JP2017223670A - 液体クロマトグラフおよび液体クロマトグラフの検出器出力値変動補正手段 - Google Patents

液体クロマトグラフおよび液体クロマトグラフの検出器出力値変動補正手段 Download PDF

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Abstract

【課題】補正波長の選択は使用者の経験に左右され、過度な補正処理を実施するとクロマトグラム上のピーク、特に微小なピークとして検出されていた微量成分の情報が失われるなどして、正確な解析結果を得ることができない。
【解決手段】分析結果から最小ピークを判定し、最小ピークのS/N比が最大となる補正波長を決定し、前記決定した補正波長を用いて前記最小ピークの補正を実行する。検出器出力値補正手段を演算装置部内に複数登録しておき、初期設定の補正手段または目的に応じて前記複数登録の補正手段から前記補正手段を選択して補正を実施する。
【選択図】図3

Description

本発明は、液体クロマトグラフの検出器出力値変動補正機能を搭載した装置および補正手段に関する。
液体クロマトグラフィーの分析では様々な外乱によって検出器の出力値が変動し、分析結果に悪影響を与える。以下、検出器出力値変動とは、外乱による検出器の信号強度の変動を指す。
移動相を混合しながら分析するグラジエント溶離法において、完全に混合できていない移動相のわずかな濃度変化が検出器出力値変動となり検知される場合がある。また送液装置の圧力(流量)変動が屈折率の変化となり検出器出力値変動として検知される場合がある。このような検出器出力値変動は分析結果に悪影響を与える為、グラジエント溶離法では移動相を完全均一に混合することが望まれる。しかしながら、混合しにくい移動相を使用する場合は大容量のミキサを使用しなければならず、グラジエント応答性の悪化や分析時間の遅延等の弊害も存在する。また、分析装置の使用環境温湿度変化等による構成部品の位置変化や検出器出力値変動が分析結果に影響を与える。この解決策のひとつとして、分析と同時に外乱による検出器出力値変動を測定し、分析結果から差し引く等の補正処理を行うことで外乱の影響を排除し安定した分析を行う方法がある。
マルチチャンネル検出器のドリフトの波形を補正する処理の一つとして検出波長と同時刻に取得される測定波長とは別波長を平均して補正を行う方法が示されている。(特許文献1参照)
検出器出力値変動の要因であるノイズを計算し、検出成分信号強度とノイズ信号強度の比(以下S/N比)の自動計算方法が示されている。(特許文献2参照)
特開2014−174099号公報 特開2011−58930号公報
検出器出力値変動を補正する既存の方法は、使用者が多量のデータから補正波長を設定し、分析結果の再計算を実施する。
具体的には、図1、図2に示すような分析結果が得られた場合、測定波長λ1と異なり、測定範囲内に強い吸収を持たない波長λ2やλ3、λn等を選択し、検出器出力値変動を差し引き補正する。この場合、補正波長の選択は使用者の経験に左右される。過度な補正処理を実施すると、微小なクロマトグラフィックピークとして検出されていた微量成分の情報が失われてしまい正確な解析結果を得ることができない。また、正確な解析結果を得るための最適な検出器出力値変動補正手段の選択が難しく、熟練の使用者でも選択した補正波長決定の判断基準が異なるなどの為、測定又は解析を行う毎に結果が異なる可能性もある。さらにデータが多量の場合は解析量が多く使用者の負担が大きくなり、目的の解析結果を得るまでに時間を要する。
本発明の目的は検出器出力値変動を簡易に低減する装置および手段の提供により、微量成分由来の微小なクロマトグラフィックピークに対しても、高感度で再現性の良い定性および定量結果を得ることである。
なお、クロマトグラフィックピークとは試料由来による検出器の信号強度の変化量を指す。以下クロマトグラフィックピークをピークと呼ぶ。
本発明は上述した目的を達成するための、最適な検出器出力値変動補正手段および前記検出器出力値変動補正手段を備えた液体クロマトグラフである。
本発明の検出器出力値変動補正手段は、ポンプ、オートサンプラ、カラムオーブン、検出器等に対する液体クロマトグラフを使用する際に設定する分析条件を解析目的に応じて予め登録されているレシピから選択する工程と、選択した分析条件に従い分析を開始し、検出器にて試料の吸光度または蛍光量等を測定し、時間に対する吸光度や蛍光量等の検出器の信号強度を分析結果として記録及び表示する工程と、初期値として予め設定してある検出器の出力信号の閾値と検出器にて検出された試料の吸光度または蛍光量等(分析結果)の信号強度を比較し、ピーク有無の判断を行う工程と、閾値と比較して閾値よりも高い値で、かつ最小ピークを補正対象ピークとして決定する工程と、補正対象ピークに対する補正候補波長を決定する工程と、予め登録してある手段から選択した補正手段に基づき検出器出力値変動を補正処理する工程と、補正処理後、分析条件と補正条件と補正後の吸光度及び蛍光量等の結果を表示および出力する工程と、を備えることを特徴とする。
本検出器出力値変動補正手段は、試料成分由来の最小ピークのS/N比が最大となる補正波長を選択して補正を実行する方法、任意の単一または複数のピークに対してS/N比を改善する補正波長を選択して補正を実行する方法、該最小ピークのS/N比の再現性が最良となる補正波長を選択して補正を実行する方法、移動相の吸収波長のデータベースから補正波長を選択して補正を実行する方法等を選択することができる。
本検出器出力値変動補正処理は検出器出力値変動補正手段を試料測定前に決定して分析を行うのみならず、過去に測定した分析結果を呼び出して、測定した時点で実施した検出器出力値変動補正手段を変更し、変更した検出器出力値変動補正手段に基づいた解析結果を表示および出力することも可能である。
登録されている測定条件および検出器出力値変動補正手段を分析の目的に応じて選択・実行することにより、使用者の能力に依存することなく、複数ピークや微量成分由来の微小なピークに対しても、高感度で再現性の良い定性および定量解析結果を得ることができる。
測定波長λ1と全測定波長λ2〜λnの時間Tnにおける検出器出力値表示例 測定波長λ1と補正候補波長λ2、λ3の時間Tnにおける検出器出力値表示例 検出器出力値変動補正を行う分析フロー 測定波長λ1の時間Tnにおける検出器出力値表示例(補正前) 補正候補波長λ2の時間Tnにおける検出器出力値表示例(ドリフトあり) 補正候補波長λ3の時間Tnにおける検出器出力値表示例(ドリフトあり) 測定波長λ1の時間Tnにおける検出器出力値表示例(λ2による補正後) 測定波長λ1の時間Tnにおける検出器出力値表示例(λ2、λ3の平均値による補正後) データベースに登録されている移動相の吸収波長例および補正波長選択の例 液体クロマトグラフの装置構成図 夾雑成分を含むスペクトル例 補正候補波長を選択する際の吸収スペクトルの概念図
上述した課題を解決するために、本発明に係る液体クロマトグラフは、図10に示すように、移動相を送液するポンプ2、試料を注入するオートサンプラ3、成分を分離するカラム4を恒温化するカラムオーブン5、分離された成分を検出する検出器6、分析条件および検出器出力値変動補正手段を登録および選択実行し、分析結果を解析する演算処理部7、分析結果または解析結果を保存するデータ保持部8、分析結果、解析結果および検出器出力値変動補正手段を表示する表示部9により構成される。検出器6は信号強度を検出する素子を複数持ち、時間に対する信号強度を複数波長において同時に取得可能な3次元検出器を使用する。
次に図3を用いて本発明に係る液体クロマトグラフの検出器出力値変動補正を説明する。まず、補正対象ピーク決定フローにて、分析データから試料由来のピークを識別し、予め設定されている閾値と比較してピーク有無判断を行う。閾値以上のピークが無い場合はピーク無、すなわち測定対象成分が無いと判断して解析を終了する。ピーク有と判断した場合は、識別した最小ピークを補正対象ピークとして決定する。ここで試料由来の最小ピークを補正対象ピークとすることで、補正の基準が定まり、微小ピークすなわち微量成分も後の補正処理に埋もれることなく検出し、定性及び定量解析結果を得ることができる。
次に補正波長決定フローにて試料由来の測定波長とは異なる波長においてピークの有無を識別し、ピークの無い波長を補正候補波長として抽出する。ここで抽出した補正候補波長から、先に決定した補正対象ピークのS/N比と比較してS/N比の最大化あるいはS/N比の再現性の最良化等の検出器出力値変動補正処理に適した補正波長を選択し、補正処理を実行する。S/N比は補正対象ピークの検出器出力信号と、補正波長における検出器出力信号を用いて算出された比である。
前記手順により検出器出力値変動補正を行うことで試料の微量成分由来の微小ピークも補正処理により失われることなく解析結果を得ることができるとともに、一定の判断基準を基に補正対象ピークおよび検出器出力値変動補正処理に用いる補正波長を決定するため、使用者または再解析時等による補正方法が異なることが無く、同一基準での定性および定量解析結果を得ることが可能となる。また、補正対象ピーク決定フローおよび補正波長決定フローに基づいての分析および解析を進めるので使用者には簡易な操作法となる。
本発明は、波長を高速で切り換えることで複数波長の信号強度をほぼ同時に取得する機能を有する2次元検出器に適用しても良い。
以下に検出器出力値変動補正処理を手順に従って示す。
以下に本発明の検出器出力値変動補正の手段について順に説明する。
図3に検出器出力値変動補正を行う分析フローを示す。図3上部記載の補正対象ピーク決定フローは各手段共通となっており、図3下部記載の補正波長決定フロー部は以下に示す各手段で異なっているので、手段ごとに説明する。
(補正対象ピーク決定フロー)(各手段共通部)
初めに使用者は補正対象ピーク決定フローにおいて、検出器のデータ収取時間、データ収集間隔、測定波長および測定波長範囲等の分析条件を予め登録されているレシピより選択する(F1)。次に前記選択した分析条件に基づき試料を注入し、分析を実行する(F2)。次に分析結果を解析し、ピーク有無の判定を行う(F3b)。前記ピーク有無の判定する方法の一例として、測定波長において予め設定してある閾値と比較し、前記閾値以上の信号強度の場合はピーク、前記閾値以下の信号強度の場合はピークではないと判定する方法がある。この判定方法では、ピークを判定するための前記閾値は初期値として検出器のノイズレベル仕様値を登録するが、使用者が目的および分析試料の濃度や使用量に応じて別途登録することも可能である。また、測定結果の解析値から得られるベースラインノイズを初期値として登録することも可能である。ピーク有と判定した場合は、得られた分析結果の複数のピークの信号強度を比較して、試料成分由来の最小ピークを判定し、補正対象ピークとして決定する(F4b)。また補正対象となるピークを複数選択することも可能であり、また使用者が任意に一つまたは複数のピークを設定してもよい。
(補正波長決定フロー)(以下各手段として説明する)
(手段1)測定波長範囲内でかつ測定波長とは別の波長域でピークの有無を検索し(F5a)、ピークの無い波長を補正候補波長として抽出する(F5b)。補正候補波長を抽出する手段として、測定されたクロマトグラムにてあらかじめ設定した閾値よりも小さい信号範囲から抽出する方法や、補正対象ピークのスペクトルを解析する方法がある。補正対象ピークのスペクトルデータを解析する場合、補正対象ピークの吸収が大きい波長域と吸収が小さい波長域を判定し、吸収が小さい波長域から補正候補波長を抽出する。吸収が小さい波長域を判定する手段として、例えば一定の吸収強度値以下から抽出するように閾値Stをあらかじめ設定する方法や、補正対象ピーク強度に対して相対的に小さくなる波長域を自動判定する方法などが考えられる。また、より正確な判定を実現するために前記スペクトルデータの一次導関数及び二次導関数を算出してもよい。図11は補正対象ピーク近傍に夾雑成分が含まれていた場合のスペクトル例を示している。前記導関数から算出されたdf、ddfからスペクトル形状を把握することで、補正対象ピークと夾雑成分の吸収波長域を避けて補正候補波長を抽出することが可能になる。次に決定した前記補正対象ピークのS/N比が最大となるように抽出した前記補正候補波長から補正波長を1波長選択し(F5c)、前記分析フローに基づいて検出器出力値変動補正を実行する(F6)。
前記補正波長は補正対象ピークの吸収波長域を避け、かつ測定波長λ1または最大吸収波長λmaxに近い方が望ましい。補正候補波長は測定波長または最大吸収波長を中心に短波長側、長波長側から抽出する。図12は補正候補波長を選択する際の吸収スペクトルの概念図である。最初に補正対象ピークの吸収波長域を避けて吸収信号が小さい波長域を決定し、最も測定波長または最大吸収波長に近い波長を短波長側と長波長側からそれぞれλU2、λR2として抽出する。次に抽出したλU2、λR2を補正候補波長とし算出されたS/N比を初期値とし、補正候補波長をシフトしながらS/N比が最大となる波長を探す。短波長側、長波長側それぞれの領域で、λnとλn+1のS/N比の大小を比較し、λn+1番目のS/N比がλnのS/N比よりも小さくなったとき、λnを前記補正候補波長λrwlとする。短波長側、長波長側それぞれから抽出された前記補正候補波長λrwlについてS/N比を比較し、S/N比が大きい方の波長を最終的な補正波長とする。
手段1の検出器出力値変動補正を用いて、最小ピークのS/N比が最大となる検出器出力値変動補正を行うことにより、従来の補正処理では、ノイズとして埋もれてしまう可能性がある微量性分を含めた試料の定性および定量解析が可能となる。また、手段1の補正方法の応用として、複数ピークを対象にしてS/N比を改善することも期待される。液体クロマトグラフを用いた分析では分析結果に複数の測定対象が含まれることが多く、最小ピークのS/N比を最大化した結果、それ以外のピークのS/N比が悪化する場合もある。そのため複数ピークについてS/N比が改善する補正手段が望まれる。手段1の補正手段を用いて複数ピークのS/N比を改善する場合、ピーク毎に吸収スペクトルが異なるためピーク毎または一定区間毎に前記補正候補波長の抽出フローに従い複数の補正波長を決定する。決定した複数の補正波長を用いて各ピークの前後または一定区間毎に検出器出力値変動補正を実行する。手段4に複数ピークを対象とする手順を記載する。
(手段2)この方法は、同一条件での繰り返し分析を実施した場合に、補正後のS/N比の再現性が最良となる補正波長を補正候補波長から1波長選択し、検出器出力値変動補正処理を実行する。
前記補正対象ピーク決定フローに従い補正対象ピークを決定後(F4b)、抽出した補正候補波長から前記補正対象ピークのS/N比再現性が最良となる波長を選択し(F5c)、分析フローに基づいて検出器出力値変動補正を実行する(F6)。
この手順の検出器出力値変動補正を用いて、最小ピークのS/N比再現性が最良となる検出器出力値変動補正を行うことにより、繰返し測定時などで重要となる再現性を重視し、微量成分を含めた試料の定性および定量解析が可能となる。
(手順3) 補正波長を複数選択し最小ピークのS/N比の再現性を重視して補正処理を実行する検出器出力値変動補正手段について示す。
例えば図4、図5、図6に示す分析結果が得られた場合、図4の測定波長λ1の検出器出力値変動補正に図5の波長λ2の信号を使用すると、λ2のドリフト等の特性により、図7に示す様に検出器出力値変動補正に用いた補正波長の特性の影響を受けた結果となる。このような適切ではない補正を回避するために、補正波長にλ2とλ3の信号強度の平均値を使用することで個別の波長に起因するドリフト等の影響を低減し、図8に示す適切な検出器出力値変動補正後の結果を得ることが可能となる。
この手順は前記補正対象ピーク決定フローに従い補正対象ピークを決定後(F4b)、抽出した補正波長候補(F5b)から、複数のピークの無い補正波長を選択し(F5c)、前記選択した複数の補正波長の平均値を用いて検出器出力値変動補正を行う(F6)。
また、補正波長は選択せずにピークの無い全波長の平均値を用いて検出器出力値変動補正を行うことも可能である。
この手順は、最小ピークのS/N比再現性が最良となると共に波長依存性を軽減した検出器出力値変動補正を行うことになり、微量成分を含めた試料の定性および定量解析が可能となる。
前記平均値の算出には単純平均または、重みづけ平均のどちらかを選択する。
(手順4)検出器出力値変動補正手段として、試料由来の検出ピーク毎に補正波長を選択し、前記試料由来の検出ピークそれぞれのS/N比が最大となる検出器出力値変動補正処理を実施する。
前記補正対象ピーク決定フローに従い補正対象ピークを決定後(F4b)、前記補正対象ピークを含めた試料由来の各検出ピークの補正候補波長を抽出し(F5b)、前記試料由来の各検出ピークに対して検出器出力値変動補正処理後のS/N比が最大となる補正波長を選択し(F5c)、検出器出力値変動補正を実行する(F6)。
この手段では、検出器出力値変動補正前に最小ピークを認めているため、他の試料由来ピーク補正の過程において最小ピークが補正処理に埋もれてしまうことを防止でき、かつ最小ピークを含めた試料由来の検出ピークそれぞれに対して、最適な補正波長を用いて検出器出力値変動補正を行い、微量成分を含めた試料の定性および定量解析が可能となる。
(手順5)同一条件での繰り返し分析を実施した場合に、各検出ピークにおける補正後のS/N比の再現性が最良となる補正波長を選択し、検出器出力値変動補正処理を実行する。
前記補正対象ピーク決定フローに従い補正対象ピークを決定後(F4b)、前記補正対象ピークを含めた試料由来の各検出ピークのS/N比の再現性が最良となる補正波長を選択し(F5c)、前記各検出ピークに対して検出器出力値変動補正を実行する(F6)。
この手段を用いることにより、繰返し測定時の再現性を重視し、検出ピークそれぞれに対して適切な補正波長を用いて検出器出力値変動補正を行うことが可能となる。また、検出器出力値変動補正前に最小ピークを認めているため、他の試料由来ピーク補正の過程において最小ピークが補正処理に埋もれてしまうことを防止でき、かつ最小ピークを含めた試料由来の検出ピークそれぞれに対して、最適な補正波長を用いて検出器出力値変動補正を行うので、微小成分を含めた試料の再現性の良い定性および定量解析が可能となる。
(手順6)液体クロマトグラフィー測定に使用する移動相(物質)は、それぞれ吸収ピークが現れる波長が決まっているため、各波長における移動相起因ピークのデータベースを作成することが可能である。測定に用いる移動相が決まれば前記データベースから検出器出力値変動補正に用いることができる波長を選択することができる。
液体クロマトグラフィーのグラジエント溶離法では2種類の移動相をポンプで流量比率を変えながら送液するが、移動相の物性値である吸光度等がグラジエントによる混合リップルの影響を受ける。具体的には、例えば測定波長に吸収がある移動相と吸収が無い移動相を使用した場合、移動相の混合状態により吸収がある領域と吸収がない領域が周期的に発生し、検出器出力値変動となる。
以下図を参照して検出器出力値変動補正について示す。
図9は移動相の吸収スペクトルであり、データベースに登録されている一例である。移動相混合による周期的な検出器出力値変動の大きさは、図9に示す移動相の吸収波長の信号強度に比例する。検出器出力値変動補正に用いる補正波長は、前記移動相の吸収波長の信号強度が試料由来ピークの測定波長の信号強度とほぼ等しい波長、あるいは前記移動相の吸収波長の信号強度が前記試料由来ピークの測定波長の信号強度とほぼ等しい波長がない場合は試料由来ピークの信号強度により近い波長を補正波長として選択する。前記選択した補正波長を使用して、前記補正対象ピーク決定フローに従い決定した補正対象ピーク(F4b)を含めて、試料由来ピークの検出器出力値変動補正を行う。前記補正波長は、前記試料由来ピークのそれぞれに対して選択するので、試料由来ピークが微小であっても検出器出力値変動補正により埋もれることがない。
この手段は、検出器出力値変動補正前に最小ピークを認めているため、他の試料由来ピーク補正の過程において最小ピークが補正処理に埋もれてしまうことを防止し、かつ試料由来ピークの各測定波長に対して使用する移動相の吸収スペクトルを元にした適切な補正波長を選択して検出器出力値変動補正を行うので、微小成分を含めた試料の定性および定量解析が可能となる。
本発明の検出器出力値変動補正処理は、実施例に限らず、手段1を初期値(標準)とし、解析の目的に応じてそのほかの手段の1つまたは複数の組合せを選択して行っても良い。
1 移動相容器
2 ポンプ
3 オートサンプラ
4 カラム
5 カラムオーブン
6 検出器
7 演算処理部
8 データ保持部
9 表示部
100 液体クロマトグラフ

Claims (9)

  1. ポンプ、オートサンプラ、カラムオーブン、検出器等に対する液体クロマトグラフを使用する際に設定する分析条件を解析目的に応じてあらかじめ登録されているレシピから選択する工程と、
    前記工程で選択した分析条件に従い分析を開始し、前記検出器にて試料の吸光度または蛍光量等を測定し、時間に対する吸光度や蛍光量等の前記検出器の信号強度を分析結果として記録及び表示する工程と、
    取得したクロマトグラムからピーク有無の判断を行う工程と、
    認識されたピークにおいて最も微小な前記分析結果の信号強度のピークを補正対象ピークとして決定する工程と、
    前記補正対象ピークに対する補正候補波長を決定する工程と、
    予め登録してある手段から選択した補正手段に基づき前記検出器出力値変動を補正処理する工程と、
    前記補正処理後、分析条件と補正条件と補正後の前記吸光度及び前記蛍光量等の結果を表示および出力する工程と、
    を備えることを特徴とする液体クロマトグラフの検出器出力値補正手段。
  2. 請求項1に記載の液体クロマトグラフの検出器出力値補正手段において、前記検出器出力値補正手段は前記補正対象ピークの検出器出力信号と前記補正波長における検出器出力信号の比(以下S/N比)が最大となる補正波長を1波長選択し、前記補正対象ピークの検出器出力信号を補正する検出器出力値補正手段。
  3. 請求項1に記載の液体クロマトグラフの検出器出力値補正手段において、前記検出器出力値補正手段はS/N比の再現性が最良となる補正波長を1波長選択し、前記補正対象ピークの検出器出力信号を補正する検出器出力値補正手段。
  4. 請求項1に記載の液体クロマトグラフの検出器出力値補正手段において、前記検出器出力値補正手段はS/N比の再現性が最良となる複数の補正波長を選択し、前記選択した複数の波長における前記検出器出力値の平均値を使用して、前記補正対象ピークの検出器出力信号を補正する検出器出力値補正手段。
  5. 請求項1に記載の液体クロマトグラフの検出器出力値補正手段において、前記検出器出力値補正手段は各測定対象成分の前記補正対象ピークのS/N比が最大となるようにそれぞれ補正波長を選択し、前記各補正対象ピークの検出器出力信号を補正する検出器出力値補正手段。
  6. 請求項1に記載の液体クロマトグラフの検出器出力値補正手段において、前記検出器出力値補正手段は各測定対象成分の補正対象ピークのS/N比の再現性が最良となる複数の補正波長を選択し、前記選択した複数の波長における前記検出器出力値の平均値を使用して、前記補正対象ピークの検出器出力信号を補正する検出器出力値補正手段。
  7. 請求項1に記載の液体クロマトグラフの検出器出力値補正手段において、前記検出器出力値補正手段は、液体クロマトグラフィーで使用する移動相の吸収波長をデータベースとして予め登録しておき、前記移動相を選択することにより、前記データベースから補正候補波長が選択され、前記選択された補正波長を用いて、前記補正対象ピークの検出器出力信号を補正する検出器出力値補正手段。
  8. 移動相を送液するポンプと、
    試料を注入するオートサンプラと、
    成分を分離するカラムを恒温化するカラムオーブンと、
    分離された成分を検出する検出器と、
    保存されている分析条件から測定時のレシピを選択し、登録されている検出器出力値補正処理手段を選択し、分析結果を解析する演算処理部と、
    分析結果および解析結果を保存するデータ保持部と
    前記分析条件、前記分析結果および前記解析結果を表示する表示部と、
    を備え、
    上記演算処理部は、分析条件を解析目的に応じてあらかじめ登録されているレシピから選択し、前記選択した分析条件に従い分析を行い、試料の吸光度または蛍光量等を時間に対する吸光度や蛍光量等の検出器の信号強度を分析結果として、取得したクロマトグラムからピーク有無の判断を行い、前記試料の吸光度や蛍光量等の検出器の信号強度から認識されたピークにおいて最小ピークを補正対象ピークとして決定し、前記補正対象ピークに対する補正候補波長を選択し、予め登録されている検出器出力値補正手段を選択し、前記選択した検出器出力値補正手段に基づき補正処理を実施する、
    ことを特長とする液体クロマトグラフ。
  9. 移動相を送液するポンプと、
    試料を注入するオートサンプラと、
    成分を分離するカラムを恒温化するカラムオーブンと、
    分離された成分を検出する検出器と、
    保存されている分析条件から測定時のレシピを選択し、登録されている検出器出力値補正処理手段を選択し、分析結果を解析する演算処理部と、
    分析結果および解析結果を保存するデータ保持部と
    前記分析条件、前記分析結果および前記解析結果を表示する表示部と、
    を備え、
    上記演算処理部は、分析条件を解析目的に応じてあらかじめ登録されているレシピから選択し、前記選択した分析条件に従い分析を行い、試料の吸光度または蛍光量等を時間に対する吸光度や蛍光量等の検出器の信号強度を分析結果として、取得したクロマトグラムからピーク有無の判断を行い、前記試料の吸光度や蛍光量等の検出器の信号強度から認識されたピークにおいて複数のピークを補正対象ピークとして決定し、前記補正対象ピークに対する補正候補波長を複数選択し、予め登録されている検出器出力値補正手段を選択し、前記選択した検出器出力値補正手段に基づき補正処理を実施する、
    ことを特長とする液体クロマトグラフ。
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