JP2712172B2 - サーボモータ制御装置 - Google Patents
サーボモータ制御装置Info
- Publication number
- JP2712172B2 JP2712172B2 JP62087853A JP8785387A JP2712172B2 JP 2712172 B2 JP2712172 B2 JP 2712172B2 JP 62087853 A JP62087853 A JP 62087853A JP 8785387 A JP8785387 A JP 8785387A JP 2712172 B2 JP2712172 B2 JP 2712172B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- servo motor
- servomotor
- acceleration
- control
- target
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Control Of Position Or Direction (AREA)
- Numerical Control (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
技術分野
本発明はサーボモータの制御装置に係り、特に、作動
指令プログラムに従って作動中のサーボモータをその作
動状態に応じて作動途中から別の作動へ移らせることが
可能な制御装置に関するものである。 従来技術 各種のNC工作機械,ロボット,測定装置等においてサ
ーボモータが多用されている。そして、かかるサーボモ
ータの作動を制御する制御装置は、一般に、予め定めら
れた作動指令プログラムに従ってサーボモータが作動す
るようにフィードバック制御するようになっている。す
なわち、例えば目標回転位置および目標回転速度を指令
する作動指令プログラムが設定されると、サーボモータ
の回転速度が0の状態から目標回転速度となるまで増速
した後、その目標回転速度で定速回転させ、その後、減
速して回転速度が0となった時に目標回転位置に到達す
るように、回転位置や回転速度を制御要素としてサーボ
モータをフィードバック制御するのである。特開昭60−
2084号公報に記載されている装置は、サーボモータの回
転位置および回転速度を制御要素としてフィードバック
制御する制御装置の一例である。 発明が解決しようとする問題点 ところで、かかる従来のサーボモータ制御装置は、作
動指令プログラムに従ってサーボモータをフィードバッ
ク制御している間は、通常、その一連の作動が終了する
までは途中で他の作動に移らせることができなかった。
このため、例えばサーボモータの作動状態が異常である
ことを事前に検知して事故の発生を未然に防止したり、
工作条件等に応じてサーボモータの作動を途中で変更し
たりすることができないなど、サーボモータの作動を制
御する上での自由度が低く、必ずしもユーザーのニーズ
に充分に応えているとは言い難かったのである。 なお、トルクセンサ等を用いてサーボモータの出力ト
ルクが過大となった場合などにその作動を緊急停止させ
ることが行われているが、これはあくまでも保安装置と
して作用するのみで、これによってサーボモータの作動
を制御する上での自由度が向上するものではない。 問題点を解決するための手段 本発明は以上の事情を背景として為されたものであ
り、その目的とするところは、作動指令プログラムに従
って作動中のサーボモータをその作動状態に応じて作動
途中から別の作動へ移らせることができるようにするこ
とにある。 そして、かかる目的を達成するため、本発明は、予め
定められた作動指令プログラムに従ってサーボモータが
作動するようにフィードバック制御する装置において、
(a)前記サーボモータの実際の作動状態を検出する検
出手段と、(b)前記フィードバック制御の制御ループ
内に設けられ、前記検出手段によって検出された前記サ
ーボモータの実際の作動状態が予め定められた飛越し条
件を満足するか否かを判断して、その飛越し(スキッ
プ)条件を満足すると判断したときには予め定められた
飛越しプログラムに従って前記サーボモータを作動させ
る判断処理手段と、(c)前記飛越し条件および前記飛
越しプログラムを設定する設定手段とを有し、且つ
(d)前記検出手段は、前記サーボモータの実際の作動
状態として作動時間,回転位置,回転速度,加速度およ
び出力トルクを検出するものであり、前記サーボモータ
は、その検出手段によって検出された実際の作動状態に
基づいてフィードバック制御されるものであり、前記飛
越し条件は、前記作動時間,回転位置,回転速度,加速
度および出力トルクの中の少なくとも一つについて設定
されるものであることを特徴とする。 作用および発明の効果 このようなサーボモータ制御装置においては、検出手
段によってサーボモータの実際の作動状態が検出される
とともに、判断処理手段によってその実際の作動状態が
設定手段により予め定められた飛越し条件を満足するか
否かが判断され、飛越し条件を満足する場合にはサーボ
モータを予め定められた飛越しプログラムに従って作動
させる。 ここで、上記判断処理手段はフィードバック制御の制
御ループ内に設けられているため、サーボモータの実際
の作動状態が飛越し条件を満足するか否かをリアルタイ
ムで判断できるとともに、一つの作動指令プログラムに
従ってサーボモータの作動を制御している途中であって
も、その判断結果によって直ちに飛越しプログラムに従
ってサーボモータを作動させることが可能なのである。 特に、上記検出手段は、サーボモータの実際の作動状
態として作動時間,回転位置,回転速度,加速度および
出力トルクを検出するもので、前記飛越し条件は、その
作動時間,回転位置,回転速度,加速度および出力トル
クの中の少なくとも一つについて設定されるため、設定
手段によって飛越し条件および飛越しプログラムを適宜
設定しておくことにより、例えばサーボモータの作動状
態が異常であることを事前に検知して事故の発生を未然
に防止したり、工作条件等に応じてサーボモータの作動
を途中で変更したり、或いはサーボモータを駆動源とし
て利用した測定装置等においては作動状態がある条件に
達した時にそのサーボモータの作動を自動的に切り換え
たりすることができるなど、サーボモータの作動を制御
する上での自由度が大幅に向上するのである。 実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。 先ず、第1図の本実施例のサーボモータ制御装置のハ
ードウェア構成を示すブロック線図であり、設定入力器
10,CPU12,ROM14およびRAM16を備えている。設定入力器1
