JPWO2013054906A1 - たばこ製品用香喫味有用成分の増強方法、たばこ原料、シガレットおよび葉巻 - Google Patents

たばこ製品用香喫味有用成分の増強方法、たばこ原料、シガレットおよび葉巻 Download PDF

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Abstract

天然物由来の糖類、植物原体、および植物原体を抽出もしくは濃縮した液体エキスからなる群から選ばれる少なくとも1つの香料用原料を準備する工程と、釜内に前記原料を釜容積量に対して50〜80体積%の容積率で収容する工程と、前記釜内にて前記原料を攪拌しながら、1.0〜2.0℃/分の昇温速度で80℃〜100℃に加温する工程と、前記釜内で処理した後の内容物を0.40〜0.85℃/分の降温速度で所望の温度まで冷却する工程とを含むたばこ製品用香喫味有用成分の増強方法。

Description

本発明は、たばこ製品用香喫味有用成分の増強方法、たばこ原料、シガレットおよび葉巻に関する。
たばこ製品は、香料を添加して香喫味を向上させることが行われている。喫煙者のより良い香喫味に対する要求、嗜好の変化、シガレット全体の主流煙タール量の低下(香味が薄くなる)傾向、または製造コストの低減などから、香料改善が求められ、様々な試みが行なわれている。
たばこ製品用香料の主な原料は、天然物由来糖、植物由来のエキスである。これらのエキスの改良の一例には、元のエキスに所要な物質を添加するか、または加工するか、いずれかにより改質する方法が知られている。
しかしながら、植物エキスに所要な物質を添加し、または加工する改質方法では元のエキスの内容成分の極端な変化を起こし、元エキスの特徴を阻害するおそれがある。また、特に植物エキスは経時によりその効果が変化することがある。
一方、一般的な香料の改質方法には以下の特許文献に記載の方法が知られている。
特開2010−207116号公報には、茶葉水蒸気蒸留液を100℃以下の温度で加熱処理して第1のエキスを抽出すること、茶葉水蒸気蒸留残さにアスコルビン酸を添加して第2のエキスを得ること、および前記第1、第2のエキスを混合した後、80〜85℃、30秒間過熱処理して良質な香気を持つエキスを作ることが記載されている。
特開2009−219488号公報には、コーヒー抽出成分と糖類と水の混合液を130〜180℃、10分以上加熱してアミノカルボニル反応を生じさせて香気成分を増大する方法が開示されている。ここで、香気成分はフルフラール以外のフラン化合物である。
特開2002−272408号公報には、次の方法でエキスを製造することが記載されている。まず、可食性植物の非加熱搾汁液を非加圧下にて70〜135℃、2〜15分加熱処理する。つづいて、熱処理後の搾汁液を1.2〜3.2MPAの加圧下にて105〜135℃、2〜8分加熱処理して凝集物を生成させる。この後、凝集物を除去することにより甘味と旨味が増大され、かつ香りが殆どないエキスを製造する。
特開平2−245169号公報には、動物エキスと植物エキスを混合して80〜100℃、15分以上加熱することによりフレーバー等の品質の優れたブイヨンを製造する方法が開示されている。
しかしながら、前述した4つの特許文献は、いずれも直接味わう香味の改善に関し、燃焼を伴うたばこ製品用香料に適用することができない。
本発明は、天然物由来の糖類、植物原体、および植物原体を抽出もしくは濃縮した液体エキスからなる群から選ばれる少なくとも1つの香料用原料からその成分の極端な変化を起させずに、香喫味有用成分(または成分群)を効率的に増強させることが可能なたばこ製品用香喫味有用成分の増強方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記方法で増強された香喫味有用成分を含む香料用原料を含有し、喫煙時の燃焼で香料用原料本来の香気、香味(風味)を変化せずに香気、香味(風味)が強化されたたばこ原料を提供することを目的とする。
本発明は、前記方法で増強されたた香喫味有用成分を含む香料用原料を含有するたばこ原料を備え、喫煙時の燃焼で香料用原料本来の香気、香味(風味)を変化せずに香気、香味(風味)が強化されたシガレットおよび葉巻を提供することを目的とする。
本発明の第1側面によると、天然物由来の糖類、植物原体、および植物原体を抽出もしくは濃縮した液体エキスからなる群から選ばれる少なくとも1つの香料用原料を準備する工程と、釜内に前記香料用原料を釜容積量に対して50〜80体積%の容積率で収容する工程と、前記釜内にて前記香料用原料を攪拌しながら、1.0〜2.0℃/分の昇温速度で80℃〜100℃に加温する工程と、前記釜内で処理した後の内容物を0.40〜0.85℃/分の降温速度で所望の温度まで冷却する工程とを含むたばこ製品用香喫味有用成分の増強方法が提供される。
本発明の第2側面によると、前記第1側面に記載の方法で増強された香喫味有用成分を含む香料用原料を含有するたばこ原料が提供される。
本発明の第3側面によると、前記第1側面に記載の方法で増強された香喫味有用成分を含む香料用原料を含有するたばこ原料を備えたシガレットが提供される。
本発明の第4側面によると、前記第1側面に記載の方法で増強された香喫味有用成分を含む香料用原料を含有するたばこ原料を備えた葉巻が提供される。
第3実施形態に係るフィルタ付シガレットを示す概略斜視図である。 第4実施形態に係る葉巻を示す概略断面図である。 例6で処理されたキャロブエキス中の2,5−ジオキシフラクトサジンおよび2,6−ジオキシフラクトサジンの増加率を示す図である。 GC/MS測定での例11による増強処理後と増強処理前の蜂蜜中のDDMPおよび5−HMFの量を示す図である。 GC/MS測定での例14による増強処理後と増強処理前の蜂蜜中のDDMPおよび5−HMFの量を示す図である。 例11および例14で増強された蜂蜜中のDDMPおよび5−HMFの増加率を示す図である。 GC/MS測定での例16による増強処理後と増強処理前の蜂蜜中のDDMPおよび5−HMFの量を示す図である。 GC/MS測定での例22による増強処理後と増強処理前のマテ茶エキス中の3−ヒドロキシ−β−ダマスコンおよび4−ビニルグアヤコールの量を示す図である。 例22で増強処理されたマテ茶エキス中の3−ヒドロキシ−β−ダマスコンおよび4−ビニルグアヤコールの増加率を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係るたばこ用香味成分の増強方法、たばこ原料、シガレットおよび葉巻を詳細に説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態に係るたばこ製品用香喫味有用成分の増強方法は、天然物由来の糖類、植物原体、および植物原体を抽出もしくは濃縮した液体エキスからなる群から選ばれる少なくとも1つの香料用原料を準備する工程(第1工程)と、釜内に前記香料用原料を釜容積量に対して50〜80体積%の容率で収容する工程(第2工程)と、前記釜内にて前記香料用原料を攪拌しながら、1.0〜2.0℃/分の昇温速度で80℃〜100℃に加温する工程(第3工程)と、前記釜内で処理した後の内容物を0.40〜0.85℃/分の降温速度で所望の温度まで冷却する工程(第4工程)と、を含む。
ここで、「香喫味有用成分」とは喫煙時、燃焼に置かれたときの香気、香味(風味)に寄与する成分(または成分群)を意味する。
このような第1実施形態によれば、前記第1工程から第4工程の処理を施す、特に第3工程の加温温度および第4工程の冷却時の降温速度を規定する。これによって、香料用原料である天然物由来の糖類、植物原体、および植物原体を抽出もしくは濃縮した液体エキスからなる群から選ばれる少なくとも1つの中の香喫味有用成分(喫煙に置かれた時に香喫味として有用な成分)、を優位に増強させることが可能なたばこ製品用香喫味有用成分の増強方法を提供することができる。
香喫味有用成分が増強された香料用原料は、たばこ原料に含有させ、それを喫煙時の燃焼による加熱下に置くことによって、香料用原料中の前記香喫味有用成分が揮発性成分に熱分解されるか、または蒸発、揮散される。このため、複雑なロースティー香気、香味(風味)を発現する。
また、第1実施形態によれば香料用原料の他に別の添加物質を加える必要がなく、かつ工程も簡素なたばこ製品用香喫味有用成分の増強方法を提供することができる。
第1工程に用いられる香料用原料中の天然物由来の糖類は、例えば蜂蜜、澱粉などの多糖類等が挙げられる。
第1工程に用いられる香料用原料中の植物原体は、例えばマテ茶、緑茶等が挙げられる。
第1工程に用いられる香料用原料中の液体エキスは、例えばキャロブエキス、コーヒーエキス、ココアエキス、フェヌグリークエキス、モルトエキスのような種子系エキス;茶葉エキス、カモミルエキス、ローズマリーエキスのような葉質系エキス;等が挙げられる。
なお、第1工程で用いられる香料用原料は天然物由来の糖類、植物原体および液体エキスからなる群から選ばれる2つ以上の混合物でもよい。
第2工程において、釜容積量に対する香料用原料の容積率を50体積%未満にすると、釜で処理される香料用原料の容積量が低下して香喫味有用成分を増強するための処理効率が下がるおそれがある。他方、釜容積量に対する香料用原料の容積率が80体積%を超えると、攪拌、熱処理において香料用原料中の香喫味有用成分を効率よく増強することが困難になる。
第3工程での香料用原料の攪拌は、例えば攪拌羽根を用いることが好ましい。この攪拌羽根の回転速度は、15〜100rpmにすることが好ましい。
第3工程において、1.0〜2.0℃/分の昇温速度で80℃〜100℃に加温することによって、香料用原料中の香喫味有用成分を効率的に増強させることが可能になる。加温温度を80℃未満にすると、香料用原料中の香喫味有用成分を十分に増強させることが困難になる。他方、加温温度が100℃を超えると、香料用原料中の香喫味有用成分が変質するおそれがある。
第3工程において、前記加温温度を240分間以下保持することが好ましい。このように保持時間を規定することによって、香料用原料中の香喫味有用成分をより増強することが可能になる。保持時間の下限は、30分間にすることが好ましい。
第4工程において、冷却時の降温速度を0.40〜0.85℃/分に規定することによって、香料用原料中の香喫味有用成分をより一層効率的に増強させることが可能になる。冷却時の降温速度が前記範囲を外れると、香料用原料中の香喫味有用成分を十分に増強させることが困難になる。
「所望の温度まで冷却する」ことによる到達冷却温度は、香料用原料の種類によって異なるが、通常、40〜60℃にすることが好ましい。
前記第2工程〜第4工程での釜内は、大気圧でも、大気圧より高い加圧状態でもよい。特に釜内を加圧にすることによって、香料用原料の釜への投入量に基づく空隙率を低減し、かつ釜内の温度維持および密閉状態を達成できる。加圧は、0.105〜0.11MPaにすることが好ましい。
<第2実施形態>
第2実施形態に係るたばこ原料は、第1実施形態に係る方法で増強された香喫味有用成分を含む香料用原料を含有する。
たばこ原料は、例えばたばこラミナ、たばこ刻、再構成たばこ、膨化たばこ、たばこ中骨、たばこ中骨刻、シガレットのフィルタ、巻紙用のり、パイプたばこ、葉巻原料(フィラー、バインダー、ラッパー)葉たばこを挙げることができる。
たばこ原料中の香料用原料の含有量は、たばこ原料の種類よって、適宜選択される。
以上説明した第2実施形態によれば、喫煙時の燃焼で香料用原料本来の香気、香味(風味)を変化させずに、香料用原料中の増強された香喫味有用成分の熱分解、または蒸発、揮散により香気、香味(風味)が強化されたたばこ原料を提供することができる。
<第3実施形態>
第3実施形態に係るシガレットは、第1実施形態の方法で増強された香喫味有用成分を含む香料用原料を含有するたばこ原料を備える。
具体的なシガレット(例えばフィルタ付きシガレット)を図1を参照して詳細に説明する。
フィルタ付きシガレットは、たばこロッド1と、たばこロッド1と同等またはそれより細い円周を有するフィルタ2と、を備える。たばこロッド1とフィルタ2は端部で互いに突合され、フィルタ2の外周面全体および突合せ近傍のたばこロッド1の外周面部分をチップペーパー3で被包することによりたばこロッド1とフィルタ2を一体化している。たばこロッド1は、たばこ刻4を巻紙5で円柱状に被包することにより形成される。フィルタ2は、例えばアセテート繊維またはパルプの不織布を束ねたり、折畳んだりして成形したフィルタ材(図示せず)と、このフィルタ材を円柱状に捲くプラグーペーパー(成形紙)6とから形成されている。
フィルタ付きシガレットにおいて、たばこロッド1のたばこ刻4が第1実施形態の方法で増強された香喫味有用成分を含む香料用原料を含有するか、またはフィルタ2のフィルタ材が第1実施形態の方法で増強された香喫味有用成分を含む香料用原料を含有する。
以上説明した第3実施形態によれば、第1実施形態の方法で増強された香喫味有用成分を含む香料用原料を含有したフィルタ材(またはたばこ刻4)を備えることによって、喫煙時の燃焼でフィルタ材(またはたばこ刻4)に含まれる前記香料用原料本来の香気、香味(風味)を変化させずに、前記香料用原料中の増強された香喫味有用成分の熱分解、または蒸発、揮散により香気、香味(風味)が強化されたシガレットを提供できる。
また、香喫味有用成分が増強された香料用原料を添加したたばこ刻は蔵置に対する耐性が高くなる。このため、蔵置後にもたばこ香味の経時安定性の優れたシガレットを提供できる。
<第4実施形態>
第4実施形態に係る葉巻は、第1実施形態の方法で増強された香喫味有用成分を含む香料用原料を含有するたばこ原料を備える。
具体的な葉巻を図2を参照して詳細に説明する。
葉巻は、例えば円柱状のフィラー11と、フィラー11の吸口(図2の右端)を含む外周面を被包するバインダー12と、バインダー全体を被包するラッパー13と、吸口近傍のラッパー13の外周面に取付けられたリング14とを備える。なお、吸口と反対の端部(図2の左端)が火付け部となる。前記フィラー11、バインダー12およびラッパー13のいずれも葉たばこから作られる。
前記葉巻において、フィラー11が第1実施形態の方法で増強された香喫味有用成分を含む香料用原料を含有する。
以上説明した第4実施形態によれば、第1実施形態の方法で増強された香喫味有用成分を含む香料用原料を含有したフィラー11を備えることによって、喫煙時の燃焼でフィラー11に含まれる前記香料用原料本来の香気、香味(風味)を変化させずに、前記香料用原料中の増強された香喫味有用成分の熱分解、または蒸発、揮散により香気、香味(風味)が強化された葉巻を提供できる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
<例1:キャロブエキス>
攪拌羽根を有する攪拌機構およびジャケットを有する加温・冷却機構を備えた内容積
600リットルの釜(カジワラ株式会社製:レオニーダーKHM-6FT)を用意した。また、含水アルコールで抽出後、常圧下でBrix 75(25重量%の水分量)まで濃縮されたキャロブエキスを用意した。
まず、釜にキャロブエキス500kgを投入した。このとき、釜の容積量に対するキャロブエキスの容積率は60体積%であった。つづいて、釜内圧を大気圧(開放)にした状態で、攪拌羽根を15rpmの回転数で回転して釜内のキャロブエキスを攪拌しながら、1.50℃/分の昇温速度で液温70℃まで加温した。加温は、ジャケットに蒸気を流通させ、蒸気量を調整することにより行った。ひきつづき、攪拌羽根による攪拌を継続しながら、釜内温度を70℃±5℃に60分間保持した。
次いで、攪拌羽根による攪拌を続行しながら、加温保持後に釜内の内容物を0.42℃/分の降温速度で50℃まで冷却した。冷却はジャケットに水を流通させ、その水温を調節することにより行った。
<例2〜10:キャロブエキス>
下記表1に示す釜内圧、昇温速度、加温温度、加温時の保持時間、降温速度の条件に設定した以外、例1と同様な処理をキャロブエキスに施した。
例1〜10で処理されたキャロブエキス中の香喫味有用成分である不揮発性ピラジン類(2,5−ジオキシフラクトサジン[以下2,5−DFSと記す])および2,6−ジオキシフラクトサジン[以下2,6−DFSと記す])の量を以下の方法で測定した。
<不揮発性ピラジン類のHPLC測定>
・使用機器:高速液体クロマトグラフィー Ultimate 3000 (DIONEX)、
・使用カラム:Inertsil ODS-3(150mm×3.0mm×5μm)、
・分析条件:
1) カラムオーブン;6.0℃、
2) UV;275nm、
3) 流量;0.3mL/分、
4) 注入容積;20μL。
前記キャロブエキス中の不揮発性ピラジン類量の測定の結果から、昇温速度が1.0〜2.0℃/分、加温温度が80℃〜100℃、冷却時の降温速度が0.40〜0.85℃/分の範囲に設定した例2−6,8で処理されたキャロブエキスはキャロブエキストラクトの極端な内容成分変化を起すことなく、不揮発性ピラジン類量が優位に増強されていること確認された。
これらの例2−6,8の中で、例4(昇温速度1.5℃/分、加温温度100℃、加温時の保持時間60分、冷却時の降温速度0.42℃/分に設定した)で処理されたキャロブエキス中の不揮発性ピラジン類(2,5−ジオキシフラクトサジンおよび2,6−ジオキシフラクトサジン)の増加率を図3に示す。
また、不揮発性ピラジン類の熱分解例を下記に示す。
Figure 2013054906
さらに、例1〜10で処理されたキャロブエキスを添加し、喫煙したときの香味(風味)の増強効果を官能試験により評価した。その結果を下記表1に示す。なお、評価のランクは以下の通りである。
AA:処理による増強効果が極めて大きい。
A :処理による増強効果がある。
B :処理による増強効果が少ない。
C :処理による増強効果がない。
Figure 2013054906
前記表1から明らかなように例2−6,8で処理したキャロブエキスは、例1,7,9、10で処理したキャロブエキスに比べて香味(風味)が強化されることが分かる。
<例11:蜂蜜>
攪拌羽根を有する攪拌機構およびジャケットを有する加温・冷却機構を備えた内容積2000リッルの耐圧釜(大興加工機製造(株)製:たて型円筒型ジャケット式加熱器FM−14)を用意した。
まず、耐圧釜に蜂蜜(中国産)1870kgを攪拌しながらポンプにより投入し、密閉した。このとき、耐圧釜の容積量に対する蜂蜜の容積率は67体積%であった。つづいて、耐圧釜内の蜂蜜を100rpmの回転数の攪拌羽根で攪拌しながら、1.50℃/分の昇温速度で液温70℃まで加温した。加温は、ジャケットに蒸気を流通させ、蒸気量を調整することにより行った。ひきつづき、攪拌羽根による攪拌を継続しながら、耐圧釜内温度を70℃±5℃に30分間保持した。このとき、耐圧釜の内圧を0.10MPAとした。
攪拌羽根による攪拌を続行しながら、加温保持後に釜内の内容物を0.42℃/分の降温速度で50℃まで冷却した。冷却はジャケットに水を流通させ、その水温を調節することにより行った。
