JPWO2013077107A1 - 炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法及び炭素質材料−ポリマー複合材料 - Google Patents
炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法及び炭素質材料−ポリマー複合材料 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2013077107A1 JPWO2013077107A1 JP2012548270A JP2012548270A JPWO2013077107A1 JP WO2013077107 A1 JPWO2013077107 A1 JP WO2013077107A1 JP 2012548270 A JP2012548270 A JP 2012548270A JP 2012548270 A JP2012548270 A JP 2012548270A JP WO2013077107 A1 JPWO2013077107 A1 JP WO2013077107A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymer
- carbonaceous material
- composite material
- polymer composite
- producing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- TXMFIYOTAXXSFF-UHFFFAOYSA-N C1C=CC=C2C1CSSC2 Chemical compound C1C=CC=C2C1CSSC2 TXMFIYOTAXXSFF-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G75/00—Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen, or carbon in the main chain of the macromolecule
- C08G75/02—Polythioethers
- C08G75/06—Polythioethers from cyclic thioethers
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F292/00—Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to inorganic materials
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G75/00—Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen, or carbon in the main chain of the macromolecule
- C08G75/14—Polysulfides
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J5/00—Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
- C08J5/005—Reinforced macromolecular compounds with nanosized materials, e.g. nanoparticles, nanofibres, nanotubes, nanowires, nanorods or nanolayered materials
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J7/00—Chemical treatment or coating of shaped articles made of macromolecular substances
- C08J7/12—Chemical modification
- C08J7/16—Chemical modification with polymerisable compounds
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K9/00—Use of pretreated ingredients
- C08K9/04—Ingredients treated with organic substances
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J2325/00—Characterised by the use of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring; Derivatives of such polymers
- C08J2325/02—Homopolymers or copolymers of hydrocarbons
- C08J2325/04—Homopolymers or copolymers of styrene
- C08J2325/08—Copolymers of styrene
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J2381/00—Characterised by the use of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen, or carbon only; Polysulfones; Derivatives of such polymers
- C08J2381/04—Polysulfides
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Nanotechnology (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Graft Or Block Polymers (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
Abstract
炭素質材料に、ポリマーを容易にグラフトすることができる、炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法及び炭素質材料−ポリマー複合材料を提供する。炭素質材料と、環状ジスルフィド化合物を重合して得られるポリマー及び環状ジスルフィド化合物とラジカル重合性官能基含有モノマーとを重合して得られるポリマーのうち少なくとも1種のポリマーAとを含む混合物を用意する工程と、前記ポリマーAの分解開始温度をD℃としたとき、前記混合物を(D−75)℃以上の温度に加熱する加熱工程とを備える、炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法、及び前記製造方法により得られ、炭素質材料に前記ポリマーAに由来するモノマー及び/またはポリマーがグラフトしている炭素質材料−ポリマー複合材料。
Description
本発明は、炭素質材料に官能基を有するジスルフィド材料をグラフトしてなる炭素質材料の製造方法に関し、さらには、それにポリマーをグラフトしてなる炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法に関し、より詳細には、常圧下で、開放容器内で重合し得る、解重合性の環状ジスルフィド化合物または該環状ジスルフィド化合物のポリマーを用いた炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法に関する。
従来、カーボン粒子またはカーボンナノチューブのような炭素質材料と、樹脂との複合材料が種々提案されている。これらの炭素質材料を樹脂に複合化させることにより、強度の向上等を図ることができる。また、黒鉛は、SP2の炭素のヘキサゴナルな層状化合物であり、黒鉛を構成している一層はグラフェンと称されている。従来、グラフェンを得るには、シリコンカーバイドを加熱処理する方法や、銅箔などの金属膜上においてグラフェンをCVD法で積層する方法が知られている。
他方、黒鉛を強酸で処理し、黒鉛の層間にイオンをドープし、さらに急速加熱処理することにより、元の黒鉛よりもグラフェン積層数が少ない酸化グラフェンや薄片化黒鉛を得る方法が知られている(下記の特許文献1)。
また、従来、黒鉛を剥離処理することにより得られた薄片化黒鉛とポリマーとの複合材料が種々検討されている。例えば下記の非特許文献1には、黒鉛を化学的処理により剥離処理することにより得られた薄片化黒鉛の共存下に、重合開始剤及びスチレンモノマー成分を混合し、モノマーを重合するとき、グラフェン表面にスチレンポリマー鎖がグラフトされることが報告されている。
第59回 高分子学会年次大会予稿集、3Pb016
炭素質材料をポリマーにブレンドして得られた従来の炭素質材料−ポリマー複合材料では、炭素質材料とポリマーとが結合していない。そのため、物性の改善に限界があった。他方、炭素質材料にポリマーをグラフトさせれば、両者の結合により、複合材料の強度等をより一層高めることができる。
しかしながら、炭素質材料にポリマーをグラフトさせる場合、炭素質材料の存在下でモノマーを重合する工程が複雑であった。
特に、炭素質材料の中でも、薄片化黒鉛にポリマーをグラフトさせる場合には、薄片化黒鉛を得た後に、重合性モノマーや開始剤を表面にグラフトし、それらを起点にポリマーをグラフト重合する方法では、原料の薄片化黒鉛の取り扱いが煩雑であるという問題があった。すなわち、薄片化黒鉛や剥離したグラフェンが空気中に漂う程、剥離処理後の薄片化黒鉛やグラフェンは軽量であり、剥離処理後の薄片化黒鉛の取り扱いが非常に困難であった。そのため、従来、薄片化黒鉛を溶剤に再分散し、分散液に、重合開始点となる重合開始剤を添加したり、共重合反応性の官能基をグラフェン表面にグラフトしたりしていた。しかる後、溶液中で重合し、グラフェン表面にポリマーをグラフトしていた。従って、工程が複数となり、グラフト物の製造に非常に長い時間を要していた。
さらに、分散媒や溶媒に薄片化黒鉛やナノカーボン材料を再分散するに際し、濃度が高いと、高粘度のスラリーとなる。例えば、溶媒や分散媒に、1重量%程度の薄片化黒鉛を分散するだけでも、非常に高い粘度のスラリー、もしくは固い凝集塊となる。そのため、薄片化黒鉛の濃度を非常に低くしなければ、攪拌すら容易ではなかった。従って、薄片化黒鉛にポリマーをグラフトしてなる複合材料を容易に得ることは困難であった。よって、薄片化黒鉛を含む炭素質材料にポリマーを容易にグラフトし得る製造方法が望まれていた。