0は、ACサーボモータ18の制御データを設定入力するた
めのもので、キー入力,紙テープ,磁気テープ等によっ
てその制御データをCPU12に入力する。 制御データは、例えば第2図に示されているように複
数の一連の工程データから成り、その工程データは指令
プログラムと指令内容とから構成されている。指令プロ
グラムには、位置指令プログラム「POS」,判断指令プ
ログラム「TRAP」,終了指令プログラム「END」,待機
指令プログラム「TIME」,データ指令プログラム「JM
P」等がある。位置指令プログラム「POS」は作動指令プ
ログラムを成すもので、その指令内容には、ACサーボモ
ータ18の目標回転位置X,目標回転速度F,目標加速度K,お
よび目標回転位置Xに到達するまでの目標所要時間Eの
4つの設定要素が含まれており、これ等は予め制御装置
に設定されている基本制御パターンに基づいて所望する
値に設定される。この基本制御パターンは、例えば第3
図に示されているように時間0〜t1の増速段階I,時間t1
〜t2の定速段階II,および時間t1〜t3の減速段階IIIから
成るもので、前記目標回転位置Xは回転速度と時間との
積である面積Sを定め、目標回転速度Fは定速段階IIに
おける回転速度vを定め、目標加速度Kは増速段階Iお
よび減速段階IIIにおける加速度を定め、目標所要時間
Eは時間t3を定めるものであるが、それ等4つの設定要
素の中の任意の3つが設定されれば残りの1つは一義的
に定まるため、4つの設定要素の中の3つを任意に選択
して設定すればよい。なお、上記目標回転位置X,目標回
転速度Fおよび目標加速度Kは、ACサーボモータ18によ
り送りねじ20を介して駆動されるNCテーブル22の位置,
移動速度および加速度で設定することもできる。 また、判断指令プログラム「TRAP」の指令内容は、次
の工程データNo.03の実行中に判断処理させる飛越し条
件と飛越し工程データNo.を含んでおり、具体的にはAC
サーボモータ18の実際の回転位置PXが150000を越えたら
工程データNo.10を実行させるように設定されている。
本実施例では、この「PX>150000」が飛越し条件で工程
データNo.10が飛越しプログラムに相当する。また、こ
れ等のデータを設定する設定入力器10は設定手段を成し
ている。 更に、前記終了指令プログラム「END」は作動終了を
意味し、待機指令プログラム「TIME」は一定時間だけ作
動を停止させるものであり、データ指令プログラム「JM
P」は次に実行させるべき工程データを指令するもので
ある。 第1図に戻って、前記ROM14は、前記位置指令プログ
ラム「POS」に基づいて制御パターンを作成するととも
に、ACサーボモータ18がその制御パターンに従って作動
するように、回転位置,回転速度および加速度を制御要
素としてフィードバック制御するための一連の処理ロジ
ックが記憶されているプログラムメモリ24を備えてお
り、RAM16は、前記制御データおよび制御パターンが記
憶される制御データメモリ26および制御パターンメモリ
28を備えている。そして、CPU12は、上記ROM14のプログ
ラムメモリ24に記憶された処理ロジックに従って信号処
理を行い、ACサーボモータ18を駆動するための駆動信号
SSをモータ駆動装置30に出力する。このCPU12には、上
記制御データの他にモータ電流検出器32からA/Dコンバ
ータ34を経てACサーボモータ18の実際のモータ電流を表
す電流信号SAが供給されるとともに、エンコーダ36およ
びクロック信号発生源38からそれぞれACサーボモータ18
の実際の回転位置を表す位置信号SXおよびクロック信号
SCが供給されるようになっている。 このように構成されたサーボモータ制御装置は、第4
図のブロック線図に示されている機能を備えている。こ
の機能は前記プログラムメモリ24に記憶されている処理
ロジックが実行されることによって発揮されるもので、
前記設定入力器10から入力された制御データは先ず制御
データメモリ26に記憶され、その後その制御データの中
のフィードバック制御を行うべき指令プログラム、本実
施例では位置指令プログラムを一工程データ毎に読み出
して制御パターン作成ブロック40に供給する。制御パタ
ーン作成ブロック40は、読み出された位置指令プログラ
ムと前記基本制御パターンとに基づいて、その位置指令
プログラム通りにACサーボモータ18を作動させるための
制御パターンを作成する。この制御パターンは、第5図
に示されているように、ACサーボモータ18が位置すべき
理論上の回転位置を予め定められた所定の時間間隔、例
えば1m秒毎に求めたものである。 ここで、上記位置指令プログラムには、通常は4つの
設定要素の中の任意の3つの値が含まれていて、その3
つの値を満足するように制御パターンは作成される。し
かし、目標回転位置X,目標回転速度F,目標加速度Kおよ
び目標所要時間Eの中の2つしか設定されていない場合
には、予め定められた基準回転速度,基準加速度を目標
回転速度F,目標加速度Kとして制御パターンを作成する
ようになっている。すなわち、例えば目標回転位置Xお
よび目標加速度Kのみが設定されている場合、或いは目
標回転位置Xおよび目標所要時間Eのみが設定されてい
る場合には、それぞれ基準回転速度を目標回転速度Fと
して制御パターンを作成し、目標回転位置Xおよび目標
回転速度Fのみが設定されている場合には基準加速度を
目標加速度Kとして制御パターンを作成するのである。
なお、目標回転位置Xおよび目標所要時間Eのみが設定
されている場合には、基準加速度を目標加速度Kとして
制御パターンを作成させるようにすることもできる。 また、目標回転位置X,目標回転速度Fおよび目標加速
度KがNCテーブル22の位置,移動速度および加速度で入
力される場合には、この制御パターンを作成するのに先
立って送りねじ20のピッチに基づいてACサーボモータ18
の目標回転位置X,目標回転速度Fおよび目標加速度Kに
変換するか、NCテーブル22が位置すべき理論位置を算出
してそれをACサーボモータ18の理論回転位置に変換する
ようにすればよい。 このようにして制御パターン作成ブロック40において
一工程データ毎に作成された制御パターンは、その後制
御パターンメモリ28に記憶される。そして、この制御パ
ターンは一工程データ毎に読み出され、その理論回転位
置が前記所定の時間間隔で逐次位置偏差算出ブロック42
に供給される。位置偏差算出ブロック42には、前記エン
コーダ36からACサーボモータ18の実際の回転位置を表す
位置信号SXが供給されるようになっており、位置偏差算
出ブロック42はその実際の回転位置と理論回転位置との
位置偏差を算出してその結果を第1演算ブロック44へ出
