JP5082020B2 - 薄片化黒鉛−ポリマー複合材料の製造方法 - Google Patents

薄片化黒鉛−ポリマー複合材料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、薄片化黒鉛にポリマーをグラフトしてなる薄片化黒鉛−ポリマー複合材料の製造方法に関し、より詳細には、解重合性のモノマー、該モノマーのポリマーa、または分解温度付近でラジカルを形成するポリマーbと、黒鉛とを混合し、加熱することにより、薄片化黒鉛にポリマーをグラフトしてなる複合材料を製造する方法に関する。
黒鉛は、SP2の炭素のヘキサゴナルな層状化合物であり、黒鉛を構成している一層はグラフェンと称されている。従来、グラフェンを得るには、シリコンカーバイドを加熱処理する方法や、銅箔などの金属膜上においてグラフェンをCVD法で積層する方法が知られている。
他方、黒鉛を強酸で処理し、黒鉛の層間にイオンをドープし、さらに急速加熱処理することにより、元の黒鉛よりもグラフェン積層数が少ない酸化グラフェンや薄片化黒鉛を得る方法が知られている(下記の特許文献1)。
また、従来、黒鉛を剥離処理することにより得られた薄片化黒鉛とポリマーとの複合材料が種々検討されている。例えば下記の非特許文献1には、黒鉛を化学的処理により剥離処理することにより得られた薄片化黒鉛の共存下に、重合開始剤及びスチレンモノマー成分を混合し、モノマーを重合するとき、グラフェン表面にスチレンポリマー鎖がグラフトされることが報告されている。
US 7,658,901 B02
第59回 高分子学会年次大会予稿集、3Pb016
薄片化黒鉛−ポリマー複合材料を得るにあたり、薄片化黒鉛を得た後に、モノマーをグラフトし、さらにポリマーをグラフト重合する方法では、原料の薄片化黒鉛の取り扱いが煩雑であるという問題があった。すなわち、薄片化黒鉛や剥離したグラフェンが空気中に漂う程、剥離処理後の薄片化黒鉛やグラフェンは軽量であり、剥離処理後の薄片化黒鉛の取り扱いが非常に困難であった。そのため、従来、薄片化黒鉛を溶剤に再分散し、分散液に、重合開始点となる重合開始剤や、共重合反応性の官能基をグラフェン表面にグラフトしていた。しかる後、溶液中で重合し、グラフェン表面にポリマーをグラフトしていた。従って、工程に非常に長い時間を要していた。
さらに、分散媒や溶媒に薄片化黒鉛やナノカーボン材料を再分散するに際し、ナノカーボン材料の濃度が高いと、高粘度のスラリーとなる。例えば、溶媒や分散媒に、1重量%程度の薄片化黒鉛を分散するだけでも、非常に高い粘度のスラリー、もしくは硬い凝集塊となる。そのため、薄片化黒鉛の濃度を非常に低くしなければ、攪拌も容易ではなかった。従って、薄片化黒鉛にポリマーをグラフトしてなる複合材料を容易に得ることは困難であった。
本発明の目的は、黒鉛の剥離処理と薄片化黒鉛にポリマーをグラフトする工程を同時に実現することができ、従って容易にかつ短時間で薄片化黒鉛−ポリマー複合材料を得ることを可能とする製造方法を提供することにある。
本願発明者は、薄片化黒鉛と、解重合性のモノマー、該モノマーのポリマー、または分解温度付近でラジカルを形成するポリマーとを、非開放容器内で前記ポリマーの分解温度付近で高温加熱処理すれば、黒鉛の薄片化と共に、薄片化黒鉛にポリマーを高効率にグラフトし得ることを見出し、本発明をなすに至った。
ここで言う、薄片化とは、1〜200層程度のグラファイト層への剥離およびナノ粒子の凝集体の一次粒子への分散を指している。
本発明の薄片化黒鉛−ポリマー複合材料の製造方法は、黒鉛もしくは一次薄片化黒鉛と、加熱によりそのポリマーが分解し、ラジカルを発生させかつモノマーやオリゴマー化する解重合性のモノマーもしくは該モノマーの前記ポリマーa、または分解開始温度以上でラジカルを生成するポリマーbとを混合し混合物を得る工程と、前記混合物を非開放容器内に設置し、前記ポリマーaまたはbの天井温度以上、分解開始温度以下を第1の温度域としたときに、第1の温度域または第1の温度域よりも高温に加熱する加熱工程とを備える。なお、ここでいう分解開始温度とは、窒素雰囲気下で、TG/DTA測定をした場合、前記ポリマーaまたはbの10重量%が分解するに至る温度を指している。また、天井温度の定義は、「ラジカル重合ハンドブック」第112頁(エヌ・ティー・エス発行)に記載されている。
上記定義から明らかなように、分解開始温度未満の場合であっても、分解開始温度付近であればポリマーが分解し、ラジカルを発生させる。本明細書においては、上記加熱工程における加熱に際し、天井温度以上、分解開始温度以下の第1の温度域に加熱する操作をA操作と呼ぶこととする。
本発明に係る薄片化黒鉛−ポリマー複合材料の製造方法のある特定の局面では、前記ポリマーaまたはbの90重量%が分解するに至る温度を分解完了温度としたときに、前記加熱工程において前記分解開始温度を超え、分解完了温度以下の第2の温度域で加熱する工程をさらに備える。なお、第1の温度域と第2の温度域での加熱処理を繰り返す工程を実施してもよく、それによって、薄片化黒鉛へのポリマーのグラフトと、ポリマーの分子量低下の抑制とが可能とする。第1の温度域と第2の温度域での加熱処理を繰り返す工程を、以下B操作と呼ぶこととする。なお、ここでいう分解完了温度とは、窒素雰囲気下で、TG/DTA測定をした場合、前記ポリマーの90重量%が分解するに至る温度を指している。
本発明に係る薄片化黒鉛−ポリマー複合材料の製造方法の他の特定の局面では、前記加熱工程において前記分解完了温度より高い第3の温度域に加熱する工程がさらに備えられる。
