JPWO2013035639A1 - クロマトグラムデータ処理装置及び処理方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の一実施例であるクロマトグラムデータ処理装置(2)は、微分クロマトグラム作成部(25)及び判定部(26)を含む不純物検出部(30)を有する。微分クロマトグラム作成部(25)は、測定の各時刻における吸光度スペクトルを目的成分の極大(又は極小)吸収波長において波長方向に微分することにより波長微分係数を求め、その波長微分係数の時間変化を表した微分クロマトグラムを作成する。判定部(26)は作成された微分クロマトグラムの形状に基づいて、目的成分のピークが不純物を含むか否かを判定する。これにより、複雑な計算処理を要することなく、目的成分のピークが不純物を含むか否かを高精度で判定することができる。

Description

本発明は、クロマトグラフ、特に液体クロマトグラフ(LC)のカラムで分離された成分を含む試料やフローインジェクション法により導入された試料を分光分析することで収集されたデータを処理するクロマトグラムデータ処理装置及び処理方法に関する。
検出器としてPDA(Photo Diode Array)検出器等のマルチチャンネル型検出器を用いた液体クロマトグラフ(LC)では、移動相への試料の注入時点を基点とし、カラムからの溶出液に対して吸光度スペクトルを繰り返し取得することで、時間、波長、及び吸光度という三つのディメンジョンを持つ3次元クロマトグラムデータを得ることができる。図13はこのような3次元クロマトグラムデータの模式図である。この3次元クロマトグラムデータの中から特定の波長におけるデータを抽出することで、その特定波長における時刻と吸光度との関係を示す波長クロマトグラムを作成することができる。また、上記3次元クロマトグラムデータの中から特定の時点におけるデータを抽出することで、該時点における波長と吸光度との関係を示す吸光度スペクトルを作成することもできる。
こうした液体クロマトグラフにおいて、既知である目的成分の定量分析を行う場合には、その目的成分に対応した吸収波長における波長クロマトグラムを求め、そのクロマトグラムに現れる目的成分由来のピークの面積(又は高さ)を検量線に照らして定量値を算出するのが一般的である。
このように目的成分を定量する際に、波長クロマトグラムに現れているピークがその目的成分のみに由来するものであれば問題ないが、ピークは必ずしも単一成分(目的成分)によるものとは限らず分析者が意図しない不純物を含んでいる場合がよくある。そこで従来より、クロマトグラムに現れている或るピークが目的成分のみに由来するのか、或いは不純物を含んでいるのかを調べる、ピーク純度判定処理が行われている。
例えば特許文献1には、マルチチャンネル型検出器を用いた液体クロマトグラフで得られるクロマトグラムにおけるピーク純度判定処理の手法が開示されている。この手法では、波長クロマトグラムにおける目的ピークのピーク頂点に対応した時刻T0での吸光度スペクトルをS0(λ)、その前後の任意の時刻Tでの吸光度スペクトルをS(λ)とし、次の(1)式により、S0(λ)とS(λ)との一致度Pを算出する。
Figure 2013035639
そして、図14に示すように、一致度Pが1.0〜0.8であれば緑色、0.8〜0.6であれば黄色、0.6以下であれば橙色というように、目的ピークをそのピーク頂点との一致度Pに応じた色(図中では網掛けで表現している)によって時間軸方向に分割表示する。
目的ピークが目的成分のみに由来すれば、図14(a)に示すように、一致度Pはピーク頂点付近で高く、ピーク頂点から遠ざかるほど低くなり、その形状はピークの中心軸を挟んで概ね左右対称となる。これに対し、目的ピークのピーク頂点の前又は後に不純物ピークが存在する場合(即ち、目的ピークが不純物を含んでいる場合)には、目的ピークのピーク頂点の前又は後で一致度Pが低下する。例えば図14(b)に示した例では、ピーク頂点を挟んで、左側に比べて右側(時間的に後ろ側)の一致度Pが低くなっている。これにより、この付近の時間範囲において不純物が含まれる可能性が高いと判断することができる。
しかしながら、上述した従来のピーク純度判定方法では、目的ピークのピーク頂点のすぐ近傍に不純物ピークが存在したとしても、ピーク頂点近くにおける一致度Pはあまり下がらないため、不純物の存在を正しく判定することができないことがあった。
また、上述のピーク純度判定方法では、非特許文献1に記載されているように、不純物ピークが存在するか否かを判断するための一致度Pの閾値を求める上で、例えば各波長におけるノイズの大きさを成分とするノイズベクトルをパラメータとして設定する必要がある。しかしながら、ノイズベクトルを得るためには、マルチチャンネル型検出器で検出される所定の波長領域におけるノイズの大きさを逐次モニタし、該波長領域におけるノイズの時間変化の標準偏差を求めるといった煩雑な計算処理が必要であるという問題もあった。
また上記液体クロマトグラフにおいて、定量したい目的成分が二つあり、それら二つの成分の保持時間が近い場合、各目的成分由来のピークが充分に分離されずに、図15(a)に示すように、クロマトグラム上で重なり合ったピークが現れることがある。こうした場合、従来、図15(a)中に示すようにテーリング部とリーディング部とが重なったピークを前部と後部とに垂直分割し、二つに分割されたピークの面積をそれぞれ計算して、その面積値に基づいて各成分X、Yの定量値を算出するような処理が行われている。しかしながら、このようにピークを垂直分割した場合、各成分の本来の溶出プロファイル波形(即ち、他の成分が存在しないとした場合のピーク波形)が反映されるわけではないため、高い定量精度は得られない。
また、垂直分割以外に、例えば特許文献2に記載のような演算処理を実施することにより各成分のピークを分離する方法も知られているが、こうした演算処理はかなり煩雑であり、処理に時間を要するという問題がある。また、いずれの手法でも、図15(b)に示すように、二つの目的成分のピークが完全に重なってしまっている(一方のピークに他方のピークが含まれる)場合には、ピークを分離することはできないため、定量が行えない。
なお、特に単一成分を含む試料中の該成分の定量分析を行う場合には、カラムを用いない(つまりは成分分離を行わない)フローインジェクション分析(FIA=Flow Injection Analysis)法が用いられることがある。FIA法は、液体クロマトグラフ用のインジェクタなどを用いて一定流量で送給される移動相中に所定量の試料を注入し、移動相の流れに乗せて試料を検出器へと導入する手法であり、カラム出口からの溶出液と同様に、目的成分の濃度は時間経過に伴って略山型状に変化する。このようなFIA法により導入された試料をマルチチャンネル型検出器で検出する場合に得られるデータも、時間、波長、及び吸光度という三つのディメンジョンを持つ3次元データとなり、上記のような液体クロマトグラフにより収集されるデータと実質的に同じである。そのため、本明細書でいうところの「3次元クロマトグラムデータ」は、FIA法により収集された3次元データも含むものとする。
特許第2936700号公報 特開2006−177980号公報
水戸康敬、北岡光夫、「島津HPLC用フォトダイオードアレイUV−VIS検出器SPD−M6A」、島津評論、第46巻、第1号、1989年7月、pp.21-28
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その第1の目的は、目的ピークが不純物を含むか否かを、複雑な計算処理を必要とすることなく高精度で判定することができるクロマトグラムデータ処理装置及び処理方法を提供することにある。
また本発明の第2の目的は、二つの目的成分のピークが重なってしまっている場合であっても、それら二つの成分についての定量分析を、複雑な演算処理を必要とすることなく高い精度で行うことができるクロマトグラムデータ処理装置及び処理方法を提供することにある。
上記第2の目的を達成するには、二つの目的成分が重なっているピークを各々の目的成分に分離する必要があるが、二つの目的成分の一方が真の目的成分、他方が意図しない不純物であると考えれば、上記第2の目的を達成するために必要なピーク分離の基本的な技術思想は第1の目的を達成するためにも利用し得ることは明らかである。