力する。 第1演算ブロック44は、予め定められた演算式に従っ
て位置偏差を演算処理することにより、その時のACサー
ボモータ18の理論上の回転速度、すなわち前記制御パタ
ーンの一回微分に相当する値を求め、それを速度偏差算
出ブロック46へ出力する。速度偏差算出ブロック46に
は、前記位置信号SXに基づいてACサーボモータ18の実際
の回転速度を算出する回転速度算出ブロック48からその
実際の回転速度を表す信号が供給されるようになってお
り、速度偏差算出ブロック46はその実際の回転速度と理
論回転速度との速度偏差を算出してその結果を第2演算
ブロック50へ出力する。 第2演算ブロック50は、予め定められた演算式に従っ
て速度偏差を演算処理することにより、その時のACサー
ボモータ18の理論上の加速度、すなわち前記制御パター
ンの二回微分に相当する値を求め、それを加速度偏差算
出ブロック52へ出力する。加速度偏差算出ブロック52に
は、前記位置信号SXに基づいてACサーボモータ18の実際
の加速度を算出する加速度算出ブロック54からその実際
の加速度を表す信号が供給されるようになっており、加
速度偏差算出ブロック52はその実際の加速度と理論加速
度との加速度偏差を算出してその結果を第3演算ブロッ
ク56へ出力する。 第3演算ブロック56は、上記加速度偏差算出ブロック
52によって算出された加速度偏差に基づいて、その加速
度偏差をなくすようにACサーボモータ18を作動させるた
めの最終的な目標電流を出力するもので、この目標電流
は前記位置偏差および速度偏差をもなくすように決定さ
れている。すなわち、前記第1演算ブロック44および第
2演算ブロック50は、この第3演算ブロック56から出力
される目標電流が位置偏差および速度偏差をなくすもの
となるようにそれぞれ演算処理するのである。 第3演算ブロック56から出力された目標電流は、通常
は位相同期ブロック60へ直接供給されるが、前記判断指
令プログラム「TRAP」の次の工程データNo.3が実行され
るときには、目標電流を位相同期ブロック60へ供給する
のに先立って判断処理ブロック58が実行される。判断処
理ブロック58には、ACサーボモータ18の実際の作動状態
として、前記エンコーダ36,回転速度算出ブロック48,加
速度算出ブロック54からそれぞれACサーボモータ18の実
際の回転位置,回転速度,加速度を表す信号が供給され
るとともに、出力トルク算出ブロック62からは前記電流
信号SAに基づいて算出したACサーボモータ18の実際の出
力トルクを表す信号が、また、作動時間算出ブロック64
からは前記クロック信号SCに基づいて一つの工程データ
の作動を開始してからの作動時間を表す信号がそれぞれ
供給されるようになっている。そして、上記作動状態が
前記判断指令プログラム「TRAP」に設定された飛越し条
件を満足するか否か、本実施例では実際の回転位置が15
0000を越えたか否かを判断し、越えていない場合には上
記目標電流を位相同期ブロック60へ供給するが、越えた
場合には位相同期ブロック60へ目標電流を送ることなく
「TRAP」に指令された工程データNo.10の制御パターン
を制御パターンメモリ28から読み出し、その工程データ
No.10の理論回転位置に従って位置偏差算出ブロック42
以下が実行される。この判断処理ブロック58は判断処理
手段を成すもので、エンコーダ36,回転速度算出ブロッ
ク48,加速度算出ブロック54,モータ電流検出器32,出力
トルク算出ブロック62および作動時間算出ブロック64は
ACサーボモータ18の実際の作動状態を検出する検出手段
を成している。 一方、上記位相同期ブロック60に供給された目標電流
は、そこでACサーボモータ18の実際の回転位相と同期さ
せられたのち電流偏差算出ブロック66に供給され、電流
信号SAが表すモータ電流との電流偏差が算出される。そ
して、その電流偏差は第4演算ブロック68において電圧
信号に変換され、パルス幅変調ブロック70においてパル
ス幅変調された後、駆動信号SSとしてモータ駆動装置30
に出力される。 これにより、ACサーボモータ18は、制御パターン作成
ブロック40において作成された制御パターンに従って、
回転位置,回転速度および加速度を制御要素としてフィ
ードバック制御されるとともに、工程データNo.03の実
行中にACサーボモータ18の回転位置が150000を越える
と、その作動途中から工程データNo.10が実行される。
本実施例では、上述した制御パターンメモリ28から一工
程データ毎に制御パターンを読み出し、その理論回転位
置を位置偏差算出ブロック42に供給して一連の信号処理
を行い、駆動信号SSをモータ駆動装置30に供給するまで
の各ブロックによってACサーボモータ18をフィードバッ
ク制御するための制御ループが構成されている。 第6図は、前記第2図の制御データに従ってACサーボ
モータ18が作動させられた場合の回転速度を示すタイム
チャートであり、時間T1〜T2は工程データNo.01に従っ
て作動させられている状態で、時間T2の時のACサーボモ
ータ18の回転位置は工程データNo.01の目標回転位置X
として設定されている0である。また、時間T2〜T3は工
程データNo.03に従って作動させられている状態である
が、時間T3の時にACサーボモータ18の回転位置は150000
となり、その工程データNo.03の目標回転位置Xとして
設定されている200000に到達する前にACサーボモータ18
の作動は一旦停止させられ、続いて工程データNo.10に
従って作動させられる。時間T3〜T4はその状態であり、
時間T4の時のACサーボモータ18の回転位置は工程データ
No.10の目標回転位置Xとして設定されている300000で
ある。更に、時間T4〜T5は工程データNo.11によりACサ
ーボモータ18の作動が1秒間停止させられた状態であ
り、時間T5〜T6は工程データNo.12のデータ指令プログ
ラムによって指令された工程データNo.01に従って作動
させられている状態である。 このように、本実施例のサーボモータ制御装置は、フ
ィードバック制御の制御ループ内に判断処理ブロック58
が設けられ、判断指令プログラムが設定された時にはそ
の指令内容に従ってACサーボモータ18の実際の作動状態
が飛越し条件を満足しているか否かの判断処理をリアル
タイムで行い、飛越し条件を満足したときには直ちに別
の指令プログラムに従ってACサーボモータ18を作動させ
るようになっているため、ACサーボモータ18の作動を制
御する上での自由度が向上する。特に、本実施例ではAC
サーボモータ18の実際の作動状態として回転位置,回転
速度,加速度,出力トルクおよび作動時間を検出するよ
うになっているため、種々の飛越し条件を設定すること
によりACサーボモータ18の機能を大幅に拡大することが
できるのである。 例えば、上例では回転位置に基づいて別の指令プログ
ラムを実施させるようになっているが、工作条件等に応
じて回転位置,加速度および出力トルクの飛越し条件を
定めることにより、刃具の摩耗等を検知して作動を停止
させるなど、ACサーボモータ18の作動状態から事故の発
生を未然に防止するようにしたり、出力トルクが飛越し
条件を越えた場合には回転速度を小さくしてNCテーブル
22の移動速度を遅くするなど、工作条件に応じてACサー
ボモータ18を適応制御するようにしたりすることもでき
る。また、ACサーボモータ18によりねじ締め作業等を行
わせる場合には出力トルクの飛越し条件を定めて一定の
締付トルクに達したらねじ締め作業を終了させるように
計測制御を行ったり、ACサーボモータ18をエンジンの替
わりに用いてトランスミッションの試験等を行う測定装
置などの場合には作動時間によって回転速度を段階的に
変化させるようにしたりすることもできるのである。そ
の他、回転位置,回転速度,加速度,出力トルクおよび
作動時間の全てについて飛越し条件を設定しておき、そ
の中の一つでも飛越し条件に達したら、或いは全てが飛
越し条件に達したら別の作動へ移らせるようにするな
ど、種々の態様で作動を制御することができる。なお、
上例ではACサーボモータ18の作動が一旦停止させられる
ようになっているが、飛越し条件および飛越しプログラ
ムの内容によっては連続的に別の作動へ移らせることも
可能である。 以上、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
したが、本発明は他の態様で実施することもできる。 例えば、前記実施例では理論回転位置を指令する制御
パターンを作成し、位置偏差を求めてから速度偏差,加
速度偏差を順次算出してフィードバック制御するように
なっているが、理論回転速度または理論加速度を指令す
る制御パターンを作成して回転位置,回転速度および加
速度を制御要素としてフィードバック制御するようにし
たり、或いは理論回転位置,理論回転速度および理論加
速度を指令する制御パターンをそれぞれ作成してフィー
ドバック制御するようにしたりするなど、フィードバッ
ク制御の制御ループの態様は種々変更し得る。なお、回
転位置,回転速度および加速度の全てについてフィード
バック制御する必要はなく、それ等の中の一つ或いは二
つについてフィードバック制御するようにしても差支え
ないのであり、また、加速度の替わりに出力トルクをフ
ィードバック制御するようにすることもできる。 また、前記実施例では基準制御パターンに基づいて位
置指令プログラムが設定されているが、その基準制御パ
ターンは適宜変更できるものであり、また、位置指令プ
ログラムの替わりに速度指令プログラムや出力トルク指
令プログラム等を作動指令プログラムとして設定するこ
ともできる。 その他一々例示はしないが、本発明はその精神を逸脱
することなく当業者の知識に基づいて種々の変更,改良
を加えた態様で実施することができる。
指令プログラムに従って作動中のサーボモータをその作
動状態に応じて作動途中から別の作動へ移らせることが
可能な制御装置に関するものである。 従来技術 各種のNC工作機械,ロボット,測定装置等においてサ
ーボモータが多用されている。そして、かかるサーボモ
ータの作動を制御する制御装置は、一般に、予め定めら
れた作動指令プログラムに従ってサーボモータが作動す
るようにフィードバック制御するようになっている。す
なわち、例えば目標回転位置および目標回転速度を指令
する作動指令プログラムが設定されると、サーボモータ
の回転速度が0の状態から目標回転速度となるまで増速
した後、その目標回転速度で定速回転させ、その後、減
速して回転速度が0となった時に目標回転位置に到達す
るように、回転位置や回転速度を制御要素としてサーボ
モータをフィードバック制御するのである。特開昭60−
2084号公報に記載されている装置は、サーボモータの回
転位置および回転速度を制御要素としてフィードバック
制御する制御装置の一例である。 発明が解決しようとする問題点 ところで、かかる従来のサーボモータ制御装置は、作
動指令プログラムに従ってサーボモータをフィードバッ
ク制御している間は、通常、その一連の作動が終了する
までは途中で他の作動に移らせることができなかった。
このため、例えばサーボモータの作動状態が異常である
ことを事前に検知して事故の発生を未然に防止したり、
工作条件等に応じてサーボモータの作動を途中で変更し
たりすることができないなど、サーボモータの作動を制
御する上での自由度が低く、必ずしもユーザーのニーズ
に充分に応えているとは言い難かったのである。 なお、トルクセンサ等を用いてサーボモータの出力ト
ルクが過大となった場合などにその作動を緊急停止させ
ることが行われているが、これはあくまでも保安装置と
して作用するのみで、これによってサーボモータの作動
を制御する上での自由度が向上するものではない。 問題点を解決するための手段 本発明は以上の事情を背景として為されたものであ
り、その目的とするところは、作動指令プログラムに従
って作動中のサーボモータをその作動状態に応じて作動
途中から別の作動へ移らせることができるようにするこ
とにある。 そして、かかる目的を達成するため、本発明は、予め
定められた作動指令プログラムに従ってサーボモータが
作動するようにフィードバック制御する装置において、
(a)前記サーボモータの実際の作動状態を検出する検
出手段と、(b)前記フィードバック制御の制御ループ
内に設けられ、前記検出手段によって検出された前記サ
ーボモータの実際の作動状態が予め定められた飛越し条
件を満足するか否かを判断して、その飛越し(スキッ
プ)条件を満足すると判断したときには予め定められた
飛越しプログラムに従って前記サーボモータを作動させ
る判断処理手段と、(c)前記飛越し条件および前記飛
越しプログラムを設定する設定手段とを有し、且つ
(d)前記検出手段は、前記サーボモータの実際の作動
状態として作動時間,回転位置,回転速度,加速度およ
び出力トルクを検出するものであり、前記サーボモータ
は、その検出手段によって検出された実際の作動状態に
基づいてフィードバック制御されるものであり、前記飛
越し条件は、前記作動時間,回転位置,回転速度,加速
度および出力トルクの中の少なくとも一つについて設定
されるものであることを特徴とする。 作用および発明の効果 このようなサーボモータ制御装置においては、検出手
段によってサーボモータの実際の作動状態が検出される
とともに、判断処理手段によってその実際の作動状態が
