JPWO2013183719A1 - 二次電池用非水電解液およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

充分なイオン伝導度を有し、優れた高電圧サイクル特性および高電圧高温保存特性を兼ね備えた二次電池用非水電解液、ならびに該二次電池用非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池の提供を目的とする。リチウム塩と液状組成物からなる非水電解液であって、前記液状組成物が、特定の含フッ素エーテル化合物の5〜50体積%、特定の含フッ素環状カーボネート化合物の5〜70体積%、および特定のスルトン化合物の1〜35体積%を含むことを特徴とする二次電池用非水電解液。また、該二次電池用非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池。

Description

本発明は、二次電池用非水電解液およびリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池(以下、単に「二次電池」ということがある。)に用いる非水電解液には、一般的にリチウム塩を良好に溶解することで高いイオン伝導度を発現し、また広い電位窓を有するという点から、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート等のカーボネート系溶媒が広く用いられている。しかし、カーボネート系溶媒は可燃性であり、電池の発熱等により発火するおそれがある。
そこで、非水電解液の不燃性(難燃性)を高めるため、フッ素系溶媒を使用することが提案されている。また、サイクル特性等を高めるために含フッ素環状カーボネート化合物を使用することも提案されている。具体的には、含フッ素環状カーボネート化合物および含フッ素エーテル化合物を含む非水電解液(特許文献1)や、含フッ素環状カーボネート化合物、含フッ素エーテル化合物、およびフッ素原子を有しないカーボネート系溶媒を含む非水電解液(特許文献2)等が知られている。
一方、近年、二次電池は、より大きなエネルギーを必要とする電気自動車の車載電源等への適用が盛んに検討されており、4.5V以上の高電圧で使用できる非水電解液が求められている。
高電圧での保存特性を高めた非水電解液としては、スルトン化合物、およびフッ素原子を有しないカーボネート系溶媒を含む非水電解液が知られている(特許文献3、4)。
国際公開第2008/096729号 国際公開第2009/035085号 日本特開2011−86632号公報 日本特開2011−96632号公報
しかし、特許文献1、2のような非水電解液では、高電圧かつ高温の環境下において充分な保存特性が得られ難い。また、特許文献3、4のような非水電解液では、高電圧での充放電において充分なサイクル特性が得られ難い。
本発明は、充分なイオン伝導度を有し、優れた高電圧サイクル特性および高電圧高温保存特性を兼ね備えた二次電池用非水電解液、ならびに該二次電池用非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池の提供を目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
[1]リチウム塩と液状組成物からなる非水電解液であって、
前記液状組成物が、下式(1)で表される化合物および下式(2)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の含フッ素エーテル化合物の5〜50体積%、下式(3)で表される含フッ素環状カーボネート化合物の5〜70体積%、および下式(4)で表されるスルトン化合物の1〜35体積%を含むことを特徴とする、二次電池用非水電解液。
Figure 2013183719
(ただし、式中、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜10のフッ素化アルキル基、炭素数3〜10のフッ素化シクロアルキル基、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のアルキル基、または、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のフッ素化アルキル基であり、RおよびRの一方または両方は、炭素数1〜10のフッ素化アルキル基、炭素数3〜10のフッ素化シクロアルキル基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のフッ素化アルキル基である。
Xは炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のフッ素化アルキレン基、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜5のアルキレン基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜5のフッ素化アルキレン基である。
〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、フッ素原子または水素原子である。
〜R13はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、またはメチル基である。
nは0または1である。)
[2]前記含フッ素環状カーボネート化合物が、前記式(3)におけるRおよびRが水素原子であり、Rが水素原子またはフッ素原子である上記[1]に記載の二次電池用非水電解液。
[3]前記スルトン化合物が、前記式(4)におけるR〜R12が水素原子であり、R13が水素原子またはメチル基である化合物である上記[1]または[2]に記載の二次電池用非水電解液。
[4]前記含フッ素エーテル化合物が前記式(1)で表される化合物であって、該化合物がCFCHOCFCHF、CFCHOCFCHFCF、CHFCFCHOCFCHF、CHCHCHCHOCFCHF、CHCHCHOCFCHF、CHCHOCFCHF、およびCHFCFCHOCFCHFCFからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記[1]〜[3]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
[5]前記液状組成物が、さらにフッ素原子を有しない環状カーボネート化合物、鎖状カーボネート化合物、飽和環状スルホン化合物およびリン酸エステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む上記[1]〜[4]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
[6]前記非水電解液の25℃におけるイオン伝導度が、0.4S/m以上である上記[1]〜[5]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
[7]前記リチウム塩がLiPFを含む上記[1]〜[6]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
[8]前記非水電解液中の前記リチウム塩の含有量が0.1〜3.0mol/Lである上記[1]〜[7]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
[9]リチウムイオンを吸蔵および放出できる材料を活物質とする正極と、リチウム金属、リチウム合金、ならびにリチウムイオンを吸蔵および放出できる炭素材料からなる群から選ばれる1種以上を活物質とする負極と、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の二次電池用非水電解液とを有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
本発明の二次電池用非水電解液は、充分なイオン伝導度を有し、優れた高電圧サイクル特性および高電圧高温保存特性を兼ね備えている。
本発明のリチウムイオン二次電池は、充分なイオン伝導度を有し、優れた高電圧サイクル特性および高電圧高温保存特性を兼ね備えており、高電圧で使用できる。
本明細書中では、特に説明しない限り、式(1)で表される化合物を化合物(1)と示し、他の式についても同様に示す。
本明細書において、フッ素化とは、炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されることをいう。フッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換された基である。一部がフッ素化された基中には、水素原子およびフッ素原子が存在する。また、パーフルオロアルキル基とは、アルキル基の水素原子の全部がフッ素原子に置換された基である。また、炭素−炭素不飽和結合とは、炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合である。
<二次電池用非水電解液>
本発明の二次電池用非水電解液(以下、単に「非水電解液」ということがある。)は、リチウム塩と液状組成物からなる。前記液状組成物は、後述する含フッ素エーテル化合物、含フッ素環状カーボネート化合物およびスルトン化合物を含有する。
非水電解液とは、水を実質的に含まない電解液であり、仮に水を含んでいたとしてもその水分量が該非水電解液を用いた二次電池の性能劣化が見られない範囲の量である電解液である。かかる非水電解液中に含まれ得る水分量は、非水電解液の総質量に対して500質量ppm以下であることが好ましく、100質量ppm以下であることがより好ましく、50質量ppm以下であることが特に好ましい。水分量の下限値は、0質量ppmである。
[リチウム塩]
リチウム塩は、非水電解液中で解離してリチウムイオンを供給する電解質である。リチウム塩としては、LiPF、下記化合物(A)(ただし、kは1〜5の整数である。)、FSON(Li)SOF、CFSON(Li)SOCF、CFCFSON(Li)SOCFCF、LiClO、下記化合物(B)、下記化合物(C)、下記化合物(D)、下記化合物(E)、およびLiBFからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。リチウム塩としては、LiPF、LiBFおよび化合物(A)からなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。
本発明の非水電解液に含有されるリチウム塩は1種のみでもよく、2種以上であってもよい。2種以上のリチウム塩を併用する場合の組み合わせは、国際公開第2009/133899号に開示される組み合わせが挙げられる。
リチウム塩は、LiPFを含むことが好ましい。本発明の非水電解液に含有されるリチウム塩の総モル数に対する、LiPFのモル比の下限値は40mol%が好ましく、50mol%がより好ましく、65mol%がさらに好ましく、80mol%が特に好ましい。前記非水電解液に含有されるリチウム塩の総モル数に対する、LiPFのモル比の上限値は100mol%である。リチウム塩の総モル数に対する、LiPFのモル比が下限値以上であれば、イオン伝導度に優れ、実用性の高い非水電解液となる。
Figure 2013183719
化合物(A)としては、例えば、下記化合物(A−1)〜化合物(A−4)が挙げられる。イオン伝導度の高い非水電解液が得られやすい点から、化合物(A)としては、kが2の化合物(A−2)を含むことが好ましく、kが2の化合物(A−2)のみからなることがより好ましい。
Figure 2013183719
非水電解液中のリチウム塩の含有量は、特に限定されないが、0.1〜3.0mol/Lが好ましい。前記リチウム塩の含有量の下限値は、0.5mol/Lがより好ましく、0.8mol/Lがさらに好ましい。また前記リチウム塩の含有量の上限値は、1.8mol/Lがより好ましく、1.6mol/Lがさらに好ましい。
質量%に換算すると、非水電解液中のリチウム塩の含有量は、5質量%〜25質量%が好ましい。前記リチウム塩の含有量の下限値は、7質量%がより好ましく、8質量%がさらに好ましい。また前記リチウム塩の含有量の上限値は、20質量%がより好ましく、17質量%がさらに好ましい。
前記リチウム塩の含有量が前記下限値以上であれば、非水電解液のイオン伝導度が高い。また、前記リチウム塩の含有量が前記上限値以下であれば、リチウム塩が液状組成物に均一に溶解しやすく、また低温条件でもリチウム塩が析出しない。
[含フッ素エーテル化合物]
本発明の非水電解液における液状組成物は、下記化合物(1)および下記化合物(2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の含フッ素エーテル化合物を含む。含フッ素エーテル化合物は耐高電圧特性と難燃性に優れている。また、含フッ素エーテル化合物は界面張力が低いため、電極およびセパレータに対する濡れ性にも優れている。液状組成物に含まれる含フッ素エーテル化合物は1種でもよく、2種以上であってもよい。含フッ素エーテル化合物が2種以上の場合、その比率は任意に決めることができる。
Figure 2013183719
ただし、式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜10のフッ素化アルキル基、炭素数3〜10のフッ素化シクロアルキル基、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のアルキル基、または、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のフッ素化アルキル基であり、RおよびRの一方または両方は、炭素数1〜10のフッ素化アルキル基、炭素数3〜10のフッ素化シクロアルキル基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のフッ素化アルキル基である。
また、式(2)中、Xは炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のフッ素化アルキレン基、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜5のアルキレン基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜5のフッ素化アルキレン基である。
前記アルキル基、およびエーテル性酸素原子を有するアルキル基としては、それぞれ、直鎖構造、分岐構造、または部分的に環状構造を有する基(例えば、シクロアルキルアルキル基)が挙げられる。
化合物(1)におけるRおよびRの一方または両方は、炭素数1〜10のフッ素化アルキル基、炭素数3〜10のフッ素化シクロアルキル基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のフッ素化アルキル基である。RおよびRの一方または両方がこれらの基であると、非水電解液の耐高電圧特性および難燃性が優れる。化合物(1)におけるRとRは同じであってもよく、異なっていてもよい。
化合物(1)としては、RおよびRが、いずれも炭素数1〜10のフッ素化アルキル基である化合物(1−A)、Rがエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のフッ素化アルキル基であり、Rが炭素数1〜10のフッ素化アルキル基である化合物(1−B)、またはRが炭素数1〜10のフッ素化アルキル基であり、Rが炭素数1〜10のアルキル基である化合物(1−C)が好ましく、化合物(1−A)または化合物(1−C)がより好ましく、化合物(1−A)が特に好ましい。
化合物(1)の総炭素数は、少なすぎると沸点が低すぎ、多すぎると高粘度化することから、4〜10が好ましく、4〜8がより好ましい。化合物(1)の分子量は150〜800が好ましく、150〜500がより好ましく、200〜500が特に好ましい。化合物(1)中のエーテル性酸素原子数は可燃性に影響する。よって、エーテル性酸素原子を有する化合物(1)のエーテル性酸素原子数は、1〜4が好ましく、1または2がより好ましく、1がさらに好ましい。また化合物(1)中のフッ素含有量(フッ素含有量とは、分子量に占めるフッ素原子の総質量の割合をいう。)が高いと難燃性に優れる。化合物(1)中のフッ素含有量は、50質量%以上が好ましく、55質量%以上がより好ましく、60質量%以上が特に好ましい。
化合物(1)は、リチウム塩の液状組成物に対する溶解度に優れることから、RおよびRの両方が、アルキル基の水素原子の一部がフッ素化されたアルキル基である化合物が好ましい。
特に、化合物(1)は、耐高電圧特性と難燃性に優れ、リチウム塩の液状組成物に対する溶解度に優れる点から、RおよびRの一方または両方の末端構造が−CFHである化合物が好ましい。
化合物(1−A)、化合物(1−B)、ならびに化合物(1−A)および化合物(1−B)以外の含フッ素エーテル化合物の具体例としては、例えば、国際公開第2009/133899号に記載の化合物等が挙げられる。
化合物(1)としては、化合物(1−A)が好ましく、CFCHOCFCHF(商品名:AE−3000、旭硝子社製)、CFCHOCFCHFCF、CHFCFCHOCFCHF、CHCHCHCHOCFCHF、CHCHCHOCFCHF、CHCHOCFCHF、およびCHFCFCHOCFCHFCFからなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、CFCHOCFCHF、CHFCFCHOCFCHFおよびCHFCFCHOCFCHFCFの少なくとも1種が特に好ましい。
化合物(2)において、Xは直鎖構造であっても分岐構造であってもよい。Xとしては、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基がより好ましい。該アルキレン基は、直鎖構造または分岐構造が好ましい。Xにおけるアルキレン基が分岐構造を有する場合には、側鎖は炭素数1〜3のアルキル基またはエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。
化合物(2)としては、式(2)において、Xが−CH−、−CHCH−、−CH(CH)CH−、および−CHCHCH−からなる群から選ばれる1種である化合物が好ましく、Xが−CHCH−である化合物、およびXが−CH(CH)CH−である化合物の少なくとも一方がより好ましく、Xが−CHCH−である化合物、またはXが−CH(CH)CH−である化合物のいずれか1種であることがさらに好ましい。
化合物(2)の具体例としては、例えば、下式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2013183719
化合物(1)および化合物(2)が上記の化合物であると、非水電解液は、リチウム塩を均一に溶解し、難燃性に優れ、イオン伝導度が高い。
含フッ素エーテル化合物としては、化合物(1)、化合物(2)、または化合物(1)および化合物(2)の混合物が好ましく、化合物(1)単独、または化合物(2)単独がより好ましい。
本発明の非水電解液が化合物(1)を含有する場合、化合物(1)は1種のみでもよく、2種以上であってもよい。また、本発明の非水電解液が化合物(2)を含有する場合、化合物(2)は1種のみでもよく、2種以上であってもよい。
含フッ素エーテル化合物として、化合物(1)(質量:Va)と化合物(2)(質量:Vb)を併用する場合、それらの質量比(Vb/Va)は、0.01〜100が好ましく、0.1〜10がより好ましい。
本発明の液状組成物中の含フッ素エーテル化合物の含有量は、5〜50体積%である。前記含フッ素エーテル化合物の含有量の下限値は、5体積%が好ましく、10体積%がより好ましく、15体積%がさらに好ましい。また、前記含フッ素エーテル化合物の含有量の上限値は、50体積%が好ましく、45体積%がより好ましく、40体積%がさらに好ましい。
前記含フッ素エーテル化合物の含有量が下限値以上であれば、非水電解液は、難燃性に優れ、正極反応性および負極反応性が小さく、熱暴走を起こし難く、高い耐高電圧特性を有し、かつ電極およびセパレータに対する優れた濡れ性を有する。前記含フッ素エーテル化合物の含有量が上限値以下であれば、リチウム塩を均一に溶解させやすく、また低温下においてリチウム塩が析出し難いため、イオン伝導度が低下し難い。
液状組成物中の含フッ素エーテル化合物の含有量は、5〜50体積%が好ましく、10〜45体積%がより好ましく、15〜40体積%が特に好ましい。
[含フッ素環状カーボネート化合物]
本発明の非水電解液における液状組成物は、含フッ素環状カーボネート化合物である下記化合物(3)を含む。化合物(3)を含むことにより、非水電解液は、高電圧サイクル特性に優れる。化合物(3)は、1種のみでもよく、2種以上であってもよい。
Figure 2013183719
ただし、式(3)中、R〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、フッ素原子または水素原子である。
化合物(3)におけるR〜Rは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
〜Rとしては、水素原子、フッ素原子が好ましく、RおよびRが水素原子で、Rが水素原子またはフッ素原子であることがより好ましい。
化合物(3)としては、例えば、下記化合物(3−1)〜(3−3)等が挙げられ、高電圧サイクル特性に優れる点から、下記化合物(3−1)または化合物(3−2)が好ましい。
Figure 2013183719
本発明の液状組成物中の化合物(3)の含有量は、5〜70体積%である。前記化合物(3)の含有量の下限値は、5体積%が好ましく、10体積%がより好ましく、15体積%がさらに好ましい。前記化合物(3)の含有量の上限値は、70体積%が好ましく、65体積%がより好ましく、60体積%がさらに好ましい。
前記化合物(3)の含有量が下限値以上であれば、非水電解液は、高電圧サイクル特性に優れる。また、前記化合物(3)の含有量が上限値以下であれば、非水電解液は難燃性および耐電圧性に優れ、かつ非水電解液と正極および負極との反応性が小さく、熱暴走が起こり難い。
本発明の液状組成物中の化合物(3)の含有量は、5〜70体積%が好ましく、10〜65体積%がより好ましく、15〜60体積%が特に好ましい。
[スルトン化合物]
本発明の非水電解液における液状組成物は、スルトン化合物である下記化合物(4)を含む。化合物(4)を含むことにより、非水電解液は、高電圧高温保存特性に優れる。化合物(4)は、1種のみでもよく、2種以上であってもよい。
Figure 2013183719
ただし、式(4)中、R〜R13はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、またはメチル基である。nは0または1である。
化合物(4)におけるR〜R13は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
〜R13としては、水素原子またはメチル基が好ましく、R〜R12が水素原子であり、R13が水素原子またはメチル基であることがより好ましい。
nは0または1が好ましく、0がより好ましい。
化合物(4)としては、例えば、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、2,4−ブタンスルトン等が挙げられる。なかでも、高電圧高温保存特性に優れる点から、1,3−プロパンスルトン、2,4−ブタンスルトンが好ましい。
本発明の液状組成物中の化合物(4)の含有量は、1〜35体積%である。前記化合物(4)の含有量の下限値は、1体積%が好ましく、2体積%がより好ましく、5体積%がさらに好ましい。前記化合物(4)の含有量の上限値は、35体積%が好ましく、32体積%がより好ましく、30体積%がさらに好ましい。
前記化合物(4)の含有量が下限値以上であれば、非水電解液は、高電圧高温保存特性に優れる。また、前記化合物(4)の含有量が上限値以下であれば、非水電解液の粘度を低く抑えることができるため、高い伝導度を維持しやすい。
本発明の液状組成物中の化合物(4)の含有量は、1〜35体積%が好ましく、2〜32体積%がより好ましく、5〜30体積%が特に好ましい。
[他の溶媒]
本発明の非水電解液の液状組成物は、前記含フッ素エーテル化合物、含フッ素環状カーボネート化合物およびスルトン化合物以外の他の溶媒を含んでもよい。他の溶媒としては、非水電解液が、リチウム塩の溶解性、イオン伝導度に優れることから、フッ素原子を有しない環状カーボネート化合物(以下、「非フッ素系環状カーボネート化合物」ともいう。)、鎖状カーボネート化合物、飽和環状スルホン化合物およびリン酸エステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種(以下、これらをまとめて「化合物(α)」ということがある。)が好ましい。
非フッ素系環状カーボネート化合物とは、環骨格が炭素原子と酸素原子からなる環構造を有する化合物であり、該環構造が−O−C(=O)−O−で表されるカーボネート結合を有する化合物である。例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、ブチレンカーボネート(BC)等が挙げられる。
鎖状カーボネート化合物とは、環構造を有さず、−O−C(=O)−O−で表されるカーボネート結合を有する鎖状の化合物である。例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート、ビス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)カーボネート等が挙げられる。
飽和環状スルホン化合物としては、例えば、スルホラン、3−メチルスルホラン等が挙げられる。
リン酸エステル化合物としては、例えば、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等が挙げられる。
本発明の非水電解液は、他の溶媒を含まなくてもよい。本発明の非水電解液が他の溶媒を含む場合、非水電解液中の他の溶媒の含有量は、0.01〜30体積%が好ましく、0.1〜20体積%がより好ましい。前記他の溶媒の含有量が上限値以下であれば、高電圧サイクル特性および高電圧高温保存特性に優れた非水電解液となる。また、含フッ素エーテル化合物の含有量を多くしやすいので、難燃性に優れた非水電解液が得られやすい。
本発明の非水電解液が化合物(α)を含む場合、非水電解液中の化合物(α)の含有量は、0.01〜30体積%が好ましく、0.1〜20体積%がより好ましい。
本発明の非水電解液は、非フッ素系環状カーボネート化合物を含まなくてもよい。
本発明の非水電解液中の非フッ素系環状カーボネート化合物の含有量は、20体積%以下が好ましく、15体積%以下がより好ましく、10体積%未満がさらに好ましく、5体積%以下が特に好ましく、3体積%以下が最も好ましい。
本発明の非水電解液が非フッ素系環状カーボネート化合物を含む場合、非水電解液中の非フッ素系環状カーボネート化合物の含有量は、0.01〜20体積%が好ましく、0.01〜15体積%がより好ましく、0.01体積%以上10体積%未満がさらに好ましく、0.01〜5体積%が特に好ましく、0.01〜3体積%が最も好ましい。前記非フッ素系環状カーボネート化合物の含有量が上限値以下であれば、非水電解液は高電圧サイクル特性および高電圧高温保存特性に優れ、難燃性に優れる。
本発明の非水電解液は、鎖状カーボネート化合物を含まなくてもよい。
本発明の非水電解液中の鎖状カーボネート化合物の含有量は、30体積%以下が好ましく、25体積%以下がより好ましく、20体積%未満がさらに好ましく、15体積%以下が特に好ましい。
本発明の非水電解液が鎖状カーボネート化合物を含む場合、非水電解液中の鎖状カーボネート化合物の含有量は、非フッ素系環状カーボネート化合物と同様の理由から、0.01〜30体積%が好ましく、0.01〜25体積%がより好ましく、0.01体積%以上20体積%未満がさらに好ましく、0.01〜15体積%が特に好ましい。
本発明の非水電解液は、飽和環状スルホン化合物を含まなくてもよい。
本発明の非水電解液中の飽和環状スルホン化合物の含有量は、20体積%以下が好ましく、15体積%未満がさらに好ましく、10体積%以下が特に好ましく、5体積%以下が最も好ましい。
本発明の非水電解液が飽和環状スルホン化合物を含む場合、非水電解液中の飽和環状スルホン化合物の含有量は、非フッ素系環状カーボネート化合物と同様の理由から、0.01〜20体積%が好ましく、0.01〜15体積%がより好ましく、0.01〜10体積%がさらに好ましく、0.01〜5体積%が特に好ましい。
本発明の非水電解液は、リン酸エステル化合物を含まなくてもよい。
本発明の非水電解液中のリン酸エステル化合物の含有量は、5体積%以下が好ましい。
本発明の非水電解液がリン酸エステル化合物を含む場合、本発明の非水電解液中のリン酸エステル化合物の含有量は、非フッ素系環状カーボネート化合物と同様の理由から、0.01〜5体積%が好ましい。
また、本発明の非水電解液がリン酸エステル化合物を含む場合、リチウム塩由来のリチウム原子の総モル数(NLi)に対する、リン酸エステル化合物の総モル数(N)の比率であるN/NLiは、0.01以上1.0未満が好ましい。
また、本発明の非水電解液の液状組成物は、化合物(α)以外に含フッ素アルカン化合物を含有してもよい。
液状組成物が含フッ素アルカン化合物を含む場合、非水電解液は、難燃性がさらに優れる。含フッ素アルカン化合物とは、アルカンの水素原子の1個以上がフッ素原子に置換され、水素原子が残っている化合物をいう。含フッ素アルカン化合物としては、炭素数4〜12の含フッ素アルカン化合物が好ましい。炭素数6以上の含フッ素アルカン化合物を用いた場合は、非水電解液の蒸気圧が低く、炭素数が12以下の含フッ素アルカン化合物であればリチウム塩の溶解度が良好である。また、含フッ素アルカン化合物中のフッ素含有量は、50〜80質量%が好ましい。含フッ素アルカン化合物中のフッ素含有量が50質量%以上であれば、難燃性に優れる。含フッ素アルカン化合物中のフッ素含有量が80質量%以下であれば、リチウム塩の溶解性を保持しやすい。
含フッ素アルカン化合物としては、直鎖構造の化合物が好ましく、例えば、n−CCHCH、n−C13CHCH、n−C13H、n−C17H等が挙げられる。これら含フッ素アルカン化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
[他の成分]
本発明の非水電解液には、非水電解液の機能を向上させるために、必要に応じて他の成分を含ませてもよい。他の成分としては、例えば、従来公知の過充電防止剤、脱水剤、脱酸剤、高温保存後の容量維持特性およびサイクル特性を改善するための特性改善助剤、非水電解液の電極合材やセパレータへの含浸を助ける界面活性剤等が挙げられる。
過充電防止剤としては、例えば、ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等の芳香族化合物;2−フルオロビフェニル、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼン等の前記芳香族化合物の部分フッ素化物;2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、2,6−ジフルオロアニオール等の含フッ素アニソール化合物が挙げられる。過充電防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
非水電解液が過充電防止剤を含有する場合、非水電解液中の過充電防止剤の含有量は、0.01〜5体積%であることが好ましい。非水電解液に過充電防止剤を0.01体積%以上含有させることにより、過充電による二次電池の破裂および発火を抑制することがさらに容易になり、二次電池をより安定に使用できる。
脱水剤としては、例えば、モレキュラーシーブス、芒硝、硫酸マグネシウム、水素化カルシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウムアルミニウム等が挙げられる。本発明の非水電解液に用いる溶媒は、前記脱水剤で脱水を行った後に精留を行ったものを使用することが好ましい。また、精留を行わずに前記脱水剤による脱水のみを行った溶媒を使用してもよい。
高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を改善するための特性改善助剤としては、例えば、エチレンサルファイト、メタンスルホン酸メチル、ブスルファン、スルホレン、ジメチルスルホン、ジフェニルスルホン、メチルフェニルスルホン、ジブチルジスルフィド、ジシクロヘキシルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、N,N−ジメチルメタンスルホンアミド、N,N−ジエチルメタンスルホンアミド等の含硫黄化合物;ヘプタン、オクタン、シクロヘプタン等の炭化水素化合物;フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン等の含フッ素芳香族化合物が挙げられる。これら特性改善助剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
非水電解液が特性改善助剤を含有する場合、非水電解液中の特性改善助剤の含有量は、0.01〜5体積%であることが好ましい。
界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれでもよく、入手が容易で界面活性効果が高いことから、アニオン性界面活性剤が好ましい。また、界面活性剤としては、耐酸化性が高く、サイクル特性、レート特性が良好な点から、含フッ素界面活性剤が好ましい。
アニオン性の含フッ素界面活性剤としては、下記化合物(5−1)または化合物(5−2)が好ましい。
Figure 2013183719
ただし、式中、R14およびR15はそれぞれ独立に炭素数4〜20のパーフルオロアルキル基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数4〜20のパーフルオロアルキル基である。
およびMはそれぞれ独立にアルカリ金属またはNH(R16(R16は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であり、同一の基であっても、異なる基であってもよい。)である。
14およびR15としては、非水電解液の表面張力を低下させる度合いが良好な点から、炭素数4〜20のパーフルオロアルキル基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数4〜20のパーフルオロアルキル基が好ましく、溶解性、環境蓄積性の観点から、炭素数4〜8のパーフルオロアルキル基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数4〜8のパーフルオロアルキル基がより好ましい。
14およびR15の構造は、直鎖構造でも分岐構造でもよく環構造を含んでいてもよい。入手容易性、界面活性作用が良好であることからR14およびR15の構造は直鎖構造が好ましい。
およびMのアルカリ金属としては、Li、Na、またはKが好ましい。MおよびMとしては、NH が特に好ましい。
化合物(5−1)の具体例としては、例えば、CCOONH 、C11COONH 、C13COONH 、C11COONH(CH 、C13COONH(CH 、CCOOLi、C11COOLi、C13COOLi、COCF(CF)COONH 、COCF(CF)CFOCF(CF)COONH 、COCF(CF)COONH(CH 、COCF(CF)CFOCF(CF)COONH(CH 、COCF(CF)COOLi、COCOCFCOOLi、COCOCFCOONH 、COCF(CF)CFOCF(CF)COOLi等の含フッ素カルボン酸塩が挙げられる。
なかでも、非水電解液への溶解性、表面張力を低下させる効果が良好な点から、C11COONH 、C11COOLi、C13COOLi、COCF(CF)COONH 、COCF(CF)CFOCF(CF)COONH 、COCF(CF)COOLi、COCF(CF)CFOCF(CF)COOLi、COCOCFCOOLi、またはCOCOCFCOONH が好ましい。
化合物(5−2)の具体例としては、例えば、CSO NH 、C11SO NH 、C13SO NH 、CSO NH(CH 、C11SO NH(CH 、C13SO NH(CH 、CSO Li、C11SO Li、C13SO Li、COCF(CF)CFOC(CF)FSO NH 、COCF(CF)CFOCF(CF)CFOCF(CF)SO NH 、HCFCFOCFCFSO NH 、CFCFHCFOCFCFSO NH 、COC(CF)FSO NH 、COCF(CF)CFOC(CF)FSO NH(CH 、COCF(CF)CFOCF(CF)CFOCF(CF)SO NH(CH 、HCFCFOCFCFSONH(CH 、CFCFHCFOCFCFSO NH(CH 、COCF(CF)SO NH(CH 、COCF(CF)CFOC(CF)FSO Li、COCF(CF)CFOC(CF)FCFOCF(CF)SO Li、HCFCFOCFCFSO Li、CFCFHCFOCFCFSO Li、COCF(CF)SO Li等の含フッ素スルホン酸塩が挙げられる。
なかでも、非水電解液への溶解性、表面張力を低下させる効果が良好な点から、CSO NH 、C13SO NH 、CSO Li、C13SO Li、C17SO Li、COCF(CF)CFOCF(CF)SO NH 、COCF(CF)CFOCF(CF)SO Li、COCF(CF)SO NH 、またはCOCF(CF)SO Liが好ましい。
液状組成物が界面活性剤を含有する場合には、界面活性剤は1種のみでもよく、2種以上であってもよい。
本発明の非水電解液が界面活性剤を含有する場合、非水電解液中の界面活性剤の含有量の上限値は、5体積%が好ましく、3体積%がより好ましく、2体積%がさらに好ましい。また、下限値は0.05体積%が好ましい。
本発明の非水電解液の25℃におけるイオン伝導度の下限値は、0.4S/mであることが好ましい。非水電解液の25℃におけるイオン伝導度が0.4S/m未満である電解液を用いた二次電池は、出力特性が悪く、実用性に乏しい。非水電解液の25℃におけるイオン伝導度が0.4S/m以上であれば、二次電池は出力特性に優れる。
[非水電解液の好ましい組成]
本発明の非水電解液としては、本発明の目的とする効果を奏することから下記組成1が好ましい。
(組成1)
LiPF、化合物(A)、FSON(Li)SOF、CFSON(Li)SOCF、LiClO、化合物(B)、化合物(C)、およびLiBFからなる群から選ばれる少なくとも1種のリチウム塩と;化合物(1)および化合物(2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の含フッ素エーテル化合物と;化合物(3)と:化合物(4)を含有する二次電池用非水電解液。
また、組成2がより好ましい。
(組成2)
LiPF、化合物(A)、FSON(Li)SOF、LiClOおよびLiBFからなる群から選ばれる少なくとも1種のリチウム塩と;CFCHOCFCHF、CFCHOCFCHFCF、CHFCFCHOCFCHF、CHCHCHCHOCFCHF、CHCHCHOCFCHF、CHCHOCFCHF、CHFCFCHOCFCHFCF、前記式(2)で表されかつXがCHCHである化合物、および前記式(2)で表されかつXがCH(CH)CHである化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種と;化合物(3−1)および化合物(3−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種と;1,3−プロパンスルトンおよび2,4−ブタンスルトンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する二次電池用非水電解液。
さらに、組成3が特に好ましい。
(組成3)
LiPFと、CFCHOCFCHF、CHFCFCHOCFCHFおよびCHFCFCHOCFCHFCFからなる群から選ばれる少なくとも1種と、化合物(3−1)および化合物(3−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種と、1,3−プロパンスルトンおよび2,4−ブタンスルトンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する二次電池用非水電解液。
以上説明した本発明の二次電池用非水電解液は、充分なイオン伝導度を有しており、化合物(3)と化合物(4)を含むことで優れた高電圧サイクル特性と高電圧高温保存特性を有している。特に、高電圧高温保存特性については、含フッ素エーテル化合物、化合物(3)および化合物(4)を特定の比率で用いることで、それらの相乗効果によって優れた高電圧高温保存特性が得られる。
また、化合物(3)および化合物(4)は黒鉛負極表面に良好な保護皮膜を形成し、黒鉛負極上での非水電解液の分解を抑制するため、本発明の二次電池用非水電解液は黒鉛負極を用いたリチウムイオン二次電池に有効である。
<リチウムイオン二次電池>
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、本発明の非水電解液を有することを特徴とする二次電池である。
[正極]
正極としては、正極活物質と導電付与剤と結着剤を含む正極層が、集電体上に形成されてなる電極が挙げられる。
正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵および放出できる材料であればよく、公知のリチウムイオン二次電池用の正極活物質を採用できる。例えば、リチウム含有遷移金属酸化物、2種類以上の遷移金属を用いたリチウム含有遷移金属複合酸化物、遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、金属酸化物、オリビン型金属リチウム塩等が挙げられる。
リチウム含有遷移金属酸化物としては、LiCoO等のリチウムコバルト酸化物、LiNiO等のリチウムニッケル酸化物、LiMnO、LiMn、LiMnO等のリチウムマンガン酸化物等が挙げられる。
リチウム含有遷移金属複合酸化物に含有される金属としてはAl、V、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Si、Yb等が好ましく、例えば、Li(NiCoMn)O(ただし、a,b,c>0、a+b+c=1である。)等のリチウム三元系複合酸化物、これらのリチウム遷移金属複合酸化物の主体となる遷移金属原子の一部をAl、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Si、Yb等の他の金属で置換したもの等が挙げられる。例えば、LiMn0.5Ni0.5、LiMn1.8Al0.2、LiNi0.85Co0.10Al0.05、LiMn1.5Ni0.5、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiMn1.8Al0.2等が挙げられる。
遷移金属酸化物としては、例えば、TiO、MnO、MoO、V、V13、遷移金属硫化物としてはTiS、FeS、MoS、金属酸化物としてはSnO、SiO等が挙げられる。
オリビン型金属リチウム塩は、Li(ただし、XはFe(II)、Co(II)、Mn(II)、Ni(II)、V(II)、またはCu(II)を示し、YはPまたはSiを示し、0≦L≦3、1≦x≦2、1≦y≦3、4≦z≦12、0≦g≦1である数をそれぞれ示す。)で示される物質またはこれらの複合体である。例えば、LiFePO、LiFe(PO、LiFeP、LiMnPO、LiNiPO、LiCoPO、LiFePOF、LiMnPOF、LiNiPOF、LiCoPOF、LiFeSiO、LiMnSiO、LiNiSiO、LiCoSiO等が挙げられる。
正極を形成する活物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、これら正極活物質の表面に、主体となる正極活物質を構成する物質とは異なる組成の物質が付着したものを用いることもできる。表面付着物質としては酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化アンチモン、酸化ビスマス等の酸化物;硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩;炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩等が挙げられる。
表面付着物質の量としては、正極活物質に対する質量の下限は0.1質量ppmが好ましく、1質量ppmがより好ましく、10質量ppmが特に好ましい。上限は20質量%が好ましく、10質量%がより好ましく、5質量%が特に好ましい。表面付着物質により、正極活物質表面での非水電解液の酸化反応を抑制でき、電池寿命を向上させることができる。
正極活物質としては、放電電圧が高く、かつ電気化学的安定性が高い点から、LiCoO、LiNiO、LiMnO等のα−NaCrO構造を母体とするリチウム含有遷移金属酸化物、LiMn等のスピネル型構造を母体とするリチウム含有遷移金属酸化物が好ましい。
導電付与剤としては、炭素材料の他、Al等の金属物質、導電性酸化物の粉末等が挙げられる。
結着剤としてはポリフッ化ビニリデン等の樹脂バインダー、炭化水素ゴムやフッ素ゴム等のゴム系バインダーが挙げられる。
集電体としてはAl等を主体とする金属薄膜が挙げられる。
[負極]
負極としては、粉末状の負極活物質と導電付与剤と結着剤を含む負極層が、集電体上に形成されてなる電極が挙げられる。
負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金、ならびにリチウムイオンを吸蔵および放出できる炭素材料からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。
炭素材料としては、黒鉛、コークス、ハードカーボン等が挙げられる。
リチウム合金としては、Li−Si合金、Li−Al合金、Li−Pb合金、Li−Sn合金等が挙げられる。
負極の結着剤および導電付与剤は、正極と同等のものが使用できる。
集電体としては、Cu等を主体とする金属薄膜が使用できる。
なお、負極活物質が、それ自体で形状を保てる場合(例えばリチウム金属薄膜)は、負極活物質のみで負極を形成できる。
正極と負極の間には、短絡を防止するためにセパレータを介在させる。セパレータとしては、例えば、多孔膜が挙げられる。非水電解液は該多孔膜に含浸させて用いる。また、多孔膜に非水電解液を含浸させてゲル化させたものをゲル電解質として用いてもよい。
多孔膜としては、非水電解液に対して安定であり、かつ保液性に優れるものが使用でき、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンとテトラフルオロエチレンのコポリマー等のフッ素樹脂、ポリイミド、またはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを原料とする多孔性シートまたは不織布が好ましい。多孔膜の材質はポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましい。またこれらの素材を積層し、2層または3層にしたものを用いてもよい。
セパレータおよび/または電極表面には、耐熱性、形状保持特性を向上させるために、無機微粒子層を設けてもよい。無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア等が挙げられる。
本発明のリチウムイオン二次電池に使用される電池外装体の材質は、ニッケルメッキを施した鉄、ステンレス、アルミニウムまたはその合金、ニッケル、チタン、樹脂材料、フィルム材料等が挙げられる。
二次電池の形状は、用途に応じて選択すればよく、コイン型、円筒型、角型、ラミネート型等のいずれの形状であってもよい。また、正極および負極の形状は、二次電池の形状に合わせて適宜選択することができる。
本発明の二次電池の充電電圧は、リチウムに対する電位で4.25V以上が好ましく、4.30V以上がより好ましく、4.35V以上がさらに好ましく、4.40V以上が特に好ましい。
以上説明した本発明の二次電池は、本発明の非水電解液を用いているため、充分なイオン伝導度を有し、また優れた高電圧サイクル特性および高電圧高温保存特性を有している。そのため、本発明の二次電池は、携帯電話、携帯ゲーム機、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、電動工具、ノートパソコン、携帯情報端末、携帯音楽プレーヤー、電気自動車、ハイブリット式自動車、電車、航空機、人工衛星、潜水艦、船舶、無停電電源装置、ロボット、電力貯蔵システム等の様々な用途に適用できる。また、本発明の二次電池は、電気自動車、ハイブリット式自動車、電車、航空機、人工衛星、潜水艦、船舶、無停電電源装置、ロボット、電力貯蔵システム等の大型二次電池として特に有効である。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。例1〜23は製造例、例24〜33、44〜47、49〜52は実施例、例34〜43、48、53は比較例である。
<非水電解液の調製>
[例1]
フルオロエチレンカーボネート(化合物(3)、FEC)の43体積%と、1,3−プロパンスルトン(PS)の32体積%と、CFCHOCFCHF(HFE1)の25体積%とを含む液状組成物を調製し、該液状組成物に濃度1MとなるようにLiPFを溶解して非水電解液1とした。
[例2〜23]
液状組成物の組成を表1に示すとおりに変更した以外は、例1と同様にして非水電解液2〜23を調製した。
Figure 2013183719
なお、表1における略号は以下の意味を示す。
FEC:フルオロエチレンカーボネート。
PS:1,3−プロパンスルトン。
EC:エチレンカーボネート。
EMC:エチルメチルカーボネート。
DMC:ジメチルカーボネート。
DEC:ジエチルカーボネート。
HFE1:CFCHOCFCHF
HFE2:CHFCFCHOCFCHF
HFE3:CHFCFCHOCFCHFCF
[例24]
正極活物質としてLiNi0.5Co0.2Mn0.3(AGCセイミケミカル社製、商品名セリオンL5401)の32.0gと、導電付与剤であるアセチレンブラックの0.8gと、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)を12質量%溶解したN−メチルピロリドン(NMP)の6.66gとを、希釈用NMP溶媒の10.68gに添加して混合し、スラリー化した。得られたスラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔上に塗工し、乾燥した後にプレスし、直径18mmの円形に打ち抜いたものを正極とした。また、負極活物質として人造黒鉛の4.25gと、結着剤であるスチレンブタジエンゴムの40質量%水性ディスパージョンの0.125gと、アセチレンブラックの0.15gと、1質量%カルボキシメチルセルロース水溶液の8.52gを混合し、スラリー化した。得られたスラリーを厚さ20μmの銅箔上に塗工し、乾燥した後にプレスし、直径19mmの円形に打ち抜いたものを負極とした。セパレータとしてポリオレフィン系微多孔膜を前記正極と前記負極の間に存在せしめ、そこに例1で調製した非水電解液1を0.5mL添加し、評価用セル1を作成した。
[例25〜43]
非水電解液1の代わりに表2〜4に示す非水電解液を用いた以外は、例24と同様にして評価用セル2〜20を作成した。
[高電圧サイクル特性の評価]
評価用セル1〜6および11〜19を25℃に保たれた恒温槽内に設置し、充放電機に接続した。
サイクル1は、正極の理論容量を50時間で放電できる電流量(0.02C)で3.4V(セル電圧、以下同じ。)まで定電流充電を行った後、5時間で放電できる電流量(0.2C)で4.5Vまで定電流充電を行い、充電電流が0.02Cの電流値に到達するまで定電圧充電を行った。10分間の休止の後、3Vに到達するまで0.2Cの電流値で定電流放電を行った。
サイクル2は、10分間の休止の後、0.2Cで4.5Vまで定電流充電を行った後に、充電電流が0.02Cの電流値に到達するまで定電圧充電を行い、10分間の休止の後、3Vに到達するまで0.2Cの電流値で定電流放電を行った。サイクル3〜50はサイクル2と同様に行った。
以上の充放電サイクル試験において、サイクル1の放電容量に対するサイクル50の放電容量の比率を放電容量維持率とし、高電圧サイクル特性を評価した。結果を表2に示す。
[高電圧高温保存特性の評価]
評価用セル5、7〜9、11、14〜16、および20を、25℃に保たれた恒温槽内に設置し、充放電機に接続した。
サイクル1は、0.2Cの電流量でセル電圧4.2Vまで定電流充電を行い、4.2Vに到達後、充電電流が0.02Cに低下するまで定電圧充電を実施した。10分間の休止の後、0.2Cの電流量で3.0Vに達するまで定電流放電を行った。
サイクル2は、10分間の休止の後、0.2Cの電流量で4.2Vまで定電流充電を行い、4.3Vに到達後、充電電流が0.02Cに低下するまで定電圧充電を実施した。10分間の休止の後、0.2Cの電流量で3.0Vに達するまで定電流放電を行い、さらに3.0Vの定電圧で放電電流が0.02Cに低下するまで定電圧放電を行った。
評価用セルを60℃の恒温槽に移動した後、サイクル3〜5を行った。サイクル3は、0.1Cの電流量で4.5Vまで定電流充電を行い、4.5Vに到達後、充電電流が0.01Cに低下するまで定電圧充電を実施した。10分間の休止の後、0.2Cの電流量で3.0Vに達するまで定電流放電を行った。
サイクル4は、10分間の休止の後、0.1Cの電流量で4.5Vまで定電流充電を行い、さらに4.5Vの定電圧で120時間経過するまで定電圧充電を行った後、10分間の休止を挟み、0.2Cの電流量で3.0Vに達するまで定電流放電を行った。
サイクル5は、0.1Cの電流量で4.5Vまで定電流充電を行い、4.5Vに到達後、充電電流が0.01Cに低下するまで定電圧充電を実施した。10分間の休止の後、0.2Cの電流量で3.0Vに達するまで定電流放電を行った。
以上の高温保存試験において、サイクル3の放電容量に対するサイクル4の放電容量の比率を放電容量維持率とし、サイクル3の放電容量に対するサイクル5の放電容量の比率を放電容量復帰率として、高電圧高温保存特性を評価した。結果を表3に示す。
[高レート高電圧サイクル特性の評価]
評価用セル10〜12および14を25℃に保たれた恒温槽内に設置し、充放電機に接続した。
サイクル1は、正極の理論容量を50時間で放電できる電流量(0.02C)で3.4V(セル電圧、以下同じ。)まで定電流充電を行った後、5時間で放電できる電流量(0.2C)で4.5Vまで定電流充電を行い、充電電流が0.02Cの電流値に到達するまで定電圧充電を行った。10分間の休止の後、3Vに到達するまで0.2Cの電流値で定電流放電を行った。
サイクル2〜5は、10分間の休止の後、0.2Cで4.5Vまで定電流充電を行った後に、充電電流が0.02Cの電流値に到達するまで定電圧充電を行い、10分間の休止の後、3Vに到達するまで0.2Cの電流値で定電流放電を行った。
サイクル6は、10分間の休止の後、1時間で放電できる電流量(1.0C)で4.5Vまで定電流充電を行い、充電電流が0.02Cの電流値に到達するまで定電圧充電を行った。10分間の休止の後、3Vに到達するまで1.0Cの電流値で定電流放電を行った。
サイクル7〜300はサイクル6と同様に行った。
以上の充放電サイクル試験において、サイクル7の放電容量に対するサイクル300の放電容量の比率を放電容量維持率とし、高レート高電圧サイクル特性を評価した。結果を表4に示す。
[例44〜48]
[イオン伝導度の評価]
非水電解液1、3、4、9および23のイオン伝導度の測定を実施した。結果を表5に示す。
[例49〜52]
正極活物質としてLiCoO(AGCセイミケミカル社製、商品名セリオンC−390)を用いた以外は例24と同様に作成した正極と、実施例24と同様の負極、セパレータを用い、そこに例2、3、7および8で調製した非水電解液2、3、7および8を0.5mL添加し、評価用セル21〜24を作製した。
[例53]
上記非水電解液の代わりに非水電解液13を用いた以外は、例49〜52と同様にして評価用セル25を作製した。
[高レート高電圧サイクル特性の評価]
評価用セル21〜25を用いて、例33と同様の条件にて高レート高電圧サイクル特性を評価した。
以上の充放電サイクル試験において、サイクル7の放電容量に対するサイクル70の放電容量の比率を放電容量維持率とし、高レート高電圧サイクル特性を評価した。結果を表6に示す。
Figure 2013183719
Figure 2013183719
Figure 2013183719
Figure 2013183719
Figure 2013183719
表2に示すように、含フッ素エーテル化合物、含フッ素環状カーボネート化合物およびスルトン化合物の1つ以上が含まれていないか、または含有量が不足している例34〜42に比べて、本発明の非水電解液を用いた例24〜29では、充放電サイクル試験における放電容量維持率が高く、高電圧サイクル特性に優れていた。
また、表3に示すように、含フッ素エーテル化合物、含フッ素環状カーボネート化合物およびスルトン化合物の1つ以上が含まれていないか、または含有量が不足している例34、37〜39、42に比べて、本発明の非水電解液を用いた例28、30〜32では、高温保存試験における放電容量維持率および放電容量復帰率がともに高く、高電圧高温保存特性に優れていた。例34と例37を比較すると、含フッ素エーテル化合物を含まない非水電解液においてスルトン化合物を加えることで、高温保存試験における放電容量維持率と放電容量復帰率が約7%向上していた。
これに対し、例39、42と例28、30を比較すると、含フッ素エーテル化合物と含フッ素環状カーボネート化合物を特定の比率で含む非水電解液においてスルトン化合物を加えることで、放電容量維持率および放電容量復帰率ともに向上が見られており、高電圧高温保存特性を顕著に向上させる効果が得られた。これは、含フッ素エーテル化合物、含フッ素環状カーボネート化合物およびスルトン化合物の相乗効果のためであると考えられる。
また、表4に示すように、本発明の非水電解液を用いた例33は、含フッ素エーテル化合物、含フッ素環状カーボネート化合物およびスルトン化合物の1つ以上が含まれていないか、または含有量が不足している例34、35、37に比べて、高レート充放電サイクル試験における放電容量維持率が高く、高レート高電圧サイクル特性に優れていた。
また、表6に示すように、正極活物質にコバルト酸リチウムを用いた場合でも、本発明の非水電解液を用いた例49〜52は、含フッ素エーテル化合物およびスルトン化合物が含まれておらず、含フッ素環状カーボネート化合物の含有量が不足している例53に比べて、高レート充放電サイクル試験における放電容量維持率が高く、高レート高電圧サイクル特性に優れていた。
また、表2に示すように、含フッ素エーテル化合物を含まず、鎖状カーボネート化合物を増量した非水電解液を用いた例40および例41では、充放電サイクル試験において初期に充放電電流を通電することが困難になり、試験を完了することができなかった。評価用セル17および18を停止後に分解したところ、電解液がポリオレフィン系セパレータに含浸されずに弾かれた状態で存在しており、非水電解液19および20の濡れ性の低さが充放電不良の原因になったと考えられる。
また、スルトン化合物を含むが含フッ素エーテル化合物を含まず、含フッ素環状カーボネート化合物が不足している例37では、スルトン化合物の効果によって優れた高電圧高温保存特性が得られたものの、高電圧サイクル特性が不充分であった。
また、含フッ素エーテル化合物および含フッ素環状カーボネート化合物を含むが、スルトン化合物を含まない例39では、優れた高電圧サイクル特性が得られたものの、高電圧高温保存特性が不充分であった。
また、表5に示す通り、本発明の非水電解液を用いた例44〜47はイオン伝導度が全て0.40S/mを超え、実用上充分な性能を有しているのに対して、プロパンスルトンを過剰に含んだ非水電解液を用いた例48はイオン伝導度が0.4S/mに満たず、実用上充分な性能を有していなかった。
本発明の二次電池用非水電解液は、高電圧サイクル特性および高電圧高温保存特性に優れたリチウムイオン二次電池の製造に利用できる。
なお、2012年6月6日に出願された日本特許出願2012−128985号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (9)

  1. リチウム塩と液状組成物からなる非水電解液であって、
    前記液状組成物が、下式(1)で表される化合物および下式(2)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の含フッ素エーテル化合物の5〜50体積%、下式(3)で表される含フッ素環状カーボネート化合物の5〜70体積%、および下式(4)で表されるスルトン化合物の1〜35体積%を含むことを特徴とする、二次電池用非水電解液。
    Figure 2013183719
    (ただし、式中、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜10のフッ素化アルキル基、炭素数3〜10のフッ素化シクロアルキル基、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のアルキル基、または、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のフッ素化アルキル基であり、RおよびRの一方または両方は、炭素数1〜10のフッ素化アルキル基、炭素数3〜10のフッ素化シクロアルキル基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10のフッ素化アルキル基である。
    Xは炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のフッ素化アルキレン基、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜5のアルキレン基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜5のフッ素化アルキレン基である。
    〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、フッ素原子または水素原子である。
    〜R13はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、またはメチル基である。
    nは0または1である。)
  2. 前記含フッ素環状カーボネート化合物が、前記式(3)におけるRおよびRが水素原子であり、Rが水素原子またはフッ素原子である請求項1に記載の二次電池用非水電解液。
  3. 前記スルトン化合物が、前記式(4)におけるR〜R12が水素原子であり、R13が水素原子またはメチル基である化合物である請求項1または2に記載の二次電池用非水電解液。
  4. 前記含フッ素エーテル化合物が前記式(1)で表される化合物であって、該化合物がCFCHOCFCHF、CFCHOCFCHFCF、CHFCFCHOCFCHF、CHCHCHCHOCFCHF、CHCHCHOCFCHF、CHCHOCFCHF、およびCHFCFCHOCFCHFCFからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液。
  5. 前記液状組成物が、さらにフッ素原子を有しない環状カーボネート化合物、鎖状カーボネート化合物、飽和環状スルホン化合物およびリン酸エステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液。
  6. 前記非水電解液の25℃におけるイオン伝導度が、0.4S/m以上である請求項1〜5のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液。
  7. 前記リチウム塩がLiPFを含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液。
  8. 前記非水電解液中の前記リチウム塩の含有量が0.1〜3.0mol/Lである請求項1〜7のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液。
  9. リチウムイオンを吸蔵および放出できる材料を活物質とする正極と、リチウム金属、リチウム合金、ならびにリチウムイオンを吸蔵および放出できる炭素材料からなる群から選ばれる1種以上を活物質とする負極と、請求項1〜8のいずれか一項に記載の二次電池用非水電解液とを有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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