WO2022102542A1 - たばこテルペン類を含むたばこ抽出物およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

たばこに由来する原料を準備する工程1、 前記原料を、ヘテロ元素を含む非プロトン性中極性溶媒を用いた固液抽出に供する工程2、 前記工程から有機相を回収する工程3、 前記有機相から当該溶媒を除去して得た抽出物に、プロトン性極性溶媒または非プロトン性中極性溶媒を添加して、固形分を析出または分散させる工程4、および 前記固形物を除去する工程5、 を備える、たばこテルペン類を含むたばこ抽出物の製造方法。

Description

たばこテルペン類を含むたばこ抽出物およびその製造方法
 本発明は、たばこテルペン類を含むたばこ抽出物およびその製造方法、より詳しくはセスキテルペンまたはジテルペンを含むたばこ抽出物およびその製造方法に関する。
 たばこ葉の香気成分は、その成熟時期あるいは乾燥工程で生成する主に色素由来の分解物からなる香気、即ちイオノンやメガスティグマトリエノンなどのカロテノイド分解物と、セスキテルペン、ジテルペンなどの葉面樹脂成分である。これら香気成分の大半は疎水性である。これら香気成分を活用するために、様々な抽出方法が検討されてきた。例えば目的とする成分の特徴を生かし、液化炭酸ガスあるいは超臨界炭酸ガスを用いた例が多く検討されてきた(特許文献1、2)。一方で、シガレット用原料の一つとして液化炭酸ガスで膨化した原料が検討されてきたが、そのプロセスは上述の炭酸ガスを用いた抽出の工程と非常に近似する。そこで、前記香気成分を活用するために膨化プロセスの一部を応用した方法が検討されている(特許文献3、4)。例えば特許文献3は、たばこ原料に超臨界状態の二酸化炭素を接触させ、この二酸化炭素にたばこ成分を溶解させる抽出容器と、抽出容器に接続され二酸化炭素に溶解したたばこ成分からたばこ成分の脂溶性部分を分離して回収する分離容器と、この後、抽出容器と純水を蓄えた吸収容器との間にて超臨界状態の二酸化炭素を活性炭の浄化層により浄化しながら循環させ、純水にたばこ成分の水溶性部分を吸収させる循環経路と、たばこ成分の水溶性部分を吸収した純水を吸収水として吸収容器から回収する回収容器とを有する装置を開示する。当該装置から得られたたばこ成分の脂溶性部分および吸収水はフレーバーの生成に使用される。また特許文献4は、たばこ原料を液化二酸化炭素に含浸した後に加熱して排気される気化二酸化炭素に含まれるたばこ成分を、150℃から400℃まで加熱して加熱香気を得る方法を開示する。当該手法はレダクトンを得られる点が非常にユニークである。しかし、特許文献5などに示される加熱由来の必要としない成分までも生成する可能性が示唆された。
国際公開2007/029264 英国特許GB2173985号明細書 国際公開2007/119790 国際公開2016/051334A1 特開2016-526921
 従来の方法では、たばこに由来する原料から簡便な方法で効率よく香味成分を得ることは容易ではなかった。そこで、本発明は、たばこに由来する原料から簡便な方法で効率よく香味剤として有用な成分を製造する方法を提供することを課題とする。
 発明者らは、たばこの膨化処理において二酸化炭素ガスの分離と同時に排出されるたばこ葉中骨や固形状の抽出物を含む廃棄物を原料とすることで、前記課題が解決できることを見出した。すなわち、前記課題は以下の本発明によって解決される。
態様1
 たばこに由来する原料を準備する工程1、
 前記原料を、ヘテロ元素を含む非プロトン性中極性溶媒を用いた固液抽出に供する工程2、
 前記工程から有機相を回収する工程3、
 前記有機相から当該溶媒を除去して得た抽出物に、プロトン性極性溶媒または非プロトン性中極性溶媒を添加して、固形分を析出または分散させる工程4、および
 前記固形物を除去する工程5、
を備える、たばこテルペン類を含むたばこ抽出物の製造方法。
態様2
 前記工程2で用いる非プロトン性中極性溶媒の沸点が80℃以下である、態様1に記載の製造方法。
態様3
 前記非プロトン性中極性溶媒が、酢酸エチル、ブチルブチレート、エチルブチレート、ジクロロメタン、クロロホルム、およびこれらの組合せからなる群から選択される、態様1および2に記載の製造方法。
態様4
 前記非プロトン性中極性溶媒が酢酸エチルである、態様1~3のいずれかに記載の製造方法。
態様5
 前記工程2が、固液抽出にて得た有機相を、水または酸水溶液を用いた抽出に供することをさらに備え、前記酸水溶液に用いる酸が無機酸または有機酸である、態様1~4のいずれかに記載の製造方法。
態様6
 前記酸が硫酸、クエン酸、シュウ酸、およびこれらの組合せからなる群から選択される、態様1~5のいずれかに記載のたばこ抽出物の製造方法。
態様7
 前記工程2が、固液抽出にて得た有機相を、水または酸水溶液を用いた抽出に供することをさらに備え、前記酸水溶液のpHが4以下である、態様1~6のいずれかに記載の製造方法。
態様8
 前記工程4で用いるプロトン性極性溶媒がエタノールである、態様1~7のいずれかに記載の製造方法。
態様9
 前記工程4で用いる非プロトン性中極性溶媒がベンジルアルコールである、態様1~7のいずれかに記載の製造方法。
態様10
 前記工程4において、前記抽出物に前記溶媒を添加して一旦溶液を形成し、その後固形分を析出させることを含む、態様1~9のいずれかに記載の製造方法。
態様11
 前記工程4において、前記抽出物に前記溶媒を添加することで固形分が分散した分散液を得ることを含む、態様1~9のいずれかに記載の製造方法。
態様12
 前記固形分の析出をさらに促進することを含む、態様11に記載の製造方法。
態様13
 前記工程4で調製された溶液または分散液中の抽出物濃度が5~20重量%である、態様1~12のいずれかに記載の製造方法。
態様14
 態様1~13に記載の方法で得たたばこ抽出物。
態様15
 態様14に記載のたばこ抽出物を含む、たばこ用香味剤。
態様16
 態様15に記載のたばこ用香味剤を含む、たばこ材料。
態様17
 たばこシートまたはたばこ刻である、態様16に記載のたばこ材料。
態様18
 態様16または17に記載のたばこ材料を含むたばこロッド部。
態様19
 態様18のたばこロッド部を含む、たばこ香味吸引物品。
態様20
 態様18のたばこロッド部を含む、非燃焼加熱型たばこ香味吸引物品、または非燃焼非加熱型たばこ香味吸引物品。
態様21
 態様14に記載のたばこ抽出物を含む、無煙たばこ。
実験例1で得たヘキサン溶液のGC/MSによるトータルイオンクロマトグラムである。図1~6において、縦線はRIが1600~2500となる保持時間を、矢印はCBT(センブラトリエンジオール)のピークを示す。 実験例1で得たクロロホルム溶液のGC/MSによるトータルイオンクロマトグラムである。 実験例1で得た酢酸エチル溶液のGC/MSによるトータルイオンクロマトグラムである。 比較例1で得たアセトン溶液のGC/MSによるトータルイオンクロマトグラムである。 比較例1で得たメタノール溶液のGC/MSによるトータルイオンクロマトグラムである。 実施例4で得たアルコール製剤(上段)、実施例4と同じ方法で得た膨化前刻からのアルコール製剤(下段)のGC/MSによるトータルイオンクロマトグラムである。 実施例5で得たアルコール製剤のGC/MSによるトータルイオンクロマトグラムである。縦線は、RIが800、1600、2500および3500となる保持時間を示す。 実施例10で得たベンジルアルコール製剤のGC/MSによるトータルイオンクロマトグラムである。縦線は、RIが800、1600、2500および3500となる保持時間を示す。 非燃焼加熱型たばこ香味吸引物品の一態様を示す図である。 非燃焼加熱型たばこ香味吸引システムの一態様を示す図である。 非燃焼非加熱型たばこ香味吸引物品の一態様を示す図である。 たばこカプセルの一態様を示す図である。 電源ユニットの一態様を示す図である。 カートリッジの一態様の断面図である。 カートリッジの一態様の内部構造を示す図である。 膨化処理工程の概要を説明する図である。 実施例12で得た製剤(黄色種原料)のGC/MSによるトータルイオンクロマトグラムである。 実施例12で得た製剤(バーレー種原料)のGC/MSによるトータルイオンクロマトグラムである。
 以下、本発明を詳細に説明する。本発明において「X~Y」はその端値であるXおよびYを含む。
1.製造方法
 本発明の製造方法は、以下の工程を備える。
 工程1:たばこに由来する原料を準備する。
 工程2:前記原料を、非プロトン性溶媒を用いた固液抽出に供する。