即ち、上記第1及び第2の目的を達成するために成された本発明は、目的試料について収集された、時間、波長、及び吸光度をディメンジョンとする3次元クロマトグラムデータを処理するクロマトグラムデータ処理装置において、
a)前記3次元クロマトグラムデータに基づき、全時間範囲内又は所定時間範囲内の各時点における波長と吸光度との関係を示す吸光度スペクトルについて、第1の成分の極大(又は極小)吸収波長における波長方向の微分係数である波長微分係数を求め、全時間範囲内又は所定時間範囲内の前記波長微分係数の時間変化を表す微分クロマトグラムを作成する微分クロマトグラム作成手段と、
b)前記微分クロマトグラムの波形に基づいて、前記第1の成分のピークに重なる他の1乃至複数の成分の有無の判定、又は前記第1の成分のピークに重なる第2の成分の定量を実行するクロマトグラム波形処理手段と、
を備えることを特徴としている。
上記3次元クロマトグラムデータは、典型的には、クロマトグラフのカラムにより時間方向に分離された成分を含む試料に対しマルチチャンネル型検出器などの検出器により吸光度スペクトルを繰り返し取得することで得られたデータである。
また、カラムを経た試料の代わりに、FIA法により、成分分離されることなく導入された試料に対して同様に得られたデータでもよい。
また上記検出器はマルチチャンネル型検出器でなくても、その波形形状が比較的ブロードである(変化が緩やかである)スペクトルが得られるものであればよく、吸光度スペクトルを得るために波長走査を伴う紫外可視分光光度計、赤外分光光度計、近赤外分光光度計、蛍光分光光度計、などであってもよい。
また、上記クロマトグラフは、液体クロマトグラフ、ガスクロマトグラフのいずれでもよい。
上記吸光度スペクトルは、試料からの光の波長と、各波長における吸光度との関係を示すものである。この吸光度スペクトルには、物質毎に固有の極大(又は極小)吸収波長が存在する。極大(又は極小)吸収波長は、多くの場合、物質毎に複数存在するが、所定の波長範囲に限った場合、一つしか現れないこともある。
第1の成分の極大(又は極小)吸収波長の取得方法については特に限定されないが、オペレータに波長値を直接入力させてもよく、また、オペレータに目的成分を指定させ、それに対応する波長値をデータベースから取得するという方法でもよい。さらには、3次元クロマトグラムデータより自動的にピークを検出し、データベースと照合することにより極大(又は極小)吸収波長を決定するようにしてもよい。
本発明に係るクロマトグラムデータ処理装置において、微分クロマトグラム作成手段は、例えば目的試料について収集された3次元クロマトグラムデータが格納されている記憶部から必要なデータを読み出し、全時間範囲内又は所定時間範囲内の各時点における波長と吸光度との関係を示す吸光度スペクトルのそれぞれについて、第1の成分の極大(又は極小)吸収波長において吸光度を波長方向に微分することにより波長微分係数を求める。そして、全時間範囲内又は所定時間範囲内の各時点において求まった波長微分係数を時系列にプロットすることで、波長微分係数の時間変化を表した微分クロマトグラムを作成する。
上述したように極大(又は極小)吸収波長は物質固有であるため、通常、異なる成分の極大(又は極小)吸収波長は一致しない。また、偶然、或る一つの極大(又は極小)吸収波長が一致したとしても、互いに異なる別の極大(又は極小)吸収波長が存在することもある。こうしたことから、クロマトグラム上で第1の成分に由来するピークに他の成分が含まれていなければ、少なくとも第1の成分由来のピークが含まれる時間範囲内の各時点の吸光度スペクトルにおいて、第1の成分の極大(又は極小)吸収波長は極大(又は極小)のままである。そのため、該極大(又は極小)吸収波長における波長微分係数はいずれの時点でもほぼ0となり、微分クロマトグラムは平坦な形状となる。
一方、第1の成分由来のピークに他の成分が含まれていれば、該他の成分が含まれる時間範囲内の各時点の吸光度スペクトルにおいて、第1の成分の極大(又は極小)吸収波長がその他の成分の影響を受けて変化する。そのため、その時間範囲では、極大(又は極小)吸収波長における波長微分係数は0にはならず、微分クロマトグラムは平坦な形状にはならない。このとき、第1の成分由来のピークに含まれる他の成分の量が少なければ微分クロマトグラムに現れる凸部又は凹部は小さく、共存する他の成分の量が多ければ微分クロマトグラムに現れる凸部又は凹部は大きい。即ち、この微分クロマトグラムに現れる凸部又は凹部、つまりはピークの大きさは、共存する他の成分の量に依存する。
共存する他の成分が一つであれば、微分クロマトグラム上のピークの大きさはその一つの成分の量であるとみなせる。また、共存する他の成分が一つ又は複数のいずれか不明でも、少なくともそうした成分が存在するか否かを判定できる。そこでクロマトグラム波形処理手段は、微分クロマトグラムの波形に基づいて、第1の成分のピークに重なる他の成分が存在するかどうかの判定を行ったり、第1の成分のピークに重なる第2の成分の定量を行ったりする。
上記第1の成分を目的成分、それに重なる1乃至複数の成分を不純物であると考えれば、上記クロマトグラム波形処理手段により、目的成分に対する不純物の有無の判定が実行される。
即ち、本発明の第1の態様によるクロマトグラムデータ処理装置は、
c)前記3次元クロマトグラムデータに基づき、第1の成分の吸収波長に関して時間と吸光度との関係を示す波長クロマトグラムを作成する波長クロマトグラム作成手段、をさらに備え、
前記微分クロマトグラム作成手段は、前記3次元クロマトグラムデータに基づき、前記波長クロマトグラムにおける目的成分のピークが含まれる時間範囲内の各時点における吸光度スペクトルについて、前記第1の成分の極大(又は極小)吸収波長における波長微分係数を求め、該波長微分係数の時間変化を表す微分クロマトグラムを作成する手段であり、
前記クロマトグラム波形処理手段は、前記微分クロマトグラムの波形形状に基づいて、目的成分である前記第1の成分のピークに不純物が含まれているか否かを判定する判定手段である構成とすることができる。
ここで「第1の成分の吸収波長」としては第1の成分の極大(又は極小)吸収波長の一つを選択することが望ましいが、その近傍の波長でも構わない。また、その成分に対し複数の極大(又は極小)吸収波長が存在する場合は、その中の最大強度の波長を選択することが望ましい。また、「第1の成分の極大(又は極小)吸収波長」としては、目的ピークのピーク頂点の近傍に不純物ピークが存在することが予め分かっており、その不純物の多寡を判定したいという場合には、その不純物の吸収スペクトルを波長方向に微分した値が充分な大きさを持つ極大(または極小)吸収波長を選択するとよい。
また上記の「目的成分のピークが含まれる時間範囲」は、波長クロマトグラム上のピークを自動検出して目的ピークの始点から終点までの時間範囲を取得してもよいし、オペレータが波長クロマトグラム上の目的ピークの保持時間の前後に適当な時間幅を設けて入力するようにしてもよい。
クロマトグラム上で不純物ピークが目的ピークの頂点のすぐ近くに存在する場合(つまり保持時間がきわめて近い場合)でも、微分クロマトグラム作成手段により作成される微分クロマトグラムの形状には不純物の有無が反映される。そのため、第1の態様によるクロマトグラムデータ処理装置によれば、目的ピークに不純物が含まれているか否かを高精度で判定することができる。
また、上記構成によれば、全時間範囲ではなく「目的の成分のピークが含まれる時間範囲」に絞って微分クロマトグラムを作成し、該時間範囲内における不純物の有無を判定するようにしたため、目的ピークに不純物が含まれているか否かをより効率よく判定できるのみならず、判定に要する時間を一層短縮することができる。
なお、上記第1の態様において上記判定手段は、具体的には、微分クロマトグラムが平坦であるか否かを判定することによって、目的成分のピークに不純物が含まれているか否かを判定すればよい。
また上記第1及び第2の成分をともに既知の目的成分であると考えれば、クロマトグラム波形処理手段により、二つの目的成分の定量が実行される。
即ち、本発明の第2の態様によるクロマトグラムデータ処理装置において、
