JP4434209B2 - 数値制御装置及びその制御方法 - Google Patents
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Description
図において、1は数値制御装置を表わしており、数値制御装置1は、加工プログラム解析処理部3と、補間処理部4と、機械制御信号処理部6と、ラダー回路5と、軸制御部10、10Aと、データ入出力回路11と、メモリ7と、パラメータ設定部8と、画面表示部9とから構成されている。
また、数値制御装置1と主軸モータ13、13Aとの間には、数値制御装置1からの指令を解析し、主軸モータ13,13Aを制御するための主軸アンプ12、12Aが存在する。
基準主軸を駆動する主軸モータ13と、同期主軸を駆動する主軸モータ13Aは、加工プログラム中の主軸同期指令(G164)で指令される。
図14において、2は加工プログラムであり、テープリーダ等から読み込まれた加工プログラム2はメモリ7に格納される。加工プログラム2を実行する際には、加工プログラム解析処理部3がメモリ7から1ブロックずつ加工プログラムを読み出し、読み出された加工プログラム2は加工プログラム解析処理部3で処理される。
まず、主軸同期指令をメモリ7から読み出す。
次に読み出された該指令は、加工プログラム解析処理部3で、主軸同期指令から基準主軸と同期主軸と同期主軸の回転方向の情報が解析され、補間処理部4に渡される。
補間処理部4では、回転速度指令から基準主軸を駆動する主軸モータ13の回転位置指令に換算する。また、主軸同期指令で指令された同期主軸に対しても、基準主軸を駆動する主軸モータ13に対する回転速度指令から、同期主軸を駆動する主軸モータ13Aに対する回転位置指令を計算する。
基準主軸を駆動する主軸モータ13と同期主軸を駆動する主軸モータ13Aに対する回転位置指令は、基準主軸を駆動する主軸モータ13と同期主軸を駆動する主軸モータ13Aとに対応する軸制御部10、10Aに出力され、該回転位置指令は軸制御部10、10Aで、予め指定された加減速パターンに従って加減速を考慮した単位時間あたりのサーボ位置指令に計算し直して、データ入出力回路11に出力する。
該サーボ位置指令は、データ入出力回路11を介して基準主軸と同期主軸の主軸アンプ12、12Aに送信される。主軸アンプ12、12Aは、受信した該指令に従って主軸モータ13、13Aを位置制御しながら回転させる。
ここで基準主軸を駆動する主軸モータ13に対応する軸制御部10と、同期主軸を駆動する主軸モータ13Aに対応する軸制御部10Aの加減速パターンが同じになるように調整されているため、基準主軸にチャックされたワークと同期主軸は、回転速度が変化している場合でも同期して回転することができる。
以下、実施の形態1を図1〜図7を用いて説明する。
即ち、図1はこの発明に係る数値制御装置の要部ブロック図であり、図14に示した従来の数値制御装置のブロック図と比較して、重畳主軸回転数計算手段21と、多段加減速決定手段22と、加減速時定数計算手段23とが付加されたことが特徴である。
なお、図3における加工プログラムのブロック(2)におけるG164は主軸重畳指令を表わしており、H1は基準主軸を正転方向に回転させることを、D3は重畳主軸を正転方向に回転させることを表わしている。
重畳主軸の実際の回転数=(主軸重畳指令の重畳主軸の符号)
×(基準主軸の回転方向の符号)
×(基準主軸の指令回転数)
+(重畳主軸の回転方向の符号)
×(重畳主軸の指令回転数)・・・・・・(A)
ここで、基準主軸の回転方向の符号、重畳主軸の回転方向の符号は正転の場合がプラス、逆転の場合がマイナスを表わしている。
(+1)×(+1)×(3000)+(+1)× 0= 3000(rpm)
となる。重畳主軸回転数計算手段21の計算結果から、重畳主軸は0rpmから3000rpmに加速することになる。