 工程3:前記工程から有機相を回収する。
 工程4:前記有機相から溶媒を除去して得た抽出物に、プロトン性極性溶媒または非プロトン性中極性溶媒を添加して、固形分を析出または分散させる。
 工程5:前記固形分を除去する。
(1)工程1
 本工程では、たばこに由来する原料を準備する。たばこに由来する原料とは、タバコ属植物由来の原料であり、例えば、たばこ葉、熟成済みたばこ葉、たばこ刻、またはたばこ粉末等のたばこ原料、およびたばこ原料を処理に供して得た処理物または排出物が挙げられる。たばこ葉とは、収穫されたたばこの葉が、熟成を経る前のものの総称である。熟成の一態様にはキュアリングが含まれる。たばこ刻は、熟成済たばこ葉等が、所定の大きさに刻まれたものである。たばこ粉末はたばこ葉等を粉砕したものである。
 本発明においては、たばこ原料の膨化処理工程で得た排出固形物を準備することが好ましい。膨化処理とは、たばこ原料に液体を含浸させ、その液体を急激に気化させてたばこ材料の嵩を増加させる処理をいう(図16参照)。本発明においては、公知の膨化処理で排出される排出固形物を使用できる。前述のとおり、たばこ原料とは、たばこ葉やたばこ刻やたばこ粉末である。本発明においては、特許文献3に記載のような超臨界二酸化炭素を用いて膨化処理を行い、たばこ成分を含有する超臨界二酸化炭素から二酸化炭素を分離した際に得られる、固形の脂溶性成分を前記排出固形物として使用することが好ましい。超臨界二酸化炭素を用いた膨化処理からの排出固形物は、たばこテルペン類を多く含むからである。たばこテルペン類とは、好ましくはセスキテルペンまたはジテルペン(以下、単に「テルペン類」ともいう)である。また、膨化処理工程は、初期に、原料たばこ葉をスレッシングおよび裁刻する工程を含むので、その際に少量の切損刻としてたばこ細粉や中骨がたばこ原料に混入する。当該原料を膨化処理に供すると、膨化後に軽質の膨化刻と重質の中骨および未膨化刻が二酸化炭素ガスと共に排出されて、排出固形物となる。よって、排出固形物は、前述の固形の脂溶性成分であり、または膨化刻、中骨および未膨化刻の固形物であり、あるいはこれらの混合物である。以下、たばこに由来する原料として前記排出固形物を用いる態様を例にして、説明する。
(2)工程2
 本工程では、排出固形物を、非プロトン性溶媒を用いた固液抽出に供する。非プロトン性溶媒とは、解離するプロトンを有さないため水に溶けにくく、水相と分離した有機相を形成できる溶媒である。非プロトン性溶媒としては、酢酸エチル、ブチルブチレート、エチルブチレート等のエステル;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素;アセトン等のケトン;アセトニトリル等のニトリル;ヘキサン等の炭化水素が挙げられる。中でも、目的とするテルペン類を効率よく抽出できるとの観点からは、エステル、ハロゲン化炭化水素などのヘテロ元素を含む非プロトン性中極性溶媒が好ましい。また、後の工程で除去しやすいとの観点からは、沸点が80℃以下であるものが好ましい。したがって、前記溶媒としては、酢酸エチル、ブチルブチレート、エチルブチレート、ジクロロメタン、クロロホルムが好ましく、酢酸エチル、ブチルブチレート、エチルブチレートがより好ましく、酢酸エチルがさらに好ましい。本工程において目的とするテルペン類は、非プロトン性溶媒(有機相)に移行する。
 非プロトン性溶媒は、その極性によって低極性溶媒と中極性溶媒に分類できる。一態様において、非プロトン性中極性溶媒はオクタノール/水分配比率(Kow)を用いて、log Kowが2以下の正の値を示す溶媒として定義され、非プロトン性低極性溶媒はlog Kowが2を超え4以下の値を示す溶媒として定義される。本発明においては非プロトン性中極性溶媒が好ましい。Kowとは、オクタノールと水の2相システムにおいて、対象とする化合物(溶媒)のオクタノール相に溶解している濃度と、水に溶解している濃度の比として定義される。Kowは室温で測定される。
  Kow=オクタノール相の濃度/水相の濃度
 一態様において、本発明に使用される溶媒は、以下に例示するように分類される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 本工程においては、排出固形物を、非プロトン性溶媒と水または酸水溶液を用いた抽出に供してもよい。水によって排出固形物中のニコチンを水相に移行させることができるからである。酸によって排出固形物中のニコチンを塩の形態として水相に移行させることができるので、水は酸を含むこと、すなわち酸水溶液であることが好ましい。当該酸として、無機酸または有機酸を使用できるが、ニコチン塩の安定性等の観点から、硫酸、クエン酸、またはシュウ酸であることが好ましい。酸水溶液のpHは好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。pHが4を超えると、ニコチンの抽出が十分でない場合がある。pHの下限は限定されないが、好ましくは2以上である。本工程を実施する温度は限定されないが、好ましくは10~35℃、より好ましくは20~30℃である。本工程は、排出固形物を、非プロトン性溶媒を用いた固液抽出に供し、その後、有機相を前記水または酸水溶液を用いた液液抽出に供することが好ましい。固液抽出においては、不溶固形分をろ過等によって除去してもよい。
(3)工程3
 本工程では、工程2で得た有機相を回収する。有機相は、前記固液抽出で得た有機相、または前記液液抽出で得た有機相である。回収の方法は限定されず、例えば分液ロートを用いて実施できる。必要に応じて、非プロトン性溶媒を用いて水相を洗浄し、洗浄後の当該溶媒を、前記有機相に添加してもよい。このようにして、テルペン類を含むたばこ抽出物の溶液を得ることができる。
(4)工程4
 本工程では、まず前記有機相から非プロトン性溶媒を除去して抽出物を得る。溶媒除去の方法は限定されず、例えばエバポレーターを用いることができる。次いで抽出物に、プロトン性極性溶媒または非プロトン性中極性溶媒を添加して固形分を析出または分散させる。プロトン性溶媒とは、解離性のプロトンを有する有機溶媒であり、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の脂肪族アルコールや、プロピレングリコール等のグリコール、アセトン等のケトンが挙げられる。また本工程で使用される非プロトン性中極性溶媒としては、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、クミルアルコール等の芳香族アルコールや、酢酸エチル等のエステル、ジエチルエーテル等のエーテル、クロロホルム等の塩化炭化水素を挙げることができる。一態様においてプロトン性極性溶媒は前記log Kowがマイナスの値を示す溶媒と定義される。工程4で使用される非プロトン性中極性溶媒は工程2で使用される非プロトン性溶媒と同じであってもよいが、異なっていることが好ましい。工程4において使用される非プロトン性中極性溶媒は好ましくは芳香族アルコールである。
 本工程で得られるプロトン性極性溶媒(好ましくは脂肪族アルコール)相には目的とするテルペン類が含まれる。当該テルペン類は、ガスクロマトグラフィーにおけるリテンションインデックス(以下、単に「RI」ともいう)が1600~2500に存在するので、プロトン性極性溶媒相はRIが1600~2500の成分を含む。ただし、プロトン性極性溶媒相はRIが2500超3500以下の成分を含まないことが好ましい。RIが2500超3500以下の成分は主として高級炭化水素であり、160~250℃に加熱されると好ましくない香喫味を生じさせるからである。したがって、プロトン性極性溶媒相に含まれる成分は、160~250℃に加熱されるたばこ香味吸引物品に好適であり、160℃以上220℃未満に加熱されるたばこ香味吸引物品により好適である。RIとはガスクロマトグラフィーのリテンションタイムを標準となる物質を用いて標準化した指標であり、本発明においてはn-パラフィンのリテンションタイムを尺度としてリニア法で求めた指標をいう。
 本工程で得られる非プロトン性中極性溶媒(好ましくは芳香族アルコール)相には、目的とするテルペン類が含まれる。当該テルペン類は、RIが1600~2500に存在するので、非プロトン性中極性溶媒相はRIが1600~2500の成分を含む。さらに非プロトン性中極性溶媒相はRIが2500超3500以下の成分を含むこと、すなわちRIが1600~3500の成分を含むことが好ましい。RIが2500超3500以下の成分は、無極性であり香気成分をより溶解し保留剤の機能を有するので、220~280℃に加熱された場合に、これらを揮散させてやわらかくスムースな香喫味を与える。よって当該溶媒を用いて得られたたばこ抽出物は、220~280℃に加熱されるたばこ香味吸引物品に好適であり、250℃を超え280℃以下に加熱されるたばこ香味吸引物品により好適である。
