であることがより好ましい。
また、延伸工程における延伸処理の後に熱固定処理工程を設けてもよい。熱固定処理は、延伸フィルムの端部をクリップにより把持した状態で緊張状態に維持しながら、結晶化温度以上で熱処理を行う処理である。この熱固定処理によって、ポリビニルアルコール系樹脂層の結晶化が促進される。熱固定処理の温度は、延伸温度の−0℃〜−80℃の範囲であることが好ましく、延伸温度の−0℃〜−50℃の範囲であることがより好ましい。
(染色工程)
本工程は、延伸フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層を二色性色素で染色し、これを吸着配向させて偏光フィルムを形成することにより偏光性積層フィルムを得る工程である。本工程を経て基材フィルムの片面又は両面に偏光フィルムが積層された偏光性積層フィルムが得られる。染色工程は、二色性色素を含有する溶液(染色溶液)に延伸フィルム全体を浸漬することにより行うことができる。染色溶液としては、上記二色性色素を溶媒に溶解した溶液を使用できる。染色溶液の溶媒としては、一般的には水が使用されるが、水と相溶性のある有機溶媒がさらに添加されてもよい。染色溶液における二色性色素の濃度は、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.02〜7重量%であることがより好ましく、0.025〜5重量%であることがさらに好ましい。
二色性色素としてヨウ素を使用する場合、染色効率をより一層向上できることから、ヨウ素を含有する染色溶液にヨウ化物をさらに添加することが好ましい。ヨウ化物としては、例えばヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタンなどが挙げられる。染色溶液におけるヨウ化物の濃度は、0.01〜20重量%であることが好ましい。ヨウ化物の中でも、ヨウ化カリウムを添加することが好ましい。ヨウ化カリウムを添加する場合、ヨウ素とヨウ化カリウムとの割合は重量比で、1:5〜1:100の範囲にあることが好ましく、1:6〜1:80の範囲にあることがより好ましく、1:7〜1:70の範囲にあることがさらに好ましい。
染色溶液への延伸フィルムの浸漬時間は、通常15秒〜15分間の範囲であり、30秒〜3分間であることが好ましい。また、染色溶液の温度は、10〜60℃の範囲にあることが好ましく、20〜40℃の範囲にあることがより好ましい。
なお、染色工程中に延伸フィルムに対してさらに追加の延伸処理を施してもよい。この場合における実施態様としては、1)上記延伸工程において、目標より低い倍率で延伸処理を行った後、染色工程における染色処理中に、総延伸倍率が目標の倍率となるように延伸処理を行う態様や、後述するように、染色処理の後に架橋処理を行う場合には、2)上記延伸工程において、目標より低い倍率で延伸処理を行った後、染色工程における染色処理中に、総延伸倍率が目標の倍率に達しない程度まで延伸処理を行い、次いで最終的な総延伸倍率が目標の倍率となるように架橋処理中に延伸処理を行う態様などを挙げることができる。
染色工程は、染色処理後に実施される架橋処理工程を含むことができる。架橋処理は、架橋剤を含む溶液(架橋溶液)中に染色されたフィルムを浸漬することにより行うことができる。架橋剤としては、従来公知の物質を使用することができ、例えば、ホウ酸及びホウ砂等のホウ素化合物、グリオキザール、グルタルアルデヒドなどが挙げられる。架橋剤は1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋溶液は、具体的には架橋剤を溶媒に溶解した溶液であることができる。溶媒としては、例えば水が使用できるが、水と相溶性のある有機溶媒をさらに含んでもよい。架橋溶液における架橋剤の濃度は、1〜20重量%の範囲であることが好ましく、6〜15重量%の範囲であることがより好ましい。
架橋溶液はヨウ化物を含むことができる。ヨウ化物の添加により、偏光フィルムの面内における偏光性能をより均一化させることができる。ヨウ化物としては、例えばヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタンなどが挙げられる。架橋溶液におけるヨウ化物の濃度は、0.05〜15重量%であることが好ましく、0.5〜8重量%であることがより好ましい。
