JPWO2012172647A1 - 多軸モータ駆動システム及び多軸モータ駆動装置 - Google Patents

多軸モータ駆動システム及び多軸モータ駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】誤配線要因を迅速且つ正確に判別できるようにする。【解決手段】エンコーダ102を備えた複数のモータ100と、モータ制御指令を出力する上位制御装置200と、モータ制御指令に基づき、複数のモータ100を駆動する多軸モータ駆動装置300と、を有し、多軸モータ駆動装置300は、対応するモータ100に個別に接続され、モータ100に電力を供給して駆動する複数の駆動部303と、駆動部303を介して各モータ100に順次電力を供給し、エンコーダ102の検出信号に基づき、駆動部303とモータ100とを接続するモータ用配線401及びエンコーダ102からの検出器用配線402の少なくとも一方における誤配線の有無を、駆動部303ごとに判別する統括制御部302とを有する。【選択図】図1

Description

開示の実施形態は、複数の位置検出器付きモータを駆動する多軸モータ駆動システム及びこれに備えられた多軸モータ駆動装置に関する。
特許文献1には、サーボ制御される複数の軸を有する自動機械の始動直後の異常動作による危険を回避し、原因除去に資するための制御装置が記載されている。この制御装置は、サーボアンプへの通電が開始された後であって、且つ、サーボ制御器に移動指令が入力された後の所定の時点にサーボアンプへの通電を強制的に遮断する強制的通電遮断手段を備えている。
特開2000−181521号公報
上記従来技術では、制御装置は、まず、全軸のサーボアンプの通電をオンした後に移動指令により全軸を同時に駆動する。次に、駆動時の異常判断指標となる内部データ(最新の各軸毎のトルク指令値(電流指令値)、電流フィードバック値、移動指令値(積算値)、位置フィードバック値)を記憶する。次に、所定の時点になるまで上記駆動と記憶を繰り返し、所定の時点で全軸のサーボアンプの通電を強制遮断する。最後に、記憶した内部データに基づいて誤配線をチェックする。
このように、全軸を同時に駆動した際に記憶した内部データに基づいて誤配線をチェックする場合、軸数が多くなるにつれ内部データの情報量も多くなるため、考えられる誤配線要因の組合せが多岐に渡ってしまい、正確な誤配線要因の追求に時間を要する恐れがある。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、誤配線要因を迅速且つ正確に判別することができる多軸モータ駆動システム及び多軸モータ駆動装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、位置検出器を備えた複数のモータと、モータ制御指令を出力する上位制御装置と、前記モータ制御指令に基づき、前記複数のモータを駆動する多軸モータ駆動装置と、を有し、前記多軸モータ駆動装置は、対応する前記モータに個別に接続され、前記モータに電力を供給して駆動する複数の駆動部と、前記駆動部を介して各モータに順次電力を供給し、前記位置検出器の検出信号に基づき、前記駆動部と前記モータとを接続するモータ用配線及び前記位置検出器からの検出器用配線の少なくとも一方における誤配線の有無を、前記駆動部ごとに判別する制御部と、を有する多軸モータ駆動システムが適用される。
本発明の多軸モータ駆動システムによれば、誤配線要因を迅速且つ正確に判別することができる。
実施形態の多軸モータ駆動システムの構成を概念的に表すシステム構成図である。 多軸モータ駆動システムのセットアップ時に統括制御部が実行する制御内容を表すフローチャートである。 多軸モータ駆動システムの誤配線の一例を表す、多軸モータ駆動システムの構成を概念的に表すシステム構成図である。
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の多軸モータ駆動システム1が正しく配線された場合のシステム構成を表す図である。図1に示すように、多軸モータ駆動システム1は、複数(この例では8つ)の回転型のモータ100と、モータ制御指令を出力する上位制御装置200と、上位制御装置200のモータ制御指令に基づき、各モータ100を駆動する多軸モータ駆動装置300とを備えている。各モータ100はこの例では三相交流モータであり、それぞれ、ブレーキ101と、回転軸の速度(角速度)や位置(角度)を検出して当該検出信号をフィードバックパルスとして多軸モータ駆動装置300に出力するエンコーダ102(位置検出器)とを有している。なお、ブレーキ101を有しないモータとしてもよい。