 優れた香喫味を与える観点および安全性等の観点から、プロトン性極性溶媒は好ましくはエタノールであり、非プロトン性中極性溶媒はベンジルアルコールである。
 本工程では、前記溶媒を添加することによって、固形分を析出または分散させる。本工程は具体的に、前記抽出物に前記溶媒を添加して一旦溶液を形成しその後固形分が析出する態様と、前記抽出物に前記溶媒を添加することで速やかに固形分が分散した分散液を得る態様を含む。後者の態様においては、固形分の析出をさらに促進することが好ましい。析出または析出を促進する方法は限定されず、例えば前記系を静置することや、遠心分離することが挙げられる。この際、系の温度を-10~10℃とすることが好ましい。このようにすることで目的とするテルペン類が劣化することを防止できる。前記溶媒の量は限定されないが、効率よく析出物を得る観点から、液中の抽出物濃度が好ましくは5~20重量%、より好ましくは8~15重量%となるような量である。
(5)工程5
 本工程では、前記固形物を除去する。除去方法は限定されず、ろ過、またはデカンテーションによって実施できる
2.たばこ抽出物
 前記製造方法で得たたばこ抽出物(以下「本発明のたばこ抽出物」ともいう)は前記テルペン類を含む。前記テルペン類はたばこの香喫味を与えるので、本発明のたばこ抽出物はたばこ用香味剤として有用である。たばこ用香味剤は、一態様においてたばこ抽出物であり、別態様においてたばこ抽出物と他の成分を含む。また、前述のとおり、工程4で非プロトン性中極性溶媒を用いて得たたばこ抽出物は220~280℃に加熱されるたばこ香味吸引物品に好適であり、プロトン性極性溶媒を用いて得たたばこ抽出物は、160~250℃に加熱されるたばこ香味吸引物品に好適である。また、工程2において酸水溶液を用いて得たたばこ抽出物は、ニコチン等のアルカロイドを含まないか、その量は極めて微量である。本発明のたばこ抽出物は、エタノール、ベンジルアルコールまたはプロピレングリコールに溶解させたたばこ用香味剤(製剤)とすることもできる。製剤中、本発明のたばこ抽出物の濃度を10~30重量%程度とすることができる。たばこ用香製剤は、対象物に噴霧することや、対象物に含浸させることができるので、取扱い性に優れる。前記製剤の添加量は、燃焼用たばこの場合はたばこ材料に対して50~200重量ppmが好ましく、非燃焼型たばこの場合はたばこ材料に対して0.2~0.75重量%が好ましく、液体加熱たばこの場合はベース液に対して50~200重量ppmが好ましい。
3.たばこ材料
 本発明のたばこ抽出物を含むたばこ用香味剤(以下「本発明のたばこ用香味剤」ともいう)は、たばこ材料への添加剤として有用である。たばこ材料としてはたばこシート、たばこ刻、巻紙、多糖類シート等のたばこ材料が挙げられる。本発明のたばこ用香味剤が添加されたたばこ材料を「本発明のたばこ材料」ともいう。
(1)たばこシート
 たばこシートは、熟成済たばこ葉などを含む組成物を、成形して得られるシートである。たばこシートに使用される熟成済たばこ葉は、特に限定されないが、例えば、除骨され、ラミナと中骨に分離されたものを挙げることができる。熟成済たばこ葉とは、キュアリング等の処理および倉庫等での長期保管を経たたばこ葉をいう。本発明において「シート」とは、略平行な1対の主面と側面を有する材料をいう。たばこシートは、抄造法、キャスト法、圧延法等の公知の方法で成形することができる。このような方法で成形された各種たばこシートについては、「たばこの事典、たばこ総合研究センター、2009.3.31」に詳細が開示されている。たばこシートに本発明のたばこ用香味剤を添加する態様は限定されない。
 例えば、本発明のたばこ用香味剤の溶液を調製して、これを完成したたばこシートに噴霧するまたは含浸させてもよいし、たばこシートを成形する際に本発明のたばこ用香味剤を添加してもよい。例えば、抄造法では、熟成済たばこ葉から水溶性成分を抽出して水抽出物と残渣に分離し、繊維化された残渣とパルプの混合物を抄紙し、抄紙したシートに水抽出物の濃縮液を添加する工程を経るが、水抽出物に本発明のたばこ用香味剤を添加することができる。キャスト法では、水とパルプとバインダーと熟成済たばこの粉砕物を混合して混合物とし、これをキャストする工程を経るが、この混合物に本発明のたばこ用香味剤を添加することができる。圧延法では、水とパルプとバインダーと熟成済たばこの粉砕物を混合して混合物とし、これを複数の圧延ローラーに投入して圧延する工程を経るが、この混合物に本発明のたばこ用香味剤を添加することができる。
 さらに、国際公開第2014/104078号に記載されているように、熟成済たばこの粉砕物とバインダーを混合して混合物とし、当該混合物を不織布によって挟み、当該積層物を熱溶着によって一定形状に成形することで、不織布状のたばこシートを得ることができる。この方法においては、前記混合物に本発明のたばこ用香味剤を添加することができる。
 たばこシートはエアロゾル生成基材を含んでいてもよい。エアロゾル生成基材の種類は、特に限定されず、用途に応じて種々の天然物からの抽出物質またはそれらの構成成分を選択することができる。エアロゾル生成基材の具体例としては、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール等の多価アルコール、トリアセチン、1,3-ブタンジオール、およびこれらの混合物を挙げることができる。エアロゾル生成基材の含有量は、たばこ製品で利用される形態により様々な量に調整することができる。例えば、たばこシートにエアロゾル生成基材が含まれる場合、その含有量は、良好な香味を得るという観点から、たばこシートの全重量に対して、通常5重量%以上であり、好ましくは10重量%以上であり、より好ましくは15重量%以上であり、また、通常50重量%以下であり、好ましくは40重量%以下であり、より好ましくは25重量%以下である。
(2)たばこ刻
 たばこ刻として、熟成済たばこ葉を所定の大きさに刻んだもの、前述のたばこシートを所定の大きさに刻んだもの、またはこれらを混合したものを挙げることができる。その大きさは限定されず、一例として、幅0.5~2.0mm、長さ3~10mmのものが挙げられる。このような大きさのたばこ刻は、後述する被充填物に充填する態様において好ましい。この他に、たばこ刻として、加工済たばこ葉を、幅を0.5~2.0mm、長さを前述のたばこ刻よりも長く、好ましくは巻紙と同程度の長さとなるように刻んだ、ストランドタイプ刻を挙げることができる。本発明のたばこ用香味剤は、たばこ刻に添加されてもよいし、裁刻前の原料に添加されてもよい。
 たばこ刻は前記エアロゾル生成基材を含んでいてもよい。たばこ刻中にエアロゾル生成基材が含まれる場合、その含有量は、十分な量のエアロゾルを生成させるとともに、良好な香味を得るという観点から、たばこ刻の重量に対して、通常5重量%以上であり、好ましくは10重量%以上であり、より好ましくは15重量%以上であり、また、通常50重量%以下であり、好ましくは40重量%以下であり、より好ましくは25重量%以下である。
(3)巻紙
 本発明のたばこ用香味剤を、巻紙に噴霧、含浸させる等によって、当該たばこ用香味剤を含む巻紙を調製できる。巻紙としては、例えば、パルプが主成分のものを挙げることができる。パルプとしては、針葉樹パルプや広葉樹パルプなどの木材パルプで抄造される以外にも、亜麻パルプ、大麻パルプ、サイザル麻パルプ、エスパルトなど一般的にたばこ物品用の巻紙に使用される非木材パルプを混抄して製造して得たものでもよい。これらのパルプは、単独の種類で用いてもよく、複数の種類を任意の割合で組み合わせて用いてもよい。また、巻紙は一枚で構成されていてもよいが、複数枚以上で構成されていてもよい。巻紙は、たばこ刻み等のたばこ原料を巻装する態様で使用されてもよく、また、この巻装された部材を冷却部材やフィルター部材等の他の部材と共に巻装する材料(例えば、チップペーパー)として用いることもできる。パルプとしては、クラフト蒸解法、酸性・中性・アルカリ亜硫酸塩蒸解法、ソーダ塩蒸解法等による化学パルプ、グランドパルプ、ケミグランドパルプ、サーモメカニカルパルプ等を使用できる。
(4)多糖類シート