前記微分クロマトグラム作成手段は、前記3次元クロマトグラムデータに基づき、全時間範囲内又は所定時間範囲内の各時点における吸光度スペクトルについて、第1目的成分である前記第1の成分の極大(又は極小)吸収波長における波長微分係数を求め、該波長微分係数の時間変化を表す微分クロマトグラムを作成するとともに、第2目的成分である前記第2の成分の極大(又は極小)吸収波長における波長微分係数を求め、該波長微分係数の時間変化を表す微分クロマトグラムを作成し、
前記クロマトグラム波形処理手段は、前記第1目的成分の極大(又は極小)吸収波長における微分クロマトグラムに現れるピークに基づいて前記第2目的成分を定量するとともに、前記第2目的成分の極大(又は極小)吸収波長における微分クロマトグラムに現れるピークに基づいて前記第1目的成分を定量する構成とすることができる。
上述したように、第1目的成分の極大(又は極小)吸収波長における微分クロマトグラムに現れるピークの大きさは第2目的成分の濃度を反映する。例えば第2目的成分の濃度が0であれば、第1目的成分の極大(又は極小)吸収波長における微分クロマトグラムにはピークが現れず、平坦な形状となる。逆に、第2目的成分の極大(又は極小)吸収波長における微分クロマトグラムに現れるピークの大きさは第1目的成分の濃度を反映する。例えば第1目的成分の濃度が0であれば、第2目的成分の極大(又は極小)吸収波長における微分クロマトグラムにはピークが現れず、平坦な形状となる。即ち、一方の目的成分の極大(又は極小)吸収波長における微分クロマトグラムに現れるピークに着目すれば、その目的成分の影響を排除して、他方の目的成分の定量が可能となる。
ここで、第2の成分の極大(又は極小)吸収波長は、上述した第1の成分の極大(又は極小)吸収波長の取得方法と同様の方法で取得できるようにすればよい。即ち、定量したい目的成分は既知であるから、それら波長値をオペレータにより直接入力させてもよく、また、オペレータに目的成分を指定させ、それに対応する波長値をデータベースから取得するという方法でもよい。
上記第2の態様によるクロマトグラムデータ処理装置では、通常のクロマトグラムに現れるピークを用いた定量処理と同様に、微分クロマトグラムに現れるピークに基づく定量処理を行えばよい。即ち、第2の態様によるクロマトグラムデータ処理装置において、前記クロマトグラム波形処理手段は、
前記第1目的成分及び第2目的成分についてそれぞれ、微分クロマトグラムに現れるピークの面積又は高さと成分濃度との関係を示す検量情報を記憶しておく検量情報記憶手段と、
目的試料に対する3次元クロマトグラムデータに基づいてそれぞれ作成された、前記第1目的成分の極大(又は極小)吸収波長及び前記第2目的成分の極大(又は極小)吸収波長における微分クロマトグラムに現れるピークの面積又は高さを計算するピーク情報算出手段と、
該ピーク情報算出手段により計算されたピークの面積又は高さを前記検量情報に照らして各目的成分の定量値を求める定量値算出手段と、
を含む構成とすることができる。
検量情報記憶手段に記憶される検量情報、例えば検量線は、予め濃度が既知である第1目的成分、第2目的成分をそれぞれ含む試料(つまり標準試料)を実際に分析することで作成しておくことが望ましい。これも、通常のクロマトグラムに現れるピークを用いた定量処理と同様である。
上述したような微分クロマトグラムの作成はごく簡単な処理であり、微分クロマトグラムに対して予め作成された検量情報を利用した定量処理を行えば定量値の算出もごく短時間で行うことが可能である。したがって、この構成によれば、二つの目的成分由来のピークが重なっていても、迅速に各目的成分を定量することが可能である。また、微分クロマトグラムに現れるピークの形状は、理想的には重なった成分の影響を排除したプロファイル波形と相似形になるため、高精度の定量が可能である。
また上記第1及び第2の目的を達成するために成された本発明に係るクロマトグラムデータ処理方法は、目的試料について収集された、時間、波長、及び吸光度をディメンジョンとする3次元クロマトグラムデータを処理するクロマトグラムデータ処理方法において、
a)前記3次元クロマトグラムデータに基づき、全時間範囲内又は所定時間範囲内の各時点における波長と吸光度との関係を示す吸光度スペクトルについて、第1の成分の極大(又は極小)吸収波長における波長方向の微分係数である波長微分係数を求め、全時間範囲内又は所定時間範囲内の前記波長微分係数の時間変化を表す微分クロマトグラムを作成する微分クロマトグラム作成ステップと、
b)前記微分クロマトグラムの波形に基づいて、前記第1の成分のピークに重なる他の1乃至複数の成分の有無の判定、又は前記第1の成分のピークに重なる第2の成分の定量を実行するクロマトグラム波形処理ステップと、
を有することを特徴としている。
また、本発明に係るクロマトグラムデータ処理方法の第1の態様は、
c)前記3次元クロマトグラムデータに基づき、第1の成分の吸収波長に関して時間と吸光度との関係を示す波長クロマトグラムを作成する波長クロマトグラム作成ステップ、をさらに有し、
前記微分クロマトグラム作成ステップでは、前記3次元クロマトグラムデータに基づき、前記波長クロマトグラムにおける目的成分のピークが含まれる時間範囲内の各時点における吸光度スペクトルについて、前記第1の成分の極大(又は極小)吸収波長における波長微分係数を求め、該波長微分係数の時間変化を表す微分クロマトグラムを作成し、
前記クロマトグラム波形処理ステップでは、前記微分クロマトグラムの波形形状に基づいて、目的成分である前記第1の成分のピークに不純物が含まれているか否かを判定するものとすることができる。
さらにまた、本発明に係るクロマトグラムデータ処理方法の第2の態様は、
前記微分クロマトグラム作成ステップでは、前記3次元クロマトグラムデータに基づき、全時間範囲内又は所定時間範囲内の各時点における吸光度スペクトルについて、第1目的成分である前記第1の成分の極大(又は極小)吸収波長における波長微分係数を求め、該波長微分係数の時間変化を表す微分クロマトグラムを作成するとともに、第2目的成分である前記第2の成分の極大(又は極小)吸収波長における波長微分係数を求め、該波長微分係数の時間変化を表す微分クロマトグラムを作成し、
前記クロマトグラム波形処理ステップでは、前記第1目的成分の極大(又は極小)吸収波長における微分クロマトグラムに現れるピークに基づいて前記第2目的成分を定量するとともに、前記第2目的成分の極大(又は極小)吸収波長における微分クロマトグラムに現れるピークに基づいて前記第1目的成分を定量するものとすることができる。
本発明に係るクロマトグラムデータ処理装置及び処理方法によれば、クロマトグラム上で不純物ピークが目的ピークの頂点のすぐ近傍に存在するなど、従来のピーク純度判定では見逃されるような場合であっても、目的ピークに不純物が含まれているか否かを高精度に判定することができる。また上述した従来のピーク純度判定処理とは異なり、ノイズベクトルをパラメータとして設定する必要がないため、比較的単純な計算処理によって目的ピークに不純物が含まれているか否かを判定することができる。
また本発明に係るクロマトグラムデータ処理装置及び処理方法によれば、クロマトグラム上で二つの目的成分由来のピークが重なっていたり一方が他方に完全に含まれてしまっていたりした場合であっても、各目的成分由来のプロファイル波形に基づく高精度の定量が可能である。また、こうした定量のために比較的単純な演算処理を行えばよいので、低価格のパーソナルコンピュータを用いても迅速に定量を行うことができる。
本発明の一実施例であるクロマトグラムデータ処理装置を備えた液体クロマトグラフの概略構成図。 極大(又は極小)吸収波長クロマトグラムのピークの一例を示す図。 各測定時点における吸光度スペクトルの一例を示す図。 目的成分及び不純物の吸光度スペクトルの一例を示す図。 微分クロマトグラムの一例を示す図。 本実施例のクロマトグラムデータ処理装置におけるピーク純度判定処理動作を示すフローチャート。 本発明の他の実施例であるクロマトグラムデータ処理装置を備えた液体クロマトグラフの概略構成図。 本発明における二成分ピーク分離及びピーク純度判定の原理を説明するための吸光度スペクトルの一例を示す図。 図8に示した吸光度スペクトルに基づく微分スペクトルを示す図。 クロマトグラム上の二成分混合ピークを示す図。 図9に示した微分スペクトルに基づく微分クロマトグラムを示す図。 本発明の他の実施例であるクロマトグラムデータ処理装置を備えた液体クロマトグラフの概略構成図。 3次元クロマトグラムデータ、及び該3次元クロマトグラムデータから作成される極大(又は極小)吸収波長クロマトグラムを示す模式図。 従来のピーク純度判定処理の手法により得られる結果の表示例であり、(a)は不純物を含まないピークの例、(b)は不純物を含むピークの例。 分離が不充分であって二成分のピークが重なった状態のクロマトグラムの一例を示す図。
[本発明における二成分ピーク分離及びピーク純度判定の原理説明]
まず、図13に示したような3次元クロマトグラムデータに対して実行される、本発明における二成分ピーク分離及びピーク純度判定の原理を、添付の図8〜図11を参照して説明する。
いま、x、yなる二つの成分が試料に含まれる場合を考える。図8はこの成分x及びyそれぞれの吸光度スペクトルの一例を示す図である。図示するように、一般に、吸光度ピークの頂点(極大(又は極小)点)に対応した極大(又は極小)吸収波長は物質毎に相違する。
図9は、図8に示した吸光度スペクトルを波長方向に微分することで求まる微分スペクトルである。波長方向にカーブが上昇している局面では微分係数は正値、カーブが下降している局面では微分係数は負値になり、吸光度ピークの頂点及び谷部の底では微分係数は0となる。図9に示すように、成分xの微分スペクトルにおいて微分係数が0(ただし微分係数が正値から負値に変化する状況での「0」)となる波長をλx、成分yの微分スペクトルにおいて微分係数が0(同じく微分係数が正値から負値に変化する状況での「0」)となる波長をλyとする。つまり、ここでは、λxは成分xの極大吸収波長、λyは成分yの極大吸収波長である。
図10は、クロマトグラム上で成分xと成分yそれぞれのピークプロファイルの一例と、それらピークプロファイルが重なった状態、つまり未分離の混合ピークとを示す図である。成分xと成分yの保持時間はかなり近接しており、混合ピークから各成分x、yのピークプロファイルを予測するのは困難である。
いまここで、成分xの吸光度スペクトルをx(λ)、ピークプロファイルをa(t)、同様に成分yの吸光度スペクトルをy(λ)、ピークプロファイルをb(t)とすると、成分xと成分yとが共に溶出している(つまりはクロマトグラム上でピークが重なっている)二成分系での3次元クロマトグラムS(t,λ)は次の(2)式で表すことができる。
S(t,λ)=a(t)x(λ)+b(t)y(λ) …(2)
これを波長λで偏微分すると次の(3)式となる。
∂S(t,λ)/∂λ=a(t)x'(λ)+b(t)y'(λ) …(3)
(3)式に成分xの微分スペクトルにおける微分係数が0となる波長λxを代入すると、x'(λx)=0であることから、
∂S(t,λx)/∂λ=b(t)y'(λx) …(4)
となる。同様に、(3)式に成分yの微分スペクトルにおける微分係数が0となる波長λyを代入すると、y'(λy)=0であることから、
∂S(t,λy)/∂λ=a(t)x'(λy) …(5)
となる。
図11の(a)は(4)式の結果を時間方向にプロットしたもの、(b)は同様に(5)式の結果を時間方向にプロットしたものである。つまり、図11(a)は波長λxにおける微分クロマトグラム、図11(b)は波長λyにおける微分クロマトグラムである。(4)式から明らかなように、波長λxにおける微分クロマトグラムには、成分yのみのピークプロファイルb(t)が現れる。また(5)式から明らかなように、波長λyにおける微分クロマトグラムでは、成分xのみのピークプロファイルa(t)が現れる。これらピークプロファイルa(t)、b(t)の面積や高さはそれぞれの成分の濃度に依存する。なお、図9〜図11に関する上記説明は成分x、yの極大吸収波長λx、λyを用いた場合についての説明であるが、極大吸収波長の代わりに成分x、yの極小吸収波長を利用してもよい。
以上のことから、x、yの二成分が共に溶出している状況下でも、x成分の極大(又は極小)吸収波長λxにおける波長方向の微分係数を時間方向にプロットした微分スペクトルを用いればy成分のみを分離して定量することができ、y成分の極大(又は極小)吸収波長λyにおける波長方向の微分係数を時間方向にプロットした微分スペクトルを用いればx成分のみを分離して定量することができることが分かる。
なお、図11(b)に示すように、極大(又は極小)吸収波長λyにおける微分クロマトグラムに現れる成分xのピークプロファイルは負ピークとなるが、定量を行う場合には正負の極性を反転すればよい。
いま図11(a)に着目すると、この微分クロマトグラムにピークが現れなかったとすれば、つまりは微分係数が0のままであったとすれば、これは成分yが存在しなかったことを意味する。即ち、成分xの極大(又は極小)吸収波長λxにおける微分クロマトグラムにピークが生じるか否かを判定すれば、成分yの重なりの有無を判定することができる。この判定を行うだけであれば、成分yの極大(又は極小)吸収波長λyが既知である必要はなく、成分y自体が未知の成分であってもよいことは明らかである。これを拡張して考えれば、単に或る既知の成分のクロマトグラムのピークに他の成分が含まれているか否かを判定するだけであれば、該他の成分は一つである必要はなく、1乃至複数の成分をまとめて不純物として扱えばよいことが分かる。
即ち、目的成分xの3次元クロマトグラムがa(t)x(λ)であり、これに他の1乃至複数の成分が不純物として混入している場合、3次元クロマトグラムS(t,λ)は次の(6)式で表すことができる。
S(t,λ)=a(t)x(λ)+b(t)y(λ)+c(t)z(λ)+… …(6)
これを波長λで偏微分し、目的成分xの微分スペクトルx'(λ)の値が0となる波長λxを代入すると、次の(7)式となる。
∂S(t,λx)/∂λ=b(t)y'(λx)+c(t)z'(λx)+… …(7)
この(7)式が目的成分xの極大(又は極小)吸収波長λxにおける微分クロマトグラムであり、目的成分x由来のピークは除去され、不純物のピークのみが現れることが分かる。
これにより、上述した二成分のピーク分離と同じ原理により、目的成分に混入している不純物の有無も判定可能であることが分かる。
[本発明の第1実施例であるクロマトグラムデータ処理装置の構成及び動作]
次に、本発明に係るクロマトグラムデータ処理装置の一実施例(第1実施例)について、図1〜図6を参照して説明する。この第1実施例は、上記原理に基づきピーク純度判定を行うものである。図1は、本実施例におけるクロマトグラムデータ処理装置(以下、単に「データ処理装置」という)を備える液体クロマトグラフシステムの概略構成図である。
3次元クロマトグラムデータを収集するためのLC部1では、送液ポンプ12が移動相容器11から移動相を吸引し、一定の流量で試料注入部13へと送給する。試料注入部13は所定のタイミングで試料を移動相中に注入する。試料は移動相によってカラム14に送られ、カラム14を通過する間に試料中の各成分が時間方向に分離され、カラム14から溶出する。
カラム14の出口には、カラム14からの溶出液中の試料成分を検出するための検出器として、マルチチャンネル型検出器の一種であるPDA検出器15が設けられている。PDA検出器15は、図示しない光源からの光を溶出液に照射し、溶出液を透過した光を波長分散させて各波長の光の強度をPDAリニアセンサによってほぼ同時に検出する。このPDA検出器15により繰り返し得られた検出信号はA/D変換器16によってデジタル信号に変換された後、3次元クロマトグラムデータとしてデータ処理装置2へ出力される。
データ処理装置2は、A/D変換器16から出力された3次元クロマトグラムデータを格納するための3次元データ記憶部21と、所定の波長における吸光度の時間変化を表す波長クロマトグラムを3次元クロマトグラムデータから作成する波長クロマトグラム作成部22と、該波長クロマトグラム中のピークを検出するピーク検出部23と、検出されたピークの中でオペレータにより指定された目的ピーク中の不純物を検出する不純物検出部24と、を含む。なお、本実施例では、波長クロマトグラム作成部22は、目的成分の極大(又は極小)吸収波長λS0での吸光度の時間変化を表す極大(又は極小)吸収波長クロマトグラムを作成する。