<例12〜21:蜂蜜>
下記表2に示す釜内圧、昇温速度、加温温度、加温時の保持時間、降温速度の条件に設定した以外、例11と同様な処理を蜂蜜に施した。
例11および例14で処理された蜂蜜中の香喫味有用成分である2,3−ジヒドロ−3,5−ジヒドロキシ−6−メチルー4H−ピラン−4オン(DDMP)および5−ヒドロキシメチル−2−フルフラール(5−HMF)の量を以下のGC/MSで測定した。
<GC/MS測定>
・使用機器:Agilent 5975C、
・使用カラム:DB-WAX(60m×0.25mm×0.3μm)、
・分析条件:
1) 入口温度;250℃、
2) InletMode;Splitless、
3) カラム温度;70℃〜220℃、
4) 昇温速度;2℃/分、
5) 流量ガス;He(1.0mL/分)、
6) 注入容積;2μL、
・試料調製:試料90.0gに対し、蒸留水60.0gを加え、攪拌、溶解させた溶液をジエチルエーテル150mL、50℃で6時間抽出濃縮した。
また、例11および例14を除く、例12〜13、例15〜21で処理された蜂蜜中の香喫味有用成分であるDDMPおよび5−HMFの量を以下のGC/MSで測定した。
<GC/MS測定>
・使用機器:Agilent 6890N、
・使用カラム:TC-WAX(60m×0.25mm×0.3μm)、
・分析条件:
1) 入口温度;250℃、
2) InletMode;Splitless、
3) カラム温度;70℃〜220℃、
4) 昇温速度;3℃/分、
5) 流量ガス;He(1.3mL/分)、
6) 注入容積;2μL、
・試料調製:試料90.0gに対し、蒸留水60.0gを加え、攪拌、溶解させた溶液をジエチルエーテル150mL、50℃で6時間抽出濃縮した。
前記蜂蜜中のDDMPおよび5−HMF量の測定の結果から、昇温速度が1.0〜2.0℃/分、加温温度が80℃〜100℃、冷却時の降温速度が0.40〜0.85℃/分の範囲に設定した例12−20で処理された蜂蜜は、その極端な内容成分変化を起すことなく、DDMPおよび5−HMF量が優位に増強されていることが確認された。
なお、GC/MS測定の結果のうち、例11、例14および例16について、以下に具体的に説明する。
・GC/MS測定での例11(昇温速度1.5℃/分、加温温度70℃、加温時の保持時間30分、冷却時の降温速度0.42℃/分に設定した)による増強処理後と増強処理前の蜂蜜中のDDMPおよび5−HMFの量を図4に示す。この図4の結果から、例11では増強処理前後の香気成分であるDDMPおよび5−HMFの差は全く見られず、増強処理による前記香気成分の顕著な増加は認められない。
・GC/MS測定での例14(昇温速度1.5℃/分、加温温度100℃、加温時の保持時間30分、冷却時の降温速度0.42℃/分に設定した)による増強処理後と増強処理前の蜂蜜中のDDMPおよび5−HMFの量を図5に示す。この図5の結果から、例14では増強処理前後で香気成分であるDDMPおよび5−HMFが顕著に増加することが認められる。また、他の香気成分の変化は見られず、内容成分の変化は起こしていないことが認められる。
・例11および例14で増強された蜂蜜中のDDMPおよび5−HMFの増加率を図6に示す。
・GC/MS測定での例16(昇温速度1.5℃/分、加温温度100℃、加温時の保持時間60分、冷却時の降温速度0.42℃/分に設定した)による増強処理後と増強処理前の蜂蜜中のDDMPおよび5−HMFの量を図7に示す。この図7の結果から、例16では増強処理前後で香気成分であるDDMPおよび5−HMFが顕著に増加することが認められる。また、他の香気成分の変化は見られず、内容成分の変化は起こしていないことが認められる。
前記DDMPは、マルトールの前駆体とし蜂蜜中にも微量に存在していることは一般的に知られている。DDMP自体は、無臭であるが、熱分解してマルトールと同様の香ばしい(焦甘臭)香気、香味(風味)をもたらす。また同時に5−HMFが増加することにより蜂蜜様の香気も増強されたことを確認した。
DDMPの熱分解例を下記に示す。
Figure 2013054906
さらに、例11〜21で処理された蜂蜜を添加し、喫煙したときの香味(風味)の増強効果を官能試験により評価した。その結果を下記表2に示す。なお、評価のランクは例1−10と同様である。
Figure 2013054906
前記表2から明らかなように例12−20で処理した蜂蜜は、例11,21で処理した蜂蜜に比べて香味(風味)が強化されることが分かる。
<例22:マテ茶>
攪拌羽根を有する攪拌機構およびジャケットを有する加温・冷却機構を備えた内容積
600リットルの釜(カジワラ株式会社製:レオニーダーKHM-6FT)を用意した。
まず、釜にマテ茶葉25kgおよび水375kgを投入した。つづいて、15rpmの回転数で攪拌羽根を回転し、釜内のマテ茶葉および水を40℃にて45分間攪拌し、マテ茶エキスを抽出した。抽出液を円型振動ふるい機(徳寿工作所社製:型式TM−100−1S)を用いて固液分離した。
得られたマテ茶エキス370kgを前記釜へ投入した。このとき、釜の容積量に対するマテ茶エキスの容積率は62体積%であった。つづいて、釜内圧を大気圧(開放)にした状態で、30rpmの回転数で攪拌羽根を回転して釜内のマテ茶エキスを攪拌しながら、1.50℃/分の昇温速度で液温95℃まで加温した。加温は、ジャケットに蒸気を流通させ、蒸気量を調整することにより行った。ひきつづき、攪拌羽根による攪拌を継続しながら、釜内温度95℃±5℃でBrix.73になるまで濃縮した。この時間は60分間であった。
次いで、攪拌羽根による攪拌を続行しながら、加温保持後に釜内の内容物を0.84℃/分の降温速度で50℃まで冷却した。冷却はジャケットに水を流通させ、その水温を調節することにより行った。
<例23,24:マテ茶>
下記表3に示す釜内圧、昇温速度、加温温度、加温時の保持時間、降温速度の条件に設定した以外、例22と同様な処理をマテ茶エキスに施した。
例22〜24で処理されたマテ茶エキス中の香喫味有用成分である3−ヒドロキシ−β−ダマスコンおよび4−ビニルグアヤコールの量を以下のGC/MSで測定した。
<GC/MS測定>
・使用機器:Agilent 5975N、
・使用カラム:DB-WAX(60m×0.25mm×0.3μm)、
・分析条件:
1) 入口温度;250℃、
2) InletMode;Splitless、
3) カラム温度;40℃〜220℃、
4) 昇温速度;2℃/分、
5) 流量ガス;He(1.0mL/分)、
6) 注入容積;2μL、
・試料調製:試料90.0gに対し、蒸留水60.0gを加え、攪拌、溶解させた溶液をジエチルエーテル150mL、50℃で6時間抽出濃縮した。
前記マテ茶エキス中の3−ヒドロキシ−β−ダマスコンおよび4−ビニルグアヤコール量の測定の結果から、昇温速度が1.0〜2.0℃/分、加温温度が80℃〜100℃、冷却時の降温速度が0.40〜0.85℃/分の範囲に設定した例22−24で処理されたマテ茶エキスはその極端な内容成分変化を起すことなく、3−ヒドロキシ−β−ダマスコンおよび4−ビニルグアヤコール量が優位に増強されていること確認された。
GC/MS測定での例22(昇温速度1.5℃/分、加温温度95℃、加温時の保持時間60分、冷却時の降温速度0.84℃/分に設定した)による増強処理後と増強処理前のマテ茶エキス中の3−ヒドロキシ−β−ダマスコンおよび4−ビニルグアヤコールの量を図8に示す。また、同例22で増強処理されたマテ茶エキス中の3−ヒドロキシ−β−ダマスコンおよび4−ビニルグアヤコールの増加率を図9に示す。
3−ヒドロキシ−β−ダマスコンは、下記の構造式で表わされ、たばこ葉の成分として存在していることは知られている。この成分が増加することにより刺激、苦渋味を抑制することができる。
Figure 2013054906
4−ビニルグアヤコールは、下記の構造式で表わされ、甘いスパイシー香気があり香味(風味・甘味)にコクを与える。
Figure 2013054906
また、4−ビニルグアヤコールは酸化により下記の構造式で表わされるバニリンが生成される。
Figure 2013054906
さらに、例22〜23で処理されたマテ茶エキスを添加し、喫煙したときの香味(風味)の増強効果を官能試験により評価した。その結果を下記表3に示す。なお、評価のランクは例1−10と同様である。
Figure 2013054906
前記表3から明らかなように例22〜23で処理されたマテ茶エキスは、香味(風味)が強化されることが分かる。
<例25:キャロブエキスの官能評価>
たばこ葉(黄色種)を所定の刻幅で裁刻してたばこ刻を作製した。このたばこ刻に前記例1で調製したキャロブエキス(増強処理なし)を0.5重量%添加した。キャロブエキス添加たばこ刻を63mmの巻長、24.9mmの巻円周のシガレット状に巻いた。
<例26:キャロブエキスの官能評価>
例25と同様なたばこ刻に前記例2で増強処理したキャロブエキスを0.5重量%添加した。キャロブエキス添加たばこ刻を例25と同様にシガレット状に巻いた。
例25,26で得たシガレットを70℃の恒温機内に密閉状態で7時間蔵置した。また、蔵置前および蔵置後のシガレットを喫煙して官能試験に供した。
<評価>
訓練された8名のパネラーにより喫煙時のシガレット(蔵置前、蔵置後:各7サンプル)について香気、香味(風味)の官能試験を行って、それらの平均を以下のように評価した。
・評点8.0以上:A評価(添加効果があり、好的に使用可能)、
・評点7.0以上8.0未満:B評価(やや欠点はあるが、使用は可能)、
・評点7.0未満:C評価(使用は好ましくない)。
これらの結果を下記表4に示す。
Figure 2013054906
前記表4から明らかなように増強処理なしのキャロブエキス(例1)を添加した例25のシガレットは、蔵置後において蔵置前に比べて評点が下がる(A評価→B評価)ことが分かる。
これに対し、増強処理ありのキャロブエキス(例2)を添加した例26のシガレットは、蔵置前でも評点が高く、蔵置前後の開差は少ない(A評価→A評価)ことが分かる。これはキャロブエキスに増強処理を施すことにより、例25に比べて不揮発性ピラジンの増加から「キャラメリック」の特徴が強化され(蔵置前:評点8.3→9.1)、蔵置後においても例25に比べて高い評点(平均値で評点7.5→8.0)になることから、耐蔵置性に優れていることを意味する。
<例27:蜂蜜の官能評価>
例25と同様なたばこ刻に前記例11で用いた蜂蜜(増強処理なし)を0.5重量%添加した。蜂蜜添加たばこ刻を63mmの巻長、24.9mmの巻円周のシガレット状に巻いた。
<例28:蜂蜜の官能評価>
例25と同様なたばこ刻に前記例14で増強処理した蜂蜜を0.5重量%添加した。蜂蜜添加たばこ刻を例25と同様にシガレット状に巻いた。
例27,28で得たシガレットを70℃の恒温機内に密閉状態で7時間蔵置した。また、蔵置前および蔵置後のシガレットを喫煙して官能試験に供した。
<評価>
訓練された8名のパネラーにより喫煙時のシガレット(蔵置前、蔵置後:各7サンプル)について香気、香味(風味)の官能試験を行って、それらの平均を以下のように評価した。
・評点8.0以上:A評価(添加効果があり、好的に使用可能)、
・評点7.0以上8.0未満:B評価(やや欠点はあるが、使用は可能)、
・評点7.0未満:C評価(使用は好ましくない)。
これらの結果を下記表5に示す。
Figure 2013054906
前記表5から明らかなように増強処理なしの蜂蜜(例11)を添加した例27のシガレットは、蔵置後において蔵置前に比べて評点が下がる(A評価→B評価)ことが分かる。
これに対し、増強処理ありの蜂蜜(例14)を添加した例28のシガレットは、蔵置前でも評点が高く、蔵置前後の開差は少ない(A評価→A評価)ことが分かる。特に、例28のシガレットは「甘臭味」が例27に比べて強化されている(評点8.6→9.3)。
また、増強処理ありの蜂蜜を添加した例28のシガレットは蔵置後でも「甘臭味」「花、蜂蜜様」の変化が少ない(それぞれ評点9.3→9.1、評点8.8→8.7)。
これは、蜂蜜中の増強されたDDPMの熱分解による甘臭味の補強と、増強された5−MHFからの蜂蜜様香気強化により蔵置後においても高い評価となっていることを意味する(平均値で評点8.5→8.3:A評価→A評価)。
<例29:マテ茶エキスの官能評価>
例25と同様なたばこ刻に前記例22で調製したマテ茶エキス(増強処理なし)を0.5重量%添加した。マテ茶エキス添加たばこ刻を63mmの巻長、24.9mmの巻円周のシガレット状に巻いた。
<例30:マテ茶エキスの官能評価>
例25と同様なたばこ刻に前記例24で増強処理したマテ茶エキスを0.5重量%添加した。マテ茶エキス添加たばこ刻を例25と同様にシガレット状に巻いた。
例29,30で得たシガレットを70℃の恒温機内に密閉状態で7時間蔵置した。また、蔵置前および蔵置後のシガレットを喫煙して官能試験に供した。
<評価>
訓練された8名のパネラーにより喫煙時のシガレット(蔵置前、蔵置後:各7サンプル)について香気、香味(風味)の官能試験を行って、それらの平均を以下のように評価した。
・評点8.0以上:A評価(添加効果があり、好的に使用可能)、
・評点7.0以上8.0未満:B評価(やや欠点はあるが、使用は可能)、
・評点7.0未満:C評価(使用は好ましくない)。
これらの結果を下記表6に示す。
Figure 2013054906
前記表6から明らかなように増強処理なしのマテ茶エキス(例22)を添加した例29のシガレットは、蔵置前も蔵置後においても評点が下がる(B評価→B評価)ことが分かる。
これに対し、増強処理ありのマテ茶エキス(例24)を添加した例30のシガレットは、蔵置前でも評点が高く、蔵置前後の開差は少ない(A評価→A評価)ことが分かる。
特に、増強処理ありのマテ茶エキスを添加した例30のシガレットは、「刺激」「苦渋味」が抑制(それぞれ評点7.8→8.3、評点7.2→8.3)され、かつ「たばこ香味」が補強される(評点7.6→8.0)。
また、増強処理ありのマテ茶エキスを添加した例30のシガレットは、蔵置後でも「刺激」「たばこ香味(風味)」の変化が少ない(それぞれ評点8.0→8.0、評点8.6→8.4)。