設定手段により予め定められた飛越し条件を満足するか
否かが判断され、飛越し条件を満足する場合にはサーボ
モータを予め定められた飛越しプログラムに従って作動
させる。 ここで、上記判断処理手段はフィードバック制御の制
御ループ内に設けられているため、サーボモータの実際
の作動状態が飛越し条件を満足するか否かをリアルタイ
ムで判断できるとともに、一つの作動指令プログラムに
従ってサーボモータの作動を制御している途中であって
も、その判断結果によって直ちに飛越しプログラムに従
ってサーボモータを作動させることが可能なのである。 特に、上記検出手段は、サーボモータの実際の作動状
態として作動時間,回転位置,回転速度,加速度および
出力トルクを検出するもので、前記飛越し条件は、その
作動時間,回転位置,回転速度,加速度および出力トル
クの中の少なくとも一つについて設定されるため、設定
手段によって飛越し条件および飛越しプログラムを適宜
設定しておくことにより、例えばサーボモータの作動状
態が異常であることを事前に検知して事故の発生を未然
に防止したり、工作条件等に応じてサーボモータの作動
を途中で変更したり、或いはサーボモータを駆動源とし
て利用した測定装置等においては作動状態がある条件に
達した時にそのサーボモータの作動を自動的に切り換え
たりすることができるなど、サーボモータの作動を制御
する上での自由度が大幅に向上するのである。 実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。 先ず、第1図の本実施例のサーボモータ制御装置のハ
ードウェア構成を示すブロック線図であり、設定入力器
10,CPU12,ROM14およびRAM16を備えている。設定入力器1
0は、ACサーボモータ18の制御データを設定入力するた
めのもので、キー入力,紙テープ,磁気テープ等によっ
てその制御データをCPU12に入力する。 制御データは、例えば第2図に示されているように複
数の一連の工程データから成り、その工程データは指令
プログラムと指令内容とから構成されている。指令プロ
グラムには、位置指令プログラム「POS」,判断指令プ
ログラム「TRAP」,終了指令プログラム「END」,待機
指令プログラム「TIME」,データ指令プログラム「JM
P」等がある。位置指令プログラム「POS」は作動指令プ
ログラムを成すもので、その指令内容には、ACサーボモ
ータ18の目標回転位置X,目標回転速度F,目標加速度K,お
よび目標回転位置Xに到達するまでの目標所要時間Eの
4つの設定要素が含まれており、これ等は予め制御装置
に設定されている基本制御パターンに基づいて所望する
値に設定される。この基本制御パターンは、例えば第3
図に示されているように時間0〜t1の増速段階I,時間t1
〜t2の定速段階II,および時間t1〜t3の減速段階IIIから
成るもので、前記目標回転位置Xは回転速度と時間との
積である面積Sを定め、目標回転速度Fは定速段階IIに
おける回転速度vを定め、目標加速度Kは増速段階Iお
よび減速段階IIIにおける加速度を定め、目標所要時間
Eは時間t3を定めるものであるが、それ等4つの設定要
素の中の任意の3つが設定されれば残りの1つは一義的
に定まるため、4つの設定要素の中の3つを任意に選択
して設定すればよい。なお、上記目標回転位置X,目標回
転速度Fおよび目標加速度Kは、ACサーボモータ18によ
り送りねじ20を介して駆動されるNCテーブル22の位置,
移動速度および加速度で設定することもできる。 また、判断指令プログラム「TRAP」の指令内容は、次
の工程データNo.03の実行中に判断処理させる飛越し条
件と飛越し工程データNo.を含んでおり、具体的にはAC
サーボモータ18の実際の回転位置PXが150000を越えたら
工程データNo.10を実行させるように設定されている。
本実施例では、この「PX>150000」が飛越し条件で工程
データNo.10が飛越しプログラムに相当する。また、こ
れ等のデータを設定する設定入力器10は設定手段を成し
ている。 更に、前記終了指令プログラム「END」は作動終了を
意味し、待機指令プログラム「TIME」は一定時間だけ作
動を停止させるものであり、データ指令プログラム「JM
P」は次に実行させるべき工程データを指令するもので
ある。 第1図に戻って、前記ROM14は、前記位置指令プログ
ラム「POS」に基づいて制御パターンを作成するととも
に、ACサーボモータ18がその制御パターンに従って作動
するように、回転位置,回転速度および加速度を制御要
素としてフィードバック制御するための一連の処理ロジ
ックが記憶されているプログラムメモリ24を備えてお
り、RAM16は、前記制御データおよび制御パターンが記
憶される制御データメモリ26および制御パターンメモリ
28を備えている。そして、CPU12は、上記ROM14のプログ
ラムメモリ24に記憶された処理ロジックに従って信号処
理を行い、ACサーボモータ18を駆動するための駆動信号
SSをモータ駆動装置30に出力する。このCPU12には、上
記制御データの他にモータ電流検出器32からA/Dコンバ
ータ34を経てACサーボモータ18の実際のモータ電流を表
す電流信号SAが供給されるとともに、エンコーダ36およ
びクロック信号発生源38からそれぞれACサーボモータ18
の実際の回転位置を表す位置信号SXおよびクロック信号
SCが供給されるようになっている。 このように構成されたサーボモータ制御装置は、第4
図のブロック線図に示されている機能を備えている。こ
の機能は前記プログラムメモリ24に記憶されている処理
ロジックが実行されることによって発揮されるもので、
前記設定入力器10から入力された制御データは先ず制御
データメモリ26に記憶され、その後その制御データの中
のフィードバック制御を行うべき指令プログラム、本実
施例では位置指令プログラムを一工程データ毎に読み出
して制御パターン作成ブロック40に供給する。制御パタ
ーン作成ブロック40は、読み出された位置指令プログラ
ムと前記基本制御パターンとに基づいて、その位置指令
プログラム通りにACサーボモータ18を作動させるための
制御パターンを作成する。この制御パターンは、第5図
に示されているように、ACサーボモータ18が位置すべき
理論上の回転位置を予め定められた所定の時間間隔、例
えば1m秒毎に求めたものである。 ここで、上記位置指令プログラムには、通常は4つの
設定要素の中の任意の3つの値が含まれていて、その3
つの値を満足するように制御パターンは作成される。し
かし、目標回転位置X,目標回転速度F,目標加速度Kおよ
び目標所要時間Eの中の2つしか設定されていない場合
には、予め定められた基準回転速度,基準加速度を目標
回転速度F,目標加速度Kとして制御パターンを作成する
ようになっている。すなわち、例えば目標回転位置Xお
よび目標加速度Kのみが設定されている場合、或いは目
標回転位置Xおよび目標所要時間Eのみが設定されてい
る場合には、それぞれ基準回転速度を目標回転速度Fと
して制御パターンを作成し、目標回転位置Xおよび目標
回転速度Fのみが設定されている場合には基準加速度を
目標加速度Kとして制御パターンを作成するのである。
なお、目標回転位置Xおよび目標所要時間Eのみが設定
されている場合には、基準加速度を目標加速度Kとして
制御パターンを作成させるようにすることもできる。 また、目標回転位置X,目標回転速度Fおよび目標加速
度KがNCテーブル22の位置,移動速度および加速度で入
力される場合には、この制御パターンを作成するのに先
立って送りねじ20のピッチに基づいてACサーボモータ18
の目標回転位置X,目標回転速度Fおよび目標加速度Kに
変換するか、NCテーブル22が位置すべき理論位置を算出
してそれをACサーボモータ18の理論回転位置に変換する
ようにすればよい。 このようにして制御パターン作成ブロック40において
一工程データ毎に作成された制御パターンは、その後制
御パターンメモリ28に記憶される。そして、この制御パ
ターンは一工程データ毎に読み出され、その理論回転位
置が前記所定の時間間隔で逐次位置偏差算出ブロック42
に供給される。位置偏差算出ブロック42には、前記エン
コーダ36からACサーボモータ18の実際の回転位置を表す
位置信号SXが供給されるようになっており、位置偏差算
出ブロック42はその実際の回転位置と理論回転位置との
位置偏差を算出してその結果を第1演算ブロック44へ出
力する。 第1演算ブロック44は、予め定められた演算式に従っ
て位置偏差を演算処理することにより、その時のACサー
ボモータ18の理論上の回転速度、すなわち前記制御パタ
ーンの一回微分に相当する値を求め、それを速度偏差算
出ブロック46へ出力する。速度偏差算出ブロック46に
は、前記位置信号SXに基づいてACサーボモータ18の実際
の回転速度を算出する回転速度算出ブロック48からその
実際の回転速度を表す信号が供給されるようになってお
り、速度偏差算出ブロック46はその実際の回転速度と理
論回転速度との速度偏差を算出してその結果を第2演算
ブロック50へ出力する。 第2演算ブロック50は、予め定められた演算式に従っ
て速度偏差を演算処理することにより、その時のACサー
ボモータ18の理論上の加速度、すなわち前記制御パター
ンの二回微分に相当する値を求め、それを加速度偏差算
出ブロック52へ出力する。加速度偏差算出ブロック52に
は、前記位置信号SXに基づいてACサーボモータ18の実際
の加速度を算出する加速度算出ブロック54からその実際
の加速度を表す信号が供給されるようになっており、加
速度偏差算出ブロック52はその実際の加速度と理論加速
度との加速度偏差を算出してその結果を第3演算ブロッ
ク56へ出力する。 第3演算ブロック56は、上記加速度偏差算出ブロック
52によって算出された加速度偏差に基づいて、その加速
度偏差をなくすようにACサーボモータ18を作動させるた
めの最終的な目標電流を出力するもので、この目標電流
は前記位置偏差および速度偏差をもなくすように決定さ
れている。すなわち、前記第1演算ブロック44および第
2演算ブロック50は、この第3演算ブロック56から出力
される目標電流が位置偏差および速度偏差をなくすもの
となるようにそれぞれ演算処理するのである。 第3演算ブロック56から出力された目標電流は、通常
は位相同期ブロック60へ直接供給されるが、前記判断指
令プログラム「TRAP」の次の工程データNo.3が実行され
るときには、目標電流を位相同期ブロック60へ供給する
のに先立って判断処理ブロック58が実行される。判断処
理ブロック58には、ACサーボモータ18の実際の作動状態
として、前記エンコーダ36,回転速度算出ブロック48,加
速度算出ブロック54からそれぞれACサーボモータ18の実
際の回転位置,回転速度,加速度を表す信号が供給され
るとともに、出力トルク算出ブロック62からは前記電流
信号SAに基づいて算出したACサーボモータ18の実際の出
力トルクを表す信号が、また、作動時間算出ブロック64
からは前記クロック信号SCに基づいて一つの工程データ
の作動を開始してからの作動時間を表す信号がそれぞれ
供給されるようになっている。そして、上記作動状態が
前記判断指令プログラム「TRAP」に設定された飛越し条
件を満足するか否か、本実施例では実際の回転位置が15
0000を越えたか否かを判断し、越えていない場合には上
記目標電流を位相同期ブロック60へ供給するが、越えた
場合には位相同期ブロック60へ目標電流を送ることなく
「TRAP」に指令された工程データNo.10の制御パターン
を制御パターンメモリ28から読み出し、その工程データ
No.10の理論回転位置に従って位置偏差算出ブロック42
以下が実行される。この判断処理ブロック58は判断処理
手段を成すもので、エンコーダ36,回転速度算出ブロッ
ク48,加速度算出ブロック54,モータ電流検出器32,出力
トルク算出ブロック62および作動時間算出ブロック64は
ACサーボモータ18の実際の作動状態を検出する検出手段
を成している。 一方、上記位相同期ブロック60に供給された目標電流
は、そこでACサーボモータ18の実際の回転位相と同期さ
せられたのち電流偏差算出ブロック66に供給され、電流
信号SAが表すモータ電流との電流偏差が算出される。そ
して、その電流偏差は第4演算ブロック68において電圧
信号に変換され、パルス幅変調ブロック70においてパル
ス幅変調された後、駆動信号SSとしてモータ駆動装置30
に出力される。 これにより、ACサーボモータ18は、制御パターン作成
ブロック40において作成された制御パターンに従って、
回転位置,回転速度および加速度を制御要素としてフィ
ードバック制御されるとともに、工程データNo.03の実
行中にACサーボモータ18の回転位置が150000を越える
と、その作動途中から工程データNo.10が実行される。
本実施例では、上述した制御パターンメモリ28から一工
程データ毎に制御パターンを読み出し、その理論回転位
置を位置偏差算出ブロック42に供給して一連の信号処理
を行い、駆動信号SSをモータ駆動装置30に供給するまで
の各ブロックによってACサーボモータ18をフィードバッ
ク制御するための制御ループが構成されている。 第6図は、前記第2図の制御データに従ってACサーボ
モータ18が作動させられた場合の回転速度を示すタイム
チャートであり、時間T1〜T2は工程データNo.01に従っ
