JPH07218491A - クロマトグラフ用検出装置 - Google Patents
クロマトグラフ用検出装置Info
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- JPH07218491A JPH07218491A JP6029043A JP2904394A JPH07218491A JP H07218491 A JPH07218491 A JP H07218491A JP 6029043 A JP6029043 A JP 6029043A JP 2904394 A JP2904394 A JP 2904394A JP H07218491 A JPH07218491 A JP H07218491A
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- G01N30/86—Signal analysis
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- G01N30/02—Column chromatography
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 クロマトグラムピークに不純物が含まれてい
るか否かの客観的判定のための明確な基準を設け、ま
た、その範囲をも明確に示す。 【構成】 カラムより溶出するサンプルの吸光度スペク
トルを各時点において検出し、各波長における吸光度デ
ータ、目的成分の基準吸光度スペクトルのデータ、ベー
スラインにおける吸光度スペクトルのデータに基づき、
各時点での類似度r及び判定基準値tを算出する。そし
て、類似度rと判定基準値tとをグラフ化して表示す
る。
るか否かの客観的判定のための明確な基準を設け、ま
た、その範囲をも明確に示す。 【構成】 カラムより溶出するサンプルの吸光度スペク
トルを各時点において検出し、各波長における吸光度デ
ータ、目的成分の基準吸光度スペクトルのデータ、ベー
スラインにおける吸光度スペクトルのデータに基づき、
各時点での類似度r及び判定基準値tを算出する。そし
て、類似度rと判定基準値tとをグラフ化して表示す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速液体クロマトグラ
フ装置(HPLC)等のクロマトグラフ装置に関し、特
に、各時点においてカラムより溶出するサンプルの吸光
度スペクトルを検出する装置に関する。
フ装置(HPLC)等のクロマトグラフ装置に関し、特
に、各時点においてカラムより溶出するサンプルの吸光
度スペクトルを検出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】クロマトグラフの検出装置で得られるク
ロマトグラムの1つのピークに2つ以上の成分のピーク
が重なっている場合、それを検出するために、従来、比
クロマトグラム法が用いられていた。これは各時点でカ
ラムから溶出する移動相の吸光度スペクトルを逐次検出
し、所定の2波長λ1、λ2における吸光度A(λ1)、
A(λ2)及びバックグラウンド値AB(λ1)、AB(λ
2)より、 P={A(λ1)−AB(λ1)}/{|A(λ1)−AB(λ1)|2 +|A(λ2)−AB(λ2)|2}1/2 …(1) として算出される値Pを指標として用いるものである。
ロマトグラムの1つのピークに2つ以上の成分のピーク
が重なっている場合、それを検出するために、従来、比
クロマトグラム法が用いられていた。これは各時点でカ
ラムから溶出する移動相の吸光度スペクトルを逐次検出
し、所定の2波長λ1、λ2における吸光度A(λ1)、
A(λ2)及びバックグラウンド値AB(λ1)、AB(λ
2)より、 P={A(λ1)−AB(λ1)}/{|A(λ1)−AB(λ1)|2 +|A(λ2)−AB(λ2)|2}1/2 …(1) として算出される値Pを指標として用いるものである。
【0003】値Pは次のような意味を持つ。 A(λ1)−AB(λ1)=a1 A(λ2)−AB(λ2)=a2 とし、(a1,a2)を成分とするベクトルaaを考える。
上記式(1)はこのベクトルを用いると、 P=a1/|aa| と表わされる。すなわち値Pは、図7に示すように、ベ
クトルaaとベクトル(a1,0)との間の角θの余弦(c
osθ)である。
上記式(1)はこのベクトルを用いると、 P=a1/|aa| と表わされる。すなわち値Pは、図7に示すように、ベ
クトルaaとベクトル(a1,0)との間の角θの余弦(c
osθ)である。
【0004】まず、移動相のみが溶出しているときは、
検出値はバックグラウンドのみであるため、A(λ1)
=AB(λ1)、A(λ2)=AB(λ2)となり、a1=a
2=0となる。すなわち、ベクトルaaはゼロベクトルと
なる。次に、図8(a)の左側に示されるように溶出ピ
ークが単一成分のみから成るときは、a1とa2の比は
一定であるため、ベクトルaaは向き(角θ)が一定で、
その長さだけが変化する。従って、ベクトルaaは図7の
P1で示される範囲内で移動し、値P(=cosθ)は図8
(b)左側に示されるように一定である。しかし、図8
(a)の右側に示されるように溶出ピークが単一成分で
ない場合は、両波長λ1、λ2における吸光度の比が時間
的に変化するため、ベクトルaaは角度、長さとも変化す
る。従って、ベクトルaaは図7のP2で示されるような
軌跡を移動し、値Pも図8(b)右側に示されるように
時間的に変化する。
検出値はバックグラウンドのみであるため、A(λ1)
=AB(λ1)、A(λ2)=AB(λ2)となり、a1=a
2=0となる。すなわち、ベクトルaaはゼロベクトルと
なる。次に、図8(a)の左側に示されるように溶出ピ
ークが単一成分のみから成るときは、a1とa2の比は
一定であるため、ベクトルaaは向き(角θ)が一定で、
その長さだけが変化する。従って、ベクトルaaは図7の
P1で示される範囲内で移動し、値P(=cosθ)は図8
(b)左側に示されるように一定である。しかし、図8
(a)の右側に示されるように溶出ピークが単一成分で
ない場合は、両波長λ1、λ2における吸光度の比が時間
的に変化するため、ベクトルaaは角度、長さとも変化す
る。従って、ベクトルaaは図7のP2で示されるような
軌跡を移動し、値Pも図8(b)右側に示されるように
時間的に変化する。
【0005】このように、比クロマトグラム法では、値
Pが時間的に変化するか否かにより、溶出ピークが単一
成分ピークであるか否かを判断する。
Pが時間的に変化するか否かにより、溶出ピークが単一
成分ピークであるか否かを判断する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の比クロマト
グラム法では、次のような欠点がある。 (i) 値Pを算出する上記式(1)において、各波長の吸
光度A(λ1)、A(λ2)は、バックグラウンド値AB
(λ1)、AB(λ2)を差し引いた値で計算されてい
る。一般に、測定された吸光度値には時間的なゆらぎ
(ノイズ成分)が含まれるため、実際上、上記値Rが完
全に一定となることはない。このため、従来の比クロマ
トグラム法では、測定者が装置に応じて経験によりR値
の変動の許容限度を定め、その許容限度内の変動はノイ
ズによるものであると判断していた。
グラム法では、次のような欠点がある。 (i) 値Pを算出する上記式(1)において、各波長の吸
光度A(λ1)、A(λ2)は、バックグラウンド値AB
(λ1)、AB(λ2)を差し引いた値で計算されてい
る。一般に、測定された吸光度値には時間的なゆらぎ
(ノイズ成分)が含まれるため、実際上、上記値Rが完
全に一定となることはない。このため、従来の比クロマ
トグラム法では、測定者が装置に応じて経験によりR値
の変動の許容限度を定め、その許容限度内の変動はノイ
ズによるものであると判断していた。
【0007】(ii) クロマトグラフ装置では、或る分析
目的成分のピークにおいて、不純物成分の割合が何%に
なるとそれを検出することができるか、という検出限界
を予め明らかにしておく必要がある。上記従来の比クロ
マトグラム法では、上記理由(i)により、客観的に明確
な検出限界を定めておくことが困難であるため、この不
純物検出限界を予め明確にしておくことができなかっ
た。
目的成分のピークにおいて、不純物成分の割合が何%に
なるとそれを検出することができるか、という検出限界
を予め明らかにしておく必要がある。上記従来の比クロ
マトグラム法では、上記理由(i)により、客観的に明確
な検出限界を定めておくことが困難であるため、この不
純物検出限界を予め明確にしておくことができなかっ
た。
【0008】(iii) 或るピークに不純物が混入している
場合、その範囲(時間的範囲)が明確になると、ピーク
のその部分のみを避けて分取することができたり、或い
は、完全分離するための条件の変更のための指針を与え
ることができる。従来の方法では、そのような範囲を明
らかにすることができなかった。
場合、その範囲(時間的範囲)が明確になると、ピーク
のその部分のみを避けて分取することができたり、或い
は、完全分離するための条件の変更のための指針を与え
ることができる。従来の方法では、そのような範囲を明
らかにすることができなかった。
【0009】本発明はこれらの課題を解決するために成
されたものであり、その目的とするところは、クロマト
グラムピークに不純物が含まれているか否かの客観的判
定のための明確な基準を設け、また、その範囲をも明確
に示すことのできるクロマトグラフ用検出装置を提供す
ることにある。
されたものであり、その目的とするところは、クロマト
グラムピークに不純物が含まれているか否かの客観的判
定のための明確な基準を設け、また、その範囲をも明確
に示すことのできるクロマトグラフ用検出装置を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明に係るクロマトグラフ用検出装置は、 a)カラムより溶出するサンプルの吸光度スペクトルを各
時点において検出するスペクトル検出手段と、 b)各時点において検出された吸光度スペクトルの各波長
における吸光度のデータ、及び、目的成分の基準吸光度
スペクトルの各波長における吸光度のデータに基づき、
各時点での検出吸光度スペクトルと基準吸光度スペクト
ルとの類似度rを算出する類似度算出手段と、 c)各時点において検出された吸光度スペクトルの各波長
における吸光度のデータ、目的成分の基準吸光度スペク
トルの各波長における吸光度のデータ、及び、ベースラ
インにおける吸光度スペクトルの吸光度のデータに基づ
き、各時点での判定基準値tを算出する基準値算出手段
と、 d)所定時間内の各時点における類似度rと判定基準値t
との大小を判定する判定手段とを備えることを特徴とし
ている。
に成された本発明に係るクロマトグラフ用検出装置は、 a)カラムより溶出するサンプルの吸光度スペクトルを各
時点において検出するスペクトル検出手段と、 b)各時点において検出された吸光度スペクトルの各波長
における吸光度のデータ、及び、目的成分の基準吸光度
スペクトルの各波長における吸光度のデータに基づき、
各時点での検出吸光度スペクトルと基準吸光度スペクト
ルとの類似度rを算出する類似度算出手段と、 c)各時点において検出された吸光度スペクトルの各波長
における吸光度のデータ、目的成分の基準吸光度スペク
トルの各波長における吸光度のデータ、及び、ベースラ
インにおける吸光度スペクトルの吸光度のデータに基づ
き、各時点での判定基準値tを算出する基準値算出手段
と、 d)所定時間内の各時点における類似度rと判定基準値t
との大小を判定する判定手段とを備えることを特徴とし
ている。
【0011】
【作用】スペクトル検出手段は、カラムから溶出するサ
ンプル(移動相+試料)の吸光度スペクトルを各時点毎
に検出する。こうして検出されたデータには、図3に示
すように、各時点Tでのスペクトルに現われる波長ピー
クと、或る波長λにおける吸光度を時系列的に並べた場
合に現われる溶出ピークとが存在する。類似度算出手段
は、各時点において検出された吸光度スペクトルの各波
長における吸光度のデータ、及び、目的成分の基準吸光
度スペクトルの各波長における吸光度のデータに基づ
き、各時点での検出吸光度スペクトルと基準吸光度スペ
クトルとの類似度rを算出する。目的成分の基準吸光度
スペクトルとしては、目的成分の標準試料について別途
検出しておいてもよいし、溶出ピーク頂点における吸光
度スペクトルを採用してもよい。
ンプル(移動相+試料)の吸光度スペクトルを各時点毎
に検出する。こうして検出されたデータには、図3に示
すように、各時点Tでのスペクトルに現われる波長ピー
クと、或る波長λにおける吸光度を時系列的に並べた場
合に現われる溶出ピークとが存在する。類似度算出手段
は、各時点において検出された吸光度スペクトルの各波
長における吸光度のデータ、及び、目的成分の基準吸光
度スペクトルの各波長における吸光度のデータに基づ
き、各時点での検出吸光度スペクトルと基準吸光度スペ
クトルとの類似度rを算出する。目的成分の基準吸光度
スペクトルとしては、目的成分の標準試料について別途
検出しておいてもよいし、溶出ピーク頂点における吸光
度スペクトルを採用してもよい。
【0012】基準値算出手段は、各時点において検出さ
れた吸光度スペクトルの各波長における吸光度のデー
タ、目的成分の基準吸光度スペクトルの各波長における
吸光度のデータ、及び、ベースラインにおける吸光度ス
ペクトルの吸光度のデータに基づき、各時点での判定基
準値tを算出する。判定手段は、所定時間内の各時点に
おける類似度rと判定基準値tとの大小を判定する。こ
こにおける所定時間は、全測定時間としてもよいが、溶
出ピークの部分の時間とすることが望ましい。従って、
類似度r及び判定基準値tの算出も、全測定データにつ
いて行なうのではなく、溶出ピークの部分のみについて
行なうのが効率的である。
れた吸光度スペクトルの各波長における吸光度のデー
タ、目的成分の基準吸光度スペクトルの各波長における
吸光度のデータ、及び、ベースラインにおける吸光度ス
ペクトルの吸光度のデータに基づき、各時点での判定基
準値tを算出する。判定手段は、所定時間内の各時点に
おける類似度rと判定基準値tとの大小を判定する。こ
こにおける所定時間は、全測定時間としてもよいが、溶
出ピークの部分の時間とすることが望ましい。従って、
類似度r及び判定基準値tの算出も、全測定データにつ
いて行なうのではなく、溶出ピークの部分のみについて
行なうのが効率的である。
【0013】
【実施例】本発明の一実施例である高速液体クロマトグ
ラフ装置(HPLC)用の検出装置を図1〜図6により
説明する。本実施例の検出装置は図2に示すように、高
速液体クロマトグラフ装置のカラムから溶出した液(サ
ンプル)を通過させるフローセル13を挟んで設けられ
る分光光学系と、分光光学系により分光されたサンプル
透過光のスペクトルを検出し、解析を行なう解析部とか
ら構成される。分光光学系においては、光源11で生成
された白色光が反射鏡(凹面鏡)12によりフローセル
13に照射される。白色光はフローセル13において、
サンプルに含まれる成分に特有の波長で吸収を受ける。
フローセル13を通過した光は反射鏡(凹面鏡)14を
介してグレーティング15に照射され、そこで分光され
る。分光された光は更に反射鏡(凹面鏡)16により反
射され、フォトダイオードアレイ検出器17により波長
毎の強度が検出される。なお、本発明においては、サン
プルを通過した光のスペクトルが得られる限り、分光光
学系の構成はどのようなものであっても構わない。例え
ば、分光素子としてプリズムを用いてもよいし、高速の
走査型分光検出器を用いてもよい。
ラフ装置(HPLC)用の検出装置を図1〜図6により
説明する。本実施例の検出装置は図2に示すように、高
速液体クロマトグラフ装置のカラムから溶出した液(サ
ンプル)を通過させるフローセル13を挟んで設けられ
る分光光学系と、分光光学系により分光されたサンプル
透過光のスペクトルを検出し、解析を行なう解析部とか
ら構成される。分光光学系においては、光源11で生成
された白色光が反射鏡(凹面鏡)12によりフローセル
13に照射される。白色光はフローセル13において、
サンプルに含まれる成分に特有の波長で吸収を受ける。
フローセル13を通過した光は反射鏡(凹面鏡)14を
介してグレーティング15に照射され、そこで分光され
る。分光された光は更に反射鏡(凹面鏡)16により反
射され、フォトダイオードアレイ検出器17により波長
毎の強度が検出される。なお、本発明においては、サン
プルを通過した光のスペクトルが得られる限り、分光光
学系の構成はどのようなものであっても構わない。例え
ば、分光素子としてプリズムを用いてもよいし、高速の
走査型分光検出器を用いてもよい。
【0014】フォトダイオードアレイ検出器17で得ら
れたフォトダイオード毎の検出信号は、解析部のアンプ
18を経てA/Dコンバータ19に送られ、そこで波長
毎の強度データに変換される。こうして得られたスペク
トルデータはパソコン21に送られ、そこで吸光度スペ
クトルデータに変換された後、後述のデータ解析が行な
われる。
れたフォトダイオード毎の検出信号は、解析部のアンプ
18を経てA/Dコンバータ19に送られ、そこで波長
毎の強度データに変換される。こうして得られたスペク
トルデータはパソコン21に送られ、そこで吸光度スペ
クトルデータに変換された後、後述のデータ解析が行な
われる。
【0015】本実施例の解析装置におけるデータ採取及
び解析の手順を図5(a)及び(b)のフローチャート
に従って説明する。まず、図5(a)に示すように、高
速液体クロマトグラフ装置の注入器(インジェクタ)に
おいて試料が注入された後、各成分の保持時間を挟んだ
所定の期間内でA/Dコンバータ19を動作させ、その
期間内の各時点Tの吸光度スペクトルのデータを採取す
る(ステップS1)。採取されるデータは図3に示すよ
うなものとなっている。各時点で採取した吸光度スペク
トルのデータは、パソコン21のメモリ(RAM)又は
外部記憶装置(ハードディスク等)に記録しておく(ス
テップS2)。
び解析の手順を図5(a)及び(b)のフローチャート
に従って説明する。まず、図5(a)に示すように、高
速液体クロマトグラフ装置の注入器(インジェクタ)に
おいて試料が注入された後、各成分の保持時間を挟んだ
所定の期間内でA/Dコンバータ19を動作させ、その
期間内の各時点Tの吸光度スペクトルのデータを採取す
る(ステップS1)。採取されるデータは図3に示すよ
うなものとなっている。各時点で採取した吸光度スペク
トルのデータは、パソコン21のメモリ(RAM)又は
外部記憶装置(ハードディスク等)に記録しておく(ス
テップS2)。
【0016】上記所定の期間内の吸光度スペクトルデー
タの採取が終了した後、図5(b)のデータ解析処理を
行なう。まず、メモリ又は外部記憶装置から全ての吸光
度スペクトルデータを読み出し(ステップS11)、各
時点のスペクトルデータをベースライン部データとピー
ク部データに区分する(ステップS12)。ここで、ピ
ーク部データとは、ピークが現われる波長のデータを時
系列的に並べたときに現われる前記溶出ピークの部分の
データのことであり、ピーク部に含まれるか否かの基準
としては、クロマトグラムの解析において従来より用い
られているものを使用することができる。例えば、時間
−吸光度カーブの接線の傾きが所定値以上となった時点
をピーク部の開始時点とし、その後、接線の傾きが所定
値以下になった時点をピーク部の終了時点とする等であ
る。なお、ピーク部が複数となる場合もある。
タの採取が終了した後、図5(b)のデータ解析処理を
行なう。まず、メモリ又は外部記憶装置から全ての吸光
度スペクトルデータを読み出し(ステップS11)、各
時点のスペクトルデータをベースライン部データとピー
ク部データに区分する(ステップS12)。ここで、ピ
ーク部データとは、ピークが現われる波長のデータを時
系列的に並べたときに現われる前記溶出ピークの部分の
データのことであり、ピーク部に含まれるか否かの基準
としては、クロマトグラムの解析において従来より用い
られているものを使用することができる。例えば、時間
−吸光度カーブの接線の傾きが所定値以上となった時点
をピーク部の開始時点とし、その後、接線の傾きが所定
値以下になった時点をピーク部の終了時点とする等であ
る。なお、ピーク部が複数となる場合もある。
【0017】ベースライン部はピーク部以外の部分であ
るが、ピーク部の影響を更に排除するために、判定基準
となる接線の傾きをピーク部判定の際の基準値よりも小
さくする等の変更を行なってもよい。また、このように
試料の分析の際のデータを用いるのではなく、試料の分
析とは別の機会に移動相のみを流して採取したデータを
使用してもよい。データをベースライン部とピーク部に
分離した後、更に、各ピーク部の中で吸光度が最大とな
っている時点のデータをピークトップデータとして区別
しておく(ステップS12)。
るが、ピーク部の影響を更に排除するために、判定基準
となる接線の傾きをピーク部判定の際の基準値よりも小
さくする等の変更を行なってもよい。また、このように
試料の分析の際のデータを用いるのではなく、試料の分
析とは別の機会に移動相のみを流して採取したデータを
使用してもよい。データをベースライン部とピーク部に
分離した後、更に、各ピーク部の中で吸光度が最大とな
っている時点のデータをピークトップデータとして区別
しておく(ステップS12)。
【0018】ステップS12でデータを区分した後、ベ
ースライン部のデータより、ノイズレベルNを算出する
(ステップS13)。ベースライン部のデータは例えば
図4に示すようになっているが、これらのデータより、
標準偏差σを算出してノイズレベルNとする。なお、標
準偏差σではなく、3×σをノイズレベルNとしてもよ
い。また、図4に示す例は1つの時点のデータのみであ
るが、ノイズレベルの算出には、全ベースライン部のデ
ータを基礎とすることが望ましい。
ースライン部のデータより、ノイズレベルNを算出する
(ステップS13)。ベースライン部のデータは例えば
図4に示すようになっているが、これらのデータより、
標準偏差σを算出してノイズレベルNとする。なお、標
準偏差σではなく、3×σをノイズレベルNとしてもよ
い。また、図4に示す例は1つの時点のデータのみであ
るが、ノイズレベルの算出には、全ベースライン部のデ
ータを基礎とすることが望ましい。
【0019】次に、分析目的である成分のピーク部に属
する各時点のスペクトルデータをメモリ又は外部記憶装
置から順次読み出し、類似度r及び判定基準値tを算出
する(これら類似度r及び判定基準値tの意義及びその
算出方法については後述する)。すなわち、まず、この
成分のピーク部の開始時点T1のスペクトルデータを読
み出し、このスペクトルデータと、ステップS12でピ
ークトップと区分されたスペクトルデータより、両者の
類似度rを算出する(ステップS14)。次に、同時点
T1のスペクトルデータとピークトップスペクトルデー
タ、及び、ステップS13で算出されたノイズレベルN
より、判定基準値tを算出する(ステップS15)。
する各時点のスペクトルデータをメモリ又は外部記憶装
置から順次読み出し、類似度r及び判定基準値tを算出
する(これら類似度r及び判定基準値tの意義及びその
算出方法については後述する)。すなわち、まず、この
成分のピーク部の開始時点T1のスペクトルデータを読
み出し、このスペクトルデータと、ステップS12でピ
ークトップと区分されたスペクトルデータより、両者の
類似度rを算出する(ステップS14)。次に、同時点
T1のスペクトルデータとピークトップスペクトルデー
タ、及び、ステップS13で算出されたノイズレベルN
より、判定基準値tを算出する(ステップS15)。
【0020】類似度r及び判定基準値tの意義及び算出
方法は次の通りである(特開平1−161123号参
照)。まず、ノイズがないと仮定する。或る吸光度スペ
クトルにおいて、λ1,λ2,…,λnの各波長の吸光度デー
タがA1,A2,…,Anであったとすると、この吸光度スペ
クトルデータはn次元ベクトルA(A1,A2,…,An)に
より表わすことができる。2つの吸収スペクトルのパタ
ーンa、bが同じ試料から得られたものである場合、対
応するベクトルAa(Aa(λ1),Aa(λ2),…,Aa(λn))
及びAb(Ab(λ1),Ab(λ2),…,Ab(λn))の各対応要
素(吸光度データ)の比は等しいはずである(すなわ
ち、Aa(λ1)/Ab(λ1)=Aa(λ2)/Ab(λ2)=…=A
a(λn)/Ab(λn))ため、図6(a)に示すように、両
ベクトルAa及びAbはn次元空間で同じ方向を向いてい
ることになる。すなわち、両ベクトルAa及びAbの間の
角度をθとすると、今の場合、θ=0である。一方、2
つのスペクトルパターンa、bが異なる試料から得られ
たものである場合、対応するベクトルAa、Abの各対応
要素の比は必ずしも上記のように一定とはならず、図6
(b)に示すように、両ベクトルAa及びAbは異なる方
向を向き、θはゼロでない値をとる。
方法は次の通りである(特開平1−161123号参
照)。まず、ノイズがないと仮定する。或る吸光度スペ
クトルにおいて、λ1,λ2,…,λnの各波長の吸光度デー
タがA1,A2,…,Anであったとすると、この吸光度スペ
クトルデータはn次元ベクトルA(A1,A2,…,An)に
より表わすことができる。2つの吸収スペクトルのパタ
ーンa、bが同じ試料から得られたものである場合、対
応するベクトルAa(Aa(λ1),Aa(λ2),…,Aa(λn))
及びAb(Ab(λ1),Ab(λ2),…,Ab(λn))の各対応要
素(吸光度データ)の比は等しいはずである(すなわ
ち、Aa(λ1)/Ab(λ1)=Aa(λ2)/Ab(λ2)=…=A
a(λn)/Ab(λn))ため、図6(a)に示すように、両
ベクトルAa及びAbはn次元空間で同じ方向を向いてい
ることになる。すなわち、両ベクトルAa及びAbの間の
角度をθとすると、今の場合、θ=0である。一方、2
つのスペクトルパターンa、bが異なる試料から得られ
たものである場合、対応するベクトルAa、Abの各対応
要素の比は必ずしも上記のように一定とはならず、図6
(b)に示すように、両ベクトルAa及びAbは異なる方
向を向き、θはゼロでない値をとる。
【0021】従って、 r=cosθ=(Aa・Ab)/{|Aa|×|Ab|} …(2) という値(類似度)を考えると(ここで、(Aa・Ab)
はベクトルAa及びAbの内積を表わす)、類似度rは、
両ベクトルの方向が全く一致する場合には1となり、両
ベクトルの向きが近い場合(すなわち、θが小さい値で
ある場合)には1に近い値をとる。従って、2つのスペ
クトルパターンが得られたとき、それらが同一試料から
得られたものであるか否かは、類似度rが1に近いか否
かにより判定することができる。
はベクトルAa及びAbの内積を表わす)、類似度rは、
両ベクトルの方向が全く一致する場合には1となり、両
ベクトルの向きが近い場合(すなわち、θが小さい値で
ある場合)には1に近い値をとる。従って、2つのスペ
クトルパターンが得られたとき、それらが同一試料から
得られたものであるか否かは、類似度rが1に近いか否
かにより判定することができる。
【0022】しかし、実際にはスペクトルパターンの各
吸光度データには必ずノイズ成分が含まれるため、同一
試料から2つのスペクトルを採取したとしても、両ベク
トルの向きは完全には一致せず、類似度は1とはならな
い。そこで、或るノイズレベルを仮定したときに、類似
度rがどの程度まで1に近ければ、両スペクトルが同一
試料から採取したものであると判断できるかを次に考え
る。図6(c)に示すように、同一の試料から得られた
2つのスペクトルパターンa、bのベクトルAa、Ab
は、ノイズが無い場合は向きが一致する。しかし、各ベ
クトルの要素にノイズ成分(N1,N2,…,Nn)が重畳す
ると、ノイズを含めた測定スペクトルパターンのベクト
ルは(Aa(λ1)+N1,Aa(λ2)+N2,…,Aa(λn)+N
n)となる。従って、ノイズベクトルの最大値を|N|
と見積もっておくと、実際に測定されるスペクトルパタ
ーンのベクトルの先端は、ベクトルAa及びAbの先端か
らそれぞれ半径|N|のn次元球の範囲内に入る。すな
わち、逆に、測定された2つのスペクトルパターンのベ
クトルAa、Abの間の角度θが、原点からこれらの2つ
のn次元球の外側に引いた接線Aa'、Ab'の間の角度
(θ1+θ2)よりも大きいときは、両スペクトルパター
ンが同一の試料のものである可能性はないということに
なる。上記の通り、両スペクトルパターンの類似度rは
両者の間の角度θの余弦(cos)で表わしたため、類似
度rの判定基準値tもこの角度範囲(θ1+θ2)の余弦
で表わす。すなわち、判定基準値tは式 t=cos(θ1+θ2) =cosθ1×cosθ2 − sinθ1×sinθ2 =(|Aa|2−|N|2)1/2/|Aa|× (|Ab|2−|N|2)1/2/|Ab| − (|N|/|Aa|)×(|N|/|Ab|) …(3) により算出され、r<tのときは、2つのスペクトルパ
ターンが同一の試料から得られたものである可能性はな
いと言える。
吸光度データには必ずノイズ成分が含まれるため、同一
試料から2つのスペクトルを採取したとしても、両ベク
トルの向きは完全には一致せず、類似度は1とはならな
い。そこで、或るノイズレベルを仮定したときに、類似
度rがどの程度まで1に近ければ、両スペクトルが同一
試料から採取したものであると判断できるかを次に考え
る。図6(c)に示すように、同一の試料から得られた
2つのスペクトルパターンa、bのベクトルAa、Ab
は、ノイズが無い場合は向きが一致する。しかし、各ベ
クトルの要素にノイズ成分(N1,N2,…,Nn)が重畳す
ると、ノイズを含めた測定スペクトルパターンのベクト
ルは(Aa(λ1)+N1,Aa(λ2)+N2,…,Aa(λn)+N
n)となる。従って、ノイズベクトルの最大値を|N|
と見積もっておくと、実際に測定されるスペクトルパタ
ーンのベクトルの先端は、ベクトルAa及びAbの先端か
らそれぞれ半径|N|のn次元球の範囲内に入る。すな
わち、逆に、測定された2つのスペクトルパターンのベ
クトルAa、Abの間の角度θが、原点からこれらの2つ
のn次元球の外側に引いた接線Aa'、Ab'の間の角度
(θ1+θ2)よりも大きいときは、両スペクトルパター
ンが同一の試料のものである可能性はないということに
なる。上記の通り、両スペクトルパターンの類似度rは
両者の間の角度θの余弦(cos)で表わしたため、類似
度rの判定基準値tもこの角度範囲(θ1+θ2)の余弦
で表わす。すなわち、判定基準値tは式 t=cos(θ1+θ2) =cosθ1×cosθ2 − sinθ1×sinθ2 =(|Aa|2−|N|2)1/2/|Aa|× (|Ab|2−|N|2)1/2/|Ab| − (|N|/|Aa|)×(|N|/|Ab|) …(3) により算出され、r<tのときは、2つのスペクトルパ
ターンが同一の試料から得られたものである可能性はな
いと言える。
【0023】ステップS14及びS15では、ピーク部
の最初の時点T1のスペクトルデータについて、ピーク
トップスペクトルデータに対する類似度r及び判定基準
値tを上記式(2)及び(3)により算出する。そし
て、そのピーク部に含まれる全てのスペクトルデータに
ついて両値r及びtの算出が終了したか否かをチェック
し(ステップS16)、未だ済んでいない場合はステッ
プS14に戻って次の時刻T1+ΔTのスペクトルデー
タについてr及びtの算出を行なう。こうして、そのピ
ーク部に属する全てのスペクトルデータについてr及び
tの算出が終了した後、ステップS17に進み、類似度
rが判定基準値t以下となる時間範囲T3〜T4を求め
る。また、この範囲T3〜T4を含め、そのピーク部(T
1〜T2)の中の時間Tに対する類似度rと判定基準値t
の変化を図1に示すようなグラフにして、パソコン21
のディスプレイ22上に表示する(ステップS18)。
の最初の時点T1のスペクトルデータについて、ピーク
トップスペクトルデータに対する類似度r及び判定基準
値tを上記式(2)及び(3)により算出する。そし
て、そのピーク部に含まれる全てのスペクトルデータに
ついて両値r及びtの算出が終了したか否かをチェック
し(ステップS16)、未だ済んでいない場合はステッ
プS14に戻って次の時刻T1+ΔTのスペクトルデー
タについてr及びtの算出を行なう。こうして、そのピ
ーク部に属する全てのスペクトルデータについてr及び
tの算出が終了した後、ステップS17に進み、類似度
rが判定基準値t以下となる時間範囲T3〜T4を求め
る。また、この範囲T3〜T4を含め、そのピーク部(T
1〜T2)の中の時間Tに対する類似度rと判定基準値t
の変化を図1に示すようなグラフにして、パソコン21
のディスプレイ22上に表示する(ステップS18)。
【0024】以上のデータ解析の結果は次のように利用
することができる。まず、r<tとなる範囲T3〜T4内
では、実際のノイズの最大限を考慮しても、採取された
吸光度スペクトルパターンが目的成分のスペクトルパタ
ーン(ピークトップにおけるスペクトルパターン)と同
じである可能性はない(実際には、ノイズレベルの大き
さをσとしたときと3×σとしたときとでは、この判断
の確からしさは異なる)ということであるため、目的成
分を分取する際には、T3〜T4の区間は分画しないよう
に設定することにより、確実に目的成分のみを分取する
ことができる。
することができる。まず、r<tとなる範囲T3〜T4内
では、実際のノイズの最大限を考慮しても、採取された
吸光度スペクトルパターンが目的成分のスペクトルパタ
ーン(ピークトップにおけるスペクトルパターン)と同
じである可能性はない(実際には、ノイズレベルの大き
さをσとしたときと3×σとしたときとでは、この判断
の確からしさは異なる)ということであるため、目的成
分を分取する際には、T3〜T4の区間は分画しないよう
に設定することにより、確実に目的成分のみを分取する
ことができる。
【0025】また、この結果は、目的成分に近い保持時
間を有する不純物成分が試料に混入した場合、どの程度
の量の不純物成分まで識別することができるかというク
ロマトグラフ装置の検出限界の決定にも用いることがで
きる。すなわち、純粋な目的成分のみの試料について図
1のようなグラフを作成すると、ピーク部の全ての範囲
(T1〜T2)において類似度rは判定基準値tを上回る
が、目的成分の試料に混入させる不純物成分の量を徐々
に増加してゆくと、不純物量が或る値c1になったとこ
ろでr<tとなる範囲(T3〜T4)が現われる。この不
純物量c1を、そのクロマトグラフ装置の未分離ピーク
検出限界とすることができる。
間を有する不純物成分が試料に混入した場合、どの程度
の量の不純物成分まで識別することができるかというク
ロマトグラフ装置の検出限界の決定にも用いることがで
きる。すなわち、純粋な目的成分のみの試料について図
1のようなグラフを作成すると、ピーク部の全ての範囲
(T1〜T2)において類似度rは判定基準値tを上回る
が、目的成分の試料に混入させる不純物成分の量を徐々
に増加してゆくと、不純物量が或る値c1になったとこ
ろでr<tとなる範囲(T3〜T4)が現われる。この不
純物量c1を、そのクロマトグラフ装置の未分離ピーク
検出限界とすることができる。
【0026】以上説明した通り、本実施例の検出装置で
はノイズの最大値|N|としてベースライン部のデータ
を基に算出するため(ステップS13)、オペレータの
経験等に頼ることがなく、客観的な類否判定を行なうこ
とができる。なお、上記例では基準スペクトルとして溶
出ピークのピークトップにおけるスペクトルを採用した
が、別途目的成分の標準試料により基準スペクトルデー
タを採取しておいてもよい。
はノイズの最大値|N|としてベースライン部のデータ
を基に算出するため(ステップS13)、オペレータの
経験等に頼ることがなく、客観的な類否判定を行なうこ
とができる。なお、上記例では基準スペクトルとして溶
出ピークのピークトップにおけるスペクトルを採用した
が、別途目的成分の標準試料により基準スペクトルデー
タを採取しておいてもよい。
【0027】
【発明の効果】本発明に係るクロマトグラフ用検出装置
では、基準値算出手段が検出データのみから判定基準値
を算出するため、溶出ピークに不純物が含まれているか
否かを客観的に判定することができ、クロマトグラフ装
置の検出限界を明確に定めることができる。また、判定
手段が類似度rと判定基準値tとの大小を各時点毎に判
定するため、溶出ピークの中のいずれの部分に不純物が
混入しているか(混入範囲)を明らかにすることができ
る。従って、その部分を除いて分画することにより、よ
り確実に目的成分のみを分取することができる。
では、基準値算出手段が検出データのみから判定基準値
を算出するため、溶出ピークに不純物が含まれているか
否かを客観的に判定することができ、クロマトグラフ装
置の検出限界を明確に定めることができる。また、判定
手段が類似度rと判定基準値tとの大小を各時点毎に判
定するため、溶出ピークの中のいずれの部分に不純物が
混入しているか(混入範囲)を明らかにすることができ
る。従って、その部分を除いて分画することにより、よ
り確実に目的成分のみを分取することができる。
【図1】 本発明の実施例のクロマトグラフ用検出装置
で得られるグラフ。
で得られるグラフ。
【図2】 本発明の一実施例である高速液体クロマトグ
ラフ装置用検出装置の概略構成図。
ラフ装置用検出装置の概略構成図。
【図3】 実施例の検出装置で得られるデータの説明
図。
図。
【図4】 得られたデータのうち、ノイズの部分を表わ
す説明図。
す説明図。
【図5】 実施例の検出装置で行なわれる処理のフロー
チャート。
チャート。
【図6】 類似度rと判定基準値tの意義を説明するた
めの説明図。
めの説明図。
【図7】 比クロマトグラム法の意義を説明するための
説明図。
説明図。
【図8】 比クロマトグラム法により得られるR値を説
明するための説明図。
明するための説明図。
11…光源 12、14、16…凹
面反射鏡 13…フローセル 15…グレーティング 17…フォトダイオードアレイ検出器 18…アンプ 19…A/Dコンバー
タ 21…パソコン 22…ディスプレイ
面反射鏡 13…フローセル 15…グレーティング 17…フォトダイオードアレイ検出器 18…アンプ 19…A/Dコンバー
タ 21…パソコン 22…ディスプレイ
Claims (1)
- 【請求項1】 a)カラムより溶出するサンプルの吸光度
スペクトルを各時点において検出するスペクトル検出手
段と、 b)各時点において検出された吸光度スペクトルの各波長
における吸光度のデータ、及び、目的成分の基準吸光度
スペクトルの各波長における吸光度のデータに基づき、
各時点での検出吸光度スペクトルと基準吸光度スペクト
ルとの類似度rを算出する類似度算出手段と、 c)各時点において検出された吸光度スペクトルの各波長
における吸光度のデータ、目的成分の基準吸光度スペク
トルの各波長における吸光度のデータ、及び、ベースラ
インにおける吸光度スペクトルの吸光度のデータに基づ
き、各時点での判定基準値tを算出する基準値算出手段
と、 d)所定時間内の各時点における類似度rと判定基準値t
との大小を判定する判定手段とを備えることを特徴とす
るクロマトグラフ用検出装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6029043A JPH07218491A (ja) | 1994-01-31 | 1994-01-31 | クロマトグラフ用検出装置 |
US08/373,573 US5596135A (en) | 1994-01-31 | 1995-01-13 | Apparatus for and method of determining purity of a peak of a peak of a chromatogram |
DE19503006A DE19503006A1 (de) | 1994-01-31 | 1995-01-31 | Gerät und Verfahren zur Beurteilung der Reinheit eines Peaks eines Chromatogramms |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6029043A JPH07218491A (ja) | 1994-01-31 | 1994-01-31 | クロマトグラフ用検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07218491A true JPH07218491A (ja) | 1995-08-18 |
Family
ID=12265372
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6029043A Pending JPH07218491A (ja) | 1994-01-31 | 1994-01-31 | クロマトグラフ用検出装置 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5596135A (ja) |
JP (1) | JPH07218491A (ja) |
DE (1) | DE19503006A1 (ja) |
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JP2002286704A (ja) * | 2001-03-28 | 2002-10-03 | Shimadzu Corp | クロマトグラフ用データ処理装置 |
WO2015056311A1 (ja) * | 2013-10-16 | 2015-04-23 | 株式会社島津製作所 | クロマトグラムデータ処理装置 |
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US11209406B2 (en) | 2016-05-02 | 2021-12-28 | Shimadzu Corporation | Data processing device |
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DE19727879A1 (de) * | 1997-06-30 | 1999-02-04 | Gsf Forschungszentrum Umwelt | Verfahren zur Bestimmung der Anzahl von Komponenten in Peaks, Banden und Signalen von Chromatogrammen, Elektrogrammen und Spektrogrammen aller Art |
US6629039B1 (en) * | 2000-04-27 | 2003-09-30 | Perkinelmer Instruments Llc | Method and apparatus for impurity detection |
US6694265B2 (en) * | 2000-09-08 | 2004-02-17 | Waters Investments Limited | Method and apparatus for determining the boundaries of a detector response profile and for controlling processes |
WO2012129535A1 (en) * | 2011-03-24 | 2012-09-27 | Indigo Biosystems, Inc. | Syntactical system and method for chromatographic peak identification |
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1994
- 1994-01-31 JP JP6029043A patent/JPH07218491A/ja active Pending
-
1995
- 1995-01-13 US US08/373,573 patent/US5596135A/en not_active Expired - Lifetime
- 1995-01-31 DE DE19503006A patent/DE19503006A1/de not_active Withdrawn
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Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5596135A (en) | 1997-01-21 |
DE19503006A1 (de) | 1995-08-17 |
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