図4における加工プログラムのブロック(2)の指令では、前述の式(A)に従って重畳主軸の回転数を計算すると
(−1)×(+1)×750+(−1)× 0 = −750(rpm)
となる。
図4における加工プログラムのブロック(3)の指令では、
(−1)×(+1)×750+(−1)×500 = −1250(rpm)
となる。
図4における加工プログラムのブロック(4)の指令では、
(−1)×(−1)×750+(−1)×500 = 250(rpm)
となる。
図4における加工プログラムのブロック(5)の指令では、
(−1)×(−1)×750+(+1)×250 = 1000(rpm)
となる。
従って図4における加工プログラムで指令される重畳主軸は、0(rpm)→−750(rpm)→−1250(rpm)→250(rpm)→1000(rpm)と回転数が変化する。
この具体例を図5を用いて説明する。なお、図5において(a)は通常時(重畳制御されることなく、基準主軸単独で加減速を行う時)の基準主軸の加減速パターンを、(b)は重畳主軸の加減速パターン、(c)は多段加減速決定手段22によって決定された基準主軸の加減速パターンを表している。
また基準主軸と重畳主軸の加減速パターンは、パラメータ設定部8を用いて、各主軸アンプ12、12Aの性能を最大限利用できるように予め夫々設定されるが、この実施の態様1においては、重畳主軸の主軸アンプ12Aが、経済性を考慮して基準主軸の主軸アンプ12より加減速能力が劣るものが用いられた例を示しているので、基準主軸の加減速パターンより重畳主軸の加減速パターンの方が傾きが緩やかなものとなっている。
ここで重畳制御時において、基準主軸が1000rpmから3000rpmに加速する場合を考えてみる。1000rpmから3000rpmまで加速するときの基準主軸と重畳主軸の傾きを計算してみると、基準主軸の場合は、
(3300−0)/(0.5−0)=6600(rpm/s)となり、
重畳主軸の場合は
(1500−0)/(0.4−0)=3750(rpm/s)
(5000−1500)/(2.5−0.4)=1667(rpm/s)
となり、
6600(rpm/s)> 3750(rpm/s)
6600(rpm/s)> 1667(rpm/s)
となる。
従って、傾きは重畳主軸の傾きが基準主軸の傾きより1つでも小さいため、図5の(c)に示すように、重畳制御時において、基準主軸の加減速は重畳主軸の加減速パターンに従うことが、多段加減速決定手段22によって決定される。
このため、重畳制御時に基準主軸に加減速するような指令が入った場合にあっても、重畳主軸の主軸アンプ12Aの加減速能力を超えることがなくなり、ひいては重畳主軸の主軸アンプ12Aがアラームになることがなくなる。
例えば、基準主軸と重畳主軸が正転重畳制御状態、即ち、図3における加工プログラムのブロック(2)の指令のD3のように、主軸重畳指令の重畳主軸の符号がプラスの場合において、基準主軸と重畳主軸が同時に正転方向に加速するとき、図6の表の(1)から基準主軸、重畳主軸の加減速時定数は多段加減速決定手段22で決められた多段加減速の時定数の2倍となる。図7の例では(1)の区間が、正転重畳制御状態で基準主軸が正転減速で、重畳主軸が正転減速となり、図6の表で言えば(2)になるため、基準主軸、重畳主軸の加減速時定数は多段加減速決定手段22で決められた多段加減速の時定数の2倍になっている。図3における加工プログラムのブロック(2)の場合は、正転重畳制御状態で基準主軸が一定回転(定常回転)で重畳主軸は正転加速するため、図6の(3)に相当し、多段加減速決定手段22で決められた多段加減速の時定数のまま(1倍)で加速を行う。
このため基準主軸と重畳主軸が同時に同方向に加減速する場合にあっても、重畳主軸の主軸アンプ12Aの加減速能力を超えることがなくなり、ひいては重畳主軸の主軸アンプ12Aがアラームになることがなくなる。
最後にステップ4で、上記計算結果に基づいて基準主軸及び重畳主軸の加減速を行う。
次に実施の態様2を図8〜図13を用いて説明する。
図8はこの発明に係る数値制御装置の要部ブロック図であり、図1に示した実施の態様1のブロック図と比較して、同期タップ時定数決定手段24と、同期タップクランプ速度チェック手段25とが付加されたことが特徴である。
なお図11及び図13において、各図の上部が加工プログラムを示し、また下部がその加工プログラムが指令されたときの基準主軸及び重畳主軸の動作(回転数)を示す。
図11の加工プログラム例と基準主軸,重畳主軸の動作例で説明すると、まず加工プログラムのブロック(1)の指令で、基準主軸が4000rpmで回転する。次に加工プログラムのブロック(2)の指令で、前述の式(A)に従って重畳主軸も4000rpmで回転する。加工プログラムのブロック(3)のZ軸移動指令によって重畳主軸のタップ工具をワークに近づけて、(4)の同期タップ指令によってZ軸の移動によって重畳主軸の回転が5000rpmに上がり、穴底のZ軸の停止によって重畳主軸の回転が4000rpmに減速し、Z軸のもどりの移動によって重畳主軸の回転が3000rpmに減速し、タップ加工の終了でZ軸が停止すると重畳主軸の回転が4000rpmに上がるという動作を行う。
まず(a)の基準主軸と重畳主軸の差速よらない、通常の同期タップ時の加減速パターンから3000rpm〜5000rpmの傾きを次のように算出する。(2000−0)/(1.0−0)=2000(rpm/s)
次に(b)の重畳主軸の多段加減速パターンから3000rpm〜5000rpmの傾きを次のように算出する。
(5000−1500)/(2.5−0.4)=1667(rpm/s)
次に上記算出した傾きを比較する。この結果、
2000(rpm/s)>1667(rpm/s)
となり、重畳主軸の多段加減速パターンの方が傾きが小さいため、本時定数を同期タップ加工に用いることを決定する。
7 メモリ、8 パラメータ設定部、9 画面表示部、
10、10A 軸制御部、11 データ入出力回路、
12、12A 主軸アンプ、13、13A 主軸モータ、
20 補間処理手段、21 重畳主軸回転数計算手段、
22 多段加減速決定手段、23 加減速時定数計算手段、
24 同期タップ時定数決定手段、
25 同期タップクランプ速度チェック手段。
Claims (6)
- 基準主軸と重畳主軸とを備え、前記重畳主軸に対する回転指令を、前記基準主軸の回転数を基準にして制御する数値制御装置において、基準主軸と重畳主軸が同時に同方向に加減速が重なる場合の加減速時定数を、重畳基準主軸と重畳主軸のアンプの加減速能力を超えないよう、前記基準主軸と重畳主軸が同時に同方向に加減速が重なる場合以外の場合の加減速時定数に比べ、大きくする計算を行う加減速時定数計算手段を備えたことを特徴とする数値制御装置。
- 前記基準主軸と重畳主軸が同時に同方向に加減速が重なる場合は、正転重畳制御状態で、基準主軸の正転加速と重畳主軸の正転加速とが重畳する場合、正転重畳制御状態で、基準主軸の正転加速と重畳主軸の逆転減速とが重畳する場合、正転重畳制御状態で、基準主軸の逆転加速と重畳主軸の逆転加速とが重畳する場合、正転重畳制御状態で、基準主軸の逆転加速と重畳主軸の正転減速とが重畳する場合、正転重畳制御状態で、基準主軸の正転減速と重畳主軸の逆転加速とが重畳する場合、正転重畳制御状態で、基準主軸の正転減速と重畳主軸の正転減速とが重畳する場合、正転重畳制御状態で、基準主軸の逆転減速と重畳主軸の正転加速とが重畳する場合、正転重畳制御状態で、基準主軸の逆転減速と重畳主軸の逆転減速とが重畳する場合、逆転重畳制御状態で、基準主軸の正転加速と重畳主軸の逆転加速とが重畳する場合、逆転重畳制御状態で、基準主軸の正転加速と重畳主軸の正転減速とが重畳する場合、逆転重畳制御状態で、基準主軸の逆転加速と重畳主軸の正転加速とが重畳する場合、逆転重畳制御状態で、基準主軸の逆転加速と重畳主軸の逆転減速とが重畳する場合、逆転重畳制御状態で、基準主軸の正転減速と重畳主軸の正転加速とが重畳する場合、逆転重畳制御状態で、基準主軸の正転減速と重畳主軸の逆転減速とが重畳する場合、逆転重畳制御状態で、基準主軸の逆転減速と重畳主軸の逆転加速とが重畳する場合、及び逆転重畳制御状態で、基準主軸の逆転減速と重畳主軸の正転減速とが重畳する場合であることを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
- 前記基準主軸と重畳主軸が同時に同方向に加減速が重なる場合の加減速時定数、及び前記基準主軸と重畳主軸が同時に同方向に加減速が重なる場合以外の場合の加減速時定数を計算するための値が記載されたテーブルを備え、前記加減速時定数計算手段は、前記テーブルに記載された前記値を参照して計算することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の数値制御装置。
- 基準主軸と重畳主軸とを備え、前記重畳主軸に対する回転指令を、前記基準主軸の回転数を基準にして制御する数値制御装置の制御方法において、基準主軸と重畳主軸が同時に同方向に加減速が重なる場合の加減速時定数を、重畳基準主軸と重畳主軸のアンプの加減速能力を超えないよう、前記基準主軸と重畳主軸が同時に同方向に加減速が重なる場合以外の場合の加減速時定数に比べ、大きくする計算をし、基準主軸と重畳主軸が同時に同方向に加減速が重なる場合、この計算した時定数で加減速を行うことを特徴とする数値制御装置の制御方法。
- 前記基準主軸と重畳主軸が同時に同方向に加減速が重なる場合は、正転重畳制御状態で、基準主軸の正転加速と重畳主軸の正転加速とが重畳する場合、正転重畳制御状態で、基準主軸の正転加速と重畳主軸の逆転減速とが重畳する場合、正転重畳制御状態で、基準主軸の逆転加速と重畳主軸の逆転加速とが重畳する場合、正転重畳制御状態で、基準主軸の逆転加速と重畳主軸の正転減速とが重畳する場合、正転重畳制御状態で、基準主軸の正転減速と重畳主軸の逆転加速とが重畳する場合、正転重畳制御状態で、基準主軸の正転減速と重畳主軸の正転減速とが重畳する場合、正転重畳制御状態で、基準主軸の逆転減速と重畳主軸の正転加速とが重畳する場合、正転重畳制御状態で、基準主軸の逆転減速と重畳主軸の逆転減速とが重畳する場合、逆転重畳制御状態で、基準主軸の正転加速と重畳主軸の逆転加速とが重畳する場合、逆転重畳制御状態で、基準主軸の正転加速と重畳主軸の正転減速とが重畳する場合、逆転重畳制御状態で、基準主軸の逆転加速と重畳主軸の正転加速とが重畳する場合、逆転重畳制御状態で、基準主軸の逆転加速と重畳主軸の逆転減速とが重畳する場合、逆転重畳制御状態で、基準主軸の正転減速と重畳主軸の正転加速とが重畳する場合、逆転重畳制御状態で、基準主軸の正転減速と重畳主軸の逆転減速とが重畳する場合、逆転重畳制御状態で、基準主軸の逆転減速と重畳主軸の逆転加速とが重畳する場合、及び逆転重畳制御状態で、基準主軸の逆転減速と重畳主軸の正転減速とが重畳する場合であることを特徴とする請求項4に記載の数値制御装置の制御方法。
- 前記計算は、前記基準主軸と重畳主軸が同時に同方向に加減速が重なる場合の加減速時定数、及び前記基準主軸と重畳主軸が同時に同方向に加減速が重なる場合以外の場合の加減速時定数を計算するための値が記載されたテーブルの前記値を参照して行うことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の数値制御装置の制御方法。
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