本発明に係る薄片化黒鉛−ポリマー複合材料のさらに別の特定の局面では、上記第2の温度域に加熱する中温加熱工程と、上記第3の温度域に加熱する高温加熱工程とが繰り返される。この操作を、以下C操作と呼ぶこととする。C操作を実施した場合には、黒鉛の剥離をより効果的に進行させることができる。さらに、ポリマーのグラフト率をより一層高めることができる。
前述したA操作〜C操作の技術的意義を簡単に説明することとする。
A操作は、熱分解によるラジカル発生がゆっくりと起きる温度領域に加熱する操作である。従って、比較的ポリマーaまたはbのグラフト率は低いが、グラフトされるポリマーの長さを長くすることができる。
B操作はA操作よりも、ポリマーの熱分解が活発に引き起こされる温度領域で行われる。従って、グラフト率を高めることができる。
C操作はA,B操作よりもさらに、熱分解が活発に引き起こされる温度領域で行われる。従って、黒鉛の剥離を進行させ、かつグラフト起点の数や密度を高めることができる。
本発明に係る薄片化黒鉛−ポリマー複合材料のさらに他の特定の局面では、前記ポリマーaまたはbの分解完了温度より高い第3の温度域でありかつ1000℃以下の温度での分解残渣の最小重量をR,第1の温度域でのポリマーaまたはbの最大重量をA(吸着水や吸着ガス、含有溶剤は含まない重量),分解開始温度でのポリマーaまたはbの重量をX,分解完了温度でのポリマーaまたはbの重量をYとしたときに、分解開始温度は(X−R)/(A−R)=0.9である温度であり、分解完了温度は(Y−R)/(A−R)=0.1である温度である。このように、分解開始温度及び分解完了温度は、上記ポリマーaまたはbを第3の温度域に加熱した場合に分解残渣が生じるものであっても、分解残渣が生じないものであっても、上記各式により決定することができる。この分解開始温度および分解完了温度は、窒素雰囲気下でのTG/DTA測定から読み取ることができる。
また、本発明に係る薄片化黒鉛−ポリマー複合材料の製造方法のさらに他の特定の局面では、前記モノマーまたはポリマーaまたはbとして、2種以上のモノマーまたはポリマーを用いる。この場合、2種以上のモノマーの混合体を出発物質として得られたポリマーや、すでに重合された2種以上のポリマーを混合して用いる場合には、2種以上のモノマーの混合体や2種以上のポリマーの混合物のTG/DTAパターンから分解開始温度と分解終了温度を読み取り、上記の操作法に従ってグラフト処理を行えばよい。
また、これらの複数のモノマーまたはポリマーを逐次的に処理してもよい。この場合には、複数種のポリマーを薄片化黒鉛に順次グラフトすることができる。この場合に、分解温度の高い方のモノマーもしくはポリマーによってグラフト処理を施したのち、さらに別の比較的分解温度の低いモノマーもしくはポリマーを追加添加し、混合する事によりグラフト処理を繰り返し行うことが好ましい。この方法によって、異種のポリマーを薄片化黒鉛にグラフトすることが可能となる。従って、両親媒性などの様々な物性を有する複合材料を容易に提供することが可能となる。
本発明に係る薄片化黒鉛−ポリマー複合材料のさらに他の特定の局面では、加熱する工程において、超臨界状態にある二酸化炭素もしくは水を混入させる。
本発明に係る薄片化黒鉛−ポリマー複合材料の製造方法のさらに別の特定の局面では、前記混合物が重合開始剤を含まない。重合開始剤を用いずとも、本発明によれば、ポリマーの自発的分解により生じたラジカルにより、上記モノマーもしくはポリマーを薄片化黒鉛にグラフトすることができる。
本発明に係る薄片化黒鉛−ポリマー複合材料は、本発明の薄片化黒鉛−ポリマー複合材料の製造方法により得られたものであって、X線回折ピーク強度が、処理前のグラファイト層結晶由来の26.4度のX線回折ピーク強度の50%以下である。
以下、本発明の詳細を説明する。
(黒鉛及び一次薄片化黒鉛)
本発明においては、原料として黒鉛もしくは一次薄片化黒鉛が用いられる。黒鉛は表面がラジカルトラップ性を有する材料である。前述したように、黒鉛は、グラフェンが多数積層された層状化合物である。本明細書において、「一次薄片化黒鉛」とは、原料として用いられる薄片化黒鉛であって、前述した黒鉛よりもグラフェンの積層数が少ないものをいう。
この一次薄片化黒鉛におけるグラフェンの積層数は、後述するBETから測定される表面積において、グラム当たり、500m以下のものをいうものとする。
また、本明細書において、最終的に得られる薄片化黒鉛−ポリマー複合材料中の「薄片化黒鉛」とは、グラフェンの積層数が1層〜200層程度のものをいうものとする。
なお、原料としての黒鉛におけるグラフェンの積層数は、通常、1000層以上である。このような平均の積層数は、BETから測定される表面積から計算することができる。薄層化黒鉛が、完全に一層のグラフェンだけから構成されるならば、この表面積は、グラム当たり、2400〜2600mとなることが理論的に予測される。このグラム当たりの表面積を以下、比表面積とする。
前述した特許文献1に記載の方法によれば、上記比表面積が2000m/g程度の薄片化黒鉛を得ることができる。この場合、平均のグラフェン積層数は1〜2層程度であると考えられる。
他方、上記比表面積が500m/gを超える薄片化黒鉛は、前述したように、乾燥状態では空気に浮遊する。従って、ハンドリングが困難となる。これに対して、上記比表面積が500m/g以下の薄片化黒鉛もしくは黒鉛であれば、計量が容易であり、かつ製造装置への投入等も容易となる。
従って、本発明においては、BETから求められる上記比表面積が500m/g以下の一次薄片化黒鉛を原料として用いてもよい。本発明の製造方法においては、原料として用いられる一次薄片化黒鉛の比表面積が大きい程、複合材料中における最終的な薄片化黒鉛の分散性を高めることができる。しかしながら、直径が10μm程度の比較的大きな、すなわち比表面積が比較的小さい一次薄片化黒鉛を用いたとしても、ポリマーのグラフトと、より薄い最終的な薄片化黒鉛への剥離を達成することができる。
(解重合性のモノマーまたは該モノマーのポリマー)
本発明の製造方法では、上記黒鉛もしくは一次薄片化黒鉛と、解重合性のモノマーもしくはそのモノマーを重合してなるポリマーa、または分解温度付近でラジカルを形成するポリマーbとを混合し、混合物を得る。この解重合性のモノマーが先に述べた第1の温度域に非開放容器内で加熱されると、自発的にラジカルが発生し、重合が進行する。また、重合により生成したポリマーaのゆっくりとした解重合も進行する。このようなモノマーとしては、スチレン、メチルメタクリレート、α−エチルアクリル酸メチル、α−ベンジルアクリル酸メチル、α−[2,2−ビス(カルボメトキシ)エチル]アクリル酸メチル、イタコン酸ジブチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジシクロヘキシル、α−メチレン−δ−バレロラクトン、α−メチルスチレン、α−アセトキシスチレンからなるα−置換アクリル酸エステルなどが挙げられる。
上記解重合性のモノマーを原料として重合して得られたポリマーaは、第1の温度域ではわずかながら分解反応し、第2の温度域では、平均重合度が下がる程度に分解反応し、第3の温度域では、そのポリマーのユニット単位となるモノマーに近い低分子まで分解反応が進行する。非開放状態でこのような温度域に保持されたポリマーは、加熱時間を長くした場合でも、得られるポリマーの分子量は開放系ほど劇的に低下することはない。これは、開放系での分解反応とは全く異なる現象である。この現象からみると、非開放系での高温加熱では、重合度が迅速に低下しないことから、ラジカル種が持続的に生成されているのであろうと想像される。なお、上記非開放状態とは、前記混合物を非開放容器内に投入し、上記のように加熱することにより達成される。このような非開放容器とは、分解生成物などの低分子成分が容器外に漏出しない程度の非開放容器をいうものとする。
分解温度付近でラジカルを形成するポリマーbとしては、特に限定されるものではない。殆どの有機ポリマーは分解温度でラジカルを発生する。本発明において用い得る上記ポリマーbとしては、以下の各種ポリマーを用いることができる。
例えば、ポリマーbとしては、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリプロピレン、ポリビニルフェノール、ポリフェニレンサルファイドまたはポリフェニレンエーテルなどを挙げることができる。
また、ポリ塩化ビニル、塩素化塩化ビニル、フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、または塩化ビニリデン樹脂などの、ハロゲン元素を含有するポリマーなども使用可能である。
エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドンやそれらの共重合体も使用可能である。
ポリイソブチレンやポリアルキレンエーテルなどのカチオン重合によって得られたポリマーも使用可能である。
オリゴマーを架橋してなる、ポリウレタン、ポリエポキシ、変性シリコーンやシリコーン樹脂なども、使用可能である。
さらに、ポリマーbとしてポリアリルアミンなどを用いてもよい。ポリアリルアミンなどを用いると、カーボン材料にアミノ基をグラフトすることができる。他方、ポリビニルフェノールやポリフェノール類を用いると、フェノール性OHをカーボン材料にグラフトすることができる。また、リン酸基を有するポリマーを用いると、リン酸基をグラフトすることができる。
また、ポリエステル、ポリアミドなどの縮合系ポリマーを用いた場合には、分解温度で得られるラジカル濃度は低いけれども、分解物がグラフトされる。
(第1〜第3の温度域)
前述した第1〜第3の温度域を、ポリスチレンを例にとり、図1を参照して説明する。図1は、ポリマーとしてポリスチレンを用いた場合の加熱温度とポリマーの相対的重量との関係を示す図である。図1に示すように、第1の温度域ではポリスチレンは殆ど分解しないが、第1の温度域を越えて加熱すると、ポリスチレンの重量が低下し、すなわち、ポリマーが分解し始め、ラジカルを発生させる。さらに、第2の温度域を越えると、分解が完了し、ポリスチレンがスチレンに分解し、スチレンとなる。また、第3の温度域から第2の温度域を越えて第1の温度域までゆっくり冷却すると未反応スチレンモノマーが再度重合し、ポリスチレンとなる。
それぞれの温度領域で、ポリスチレンを密閉容器中で加熱保存したところ、開放系の場合と同様に高温下で分子量低下が起きる。しかし、加熱時間を長くしても、非開放系では、開放系の場合に比べて迅速に分子量低下が起きることはない。
本発明では、黒鉛もしくは一次薄片化黒鉛と上記モノマーとを混合し、混合物を得てもよく、あるいは、上記黒鉛もしくは一次薄片化黒鉛と、上記モノマーのポリマーaまたは上記ポリマーbとを混合し、混合物を得てもよい。上記混合に際しては、超音波分散装置やホモジナイザー、遊星撹拌機などの適宜の混合方法を用いることができる。また、後述の加熱工程に至るまでは、常圧で混合してもよいが、好ましくは、後述するようにモノマーが揮発しない圧力に加圧することが望ましい。それによって、モノマーの揮発を抑制し、十分な量のポリマーを薄片化黒鉛にグラフトすることができる。
圧力をかけるためのアシストガスとしては、炭酸ガスや水などが好ましい。
これらのガスによって、圧力を高めることにより、より低い温度での剥離とグラフトが可能となる。
なお、原料として上記ポリマーaまたはbを用いる場合、ポリマーaまたはbを黒鉛もしくは一次薄片化黒鉛と加熱下で混練して混合物を用意することが望ましい。それによって、混合物を可塑化し、加熱工程における黒鉛もしくは一次薄片化黒鉛と発生したラジカルとの接触確率をより一層高めることができる。
上記黒鉛もしくは一次薄片化黒鉛と、上記モノマーとの配合割合は、特に限定されないが、重量比で対50〜50対〜0.01対99.9の割合とすることが望ましい。また、上記ポリマーを原料として用いる場合、上記黒鉛もしくは一次薄片化黒鉛と上記ポリマーとの配合割合は、重量比50対50〜0.5対99.5とすることが望ましい。
上記モノマーまたはポリマーはそれぞれ2種以上用いられてもよく、それによって、複数種のポリマーのアロイを薄片化黒鉛に複合させてなる複合材料を得ることができる。この場合、2種以上のモノマーを用いてもよく、2種以上のポリマーを用いてもよく、1種以上のモノマーと1種以上のポリマーとを用いてもよい。
(加熱工程)
本発明においては、上記混合物として、解重合性モノマーと黒鉛を用いる場合、上記モノマーなどの低分子成分の揮発しない非開放容器内で、加熱する。加熱に際しては、前述したように、ポリマーaまたはbの天井温度以上、分解開始温度未満を第1の温度域とした場合、第1の温度域を超えて加熱する。この場合、混合物が天井温度を超えて、分解開始温度付近まで加熱されると、モノマーの揮発を抑制しつつ、ラジカルを発生させ、モノマーを重合することができる。この重合が主体として起こる温度領域で形成されたラジカルが、黒鉛の表面やエッジを攻撃して黒鉛もしくは一次薄片化黒鉛が剥離し、薄片化が進行する。
さらに、分解開始温度以上の温度になると、分解によって得られた熱分解ラジカルが、薄片化黒鉛にグラフトされる。この場合、上記分解開始温度以上、すなわち第2の温度域では、ポリマーの分解が少なからず始まり、薄片化黒鉛にグラフトしたポリマーの分子量が低下する。
次に、反応系を冷却する。それによって、ポリマーがグラフト化した薄片化黒鉛を回収することができる。なお、第1の温度域までゆっくりと徐冷することが好ましい。それによって、未反応モノマーが再度ポリマー化するため、薄片化黒鉛に吸着するポリマーの比率を高めることができる。
なお、原料として上記ポリマーaまたはbを用いた場合、第1の温度域の上限までポリマーが加熱され、次に第2の温度域に至ると、該ポリマーが分解し始める。その結果、ラジカルを発生させると共に、ポリマーの活性種が薄片化黒鉛にグラフトされると考えられる。
より好ましくは、上記分解完了温度よりも高い第3の温度域に加熱する高温加熱工程を実施し、次に、第2の温度域に加熱する中温加熱工程を実施する。この場合には、第3の温度域において、熱分解によりポリマーから大量の活性ラジカルが生成され黒鉛にグラフトする。次の中温加熱工程において未反応モノマーが重合され、吸着されるポリマーの平均的鎖長を長くすることができる。あるいは、上記高温加熱工程及び中温加熱工程を繰り返すことにより、鎖長をより一層長くすることができると共に、黒鉛の剥離処理をより確実に行うことができる。
また、ポリマーによっては、上記分解完了温度よりも高い温度で難熱分解性の残渣が生じることがある。この場合、分解開始温度及び分解完了温度は以下のように同定できる。すなわち、分解残渣の重量をR、上記第1の温度域におけるポリマーの最大重量をA、分解開始温度におけるポリマーの重量をX、分解完了温度におけるポリマーの重量をYとしたとき、分解開始温度は、(X−R)/(A−R)=0.9である温度であり、分解完了温度は(Y−R)/(A−R)=0.1である温度となる。
一例として、難分解性の残渣が残る系の場合の、加熱温度とポリマーの相対的重量濃度との関係を図2に示す。図2に示すように、第1の温度域では該ポリマーの分解速度は遅いが、第2の温度域まで加熱すると、ポリマーが急速に分解し、モノマーとなり、かつラジカルを発生させる。さらに、第3の温度域まで加熱するとポリマーが分解し、モノマーと分解残渣とになる。この分解残渣の相対的重量をRとする。この分解残渣の重量Rを考慮して上記式により分解開始温度及び分解完了温度を定義すればよい。
なお、上記式において、ポリマーが第3の温度域に加熱されても分解残渣を生じない場合には、Rは0となる。従って、上記分解開始温度及び分解完了温度を決定する式は、分解残渣を生じないポリマーにも適用することができる。
なお、上記加熱工程は、前述したようにモノマーが揮発しない圧力下で行う必要がある。このような圧力は、使用するモノマーの揮発性によっても異なるが、上述したスチレン、(メタ)アクリル酸アルキルエステルまたはプロピレンを用いる場合、また容器と容器に収納されるモノマーの量を考慮すると、50MPa以下とすることが好ましく、容器を選択すれば、10MPa以下とすることが望ましい。従って、既存の圧力容器を用いて、上記加熱工程を容易に実施することができる。
好ましくは、発生したラジカルと薄片化黒鉛との接触確率を高めるため、上記加熱工程に際し不活性ガスを供給することも望ましい。このような不活性ガスとしては、窒素、炭酸ガス、アルゴンガスなどを挙げることができる。さらに、加熱により超臨界状態となる流体を上記混合物に供給し、上記加熱工程を実施することも望ましい。それによって、発生したラジカルと薄片化黒鉛との接触確率をより一層高めることができる。このような超臨界状態の流体としては、加熱により超臨界状態となり、かつラジカルトラップ特性のない二酸化炭素や水などを挙げることができる。
