JPWO2012173253A1 - 二次電池用非水電解液および二次電池 - Google Patents

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Abstract

優れた充放電特性を有する二次電池用非水電解液、および該二次電池用非水電解液を用いた二次電池の提供を目的とする。リチウム塩と、特定の含フッ素エーテル溶媒と、モノグライム等の特定の非フッ素系エーテル化合物と、ビニルエチレンカーボネート等の特定のビニル基を有する環状カーボネート化合物とを含有する二次電池用非水電解液。また、リチウムイオンを吸蔵および放出できる材料を活物質とする正極と、リチウムイオンを吸蔵および放出できる炭素材料を活物質とする負極と、セパレータと、前記二次電池用非水電解液と、を有する二次電池。

Description

本発明は、二次電池用非水電解液および二次電池に関する。
二次電池用の非水電解液の溶媒としては、一般的にリチウム塩を良好に溶解することで高いリチウムイオン伝導度を発現し、また広い電位窓を持つという点から、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート等のカーボネート系溶媒が広く用いられてきた。しかし、カーボネート系溶媒は可燃性であり、電池の発熱等により発火するおそれがある。
非水電解液の性能を落とさずに不燃性(難燃性)を高める方法としては、フッ素系溶媒を添加することが提案されている(特許文献1参照)。
しかし、フッ素系溶媒は、リチウム塩の溶解能が低く、レート特性が悪くなる傾向にある。
電解質であるリチウム塩を溶解する液状組成物として、不燃性(難燃性)を高める目的でフッ素系溶媒を主成分とし、リチウム塩の溶解性を向上させる目的でグライム系溶媒を添加して、リチウム塩とグライム系溶媒で錯体を形成させることが提案されている(特許文献2参照)。
一方、エチレンカーボネート等のカーボネート系溶媒を主成分とする二次電池用非水電解液においては、黒鉛負極の表面に被膜(SEI:Solid electrolyte interface)を形成させて二次電池の充放電特性およびサイクル特性を向上させるために、ビニレンカーボネート等の被膜形成剤を添加することが提案されている(特許文献3参照)。
特に、フッ素系溶媒を非水電解液に使用する二次電池においては、炭素材料からなる負極の界面抵抗をより小さくし、充放電特性およびサイクル特性をさらに向上させることが重要である。
特開平08−037024号公報 国際公開第2009/133899号 特開2004−31366号公報
本発明者等が、特許文献3に記載の方法を検討したところ、ビニレンカーボネートの添加では充放電特性およびサイクル特性が充分に向上しない場合があることがわかった。
本発明は、特に高電圧条件下でのサイクル特性と、特に高レートでの充放電特性に優れた二次電池用非水電解液、および該二次電池用非水電解液を用いた二次電池の提供を目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
[1]電解質と液状組成物からなる二次電池用非水電解液であって、
前記電解質がリチウム塩であり、
前記液状組成物が、下式(1)で表される化合物および下式(2)で表される化合物からなる群から選ばれる1種以上の含フッ素エーテル溶媒と、下式(3)で表される非フッ素系エーテル化合物と、下式(4)で表される化合物および下式(5)で表される化合物からなる群から選ばれる1種以上の置換基を有していてもよいビニル基を有する環状カーボネート化合物と、を含有し、
前記非水電解液の総質量に対する含フッ素エーテル溶媒の質量が40〜90質量%であることを特徴とする二次電池用非水電解液。
Figure 2012173253
(ただし、式中、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜10のフッ素化アルキル基、炭素数3〜10のフッ素化シクロアルキル基、炭素原子−炭素原子間に1個以上のエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基、または、炭素原子−炭素原子間に1個以上のエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜10のフッ素化アルキル基であり、RおよびRの一方または両方は、フッ素化アルキル基である。
Xは炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のフッ素化アルキレン基、炭素原子−炭素原子間に1個以上のエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜5のアルキレン基、または炭素原子−炭素原子間に1個以上のエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜5のフッ素化アルキレン基である。
mは1〜10の整数である。
は炭素数1〜4の直鎖アルキレン基、または、該直鎖アルキレン基の水素原子の1個以上が、炭素数1〜5のアルキル基、もしくは炭素原子−炭素原子間に1個以上のエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜5のアルキル基に置換された基である。mが2以上の場合、Qは、同一の基であっても、異なる基であってもよい。
およびRはそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、またはRとRが連結して形成した炭素数1〜10のアルキレン基である。
〜R10は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。
11〜R18は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。)
[2]前記非水電解液の総体積に対する前記電解質のモル量が0.1〜3.0mol/Lであり、前記非水電解液の総質量に対する前記非フッ素系エーテル化合物の質量が1〜15質量%である前記[1]に記載の二次電池用非水電解液。
[3]前記非水電解液の総質量に対する前記ビニル基を有する環状カーボネート化合物の質量が0.01〜10質量%である前記[1]または[2]に記載の二次電池用非水電解液。
[4]前記含フッ素エーテル溶媒が、CFCHOCFCFH、CHFCFCHOCFCFH、CFCFCHOCFCHF、CFCHOCFCHFCF、およびCHFCFCHOCFCFHCFからなる群から選ばれる1種以上の化合物である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
[5]前記リチウム塩由来のリチウム原子の総モル数(NLi)に対する前記非フッ素系エーテル化合物由来のエーテル性酸素原子の総モル数(N)の比率であるN/NLiが1〜8である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
[6]前記液状組成物が、前記ビニル基を有する環状カーボネート以外の環状カーボネート化合物および環状エステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する前記[1]〜[5]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
[7]前記リチウム塩由来のリチウム原子の総モル数(NLi)に対する、前記非フッ素系エーテル化合物由来のエーテル性酸素原子の総モル数(N)、および前記ビニル基を有する環状カーボネート以外の環状カーボネート化合物由来のカルボニル酸素原子の総モル数と環状エステル化合物由来のカルボニル酸素原子の総モル数の和(N)の比率である(N+N)/NLiが1〜8である前記[1]〜[6]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
[8]前記非水電解液の総質量に対する、前記ビニル基を有する環状カーボネート以外の環状カーボネート化合物および環状エステル化合物の総質量が0質量%超30質量%以下である前記[6]または[7]に記載の二次電池用非水電解液。
[9]前記式(3)で表される非フッ素系エーテル化合物のQが−CHCH−であり、かつmが1〜3である前記[1]〜[8]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
[10]前記式(4)で表される化合物のR〜R10が全て水素原子であり、かつ前記式(5)で表される化合物のR11〜R18が全て水素原子である前記[1]〜[9]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
[11]前記非水電解液が下式(6)で表される化合物を含有し、かつ前記非水電解液の総質量に対する前記式(6)で表される化合物の質量が0〜30質量%である前記[1]〜[10]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
Figure 2012173253
(ただし、前記式中、R19〜R24は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、飽和炭化水素基、またはハロゲン化飽和炭化水素基である。)
[12]リチウムイオンを吸蔵および放出できる材料を活物質とする正極、リチウムイオンを吸蔵および放出できる炭素材料を活物質とする負極、セパレータ、および請求項1〜11のいずれかに記載の二次電池用非水電解液を有するリチウムイオン二次電池における二次電池用非水電解液。
[13]リチウムイオンを吸蔵および放出できる材料を活物質とする正極と、リチウムイオンを吸蔵および放出できる炭素材料を活物質とする負極と、前記[1]〜[11]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液とを有する二次電池。
本発明の二次電池用非水電解液を用いれば、優れた充放電特性およびサイクル特性を有する二次電池が得られる。
また、本発明の二次電池は、本発明の二次電池用非水電解液を用いているため、優れた充放電特性およびサイクル特性を有している。
本明細書中では、特に説明しない限り、式(1)で表される化合物を化合物(1)と示し、他の式についても同様に示す。
本明細書において、フッ素化とは、炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されることをいう。フッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換された基である。一部がフッ素化された基中には、水素原子およびフッ素原子が存在する。また、パーフルオロアルキル基とは、アルキル基の水素原子の全部がフッ素原子に置換された基である。炭素−炭素不飽和結合とは、炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合である。
<二次電池用非水電解液>
本発明の二次電池用非水電解液(以下、単に「非水電解液」ということがある。)は、電解質と液状組成物からなり、前記電解質はリチウム塩であり、前記液状組成物は、後述する化合物(1)および化合物(2)からなる群から選ばれる1種以上の含フッ素エーテル溶媒、非フッ素系エーテル化合物である化合物(3)、ならびに化合物(4)および化合物(5)からなる群から選ばれる1種以上の置換基を有していてもよいビニル基を有する環状カーボネート化合物(以下、「環状カーボネート化合物(X)」ということがある。)を含有する。
本発明の非水電解液は、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、環状カーボネート化合物(X)以外の環状カーボネート化合物(以下、「環状カーボネート化合物(Y)」ということがある。)、環状エステル化合物、化合物(6)および界面活性剤から選ばれる成分;他の化合物が挙げられる。
非水電解液とは、水を実質的に含まない溶媒を用いた電解液であり、仮に水を含んでいたとしてもその水分量が該非水電解液を用いた二次電池の性能劣化が見られない範囲の量である電解液である。かかる非水電解液中に含まれうる水分量は、電解液の総質量に対して500質量ppm以下であることが好ましく、100質量ppm以下であることがより好ましく、50質量ppm以下であることが特に好ましい。水分量の下限値は、0質量ppmである。
[リチウム塩]
リチウム塩は、非水電解液中で解離してリチウムイオンを供給する電解質である。リチウム塩としては、LiPF、下記化合物(A)(ただし、kは1〜5の整数である。)、FSON(Li)SOF、CFSON(Li)SOCF、CFCFSON(Li)SOCFCF、LiClO、下記化合物(B)、下記化合物(C)、およびLiBFからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。リチウム塩としては、LiPF、LiBFおよび化合物(A)からなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。
本発明の非水電解液に含有されるリチウム塩としては1種のみでもよく、2種以上であってもよい。2種以上のリチウム塩を併用する場合の組み合わせは、国際公開第2009/133899号に開示の組み合わせが挙げられる。
リチウム塩としては、LiPFを含むことが好ましく、LiPFが特に好ましい。
Figure 2012173253
化合物(A)としては、たとえば、下記化合物(A−1)〜化合物(A−4)が挙げられる。伝導度の高い非水電解液が得られやすい点から、化合物(A)としては、kが2の化合物(A−2)を含むことが好ましく、kが2の化合物(A−2)からなることがより好ましい。
Figure 2012173253
非水電解液の総体積に対するリチウム塩のモル量の下限値は、0.1mol/Lが好ましく、0.3mol/L(リットル)がより好ましく、0.5mol/Lがさらに好ましく、0.7mol/Lが特に好ましい。また前記リチウム塩のモル量の上限値は、3.0mol/Lが好ましく、2.0mol/Lがより好ましく、1.5mol/Lがさらに好ましい。前記リチウム塩のモル量が前記下限値以上であれば、伝導度の高い非水電解液が得られやすい。また、前記リチウム塩のモル量が前記上限値以下であれば、リチウム塩が液状組成物に均一に溶解しやすい。
[含フッ素エーテル溶媒]
下記化合物(1)および下記化合物(2)からなる群から選ばれる1種以上の含フッ素エーテル溶媒は、非水電解液に不燃性を付与する溶媒として使用する。本発明の非水電解液に含まれる含フッ素エーテル溶媒は1種でもよく、2種以上であってもよい。含まれる含フッ素エーテル溶媒が2種以上の場合、その含有比率は任意に決めることができる。
Figure 2012173253
ただし、式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜10のフッ素化アルキル基、炭素数3〜10のフッ素化シクロアルキル基、炭素原子−炭素原子間に1個以上のエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基、または、炭素原子−炭素原子間に1個以上のエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜10のフッ素化アルキル基であり、RおよびRの一方または両方は、フッ素化アルキル基である。
また、式(2)中、Xは炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のフッ素化アルキレン基、炭素原子−炭素原子間に1個以上のエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜5のアルキレン基、または炭素原子−炭素原子間に1個以上のエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜5のフッ素化アルキレン基である。
また、前記アルキル基および炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有するアルキル基としては、それぞれ、直鎖構造、分岐構造、または部分的に環状構造を有する基(たとえば、シクロアルキルアルキル基)が挙げられる。
化合物(1)におけるRおよびRの一方または両方はフッ素化アルキル基である。RおよびRの一方または両方をフッ素化アルキル基にすることで、リチウム塩の非水電解液への溶解性および不燃性が向上する。化合物(1)におけるRとRは同じであってもよく、異なっていてもよい。
化合物(1)としては、RおよびRが、いずれも炭素数1〜10のフッ素化アルキル基である化合物(1−A)と、Rが炭素原子−炭素原子間に1個以上のエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜10のフッ素化アルキル基であり、Rが炭素数1〜10のフッ素化アルキル基である化合物(1−B)が好ましく、RおよびRが、いずれも炭素数1〜10のフッ素化アルキル基である化合物(1−A)がより好ましい。
化合物(1)の総炭素数は、少なすぎると沸点が低すぎ、多すぎると高粘度化することから、4〜10が好ましく、4〜8がより好ましい。化合物(1)の分子量は150〜800が好ましく、150〜500がより好ましく、200〜500が特に好ましい。化合物(1)中のエーテル性酸素原子数は可燃性に影響しうる。よって、エーテル性酸素原子を有する化合物(1)のエーテル性酸素原子数は、1〜4が好ましく、1または2がより好ましく、1がさらに好ましい。また化合物(1)中のフッ素含有量が高くなると不燃性が向上することから、化合物(1)の分子量に対するフッ素原子の総質量の割合は50%以上が好ましく、60%以上がより好ましい。
化合物(1)は、リチウム塩の溶媒に対する溶解度が向上する点から、RおよびRの一方または両方の末端が−CFH基である化合物が好ましい。
さらに、化合物(1)は、リチウム塩の溶媒に対する溶解度が向上することから、RおよびRの両方が、アルキル基の水素原子の一部がフッ素化されたフッ素化アルキル基である化合物が好ましい。
化合物(1−A)、化合物(1−B)、化合物(1−A)および化合物(1−B)以外の化合物の具体例としては、たとえば、国際公開第2009/133899号に記載の化合物等が挙げられる。
本発明の非水電解液は、リチウム塩を均一に溶解させやすく、不燃性に優れた伝導度の高い非水電解液が得られやすい点から、化合物(1)を使用する場合には、RおよびRが、炭素数1〜10のフッ素化アルキル基である場合の化合物(1−A)からなることが好ましく、CFCHOCFCFH(商品名:AE−3000、旭硝子社製)、CHFCFCHOCFCFH、CFCFCHOCFCFH、CFCHOCFCHFCF、およびCHFCFCHOCFCFHCFからなる群から選ばれる1種以上を含むことがより好ましく、CFCHOCFCFHおよびCHFCFCHOCFCFHCF(HFE5510)の少なくとも一方を含むことが特に好ましい。
化合物(2)において、Xは直鎖構造であっても分岐構造であってもよい。Xとしては、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基がより好ましい。該アルキレン基は、直鎖構造または分岐構造が好ましい。Xにおけるアルキレン基が分岐構造を有する場合には、側鎖は炭素数1〜3のアルキル基またはエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましい。
さらに、リチウム塩を均一に溶解させ、不燃性に優れた伝導度の高い非水電解液が得られやすい点から、化合物(2)としては、Xが−CH−、−CHCH−、−CH(CH)CH−、および−CHCHCH−からなる群から選ばれる1種である化合物(2)が好ましい。
化合物(2)の具体例としては、たとえば、下式で表される化合物等が挙げられる。
本発明の非水電解液は、リチウム塩を均一に溶解させやすく、不燃性に優れた伝導度の高い非水電解液が得られやすい点から、化合物(2)を使用する場合には、化合物(2)としては、Xが−CHCH−である化合物、およびXが−CH(CH)CH−である化合物の少なくとも一方からなることが好ましく、Xが−CHCH−である化合物、またはXが−CH(CH)CH−である化合物のいずれか1種からなることがより好ましい。
Figure 2012173253
含フッ素エーテル溶媒としては、化合物(1)のみの使用、化合物(2)のみの使用、または化合物(1)および化合物(2)の併用のいずれであってもよく、化合物(1)のみの使用、または化合物(2)のみの使用が好ましい。
本発明の非水電解液が化合物(1)を含有する場合には、化合物(1)は1種のみでもよく、2種以上であってもよい。また、本発明の非水電解液が化合物(2)を含有する場合には、化合物(2)は1種のみでもよく、2種以上であってもよい。
本発明の非水電解液の総質量(100質量%)に対する含フッ素エーテル溶媒の質量は、40〜90質量%である。前記含フッ素エーテル溶媒の質量の下限値は、50質量%が好ましく、60質量%がより好ましく、65質量%がさらに好ましい。前記含フッ素エーテル溶媒の質量の上限値は、85質量%が好ましく、80質量%がより好ましく、75質量%がさらに好ましい。
前記含フッ素エーテル溶媒の質量が上限値以下であれば、リチウム塩を均一に溶解させやすい。また、前記含フッ素エーテル溶媒の質量が下限値以上であれば、不燃性に優れた非水電解液が得られやすい。
また、含フッ素エーテル溶媒として、化合物(1)(質量:Va)と化合物(2)(質量:Vb)を併用する場合、それらの質量比(Vb/Va)は、0.01〜100が好ましく、0.1〜10がより好ましい。
[非フッ素系エーテル化合物]
本発明の非水電解液は、さらに非フッ素系エーテル化合物である下記化合物(3)を含有する。化合物(3)は、リチウム塩と効率良く溶媒和することにより、該リチウム塩を含フッ素エーテル溶媒に均一に溶解させる役割を果たす溶媒である。化合物(3)は、その一部または全部が電解液中でリチウム塩と錯体を形成すると考えられる。
Figure 2012173253
前記式(3)中、mは1〜10の整数である。
は炭素数1〜4の直鎖アルキレン基、または、該直鎖アルキレン基の水素原子の1個以上が、炭素数1〜5のアルキル基、もしくは炭素原子−炭素原子間に1個以上のエーテル性酸素原子を含む炭素数1〜5のアルキル基に置換された基である。mが2以上の場合、Qは、同一の基であっても、異なる基であってもよい。
また、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、またはRとRが連結して形成した炭素数1〜10のアルキレン基である。
化合物(3)において、mは1〜6の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1〜4の整数がさらに好ましく、1〜3の整数が特に好ましく、1または2が最も好ましい。
は炭素数1〜4の直鎖アルキレン基が好ましく、−CHCH−が特に好ましい。さらに、mが1の場合には、Qは−CHCH−が好ましく、mが2以上である場合には、Qは、−CHCH−を含むことが好ましく、−CHCH−のみからなることがより好ましい。
およびRはそれぞれメチル基またはエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
本発明の非水電解液においては、化合物(3)が、下記化合物(3A)を含むことが好ましく、化合物(3A)からなることがより好ましい。
Figure 2012173253
前記式(3A)中、mは1〜10の整数である。RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、またはRとRが連結して形成した炭素数1〜10のアルキレン基である。
化合物(3A)において、mは1〜6の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1〜4の整数がさらに好ましく、1〜3の整数が特に好ましく、1または2が最も好ましい。また、RおよびRはそれぞれメチル基またはエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
化合物(3)としては、モノグライム(1,2−ジメトキシエタン、m=1)、ジグライム(m=2)、トリグライム(m=3)、テトラグライム(m=4)、ペンタグライム(m=5)、ヘキサグライム(m=6)、ジエトキシエタン、ジエチレングリコール−ジエチルエーテル、ジエチレングリコール−ジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコール−ジ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコール−ジ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコール−ジエチルエーテル、トリエチレングリコール−ジ−n−プロピルエーテル、トリエチレングリコール−ジ−iso−プロピルエーテル、トリエチレングリコール−ジ−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコール−ジエチルエーテル、テトラエチレングリコール−ジ−n−プロピルエーテル、テトラエチレングリコール−ジ−iso−プロピルエーテル、テトラエチレングリコール−ジ−n−ブチルエーテル、ペンタエチレングリコール−ジエチルエーテル、ペンタエチレングリコール−ジ−n−プロピルエーテル、ペンタエチレングリコール−ジ−iso−プロピルエーテル、ペンタエチレングリコール−ジ−n−ブチルエーテル、ヘキサエチレングリコール−ジエチルエーテル、ヘキサエチレングリコール−ジ−n−プロピルエーテル、ヘキサエチレングリコール−ジ−iso−プロピルエーテル、ヘキサエチレングリコール−ジ−n−ブチルエーテル等が挙げられる。これらの化合物は、化合物(3A)にも該当する。化合物(3)としては、その他、国際公開第2009/133899号に記載の化合物等が挙げられる。
これらの中でも、化合物(3)としては、粘度(20℃)が5cP以下で非水電解液の実用上の溶媒粘度に優れ、良好な伝導度を示すことから、化合物(3A)においてmが1〜5の化合物が好ましい。該化合物としては、モノグライム、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、ペンタグライム、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、ペンタエチレングリコールジエチルエーテルが好ましい。化合物(3A)としては、mが1〜3の化合物がさらに好ましい。該化合物としては、モノグライム、ジグライム、トリグライム、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテルが挙げられる。さらに、粘度および引火点の両特性のバランスに優れる点で、モノグライム、ジグライム、トリグライムがより好ましく、モノグライム、ジグライムが特に好ましい。
また、化合物(3)において、RおよびRが連結して炭素数1〜10のアルキレン基を形成している化合物としては、たとえば、12−クラウン−4、14−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6等のクラウンエーテル化合物等が挙げられる。
化合物(3)としては、化合物(3A)において、mが1〜3の化合物を必須とすることが好ましく、該化合物からなることがより好ましい。化合物(3A)は、モノグライムおよびジグライムの少なくとも一方からなることがさらに好ましく、モノグライムからなることが特に好ましい。
本発明の非水電解液の総質量(100質量%)に対する化合物(3)の質量の上限値は、15質量%が好ましく、12質量%がより好ましく、10質量%がさらに好ましい。前記化合物(3)の質量の下限値は、1質量%が好ましく、2質量%がより好ましく、3質量%がさらに好ましい。
本発明の非水電解液に含有される化合物(3)は1種のみでもよく、2種以上であってもよい。
本発明の非水電解液におけるリチウム塩のモル量に対する化合物(3)のモル量の比率は、0.2〜4.0倍が好ましく、0.5〜3.0倍がより好ましく、0.5〜2.0倍が特に好ましい。リチウム塩に対する化合物(3)のモル比が前記範囲の下限値以上であれば、リチウム塩を含フッ素エーテル溶媒に均一に溶解させやすい。また、リチウム塩に対する化合物(3)のモル比が前記範囲の上限値以下であれば、耐酸化性および不燃性に優れた非水電解液が得られやすい。
本発明の非水電解液中のリチウム塩由来のリチウム原子の総モル数(NLi)に対する化合物(3)由来のエーテル性酸素原子の総モル数(N)の比率であるN/NLiの下限値は、1が好ましく、1.5がより好ましく、2がさらに好ましい。また、前記N/NLiの上限値は、8が好ましく、6がより好ましく、5がさらに好ましく、4が特に好ましい。前記N/NLiが下限値以上であれば、リチウム塩を含フッ素エーテル溶媒に溶解させることが容易になる。一方、前記N/NLiが上限値以下であれば、高電圧でのサイクル特性を向上させやすく、また不燃性に優れた非水電解液が得られやすい。
[環状カーボネート化合物(X)]
本発明の非水電解液は、下記化合物(4)および化合物(5)からなる群から選ばれる1種以上の置換基を有していてもよいビニル基を有する環状カーボネート化合物(X)を含有する。
環状カーボネート化合物(X)は、二次電池の充電の際、炭素負極上で分解して、より安定で炭素負極界面抵抗の小さいリチウムイオン導伝性被膜(SEI)を形成すると考えられる。
炭素負極表面に該被膜が形成されることにより、リチウムイオンの炭素負極界面抵抗に由来するインピーダンスの増加が最小限に抑えられると考えられる。また、該被膜は電子伝導性を有しないので炭素負極上での電解液成分の分解を抑制することができると考えられる。これらの効果により、炭素負極へのリチウムイオンのインターカレーション/デインターカレーションを長期にわたり安定して行えるようになると考えられる。
負極上でリチウムイオン導伝性被膜を形成してサイクル特性を向上させると推測される化合物は他にも知られており、例えばエチレンカーボネートを主成分とした電解液においてはビニレンカーボネートが有効であることが知られている。
しかし、本発明者らの検討によれば、非水電解液の成分によって有効な化合物の種類および最適な添加量が大きく異なることがわかった。そして、本発明者らは、本発明の二次電池用非水電解液のように、化合物(1)および化合物(2)からなる群から選ばれる1種以上の含フッ素エーテル溶媒を40〜90質量%の割合で含有し、かつ化合物(3)を含有する非水電解液においては、化合物(4)および化合物(5)からなる群から選ばれる1種以上の置換基を有していてもよいビニル基を有する環状カーボネート化合物(X)を含有させることがサイクル特性の向上に極めて有効であることを見出した。
Figure 2012173253
ただし、式中、R〜R10は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。また、R11〜R18は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。
〜R10としては、水素原子、炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、R〜R10が全て水素原子であることが特に好ましい。
11〜R18としては、水素原子、炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、R11〜R18が全て水素原子であることが特に好ましい。
化合物(4)としては、たとえば、ビニルエチレンカーボネート(以下、「VEC」ということがある。)、3−メチル−4−ビニルエチレンカーボネート等が挙げられる。なかでも、入手容易な点から、ビニルエチレンカーボネートが好ましい。
本発明の非水電解液に化合物(4)が含有される場合には、化合物(4)は1種のみでもよく、2種以上であってもよい。
化合物(5)としては、たとえば、4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4,5−ビス(2−メチルビニル)エチレンカーボネート等が挙げられる。なかでも、入手容易な点から、4,5−ジビニルエチレンカーボネートが好ましい。
本発明の非水電解液に化合物(5)が含有される場合には、化合物(5)は1種のみでもよく、2種以上であってもよい。
環状カーボネート化合物(X)としては、ビニルエチレンカーボネート、4,5−ジビニルエチレンカーボネートが好ましい。
環状カーボネート化合物(X)としては、ビニルエチレンカーボネートおよび4,5−ジビニルエチレンカーボネートの少なくとも一方からなることが好ましく、ビニルエチレンカーボネートおよび4,5−ジビニルエチレンカーボネートの少なくとも一方のみからなることがより好ましい。
環状カーボネート化合物(X)としては、化合物(4)または化合物(5)の単独使用、化合物(4)と化合物(5)の併用のいずれでもよく、化合物(4)または化合物(5)の単独使用が好ましい。
本発明の非水電解液の総質量(100質量%)に対する環状カーボネート化合物(X)の質量の下限値は、優れた充放電特性およびサイクル特性が得られやすい点から、0.01質量%が好ましく、0.05質量%がより好ましく、0.2質量%がさらに好ましい。また、前記環状カーボネート化合物(X)の質量の上限値は、優れた充放電特性およびサイクル特性が得られやすい点から、10質量%が好ましく、5質量%がより好ましく、3質量%がさらに好ましい。
本発明の非水電解液は、環状カーボネート化合物(X)を含むことで、優れた充放電特性およびサイクル特性を有する非水電解液となる。環状カーボネート化合物(X)を使用することで充放電特性およびサイクル特性が向上する要因は以下のように考えられる。
たとえば、充電時はリチウムイオンが脱溶媒和して炭素負極に挿入されるが、化合物(3)であるジメトキシエタンは、ある電位になると脱溶媒和が起こらずに溶媒がリチウムイオンと共に炭素負極に共挿入されることが知られている(例えば、J.Electrochem.Soc.、2004、151(8)、A1120参照)。
一方、本発明者らの検討により、含フッ素エーテル溶媒を含有する非水電解液中では、被膜形成剤として従来から使用されているビニレンカーボネートのような、還元分解電位が比較的低い環状カーボネート化合物を被膜形成剤として使用すると、該還元分解電位と化合物(3)の炭素負極への共挿入が生じる電位が近くなることがわかった。このことによって、被膜形成剤の還元分解と化合物(3)の炭素負極への共挿入が競争的に起きてしまい、被膜形成によって炭素負極界面の抵抗を低下させる効果が小さくなることがあると考えられる。
これに対し、本発明では、化合物(3)の炭素負極への共挿入が競争的に起きない充分に高い電位で環状カーボネート化合物(X)が還元分解し、より低抵抗な被膜を充分に形成できている可能性がある。
[環状カーボネート化合物(Y)、および環状エステル化合物]
本発明の非水電解液は、前記環状カーボネート化合物(X)以外の環状カーボネート化合物(Y)および環状エステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。環状カーボネート化合物(Y)は、炭素原子と酸素原子からなる環構造を有する化合物であり、該環構造が−O−C(=O)−O−で表されるカーボネート結合を有する化合物である。環状エステル化合物とは、炭素原子と酸素原子からなる環構造を有する化合物であり、該環構造が−O−C(=O)−C−で表されるエステル結合を有する化合物である。
環状カーボネート化合物(Y)と環状エステル化合物は、極性が高く、電解液中でのリチウムイオンの解離を促進し、非水電解液の伝導度を向上させるため、高レートでの充放電における電池容量の低下を抑制しやすくなる。また、環状カーボネート化合物(Y)と環状エステル化合物は、リチウム塩と効率よく溶媒和することにより、リチウム塩を含フッ素エーテル溶媒に均一に溶解させることを補助する。
環状カーボネート化合物(Y)は、分子内に炭素−炭素不飽和結合を含まない化合物であることが好ましい。
環状カーボネート化合物(Y)における環構造は、4〜10員環が好ましく、4〜7員環がより好ましく、入手容易な点から、5〜6員環がさらに好ましく、5員環が特に好ましい。
環状カーボネート化合物(Y)の環構造は、−O−C(=O)−O−で表されるカーボネート結合を1つ有する環構造が好ましく、カーボネート結合が直鎖アルキレン基と連結して形成された環構造がより好ましい。直鎖アルキレン基の炭素数は1〜7が好ましく、1〜4がより好ましく、2または3がさらに好ましく、2が特に好ましい。また、環状カーボネート化合物(Y)は、前記直鎖アルキレン基の水素原子の1個以上を置換基で置換した化合物でもよい。置換基としては、たとえば、塩素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基が好ましい。ハロゲン化アルキル基におけるハロゲン原子としては、塩素原子およびフッ素原子の少なくとも一方が好ましい。
環状カーボネート化合物(Y)としては、下記化合物(7)が好ましい。
Figure 2012173253
ただし、前記式中、R25〜R28は、それぞれ独立に水素原子、塩素原子、アルキル基、またはハロゲン化アルキル基である。アルキル基の炭素数は1〜6が好ましく、ハロゲン化アルキル基の炭素数は1〜6が好ましい。また、ハロゲン化アルキル基におけるハロゲン原子としては、フッ素原子および塩素原子の少なくとも一方が好ましい。
環状カーボネート化合物(Y)としては、化合物(7)に該当するプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オンが好ましく、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネートがより好ましい。これらの中でも、入手が容易な点および非水電解液の性質の点から、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートがさらに好ましい。
化合物(7)以外の環状カーボネート化合物(Y)としては、たとえば、ビニレンカーボネート等が挙げられる。
本発明の非水電解液が環状カーボネート化合物(Y)を含有する場合には、環状カーボネート化合物(Y)は1種のみでもよく、2種以上であってもよい。
環状カーボネート化合物(Y)は、化合物(7)を含むことが好ましく、化合物(7)からなることがより好ましい。
環状エステル化合物は、分子内に炭素−炭素不飽和結合を含まない化合物であることが好ましい。
環状エステル化合物における環構造は、4〜10員環が好ましく、4〜7員環がより好ましく、入手容易な点から、5〜6員環がさらに好ましく、5員環が特に好ましい。
環状エステル化合物の環構造は、エステル結合を1つ有する環構造が好ましく、エステル結合が直鎖アルキレン基と連結して形成された環構造がより好ましい。直鎖アルキレン基の炭素数は1〜7が好ましく、1〜4がより好ましく、2または3がさらに好ましく、2が特に好ましい。また、環状エステル化合物は、前記直鎖アルキレン基の水素原子の1個以上を置換基で置換した化合物でもよい。置換基としては、たとえば、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基等が挙げられる。アルキル基の炭素数は1〜6が好ましく、ハロゲン化アルキル基の炭素数は1〜6が好ましい。また、ハロゲン原子、またはハロゲン化アルキル基におけるハロゲン原子としては、塩素原子およびフッ素原子の少なくとも一方が好ましい。
環状エステル化合物としては、下記化合物(8)が好ましい。
Figure 2012173253
ただし、式中、nは1〜5の整数であり、R29〜R32は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、またはハロゲン化アルキル基である。アルキル基の炭素数は1〜6が好ましく、ハロゲン化アルキル基の炭素数は1〜6が好ましい。また、ハロゲン原子およびハロゲン化アルキル基におけるハロゲン原子は、フッ素原子および塩素原子の少なくとも一方が好ましい。nが2以上の場合、R29は、同一の基であっても、異なる基であってもよく、また、R30は、同一の基であっても、異なる基であってもよい。
nとしては、1〜4の整数が好ましく、2または3がより好ましく、2が特に好ましい。
29およびR30としては、水素原子が好ましい。nが2以上の場合、R29およびR30は、全て水素原子であることが好ましい。
31およびR32としては、水素原子またはアルキル基が好ましく、水素原子または炭素数1〜2のアルキル基がより好ましい。
化合物(8)の具体例としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ヘキサノラクトン、δ−バレロラクトン等の環状エステル化合物、該環状エステル化合物の環を形成する炭素原子に結合する水素原子の1個以上が、ハロゲン原子、アルキル基、またはハロゲン化アルキル基に置換された化合物等が挙げられる。なかでも、入手容易な点および電解液の性質の点から、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンが好ましく、γ−ブチロラクトンが特に好ましい。
本発明の非水電解液が環状エステル化合物を含有する場合には、環状エステル化合物は1種のみでもよく、2種以上であってもよい。
環状エステル化合物は、化合物(8)を含むことが好ましく、化合物(8)からなることがより好ましい。
本発明の非水電解液が環状カーボネート化合物(Y)および環状エステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する場合、非水電解液の総質量(100質量%)に対する、環状カーボネート化合物(Y)および環状エステル化合物の総質量の下限値は、0質量%超が好ましく、5質量%がより好ましく、10質量%がさらに好ましい。前記環状カーボネート化合物(Y)および環状エステル化合物の総質量の上限値は、30質量%が好ましく、25質量%がより好ましく、20質量%がさらに好ましい。前記環状カーボネート化合物(Y)および環状エステル化合物の総質量が下限値以上であれば、高レートでの充放電における電池容量の低下を抑制しやすい。また、リチウム塩の解離度が向上し、伝導度がより良好になる。前記環状カーボネート化合物(Y)および環状エステル化合物の総質量が上限値以下であれば、不燃性に優れた非水電解液を得やすい。
また、本発明の非水電解液が環状カーボネート化合物(Y)および環状エステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する場合、リチウム塩由来のリチウム原子の総モル数(NLi)に対する、環状カーボネート化合物(Y)由来のカルボニル酸素原子の総モル数と環状エステル化合物由来のカルボニル酸素原子の総モル数の和(N)の比率であるN/NLiの下限値は、0.01が好ましく、0.1がより好ましく、1がさらに好ましい。前記N/NLiの上限値は、6が好ましく、5がより好ましく、4がさらに好ましい。前記N/NLiが下限値以上であれば、高レート条件での充放電における電池容量の低下を抑制しやすい。前記N/NLiが上限値以下であれば、非水電解液の不燃性を維持しやすい。
また、前記非フッ素系エーテル化合物と、環状カーボネート化合物(Y)および環状エステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を併用する場合、リチウム塩由来のリチウム原子の総モル数(NLi)に対する、前記非フッ素系エーテル化合物由来のエーテル性酸素原子の総モル数(N)、および環状カーボネート化合物(Y)由来のカルボニル酸素原子の総モル数と環状エステル化合物由来のカルボニル酸素原子の総モル数の和(N)の比率である(N+N)/NLiの下限値は、1が好ましく、2がより好ましく、3がさらに好ましく、3.5が特に好ましい。また、前記(N+N)/NLiの上限値は、8が好ましく、6がより好ましく、5.5がさらに好ましく、5が特に好ましく、4.5が最も好ましい。前記(N+N)/NLiが下限値以上であれば、本発明の非水電解液においてリチウム塩が均一に溶解しやすい。一方、前記(N+N)/NLiが上限値以下であれば、高レート条件での充放電における電池容量の低下を抑制しやすく、また高電圧でのサイクル特性を向上させやすい。
また、本発明の非水電解液は、鎖状カーボネート化合物である下記化合物(6)を含んでいてもよい。
Figure 2012173253
ただし、前記式中、R19〜R24は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、飽和炭化水素基、またはハロゲン化飽和炭化水素基である。
化合物(6)におけるR19〜R24としては、水素原子、飽和炭化水素基が好ましい。
化合物(6)としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート、エチルイソプロピルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネートおよび3−フルオロプロピルメチルカーボネートからなる群から選ばれる1種以上の化合物が好ましく、入手容易性および粘度等電解液の性能に与える物性の点からジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートが特に好ましい。
また、本発明の非水電解液が化合物(6)を含有する場合、非水電解液の総質量(100質量%)に対する化合物(6)の質量の上限値は、30質量%が好ましく、25質量%がより好ましく、20質量%がさらに好ましく、15質量%が特に好ましく、10質量%が最も好ましい。
非水電解液の総質量(100質量%)に対する化合物(6)の質量の下限値は0質量%である。化合物(6)は鎖状カーボネート化合物であり、化合物(4)、化合物(5)および化合物(7)のような環状カーボネート化合物とは異なり、極性が低い。そのため、本発明の非水電解液に含まれる化合物(6)の量が多くなると、リチウム塩の溶解性の向上は認められるものの、高レートでの充放電特性を改善することなく、難燃性の低下を招く可能性がある。
[界面活性剤]
本発明の非水電解液は、非水電解液と電極活物質の濡れ性を改善するための界面活性剤を含んでいることが好ましい。界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれでもよく、入手が容易で界面活性効果が高いことから、アニオン性界面活性剤が好ましい。また、界面活性剤としては、耐酸化性が高く、サイクル特性、レート特性が良好な点から、含フッ素界面活性剤が好ましい。
アニオン性の含フッ素界面活性剤としては、下記化合物(9−1)、化合物(9−2)が好ましい。
Figure 2012173253
ただし、式中、R33およびR34はそれぞれ独立に炭素数4〜20のパーフルオロアルキル基、または炭素原子−炭素原子間に1個以上のエーテル性酸素原子を有する炭素数4〜20のパーフルオロアルキル基である。
およびMはそれぞれ独立にアルカリ金属またはNH(R35(R35は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であり、同一の基であっても、異なる基であってもよい。)である。
33およびR34としては、非水電解液の表面張力を低下させる度合いが良好な点から、炭素数4〜20のパーフルオロアルキル基、または炭素原子−炭素原子間に1個以上のエーテル性酸素原子を有する炭素数4〜20のパーフルオロアルキル基が好ましく、溶解性、環境蓄積性の観点から、炭素数4〜8のパーフルオロアルキル基、または炭素原子−炭素原子間に1個以上のエーテル性酸素原子を有する炭素数4〜8のパーフルオロアルキル基がより好ましい。
33およびR34の構造は、直鎖でも分岐していてもよく環構造を含んでいてもよい。入手容易性、および界面活性作用が良好であることから、R33およびR34の構造は直鎖が好ましい。
およびMのアルカリ金属としては、Li、Na、Kが好ましい。MおよびMとしては、NH4+が特に好ましい。
化合物(9−1)の具体例としては、たとえば、CCOONH 、C11COONH 、C13COONH 、C11COONH(CH 、C13COONH(CH 、CCOOLi、C11COOLi、C13COOLi、COCF(CF)COONH 、COCF(CF)CFOCF(CF)COONH 、COCF(CF)COONH(CH 、COCF(CF)CFOCF(CF)COONH(CH 、COCF(CF)COOLi、COCOCFCOOLi、COCOCFCOONH 、COCF(CF)CFOCF(CF)COOLi等の含フッ素カルボン酸塩が挙げられる。
なかでも、非水電解液への溶解性、および表面張力を低下させる効果が良好な点から、C11COONH 、C11COOLi、C13COOLi、COCF(CF)COONH 、COCF(CF)CFOCF(CF)COONH 、COCF(CF)COOLi、COCF(CF)CFOCF(CF)COOLi、COCOCFCOOLi、COCOCFCOONH が好ましい。
化合物(9−2)の具体例としては、たとえば、CSO NH 、C11SO NH 、C13SO NH 、CSO NH(CH 、C11SO NH(CH 、C13SO NH(CH 、CSO Li、C11SO Li、C13SO Li、COCF(CF)CFOC(CF)FSO NH 、COCF(CF)CFOCF(CF)CFOCF(CF)SO NH 、HCFCFOCFCFSO NH 、CFCFHCFOCFCFSO NH 、COC(CF)FSO NH 、COCF(CF)CFOC(CF)FSO NH(CH 、COCF(CF)CFOCF(CF)CFOCF(CF)SO NH(CH 、HCFCFOCFCFSONH(CH 、CFCFHCFOCFCFSO NH(CH 、COCF(CF)SO NH(CH 、COCF(CF)CFOC(CF)FSO Li、COCF(CF)CFOC(CF)FCFOCF(CF)SO Li、HCFCFOCFCFSO Li、CFCFHCFOCFCFSO Li、COCF(CF)SO Li等の含フッ素スルホン酸塩が挙げられる。
なかでも、非水電解液への溶解性、および表面張力を低下させる効果が良好な点から、CSO NH 、C13SO NH 、CSO Li、C13SO Li、C17SO Li、COCF(CF)CFOCF(CF)SO NH 、COCF(CF)CFOCF(CF)SO Li、COCF(CF)SO NH 、COCF(CF)SO Liが好ましい。
本発明の非水電解液が界面活性剤を含有する場合には、界面活性剤は1種のみでもよく、2種以上であってもよい。
非水電解液が界面活性剤を含有する場合、非水電解液の総質量(100質量%)に対する界面活性剤の質量の上限値は、5質量%が好ましく、3質量%がより好ましく、2質量%がさらに好ましい。また、下限値は0.05質量%が好ましい。
[非水電解液の好ましい組成]
本発明の非水電解液としては、本発明の目的とする効果を奏することから下記組成1〜4が好ましく、組成4が特に好ましい。
(組成1)
LiPF、化合物(A)、FSON(Li)SOF、CFSON(Li)SOCF、CFCFSON(Li)SOCFCF、LiClO、化合物(B)、化合物(C)、およびLiBFからなる群から選ばれる1種以上のリチウム塩;化合物(1)および化合物(2)からなる群から選ばれる1種以上の含フッ素エーテル溶媒;化合物(3A);化合物(4)および化合物(5)からなる群から選ばれる1種以上の環状カーボネート化合物(X)を含有する二次電池用非水電解液。
(組成2)
LiPF、化合物(A)、FSON(Li)SOF、CFSON(Li)SOCF、CFCFSON(Li)SOCFCF、LiClO、化合物(B)、化合物(C)、およびLiBFからなる群から選ばれる1種以上のリチウム塩;化合物(1)および化合物(2)からなる群から選ばれる1種以上の含フッ素エーテル溶媒;化合物(3A);化合物(4)および化合物(5)からなる群から選ばれる1種以上の環状カーボネート化合物(X);化合物(7)および化合物(8)からなる群から選ばれる1種以上を含有する二次電池用非水電解液。
(組成3)
LiPF、CFSON(Li)SOCF、CFCFSON(Li)SOCFCF、LiClOおよびLiBFからなる群から選ばれる1種以上のリチウム塩;CFCHOCFCFH、CHFCFCHOCFCFH、CFCFCHOCFCFH、CFCHOCFCHFCF、CHFCFCHOCFCFHCF、前記式(2)で表され、かつXがCHCHである化合物、および前記式(2)で表され、かつXがCH(CH)CHである化合物からなる群から選ばれる1種以上;モノグライム、ジグライムおよびトリグライムからなる群から選ばれる少なくとも一種以上;ビニルエチレンカーボネートおよび4,5−ジビニルエチレンカーボネートの少なくとも一方;を含有する二次電池用非水電解液。
(組成4)
LiPFを含むリチウム塩;HFE5510;モノグライムまたはジグライム;ビニルエチレンカーボネートおよび4,5−ジビニルエチレンカーボネートの少なくとも一方;を含有する二次電池用非水電解液。
本発明の非水電解液においては、非水電解液の総体積に対するリチウム塩のモル量が0.1〜3.0mol/Lであり、非水電解液の総質量に対する化合物(3)の質量が1〜15質量%であることが好ましい。
[他の化合物]
本発明における非水電解液は、相分離せず、本発明の効果を妨げない範囲内であれば、リチウム塩、含フッ素エーテル溶媒、非フッ素系エーテル化合物、および環状カーボネート化合物(X)、環状カーボネート化合物(Y)、環状エステル化合物および界面活性剤以外のその他の化合物(以下、「他の化合物」という。)を含んでもよい。
他の化合物としては、含フッ素アルカン;プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等の鎖状カルボン酸エステル;プロパンサルトン等の環状スルホン酸エステル;スルホン酸アルキルエステル;アセトニトリル、イソブチロニトリル、ピバロニトリル等のカルボニトリル等が挙げられる。
非水電解液中の他の化合物として含フッ素アルカン以外を用いる場合、非水電解液の総質量(100質量%)に対する他の化合物の質量は、0質量%超〜20質量%が好ましく、0質量%超〜15質量%がより好ましく、0.01質量%〜10質量%が特に好ましい。
本発明の非水電解液が含フッ素アルカンを含む場合には、非水電解液の蒸気圧を抑制し、非水電解液の不燃性をさらに向上させうる。含フッ素アルカンとは、アルカンの水素原子の1個以上がフッ素原子に置換され、水素原子が残っている化合物をいう。本発明においては、炭素数4〜12の含フッ素アルカンが好ましい。このうち、炭素数6以上の含フッ素アルカンを用いた場合は、非水電解液の蒸気圧を低下させる効果が期待でき、また炭素数が12以下であればリチウム塩の溶解度を保ちやすい。また、含フッ素アルカン中のフッ素含有量(フッ素含有量とは、分子量に占めるフッ素原子の質量の割合をいう。)は、50〜80%が好ましい。含フッ素アルカン中のフッ素含有量が50%以上であれば、不燃性がさらに高くなる。含フッ素アルカン中のフッ素含有量が80%以下であれば、リチウム塩の溶解性を保持しやすい。
含フッ素アルカンとしては、直鎖構造の化合物が好ましく、たとえば、n−CCHCH、n−C13CHCH、n−C13H、n−C17H等が挙げられる。これら含フッ素アルカンは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
非水電解液中にその他の化合物として前記含フッ素アルカンを含ませる場合、非水電解液の総質量(100質量%)に対して、含フッ素アルカンの質量は、5〜30質量%が好ましい。前記含フッ素アルカンの質量が5質量%以上であれば、蒸気圧を低下させやすく、不燃性を発現させやすい。前記含フッ素アルカンの質量が30質量%以下であれば、リチウム塩の溶解度を維持しやすい。
本発明の非水電解液には、非水電解液の機能を向上させるために、必要に応じて他の成分を含ませてもよい。他の成分としては、たとえば、過充電防止剤、脱水剤、脱酸剤、高温保存後の容量維持特性およびサイクル特性を改善するための特性改善助剤が挙げられる。
過充電防止剤としては、たとえば、ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等の芳香族化合物;2−フルオロビフェニル、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼン等の前記芳香族化合物のフッ素化物;2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、2,6−ジフルオロアニオール等の含フッ素アニソール化合物が挙げられる。本発明の非水電解液が過充電防止剤を含有する場合には、過充電防止剤は1種のみでもよく、2種以上であってもよい。
非水電解液が過充電防止剤を含有する場合、非水電解液の総質量(100質量%)に対する過充電防止剤の質量は、0.01〜5質量%であることが好ましい。非水電解液に過充電防止剤を0.01質量%以上含有させることにより、過充電による二次電池の破裂・発火を抑制することがさらに容易になり、二次電池をより安定に使用できる。
脱水剤としては、たとえば、モレキュラーシーブス、芒硝、硫酸マグネシウム、水素化カルシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウムアルミニウム等が挙げられる。本発明の非水電解液に用いる溶媒は、前記脱水剤で脱水を行った後に精留を行ったものを使用することが好ましい。また、精留を行わずに前記脱水剤による脱水のみを行った溶媒を使用してもよい。
高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を改善するための特性改善助剤としては、たとえば、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、フェニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物;エチレンサルファイト、メタンスルホン酸メチル、ブスルファン、スルホラン、スルホレン、ジメチルスルホン、ジフェニルスルホン、メチルフェニルスルホン、ジブチルジスルフィド、ジシクロヘキシルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、N,N−ジメチルメタンスルホンアミド、N,N−ジエチルメタンスルホンアミド等の含硫黄化合物;1−メチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルスクシイミド等の含窒素化合物;ヘプタン、オクタン、シクロヘプタン等の炭化水素化合物;フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、ベンゾトリフルオライド等の含フッ素芳香族化合物が挙げられる。本発明の電解液が特性改善助剤と含有する場合には、特性改善助剤は1種のみでもよく、2種以上であってもよい。
非水電解液が特性改善助剤を含有する場合、非水電解液の総質量(100質量%)に対する特性改善助剤の質量は、0.01〜5質量%であることが好ましい。
本発明の非水電解液は、リチウムイオンを吸蔵および放出できる材料を活物質とする正極と、リチウムイオンを吸蔵および放出できる炭素材料を活物質とする負極と、セパレータを有するリチウムイオン二次電池における非水電解液として好適に使用できる。
本発明の非水電解液は、環状カーボネート化合物(X)を含有することで、優れた充放電特性およびサイクル特性が得られる。
<二次電池>
本発明の二次電池は、負極と、正極と、セパレータと、本発明の非水電解液とを有する二次電池である。
負極は、リチウムイオンを吸蔵および放出できる炭素材料を活物質とする電極である。炭素材料としては、人造または天然グラファイト(黒鉛)、非晶質炭素等が挙げられる。これら炭素材料は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
炭素材料としては、黒鉛、および黒鉛の表面を該黒鉛に比べて非晶質の炭素で被覆した炭素材料が特に好ましい。
正極としては、リチウムイオンを吸蔵および放出できる材料を活物質とする電極が挙げられる。
正極活物質としては、公知のリチウムイオン二次電池用正極活物質を用いることができ、たとえば、リチウム含有遷移金属酸化物、1種類以上の遷移金属を用いたリチウム含有遷移金属複合酸化物、遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、金属酸化物、オリビン型金属リチウム塩等が挙げられる。
リチウム含有遷移金属酸化物としては、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物等が挙げられる。
リチウム含有遷移金属複合酸化物の遷移金属としてはAl、V、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Si、Yb等が好ましく、たとえば、LiCoO等のリチウムコバルト複合酸化物、LiNiO等のリチウムニッケル複合酸化物、LiMnO、LiMn、LiMnO等のリチウムマンガン複合酸化物、Li(NiCoMn)O(ただし、a,b,c>0、a+b+c=1である。)等のリチウム三元系複合酸化物、これらのリチウム遷移金属複合酸化物の主体となる遷移金属原子の一部をAl、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Si、Yb等の他の金属で置換したもの等が挙げられる。たとえば、LiMn0.5Ni0.5、LiMn1.8Al0.2、LiNi0.85Co0.10Al0.05、LiMn1.5Ni0.5、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiMn1.8Al0.2等が挙げられる。
遷移金属酸化物としては、たとえば、TiO、MnO、MoO、V、V13等が挙げられる。
遷移金属硫化物としてはTiS、FeS、MoS等が挙げられる。
金属酸化物としてはSnO、SiO等が挙げられる。
オリビン型金属リチウム塩は、Li(ただし、XはFe(II)、Co(II)、Mn(II)、Ni(II)、V(II)、またはCu(II)を示し、YはPまたはSiを示し、0≦L≦3、1≦x≦2、1≦y≦3、4≦z≦12、0≦g≦1である数をそれぞれ示す)で示される物質またはこれらの複合体である。たとえば、LiFePO、LiFe(PO、LiFeP、LiMnPO、LiNiPO、LiCoPO、LiFePOF、LiMnPOF、LiNiPOF、LiCoPOF、LiFeSiO、LiMnSiO、LiNiSiO、LiCoSiO等が挙げられる。
正極活物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、これら正極活物質の表面に、主体となる正極活物質を構成する物質とは異なる組成の物質が付着したものを用いることもできる。表面付着物質としては酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化アンチモン、酸化ビスマス等の酸化物;硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩;炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩等が挙げられる。
表面付着物質の量としては、正極活物質に対する質量の下限値は0.1ppmが好ましく、1ppmがより好ましく、10ppmが特に好ましい。上限値は20質量%が好ましく、10質量%がより好ましく、5質量%が特に好ましい。表面付着物質により、正極活物質表面での非水系電解液の酸化反応を抑制することができ、電池寿命を向上させることができる。
正極活物質としては、放電電圧が高く、かつ電気化学的安定性が高い点から、LiCoO、LiNiO、LiMnO等のα−NaCrO構造を母体とするリチウム含有複合酸化物、LiMn等のスピネル型構造を母体とするリチウム含有複合酸化物が好ましい。
本発明の二次電池は、負極および正極の少なくとも一方が分極性電極である負極および正極と、本発明の非水電解液とを有する。分極性電極は、電気化学的に不活性な高比表面積の材料を主体とするものが好ましく、活性炭、カーボンブラック、金属微粒子、および導電性酸化物微粒子からなるものが特に好ましい。なかでも、金属集電体の表面に活性炭等の高比表面積の炭素材料粉末からなる電極層が形成されたものが好ましい。
電極の製造には、負極活物質および正極活物質を結着させる結着剤を用いる。
負極活物質および正極活物質を結着する結着剤としては、電極製造時に使用する溶媒、および電解液に対して安定な材料であれば、任意の結着剤を使用することができる。結着剤は、たとえば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等の不飽和結合を有する重合体およびその共重合体、アクリル酸共重合体、メタクリル酸共重合体等のアクリル酸系重合体およびその共重合体等が挙げられる。これらの結着剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電極中には、機械的強度、電気伝導度を高めるために増粘剤、導電材、充填剤等を含有させてもよい。
増粘剤としては、たとえば、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、ガゼイン、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。これらの増粘剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
導電材としては、たとえば、銅またはニッケル等の金属材料、グラファイト、カーボンブラック、カーボンファイバー等の炭素質材料が挙げられる。これら導電材は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電極の製造法としては、負極活物質または正極活物質に、結着剤、増粘剤、導電材、溶媒等を加えてスラリー化し、これを集電体に塗布、乾燥して製造することができる。この場合、乾燥後にプレスすることによって電極を圧密化することが好ましい。
正極活物質層の密度が低すぎると二次電池の容量が不充分となるおそれがある。
集電体としては、各種の集電体を用いることができるが、通常は金属または合金が用いられる。負極の集電体としては、銅、ニッケル、ステンレス等が挙げられ、銅が好ましい。また、正極の集電体としては、アルミニウム、チタン、タンタル等の金属またはその合金が挙げられ、アルミニウムまたはその合金が好ましく、アルミニウムがより好ましい。
二次電池の形状は、用途に応じて選択すればよく、コイン型であっても、円筒型であっても、角型であってもラミネート型であってもよい。また、正極および負極の形状も、二次電池の形状に合わせて適宜選択することができる。
本発明の二次電池の充電電圧は、3.4V以上が好ましく、4.0V以上がより好ましく、4.2V以上が特に好ましい。二次電池の正極活物質が、リチウム含有遷移金属酸化物、リチウム含有遷移金属複合酸化物、遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、金属酸化物等の場合の充電電圧は、4.0V以上が好ましく、4.2V以上がより好ましい。また、正極活物質がオリビン型金属リチウム塩の場合の充電電圧は、3.2V以上が好ましく、3.4V以上がより好ましい。
二次電池の正極と負極の間には、短絡を防止するために通常はセパレータとして多孔膜を介在させる。非水電解液は該多孔膜に含浸させて用いる。多孔膜の材質および形状は、非水電解液に対して安定であり、かつ保液性に優れるものが使用できる。例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンとテトラフルオロエチレンのコポリマー等のフッ素樹脂、ポリイミド、またはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを原料とする多孔性シート若しくは不織布が好ましく、材質はポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましい。また、多孔膜に電解液を含浸させてゲル化させたものをゲル電解質として用いてもよい。
本発明の非水電解液に使用される電池外装体の材質は、ニッケルメッキを施した鉄、ステンレス、アルミニウムまたはその合金、ニッケル、チタン、樹脂材料、フィルム材料等が挙げられる。
以上説明した本発明の二次電池は、本発明の非水電解液を用いているため、優れた充放電特性およびサイクル特性を有している。そのため、本発明の二次電池は、携帯電話、携帯ゲーム機、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、電動工具、ノートパソコン、携帯情報端末、携帯音楽プレーヤー、電気自動車、ハイブリット式自動車、電車、航空機、人工衛星、潜水艦、船舶、無停電電源装置、ロボット、電力貯蔵システム等の様々な用途に用いることができる。また、本発明の二次電池は、電気自動車、ハイブリット式自動車、電車、航空機、人工衛星、潜水艦、船舶、無停電電源装置、ロボット、電力貯蔵システム等の大型二次電池に特に好ましい特性を有する。
本発明の二次電池の初回の充電方法は、炭素負極(炭素材料を活物質として含む負極)の電位を、使用する化合物(3)が炭素負極に共挿入される電位より高く、かつ環状カーボネート化合物(X)の還元分解電位よりも小さい電位に保持して充電する第1の充電工程と、炭素負極の電位を、使用する化合物(3)が炭素負極に共挿入される電位以下の電位として充電する第2の充電工程を有する方法が好ましい。該方法により充電することで、第1の充電工程において、化合物(3)の炭素負極への挿入を起こさずに環状カーボネート化合物(X)を還元分解させて充分な被膜を形成することが容易になるので、優れた充放電特性およびサイクル特性が得られやすくなる。
実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明により限定して解釈されない。以下において例1〜4は実施例であり、例5は比較例である。
[例1]
リチウム塩であるLiPF(1.37g)を、含フッ素エーテル溶媒であるHFE5510(CFHCFCHOCFCFHCF、11.8g)中に拡散した後、非フッ素系エーテル化合物であるモノグライム(0.81g)、非フッ素系環状カーボネート化合物であるプロピレンカーボネート(1.84g)、および置換基を有していてもよいビニル基を有する環状カーボネート化合物(X)であるビニルエチレンカーボネート(VEC、0.006g)を混合して非水電解液1とした。
人造黒鉛(4.25g)と、導電材であるアセチレンブラック(0.15g)を混合し、自転公転式撹拌機(シンキー社製、あわとり練太郎AR−E310)を用いて回転数2000rpmで1分間撹拌する工程を3回行った。次いで、1質量%のカルボキシメチルセルロース水溶液(4.25g)を添加し、その後、前記撹拌機を用いて回転数2000rpmで5分間撹拌する工程を2回行った。さらに1質量%のカルボキシメチルセルロース水溶液(4.25g)を添加し、前記撹拌機を用いて回転数2000rpmで10分間撹拌した。その後、固形分濃度を40質量%に調整したスチレンブタジエンゴム水性分散ラテックスバインダ(0.13g)を添加し、前記撹拌機を用いて回転数2000rpmで5分間撹拌して電極塗工用スラリーを得た。
厚み20μmの銅箔上に、前記スラリーを150μmの厚みで塗工し、乾燥した後、直径19mmの円形に打ち抜いて評価用電極(正極)とした。また、リチウム金属箔を直径19mmの円形に打ち抜いて対極(負極)とした。正極と負極の間に、評価用電極セパレータとしてポリオレフィン系微多孔膜を存在させ、調製した非水電解液1(0.5mL)を添加し、黒鉛極−リチウム金属箔からなる単極セルの評価用セル1を作製した。
[例2〜5]
非水電解液として表1に示す組成の非水電解液を用いること以外は、例1と同様に非水電解液2〜5を調製し、評価用セル2〜5を作製した。
[評価方法]
評価用セル1〜5について、サイクル特性の評価を以下に示す試験方法により行った。評価用セル1〜4は試験方法1、評価用セル5は試験方法2の条件でサイクル特性を評価した。
試験方法1:
二次電池を25℃において、0.04C(クーロン)の定電流で1.25V(電圧はリチウムに対する電圧を表す。以下、同じ。)まで放電し、放電下限電圧において5時間保持した後に、0.2Cの定電流で0.05Vまで放電し、さらに充電下限電圧において電流値が0.02Cになるまで放電を行い、10分間の休止の後に0.2Cの定電流で1.0Vまで充電するサイクルを2回行い、サイクル1〜2は二次電池を安定させた。また、サイクル2の0.2Vまで放電した段階で放電を休止し、複素交流インピーダンス法により界面抵抗を測定し、その後放電を再開させた。
サイクル3〜7については、まず0.2Cの定電流で0.05Vまで放電し、さらに放電下限電圧において電流値が0.02Cになるまで放電を行った後、サイクル3では0.1C、サイクル4では0.2C、サイクル5では0.5C、サイクル6では1.0C、サイクル7では2.0Cの定電流で1.0Vまで充電した。サイクル8〜30は、0.2Cの定電流で0.05Vまで放電し、さらに放電下限電圧において電流値が0.02Cになるまで放電を行い、10分間の休止の後に0.2Cの定電流で1.0Vまで充電した。
サイクル1の充電容量に対するサイクル30の充電容量の維持率からサイクル特性を評価した。
なお、1Cとは電池の基準容量を1時間で放電する電流値を表し、0.2Cとはその1/5の電流値を表す。
また、1サイクル目での保持電位である1.25Vは、サイクリックボルタンメトリーにより求めた、本電解液中におけるビニルエチレンカーボネートの分解電位である。
試験方法2:
1サイクル目の放電を、25℃において、0.04Cの定電流で0.75Vまで放電し、放電下限電圧において5時間保持した後に、0.2Cの定電流で0.05Vまで放電し、さらに放電電下限電圧において電流値が0.02Cになるまで放電を行った以外は、試験方法1と同様に行った。なお、1サイクル目での保持電位である0.75Vは、サイクリックボルタンメトリーにより求めた、ビニレンカーボネートの分解電位である。
各例の評価用セルのサイクル特性の評価結果を表1に示す。
Figure 2012173253
表1中、HFE5510はCFHCFCHOCFCFHCFである。また、「質量%」とは、電解液の総質量に対する各組成物の質量パーセントを意味し、「充電容量維持率」とは、サイクル1の充電容量に対するサイクル30の充電容量の維持率を意味する。
なお、表1中、「−」は、対応する化合物等を用いなかったことを意味する。
表1に示すように、環状カーボネート化合物(X)を含む非水電解液1〜4を使用した例1〜4は、環状カーボネート化合物(X)を含まない非水電解液5を使用した例5に比べて、界面抵抗が小さく、また容量維持率に優れていた。
本発明の非水電解液は、優れた充放電特性、サイクル特性を有し、携帯電話、ノートパソコン、電動工具等の様々な分野で二次電池用の非水電解液として使用することが可能であり、特に、電気自動車、航空機、人工衛星、船舶、無停電電源装置、ロボット、電力貯蔵システム等の大型二次電池用として有用である。
なお、2011年6月17日に出願された日本特許出願2011−135527号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (13)

  1. 電解質と液状組成物からなる二次電池用非水電解液であって、
    前記電解質がリチウム塩であり、
    前記液状組成物が、下式(1)で表される化合物および下式(2)で表される化合物からなる群から選ばれる1種以上の含フッ素エーテル溶媒と、下式(3)で表される非フッ素系エーテル化合物と、下式(4)で表される化合物および下式(5)で表される化合物からなる群から選ばれる1種以上の置換基を有していてもよいビニル基を有する環状カーボネート化合物と、を含有し、
    前記非水電解液の総質量に対する含フッ素エーテル溶媒の質量が40〜90質量%であることを特徴とする二次電池用非水電解液。
    Figure 2012173253
    (ただし、式中、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜10のフッ素化アルキル基、炭素数3〜10のフッ素化シクロアルキル基、炭素原子−炭素原子間に1個以上のエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基、または炭素原子−炭素原子間に1個以上のエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜10のフッ素化アルキル基であり、RおよびRの一方または両方は、フッ素化アルキル基である。
    Xは炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のフッ素化アルキレン基、炭素原子−炭素原子間に1個以上のエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜5のアルキレン基、または炭素原子−炭素原子間に1個以上のエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜5のフッ素化アルキレン基である。
    mは1〜10の整数である。
    は炭素数1〜4の直鎖アルキレン基、または、該直鎖アルキレン基の水素原子の1個以上が、炭素数1〜5のアルキル基、もしくは炭素原子−炭素原子間に1個以上のエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜5のアルキル基に置換された基である。mが2以上の場合、Qは、同一の基であっても、異なる基であってもよい。
    およびRはそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、またはRとRが連結して形成した炭素数1〜10のアルキレン基である。
    〜R10は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。
    11〜R18は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。)
  2. 前記非水電解液の総体積に対する前記電解質のモル量が0.1〜3.0mol/Lであり、前記非水電解液の総質量に対する前記非フッ素系エーテル化合物の質量が1〜15質量%である請求項1に記載の二次電池用非水電解液。
  3. 前記非水電解液の総質量に対する前記ビニル基を有する環状カーボネート化合物の質量が0.01〜10質量%である請求項1または2に記載の二次電池用非水電解液。
  4. 前記含フッ素エーテル溶媒が、CFCHOCFCFH、CHFCFCHOCFCFH、CFCFCHOCFCHF、CFCHOCFCHFCF、およびCHFCFCHOCFCFHCFからなる群から選ばれる1種以上の化合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液。
  5. 前記リチウム塩由来のリチウム原子の総モル数(NLi)に対する前記非フッ素系エーテル化合物由来のエーテル性酸素原子の総モル数(N)の比率であるN/NLiが1〜8である請求項1〜4のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液。
  6. 前記液状組成物が、前記ビニル基を有する環状カーボネート以外の環状カーボネート化合物および環状エステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液。
  7. 前記リチウム塩由来のリチウム原子の総モル数(NLi)に対する、前記非フッ素系エーテル化合物由来のエーテル性酸素原子の総モル数(N)、および前記ビニル基を有する環状カーボネート以外の環状カーボネート化合物由来のカルボニル酸素原子の総モル数と環状エステル化合物由来のカルボニル酸素原子の総モル数の和(N)の比率である(N+N)/NLiが1〜8である請求項1〜6のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液。
  8. 前記非水電解液の総質量に対する、前記ビニル基を有する環状カーボネート以外の環状カーボネート化合物および環状エステル化合物の総質量が0質量%超30質量%以下である請求項6または7に記載の二次電池用非水電解液。
  9. 前記式(3)で表される非フッ素系エーテル化合物のQが−CHCH−であり、かつmが1〜3である請求項1〜8のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液。
  10. 前記式(4)で表される化合物のR〜R10が全て水素原子であり、かつ前記式(5)で表される化合物のR11〜R18が全て水素原子である請求項1〜9のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液。
  11. 前記非水電解液が下式(6)で表される化合物を含有し、かつ前記非水電解液の総質量に対する前記式(6)で表される化合物の質量が0〜30質量%である請求項1〜10のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液。
    Figure 2012173253
    (ただし、前記式中、R19〜R24は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、飽和炭化水素基、またはハロゲン化飽和炭化水素基である。)
  12. リチウムイオンを吸蔵および放出できる材料を活物質とする正極、リチウムイオンを吸蔵および放出できる炭素材料を活物質とする負極、セパレータ、および請求項1〜11のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液を有するリチウムイオン二次電池における二次電池用非水電解液。
  13. リチウムイオンを吸蔵および放出できる材料を活物質とする正極と、リチウムイオンを吸蔵および放出できる炭素材料を活物質とする負極と、セパレータと、請求項1〜11のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液とを有する二次電池。
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