 多糖類シートとは多糖類を主成分とするシートであり、本発明のたばこ用香味剤を多糖類シートに含有させることができる。本発明のたばこ用香味剤を含有する多糖類シートを用いた香味吸引物品は、十分な香味を放出させることができる。多糖類としては、カラギーナン、寒天、ゲランガム、タマリンドガム、サイリウムシードガム、コンニャクグルコマンナン、カラギーナン、ローカストビーンガム、グアーガム、寒天、キサンタンガム、ゲランガム、タマリンドガム、タラガム、コンニャクグルコマンナン、デンプン、カシアガム、およびサイリウムシードガム等が挙げられる。
 本発明のたばこ用香味剤を含有する多糖類シートは、燃焼型たばこ香味吸引物品および非燃焼型たばこ香味吸引物品に用いることができる。前者の態様においては、例えば特許5481574に開示されているような多糖類シートを用いることができる。本態様において、本発明のたばこ用香味剤の含有量は当該シートに対して好ましくは10重量%以上、より好ましくは18重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上、特に好ましくは70重量%以上とできる。当該多糖類シートは、多糖類と水とを混合、加熱して多糖類の水溶液を調製し、当該水溶液に香料と乳化剤を加えて混練・乳化させる方法で調製できる。乳化剤としては公知のものを使用できる。
 後者の態様においては、PCT/JP2019/20136に記載されているような多糖類シートを用いることができる。本態様においては、多糖類として寒天を用いることが特に好ましい。寒天の含有量は、当該シートに対して好ましくは10~50重量%、より好ましくは15~45重量%である。また、当該多糖類シートにおける本発明のたばこ用香味剤の含有量は、当該シートに対して35~80重量%とすることができる。
 本態様においては、糖および糖アルコールからなる群より選択される糖類化合物を用いることが好ましい。「糖」としては、例えば、グルコース、スクロース、フルクトース、キシロース、ガラクトース、マンノース、マルトース、トレハロース、ラクトース、ラフィノースが挙げられる。「糖アルコール」としては、糖のカルボニル基を水酸基に還元して得られるアルコールであるソルビトールが挙げられる。当化合物の含有量は、寒天に対して、好ましくは10重量%以上、より好ましくは10~500重量%、さらに好ましくは10~300重量%、よりさらに好ましくは10~200重量%である。また、本態様においては乳化剤を用いることが好ましい。乳化剤としては公知のものを使用でき、その含有量は寒天の重量に対して、好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1.0~8.0重量%である。
 本態様における多糖類シートは、寒天、糖類化合物、香料、および乳化剤を含む原料を水中で混錬して原料スラリーを調製し、原料スラリーを基材上に伸展させ、乾燥させることにより製造することができる。
4.たばこ香味吸引物品
 本発明において、「香味吸引物品」とは使用者が香味を吸引するための物品をいう。香味吸引物品のうち、たばこまたはそのたばこに由来する成分を有するものを「たばこ香味吸引物品」という。たばこ香味吸引物品は、燃焼によって香味を発生させる「燃焼型たばこ香味吸引物品」(単に「喫煙物品」ともいう)、燃焼させずに香味を発生させる「非燃焼型たばこ香味吸引物品」に大別される。さらに、非燃焼型たばこ香味吸引物品は、加熱によって香味を発生させる「非燃焼加熱型たばこ香味吸引物品」と、加熱せずに香味を発生させる「非燃焼非加熱型たばこ香味吸引物品」に大別される。本発明のたばこ用香味剤は、非燃焼加熱型たばこ香味吸引物品または非燃焼非加熱型たばこ香味吸引物品に好適である。また、エアロゾルを発生させるためのデバイス(加熱装置または霧化装置等)と、非燃焼加熱型たばこ香味吸引物品との組合せを、特に非燃焼加熱型たばこ香味吸引システムともいう。
(1)非燃焼加熱型たばこ香味吸引物品
 図9に非燃焼加熱型たばこ香味吸引物品の一態様を示す。図に示すように、非燃焼加熱型たばこ香味吸引物品20は、たばこロッド部20Aと、周上に穿孔を有する筒状の冷却部20Bと、フィルター部20Cと、を備える。非燃焼加熱型たばこ香味吸引物品20は、これ以外の部材を有していてもよい。非燃焼加熱型たばこ香味吸引物品20の軸方向の長さは限定されないが、40~90mmであることが好ましく、50~75mmであることがより好ましく、50~60mm以下であることがさらに好ましい。また、非燃焼加熱型たばこ香味吸引物品20の周の長さは16~25mmであることが好ましく、20~24mmであることがより好ましく、21~23mmであることがさらに好ましい。例えば、たばこロッド部20Aの長さは20mm、冷却部20Bの長さは20mm、フィルター部20Cの長さは7mmである態様を挙げることができる。これら個々の部材長さは、製造適性、要求品質等に応じて、適宜変更できる。図9には、第1セグメント25を配置した態様を示すが、これを配置せずに、冷却部20Bの下流側に第2セグメント26のみを配置してもよい。
 1)たばこロッド部20A
 たばこロッド部20Aには、たばこ充填物21として、本発明のたばこ用香味剤を含むたばこ刻またはたばこシートを用いることができる。たばこ充填物21を巻紙22内に充填する方法は特に限定されないが、例えばたばこ充填物21を巻紙22で包んでもよく、筒状の巻紙22内にたばこ充填物21を充填してもよい。たばこの形状が矩形状のように長手方向を有する場合、当該長手方向が巻紙22内でそれぞれ不特定の方向となるように充填されていてもよく、たばこロッド部20Aの軸方向に整列またはこれに直交する方向に整列させて充填されていてもよい。また、巻紙22として、前述の本発明のたばこ用香味剤を含む巻紙を用いることもできる。たばこロッド部20Aが加熱されることにより、たばこ充填物21に含まれるたばこ成分、エアロゾル生成基材および水が気化し、吸引に供される。
 2)冷却部20B
 冷却部20Bは筒状部材で構成されることが好ましい。筒状部材は例えば厚紙を円筒状に加工した紙管23であってもよい。また、冷却部20Bは、チャネルを形成するために、しわ付けされ、次いでひだ付け、ギャザー付け、または折畳まれた薄い材料のシートによって形成されてもよい。このような材料として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、酢酸セルロース、およびアルミニウム箔から構成される群から選択されたシート材料を用いることができる。冷却部20Bの全表面積は冷却効率を考慮して適宜調製されるが、例えば、300~1000mm/mmとすることができる。冷却部20Bには、好ましくは穿孔24が設けられる。穿孔24の存在により、吸引時に外気が冷却部20B内に導入される。これにより、たばこロッド部21Aが加熱されることで生成したエアロゾル気化成分が外気と接触し、その温度が低下するため液化し、エアロゾルが形成される。穿孔24の径(差し渡し長さ)は特に限定されないが、例えば0.5~1.5mmであってもよい。穿孔24の数は特に限定されず、1つでも2つ以上でもよい。例えば穿孔24は冷却部20Bの周上に複数設けられていてもよい。
 冷却部20Bは、その軸方向の長さが例えば7~28mmのロッド形状とすることができる。例えば、冷却部20Bの軸方向の長さは18mmとすることができる。冷却部20Bは、その軸方向断面形状として実質的に円形であり、直径を5~10mmとすることができる。例えば、冷却部の直径は、約7mmとすることができる。
 3)フィルター部20C
 フィルター部20Cの構成は特に限定されないが、単数または複数の充填層から構成されてよい。充填層の外側は一枚または複数枚の巻紙で巻装されてよい。フィルター部20Cの通気抵抗は、フィルター部20Cに充填される充填物の量、材料等により適宜変更することができる。例えば、充填物が酢酸セルロース繊維である場合、フィルター部20Cに充填される酢酸セルロース繊維の量を増加させれば、通気抵抗を増加させることができる。充填物が酢酸セルロース繊維である場合、酢酸セルロース繊維の充填密度は0.13~0.18g/cmであることができる。前記通気抵抗は通気抵抗測定器(商品名:SODIMAX、SODIM製)により測定される値である。
 フィルター部20Cの周の長さは特に限定されないが、16~25mmであることが好ましく、20~24mmであることがより好ましく、21~23mmであることがさらに好ましい。フィルター部20Cの軸方向(図9の水平方向)の長さは4~10mmで選択可能であり、その通気抵抗が15~60mmHO/segとなるように選択される。フィルター部20Cの軸方向の長さは5~9mmが好ましく、6~8mmがより好ましい。フィルター部20Cの断面の形状は特に限定されないが、例えば円形、楕円形、多角形等であることができる。またフィルター部20Cには香料を含んだ破壊性カプセル、香料ビーズ、香料を直接添加していてもよい。
 フィルター部20Cは第1セグメント25としてセンターホール部を備えていてもよい。センターホール部は1つまたは複数の中空部を有する第1充填層25aと、当該充填層を覆うインナープラグラッパー(内側巻紙)25bとで構成される。センターホール部は、マウスピース部の強度を高める機能を有する。センターホール部はインナープラグラッパー25bを持たず、熱成型によってその形が保たれていてもよい。フィルター部20Cは第2セグメント26を備えていてもよい。第2セグメント26は第2充填層26aと当該充填層を覆うインナープラグラッパー(内側巻紙)26bとで構成される。第2充填層26aは、例えば酢酸セルロース繊維が高密度で充填されトリアセチンを含む可塑剤が酢酸セルロース重量に対して、6~20重量%添加されて硬化された内径φ5.0~φ1.0mmのロッドとすることができる。第2充填層は繊維の充填密度が高いため、吸引時は、空気やエアロゾルは中空部のみを流れることになり、第2充填層内はほとんど流れない。センターホールセグメント内部の第二の充填層が繊維充填層であることから、使用時の外側からの触り心地は、使用者に違和感を生じさせることが少ない。
 第1充填層25bと第2充填層26aとはアウタープラグラッパー(外側巻紙)27で接続されている。アウタープラグラッパー27は、例えば円筒状の紙であることができる。また、たばこロッド部20Aと、冷却部20Bと、接続済みの第1充填層25bと第2充填層26aとは、マウスピースライニングペーパー28により接続されている。これらの接続は、例えばマウスピースライニングペーパー28の内側面に酢酸ビニル系糊等の糊を塗り、前記3つの部材を巻くことで接続することができる。これらの部材は複数のライニングペーパーで複数回に分けて接続されていてもよい。
 5)非燃焼加熱型たばこ香味吸引システム
 非燃焼加熱型たばこ香味吸引物品とエアロゾルを発生させるための加熱デバイスとの組合せを、特に非燃焼加熱型たばこ香味吸引システムともいう。当該システムの一例を図10に示す。図中、非燃焼加熱型たばこ香味吸引システムは、非燃焼加熱型たばこ香味吸引物品20と、たばこロッド部20Aを外側から加熱する加熱デバイス10とを備える。
 加熱デバイス10は、ボディ11と、ヒーター12と、金属管13と、電池ユニット14と、制御ユニット15とを備える。ボディ11は筒状の凹部16を有し、これに挿入されるたばこロッド部20Aと対応する位置に、ヒーター12と金属管13が配置されている。ヒーター13は電気抵抗によるヒーターであることができ、温度制御を行う制御ユニット15からの指示により電池ユニット14より電力が供給され、ヒーター12の加熱が行われる。ヒーター12から発せられた熱は、熱伝導度の高い金属管13を通じてたばこロッド部20Aへ伝えられる。当該図には、加熱デバイス10はたばこロッド部20Aを外側から加熱する態様を示したが、内側から加熱するものであってもよい。加熱デバイス10による加熱温度は特に限定されないが、400℃以下であることが好ましく、150~400℃であることがより好ましく、200~350℃であることがさらに好ましい。加熱温度とは加熱デバイス10のヒーターの温度を示す。特に、加熱デバイス10は、たばこロッド部が工程4でプロトン性極性溶媒を使用して得たたばこ抽出物を含む場合、たばこロッド部を160~250℃に加熱できることが好ましい。また、加熱デバイス10は、たばこロッド部が工程4で非プロトン性中極性溶媒を使用して得たたばこ抽出物を含む場合、たばこロッド部を220~280℃に加熱できることが好ましい。
(3)非燃焼非加熱型たばこ香味吸引物品
 図11は、非燃焼非加熱型たばこ香味吸引物品の一態様を示す。非燃焼非加熱型たばこ香味吸引物品30は、電源ユニット30Dと、カートリッジ30Eと、たばこカプセル30Fとを有する。非燃焼非加熱型たばこ香味吸引物品30は、非吸口端u(上流)から吸口端d(下流)へ向かって延びる形状を有する。カートリッジ30Eは、電源ユニット30Dに対して着脱可能である。また、たばこカプセル30Fは、カートリッジ30Eに対して着脱可能である。
 1)たばこカプセル
 図12はたばこカプセル30Fの一例を示す。図に示すように、たばこカプセル30Fは、たばこロッド部であり、香味源300を内部に有する。香味源300は、本発明のたばこ材料を含む。たばこカプセル30Fは、カートリッジ30Eに接続される。具体的には、たばこカプセル30Fの一部は、カートリッジ30E内に収容される。
 たばこカプセル30Fは、香味源300を収容する収容体310と、メッシュ体320と、不織布330と、キャップ340とを有する。後述する霧化部220によって霧化されたエアロゾルは、メッシュ体320を通じて収容体310内に導入され、香味源300に接触することでエアロゾルに香味が付与される。その後、エアロゾルは不織布330を通じて使用者に吸引される。このように、非燃焼非加熱型たばこ香味吸引物品30では、香味源300を加熱せずにエアロゾルに香味を付与できる。また、香味源300からは実質的にエアロゾルは発生しない。
 エアロゾルの流れ方向において、たばこカプセル30F(収容体310)の長さは40mm以下であることが好ましく、25mm以下であることがより好ましい。また、エアロゾルの流れ方向において、前記長さは1mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましい。エアロゾルの流れ方向と直交する方向において、たばこカプセル30F(収容体310)の収容体310の最大長さは20mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましい。また、エアロゾルの流れ方向と直交する方向において、たばこカプセル30F(収容体310)の最大長さは1mm以上であることが好ましく、3mm以上であることがより好ましい。
 たばこを含む香味源300は、エアロゾルに香味を付与する原料片によって構成される。原料片のサイズの下限は、0.2~1.2mmであることが好ましく、0.2~0.7mmであることがより好ましい。香味源300を構成する原料片のサイズが小さいほど、比表面積が増大するため、香喫味成分が放出されやすい。香味源300を構成する原料片としては、本発明のたばこ材料であるたばこ刻、または本発明のたばこ原料を粒状に成形した成形体等を用いることができる。香味源300は、たばこ以外の植物(例えば、ミント、ハーブ等)やメントールなどの天然香料、合成香料、果汁、呈味料や植物原末等を含んでいてもよい。呈味料としては、例えば、甘味、酸味、塩味、旨味、苦味、渋味、こく味、辛味、えぐ味、収れん味などを呈する素材が挙げられる。甘味を呈する素材は、例えば、糖類、糖アルコール、甘味料などが挙げられる。糖類は、例えば、単糖類、二糖類、オリゴ糖、多糖類などが挙げられる。甘味料は、例えば、天然甘味料、合成甘味料などが挙げられる。
 前記原料片は、例えば、JIS Z 8801に準拠したステンレス篩を用いて、JIS Z 8815に準拠する篩分けによって得られる。例えば、0.71mmの目開きを有するステンレス篩を用いて、乾燥式かつ機械式振とう法によって20分間に亘って原料片を篩分けによって、0.71mmの目開きを有するステンレス篩を通過する原料片を得る。続いて、0.212mmの目開きを有するステンレス篩を用いて、乾燥式かつ機械式振とう法によって20分間に亘って原料片を篩分けによって、0.212mmの目開きを有するステンレス篩を通過する原料片を取り除く。すなわち、香味源300を構成する原料片は、上限を規定するステンレス篩(目開き=0.71mm)を通過し、下限を規定するステンレス篩(目開き=0.212mm)を通過しない原料片である。したがって、香味源300を構成する原料片のサイズの下限は、下限を規定するステンレス篩の目開きによって定義される。また、香味源300を構成する原料片のサイズの上限は、上限を規定するステンレス篩の目開きによって定義される。
 収容体310に収容される香味源300の充填量は、喫煙時のニコチンの揮散量を増加させる観点から、300mg以上であることが好ましく、350mg以上であることがより好ましい。
 2)電源ユニット