また、炭素質材料にグラフトさせるポリマーの種類にも制限があった。さらに、ポリマーとして官能基を有するポリマーを炭素質材料にグラフトできれば、官能基の種類に応じて様々な特性を発現し得る複合材料を得ることができる。
本発明の目的は、炭素質材料に、ポリマーを容易にグラフトすることができる、炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法、並びに該製造方法により得られる炭素質材料にポリマーがグラフトされている炭素質材料−ポリマー複合材料を提供することにある。
本願発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、環状ジスルフィド化合物を加熱により重合して得られるポリマーを用いれば、黒鉛や薄片化黒鉛などの炭素質材料に比較的低い温度で、かつ開放された容器内で常圧下において炭素質材料にポリマーをグラフトさせ得ることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法は、炭素質材料と、環状ジスルフィド化合物を重合して得られるポリマー及び環状ジスルフィド化合物とラジカル重合性官能基含有モノマーとを重合して得られるポリマーのうち少なくとも1種のポリマーAとを含む混合物を用意する工程と、前記ポリマーAの分解開始温度をD℃としたとき、前記混合物を(D−75)℃以上かつ分解完了温度以下の温度範囲に加熱する加熱工程とを備える。本発明においては、前記ポリマーAの10重量%が分解するに至る温度を分解開始温度とし、前記ポリマーAの90重量%が分解するに至る温度を分解完了温度とする。このような分解開始温度、分解完了温度の測定は、チッ素雰囲気下のTG/DTA測定を行うことによって同定できる。
炭素質材料と環状ジスルフィドを含むポリマーからなる混合物は、環状ジスルフィドとラジカル重合性官能基含有モノマーとを重合して得られるポリマーと、炭素質材料とを機械的に混合して得られるポリマー炭素複合体であってもよい。
また、上記混合物は、該炭素質材料を含む環状ジスルフィド化合物モノマーを加熱により重合して得られるポリマー炭素複合体であってもよく、炭素質材料と、環状ジスルフィド化合物とラジカル重合性官能基含有モノマーとを混合してなるモノマー混合物とを共存重合して得られるポリマー炭素複合体であってもよい。
さらには、上記混合物は、炭素質材料と環状ジスルフィド化合物とを加熱により重合して得られるポリマー炭素複合体に対して、さらにラジカル重合性官能基含有モノマーとを混合した後、再度共存重合して得られるポリマー炭素複合体であってもよい。
また、上記混合物は、炭素質材料と環状ジスルフィド化合物とを加熱により重合して得られるポリマー炭素複合体と、ラジカル重合性官能基含有モノマーを重合して得られるポリマーとを混合して得られるポリマー炭素複合体であってもよい。
環状ジスルフィド化合物類は、およそ融点以上の温度に加熱することにより自発的に重合し、ポリマーとなる。さらに、分解開始温度D℃としたとき、(D−75)℃となる温度以上に加熱するとポリマーが一部熱分解してモノマーとなりかつラジカルを発生させる。また、分解開始温度以上の温度でモノマーとなった後、分解開始温度より低い温度まで冷却すれば、再度重合し、ポリマーとなる。すなわち、高温加熱により、ポリマーが分解しモノマーとなる反応が進行し、そこから冷却して(D−75)℃以上、分解開始温度未満までの中温領域に反応系を保持することにより分解したモノマーが再度重合しポリマーとなる反応がおこる。
この分解開始温度Dとしたときの(D−75)℃以上分解開始温度までの、いわゆる中温領域では、重合と分解とが可逆的に進行する。従って、上記混合物を(D−75)℃以上の高温に加熱することによりラジカルを発生させ、該ラジカルの作用によって、熱分解モノマー、未分解のポリマー及びオリゴマーを炭素質材料にグラフトさせることができる。
以下、本発明においては、前記分解開始温度未満を第1の温度域、前記分解開始温度以上前記分解完了温度以下の温度域を第2の温度域、前記分解完了温度よりも高い温度域を第3の温度域とする。また、上記中温領域とは、第1の温度域であって、分解開始温度D℃としたときの(D−75)〜D℃の領域をいう。
本発明に係る炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法のある特定の局面では、前記混合物を用意する工程が、前記炭素質材料と、前記ポリマーAとを混合することにより行われる。このように、本発明の製造方法では、上記環状ジスルフィド化合物のポリマーを直接炭素質材料と溶融混合などの方法によって混合物を得てもよい。
本発明に係る炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法の他の特定の局面では、前記混合物を用意する工程が、前記環状ジスルフィド化合物を加熱して重合し前記ポリマーAを得る工程と、前記環状ジスルフィド化合物の重合前または重合後に前記炭素質材料を混合する工程とを備える。このように、モノマーとしての環状ジスルフィド化合物を加熱して重合しポリマーAを得た後に、該ポリマーに炭素質材料を混合して上記混合物を得てもよく、あるいは上記重合前に炭素質材料を環状ジスルフィド化合物に混合してもよい。
本発明に係る炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法の別の特定の局面では、前記加熱工程の後に、前記ポリマーAの分解開始温度をD℃としたとき、前記混合物を(D−75)℃よりも低い温度まで冷却する冷却工程をさらに備える。好ましくは、上記加熱工程と上記冷却を複数回にわたって繰り返す工程がさらに備えられる。このように、前記混合物を(D−75)℃以上かつ分解完了温度以下の温度範囲に加熱する加熱工程と、前記混合物を(D−75)℃よりも低い温度まで冷却する冷却工程とを繰り返すことにより、グラフトするポリマーAの鎖長を容易に調整することができる。
本発明に係る炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法のさらに他の特定の局面では、前記環状ジスルフィド化合物が、下記の化学式(1)に示される1,2−ジチアン、下記の化学式(2)に示されるリポ酸、下記の化学式(3)に示される1,2−ジチアシクロデカン、下記の化学式(4)で示される1,4−ジヒドロ−2,3−ベンゾジチン、ジチアシクロペンタン、1,2−ジチアシクロオクタン、リポイックアミド及びこれらの誘導体からなる群から選択された少なくとも1種の化合物である。これらの環状ジスルフィド化合物の少なくとも1種を用いることにより、本発明に従って、環状ジスルフィド化合物のポリマーを容易に炭素質材料にグラフトすることができる。
本発明に係る炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法のさらに別の特定の局面では、前記環状ジスルフィド化合物が、環状骨格中の炭素原子に結合している官能基を有する。この場合には、官能基の物性を利用して、様々な物性の複合材料を提供することができる。
このような官能基を有する環状ジスルフィド化合物としては、αリポ酸、リポイックアミド及びこれらの変性体からなる群から選択された少なくとも1種の化合物を好適に用いることができる。
本発明に係る炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法のさらに別の特定の局面では、前記環状ジスルフィド化合物として、2種以上の前記環状ジスルフィド化合物を用いる。2種以上の環状ジスルフィド化合物を用いることにより、様々な物性を発現し得る炭素質材料−ポリマー複合材料を容易に提供することができる。
本発明に係る炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法のさらに別の特定の局面では、前記ポリマーAとして、2種以上のポリマーAを用いる。2種以上のポリマーAを用いることによっても、様々な物性を発現し得る炭素質材料−ポリマー複合材料を容易に提供することができる。
本発明に係る炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法のさらに別の特定の局面では、前記ラジカル重合性官能基含有モノマーが、ビニル基含有モノマーである。
本発明に係る炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法のさらに他の特定の局面では、前記加熱工程の少なくとも一部において、超臨界状態にある二酸化炭素もしくは水を混入させる。この場合には、超臨界状態にある二酸化炭素または水を混入させることにより、ラジカルと炭素質材料とが接触する割合を高めることができる。
本発明に係る炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法のさらに他の特定の局面では、前記混合物が重合開始剤を含まない。すなわち、ポリマーAが熱分解して発生したモノマーは、分解完了温度以下であれば重合開始剤なしに自発的に重合してポリマーとなることができる。従って、重合開始剤を用いなくとも、上述のように重合と分解を繰り返すことができるため、本発明の炭素質材料−ポリマー複合材料を提供することができる。
本発明に係る炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法のさらに別の特定の局面では、前記炭素質材料が、薄片化黒鉛、黒鉛、カーボン粒子、カーボンナノチューブ及びフラーレンからなる群から選択された少なくとも1種である。このように、炭素質材料としては、様々な炭素質材料を本発明において用いることができる。好ましくは、炭素質材料として黒鉛が用いられる。その場合には、本発明の製造方法において、黒鉛を同時に薄片化し、薄片化黒鉛とすることができる。よって、複合材料中におけるグラフェンの分散性を高めることができるので、少量の黒鉛で、耐熱性、機械的強度等の物性を高めることができる。
本発明に係る炭素質材料−ポリマー複合材料は、本発明に従った製造方法により得られるものであり、炭素質材料にポリマーAに由来するモノマー及び/またはポリマーがグラフトしていることを特徴とする。
好ましくは、炭素質材料に官能基を有するポリマーAに由来するモノマー及び/またはポリマーがグラフトしており、その場合には、官能基の性質により、様々な物性を発現し得る炭素質材料−ポリマー複合材料とすることができる。
また、好ましくは、上記炭素質材料は薄片化黒鉛であり、その場合には、少量の薄片化黒鉛で、機械的強度、耐熱性等の物性を高めることができる。
以下、本発明の詳細を説明する。
(炭素質材料)
本発明においては、原料として炭素質材料が用いられる。炭素質材料としては、例えば、黒鉛、薄片化黒鉛、カーボン粒子、カーボンナノチューブ、またはフラーレンを用いることができる。本発明においては、これらの炭素質材料の1種または2種以上を用いることができる。好ましくは、上記炭素質材料としては、黒鉛、薄片化黒鉛、カーボン粒子またはカーボンナノチューブを用いることができる。
本発明においては、原料として炭素質材料が用いられる。炭素質材料としては、例えば、黒鉛、薄片化黒鉛、カーボン粒子、カーボンナノチューブ、またはフラーレンを用いることができる。本発明においては、これらの炭素質材料の1種または2種以上を用いることができる。好ましくは、上記炭素質材料としては、黒鉛、薄片化黒鉛、カーボン粒子またはカーボンナノチューブを用いることができる。
炭素質材料は、表面がラジカルトラップ性を有する。従って、環状ジスルフィド化合物または重合により得られた前記ポリマーAを表面のラジカルトラップ性を利用して容易にグラフトすることができる。
上記炭素質材料としては、より好ましくは、薄片化黒鉛が用いられる。黒鉛は表面がラジカルトラップ性を有する材料である。黒鉛は、グラフェンが多数積層された層状化合物である。本明細書において、「薄片化黒鉛」とは、上記黒鉛を各層に剥離することにより得られ、元の黒鉛よりもグラフェン積層数が少ないものを指している。薄片化黒鉛におけるグラフェンの積層数は、数層〜200層程度である。なお、原料としての黒鉛におけるグラフェンの積層数は、通常、1000層以上である。このような平均の積層数は、BETから測定される比表面積から計算により同定できる。薄層化黒鉛が、完全に一層のグラフェンだけから構成されるならば、この比表面積は、グラム当たり、2400〜2600m2となることが理論的に予測される。
黒鉛を各層に剥離することにより得られる薄片化黒鉛の比表面積は、2000m2程度とし得る。この場合は、平均的の層数は1〜2層以下であると考えられる。
薄片化黒鉛の原料としては、できるだけその平均的な面積の比較的小さい黒鉛が取扱い性の点で好ましい。これらの表面積の小さな黒鉛は溶液分散が容易である。もっとも、直径が10μm角程度の比較的大きな薄片化黒鉛であっても、表面へのポリマーAのグラフトと、単層もしくは数層のグラフェンへの剥離化を達成することができる。
また、本発明の製造法は、酸化工程を必要としないため、酸素含有率が低い炭素質材料−ポリマー複合材料を得ることができる。それによって、高い導電性を有するポリマー炭素複合体を得ることができる。
(環状ジスルフィド化合物を重合して得られるポリマーA)
本発明においては、原料として用いられるポリマーAとして、環状ジスルフィド化合物を重合して得られるポリマーを用いることができる。本発明において、環状ジスルフィド化合物とは、S−S結合が、すなわちジスルフィド結合が、環状骨格の一部を構成している任意の化合物をいうものとする。このような環状ジスルフィド化合物としては、下記の化学式(1)に示される1,2−ジチアン、下記の化学式(2)に示されるリポ酸、下記の化学式(3)に示される1,2−ジチアシクロデカン、下記の化学式(4)で示されるジヒドロ−2,3−ベンゾジチン、ジチアシクロペンタン、1,2−ジチアシクロオクタン、リポイックアミド、及びこれらの誘導体からなる群から選択された少なくとも1種の化合物を好適に用いることができる。
本発明においては、原料として用いられるポリマーAとして、環状ジスルフィド化合物を重合して得られるポリマーを用いることができる。本発明において、環状ジスルフィド化合物とは、S−S結合が、すなわちジスルフィド結合が、環状骨格の一部を構成している任意の化合物をいうものとする。このような環状ジスルフィド化合物としては、下記の化学式(1)に示される1,2−ジチアン、下記の化学式(2)に示されるリポ酸、下記の化学式(3)に示される1,2−ジチアシクロデカン、下記の化学式(4)で示されるジヒドロ−2,3−ベンゾジチン、ジチアシクロペンタン、1,2−ジチアシクロオクタン、リポイックアミド、及びこれらの誘導体からなる群から選択された少なくとも1種の化合物を好適に用いることができる。
なお、上記誘導体としては、特に限定されず、例えば、3,4−ジヒドロ1,2−ジチアンのように、環状ジスルフィド化合物の環状骨格を構成している炭素原子に結合されている水素原子が他の官能基で置換されている適宜の化合物などを挙げることができる。
また、本発明においては、好ましくは、上記環状骨格中の炭素原子に結合している官能基を有する官能基含有環状ジスルフィド化合物が用いられる。その場合には、重合により、上記官能基を有するポリマーが得られる。そのため、上記官能基に由来する性質を、得られる炭素質材料−ポリマー複合材料に与えることができる。従って、得られる炭素質材料−ポリマー複合材料の伸度、強度、耐熱性及び/または溶媒分散性などを高めることができる。
上記官能基としては特に限定されないが、カルボキシル基、アミノ基、グリシジル基などを用いることができる。好ましくは、上記官能基としては、カルボキシル基を用いることができる。その場合には、カルボキシル基を変性することによっても、様々な物性の炭素質材料−ポリマー複合材料を提供することができる。カルボキシル基を有する環状ジスルフィド化合物としては、例えば、αリポ酸などが挙げられる。
上記環状ジスルフィド化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上記環状ジスルフィド化合物は、加熱により重合開始剤を用いずとも重合し、ポリマーとなる。図1は、環状ジスルフィドであるαリポ酸を加熱した場合のポリマーの相対的重量濃度すなわちポリマーへの転化率(6時間加熱)と、処理温度との関係を示す図である。図1に示されるように、環状ジスルフィド化合物の一例であるαリポ酸の場合には、融点以上に加熱することにより重合してポリマーへと転化し、70℃を超える温度では大部分がポリマーへと転化している。このようにして、上記環状ジスルフィド化合物を加熱することによって、本発明において用いられるポリマーA、すなわち環状ジスルフィドを重合して得られるポリマーを容易に得ることができる。
上記環状ジスルフィドを重合して得られるポリマーAをさらに加熱すると、上記ポリマーAが分解し、元のポリマーAよりも分子鎖の短いポリマー、オリゴマーあるいはモノマー(以下「モノマー等」と記載する)となり、かつラジカルを発生させる。以下、上記ポリマーAの加熱による分解について、熱分解により炭素質材料へグラフト化する他のポリマーとしてポリスチレンを例に取り、図2を参照して説明する。
図2は、熱分解により炭素質材料へグラフト化するポリマーの分解開始温度及び分解完了温度を説明するための、上記ポリマーを用いてチッ素雰囲気下でTG/DTA測定を行ったときの模式図である。上記ポリマーを融点温度以上かつ分解開始温度未満の第1の温度域に加熱すると、上記ポリマーがモノマー等へと徐々に分解され始める。ここで、ポリマーの10重量%が分解するに至る温度を分解開始温度とする。上記ポリマーをさらに加熱すると、ポリマーが完全に分解し、モノマーとなる。ここで、ポリマーの90重量%が分解するに至る温度を分解完了温度とする。図2に示されるTG/DTA測定によると、分解開始温度は260℃であり、分解完了温度は300℃であると見積もられる。
分解開始温度及び分解完了温度については、熱分解により炭素質材料へグラフト化する本発明のポリマーAにおいても、上記ポリスチレンと同様に、チッ素雰囲気下のTG/DTA測定を行うことによって同定できる。
上記環状ジスルフィドを重合して得られるポリマーAは、上記ポリマーAの分解開始温度をD℃としたとき、(D−75)℃以上に加熱すると、徐々に分解する。そして、上記ポリマーAがモノマー等に分解し始める(D−75)℃よりも低い温度に冷却すると、モノマー等が再度重合しポリマーとなる。このように、加熱による上記ポリマーAからモノマー等への分解と、冷却によるモノマー等からポリマーへの重合とは、可逆的に進行する。
上記環状ジスルフィドを重合して得られるポリマーAは、上記ポリマーAの分解開始温度をD℃としたとき、(D−75)℃以上かつ分解開始温度までの中温領域の範囲において、ポリマーの分解と重合とが並行して起きる。すなわち、上記中温領域においては、上記ポリマーAが分解して生成した上記モノマー等が再度重合してポリマーとなり、そのポリマーも再び分解してラジカルを発生しつつモノマー等となる。このようにして、上記中温領域においてはポリマーの分解と重合が繰り返され、モノマーあるいはポリマーラジカルが繰り返し発生する。
上記のように、上記環状ジスルフィド化合物は重合が完了する温度領域が低く、上記環状ジスルフィドを重合して得られるポリマーが分解開始温度よりも75℃低い温度で熱分解を開始するため、熱分解による炭素質材料へのグラフト化が起きる温度が比較的低い。従って、密閉された容器を必要とせず、従来より一般的に用いられていた常圧反応釜において上記炭素質材料へのポリマーAのグラフトを行うことができる。すなわち、加圧を要しない。
(環状ジスルフィド化合物とラジカル重合性官能基含有モノマーとを重合して得られるポリマーA)
本発明においては、原料として用いられるポリマーAとして、環状ジスルフィド化合物とラジカル重合性官能基含有モノマーとを重合して得られるポリマーを用いることもできる。ここで挙げられるラジカル重合性官能基含有モノマーは、ラジカル重合性として一般に知られる官能基を有するモノマーである限り特に限定されず、適宜のラジカル重合性官能基を有するモノマーを用いることができる。
本発明においては、原料として用いられるポリマーAとして、環状ジスルフィド化合物とラジカル重合性官能基含有モノマーとを重合して得られるポリマーを用いることもできる。ここで挙げられるラジカル重合性官能基含有モノマーは、ラジカル重合性として一般に知られる官能基を有するモノマーである限り特に限定されず、適宜のラジカル重合性官能基を有するモノマーを用いることができる。
上記ラジカル重合性の官能基を有するモノマーとしては、例えば、スチレン、α−エチルアクリル酸メチル、α−ベンジルアクリル酸メチル、α−[2,2−ビス(カルボメトキシ)エチル]アクリル酸メチル、イタコン酸ジブチル、イタコン酸ジメチル、イタコン
酸ジシクロヘキシル、α−メチレン−δ−バレロラクトン、α−メチルスチレン、α−アセトキシスチレンからなるα−置換アクリル酸エステル、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレートなどのグリシジル基や水酸基を持つビニルモノマー;アリルアミン、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートのようなアミノ基を有するビニルモノマー;メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、クロトン酸、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸などのカルボキシル基を有するモノマー;ユニケミカル社製、ホスマーM、ホスマーCL、ホスマーPE、ホスマーMH、ホスマーPPなどのリン酸基を有するモノマー;ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基を有するモノマー;アルキル基やベンジル基などを有する(メタ)アクリレート系モノマーなどが挙げられる。
酸ジシクロヘキシル、α−メチレン−δ−バレロラクトン、α−メチルスチレン、α−アセトキシスチレンからなるα−置換アクリル酸エステル、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレートなどのグリシジル基や水酸基を持つビニルモノマー;アリルアミン、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートのようなアミノ基を有するビニルモノマー;メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、クロトン酸、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸などのカルボキシル基を有するモノマー;ユニケミカル社製、ホスマーM、ホスマーCL、ホスマーPE、ホスマーMH、ホスマーPPなどのリン酸基を有するモノマー;ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基を有するモノマー;アルキル基やベンジル基などを有する(メタ)アクリレート系モノマーなどが挙げられる。
上記環状ジスルフィド化合物とラジカル重合性官能基含有モノマーとを重合して得られるポリマーAは、上記環状ジスルフィド化合物を重合の原料としている。そのため、上述の上記環状ジスルフィドを重合して得られるポリマーAと同様に、上記ポリマーAの分解開始温度をD℃としたとき、(D−75)℃以上において分解が始まり、(D−75)℃以上かつ分解開始温度までの中温領域の範囲において、ポリマーの分解と重合とが常圧条件で並行して起きる。
ポリマーAの重合の原料となる上記環状ジスルフィド化合物と上記ラジカル重合性官能基含有モノマーとの配合割合は、特に限定されないが、上記環状ジスルフィド化合物100重量部に対し、上記ラジカル重合性官能基含有モノマーを1000重量部以下とすることが好ましい。上記割合よりも上記ラジカル重合性官能基含有モノマーの量が多いと、上記ポリマーAの上記炭素質材料へのグラフト効率が低下する。
(製造方法の具体的な説明)
本発明においては、まず、上記炭素質材料と、ポリマーAとを含む混合物を用意する工程を行う。この場合ポリマーAとしては、上述したように、上記環状ジスルフィド化合物を重合して得られるポリマーであってもよく、上記環状ジスルフィド化合物と上記ラジカル重合性官能基含有モノマーとを重合して得られたポリマーであってもよい。
本発明においては、まず、上記炭素質材料と、ポリマーAとを含む混合物を用意する工程を行う。この場合ポリマーAとしては、上述したように、上記環状ジスルフィド化合物を重合して得られるポリマーであってもよく、上記環状ジスルフィド化合物と上記ラジカル重合性官能基含有モノマーとを重合して得られたポリマーであってもよい。
上記混合物を用意する方法は特に限定されない。例えば、炭素質材料と上記ポリマーAを混合することにより混合物を用意してもよい。あるいは、環状ジスルフィド化合物を第1の温度域に加熱して重合することによって得た後に、炭素質材料を該ポリマーに混合してもよい。または環状ジスルフィド化合物と炭素質材料を混合し、第1の温度域に加熱して重合することによって得た後に、環状ジスルフィド化合物と炭素質材料からなる複合体を該ポリマーに混合してもよい。さらには、重合前に環状ジスルフィド化合物または環状ジスルフィド化合物及びラジカル重合性官能基含有モノマーに炭素質材料を混合し、しかる後に環状ジスルフィド化合物を加熱により重合することにより、上記混合物を用意してもよい。
上記炭素質材料と、上記ポリマーAとの配合割合は特に限定されないが、重量比で50:50〜0.01:99.99の割合とすることが望ましい。重合前に環状ジスルフィド化合物または環状ジスルフィド化合物及びラジカル重合性官能基含有モノマーに炭素質材料を混合する場合には、炭素質材料と、環状ジスルフィド化合物または環状ジスルフィド化合物及びラジカル重合性官能基含有モノマーの合計との配合割合を、重量比で50:50〜0.01:99.99の割合とすることが望ましい。また、ポリマーAを炭素質材料と直接混合する場合には、炭素質材料とポリマーAとの混合割合は、重量比で50:50〜0.5:99.5とすることが望ましい。
上記ポリマーAとしては、2種以上のポリマーAを用いてもよい。また、上記環状ジスルフィド化合物を2種以上用いてポリマーAを得てもよい。それによって、複数種のポリマーまたは複数種の環状ジスルフィド化合物を重合して得られるポリマーを炭素質材料に複合させてなる炭素質材料−ポリマー複合材料を得ることもできる。
また、1種以上の環状ジスルフィド化合物すなわちモノマーと、1種以上の上記ポリマーとを併用してもよい。すなわち、上記混合物は、1種以上の環状ジスルフィド化合物すなわちモノマーを含んでいてもよい。
本発明では、上記のようにして得た混合物を、上記ポリマーAの分解開始温度をD℃としたとき、(D−75)℃以上かつ分解完了温度の温度域に加熱する。
上記混合物を、上記ポリマーAの分解開始温度をD℃としたとき、(D−75)℃以上に加熱することにより、ポリマーAが分解してモノマー等となり、高濃度のラジカルが生成する。上記炭素質材料は、ラジカルトラップ性を有する。従って、上記(D−75)℃以上に加熱されると、上記生成したラジカルが炭素質材料表面にトラップされ、分解により生成したモノマーあるいはポリマーラジカルが炭素質材料表面にグラフトすることとなる。従って、環状ジスルフィド化合物モノマー及び/またはポリマーAから生成したポリマーラジカルを炭素質材料表面にグラフトさせることができる。
上記加熱方法は特に限定されないが、本発明では、前述したように、密閉することなく、すなわち常圧下で加熱するだけで最終的にポリマーAを炭素質材料にグラフトさせることができる。従って、安価にかつ容易に本発明の炭素質材料−ポリマー複合材料を提供することができる。
加えて、ポリマーAを炭素質材料にグラフトするに際し、炭素質材料を酸化する工程を必要としない。そのため、酸素含有量を低めることができる。従って、炭素質材料の導電性も低下し難い。
なお、上記混合物を、分解完了温度を超えて加熱すると、ポリマーAが分解して生じた環状ジスルフィド化合物モノマーが、反応系の外に気散してしまうことがある。従って、上記加熱温度は、上記ポリマーAの分解開始温度をD℃としたとき、(D−75)℃以上かつ分解完了温度以下の範囲である。
比較的長鎖のポリマーを炭素質材料にグラフトさせる場合に、好ましい加熱温度は、分解開始温度をD℃としたときに(D−75)℃以上分解開始温度までの中温領域の温度である。また、上記中温領域においては、上述のポリマーの分解と共に、ポリマーの分解により生成したモノマーの再重合が並行して進行している。そのため、ポリマーの分解と重合が繰り返され、モノマーあるいはポリマーラジカルが繰り返し発生する。従って、上記中温領域において、例えばαリポ酸の場合は160℃〜235℃付近の分解開始温度よりも低い温度において長時間加熱処理する事によって、ポリマーを炭素質材料に高い効率によりグラフトすることができる。
本発明においては、上記加熱工程の後、分解開始温度よりも低い温度、すなわち第1の温度域まで冷却する工程を行ってもよい。それによって、上記モノマー等を再度重合することができる。再度重合して得られたポリマーは、さらに加熱工程を行うことにより、再びモノマー等へと分解し、高濃度のラジカルを発生させることができる。それによって、炭素質材料に上記ポリマーAをさらに効率的にグラフトすることができる。
さらに、本発明においては、上記加熱工程と上記冷却工程とを複数回にわたって繰り返してもよい。それによって、グラフトされるポリマーの鎖長を調整することができる。
また、分解開始温度より低い温度まで冷却し、かつグラフトされている環状ジスルフィドモノマーやポリマーに、さらに任意ではあるが、追加的に他の重合性モノマーを添加し重合させた場合には、種々のポリマーを炭素質材料にグラフトさせることもできる。
本発明の製造方法において、上記炭素質材料として黒鉛を用いた場合には、上記分解開始温度以上に加熱された場合に発生したラジカルが、黒鉛の表面やエッジを攻撃する。そのため黒鉛が剥離し、薄片化が進行する。この場合には、黒鉛の剥離により薄片化黒鉛を得る工程を同時に達成することができる。従って、薄片化黒鉛にポリマーがグラフトされた本発明の炭素質材料−ポリマー複合材料を得ることができる。このように、本発明の製造方法において用いられる材料としての炭素質材料と、得られる炭素質材料−ポリマー複合材料においてグラフト化された炭素質材料とは、異なる形態であってもよい。
本発明の製造方法により得られる炭素質材料−ポリマー複合材料は、グラフトしていないポリマーが添加されている形態であってもよい。また、グラフトしていないポリマーが添加された炭素質材料−ポリマー複合材料を得た後に、必要に応じて、上記グラフトしていないポリマーを除去することにより、炭素質材料−ポリマー複合材料を精製してもよい。
ポリマーによっては、上記分解完了温度よりも高い温度で難熱分解性の残渣が生じる。この場合、分解開始温度及び分解完了温度は以下のように同定できる。すなわち、図2に示すように、分解残渣の重量をR、上記第1の温度域におけるポリマーの最大重量をA、分解開始温度におけるポリマーの重量をX、分解完了温度におけるポリマーの重量をYとしたとき、分解開始温度は、(X−R)/(A−R)=0.9である温度であり、分解完了温度を(Y−R)/(A−R)=0.1である温度となる。
また、TG/DTA測定に用いたポリマー中に、重合していない未反応のモノマーもしくは残留溶媒またはその両方が混在していることがある。この場合、未反応モノマーの重量と残留溶媒の重量との合計をN、上記第1の温度域におけるポリマーの最大重量をA、分解開始温度におけるポリマーの重量をX、分解完了温度におけるポリマーの重量をYとしたとき、分解開始温度は、(X−N)/(A−N)=0.9である温度であり、分解完了温度を(Y−N)/(A−N)=0.1である温度となる。
さらに、分解残渣が生じるポリマー中に未反応のモノマーもしくは残留溶媒またはその両方が含まれていた場合には、分解開始温度は、(X−R−N)/(A−R−N)=0.9である温度であり、分解完了温度を(Y−R−N)/(A−R−N)=0.1となる。
一例として、難分解性の残渣が残る系の場合の、加熱温度とポリマーの相対的重量濃度との関係を図3に示す。図3は、ポリマーがαリポ酸化合物のポリマーの場合を示す。図3に示すように、該ポリマーには未反応モノマーが含まれている。第1の温度域では該ポリマーの分解速度は遅いが、このうち中温領域では、重合と分解が並行して起こっている。第2の温度域まで加熱すると、重合はおきなくなり、ポリマー分解が優先し、分解し始め、モノマーとなり、ラジカルを発生させる。さらに、第3の温度域まで加熱するとポリマーが分解し、モノマーと分解残渣とになる。この分解残渣の重量R及び未反応モノマーの重量と残留溶媒の重量との合計Nを考慮して、上記式により分解開始温度及び分解完了温度を定義すればよい。
なお、上記式において、ポリマーが第3の温度域に加熱されても分解残渣を生じない場合には、Rは0となる。同様に、未反応モノマー及び残留溶媒のいずれも含まないポリマーの場合には、Nは0となる。従って、上記分解開始温度及び分解完了温度を決定する式は、分解残渣を生じないポリマーにも適用することができる。
好ましくは、発生したラジカルと炭素質材料との接触確率を高めるため、上記加熱工程に際し不活性ガスを供給することも望ましい。このような不活性ガスとしては、窒素、炭酸ガス、アルゴンガスなどを挙げることができる。さらに、加熱により超臨界状態となる流体を上記混合物に供給し、上記加熱工程を実施することも望ましい。それによって、発生したラジカルと炭素質材料との接触確率をより一層高めることができる。このような超臨界状態の流体としては、加熱により超臨界状態となり、かつラジカルトラップ特性のない二酸化炭素や水などを挙げることができる。さらに、ラジカルと炭素質材料との接触確率を高めるために、上記ポリマーAの分解開始温度をD℃としたとき、(D−75)℃以上に維持する加熱処理を繰り返してもよい。
(炭素質材料−ポリマー複合材料)
本発明の炭素質材料−ポリマー複合材料は、本発明の製造方法により得られたものであり、炭素質材料にポリマーAに由来するモノマー及び/またはポリマーがグラフトされている。ここで、ポリマーAに由来するモノマーまたはポリマーとは、上述したモノマー等、すなわち元のポリマーAよりも分子鎖の短いポリマー、オリゴマーあるいはモノマーである。
本発明の炭素質材料−ポリマー複合材料は、本発明の製造方法により得られたものであり、炭素質材料にポリマーAに由来するモノマー及び/またはポリマーがグラフトされている。ここで、ポリマーAに由来するモノマーまたはポリマーとは、上述したモノマー等、すなわち元のポリマーAよりも分子鎖の短いポリマー、オリゴマーあるいはモノマーである。
上記モノマー等が上記炭素質材料にグラフト化しているため、本発明の炭素質材料−ポリマー複合材料は、伸度、強度、耐熱性及び/または溶媒分散性などが高められている。
好ましくは、上記炭素質材料−ポリマー複合材料のグラフト化率が2%以上である。上記グラフト化率を2%以上にすることにより、炭素質材料−ポリマー複合材料の伸度、強度、耐熱性及び/または溶媒分散性などの物性を効果的に高めることができる。上記グラフト化率が2%より低いと、上述した炭素質材料−ポリマー複合材料の物性が充分に高められないことがある。
なお、本発明において炭素質材料−ポリマー複合材料のグラフト化率とは、上記炭素質材料の重量に対する、上記炭素質材料にグラフト化により直接化学結合を形成しているモノマー及びポリマーの重量の比率をいう。
好ましくは、上記のように官能基を有するポリマーAに由来するモノマー等が炭素質材料にグラフトされている。上記官能基を有するポリマーAに由来するモノマー等が炭素質材料にグラフトされている場合には、官能基由来の様々な物性を発現させ得る。例えば、親水性官能基を有するポリマーAに由来するモノマー等をグラフトした場合には、水などの水系媒体への分散性を高めることができる。あるいは、疎水性の官能基を有するポリマーAに由来するモノマー等を炭素質材料にグラフトした場合には、疎水性有機溶剤への分散性を高めることもできる。さらに、複数種のポリマーAに由来するモノマー等をグラフトすることもでき、様々な物性を有する複合材料を提供することも可能となる。
さらに好ましくは、炭素質材料としての薄片化黒鉛に上記ポリマーAまたは官能基を有するポリマーAに由来するモノマー等がグラフトされている。その場合には、薄片化黒鉛では、黒鉛に比べて比表面積が大きいため、少量の添加で複合材料の耐熱性や強度などの物性を大幅に改善することができる。
本発明に係る炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法では、炭素質材料とポリマーAとを含む混合物を用意し、加熱するだけで、炭素質材料表面にポリマーをグラフトさせることができる。しかも、ポリマーAは環状ジスルフィド化合物を含む組成物を重合して得られるポリマーであるため、この混合物の加熱によるポリマーAの分解及び重合は、比較的低い温度で進行する。そのため、開放され容器を用い常圧下でポリマーを炭素質材料にグラフトさせることができる。よって、簡便な設備で、温度制御を行うだけで、しかも長時間のグラフト重合工程を実施することなく、炭素質材料−ポリマー複合材料を提供することが可能となる。
しかも、本発明に係る炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法は無溶剤工程であるため、排出される揮発性有機化合物の量を低減することができる。また、炭素質材料を酸化処理する工程も必要としない。従って、導電性に優れた炭素質材料−ポリマー複合材料を提供することもできる。
また、本発明に係る炭素質材料−ポリマー複合材料では、本発明の製造方法により得られ、炭素質材料にポリマーAに由来するモノマー及び/またはポリマーがグラフトされているため、炭素質材料−ポリマー複合材料の物性を高めることができる。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(評価方法)
後述の実施例及び比較例について、以下の評価方法1)〜5)のいずれかを用い、評価した。
後述の実施例及び比較例について、以下の評価方法1)〜5)のいずれかを用い、評価した。
評価方法1):XRD測定
黒鉛を含有する分散溶液をスライドガラス上に滴下し、室温にて乾燥した。X線回折測定をリガク社製X線回折装置Rint1000を用いて行った。
黒鉛を含有する分散溶液をスライドガラス上に滴下し、室温にて乾燥した。X線回折測定をリガク社製X線回折装置Rint1000を用いて行った。
ターゲットにはCuを用い、管電圧50kV、管電流150mA とし、2θ−θ法に
より回折を得た。検出器にはシンチレーションカウンターを用い、0.2度/分の速度でスキャンした。
より回折を得た。検出器にはシンチレーションカウンターを用い、0.2度/分の速度でスキャンした。
評価方法2):TG/DTA測定
黒鉛や薄片化黒鉛の2〜10mgを精秤し、エスアイアイナノテクノロジー社製のTG/DTA6300を用いてTG/DTAを測定した。
黒鉛や薄片化黒鉛の2〜10mgを精秤し、エスアイアイナノテクノロジー社製のTG/DTA6300を用いてTG/DTAを測定した。
初期温度は25℃とし、一分間に10℃の昇温速度で800℃まで昇温した。
なお、分解開始温度及び分解完了温度は、窒素ガス雰囲気下で、ガス流量を50ml/分として測定した。
ポリマーグラフト率は、空気雰囲気下でガス流量を50ml/分として測定した。
評価方法3):薄片化黒鉛へのポリマー吸着率の測定
得られたサンプル1〜10gを50倍以上の重量の溶媒で溶解する。超音波装置を用いて45kHz、100Wの出力で、常温で30分間分散処理を行った。
得られたサンプル1〜10gを50倍以上の重量の溶媒で溶解する。超音波装置を用いて45kHz、100Wの出力で、常温で30分間分散処理を行った。
得られた溶液を、3μmの穴径を有するアドバンテック社製PTFE−T300A090Cを用いて、アスピレーター吸引をしながら濾過した。さらに、溶液量と同量の溶剤を添加して、再度濾過し、グラフェンに対して未反応のポリマーを洗浄濾過した。
ろ紙上のサンプルを、オーブンで乾燥し、含有する溶剤を除去した。
該サンプルを用いて、評価方法2)のTG/DTA測定を行った。
評価方法4):BETの測定法
得られた複合材料を、島津製作所(株)製比表面積測定装置ASAP−2000で窒素ガスを用い、比表面積を測定した。
得られた複合材料を、島津製作所(株)製比表面積測定装置ASAP−2000で窒素ガスを用い、比表面積を測定した。
(比較例1)
原料黒鉛として東洋炭素社製、膨張黒鉛粉砕品、品名:PF8Fを用意した。
原料黒鉛として東洋炭素社製、膨張黒鉛粉砕品、品名:PF8Fを用意した。
ガラスサンプル瓶に、該10mgおよび20mlのTHFを投入し、超音波処理を行った。超音波処理装置としては、本多電子社製、W−113サンパを用いた。出力を100W、発振周波数28kHzで30分間超音波処理を行った。外観として粒子が見える粗い分散溶液が得られた。この分散溶液について先の評価方法1)に従い、XRD測定を行った。
得られた結果を図4に示す。グラファイト層結晶由来のピークが26.4度付近に観察された。
100mlの容量のフラスコに上記膨張黒鉛粉砕品51.4mg、デカリン10.5g、αリポ酸2.7gを入れ、超音波処理を行うことにより、分散混合物を得た。超音波処理には、本多電子社製、W−113サンパを用い、出力を100W、発振周波数28kHzで、30分間処理した。
このフラスコをオイルバスにつけ、スターラーで撹拌しながらオイルバスの温度を100℃まで上昇させ、4時間加熱した。αリポ酸の重合が進行し、分散混合物が粘稠になった。その後、一晩徐冷し、還流装置から、ナスフラスコ1を外した。
本フラスコにテトロヒドロフラン100gを加えて本分散混合物と混合し、超音波処理した。超音波処理装置として、本多電子社製、W−113サンパを用いた。出力を100W、発振周波数28kHzで60分間処理した。
黒色の本分散混合物をとりだし、3μmの穴径を有するアドバンテック社製PTFE−T300A090Cを用いて、アスピレーター吸引をしながら濾過した。濾過残渣をTHFに再分散し、80℃で2時間乾燥後、空気下でTG/DTA測定を行った。
得られた結果を図5に示す。図5に示すように、薄片化黒鉛由来のピークが97%、残留溶媒(デカリン)のピークが3%、グラフトしたαリポ酸由来のピークが1%以下であった。
(比較例2)
100mlの容量のフラスコに上記膨張黒鉛粉砕品50.0mg、デカリン10g、αリポ酸2.7gを入れ、超音波処理を行うことにより、分散混合物を得た。超音波処理には、本多電子社製、W−113サンパを用い、出力を100W、発振周波数28kHzで、30分間処理した。
100mlの容量のフラスコに上記膨張黒鉛粉砕品50.0mg、デカリン10g、αリポ酸2.7gを入れ、超音波処理を行うことにより、分散混合物を得た。超音波処理には、本多電子社製、W−113サンパを用い、出力を100W、発振周波数28kHzで、30分間処理した。
このフラスコをオイルバスにつけ、スターラーで撹拌しながらオイルバスの温度を150℃まで上昇させ、4時間加熱した。αリポ酸の重合が進行し、分散混合物が粘稠になった。その後、一晩徐冷し、還流装置から、ナスフラスコ1を外した。
本フラスコにトルエン50gを加えて本分散混合物と混合し、超音波処理した。超音波処理装置として、本多電子社製、W−113サンパを用いた。出力を100W、発振周波数28kHzで60分間処理した。
黒色の本分散混合物をとりだし、3μmの穴径を有するアドバンテック社製PTFE−T300A090Cを用いて、アスピレーター吸引をしながら濾過した。濾過残渣を80℃で2時間乾燥後、空気下でTG/DTA測定を行った。
得られた結果を図6に示す。図6に示すように、残留溶媒のピークが20%、薄片化黒鉛由来のピークが74%、分解残渣のピークが4.5%、グラフトしたαリポ酸由来のピークが1.5%以下であった。
(実施例1)グラフェンの調製とジスルフィドのグラフト
原料を黒鉛シートとして東洋炭素社製、品番:PF100−UHP、密度0.7、厚み1mmの低密度黒鉛シートを用意した。上記シート状黒鉛を3cm×3cmの大きさに切断し、電極材料としてのシート状の黒鉛を得た。このシート状の黒鉛に、スリットの長さが1cm、幅が1cmとなるようにカッターナイフにより切削し、形成した。上記2本のスリットが形成されたシート状の黒鉛に、Ptからなる電極を挿入した。このようにして用意したシート状の黒鉛を作用極(陽極)として、Ptからなる対照極(陰極)及び、Ag/AgClからなる参照極とともに60重量%濃度の硝酸水溶液中に浸漬し、直流電圧を印加し電気化学処理を行った。
原料を黒鉛シートとして東洋炭素社製、品番:PF100−UHP、密度0.7、厚み1mmの低密度黒鉛シートを用意した。上記シート状黒鉛を3cm×3cmの大きさに切断し、電極材料としてのシート状の黒鉛を得た。このシート状の黒鉛に、スリットの長さが1cm、幅が1cmとなるようにカッターナイフにより切削し、形成した。上記2本のスリットが形成されたシート状の黒鉛に、Ptからなる電極を挿入した。このようにして用意したシート状の黒鉛を作用極(陽極)として、Ptからなる対照極(陰極)及び、Ag/AgClからなる参照極とともに60重量%濃度の硝酸水溶液中に浸漬し、直流電圧を印加し電気化学処理を行った。
電気化学処理に際しては、0.7Aの電流値となるように固定して、2時間印加した。このようにして、陽極に作用極として用いた黒鉛は、次第に膨張し厚みが数倍になった。
このようにして得た膨張化黒鉛を乾燥し、膨張化黒鉛の多層構造をXRD測定により評価した。図7に膨張化黒鉛のXRDパターンを示す。わずかにグラファイト多層構造が観察されている。
上記で得られた膨張化黒鉛を、1cm角に切断し、その1つをカーボンるつぼに入れて電磁誘導加熱処理を行った。誘導加熱装置はSKメディカル社製MU1700Dを用い、アルゴンガス雰囲気下で最高到達温度550度となるように10Aの電流量で行った。電磁誘導加熱により膨張化黒鉛は薄片化され、得られた薄片化黒鉛の粉末を島津製作所(株)の比表面積測定装置ASAP−2000で窒素ガスを用いて測定したところ、697m2/gの比表面積を示した。得られた薄片化黒鉛を、TG/DTA測定した結果を図8に示す。剥離の進行とともに、分解温度の低温化が観察された。
100mlの容量の2口ナスフラスコに上記グラフェンを0.25g、デカリン40gを入れ、超音波処理を行うことにより、分散混合物を得た。超音波処理には、本多電子社製、W−113サンパを用いた。出力を100W、発振周波数28kHzで、40分間処理した。本分散混合物の入ったナスフラスコを図9に示す還流装置にセットして、ナスフラスコ1とした。ナスフラスコ1中の本分散混合物中にシリンジを挿入し、デカリン溶媒をチッ素で10分間バブリングした。ここにαリポ酸(オリザ油化株式会社製、Pタイプ)を10g投入し、続けて、本分散混合物中に直接チッ素を20分間バブリングした。
このナスフラスコ1をオイルバス2につけ、オイルバス2の温度を100℃まで上昇させ、4時間加熱した。αリポ酸の重合が進行し、分散混合物が粘稠になった。続いて、オイルバス2の温度を170℃に昇温して、4時間加熱し、熱分解グラフト処理した。上記熱分解の後、一晩徐冷し、還流装置から、ナスフラスコ1を外した。
本ナスフラスコ1にテトロヒドロフラン100gを加えて本分散混合物と混合し、超音波処理した。超音波処理装置として、本多電子社製、W−113サンパを用いた。出力を100W、発振周波数28kHzで60分間処理した。
黒色の本分散混合物をとりだし、3μmの穴径を有するアドバンテック社製PTFE−T300A090Cを用いて、アスピレーター吸引をしながら濾過した。濾過残渣をTHFに再分散し、80℃で2時間乾燥後、空気下でTG/DTA測定を行った。
得られた結果を図10に示す。図10に示すように、薄片化黒鉛由来のピークが62%、グラフトしたポリマー由来のピークが23%となり、残留溶液(デカリン由来)のピークが11%、分解残差のピークが4%となった。ポリマーグラフト率は、29.9重量%と見積もられた。
(実施例2)
100mlの容量の2口ナスフラスコに東洋炭素社製、膨張黒鉛粉砕品、品名:PF8Fを0.25g、デカリン40gを入れ、超音波処理を行うことにより、分散混合物を得た。超音波処理には、本多電子社製、W−113サンパを用いた。出力を100W、発振周波数28kHzで40分間処理した。本分散混合物の入ったナスフラスコを図8に示す還流装置にセットして、ナスフラスコ1とした。ナスフラスコ1中の本分散混合物中にシリンジを挿入し、デカリン溶媒をチッ素で10分間バブリングした。ここにαリポ酸(オリザ油化株式会社、Pタイプ)を10g投入し、続けて、本分散混合物中に直接チッ素を20分間バブリングした。
100mlの容量の2口ナスフラスコに東洋炭素社製、膨張黒鉛粉砕品、品名:PF8Fを0.25g、デカリン40gを入れ、超音波処理を行うことにより、分散混合物を得た。超音波処理には、本多電子社製、W−113サンパを用いた。出力を100W、発振周波数28kHzで40分間処理した。本分散混合物の入ったナスフラスコを図8に示す還流装置にセットして、ナスフラスコ1とした。ナスフラスコ1中の本分散混合物中にシリンジを挿入し、デカリン溶媒をチッ素で10分間バブリングした。ここにαリポ酸(オリザ油化株式会社、Pタイプ)を10g投入し、続けて、本分散混合物中に直接チッ素を20分間バブリングした。
このナスフラスコ1をオイルバス2につけ、オイルバス2の温度を100℃まで上昇させ、4時間加熱した。αリポ酸の重合が進行し、溶液が粘稠になった。続いて、オイルバス2の温度を170℃に昇温して、4時間加熱し、熱分解グラフト処理した。熱分解後、一晩徐冷し、還流装置から、ナスフラスコ1を外した。
ナスフラスコ1にテトロヒドロフラン100gを加えて本分散混合物と混合し、超音波処理した。超音波処理装置として、本多電子社製、W−113サンパを用いた。出力を100W、発振周波数28kHzで60分間処理した。
黒色の本分散混合物をとりだし、3μmの穴径を有するアドバンテック社製PTFE−T300A090Cを用いて、アスピレーター吸引をしながら濾過した。濾過残渣をTHFに再分散し、80℃で2時間乾燥後、空気下でTG/DTA測定を行った。
得られた結果を図11に示す。図11に示すように、薄片化黒鉛由来のピークが96%、グラフトしたαリポ酸由来のピークが4%であった。従って、αリポ酸がグラフェン表面にグラフト化されているαリポ酸グラフトグラファイトが得られていることがわかる。ポリマーグラフト率は、4重量%と見積もられた。
(実施例3)
100mlの容量の2口ナスフラスコに実施例2で得られたαリポ酸グラフトグラファイト53.1mg、スチレンモノマー19.9g、及びデカリン19.3gを入れ、超音波処理を行うことにより、分散混合物を得た。超音波処理には、本多電子社製、W−113サンパを用い、出力を100W、発振周波数28kHzで、30分間処理した。
100mlの容量の2口ナスフラスコに実施例2で得られたαリポ酸グラフトグラファイト53.1mg、スチレンモノマー19.9g、及びデカリン19.3gを入れ、超音波処理を行うことにより、分散混合物を得た。超音波処理には、本多電子社製、W−113サンパを用い、出力を100W、発振周波数28kHzで、30分間処理した。
本分散混合物の入ったナスフラスコを図9に示す還流装置に再度セットして、ナスフラスコ1とした。ナスフラスコ1中の本分散混合物中にシリンジを挿入し、デカリン溶媒をチッ素で30分間バブリングした。
このナスフラスコ1をオイルバス2につけ、オイルバス2の温度を100℃まで上昇させ、46分間加熱した。さらに、130℃で28分間、さらに150℃で46分間、170℃で70分間加熱し、熱分解グラフト処理した。熱分解後、一晩徐冷し、還流装置から、ナスフラスコを外した。
次に、本ナスフラスコにテトロヒドロフラン40gを加えて本分散混合物と混合し、超音波処理した。超音波処理には、本多電子社製、W−113サンパを用い、出力を100W、発振周波数28kHzで、30分間処理した。
しかる後、粘稠な本分散混合物をとりだし、3μmの穴径を有するアドバンテック社製PTFE−T300A090Cを用いて、アスピレーター吸引をしながら濾過した。濾過残渣をTHF60gに再分散し、濾過後、80℃で2時間乾燥後、空気下でTG/DTA測定を行った。
得られた結果を図12に示す。薄片化黒鉛由来のピークが92%、グラフトしたポリマー由来のピークが8%となった。
実施例2では、環状ジスルフィドすなわちαリポ酸のグラフト率は4%であったので、実施例3におけるスチレンポリマーグラフト率は、4重量%と見積もられた。
(実施例4)
100mlの容量のサンプル管に東洋炭素社製、膨張黒鉛粉砕品、品名:PF8Fを50mg、αリポ酸2.7g。デカリン10gを入れ、超音波処理を行うことにより、分散混合物を得た。超音波処理には、本多電子社製、W−113サンパを用いた。出力を100W、発振周波数28kHzで30分間処理した。本分散混合物の入った上記サンプル管にスターラーのチップを入れた後、上記サンプル管を150℃のホットプレート上において撹拌しつつ2時間加熱した。
100mlの容量のサンプル管に東洋炭素社製、膨張黒鉛粉砕品、品名:PF8Fを50mg、αリポ酸2.7g。デカリン10gを入れ、超音波処理を行うことにより、分散混合物を得た。超音波処理には、本多電子社製、W−113サンパを用いた。出力を100W、発振周波数28kHzで30分間処理した。本分散混合物の入った上記サンプル管にスターラーのチップを入れた後、上記サンプル管を150℃のホットプレート上において撹拌しつつ2時間加熱した。
次に、上記サンプル管を室温まで冷却したのち、スチレンモノマー10gを添加して、上記超音波処理を30分間行った。続いて、このサンプル管を240℃のホットプレート上において2時間加熱した。さらに、このサンプル管を150℃の別のホットプレート上に置き換えた後、150℃において2時間加熱した。再度、240℃での処理を2時間行った後、さらに150℃での加熱処理を2時間加熱した。このようにして、150℃、240℃加熱処理を繰り返し行った。これらの一連の加熱処理後、上記サンプル管を一晩徐冷した。
次に、上記サンプル管にトルエン50mlを加えて本分散混合物と混合し、超音波処理した。超音波処理には、本多電子社製、W−113サンパを用い、出力を100W、発振周波数28kHzで、30分間処理した。
しかる後、黒色の本分散混合物をとりだし、3μmの穴径を有するアドバンテック社製PTFE−T300A090Cを用いて、アスピレーター吸引をしながら濾過した。濾過残渣をTHF60gに再分散し、濾過後、80℃で2時間乾燥後、空気下でTG/DTA測定を行った。
得られた結果を図13に示す。図13に示すように、薄片化黒鉛由来のピークが92%、グラフトしたαリポ酸由来のピークが4%であった。従って、αリポ酸とスチレンがグラフェン表面にグラフト化されているグラファイトが得られていることがわかる。ポリマーグラフト率は、4.3重量%と見積もられた。
1…ナスフラスコ
2…オイルバス
2…オイルバス
Claims (18)
- 炭素質材料と、環状ジスルフィド化合物を重合して得られるポリマー及び環状ジスルフィド化合物とラジカル重合性官能基含有モノマーとを重合して得られるポリマーのうち少なくとも1種のポリマーAとを含む混合物を用意する工程と、
前記ポリマーAの分解開始温度をD℃としたとき、前記混合物を(D−75)℃以上かつ分解完了温度以下の温度範囲の温度に加熱する加熱工程とを備える、炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法。 - 前記混合物を用意する工程が、前記炭素質材料と、前記ポリマーAとを混合することにより行われる、請求項1に記載の炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法。
- 前記混合物を用意する工程が、前記環状ジスルフィド化合物を加熱して重合し前記ポリマーAを得る工程と、前記環状ジスルフィド化合物の重合前または重合後に前記炭素質材料を混合する工程とを備える、請求項1に記載の炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法。
- 前記加熱工程の後に、前記ポリマーAの分解開始温度をD℃としたとき、前記混合物を(D−75)℃よりも低い温度まで冷却する冷却工程をさらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法。
- 前記加熱工程と前記冷却工程とを複数回にわたって繰り返す工程をさらに備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法。
- 前記環状ジスルフィド化合物が、環状骨格中の炭素原子に結合している官能基を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法。
- 前記環状ジスルフィド化合物が、αリポ酸、リポイックアミド及びこれらの変性体からなる群から選択された少なくとも1種の化合物である、請求項7に記載の炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法。
- 前記環状ジスルフィド化合物として、2種以上の環状ジスルフィド化合物を用いる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法。
- 前記ポリマーAとして、2種以上のポリマーAを用いる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法。
- 前記ラジカル重合性官能基含有モノマーが、ビニル基含有モノマーである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法。
- 前記加熱工程の少なくとも一部において、超臨界状態にある二酸化炭素もしくは水を混入させる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法。
- 前記混合物が重合開始剤を含まない、請求項1〜12のいずれか一項に記載の炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法。
- 前記炭素質材料が、薄片化黒鉛、黒鉛、カーボン粒子、カーボンナノチューブ及びフラーレンからなる群から選択された少なくとも1種である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法。
- 前記炭素質材料が黒鉛である、請求項14に記載の炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法。
- 請求項1〜15のいずれか一項に記載の炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法により得られ、炭素質材料に前記ポリマーAに由来するモノマー及び/またはポリマーがグラフトしている炭素質材料−ポリマー複合材料。
- 前記炭素質材料に、官能基を有する前記ポリマーAに由来するモノマー及び/またはポリマーがグラフトしている、請求項16に記載の炭素質材料−ポリマー複合材料。
- 前記炭素質材料が薄片化黒鉛である、請求項16または17に記載の炭素質材料−ポリマー複合材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012548270A JP5314803B1 (ja) | 2011-11-21 | 2012-10-12 | 炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法及び炭素質材料−ポリマー複合材料 |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011254186 | 2011-11-21 | ||
JP2011254186 | 2011-11-21 | ||
PCT/JP2012/076429 WO2013077107A1 (ja) | 2011-11-21 | 2012-10-12 | 炭素質材料-ポリマー複合材料の製造方法及び炭素質材料-ポリマー複合材料 |
JP2012548270A JP5314803B1 (ja) | 2011-11-21 | 2012-10-12 | 炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法及び炭素質材料−ポリマー複合材料 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013027923A Division JP6110683B2 (ja) | 2011-11-21 | 2013-02-15 | 炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法及び炭素質材料−ポリマー複合材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP5314803B1 JP5314803B1 (ja) | 2013-10-16 |
JPWO2013077107A1 true JPWO2013077107A1 (ja) | 2015-04-27 |
Family
ID=48469560
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012548270A Expired - Fee Related JP5314803B1 (ja) | 2011-11-21 | 2012-10-12 | 炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法及び炭素質材料−ポリマー複合材料 |
JP2013027923A Active JP6110683B2 (ja) | 2011-11-21 | 2013-02-15 | 炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法及び炭素質材料−ポリマー複合材料 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013027923A Active JP6110683B2 (ja) | 2011-11-21 | 2013-02-15 | 炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法及び炭素質材料−ポリマー複合材料 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US9243112B2 (ja) |
EP (1) | EP2784103B1 (ja) |
JP (2) | JP5314803B1 (ja) |
KR (1) | KR101844622B1 (ja) |
CN (2) | CN103842410B (ja) |
WO (1) | WO2013077107A1 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102812290B (zh) | 2010-04-09 | 2016-08-03 | 皇家飞利浦电子股份有限公司 | 具有平滑截止的照明设备 |
KR101845118B1 (ko) * | 2011-02-04 | 2018-04-03 | 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 | 박편화 흑연-중합체 복합 재료의 제조 방법 |
JP6066697B2 (ja) * | 2012-12-03 | 2017-01-25 | 積水化学工業株式会社 | 炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法及び炭素質材料−ポリマー複合材料 |
WO2015167636A1 (en) * | 2014-02-05 | 2015-11-05 | University Of Houston System | Graft polymerization initiated on graphitic nanomaterials and their nanocomposite formation |
EP3050846A4 (en) * | 2014-04-28 | 2016-11-16 | Ningbo Morsh Technology Co Ltd | GRAPHIC COMPOSITE POWDER MATERIAL AND METHOD OF MANUFACTURING THEREOF |
JP2016207711A (ja) * | 2015-04-16 | 2016-12-08 | 株式会社ジェイテクト | 磁石の製造方法及び磁石 |
Family Cites Families (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000191941A (ja) * | 1998-12-25 | 2000-07-11 | Nippon Shokubai Co Ltd | カ―ボンブラックグラフトポリマ― |
DE10012784A1 (de) * | 2000-03-16 | 2001-09-27 | Degussa | Ruß |
JP2002322308A (ja) * | 2001-04-25 | 2002-11-08 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | ゴム材料 |
JP3807974B2 (ja) * | 2001-11-09 | 2006-08-09 | 三菱製紙株式会社 | インクジェット用記録材料 |
US20050175829A1 (en) * | 2002-06-03 | 2005-08-11 | Sei Aoki | Rubber composition and tire obtained from the same |
JP4279220B2 (ja) * | 2004-09-09 | 2009-06-17 | 日信工業株式会社 | 複合材料及びその製造方法、複合金属材料及びその製造方法 |
JP4779099B2 (ja) * | 2004-11-02 | 2011-09-21 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | カーボンナノチューブおよびその製造方法 |
US20060229404A1 (en) * | 2005-04-07 | 2006-10-12 | Annette Lechtenboehmer | Pneumatic tire having a rubber component containing exfoliated graphite |
JP4796328B2 (ja) * | 2005-05-09 | 2011-10-19 | 住友ゴム工業株式会社 | ポリカテナン構造を有する弾性重合体組成物 |
JP4806969B2 (ja) * | 2005-05-30 | 2011-11-02 | 日油株式会社 | α−リポ酸油脂被覆粉末の製造方法およびその製造物 |
US7658901B2 (en) * | 2005-10-14 | 2010-02-09 | The Trustees Of Princeton University | Thermally exfoliated graphite oxide |
DE102008037837A1 (de) * | 2007-08-27 | 2009-04-09 | Toyo Tire & Rubber Co., Ltd., Osaka-shi | Gummimischung für einen Reifen und Herstellungsverfahren dafür |
US20090078581A1 (en) * | 2007-09-24 | 2009-03-26 | Applied Intellectual Capital | Configurations and Methods of Reduction of Lipoic Acid |
JP2011032156A (ja) * | 2009-07-06 | 2011-02-17 | Kaneka Corp | グラフェンまたは薄膜グラファイトの製造方法 |
US8753740B2 (en) * | 2009-12-07 | 2014-06-17 | Nanotek Instruments, Inc. | Submicron-scale graphitic fibrils, methods for producing same and compositions containing same |
JP5328043B2 (ja) | 2009-12-21 | 2013-10-30 | 日機装株式会社 | ポリマーグラフトカーボンナノチューブ、及びその製造方法 |
JP5150772B2 (ja) * | 2010-02-04 | 2013-02-27 | 独立行政法人科学技術振興機構 | 選択的に化学修飾されたカーボンナノチューブの製造方法 |
CN103080235B (zh) * | 2010-09-03 | 2015-03-25 | 积水化学工业株式会社 | 树脂复合材料及树脂复合材料的制造方法 |
KR101845118B1 (ko) * | 2011-02-04 | 2018-04-03 | 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 | 박편화 흑연-중합체 복합 재료의 제조 방법 |
-
2012
- 2012-10-12 EP EP12852044.2A patent/EP2784103B1/en active Active
- 2012-10-12 CN CN201280049062.0A patent/CN103842410B/zh active Active
- 2012-10-12 KR KR1020137026513A patent/KR101844622B1/ko active IP Right Grant
- 2012-10-12 CN CN201410488277.3A patent/CN104262627B/zh not_active Expired - Fee Related
- 2012-10-12 JP JP2012548270A patent/JP5314803B1/ja not_active Expired - Fee Related
- 2012-10-12 WO PCT/JP2012/076429 patent/WO2013077107A1/ja active Application Filing
- 2012-10-12 US US14/110,397 patent/US9243112B2/en not_active Expired - Fee Related
-
2013
- 2013-02-15 JP JP2013027923A patent/JP6110683B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6110683B2 (ja) | 2017-04-05 |
CN104262627B (zh) | 2017-04-12 |
EP2784103B1 (en) | 2020-07-29 |
CN103842410B (zh) | 2015-05-13 |
JP5314803B1 (ja) | 2013-10-16 |
US20140073746A1 (en) | 2014-03-13 |
WO2013077107A1 (ja) | 2013-05-30 |
CN104262627A (zh) | 2015-01-07 |
EP2784103A1 (en) | 2014-10-01 |
KR20140093606A (ko) | 2014-07-28 |
KR101844622B1 (ko) | 2018-04-02 |
CN103842410A (zh) | 2014-06-04 |
US9243112B2 (en) | 2016-01-26 |
JP2013129596A (ja) | 2013-07-04 |
EP2784103A4 (en) | 2015-08-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6110683B2 (ja) | 炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法及び炭素質材料−ポリマー複合材料 | |
JP5082020B2 (ja) | 薄片化黒鉛−ポリマー複合材料の製造方法 | |
JP5576532B2 (ja) | 薄片化黒鉛・樹脂複合材料及びその製造方法 | |
KR101090517B1 (ko) | 탄소나노물질-고분자 복합체 및 이의 제조방법 | |
TWI682577B (zh) | 活性物質-薄片化石墨複合體、鋰離子二次電池用負極材料及鋰離子二次電池 | |
JP5775366B2 (ja) | 炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法 | |
US8609188B2 (en) | Surface modification of nano-diamonds and manufacturing method thereof | |
JP2011127071A (ja) | ポリマーグラフトカーボンナノチューブ、及びその製造方法 | |
KR101590706B1 (ko) | 그래핀―고분자 복합체 및 이의 제조방법 | |
CN108699172A (zh) | 包含石墨烯和石墨烯纳米片的组合物及其制备方法 | |
EP2816010B1 (en) | Method for producing flake graphite, and flake graphite | |
JPWO2014034156A1 (ja) | 薄片化黒鉛・樹脂複合材料及びその製造方法 | |
JP6066697B2 (ja) | 炭素質材料−ポリマー複合材料の製造方法及び炭素質材料−ポリマー複合材料 | |
CN113929087A (zh) | 石墨烯片及其制备方法和应用 | |
Cai | Graphene Functionalization: A Review |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130611 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130705 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5314803 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |