JP2001194528A - 偏光板 - Google Patents

偏光板

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JP2001194528A
JP2001194528A JP2000000632A JP2000000632A JP2001194528A JP 2001194528 A JP2001194528 A JP 2001194528A JP 2000000632 A JP2000000632 A JP 2000000632A JP 2000000632 A JP2000000632 A JP 2000000632A JP 2001194528 A JP2001194528 A JP 2001194528A
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polarizing plate
liquid crystal
less
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adhesive
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Kenji Nakahara
健治 中原
Masayuki Satake
正之 佐竹
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 湿度や熱の影響で剥離や浮きを生じない良接
着状態を安定に維持しうる接着力を確保しつつ、リワー
クの際にセルギャップの変化や基板破断等の損傷を与え
ずに容易に効率よく剥離できて液晶セルを再利用できる
偏光板の開発。 【解決手段】 偏光フィルムの片側又は両側に透明保護
層を介し粘着層を有してなり、厚さが170μm以下
で、吸収軸方向の引き裂き強度0.2N以下であり、か
つ偏光軸方向の破断強度が150MPa以上で、前記粘
着層を介したガラス板に対する接着力が15N/25mm以
下である偏光板。 【効果】 リワークの際に吸収軸方向に沿って偏光板を
狭幅で容易に引き裂くことができ、液晶セルに大きい剥
離力の作用することを防止でき、高品質で耐久性に優れ
る液晶表示装置を形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、接着ミス時等に液晶セル
を損傷させずに剥離でき、接着状態の耐久性に優れて液
晶表示装置の形成等に好適な粘着層付設型の偏光板に関
する。
【0002】
【発明の背景】液晶表示装置(LCD)に用いる偏光板
は、LCDのキーデバイスであり品質のバラツキ防止や
LCD組立の効率化などを目的に、アクリル系粘着剤等
からなる粘着層を予め付設した状態で液晶セルに接着す
る方法が採られている。その場合、液晶セルへの接着時
に汚染物や気泡等の異物が混入するとその部分が視認障
害となるため接着ミスとして偏光板が液晶セルより剥離
除去され(リワーク)、その液晶セルは再利用される。
【0003】しかしながら従来の偏光板にあっては、液
晶セルより剥離する際にセルにギャップ変化を与えた
り、ガラス基板に破断等の損傷を与えたりして液晶セル
を再利用する目的を達成できない頻度が大きい問題点が
あった。易剥離を目的に粘着層の接着力を低下させる方
式には液晶表示装置等の実用時に偏光板が湿度や熱の影
響で剥離したり浮いたりすることを防止するために限界
がある。
【0004】前記に鑑みて偏光板に所定の間隔で複数条
の切れ目を入れ、その切れ目間の幅を単位に偏光板を部
分的に剥離できるようにして、液晶セルに大きな剥離力
が作用することを防止する提案もあるが、切れ目を入れ
る作業に多労力、多時間を要してリワークの作業効率に
乏しく、また剥離時に破断線が切れ目より逸脱して偏光
板の残骸が液晶セルに残ることが多々あり、その除去に
多大な労力を要する問題点などもあった。
【0005】
【発明の技術的課題】本発明は、湿度や熱の影響で剥離
や浮きを生じない良接着状態を安定に維持しうる接着力
を確保しつつ、リワークの際にセルギャップの変化や基
板破断等の損傷を与えずに容易に効率よく剥離できて液
晶セルを再利用できる偏光板の開発を課題とする。
【0006】
【課題の解決手段】本発明は、偏光フィルムの片側又は
両側に透明保護層を介し粘着層を有してなり、厚さが1
70μm以下で吸収軸方向の引き裂き強度が0.2N以
下であり、かつ偏光軸方向の破断強度が150MPa以
上で前記粘着層を介したガラス板に対する接着力が15
N/25mm以下であることを特徴とする偏光板を提供する
ものである。
【0007】
【発明の効果】本発明によれば、リワークの際に吸収軸
方向の小さい引裂き強度に基づいてその吸収軸方向であ
る偏光フィルムの延伸方向に沿って偏光板を従来の切れ
目に準じた狭い幅で部分的に小さい力で容易に引き裂く
ことができる。その結果、液晶セルに大きい剥離力が作
用することを防止できて、セルギャップの変化やガラス
基板の破断等の損傷を与えずに偏光板を数回に分けて容
易に剥離できて液晶セルを効率よく再利用できると共
に、湿度や熱の影響で剥離や浮きを生じない接着力を確
保でき良接着状態を安定に維持する偏光板を得て、高品
質で耐久性に優れる液晶表示装置を形成することができ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明による偏光板は、偏光フィ
ルムの片側又は両側に透明保護層を介し粘着層を有して
なり、厚さが170μm以下で、吸収軸方向の引き裂き
強度が0.2N以下であり、かつ偏光軸方向の破断強度
が150MPa以上で、前記粘着層を介したガラス板に
対する接着力が15N/25mm以下であるものからなる。
【0009】偏光板としては、偏光フィルムの片側又は
両側に透明保護層を介し粘着層を有するものが用いら
れ、その偏光フィルムとしては、例えばポリビニルアル
コール系フィルムや部分ホルマール化ポリビニルアルコ
ール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分
ケン化フィルムの如き適宜な親水性高分子フィルムにヨ
ウ素や二色性染料等の適宜な二色性物質を吸着させて一
軸延伸処理等を施したものが用いられる。
【0010】前記により偏光板にその偏光フィルムの延
伸方向に沿って、従って偏光板の吸収軸方向に沿って小
さい力で引裂くことができる特性を付与でき、従来の如
く切れ目を入れる必要なくそれに準じた狭幅で吸収軸方
向に沿って部分的に容易に引き裂くことが可能になる。
なお偏光フィルムの厚さは通例5〜80μmであるが、
これに限定されない。
【0011】偏光フィルムの片側又は両側に設ける透明
保護層は、偏光フィルムの保護を目的とし、その形成に
は透明性や機械的強度、熱安定性や水分遮蔽性等に優れ
るポリマーなどが好ましく用いられる。ちなみにその例
としては、トリアセチルセルロース(TAC)の如きア
セテート系樹脂やポリエステル系樹脂、ポリエーテルサ
ルホン系樹脂やポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系
樹脂やポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂やアク
リル系樹脂、あるいはアクリル系やウレタン系、アクリ
ルウレタン系やエポキシ系やシリコーン系等の熱硬化
型、ないし紫外線硬化型の樹脂などがあげられる。
【0012】透明保護層は、ポリマーの塗布方式やフィ
ルムとしたものの積層方式などの適宜な方式にて形成で
き、厚さは適宜に決定してよい。本発明にては粘着層付
の偏光板の厚さや引き裂き強度を所定値以下とする必要
があり、その場合に偏光フィルムについては偏光度の維
持等の点より薄くすることに限界があり、また引き裂き
強度の点よりも透明保護層を厚くすることは不利である
ことより薄い透明保護層とすることが有利であり、10
0μm以下、就中70μm以下、特に5〜50μmの厚さ
とすることが好ましい。
【0013】なお透明保護層は、透明微粒子を含有して
表面に微細凹凸構造を有するものであってもよい。かか
る微粒子含有の透明保護層は、入射光及びその反射光が
それを透過する際に拡散されて明暗ムラを抑制しうる利
点などを有している。透明保護層に含有させる透明微粒
子には、例えば平均粒径が0.5〜20μmのシリカや
アルミナ、チタニアやジルコニア、酸化錫や酸化インジ
ウム、酸化カドミウムや酸化アンチモン等からなる、導
電性のこともある無機系微粒子、架橋又は未架橋のポリ
マー等からなる有機系微粒子などの適宜な透明微粒子の
1種又は2種以上を用いうる。
【0014】偏光フィルムの片側又は両側に透明保護層
を介して設ける粘着層は、偏光板を液晶セル等の他部材
に接着することを目的とする。粘着層の形成には、所定
の接着力を達成しうるものである点を除いて特に限定は
なく、例えばアクリル系重合体やシリコーン系ポリマ
ー、ポリエステルやポリウレタン、ポリエーテルや合成
ゴムなどの適宜なポリマーの1種又は2種以上をベース
ポリマーとする粘着性物質や粘着剤を用いることができ
る。
【0015】就中、アクリル系粘着剤の如く光学的透明
性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を
示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用
いうる。またそれに加えて吸湿による発泡現象や剥がれ
現象の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や液晶セ
ルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる液晶表
示装置の形成性などの点より、吸湿率が低くて耐熱性に
優れる粘着層が好ましい。
【0016】粘着層は、例えば天然物や合成物の樹脂
類、就中、粘着性付与樹脂、ガラス繊維やガラスビー
ズ、金属粉やその他の無機粉末等からなる充填剤や顔
料、着色剤や酸化防止剤などの粘着層に添加されること
のある適宜な添加剤を含有していてもよい。また上記し
た透明微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層であって
もよい。
【0017】粘着層の付設は、適宜な方式で行うことが
できる。その例としては、例えば適宜な溶剤を用いて調
製した粘着剤液を流延方式や塗工方式等の適宜な展開方
式で透明保護層上に直接付設する方式、あるいは前記に
準じセパレータ上に粘着層を形成してそれを透明保護層
上に移着する方式などがあげられる。
【0018】粘着層は、異なる組成又は種類等のものの
重畳層として設けることもできる。また両側に設ける場
合に偏光板の表裏において異なる組成又は種類等の粘着
層とすることもできる。粘着層の厚さは、接着力等に応
じて適宜に決定でき、一般には100μm以下、就中1
〜60μm、特に5〜40μmとされる。粘着層が表面に
露出する場合には、実用に供するまでの間その表面をセ
パレータなどで被覆保護しておくことが好ましい。なお
その場合、セパレータは下記の特性評価には含まれな
い。
【0019】本発明による偏光板は、粘着層を含めた状
態で厚さを170μm以下、吸収軸方向の引き裂き強度
を0.2N以下、かつその吸収軸方向に直交する偏光軸
方向の破断強度を150MPa以上、前記粘着層を介し
たガラス板に対する接着力を15N/25mm以下に調節し
たものである。これにより上記した如く液晶セルやその
ガラス基板を損傷させずに接着ミスした偏光板を容易に
剥離できて液晶セルを再利用でき、かつ接着状態では安
定した接着特性を示して剥離や浮き等の欠点を生じにく
い偏光板を得ることができる。
【0020】リワーク性などの点より粘着層付偏光板の
好ましい厚さは160μm以下、就中150μm以下、特
に130μm以下であり、また吸収軸方向の好ましい引
き裂き強度は0.18N以下、就中0.15N以下、特
に0.1N以下である。さらにリワーク性と実用時にお
ける接着状態での剥離や浮き等を生じくい安定した接着
特性とのバランスなどの点より粘着層を介したガラス板
に対する好ましい接着力は、2〜14N/25mm、就中3
〜13N/25mm、特に4〜12N/25mmである。なお接
着力は、90度剥離(剥離速度300mm/分)に基づ
く。
【0021】一方、偏光板の耐久性などの点より偏光軸
方向の好ましい破断強度は、160MPa以上、就中1
80MPa以上、特に200MPa以上である。かかる
偏光軸方向の破断強度と前記した吸収軸方向の引き裂き
強度のバランスは、例えば偏光フィルムにおける偏光軸
方向の破断強度と吸収軸方向の引き裂き強度に基づいて
透明保護層の厚さ等を介した強度にて制御する方式など
により達成することができる。
【0022】本発明において偏光板は、前記の厚さや強
度等の条件を満足する範囲において反射型や半透過型、
防眩型や反射防止型などの各種タイプのものとして形成
されていてもよい。ちなみに前記の反射型偏光板は、視
認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイ
プの液晶表示装置などを形成するためのものであり、バ
ックライト等の光源の内蔵を省略できて液晶表示装置の
薄型化をはかりやすいなどの利点を有する。
【0023】反射型偏光板の形成は、偏光板の片面に金
属等からなる反射層を付設する方式などの適宜な方式で
行うことができる。その具体例としては、必要に応じマ
ット処理した透明保護層の片面にアルミニウム等の反射
性金属からなる箔や蒸着膜を付設して反射層を形成した
ものなどがあげられる。また微粒子を含有させて表面微
細凹凸構造とした透明保護層の上に微細凹凸構造の反射
層を有するものなどもあげられる。
【0024】前記した微細凹凸構造の反射層は、入射光
を乱反射により拡散させて指向性やギラギラした見栄え
を防止し、明暗のムラを抑制しうる利点などを有する。
透明保護層の表面微細凹凸構造を反映させた微細凹凸構
造の反射層の形成は、例えば真空蒸着方式、イオンプレ
ーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方式やメ
ッキ方式などの適宜な方式で金属を透明保護層の表面に
直接付設する方法などにより行うことができる。
【0025】なお半透過型の偏光板は、前記の反射層を
ハーフミラーとして形成することにより得ることができ
る。また防眩型や反射防止型についても従来に準じたア
ンチグレア層や反射防止膜を設けたものとして形成する
ことができる。偏光板にはそれを形成する偏光フィルム
や透明保護層、粘着層等の各層を例えばサリチル酸エス
テル系化合物やベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリア
ゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケ
ル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの
適宜な方式により紫外線吸収能をもたせることもでき
る。
【0026】本発明による偏光板は、例えば薄膜トラン
ジスタ型に代表されるアクティブマトリクス駆動型のも
の、ツイストネマチック型やスーパーツイストネマチッ
ク型に代表される単純マトリクス駆動型のものなどの適
宜なタイプの液晶セルに適用して種々の液晶表示装置を
形成することができる。なおリワークする際には、偏光
板の端部等に剥がし幅を目安とした小さい傷を入れてそ
れを剥がし作業のきっかけとすることもできる。かかる
傷を入れた場合、その傷を入れた幅で通常、一端から他
端までスムーズに吸収軸方向に剥がすことができる。
【0027】
【実施例】実施例1 ヨウ素吸着の一軸延伸ポリビニルアルコールからなる厚
さ25μmの偏光フィルムの両面にポリビニルアルコー
ル系接着剤層を介しTACからなる厚さ約40μmの透
明保護層を接着し、その片面に厚さ25μmのアクリル
系粘着層を付設して偏光板を得た。この偏光板は、総厚
が130μm、吸収軸方向の引き裂き強度が0.18
N、偏光軸方向の破断強度が170MPa、粘着層を介
したガラス板に対する接着力が10N/25mmであった。
【0028】比較例1 透明保護層の厚さを約80μmとしたほかは実施例1に
準じて偏光板を得た。この偏光板は、総厚が210μ
m、吸収軸方向の引き裂き強度が0.34N、偏光軸方
向の破断強度が300MPa、粘着層を介したガラス板
に対する接着力が10N/25mmであった。
【0029】評価試験 実施例、比較例で得た偏光板を10.4吋サイズの大き
さにバイアスカットしてその粘着層を介し液晶セルに圧
着し、50℃、0.5MPaのオートクレーブ中に15
分間放置して接着状態を熟成した後、偏光板のリワーク
を実施した。
【0030】前記において実施例1では、リワークの開
始時に偏光板における吸収軸方向の両端部にカッタで小
さい傷を70mmピッチで偏光軸方向に入れて行ったとこ
ろ、その70mmピッチによる幅を傷を入れない部分にお
いても維持して吸収軸方向に沿ってその一端から他端ま
で一定幅で順次容易に剥がすことができ、液晶セルに異
常は生じなかった。
【0031】一方、比較例ではコーナー部より吸収軸方
向に剥がしたところ約半分を剥がしたところでセルのガ
ラス基板が破損した。そこでリワークの開始時に偏光板
における吸収軸方向の一端から他端にわたる長さの切れ
目をカッタにより70mmピッチで偏光軸方向に入れて行
った。しかしその70mmピッチ幅で吸収軸方向に沿って
約半分まで剥がしたところで破断線が切れ目より逸脱
し、セルに偏光板の残骸が発生した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA02 BA27 BB23 BB24 BB26 BB27 BB28 BB33 BB43 BB51 BC22 2H091 FD08 GA17 LA02 LA09 LA12 5G435 AA00 BB12 FF01 FF03 FF05 GG09 HH02 KK07

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏光フィルムの片側又は両側に透明保護
    層を介し粘着層を有してなり、厚さが170μm以下で
    吸収軸方向の引き裂き強度が0.2N以下であり、かつ
    偏光軸方向の破断強度が150MPa以上で前記粘着層
    を介したガラス板に対する接着力が15N/25mm以下で
    あることを特徴とする偏光板。
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