 電源ユニット30Dの一例を図13に示す。電源ユニット30Dは、電池110を有する。電池110は、使い捨てタイプの電池であってもよく、充電タイプの電池であってもよい。電池110の出力電圧の初期値は、1.2V以上4.2V以下の範囲であることが好ましい。また、電池110の電池容量は、100mAh以上1000mAh以下の範囲であることが好ましい。
 3)カートリッジ
 カートリッジ30Eの一例を図14、15に示す。図14はカートリッジ30Eの一例の断面図を、図15はその内部構造を示す図である。カートリッジ30Eは、リザーバ210と、霧化部220と、流路形成体230と、外枠体240と、エンドキャップ250とを有する。カートリッジ30Dは、エアロゾル流路として、霧化部220よりも下流側に配置された第1流路200Xを有する。
 リザーバ210は、エアロゾル源200を貯留する。リザーバ210は、エアロゾルの流れ方向(非吸口端から吸口端(上流から下流)へ向かう方向)に直交する断面において流路形成体230の周囲に位置する。リザーバ210は、流路形成体230と外枠体240との間の空隙内に位置する。リザーバ210は、例えば、樹脂ウェブや綿等の多孔体によって構成される。また、リザーバ210は、液体のエアロゾル源200を収容するタンクによって構成されていてもよい。エアロゾル源200としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール等が挙げられる。
 霧化部220は、電池110から供給される電力によって燃焼を伴わずにエアロゾル源200を霧化する。霧化部220は、所定ピッチで巻き回された電熱線(コイル)によって構成されている。霧化部220は、1.0~3.0Ωの範囲の抵抗値を有する電熱線によって構成されていることが好ましい。所定ピッチは、電熱線が接触しない値以上であり、またより小さい値であることが好ましい。所定ピッチは、例えば、0.40mm以下であることが好ましい。所定ピッチは、エアロゾル源200の霧化を安定させるために一定であることが好ましい。所定ピッチとは、互いに隣接する電熱線の中心の間隔である。
 流路形成体230は、エアロゾルの流れ方向に沿って延びる第1流路200Xを形成する筒状形状を有する。外枠体240は、流路形成体230を収容する筒状形状を有する。外枠体240は、エンドキャップ250よりも下流側に延びるとともに、たばこカプセル30Fの一部を収容する。エンドキャップ250は、流路形成体230と外枠体240との間の空隙を下流側から塞ぐキャップである。エンドキャップ250は、リザーバ210に貯留されるエアロゾル源200がたばこカプセル30E側に漏れる事態を抑制する。
5.無煙たばこ
 無煙たばこは、香味源を含み、香味源に由来する香味を、ユーザが鼻腔や口腔に直接製品を含むことにより味わう製品である。無煙たばこに含まれる香味源として、本発明のたばこ材料を用いることができる。無煙たばことして、嗅ぎたばこや噛みたばこが知られている。
[実験例1]固形物から有効成分を抽出するための溶媒選定
 超臨界二酸化炭素を用いたたばこ原料の膨化処理工程から得られる排出固形物を準備した。具体的には、図16に示すような処理を行い、たばこ原料を超臨界状態の二酸化炭素に含浸し、ドライアイス状態のたばこ原料を取り出し、次いで一気に気流乾燥して二酸化炭素を除去した。その際に排出された高温二酸化炭素ガス(Tail gas)と二酸化炭素から分離されたヤニ状の成分と刻細粉が固まった排出固形物(Dust)を排出固形物として得た。
 100ml容のスクリュー管に排出固形物約5gを量り取り、有機溶媒50mlを加えよく混合した後、常温下で一昼夜静置した。有機溶媒として、n-ヘキサン、クロロホルム、酢酸エチルを用いた。混合液をろ紙を用いてろ過し、ろ液(抽出液)に無水硫酸ナトリウムを少量添加して脱水後、再度ろ紙を用いたろ過を行い、有機溶媒を減圧除去した。得られた乾固物(収率:n-ヘキサン3.4%、クロロホルム7.8%、酢酸エチル15.6%)に、抽出で用いた溶媒と同じものを加えて溶解し、乾固物濃度が4重量%である溶液を得た。当該溶液について以下の条件でGC/MS分析を行った。
 質量分析計付きガスクロマトグラフィー(GC/MS)
 装置:アジレント・テクノロジー製 7890A/5975C GC/MSD
 GC条件
  カラム:HP-5MS(アジレント・テクノロジー製)
  内径0.25mm×長さ30m、膜厚0.25μm
  注入量:1μl
  注入モード:スプリット(10:1)
  注入口温度:270℃
  セプタムパージ流量:5ml/分
  キャリアガス:ヘリウム(He)
  カラム流量:1ml/分(定流量モード)
  オーブン温度:40℃(3分)、4℃/分で280℃まで昇温、280℃(20分)
  トランスファーライン温度:280℃
 MS条件
  溶媒待ち時間:4分
  イオン化法:電子衝撃イオン化法(EI法)、70eV
  イオン源温度:230℃
  四重極温度:150℃
  測定モード:スキャン
  MSスキャン範囲:m/z26~450
  スレッショルド:50
  サンプリングレート:2
[比較例1]
 溶媒として、アセトン、メタノールをそれぞれ用いた以外は、実験例1と同じ方法で抽出を行った。収率はアセトンを用いた場合は24.7%、メタノールを用いた場合は28.9%であった。
 n-ヘキサン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトン、メタノール溶液のGC/MSによる分析で得られたトータルイオンクロマトグラムを図1~5に示す。図1~5のクロマトグラムより、n-ヘキサン、クロロホルム、または酢酸エチルで溶媒抽出した場合(図1~3)、リテンションインデックス(RI)が1600~2500の成分群(セスキテルペンおよびジテルペン類)のピーク面積が大きいことが分かった。一方、アセトンまたはメタノールで溶媒抽出した場合(図4および5)、同成分群のピーク面積は小さいことが分かった。所望の同成分群を効率的に抽出できる3種の溶媒の中で、固形物からの収率が最も高い酢酸エチルが抽出溶媒として好ましいことが明らかとなった。クロロホルムは、抽出物にハロゲンが微量に残留する可能性があることが示唆された。
[実験例2] ニコチンの除去
 前記排出固形物を150g秤量し、2500ml容の密閉ステンレス容器に投入した。次に酢酸エチル(富士フィルム和光純薬 高速液体クロマトグラフ用)を1500ml加えた後、40℃の温浴中で密閉撹拌しながら3時間抽出を行った。抽出後、目開き250μmのステンレス製メッシュを用いて酢酸エチル溶液と抽出残渣を分離して約1400mlの酢酸エチル溶液を得た。得られた酢酸エチル溶液300mlと、それぞれ約pH5.0、pH4.0、pH3.0、pH2.0に調整した希硫酸水500mlとを、1000ml容の分液ロートに入れて液液抽出を行い、有機相を回収した。ロータリーエバポレーターを用いて有機相から溶媒を減圧除去した。この濃縮液に、乾固物濃度が4重量%となるように酢酸エチルを加え、実験例1に示す条件でGC/MS分析を行い、ニコチン等のアルカロイドを定量した。下表はトータルイオンクロマトグラム上で表される全ピークに対するそれぞれのピーク面積比を示す。各アルカロイドのピークは、その特徴的な単一イオンで別途確認した(例えば、ニコチンはm/z84である)。その結果、pH4.0以下の酸性領域で抽出を行うことで、ニコチンを主体とするアルカロイドが除去されたことを確認できた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
[実施例3] 高級炭化水素の除去
 前記排出固形物を150g秤量し、2500ml容の密閉ステンレス容器に投入した。次に酢酸エチル(富士フィルム和光純薬 高速液体クロマトグラフ用)を1500ml加えた後、40℃の温浴中で密閉撹拌しながら3時間抽出を行った。抽出後、目開き250μmのステンレス製メッシュを用いて酢酸エチル溶液と抽出残渣を分離して約1400mlの酢酸エチル溶液を得た。脱水処理のため当該溶液に無水硫酸ナトリウムを50g加え5分間撹拌した後、十分な時間静置し、ろ紙を用いたろ過を行って無水硫酸ナトリウムを取り除いた。得られた酢酸エチル溶液を500ml容のナスフラスコに300mlずつ取り分け、ロータリーエバポレーターで溶媒を減圧除去した。