不純物検出部24は、機能ブロックとして、3次元クロマトグラムデータ及び目的成分の極大(又は極小)吸収波長λS0に基づいて微分クロマトグラムを作成するための微分クロマトグラム作成部25と、微分クロマトグラムの形状に基づいて目的ピーク中の不純物の有無を判定する判定部26と、を含む。これら各部の動作については後述する。
表示部3は、極大(又は極小)吸収波長クロマトグラム、吸光度スペクトル、微分クロマトグラム、及び判定結果等の各種情報を表示するためのものである。操作部4は、目的成分の極大(又は極小)吸収波長λS0など、データ処理に必要な情報等をオペレータが入力設定するために操作される。
なお、データ処理装置2の機能の一部又は全部は、パーソナルコンピュータやワークステーションにインストールされた専用の制御・処理ソフトウエアを実行することにより達成することができる。また、表示部3は一般的な液晶モニタ等であり、操作部4はパーソナルコンピュータやワークステーションの標準的な装備であるキーボードやマウス等のポインティングなどとすることができる。
次に、この第1実施例の液体クロマトグラフシステムにおける特徴的なデータ処理動作について、図6のフローチャートを参照して説明する。
まず、LC部1において目的試料に対するクロマトグラフ分析が実行され、所定の波長範囲における吸光度スペクトルの時間変化を表す3次元クロマトグラムデータ(図13(a)参照)がPDA検出器15から3次元データ記憶部21へと出力され、該3次元データ記憶部21に格納される(ステップS1)。
次に、オペレータは、試料に含まれる目的成分(例えば定量したい成分)の極大(又は極小)吸収波長λS0の波長値を操作部4により入力する(ステップS2)。これを受けて、波長クロマトグラム作成部22は、入力された極大(又は極小)吸収波長λS0及び3次元データ記憶部21に格納されている3次元クロマトグラムデータに基づいて、横軸に時間、縦軸に極大(又は極小)吸収波長λS0における吸光度をプロットした極大(又は極小)吸収波長クロマトグラムを作成する(ステップS3)。図13(a)に示した3次元クロマトグラムデータに基づいて作成される極大(又は極小)吸収波長クロマトグラムの一例を図13(b)に示す。
ピーク検出部23は、波長クロマトグラム作成部22により作成された極大(又は極小)吸収波長クロマトグラムの曲線の傾斜量を時間方向に順次調べ、図2に示すように、その傾斜量が所定値以上になったときにピークの始点TSであると判断し、傾斜量が正から0になりさらに負に転じたときにピーク頂点T0であると判断し、傾斜量の絶対値が所定値以下になったときにピークの終点TEであると判断して、ピークを検出する(ステップS4)。図2では一つのピークのみを示しているが、試料に複数の成分が含まれる場合には、通常、複数のピークが検出される。検出されたピークの情報は表示部3の画面上に表示され、オペレータは、それら複数のピークの中から目的成分に由来する目的ピークを操作部4により選択する(ステップS5)。
目的ピークが選択されると、微分クロマトグラム作成部25は、目的ピークの始点TSから終点TEまでの時間範囲における吸光度スペクトルを3次元データ記憶部21から取得し、各吸光度スペクトルについてそれぞれ、極大(又は極小)吸収波長λS0における吸光度を波長方向に微分することにより波長微分係数を求める(ステップS6)。そして、横軸に時間、縦軸に算出された波長微分係数をプロットした微分クロマトグラムを作成する(ステップS7)。図5に微分クロマトグラムの一例を示す。
微分クロマトグラム作成部25により作成された微分クロマトグラムに基づいて、判定部26は、上述した原理に基づく以下のような処理を実施することで、目的ピークの始点TSから終点TEまでの時間範囲内で不純物の有無の判定を行う。
図4は、クロマトグラフ分析中の或る時点Tuにおける目的成分の吸光度スペクトルのパターン(図4中の(1))及び不純物の吸光度スペクトルのパターン(図4中の(2))を模式的に示す図である。このように目的成分の吸収波長域と不純物の吸収波長域とが互いに重なっている場合、上記時点Tuにおいて実際に得られる吸光度スペクトルのパターンは、目的成分の吸光度スペクトルのパターンと不純物の吸光度スペクトルのパターンを加算したもの(図4中の(3))となる。そのため、この吸光度スペクトルの極大(又は極小)位置と目的成分の極大(又は極小)吸収波長λS0とが一致しなくなる。
目的ピークが目的成分のみに由来する場合、図3に示すように、目的ピークの始点TSから終点TEまでの間のいずれの時点においても、目的成分の極大(又は極小)吸収波長λS0は各時点における吸光度スペクトルの極大(又は極小)位置と一致するため、極大(又は極小)吸収波長λS0における波長微分係数は0となる。したがって、目的ピークの始点TSから終点TEまでの時間範囲における微分クロマトグラムは、図5において実線で示されるような、不可避なノイズのみを含んだ平坦な状態になる。一方、目的ピークが不純物を含んでいる場合、図4に示すように、目的成分の極大(又は極小)吸収波長λS0が各時点における吸光度スペクトルの極大(又は極小)位置と一致しなくなるため、極大(又は極小)吸収波長λS0における波長微分係数は、時間範囲TS〜TEにおいて0以外の値となる。したがって、微分クロマトグラムは、図5において点線で示すように、不純物を含む時間域では平坦な状態とはならない。
そこで判定部26は、目的ピークの始点TSから終点TEまでの時間範囲内において微分クロマトグラムが平坦か否かを判定する(ステップS8)。該時間範囲内で微分クロマトグラムが平坦であれば(図6のステップS8でYesであれば)、判定部26は目的ピークが該時間範囲内において不純物を含まない、即ち、目的成分のみに由来するピークであると判定する(ステップS9)。一方、上記時間範囲内で微分クロマトグラムが平坦でなければ(即ち、ステップS8でNoであれば)、判定部26は目的ピークが該時間範囲内において不純物を含んでいると判定する(ステップS10)。このように得られた判定結果は、表示部3によってオペレータに通知される(ステップS11)。
微分クロマトグラムが平坦であるか否かの判定は、例えば、ベースラインのノイズ強度の平均のN倍又は所定のピーク面積以上であるピークが存在するか否か判定することで行うようにすればよい。また、それ以外の判定方法でもよい。
以上述べたように、この第1実施例に係るデータ処理装置2では、極大(又は極小)吸収波長クロマトグラム上の目的ピークの始点TSから終点TEまでの間の時間範囲において、微分クロマトグラムが平坦であるか否かを判定することによって、目的ピークが不純物を含むか否かを判定する。目的ピークのピーク頂点のごく近傍に不純物が含まれる場合であっても、目的成分の極大(又は極小)吸収波長λS0が極大(又は極小)から僅かでも外れれば、微分クロマトグラムの形状に不純物の有無が反映される。そのため、第1実施例に係るデータ処理装置2によれば、従来のピーク純度判定手法に比べて格段に高精度な判定結果を得ることができる。
また、第1実施例に係るデータ処理装置2では、上述した従来技術とは異なり、各波長におけるノイズ成分から成るノイズベクトルをパラメータとして設定する必要がないため、従来に比べて格段に平易な計算処理によってピーク純度判定を行うことができる。
さらにまた、第1実施例に係るデータ処理装置2では、測定時間の全範囲ではなく、目的ピークの始点TSから終点TEまでの時間範囲に絞って微分クロマトグラムを作成するようにしたため、目的ピークに不純物が含まれているか否かをより効率よく判定でき、より短時間で判定を終了することができる。
なお、上記説明では、オペレータが操作部4によって目的ピークを選択するようにしていたが、この際に一つのピークではなく複数のピークを目的ピークとして選択するようにしてもよい。その場合、選択された目的ピーク毎に上述したような不純物の検出を実施すればよい。また、検出されたピークの数に拘わらず、検出された全てのピークについて不純物の検出を実施するように予め設定しておいてもよい。その場合、上記フローチャートにおいてステップS5の処理は省略される。
また、第1実施例では、ステップS2において目的成分の極大(又は極小)吸収波長λS0の波長値をオペレータが入力するようにしたが、オペレータにより目的成分の名称や構造式などを指定させるようにし、それに対応する波長値をデータベースから取得するようにしてもよい。或いは、オペレータによる入力自体を省略し、3次元クロマトグラムデータより自動的にピーク(例えば3次元的なピーク)を検出して、その結果をデータベースと照合することで極大(又は極小)吸収波長を決定するようにしてもよい。目的成分が複数の極大(又は極小)吸収波長を有する場合には、そのうちの一つを用いるようにすればよい。
さらにまた、目的ピークが含まれる時間範囲の設定に関し、オペレータが波長クロマトグラム上の目的ピークの保持時間の前後に適当な時間幅を設けた時間範囲を操作部4によって予め入力することにより、目的ピークの始点に対応する時間TS及び終点に対応する時間TEが取得されるようにしてもよい。
さらにまた、図2に示したような波長クロマトグラムを表示部3の画面上に表示し、オペレータがそれを見て、操作部4により、目的ピークの始点に対応する時間TS及び終点に対応する時間TEを指定するようにしてもよい。
こうした構成の場合、ステップS5においてオペレータが直接的に上記時間範囲を入力したり、波長クロマトグラム上で始点及び終点の位置をクリック操作等で指定したりすることにより、目的ピークの始点TSから終点TEまでの時間範囲が決定されるようにすることができる。
さらにまた、第1実施例では、波長クロマトグラム作成部22が目的成分の極大(又は極小)吸収波長における波長クロマトグラムを作成していたが、目的成分の極大(又は極小)吸収波長の近傍の波長における波長クロマトグラムであっても構わない。また複数の極大(又は極小)吸収波長が存在する場合、一般的には、その中の最大強度の波長を選択することが望ましい。また、第1の成分の極大(又は極小)吸収波長としては、目的ピークのピーク頂点の近傍に不純物ピークが存在することが予め分かっており、その不純物の多寡を判定したい場合には、その不純物の吸収スペクトルを波長方向に微分した値が充分な大きさを持つ極大(又は極小)吸収波長を選択するとよい。
[第1実施例の変形例によるクロマトグラムデータ処理装置の構成及び動作]
次に、第1実施例の変形例によるデータ処理装置について図7により説明する。図7に示すように、この変形例のデータ処理装置は、上記第1実施例のデータ処理装置に対して極大(又は極小)吸収波長取得部27が追加されている。
この変形例のデータ処理装置は、目的成分の極大(又は極小)吸収波長λS0が既知でなくそれを求めるためのデータベースも有していない場合に、目的成分の標準品を含む試料を実際に測定してその極大(又は極小)吸収波長λS0を取得し、その値を後段の処理に用いるという構成を有するものである。
まず、目的成分の標準品を含む標準試料をLC部1で測定することにより、3次元クロマトグラムデータを取得する。取得された3次元クロマトグラムデータは3次元データ記憶部21に格納される。オペレータが、目的成分に由来するピークが出現するような適当な波長を選択すると、波長クロマトグラム作成部22は、3次元データ記憶部21から適当な3次元クロマトグラムデータを読み出し、選択された波長における波長クロマトグラムを作成する。ピーク検出部23はこの波長クロマトグラムから、上記実施例と同様の処理によってピークを検出し、ピークの始点TS、頂点T0及び終点TEに対応する時間を取得する。オペレータは、検出されたピークの中から目的成分の標準品に由来するピークを操作部4により選択する(この場合には、通常、ピークは一つのみ検出される)。
次に、極大(又は極小)吸収波長取得部27は、目的成分を含む標準試料を測定して得られた3次元クロマトグラムデータを3次元データ記憶部21から読み出すとともに、オペレータにより指定されたピークの頂点に対応する時刻T0をピーク検出部23から取得する。そして極大(又は極小)吸収波長取得部27は、時刻T0における吸光度スペクトルの吸光度を波長方向に順次微分してゆき、各波長における波長微分係数を求める。
次いで、波長微分係数が0となる波長を求め、これを目的成分の標準品の極大(又は極小)吸収波長λS0として取得する。取得された標準品の極大(又は極小)吸収波長λS0は、以降に測定される試料のピーク純度判定処理に用いられる。極大(又は極小)吸収波長λS0が複数取得された場合には、オペレータが操作部4によって最も適切であると判断される一つの極大(又は極小)吸収波長λS0を選択するようにすればよい。このようにして目的成分の極大(又は極小)吸収波長λS0が決まれば、それ以降のピーク純度判定処理は、上述した図6のステップS3以降と同様の手順で実行される。
以上のようにして、この変形例によるデータ処理装置によれば、目的成分の極大(又は極小)吸収波長λS0に関する情報がない場合でも該目的成分の標準品を含む試料が用意可能であれば、未知試料中の目的成分のピーク純度判定を行うことができる。
[本発明の第2実施例であるクロマトグラムデータ処理装置の構成及び動作]
次いで、本発明に係るクロマトグラムデータ処理装置の第2実施例を備えた液体クロマトグラフシステムについて、図12を参照して説明する。この第2実施例は、上記説明した原理に基づき、保持時間が比較的近くカラム14では充分に分離されない二つの目的成分x、yを、データ処理によって分離して定量するものである。図12において、LC部1の構成は図1に示した第1実施例の構成と同じであり説明を略す。
データ処理装置5は、第1実施例と同様に、A/D変換器16から出力された3次元クロマトグラムデータを格納するための3次元データ記憶部51と、特定の波長における波長クロマトグラムを3次元クロマトグラムデータから作成する波長クロマトグラム作成部52と、該クロマトグラム中で定量を行うピークを検出しその時間範囲を設定するピーク検出部53と、設定されたピーク又は時間範囲においてオペレータにより指定された二つの目的成分x、yを分離した上でそれぞれ定量する二成分分離定量部54と、を含む。
二成分分離定量部54は、機能ブロックとして、3次元クロマトグラムデータ及び二つの目的成分x、yの極大(又は極小)吸収波長λx、λyに基づいて、それぞれ微分クロマトグラムを作成する微分クロマトグラム作成部55と、微分クロマトグラムに現れるピークの面積を計算するピーク面積計算部56と、計算された面積値を後述する検量線に照らして未知である目的成分x、yの濃度を求める定量演算部57と、既知濃度の目的成分x、yが含まれる試料の分析結果に基づいて微分クロマトグラム上のピーク面積値と成分濃度との関係を示す検量線を作成する検量線作成部58と、作成された検量線を記憶しておく検量線記憶部59と、を含む。
第2実施例の液体クロマトグラフシステムにおける特徴的なデータ処理動作について説明する。この第2実施例では、未知試料中の濃度が未知である目的成分x、yをそれぞれ定量するために、次のようにして、目的成分x、yの検量線を予め作成して検量線記憶部59に格納しておく。
即ち、オペレータは目的成分xの標準品を希釈して複数段階の濃度の標準試料を調製するとともに、同様に、目的成分yの標準品を希釈して複数段階の濃度の標準試料を調製する。そして、それら標準試料をそれぞれLC部1で測定することにより、3次元クロマトグラムデータを取得する。取得された3次元クロマトグラムデータは一時的に3次元データ記憶部51に格納される。
オペレータは、目的成分x、yの極大(又は極小)吸収波長λx、λyの波長値を操作部4により入力する。これを受けて、波長クロマトグラム作成部52は、入力された二つの極大(又は極小)吸収波長λx、λy及び各標準試料に対して得られた3次元クロマトグラムデータに基づいて、極大(又は極小)吸収波長λx、λyにおける極大(又は極小)吸収波長クロマトグラムをそれぞれ作成する。そして、ピーク検出部53は、第1実施例と同様の処理によってピークを検出し、それぞれのピークの始点TS、頂点T0及び終点TEに対応する時間を取得する(この場合、一つの極大(又は極小)吸収波長クロマトグラムにおいて目的成分x又はy由来のピーク一つのみが検出される)。
微分クロマトグラム作成部55は、成分xを或る濃度で含む標準試料について、成分xに関するピークの始点TSから終点TEまでの時間範囲における吸光度スペクトルを3次元データ記憶部51から取得し、各吸光度スペクトルについてそれぞれ、目的成分yの極大(又は極小)吸収波長λyにおける吸光度を波長方向に微分することにより波長微分係数を求める。そして、横軸に時間、縦軸に算出された波長微分係数をプロットした、極大(又は極小)吸収波長λyにおける微分クロマトグラムを作成する。この場合、測定された標準試料には成分xのみが含まれるから、該成分xが溶出している全時間範囲内で、波長λxにおいて吸光度は極大(又は極小)を示し続ける。それ故に、極大(又は極小)吸収波長λxにおける微分係数は0を保つ。
これに対し、波長λyは成分xに対しては極大(又は極小)吸収波長ではないものの、波長λyでも成分xによる吸収がある。そのため、成分yの極大(又は極小)吸収波長λyにおける波長微分係数は成分xによる吸収を受ける範囲で変化する。その結果、上記極大(又は極小)吸収波長λyにおける微分クロマトグラムにはピークが現れ、このピークは成分xの溶出プロファイルを反映したものとなる。そこで、ピーク面積計算部56は、波長λyにおける微分クロマトグラムに現れる成分xに由来するピークの面積値を計算する。また同様の計算を、異なる濃度の成分xを含む標準試料に対して得られた3次元クロマトグラムデータに基づく、波長λyにおける微分クロマトグラムについて実施し、成分xに由来するピーク面積値を算出する。
検量線作成部58は、上述したように成分xが異なる濃度で含まれる標準試料にそれぞれ対応した波長λyにおける微分クロマトグラムから得られたピーク面積値と、それぞれの成分濃度とに基づいて、成分xの濃度と波長λyにおける微分クロマトグラム上のピーク面積値との関係を示す検量線を作成し、これを検量線記憶部59に格納する。
また、微分クロマトグラム作成部55は、同様に、成分yを含む標準試料について得られた3次元クロマトグラムデータに基づいて、成分xの極大(又は極小)吸収波長λxにおける微分クロマトグラムを作成し、ピーク面積計算部56は波長λxにおける微分クロマトグラムに現れる成分yに由来するピークの面積値を計算する。そして、検量線作成部58は、成分yが異なる濃度で含まれる標準試料にそれぞれ対応した波長λxにおける微分クロマトグラムから得られたピーク面積値と、それぞれの成分濃度とに基づいて、成分yの濃度と波長λxにおける微分クロマトグラム上のピーク面積値との関係を示す検量線を作成し、これを検量線記憶部59に格納する。
以上のようにして成分x、yそれぞれの検量線を検量線記憶部59に格納することができる。
濃度が未知である目的成分x、yを含む試料中の成分x、yを定量する際には、該未知試料をLC部1で測定することにより、3次元クロマトグラムデータを取得して3次元データ記憶部51に格納する。
オペレータは、目的成分x、yの極大(又は極小)吸収波長λx、λyの波長値を操作部4により入力する。これを受けて、波長クロマトグラム作成部52は、入力された二つの極大(又は極小)吸収波長λx、λyにおける3次元クロマトグラムデータを3次元データ記憶部51から読み出し、それら極大(又は極小)吸収波長λx、λyにおける波長クロマトグラムを作成する。そして、ピーク検出部53はこれら二つの波長クロマトグラムから、上記実施例と同様の処理によってピークを検出し、それぞれのピークの始点TS、頂点T0及び終点TEに対応する時間を取得する。ただし、波長クロマトグラムに現れるピークは図15(a)に示すように二つのピークが重なった状態となる場合があるから、例えば予め与えられた各成分x、yの保持時間に基づいて、連なったピークの前半部の始点をピーク始点TSとし、後半部の終点をピーク終点TEとするように処理を行うとよい。
なお、第1実施例と同様に、ピーク検出により複数のピークが検出された場合には、検出されたピークの情報を表示部3の画面上に表示し、オペレータにより、それら複数のピークの中から目的成分に由来する目的ピークを操作部4により選択させるようにすればよい。
次に、微分クロマトグラム作成部55は、ピーク検出部53により検出された又はオペレータにより選択されたピークの始点から終点までの時間範囲における吸光度スペクトルを3次元データ記憶部51から取得し、各吸光度スペクトルについてそれぞれ、目的成分xの極大(又は極小)吸収波長λx及び目的成分yの極大(又は極小)吸収波長λyにおける吸光度を波長方向に微分することにより波長微分係数を求める。そして、極大(又は極小)吸収波長λx及びλyにおける微分クロマトグラムをそれぞれ作成する。上述したように、波長λxにおける微分クロマトグラムには目的成分xの吸収の影響は現れず、観測されるピークは目的成分yの溶出プロファイルを反映したものとなる。一方、波長λyにおける微分クロマトグラムには目的成分yの吸収の影響は現れず、観測されるピークは目的成分xの溶出プロファイルを反映したものとなる。そこで、ピーク面積計算部56は、各微分クロマトグラムに現れるピークの面積値をそれぞれ計算する。
定量演算部57は、波長λxにおける微分クロマトグラムから求められたピーク面積値を、検量線記憶部59から読み出した成分yの検量線に照らして成分yの濃度値を算出する。また、波長λyにおける微分クロマトグラムから求められたピーク面積値を、同じく検量線記憶部59から読み出した成分xの検量線に照らして成分xの濃度値を算出する。そして、このようにして得られた二つの目的成分x、yの定量結果は、表示部3によってオペレータに通知される。
以上述べたように、この第2実施例に係るデータ処理装置5では、目的成分とは異なる他の成分の極大(又は極小)吸収波長における微分クロマトグラムに現れるピークの面積値により、重なって溶出しているその成分の影響を除外して目的成分を定量する。このとき微分クロマトグラムに現れるピークは目的成分のみの溶出プロファイルを反映しているので、従来のピークの重なりを垂直分割により分割して定量する手法と比べて格段に高精度な定量結果を得ることができる。
この第2実施例においても、上記第1実施例について説明した様々な変形が可能である。例えば、目的成分x、yの極大(又は極小)吸収波長λx、λyの波長値をオペレータが入力するようにする以外に、オペレータにより目的成分の名称や構造式などを指定させるようにし、それに対応する波長値をデータベースから取得するようにしてもよい。こうしたデータベースからは任意の成分の波長値と同時に保持時間も取得できるので、ピーク検出の際に保持時間を利用する場合には特に都合がよい。
また本発明は上記第1実施例、第2実施例に限らず、本発明の趣旨の範囲で適宜変形、追加、修正を加えても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
例えば、本発明のデータ処理装置による処理対象の3次元クロマトグラムデータを取得するクロマトグラフの検出器はPDA検出器等のマルチチャンネル型検出器でなくてもよく、吸光度スペクトルの吸光度を波長方向に順次微分したときにそのスペクトルカーブの傾斜を正確に反映した微分係数が得られるように、波形形状が比較的ブロードである(変化が緩やかである)スペクトルが得られるものであればよい。ただし、所定波長範囲に亘る吸光度の測定に時間が掛かり過ぎるのは適当でないから、高速の波長走査が可能である紫外可視分光光度計、赤外分光光度計、近赤外分光光度計、蛍光分光光度計、などであってもよい。
また、クロマトグラフは、液体クロマトグラフでなくガスクロマトグラフでもよいが、上記のような検出器を用いるクロマトグラフは通常、液体クロマトグラフである。また、上述したように、クロマトグラフのカラムで分離された試料を検出器で検出して得られるデータでなく、FIA法により成分分離されることなく導入された試料中の成分を検出器で検出して得られるデータを処理する装置や方法にも本発明を適用できることは明らかである。
1…LC部
11…移動相容器
12…送液ポンプ
13…試料注入部
14…カラム
15…PDA検出器
16…A/D変換器
2、5…データ処理装置
21、51…3次元データ記憶部
22、52…波長クロマトグラム作成部
23、53…ピーク検出部
24…不純物検出部
25…微分クロマトグラム作成部
26…判定部
27…極大(又は極小)吸収波長取得部
3…表示部
4…操作部
54…二成分分離定量部
55…微分クロマトグラム作成部
56…ピーク面積計算部
57…定量演算部
58…検量線作成部
59…検量線記憶部

Claims (10)

  1. 目的試料について収集された、時間、波長、及び吸光度をディメンジョンとする3次元クロマトグラムデータを処理するクロマトグラムデータ処理装置において、
    a)前記3次元クロマトグラムデータに基づき、全時間範囲内又は所定時間範囲内の各時点における波長と吸光度との関係を示す吸光度スペクトルについて、第1の成分の極大又は極小吸収波長における波長方向の微分係数である波長微分係数を求め、全時間範囲内又は所定時間範囲内の前記波長微分係数の時間変化を表す微分クロマトグラムを作成する微分クロマトグラム作成手段と、
    b)前記微分クロマトグラムの波形に基づいて、前記第1の成分のピークに重なる他の1乃至複数の成分の有無の判定、又は前記第1の成分のピークに重なる第2の成分の定量を実行するクロマトグラム波形処理手段と、
    を備えることを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
  2. 請求項1に記載のクロマトグラムデータ処理装置であって、
    c)前記3次元クロマトグラムデータに基づき、第1の成分の吸収波長に関して時間と吸光度との関係を示す波長クロマトグラムを作成する波長クロマトグラム作成手段、をさらに備え、
    前記微分クロマトグラム作成手段は、前記3次元クロマトグラムデータに基づき、前記波長クロマトグラムにおける目的成分のピークが含まれる時間範囲内の各時点における吸光度スペクトルについて、前記第1の成分の極大又は極小吸収波長における波長微分係数を求め、該波長微分係数の時間変化を表す微分クロマトグラムを作成する手段であり、
    前記クロマトグラム波形処理手段は、前記微分クロマトグラムの波形形状に基づいて、目的成分である前記第1の成分のピークに不純物が含まれているか否かを判定する判定手段であることを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
  3. 請求項2に記載のクロマトグラムデータ処理装置であって、
    前記判定手段は、前記微分クロマトグラムが平坦であるか否かを判定することによって、目的成分のピークに不純物が含まれているか否かを判定することを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
  4. 請求項2又は3に記載のクロマトグラムデータ処理装置であって、
    d)前記波長クロマトグラムのピークを検出し、ピークの始点及び終点を決定するピーク検出手段、をさらに備え、
    前記微分クロマトグラム作成手段は、前記波長クロマトグラムにおける目的成分のピークの始点から終点までの時間範囲における微分クロマトグラムを作成することを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載のクロマトグラムデータ処理装置であって、
    e)既知の目的成分を含む試料に対して得られた3次元クロマトグラムデータに基づく波長クロマトグラムのピークの頂点の時点における吸光度スペクトルを波長方向に微分することにより、前記目的成分の極大又は極小吸収波長を求める極大吸収波長取得手段又は極小吸収波長取得手段、をさらに備えることを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
  6. 請求項1に記載のクロマトグラムデータ処理装置であって、
    前記微分クロマトグラム作成手段は、前記3次元クロマトグラムデータに基づき、全時間範囲内又は所定時間範囲内の各時点における吸光度スペクトルについて、第1目的成分である前記第1の成分の極大又は極小吸収波長における波長微分係数を求め、該波長微分係数の時間変化を表す微分クロマトグラムを作成するとともに、第2目的成分である前記第2の成分の極大又は極小吸収波長における波長微分係数を求め、該波長微分係数の時間変化を表す微分クロマトグラムを作成し、
    前記クロマトグラム波形処理手段は、前記第1目的成分の極大又は極小吸収波長における微分クロマトグラムに現れるピークに基づいて前記第2目的成分を定量するとともに、前記第2目的成分の極大又は極小吸収波長における微分クロマトグラムに現れるピークに基づいて前記第1目的成分を定量することを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
  7. 請求項6に記載のクロマトグラムデータ処理装置であって、
    前記クロマトグラム波形処理手段は、
    前記第1目的成分及び第2目的成分についてそれぞれ、微分クロマトグラムに現れるピークの面積又は高さと成分濃度との関係を示す検量情報を記憶しておく検量情報記憶手段と、
    目的試料に対する3次元クロマトグラムデータに基づいてそれぞれ作成された、前記第1目的成分の極大又は極小吸収波長及び前記第2目的成分の極大又は極小吸収波長における微分クロマトグラムに現れるピークの面積又は高さを計算するピーク情報算出手段と、
    該ピーク情報算出手段により計算されたピークの面積又は高さを前記検量情報に照らして各目的成分の定量値を求める定量値算出手段と、
    を含むことを特徴とするクロマトグラムデータ処理装置。
  8. 目的試料について収集された、時間、波長、及び吸光度をディメンジョンとする3次元クロマトグラムデータを処理するクロマトグラムデータ処理方法において、
    a)前記3次元クロマトグラムデータに基づき、全時間範囲内又は所定時間範囲内の各時点における波長と吸光度との関係を示す吸光度スペクトルについて、第1の成分の極大又は極小吸収波長における波長方向の微分係数である波長微分係数を求め、全時間範囲内又は所定時間範囲内の前記波長微分係数の時間変化を表す微分クロマトグラムを作成する微分クロマトグラム作成ステップと、
    b)前記微分クロマトグラムの波形に基づいて、前記第1の成分のピークに重なる他の1乃至複数の成分の有無の判定、又は前記第1の成分のピークに重なる第2の成分の定量を実行するクロマトグラム波形処理ステップと、
    を有することを特徴とするクロマトグラムデータ処理方法。
  9. 請求項8に記載のクロマトグラムデータ処理方法であって、
    c)前記3次元クロマトグラムデータに基づき、第1の成分の吸収波長に関して時間と吸光度との関係を示す波長クロマトグラムを作成する波長クロマトグラム作成ステップ、をさらに有し、
    前記微分クロマトグラム作成ステップでは、前記3次元クロマトグラムデータに基づき、前記波長クロマトグラムにおける目的成分のピークが含まれる時間範囲内の各時点における吸光度スペクトルについて、前記第1の成分の極大又は極小吸収波長における波長微分係数を求め、該波長微分係数の時間変化を表す微分クロマトグラムを作成し、
    前記クロマトグラム波形処理ステップでは、前記微分クロマトグラムの波形形状に基づいて、目的成分である前記第1の成分のピークに不純物が含まれているか否かを判定することを特徴とするクロマトグラムデータ処理方法。
  10. 請求項8に記載のクロマトグラムデータ処理方法であって、
    前記微分クロマトグラム作成ステップでは、前記3次元クロマトグラムデータに基づき、全時間範囲内又は所定時間範囲内の各時点における吸光度スペクトルについて、第1目的成分である前記第1の成分の極大又は極小吸収波長における波長微分係数を求め、該波長微分係数の時間変化を表す微分クロマトグラムを作成するとともに、第2目的成分である前記第2の成分の極大又は極小吸収波長における波長微分係数を求め、該波長微分係数の時間変化を表す微分クロマトグラムを作成し、
    前記クロマトグラム波形処理ステップでは、前記第1目的成分の極大又は極小吸収波長における微分クロマトグラムに現れるピークに基づいて前記第2目的成分を定量するとともに、前記第2目的成分の極大又は極小吸収波長における微分クロマトグラムに現れるピークに基づいて前記第1目的成分を定量することを特徴とするクロマトグラムデータ処理方法。
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