さらに、ラジカルと薄片化黒鉛との接触確率を高めるために、第2の温度域と第3の温度域とに維持する加熱処理を繰り返してもよい。
本発明に係る薄片化黒鉛−ポリマー複合材料は、本発明の製造方法により得られたものであり、X線回折による26.4度のピーク強度が、処理前のグラファイト層結晶由来の26.4度のX線回折ピーク強度の50%以下となっている。すなわち、本発明の製造方法により、黒鉛もしくは一次薄片化黒鉛の層間が広げられ、薄片化黒鉛となり、薄片化黒鉛にポリマーがグラフトされた薄片化黒鉛−ポリマー複合材料を得ることができる。
本発明に係る薄片化黒鉛−ポリマー複合材料の製造方法によれば、原料として取り扱いが容易な黒鉛もしくは一次薄片化黒鉛と、上記解重合性のモノマー、ポリマーaまたはポリマーbとを混合し、加熱するだけで、薄片化による薄片化黒鉛の形成と、薄片化黒鉛へのポリマーのグラフトとを同時に達成することが可能となる。従って、原料の取り扱いが大幅に容易となり、さらに加熱工程に際して温度制御を行うだけで、すなわち長時間のグラフト重合工程を実施することなく、カーボン材料−ポリマー複合材料を得ることが可能となる。また、無溶剤工程で行うことができるので、排出する揮発性有機化合物を低減できる。
加えて、得られた加えて複合材料では、従来グラフトが困難だった種々のポリマーを薄片化黒鉛にグラフトすることが可能となる。また、異種のポリマーグラフトすることも可能となり、両親媒性のような特徴ある機能を薄片化黒鉛−ポリマー複合材料からなるフィラーに持たせることができる。
図1は、ポリマーとしてポリスチレンを用いた場合の加熱温度とポリマーの相対的重量濃度との関係を示す図である。 図2は、ポリマーとしてポリメタルメタクリレートを用いた場合の加熱温度とポリマーの相対的重量濃度との関係を示す図である。 図3は、比較例及び実施例1〜4で得た黒鉛または薄片化黒鉛のXRDスペクトルを示す図である。 図4は、実施例4で得た膨張化黒鉛のXRDスペクトルを示す図である。 図5は、実施例5で得た炭素質材料のTG/DTA測定結果を示す図である。 図6は、実施例6で得た炭素質材料のTG/DTA測定結果を示す図である。 図7は、実施例7で得た炭素質材料のTG/DTA測定結果を示す図である。 図8は、実施例8で得た炭素質材料のTG/DTA測定結果を示す図である。 図9は、実施例9で得た炭素質材料のXRDスペクトルを示す図である。
以下、本発明の具体的実施例及び比較例を説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔評価方法〕
補充する実施例及び比較例について、以下の評価方法1)〜5)のいずれかを用い、評価した。
評価方法1):XRD測定
黒鉛を含有する分散溶液をスライドガラス上に滴下し,室温にて乾燥した。X線回折測定をリガク社製X線回折装置Rint1000 を用いて行った。
ターゲットにはCu を用い,管電圧50kV,管電流150mA とし,2θ−θ法により回折を得た。検出器にはシンチレーションカウンターを用い,0.2度/ 分の速度でスキャンした。
評価方法2):TG/DTA測定
黒鉛や薄片化黒鉛の2〜10mgを精秤し、エスアイアイナノテクノロジー社製のTG/DTA6300を用いてTG/DTAを測定した。
初期温度は25℃とし、一分間に10℃の昇温速度で1000℃まで昇温した。
なお、分解開始温度及び分解開始温度及び分解完了温度は、窒素ガス雰囲気下で、ガス流路を50ml/分として測定した。
ポリマーグラフト率は、空気雰囲気下でガス流路を50ml/分として測定した。
なお、標準的なホモポリマーを入手し、上記測定法に従って、分解開始温度及び分解完了温度を測定したところ、以下の結果が得られた。ただし、これらの値は、ポリマーの分子量等によって変動し得る。
天井温度の定義は、「ラジカル重合ハンドブック」第112頁(エヌ・ティー・エス発行、2010年9月10日発行)に、またα−置換アクリル酸エステルの天井温度Tcについて同第113頁に記載されている。ポリスチレンの天井温度に上記によれば150℃と報告されている。もっとも、(商品名:和光純薬社製、スチレンポリマー、重合度2000)であるポリスチレンについて上記のようにして測定したところ、分解開始温度は350℃付近、分解完了温度は390℃付近であった。
PMMAの天井温度は155.5℃である。上記評価方法に従って、分解開始温度及び分解完了温度は(商品名:アルドリッチ社製、PMMA、MW350000)について測定したところ、分解開始温度は300℃付近、分解完了温度は350℃付近であった。
また、ポリプロピレン(商品名:日本ポリプロ社製、ノバテックPP、MA3H)の分解開始温度は350℃付近、分解完了温度は400℃付近であった。
ポリエチレンテレフタレート(商品名:デュポン社製SELAR、PT7001)の分解開始温度は360℃付近であり、500℃まで加熱したときの残渣をベースとしたとき、分解完了温度は400℃付近であった。もっとも、1000℃まで加熱したときの残渣をベースとしたときの分解完了温度は600℃付近と見積もられた。この場合の第2の温度域は、360℃を超え、600℃以下と定義される。
分解開始温度や、分解完了温度の測定は、窒素ガス雰囲気下で行い、ガス流量は、50ml/分とした。
ポリマーグラフト率の測定は、空気ガス雰囲気下で行い、ガス流量は、50ml/分であった。
評価方法3):薄片化黒鉛へのポリマー吸着率の測定
高圧加熱反応処理されたカーボン材料を含有するサンプル1〜10gを50倍以上量の溶媒で溶解する。超音波装置を用いて45kHz、100Wの出力で、常温で30分間分散処理を行った。
得られた溶液を、3μmの穴径を有するアドバンテック社製PTFE−T300A090Cを用いて、アスピレーター吸引をしながら濾過した。さらに、溶液量と同量の溶剤を添加して、再度濾過し、グラフェンに未反応のポリマーを洗浄濾過した。
ロ紙上のサンプルを、オーブンで乾燥し、含有する溶剤を除去した。
該サンプルを用いて、評価方法2)のTG/DTA測定を行った。
評価方法4):BETの測定法
得られた複合材料の比表面積測定試料を、島津製作所(株)比表面積測定装置ASAP−2000で窒素ガスを用い、表面積を測定した。
評価方法5):黒鉛の剥離度の定量方法
本発明の製造方法によれば、X線回折測定において、原料である黒鉛が有する層結晶由来の26.4度に位置するピークが、剥離すなわち薄片化の進行とともに小さくなっていく。この原理を利用して黒鉛の剥離度を定量化した。内標準サンプルとして、剥離する前の原料の黒鉛を添加することにより定量化を行うことができる。
具体的には、剥離処理後のサンプルのX線回折によるピーク値をSAとする。この剥離後サンプル中の炭素重量と同量の炭素重量の原料黒鉛を剥離処理後サンプルにさらに添加し、そのX線回折のピークをSBとする。X線回折のベースラインピークを近似する事により、校正したピーク値をそれぞれSA′、SB′とする。このピーク形状を比較したときの、SB′−SA′が、後で添加した黒鉛由来のピークとなる。
従って、剥離処理により剥離が生じていない場合には、処理後サンプルだけの26.4度のピーク強度SA′は、SB′の約半分となる。SB′のピークは、剥離処理したサンプル中の黒鉛と、後添加した黒鉛の由来のピークが合算されて得られるからである。
これに対して、剥離処理によりサンプル中の黒鉛が完全に剥離した場合には、SA′のピークはほぼゼロとなり、該サンプルに内標準サンプルとしての原料黒鉛を添加して得られたサンプルの26.4度のピーク強度SB′は、内標準として添加した原料黒鉛由来のピークとなる。
すなわち、剥離処理後のサンプルと、さらにそのサンプルに内標準サンプルとして原料黒鉛を添加した後のサンプルとの、X線回折ピークを比較することにより、剥離処理による黒鉛の剥離度を定量化することができる。
(比較例1)原料黒鉛シートのXRD分析
原料黒鉛シートとして東洋炭素社製、品番:PF100−UHPを用意した。
ガラスサンプル瓶に、該シート10mgおよび20mlのMEKを投入し、超音波処理を行った。超音波処理装置は、本多電子社製、W−113サンパ、出力を100W、発振周波数28kHzで、30分間超音波処理を行った。外観として粒子が見える粗い分散溶液が得られた。この分散溶液について先の評価方法1)に従い、XRD測定を行った。
得られた結果を図3に示す。グラファイト層結晶由来のピークが26.4度付近に観察された。
(実施例1)
原料黒鉛シートとして東洋炭素社製、品番:PF100−UHPを用意した。
該黒鉛シートの38.9mgを、パイプの両端をボルト締めできる構造を有する5mlの内容積のパイプに投入した。さらに、スチレンモノマー2gを投入し、パイプの両端をボルト締めし、温度を250℃に設定したサンドバスに投入し、37分間放置した。
得られたパイプを冷水に投入し冷却した。冷却後に、ボルトを開けたところ、硬い透明な樹脂の塊が得られた。
この樹脂塊をMEKに浸漬して溶解した。30分間超音波処理を行い、粗い分散溶液を作成した。もとの黒鉛シートの塊が沈降し残っていたが、分散相すなわち黒色の上澄みをとりだし、3μmの穴径を有するアドバンテック社製PTFE−T300A090Cを用いて、アスピレーター吸引をしながら濾過した。濾過残渣をMEKに再分散し、XRD測定用溶液とした。
得られた結果を図3に示す。分散相に移行した材料では、グラファイト層由来のピークが消失しているのが観察され、10度、20度付近に二山のパターンが得られた。
(実施例2)
黒鉛シートのサンプルを40.6mg、スチレンモノマーを1.6gとした他は、実施例1と同様の方法でサンプルパイプを用意し、それを温度350℃に設定したサンドバスに投入し45分間放置した。
得られたパイプを冷水に投入し冷却した。冷却後に、ボルトを開けたところ、粘稠な液状の樹脂が得られた。
この樹脂塊をMEKに浸漬して溶解した。30分間超音波処理を行い、粗い分散溶液を作成した。もとの黒鉛シートの塊はわずかに残っていたが、この黒色の分散体をとりだし、3μmの穴径を有するアドバンテック社製PTFE−T300A090Cを用いて、アスピレーター吸引をしながら濾過した。濾過残渣をMEKに再分散し、XRD測定用溶液とした。得られた結果を図3に示す。分散相に移行した材料では、グラファイト層由来のピークが消失しているのが観察され、20度付近に単一のピークパターンが得られた。
(実施例3)
黒鉛シートのサンプルを38.5mg、スチレンモノマーを1g、ノルマルデカン0.6としたこと以外は、実施例1と同様の方法でサンプルパイプを用意し、それを温度350℃に設定したサンドバスに投入し40分間放置した。
得られたパイプを冷水に投入し冷却した。冷却後に、ボルトを開けたところ、粘稠な液状の樹脂が得られた。
この樹脂塊をMEKに浸漬して溶解した。30分間超音波処理を行い、粗い分散溶液を作成した。もとの黒鉛シートの塊が残っていたが、この上澄みの黄色の分散体をとりだし、3μmの穴径を有するアドバンテック社製PTFE−T300A090Cを用いて、アスピレーター吸引をしながら濾過した。濾過残渣をMEKに再分散し、XRD測定用溶液とした。得られた結果を図3に示す。分散相に移行したものは、グラファイト層由来のピークが消失しているのが観察され、10度20度付近のピークも消失していた。
(実施例4)
黒鉛シートのサンプルを44.7mg、スチレンモノマーを1.35gとしたこと以外は、実施例1と同様の方法でサンプルパイプを用意し、それを温度375℃に設定したサンドバスに投入し120分間放置した。
得られたパイプを冷水に投入し冷却した。冷却後に、ボルトを開けたところ、黒い粘稠な液状の樹脂が得られた。
この樹脂塊をMEKに浸漬して溶解した。30分間超音波処理を行い、粗い分散溶液を作成した。もとの黒鉛シートの塊は消失していた、この黒色の分散体をとりだしその全体を、3μmの穴径を有するアドバンテック社製PTFE−T300A090Cを用いて、アスピレーター吸引をしながら濾過した。濾過残渣をMEKに再分散し、XRD測定用溶液とした。得られた結果を図3に示す。分散相に移行した材料では、グラファイト層由来のピークが消失しているのが観察され、20度付近に単一のピークパターンが得られた。
(実施例5)部分剥離グラフェンの調製
原料を黒鉛シートとして東洋炭素社製、品番:PF100−UHP、密度0.7、厚み1mmの低密度黒鉛シートを用意した。上記シート状黒鉛を3cm×3cmの大きさに切断し、電極材料としてのシート状の黒鉛を得た。このシート状の黒鉛に、スリットの長さが1cm、幅が1cmとなるようにカッターナイフにより切削し、形成した。上記2本のスリットが形成されたシート状の黒鉛に、Ptからなる電極を挿入した。このようにして用意したシート状の黒鉛を作用極(陽極)として、Ptからなる対照極(陰極)及び、Ag/AgClからなる参照極とともに60重量%濃度の硝酸水溶液中に浸漬し、直流電圧を印加し電気化学処理を行った。
電気化学処理に際しては、0.7Aの電流地となるように固定して、2時間印加した。このようにして、陽極に作用極として用いた黒鉛は、次第に膨張し厚みが数倍になった。
このようにして得た膨張化黒鉛を乾燥し、膨張化黒鉛の多層構造をXRD測定により評価した。図4において実線で、膨張化黒鉛のXRDパターンを示す。
わずかにグラファイト多層構造が観察されている。
上記で得られた膨張化黒鉛を、1cm角に切断し、その1つをカーボンるつぼに入れて電磁誘導加熱処理を行った。誘導加熱装置はSKメディカル社製MU1700Dを用い、アルゴンガス雰囲気下で最高到達温度550度となるように10Aの電流量で行った。電磁誘導加熱により膨張化黒鉛は薄片化され、得られた綿状の薄片化黒鉛を島津製作所(株)の比表面積測定装置ASAP−2000で窒素ガスを用いて測定したところ、1回測定で674m/gの比表面積を示した。
得られた炭素質材料を、TG/DTA測定した結果を図5に示す。
(実施例6)
実施例5において得られた、綿状の薄片化グラフェンの50.3mg、スチレンモノマーを2gとした他は、実施例1と同様の方法でサンプルパイプを用意し、それを温度340℃に設定したサンドバスに投入し120分間放置した。
得られたパイプを冷水に投入し冷却した。冷却後に、ボルトを開けたところ、硬い固形状の樹脂の塊が得られた。
この樹脂塊をトルエンに浸漬して溶解した。30分間超音波処理を行い、粗い分散溶液を作成した。この黒色の分散体をとりだしその全体を、3μmの穴径を有するアドバンテック社製PTFE−T300A090Cを用いて、アスピレーター吸引をしながら濾過した。残渣中に残った未反応ポリスチレンを洗浄するために、トルエン50mlを用いて濾過残渣分散し、再濾過した。この残渣をオーブンで120℃で加熱して、残留する溶媒を蒸発乾燥した。得られた炭素質材料を、TG/DTA測定した結果を図6に示す。
図6から明らかなように、薄片化炭素由来のピークが85.5%、その内チャーとなる部分が2.6%、グラフトポリスチレン由来と帰属される部分が14.5%であった。
(実施例7)
実施例5において得られた、綿状の薄片化グラフェンの43.9mg、分子量15000のPMMAポリマー2.0gとした他は、実施例1と同様の方法でサンプルパイプを用意し、それを温度340℃に設定したサンドバスに投入し135分間放置した。
得られたパイプを冷水に投入し冷却した。冷却後に、ボルトを開けたところ、粘稠な黒色の樹脂の塊が得られた。
この樹脂塊をテトロヒドロフランTHFに浸漬して溶解した。30分間超音波処理を行い、粗い分散溶液を作成した。この黒色の分散体をとりだしその全体を、3μmの穴径を有するアドバンテック社製PTFE−T300A090Cを用いて、アスピレーター吸引をしながら濾過した。残渣中に残った未反応PMMAを洗浄するために、THF50mlを用いて濾過残渣を再分散し、再濾過した。この残渣をオーブンで100℃で加熱して、残留する溶媒を蒸発乾燥した。得られた炭素質材料を、TG/DTA測定した結果を図7に示す。
図7から明らかなように、薄片化炭素由来のピークが11.0%、その内チャーとなる部分が0.3%、グラフトPMMA由来と帰属される部分が89%であった。
(実施例8)
実施例5において得られた、綿状の薄片化グラフェンの49.1mg、ポリプロピレン樹脂2.56g(日本ポリプロ、ノバテックPP、MA3H)、反応管の内容量を7.4mlのものとした他は、実施例5と同様の方法でサンプルパイプを用意し、それを温度370℃に設定したサンドバスに投入し210分間放置した。
得られたパイプを冷水に投入し外温が250℃となる程度まで冷却した。高温状態で、ボルトを開けたところ、粘稠な黒色の樹脂の塊が得られた。
この樹脂塊を加熱したキシレンに浸漬して溶解した。30分間超音波処理を行い、粗い分散溶液を作成した。この黒色の分散体をとりだしその全体を、3μmの穴径を有するアドバンテック社製PTFE−T300A090Cを用いて、アスピレーター吸引をしながら濾過した。残渣中に残った未反応PPを洗浄するために、熱キシレン50mlを用いて濾過残渣を再分散し、再濾過した。この残渣をオーブンで150℃で加熱して、残留する溶媒を蒸発乾燥した。得られた炭素質材料を、TG/DTA測定した結果を図8に示す。
図8から明らかなように、薄片化炭素由来のピークが51.2%、その内チャーとなる部分が3.6%、グラフトPP由来と帰属される部分48.8%であった。
(実施例9)
原料黒鉛シートとして東洋炭素社製、品番:PF100−UHPを用意した。
該黒鉛シートの100mgを、パイプの両端をボルト締めできる構造を有する10mlの内容積のパイプに投入した。該パイプの一方には、圧力計と炭酸ガス導入の為の、導入コックを敷設した。さらに、スチレンモノマー4gを投入し、パイプの両端をボルト締めした。炭酸ガス注入装置を用いて、内圧が8MPaとなるまで、炭酸ガスを導入した。
該パイプサンプルを表面温度を検知しながらマントルヒーターでゆっくりと加熱した。
表面温度が80℃のときの内圧は13.5MPa、100℃では16MPa、150℃では21MPa、175℃では23MPaとなった。200℃まで加熱されたときの圧力は26.5MPaとなり、この状態のまま20分間温度を保持した。
得られたパイプを冷水に投入し冷却した。冷却後に、ボルトを開けたところ、黒い粘稠な樹脂の塊が得られた。
この樹脂塊をテトロヒドロフランに浸漬して溶解した。30分間超音波処理を行い、粗い分散溶液を作成した。もとの黒鉛シートの塊が沈降し残っていたが、黒色の上澄みをとりだし、3μmの穴径を有するアドバンテック社製PTFE−T300A090Cを用いて、アスピレーター吸引をしながら濾過した。濾過残渣をTHFに再分散し、XRD測定用溶液とした。
得られたサンプルのXRDを図9に示す。200℃20分間という低温短時間処理を施したが、グラファイト層構造に基づく26.4度のピークが減少し、低角度側にブロードな二山ピークが観察された。これは、グラファイト層の層間が広がり、空隙間隔の異なる多種類の結晶構造へ変化していることが示唆されている。剥離度は、おおむね50%程度であった。

Claims (10)

  1. 黒鉛もしくは一次薄片化黒鉛と、加熱によりそのポリマーが分解し、ラジカルを発生させかつモノマーやオリゴマー化する解重合性のモノマーもしくは該モノマーの前記ポリマーa、または分解開始温度以上でラジカルを生成するポリマーbとを混合し混合物を得る工程と、前記混合物を非開放容器内に設置し、前記ポリマーaまたはbの天井温度以上、分解開温度以下を第1の温度域としたときに、第1の温度域または第1の温度域よりも高温に加熱する加熱工程とを備える、薄片化黒鉛−ポリマー複合材料の製造方法。
  2. 前記加熱工程において、前記ポリマーaまたはbの10重量%が分解するに至る温度を分解開始温度、前記ポリマーaまたはbの90重量%が分解するに至る温度を分解完了温度としたときに、前記加熱工程において前記分解開始温度を超え、分解完了温度以下の第2の温度域に加熱する、請求項1に記載の薄片化黒鉛−ポリマー複合材料の製造方法。
  3. 前記第1の温度域に加熱する工程と、前記第2の温度域に加熱する工程とを繰り返す工程をさらに備える、請求項2に記載の薄片化黒鉛−ポリマー複合材料の製造方法。
  4. 前記ポリマーaまたはbの10重量%が分解するに至る温度を分解開始温度、前記ポリマーaまたはbの90重量%が分解するに至る温度を分解完了温度としたときに、前記分解完了温度より高い第3の温度域に加熱する加熱工程をさらに備える、請求項1〜3のいずれかに記載の薄片化黒鉛−ポリマー複合材料の製造方法
  5. 前記第2の温度域に加熱する加熱工程と、前記第3の温度域に加熱する加熱工程とを繰り返す、請求項4に記載の薄片化黒鉛−ポリマー複合材料の製造方法。
  6. 前記ポリマーaまたはbの分解完了温度より高い温度かつ1000℃以下の温度での分解残渣の重量をR,第1の温度域でのポリマーaまたはbの最大重量をA,分解開始温度でのポリマーaまたはbの重量をX,分解完了温度でのポリマーaまたはbの重量をYとしたときに、分解開始温度は(X−R)/(A−R)=0.9である温度であり、分解完了温度は(Y−R)/(A−R)=0.1である温度である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄片化黒鉛−ポリマー複合材料の製造方法。
  7. 前記モノマーまたはポリマーaまたはbとして、2種以上のモノマーまたはポリマーを用いる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の薄片化黒鉛−ポリマー複合材料の製造方法。
  8. 加熱する工程において、超臨界状態にある二酸化炭素もしくは水を混入させることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の薄片化黒鉛−ポリマー複合材料の製造方法。
  9. 前記混合物が重合開始剤を含まない、請求項1〜8のいずれか1項に記載の薄片化黒鉛−ポリマー複合材料の製造方法。
  10. X線回折ピーク強度が、処理前のグラファイト層結晶由来の26.4度のX線回折ピーク強度の50%以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の薄片化黒鉛−ポリマー複合材料の製造方法により得られた薄片化黒鉛−ポリマー複合材料。
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