多軸モータ駆動装置300は、交流電源が入力される電源部301と、上位制御装置200との通信制御や多軸モータ駆動装置300全体の制御を司る統括制御部302と、対応するモータ100にモータ用配線401を介して個別に接続され、モータ100に電力を供給して駆動する複数(この例では8つ)の駆動部303と、これら複数の駆動部303を制御する各軸制御部304とを有している。なお、統括制御部302が、特許請求の範囲に記載の制御部の一例に相当する。
以下では、上記8つの駆動部303を適宜第1〜第8駆動部303と呼称し、また、第1〜第8駆動部303の各々に対応するモータを第1〜第8モータ100と呼称する。また、第1〜第8駆動部303と対応する第1〜第8モータ100とをそれぞれ接続するモータ用配線401を、適宜第1〜第8モータ用配線401と呼称する。
多軸モータ駆動装置300は、エンコーダ102による検出位置を統括制御部302に対して中継する中継部310を有している。この中継部310は、基板又はモジュール等で構成されており、多軸モータ駆動装置300に一体的に設けられている。なお、中継部310を多軸モータ駆動装置300とは別体として構成してもよい。この中継部310は、エンコーダ102からのエンコーダ用配線402が接続される複数(この例では8つ)のコネクタ311を有しており、第1〜第8モータ100にそれぞれ対応している。以下では、第1〜第8モータ100の各々に対応するコネクタ311を第1〜第8コネクタ311と呼称する。また、第1〜第8モータ100のエンコーダ102と対応する第1〜第8コネクタ311とをそれぞれ接続するエンコーダ用配線402を、適宜第1〜第8エンコーダ用配線402と呼称する。なお、中継部310を有さず、エンコーダ102からの配線を、直接統括制御部302に接続するように構成しても良い。また、エンコーダ用配線402が、特許請求の範囲に記載の検出器用配線の一例に相当する。
各エンコーダ102の検出信号は、中継部310を介して統括制御部302に入力される。この統括制御部302は、各駆動部303を介して各モータ100に順次電力を供給し、その際の中継部310からのエンコーダ102の検出信号に基づき、駆動部303とモータ100とを接続するモータ用配線401及びエンコーダ102からのエンコーダ用配線402の少なくとも一方における誤配線の有無を、駆動部303ごとに判別する。ここで、モータ用配線401における誤配線とは、モータ用配線401の各相(U相、V相、W相)の配線に誤配線がある場合(例えば駆動部303とモータ100との間で対応する相同士が接続されていない場合)と、非対応の駆動部303とモータ100との接続による誤配線(例えば第3駆動部303と第4モータ100とが接続されている場合)を含むものである。また、エンコーダ用配線402における誤配線とは、非対応のエンコーダ102とコネクタ311との接続による誤配線(例えば第5モータ100のエンコーダ102と第6コネクタ311とが接続されている場合)を含むものである。
多軸モータ駆動装置300には、エンジニアリングツール500が接続されている。このエンジニアリングツール500は、例えば携帯型のハンディコントローラ等で構成されており、作業者が各種指令やデータ等を入力することが可能である。また、多軸モータ駆動装置300は、液晶パネル等の表示部305を有している。この表示部305は、統括制御部302による判別結果を含む、各種情報を表示する。なお、多軸モータ駆動装置300が表示部305を有さず、外部に設けた表示装置(例えばPCのディスプレイ等)や、上記エンジニアリングツール500の表示部で各種の表示を行うように構成しても良い。
次に、多軸モータ駆動システム1の配線チェック時に統括制御部302が実行する制御内容について、図2を用いて説明する。統括制御部302は、例えば多軸モータ駆動装置300の電源が投入された際に図2に示すフローを開始する。なお、電源投入前に、各モータ用配線401及び各エンコーダ用配線402は、誤配線の有無に関わらず配設が完了されているものとする。また、エンジニアリングツール500は事前に多軸モータ駆動装置300に接続されており、その電源は投入されているものとする。
ステップS5では、統括制御部302は、多軸モータ駆動装置300に接続された全モータ100について、ブレーキ101によるブレーキ機能の解除を行う。
ステップS10では、統括制御部302は、駆動部303の数をカウントするための変数iを0に初期化すると共に、全駆動部数を表すi0を所定の値に設定する。図1に示す例では、駆動部303の数は全部で8つであるため、i0=8となる。なお、このi0の値は、作業者によりエンジニアリングツール500を介して手動入力される。また、電源投入時に、統括制御部302が接続された駆動部303の数を自動認識して、このi0の値を決定しても良い。