また、架橋溶液は、pH調整剤などのその他の成分を含んでいてもよい。pH調整剤として、例えば、硫酸、塩酸、酢酸、アスコルビン酸などを添加してもよい。
架橋溶液への染色されたフィルムの浸漬時間は、通常15秒〜20分間であり、30秒〜15分間であることが好ましい。また、架橋溶液の温度は、10〜90℃の範囲にあることが好ましい。
なお架橋処理は、架橋剤を染色溶液中に配合することにより、染色処理と同時に行うこともできる。また、架橋処理中に延伸処理を行ってもよい。架橋処理中に延伸処理を実施する具体的態様は上述のとおりである。
染色工程の後、後述する第1貼合工程の前に洗浄工程及び乾燥工程を行うことが好ましい。洗浄工程は通常、水洗浄工程を含む。水洗浄処理は、イオン交換水及び蒸留水等の純水に、染色処理後の又は架橋処理後のフィルムを浸漬することにより行うことができる。水洗浄温度は、通常3〜50℃、好ましくは4〜20℃の範囲である。浸漬時間は、通常2〜300秒間、好ましくは3〜240秒間である。
洗浄工程は、水洗浄工程とヨウ化物溶液による洗浄工程との組み合わせであってもよい。また、水洗浄工程及び/又はヨウ化物溶液による洗浄処理で使用する洗浄液には、水のほか、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール及びプロパノール等の液体アルコールを適宜含有させることができる。
洗浄工程の後に行われる乾燥工程としては、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥などの任意の適切な方法を採用し得る。例えば加熱乾燥の場合、乾燥温度は、通常20〜95℃であり、乾燥時間は、通常1〜15分間程度である。
(第1貼合工程)
本工程は、偏光性積層フィルムの偏光フィルム上、すなわち、偏光フィルムの基材フィルム側とは反対側の面に接着剤を介して第1保護フィルムを貼合し、貼合フィルムを得る工程である。偏光性積層フィルムが基材フィルムの両面に偏光フィルムを有する場合は通常、両面の偏光フィルム上にそれぞれ保護フィルムが貼合される。この場合、これらの保護フィルムは同種の保護フィルムであってもよいし、異種の保護フィルムであってもよい。
(剥離工程)
本工程は、第1保護フィルムを貼合して得られた貼合フィルムから基材フィルムを剥離除去して片面保護フィルム付き偏光板を得る工程である。この工程を経て、偏光フィルムの片面に第1保護フィルムが積層された片面保護フィルム付き偏光板が得られる。偏光性積層フィルムが基材フィルムの両面に偏光フィルムを有し、これら両方の偏光フィルムに保護フィルムを貼合した場合には、この剥離工程により、1枚の偏光性積層フィルムから2枚の片面保護フィルム付き偏光板が得られる。
基材フィルムを剥離除去する方法は、通常の粘着剤付き偏光板で行われるセパレータ(剥離フィルム)の剥離工程と同様の方法で剥離できる。基材フィルムは、第1貼合工程の後、そのまますぐ剥離してもよいし、第1貼合工程の後、一度ロール状に巻き取り、その後の工程で巻き出しながら剥離してもよい。
(第2貼合工程)
本工程は、片面保護フィルム付き偏光板の偏光フィルム上、すなわち第1貼合工程にて貼合した保護フィルムとは反対側の面に、もう一方の保護フィルムを、接着剤又は粘着剤を介して貼合して偏光板を得る工程である。第2貼合工程を行う場合、第1貼合工程では、第2保護フィルムを貼合してもよく、この場合は本工程で第1保護フィルムを貼合する。
[粘着剤付き偏光板]
偏光板は、破断強度が50MPa以上である保護フィルムの偏光フィルムが積層されている面とは反対側の表面(偏光フィルムの両面に保護フィルムを積層する場合は第1保護フィルム側)で、粘着剤層又は接着剤層を介して液晶セル等の被着体に積層することが好ましい。すなわち積層順が、液晶セル/粘着剤層又は接着剤層/破断強度が50MPa以上である保護フィルム/偏光フィルムの順になるように、偏光板を液晶セルに貼合することが好ましい。粘着剤層又は接着剤層を形成する粘着剤又は接着剤としては、公知のものを適宜使用することができるが、リワーク性の観点から粘着剤を使用することが好ましい。
粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤などを挙げることができ、透明性、耐候性、耐熱性、加工性の点で、アクリル系粘着剤が好ましい。粘着剤には、必要に応じ、粘着付与剤、可塑剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤、顔料、着色剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤など、各種の添加剤を適宜に配合してもよい。
粘着剤は、適当な基材上に塗布し、乾燥させて、粘着剤層とされる。この基材は、プラスチックフィルムであるのが一般的であり、その典型的な例として、離型処理が施された剥離フィルムを挙げることができる。剥離フィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアレートなどの各種樹脂からなるフィルムの粘着剤が形成される面に、シリコーン処理等の離型処理が施されたものなどであることができる。粘着剤の塗布は、例えば、リバースコーティング、グラビアコーティング等のロールコーティング法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法、スプレー法などを採用できる。
保護フィルムへの粘着剤層の形成は、粘着剤層を設けた離型シートを転写する方法など、公知の方法により行うことができる。粘着剤層の厚さは、通常3〜100μm程度であり、好ましくは5〜50μmである。
(粘着剤層の剥離力)
粘着剤層は、180°ピール試験を行ったときの剥離力が10N/25mm以下であることが好ましい。この剥離力が10N/25mmを超えると、粘着剤付き偏光板を被着体に貼合した後、粘着剤付き偏光板を粘着剤層ごと被着体から剥離する際、偏光板が破断する傾向にある。また、この剥離力は、5N/25mm以上であることが好ましく、7N/25mm以上であることがより好ましい。剥離力が5N/25mm以上であると、耐熱試験等の耐久試験において、剥れなどが生じにくい傾向にある。
粘着剤層の剥離力は、次の方法で測定することができる。まず、粘着剤組成物を離型処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの離型処理面にアプリケーターを用いて乾燥後の厚さが20μmとなるように塗布し、100℃で1分間乾燥してシート状の粘着剤とした後、室温で7日間養生する。続いて、この粘着剤シートを偏光板の保護フィルム側に貼合した後、偏光板の吸収軸が幅方向の辺と平行になるようにして幅25mm×長さ150mmの断片に裁断し、PETフィルムを剥がしてガラスに貼合する。これを温度50℃、荷重5kgで20分間オートクレーブ処理し、その後温度23℃、相対湿度60%RHの環境下で10時間静置する。その後、偏光板の端部を剥離し、粘着剤が偏光板側に付着していることを確認してから引張り試験機を用い、図2のように幅方向と剥離方向との角度が45°になるように、1000mm/分の剥離速度で180°剥離試験を行う。引張り試験機としては、株式会社島津製作所製の万能試験機“オートグラフAG−I”などを使用することができる。
[液晶表示装置]
本発明の偏光板は、粘着剤層又は接着剤層を介して液晶セルに貼り合わされて液晶表示パネルとされ、さらにバックライトなどと組み合わされて液晶表示装置とされる。本発明の偏光板は、厚さが15μm以下であり、且つ、単位膜厚あたりの突刺し強度が4.5gf/μm以上である偏光フィルムに、破断強度が50MPa以上である保護フィルム(第1の保護フィルム)を組み合わせたことにより、ガラスと粘着剤層又は接着剤層との界面で偏光板を剥離する際、偏光フィルムが破断するのを抑制することができる。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、コロナ処理及び保護フィルムの破断強度測定は、次の方法により行った。
〈コロナ処理〉
コロナ処理は、春日電機株式会社製のコロナ放電装置により行った。具体的には、コロナ表面処理フレーム“STR−1764”、高周波電源“CT−0212”、高圧トランス“CT−T02W”を使用した。
〈保護フィルムの破断強度測定〉
保護フィルムの破断強度は、次の方法で測定した。まず、ロードセル(500N)及び恒温槽を備える株式会社島津製作所製の万能試験機“オートグラフAG−I”を用いて、測定する保護フィルムを幅15mm×長さ150mmの断片に切り出し、測定機の標線間距離を100mmにしてこれにセットした。なお、フィルム断片の長手方向は、搬送方向と平行になるように切り出した。次に、JIS K 7127:1999「プラスチックフィルム及びシートの引張試験方法」に準じ、試験速度50mm/分で引っ張った際の弾性率を求めた。また、試験速度50mm/分でフィルムが破断するまでフィルムを引っ張り、フィルムが破断した際の応力をフィルムの破断強度とした。
[実施例1]
厚さ20μmのポリビニルアルコールフィルム(平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上)を、乾式延伸により約5倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま60℃の純水に1分間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.05/5/100の水溶液に28℃で60秒間浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が8.5/8.5/100の水溶液に72℃で300秒間浸漬した。引き続き26℃の純水で20秒間洗浄した後、65℃で乾燥し、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している厚さ7μmの偏光フィルムを作製した。
偏光フィルムの片面に、厚さ13μmの保護フィルム〔日本ゼオン株式会社製の商品名“ゼオノアフィルム(登録商標) ZF14-013”Re=2nm〕をポリビニルアルコール系接着剤で接着し、保護フィルムの他方の面(偏光フィルムとは反対側の面)に厚さ15μmのアクリル系粘着層を付設した。偏光フィルムの他方の面(保護フィルムとは反対側の面)には、厚さ19μmの輝度向上フィルム〔3M社製の商品名“APF-V4HC”〕を厚さ5μmの紫外線硬化性粘着剤〔リンテック株式会社製の商品名“NFC-L2”〕で積層して偏光板を作製した。この偏光板は、粘着剤層を含めた厚さが59μmであった。偏光フィルムの単位膜厚あたりの突刺し強度が9.6gf/μmであり、保護フィルムの破断強度が60MPaであり、保護フィルムの単位膜厚あたりの破断強度は4.6MPa/μmであった。なお、ポリビニルアルコール系接着剤は、水100重量部に、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール〔日本合成化学工業株式会社製の商品名“ゴーセファイマー(登録商標)Z−200”〕2重量部、グリオキシル酸ナトリウム〔日本合成化学工業株式会社製の商品名“SPM−01”〕2重量部を溶解させて調製した。
[実施例2]
(1)樹脂層形成工程
基材フィルムとして、厚さ90μmの未延伸のポリプロピレン(PP)フィルム(融点163℃)を使用し、その表面にコロナ処理を行い、コロナ処理面にプライマー層を形成した。プライマー層は、ポリビニルアルコール粉末〔日本合成化学工業株式会社製の商品名“Z−200”、平均重合度1100、ケン化度99.5モル%〕を95℃の熱水に溶解させ、濃度3重量%の水溶液を調製し、これにポリビニルアルコール粉末6重量部に対して5重量部の架橋剤〔田岡化学工業株式会社製、商品名“スミレーズレジン(登録商標)650〕を配合した混合水溶液から形成した。プライマー層の形成は、この混合水溶液を基材フィルムのコロナ処理面に小径グラビアコーターで塗工し、これを80℃で10分間乾燥させた。プライマー層の厚さは0.2μmであった。
次いで、ポリビニルアルコール粉末〔株式会社クラレ製の商品名“PVA124”、平均重合度2400、ケン化度98.0〜99.0モル%〕を95℃の熱水中に溶解させ濃度8重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液を上記プライマー層の上にリップコーターを用いて塗工し80℃で20分間乾燥させ、基材フィルム、プライマー層、樹脂層からなる三層の積層フィルムを作製した。
(2)延伸工程
上記積層フィルムをフローティングの縦一軸延伸装置を用いて160℃で4.8倍の自由端一軸延伸を実施して延伸フィルムを得た。
(3)染色工程
その後、延伸フィルムを30℃のヨウ素とヨウ化カリウムの混合水溶液である染色溶液に180秒ほど浸漬して染色した後、10℃の純水で余分なヨウ素液を洗い流した。次いで78℃のホウ酸水溶液である架橋溶液1に120秒浸漬させ、次いで、ホウ酸およびヨウ化カリウムの含む70℃の架橋溶液2に60秒浸漬させた。その後10℃の純水で10秒間洗浄し、最後に40℃で300秒間乾燥させた。以上の工程により樹脂層から厚さ5μmの偏光フィルム層を形成し、偏光性積層フィルムを得た。各溶液の配合比率は以下である。