 次に乾固物が50%V/V、10%V/V、5%V/V、1%V/Vとなるように99%エタノールを添加し分散溶解した。それぞれの液について、超音波洗浄機(SHARP製SILENTSONIC UT-304)で3分間分散処理を行いナスフラスコ底面にある固形物が全て分散していることを確認した。ついで、当該分散液を、それぞれ4本の約50ml容ポリプロピレン製遠沈管に40mlずつ取り分け、冷蔵庫で一昼夜静置し保管した。次に遠心分離機(クボタ製3700)を用いて3000rpm、10分間処理した。その結果、下表に示すとおり、10重量%以上の高濃度で希釈し冷沈することで効率よく高級炭化水素が除去できることが分かった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
[実施例4] たばこ香味製剤の調製
 前記排出固形物を150g秤量し、2500ml容の密閉ステンレス容器に投入した。次に酢酸エチル(富士フィルム和光純薬 高速液体クロマトグラフ用)を1500ml加えた後、40℃の温浴中で密閉撹拌しながら3時間抽出を行った。抽出後、目開き250μmのステンレス製メッシュを用いて酢酸エチル溶液と抽出残渣を分離して約1400mlの酢酸エチル溶液を得た。予め0.1%硫酸水溶液を調製し、当該水溶液と先に得られた酢酸エチル溶液を5:3の溶液比率として分液ロート内で混合し、800mlの混合液を得た。さらに食塩50gを添加して分液ロート内で十分振とうし、液液抽出を行った。この際、下層の硫酸水溶液にはニコチンを代表とするアルカロイドが移行し、上層の酢酸エチル溶液にはたばこ葉の疎水性有効成分が移行した。十分な静置の後、酢酸エチル溶液を取り出し、無水硫酸ナトリウムを約50g加えて撹拌し脱水操作を行った。酢酸エチル溶液をろ紙を用いてろ過した後、ロータリーエバポレーター(日本ビュッヒ製)を用いて減圧下で酢酸エチルを除去し、7.7gの乾固物(収率5.2%)を得た。次に乾固物の含有量が10%になるように99%エタノールを加え、常温下で撹拌溶解した。更に当該液を密閉下で約5℃の冷蔵庫に一昼夜静置し、不溶性の沈殿物(約0.3%重相当)を生成させた。沈殿物をろ紙でろ過除去し、所望のたばこ香味剤(褐色清澄のアルコール製剤)を得た。
 排出固形物の原料となる膨化前刻について、目的とするRIが1600~2500の成分群を指標として評価した。具体的に、原料としての膨化前刻を用いた以外は実施例4と同じ方法でたばこ香味剤(アルコール製剤)を調製し、これを少量ずつ取り分け、エタノールを減圧除去した。得られた乾固物の濃度が4重量%となるようにエタノールを添加して完溶し、当該溶液を実施例1に示す条件でGC/MS分析に供した。図6に結果を示す。下段は膨化前刻の抽出液、上段は排出固形物の抽出液(実施例4で調製)のクロマトグラムを示す。膨化前刻および排出固形物を原料として用いたいずれの場合もRIが1600~2500の成分群が抽出されていたが上段のチャートの方が不飽和炭化水素のネオフィタジエンを除きセンブラトリエンジオール(CBT)を含むピーク面積が多かった。このことから、排出該固形物中には原料の膨化工程において有効香気成分が選択的に濃縮されていることが明らかとなった。さらに収率(固形物5.2%、膨化前刻3.6%)の観点からも、排出固形物からの抽出は有効であるといえる。また、実施例4で得たたばこ香味剤はたばこ特有の香気を有した。
[実施例5] 有効香気成分の選択的抽出確認
 実施例4で得た、酢酸エチルを抽出溶媒として用いたたばこ香味剤(アルコール製剤)を少量取り分け、エタノールを減圧除去した。得られた乾固物の濃度が4重量%となるようにエタノールを加えて完溶し、当該溶液を実験例1に示す条件でGC/MS分析した。図7のクロマトグラムを元にピーク面積比を算出したところ、RIが1600より前の成分は8.2%、RIが1600~2500の成分は79.1%、RIが2500超の成分は12.7%となり、所望のRIが1600~2500の成分群、即ち有効香気成分のセスキテルペンおよびジテルペンが選択的に抽出できていることを確認した。
[実施例6] プロピレングリコールへの転溶
 実施例4と同じ方法で、約10重量%のたばこ抽出物(乾固物)を含むアルコール製剤を得た。次いでロータリーエバポレーターを用いて当該製剤から溶媒であるエタノールを除去した。その後、乾固物濃度が1重量%になるようにプロピレングリコールを加え常温下で撹拌溶解し、不溶物をフィルターでろ過除去して、褐色清澄液(プロピレングリコール製剤)を得た。本例で得た香味剤は、実施例4で調製した香味剤と同等のたばこ香気を有した。
[実施例7] 紙巻きたばこでの効果確認
 実施例4で得たたばこ香味剤(アルコール製剤)をたばこ刻に対して50、100ppmの量で加えた。得られた加香済刻を乾燥し喫煙評価できる加香済刻を得た。本加香済刻を用いた紙巻きたばこ調製して喫煙評価を行った。喫煙評価は、十分に訓練された平均年齢が48歳のパネラー5名によって実施した。評価方法は、たばこ香気強度を指標とし、無加香を1点(変化なし)、2点(強い)、3点(非常に強い)とした。評点における平均値の差の検定は両側検定で行った。その結果、より加香済刻の方がたばこ本来の香気がよりよく発現されたことを確認した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 [実施例8] 非燃焼型たばこでの効果確認
 実施例4で得られたたばこ香味剤(アルコール製剤)をたばこベースシート刻に対して2000ppm添加した。得られた加香済シート刻を乾燥し喫煙評価できる加香済シート刻を得た。本加香済シート刻を用いて、非燃焼加熱型香味吸引物品を調製した。当該物品を予め230~240℃に設定した加熱装置を用いて外部から加熱して実施例7と同じ喫煙評価を行った。その結果、未加香シート刻より加香済シート刻の方が、たばこ本来の香気がよりよく発現されていたことを確認した。
[実施例9] 液体加熱たばこでの効果確認
 実施例6で得られたたばこ香味剤(プロピレングリコール製剤)をグリセリン50%、プロピレングリコール50%からなるベース液に対して、100ppm添加した。リキッドを気化させてその蒸気を吸引するタイプの市販されている香味吸引物品(LogicTM)に、当該たばこ香味剤を充填した。当該物品を用いて実施例7と同じ方法で喫煙評価を行った。その結果、たばこ本来の香気がよりよく発現されていたことを確認した。
[実施例10] たばこ香味ベンジルアルコール製剤の調製
 前記排出固形物を150g秤量し、2500ml容の密閉ステンレス容器に投入した。次に酢酸エチル(富士フィルム和光純薬 高速液体クロマトグラフ用)を1500ml加えた後、40℃の温浴中で密閉撹拌しながら3時間抽出を行った。抽出後、目開き250μmのステンレス製メッシュを用いて酢酸エチル溶液と抽出残渣を分離して約1400mlの酢酸エチル溶液を得た。予め0.1%硫酸水溶液を調製し、当該水溶液と先に得られた酢酸エチル溶液を5:3の溶液比率として分液ロート内で混合し、800mlの混合液を得た。さらに食塩50gを添加して分液ロート内で十分振とうし、液液抽出を行った。この際、下層の硫酸水溶液相にはニコチンを代表とするアルカロイドが移行し、上層の酢酸エチル溶液相にはたばこ葉の疎水性有効成分が移行した。十分な静置の後、酢酸エチル溶液を取り出し、無水硫酸ナトリウムを約50g加えて撹拌し脱水操作を行った。酢酸エチル溶液をろ紙を用いてろ過した後、ロータリーエバポレーター(日本ビュッヒ製)を用いて減圧下で酢酸エチルを除去し、7.7gの乾固物(収率5.2%)を得た。次に乾固物の含有量が20重量%になるようにベンジルアルコールを加え、常温下で撹拌溶解した。当該液を密閉下で約5℃の冷蔵庫に一昼夜静置し、不溶性の沈殿物(約0.01%重相当)を生成させた。沈殿物をろ紙でろ過除去し、所望のたばこ香味剤(褐色清澄のベンジルアルコール製剤)を得た。
 ベンジルアルコール製剤を少量ずつ取り分け、乾固物の濃度が4重量%となるように酢酸エチルを加えて完溶し、当該溶液を実験例1に示す条件でGC/MS分析した。図8にクロマトグラムを示す。図7に示すエタノール製剤に比して、ベンジルアルコール製剤はRIが1600~3500の成分群に拡張され、飽和高級炭化水素の含量が優位に多くなった。ベンジルアルコールを除いたピーク面積比を算出したところ、リテンションインデックス(RI)を指標としRIが1600より前の成分は1.3%、RIが1600~2500の成分は87.5%、RIが2500超3500以下の成分は8.8%、RIが3500超の成分は2.4%となり、所望のRIが1600~3500の成分群、すなわち有効香気成分のセスキテルペンおよびジテルペンに加えて、香味に重要な飽和高級炭化水素が選択的に抽出できていることを確認した。
