JP2009277659A - 非水系電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電解液の分解を最小限に抑え、高い容量が得られると共に、高温下においても保存特性、サイクル特性の優れた非水系電解液二次電池の提供。
【解決手段】非水系電解液二次電池において、前記非水溶媒が一般式(I)で表されるビニルエチレンカーボネート化合物を0.01〜20重量%の割合で含有し、更にエチレンカーボネートを含有することを特徴とする非水系電解液二次電池。
Figure 2009277659

(式中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)
【選択図】なし

Description

本発明は、非水系電解液二次電池に関する。詳しくは、特定のビニルエチレンカーボネート化合物を含有する電解液を用いる非水系電解液二次電池に関する。本発明の電池は、電解液の分解を最小限に抑え、高い容量が得られると共に高温下において、保存特性、サイクル特性が優れている。
近年の電気製品の軽量化、小型化に伴い、高いエネルギー密度を持つリチウム二次電池の開発が進められている。また、リチウム二次電池の適用分野の拡大に伴い電池特性の改善も要望されている。
金属リチウムを負極とする二次電池は高容量化を達成できる電池として古くから盛んに研究が行われている。しかし、金属リチウムは充放電の繰り返しによりデンドライト状に成長し、最終的には正極に達して電池内部において短絡が生じてしまうという問題がある。この問題は金属リチウム二次電池を実用化する際の最大の技術的な課題となっている。
そこで負極に、例えばコークス、人造黒鉛、天然黒鉛等のリチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な炭素質材料を用いた非水系電解液二次電池が提案されている。このような非水系電解液二次電池では、リチウムが金属状態で存在しないためデンドライトの形成が抑制され、電池寿命と安全性を向上することができる。
特に、人造黒鉛や天然黒鉛等の黒鉛系炭素材料は、単位体積当りのエネルギー密度を向上させることができる材料として期待される。
しかしながら、黒鉛系の種々の電極材を単独で、或いは、リチウムを吸蔵及び放出することが可能な他の負極材と混合して負極とした非水系電解液二次電池では、リチウム一次電池で一般に好んで使用されるプロピレンカーボネートを主溶媒とする電解液を用いると、黒鉛電極表面で溶媒の分解反応が激しく進行して黒鉛電極へのスムーズなリチウムの吸蔵及び放出が不可能になる。
一方、エチレンカーボネートはこのような分解が少ないことから、非水系電解液二次電池の電解液の主溶媒として多用されている。しかしながら、エチレンカーボネートを主溶媒としても、充放電過程において電極表面で電解液が分解するために充放電効率の低下、サイクル特性の低下等の問題があった。
このため、特開平4−87156号公報には、負極にリチウム金属を用いた非水系電解液電池において、溶媒としてリチウムと反応しにくい不飽和の炭素−炭素結合を鎖式に有する化合物、例えばビニルエチレンカーボネートを用いる電解液が提案されている。また、特開平8−45545号公報には、黒鉛系負極を用いたリチウム電池において、電解液の分解を抑制するためにビニレンカーボネート及びその誘導体を含有する電解液が提案されている。
特開平4−87156号公報 特開平8−45545号公報
しかしながら、前記公報に記載された電解液については、それなりに優れた効果は見られるものの満足の行くものではない。
本発明はかかる問題点を解決すべくなされたものであり、炭素質材料を含む負極を用いた非水系電解液二次電池の電解液の分解を最小限に抑えて、充放電効率が高く、高温下でも保存特性、サイクル特性の優れた高エネルギー密度の非水系電解液二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、かかる事情に鑑み鋭意検討した結果、炭素質材料を含む負極を用いた非水系電解液二次電池の電解液として、特定のビニルエチレンカーボネート化合物を含有する電解液を使用することにより、初期の充電時から負極表面にリチウムイオン透過性で安定性のよい被膜が効率よく生成し、過度の電解液の分解を抑制すると思われ、充放電効率や保存特性、サイクル特性を向上させることを見い出し本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、負極と、正極と、非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる電解液とから少なくとも構成される非水系電解液二次電池において、前記非水溶媒が一般式(I)で表されるビニルエチレンカーボネート化合物を0.01〜20重量%の割合で含有し、更にエチレンカーボネートを含有することを特徴とする非水系電解液二次電池
Figure 2009277659
(式中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)
、にある。
炭素質材料を含む負極を備えた非水系電解液二次電池において、式(I)で表されるビニルエチレンカーボネート化合物を含有する非水溶媒を使用することにより、電解液の分解を最小限に抑え、高い容量が得られると共に、高温下においても、保存特性、サイクル特性の優れた電池を作製することができ、非水系電解液二次電池の小型化、高性能化に寄与することができる。
本発明の参考例1の1サイクル目における充放電に伴う容量−電位曲線を示すグラフ。 本発明の比較例1の1サイクル目における充放電に伴う容量−電位曲線を示すグラフ。 本発明の比較例2の1サイクル目における充放電に伴う容量−電位曲線を示すグラフ。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の非水系電解液二次電池は、その非水系溶媒が式(I)で表されるビニルエチレンカーボネート化合物を含有することを特徴とする。
Figure 2009277659
(式中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)
式(I)において、R、R、R、R、R及びRが炭素数1〜4のアルキル基である場合、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。これらの中、メチル基、エチル基が好ましい。そして、このような式(I)で表されるビニルエチレンカーボネート化合物の具体例としては、例えば4−エテニル−1,3−ジオキソラン−2−オン(ビニルエチレンカーボネートと呼ぶことがある)、4−エテニル−4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エテニル−4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エテニル−4−n−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エテニル−5−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エテニル−5−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エテニル−5−n−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−オン等を挙げることができる。
中でもビニルエチレンカーボネート、4−エテニル−4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オンが好ましく、ビニルエチレンカーボネートが特に好ましい。
なお、式(I)の化合物については、本発明の所期の効果を過度に阻害しない範囲で置換基を有していてもよい。
そして、式(I)の化合物は、非水溶媒中の含有量が、通常、0.01〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。その含有量が0.01重量%未満であると十分な保護被膜の形成がなされず、また20重量%を越えると電解液の粘度が高くなって電気伝導度が低くなり、電池の性能が低下する。
本発明に用いられる、式(I)の化合物以外の非水溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等の鎖状エステル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル類、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン等の鎖状エーテル類、スルフォラン、ジエチルスルホン等の含硫黄有機溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は二種類以上混合して用いても良い。
ここで非水溶媒が、式(I)のビニルエチレンカーボネート化合物を除く、アルキレン基の炭素数が2〜4のアルキレンカーボネートからなる群から選ばれた環状カーボネートと、アルキル基の炭素数が1〜4であるジアルキルカーボネートよりなる群から選ばれた鎖状カーボネートとをそれぞれ20容量%以上含有し、且つこれらのカーボネートが全体の70容量%以上を占める混合溶媒であるものが好ましい。
なお、本明細書における容量%とは、全て室温、即ち25℃で測定したものである。但し、25℃で固体のものについては、その融点迄加熱して溶融状態にて測定するものとする。
アルキレン基の炭素数が2〜4のアルキレンカーボネートの具体例としては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等を挙げることができ、これらの中、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートが好ましい。
アルキル基の炭素数が1〜4であるジアルキルカーボネートの具体例としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート等を挙げることができる。これらの中、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが好ましい。なお混合非水溶媒中には、カーボネート以外の溶媒を含有してもよい。
本発明で使用される電解液の溶質としては、リチウム塩が用いられる。リチウム塩については、溶質として使用し得るものであれば特に限定はされないが、その具体例として、例えば、LiClO、LiPF、LiBFから選ばれる無機リチウム塩又はLiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CFSO等の含フッ素有機リチウム塩が挙げられる。これらの中、LiPF、LiBFが好ましい。なお、これらの溶質は二種類以上混合して用いても良い。
電解液中の溶質のリチウム塩モル濃度は、0.5〜2モル/リットルであることが望ましい。0.5モル/リットル未満若しくは2モル/リットルを超える場合には、電解液の電気伝導率が低く、電池の性能が低下するため好ましくない。
本発明の電池を構成する負極の材料としては、リチウムを吸蔵及び放出し得る炭素質材料を含むものであれば特に限定されないが、その具体例としては、例えば様々な熱分解条件での有機物の熱分解物や、人造黒鉛、天然黒鉛等が挙げられる。好適には種々の原料から得た易黒鉛性ピッチの高温熱処理によって製造された人造黒鉛及び精製天然黒鉛或いはこれらの黒鉛にピッチを含む種々の表面処理を施した材料が主として使用されるが、これらの黒鉛材料は学振法によるX線回折で求めた格子面(002面)のd値(層間距離)が0.335〜0.34nm、より好ましくは0.335〜0.337nmであるものが好ましい。これら黒鉛材料は、灰分が1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、最も好ましくは0.1重量%以下で且つ学振法によるX線回折で求めた結晶子サイズ(Lc)が30nm以上であることが好ましい。
更に結晶子サイズ(Lc)は、50nm以上の方がより好ましく、100nm以上であるものが最も好ましい。また、黒鉛材料のメジアン径は、レーザー回折・散乱法によるメジアン径で、1〜100μm、好ましくは3〜50μm、より好ましくは5〜40μm、更に好ましくは7〜30μmである。黒鉛材料のBET法比表面積は、0.5〜25.0m2/gであり、好ましくは0.7〜20.0m2/g、より好ましくは1.0〜15.0m2/g、更に好ましくは1.5〜10.0m2/gである。また、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において1580〜1620cm-1の範囲のピークPA(ピーク強度IA)及び1350〜1370cm-1の範囲のピークPB(ピーク強度IB)の強度比R=IB/IAが0〜0.5、1580〜1620cm-1の範囲のピークの半値幅が26cm-1以下、1580〜1620cm-1の範囲のピークの半値幅は25cm-1以下がより好ましい。
またこれらの炭素質材料にリチウムを吸蔵及び放出可能な負極材を混合して用いることもできる。炭素質材料以外のリチウムを吸蔵及び放出可能な負極材としては、酸化錫、酸化珪素等の金属酸化物材料、更にはリチウム金属並びに種々のリチウム合金を例示することができる。これらの負極材料は二種類以上混合して用いても良い。
これらの負極材料を用いて負極を製造する方法については、特に限定されない。例えば、負極材料に、必要に応じて結着剤、増粘剤、導電材、溶媒等を加えてスラリー状とし、集電体の基板に塗布し、乾燥することにより負極を製造することができるし、また、該負極材料をそのままロール成形してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極とすることもできる。
電極の製造に用いられる結着剤については、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安定な材料であれば、特に限定されない。その具体例としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等を挙げることができる。
増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン等が挙げられる。
導電材としては、銅やニッケル等の金属材料、グラファイト、カーボンブラック等のような炭素材料が挙げられる。
負極用集電体の材質は、銅、ニッケル、ステンレス等の金属が使用され、これらの中で薄膜に加工しやすいという点とコストの点から銅箔が好ましい。
本発明の電池を構成する正極の材料としては、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物材料等のリチウムを吸蔵及び放出可能な材料を使用することができる。
正極の製造方法については、特に限定されず、上記の負極の製造方法に準じて製造することができる。また、その形状については、正極材料に必要に応じて結着剤、導電材、溶媒等を加えて混合後、集電体の基板に塗布してシート電極としたり、プレス成形を施してペレット電極とすることができる。
正極用集電体の材質は、アルミニウム、チタン、タンタル等の金属又はその合金が用いられる。これらの中で、特にアルミニウム又はその合金が軽量であるためエネルギー密度の点で望ましい。
本発明の電池に使用するセパレーターの材質や形状については、特に限定されない。但し、電解液に対して安定で、保液性の優れた材料の中から選ぶのが好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを原料とする多孔性シート又は不織布等を用いるのが好ましい。
負極、正極及び非水系電解液を少なくとも有する本発明の電池を製造する方法については、特に限定されず、通常採用されている方法の中から適宜選択することができる。
また、電池の形状については特に限定されず、シート電極及びセパレーターをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレーターを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレーターを積層したコインタイプ等が使用可能である。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
(参考例1)
電解液については、乾燥アルゴン雰囲気下で、十分に乾燥を行った六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を溶質として用い、プロピレンカーボネートにビニルエチレンカーボネートを5重量%の割合で溶解し、更にLiPFを1モル/リットルの割合で溶解して調製した。
X線回折における格子面(002面)のd値が0.336nm、晶子サイズ(Lc)が、100nm以上(264nm)、灰分が0.04重量%、レーザー回折・散乱法によるメジアン径が17μm、BET法比表面積が8.9m2g、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において1580〜1620cm-1の範囲のピークPA(ピーク強度IA)及び1350〜1370cm-1の範囲のピークPB(ピーク強度IB)の強度比R=IB/IAが0.15、1580〜1620cm-1の範囲のピークの半値幅が22.2cm-1である人造黒鉛粉末KS−44(ティムカル社製、商品名)94重量部に蒸留水で分散させたスチレン−ブタジエンゴム(SBR)を固形分で6重量部となるように加えディスパーザーで混合し、スラリー状としたものを負極集電体である厚さ18μmの銅箔上に均一に塗布し、乾燥後、直径12.5mmの円盤状に打ち抜いて電極を作製し作用極とし、電解液を含浸させたセパレーターを介してリチウム箔を対極として構成されたコイン型ハーフセルを作製した。
(比較例1)
プロピレンカーボネートにビニレンカーボネートを5重量%の割合で溶解し、更にLiPFを1モル/リットルの割合で溶解して調製した電解液を用いたこと以外は参考例1と同様にしてコイン型ハーフセルを作製した。
(比較例2)
プロピレンカーボネートに、LiPFを1モル/リットルの割合で溶解して調製した電解液を用いたこと以外は参考例1と同様にしてコイン型ハーフセルを作製した。
(実施例1)
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合物(1:1容量比)にビニルエチレンカーボネートを2重量%の割合で溶解し、更にLiPFを1モル/リットルの割合で溶解して調製した電解液を用いた以外は参考例1と同様にしてコイン型ハーフセルを作製した。
(比較例3)
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合物(1:1容量比)にLiPFを1モル/リットルの割合で溶解して調製した電解液を用いた以外は参考例1と同様にしてコイン型ハーフセルを作製した。
次に、上記のようにして作製した参考例1、実施例1及び比較例1〜3のコイン型ハーフセルについて、25℃において、0.2mAの定電流で放電終止電圧0V、0.4mAの定電流で充電終止電圧1.5Vで充放電試験を行った。
また、実施例1、2及び比較例3について、10サイクル後にドープ状態で60℃で48時間保存した後、脱ドープさせ保存特性を検討した。
参考例1及び比較例1、2の1サイクル目の充放電に伴う容量−電位曲線を図1、2、3に示す。ここで容量とは、作用極として使用した黒鉛重量当りの容量を示す。
また、参考例1、実施例1及び比較例1〜3の1サイクル目の脱ドープ容量(作用極からのリチウムの脱ドープ容量)と効率(脱ドープ容量×100/ドープ容量)を表1に示す。
保存特性として、参考例1、実施例1及び比較例3の保存前容量(10サイクル目の脱ドープ容量)に対する保存後容量(11サイクル目の脱ドープ容量)の百分率を表2に示す。
図3に示したようにプロピレンカーボネート単独溶媒の場合には0.8V付近に平坦な部分が観測され、電解液の分解が進行し、0Vまでドープ不可能である。図2に示したようにビニレンカーボネートを含有する電解液を用いると0Vまでドープ可能となるが分解抑制は十分ではない。図1に示したようにビニルエチレンカーボネートを含有する電解液を使用することにより、過度の電解液の分解が抑制される。
表1及び2から、ビニルエチレンカーボネートを含有する電解液を用いた場合の方が、高い容量を維持しながら効率が優れ、高温下における保存特性も向上することが明らかである。
表1
┌────┬────────────┬──────────┐
│ │1サイクル目脱ドープ容量│ 1サイクル目効率 │
│ │ (mAh/g) │ (%) │
├────┼────────────┼──────────┤
│参考例1│ 327 │ 91.6 │
│実施例1│ 314 │ 91.6 │
│比較例1│ 315 │ 66.6 │
│比較例2│ − │ − │
│比較例3│ 318 │ 91.2 │
└────┴────────────┴──────────┘
表2
┌────┬────────┐
│ │ 保存特性 │
│ │ (%) │
├────┼────────┤
│参考例1│ 97.6 │
│実施例1│ 97.1 │
│比較例3│ 96.7 │
└────┴────────┘

Claims (10)

  1. 負極と、正極と、非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる電解液とから少なくとも構成される非水系電解液二次電池において、前記非水溶媒が一般式(I)で表されるビニルエチレンカーボネート化合物を0.01〜20重量%の割合で含有し、更にエチレンカーボネートを含有することを特徴とする非水系電解液二次電池。
    Figure 2009277659
    (式中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)
  2. 負極がリチウムを吸蔵及び放出することが可能な炭素材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の非水系電解液二次電池。
  3. 非水溶媒がアルキレン基の炭素数が2〜4のアルキレンカーボネートからなる群から選ばれた環状カーボネート(但し、エチレンカーボネートを含み、式(I)のビニルエチレンカーボネート化合物を除く)とアルキル基の炭素数が1〜4であるジアルキルカーボネートよりなる群から選ばれた鎖状カーボネートとをそれぞれ20容量%以上含有し、且つこれらのカーボネートが全体の70容量%以上を占める混合溶媒であることを特徴とする請求項1又は2に記載の非水系電解液二次電池。
  4. リチウムを吸蔵及び放出可能な炭素質材料が、X線回折における格子面(002面)のd値が0.335〜0.34nmの炭素材料からなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の非水系電解液二次電池。
  5. リチウム塩が、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiN(CF3CF2SO22、LiN(CF3SO2)(C49SO2)及びLiC(CF3SO23から選ばれる少なくとも一種の塩であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の非水系電解液二次電池。
  6. リチウムを吸蔵及び放出することが可能な炭素材料の結晶子サイズ(Lc)が、100nm以上であることを特徴とする請求項4に記載の非水系電解液二次電池。
  7. リチウムを吸蔵及び放出することが可能な炭素材料のメジアン径が、レーザー回折・散乱法によるメジアン径で7〜30μmであることを特徴とする請求項4に記載の非水系電解液二次電池。
  8. 非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる非水系電解液であって、前記非水溶媒が一般式(I)で表されるビニルエチレンカーボネート化合物を0.01〜20重量%の割合で含有し、更にエチレンカーボネートを含有する、請求項1ないし7のいずれかに記載の非水系電解液二次電池に用いられものである非水系電解液。
    Figure 2009277659
  9. 非水溶媒がアルキレン基の炭素数が2〜4のアルキレンカーボネートからなる群から選ばれた環状カーボネート(但し、エチレンカーボネートを含み、式(I)のビニルエチレンカーボネート化合物を除く)とアルキル基の炭素数が1〜4であるジアルキルカーボネートよりなる群から選ばれた鎖状カーボネートとをそれぞれ20容量%以上含有し、且つこれらのカーボネートが全体の70容量%以上を占める混合溶媒であることを特徴とする請求項8に記載の二次電池用非水系電解液。
  10. リチウム塩が、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiN(CF3CF2SO22、LiN(CF3SO2)(C49SO2)及びLiC(CF3SO23から選ばれる少なくとも一種の塩であることを特徴とする請求項8又は9に記載の二次電池用非水系電解液。
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