<染色溶液>
水:100重量部
ヨウ素:0.6重量部
ヨウ化カリウム:10重量部
<架橋溶液1>
水:100重量部
ホウ酸:9.5重量部
<架橋溶液2>
水:100重量部
ホウ酸:5.0重量部
ヨウ化カリウム:6重量部
(4)第1貼合工程
厚さ13μm の保護フィルム〔日本ゼオン株式会社製の商品名“ゼオノアフィルム(登録商標) ZF14-013 ”Re=2nm〕の貼合面にコロナ処理を施し、実施例1で使用したのと同じポリビニルアルコール系接着剤を用い、(3)で作製した偏光性積層フィルムの偏光フィルム層における基材フィルムとは反対側の面にコロナ処理面で貼合した。
(5)第2貼合工程
上記(4)で作製した5層構造のフィルムから基材フィルムを剥離除去して、片面保護フィルム付き偏光板を得た。基材フィルムは容易に剥離することができた。偏光フィルムの他方の面(保護フィルムとは反対側の面)には、輝度向上フィルム〔3M社製の商品名“APF-V4HC ”〕を紫外線硬化性粘着剤〔リンテック株式会社製の商品名“NFC-L2”〕で積層して偏光板を作製した。偏光板の、保護フィルムの他方の面(偏光フィルムとは反対側の面)には、厚さ15μmのアクリル系粘着層を付設した。この偏光板は、粘着剤層を含めた厚さが57μmであった。偏光フィルムの単位膜厚あたりの突刺し強度が5.2gf/μmであり、保護フィルムの破断強度が60MPaであり、保護フィルムの単位膜厚あたりの破断強度は4.6MPa/μmであった。
[実施例3]
実施例1の輝度向上フィルムに代えて、厚さ13μmの保護フィルム〔日本ゼオン株式会社製の商品名“ゼオノアフィルム(登録商標) “ZF14-013”Re=2nm〕を積層した偏光板を作製した。この保護フィルムの積層は、その貼合面にコロナ処理を施し、処理面に以下の紫外線硬化性接着剤をマイクログラビアコーターで塗工し、塗工面で積層した。その後、フュージョンUVシステムズ社製の紫外線ランプ“Dバルブ”が取り付けられたベルトコンベア付き紫外線照射装置を用い、積算光量が250mJ/cmとなるように紫外線を保護フィルム側より照射して紫外線硬化性接着剤を硬化させた。この偏光板は粘着剤層を含めた厚さが48μmであった。偏光フィルムの単位膜厚あたりの突刺し強度が9.6gf/μmであり、保護フィルムの破断強度が60MPaであり、保護フィルムの単位膜厚あたりの破断強度は4.6MPa/μmであった。
上記の紫外線硬化性接着剤は、以下の各成分を混合し、脱泡して液体状態で調製した。なお、光カチオン重合開始剤は、50%プロピレンカーボネート溶液の形で入手したものを使用した。上に示した配合量(2.25部)は、固形分量である。
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート 75部
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル 20部
2−エチルヘキシルグリシジルエーテル 5部
トリアリールスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート系の光カチオン重合開始剤
2.25部
[実施例4]
実施例1における保護フィルム〔日本ゼオン株式会社製の商品名“ゼオノアフィルム(登録商標) ZF14-013”〕の代わりに、厚さ20μmの保護フィルム〔コニカミノルタ株式会社製の商品名”ゼロタック”Re=3nm〕を使用したこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。この偏光板は、粘着剤層を含めた厚さが66μmであった。偏光フィルムの単位膜厚あたりの突刺し強度が9.6gf/μmであり、保護フィルムの破断強度が150MPaであり、保護フィルムの単位膜厚あたりの破断強度は7.5MPa/μmであった。
[比較例1]
偏光フィルムの延伸倍率を5.2倍とした以外は実施例2と同様にして偏光板を作製した。この偏光板は、粘着剤層を含めた厚さが57μmであった。偏光フィルムの単位膜厚あたりの突刺し強度が4.2gf/μmであり、保護フィルムの破断強度が60MPaであり、保護フィルムの単位膜厚あたりの破断強度は4.6MPa/μmであった。
[比較例2]