 本例で得たたばこ香味剤を用いて、実施例8と同様にして非燃焼加熱型香味吸引物品を調製した。実施例7と同じパネルで加熱温度を270~280℃に設定した加熱装置を用いて外部から加熱して実施例7と同じパネルによる喫煙評価を行った。評価方法は、たばこ香気の強度を指標とし、無加香を1点(変化なし)、2点(強い)、3点(非常に強い)とした。評点における平均値の差の検定は両側検定で行った。その結果、たばこ特有の香気に加えて柔らかくスムースな香味特徴を有することを確認した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
[実施例11] 不溶成分の除去
 前記排出固形物を150g秤量し、2500ml容の密閉ステンレス容器に投入した。次に酢酸エチル(富士フィルム和光純薬 高速液体クロマトグラフ用)を1500ml加えた後、40℃の温浴中で密閉撹拌しながら3時間抽出を行った。抽出後、目開き250μmのステンレス製メッシュを用いて酢酸エチル溶液と抽出残渣を分離して約1400mlの酢酸エチル溶液を得た。さらに脱水処理のために無水硫酸ナトリウムを50g加え5分間撹拌後、十分な時間静置してろ紙を用いてろ過を行い、無水硫酸ナトリウムを取り除いた。得られた酢酸エチル溶液を500ml容のナスフラスコに300mlずつ取り分け、ロータリーエバポレーターで溶媒を減圧除去した。
 次に乾固物濃度が40%V/V、20%V/V、10%V/V、5%V/Vとなるように、乾固物にベンジルアルコールを添加し分散溶解した。この際、それぞれの溶液について超音波洗浄機(SHARP製SILENTSONIC UT-304)で3分間分散処理を行いナスフラスコ底面にある固形物が全て分散していることを確認した。当該液を、それぞれ4本の約50ml容ポリプロピレン製遠沈管に40ml取り分け冷蔵庫で一昼夜静置し保管した。次に遠心分離機(クボタ製3700)を用いて10000rpm、1時間処理した。その結果、下表に示すとおり、10~40重量%の濃度で希釈し冷沈することで不溶成分を効率よく除去できることが分かった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
[実施例12]原料工場からの細粉での効果確認
 たばこ葉原料の処理工程から廃棄される小ラミナおよび集塵機で捕集されるたばこ葉細粉の形態の黄色種原料とバーレー種原料を準備した。
 前記黄色種原料とバーレー種原料をそれぞれ150g秤量し、2500ml容の密閉ステンレス容器に投入した。次に酢酸エチル(富士フィルム和光純薬 高速液体クロマトグラフ用)を1500ml加えた後、40℃の温浴中で密閉撹拌しながら3時間抽出を行った。抽出後、目開き250μmのステンレス製メッシュを用いて酢酸エチル溶液と抽出残渣を分離して約1400mlの酢酸エチル溶液を得た。得られた酢酸エチル溶液300mlと、pH2.0に調整した希硫酸水500mlとを、1000ml容の分液ロートに入れて液液抽出を行い、有機相を回収した。ロータリーエバポレーターを用いて有機相から溶媒を減圧除去した。この濃縮液に、それぞれの乾固物濃度が4重量%となるように酢酸エチルを加え、実験例1に示す条件でGC/MS分析を行った。図17および図18にそれぞれ黄色種原料とバーレー種原料のチャートを示す。その結果、図8と非常に近似した結果が得られた。さらに、上記で得た乾固物をそれぞれ含有量が20重量%になるようにベンジルアルコールで溶解し、実施例11と同様にして固形分を析出させ、かつ除去してベンジルアルコール製剤を調製した。当該製剤と実施例10で得た膨化工程由来の製剤とを、官能評価にて比較した。評価用のサンプルは実施例10に従って調製し、実施例7と同じパネルによって、設定加熱温度を270~280℃として喫煙評価を行った。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000007
 表に示すとおり、黄色種原料とバーレー種原料それぞれに由来する製剤は非常に近似した香味特徴を有することが明らかとなった。
 10 加熱装置
 11 ボディ
 12 ヒーター
 13 金属管
 14 電池ユニット
 15 制御ユニット
 16 凹部
 17 通気穴
 
 20 非燃焼加熱型香味吸引物品
 20A たばこロッド部
 20B 冷却部
 20C フィルター部
 
 21 たばこ充填物
 22 巻紙
 23 紙管
 24 穿孔
 25 第1セグメント
 25a 第1充填層
 25b インナープラグラッパー
 26 第2セグメント
 26a 第2充填層
 26b インナープラグラッパー
 27 アウタープラグラッパー
 28 ライニングペーパー
 
 30 非燃焼非加熱型香味吸引物品
 30D 電源ユニット
 30E カートリッジ
 30F たばこカプセル
 u 非吸口端
 d 吸口端
 110 電池
 200 エアロゾル源
 210 リザーバ
 220 霧化部
 230 流路形成体
 240 外枠体240
 250 エンドキャップ
 200X 第1流路
 300 香味源
 310 収容体
 320 メッシュ体
 330 不織布
 340 キャップ

Claims (21)

  1.  たばこに由来する原料を準備する工程1、
     前記原料を、ヘテロ元素を含む非プロトン性中極性溶媒を用いた固液抽出に供する工程2、
     前記工程から有機相を回収する工程3、
     前記有機相から当該溶媒を除去して得た抽出物に、プロトン性極性溶媒または非プロトン性中極性溶媒を添加して、固形分を析出または分散させる工程4、および
     前記固形物を除去する工程5、
    を備える、たばこテルペン類を含むたばこ抽出物の製造方法。
  2.  前記工程2で用いる非プロトン性中極性溶媒の沸点が80℃以下である、請求項1に記載の製造方法。
  3.  前記非プロトン性中極性溶媒が、酢酸エチル、ブチルブチレート、エチルブチレート、ジクロロメタン、クロロホルム、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1および2に記載の製造方法。
  4.  前記非プロトン性中極性溶媒が酢酸エチルである、請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。
  5.  前記工程2が、固液抽出にて得た有機相を、水または酸水溶液を用いた抽出に供することをさらに備え、前記酸水溶液に用いる酸が無機酸または有機酸である、請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。
  6.  前記酸が硫酸、クエン酸、シュウ酸、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~5のいずれかに記載のたばこ抽出物の製造方法。
  7.  前記工程2が、固液抽出にて得た有機相を、水または酸水溶液を用いた抽出に供することをさらに備え、前記酸水溶液のpHが4以下である、請求項1~6のいずれかに記載の製造方法。
  8.  前記工程4で用いるプロトン性極性溶媒がエタノールである、請求項1~7のいずれかに記載の製造方法。
  9.  前記工程4で用いる非プロトン性中極性溶媒がベンジルアルコールである、請求項1~7のいずれかに記載の製造方法。
  10.  前記工程4において、前記抽出物に前記溶媒を添加して一旦溶液を形成し、その後固形分を析出させることを含む、請求項1~9のいずれかに記載の製造方法。
  11.  前記工程4において、前記抽出物に前記溶媒を添加することで固形分が分散した分散液を得ることを含む、請求項1~9のいずれかに記載の製造方法。
  12.  前記固形分の析出をさらに促進することを含む、請求項11に記載の製造方法。
  13.  前記工程4で調製された溶液または分散液中の抽出物濃度が5~20重量%である、請求項1~12のいずれかに記載の製造方法。
  14.  請求項1~13に記載の方法で得たたばこ抽出物。
  15.  請求項14に記載のたばこ抽出物を含む、たばこ用香味剤。
  16.  請求項15に記載のたばこ用香味剤を含む、たばこ材料。
  17.  たばこシートまたはたばこ刻である、請求項16に記載のたばこ材料。
  18.  請求項16または17に記載のたばこ材料を含むたばこロッド部。
  19.  請求項18のたばこロッド部を含む、たばこ香味吸引物品。
  20.  請求項18のたばこロッド部を含む、非燃焼加熱型たばこ香味吸引物品、または非燃焼非加熱型たばこ香味吸引物品。
  21.  請求項14に記載のたばこ抽出物を含む、無煙たばこ。
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