これは、マテ茶エキス中の増強された3−ヒドロキシ−β−ダマスコンおよび4−ビニルグアヤコールによる「刺激」「苦渋味」の抑制効果と「甘臭味」「たばこ香味」の強化により蔵置後においても高い評価となっていることを意味する(平均値で評点8.1→8.2:A評価→A評価)。
本発明によれば、天然物由来の糖類、植物原体、および植物原体を抽出もしくは濃縮した液体エキスからなる群から選ばれる少なくとも1つの香料用原料からその成分の極端な変化を起させずに、香喫味有用成分を効率的に増強させることが可能なたばこ製品用香喫味有用成分の増強方法を提供することができる。
本発明によれば、前記方法で増強された香喫味有用成分を含む香料用原料を含有し、喫煙時の燃焼で香料用原料本来の香気、香味(風味)を変化せずに香気、香味(風味)が強化されたたばこ原料を提供することができる。
本発明によれば、前記方法で増強された香喫味有用成分を含む香料用原料を含有したたばこ原料を備え、喫煙時の燃焼で香料用原料本来の香気、香味(風味)を変化せずに香気、香味(風味)が強化されたシガレットおよび葉巻を提供することができる。
本発明によれば、前記方法で増強された香喫味有用成分を含む香料用原料を含有したたばこ原料を備え、喫煙時の燃焼で香料用原料本来の香気、香味(風味)を変化せずに香気、香味(風味)が強化されたシガレットおよび葉巻を提供することができる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
天然物由来の糖類、植物原体、および植物原体を抽出もしくは濃縮した液体エキスからなる群から選ばれる少なくとも1つの香料用原料を準備する工程と、
釜内に前記香料用原料を釜容積量に対して50〜80体積%の容積率で収容する工程と、
前記釜内にて前記香料用原料を攪拌しながら、1.0〜2.0℃/分の昇温速度で80〜100℃に加温する工程と、
前記釜内で処理した後の内容物を0.40〜0.85℃/分の降温速度で所望の温度まで冷却する工程と
を含むたばこ製品用香喫味有用成分の増強方法。
[2]
前記天然物由来の糖類は、蜂蜜、澱粉のような多糖類であり、前記植物原体はマテ茶または緑茶であり、前記液体エキスはキャロブエキス、コーヒーエキス、ココアエキス、フェヌグリークエキス、モルトエキスのような種子系エキスまたは茶葉エキス、カモミルエキス、ローズマリーエキスのような葉質系エキスである[1]記載の方法。
[3]
前記加温温度80〜100℃において、240分間以下保持する[1]記載の方法。
[4]
前記釜内を密閉し、釜内圧力を0.105〜0.11MPAに設定する[1]記載の方法。
[5]
[1]〜[4]いずれか1項記載の方法で増強された香喫味有用成分を含む香料用原料を含有するたばこ原料。
[6]
[1]〜[4]いずれか1項記載の方法で増強された香喫味有用成分を含む香料用原料を含有するたばこ原料を備えたシガレット。
[7]
[1]〜[4]いずれか1項記載の方法で増強された香喫味有用成分を含む香料用原料を含有するたばこ原料を備えた葉巻。

Claims (7)

  1. 天然物由来の糖類、植物原体、および植物原体を抽出もしくは濃縮した液体エキスからなる群から選ばれる少なくとも1つの香料用原料を準備する工程と、
    釜内に前記香料用原料を釜容積量に対して50〜80体積%の容積率で収容する工程と、
    前記釜内にて前記香料用原料を攪拌しながら、1.0〜2.0℃/分の昇温速度で80〜100℃に加温する工程と、
    前記釜内で処理した後の内容物を0.40〜0.85℃/分の降温速度で所望の温度まで冷却する工程と
    を含むたばこ製品用香喫味有用成分の増強方法。
  2. 前記天然物由来の糖類は、蜂蜜、澱粉のような多糖類であり、前記植物原体はマテ茶または緑茶であり、前記液体エキスはキャロブエキス、コーヒーエキス、ココアエキス、フェヌグリークエキス、モルトエキスのような種子系エキスまたは茶葉エキス、カモミルエキス、ローズマリーエキスのような葉質系エキスである請求項1記載の方法。
  3. 前記加温温度80〜100℃において、240分間以下保持する請求項1記載の方法。
  4. 前記釜内を密閉し、釜内圧力を0.105〜0.11MPAに設定する請求項1記載の方法。
  5. 請求項1〜4いずれか1項記載の方法で増強された香喫味有用成分を含む香料用原料を含有するたばこ原料。
  6. 請求項1〜4いずれか1項記載の方法で増強された香喫味有用成分を含む香料用原料を含有するたばこ原料を備えたシガレット。
  7. 請求項1〜4いずれか1項記載の方法で増強された香喫味有用成分を含む香料用原料を含有するたばこ原料を備えた葉巻。
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