て作動させられている状態で、時間T2の時のACサーボモ
ータ18の回転位置は工程データNo.01の目標回転位置X
として設定されている0である。また、時間T2〜T3は工
程データNo.03に従って作動させられている状態である
が、時間T3の時にACサーボモータ18の回転位置は150000
となり、その工程データNo.03の目標回転位置Xとして
設定されている200000に到達する前にACサーボモータ18
の作動は一旦停止させられ、続いて工程データNo.10に
従って作動させられる。時間T3〜T4はその状態であり、
時間T4の時のACサーボモータ18の回転位置は工程データ
No.10の目標回転位置Xとして設定されている300000で
ある。更に、時間T4〜T5は工程データNo.11によりACサ
ーボモータ18の作動が1秒間停止させられた状態であ
り、時間T5〜T6は工程データNo.12のデータ指令プログ
ラムによって指令された工程データNo.01に従って作動
させられている状態である。 このように、本実施例のサーボモータ制御装置は、フ
ィードバック制御の制御ループ内に判断処理ブロック58
が設けられ、判断指令プログラムが設定された時にはそ
の指令内容に従ってACサーボモータ18の実際の作動状態
が飛越し条件を満足しているか否かの判断処理をリアル
タイムで行い、飛越し条件を満足したときには直ちに別
の指令プログラムに従ってACサーボモータ18を作動させ
るようになっているため、ACサーボモータ18の作動を制
御する上での自由度が向上する。特に、本実施例ではAC
サーボモータ18の実際の作動状態として回転位置,回転
速度,加速度,出力トルクおよび作動時間を検出するよ
うになっているため、種々の飛越し条件を設定すること
によりACサーボモータ18の機能を大幅に拡大することが
できるのである。 例えば、上例では回転位置に基づいて別の指令プログ
ラムを実施させるようになっているが、工作条件等に応
じて回転位置,加速度および出力トルクの飛越し条件を
定めることにより、刃具の摩耗等を検知して作動を停止
させるなど、ACサーボモータ18の作動状態から事故の発
生を未然に防止するようにしたり、出力トルクが飛越し
条件を越えた場合には回転速度を小さくしてNCテーブル
22の移動速度を遅くするなど、工作条件に応じてACサー
ボモータ18を適応制御するようにしたりすることもでき
る。また、ACサーボモータ18によりねじ締め作業等を行
わせる場合には出力トルクの飛越し条件を定めて一定の
締付トルクに達したらねじ締め作業を終了させるように
計測制御を行ったり、ACサーボモータ18をエンジンの替
わりに用いてトランスミッションの試験等を行う測定装
置などの場合には作動時間によって回転速度を段階的に
変化させるようにしたりすることもできるのである。そ
の他、回転位置,回転速度,加速度,出力トルクおよび
作動時間の全てについて飛越し条件を設定しておき、そ
の中の一つでも飛越し条件に達したら、或いは全てが飛
越し条件に達したら別の作動へ移らせるようにするな
ど、種々の態様で作動を制御することができる。なお、
上例ではACサーボモータ18の作動が一旦停止させられる
ようになっているが、飛越し条件および飛越しプログラ
ムの内容によっては連続的に別の作動へ移らせることも
可能である。 以上、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
したが、本発明は他の態様で実施することもできる。 例えば、前記実施例では理論回転位置を指令する制御
パターンを作成し、位置偏差を求めてから速度偏差,加
速度偏差を順次算出してフィードバック制御するように
なっているが、理論回転速度または理論加速度を指令す
る制御パターンを作成して回転位置,回転速度および加
速度を制御要素としてフィードバック制御するようにし
たり、或いは理論回転位置,理論回転速度および理論加
速度を指令する制御パターンをそれぞれ作成してフィー
ドバック制御するようにしたりするなど、フィードバッ
ク制御の制御ループの態様は種々変更し得る。なお、回
転位置,回転速度および加速度の全てについてフィード
バック制御する必要はなく、それ等の中の一つ或いは二
つについてフィードバック制御するようにしても差支え
ないのであり、また、加速度の替わりに出力トルクをフ
ィードバック制御するようにすることもできる。 また、前記実施例では基準制御パターンに基づいて位
置指令プログラムが設定されているが、その基準制御パ
ターンは適宜変更できるものであり、また、位置指令プ
ログラムの替わりに速度指令プログラムや出力トルク指
令プログラム等を作動指令プログラムとして設定するこ
ともできる。 その他一々例示はしないが、本発明はその精神を逸脱
することなく当業者の知識に基づいて種々の変更,改良
を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例であるサーボモータ制御装置
の構成を説明するブロック線図である。第2図は第1図
の制御装置に設定入力される制御データの一例を視覚的
に示したものである。第3図は第1図の装置に予め設定
されている基本制御パターンの概念図である。第4図は
第1図の装置の機能を説明するブロック線図である。第
5図は第4図の制御パターン作成ブロックにおいて作成
される制御パターンの概念図である。第6図は第1図の
サーボモータが第2図の制御データに従って作動させら
れた場合の回転速度のタイムチャートである。 10:設定入力器(設定手段) 18:ACサーボモータ(サーボモータ) 32:モータ電流検出器、36:エンコーダ 38:クロック信号発生源 48:回転速度算出ブロック 54:加速度算出ブロック 58:判断処理ブロック(判断処理手段) 62:出力トルク算出ブロック 64:作動時間算出ブロック 工程データNo.01,03:位置指令プログラム(作動指令プ
ログラム) 工程データNo.02:判断指令プログラム(飛越し条件) 工程データNo.10:位置指令プログラム(飛越しプログラ
ム)
の構成を説明するブロック線図である。第2図は第1図
の制御装置に設定入力される制御データの一例を視覚的
に示したものである。第3図は第1図の装置に予め設定
されている基本制御パターンの概念図である。第4図は
第1図の装置の機能を説明するブロック線図である。第
5図は第4図の制御パターン作成ブロックにおいて作成
される制御パターンの概念図である。第6図は第1図の
サーボモータが第2図の制御データに従って作動させら