保護フィルムを厚さ15μmのポリオレフィン系樹脂フィルム〔JSR株式会社製の商品名“ARTON FILM(登録商標) FEKB015D3”Re=1nm〕に変更した以外は、実施例3に準じて偏光板を作製した。この偏光板は、粘着剤層を含めた厚さが48μmであった。偏光フィルムの単位膜厚あたりの突刺し強度が9.6gf/μmであり、保護フィルムの破断強度が45MPaであり、保護フィルムの単位膜厚あたりの破断強度は3.0MPa/μmであった。
実施例及び比較例で作製した偏光板について、偏光フィルムの単位膜厚あたりの突刺し強度の測定及びリワーク性の評価を行った結果を表1に示す。
(偏光フィルムが吸収軸方向に裂けた際の単位膜厚あたりの突刺し強度測定)
実施例及び比較例で製造した偏光板を、シクロヘキサンに浸しながら超音波洗浄機にかけて両面に貼合されている保護フィルムを溶解除去して偏光フィルムを取り出し、突刺し試験を行った。突刺し試験は、先端径1mmφ、0.5Rのニードルを装着したカトーテック株式会社製のハンディー圧縮試験機“KES-G5 ニードル貫通力測定仕様”で行った。測定は、温度23±3℃の環境下、突刺し速度0.33cm/秒の条件で行った。突刺し試験で測定される突刺し強度は、試験片12個に対して突刺し試験を行い、その平均値とした。偏光フィルムの厚さを接触式膜厚計〔株式会社ニコン製の商品名“DIGIMICRO(登録商標) MH−15M”〕で測定し、単位膜厚あたりの突刺し強度を求めた。結果は、表1の「突刺し強度」の欄に示した。
(リワーク性の評価)
偏光板の吸収軸が幅方向の辺と平行になるようにし、幅25mm×長さ150mmの大きさにカットし、試験片とした。これを、垂直引っ張り方向から45°傾けた状態でアクリル系粘着剤層を介して無アルカリガラスに圧着し、温度50℃、荷重5kgで20分間オートクレーブ処理し、その後温度23℃、相対湿度60%RHの環境下で10時間静置した。その後、偏光板の端部を剥離し、粘着剤が偏光板側に付着していることを確認してから引張り試験機〔株式会社島津製作所製の万能試験機“オートグラフAG−I”〕を用いて180°剥離試験を行った。なお、試験は、引張り速度1000mm/分で、室温(25℃)の雰囲気下で行った。
(リワーク性の判断基準)
×:剥離中に偏光板に破断が生じた。
○:剥離中に偏光板が破断せず、剥離できた。
Figure 0006327222

本発明によれば、偏光板を粘着剤層又は接着剤層で液晶セルに積層した後、粘着剤層又は接着剤層と液晶セルとの界面で剥離する工程(リワーク工程)において、偏光板に生じる破断が抑制される。
1 偏光フィルム
3 保護フィルム(第1保護フィルム)
5 第2保護フィルム
10 偏光板
15 粘着剤層
20 液晶セル
30 無アルカリガラス板

Claims (8)

  1. 偏光フィルムと保護フィルムとを備える偏光板であって、
    前記偏光フィルムは、厚さが15μm以下であり、且つ、単位膜厚あたりの突刺し強度が4.5gf/μm以上15gf/μm以下であり、
    前記保護フィルムの破断強度が50MPa以上であり、
    前記保護フィルムにおける前記偏光フィルムとの貼合面とは反対側の面に粘着剤層を有し、
    前記粘着剤層は、液晶セルに貼合するためのものであることを特徴とする偏光板。
  2. 前記保護フィルムは、その面内位相差値が200nm以下である請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記偏光フィルムは、その片面に前記保護フィルムが積層され、他方の面に光学層が積層されている請求項1又は2に記載の偏光板。
  4. 前記光学層は、少なくとも片面に表面処理層を有する請求項3に記載の偏光板。
  5. 前記保護フィルムは、シクロオレフィン系樹脂フィルム、セルロース系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、及びアクリル系樹脂フィルムからなる群より選択された少なくとも一層のフィルムである請求項1〜4のいずれかに記載の偏光板。
  6. 前記保護フィルムは、単位膜厚あたりの破断強度が3.5MPa/μm以上である請求項1〜5のいずれかに記載の偏光板。
  7. 前記粘着剤層は、180°ピール試験を行ったときに剥離力が10N/25mm以下である請求項1〜6のいずれかに記載の偏光板。
  8. 前記粘着剤層を介して請求項1〜7のいずれかに記載の偏光板が液晶セルに積層された液晶パネルを有する液晶表示装置
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