ステップS15では、統括制御部302は、多軸モータ駆動装置300が有する複数の駆動部303の中から1つの駆動部303を選択する。例えば図1に示す例では、i=0では第1駆動部303、i=1では第2駆動部303、というようにiに応じて駆動部303が順次選択される。
ステップS20では、統括制御部302は、中継部310からの検出信号(全てのエンコーダ102の検出信号)を入力し、当該検出信号に基づき、中継部310のコネクタ311に接続された全エンコーダ102の検出位置を、初期位置として所定の記憶部(メモリ等)に格納する。また、統括制御部302は、上記ステップS15で選択した駆動部303に対してサーボオン信号を出力し、当該駆動部303を、対応するモータ100が通電開始時点の位置に位置決めされるサーボオン状態とする。このサーボオン状態では、統括制御部302は駆動量0に対応する位置指令を駆動部303に出力して位置ループ制御を行う。なお、上記サーボオン状態が、特許請求の範囲に記載の第1位置決め制御状態の一例に相当する。
ステップS25では、統括制御部302は、中継部310からの検出信号(全てのエンコーダ102の検出信号)に基づき、全てのモータ100が駆動しなかったか否かを判定する。いずれかのモータ100が駆動した場合には(ステップS25でNO)、ステップS30に移る。
ステップS30では、統括制御部302は、駆動したモータ100が上記ステップS20でサーボオン状態とした駆動部303に対応したモータであるか否かを判定する。サーボオン状態とした駆動部303に対応したモータ100が駆動した場合には(ステップS30でYES)、ステップS35に移り、統括制御部302は、当該モータ100のモータ用配線401における各相(U相、V相、W相)の配線に誤配線があると判別する。これは、サーボオン状態においては、モータ用配線401の相配線が正常である場合にはモータ100は各相(U相、V相、W相)の電流位相を含む通電開始時点の位置にロックされた状態となるが、相配線に誤配線がある場合には、上述した各相(U相、V相、W相)の電流位相がずれた状態となるため、モータ100に駆動が生じる場合があるからである。
一方、上記ステップS30において、サーボオン状態とした駆動部303に対応しないモータ100が駆動した場合には(ステップS30でNO)、ステップS40に移り、統括制御部302は、駆動部303と対応しないモータ100とが誤って接続されている、又は、エンコーダ102と対応しないコネクタ311とが誤って接続されていると判別する。これは、サーボオン状態とした駆動部303に対応しないモータ100の駆動が検出されるということは、エンコーダ用配線402が対応するエンコーダ102とコネクタ311との間で正しく配線されている場合には、駆動部303と対応しないモータ100とが誤って接続されていると考えられ、モータ用配線401が対応する駆動部303とモータ100との間で正しく配線されている場合には、エンコーダ102と対応しないコネクタ311とが誤って接続されていると考えられるからである。
統括制御部302は、上記ステップS35又は上記ステップS40の後、ステップS45に制御手順を移行する。このステップS45では、統括制御部302は、上記ステップS20でサーボオン状態とした駆動部303にサーボオフ信号を出力してサーボオフ状態とし、多軸モータ駆動装置300に接続された全モータ100について、ブレーキ101によるブレーキ機能をオンにする。なお、サーボオフ状態とは、上述したサーボオン状態とは異なる状態、すなわち、上記ステップS20で選択されたモータ100への通電を強制的に止める状態を示す。
次のステップS50では、統括制御部302は、表示部305を用いて対応する配線のチェックを促す表示を行う。例えば、上記ステップS35で誤配線ありと判別した場合には、モータ用配線401における各相(U相、V相、W相)の配線のチェックを促す表示を行い、上記ステップS40で誤配線ありと判別した場合には、モータ用配線401(非対応の駆動部303とモータ100とが接続されていないか)又はエンコーダ用配線402のチェックを促す表示を行う。そして、本フローを終了する。
なお、先のステップS25において、全てのモータ100が駆動しなかった場合には(ステップS25でYES)、ステップS55に移る。
ステップS55では、統括制御部302は、上記ステップS20でサーボオン状態とした駆動部303に対し、各軸制御部304を介して所定の駆動量の位置指令を出力し、当該駆動部303を、対応するモータ100が通電開始時点の位置から所定量駆動された位置に位置決めされる位置決め制御状態とする。この位置決め制御状態が、特許請求の範囲に記載の第2位置決め制御状態の一例に相当する。なお、上記所定の駆動量は、負荷機械に支障がない程度の駆動量に適宜設定される。
ステップS60では、統括制御部302は、中継部310からの検出信号(全てのエンコーダ102の検出信号)を入力し、当該検出信号に基づく検出位置と上記ステップS20で格納した初期位置との比較により駆動量を算出し、上記ステップS55で位置指令を出力した駆動部303に対応したモータ100が当該位置指令に対応した駆動量分だけ正常に駆動したか否かを判定する。位置指令を出力した駆動部303に対応しないモータ100が駆動した場合、あるいは、位置指令を出力した駆動部303に対応したモータ100が駆動したが駆動量が正常でない場合には(ステップS60でNO)、ステップS65に移る。
ステップS65では、統括制御部302は、上記ステップS55で位置指令を出力した駆動部303に対応したモータ100が駆動したか否かを判定する。位置指令を出力した駆動部303に対応したモータ100が正常でない駆動をした場合には(ステップS65でYES)、ステップS70に移り、統括制御部302は、当該モータ100のモータ用配線401における各相(U相、V相、W相)の配線に誤配線がある、又は、エンコーダ102と対応しないコネクタ311とが誤って接続されていると判別する。これは、モータ用配線401の相配線が正常である場合にはモータ100は上記位置指令に対応した所定量だけ駆動して停止した状態となるが、相配線又はエンコーダ用配線402に誤配線がある場合には、駆動量が異常となる場合(駆動しない場合を含む)が生じるからである。但し、ステップS25を経た、ステップS60、ステップS65、ステップS70の過程の場合、ステップS25において当該モータ100のモータ用配線401における各相(U相、V相、W相)の配線は正常と判断できる可能性が高いため、ステップS70における誤配線はエンコーダ用配線402に誤配線がある場合として特定できる可能性がある。
一方、上記ステップS65において、位置指令を出力した駆動部303に対応しないモータ100が駆動した場合には(ステップS65でNO)、ステップS75に移り、統括制御部302は、駆動部303と対応しないモータ100とが誤って接続されている、又は、エンコーダ102と対応しないコネクタ311とが誤って接続されていると判別する。
その後は上記と同様に、統括制御部302は、ステップS45において、上記ステップS20でサーボオン状態とした駆動部303をサーボオフ状態とし、多軸モータ駆動装置300に接続された全モータ100について、ブレーキ101によるブレーキ機能をオンにする。そしてステップS50において、統括制御部302は、表示部305を用いて対応する配線のチェックを促す表示を行う。そして、本フローを終了する。
なお、先のステップS60において、上記ステップS55で位置指令を出力した駆動部303に対応したモータ100が当該位置指令に対応した駆動量分だけ正常に駆動した場合には(ステップS60でYES)、ステップS80に移る。
ステップS80では、統括制御部302は、モータ用配線401及びエンコーダ用配線402に誤配線はないと判別し、次のステップS85において、表示部305を用いて正常に配線されている旨を表す表示を行う。
次のステップS90では、統括制御部302は、変数iに1を加える。そして次のステップS95では、統括制御部302は、変数iが全駆動部数i0と一致するか否かを判定する。変数iと全駆動部数i0とが一致しない場合には(ステップS95でNO)、先のステップS15に戻る。すなわち、多軸モータ駆動装置300が有する全ての駆動部303に対してステップS15〜ステップS95の処理を繰り返して実行する。一方、変数iと全駆動部数i0とが一致する場合には(ステップS95でYES)、本フローを終了する。図1に示す例では、第1〜第8駆動部303の全てに対してステップS15〜ステップS95の処理を実行した際に、変数iと全軸数i0とが一致し、本フローを終了する。
次に、上記制御によって判別される誤配線の具体例について図3を用いて説明する。図3に示す例では、第3駆動部303と第4モータ100とが接続されると共に、第4駆動部303と第3モータ100とが接続されており、これらが非対応の駆動部303とモータ100との接続によるモータ配線401の誤配線を生じている。また、第7駆動部303と第7モータ100との間で対応する相同士が接続されておらず、これがモータ用配線401の各相(U相、V相、W相)の配線の誤配線を生じている。さらに、第5モータ100のエンコーダ102と第6コネクタ311とが接続されると共に、第6モータ100のエンコーダ102と第5コネクタ311とが接続されており、これらが非対応のエンコーダ102とコネクタ311との接続による誤配線を生じている。
このような誤配線を有する多軸モータ駆動システム1において、統括制御部302が図2に示す制御内容を実行した場合、第1駆動部303及び第2駆動部303については誤配線なしと判別される。第3駆動部303については、第3駆動部303と第4モータ100とが誤って接続されているため、第3駆動部303をサーボオン状態とした際に(ステップS20)、第4モータ100が駆動する場合がある。駆動した場合には、第4モータ100のエンコーダ102から中継部310の第4コネクタ311に検出信号が入力され、第4モータ100の駆動として検出される。したがって、サーボオン状態とした駆動部303に対応しないモータ100が駆動した場合に相当するので(ステップS25でNO、ステップS30でNO)、第3駆動部303と第4モータ100とが誤って接続されている、又は、第3モータ100のエンコーダ102と第4コネクタ311とが誤って接続されていると判別され(ステップS40)、その旨が表示される(ステップS50)。その結果、作業者は第3駆動部303に対応するモータ用配線401及びエンコーダ用配線402をチェックすることで、この例ではエンコーダ用配線402が正しく配線されていることから、第3駆動部303と第4モータ100とが誤って接続されていることを突き止めることができる。
なお、第3駆動部303をサーボオン状態とした際に第4モータ100が駆動しなかった場合でも(ステップS25でYES)、第3駆動部303に所定の駆動量の位置指令を出力した際に(ステップS55)、第4モータ100のエンコーダ102から中継部310の第4コネクタ311に検出信号が入力され、第4モータ100の駆動として検出される。したがって、位置指令を出力した駆動部303に対応しないモータ100が駆動した場合に相当するので(ステップS60及びステップS65でNO)、第3駆動部303と第4モータ100とが誤って接続されている、又は、第3モータ100のエンコーダ102と第4コネクタ311とが誤って接続されていると判別され(ステップS75)、その旨が表示される(ステップS50)。その結果、作業者は第3駆動部303と第4モータ100とが誤って接続されていることを突き止めることができる。第4駆動部303についても同様にして、作業者は第4駆動部303と第3モータ100とが誤って接続されていることを突き止めることができる。
一方、第5駆動部303については、第5モータ100のエンコーダ102と第6コネクタ311とが誤って接続されているため、第5駆動部303をサーボオン状態とした際に(ステップS20)、第5モータ100が駆動した場合には、第5モータ100のエンコーダ102から中継部310の第6コネクタ311に検出信号が入力され、第6モータ100の駆動として検出される。したがって、サーボオン状態とした駆動部303に対応しないモータ100が駆動した場合に相当するので(ステップS25でNO、ステップS30でNO)、第5駆動部303と第6モータ100とが誤って接続されている、又は、第5モータ100のエンコーダ102と第6コネクタ311とが誤って接続されていると判別され(ステップS40)、その旨が表示される(ステップS50)。その結果、作業者は第5駆動部303に対応するモータ用配線401及びエンコーダ用配線402をチェックすることで、この例ではモータ用配線401が正しく配線されていることから、第5モータ100のエンコーダ102と第6コネクタ311とが誤って接続されていることを突き止めることができる。
なお、第5駆動部303をサーボオン状態とした際に第5モータ100が駆動しなかった場合でも(ステップS25でYES)、第5駆動部303に所定の駆動量の位置指令を出力した際に(ステップS55)、第5モータ100のエンコーダ102から中継部310の第6コネクタ311に検出信号が入力され、第6モータ100の駆動として検出される。したがって、位置指令を出力した駆動部303に対応しないモータ100が駆動した場合に相当するので(ステップS60及びステップS65でNO)、第5駆動部303と第6モータ100とが誤って接続されている、又は、第5モータ100のエンコーダ102と第6コネクタ311とが誤って接続されていると判別され(ステップS75)、その旨が表示される(ステップS50)。その結果、作業者は第5モータ100のエンコーダ102と第6コネクタ311とが誤って接続されていることを突き止めることができる。第6駆動部303についても同様にして、作業者は第6モータ100のエンコーダ102と第5コネクタ311とが誤って接続されていることを突き止めることができる。
他方、第7駆動部303については、当該第7駆動部303と第7モータ100との間でモータ用配線401の各相(U相、V相、W相)の配線が誤って接続されているため、第7駆動部303をサーボオン状態とした際に(ステップS20)、第7モータ100が駆動する場合がある。駆動した場合には、第7モータ100のエンコーダ102から中継部310の第7コネクタ311に検出信号が入力され、第7モータ100の駆動として検出される。したがって、サーボオン状態とした駆動部303に対応したモータ100が駆動した場合に相当するので(ステップS25でNO、ステップS30でYES)、第7モータ100のモータ用配線401における各相の配線に誤配線があると判別され(ステップS35)、その旨が表示される(ステップS50)。その結果、作業者は第7モータ100のモータ用配線401における各相の配線に誤配線があることを突き止めることができる。
なお、第7駆動部303をサーボオン状態とした際に第7モータ100が駆動しなかった場合でも(ステップS25でYES)、第7駆動部303に所定の駆動量の位置指令を出力した際に(ステップS55)、第7モータ100が異常駆動した場合には、位置指令を出力した駆動部303に対応したモータ100が駆動したが駆動量が正常でない場合に相当するので(ステップS60でNO、ステップS65でYES)、第7モータ100のモータ用配線401における各相の配線に誤配線があると判別され(ステップS70)、その旨が表示される(ステップS50)。このように、各駆動部303に対し、サーボオン状態での誤配線の判別後、さらに所定量駆動させた状態での誤配線の判別を行うことで、各駆動部303ごとに2回の誤配線の判別を行うことができるので、誤配線の検出精度を高めることができる。
以上説明した多軸モータ駆動システム1においては、多軸モータ駆動装置300の各駆動部303と対応するモータ100とがモータ用配線401を介して個別に接続されており、各モータ100のエンコーダ102と中継部310のコネクタ311とがエンコーダ用配線402を介して個別に接続されている。このようなシステムにおいて、モータ用配線401及びエンコーダ用配線402における誤配線をチェックする方法として、全てのモータ100について同時に駆動して異常判断指標となる内部データを記憶することを所定の時間繰り返し実行した上で、記憶した内部データに基づいて誤配線をチェックする方法が考えられる。しかしながら、この場合には、軸数が多くなるにつれ内部データの情報量も多くなるため、考えられる誤配線要因の組合せが多岐に渡ってしまい、正確な誤配線要因の追求に時間を要する恐れがある。
これに対し、本実施形態においては、多軸モータ駆動装置300の統括制御部302が、各駆動部303を介して各モータ100に順次電力を供給させ、その際のエンコーダ102の検出信号に基づき、モータ用配線401及びエンコーダ用配線402における誤配線の有無を各駆動部303ごとに判別する。このように各駆動部303ごとに判別を行うことにより、軸数(すなわち駆動部303又はモータ100の数)に関わらず、誤配線要因を各駆動部303に対応する配線部分のみに限定することができる。これにより、正確な誤配線要因の追求に要する時間を短縮できるので、誤配線要因を迅速且つ正確に判別することができる。その結果、誤配線に起因して発生する可能性がある負荷機械の異常動作を事前に阻止することができる。
また、本実施形態では特に、統括制御部302は、各駆動部303をサーボオン状態とした上で、検出信号に基づき誤配線の有無を判別する。このサーボオン状態では、統括制御部302は駆動量0に対応する位置指令を駆動部303に出力して位置ループ制御を行う。このとき、各配線が正常である場合にはモータ100は各相(U相、V相、W相)の電流位相を含む通電開始時点の位置にロックされた状態となるが、モータ用配線401の各相(U相、V相、W相)の配線に誤配線がある場合には、上述した各相(U相、V相、W相)の電流位相がずれた状態となるため、モータ100に駆動が生じる場合がある。したがって、位置決め制御された駆動部303に対応するモータ100の駆動が検出された場合には、モータ用配線401の各相の配線に誤配線があると判別することができる。一方、位置決め制御された駆動部303に対応しないモータ100の駆動が検出された場合には、モータ用配線401及びエンコーダ用配線402のいずれかに非対応機器の接続による誤配線があると判別することができる。他方、複数のモータ100の全てが駆動しないことが検出された場合には、誤配線がないと判別することができる。
また、本実施形態では特に、統括制御部302は、各駆動部303を、対応するモータ100が通電開始時点の位置から所定量駆動された位置に位置決めされる位置決め制御状態とした上で、検出信号に基づき誤配線の有無を判別する。このとき、各配線が正常である場合には、モータ100は所定量駆動して停止した状態となるが、モータ用配線401の各相の配線に誤配線がある場合又はエンコーダ用配線402に誤配線がある場合には、上記モータ100の駆動量が異常となる場合がある。したがって、所定量駆動されるように制御された状態の駆動部303に対応するモータ100の駆動量が異常であることが検出された場合には、当該モータ100のモータ用配線401における各相の配線に誤配線がある、又は、エンコーダ102と対応しないコネクタ311とが誤って接続されていると判別することができる。一方、所定量駆動されるように制御された状態の駆動部303に対応しないモータ100の駆動が検出された場合には、モータ用配線401及びエンコーダ用配線402のいずれかに非対応機器の接続による誤配線があると判別することができる。他方、所定量駆動されるように制御された状態の駆動部303に対応するモータ100の駆動量が正常であることが検出された場合には、誤配線がないと判別することができる。また、各駆動部303に対し、サーボオン状態での誤配線の判別後、さらに所定量駆動させた状態での誤配線の判別を行うことで、各駆動部303ごとに2回の誤配線の判別を行うことができるので、誤配線の検出精度を高めることができる。
また、本実施形態では特に、多軸モータ駆動装置300が、統括制御部302による判別結果を表示する表示部305を有している。これにより、誤配線がある場合にはその旨を表示部305で表示することで、対応する配線のチェックを作業者に促し、誤配線に起因して発生する可能性がある負荷機械の異常動作を事前に阻止することができる。また、誤配線がない場合にはその旨を表示部305で表示することで、作業者に安心感を与えることができる。
なお、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、以上では、各駆動部303に対し、サーボオン状態での誤配線の判別後、さらに所定量駆動させた状態での誤配線の判別を行うことで、各駆動部303ごとに2回の誤配線の判別を行う場合を一例として説明したが、いずれか一方のみの誤配線の判別を各駆動部303ごとに行うようにしてもよい。
また以上では、多軸モータ駆動システムが回転型のモータ100を有する場合を一例として説明したが、モータは回転型である必要はなく、例えばリニアモータを用いてもよい。また、図2に示す制御内容を統括制御部302で実行するようにしたが、各軸制御部304で実行してもよい。また以上では、8軸駆動の多軸モータ駆動システムを一例として説明したが、軸数はこれに限るものではなく、適宜変更してもよい。
また以上では、多軸モータ駆動装置300が表示部305を有する場合を一例として説明したが、エンジニアリングツール500もしくは上位制御装置200が表示部を有しても良い。この場合、多軸モータ駆動装置300がエンジニアリングツール500もしくは上位制御装置200に対して表示する情報を通信等の手段を用いて出力すれば良い。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 多軸モータ駆動システム
101 モータ
102 エンコーダ(位置検出器)
200 上位制御装置
300 多軸モータ駆動装置
302 統括制御部(制御部)
303 駆動部
305 表示部
401 モータ用配線
402 検出器用配線
上記課題を解決するために、本発明の一の観点によれば、Nを3以上の整数として、それぞれが位置検出器を備えたN個のモータと、モータ制御指令を出力する上位制御装置と、前記モータ制御指令に基づき、前記N個のモータを駆動する多軸モータ駆動装置と、を有し、前記多軸モータ駆動装置は、前記N個のモータにそれぞれ対応付けられ接続された、N個の駆動部と、前記N個の駆動部にそれぞれ対応付けられ、更にN個の前記位置検出器にそれぞれ対応付けられ接続された、N個の信号入力部と、当該多軸モータ駆動装置全体の制御を司る制御部と、を有する多軸モータ駆動システムであって、特定の駆動部から出力される指令電力により特定のモータが駆動され、その特定のモータの位置を検出する特定の位置検出器から出力される検出信号が特定の信号入力部に入力される、信号伝達経路を、N組備えており、前記制御部は、前記駆動部を介して前記N個のモータに順次指令電力を供給したときの前記位置検出器の前記検出信号に基づき、前記指令電力を出力した駆動部と前記検出信号が入力された前記信号入力部との前記信号伝達経路での対応関係が不一致である誤配線の有無と、当該誤配線がなされていた場合における誤った前記対応関係の信号入力部とを、前記駆動部ごとに判別する多軸モータ駆動システムが適用される。

Claims (11)

  1. 位置検出器を備えた複数のモータと、
    モータ制御指令を出力する上位制御装置と、
    前記モータ制御指令に基づき、前記複数のモータを駆動する多軸モータ駆動装置と、を有し、
    前記多軸モータ駆動装置は、
    対応する前記モータに個別に接続され、前記モータに電力を供給して駆動する複数の駆動部と、
    前記駆動部を介して各モータに順次電力を供給し、前記位置検出器の検出信号に基づき、前記駆動部と前記モータとを接続するモータ用配線及び前記位置検出器からの検出器用配線の少なくとも一方における誤配線の有無を、前記駆動部ごとに判別する制御部と、を有する
    ことを特徴とする多軸モータ駆動システム。
  2. 前記制御部は、
    前記駆動部を、対応する前記モータが通電開始時点の位置に位置決めされる第1位置決め制御状態とした上で、前記検出信号に基づき誤配線の有無を判別する
    ことを特徴とする請求項1に記載の多軸モータ駆動システム。
  3. 前記制御部は、
    前記検出信号に基づき、第1位置決め制御状態とした前記駆動部に対応する前記モータの駆動を検出した場合には、当該モータの前記モータ用配線に誤配線があると判別する
    ことを特徴とする請求項2に記載の多軸モータ駆動システム。
  4. 前記制御部は、
    前記検出信号に基づき、第1位置決め制御状態とした前記駆動部に対応しない前記モータの駆動を検出した場合には、前記モータ用配線及び前記検出器用配線のいずれかに誤配線があると判別する
    ことを特徴とする請求項2に記載の多軸モータ駆動システム。
  5. 前記制御部は、
    前記検出信号に基づき、前記複数のモータの全てが駆動しないことを検出した場合には、前記モータ用配線及び前記検出器用配線のいずれにも誤配線がないと判別する
    ことを特徴とする請求項2に記載の多軸モータ駆動システム。
  6. 前記制御部は、
    前記駆動部を、対応する前記モータが通電開始時点の位置から所定量駆動された位置に位置決めされる第2位置決め制御状態とした上で、前記検出信号に基づき、誤配線の有無を判別する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の多軸モータ駆動システム。
  7. 前記制御部は、
    前記検出信号に基づき、第2位置決め制御状態とした前記駆動部に対応する前記モータの駆動量が異常であることを検出した場合には、当該モータの前記モータ用配線及び前記検出器用配線のいずれかに誤配線があると判別する
    ことを特徴とする請求項6に記載の多軸モータ駆動システム。
  8. 前記制御部は、
    前記検出信号に基づき、第2位置決め制御状態とした前記駆動部に対応しない前記モータの駆動を検出した場合には、前記モータ用配線及び前記検出器用配線のいずれかに誤配線があると判別する
    ことを特徴とする請求項6に記載の多軸モータ駆動システム。
  9. 前記制御部は、
    前記検出信号に基づき、第2位置決め制御状態とした前記駆動部に対応する前記モータの駆動量が正常であることを検出した場合には、前記モータ用配線及び前記検出器用配線のいずれにも誤配線がないと判別する
    ことを特徴とする請求項6に記載の多軸モータ駆動システム。
  10. 前記多軸モータ駆動装置は、
    前記制御部による判別結果を表示する表示部を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の多軸モータ駆動システム。
  11. 上位制御装置から出力されるモータ制御指令に基づき、位置検出器を備えた複数のモータを駆動する多軸モータ駆動装置であって、
    対応する前記モータに個別に接続され、前記モータに電力を供給して駆動する複数の駆動部と、
    前記駆動部を介して各モータに順次電力を供給し、前記位置検出器の検出信号に基づき、前記駆動部と前記モータとを接続するモータ用配線及び前記位置検出器からの検出器用配線の少なくとも一方における誤配線の有無を、前記駆動部ごとに判別する制御部と、を有する
    ことを特徴とする多軸モータ駆動装置。
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