れた場合の回転速度のタイムチャートである。 10:設定入力器(設定手段) 18:ACサーボモータ(サーボモータ) 32:モータ電流検出器、36:エンコーダ 38:クロック信号発生源 48:回転速度算出ブロック 54:加速度算出ブロック 58:判断処理ブロック(判断処理手段) 62:出力トルク算出ブロック 64:作動時間算出ブロック 工程データNo.01,03:位置指令プログラム(作動指令プ
ログラム) 工程データNo.02:判断指令プログラム(飛越し条件) 工程データNo.10:位置指令プログラム(飛越しプログラ
ム)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.予め定められた作動指令プログラムに従ってサーボ
モータが作動するようにフィードバック制御する装置に
おいて、 前記サーボモータの実際の作動状態を検出する検出手段
と、 前記フィードバック制御の制御ループ内に設けられ、前
記検出手段によって検出された前記サーボモータの実際
の作動状態が予め定められた飛越し条件を満足するか否
かを判断して、該飛越し条件を満足すると判断したとき
には予め定められた飛越しプログラムに従って前記サー
ボモータを作動させる判断処理手段と、 前記飛越し条件および前記飛越しプログラムを設定する
設定手段と を有し、且つ 前記検出手段は、前記サーボモータの実際の作動状態と
して作動時間,回転位置,回転速度,加速度および出力
トルクを検出するものであり、前記サーボモータは、該
検出手段によって検出された実際の作動状態に基づいて
フィードバック制御されるものであり、前記飛越し条件
は、前記作動時間,回転位置,回転速度,加速度および
出力トルクの中の少なくとも一つについて設定されるも
のである ことを特徴とするサーボモータ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62087853A JP2712172B2 (ja) | 1987-04-09 | 1987-04-09 | サーボモータ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62087853A JP2712172B2 (ja) | 1987-04-09 | 1987-04-09 | サーボモータ制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63253414A JPS63253414A (ja) | 1988-10-20 |
JP2712172B2 true JP2712172B2 (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=13926443
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62087853A Expired - Fee Related JP2712172B2 (ja) | 1987-04-09 | 1987-04-09 | サーボモータ制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2712172B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103797430B (zh) * | 2011-09-15 | 2016-01-13 | 三菱电机株式会社 | 数控装置、加工系统以及数控方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS55125990A (en) * | 1979-03-20 | 1980-09-29 | Tokico Ltd | Industrial robot |
JPS6063605A (ja) * | 1983-09-16 | 1985-04-12 | Fanuc Ltd | 複合スキップ機能を有する数値制御装置 |
JPS622303A (ja) * | 1985-06-27 | 1987-01-08 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | プログラムの再開機能装置 |
-
1987
- 1987-04-09 JP JP62087853A patent/JP2712172B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63253414A (ja) | 1988-10-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5599142A (en) | Drilling control apparatus | |
US20160116896A1 (en) | Numerical control device | |
JP3558508B2 (ja) | Nc工作機械の制御装置 | |
JPH04123107A (ja) | 負荷状態描画方式 | |
EP0428950B1 (en) | Motor driving control apparatus | |
JP2712172B2 (ja) | サーボモータ制御装置 | |
EP1139561A2 (en) | Electric Motor control device | |
JP6464135B2 (ja) | 数値制御装置 | |
JP2004102568A (ja) | 数値制御装置 | |
JP2880211B2 (ja) | 工具負荷監視制御方法 | |
JP2668876B2 (ja) | サーボモータ制御装置 | |
JP3427800B2 (ja) | 数値制御装置 | |
JPS63265582A (ja) | サ−ボモ−タ制御装置 | |
JPH0751992A (ja) | 穴開け加工方式 | |
JP4087374B2 (ja) | 負荷トルク監視機能を備えた数値制御装置 | |
JP2570733B2 (ja) | サ−ボモ−タ制御装置 | |
JPH0887329A (ja) | 位置決め制御器 | |
JP2831700B2 (ja) | パルスモータの手動操作制御装置 | |
JP2504973B2 (ja) | 数値制御装置 | |
JPH033757A (ja) | 切削負荷管理方式 | |
JPH0885044A (ja) | 加工負荷監視方式 | |
JPH11212617A (ja) | 複数の加工プログラムの制御装置 | |
JPH02212905A (ja) | Ncプログラム経路の倣い装置と半自動マニピュレータ | |
JPH0751995A (ja) | 加工負荷監視方式 | |
JPH048485A (ja) | コンベア付きロボットシステムの教示方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |